JP6704643B2 - 建物の地震エネルギー吸収機構 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の地震エネルギー吸収機構に関する。
図9を用いて、特許文献1で開示された建物の地震エネルギー吸収機構について説明する。図9に示した建物の地震エネルギー吸収機構101は、架構骨組102として柱103と梁104とからなる構造を例示し、非構造壁105として方立て壁を例示し、架構骨組102と非構造壁105との間に設けられたスリット106として上側の梁104から垂れ下がるように設けられた非構造壁105と下側の梁104との間に設置された場合を例示した。
しかしながら、非構造壁105が上側の梁104から片持ち状に垂れ下がった構造になっているので、建物の地震エネルギー吸収機構101が地震を受けた場合、非構造壁105の損傷・破壊を防ぐことは可能となるが、その反面、地震により建物に入力されるエネルギーの吸収が行われず、架構骨組102の損傷が大きくなる。
"耐震スリット(柱の改修)"[online]、平成24年10月24日、国土交通省・持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会、[平成28年3月1日検索]、インターネット<URL:http://www.housing-stock.com/tech_sheet/repair/earthquake-proof/pdf/13102104.pdf>
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、架構骨組と非構造壁との間に設けられたスリット又は架構骨組に取り付けられた複数個の非構造壁間に設けられたスリットにおいて地震のエネルギーを吸収する、建物の地震エネルギー吸収機構の提供を目的とする。
本発明は、架構骨組と非構造壁との間にスリットを設けた建物の地震エネルギー吸収機構において、上記スリットを経由して架構骨組と非構造壁とを互いに繋ぐ制振構造体が上記架構骨組と非構造壁とに交換可能に設置された建物の地震エネルギー吸収機構であって、上記制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と収容部と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が上記架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、収容部がスリット側から非構造壁の内部に窪むように設けられ、この収容部に非構造壁側筋の一部がスリット側から挿入され、収容部の奥部と非構造壁側筋の一部との間に交換用空間が設けられ、非構造壁側筋の残部がスリットに突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部とにねじで結合され、上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部が結合部材に対し結合するねじを介して交換用空間側に移動することにより非構造壁側筋が交換可能に構成されたか、又は、上記制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、非構造壁側筋の一部が非構造壁に埋め込まれ、非構造壁側筋の残部がスリット側に突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部とに交換可能に結合されたことを特徴とする。
本発明は、スリットを経由して架構骨組と非構造壁とを互いに繋ぐ制振構造体が架構骨組と非構造壁とに交換可能に設置されたことにより、又は、スリットを経由して架構骨組に取り付けられた複数個の非構造壁を互いに繋ぐ制振構造体が複数個の非構造壁に交換可能に設置されたことにより、制振構造体が地震後に交換が可能になっているので、制振構造体は地震エネルギー吸収用制震デバイスとなり、強度や剛性あるいは例えば変形能力に富む極低降伏点鋼等のような機械的性質を耐震上、良好なものにすることが可能となるうえ、非構造壁が両端固定となり、建物が地震を受けた場合、制振構造体が架構骨組と非構造壁との損傷を軽減するように振動エネルギーを吸収することができる。
本発明において、制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と収容部と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が上記架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、収容部がスリット側から非構造壁の内部に窪むように設けられ、この収容部に非構造壁側筋の一部がスリット側から挿入され、収容部の奥部と非構造壁側筋の一部との間に交換用空間が設けられ、非構造壁側筋の残部がスリットに突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した骨組側筋の残部とにねじで結合され、上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部が結合部材に対し結合するねじを介して交換用空間側に移動することにより非構造壁側筋が交換可能に構成されれば、収容部の奥部と非構造壁側筋との間に交換用空間が設けられたことにより、制振構造体の変形能力が向上する。