JP6703962B2 - 電着塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電着塗装方法に関し、詳しくは、外部に対する開口が制限された内部空間を有する被塗物を電着槽内の塗料液に浸漬させた状態で、前記塗料液を介して前記電着槽における槽内電極と対極電極としての前記被塗物との間に所定の電位差を所定の電着時間だけ付与する電着工程を有し、この電着工程では、前記被塗物の周囲を流れる前記塗料液の前記被塗物に対する相対速度を所定の相対速度に保持する電着塗装方法に関する。
この種の電着塗装では、電着工程における所定の電着時間(一般的には180秒〜240秒)の間、電着槽における槽内電極と、槽内の塗料液に浸漬させた対極電極としての被塗物との間に電位差を付与して、塗料液に含まれる塗膜成分(換言すれば塗料成分)を電気的に被塗物の外面及び内面に引き付けて定着させることで、被塗物の外面及び内面夫々に塗膜を形成する。
ところで、外部に対する開口が制限された内部空間を有する自動車ボディなどの被塗物の場合、被塗物の内面(即ち、内部空間における被塗物表面)には被塗物の外面に比べ槽内電極との間での通電効果が及び難いことが原因で、被塗物の外面には膜厚の大きな塗膜(即ち、厚い塗膜)が形成されるのに対し、被塗物の内面には膜厚の小さな塗膜(即ち、薄い塗膜)しか形成されず、被塗物の外面と内面とで塗膜の厚さに差が生じる問題(所謂つきまわり性の差の問題)がある。
これに対し、この問題を解決する提案技術として、下記の特許文献1には次のような電着塗装方法が開示されている。
図5及び図6に示すように、被塗物である自動車ボディ(B)が通過する電着槽(1)内の表面域及び中間域では、被塗物入槽部の側に向って塗料液(L)を噴出する表面域ノズル(36)及び中間域ノズル(37)を設けることで、表面域及び中間域における槽内の塗料液(L)が被塗物(B)の移動向き対して対向する向きに流れるようにし、一方、電着槽(1)の底面域では、被塗物出槽部の側に向って塗料液(L)を噴出する底面域ノズル(29),(35)を設けることで、底面域における槽内の塗料液(L)が被塗物(B)の移動向きと同じ向きに流れるようにする。
ここで、表面域とは、高さ方向において液面から自動車ボディ(B)のルーフ近傍に対応する槽内域、中間域とは、高さ方向において自動車ボディ(B)の側面に対応する槽内域、底面域とは、高さ方向において電着槽(1)の底壁から自動車ボディ(B)の床面近傍に対応する槽内域を言う。
つまり、このように被塗物である自動車ボディ(B)が通過する表面域及び中間域については、槽内の塗料液(L)が被塗物(B)の移動向きに対して対向する向きに流れるようにすることで、被塗物である自動車ボディ(B)の周囲を流れる塗料液(L)の自動車ボディ(B)に対する相対速度を例えば0.24m/s程度に高め、これにより、電着塗装に伴い自動車ボディ(B)の表面で発生する反応ガスの気泡や反応熱が効果的に除去されるようにし、また、それに伴い、自動車ボディ(B)の外面と内面との間で生じるつきまわり性の差が小さくなるようにしている。(特許文献1の段落[0005],[0012],[0021],[0022],[0052],[0057],[0061],[0062],[0067]を参照)
また、これに加えて、特許文献1に開示された電着塗装方法では、電着槽(1)内に被塗物である自動車ボディ(B)が存在しない非稼働時には、電着槽(1)内における塗料液(L)の流れを停止してしまうのが省エネルギ化の観点から望ましいが、電着槽(1)内における塗料液(L)の流れを停止すると塗料液(L)中の顔料が沈降してしまうので好ましくないとの理由から、表面域ノズル(36)、中間域ノズル(37)、並びに、底面域ノズル(29),(35)から塗料液(L)を噴出させるポンプ(26),(32)について、図7に示すように、非稼働時には、稼働時に連続供給されるポンプ電力(W1)を間欠的に供給するとともに、それ以外は、稼働時に供給されるポンプ電力(W1)の30%〜60%のポンプ電力(W2)を供給するようにし、これにより、顔料の沈降を防止しながら省エネルギ化を図るようにしている。(特許文献1の段落[0004],[0034]を参照)
特開2002−206195号公報
