JP6701829B2 - レンズ鏡胴 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズの光軸方向変位を可能とするレンズ鏡胴に関する。
ズーム撮影が可能なカメラ等に装着されるレンズ鏡胴において、ズームレンズを保持した移動枠に設けたカムフォロワを、カム環に形成したカム溝に係合させ、移動枠とカム環とを相対回動させることで、ズームレンズの光軸方向変位を精度良く行うようになっている。
ところで、レンズ鏡胴に用いるカム環は、金型を用いた射出成形等を用いることで、カム溝も含めて樹脂から形成することができる。しかるに、かかる金型の加工において、カム溝全体を精度良く形成すると、加工コストが増大するという問題がある。一方、カム溝において精度を必要とするのは、例えばズーム撮影等に使用する範囲(要高精度範囲という)のみであるから、カム溝全体を精度良く形成する必要はないという実情がある。よって、成形に用いる金型においては、カム溝転写部の要高精度範囲に相当する部位のみを精度良く加工することでコスト低減を図っている。一方、カム溝転写部における要高精度範囲以外の範囲に相当する部位は、精度良い加工は不要ということになるが、製造誤差などを考慮しても、要高精度範囲以外の範囲のカム溝とカムフォロワとで干渉が生じないように,ある程度のガタや隙間を設けるように金型を加工することが望まれる。
例えば特許文献1では、カム溝とカムフォロワを使用してズームレンズを駆動するレンズ鏡胴において、ズームレンズを高精度に案内するための撮影領域と、それ以外の非撮影領域とで、カム斜面の傾きや溝の幅を変えており、すなわち撮影領域では、カム溝とカムフォロワとの間のガタを極力小さくし、非撮影領域ではカム溝とカムフォロワとの間のガタを大きくしたレンズ鏡胴が提案されている。
特開2000−275498号公報
しかしながら、カム溝に、カムフォロワとの間でガタが小さな撮影領域と、カムフォロワとの間でガタが大きな非撮影領域とが混在する場合、アクチュエータを用いて移動枠とカム環とを相対回転させた際に、カムフォロワが撮影領域から非撮影領域へと摺動移動すると突然負荷が軽くなる一方、非撮影領域から撮影領域へと摺動移動すると突然負荷が重くなる。このように負荷が急変すると、アクチュエータの駆動音が変化してユーザーが違和感を覚える恐れがある。又、非撮影領域であっても、ズームレンズの初期位置を検出する範囲では、撮影領域よりも更にカム溝とカムフォロワとの間のガタが小さく抑える必要があり、同様な問題が生じうる。
本発明は、上述の課題を解決することを目的としたものであり、作動音を向上させることでユーザーに違和感を与えないようにできるレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
本発明のレンズ鏡胴は、光軸方向に移動可能にレンズを保持するレンズ鏡胴において、
周面に第1の係合溝と第2の係合溝を備えた筒部材と、
前記第1の係合溝に係合する第1の係合片と、前記第2の係合溝に係合する第2の係合片とを備え、前記レンズを保持する移動枠と、
前記レンズの初期位置を検出するセンサと、を有し、
前記筒部材と前記移動枠とをアクチュエータの駆動により相対回動させたときに、前記第1の係合溝に沿って前記第1の係合片が移動すると共に、前記第2の係合溝に沿って前記第2の係合片が移動することにより、前記レンズの光軸方向の位置決めを行うようになっており、
前記第1の係合溝は、前記レンズによる撮影に関連する第1の撮影領域溝部と、非撮影に関連する第1の非撮影領域溝部と、を有し、前記第1の非撮影領域溝部内に前記初期位置に対応する第1の初期位置検出領域溝部を有し、前記第1の非撮影領域溝部と前記第1の初期位置検出領域溝部との間に第1の遷移領域溝部を有し、
前記第1の初期位置検出領域溝部は、前記第1の係合片に対して前記第1の遷移領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
前記第2の係合溝は、前記レンズによる撮影に関連する第2の撮影領域溝部と、非撮影に関連する第2の非撮影領域溝部と、を有し、前記第2の非撮影領域溝部内に前記初期位置に対応する第2の初期位置検出領域溝部を有し、前記第2の非撮影領域溝部と前記第2の初期位置検出領域溝部との間に第2の遷移領域溝部を有し、
前記第2の初期位置検出領域溝部は、前記第2の係合片に対して前記第2の遷移領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
前記筒部材と前記移動枠とを前記アクチュエータの駆動により相対回動させて、前記センサが前記初期位置を検出する際に前記第1,第2の係合片がそれぞれ前記第1,第2の初期位置検出領域溝部へ移動するときに、前記第1の係合片が前記第1の遷移領域溝部を通過するタイミングは、前記第2の係合片が前記第2の遷移領域溝部を通過するタイミングと異なっているものである。
本発明によれば、作動音を向上させることでユーザーに違和感を与えないようにできるレンズ鏡胴を提供することができる。
沈胴状態のレンズ鏡胴の断面図である。 広角端に繰り出されたレンズ鏡胴の断面図である。 望遠端に繰り出されたレンズ鏡胴の断面図である。 レンズ鏡胴後部の分解斜視図である。 レンズ鏡胴前部の分解斜視図である。 第1カム筒13の内周面の展開図である。 図6の矢印VIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図6の矢印VIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図6の矢印VIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。 図6の矢印VIIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図6の矢印VIIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図6の矢印VIIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。 図7(a)の構成をVIII-VIII線で切断して矢印方向に見た図である。 比較例にかかる第1カム筒13’の内周面の展開図である。 図10の矢印XIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図10の矢印XIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図10の矢印XICで示す部位を拡大して示す図(c)である。 