一実施形態に係る発券機(カード処理装置)10を、図1,2,3,4,5,6を用いて説明する。図1は、発券機10を示す概略図である。図2は、発券機10の印刷部60を示す側面図である。図3は、印刷部60の要部を示す平面図である。図4は、印刷部60の要部を示す正面図である。図5は、印刷部60を示す側面図である。図6は、印刷部60を示す側面図である。
発券機10は、内部にICチップ2を有するICカードである券媒体1から、鉄道の駅の改札機で処理される乗車券5を形成可能に構成されている。具体的には、発券機10は、券媒体1のICチップ2に乗車券情報等を入力し、及び、券媒体1の表面3に乗車可能区間等の情報を印刷することにより、券媒体1から乗車券5を形成する。
また、発券機10は、乗車券5の情報を新しい情報に変更することが可能に構成されている。具体的には、発券機10は、乗車券5のICチップ2に入力されている乗車券情報等の書き換えの処理、及び、乗車券5の表面3に印刷されている乗車可能区間等の情報を消去して新しい情報を印刷する処理を可能に構成されている。
図1に示すように、発券機10は、具体的には、乗車券5を排出及び挿入可能な開口21が形成された筐体20、筐体20内に収容されたフレーム30、フレーム30に支持され、内部に券媒体1を収容可能なホッパ40、及び、フレーム30に支持され、券媒体1または乗車券5に上述の処理を施す処理部50を有している。
筐体20は、フレーム30、ホッパ40、及び、処理部50の一体物を出し入れ可能な筐体用開口22が形成された筐体本体23、及び、筐体用開口22を開閉可能に形成された筐体用扉部材24を有している。筐体本体23は、例えば、一端が開口する直方体状に形成されている。筐体用開口22は、この一端の開口により形成されている。
ここで、発券機10の前後方向F、上下方向V、及び、幅方向Wについて説明する。本実施形態では、一例として、筐体用開口22が形成される側を前とし、筐体用開口22に対向する壁部を後壁部として、前後方向Fが定められる。上下方向Vは、一例として、発券機10が床面等などの設置面6に設置された状態における重力方向を下方向として定められる。上下方向Vは、前後方向Fに対して直交する方向である。幅方向Wは、前後方向Fと上下方向Vとに直交する方向である。
筐体用扉部材24は、筐体本体23の筐体用開口22の上下方向Vに沿う一方の縁部に、当該縁部周りに回動可能に設けられている。筐体用扉部材24は、筐体20の壁部の一部を構成する。筐体用扉部材24は、開口21が形成されている。筐体用扉部材24の前面には、開口21から排出された乗車券5を受ける受け皿27が設けられている。
フレーム30は、ホッパ40及び処理部50が固定されており、これらホッパ40及び処理部50を一体に移動可能に支持している。フレーム30は、例えば、処理部50が有する、後述する繰り出し装置51、搬送装置52、印刷部60等の複数の装置が有する各々のフレームを結合することにより、構成されてもよい。
ホッパ40は、筐体20の後部に配置されている。ホッパ40は、例えば、直方体状に形成されている。ホッパ40は、例えば、ホッパ40及び処理部50の一体物が筐体20外に配置された状態において、外部より券媒体1を充填可能に形成されている。具体的には、ホッパ40の周囲壁には、券媒体1を通すことが可能な開口が形成されており、この開口を通して内部に券媒体1をホッパ40内に充填可能となっている。
処理部50は、券媒体1が有するICチップ2に対して乗車券情報等を書き込む処理を施し、及び、券媒体1の表面3に乗車区間等の情報を印刷する処理を施すことにより乗車券5を形成し、形成された乗車券5を開口21まで搬送可能に形成されている。さらに、処理部50は、筐体20の開口21から挿入された既存の乗車券5に対して、ICチップ2に記憶されている情報を書き換える処理を施し、及び、表面3に印刷されている文字等を消去して新しい文字等を印刷する処理を施し、これら処理が施された乗車券5を開口21まで搬送可能に形成されている。
処理部50は、ホッパ40内の券媒体1を、ホッパ40外へ一枚ずつ繰り出す繰り出し装置51、券媒体1及び乗車券5を搬送する搬送装置52、IC処理部53、IC処理部53よりも開口21側に設けられた印刷部60を有している。
繰り出し装置51は、例えば、ホッパ40の底面に形成された溝を通してその一部がホッパ40内に位置する繰り出しローラ51a、及び、繰り出しローラ51aを回転する駆動機構51b有している。
繰り出しローラ51aは、フレーム30に回転可能に支持されている。繰り出しローラ51aは、ホッパ40内に収容された券媒体1に接触するとともに、回転することにより、接触する券媒体1をホッパ40外へ一枚ずつ繰り出し可能に形成されている。ホッパ40の前壁部には、繰り出し装置51により繰り出された券媒体1が通るスリット等の開口部が形成されている。
駆動機構51bは、例えば、フレーム30に固定された駆動モータ51c、及び、駆動モータ51cの回転を繰り出しローラ51aに伝達するベルト等の伝達機構51dを有している。
搬送装置52は、ホッパ40から開口21まで、券媒体1、または、乗車券5を湾曲することなく搬送可能に構成されている。具体的には、搬送装置52は、券媒体1または乗車券5が通る、前後方向Fに平行な直線状の搬送路Lの一部を形成している。これは、本実施形態では券媒体1が一例としてICチップ2を内部に有するICカードであり、湾曲することが好ましくない為である。
搬送装置52は、例えば、搬送路Lの一部を構成する複数の搬送ローラ52a、及び、搬送ローラ52aを駆動する駆動機構52bを有している。本実施形態では、搬送路Lは、複数の搬送ローラ52aに加えて、後述する印刷ヘッド用プラテンローラ63、及び、後述する消去ヘッド用プラテンローラ64により、形成されている。これらローラ上に券媒体1または乗車券5が載置されてこれらローラが回転すると、券媒体1または乗車券5が搬送される。このように、搬送路Lは、これらローラ上に形成される。
搬送ローラ52aは、フレーム30に支持されている。搬送ローラ52aが駆動機構52bにより回転することにより、搬送路L上に載置された券媒体1及び乗車券5が、搬送される。搬送路L上の券媒体1及び乗車券5は、各ローラの外周面の上端となる部分に接触する。なお、ローラの外周面においてその上端となる部分は、ローラが回転することによって、変化する。搬送路L上の券媒体1及び乗車券5の姿勢は、搬送路Lを形成する各ローラに応じて決定される。
搬送路Lにおいて、券媒体1、及び、乗車券5が載置される載置面VPは、搬送ローラ52aの上端、印刷ヘッド用プラテンローラ63の上端、及び、消去ヘッド用プラテンローラ64の上端が配置される面となる。本実施形態では、載置面VPは、平面に形成されている。券媒体1、及び、乗車券5は、両主面が平行なカード状に形成されているので、券媒体1の表面3及び乗車券5の表面3は、搬送路Lにおいて券媒体1及び乗車券5が載置される載置面VPと平行となる。
本実施形態では、搬送路Lは、その、券媒体1及び乗車券5が載置される載置面VPが、水平面、すなわち、重力方向に平行な上下方向Vに直交する面に形成されている。すなわち、複数の搬送ローラ52a、印刷ヘッド用プラテンローラ63、及び、消去ヘッド用プラテンローラ64は、各々の外周面の上端が配置される面が水平面となるように設置されている。また、これらローラは、各々の回転軸が水平方向に平行に形成されている。
駆動機構52bは、駆動モータ52c、及び、駆動モータ52cの回転を搬送ローラ52aに伝達するベルト等の伝達機構52dを有している。駆動機構52bは、フレーム30に支持されている。