しかし、特許文献1に開示された電着塗装方法では、被塗物である自動車ボディ(B)の外面と内面との間で生じるつきまわり性の差を小さくして、自動車ボディ(B)の外面に形成される塗膜の厚さと内面に形成される塗膜の厚さとの差を小さくし得るにしても、各ノズル(36),(37),(29),(35)から塗料液(L)を噴出させるポンプ(26),(32)の運転に要する電力については、電着槽(1)内に被塗物(B)が存在しない非稼働時に供給するポンプ電力を低減できるだけで、稼働時に供給するポンプ電力の低減には至らないため、省エネルギ化の効果が未だ低くて、稼働時及び非稼働時を通じた電着槽(1)の運転コストが未だ大きい問題がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な電着塗装方式を採ることで、被塗物の外面に形成される塗膜の厚さと被塗物の内面に形成される塗膜の厚さとに差が生じることを効果的に抑止しながら、省エネルギ化も併せて効果的に達成できるようにする点にある。
本発明の第1特徴構成は、電着塗装方法に係り、その特徴は、
外部に対する開口が制限された内部空間を有する被塗物を電着槽内の塗料液に浸漬させた状態で、前記塗料液を介して前記電着槽における槽内電極と対極電極としての前記被塗物との間に所定の電位差を所定の電着時間だけ付与する電着工程を有し、
この電着工程では、前記被塗物の周囲を流れる前記塗料液の前記被塗物に対する相対速
度を所定の相対速度に保持する電着塗装方法であって、
前記電着槽内の前記塗料液に対して前記塗料液を噴出するノズルとして、
前記塗料液に浸漬させた前記被塗物の外面各部に対して噴出塗料液を吹き付ける複数の吹付用ノズルと、
前記電着槽内の全体にわたる前記塗料液の対流的な循環流動を噴出塗料液により誘導する複数の対流用ノズルとを設け、
前記電着工程を初期工程と後期工程とに区分し、
前記初期工程では、全ての前記吹付用ノズル及び全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、前記初期工程で保持する前記相対速度を大きくすることで、前記被塗物の外面に形成される塗膜を前記初期工程において完成させ、
前記後期工程では、全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させるのに対し、前記吹付用ノズルについては、
全ての前記吹付用ノズルを噴出停止状態にして、
又は、一部の前記吹付用ノズルを噴出停止状態にするとともに、残部の前記吹付用ノズルから定格噴出圧力若しくは定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
又は、全ての前記吹付用ノズルから定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
前記後期工程で保持する前記相対速度を前記初期工程で保持する前記相対速度より小さくした状態で、前記被塗物の内面に形成される塗膜を前記後期工程において完成させる点にある。
つまり、電着塗装では、電着槽内における槽内電極と対極電極としての被塗物との間に電位差が付与されて所定電着時間の電着工程に入ると、被塗物表面に塗膜が析出して成長するのに伴い大量の反応ガス(被塗物が接地側の電極である場合は水素ガス)が発生し、この反応ガスが気泡の状態で析出塗膜から抜け出すのに伴って、析出塗膜が次第に緻密化するとともに析出塗膜の電気抵抗が次第に大きくなる。
そして、この電気抵抗の増大により塗料液中の塗膜成分を電気的に被塗物に引き付けて定着させることが徐々に難しくなることで、塗膜の成長が徐々に抑止されるとともに、反応ガスの発生量も徐々に減少し、最終的には、緻密で電気抵抗の大きな塗膜が完成した段階で、塗膜の成長が停止して反応ガスの発生も無くなる。
これに対し、上記の第1特徴構成によれば、初期工程において相対速度を大きくすることで、被塗物の外面に塗膜が析出して成長するのに伴い大量に発生して塗膜を抜け出す反応ガスの気泡を、相対速度が大きい塗料液の流れにより被塗物から速やかに除去することができ、これにより、被塗物の外面に析出して成長する塗膜の緻密化及び電気抵抗の増大を効果的に促進することができる。
したがって、被塗物の外面では、緻密で電気抵抗が大きい塗膜を初期工程の段階で早期に完成させて塗膜の成長を止めることができ、これにより、被塗物の外面での塗膜厚さの過大化を効果的に防止することができる。
一方、被塗物の内面については、被塗物周りを流れる塗料液流の影響が及び難いことから、初期工程において相対速度を大きくすることの影響はさほど受けず、その結果、槽内電極との間での通電効果が及び難い状況のもとで、塗膜の析出及び成長、反応ガスの発生、塗膜の緻密化及び電気抵抗の増大が、初期工程及びそれに続く後期工程を通じて徐々に進み、これにより、被塗物の内面では緻密で電気抵抗の大きい塗膜が後期工程において完成する。
