JP6702228B2 - レーザ誘起分析装置、それに用いられるサンプルプレート、および、レーザ誘起分析方法 - Google Patents
レーザ誘起分析装置、それに用いられるサンプルプレート、および、レーザ誘起分析方法 Download PDFInfo
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なお、この手法でガス中に含まれる物質を特定する場合は、「レーザブレイクダウン分光法(Laser-Induced Breakdown Spectroscopy: LIBS)」と呼ばれることもある。
レーザ誘起分析装置であって、
底面の所定箇所に他の箇所よりも低い低位置部が形成された凹部、を有するサンプルプレートと、
前記凹部に滴下された液体サンプルを加熱して蒸発乾固させる加熱処理部と、
蒸発乾固によって得られた乾固サンプルが保持された前記凹部の前記低位置部にレーザ光を照射する光源と、
前記レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルを取得する分析器と、
を備える。
前記光源が、前記低位置部内の互いに異なる複数の位置のそれぞれにレーザ光を照射し、
前記分析器が、各照射で得られた発光スペクトルを取得する。
仮に、低位置部が設けられないとすると、この液滴乾固部分は凹部内の全領域に存在し得るため、液滴乾固部分にレーザ光を高確率で照射するためには、凹部内の全領域に対して満遍なくレーザ光を照射しなければならず、必要な照射回数が多くなってしまう(ひいては、分析に要する時間が長くなってしまう)。これに対し、低位置部が設けられる上記の構成によると、液滴乾固部分は必ずこの低位置部内のどこかに存在するので、液滴乾固部分にレーザ光を高確率で照射するために、凹部内の全領域に対して満遍なくレーザ光を照射する必要はなく、低位置部内の互いに異なる複数の位置のそれぞれにレーザ光を照射するだけでよい。すなわち、少ない照射回数で、液滴乾固部分に高確率でレーザ光を照射することができる。これにより、分析に要する時間を短く抑えつつ、高い分析感度を得ることが可能となる。
また、液滴乾固部分に高確率でレーザ光を照射することが可能となると、そのサンプルに関するばらつきの少ない分析結果を得ることも可能となる。すなわち、同じサンプルであっても、レーザ光が液滴乾固部分に照射された場合とそれ以外の箇所に照射された場合とでは得られるスペクトルのピーク強度が大きく異なるものとなるため、これらの各場合が混在するとこれが分析誤差となってしまうが、安定的に液滴乾固部分にレーザ光を照射することが可能となれば、このような分析誤差の発生が抑制されて、ばらつきの少ない分析結果が得られる。
前記複数の位置に対するレーザ光の照射で得られた複数の発光スペクトルを積算した積算データを取得する積算データ取得部、
をさらに備える。
前記複数の位置に対するレーザ光の照射で得られた複数の発光スペクトルを平均した平均データを取得する平均データ取得部、
をさらに備える。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って溝が形成されている。
このサンプルプレートにおいては、円形状の底面の外周縁に沿って形成されたリング状の溝の底が低位置部を構成する。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面が、その中心から外周縁に向かって下方に傾斜する形状である。
このサンプルプレートにおいては、円形状の底面の外周縁付近が低位置部を構成する。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面が、その外周縁から中心に向かって下方に傾斜する形状である。
このサンプルプレートにおいては、円形状の底面の中心部分が低位置部を構成する。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の中央に、平面視円形状の窪みが形成されている。
このサンプルプレートにおいては、底面の中央に形成された窪みの底が低位置部を構成する。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って、平面視弧状の溝が間隔をあけて複数個形成されている。
このサンプルプレートにおいては、底面の外周縁に沿って形成された各弧状の溝の底が低位置部を構成する。
前記レーザ誘起分析装置において、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って、平面視円形状の窪みが間隔をあけて複数個形成されている。
このサンプルプレートにおいては、底面の外周縁に沿って形成された各窪みの底が低位置部を構成する。
また、上記の各サンプルプレートを備える場合、例えば、サンプルプレートを凹部の底面の中心を通る軸の周りに回転させつつ、所定姿勢で固定配置された光源から低位置部に向けて間欠的に(好ましくは一定間隔で)レーザ光を照射することで、低位置部における互いに異なる複数の位置にレーザ光を照射することができる。すなわち、複雑な機構を設けなくても、低位置部内の互いに異なる複数の位置にレーザ光を照射することができる。
液体サンプルが滴下される凹部を有し、該凹部の底面の所定箇所に、他の箇所よりも低い低位置部を有する。
すなわち、該レーザ誘起分析方法は、
底面の所定箇所に他の箇所よりも低い低位置部が形成された凹部を有するサンプルプレートの該凹部に液体サンプルを滴下する工程と、
前記凹部に滴下された液体サンプルを加熱して蒸発乾固させる工程と、
蒸発乾固によって得られた乾固サンプルが保持された前記凹部の前記低位置部にレーザ光を照射する工程と、
前記レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルを取得する工程と、
を備える。
実施形態に係るレーザ誘起分析装置は、液体状態から蒸発乾固によって固体化されたサンプルをレーザ誘起プラズマ分光法により分析する装置であり、その構成例が図1に模式的に示されている。
次に、レーザ誘起分析装置10で使用されるサンプルプレート1について、図2を参照しながら説明する。図2には、サンプルプレート1の平面図およびサンプルプレート1をK−K方向から見た断面図が示されている。
次に、レーザ光の照射位置について、図4を参照しながら説明する。図4は、サンプルプレート1に対するレーザ光の照射位置を説明するための図である。
