JP6700182B2 - 軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物 - Google Patents

軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6700182B2
JP6700182B2 JP2016537056A JP2016537056A JP6700182B2 JP 6700182 B2 JP6700182 B2 JP 6700182B2 JP 2016537056 A JP2016537056 A JP 2016537056A JP 2016537056 A JP2016537056 A JP 2016537056A JP 6700182 B2 JP6700182 B2 JP 6700182B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
link
disc
cartilage
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016537056A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016534117A (ja
JP2016534117A5 (ja
Inventor
ムウェール、ファクソン
アントニュー、ジョン
ハグルンド、リスベット
ジェイ. ラフリー、ピーター
ジェイ. ラフリー、ピーター
ガウリ、ラフール
エム. エピュール、ローラ
エム. エピュール、ローラ
ピー. グラント、マイケル
ピー. グラント、マイケル
Original Assignee
ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ
ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ, ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ filed Critical ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ
Publication of JP2016534117A publication Critical patent/JP2016534117A/ja
Publication of JP2016534117A5 publication Critical patent/JP2016534117A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6700182B2 publication Critical patent/JP6700182B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/28Bone marrow; Haematopoietic stem cells; Mesenchymal stem cells of any origin, e.g. adipose-derived stem cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/32Bones; Osteocytes; Osteoblasts; Tendons; Tenocytes; Teeth; Odontoblasts; Cartilage; Chondrocytes; Synovial membrane
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本願は、2013年8月27日に出願された米国仮特許出願第61/870,394号及び2014年8月4日に出願された同第61/975,329号の優先権に基づく米国特許法第119条の利益を主張する特許協力条約出願であり、これらの出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、軟骨障害及び椎間板障害の治療のための方法及び組成物に関し、具体的には関節炎及び椎間円板変性症等の軟骨障害及び椎間板障害の治療のための、リンクN断片を用いる方法及び組成物に関する。
椎間円板(IVD)は、脊椎内の隣接する椎骨を連結する。椎間円板は、周辺の線維輪(AF)と、中心の髄核(NP)とから構成される。AFは、コラーゲン原線維(1)が豊富な同心の薄板を伴う繊維組織である。NPは、ランダムな配向及び高含有量のアグリカンを有するコラーゲン原線維を伴って、より無定形の密度を有し、これによりゼラチン状の外見がNPに付与され、圧縮荷重に抗する能力がもたらされる。アグリカンは、そのコアタンパク質に結合する複数のグリコサミノグリカン(GAG)鎖を伴う巨大プロテオグリカンであり、これがNPにおいて圧縮効果に対向するために必要とされる浸透圧特性を提供する。
椎間板における変性変化に寄与する機序は、枯渇した合成及び増加する分解の両方に起因して、細胞外マトリックスの組成及び構造における生化学的な変化につながり、このうちアグリカンがタンパク質分解性の損傷及び損失の影響を特に受けやすい。老化、栄養不良、生体力学的影響(2〜5)、生化学的影響(6〜10)、及び遺伝的影響(11〜14)が、増加したIVD変性と関連付けられる。変性の間、NP中のGAGの含有量の喪失が起こり、NPがよりコラーゲン性になるにつれて、NPをゼラチン状構造から線維性テクスチャへ変化させ、NP及びAFの両方において裂け目が生じる(15、16)。これは、一般的に、プロテオグリカンの枯渇によって助長される神経の内部成長及び椎間板の高さの喪失に起因し得る腰痛と関連付けられる(17)。現状において、IVD変性に対する内科的治療は存在せず、究極的には、損傷を受けた組織の外科的切除、IVDの空間を復元するためのケージまたは補綴の挿入、及び椎骨の融合を、提供される選択肢として残すのみである。これは、疼痛の緩和において、相対的には良好な短期的臨床結果をもたらし得るが(18)、多くの事例において、脊椎の生体力学を変化させ、後の隣接する椎レベルの椎間板変性につながる。
変性するIVDの生物学的修復が、外科的切除よりも好ましい。
椎間板の変性は人生の早期において始まり、年齢の増加と共に進行する(48、49)。このプロセスは、常在細胞の表現型変化によって特徴付けられ、炎症性サイトカインの産生の増加をもたらす(50、51)。いくつかのサイトカインが椎間板変性と関連付けられており、IL−1β及びTNF−αが最初に説明されたものであったが、IL−6及びIL−8等の更なる候補が、特に動物モデルにおいて最近より説明されている(17)。変性/ヘルニア性の標本からのヒト椎間板の研究により、健康な対照と比較した際に、IL−1β及びTNF−αに加えて、IL−2、IL−4、IL−10、IL−12、及びIL−17の増加したレベルが示された(52)。増加したサイトカイン産生につながる正確な機序は明確でない。遺伝、機械的荷重、酸素化、または炎症性細胞の存在等の、複数の内的及び外的な刺激がサイトカイン産生に影響を与え得る(17)。加えて、特定のマトリックス断片化産物の蓄積が、Toll様受容体を活性化し、それによりサイトカイン産生を誘導し得る。
炎症性サイトカインはプロテアーゼ産生を誘導することが知られ、これは後に、アグリカン及びコラーゲンを含む細胞外マトリックス(ECM)の分解に起因するIVDの高さの構造破損及び喪失につながる(53)。プロテアーゼはECMの重要な構成要素の断片化及び分解を担うが、椎間板の通常の組織修復においても大きな役割を果たす。カテプシンK活性が、アグリカンのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)タンパク質分解と共に、椎間板の通常の組織修復の主なプロセスとして提唱されている(54、55)。しかしながら、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP1、2、3、7、9、13)、アグリカナーゼ(ADAMTS4、5)、及びカテプシン(カテプシンD及びL)は全て、椎間板変性の間上昇する(56、9)。加えて、セリンプロテアーゼHTRA1が、HTRA1の上昇するレベルとそのCHADの変性とが椎間板変性の程度と相関するため、椎間板変性において中心的役割を果たすと考えられている(10、57)。