即ち、このように、被塗物の外面では、塗膜厚さの過大化が効果的に防止されるのに対して、被塗物の内面では、初期工程における大きな相対速度の影響を受けることなく後期工程において塗膜が完成することで、被塗物の外面に形成される塗膜の厚さと被塗物の内面に形成される塗膜の厚さとに差が生じることを効果的に抑止することができる。
また、第1特徴構成によれば、初期工程でのみ相対速度を大きくし、後期工程では相対速度を小さくするから、先述した特許文献1に開示された電着塗装方法のように電着工程の全体を通じて相対速度を大きくするのに比べ、後期工程において相対速度を小さくする分、電着工程での塗料液搬送に要する動力を削減することができ、これにより、電着槽に被塗物が存在しない非稼働状況での塗料液搬送に要する動力を節減することと合せて、省エネルギ化及び運転コストの低減を一層効果的に達成することができる。
なお、第1特徴構成によれば、初期工程において反応ガスの気泡が被塗物から速やかに除去されることで、塗膜からの気泡の抜け出しも容易かつ円滑になって、クレーターの如き抜け出し跡が塗膜に残ることが回避されるようになり、これにより、完成塗膜の平滑性を高めて電着塗装の塗装品質も高めることができる。
また、上記第1特徴構成では、
前記電着槽内の前記塗料液に対して前記塗料液を噴出するノズルとして、
前記塗料液に浸漬させた前記被塗物の外面各部に対して噴出塗料液を吹き付ける複数の吹付用ノズルと、
前記電着槽内の全体にわたる前記塗料液の対流的な循環流動を噴出塗料液により誘導する複数の対流用ノズルとを設け、
前記初期工程では、全ての前記吹付用ノズル及び全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、前記初期工程で保持する前記相対速度を大きくし、
一方、前記後期工程では、全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させるのに対し、前記吹付用ノズルについては、
全ての前記吹付用ノズルを噴出停止状態にして、
又は、一部の前記吹付用ノズルを噴出停止状態にするとともに、残部の前記吹付用ノズルから定格噴出圧力若しくは定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
又は、全ての前記吹付用ノズルから定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
前記後期工程で保持する前記相対速度を前記初期工程で保持する前記相対速度より小さくするから、次の作用効果も奏する。
つまり、この第1特徴構成では、基本的に、複数の吹付用ノズルにより被塗物の外面各部に対して塗料液を吹き付けることで、被塗物に対する塗料液の相対速度を大きく確保し、また、対流用ノズルからの塗料液噴出により電着槽内の全体にわたる塗料液の対流的な循環流動を誘導することで、塗料液中に含まれる顔料等の塗膜成分の沈降を防止する。
そして、後期工程では、全ての吹付用ノズルを噴出停止状態にする、又は、一部の吹付用ノズルを噴出停止状態にして残部の吹付用ノズルから定格噴出圧力若しくは定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液を噴出させる、又は、全ての吹付用ノズルから定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液を噴出させることで、被塗物に対する塗料液の相対速度を初期工程での相対速度より低下させ、その分、電着工程での塗料液搬送に要する動力を削減する。
また、全ての対流用ノズルについては、初期工程及び後期工程を通じ定格噴出圧力で塗料液を噴出させることで、塗料液中における顔料等の塗膜成分の沈降を初期工程及び後期工程を通じて確実に防止する。
即ち、このように対流用ノズルついては、初期工程及び後期工程を通じて定格噴出圧力で塗料液を噴出させるようにしながら、吹付用ノズルのみを後期工程において噴出停止状態や噴出圧力低下状態に切り換えることで塗料液の相対速度を変化させることにより、例えば、先述した特許文献1に開示された電着塗装方法において、吹付用ノズルに相当する表面域ノズル(36)や中間域ノズル(37)、並びに、対流用ノズルに相当する底面域ノズル(29),(35)夫々の塗料液噴出状態を、初期工程と後期工程とで一様に切り換えるようにするのに比べ、顔料等の塗膜成分の沈降を初期工程及び後期工程を通じて一層確実に防止しながら、塗料液の相対速度を初期工程と後期工程とで明確に変化させることができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記初期工程では、前記後期工程において保持する前記相対速度の少なくとも2倍以上の前記相対速度を保持する点にある。