図10の矢印XIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図10の矢印XIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図10の矢印XIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。 本実施の形態にかかる変形例にかかる第1カム筒113の、図6と同様な展開図である。 変形例にかかる1本のカム溝213dAを示す図7(a)と同様な拡大図である。 図14の構成をXV-XV線で切断して矢印方向に見た図である。 別な実施の形態にかかるヘリコイド筒313の、図6と同様な展開図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実地の形態のレンズ鏡胴をカメラ等に装着されて使用される。図1は沈胴状態のレンズ鏡胴の断面図、図2は広角端に繰り出されたレンズ鏡胴の断面図、図3は望遠端に繰り出されたレンズ鏡胴の断面図、図4はレンズ鏡胴後部の分解斜視図、図5はレンズ鏡胴前部の分解斜視図である。
本レンズ鏡胴に搭載される撮像レンズはズームレンズであって、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3及び第4レンズ群L4から構成される。そして、変倍時には各レンズ群が群間距離を変化させながら光軸方向に移動し、合焦時には第4レンズ群L4が光軸方向に移動するようになっている。
次に、本発明に係わる第1レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3を移動させる構成を説明する。なお、以下の説明において前部若しくは前方とは被写体側を意味し、後部若しくは後方とは撮像面側を意味するものとする。
レンズ鏡胴の後部には変倍時にも合焦時にも移動しない保持板11と固定筒12が一体的に結合されている。保持板11は不図示の撮像素子を保持し、固定筒12は後述する各種の鏡筒や鏡枠等を保持する。レンズ鏡胴をカメラボディに装着するときには、保持板11をカメラボディに固定するようになっている。
固定筒12の内側には、固定筒12に対して回転しながら光軸方向に移動する第1カム筒13(筒部材)が設けられている。第1カム筒13の外周面後方において,図3,4に示すように歯車13aが形成され、歯車13aは、固定筒12に配置された軸線方向に長い長歯車14と歯合している。また、第1カム筒13の外周面には、図4では1つしか図示していないが、円周方向に120度間隔で等分に3個配置(以下、三等配と称す)されたカムピン13bが突出しており、カムピン13bは、固定筒12の内周面に三等配に設けられたカム溝12aと係合している。従って、不図示のズームモータによって駆動されて長歯車14が回転すると、第1カム筒13は歯車13aを介して回転し、カムピン13bを介してカム溝12aに基づいて光軸方向に移動する。
第1カム筒13の内側には、固定筒12により回転を阻止されつつ第1カム筒13と共に移動する第1直進筒15が設けられている。第1直進筒15は、第1カム筒13と一体的に組み立てられ、両者は互いに回転自在であるが、光軸方向に分離しないようになっている。第1直進筒15の外周面後方において回転阻止部15aが三等配に突出し、回転阻止部15aは、固定筒12の内周面に三等配に光軸Oと平行に設けた直進溝12bと係合している。従って、第1カム筒13が回転しながら光軸方向に移動するとき、第1直進筒15は回転阻止部15aを介して直進溝12bにより回転が阻止され、第1カム筒13の移動に伴って直進移動のみを行うようになっている。
図3に示すように、第1直進筒15の後端から突出するようにして、L字板状の羽根部材15eが取り付けられており、かかる羽根部材15eに対向して、保持板11には光センサPIが配置されている。詳細は後述するが、第1直進筒15と共に羽根部材15eが光軸方向に変位すると、点線で示すように光センサPIを遮るため、光センサPIからの信号を検出することで、撮影レンズの初期位置を検出することができる。尚、羽根部材15eと光センサPIは、図3以外では図示を省略している。
第1直進筒15の内側には、回転しながら光軸方向に移動する第2カム筒16が設けられている。更に、第2カム筒16の内側には、第2カム筒16と一体的に組み立てられた第3カム筒17が設けられている。第2カム筒16の外周面後部には、第3カム筒17に植設されたカムピン18が三等配に立設され、カムピン18は、第2カム筒16に設けた貫通孔16aを貫通し、更に第1直進筒15に設けたカム溝15bを貫通して、第1カム筒13に設けた駆動溝13cと係合している。従って、第1カム筒13が回転すると、駆動溝13cはカムピン18を回転させ、カムピン18は、カム溝15bに基づいて光軸方向に移動する。従って、カムピン18の回転移動により、第2カム筒16及び第3カム筒17は光軸方向に回転移動することとなる。
第3カム筒17の内側には、第1直進筒15により回転が阻止されながら第2カム筒16及び第3カム筒17と共に移動するようにして、第2直進筒19が設けられている。第2直進筒19は、第3カム筒17と一体的に組み立てられ、互いに回転自在であるが、光軸方向に分離しないようになっている。第2直進筒19の外周面後方において、回転阻止部19aが三等配に突出しており、回転阻止部19aは、第1直進筒15の内周面に光軸Oと平行に三等配に設けた直進溝15cと係合している。従って、第2直進筒19が第2カム筒16及び第3カム筒17が回転しながら光軸方向に移動するとき、第2直進筒19は、回転阻止部19aを介して直進溝15cにより回転が阻止され、第2カム筒16及び第3カム筒17の移動に伴って直進移動のみを行うようになっている。
第2直進筒19の内側には、第1レンズ群L1を保持する第1鏡枠21が設けられている。第1鏡枠21は、後方に延在するようにして腕部21aが三等配に設けられ、腕部21aの後部21bにはカムピン21cが立設している。後部21bが第2直進筒19に設けた長溝19bに係合し、カムピン21cが第3カム筒17に設けたカム溝17aに係合している。従って、第1鏡枠21は、後部21bを介して長溝19bにより回転が阻止されると共に、第3カム筒17の回転により、カムピン21cを介してカム溝17aに基づいて直進移動するようになっている。