本発明において、欠込み部の交換用空間側に金属製の補強リングが埋め込まれれば、非構造壁のコンクリートを補強することができる。本発明において、欠込み部の補強リング側からスリット側の部分がスリット側に拡がる円錐台形又はスリット側に拡がる角錐台形に構成されれば、制振構造体の変形能力が更に高くなる。本発明において、制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、非構造壁側筋の一部が非構造壁に埋め込まれ、非構造壁側筋の残部がスリット側に突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した骨組側筋の残部とに交換可能に結合されれば、結合部材の交換可能が容易である。本発明において、非構造壁における非構造壁側筋の埋め込まれた周辺部には少なくともスリット側に開口する欠込み部が設けられれば、制振部材の変形能力が向上する。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
発明を実施するための形態1に係る建物の地震エネルギー吸収機構を示し、a図は正面図、b図はa図の要部の内部構造の拡大図、c図はa図のc−c線断面図。 発明を実施するための形態1に係る建物の地震エネルギー吸収機構が地震を受けた場合の正面図。 発明を実施するための形態2に係る建物の地震エネルギー吸収機構を示し、a図は正面図に相当する縦断面図、b図はa図のb−b線断面図、c図は地震を受けた場合の正面図に相当する縦断面図。 発明を実施するための形態3に係る建物の地震エネルギー吸収機構を示し、a図は正面図、b図はa図の要部の内部構造の拡大図、c図はb図のc−c線断面図。 図4の結合部材を分解して示した斜視図。 a図は図4の結合部材を示した斜視図、b図は別の結合部材を示した斜視図。 発明を実施するための形態4に係る建物の地震エネルギー吸収機構を示し、a図は正面図、bの図は地震を受けた場合の正面図。 発明を実施するための形態5に係る建物の地震エネルギー吸収機構を示し、a図は正面図、bの図は地震を受けた場合の正面図。 特許文献1で開示された建物の地震エネルギー吸収機構を示した正面図。
図1,2を用いて、本発明を実施するための形態1に係る建物の地震エネルギー吸収機構1について説明する。
図1のa図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1は、建物の構造として鉄骨コンクリート造を例示し、架構骨組2として柱3と梁4とからなる構造を例示し、非構造壁5として方立て壁を例示し、架構骨組2と非構造壁5との間に設けられたスリット6として上側の梁4から垂れ下がるように設けられた非構造壁5と下側の梁4との間に設置された場合を例示し、スリット6を経由して架構骨組2と非構造壁5とを互いに繋ぐ制振構造体7が架構骨組2と非構造壁5とに交換可能に設置された構造であり、非構造壁5が制振構造体7を介して上側の梁4と下側の梁4とで両持ち状になっている。
架構骨組2の鉄筋は図示していない。非構造壁5では、上下方向に延びる鉄筋5aを図示し、それ以外の左右方向に延びる鉄筋等を図示していない。非構造壁5の鉄筋5aと制振構造体7の非構造壁側筋9とは互いに接続されていない。非構造壁5の鉄筋5aと制振構造体7の骨組側筋8とは互いに接続されてもされていなくても適用可能である。
非構造壁5としては、腰壁やそで壁であっても適用可能である。非構造壁5が腰壁やそで壁の場合には、非構造壁5と柱3との間にスリット6に相当するスリットが設けられ、当該スリット6に相当するスリットを経由して架構骨組2と非構造壁5と繋ぐ制振構造体7に相当する鉄筋からなる制振構造体がスリット6に相当するスリットを経由して架構骨組2と非構造壁5とに交換可能に設けられた構造になる。つまり、制振構造体7が地震後に交換が可能になっているので、制振構造体7は地震エネルギー吸収用制震デバイスとなり、強度や剛性あるいは例えば変形能力に富む極低降伏点鋼等のような機械的性質を耐震上、良好なものにすることが可能となる。
図1のb図に示したように、制振構造体7は、鉄筋からなる骨組側筋8と鉄筋からなる非構造壁側筋9と収容部10と結合部材11とを備える。骨組側筋8の一部が架構骨組2の梁4のコンクリートに埋め込まれて固定され、骨組側筋8の残部がスリット6に突出する。この骨組側筋8のスリット6に突出した残部には、雄ねじ8aが設けられる。収容部10は、非構造壁側筋9の一部が上下方向に移動可能に挿入されるように、スリット6側から非構造壁5におけるコンクリートの内部に窪み、スリット6に開口する円柱形に設けられる。図1のc図に示したように、非構造壁側筋9の外面と収容部10の内面との間に隙間を設けた構造を例示したが、非構造壁側筋9の外面と収容部10の内面と互いに接触していてもよい。