IC処理部53は、フレーム30に支持されている。IC処理部53は、券媒体1中に組み込まれたICチップ2に乗車券情報等を入力可能に形成されている。また、IC処理部53は、既存の乗車券5のICチップ2に入力されている情報を、新しい情報に書き換えることが可能に形成されている。
印刷部60は、券媒体1の表面3及び乗車券5の表面3に乗車区間等を印刷可能に、及び、表面3に印刷された文字等を消去可能に形成されている。印刷部60は、図2に示すように、具体的には、フレーム30の一部を構成する一対のサイドフレーム31、搬送路L上に配置され、券媒体1の表面3及び乗車券5の表面3に文字等を印刷可能な印刷ヘッド61、印刷ヘッド61よりも搬送路Lに沿ってホッパ40側に配置され、印刷ヘッド61により印刷された文字等を消去可能な消去ヘッド62、印刷ヘッド61の下方に配置され、搬送路Lの一部を構成する印刷ヘッド用プラテンローラ63、消去ヘッド62の下方に配置され、搬送路Lの一部を構成する消去ヘッド用プラテンローラ64、印刷ヘッド61及び消去ヘッド62を、券媒体1または乗車券5の表面3に対して処理を施す位置P1と退避する位置P2との間で移動可能に支持する支持機構70、並びに、印刷ヘッド61及び消去ヘッド62を、処理を施す位置P1と退避する位置P2との間で選択的に移動する移動装置150を有している。
サイドフレーム31は、図4に示すように、搬送路Lの幅方向外側に両方に1つずつ配置されている。サイドフレーム31は、板状に形成されている。
印刷ヘッド61は、図2に示すように、両サイドフレーム31間の搬送路L上に配置されている。印刷ヘッド61は、券媒体1の表面3、または、乗車券5の表面3に、例えば印刷する文字等の形状に応じて熱を加えることにより文字等を印刷する。これは、券媒体1が、所定の熱を加えることにより、文字等を表示可能な性質を有する為である。印刷ヘッド61において、券媒体1または乗車券5に処理を施す位置P1は、券媒体1または乗車券5に接触する位置となる。
消去ヘッド62は、両サイドフレーム31間の搬送路L上に配置されている。また、消去ヘッド62は、本実施形態では、印刷ヘッド61よりもホッパ40側に配置されている。消去ヘッド62は、乗車券5の表面3に例えば熱を加えることにより、表面3に印刷されている文字を消去する。これは、券媒体1が、所定の熱を加えることにより、表示されている文字等を消去可能な性質を有する為である。消去ヘッド62において、処理を施す位置P1は、券媒体1または乗車券5に接触する位置となる。
印刷ヘッド用プラテンローラ63は、両サイドフレーム31間において、印刷ヘッド61の下方に配置されている。印刷ヘッド用プラテンローラ63は、サイドフレーム31に回転可能に支持されている。印刷ヘッド用プラテンローラ63の回転軸は、幅方向Wに平行である。
印刷ヘッド用プラテンローラ63は、搬送路Lの一部を構成している。印刷ヘッド用プラテンローラ63は、その上端となる周面の一部が、券媒体1または乗車券5が載置される載置面VP上に配置されている。また、印刷ヘッド用プラテンローラ63は、印刷ヘッド61との間に券媒体1または乗車券5を挟持可能に形成されている。
消去ヘッド用プラテンローラ64は、両サイドフレーム31間において、消去ヘッド62の下方に配置されている。消去ヘッド用プラテンローラ64は、サイドフレーム31に回転可能に支持されている。消去ヘッド用プラテンローラ64の回転軸は、幅方向Wに平行である。
消去ヘッド用プラテンローラ64は、搬送路Lの一部を構成している。消去ヘッド用プラテンローラ64は、その上端となる周面の一部が、券媒体1または乗車券5が載置される載置面VP上に配置されている。また、消去ヘッド用プラテンローラ64は、消去ヘッド用プラテンローラ64との間に券媒体1または乗車券5を挟持可能に形成されている。
支持機構70は、印刷ヘッド61が固定された印刷ヘッド固定部80、印刷ヘッド61の位置P1,P2間の移動をガイド可能に形成された印刷ヘッドガイド機構90、消去ヘッド62が固定された消去ヘッド固定部100、及び、消去ヘッド62の位置P1,P2間の移動をガイド可能に形成された消去ヘッドガイド機構110を有している。
印刷ヘッド固定部80は、本実施形態では、複数の部品から構成されている。図3は、印刷ヘッド固定部80、印刷ヘッド固定部80に固定された印刷ヘッド61、及び、移動装置150の一部を示す平面図である。第1のブロック81は、図2,3に示すように、例えば直方体状の金属片から構成されている。印刷ヘッド固定部80は、具体的には、搬送路Lの幅方向外側一方に配置された第1のブロック81、搬送路Lの幅方向外側他方に配置された第2のブロック82、並びに、第1のブロック81及び第2のブロック82を連結する第1の連結部83を有している。
第1のブロック81は、その上面81a及び下面81bが水平面に形成され、前面81c及び後面81dが前後方向Fに直交する平面に形成され、幅方向Wの両側面81e,81fが、幅方向Wに直交する平面に形成されている。
第1のブロック81は、リニアボールベアリング84が設けられている。リニアボールベアリング84は、その両端が上面81a及び下面81bに開口している。リニアボールベアリング84は、上下方向Vに平行な軸部材(本実施形態では、第1のシャフト91)を内部に支持し、かつ、第1のブロック81に対するこの軸部材の上下方向Vの移動をスムーズにガイド可能に形成されている。
第2のブロック82は、搬送路Lを挟んで第1のブロック81に対して幅方向他方に配置されている。第2のブロック82は、図3に示すように、例えば直方体状の金属片から構成されている。第2のブロック82は、その上面82a及び下面が水平面に形成され、前面82c及び後面82dが前後方向Fに直交する平面に形成され、幅方向Wの両側面82e,82fが、幅方向Wに直交する平面に形成されている。
第2のブロック82は、上面82aと下面とを連通する連通孔85が形成されている。連通孔85は、その断面形状が一定である。連通孔85は、その軸線が上下方向Vに平行である。
連通孔85は、その軸線に直交する断面形状が前後方向Fに沿う長さに対して幅方向Wに沿う長さが長い長孔形状に形成されている。連通孔85は、具体的には、前後方向Fの長さが一定である基部85a、及び、基部85aの幅方向両端に形成された円弧状の端部85bを有している。
第1の連結部83は、例えば、板状に形成されている。第1の連結部83は、その幅方向一端部が第1のブロック81の後面81dに固定されている。第1の連結部83は、その幅方向他端部が第2のブロック82の後面82dに固定されている。
第1の連結部83は、その前面に、印刷ヘッド61を固定している。印刷ヘッド61は、第1のブロック81と第2のブロック82との間に配置されている。第1の連結部83は、印刷ヘッド61を、印刷ヘッド用プラテンローラ63上に載置された券媒体1または乗車券5に対して良好な印刷が可能となる姿勢で、固定している。
本実施形態では、印刷ヘッド61において印刷を良好な印刷が可能となる姿勢は、例えば、印刷ヘッド61において、印刷する際に券媒体1の表面3または乗車券5の表面3に接触する接触面が、表面3に平行となる姿勢であり、すなわち、載置面VPに平行な姿勢である。
印刷ヘッドガイド機構90は、印刷ヘッド61により処理が施される位置にある券媒体1の表面3または乗車券5の表面3に直交する方向に沿う印刷ヘッド61の移動をガイド可能に形成されている。