第2直進筒19の内側には、第2レンズ群L2を保持する第2鏡枠22が設けられている。第2鏡枠22は、外周面に角形の突部22aが三等配に立設し、更に突部22aにカムピン22bが立設している。そして、突部22aが第2直進筒19に設けた長溝19cに係合し、カムピン22bが第3カム筒17に設けたカム溝17bに係合している。従って、第2鏡枠22は、突部22aを介して長溝19cにより回転が阻止されると共に、第3カム筒17の回転によりカムピン22bを介してカム溝17bに基づいて直進移動するようになっている。
第2カム筒16及び第3カム筒17との間には、前方よりレンズ鏡胴の内部を被覆する化粧枠31が設けられている。化粧枠31は、被写体光を第1レンズ群L1に通過させる開口部31aを有している。また、第3カム筒17の前方には、直進板32が第2直進筒19と一体的に組み立てられて配置されている。化粧枠31の後部には、カムピン31aが六等配で立設され、カムピン31aは、第2カム筒16の内周面に六等配されたカム溝16bと係合している。従って、化粧枠31は、第2カム筒16の回転に伴ってカムピン31aを介してカム溝16bに基づいて移動する。一方、直進板32の外周に突設した突部32aが、化粧枠31の内周面に光軸Oと平行に設けた不図示の長溝と係合している。従って、化粧枠31は、回転することなく直進移動のみ行うようになっている。なお、第2カム筒16のカム溝16bは、第3カム筒17のカム溝17aとカム曲線が同一に形成されているので、化粧枠31は、第1鏡枠21、即ち第1レンズ群L1との間隔を常に一定に保持したまま移動するようになっている。
一方、第3レンズ群L3は、第3鏡枠(移動枠)23に保持されている。第3鏡枠23は三等配された腕部23aを有し、腕部23aにはカムピン23bが立設されている。そして、腕部23aは、第1直進筒15に三等配された光軸Oと平行な長溝15dに係合し、カムピン23bは、第1カム筒13の内周面に三等配に形成されたカム溝13dと係合している。従って、第3鏡枠23は、第1カム筒13の回転によりカムピン23bを介してカム溝13dに基づいて移動すると共に、腕部23aを介して長溝15dにより回転が阻止されるので、光軸方向に直進移動するようになっている。ここで、3本のカムピン23bが、それぞれ第1の係合片、第2の係合片、第3の係合片を形成し、これに対応する3本のカム溝13dが、それぞれ第1の係合溝、第2の係合溝、第3の係合溝を形成する。これら詳細は後述する。3本のカムピン23bは、光軸方向に同じ位置で、周方向に略等間隔に突出して配置されている。「略等間隔」とは、カムピン23bの各軸線が例えば120°±10°の範囲で配置されることをいうが、等間隔に配置するのが好ましい。
なお、第3鏡枠23には、絞りとセクタを有するシャッタユニット25が一体的に固定されている。
第4レンズ群L4は第4鏡枠24に保持されているが、第4鏡枠24を光軸方向に移動させる駆動機構に関しては図示しておらず、周知のどのような機構を用いてもよい。例えば、光軸Oと平行にスクリュウを設け、該スクリュウと螺合するナットと第4鏡枠24と一体的に組み立て、専用のフォーカスモータで該ナットを回転させることにより該ナットが該スクリュウに沿って移動することにより、第4鏡枠24を光軸方向に移動させる構成でもよい。
以上のレンズ鏡胴における変倍のときの動作をまとめて説明する。不図示のズームモータによって長歯車14が回転すると、第1カム筒13は回転しながらカム溝12aに基づいて光軸方向に移動する。このとき、第1カム筒13と一体的に組み立てられた第1直進筒15は回転せず、第1カム筒13の移動に伴って直進移動のみを行う。第1カム筒13が回転すると、駆動溝13cと係合している第3カム筒17のカムピン18が回転するので、一体的に組み立てられた第2カム筒16と第3カム筒17は、回転しながらカム溝15bに基づいて移動する。第3カム筒17が回転すると、第1レンズ群L1を保持する第1鏡枠21と第2レンズ群L2を保持する第2鏡枠22は、第2直進筒19により回転が阻止されつつそれぞれカム溝17a,17bに基づいて直進移動する。このとき、第2カム筒16の回転により、化粧枠31はカム溝16bに基づいて移動するが、直進板32により回転が阻止されるので、化粧枠31も直進移動する。
一方、第1カム筒13の回転により第3レンズ群L3を保持する第3鏡枠23は第1直進筒15により回転が阻止されながらカム溝13dに基づいて直進移動する。
このようにしてレンズ鏡胴は図1に示す沈胴状態から図2に示す広角端に繰り出され、最終的には図3に示す望遠状態まで繰り出される。また、レンズ鏡胴を広角端や沈胴状態に繰り込むときは前述のズームモータを逆回転させればよい。
図6は、第1カム筒13の内周面の展開図であるが、駆動溝13cを省略している。図7は、図6の矢印VIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図6の矢印VIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図6の矢印VIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。図8は、図6の矢印VIIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図6の矢印VIIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図6の矢印VIIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。図9は、図7(a)の構成をVIII-VIII線で切断して矢印方向に見た図であるが、図7(b)、(c)の対応する位置で断面をとっても同様である。尚、拡大図は、理解しやすいように実際とは異ならせて描いている。
図9に示すように、カム溝13dの両側面は、溝底13tから離れるにつれて互いに離間する斜面13pとなっている。かかる斜面13pの開き角に略等しいテーパ角を持つ、カムピン23bのテーパ面23cが斜面13pに当接して摺動可能となっている。
以下、3本のカム溝13dを区別する場合には、「カム溝13dA」、「カム溝13dB」、「カム溝13dC」とする。各カム溝13dに係合して摺動するカムピンについては、形状が同じであるので統一して「カムピン23b」とする。図6において、カム溝13dAは、撮影時にカムピン23bが摺動する撮影領域(第11溝部)13dAaと、撮影時以外の時にカムピン23bが摺動する非撮影領域(第12溝部)13dAbとを有する。非撮影領域13dAbは、撮影領域13dAaに接続する遷移領域(第13溝部)13dAcを有する。