図1のb図に示したように、収容部10には、非構造壁側筋9の一部がスリット6側から挿入され、収容部10の奥部と非構造壁側筋9の一部との間に交換用空間12が設けられる。非構造壁側筋9の残部がスリット6に突出させられている。非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部には、雄ねじ9aが設けられる。結合部材11は、上下方向に貫通する雌ねじ11aを備えたナットになっている。結合部材11の雌ねじ11aが骨組側筋8のスリット6に突出した残部の雄ねじ8aに上側から装着されることで、結合部材11が骨組側筋8のスリット6に突出した残部に雄ねじ8aと雌ねじ11aとからなるねじで結合される。又、非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部の雄ねじ9aが結合部材11の雌ねじ11aに上側から装着されることで、非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部が結合部材11に雄ねじ9aと雌ねじ11aとからなるねじで結合される。
つまり、結合部材11は、骨組側筋8のスリット6に突出した残部と非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部とを互いに上下方向で同軸状に向かい合わせた状態で、骨組側筋8のスリット6に突出した残部と非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部とを雄ねじ8a,9aと雌ねじ11aとかなるねじで結合する。そして、結合部材11が回転を阻止された状態において、非構造壁側筋9のスリット6に突出した残部が結合部材11から上側に離れる方向に回転操作され、非構造壁側筋9が結合部材11対し結合する雄ねじ9aと雌ねじ11aとかなるねじを介して交換用空間12側に移動し、非構造壁側筋9が交換可能に構成されている。又は、結合部材11が骨組側筋8のスリット6に突出した残部から離れる方向に回転操作され、非構造壁側筋9が結合部材11対し結合する雄ねじ8aと雌ねじ11aとかなるねじを介して交換用空間12側に移動し、結合部材11及び非構造壁側筋9が交換可能に構成されている。
よって、図2に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けた場合、非構造壁5のスリット6側と下側の梁4との間には変形差が生じ、スリット6に露出した制振構造体7は逆対称曲げ形状に塑性化して架構骨組2と非構造壁5との損傷を軽減するように振動エネルギーを吸収する。つまり、制振構造体7は弾塑性型の制振ダンパーと同様の働きをするので、建物は制振構造化されたと言える。
又、下側の梁4と非構造壁5との間隔としてのスリット6の高さH1は、30mm程度に形成されることが一般的に多く、このような短い区間において、制振構造体7の塑性化が集中して起こると、制振構造体7が破断するなどの変形能力の低下が懸念される。そこで、図2に示したように、非構造壁側筋9の一部が収容部10に移動可能に挿入され、収容部10の奥部と非構造壁側筋9の一部との間に交換用空間12が設けられたことにより、制振構造体7の変形能力が向上し、地震寝ネルギー吸収能力が大幅に増大する。
図3を用いて、本発明を実施するための形態2に係る建物の地震エネルギー吸収機構1について説明する。図3のa図及びb図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1は、上下方向に貫通した筒状の補強リング13が収容部10の上下方向の中間部を囲むように非構造壁5のコンクリートに埋め込まれて非構造壁5のコンクリートを補強する構造と、収容部10が補強リング13からスリット6側に拡がる円錐台形又はスリット側に拡がる角錐台形に構成された構造とが、図1に示した建物の地震エネルギー吸収機構1と相違する。
図3のc図に示したように、下側の梁4と非構造壁5との間隔としてのスリット6の高さH1は、30mm程度に形成されることが一般的に多く、このような短い区間において、制振構造体7の塑性化が集中して起こると、制振構造体7が破断するなどの変形能力の低下が懸念される。そこで、収容部10が補強リング13からスリット6側に拡がる円錐台形又はスリット側に拡がる角錐台形に構成されたことにより、制振構造体7の変形能力を向上するようになっている。
つまり、図3のc図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けた場合、収容部10の補強リング13からスリット6側に拡がる円錐台形又はスリット側に拡がる角錐台形に構成された空間部において、非構造壁側筋9が片持ち梁形式で変形作用を受けるので、制振構造体7の変形能力がさらに向上する。
図4,5を用いて、本発明を実施するための形態3に係る建物の地震エネルギー吸収機構1について説明する。図4のa図及びb図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1は、制振構造体7の結合部材11を骨組側筋8と非構造壁側筋9とに交換可能に設けて地震エネルギー吸収デバイスとする構成、雄ねじ8aを骨組側筋8に設ける必要のない、雄ねじ9aを非構造壁側筋9に設ける必要のない、雌ねじ11aを結合部材11に設ける必要のない構成、非構造壁5における制振構造体7の周辺部に欠込み部14を少なくともスリット6側に開口して設けた構成等が、図1乃至3に示した建物の地震エネルギー吸収機構1と相違する。