タンパク質の分解及び髄核(NP)のプロテオグリカン含有量が、椎間板の高さ及び椎間板の荷重負荷容量の喪失を結果として生じ得る。椎間板変性の最終段階においては、環状輪の裂け目が起こり、NP物質の押出及び神経の圧縮に起因する疼痛につながる。疼痛をもたらす変性椎間板の修復方策は、ECM構成要素の産生と、炎症性環境におけるプロテイナーゼ活性の下方制御を必要とする。これらの特性は、TGF−β及びBMP7等のいくつかの成長因子と関連付けられる(58〜61)。しかしながら、臨床診療における成長因子の使用は、それらの高コストと副作用の可能性から制限される。
骨関節炎(OA)は、数百万の人々に影響を及ぼしている慢性的変性性関節障害である。骨関節炎は、コンドロサイトの同化作用及び異化作用における不均衡に起因する関節軟骨の破壊によって特徴付けられる。関節軟骨は、無血管性結合組織であり、可動関節の骨部を覆い、荷重を吸収及び分散することによって、関節の摩擦のない動きを可能にする。これらの特性は、その細胞外マトリックス(ECM)の組成及び構造に関する。関節軟骨は、コラーゲン原線維、プロテオグリカン(主としてアグリカン)、非コラーゲン性タンパク質、及び高い含有量の水で構成される。関節軟骨中の唯一の細胞の種類はコンドロサイトであり、細胞外マトリックスの合成及び維持を担う。
関節軟骨の分解及び滑膜の炎症によって特徴付けられる骨関節炎(OA)の間、この平衡は、コラーゲン及びマトリックスからのプロテオグリカンの分解の増加、ならびに分子合成の枯渇に起因して撹乱される。軟骨は、コンドロサイトにおける遺伝子発現及びタンパク質合成を調節する、複雑な多数のオートクリン及びパラクリン(同化及び異化)因子に応答する。
マトリックス分解は、OAに関与する主要なサイトカインであるインターロイキン−1β(IL−1β)によって誘導される、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)及びADAMTS−4及び−5によって媒介される。OAの発病機序に関与している他のサイトカインとしては、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、IL−2、IL−7、IL−15、及びIL−21等の他の一般的なc鎖サイトカイン、IL−6、及びケモカインが挙げられる。滑膜細胞及びコンドロサイトによって産生されるこれらの因子は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)のメンバー及び酵素のトロンボスポンジンモチーフを有するディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)ファミリーの発現上昇を結果として生じる。MMPは、ECMのターンオーバーと、軟骨の変性とに関与する。老化、肥満、及び関節損傷は、増加するOAと関連付けられる。OAは、関節軟骨、軟骨下骨、滑膜、靭帯、及び関節周囲の筋肉を含む全ての関節組織における進行性の細胞変化及び分子変化によって特徴付けられる。現在のところ、OA患者の軟骨分解を逆行させる、または修復する療法は存在しない。
炎症プロセスは、OA及び関節リウマチ(RA)等の様々なリウマチ性疾患の発病機序において根本的な役割を果たすため、炎症活性の選択的阻害が療法にとって極めて重要であること、ならびにNF−κB転写因子のファミリーが、このプロセスにおいて卓越した役割を果たすことについては、一般的に了解されている。したがって、いくつかの研究が、非ステロイド系抗炎症薬、コルチコステロイド、機能性食品、アンチセンスDNA療法、RNA干渉法、及び抗リウマチ薬を用いた、NF−κB経路の薬理学的調節を対象としてきた。
リンクNは16個のアミノ酸からなる配列であり、プロテオグリカン合成及びIVD細胞による他のマトリックス構成要素の産生を増加させることが示されている(29、34)。リンクNはまた、ウサギ椎間板穿刺変性モデルにおいて椎間板の高さを増加させることが示されており、それによってインビボにおいても再生の潜在性を実証している(31)。この天然に存在するペプチドは、椎間板及び軟骨の両方においてプロテオグリカン凝集体を安定化させ、インビボの組織のターンオーバー中にMMPによって生成される、リンクタンパク質のN末端領域を表す。リンクNは、骨形成タンパク質(BMP)受容体II型と相互作用し、培養ウサギIVD細胞中のSmad1/5シグナル伝達を活性化する(33)。
リンクNの断片が試験されてきた。Wangらは、アミノ酸残基1−12にまたがるペプチドを含む、いくつかのより短いリンクN由来のペプチドを評価した際、リンクNの刺激効果は失われたと報告した(33)。
本開示の態様は、
i)DHXSDNYT(XはLまたはH)(配列番号1)、
ii)i)の保存的変異型、
iii)i)またはii)の断片、から選択されるペプチドを含む単離ポリペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸である。
ある実施形態において、単離ポリペプチドは、1)DHLSDNYT(配列番号2)、及び/もしくは生物学的活性を保持するその保存的変異型、または2)DHHSDNYT(配列番号3)、及び/もしくは生物学的活性を保持するその保存的変異型からなるペプチド配列を含む。
別の実施形態において、本単離ポリペプチドは、
i)XがLまたはHであり、XがLまたはVであり、かつXがAまたはVである、DHXSDNYTXDHDRXI(配列番号4)
ii)i)の保存的変異型、及び
iii)i)またはii)の断片、から選択されるペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持する。
別の態様は、リンクN断片ペプチドを含むポリペプチドをコードする単離核酸を含む。
更なる態様は、1)リンクN断片ペプチドを含むポリペプチドをコードする核酸、または2)リンクN断片ポリペプチドを含むベクターを含む。
更なる態様は、リンクN断片ペプチドを含むポリペプチドを発現する組換え細胞である。
更に別の態様は、リンク断片ポリペプチドを含むポリペプチド、リンクN断片ペプチドを含むポリペプチドを発現する組換え細胞を含む、組成物である。
該産物を作製及び使用するための方法もまた記載される。
本開示の他の特色及び利点が、以下の詳細な記載から明白になる。しかしながら、本開示の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正がこの詳細な記載から当業者には明白であるため、発明を実施するための形態及び具体的な実施例は、本開示の好ましい実施形態を示してはいるものの、単に例証用に提供されていることを理解されたい。
ここで、本開示の実施形態を図面に関して説明する。
ウシまたはヒト椎間板細胞によるプロテオグリカン合成。合成は、リンクN(1μg/mL)、スクランブルS−リンクN(1μg/mL)、反転R−リンクN(1μg/mL)の存在下、またはペプチド補充を伴わない培地において、48時間後に、35SOの組み込みを評価することによって推定した。相対プロテオグリカン発現を、ウシ髄核(NP)細胞及び線維輪(AF)細胞において(a)、ならびにヒト髄核(NP)細胞及び内側線維輪(iAF)細胞において(b)示す。データは、培地単独に曝露された対照細胞による取り込みに対する比率の平均±SDとして表される(n=3)。p≦0.05(*)である値を有意とみなした。 培養培地におけるリンク−Nの安定性。リンクNを培養培地において5%CO、37℃で48時間インキュベートし、インタクトなペプチドのピーク強度を質量分析法で調べた。アリコートを、6、12、24、36、及び48時間で分析した。データを、時間0におけるシグナル強度に対する比率としてプロットする。このプロットは、3回の代表的な実験のうちの1回である。 細胞の存在におけるリンク−Nの安定性。リンクNをヒトNP(a)またはAF(b)細胞の存在下において5%CO、37℃で48時間インキュベートし、インタクトなペプチドのピーク強度を質量分析法で調べた。アリコートを、6、12、24、36、及び48時間で分析した。データを、時間0におけるシグナル強度に対する比率としてプロットする。このプロットは、3人の異なる提供者からの細胞に実行された3回の代表的な実験のうちの1回である。 プロセシングされたリンクNの質量分析法。(a)ヒトNP細胞(黒)及びAF細胞(灰)由来の培地において検出されたペプチドの質量スペクトル。964.4Daの質量を有する断片化されたリンクNがグラフに示される。964.4Daのペプチドが、2つの異なる領域において、保持時間約23分及び32分でカラムから溶出した。(b)2つの可能性のある964.4DaのリンクN断片、リンクN1−8(暗灰色でハイライトされた部分)及びリンクN4−11(明灰色でハイライトされた部分)の概略図。(c)生成された964.4Da断片のアミノ酸配列を、タンデムMSによって特定した。配列を、ペプチドの生成された断片化産物の評価によって確認した。