印刷ヘッド61により処理される券媒体1または乗車券5は、搬送路Lにおいて印刷ヘッド61の下方に配置されることとなる。この為、印刷ヘッドガイド機構90は、搬送路Lの載置面VPにおいて印刷ヘッド61の下方の部分に直交する方向に沿う印刷ヘッド61の移動をガイドすることとなる。本実施形態では、印刷ヘッドガイド機構90は、印刷ヘッド61の上下方向Vの移動をガイドすることとなり、退避する位置P2は、処理を施す位置P1に対して上下方向Vに沿って上方の位置となる。
なお、本実施形態では、印刷ヘッド61は印刷ヘッド固定部80に固定されているので、印刷ヘッドガイド機構90は、印刷ヘッド固定部80の上下方向Vの移動をガイドすることにより、印刷ヘッド61の上下方向Vの移動をガイドする。また、印刷ヘッドガイド機構90は、印刷ヘッド固定部80が着脱可能に形成されている。
印刷ヘッドガイド機構90は、図2,3,4に示すように、搬送路Lの幅方向外側一方に設けられた第1のシャフト91、及び、搬送路Lの幅方向外側他方に設けられた第2のシャフト92を有している。
第1のシャフト91は、第1のブロック81側に配置されている。第1のシャフト91は、その軸線に直交する断面が、例えば円形に形成されている。第1のシャフト91の下端部は、サイドフレーム31に固定されている。第1のシャフト91は、本実施形態では、ブラケット120を介して、サイドフレーム31に固定されている。
ブラケット120は、サイドフレーム31にねじ等の固定部材により固定された板状の固定部121、及び、固定部121の上端から幅方向外側に延出する板状のシャフトホルダ122を有している。
固定部121は、搬送路Lに沿って、消去ヘッド用プラテンローラ64の近傍において消去ヘッド用プラテンローラ64よりもホッパ40側の位置から、印刷ヘッド用プラテンローラ63の近傍において印刷ヘッド用プラテンローラ63よりも開口21側の位置まで延びている。シャフトホルダ122は、第1のシャフト91の下端部が固定されている。
第1のシャフト91は、上下方向Vに平行に形成され、リニアボールベアリング84に支持されている。第1のシャフト91がリニアボールベアリング84に支持されることにより、第1のブロック81、すなわち印刷ヘッド固定部80が上下方向Vにスムーズに移動可能となる。言い換えると、第1のシャフト91は、リニアボールベアリング84により、第1のブロック81に対する相対的な移動がガイドされる。
また、第1のシャフト91は、第1のブロック81に対して、着脱可能に形成されている。すなわち、印刷ヘッド固定部80を上方に移動することにより、第1のブロック81を第1のシャフト91に対して取り外すことができる。
第2のシャフト92は、第2のブロック82側に配置されている。第2のシャフト92の下端部は、フレーム30に固定されている。第2のシャフト92は、本実施形態では、図4に示すように、ブラケット130を介して、サイドフレーム31に固定されている。ブラケット130は、例えば、ブラケット120と同形状である。
ブラケット130は、サイドフレーム31に固定された板状の固定部131、及び、固定部131の上端から幅方向外側に延出する板状のシャフトホルダ132を有している。
固定部131は、搬送路Lに沿って、消去ヘッド用プラテンローラ64の近傍において消去ヘッド用プラテンローラ64よりもホッパ40側の位置から、印刷ヘッド用プラテンローラ63の近傍において印刷ヘッド用プラテンローラ63よりも開口21側の位置まで延びている。シャフトホルダ132は、第2のシャフト92の下端部が固定されている。
第2のシャフト92は、上下方向Vに平行に形成され、第2のブロック82の連通孔85内に、第2のブロック82が上下方向Vに移動可能となるように配置されている。
第2のシャフト92は、連通孔85と例えば同軸となるように配置されている。第2のシャフト92は、連通孔85の内面との間に、搬送方向となる前後方向Fには、第2のシャフト92に対する第2のブロック82の前後方向Fの移動を所定の範囲内に収めることが可能な隙間を有し、かつ、幅方向Wにはこの隙間より大きな隙間を有するように形成されている。所定の範囲とは、印刷ヘッド61による表面3への印刷位置の前後方向Fのずれの許容範囲である。
本実施形態では、第2のシャフト92は、その軸線に直交する断面形状が円形状に形成されている。そして、連通孔85は、幅方向Wに長い孔である。第2のシャフト92は、その径は、連通孔85の前後方向Fの長さに対して、第2のブロック82の上下方向のスムーズな移動を確保しつつ、第2のシャフト92に対する第2のブロック82の前後方向Fの移動が上述の所定の範囲内となるように決定されている。第2のシャフト92は、本実施形態では、連通孔85に、前後方向Fには小さな隙間を有するすきまばめ程度で嵌合している。また、本実施形態では、第2のシャフト92は、連通孔85の幅方向Wの両端部85bとの間に、例えば1mm程度の隙間を有している。
第1のシャフト91及び第2のシャフト92がフレーム30に固定されることにより、印刷ヘッド61は、印刷ヘッド固定部80を介して、上下方向Vに、印刷を良好に行うことが可能な姿勢を維持したまま、その移動がガイドされることとなる。
消去ヘッド固定部100は、本実施形態では、複数の部品から構成されている。消去ヘッド固定部100は、具体的には、搬送路Lの幅方向外側一方に配置された第3のブロック101、搬送路Lの幅方向外側他方に配置された第4のブロック102、並びに、第3のブロック101及び第4のブロック102を連結する第2の連結部103を有している。
図3は、消去ヘッド固定部100、消去ヘッド固定部100に固定された消去ヘッド62、及び、移動装置150の一部を示している。
第3のブロック101は、図3に示すように、第1のブロック81側に配置されている。第3のブロック101は、例えば直方体状の金属片から構成されている。第3のブロック101は、その上面101a及び下面が水平面に形成され、前面101c及び後面101dが前後方向Fに直交する平面に形成され、幅方向Wの両側面101e,101fが、幅方向Wに直交する平面に形成されている。
第3のブロック101は、リニアボールベアリング104が設けられている。リニアボールベアリング104は、その両端開口が上面101a及び下面に開口している。リニアボールベアリング104は、上下方向Vに平行な軸部材(本実施形態では、第3のシャフト111)を内部に支持し、第3のブロック101に対するこの軸部材の上下方向Vの相対的な移動をスムーズにガイド可能に形成されている。
第4のブロック102は、第3のブロック101に対して幅方向他方に配置されている。第4のブロック102は、例えば直方体状の金属片から構成されている。第4のブロック102は、その上面102a及び下面102bが水平面に形成され、前面102c及び後面102dが前後方向Fに直交する平面に形成され、幅方向Wの両側面102e,102fが、幅方向Wに直交する平面に形成されている。
第4のブロック102は、上面102aと下面102bとを連通する連通孔105が形成されている。連通孔105は、その軸線に直交する断面形状が一定に形成されている。連通孔105は、その軸線が上下方向Vに平行に形成されている。
連通孔105は、その軸線に直交する断面形状が、前後方向Fに沿う長さに対して幅方向Wに沿う長さが長い長孔形状に形成されている。連通孔105は、具体的には、前後方向Fの長さが一定である基部105a、及び、基部105aの幅方向両端に形成された円弧状の端部105bを有している。
第2の連結部103は、例えば、板状に形成されている。第2の連結部103は、その幅方向一端部が第3のブロック101の前面101cに固定されている。第2の連結部103は、その幅方向他端部が第4のブロック102の前面102cに固定されている。