図4のb図において、下側の梁4と非構造壁5との間隔としてのスリット6の高さH1は、30mm程度に形成されることが一般的に多く、このような短い区間において、制振構造体7の塑性化が集中して起こると、制振構造体7が破断するなどの変形能力の低下が懸念される。そこで、図4のb図に示すように、非構造壁5における制振構造体7の周辺部におけるコンクリートには少なくともスリット側に開口する欠込み部14が設けられたことにより、制振構造体7の変形能力を向上するようになっている。
つまり、図4のb図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けた場合、スリット6の高さH1に欠込み部8の深さH2を加算した長い区間H1+H2において、制振構造体7の塑性化が起こるので、制振構造体7の変形能力が図1に示した建物の地震エネルギー吸収機構1よりも向上し、地震エネルギー吸収能力が大幅に増大する。
図5に示したように、結合部材11は対の金属板15,16を備える。対の金属板15,16は、対称形であって、中央部の筋支持部15a,16aと両側の取り付け部15b,16bと、取り付け孔15c,16cとを備える。筋支持部15a,16aは、円筒が中心を経由して縦方向に2つに割られた一方の半割樋形状になっている。取り付け部15b,16bは、筋支持部15a,16aの一方から外側に延びる板状になっている。取り付け孔15c,16cは、取り付け部15b,16bに貫通孔として上下方向に複数個設けられる。
そして、金属板15の筋支持部15aと金属板16の筋支持部16aとが互いに向い合って骨組側筋8と非構造壁側筋9とに外側から被せられ、金属板15の筋支持部15aと金属板16の筋支持部16aとが互いに向い合わされ、ボルト17の雄ねじ部が取り付け孔15c,16cの一方から他方に挿入され、ナット18が取り付け孔15c,16cの他方から突出したボルト17の雄ねじ部に装着される。尚、ボルト17及びナット18は取り付け孔15c,16cごとに用いられるのが一般的であるが、図5では1個ずつを例示した。
その後、対の金属板15,16が互いに近づくようにボルト17の頭部とナット18とで締め付けられることにより、図6のa図に示したように筋支持部15a,16aが骨組側筋8と非構造壁側筋9とを外側から締め付けて支持するように骨組側筋8と非構造壁側筋9とに固定される。その状態において、ボルト17とナット18との装着が解除されることで、結合部材11の交換が容易に可能となる。
尚、図6のb図に示したように、対の金属板15,16における中央部の上側と下側とに筋支持部15a,16aを設けた構造でも適用可能である。
図7を用いて、本発明を実施するための形態4に係る建物の地震エネルギー吸収機構1について説明する。図7のa図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1は、非構造壁5としての方立て壁にスリット19を設けた構成が、図1に示した建物の地震エネルギー吸収機構1と相違する。スリット19が非構造壁5の上下方向にわたって形成される。よって、非構造壁5はスリット19により左右に分かれた構造になっている。
図1に示した建物の地震エネルギー吸収機構1において、制振構造体7を太くして強度を上げた場合、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けた時、非構造壁5がせん断破壊する可能性がある。これに対し、図7のb図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けて、非構造壁5のスリット6側と下側の梁4との間に変形差が生じ、スリット6に露出した制振構造体7は塑性化した場合においても、非構造壁5を左右に分けるスリット19が非構造壁5に設けられたことから、非構造壁5のせん断破壊を抑制できる。
図8を用いて、本発明を実施するための形態5に係る建物の地震エネルギー吸収機構1について説明する。図8のa図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1は、非構造壁5として、方立て壁以外の、袖壁20,21、腰壁22、小壁23に応用した場合であって、袖壁20,21、腰壁22、小壁23等からなる複数個の非構造壁5間にスリット6を設けた構造になっている。例えば、袖壁20が一方の柱3に取り付けられて他方の柱3側に突出し、袖壁21が他方の柱3に取り付けられて一方の柱3側に突出する。腰壁22は、袖壁20,21の間における下側の梁4に取り付けられて上側の梁4側に突出する。小壁23は、袖壁20,21の間における上側の梁4に取り付けられて下側の梁4側に突出する。袖壁20と腰壁22との間、袖壁20と小壁23との間、袖壁21と腰壁22との間、袖壁21と小壁23との間、腰壁22と小壁23との間のそれぞれにはスリット6が設けられ、各スリット6には制振構造体7が配置されている。