ここで、図7に示すように、撮影領域13dAaの溝幅W1は、遷移領域13dAcに接する非撮影領域13dAbの溝幅W2よりも、例えば0.1mm程度小さくなっている。ここでいう溝幅W1、W2は、カムピン23bの接触する位置で測定したものである。又、遷移領域13dAcの溝幅は、撮影領域13dAaから非撮影領域13dAbに向かうにつれて、漸次増大するようになっている。
図6において、非撮影領域13dAb内には、羽根部材15eを用いて初期位置を検出する際にカムピン23bが位置する初期位置検出領域13dAdが設けられ、また初期位置検出領域13dAdの両端に接続するようにして、非撮影領域13dAbの一部を構成する遷移領域13dAe、13dAfが設けられている。ここで、「非撮影領域13dAb」というときは、初期位置検出領域13dAdを含まないものとする。初期位置検出領域13dAdの溝幅は、遷移領域13dAe、13dAfに接する非撮影領域13dAbの溝幅より小さくなっている。又、厳密に初期位置を設定するため,初期位置検出領域13dAdの溝幅は、撮影領域13dAaの溝幅よりも小さく、よりカムピン23bとのガタを抑えられている。又、遷移領域13dAe、13dAfの溝幅は、初期位置検出領域13dAdから非撮影領域13dAbに向かうにつれて、漸次増大するようになっている。尚、遷移領域13dAfより撮像素子側の非撮影領域13dAbは、レンズ鏡胴の沈胴時に使用する沈胴領域になる(以下、同じ)。
以上より明らかであるが、撮影領域13dAaは、カムピン23bに対して第1の摩擦力F1で相対的に摺動し、非撮影領域13dAbは、カムピン23bに対して第2の摩擦力F2で相対的に摺動し、遷移領域13dAcは、カムピン23bに対して第5の摩擦力F5(但し位置に応じて変化する)で相対的に摺動するようになっており、ここではF1>F5>F2の関係が成立する。尚、本明細書で摩擦力を用いるときは、ゼロを含めるものとする。
加えて、初期位置検出領域13dAdは、カムピン23bに対して第1の摩擦力F1’で相対的に摺動し、遷移領域13dAe、13dAfは、カムピン23bに対して第5の摩擦力F5’ (但し位置に応じて変化する)で相対的に摺動するようになっており、ここではF1’>F5’>F2の関係が成立する。
更に図6において、カム溝13dBは、撮影時にカムピン23bが摺動する撮影領域(第21溝部)13dBaと、撮影時以外の時にカムピン23bが摺動する非撮影領域(第22溝部)13dBbとを有する。非撮影領域13dBbは、撮影領域13dBaに接続する遷移領域(第23溝部)13dBcを有する。
また、非撮影領域13dBb内には、羽根部材15eを用いて初期位置を検出する際にカムピン23bが摺動する初期位置検出領域13dBdが設けられ、また初期位置検出領域13dBdの両端に接続するようにして、非撮影領域13dBbの一部を構成する遷移領域13dBe、13dBfが設けられている。ここで、「非撮影領域13dBb」というときは、初期位置検出領域13dBdを含まないものとする。初期位置検出領域13dBdの溝幅は、遷移領域13dBe、13dBfに接する非撮影領域13dBbの溝幅よりも小さくなっている。又、厳密に初期位置を設定するため,初期位置検出領域13dBdの溝幅は、撮影領域13dBaの溝幅よりも小さく、よりカムピン23bとのガタを抑えられている。又、遷移領域13dBe、13dBfの溝幅は、初期位置検出領域13dBdから非撮影領域13dBbに向かうにつれて、漸次増大するようになっている。
同様に、撮影領域13dBaは、カムピン23bに対して第3の摩擦力F3で摺動し、非撮影領域13dBbは、カムピン23bに対して第4の摩擦力F4で摺動し、遷移領域13dBcは、カムピン23bに対して第6の摩擦力F6(但し位置に応じて変化する)で摺動するようになっており、ここではF3>F6>F4の関係が成立する。
加えて、初期位置検出領域13dBdは、カムピン23bに対して第3の摩擦力F3’で相対的に摺動し、遷移領域13dBe、13dBfは、カムピン23bに対して第6の摩擦力F6’ (但し位置に応じて変化する)で相対的に摺動するようになっており、ここではF3’>F6’>F4の関係が成立する。
更に図6において、カム溝13dCは、撮影時にカムピン23bが摺動する撮影領域(第31溝部)13dCaと、撮影時以外の時にカムピン23bが摺動する非撮影領域(第32溝部)13dCbとを有する。非撮影領域13dCbは、撮影領域13dCaに接続する遷移領域(第33溝部)13dCcを有する。
また、非撮影領域13dCb内には、羽根部材15eを用いて初期位置を検出する際にカムピン23bが摺動する初期位置検出領域13dCdが設けられ、また初期位置検出領域13dCdの両端に接続するようにして、非撮影領域13dCbの一部を構成する遷移領域13dCe、13dCfが設けられている。ここで、「非撮影領域13dCb」というときは、初期位置検出領域13dCdを含まないものとする。初期位置検出領域13dCdの溝幅は、遷移領域13dCe、13dCfに接する非撮影領域13dCbの溝幅よりも小さくなっている。又、厳密に初期位置を設定するため,初期位置検出領域13dCdの溝幅は、撮影領域13dCaの溝幅よりも小さく、よりカムピン23bとのガタを抑えられている。又、遷移領域13dCe、13dCfの溝幅は、初期位置検出領域13dCdから非撮影領域13dCbに向かうにつれて、漸次増大するようになっている。
同様に、撮影領域13dCaは、カムピン23bに対して第7の摩擦力F7で摺動し、非撮影領域13dCbは、カムピン23bに対して第8の摩擦力F8で摺動し、遷移領域13dCcは、カムピン23bに対して第9の摩擦力F9(但し位置に応じて変化する)で摺動するようになっており、ここではF7>F9>F8の関係が成立する。
加えて、初期位置検出領域13dCdは、カムピン23bに対して第7の摩擦力F7’で相対的に摺動し、遷移領域13dCe、13dCfは、カムピン23bに対して第9の摩擦力F9’ (但し位置に応じて変化する)で相対的に摺動するようになっており、ここではF7’>F9’>F8の関係が成立する。
図10は、比較例にかかる第1カム筒13’の内周面の展開図であるが、図6と同様に駆動溝13cを省略している。図11は、図10の矢印XIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図10の矢印XIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図10の矢印XICで示す部位を拡大して示す図(c)である。図12は、図10の矢印XIIAで示す部位を拡大して示す図(a)、図10の矢印XIIBで示す部位を拡大して示す図(b)、図10の矢印XIICで示す部位を拡大して示す図(c)である。