第2の連結部103は、その後面に、消去ヘッド62を、消去ヘッド用プラテンローラ64上に載置された券媒体1または乗車券5に対して良好な消去処理が可能となる姿勢で固定している。良好な消去処理が可能となる姿勢とは、消去ヘッド62において表面3に接触する面が、表面3に平行となる姿勢であり、すなわち、この接触する面が載置面VPに平行となる姿勢である。消去ヘッド62は、第3のブロック101と第4のブロック102との間に配置されている。消去ヘッド62は、その姿勢が、消去処理が良好となる姿勢を維持したまま、消去ヘッドガイド機構110によりその移動がガイドされることとなる。
消去ヘッドガイド機構110は、消去ヘッド62により処理が施される位置P1にある券媒体1の表面3または乗車券5の表面3に直交する方向に沿う消去ヘッド62の移動をガイド可能に形成されている。
消去ヘッド62により処理が施される券媒体1または乗車券5は、搬送路Lにおいて消去ヘッド62の下方に配置されていることとなる。この為、消去ヘッドガイド機構110は、搬送路Lの載置面VPにおいて消去ヘッド62の下方の部分に直交する方向の消去ヘッド62の移動をガイドすることとなる。すなわち、本実施形態では、消去ヘッド62の上下方向Vの移動をガイドすることとなり、退避する位置P2は、処理する位置P1に対して上下方向Vに沿って上方の位置となる。
なお、本実施形態では、消去ヘッド62は消去ヘッド固定部100に固定されているので、消去ヘッドガイド機構110は、消去ヘッド固定部100の上下方向Vの移動をガイドすることにより、消去ヘッド62の上下方向Vの移動をガイドする。また、消去ヘッドガイド機構110は、消去ヘッド固定部100が着脱可能に形成されている。
消去ヘッドガイド機構110は、搬送路Lの幅方向外側一方に設けられた第3のシャフト111、及び、搬送路Lの幅方向外側他方に設けられた第4のシャフト112を有している。
第3のシャフト111は、第1のブロック81側に配置されている。第3のシャフト111の下端部は、ブラケット120のシャフトホルダ122に固定されている。
第3のシャフト111は、上下方向Vに平行に形成され、リニアボールベアリング104に支持されている。第3のシャフト111がリニアボールベアリング104に支持されることにより、第3のブロック101、すなわち消去ヘッド固定部100が上下方向Vにスムーズに移動可能となる。
また、第3のシャフト111は、第3のブロック101に対して、着脱可能に形成されている。すなわち、消去ヘッド固定部100を上方に移動することにより、第3のブロック101を第3のシャフト111に対して取り外すことができる。
第4のシャフト112は、第4のブロック102側に配置されている。第4のシャフト112の下端部は、ブラケット130のシャフトホルダ132に固定されている。
第4のシャフト112は、その軸線が上下方向Vに平行に形成され、第4のブロック102の連通孔105内に、第4のブロック102が上下方向Vに移動可能となるように配置されている。
第4のシャフト112は、連通孔105と例えば同軸となるように配置されている。第4のシャフト112は、連通孔105の内面との間に、搬送方向となる前後方向Fには、第4のシャフト112に対する第4のブロック102の前後方向Fの移動を所定の範囲内に収めることが可能な隙間を有し、かつ、幅方向Wにはこの隙間より大きな隙間を有している。所定の範囲とは、処理を施す位置P1にある消去ヘッド62の前後方向Fの位置ずれの許容範囲である。すなわち、消去ヘッド62が処理する位置P1にある状態では、処理される乗車券5はその搬送が停止されているが、位置ずれの許容範囲とは、この停止された乗車券5の表面3の文字等を消去できる範囲である。
本実施形態では、第4のシャフト112は、その軸線に直交する断面形状が円形状に形成されている。そして、連通孔105は、その軸線に直交する断面形状が幅方向Wに長い長孔形状に形成されている。第4のシャフト112は、その径は、連通孔105の前後方向Fの長さに対して、第4のブロック102の上下方向のスムーズな移動を確保しつつ、第4のブロック102の前後方向Fの移動が上述の所定の範囲内となるように決定されている。第4のシャフト112は、本実施形態では、連通孔105に、前後方向Fには小さな隙間を有するすきまばめ程度で嵌合する。
また、本実施形態では、第4のシャフト112は、連通孔105の幅方向Wの両端部105bとの間に、例えば1mm程度の隙間を有している。
第3のシャフト111、及び、第4のシャフト112がフレーム30に固定されることにより、消去ヘッド62は、消去ヘッド固定部100を介して、上下方向Vに、消去処理を良好に行うことが可能な姿勢を維持したまま、その移動がガイドされることとなる。
また、第1のシャフト91の上端部は、第1のブロック81の上面81aよりも上方に配置されている。第2のシャフト92の上端部は、第2のブロック82の上面82aよりも上方に配置されている。第3のシャフト111の上端部は、第3のブロック101の上面101aよりも上方に配置されている。第4のシャフト112の上端部は、第4のブロック102の上面102aよりも上方に配置されている。
シャフト91,92,111,112の上端部は、枠状に形成された固定部材160に固定されている。シャフト91,92,111,112の上端部が固定部材160に固定されることにより、シャフト91,92,111,112が互いに支持されるようになる。この為、シャフト91,92,111,112の上下方向Vに平行な姿勢が維持される。
なお、固定部材160は、例えば、フレーム30に固定されてもよい。固定部材160がフレーム30に固定されることにより、シャフト91,92,111,112の上端部が、固定部材160を介してフレーム30に固定されることとなるので、シャフト91,92,111,112の上下方向Vに平行な姿勢が、強固に維持されることとなる。
移動装置150は、印刷ヘッド固定部80を退避する位置P2に向かって付勢する印刷ヘッド付勢部151、消去ヘッド固定部100を退避する位置P2に向かって付勢する消去ヘッド付勢部152、並びに、印刷ヘッド固定部80及び消去ヘッド固定部100を、処理を施す位置P1に向かって選択的に押圧する押圧装置170を有している。
印刷ヘッド付勢部151は、第1のブロック81を上方に向かって付勢する第1のばね151a、及び、第2のブロック82を上方に向かって付勢する第2のばね151bを有している。
第1のばね151aは、第1のブロック81より下方に設けられており、第1のブロック81を上方に付勢している。第1のばね151aは、例えば、第1のシャフト91に設けられたコイルばねである。第1のばね151aは、ブラケット120のシャフトホルダ122の上面と第1のブロック81の下面81bとの間に配置されている。
第2のばね151bは、図4に示すように、第2のブロック82より下方に設けられており、第2のブロック82を上方に向かって付勢している。第2のばね151bは、例えば、第2のシャフト92に設けられたコイルばねである。第2のばね151bは、ブラケット130のシャフトホルダ132の上面と第2のブロック82の下面82bとの間に配置されている。
第1のばね151a、及び、第2のばね151bは、印刷ヘッド固定部80が押圧装置170によって押圧されていない状態では、それらの弾性力により、印刷ヘッド固定部80を退避した位置P2まで押し上げることが可能に形成されている。第1のばね151a、及び、第2のばね151bは、例えば同じものである。すなわち、同じ長さ、及び、同じばね定数を有している。