検出された主要なピークは、A[(845.3Da)DHLSDNY(配列番号19)(+1)]、B[(682.28Da)DHLSDN(配列番号20)(+1)]、及びC[(568.2Da)DHLSD(配列番号21)(+1)]であり、これらの質量は1−8配列によってのみ生成され得る。 リンクN断片に応答する、ウシ及びヒト細胞によるプロテオグリカン合成。合成は、リンクN(1μg/mL)、リンクN1−8(0.5μg/mL)、リンクN9−16(0.5μg/mL)の存在下、またはペプチド補充を伴わない培地において、48時間後に、35SOの組み込みを評価することによって推定した。相対プロテオグリカン発現を、ウシ髄核(NP)及び線維輪(AF)において(a)、ならびにヒト髄核(NP)細胞及び内側線維輪(iAF)細胞において(b)示す。データは、培地単独に曝露された対照細胞による組み込みに対する比率の平均±標準偏差標準偏差として表される(n=3)。p≦0.05(*)である値を有意とみなした。 椎間板変性に関与すると説明されるプロテイナーゼに対するリンク1−16の曝露。リンク1−16を、MMP3、7、12、13、カテプシンL、K、及びB、ADAMTS4、5、ならびにHTRA1に対して曝露し、ピーク面積強度を質量分析法を用いて定量化した。A、インタクトリンクN1−16ペプチドの相対強度。B、リンクN1−8ペプチドの相対強度。C、リンクN9−16ペプチドの相対強度。 炎症性環境における、リンクN断片に応答する、ウシ及びヒト細胞によるプロテオグリカン合成。合成は、リンクN(1μg/mL)、リンクN1−8(0.5μg/mL)、リンクN9−16(0.5μg/mL)で補充されたIL−1含有培地において、またはペプチド補充を伴わない培地において、48時間後に、35SOの組み込みを評価することによって推定した。相対プロテオグリカン発現を、ウシ髄核(NP)及び線維輪(AF)において(A)、ならびにヒト髄核(NP)細胞及び内側線維輪(iAF)細胞において(B)示す。データは、IL−1含有培地に曝露された細胞によって産生されたプロテオグリカンに対する比率の平均±標準偏差として表される(n=3)。p≦0.05(*)である値を有意とみなした。 炎症性環境における、リンクNに応答する、ヒト骨関節炎(OA)軟骨中のプロテオグリカン(GAG)濃度。プロテオグリカン濃度を、リンクN(1μg/ml)と共に、IL−1含有培地(5ng/ml)で、リンクN及びIL−1に共曝露して、またはペプチド補充を伴わない培地(対照)で、21日間培養したOA軟骨外植片において判定した。結果は、対照に対して正規化した、軟骨に保持されるGAGのパーセンテージとして提示される。p≦0.05(*)である値を有意とみなした。 ヒト骨関節炎軟骨におけるアグリカンコアタンパク質及び新規に合成されたII型コラーゲンの分析。(A)対照、リンクN、IL−1、ならびにリンクN及びIL−1の両方で処理された軟骨におけるアグリカン(AGG)コアタンパク質の免疫ブロッティング、ならびに約320kDaの分子量を伴うインタクトアグリカンコアタンパク質の半定量分析。(B)対照、リンクN、IL−1、ならびにリンクN及びIL−1の両方で処理された軟骨におけるII型コラーゲン(Col II)の免疫ブロッティング、ならびに360kDaの分子量を伴うコラーゲンの半定量分析。結果は、異なる提供者からの4つの軟骨試料の平均±標準偏差として表される(*p<0.05)。 ヒト骨関節炎軟骨におけるMMP−13及びX型コラーゲン(Col X)発現の分析。(A)対照、リンクN、IL−1、ならびにリンクN及びIL−1の両方で処理された軟骨におけるMMP−13の免疫ブロッティング、ならびに55kDaの分子量を伴うMMP−13タンパク質の半定量分析。(B)対照、リンクN、IL−1、ならびにリンクN及びIL−1の両方で処理された軟骨におけるX型コラーゲンの免疫ブロッティング、ならびに60kDaの分子量を伴うコラーゲンα鎖の半定量分析。結果は、異なる提供者からの4つの軟骨試料の平均±標準偏差として表される(*p<0.05)。 炎症性環境における、リンクNで補充された、OA及び正常提供者からのコンドロサイト中のNFκBの分析。コンドロサイト対照、リンクN処理、IL−1処理、リンクN(10ng/ml)+IL−1、リンクN(100ng/ml)+IL−1、及びリンクN(1000ng/ml)+IL−1におけるNFκBのウェスタンブロット解析。結果は、異なる提供者からの3つの実験の平均±標準偏差として表される(*p<0.05)。結果は、正常ヒトコンドロサイトにおいて、NF−κBのIL−1誘導活性化が、リンクNによって用量依存的に抑制されることを実証する。 炎症性環境における、リンクNで補充された、OA及び正常提供者からのコンドロサイト中のNFκBの分析。コンドロサイト対照、リンクN処理、IL−1処理、リンクN(10ng/ml)+IL−1、リンクN(100ng/ml)+IL−1、及びリンクN(1000ng/ml)+IL−1におけるNFκBのウェスタンブロット解析。結果は、異なる提供者からの3つの実験の平均±標準偏差として表される(*p<0.05)。結果は、OAコンドロサイトにおいて、NF−κBのIL−1誘導活性化が、リンクNによって用量依存的に抑制されることを実証する。 椎間板中のプロテオグリカン濃度。プロテオグリカン濃度を、誘導された変性を伴う椎間板、リンクN、MSC、リンクN及びMSCの両方で処理された椎間板、ならびに非変性対照椎間板において判定した。結果は、異なるウシの尾からの7個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05) 椎間板中のプロテオグリカンのサイズ分布。異なる処理を伴う7つの椎間板から単離されたプロテオグリカンをプールし、アガロースゲル電気泳動法によって分析した。プロテオグリカンを、トルイジンブルー染色によって視覚化した。 椎間板中のアグリカンコアタンパク質の分析。変性対照椎間板、リンクN処理椎間板、MSC処理椎間板、リンクN及びMSCの両方で処理された椎間板、ならびに非変性対照椎間板における、約320kDaの分子量を伴うインタクトアグリカンコアタンパク質の、免疫ブロッティング及び半定量分析。結果は、異なるウシの尾からの7個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05) 椎間板中の新規に合成されたII型コラーゲンの分析。変性対照椎間板、リンクN処理椎間板、MSC処理椎間板、リンクN及びMSCの両方で処理された椎間板、ならびに非変性対照椎間板における、120kDaの分子量を伴うII型コラーゲンα鎖の、免疫ブロッティング及び半定量分析。結果は、異なるウシの尾からの7個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05) 椎間板の髄核部位におけるプロテオグリカン分布。トリプシン誘導変性を伴う椎間板を、リンクN、MSC、またはリンクN及びMSCの注入後14日間培養した。これらを、変性対照椎間板及び非変性対照椎間板と比較した。椎間板を、サフラニンO染色(スケールバー、100μm)を用いた組織学的検査によって評価した。 MSCの標識及び追跡。A.MSC細胞膜を、PKH67キット(緑色蛍光、矢印)を用いて標識し、蛍光顕微鏡検査を用いて標識の効率性を評価した。B.標識したMSCを拡張培地において2日間培養し、維持された標識を蛍光顕微鏡検査を用いて確かめた。C.NP部位における標識したMSCの存在を、器官培養の14日後に判定した。D.Cの拡大図。 トリプシン誘導変性後2週間での、ウシ椎間板器官培養における、プロテオグリカン合成、アグリカン、及びII型コラーゲン発現へのリンクN1−8の効果。(A)椎間板中のプロテオグリカンの濃度を、誘導された変性を伴う椎間板、誘導された変性を伴いかつリンクN1−8で処理された椎間板、及び非変性対照椎間板において、処理後2週間で判定した。結果は、異なるウシの尾からの3個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05)。(B)誘導された変性を伴う椎間板、誘導された変性を伴いかつリンクN1−8で処理された椎間板、非変性対照椎間板、及びリンクN1−8で処理された非変性椎間板における、処理後2週間での、約360kDaの分子量を伴う新規に合成されたII型コラーゲンの、免疫ブロッティング及び半定量分析。結果は、異なるウシの尾からの7個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05)。(C)誘導された変性を伴う椎間板、誘導された変性を伴いかつリンクN1−8で処理された椎間板、非変性対照椎間板、及びリンクN1−8で処理された非変性椎間板における、処理後2週間での、約320kDaの分子量を伴うインタクトアグリカンコアタンパク質の、免疫ブロッティング及び半定量分析。