具体的には、袖壁20と腰壁22との間との間におけるスリット6を経由して袖壁20と腰壁22とを互いに繋ぐ制振構造体7は、袖壁20と腰壁22とに交換可能に設けられた構造である。袖壁20と小壁23との間におけるスリット6を経由して袖壁20と小壁23とを互いに繋ぐ制振構造体7は、袖壁20と小壁23とに交換可能に設けられた構造である。袖壁21と腰壁22との間におけるスリット6を経由して袖壁21と腰壁22とを互いに繋ぐ制振構造体7は、袖壁21と腰壁22とに交換可能に設けられた構造である。袖壁21と小壁23との間におけるスリット6を経由して袖壁21と小壁23とを互いに繋ぐ制振構造体7は、袖壁21と小壁23とに交換可能に設けられた構造である。腰壁22と小壁23との間における制振構造体7は、腰壁22と小壁23とに交換可能に設けられた構造であり、袖壁20,21と腰壁22と小壁23とからなる複数個の非構造壁が柱3と梁4とで制振構造体7を介して両端固定となっている。
よって、図8のb図に示したように、建物の地震エネルギー吸収機構1が地震を受けた場合、スリット6を介して対向する袖壁20と腰壁22との間、スリット6を介して対向する袖壁20と小壁23との間、スリット6を介して対向する袖壁21と腰壁22との間、スリット6を介して対向する袖壁21と小壁23との間、スリット6を介して対向する腰壁22と小壁23との間のそれぞれには変形差が生じ、スリット6に露出した制振構造体7は塑性化して架構骨組2と非構造壁5との損傷を軽減するように振動エネルギーを吸収する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
1 建物の地震エネルギー吸収機構
2 架構骨組
3 柱
4 梁
5 非構造壁(方立て壁)
6 スリット
7 制振構造体
8 骨組側筋
8a 骨組側筋8の雄ねじ
9 非構造壁側筋
9a 非構造壁側筋9の雄ねじ
10 収容部
11 結合部材
11a 結合部材11の雌ねじ
12 交換用空間
13 補強リング
14 欠込み部
15 金属板
15a 筋支持部
15b 取り付け部
15c 取り付け孔
16 金属板
16a 筋支持部
16b 取り付け部
16c 取り付け孔
17 ボルト
18 ナット
19 スリット
20 袖壁(非構造壁)
21 袖壁(非構造壁)
22 腰壁(非構造壁)
23 小壁(非構造壁)

Claims (5)

  1. 架構骨組と非構造壁との間にスリットを設けた建物の地震エネルギー吸収機構において、上記スリットを経由して架構骨組と非構造壁とを互いに繋ぐ制振構造体が上記架構骨組と非構造壁とに交換可能に設置された建物の地震エネルギー吸収機構であって、
    上記制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と収容部と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が上記架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、収容部がスリット側から非構造壁の内部に窪むように設けられ、この収容部に非構造壁側筋の一部がスリット側から挿入され、収容部の奥部と非構造壁側筋の一部との間に交換用空間が設けられ、非構造壁側筋の残部がスリットに突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部とにねじで結合され、上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部が結合部材に対し結合するねじを介して交換用空間側に移動することにより非構造壁側筋が交換可能に構成されたことを特徴とする建物の地震エネルギー吸収機構。
  2. 上記収容部の交換用空間側に金属製の補強リングが埋め込まれたことを特徴とする請求項記載の建物の地震エネルギー吸収機構。
  3. 上記収容部の補強リング側からスリット側の部分がスリット側に拡がる円錐台形又はスリット側に拡がる角錐台形に構成されたことを特徴とする請求項記載の建物の地震エネルギー吸収機構。
  4. 架構骨組と非構造壁との間にスリットを設けた建物の地震エネルギー吸収機構において、上記スリットを経由して架構骨組と非構造壁とを互いに繋ぐ制振構造体が上記架構骨組と非構造壁とに交換可能に設置された建物の地震エネルギー吸収機構であって、
    上記制振構造体が骨組側筋と非構造壁側筋と結合部材とを備え、骨組側筋の一部が架構骨組に埋め込まれ、骨組側筋の残部がスリットに突出させられ、非構造壁側筋の一部が非構造壁に埋め込まれ、非構造壁側筋の残部がスリット側に突出させられ、結合部材が上記スリットに突出した骨組側筋の残部と上記スリットに突出した非構造壁側筋の残部とに交換可能に結合されたことを特徴とする建物の地震エネルギー吸収機構。
  5. 上記非構造壁における非構造壁側筋の埋め込まれた周辺部には少なくともスリット側に開口する欠込み部が設けられたことを特徴とする請求項記載の建物の地震エネルギー吸収機構。
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