消去ヘッド付勢部152は、図2に示すように、第3のブロック101を上方に向かって付勢する第3のばね152b、及び、第4のブロック102を上方に向かって付勢する第4のばねを有している。
第3のばね152bは、第3のブロック101より下方に設けられており、第3のブロック101を上方に付勢している。第3のばね152bは、例えば、第3のシャフト111に設けられたコイルばねである。第3のばね152bは、第2のばね151bと同様であってよい。第3のばね152bは、ブラケット130のシャフトホルダ132の上面と第3のブロック101の下面との間に配置されている。
第4のばねは、第4のブロック102より下方に設けられており、第4のブロック102を上方に向かって付勢している。第4のばねは、例えば、第4のシャフト112に設けられたコイルばねである。第4のばねは、ブラケット120のシャフトホルダ122の上面と第4のブロック102の下面102bとの間に配置されている。
第3のばね152b、及び、第4のばねは、消去ヘッド固定部100が押圧装置170によって押圧されていない状態では、それらの弾性力により、消去ヘッド固定部100を退避した位置P2まで押し上げることが可能に形成されている。第3のばね152b、及び、第4のばねは、例えば同じものである。すなわち、同じ長さ、及び、同じばね定数を有している。
押圧装置170は、図2,3に示すように、フレーム30の一部を構成する支持フレーム32、支持フレーム32に固定され、印刷ヘッド固定部80を下方に選択的に押圧可能に形成された印刷ヘッド押圧装置171、及び、支持フレーム32に固定され、消去ヘッド固定部100を下方に選択的に押圧可能に形成された消去ヘッド押圧装置172を有している。
支持フレーム32は、フレーム30において、印刷ヘッド固定部80及び消去ヘッド固定部100よりも上方の部分を構成している。図5は、支持フレーム32が回動した状態を示している。支持フレーム32は、図2に示す、印刷ヘッド押圧装置171が印刷ヘッド固定部80を押圧可能となり、及び、消去ヘッド押圧装置172が消去ヘッド固定部100を押圧可能となる位置に対して、図5に示す、印刷ヘッド固定部80及び消去ヘッド固定部100の交換作業を可能とする回動位置との間で回動可能に形成されている。
支持フレーム32が図5に示す回動位置にある状態では、印刷ヘッド固定部80、及び、消去ヘッド固定部100を上方に移動することによって、印刷ヘッド固定部80、及び、消去ヘッド固定部100を、ヘッドガイド機構90,110から分離することができる。また、印刷ヘッド固定部80、及び、消去ヘッド固定部100を、ヘッドガイド機構90,110に組み付けることができる。
図2,3には、押圧装置171,172の一部が示されている。まず、消去ヘッド押圧装置172について、説明する。消去ヘッド押圧装置172は、第2のソレノイド173、第2のソレノイド173の変位を上下方向Vの変位に変換し、消去ヘッド固定部100に伝達する第2の伝達機構174を有している。
第2のソレノイド173は、本体175、及び、本体175により駆動される駆動軸部176を有している。本体175は、例えば、第1のブロック81よりも上方の位置で、支持フレーム32に固定されている。
駆動軸部176は、本体175内にその一部が配置されており、残りの部分が、本体175に対して後方に配置されている。駆動軸部176は、前後方向Fに移動可能に本体175に支持されている。駆動軸部176は、本体175内のコイルへの通電により、本体175内に引き込む位置、及び、本体175から出る位置との間で駆動される。図2では、第2のソレノイド173が駆動されておらず、駆動軸部176は、本体175内に引き込まれていない。
第2の伝達機構174は、第3のブロック101を押圧可能な第3の押圧部材177、第4のブロック102を押圧可能な第4の押圧部材178、並びに、第3の押圧部材177及び第4の押圧部材178に固定された回転軸179を有している。
第3の押圧部材177は、図2に示すように、第3のブロック101の上方に配置されている。第3の押圧部材177は、例えば、平面形状がL字状である板状に形成されている。第3の押圧部材177の一端部には、第3のブロック101の上面101aに接触可能な接触部の一例であるベアリング177aが設けられている。ベアリング177aは、第3の押圧部材177に、幅方向Wに平行な回転軸回りに回転可能に支持されている。
第3の押圧部材177の他端部は、第2のソレノイド173の駆動軸部176に連結されている。本実施形態では、第3の押圧部材177の他端部は、駆動軸部176に、コイルばね200を介して連結されている。
第4の押圧部材178は、図2に示すように、第4のブロック102の上方に配置されている。第4の押圧部材178は、板状に形成されている。第4の押圧部材17の端部には、第4のブロック102の上面102aに接触可能な接触部の一例であるベアリング178aが設けられている。ベアリング178aは、第4の押圧部材178に、幅方向Wに平行な回転軸回りに回転可能に支持されている。
コイルばね200は、駆動軸部176が本体175内に引き込まれると、引っ張られることにより、延びる。ベアリング177a,178aによる、押圧力は、コイルばね200のばね定数により、決定される。すなわち、コイルばね200は、ベアリング177a,178aによる押圧力が所望の押圧力となるように、形成されている。
回転軸179は、例えばその両端部がフレーム30に回転可能に支持されている。この為、回転軸179が回転すると、回転軸179に固定された、第3の押圧部材177及び第4の押圧部材178が一体に回転軸179の軸線回りに回転する。
第3の押圧部材177に支持されるベアリング177aの回転軸と第4の押圧部材178に支持されるベアリング178aの回転軸とは、同軸上に配置されている。この為、回転軸179が回転することにより、ベアリング177aが第3のブロック101の上面101aに接触すると、同時に、ベアリング178aが第4のブロック102の上面102aに接触する。
第2のソレノイド173の駆動軸部176が引き込まれていない状態、すなわち、図2に示すように、本体175より後方に突出している状態では、第3の押圧部材177は第3のブロック101を押圧せず、かつ、第4の押圧部材178は、第4のブロック102を押圧しない。
第2のソレノイド173により第3の押圧部材177が引っ張られると、第3の押圧部材177が回転軸179回りに回転する。そして、この回転に伴って、回転軸179、及び、第4の押圧部材178が一体に回転する。そして、この回転により、ベアリング177aが第3のブロック101の上面101aを下方に押圧し、同時に、ベアリング178aが第4のブロック102の上面102aを下方に押圧し、消去ヘッド62が、処理を施す位置P1まで移動される。
印刷ヘッド押圧装置171は、その一部が図面に示されているが、その構成は、例えば第2のソレノイド173と同様であってよい。本実施形態では、印刷ヘッド押圧装置171は、第1のソレノイド、第1のソレノイドの変位を上下方向Vの変位に変換し、印刷ヘッド固定部80に伝達する第1の伝達機構180を有している。
第1のソレノイドは、例えば第4のブロック102よりも上方の位置で、支持フレーム32に固定されている。第1のソレノイドは、第2のソレノイド173と同じであってよい。第1のソレノイドの駆動軸部の一部は、本体内に配置されており、残りの部分は、本体部よりも前方に配置されている。駆動軸部は、本体に対して前後方向Fに移動可能に形成されている。
