JP6702788B2 - 放射線の位相変化検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は放射線の位相変化を画像化する方法に関する。
従来の放射線、特にX線において、吸収コントラストを画像化する手法とは異なり、位相変化を画像化する手法が軽元素、つまり生体等の軟組織の描出性に優れているために注目されている。
特に、その一つであるX線のTalbot−Lau干渉計を用いた手法は、医療現場や実験室で用いられる一般的なX線源を用いることができることから、実用化に向けた研究開発が進められている。従来のTalbot−Lau干渉計では、位相格子によって形成される数μm周期のTalbot効果による干渉パターンである自己像の結像位置に吸収格子を配置し、その結果生じる自己像よりも周期が大きいパターンであるモアレ縞を2次元放射線検出器で撮像している。このように、X線のTalbot−Lau干渉計を用いた手法において、モアレ縞を撮像する理由は、自己像を直接解像可能な検出器が無いためである。また、この吸収格子は、シリコン等の半導体プロセスと金のメッキ等により作製されるため、非常に高価なものである。そこで、特許文献1には、X線に対して作用する吸収格子ではなく、X線を一旦シンチレータで変換した可視光に作用する回折格子を用いてモアレ縞を形成する手段が開示されている。この手段では、金を使用する高価な吸収格子を必要としないというメリットがあり、2次元放射線検出器は、シンチレータ、回折格子、及び撮像素子の3点で構成することができるという特徴を有している。
特許第4702455号公報
しかし、前述の2次元放射線検出器においても、2次元放射線検出器がシンチレータ、回折格子、及び撮像素子の3点で構成されるために、シンチレータと撮像素子以外に、回折格子を別途作製する必要があった。
本発明の放射線位相変化検出方法は、位相格子による自己像の周期をD、シンチレータを備えた2次元光学撮像素子の画素ピッチをD=k*Dと定義するとき、前記kが1/2<k≦3/2の範囲であり、かつ前記自己像に対する前記2次元光学撮像素子の配置関係によりDとDから形成される干渉縞が、Dの2倍以上100倍以下の周期を有するように、前記2次元光学撮像素子を配置し、被写体の挿入前後の前記干渉縞の位相変化を取得し、少なくとも被写体の挿入による放射線の位相変化に関する画像を出力させることにより、前記放射線の位相変化を検出することを特徴とする。
また、本発明の放射線撮影装置は、前記の放射線位相変化検出方法を利用した、放射線撮影装置である。
本発明の放射線位相変化検出方法によれば、従来法で必要とされていた吸収格子や回折格子が不要で、シンチレータと撮像素子のみを有する構成で干渉縞を生じさせ、該干渉縞の位相変化を検出することが可能である。
本発明の放射線撮影装置の構成を示す図 従来技術の放射線撮影装置の構成を示す図 2次元光学撮像素子の拡大図 本発明の放射線位相変化検出方法で得た干渉縞の画像と、干渉縞のコントラストの開口率依存性を示す図 共晶相分離シンチレータを説明する図 共晶相分離シンチレータの周期パターン導波状況を示す画像 共晶相分離シンチレータで撮像した自己像 モアレ縞の周期を反映したフーリエ変換像と位相回復像
以下、図面等を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
[本発明の構成の説明]
図1に本発明の放射線位相変化検出方法に基づく、放射線撮影装置の構成の一例を、放射線としてX線を用いた場合を例に示す。
本発明の放射線撮影装置は、主たる構成として、X線源11、線源格子12、位相格子13、シンチレータ15、および2次元光学撮像素子16を有する。
X線源11は、被写体14の特性等を考慮して、ターゲット材料の異なる管球を選択可能である。例えばターゲット材料としては、Cu,Ag,Mo,Wなどが挙げられる。焦点サイズの大きな通常のX線源11を用いる場合には、線源のサイズを調節するために線源格子12を挿入してもよい。線源格子12としては、特開2010−249533号公報に示されるような線源格子を用いることができる。また、半導体プロセスにより作製できるSi等からなる位相格子13は、位相格子13の各スリットで回折した球面波がお互いに干渉することによって、格子面の下流のタルボ長に相当する箇所に自己像を形成させる役割を担う。本発明の放射線位相変化検出方法では、この自己像が被写体14の挿入前後でどのように変化するかを捉えることにより、その位相変化を検出する。被写体14の挿入は、位相格子13とX線源11または線源格子12との間に挿入しても良いし、位相格子13とシンチレータ15との間に挿入しても良い。