比較例にかかる第1カム筒13’は、本実施の形態にかかる第1カム筒13と、同様なカム曲線で延在するカム溝13d’を有しているが、細部において異なっている。より具体的には、図11を参照して、比較例にかかる第1カム筒13’の場合、撮影領域13dAa、13dBa、13dCaと、遷移領域13dAc、13dBc、13dCc(すなわち非撮影領域13dAb、13dBb、13dCb)との境界BD1が、光軸方向(図で上下方向)に一致している。尚、比較例のカム溝の形状・幅は、本実施の形態と同じであるので、本実施の形態と同様な摩擦力の関係が生じる。
これに対し、図7を参照して、本実施の形態にかかる第1カム筒13の場合、撮影領域13dAa、13dBa、13dCaと、遷移領域13dAc、13dBc、13dCc(すなわち非撮影領域13dAb、13dBb、13dCb)との境界BD1が、互いに光軸方向(図で上下方向)に距離Δでずれている。又、遷移領域13dAc、13dBc、13dCcと,それに隣接する非撮影領域13dAb、13dBb、13dCbとの境界もカム溝毎に,同じ距離Δでずれている。
以上の構成の違いから、以下のような効果が生じる。カムピン23bが光軸方向において同じ位置に設けられているので、比較例の第1カム筒13’を用いた場合、第1カム筒13’と第3鏡枠23との相対回動により、3本のカムピン23bが、それぞれ撮影領域13dAa、13dBa、13dCaから、遷移領域13dAc、13dBc、13dCcへと移動する場合、又はその逆方向に移動する場合、全てのカムピン23bが境界BD1を同時に通過することになる。上述したように、アクチュエータの駆動による相対摺動時に各カム溝からカムピン23bが受ける摩擦力が、撮影領域と遷移領域とで異なるため、カムピン23bが境界BD1を同時に通過すると、同時に負荷が変化して、アクチュエータの作動音が大きく変化し、ユーザーが違和感を覚える恐れがある。
これに対し、本実施の形態にかかる第1カム筒13によれば、撮影領域と遷移領域の境界BD1がカム溝毎にずれている。よって、第1カム筒13と第3鏡枠23との相対回動により、3本のカムピン23bが、それぞれ撮影領域13dAa、13dBa、13dCaから、遷移領域13dAc、13dBc、13dCcへと移動する場合、又はその逆方向に移動する場合、3本のカムピン23bが,タイミングをずらしながら境界BD1を通過することになる。同様に、遷移領域と、それに隣接する非撮影領域との境界もカム溝毎にずれているので、かかる境界をカムピン23bが異なるタイミングで通過する。このため、比較例と同様に、アクチュエータの駆動による相対摺動時に各カム溝からカムピン23bが受ける摩擦力が撮影領域と遷移領域と、或いは遷移領域と非撮影領域とで異なるとしても、カムピン23bが境界BD1を通過するタイミングがれることで、負荷が段階的に変化するため、アクチュエータの作動音を徐々に変化させることができるから、ユーザーが違和感を覚える恐れが少ない。
同様に、図12を参照して、比較例にかかる第1カム筒13’の場合、初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdと、一方の遷移領域13dAe、13dBe、13dCeとの境界BD2が光軸方向(図で上下方向)に一致し、また初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdと、他方の遷移領域13dAf、13dBf、13dCfとの境界BD3が、光軸方向に一致している。
これに対し、図8を参照して、本実施の形態にかかる第1カム筒13の場合、初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdと、一方の遷移領域13dAe、13dBe、13dCeとの境界BD2が光軸方向(図で上下方向)に距離Δでずれており、また初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdと、他方の遷移領域13dAf、13dBf、13dCfとの境界BD3が、互いに光軸方向に距離Δでずれている。又、遷移領域13dAe、13dBe、13dCe、及び13dAf、13dBf、13dCfと、それに隣接する非撮影領域13dAb、13dBb、13dCbとの境界もカム溝毎に,同じ距離Δでずれている。
以上より明らかであるが、比較例の第1カム筒13’を用いた場合、第1カム筒13’と第3鏡枠23との相対回動により、3本のカムピン23bが、それぞれ初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdから、一方の遷移領域13dAe、13dBe、13dCe又は他方の遷移領域13dAf、13dBf、13dCfへと移動する場合、或いはその逆方向に移動する場合、全てのカムピン23bが境界BD2又はBD3を同時に通過することになる。よって、カムピン23bが境界BD2又はBD3を同時に通過すると、同時に負荷が変化して、アクチュエータの作動音が大きく変化し、ユーザーが違和感を覚える恐れがある。
これに対し、本実施の形態にかかる第1カム筒13によれば、初期位置検出領域と遷移領域の境界BD2及びBD3がカム溝毎にずれている。よって、第1カム筒13と第3鏡枠23との相対回動により、3本のカムピン23bが、それぞれ初期位置検出領域13dAd、13dBd、13dCdから、一方の遷移領域13dAe、13dBe、13dCe又は他方の遷移領域13dAf、13dBf、13dCfへと移動する場合(或いはこの逆方向へ移動する場合)、3本のカムピン23bが,タイミングをずらしながら境界BD2及びBD3を通過することになる。同様に、2つの遷移領域と,それに隣接する非撮影領域との境界もカム溝毎にずれているので、かかる境界をカムピン23bが異なるタイミングで通過する。このため、比較例と同様に、アクチュエータの駆動による相対摺動時に各カム溝からカムピン23bが受ける摩擦力が初期位置検出領域と遷移領域と、或いは遷移領域と非撮影領域とで異なるとしても、カムピン23bが境界BD2及びBD3を通過するタイミングがれることで、負荷が段階的に変化するため、アクチュエータの作動音を徐々に変化させることができるから、ユーザーが違和感を覚える恐れが少ない。