第1の伝達機構180は、第1のブロック81を押圧可能な第1の押圧部材181、第2のブロック82を押圧可能な第2の押圧部材182、並びに、第1の押圧部材181及び第2の押圧部材182に固定された回転軸183を有している。
第1の押圧部材181は、第1のブロック81の上方に配置されている。第1の押圧部材181は、例えば、第4の押圧部材178と同じものである。第1の押圧部材181の端部には、第1のブロック81の上面81aに接触可能な接触部の一例であるベアリング181aが設けられている。ベアリング181aは、第1の押圧部材181に、幅方向Wに平行な回転軸回りに回転可能に支持されている。
第2の押圧部材182は、第2のブロック82よりも上方に配置されている。第2の押圧部材182は、例えば、第3の押圧部材177と同じものである。第2の押圧部材182の一端部には、第2のブロック82の上面82aに接触可能な接触部の一例であるベアリング182aが設けられている。ベアリング182aは、第2の押圧部材182に、幅方向Wに平行な回転軸回りに回転可能に支持されている。
第2の押圧部材182の他端部は、第1のソレノイドの駆動軸部に連結されている。本実施形態では、第2の押圧部材182の他端部は、この駆動軸部に、コイルばね200を介して連結されている。
コイルばね200は、駆動軸部が本体内に引き込まれると、引っ張られることにより、延びる。ベアリング181a,182aによる、押圧力は、コイルばね200のばね定数により、決定される。すなわち、コイルばね200は、ベアリング181a,182aによる押圧力が所望の押圧力となるように、形成されている。
回転軸183は、支持フレーム32に回転可能に支持されている。この為、回転軸183が回転すると、回転軸183に固定された、第1の押圧部材181及び第2の押圧部材182が一体に回転する。
第1の押圧部材181に支持されたベアリング181aの回転軸と第2の押圧部材182に支持されたベアリング182aの回転軸とは、同軸線上に配置されている。この為、回転軸183が回転することにより、ベアリング181aが第1のブロック81の上面81aに接触すると、同時に、ベアリング182aが第2のブロック82の上面82aに接触する。
第1のソレノイドの駆動軸部が引き込まれていない状態では、第1の押圧部材181は第1のブロック81を押圧せず、かつ、第2の押圧部材182は、第2のブロック82を押圧しない。
第1のソレノイドにより第2の押圧部材182が引っ張られると、第2の押圧部材182が回転軸183回りに回転する。そして、この回転に伴って、回転軸183、及び、第1の押圧部材181が一体に回転する。そして、この回転により、ベアリング181aが第1のブロック81の上面81aを下方に押圧し、同時に、ベアリング182aが第2のブロック82の上面82aを下方に押圧し、印刷ヘッド固定部80が処理を施す位置P1まで移動される。
次に、発券機10の動作を説明する。まず、券媒体1から乗車券5を作成する動作を説明する。制御装置の指示、または、発券機10に接続された別の装置の指示により、処理部50が駆動される。
具体的には、繰り出し装置51によりホッパ40内の券媒体1がホッパ40外へ繰り出される。次に、搬送装置52が駆動される。搬送装置52は、ホッパ40外へ繰り出された券媒体1を、IC処理部53により処理が施される所定位置まで搬送する。
券媒体1がIC処理部53により処理が施される所定位置まで搬送されると、搬送装置52の駆動が停止される。搬送装置52の駆動が停止されることにより、券媒体1は、上述の所定位置で停止する。券媒体1の搬送が停止されると、IC処理部53は、券媒体1のICチップ2に各種情報を入力する。IC処理部53での処理が完了すると、搬送装置52が駆動され、券媒体1が、印刷部60において印刷ヘッド61による印刷処理が施される所定位置まで搬送される。
券媒体1が、印刷ヘッド61による印刷処理が施される所定位置となる印刷ヘッド用プラテンローラ63上まで搬送されると、搬送装置52が停止される。搬送装置52が停止されることにより、券媒体1は、上述の所定位置で停止する。
券媒体1の搬送が停止されると、印刷ヘッド61により、券媒体1の表面3に印刷処理が施される。具体的には、まず、第1のソレノイドが駆動される。第1のソレノイドが駆動されることにより、駆動軸部が第2の押圧部材182を引っ張る。第2の押圧部材182が引っ張られることにより、第2の押圧部材182は、回転軸183の軸線回りに回転する。また、この回転に伴い、回転軸183、及び、第2の押圧部材182も一体に回転する。
押圧部材181,182が回転することにより、ベアリング181aが第1のブロック81の上面81aを下方に押圧し、同時に、ベアリング182aが第2のブロック82の上面82aを下方に押圧する。なお、ベアリング181a,182aによる押圧力は、コイルばね200により、所望の押圧力となる。
このように、印刷ヘッド押圧装置171は、第1のばね151a,151bの弾性力にあらがって、印刷ヘッド固定部80を下方に移動し、印刷ヘッド61を、券媒体1の表面3に接触するまで移動する。すなわち、図6に示すように、印刷ヘッド61を、退避位置P2から印刷処理をする位置P1まで移動する。なお、図6では、消去ヘッド固定部100についても、処理が施される位置P1まで移動した状態を示している。印刷処理のみが施される場合では、印刷ヘッド固定部80のみが図6に示すように位置P1に移動し、消去ヘッド固定部100は、図2に示すように位置P2に待機している。
なお、第1のソレノイドが駆動されて駆動軸部が本体内に引き込まれると、この引き込み量に応じて、印刷ヘッド61が退避位置P2から下方に移動する。本実施形態では、第1のソレノイドが駆動されたときの駆動軸部の本体内への引き込み量は、印刷ヘッド61が券媒体1の表面3に十分に接触可能となる量に設定されている。
具体的には、印刷ヘッド61が下方に移動して券媒体1の表面3に接触した後においても、駆動軸部は本体内に若干量が引き込まれる。しかしながら、駆動軸部と第2の押圧部材182とを連結するコイルばね200が延びることにより、印刷ヘッド61が接触した後に駆動軸部が本体内に引き込まれてもこの引き込み量に応じて第2の押圧部材182がひっぱられても、この引っ張り力は、コイルばね200が延びることにより吸収される。この為、印刷ヘッド61が過度に表面3に押し付けられることが防止されるとともに、コイルばね200の弾性力により、印刷ヘッド61が表面3に押圧された状態が維持される。
印刷ヘッド61による印刷処理が完了すると、券媒体1は乗車券5となる。印刷処理が完了すると、第1のソレノイドへの通電が停止される。第1のソレノイドへの通電が停止されると、印刷ヘッド押圧装置171による押圧力が解除されるので、印刷ヘッド固定部80は、第1のばね151a及び第2のばね151bの弾性力により、退避位置P2まで押し上げられる。
印刷ヘッド61が退避位置P2まで移動されると、搬送装置52が駆動され、乗車券5が開口21まで搬送される。
次に、既存の乗車券5の情報を書き換える処理を施す動作について説明する。既存の乗車券5が開口21より挿入されると、搬送装置52が駆動される。乗車券5は、例えば、まず、ICチップ2内の情報が書き換えられる処理が施される。
搬送装置52は、乗車券5を、IC処理部53により処理が施される所定位置まで搬送する。乗車券5が上述の所定位置まで搬送されると、搬送装置52の駆動が停止される。搬送装置52の駆動が停止されると、乗車券5が上述の所定位置で停止する。
IC処理部53は、乗車券5がIC処理部53により処理が施される所定位置で停止されると、乗車券5のICチップ2内の情報を、新しい情報に書き換える。IC処理部53での処理が完了すると、次に、印刷部60にて処理が施される。