図2には、従来技術の放射線位相変化検出方法に基づく、放射線撮影装置の構成の一例を示す。従来技術の放射線位相変化検出方法でも、本発明の放射線位相変化検出方法と同様に、自己像の被写体14の挿入による変化を捉えることにより、その位相変化を検出する。図2中の放射線撮影装置は、X線源11、線源格子12、位相格子13、シンチレータ15、2次元光学撮像素子16、および吸収格子21(図2(A))または光学回折格子22(図2(B))を有する。吸収格子21は、位相格子13と同様に半導体プロセスによりSi等の鋳型を作製し、さらに金などの原子番号の大きい元素を用いたメッキ等による埋め込みを行った、非常にアスペクト比の高いX線用の格子である。特に、10μm以下の周期性を有し、かつ100μm以上の厚さが要求されるため、吸収格子21は、プロセスコストと原料のコストを勘案すると非常に高価な部品である。
従来技術の放射線位相変化検出方法では、10μm以下の周期の自己像を直接解像することができない。そのため、図2(A)に示すように、自己像と吸収格子21が形成するより大きな周期を有するX線の干渉縞をシンチレータ15で可視光に変換し、2次元光学撮像素子16で撮影する方法を採っている。また、シンチレータ15は、X線を十分吸収し、多くのシンチレーション光を放出するための応答性を考えると、X線のエネルギーにもよるが、少なくとも150μm以上の厚みが必要である。
また、図2(B)にはX線に対する吸収格子21ではなく、X線の自己像をシンチレータ15によって可視光に変換した後、光学回折格子22との間で干渉縞を生成させる放射線位相変化検出方法を示す。図2(B)に示した放射線位相変化検出方法では、非常に高精細なシンチレータ15が必要となる。そのため、シンチレータ15は、厚みが非常に薄い必要があり、図2(B)に示した放射線位相変化検出方法は、図2(A)に示した放射線位相変化検出方法と比較して、検出感度が非常に低下していると推定される。また、金を用いる必要はないが、光学回折格子の作製も必要である。
これに対して、本発明の放射線位相変化検出方法は、吸収格子21や、光学回折格子22が不要である。以下にその理由を示す。
第一の理由は、少なくとも150μmの厚さにおいて、100[lp/mm](lp:line pair)を解像できるシンチレータ15を用いるためである。100[lp/mm]とは、1mmあたりに100本の明暗の線を有する平均構造周期を有するということであり、シンチレータ15は、10μm以下の周期性を有する光を識別する非常に高い解像度を有している。
第二の理由は、2次元光学撮像素子16の受光部が、特定の画素ピッチを有しており、自己像との干渉を生じることが可能だからである。したがって、図2(B)に示した放射線位相変化検出方法のように、光学回折格子22を挿入することなく干渉縞を生じさせることができ、所望の撮像を行う事が可能となる。本発明において、前記干渉は好適にはモアレ干渉であり、前記干渉縞は好適にはモアレ縞である。
以上の2つの理由から、本発明の放射線位相変化検出方法では、位相格子13が形成する自己像の周期をD、2次元光学撮像素子16の画素ピッチをDとしたとき、D=k*Dと定義すると、kが1/2<k≦3/2の範囲である場合、自己像と2次元光学撮像素子16の受光部との干渉を生じさせることができる。また、自己像に対する2次元光学撮像素子16の配置関係を、干渉縞の周期が画素ピッチDの2倍以上100倍以下となるように、調整することが好ましい。自己像に対する2次元光学撮像素子16の配置関係の調整としては、例えば、自己像に対する2次元光学撮像素子16の回転角を調整することが挙げられる。干渉縞の周期が画素ピッチDの100倍よりも大きい場合、画素ピッチDに対して得られる画像の解像度が低くなり過ぎ、2次元光学撮像素子16が干渉縞の周期に対して不要に高解像度となる。この場合、本発明の放射線位相変化検出方法により、被写体14による放射線の位相変化を検出することは可能ではあるが、2次元光学撮像素子16の各画素に入射する光線本数が非常に少なくなり、統計的なノイズが発生する原因となりうる。そのため、干渉縞の周期が画素ピッチDの2倍以上100倍以下となるように、2次元光学撮像素子16の回転角を調整することが好ましい。また、干渉縞の周期は、画素ピッチDの2倍以上20倍以下であることがより好ましく、画素ピッチDの4倍近傍であることがさらに好ましい。