図13は、本実施の形態にかかる変形例にかかる第1カム筒113の、図6と同様な展開図である。本変形例においては、カム溝13dA,13dB,13dCの間に、それぞれ同様なカム曲線を描く副溝(衝撃軽減用係合溝)DMを3本設けている。図示していないが、第3鏡枠23には、六等配されたカムピン23bが設けられており、そのうちの3本のカムピン(衝撃軽減用係合片に相当)23bが副溝DM内に配置されている。副溝DMは、落下衝撃を軽減することを目的とするため、カム溝とカムピンは積極的に嵌合させない設計とされており、副溝DMの断面形状は一様であって、そのカム溝の幅は、カム溝13dA,13dB,13dCにおける撮影領域のカム溝の幅より大きくなっている。
通常の動作で、第1カム筒113と第3鏡枠23とが相対回動した場合、上述した実施の形態と同様に、カム溝13dA,13dB,13dCに沿ってカムピン23bが相対摺動し、レンズの位置決めを行っている。一方、レンズ鏡胴を誤って落下させたような場合、大きな衝撃力が第1カム筒113と第3鏡枠23との間で作用することがあるが、このときはカム溝13dA,13dB,13dCに加えて、3本の副溝DMにカムピン23bが当接することで、衝撃力を分散して支持するようになっており、これにより各部の破損を抑制している。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様である。尚、副溝を設ける代わりに、図7,8に示す実施の形態のように、境界をずらせたカム溝を6本設けても良い。
図14は、変形例にかかる1本のカム溝213dAを示す図7(a)と同様な拡大図である。図15は、図14の構成をXV-XV線で切断して矢印方向に見た図である。本変形例においては、カムピン23bは、上述した実施の形態と同様にテーパ面23cを有するが、その先端に平面23dを有する。
一方、カム溝213dAは、上述した実施の形態と同様に、境界BD1を挟んで、撮影領域(第11溝部)213dAaと非撮影領域(第12溝部)213dAbとを有している。又、非撮影領域213dAbは、撮影領域213dAaに接続する遷移領域(第13溝部)213dAcを有する。
図14に示すように、カム溝213dAは、撮影領域213dAaと非撮影領域213dAbの溝幅が同じである。しかしながら、図15に示すように、第1カム筒213の表面(内周面)から、撮影領域213dAaの溝底13taまでの深さD1より、非撮影領域213dAbの溝底13tbまでの深さD2の方が深くなっている。又、遷移領域13dAcの溝底13tcは、溝底13taと溝底13tbとを繋ぐ斜面となっている。
以上より明らかであるが、撮影領域213dAaは、カムピン23bに対して第1の摩擦力F11で相対的に摺動し、非撮影領域213dAbは、カムピン23bに対して第2の摩擦力F12で相対的に摺動し、遷移領域213dAcは、カムピン23bに対して第5の摩擦力F15で相対的に摺動するようになっており、ここではF11>F15>F12の関係が成立する。図示していないが、本変形例では、別に2本のカム溝を有しており、境界BD1の位置がずれている点以外、共通した形状を有する。
本変形例によれば、撮影領域と遷移領域(非撮影領域)との境界BD1がカム溝毎にずれている。よって、第1カム筒13と第3鏡枠23との相対回動により、3本のカムピン23bが、それぞれ撮影領域213dAaから、遷移領域213dAcへと移動する場合、又はその逆方向に移動する場合、3本のカムピン23bが,タイミングをずらしながら境界BD1を通過することになる。このため、アクチュエータの駆動による相対摺動時に、各カム溝からカムピン23bが受ける摩擦力が撮影領域と遷移領域とで異なるとしても、カムピン23bが境界BD1を通過するタイミングがれることで、負荷が段階的に変化するため、アクチュエータの作動音を徐々に変化させることができるから、ユーザーが違和感を覚える恐れが少ない。
更に本変形例でも、初期位置検出領域を設けることができ、上述した実施の形態と同様に境界をずらすことで、ユーザーが違和感を覚えることを抑制することができる。
図16は、別な実施の形態にかかるヘリコイド筒313の、図6と同様な展開図である。本変形例のヘリコイド筒(係合筒)313は、カム溝の代わりにヘリコイド溝(係合溝)HG1,HG2,HG3を形成している。ヘリコイド溝HG1,HG2,HG3に対して、不図示の鏡枠から突出したヘリコイド(係合片)が摺動可能に係合している。図示していないが、第1のヘリコイド溝HG1に係合するヘリコイドと、第2のヘリコイド溝HG2に係合するヘリコイドと、第3のヘリコイド溝HG3に係合するヘリコイドは、周方向に略等間隔に設けられている。
第1のヘリコイド溝HG1は、境界BD1を挟んで、撮影時に用いる撮影領域(第11溝部)HG1aと、撮影時に用いない非撮影領域(第12溝部)HG1bとを有している。又、非撮影領域HG1bは、撮影領域HG1aに接続する遷移領域(第13溝部)HG1cを有する。
また、非撮影領域HG1b内には、初期位置を検出する際にヘリコイドが位置する初期位置検出領域HG1dが設けられ、また初期位置検出領域HG1dの両端には、非撮影領域HG1bに接続するようにして遷移領域HG1e、HG1fが設けられている。ここで、「非撮影領域HG1b」というときは、初期位置検出領域HG1dを含まないものとする。
本実施の形態においても、ヘリコイド溝HG1の各領域の形状が異なっているため、撮影領域HG1aは、ヘリコイドに対して第1の摩擦力F21で相対的に摺動し、非撮影領域HG1bは、ヘリコイドに対して第2の摩擦力F22で相対的に摺動し、遷移領域HG1cは、ヘリコイドに対して第5の摩擦力F25で相対的に摺動するようになっており、ここではF21>F25>F22の関係が成立する。
加えて、初期位置検出領域HG1dは、ヘリコイドに対して第1の摩擦力F21’で相対的に摺動し、遷移領域HG1e、HG1fは、ヘリコイドに対して第5の摩擦力F25’で相対的に摺動するようになっており、ここではF21’>F25’>F22の関係が成立する。
更に第2のヘリコイド溝HG2は、境界BD1を挟んで、撮影時に用いる撮影領域(第21溝部)HG2aと、撮影時に用いない非撮影領域(第22溝部)HG2bとを有している。又、非撮影領域HG2bは、撮影領域HG2aに接続する遷移領域(第23溝部)HG2cを有する。
また、非撮影領域HG2b内には、初期位置を検出する際にヘリコイドが位置する初期位置検出領域HG2dが設けられ、また初期位置検出領域HG2dの両端には、非撮影領域HG2bに接続するようにして遷移領域HG2e、HG2fが設けられている。ここで、「非撮影領域HG2b」というときは、初期位置検出領域HG2dを含まないものとする。