つまり、初期工程において保持する相対速度が小さいほど、反応ガスの気泡が被塗物から除去され難くなることで、被塗物の外面において緻密で電気抵抗の大きな塗膜が完成されるまでに要する時間が長くなり、その分、被塗物の外面において塗膜厚さの過大化が進むようになるため、初期工程において保持する相対速度が後期工程において保持する相対速度の2倍未満であると、第1特徴構成による前述の如き作用効果が得難くなる。
したがって、後期工程において保持する相対速度を一般的に採用されている相対速度にするのに対し、初期工程では後期工程において保持する相対速度の少なくとも2倍以上の相対速度を保持するようにすれば、前記した第1特徴構成による作用効果を一層顕著に得ることができる。
本発明の第特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記初期工程では、前記後期工程において前記槽内電極と前記被塗物との間に付与する前記電位差より小さい前記電位差を前記槽内電極と前記被塗物との間に付与する点にある。
つまり、電着工程の初期には反応ガスの発生量が特に大きいことから、初期工程において塗料液の相対速度を大きくして、塗料液の流れによる気泡の除去を促進したとしても、反応ガスの発生速度が気泡の除去速度を上回ることで、被塗物が一時的にせよ反応ガスの気泡群により覆われた状態になり、そのことで被塗物の外面での塗膜の完成が阻害される場合がある。
これに対し、上記第特徴構成では、初期工程では槽内電極と被塗物との間に付与する電位差を後期工程において付与する電位差より小さくすることで、反応ガスの発生量を抑制して気泡の除去負荷を軽減し、これにより、初期工程において相対速度を大きくした塗料液の流れにより被塗物から反応ガスの気泡を速やかに除去することを補償する。
したがって、上記第特徴構成によれば、緻密で電気抵抗が大きい塗膜を被塗物の外面において確実に初期工程の段階で早期に完成させることができ、これにより、被塗物の外面に形成される塗膜の厚さと被塗物の内面に形成される塗膜の厚さとに差が生じることを一層確実に抑止することができる。
なお、後期工程において槽内電極と被塗物との間に付与する電位差を一般的に採用されている電位差にするのに対し、初期工程において槽内電極と被塗物との間に付与する電位差を後期工程において付与する電位差よりどの程度小さい電位差にするかについては、初期工程における付与電位差と被塗物周りにおける気泡状態との相関を実験等により確認して決定すればよい。
また、第特徴構成の実施においは、初期工程において被塗物の外面に形成される塗膜の電気抵抗の変化を検出して、その検出情報に基づき、初期工程において槽内電極と被塗物との間に付与する電位差を最適値に自動調整するようにしてもよい。
本発明の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記電着時間は、前記塗料液の条件に応じて決定し、
前記初期工程の時間は、前記電着時間の1/6〜1/2の範囲内の時間とする点にある。
つまり、電着時間は塗料液の条件に応じて決定されるべきであるが、そのうち初期工程の時間は、電着時間の1/6〜1/2の範囲内の時間が好適であり、一般的には、初期工程の時間を30秒〜120秒程度にするのが適当である。
電着槽の概略構造を示す側面図 電着槽の概略構造を示す平面図 塗料液相対速度と塗膜平滑性との相関を示すグラフ 従来の塗膜構造を示す模式図 特許文献1の電着塗装方法を説明する電着槽の側面図 特許文献1の電着塗装方法を説明する電着槽の横断面図 特許文献1の電着塗装方法を説明するポンプ電力のグラフ
図1及び図2は、組立前の自動車ボディWを塗装対象の被塗物とする電着槽を示し、この電着槽1は舟形形状にし、槽内には、塗膜成分を含有させた塗料液Lを貯留してある。
電着槽1の両側壁部1aには夫々、槽内の塗料液Lに浸漬させる状態で槽内電極(図示は省略)を配置してあり、これに対し、被塗物である自動車ボディWは、槽内電極に対する対極電極として電気的に接地した状態を保って、その全体を槽内の塗装液Lに浸漬させる。
つまり、この電着槽1では、自動車ボディWに対する電着工程として、自動車ボディWを槽内の塗料液Lに浸漬させた状態で、槽内の塗料液Lを介して槽内電極と対極電極としての被塗物Wとの間に所定の電位差Eを所定の電着時間tにわたって付与することで、塗料液L中の塗膜成分を電気的に被塗物Wの外面及び内面に引き付けて定着させ、これにより、被塗物Wの外面及び内面の夫々に塗膜を形成する。
