JP6706172B2 - コントローラおよびデータ転送制御方法 - Google Patents
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Description
従来、このようなシステム構成においてデータを効率よく転送するため、データの値が変化した場合にのみ、新たなデータを転送する変化通知方式が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
このため、ネットワークの伝送容量やデータ転送を行うソフトウェアの負荷(仕様)を考慮して、データ転送周期を適切に設定する必要があるが、上位システムからのデータアクセスに応じて転送対象となるデータの数は運用中に逐次増減することが多く、データ転送周期を適切な値に設定することは難しい。
また、仮に把握できたとしても、データ転送周期を決定し、変化通知を行うソフトウェアに新たなデータ転送周期を設定するためのソフトウェアを開発する必要があるため、容易に対応できないという問題点があった。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラ10について説明する。図1は、コントローラの構成を示すブロック図である。
このコントローラ10は、工場、プラント、ビルなどの遠隔制御システムで広く用いられる産業用コントローラからなり、取得対象となるデータを指定した上位システム30からのデータアクセスに基づいて、伝送回線Lを介して接続された複数のフィールド機器20から取得対象となるデータを取得し、変化通知方式により通信ネットワークNWを介して上位システム30の上位処理部31へ転送する機能を有している。
二次キャッシュ13は、半導体メモリからなり、一次キャッシュ12からデータ処理部16によりキャッシュ更新周期Tで読み出されたデータを一時的に記憶する機能を有している。
通信I/F部15は、通信ネットワークNWを介して上位システム30や他のコントローラ10との間でデータ通信を行う機能を有している。
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかるコントローラ10の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかるキャッシュ更新周期設定処理を示すフローチャートである。
コントローラ10のデータ処理部16は、取得対象となるフィールド機器20のデータを指定した上位システム30からのデータアクセスに応じて、図2のキャッシュ更新周期設定処理を開始する。
データアクセスとは、上位システム30からコントローラ10に対して、取得対象となるフィールド機器20およびデータを指定したデータ取得要求であり、データアクセス総数Xは、データ取得要求の総数に相当する。
これにより、例えば、SmaxがWmaxにより特定されるものとして、通信ネットワークNWが100BASE−TXに準拠している場合、Smax(Wmax)は100Mbpsとなり、データアクセス総数Xが100個の場合、キャッシュ更新周期T=100/(100×106/sec)=1×10-6sec=1μsecとなる。
このように、本実施の形態は、フィールド機器20から順次取得したデータを一時的に記憶する一次キャッシュ12と、一次キャッシュ12から読み出されたデータを一時的に記憶する二次キャッシュ13と、二次キャッシュ13で記憶されているデータの値が変化した場合に、二次キャッシュ13から値が変化したデータを読み出して通信ネットワークNWを介して上位システム30へ転送する変化通知部14と、一次キャッシュ12で記憶されているデータを、設定されているキャッシュ更新周期で読み出して二次キャッシュ13に書き込むデータ処理部16とを備えたものである。
また、本実施の形態において、キャッシュ更新周期を各コントローラ10で計算する場合を例として説明したが、他のコントローラ10や、通信ネットワークNWを介して接続された外部装置(図示せず)で、前述のようにして計算したキャッシュ更新周期を、データ処理部16で用いるようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるコントローラ10について説明する。
データアクセスのそれぞれに優先度iが設定されている場合、優先度iが高いほど短い周期で上位システム30へ転送する必要がある。このため、優先度iごとに異なるキャッシュ更新周期Tiを求める必要がある。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかるコントローラ10の動作について説明する。図3は、第2の実施の形態にかかるキャッシュ更新周期設定処理を示すフローチャートである。
コントローラ10のデータ処理部16は、取得対象となるフィールド機器20のデータを指定した上位システム30からのデータアクセスに応じて、図3のキャッシュ更新周期設定処理を開始する。
データアクセスとは、上位システム30からコントローラ10に対して、取得対象となるフィールド機器20およびデータと優先度iとを指定したデータ取得要求であり、データアクセス総数Xiは、優先度iが指定されたデータ取得要求の総数に相当する。
「標準」:Ai=1(基準キャッシュ更新周期で転送)
「常時高」:Ai=1.5(基準キャッシュ更新周期より常に高速転送)
「常時低」:Ai=0.7(基準キャッシュ更新周期より常に低速転送)
このように、本実施の形態は、キャッシュ更新周期を設定する際、データアクセス総数Xに代えて、データアクセスの優先度iを示す優先度係数Aiを、優先度iが割り当てられているデータアクセスのデータアクセス総数Xiと積和演算し、得られた演算結果Σ(Ai×Xi)を総通信量上限値Smaxで除算し、得られた基準キャッシュ更新周期Tsに優先度係数Aiで除算することにより、それぞれの優先度iの個別キャッシュ更新周期Tiを算出して、新たに設定するようにしたものである。
これにより、転送回数が多いほど優先度係数Aiを高くすることができ、頻繁に更新されるデータのキャッシュ更新周期Tiが短くなり、効率よくスムーズにデータを転送することができる。なお、優先度係数Aiを適用するデータは、グループ化されたデータであってもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるコントローラ10について説明する。