搬送装置52は、乗車券5を、印刷部60の消去ヘッド62により消去処理が施される所定位置まで搬送する。乗車券5が上述の所定位置まで搬送されると、搬送装置52の駆動が停止される。搬送装置52の駆動が停止されると、乗車券5が上述所定位置で停止する。
乗車券5が、消去ヘッド62により消去処理が施される所定位置で停止されると、すなわち、乗車券5が消去ヘッド用プラテンローラ64上に載置されると、消去ヘッド62により、乗車券5の表面3に印刷された文字等を消去する消去処理が施される。具体的には、まず、第2のソレノイド173が駆動される。第2のソレノイド173が駆動されることにより、駆動軸部176が第3の押圧部材177を引っ張る。
第3の押圧部材177が引っ張られることにより、第3の押圧部材177は、回転軸179の軸線回りに回転する。また、この回転に伴い、回転軸179、及び、第4の押圧部材178も一体に回転する。
押圧部材178,178が回転することにより、ベアリング177aが第3のブロック101の上面101aを下方に押圧し、同時にベアリング178aが第4のブロック102の上面102aを下方に押圧する。
このように、消去ヘッド押圧装置172は、第3のばね152a,152bの弾性力にあらがって、消去ヘッド固定部100を下方に移動し、消去ヘッド62を、乗車券5の表面3に接触するまで移動する。すなわち、図6に示すように、消去ヘッド62を、退避位置P2から消去処理を施す位置P1まで移動する。なお、図6では、印刷ヘッド固定部80についても、処理が施される位置P1まで移動した状態を示している。消去処理のみが施される場合では、消去ヘッド固定部100のみが図6に示すように位置P1に移動し、印刷ヘッド固定部80は、図2に示すように位置P2に待機している。
なお、第2のソレノイド173が駆動されて駆動軸部176が本体175内に引き込まれると、この引き込み量に応じて、消去ヘッド62が退避位置P2から下方に移動する。本実施形態では、第2のソレノイド173が駆動されたときの駆動軸部176の本体175内への引き込み量は、消去ヘッド62が乗車券5の表面3に十分に接触可能となる量に設定されている。
具体的には、消去ヘッド62が下方に移動して乗車券5の表面3に接触した後においても、駆動軸部176は本体175内に若干量引き込まれる。しかしながら、駆動軸部176と第4の押圧部材178とを連結するコイルばね200が延びることにより、消去ヘッド62が表面3に接触した後に駆動軸部176が本体175内に引き込まれてこの引き込み量に応じて第4の押圧部材178が引っ張られても、この引っ張り力は、コイルばね200が延びることにより吸収される。この為、消去ヘッド62が過度に表面3に押し付けられることが防止されるとともに、コイルばね200の弾性力により、所望の押圧力により消去ヘッド62が表面3に押圧された状態が維持される。
消去処理が完了すると、第2のソレノイド173への通電が停止される。第2のソレノイド173への通電が停止されると、消去ヘッド押圧装置172による消去ヘッド固定部100への押圧力が解除されるので、消去ヘッド固定部100は、第3のばね152a及び第4のばね152bの弾性力により、退避位置P2まで押し上げられる。
消去ヘッド62が退避位置P2まで移動されると、搬送装置52が駆動され、乗車券5が印刷ヘッド61により印刷処理が施される所定位置まで搬送される。乗車券5が、印刷ヘッド61により印刷処理が施される所定位置まで搬送されると、搬送装置52の駆動が停止され、乗車券5が上述の所定位置で停止される。
乗車券5が停止されると、上述のように印刷ヘッド押圧装置171及び印刷ヘッド61が駆動され、印刷処理が施される。印刷処理が完了すると、搬送装置52が駆動され、乗車券5が開口21まで搬送される。
次に、印刷ヘッド61及び消去ヘッド62の交換作業について、説明する。印刷ヘッド61を交換する場合は、印刷ヘッド固定部80ごと交換する。まず、図5に示すように、支持フレーム32を回動する。次に、固定部材160を取り外す。次に、印刷ヘッド固定部80を上方に移動することにより、リニアボールベアリング84から第1のシャフト91を抜き、かつ、連通孔85から第2のシャフト92を抜く。シャフト91,92が抜かれると、印刷ヘッドガイド機構90からの印刷ヘッド固定部80の分離作業が完了する。
次に、新しい印刷ヘッド固定部80を、印刷ヘッドガイド機構90に組み付ける。具体的には、第1のブロック81のリニアボールベアリング84内に第1のシャフト91を挿入し、かつ、第2のブロック82の連通孔85内に第2のシャフト92を挿入する。
印刷ヘッドガイド機構90への印刷ヘッド固定部80の組み付け作業が完了すると、シャフト91,92に固定部材160を固定する。消去ヘッド62の交換作業も、印刷ヘッド61の交換作業と同様に行われる。
この実施形態の発券機10は、印刷ヘッド61が固定される印刷ヘッド固定部80、並びに、印刷ヘッド固定部80の上下方向の移動をガイドする第1のシャフト91及び第2のシャフト92を有している。そして、印刷ヘッド固定部80は、第1のシャフト91を支持するリニアボールベアリング84を有し、かつ、第2のシャフト92を内部に配置する連通孔85が形成されている。さらに、印刷ヘッド固定部80は、印刷ヘッド61が、券媒体1の表面3及び乗車券5の表面3に対して良好な姿勢で固定されている。
この為、印刷ヘッド61は、表面3に対する良好な印刷が可能な姿勢のまま、印刷処理を施す位置P1と退避する位置P2との間を、最短距離となる直線状の移動経路に沿って移動されるようになる。この為、印刷部60をコンパクトに形成できるので、その設置スペースを省スペース化できる。
さらに、第1のシャフト91がリニアボールベアリング84に支持されることにより、印刷ヘッド固定部80がスムーズに移動されるようになる。さらに、万が一、第1のシャフト91及び第2のシャフト92のいずれか一方または両方が、上下方向Vに対して若干傾斜していても、第2のシャフト92と連通孔85との間の隙間により、印刷ヘッド固定部80のスムーズな移動が確保される。
特に、連通孔85は、その軸線に直交する断面形状が幅方向Wに長い長孔形状に形成されることにより、印刷ヘッド61が、券媒体1及び乗車券5の印刷範囲外に印刷する誤印刷が発生することを防止できる。この点について説明する。
券媒体1及び乗車券5は、前後方向に対して幅方向に長い形状を有しており、その前後方向を搬送路Lの前後方向に平行とし、その幅方向を搬送路Lの幅方向と平行とする姿勢で、搬送路Lの載置面PV上に載置され、搬送される。
鉄道の乗車券5の表面3に印刷される情報は、その乗車区間や持ち主の名前であり、表面3の幅方向に長く印刷される可能性がある。この為、印刷範囲は、乗車券5の幅方向に比較的広く設定されている。しかしながら、印刷範囲の前後方向の長さは、表面3の周囲の模様などとの干渉を避ける為に、比較的短い。
この為、連通孔85を幅方向長い長孔形状とすることにより、上述のようにシャフト91,92の上下方向Vに対する若干の傾斜を吸収可能とするとともに、印刷処理を施すときの印刷ヘッド61の乗車券5に対する位置のずれを、許容範囲内に収めることができる。すなわち、印刷ヘッド61による誤印刷を防止できる。
さらに、印刷ヘッド固定部80が、シャフト91,92により支持される為、印刷ヘッド固定部80を交換する際は、印刷ヘッド固定部80を上方に引き抜き、新しい印刷ヘッド固定部80のリニアボールベアリング84と連通孔85内にシャフト91,92を挿入するだけでよい。この為、印刷ヘッド固定部80の交換作業を簡単に行うことができるので、作業効率を向上できる。