同様にヘリコイド溝HG2の各領域の形状が異なっているため、撮影領域HG2aは、ヘリコイドに対して第3の摩擦力F23で相対的に摺動し、非撮影領域HG2bは、ヘリコイドに対して第4の摩擦力F24で相対的に摺動し、遷移領域HG2cは、ヘリコイドに対して第6の摩擦力F26で相対的に摺動するようになっており、ここではF23>F26>F24の関係が成立する。
加えて、初期位置検出領域HG2dは、ヘリコイドに対して第3の摩擦力F23’で相対的に摺動し、遷移領域HG2e、HG2fは、ヘリコイドに対して第6の摩擦力F26’で相対的に摺動するようになっており、ここではF23’>F26’>F22の関係が成立する。
更に第3のヘリコイド溝HG3は、境界BD1を挟んで、撮影時に用いる撮影領域(第31溝部)HG3aと、撮影時に用いない非撮影領域(第32溝部)HG3bとを有している。又、非撮影領域HG3bは、撮影領域HG3aに接続する遷移領域(第33溝部)HG3cを有する。
また、非撮影領域HG3b内には、初期位置を検出する際にヘリコイドが位置する初期位置検出領域HG3dが設けられ、また初期位置検出領域HG3dの両端には、非撮影領域HG3bに接続するようにして遷移領域HG3e、HG3fが設けられている。ここで、「非撮影領域HG3b」というときは、初期位置検出領域HG3dを含まないものとする。
同様にヘリコイド溝HG3の各領域の形状が異なっているため、撮影領域HG3aは、ヘリコイドに対して第7の摩擦力F37で相対的に摺動し、非撮影領域HG3bは、ヘリコイドに対して第8の摩擦力F38で相対的に摺動し、遷移領域HG2cは、ヘリコイドに対して第9の摩擦力F39で相対的に摺動するようになっており、ここではF37>F39>F38の関係が成立する。
加えて、初期位置検出領域HG3dは、ヘリコイドに対して第7の摩擦力F33’で相対的に摺動し、遷移領域HG3e、HG3fは、ヘリコイドに対して第9の摩擦力F39’で相対的に摺動するようになっており、ここではF37’>F39’>F38の関係が成立する。
本実施の形態にかかるヘリコイド筒313によれば、ヘリコイド溝における撮影領域と遷移領域の境界BD1がカム溝毎にずれている。よって、ヘリコイド筒313と鏡枠(不図示)との相対回動により、3本のヘリコイドが、それぞれ撮影領域HG1a、HG2a、HG3aから、遷移領域HG1c、HG2c、HG3cへと移動する場合、又はその逆方向に移動する場合、3本のヘリコイドが,タイミングをずらしながら境界BD1を通過することになる。このため、アクチュエータの駆動による相対摺動時に各ヘリコイド溝からヘリコイドが受ける摩擦力が初期位置検出領域と遷移領域とで異なるとしても、ヘリコイドが境界BD1を通過するタイミングがれることで、負荷が段階的に変化するため、アクチュエータの作動音を徐々に変化させることができるから、ユーザーが違和感を覚える恐れが少ない。
更に、本実施の形態にかかるヘリコイド筒313によれば、初期位置検出領域と遷移領域の境界BD2及びBD3がカム溝毎にずれている。よって、ヘリコイド筒313と鏡枠(不図示)との相対回動により、3本のヘリコイドが、それぞれ初期位置検出領域HG1d、HG2d、HG3dから、一方の遷移領域HG1e、HG2e、HG3e又は他方の遷移領域HG1f、HG2f、HG3fと移動する場合(或いはこの逆方向へ移動する場合)、3本のヘリコイドが,タイミングをずらしながら境界BD2及びBD3を通過することになる。このため、アクチュエータの駆動による相対摺動時に各ヘリコイド溝からヘリコイドが受ける摩擦力が初期位置検出領域と遷移領域とで異なるとしても、ヘリコイドが境界BD2及びBD3を通過するタイミングがれることで、負荷が段階的に変化するため、アクチュエータの作動音を徐々に変化させることができるから、ユーザーが違和感を覚える恐れが少ない。

尚、以上の実施の形態では、3本のカムピン又はヘリコイドが、光軸方向に同じ位置で配置されていることを前提としており、従って境界BD1,BD2,BD3が光軸方向にずれている。しかし、これに限らず、カムピン又はヘリコイドを光軸方向にずらして配置した場合には、境界BD1,BD2,BD3を光軸方向に一致させることもできる。すなわち、カムピン又はヘリコイドが、それぞれ境界BD1,BD2,BD3を異なるタイミングで通過すれば足りる。カム溝又はヘリコイド溝は、2本以上あれば何本設けても良い。又、第1カム筒に限らず、他のカム筒に本発明を適用しても良い。また、初期位置検出を、光軸方向で行わない鏡胴においては、当然ながら、初期位置検出の為にカム溝の幅を狭めている部分は不要な構成となる。
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
O 光軸
12 固定筒
13 第1カム筒
13c 駆動溝
13d、13dA,13dB,13dC カム溝
13dAa、13dBa、13dCa 撮影領域
13dAb、13dBb、13dCb 非撮影領域
13dAc、13dBc、13dCc 遷移領域
13dAd、13dBd、13dCd 初期位置検出領域
13dAe、13dBe、13dCe 遷移領域
13dAf、13dBf、13dCf 遷移領域
13p 斜面
13t、13ta、13tb、13tc 溝底
15 第1直進筒
15b カム溝
16 第2カム筒
17 第3カム筒
18,23b カムピン
19 第2直進筒
21 第1鏡枠
22 第2鏡枠
23 第3鏡枠
31 化粧枠
113 カム筒
213dA カム溝
213dAa 撮影領域
213dAb 非撮影領域
213dAc 遷移領域
313 ヘリコイド筒
BD1,BD2,BD3 境界
DM 副溝
HG1 ヘリコイド溝
HG1,HG2,HG3 ヘリコイド溝
HG1a、HG2a、HG3a 撮影領域
HG1b、HG2b、HG3b 非撮影領域
HG1c、HG2c、HG3c 遷移領域
HG1d、HG2d、HG3d 初期位置検出領域
HG1e、HG2e、HG3e 遷移領域
HG1f、HG2f、HG3f 遷移領域

Claims (7)

  1. 光軸方向に移動可能にレンズを保持するレンズ鏡胴において、
    周面に第1の係合溝と第2の係合溝を備えた筒部材と、
    前記第1の係合溝に係合する第1の係合片と、前記第2の係合溝に係合する第2の係合片とを備え、前記レンズを保持する移動枠と、
    前記レンズの初期位置を検出するセンサと、を有し、