表1には、自己像の周期が8μmの場合の干渉縞の周期と画素ピッチDの関係を式1より算出した。画素ピッチDが自己像の周期Dと近い値であるとき、干渉縞の周期は著しく大きくなる。この場合、式2より算出されるように、2次元光学撮像素子16の回転角θを調整することで、干渉縞の周期を画素ピッチDの2倍以上100倍以下へと調整可能である(表1)。例えば、2次元光学撮像素子16の回転角θを12°回転させることで、自己像の周期が8μmであり画素ピッチが8.01μmの場合では、干渉縞の周期が画素ピッチDの800倍から4.78倍に調整可能となる。2次元光学撮像素子16は時計回り、反時計回りのどちらに回転させてもよく、また回転角は干渉縞の周期が画素ピッチDの2倍以上100倍以下となるよう任意に調整することが可能である。さらに、2次元光学撮像素子16は並進させて調整してもよい。
干渉縞の周期=D×D/|D−D| (1)
干渉縞の周期=D={(1/D)+(1/D)−((2/D*D)*cosθ)}^(−1/2) (2)
本発明の放射線位相変化検出方法のD=k*Dの関係において、k≦1/2の場合には、サンプリング定理から、干渉縞の周期ではなく、直接自己像の周期を測定できるが、本発明の放射線位相変化検出方法では干渉縞を形成させることにより、より大きな画素ピッチの素子が利用可能となるメリットが生じる。例えば、比較的大面積の光学撮像素子(CCDやCMOSイメージセンサ等)では、画素ピッチが小さいと画素数が増え、読み出しに時間がかかるといった問題や、センサ自体の歩留まりにも影響を与えるといった問題を有する。このため、本発明の放射線位相変化検出方法では、所望の画像解像度の範疇で、限りなく画素ピッチを大きくすることにより、前記の問題を解決できるという効果を奏する。例えば、本発明の放射線位相変化検出方法では、自己像の周期が10μmであれば、5μm以上の画素ピッチの画素を有する2次元光学撮像素子16を用いることができる。
一方で、k≦3/2までの画素ピッチでなければ、干渉縞の周期に対する画素ピッチDの比が2倍より小さくなり、干渉縞自体をサンプリングすることができなくなる。そのため、本発明の放射線位相変化検出方法では、自己像の周期が10μmであれば、画素ピッチDが15μm以下の画素を有する2次元光学撮像素子16を用いることができる。
以上のように、放射線としてX線を用いた例を示したが、放射線としては、シンチレータ15を励起し、発光させることができるものであればよい。この様な放射線としては、γ線、中性子線等が挙げられる。
また、用いる2次元光学撮像素子16において、1画素中に占める開口率、すなわち受光部32の面積と画素の面積との比率についてはいかなる開口率のものも用いることができるが、該開口率は、干渉縞を撮像した場合の縞のコントラストに反映される。
図3には、画素ピッチ33を有する2次元光学撮像素子16を示す。2次元光学撮像素子16の画素31の面積をS、画素31中の受光部32の面積をPとした時、P/Sで表わされる開口率(FF:Fill Factor)が0.01〜1.0の範囲であれば、干渉縞の良好なコントラストを得ることができる。例えば、自己像が8μmの周期を有し、2次元光学撮像素子16の画素ピッチ33が7.2μmの場合に、開口率を変化させ、画像を得た。開口率が0.56のとき、図4(A)に示す干渉縞の画像が得られ、開口率を変化させた場合には、その画像の断面プロファイルは図4(B)に示すように変化した。図4(B)に示されるように、開口率の変化によって干渉縞の振幅(コントラスト)は変化するが、周期性は損なわれないため、開口率は幅広く選択することが可能である。
本発明の放射線位相変化検出方法では、被写体14の有無による自己像と2次元光学撮像素子16との間で生じた干渉縞の撮像結果の位相変化を解析する。解析手法はいずれの方法でも良く、好ましくは、位相変化を解析する手法はフーリエ変換法である。フーリエ変換法を用いることで、位相変化は得られた干渉縞の周期相当の解像度で解析することができる。また、複数回の撮像が必要となるが、高い解像度を得ることができる縞走査干渉法により、位相変化を解析しても良い。