さらに、印刷ヘッド61が印刷ヘッド固定部80に固定されることにより、搬送路Lに対する印刷ヘッド61の姿勢は、常に、印刷処理を良好に行うことができる姿勢に維持される。この為、印刷ヘッド固定部80を交換しても、その都度、印刷ヘッド61の姿勢を調整する必要がないので、印刷ヘッド固定部80の交換作業の作業効率が向上できる。
また、発券機10は、消去ヘッド62が固定される消去ヘッド固定部100、並びに、消去ヘッド固定部100の上下方向Vの移動をガイドする第3のシャフト111及び第4のシャフト112を有している。そして、消去ヘッド固定部100は、第3のシャフト111を支持するリニアボールベアリング104を有し、かつ、第4のシャフト112を内部に配置する連通孔105が形成されている。さらに、消去ヘッド固定部100は、消去ヘッド62が、乗車券5の表面3に対して良好な姿勢で固定されている。
この為、消去ヘッド62は、表面3に対する良好な消去処理を施すことが可能な姿勢のまま、処理を施す位置P1と退避する位置P2との間を、最短距離となる直線状の移動経路に沿って移動されるようになる。この為、印刷部60をコンパクトに形成できるので、その設置スペースを省スペース化できる。
さらに、第3のシャフト111がリニアボールベアリング104に支持されることにより、消去ヘッド固定部100がスムーズに移動されるようになる。さらに、万が一、第3のシャフト111及び第4のシャフト112のいずれか一方または両方が、上下方向Vに対して若干傾斜していても、第4のシャフト112と連通孔105との間の隙間により、消去ヘッド固定部100のスムーズな移動が確保される。
特に、連通孔105が幅方向Wに長い長孔形状に形成されることにより、乗車券5に対する消去ヘッド62の位置ずれを許容範囲内としつつ、消去ヘッド固定部100のスムーズな移動を確保することができる。
さらに、消去ヘッド固定部100が、シャフト111,112により支持される為、消去ヘッド固定部100を交換する際は、消去ヘッド固定部100を上方に引き抜き、新しい消去ヘッド固定部100のリニアボールベアリング104と連通孔105内にシャフト111,112を挿入するだけでよい。この為、消去ヘッド固定部100の交換作業を簡単に行うことができるので、作業効率を向上できる。
さらに、消去ヘッド62が消去ヘッド固定部100に固定されることにより、搬送路Lに対する消去ヘッド62の姿勢は、常に、消去処理を良好に行うことができる姿勢に維持される。この為、消去ヘッド固定部100を交換しても、その都度、消去ヘッド62の姿勢を調整する必要がないので、消去ヘッド固定部100の交換作業の作業効率を向上できる。
また、印刷ヘッド固定部80は、第1のブロック81,第2のブロック82、及び、第1の連結部83を有している。この為、例えば、交換された印刷ヘッド固定部80の第1のブロック81、及び、第2のブロック82を再利用することができる。このように、印刷ヘッド固定部80が、複数の部品から構成されることにより、複雑な形状を有する印刷ヘッド固定部80を簡単に形成できるとともに、その部品を再利用することもできる。
同様に、消去ヘッド固定部100においても、複雑な形状を有する消去ヘッド固定部100を簡単に形成できるとともに、その部品を再利用することもできる。
また、移動装置150を有することにより、印刷ヘッド固定部80、及び、消去ヘッド固定部100を、簡単に移動することが可能となる。
また、移動装置150が、印刷ヘッド固定部80を、退避する位置P2に向かって付勢する印刷ヘッド付勢部151、消去ヘッド固定部100を、退避する位置P2に向かって付勢する消去ヘッド付勢部152、並びに、印刷ヘッド固定部80及び消去ヘッド固定部100を押圧す押圧装置170を有する構成とすることにより、移動装置150の構成を簡単な構成とすることができる。
なお、本実施形態では、シャフト91,111を支持する軸受け部材として、リニアボールベアリング84,104が用いられた。他の例としては、軸受け部材としてスライドブッシュが用いられてもよい。
また、印刷ヘッド固定部80は、印刷ヘッド付勢部151により、退避する位置P2に付勢されており、印刷ヘッド付勢部151として圧縮コイルばね151a,151bが用いられている。他の例としては、印刷ヘッド付勢部151は、板ばねが用いられてもよい。同様に、消去ヘッド固定部100においても、消去ヘッド付勢部152として、板ばねが用いられてもよい。
また、印刷ヘッド固定部80を退避する位置P2に維持する為に印刷ヘッド付勢部151が用いられた。他の例として、発券機10は、印刷ヘッド付勢部151に代えて、例えばソレノイドを用いたリンク機構等、他の装置によって、印刷ヘッド固定部80を退避する位置P2に維持する構成であってもよい。同様に、発券機10は、消去ヘッド付勢部152に代えて、例えばソレノイドを用いたリンク機構等、他の装置によって、消去ヘッド固定部100を退避する位置P2に維持する構成であってもよい。
また、本実施形態では、印刷ヘッドガイド機構90は、水平面となる載置面VPに直交する方向に、印刷ヘッド固定部80の移動をガイドする。搬送路Lの載置面VPが、全域にわたって平面ではない場合では、印刷ヘッドガイド機構90は、載置面VPにおいて、印刷ヘッド61によって処理が施される券媒体1または乗車券5が載置される部分に対して直交する方向に、印刷ヘッド固定部80の移動をガイドできればよい。
同様に、消去ヘッドガイド機構110は、載置面VPにおいて、消去ヘッド62によって処理が施される乗車券5が載置される部分に対して直交する方向に、消去ヘッド固定部100の移動をガイドできればよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1]
カードを搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される前記カードの表面に印刷する印刷ヘッドと、
前記搬送装置により搬送される前記カードが通る搬送路の幅方向外側一方に配置され、前記搬送路において前記カードが載置される載置面に直交する方向に平行な第1のシャフトと、
前記搬送路の幅方向外側他方に配置され、前記載置面に直交する方向に平行な第2のシャフトと、
前記第1のシャフトを支持し、この第1のシャフトの軸方向の相対的な移動をガイドする軸受け部材を有し、前記第2のシャフトを内部に配置する、その軸線に直交する断面の前記搬送路の幅方向に沿う長さが前記第2のシャフトの軸線に直交する断面の前記搬送路の幅方向に沿う長さよりも長い長孔形状の孔が形成され、かつ、前記印刷ヘッドが固定された印刷ヘッド固定部と、
前記印刷ヘッド固定部を、前記カードに印刷処理を施す位置と前記カードから退避する位置との間で選択的に移動する移動装置と、
を具備することを特徴とするカード処理装置。
[2]
前記印刷ヘッド固定部は、前記軸受け部材を有する第1のブロック、前記孔が形成された第2のブロック、並びに、前記第1のブロック及び前記第2のブロックに固定され、かつ、前記印刷ヘッドが固定された連結部を具備する
ことを特徴とする[1]に記載のカード処理装置。
[3]
前記移動装置は、
前記印刷ヘッド固定部を、前記印刷処理を施す位置から前記退避する位置に向かって付勢する付勢部と、
前記印刷ヘッド固定部を押圧することにより、前記印刷ヘッドを前記退避する位置から前記印刷処理を施す位置に移動する押圧装置と、
を具備することを特徴とする[1]に記載のカード処理装置。
[4]
前記軸受け部材は、リニアボールベアリングである
ことを特徴とする[1]に記載のカード処理装置。