    前記筒部材と前記移動枠とをアクチュエータの駆動により相対回動させたときに、前記第1の係合溝に沿って前記第1の係合片が移動すると共に、前記第2の係合溝に沿って前記第2の係合片が移動することにより、前記レンズの光軸方向の位置決めを行うようになっており、
    前記第1の係合溝は、前記レンズによる撮影に関連する第1の撮影領域溝部と、非撮影に関連する第1の非撮影領域溝部と、を有し、前記第1の非撮影領域溝部内に前記初期位置に対応する第1の初期位置検出領域溝部を有し、前記第1の非撮影領域溝部と前記第1の初期位置検出領域溝部との間に第1の遷移領域溝部を有し、
    前記第1の初期位置検出領域溝部は、前記第1の係合片に対して前記第1の遷移領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記第2の係合溝は、前記レンズによる撮影に関連する第2の撮影領域溝部と、非撮影に関連する第2の非撮影領域溝部と、を有し、前記第2の非撮影領域溝部内に前記初期位置に対応する第2の初期位置検出領域溝部を有し、前記第2の非撮影領域溝部と前記第2の初期位置検出領域溝部との間に第2の遷移領域溝部を有し、
    前記第2の初期位置検出領域溝部は、前記第2の係合片に対して前記第2の遷移領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記筒部材と前記移動枠とを前記アクチュエータの駆動により相対回動させて、前記センサが前記初期位置を検出する際に前記第1,第2の係合片がそれぞれ前記第1,第2の初期位置検出領域溝部へ移動するときに、前記第1の係合片が前記第1の遷移領域溝部を通過するタイミングは、前記第2の係合片が前記第2の遷移領域溝部を通過するタイミングと異なっているレンズ鏡胴。
  2. 前記第1の係合溝は、前記第1の撮影領域溝部と前記第1の非撮影領域溝部との間に別の遷移領域溝部を有し、
    前記別の遷移領域溝部は、前記第1の係合片に対して前記第1の撮影領域溝部における摩擦力よりも小さくかつ前記第1の非撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記第2の係合溝は、前記第2の撮影領域溝部と前記第2の非撮影領域溝部との間に別の遷移領域溝部を有し、
    前記別の遷移領域溝部は、前記第2の係合片に対して前記第2の撮影領域溝部における摩擦力よりも小さくかつ前記第2の非撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記筒部材と前記移動枠とを前記アクチュエータの駆動により相対回動させたときに、前記第1の係合片が前記第1の係合溝の別の遷移領域溝部を通過するタイミングは、前記第2の係合片が前記第2の係合溝の別の遷移領域溝部を通過するタイミングと異なっている請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記第1の初期位置検出領域溝部は、前記第1の係合片に対して前記第1の撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記第2の初期位置検出領域溝部は、前記第2の係合片に対して前記第2の撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動する請求項1又は2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記筒部材は、その周面に第3の係合溝を設けており、前記移動枠は、前記第3の係合溝に摺動する第3の係合片を設けており、前記筒部材と前記移動枠とをアクチュエータの駆動により相対回動させたときに前記第3の係合溝に沿って前記第3の係合片が移動し、
    前記第3の係合溝は、前記レンズによる撮影に関連する第3の撮影領域溝部と、非撮影に関連する第3の非撮影領域溝部と、を有し、前記第3の非撮影領域溝部内に前記初期位置に対応する第3の初期位置検出領域溝部を有し、前記第3の非撮影領域溝部と前記第3の初期位置検出領域溝部との間に第3の遷移領域溝部を有し、
    前記第3の初期位置検出領域溝部は、前記第3の係合片に対して前記第3の遷移領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記筒部材と前記移動枠とを前記アクチュエータの駆動により相対回動させて、前記センサが前記初期位置を検出する際に前記第3の係合片が前記第3の初期位置検出領域溝部へ移動するときに、前記第3の係合片が前記第3の遷移領域溝部を通過するタイミングは、前記第1の係合片が前記第1の遷移領域溝部を通過するタイミング及び前記第2の係合片が前記第2の遷移領域溝部を通過するタイミングのいずれとも異なっており、
    前記第1の係合片と、前記第2の係合片と、前記第3の係合片は、周方向に略等間隔に設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  5. 前記第3の係合溝は、前記第3の撮影領域溝部と前記第3の非撮影領域溝部との間に別の遷移領域溝部を有し、
    前記別の遷移領域は、前記第3の係合片に対して前記第3の撮影領域溝部における摩擦力よりも小さくかつ前記第3の非撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動し、
    前記筒部材と前記移動枠とを前記アクチュエータの駆動により相対回動させたときに、前記第3の係合片が前記第3の係合溝の別の遷移領域溝部を通過するタイミングは、前記第1の係合片が前記第1の係合溝の別の遷移領域溝部を通過するタイミング及び前記第2の係合片が前記第2の係合溝の別の遷移領域溝部を通過するタイミングのいずれとも異なっている請求項4に記載のレンズ鏡胴。
  6. 前記第3の初期位置検出領域溝部は、前記第3の係合片に対して前記第3の撮影領域溝部における摩擦力よりも大きい摩擦力で摺動する請求項4又は5に記載のレンズ鏡胴。
  7. 前記筒部材は、その周面に少なくとも前記第1の係合溝と前記第2の係合溝との間に前記各係合溝と同様な曲線を描く衝撃軽減用係合溝を設けており、前記移動枠は、衝撃軽減用係合片を設けており、前記筒部材と前記移動枠とを相対回動させたときに、前記衝撃軽減用係合溝に前記衝撃軽減用係合片は接しないが、前記レンズ鏡胴に衝撃が付与されたときに、前記衝撃軽減用係合溝に前記衝撃軽減用係合片が接するようになっている請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
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