本発明の放射線位相変化検出方法では、被写体14の挿入により自己像と2次元光学撮像素子16との間で生じた干渉縞の位相変化は、上記解析により画像として取得できる。そのため、本発明の放射線位相変化検出方法では、被写体14が挿入されていない場合の干渉縞の画像と、被写体14が挿入されている場合の干渉縞の画像とを比較することにより、放射線の位相変化に起因する自己像の周期D1の変化による干渉縞のゆがみを画像として出力することで、被写体14の挿入による放射線の位相変化を検出することができる。
[共晶相分離シンチレータ]
図5に本発明の放射線位相変化検出方法に用いるシンチレータ15の例を示す。
本発明の放射線位相変化検出方法に用いるシンチレータ15は、シンチレータとして機能する複数の第一の相51と、第二の相52とを有し、同一面上にない二つの面(第一の面と第二の面と呼ぶことがある。)を結ぶ方向に一軸性を有し、その方向に光導波性を有する一軸性共晶相分離シンチレータであることが好ましい。複数の第一の相51は、第二の相52に取り囲まれてなる、それぞれ光導波方向53に沿って一方向性を有する柱状のファイバー構造の相であり、第二の相52中に、一定の平均構造周期55で存在する。
なお、第一の面と第二の面は、第一の相51が延びる方向(光導波方向53)に対して略垂直(±20°以内)であることが好ましい。
また、第一の相51は高屈折率相であり、第二の相52は低屈折率相である必要がある。さらに、第一の相51はシンチレータとして機能するので、第一の相51は放射線の吸収により励起し、発光した光を光ファイバーのように導波することが可能である。
このような共晶相分離シンチレータの第一の相51と第二の相52の材料としては、表2のような組み合わせの材料系を用いることが可能である。
第一の相51の形状は、図5に示すような円柱状に限られず、断面が楕円形の柱状体や、側面が任意の曲面で構成された柱状体であってもよく、さらには複数の面から構成される断面が多角形である柱状体であってもよい。第一の相51の柱の径54は50nm以上30μm以下であることが好ましい。すなわち、第一の相51の断面が円形である場合、その直径が50nm以上30μm以下であることが好ましい。また、第一の相51の断面が楕円形である場合、その長軸および短軸が50nm以上30μm以下であることが好ましい。さらに、第一の相51の断面が多角形である場合、重心とある頂点との距離の2倍の値のうち、最も小さい値と最も大きい値が50nm以上30μm以下であることが好ましい。
また、共晶相分離シンチレータ中の第一の相51の平均構造周期55は、第一の相51の断面の重心間の平均距離で表わされ、500nm以上50μm以下であることが好ましい。ただし、平均構造周期55は、自己像の周期Dの半分よりも小さくなければならない。
第一の相51は、途切れ、分岐、結合等を有していてもよいが、第一の面と第二の面の間で連続していることが好ましい。
共晶相分離シンチレータの厚み56は、第一の相51がシンチレータとして機能するように、吸収する放射線のエネルギーによって適宜選択することができる。本発明の放射線位相変化検出方法に用いる共晶相分離シンチレータの厚み56としては、好ましくは10μm以上40mm以下であり、より好ましくは50μm以上5mm以下である。
このような構造を有する共晶相分離シンチレータは、例えば、平均構造周期55が1.68μm、第一の相51の柱の径54が平均1.24μmのGdAlOであり、共晶相分離シンチレータの厚み56が150μmである場合において、8μmの自己像の周期Dを十分解像できる性能を有している。図6には、8μmの周期を有する自己像を模した可視光線を裏面より入射させ、上記の共晶相分離シンチレータで伝送させた透過像を示す。図6より、10μm以下の自己像も第一の相51それぞれにより伝送されることが確認できる。
従って、共晶相分離シンチレータの構造により自己像に関する情報が著しく変調されることや、回折現象を生じることはなく、自己像が劣化することはない。そのため、自己像の周期Dと2次元光学撮像素子16の画素ピッチ33であるDが本発明の放射線位相変化検出方法の関係性を満たす場合、干渉縞を生じさせるための吸収格子21や光学回折格子22が不要な放射線位相変化検出方法を提供できる。