各データアクセスについては、各種のイベントが発生して、上位システム30へ転送すべきデータが一時的に増大する場合がある。このイベントの例としては、上位システム30からデータ取得のサブスクリプションが設定された場合や、特定のデータあるいはデータグループ(同時にサブスクリプションが設定されたデータ群や、事前に定義されたデータ群など)について、いずれかのデータの値が上位システム30から変更された場合がある。このほか、上位システム30やフィールド機器20がタブレットやスマートフォン、ウェアラブル端末が備えている各種センサ(音声、GPS、ジャイロ、加速度、照度、近接などのセンサ)から取得したイベントでもよい。
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるコントローラ10の動作について説明する。図4は、第3の実施の形態にかかるキャッシュ更新周期変更処理を示すフローチャートである。
コントローラ10のデータ処理部16は、取得対象となるフィールド機器20のデータを指定した上位システム30からのデータアクセスに応じて、図4のキャッシュ更新周期変更処理を開始する。
これにより、イベントが発生したデータアクセスjのデータが他のデータアクセスkに優先して、上位システム30に転送されることになる。これら短縮・延長の幅については、予め内部メモリに設定されている値に基づき短縮・延長してもよく、発生イベントの内容に基づき短縮・延長幅を計算してもよい。
時刻t1にデータアクセスjに関するイベントが発生した場合、キャッシュ更新周期Tjが短縮されるとともに、他のデータアクセスkのキャッシュ更新周期Tkが延長されており、時刻t1から一定時間Te経過後の時刻t2に、キャッシュ更新周期Tj,Tkが基準キャッシュ更新周期Tsに初期化されている。
このように、本実施の形態は、データ処理部16が、データアクセスのうち特定データアクセスに対して、予め設定されているイベントが発生した場合、一定時間Teだけ、特定データアクセスjに関するキャッシュ更新周期Tjを短縮するとともに、特定データアクセス以外の他データアクセスkに関するキャッシュ更新周期Tkを延長するようにしたものである。
これにより、イベントの発生に応じて、上位システム30へ転送すべきデータが一時的に増大する場合でも、柔軟に対応することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (5)
- 取得対象となるデータを指定した上位システムからのデータアクセスに基づいて、配下に位置する複数のフィールド機器から取得した前記データを、変化通知方式により通信ネットワークを介して前記上位システムへ転送するコントローラであって、
フィールド機器から順次取得したデータを一時的に記憶する一次キャッシュと、
前記一次キャッシュから読み出されたデータを一時的に記憶する二次キャッシュと、
前記二次キャッシュで記憶されているデータの値が変化した場合に、前記二次キャッシュから前記値が変化したデータを読み出して前記通信ネットワークを介して前記上位システムへ転送する変化通知部と、
前記一次キャッシュで記憶されている前記データを、設定されているキャッシュ更新周期で読み出して前記二次キャッシュに書き込むデータ処理部とを備え、
前記データ処理部は、予め設定されている、前記通信ネットワークの最大転送速度、または/および、前記データの転送処理の上限転送速度に基づいて、前記通信ネットワークを介して転送可能な単位時間あたりのデータ量を示す総通信量上限値を予め特定しておき、見直しタイミングの到来に応じて、前記上位システムからのデータアクセス総数を前記総通信量上限値で除算し、得られた周期を前記キャッシュ更新周期として新たに設定する
ことを特徴とするコントローラ。 - 請求項1に記載のコントローラにおいて、
前記データ処理部は、前記キャッシュ更新周期を設定する際、前記データアクセス総数に代えて、前記データアクセスの優先度を示す優先度係数を、前記優先度が割り当てられている前記データアクセスのデータアクセス総数と積和演算し、得られた演算結果を前記総通信量上限値で除算し、得られた基準キャッシュ更新周期を優先度係数で除算することにより、それぞれの優先度の個別キャッシュ更新周期を算出して、新たに設定することを特徴とするコントローラ。 - 請求項2に記載のコントローラにおいて、
前記データ処理部は、前記データアクセスごとに、前記データアクセスと対応するデータが前記上位システムへ転送された転送回数を計数し、これら転送回数に基づいて、前記優先度を示す前記優先度係数を調整することを特徴とするコントローラ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のコントローラにおいて、
前記データ処理部は、前記データアクセスのうち特定データアクセスに対して、予め設定されているイベントが発生した場合、一定時間だけ、前記特定データアクセスに関するキャッシュ更新周期を短縮するとともに、前記特定データアクセス以外の他データアクセスに関するキャッシュ更新周期を延長することを特徴とするコントローラ。 - 取得対象となるデータを指定した上位システムからのデータアクセスに基づいて、配下に位置する複数のフィールド機器から取得した前記データを、通信ネットワークを介して前記上位システムへ転送するコントローラで用いられるデータ転送制御方法であって、
一次キャッシュが、前記フィールド機器から順次取得したデータを一時的に記憶する一次キャッシュ記憶ステップと、
二次キャッシュが、前記一次キャッシュから読み出されたデータを一時的に記憶する二次キャッシュ記憶ステップと、
変化通知部が、前記二次キャッシュで記憶されているデータの値が変化した場合に、前記二次キャッシュから前記値が変化したデータを読み出して前記通信ネットワークを介して前記上位システムへ転送する変化通知ステップと、
データ処理部が、前記一次キャッシュで記憶されている前記データを、設定されているキャッシュ更新周期で読み出して前記二次キャッシュに書き込むデータ処理ステップとを備え、
前記データ処理ステップは、予め設定されている、前記通信ネットワークの最大転送速度、または/および、前記データの転送処理の上限転送速度に基づいて、前記通信ネットワークを介して転送可能な単位時間あたりのデータ量を示す総通信量上限値を予め特定しておき、見直しタイミングの到来に応じて、前記上位システムからのデータアクセス総数を前記総通信量上限値で除算し、得られた周期を前記キャッシュ更新周期として新たに設定する
ことを特徴とするデータ転送制御方法。
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