自動車ボディWは、搬送装置2による吊下げ形態での搬送に伴い、その搬送装置2により、電着槽1の長手方向における一端部の入槽部1Aにおいて槽内の塗料液L中に浸漬させ、この入槽に続き、塗料液L中への浸漬状態を保った状態で、電着槽1の長手方向における他端部の出槽部1Bに向けて槽内進行させ、この槽内進行過程において所定の電着時間tにわたる上記の電着工程を実施する。
電着工程を経て出槽部1Bに至った自動車ボディWは、搬送装置2による搬送に伴い、槽内の塗料液Lから引き上げ、この出槽に続いて後続工程部に送る。
電着槽1の槽外には液処理装置3を装備してあり、この液処理装置3は、電着槽1から出槽部1B側の付属槽4へ浮上性のゴミなどとともにオーバーフローした塗料液L、及び電着槽1における出槽部1B側の底部から沈降性のゴミなどとともに抜き出した塗料液Lに対して、除塵処理及び温度調整処理を施す。
電着槽1の槽内には、塗料液Lを槽内に噴出する多数のノズル5A,5Bを装備してあり、これらノズル5A,5Bには、それらノズル5A,5Bの夫々から噴出させる塗料液Lとして、液処理装置3により処理された塗料液Lが吹付用ポンプPa及び対流用ポンプPbにより送給される。
即ち、槽内の塗料液Lは、液処理装置3において除塵処理及び温度調整処理を施しながら循環使用し、自動車ボディWとともに電着槽1から持ち出されるなどして減量する塗料液Lの分だけ、新たな塗料液Lが補給路を通じて電着槽1に供給される。
多数のノズル5A,5Bは、その目的から吹付用ポンプPaに接続した複数の吹付用ノズル5Aと、対流用ポンプPbに接続した対流用ノズル5Bとに区分され、吹付用ノズル5Aは電着槽1の両側壁部1aに配置するのに対し、対流用ノズル5Bは、出槽部1Bの側に向けて塗料液Lを噴出させる姿勢で電着槽1の槽底部に配置してある。
つまり、対流用ノズル5Bから塗料液Lを噴出させることで、その噴出塗料液Lによる槽内塗料液Lの誘導により、電着槽1における槽内の塗料液Lを、図中破線の太矢印で示す如く、電着槽1の底部では槽底に沿って入槽部1Aの側から出槽部1Bの側に向って流れ、かつ、槽内塗料液Lの上層部では出槽部1Bの側から入槽部1Aの側に向って流れる対流的な流動形態で、電着槽1の槽内全体にわたらせて循環流動させるようにし、これにより、塗料液L中における顔料などの塗膜成分の沈降を防止するとともに、自動車ボディWとともに槽内に持ち込まれるなどして塗料液L中に混入した浮遊性や沈降性のゴミなどの異物が塗料液Lとともに槽内から排出されて液処理装置3に送出されるのを促進する。
一方、吹付用ノズル5Aは、それら吹付用ノズル5Aを所定間隔で自動車ボディWの槽内進行方向に並べたノズル列Ra〜Rcを、上段ノズル列Raと中段ノズル列Rbと下段ノズル列Rcとの3段配置にして、電着槽1の両側壁部1aの夫々に配備してあり、これら吹付用ノズル5Aは夫々、電着槽1の側壁部1aに対して所定角度(例えば15°)だけ槽内側に傾けた斜め向き姿勢で入槽部1Aの側に塗料液Lを噴出させる状態に配置してある。
そして、上段ノズル列Raは、槽内を進行する自動車ボディWのルーフ部外面wrに対応する高さに配置してあり、これにより、自動車ボディWが槽内を進行するのに併行して、自動車ボディWの上向き外面部分であるルーフ部外面wrには、上段ノズル列Raの吹付用ノズル5Aから噴出した塗料液Lが、ルーフ部外面wrに沿う吹付け形態で吹き付けられる。
また、中段ノズル列Rb及び下段ノズル列Rcは、槽内を進行する自動車ボディWのサイド部外面wsにおける上部及び下部の夫々に対応する高さに配置してあり、これにより、自動車ボディWが槽内を進行するのに併行して、自動車ボディWの横向き外面部分であるサイド部外面wsの上部及び下部には、中段ノズル列Rbの吹付用ノズル5Aから噴出した塗料液L、及び、下段ノズル列Rcの吹付用ノズル5Aから噴出した塗料液Lが吹き付けられる。
したがって、この電着槽1において、槽内進行する自動車ボディWの周囲を流れる塗料液Lの自動車ボディWに対する相対速度Vは、対流用ノズル5Bからの噴出塗料液Lに誘導されて槽内を対流的に流動する塗料液Lの流速と、槽内を進行する自動車ボディWの進行速度と、各吹付用ノズル5Aにより自動車ボディWの各部に吹き付けられる塗料液Lの吹付け流速との合成速度となる。
ところで、外部に対する開口が制限された内部空間を有する自動車ボディWなどの被塗物を電着塗装する場合、被塗物の内面(即ち、内部空間における被塗物表面)には被塗物の外面に比べ槽内電極との間での通電効果が及び難いことが原因で、被塗物の外面に形成される塗膜の膜厚に対し、被塗物の内面に形成される塗膜の膜厚が小さくなる問題(所謂つきまわり性の差の問題)がある。