結果は、異なるウシの尾からの7個の椎間板の平均±標準偏差として表される。(*p<0.05)。 アグリカンG1ドメインとヒアルロン酸塩との間の相互作用を安定化するリンクタンパク質の概略図。リンクタンパク質(LP)は、アグリカンG1ドメインとヒアルロン酸塩(HA)との間の相互作用を安定化している。この図はまた、リンクタンパク質のN末端であるヒトリンクN[DHLSDNYTLDLDRAIH(配列番号32)]及びウシリンクN[DHHSDNYTVDHDRVIH(配列番号5)]を描写し、ウシ配列において起こる残基の置換(太字で表される)を強調表示する。 ヒトまたはウシリンクNのいずれかで補充されたアルギン酸塩中で培養されたウシ椎間円板細胞の細胞生存率。細胞生存率は、LIVE/DEAD(登録商標)生存率/細胞毒性アッセイを用いて測定した。アルギン酸塩に埋め込まれたウシ椎間円板(IVD)細胞を、1μg/mlのウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれかで補充された培地において、18日間インキュベートした。同じ期間、培地単独で培養したビーズを、対照(CTL)として使用した。18日後、ビーズを収集して、細胞生存率を評価した。全てのビーズの細胞生存率が、98%超であるとして評価された(白い輝点)。 1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された髄核ウシ細胞による、培養培地へのグリコサミノグリカンの累積的な放出。1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された髄核(NP)ウシ細胞を、ウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれか(1μg/ml)で補充された培地において培養するか、あるいは培地単独(対照)に対して曝露した。各条件について、培地を培養の3、6、9、12、15、及び18日目に収集した。培地中へのグリコサミノグリカン硫酸塩(GAG)の放出を、1,9−ジメチルメチレンブルー(DMMB)色素結合アッセイによって測定した。結果は箱髭図として提示し、ここでの箱は、3連で行われた3回の独立した実験の統合データの中央の50%(25%〜75%パーセンタイル)を表す(*p<0.05または***p<0.0001)。 1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された線維輪ウシ細胞による、培養培地へのグリコサミノグリカンの累積的な放出。1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された線維輪(AF)ウシ細胞を、ウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれか(1μg/ml)で補充された培地において培養するか、あるいは培地単独(対照)に対して曝露した。各条件について、培地を培養の3、6、9、12、15、及び18日目に収集した。培地中へのグリコサミノグリカン硫酸塩(GAG)の放出を、1,9−ジメチルメチレンブルー(DMMB)色素結合アッセイによって測定した。結果は箱髭図として提示し、ここでの箱は、3連で行われた3回の独立した実験の統合データの中央の50%(25%〜75%パーセンタイル)を表す(*p<0.005または***p<0.0001)。 アグリカン遺伝子発現における変化。1μg/mlのウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれかで補充された培地におけるインキュベーションの後1週間での、1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された線維輪(AF)及び髄核(NP)ウシ細胞のアグリカン(AGG)遺伝子発現における変化。遺伝子発現は、RT−PCRで測定した。18S rRNAが、ハウスキーピング遺伝子として使用され、結果を正規化する働きをした。値は、リンクNに曝露された細胞の遺伝子発現の、培地単独に曝露された細胞の遺伝子発現(対照)に対する比率として表される。(*p<0.05、**p<0.001)。 アグリカンADAMTS−4及びADAMTS−5遺伝子発現における変化。1μg/mlのウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれかで補充された培地におけるインキュベーションの後1週間及び2週間での、1.2%アルギン酸塩においてビーズ化された線維輪(AF)及び髄核(NP)ウシ細胞の(A、B)ADAMTS−4及び(C、D)ADAMTS−5遺伝子発現における変化。遺伝子発現は、RT−PCRで測定した。18S rRNAが、ハウスキーピング遺伝子として使用され、結果を正規化する働きをした。値は、リンクNに曝露された細胞の遺伝子発現の、培地単独に曝露された細胞の遺伝子発現(対照)に対する比率として表される。(*p<0.05、**p<0.001)。 線維輪及び髄核ウシ細胞におけるSmad1/5活性化への、ウシまたはヒトリンクNの効果。線維輪(AF)及び髄核(NP)ウシ細胞を、1μg/mlのウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれかで補充された培地において6時間培養した。タンパク質発現は、総Smad1及びホスホ−Smad1/5に対する特定の抗体を用いた免疫ブロッティングで分析した。3連で行われた3回の独立した実験の統合データを表す定量的結果を、平均±標準偏差として提示する(*p<0.05、**p<0.01;p<0.001;§p<0.0001)。ゲル上のバンドは、1回の代表的な実験に関して示されるものである。 線維輪及び髄核ウシ細胞におけるSmad2活性化への、ウシまたはヒトリンクNの効果。線維輪(AF)及び髄核(NP)ウシ細胞を、1μg/mlのウシリンクN(BLN)またはヒトリンクN(HLN)のいずれかで補充された培地において6時間培養した。タンパク質発現は、総Smad2及びホスホ−Smad2に対する特定の抗体を用いた免疫ブロッティングで分析した。3連で行われた3回の独立した実験の統合データを表す定量的結果を、平均±標準偏差として提示する(*p<0.05)。ゲル上のバンドは、1回の代表的な実験に関して示されるものである。 変性を伴う、グレード2〜4のヒト椎間板(AF及びNP部位)におけるNGF発現。この図は、一連の組織染色、及びヒトIVDにおけるNGF発現が変性と共に増加することを示す免疫ブロットである。 リンクNは、線維輪(AF)細胞において、ニューロトロフィン(NGF及びBDNF)、ならびにサブスタンスP(TAC1)のTNFα刺激発現を抑制する。グレード2のヒト椎間板からのAF細胞を、リンクN(1μg/ml)+TNFα(100ng/ml)、またはTNFα(100ng/ml)単独のいずれかで24時間刺激した。結果は、4人の異なる提供者での4回の独立した実験の平均±標準偏差として示される。*p<0.05対対照。 リンクNは、線維輪(AF)細胞において、ニューロトロフィン(NGF及びBDNF)、ならびにサブスタンスP(TAC1)のIL−1β刺激発現を抑制する。グレード2のヒト椎間板からのAF細胞を、リンクN(1μg/ml)+IL−1β(10ng/ml)、またはIL−1β(10ng/ml)単独のいずれかで24時間刺激した。結果は、4人の異なる提供者での4回の独立した実験の平均±標準偏差として示される。*p<0.05対対照。 リンクNは、ニューロトロフィン(TRKA及びTRKB)、ならびにサブスタンスP(TAC1R)受容体のTNFα刺激発現を抑制する。リンクN(1μg/ml)+TNFα(100ng/ml)、またはTNFα(100ng/ml)単独の補充後24時間刺激された、グレード2のヒト椎間板からの線維輪(AF)による、ニュートロフィン(neutrophin)及びサブスタンスPの遺伝子発現における変化。結果は、4人の異なる提供者での4回の独立した実験の平均±標準偏差として示される。*p<0.05対対照。 リンクNは、ニューロトロフィン(TRKA及びTRKB)、ならびにサブスタンスP(TAC1R)受容体のIL−1β刺激発現を抑制する。リンクN(1μg/ml)+IL−1β(10ng/ml)、またはIL−1β(10ng/ml)単独の補充後24時間刺激された、グレード2のヒト椎間板からの線維輪(AF)による、ニュートロフィン及びサブスタンスPの遺伝子発現における変化。結果は、4人の異なる提供者での4回の独立した実験の平均±標準偏差として示される。*p<0.05対対照。 NGF遺伝子発現、及びリンクNと共にインキュベートされたAF細胞の培地に放出されたNGFの分析。リンクN、IL−1βで処理された、あるいはリンクN及びIL−1β処理のグレード4のAF細胞における、約27kDaの分子量を伴うNGFタンパク質の、ウェスタンブロット解析及び半定量分析。結果は、異なる提供者からの4つの椎間板の平均±標準偏差として表される(*p<0.05)。 ウシ尾骨IVDの写真と、リンクNが、損傷を受けたウシIVDからのサブスタンスPの放出を低減させたことを実証するグラフである。カプサイシンで処理された、穿刺のみされた、あるいは穿刺されかつリンクN(10μg/ml)を補充された、4時間後または24時間後の、ウシ椎間板によるサブスタンスPの放出の変化。結果は、4回の独立した実験の平均±標準偏差として示される。*p<0.05対対照。