本発明の放射線位相変化検出方法では、2次元光学撮像素子16の撮像面に、共晶相分離シンチレータの第一の相51を直接接触させる配置とすることが好ましい。この場合、第一の相51は2次元光学撮像素子16の撮像面に張り合わされても良い。2次元光学撮像素子16は、専用品でも、画素毎にマイクロレンズが設けられているような汎用品でも良い。また、直接張り合わせる場合でも、受光面とシンチレータを直接接触させる必要はなく、各種保護層等が介在してもよい。さらに、共晶相分離シンチレータの第一の相51を透過した放射線が、2次元光学撮像素子16に入射して生じるスポットノイズの軽減策を講じるために、共晶相分離シンチレータと2次元光学撮像素子16との間に、自己像の周期の半分以下の周期性を有する、着目する周期成分に影響を与えないファイバーオプティクスプレート(以下、「FOP」ともいう。)を挿入することが好ましい。
[放射線位相変化検出装置]
本発明の放射線撮影装置は、放射線源、位相格子13、シンチレータ15、及び2次元光学撮像素子16を有する。
本発明の位相変化検出方法は、吸収格子21や光学回折格子22が不要であるため、本発明の放射線撮影装置には、それらを設ける必要はない。また、本発明の放射線撮影装置には、各部の位置調整用及び被写体14の挿入を行う駆動系、位相変化を抽出し解析するための演算部分、及び位相変化を可視化する画像取得手段を設けることもできる。放射線としてX線を用いる場合は、前述の本発明の放射線位相変化検出方法の構成に示した、X線源11、位相格子13、シンチレータ15、及び2次元光学撮像素子16を用いて放射線撮影装置を構成することが可能である。この場合、放射線撮影装置の装置長を2m以下とすることも可能である。
[実施例1]
第一の相51の材料がGdAlOであり、第二の相52の材料がAlである共晶相分離シンチレータを用い、共晶相分離シンチレータによる自己像に関する情報の著しい変調の有無を確認した。前記共晶相分離シンチレータは、GdサイトにTbを添加し、2次元光学撮像素子16の受光感度の高い緑色の発光を有する共晶相分離シンチレータであり、その厚み56は150μm、平均構造周期55は1.68μm、第一の相の柱の径54は平均1.24μmであった。
X線光学系は、ターゲットをタングステンとした28keV、Alフィルター1mmの線質のX線源11に、12.75μmのピッチを有する線源格子12を挿入して用いた。シリコン製2次元位相格子13による自己像の周期Dは8.24μmとなった。
以上の条件で、自己像が結像する位置に共晶相分離シンチレータを配置し、レンズで拡大して自己像の直接撮像を約40秒行った。このとき、線源格子12から共晶相分離シンチレータまでの距離は1185mmであり、レンズ光学系における、1画素あたりの解像度は0.65μmである。
上記条件で撮影された、共晶相分離シンチレータの出射面の自己像を図7に示す。図7には、8.24μmの周期を有する自己像が明瞭に描出された。このことから、共晶相分離シンチレータにより自己像の周期パターンが変調されていないことが確認できた。
さらに、共晶相分離シンチレータの厚み56を300μmに変更し、4.4μmの画素ピッチ33のCCD(本発明の放射線位相変化検出方法における、D=k*Dの式よりk=0.534)に張り合わせて撮像した。すると、8.24μmの自己像の周期Dは、約9.4μmの周期の干渉縞(モアレ縞)として検出された。また、被写体14として用いた直径4mmのナイロン球挿入前後のモアレ縞の変化は、フーリエ変換法により当該周波数成分の変調として抽出し、解析することができた。
以上から、シンチレータによる自己像の劣化はなく、本発明の放射線位相変化検出方法が、放射線と位相格子13によって形成される自己像と2次元光学撮像素子16との干渉により生じた干渉縞の周期における位相変化の検出方法として有効であることを確認した。
[実施例2]
実施例1の共晶相分離シンチレータの厚みを250μmとし、約2.5mm厚の約3μmの周期性を有するFOPを共晶相分離シンチレータと2次元光学撮像素子16との間に挿入し、撮像時間を8秒とした他は、実施例1と同様に干渉縞の撮像を行った。フーリエ変換法により解析を行った結果、FOP由来の長周期の回折スポットが見受けられるものの、図8(A)に示すように、自己像の周期Dは約9.4μmの周期の干渉縞(モアレ縞)として検出された。
また、直径4mmのナイロン球の挿入前後の位相変化を抽出し、フーリエ変換法により析を行った。その結果、図8(B)の画像が得られ、本発明の放射線位相変化検出方法において、自己像の周期Dの半分以下の周期性を有するFOPの挿入は、本発明の放射線位相変化検出方法において、自己像の周期Dの周期成分に対して問題となるような影響は与えず、かつスポットノイズの軽減効果が確認できた。