これに対し、本例の電着槽1では、各々の自動車ボディWに対する所定電着時間t(例えば3分間)の電着工程を所定の時間比(例えば1:2)で初期工程と後期工程とに区分して、初期工程では、吹付用ポンプPa及び対流用ポンプPbの出力調整により、全ての吹付用ノズル5A及び全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させる「相対速度増大モード」で電着槽1を運転する。
一方、後期工程では、対流用ポンプPbの出力調整により初期工程に続いて全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、吹付用ノズル5Aについては、吹付用ポンプPaを停止することで全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にする「相対速度低減モード」(又は、吹付用ポンプPaの出力を低下させることで全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液Lを噴出させる「相対速度低減モード」)で電着槽1を運転する。
即ち、初期工程では、全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させることで、自動車ボディWに対する塗料液Lの相対速度Vを後期工程において保持する相対速度Vの少なくとも2倍以上に高め、これにより、緻密で電気抵抗が大きい塗膜が自動車ボディWの外面において初期工程の段落で早期に完成されるようにして、自動車ボディWの外面での塗膜厚さの過大化を防止する。
また、後期工程では、全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にして(又は全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液Lを噴出させて)、自動車ボディWに対する塗料液Lの相対速度Vを低下させることで、電着工程において要するポンプ動力を低減する。
そして、塗料液Lの流れの影響が及び難い自動車ボディWの内面では、相対速度Vの変化にかかわらず、初期工程及び後期工程を通じ塗膜が徐々に形成されて、緻密で電気抵抗が大きい塗膜が後期工程において完成されるようにし、これにより、自動車ボディWの外面に形成される塗膜の厚さと自動車ボディWの内面に形成される塗膜の厚さとに差が生じることを抑止する。
さらに、電着工程において槽内電極と自動車ボディWとの間に付与する電位差Eについては、初期工程において付与する電位差Eを、後期工程において付与する電位差Eより小さい電位差に制限し、これにより、反応ガスが大量に発生する電着工程の初期において一時的にせよ自動車ボディWが反応ガスの気泡群に覆われた状態になることを回避して、自動車ボディWの外面における初期工程での塗膜の完成を確実にする。
ところで、塗料液Lは、平均粒径が0.1〜10μm程度の大粒径の顔料粒子aと、塗料の主成分となる平均粒径が20〜100nm程度の微細な主成分樹脂粒子bとを含むが、顔料粒子aは主成分樹脂粒子bより比重が大きくて沈降し易い。
この為、自動車ボディWのサイド部外面ws(即ち、被塗物の横向き外面部分)では、顔料粒子aがサイド部外面wsに沿って下方に沈降してしまうことで、電気的な引力により主成分樹脂粒子bとともにサイド部外面wsに定着する顔料粒子aが少なく、これが原因で、図4(a)において模式的に示すように、主成分樹脂粒子bの集合内に顔料粒子aがほぼ完全に埋まった状態で存在する形態の塗膜Tがサイド部外面wsに形成される。
一方、自動車ボディWのルーフ部外面wr(即ち、被塗物の上向き外面部分)では、顔料粒子aが沈降してルーフ部外面wrに堆積することで、主成分樹脂粒子bとともにルーフ部外面wrに定着する顔料粒子aが過多傾向になり、これが原因で、図4(b)において模式的に示すように、主成分樹脂粒子bの集合内に完全には埋まり切らない顔料粒子aが多く存在する形態の塗膜Tがルーフ部外面wrに形成される。
そして、このことが原因で、電着塗装では、自動車ボディWのルーフ部外面wrに形成される塗膜Tが、自動車ボディWのサイド部外面wsに形成される塗膜Tに比べ粗い塗膜になって、ルーフ部外面wrにおける塗膜Tの平滑性がサイド部外面wsに形成される塗膜Tの平滑性に比べ低くなる傾向がある。