I.定義
用語「軟骨細胞」は、本明細書で使用する場合、例えば軟骨組織中において見出され、かつ軟骨組織を産生するために使用することができるコンドロサイト系譜細胞を意味する。
用語「コンドロサイト系譜細胞」は、本明細書で使用する場合、コンドロサイトと、細胞化学的に類似であり、例えばSox9及びII型コラーゲンを含むコンドロサイトマーカーを発現し、かつコンドロサイト細胞として振る舞う細胞とを意味する。コンドロサイト細胞は、関節軟骨系譜コンドロサイトまたは、肥大可能である肥大性系譜コンドロサイトであり得る。
用語「軟骨組織」は、本明細書で使用する場合、軟骨組織と、組織学的に類似であり、軟骨マーカー、例えばII型コラーゲン及びアグリカンを発現し、かつ軟骨として振る舞う、関節軟骨組織及び/または成長板軟骨様組織を含む組織とを意味する。
用語「保存的変異型」は、本明細書で使用する場合、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含む、リンクNポリペプチド断片を意味する。
「保存的アミノ酸置換」は、本明細書で使用する場合、1つのアミノ酸残基がそのペプチドの所望される特性を無効にすることなく別のアミノ酸残基で置き換えられる置換のことである。好適な保存的アミノ酸置換は、類似の疎水性、極性、及びR鎖長をもつアミノ酸で互いに置換することによって為し得る。保存的アミノ酸置換の例としては、以下が挙げられる。
用語「培養物」は、本明細書で使用する場合、被着材、懸濁液、もしくは3D細胞、及び/または器官培養におけるインキュベーション細胞及び/または継代細胞である。3D細胞または器官培養は、細胞が3次元スキャフォールド中または上で培養される培養物を含み得る。
用語「椎間板細胞」は、本明細書で使用する場合、NPまたはAF細胞系譜の細胞を意味する。
用語「富化」または「富化された」は、本明細書で使用する場合、1つの種類の細胞の収率(分留物)が、その種類の細胞の、開始培養物または調製物における分留物よりも、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%増加していることを意味する。富化または部分的な精製は、交換可能に使用され得る。
細胞の集団は、細胞表面マーカー等のマーカーに基づく方法等の異なる方法を用いて富化することができる(例えば、FACS分類等)。
本明細書で使用する場合、用語「発現する」は、分子のレベルが、その分子と接触していない、あるいはその分子に曝露されていない細胞中における分子のレベルよりも、その分子と接触した、あるいはその分子に曝露された細胞中において測定可能に高いような、細胞中におけるポリヌクレオチドの転写またはポリペプチドの翻訳を指す。分子の発現を測定するための方法は、当業者には周知であり、限定されるものではないが、ノーザンブロット法、RT−PCR、インサイチュハイブリダイゼーション、ウェスタンブロット法、及びFACS等の免疫染色法が挙げられる。
用語「ハイブリダイズする」とは、相補的な核酸との、配列特異的で非共有結合性の結合相互作用を指す。ハイブリダイゼーションは、少なくとも中程度にストリンジェントな条件下において実行される。好ましい実施形態においては、ハイブリダイゼーションは、高度にストリンジェントな条件下である。ハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェント条件は、当業者には既知であり、あるいはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1 6.3.6.に見出すことができる。例えば、約45℃の6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で15分間、それに続く50℃での2.0×SSCの洗浄を15分間行うことが採用され得る。ストリンジェンシーは、洗浄ステップにおいて使用される条件に基づいて選択され得る。例えば、洗浄ステップにおける塩の濃度は、50℃の約0.2×SSCで15分間という高いストリンジェンシーから選択することができる。加えて、洗浄ステップにおける温度は、約65℃で15分間という、高度にストリンジェントな条件であることができる。
「少なくとも中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、溶液中の2つの相補的核酸分子間の選択的ハイブリダイゼーションを促進する条件が選択されることを意味する。ハイブリダイゼーションは、核酸配列分子の全てまたは一部に対して起こり得る。ハイブリダイズする部分は、典型的には少なくとも15(例えば20、25、30、40、または50)ヌクレオチド長である。当業者ならば、核酸二重鎖またはハイブリッドの安定性は、ナトリウム含有緩衝液中の、ナトリウムイオン濃度と温度との関数であるTm(Tm=81.5℃−16.6(Log10[Na+])+0.41(%(G+C)−600/l)、または類似の等式)によって決定されることを理解するであろう。したがって、ハイブリッドの安定性を決定する洗浄条件のパラメータは、イオン濃度及び温度である。既知の核酸分子に類似するが同一ではない分子を特定するためには、1%のずれがTmにおいて約1℃の低下をもたらすと推測され得るため、例えば、95%超の配列同一性を有する核酸分子が希求される場合、最終洗浄温度は約5℃低下させられることになる。これらの検討に基づいて、当業者は適切なハイブリダイゼーション条件を容易に選択することができる。好ましい実施形態においては、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が選択される。例として、以下の条件、上の等式に基づくTm−5℃における、5×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)/5×デンハルト溶液/1.0%SDSでのハイブリダイゼーション、それに続く60℃での0.2×SSC/0.1%SDSの洗浄を15分間行うことが、ストリンジェントなハイブリダイゼーションを達成するために採用され得る。中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、42℃での3×SSCの15分間の洗浄ステップが挙げられる。しかしながら、同等のストリンジェンシーは、代替的な緩衝液、塩、及び温度を用いて達成され得ることが理解される。ハイブリダイゼーション条件に関する更なる案内は、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.,1989,6.3.1−6.3.6、及びSambrook et al.,Molecular Cloning,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2000,Third Editionにおいて見出し得る。