本発明の放射性位相変化検出方法は、吸収格子や回折格子が不要であり、そのためコンパクトに放射性位相変化検出装置等を構成する事を可能にするものであり、X線、γ線、中性子線等において応用可能である。特に、X線領域では、医療用・産業用、位相変化撮影装置等に用いることが可能である。
11 X線源
12 線源格子
13 位相格子
14 被写体
15 シンチレータ
16 2次元光学撮像素子
21 吸収格子
22 光学回折格子
31 画素
32 受光部
33 画素ピッチ
51 第一の相
52 第二の相
53 光導波方向
54 第一の相の柱の径
55 平均構造周期
56 共晶相分離シンチレータの厚み

Claims (9)

  1. 位相格子による自己像の周期をD、シンチレータを備えた2次元光学撮像素子の画素ピッチをD=k*Dと定義するとき、前記kが1/2<k≦3/2の範囲であり、
    かつ前記自己像に対する前記2次元光学撮像素子の配置関係によりDとDから形成される干渉縞が、Dの2倍以上100倍以下の周期を有するように、前記2次元光学撮像素子を配置し、被写体の挿入前後の前記干渉縞の位相変化を取得し、少なくとも被写体の挿入による放射線の位相変化に関する画像を出力させることにより、前記放射線の位相変化を検出することを特徴とする放射線位相変化検出方法。
  2. 前記干渉縞の周期を、前記Dの100倍以下の周期を有する干渉縞とするために、前記自己像に対する前記2次元光学撮像素子の配置関係を調整することを特徴とする、請求項1に記載の放射線位相変化検出方法。
  3. 前記配置関係を調整することが、前記自己像に対して垂直に交わる線を回転軸にして、前記自己像に対する前記2次元光学撮像素子の回転角を調整するものであることを特徴とする、請求項2に記載の放射線位相変化検出方法。
  4. 前記シンチレータが、少なくとも150μmの厚さにおいて、100[lp/mm]を解像できるシンチレータである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線位相変化検出方法。
  5. 前記シンチレータが、複数のGdAlOを有するファイバー構造がAlを有する材料で取り囲まれてなる共晶相分離シンチレータであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の放射線位相変化検出方法。
  6. 前記シンチレータと前記2次元光学撮像素子との間に、前記自己像の周期D1の半分以下の周期性を有するファイバーオプティクスプレートがさらに配置されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の放射線位相変化検出方法。
  7. 放射線源、位相格子、シンチレータ、及び2次元光学撮像素子を有する放射線撮影装置であって、
    前記位相格子による自己像の周期をD前記シンチレータを備えた前記2次元光学撮像素子の画素ピッチをD=k*Dと定義するとき、前記kが1/2<k≦3/2の範囲であり、
    かつ前記自己像に対する前記2次元光学撮像素子の配置関係により形成される干渉縞が、Dの2倍以上100倍以下の周期を有するように、前記2次元光学撮像素子を配置し、被写体の挿入前後の前記干渉縞の位相変化を取得し、少なくとも前記被写体による放射線の前記位相変化に関する画像を出力させることにより、前記放射線の前記位相変化を検出することを特徴とする、放射線撮影装置。
  8. 前記放射線源がX線源であることを特徴とする、請求項に記載の放射線撮影装置。
  9. さらに、線源格子を有し、
    前記放射線源、前記線源格子、前記位相格子、前記シンチレータ、及び前記2次元光学撮像素子からなる群から選ばれる少なくとも一つの位置調整及び前記被写体の挿入を行う駆動系、
    前記位相変化を抽出し解析するための演算部分、及び
    前記位相変化を可視化する画像取得手段、から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする、請求項7または8に記載の放射線撮影装置。
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