このことに対し、上記相対速度Vと自動車ボディWの外面各部に形成される塗膜の平滑性との相関について研究したところ、自動車ボディWのサイド部外面wsについては図3における◆印のグラフで示されるように、相対速度Vが変化しても塗膜の平滑性がそれほど変化しないのに対し、自動車ボディWのルーフ部外面wrについては、同図3における■印のグラフで示されるように、相対速度Vが大きくなると塗膜の平滑性が大きく向上する。(注:図3の縦軸では塗膜の粗さで塗膜の平滑性を表現しているため、縦軸の下側ほど、塗膜粗さが小さくなって塗膜の平滑性が高くなることを示している)
この傾向は、サイド部外面wsでは、サイド部外面wsに沿って下方へ沈降してしまう顔料粒子aが元々多くて、塗料液Lの相対速度Vが変化したとしても、主成分樹脂粒子bとともにサイド部外面wsに定着する顔料粒子aの量はそれほど変化しないのに対し、ルーフ部外面wrでは、塗料液Lの相対速度Vが大きくなると、ルーフ部外面wrへの顔料粒子aの沈降堆積が阻害されて、主成分樹脂粒子bとともにルーフ部外面wrに定着する顔料粒子aの量が大きく減少するためと考えられる。
これらのことから、前述の如く電着工程における初期工程では、後期工程において保持する相対速度Vより大きな相対速度Vを保持するのに、相対速度Vとサイド部外面wsにおける塗膜の平滑性との相関、及び、相対速度Vとルーフ外面wrにおける塗膜の平滑性との相関において、サイド部外面wsで得られる塗膜の平滑性とルーフ部外面wrで得られる塗膜の平滑性とが同等になる共通の相対速度Vx(具体的には45cm/s程度)に近い相対速度Vを初期工程において保持するように、吹付用ノズル5Aの配置並びに定格噴出圧力を設定する。
即ち、このことにより、前述の如く自動車ボディWの外面に形成される塗膜の厚さと自動車ボディWの内面に形成される塗膜の厚さとに差が生じることを抑止するのに加え、自動車ボディWのサイド部外面wsに形成される塗膜と自動車ボディWのルーフ部外面wrに形成される塗膜とについて、それら外面に形成される塗膜の平滑性も均一にする。
なお、サイド部外面wsで得られる塗膜の平滑性とルーフ部外面wrで得られる塗膜の平滑性とが同等になる共通の相対速度Vxに近い相対速度Vとは、具体的には、上記共通の相対速度Vxの30%減〜30%増の範囲内の相対速度V(0.7Vx≦V≦1.3Vx)が望ましく、さらに望ましくは、上記共通の相対速度Vxの20%減〜20%増の範囲内の相対速度V(0.8Vx≦V≦1.2Vx)が望ましい。
また、電着工程の後期工程において、全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にする場合には、電着工程を実施していない状況においても、後期工程と同様、全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にし、これにより、電着工程を実施していない状況においても、顔料などの塗膜成分の沈降を防止しながら塗料液搬送に要する動力を節減する。
そしてまた、電着工程の後期工程において、全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液Lを噴出させる場合には、電着工程を実施していない状況では、全ての対流用ノズル5Bから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にし、これにより、電着工程を実施していない状況において顔料などの塗膜成分の沈降を防止しながら塗料液搬送に要する動力をさらに節減する。
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
上記の実施形態では、電着工程の初期工程において全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、電着工程の後期工程では、全ての吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にする、又は、全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力より小さい噴出圧力で塗料液Lを噴出させるようにしたが、これに代え、電着工程の初期工程では全ての吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力で塗料液Lを噴出させるのに対し、電着工程の後期工程では、一部の吹付用ノズル5Aを噴出停止状態にするとともに、残部の吹付用ノズル5Aから定格噴出圧力又は定格噴出圧力より低い噴出圧力で塗料液Lを噴出させるようにして、塗料液Lの相対速度Vを電着工程における初期工程と後期工程とで切り換えるようにしてもよい。