また、低位置部内のどこかの位置に、乾固サンプルの析出量が突出して多い液滴乾固部分Aが存在するところ、レーザ誘起分析装置10では、低位置部内における互いに異なる複数の位置Qi(i=1,2,・・・、n)のそれぞれにレーザ光を照射するので、高確率で液滴乾固部分Aにレーザ光を照射して発光スペクトルを取得することができる。したがって、特に高い分析感度が得られるとともに、そのサンプルに関するばらつきの少ない分析結果を得ることが可能となる。
サンプルの分析に係る一連の流れを、図5を参照しながら説明する。図5は、該一連の流れを示す図である。
また、このサンプルプレート1を用いて液体サンプル91を蒸発乾固させた場合、液滴乾固部分Aは必ず該低位置部内のどこかの位置に存在する。したがって、該低位置部内における互いに異なる複数の位置Qi(i=1,2,・・・、n)のそれぞれを狙ってレーザ光を照射して発光スペクトルを取得することにより、高確率で液滴乾固部分Aの発光スペクトルが取得できることとなり、これにより、特に高い分析感度が得られるとともに、該サンプルに関するばらつきの少ない分析結果を得ることができる。
サンプルプレート1に形成される凹部11の底面110の形状は、上記に例示したものに限らない。図6〜図10には、別の形状に係るサンプルプレート1a,1b,1c,1d,1eの各平面図およびこれをK−K方向から見た断面図が示されている。
上記の実施形態に係るレーザ誘起分析装置10においては、ステージ3を移動させる駆動機構4を設けたが、これに換えて(あるいは、これに加えて)、光源5を移動させる駆動機構を設けても良い。すなわち、ステージ3上のサンプルプレート1と光源5とを相対的に移動させることによって、レーザ光の照射位置をサンプルプレート1の低位置部内で移動させることができる構成であればどのようなものであってもよい。
11,11a,11b,11c,11d,11e…凹部
110,110a,110b,110c,110d,110e…底面
12…溝
13…中央部分
14…窪み
15…弧状溝
16…窪み
2…加熱処理部
3…ステージ
4…駆動機構
5…光源
6…照射光学系
7…レンズ
8…分析器
81…回折格子
82…撮像素子
9…制御部
90…演算部
901…積算データ取得部
902…平均データ取得部
91…液体サンプル
910…液滴
92…乾固サンプル
A…液滴乾固部分
10…レーザ誘起分析装置
20…洗浄装置
30…コンピュータ
Claims (10)
- 底面の所定箇所に、該底面の中心領域よりも低い低位置部が形成された凹部、を有するサンプルプレートと、
前記凹部に滴下された液体サンプルを加熱して蒸発乾固させる加熱処理部と、
蒸発乾固によって得られた乾固サンプルが保持された前記凹部の前記低位置部にレーザ光を照射する光源と、
前記レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルを取得する分析器と、
を備える、レーザ誘起分析装置。 - 請求項1に記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記光源が、前記低位置部内の互いに異なる複数の位置のそれぞれにレーザ光を照射し、
前記分析器が、各照射で得られた発光スペクトルを取得する、
レーザ誘起分析装置。 - 請求項2に記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記複数の位置に対するレーザ光の照射で得られた複数の発光スペクトルを積算した積算データを取得する積算データ取得部、
をさらに備える、レーザ誘起分析装置。 - 請求項2または3に記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記複数の位置に対するレーザ光の照射で得られた複数の発光スペクトルを平均した平均データを取得する平均データ取得部、
をさらに備える、レーザ誘起分析装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って溝が形成されている、
レーザ誘起分析装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面が、その中心から外周縁に向かって下方に傾斜する形状である、
レーザ誘起分析装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って、平面視弧状の溝が間隔をあけて複数個形成されている、
レーザ誘起分析装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のレーザ誘起分析装置であって、
前記凹部の前記底面が平面視にて円形状であり、
前記底面の外周縁に沿って、平面視円形状の窪みが間隔をあけて複数個形成されている、
レーザ誘起分析装置。 - レーザ誘起分析装置に用いられるサンプルプレートであって、
液体サンプルが滴下される凹部を有し、該凹部の底面の所定箇所に、該底面の中心領域よりも低い低位置部を有する、
サンプルプレート。 - 底面の所定箇所に、該底面の中心領域よりも低い低位置部が形成された凹部を有するサンプルプレートの該凹部に液体サンプルを滴下する工程と、
前記凹部に滴下された液体サンプルを加熱して蒸発乾固させる工程と、
蒸発乾固によって得られた乾固サンプルが保持された前記凹部の前記低位置部にレーザ光を照射する工程と、
前記レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルを取得する工程と、
を備える、レーザ誘起分析方法。
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JP2017034994A JP6702228B2 (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | レーザ誘起分析装置、それに用いられるサンプルプレート、および、レーザ誘起分析方法 |
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JP2017034994A Active JP6702228B2 (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | レーザ誘起分析装置、それに用いられるサンプルプレート、および、レーザ誘起分析方法 |
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