用語「配列同一性」は、本明細書で使用する場合、2つのポリペプチド配列または2つの核酸配列間の配列同一性のパーセンテージを指す。2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性のパーセントを決定するために、配列は最適な比較という目的のために整合させられる(例えば、第2のアミノ酸または核酸配列との最適な整合のために、第1のアミノ酸の配列または核酸配列にギャップを導入することができる)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列におけるある位置が、第2の配列の対応する位置と同一のアミノ酸残基で占有されているとき、その位置における分子は同一である。2つの配列間における同一性のパーセントは、それらの配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同一の重複する位置の数/位置の総数×100%)。一実施形態において、2つの配列は同一の長さである。2つの配列間における同一性パーセントの決定はまた、数学的アルゴリズムを用いて実現することもできる。2つの配列の比較について活用される数学的アルゴリズムの好ましい非制限的な例は、Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:2264−2268のアルゴリズム、Karlin and Altschul,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:5873−5877において修正されたものである。そのようなアルゴリズムは、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれる。BLASTヌクレオチドの追求は、本出願の核酸分子に対して相同のヌクレオチド配列を獲得するために、NBLASTヌクレオチドプログラムパラメータセット、例えばスコア=100、語長=12で実行することができる。BLASTタンパク質の追求は、本明細書に記載されるタンパク質分子に対して相同のアミノ酸配列を獲得するために、XBLASTプログラムパラメータセット、例えばスコア−50、語長=3で実行することができる。比較目的のため、ギャップ化整合を獲得するために、ギャップ化BLASTを、Altschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.25:3389−3402に記載されるように活用することができる。代わりに、分子間の離れた関係性を検出するPSI−BLASTを使用して、反復追求を行うことができる(Id.)。BLAST、ギャップ化BLAST、及びPSI−Blastプログラムを活用するとき、それぞれのプログラムの(例えばXBLAST及びNBLASTの)初期設定パラメータを使用することができる(例えばNCBIのウェブサイトを参照)。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの許容を伴って、または伴わずに、上に記載されるものに類似の技法を用いて決定することができる。同一性パーセントを計算する際、典型的には完全な一致のみが数えられる。ある実施形態において、単離核酸がプライマーとして有用である。
用語「単離」は、本明細書で使用する場合、ある構成成分(例えば、ポリペプチド、核酸、組換え細胞、誘導細胞)のハットが、その構成成分を含む混合された、または不均一な環境から除去及び分離されていることを指す。例えば、ポリペプチドに関して、用語「単離ポリペプチド」は、組換えで産生される場合、細胞性物質または培養培地を実質的に含まない、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質等のタンパク質性薬剤、あるいは化学的に合成される場合、化学前駆体または他の化学物質を指す。用語「ポリペプチド」は、本明細書で使用する場合、鎖状に共に結合する複数のアミノ酸残基からなるポリマーを指し、天然型アミノ酸ならびに修飾塩基を含むポリマーを含むことができる。
核酸に関して、組換えDNA技術で産生される場合、細胞性物質または培養培地を実質的に含まない、A、G、T、CのポリマーならびにまたはDNA、RNA、及びcDNA等の修飾残基あるいは化学的に合成される場合、化学前駆体または他の化学物質を意味する。「単離核酸」はまた、核酸が誘導される元となる、核酸と天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’及び3’末端に位置する配列)も実質的には含まない。用語「核酸」は、DNA及びRNAを含むことが意図され、二本鎖または一本鎖のどちらでもあり得る。
細胞の単離集団に関して、細胞の混合された、または不均一な集団から除去及び分離された細胞の集団を指す。一部の実施形態において、単離集団は、細胞が単離されるかまたは富化される元となる不均一な集団と比較して、実質的に純粋な細胞の集団である。
用語「リンクN」は、本明細書で使用する場合、MMPによってリンクタンパク質から切断された天然型の16個のアミノ酸からなるペプチドを意味し、配列DHLSDNYTLDHDRAIH(配列番号15)を有するヒトリンクN及び配列DHHSDNYTVDHDRVIH(配列番号5)を有するウシリンクNを含む。リンクNは、関節円板及び椎間円板の両方において産生され、アグリカン/コラーゲン合成を、椎間板(NP及びAF)ならびに関節軟骨(コンドロサイト)細胞によって促進する。
用語「リンクN断片」は、本明細書で使用する場合、i)XがLまたはHである、DHXSDNYT(配列番号1)、ii)i)の保存的変異型、iii)i)またはii)の断片から選択されるペプチドを含むポリペプチドであって、保存的変異型及び/または断片は生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸である、ポリペプチドを意味する。例えば、リンクN断片は、配列番号1〜6のうちのいずれか1つから選択される配列、生物学的活性を保持するその保存的変異型及び/またはその断片を有するポリペプチドであり得る。
用語「間葉系幹細胞」またはMSCは、本明細書で使用する場合、異なる条件下において、2つ以上の分化型の間葉系細胞型へと分化する能力を持つ細胞を指す。MSCは、間葉系幹細胞及び非誘導型の幹細胞を含む。
特定の細胞集団に関して、用語「実質的に純粋」とは、総細胞集団を構成する細胞に関して、少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、及び最も好ましくは少なくとも約95%純粋である細胞の集団を指す。
用語「対象」は、本明細書で使用する場合、哺乳動物、好ましくはヒトを含む、動物界の全てのメンバーを含む。
用語「処理する(treat)」、「処理(treating)」、「処理(treatment)」等は、単離細胞に適用される場合、細胞を任意の種類のプロセスまたは条件に供すること、あるいは任意の種類の操作または手技を細胞に実行することを含む。対象に適用される場合、これらの用語は、対象に対して内科的もしくは外科的処置、看護、または管理を提供することを指す。
用語「治療(treatment)」は、対象に適用するように本明細書で使用する場合、臨床結果を含む有益または所望の結果を獲得することを目標とする手法を指し、例えば薬学的介入、手術、放射線療法、及び自然療法介入、ならびに軟骨及び/または椎間板組織病理を治療するための試験治療を含む医療手技及び適用を含む。有益または所望の臨床結果としては、限定されるものではないが、検出可能または検出不可能にかかわらず、1つ以上の症状または条件の緩和または改善、疾患の程度の縮減、疾患の安定化(すなわち悪化しない)状態、疾患の広まりの予防、疾患進行の遅延または減速すること、病態の改善または寛解、及び緩解(部分的または総合的にかかわらず)を挙げることができる。治療としては例えば、単離リンクN断片ポリペプチドを対象に投与すること、あるいは、単離リンクN断片ポリペプチド、及び/または該ポリペプチドを発現する組換え細胞で処理された細胞を埋め込むかまたは組織を移植することが挙げられる。本明細書で使用する場合、用語「投与」、「埋め込み」、及び「移植」は、導入される細胞の少なくとも部分的な局在化を所望の部位においてもたらす方法または経路によって、本明細書に記載される単離ポリペプチド、細胞、組織、及び/または産物を対象へ送達する文脈において、交換可能に使用される。細胞は、椎骨または関節に直接埋め込むことができ、代わりに、対象中の所望の場所への送達をもたらす任意の適切な経路によって投与することもできる。
本開示の範囲を理解する際に、用語「を含む(comprising)」及びその派生語は、本明細書で使用する場合、明言された特色、要素、構成成分、群、整数、及び/またはステップの存在を指定するが、他の明言されていない特色、要素、構成成分、群、整数、及び/またはステップの存在を排除しない、非限定的な用語であることを意図する。前述されたことはまた、用語「を含む(including)」、「を有する」、及びそれらの派生語等の類似の意味を有する言葉に対しても当てはまる。
用語「からなる」及びその派生語は、本明細書で使用する場合、明言された特色、要素、構成成分、群、整数、及び/またはステップの存在を指定し、他の明言されていない特色、要素、構成成分、群、整数、及び/またはステップの存在を排除する、限定的な用語であることを意図する。