前記の実施形態では、自動車ボディWを塗装対象の被塗物とする例を示したが、本発明による電着塗装方法は、自動車ボディWの電着塗装に限らず、外部に対する開口が制限された内部空間を有するものであれば、電気製品のケーシングや建築資材、あるいは、自動車ボディ以外の車両や車両部品など、種々のものを塗装対象の被塗物とすることができる。
前記の実施形態では、電着工程の実施時間である電着時間tを3分にして、初期工程と後期工程との時間比を1:2とする場合を例示したが、電着時間tは3分に限られるものではなく、状況に応じて適当な電着時間tを採用すればよく、また、初期工程と後期工程との時間比も1:2に限られるものではなく、状況に応じて適当な時間比を採用すればよい。
初期工程において保持する塗料液Lの相対速度Vは、45cm/s程度の相対速度に限られるものではなく、自動車ボディWなどの被塗物における外面の塗膜が初期工程において完成される相対速度であればよく、また、後期工程において保持する塗料液Lの相対速度Vも、自動車ボディWなどの被塗物における内面の塗膜が初期工程及び後期工程を通じ徐々に形成されて後期工程において完成に至る相対速度であればよい。
初期工程において、塗料液Lの相対速度Vを大きくするだけで反応ガスの気泡を概ね十分に除去できる場合など、場合によっては、槽内電極と自動車ボディWなどの被塗物との間に付与する電位差Eを初期工程と後期工程とにおいて同じ電位差に保つようにしてもよい。
本発明は、外部に対する開口が制限された内部空間を有する物品であれば、各種分野における種々の物品を電着塗装するのに利用することができる。
W 自動車ボディ(被塗物)
1 電着槽
L 塗料液
E 電位差
t 電着時間
V 相対速度
5A 吹付用ノズル
5B 対流用ノズル

Claims (4)

  1. 外部に対する開口が制限された内部空間を有する被塗物を電着槽内の塗料液に浸漬させた状態で、前記塗料液を介して前記電着槽における槽内電極と対極電極としての前記被塗物との間に所定の電位差を所定の電着時間だけ付与する電着工程を有し、
    この電着工程では、前記被塗物の周囲を流れる前記塗料液の前記被塗物に対する相対速度を所定の相対速度に保持する電着塗装方法であって、
    前記電着槽内の前記塗料液に対して前記塗料液を噴出するノズルとして、
    前記塗料液に浸漬させた前記被塗物の外面各部に対して噴出塗料液を吹き付ける複数の吹付用ノズルと、
    前記電着槽内の全体にわたる前記塗料液の対流的な循環流動を噴出塗料液により誘導する複数の対流用ノズルとを設け、
    前記電着工程を初期工程と後期工程とに区分し、
    前記初期工程では、全ての前記吹付用ノズル及び全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、前記初期工程で保持する前記相対速度を大きくすることで、前記被塗物の外面に形成される塗膜を前記初期工程において完成させ、
    前記後期工程では、全ての前記対流用ノズルから定格噴出圧力で前記塗料液を噴出させるのに対し、前記吹付用ノズルについては、
    全ての前記吹付用ノズルを噴出停止状態にして、
    又は、一部の前記吹付用ノズルを噴出停止状態にするとともに、残部の前記吹付用ノズルから定格噴出圧力若しくは定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
    又は、全ての前記吹付用ノズルから定格噴出圧力より低い噴出圧力で前記塗料液を噴出させて、
    前記後期工程で保持する前記相対速度を前記初期工程で保持する前記相対速度より小さくした状態で、前記被塗物の内面に形成される塗膜を前記後期工程において完成させる電着塗装方法。
  2. 前記初期工程では、前記後期工程において保持する前記相対速度の少なくとも2倍以上の前記相対速度を保持する請求項1記載の電着塗装方法。
  3. 前記初期工程では、前記後期工程において前記槽内電極と前記被塗物との間に付与する 前記電位差より小さい前記電位差を前記槽内電極と前記被塗物との間に付与する請求項1又は2記載の電着塗装方法。
  4. 前記電着時間は、前記塗料液の条件に応じて決定し、
    前記初期工程の時間は、前記電着時間の1/6〜1/2の範囲内の時間とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電着塗装方法。
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