更に、「実質的に」、「約」、及び「およそ」等の程度についての用語は、本明細書で使用する場合、最終結果が大きくは変化しないような、修飾された用語の合理的な量の偏差を意味する。程度についてのこれらの用語は、それが修飾する言葉の意味をこの偏差が打ち消さない場合、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を含むとして解釈されるべきである。
より具体的には、用語「約」は、参照が為される数字の0.1〜50%、5〜50%、または10〜40%、10〜20%、10%〜15%、好ましくは5〜10%、最も好ましくは約5%、プラスであるかマイナスであることを意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、内容が明確に別様に規定しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「化合物(a compound)」を含有する組成物は、2つ以上の化合物の混合物を含む。また、用語「または(or)」は、内容が明確に別様に規定しない限り、「及び/または」を含むその意味で概して使用されることに留意されたい。
特定の節において記載される定義及び実施形態は、当業者によって好適であると理解される、本明細書に記載される他の実施形態に対しても適用可能であることが意図される。
本明細書の、終末点による数値域の列挙は、その範囲内に包含される全ての数及び分数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、及び5を含む)。全ての数及びその分数は、用語「約」によって修飾されるものと推定されることもまた理解されるであろう。
更に、記載される定義及び実施形態は、当業者によって好適であると理解される、本明細書に記載される他の実施形態に対しても適用可能であることが意図される。例えば、本明細書の節において、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、明確に反対に指示されない限り、任意の他の態様または複数の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいかまたは有利であると示される任意の特色は、好ましいかまたは有利であると示される任意の他の特色または複数の特色と組み合わせることができる。
更に、特定の節において記載される定義及び実施形態は、当業者によって好適であると理解される、本明細書に記載される他の実施形態に対しても適用可能であることが意図される。例えば、以下の節において、本発明の異なる態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、明確に反対に指示されない限り、任意の他の態様または複数の態様と組み合わせ得る。特に、好ましいかまたは有利であると示される任意の特色は、好ましいかまたは有利であると示される任意の他の特色または複数の特色と組み合わせ得る。
III.方法及び産物
本明細書に記載されるように、最初の8個のアミノ酸を含むリンクNの断片が、器官培養物における細胞外プロテオグリカンレベルを誘導及び復元し、更に、炎症性環境を含む、椎間板細胞及び軟骨細胞において、プロテオグリカン及びII型コラーゲン合成を誘導することが発見されている。例えば、実施例3において実証されるように、GAGの含有量は、IL−1βの存在下においてリンクNで骨関節炎の外植片を処理したとき、対照と比較して著しく増加した。ウェスタンブロット解析によって、これはまた、IL−1β単独のときと比較すると、MMP−13の活性形態の量の減少につながることが明らかになった。抽出可能なII型コラーゲンの量もまた、IL−1βの存在下においてリンクNでOA軟骨からの外植片を処理したとき、増加された。リンクNは、正常及びOA患者からのコンドロサイトにおいて、IL−1β刺激性のP−P65(NF−κB)を著しく阻害した。
更に、ウシリンクN(BLN)もまた、ヒトリンクN(HLN)の場合と同様、椎間板細胞においてプロテオグリカン及びII型コラーゲン合成を誘導することが実証される。
リンクNは16アミノ酸ペプチドである。本開示以前には、リンクNの断片が存在するか、及び/またはそれが活性であるか否かについては知られていなかった。例えば、Wangら(33)によって、リンクNの最初の12個のアミノ酸を含むリンクN断片は活性を有さないことが報告された。
ある態様は、単離ポリペプチド(本明細書においてはリンクN断片またはリンクN断片ポリペプチドと称される)を含み、この単離ポリペプチドは、
i)DHX(配列番号30)、
(X1は任意のアミノ酸、任意選択でL、H、R、Qであり、
X2はSまたはLであり、
X3はD、S、またはNであり、
X4はNまたはDであり、
X5はYまたはSであり、かつ/あるいは
X6はTまたはYである)
ii)i)の保存的変異型、及び/または
iii)i)及び/またはii)の断片、から選択されるペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸である。
リンクN配列の例は、実施例10において提供される。ある実施形態において、リンクN断片ポリペプチドは、実施例10に記載されるか、そこに記載される配列から決定可能な保存モチーフに基づく配列を含む。
ある実施形態において、単離ポリペプチドは、X1が任意のアミノ酸であり、任意選択でL、H、R、Qであり、かつ/またはX3がD、S、もしくはNである、DHXSXNYT(配列番号31)、その保存的変異型、ならびに/あるいはその断片からなるペプチドを含み、保存的変異型及び/または断片は生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸である。
ある実施形態において、単離ポリペプチド(本明細書においてはリンクN断片またはリンクN断片ポリペプチドと称される)は、
i)DHXSDNYT(XはLまたはH)(配列番号)、
ii)i)の保存的変異型、及び
iii)i)及び/またはii)の断片、から選択されるペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸である。
保存的変異型b)は、例えば1つ以上の保存的変異型置換を含むことができる。
ある実施形態において、生物学的活性は、BMP受容体II型の結合及び/またはSMAD1/5活性の活性化である。
ある実施形態において、包括される保存的変異型ポリペプチドは、スクランブルまたは反転リンクNと比較して、BMP受容体II型に結合し、SMAD1/5活性を活性化するものである。
断片c)は例えば、配列番号1、2、3、4、または5の4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、または7個のアミノ酸であり得る。この断片は、最もN末端側のアミノ酸、または最もC末端側のアミノ酸を含み得る。
例えば、より小さい断片を、例えば実施例9において記載されるような活性について試験することができる。
ある実施形態において、この断片は、スクランブルまたは反転リンクNと比較して、BMP受容体II型に結合し、SMAD1/5活性を活性化する。
BMP受容体II型結合及び/またはSMAD活性化は、例えば、Wangらの文献(33)において記載されるように評価することができる。
ある実施形態において、ペプチドは、DHXSDNYT(配列番号)(XはLまたはHである)、または生物学的活性を保持するその保存的変異型からなる。
別の実施形態において、単離ポリペプチドは、DHLSDNYT(配列番号)からなるペプチド配列、または生物学的活性を保持するその保存的変異型を含む。
別の実施形態において、単離ポリペプチドは、DHHSDNYT(配列番号)からなるペプチド配列、または生物学的活性を保持するその保存的変異型を含む。ある実施形態において、単離ポリペプチドは、DHLSDNYT(配列番号)またはDHHSDNYT(配列番号)からなるペプチドを含む。
より大きな断片は、リンクN(例えばヒトまたはウシリンクN)の最大15個のアミノ酸を含む。ある実施形態において、ペプチドは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のアミノ酸である。
したがって、ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、
i)DHXDX101112,X13(配列番号6)、
(X1は任意のアミノ酸、任意選択でL、H、R、Qであり、
X2はSまたはLであり、
X3はD、S、またはNであり、
X4はNまたはDであり、
X5はYまたはSであり、
X6はTまたはYであり、
X7はL、V、またはTであり、
X8は任意のアミノ酸、任意選択でD、G、N、またはPであり、
X9はH、Y、またはPであり、
X10はRまたはQであり、
X11はA、V、またはDであり、
X12はIまたはRであり、かつ/あるいは
X13はHまたはYである)
ii)i)の保存的変異型、及び/または
iii)i)及び/またはii)の断片、から選択されるペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持し、ペプチドは15個以下のアミノ酸であり、1つ以上の連続するC末端及び/またはN末端残基が欠失する。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、
i)XがLまたはHであり、XがLまたはVであり、かつ/あるいはX12がAまたはVである、DHXSXNYTXHDRVIH(配列番号7)またはDHXSDNYTX7DHDRX12I(配列番号8)、
ii)i)の保存的変異型、及び
iii)i)及び/またはii)の断片、から選択されるペプチドを含み、
保存的変異型及び/または断片は、生物学的活性を保持する。
別の実施形態において、単離ポリペプチドは、配列DHLSDNYTLDHDRAI(配列番号9)、または生物学的活性を保持するその保存的変異型及び/もしくは断片を含む。
別の実施形態において、単離ポリペプチドは、配列DHHSDNYTVDHDRVI(配列番号10)、または生物学的活性を保持するその保存的変異型及び/もしくは断片を含む。
81%の配列同一性を共有するウシリンクN及びヒトリンクNの両方が、生物学的活性を有することが、本明細書に実証される。したがって、ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、または6に対して少なくとも80%、85%、90%、95%の配列同一性を有するペプチドを含む。ある実施形態において、配列番号4のX、X、及び/またはXに対応する残基が修飾される。
ある実施形態において、断片は、配列番号4、5、または6の4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、8個のアミノ酸、9個のアミノ酸、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、または15個のアミノ酸であり得る。この断片は、最もN末端側のアミノ酸、または最もC末端側のアミノ酸を含み得る。
ある実施形態において、この断片は、スクランブルまたは反転リンクNと比較して、BMP受容体II型に結合し、SMAD1/5活性を活性化する。
ある実施形態において、単離ペプチドは、固体支持体に結合され、任意選択で官能基の分散を伴う溶媒和ポリマー、例えばポリスチレン(1〜2%ジビニルベンゼンで架橋されたスチレン)、ポリアクリルアミド(ポリスチレンに対する親水性の代案)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG−ポリスチレン(PEG−PS)等のゼラチン状支持体に結合される。ある実施形態において、固体支持体は、例えばポリアミドまたはポリスチレンを伴う、PEG−ポリプロピレングリコールネットワークまたはPEGで構成される、PEG系支持体である。ある実施形態において、固体支持体は、例えば制御された細孔ガラス、セルロース繊維、及び高度に架橋されたポリスチレンを含む、表面形式支持体である。ある実施形態において、固体支持体は、合成物、例えば剛性マトリックスによって支持されるゼラチン状ポリマーである。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、1つ以上の保護基を含む。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、N末端保護基を有する。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、C末端保護基を有する。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、サイドチェンジの保護基を有する。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、N保護基を含む。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、Fmoc保護基を含む。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、t−Boc保護基を含む。Fmoc。ある実施形態において、保護基は、ベンジルオジカルボニル(Benzylozy carbonyl)(Z)基である。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、アロック保護基を有する。別の実施形態において、本単離ポリペプチドは、リソグラフィック保護基を有する。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、デンドリマーで構成される、またはデンドリマーに含まれる。ある実施形態において、デンドリマーは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、またはそれ以上の、デンドリマースキャフォールドに結合される、本明細書に記載される単離ポリペプチドを含む。ある実施形態において、デンドリマースキャフォールドは、ポリリジンスキャフォールドである。
ある実施形態において、単離ポリペプチドは、PEGまたはアルブミン、ビーズ等の担体部分に結合される。
ある実施形態において、ペプチドは、ホーミング部分、安定化部分、保護部分、及び管理部分から選択される活性部分に結合され、任意選択で活性部分はタンパク質性である。
例えば、安定化部分は、免疫グロブリンFc部分、アルブミン、及び同類のもの等の、自然な分解及び/またはタンパク質のターンオーバーに抗するアミノ酸のタンパク質配列であり得、この安定化部分は、単離ペプチドのN及び/またはC末端に結合される。
ある実施形態において、単離ポリペプチドは、検出可能または精製標識、例えば、組換えタンパク質に付加または導入することができ、その発現の検出またはポリペプチドの精製に有用であるペプチド配列等の部分に結合される。ある実施形態において、精製タグは、タンパク質分解性の切断部位を含むリンカーを介して、単離ペプチドに結合される。
ある実施形態において、単離ペプチドは、リポソームまたはナノ粒子で構成される。ある実施形態において、リポソームは徐放性リポソームである。ある実施形態において、リポソームはペグ化されたリポソームである。
更なる態様は、本明細書に記載される単離リンクN断片ポリペプチドをコードする単離核酸である。本単離核酸は、むき出しでも、ベクターに含まれてもよい。また、ある実施形態において、本明細書に記載される単離リンクN断片ポリペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする核酸も提供される。ある実施形態において、核酸はコドン最適化される。
したがって、更なる態様は、本明細書に記載される単離核酸及び/または単離ポリペプチドを含むベクターを含む。ベクターとしては、核酸用のレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、及びDNAウイルスベクター、ならびにポリペプチド用のリポソームまたはナノ粒子を挙げることができる。ある実施形態において、ベクターはリポソームまたはナノ粒子である。ある実施形態において、リポソームは徐放性リポソームである。
本単離ポリペプチド及び/または核酸は、組換え技術を用いて作製することができ、かつまたは合成的に合成することができる。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは合成的に産生され、非グリコシル化であるかまたはヒトインビボ発現ポリペプチドとは異なるようにグリコシル化される。
ある実施形態において、本単離ポリペプチドは環化される。ある実施形態において、本単離ポリペプチドは、1つ以上のDアミノ酸またはより多くのLアミノ酸を含む。
更なる態様は、本明細書に記載される単離リンクN断片ポリペプチドを発現し、かつ/または本明細書に記載される単離核酸もしくはベクターを含む、組換え細胞を含む。
本開示のリンクN断片を発現する様々な組換え細胞を作製することができる。例えば、細胞は、本出願のリンクN断片をコードする核酸を含むベクターと変換、形質移入、または形質導入することができる。
ある実施形態において、この細胞は、コンドロサイト系譜細胞、幹細胞、または椎間板細胞であり、任意選択で幹細胞は間葉系幹細胞である。ある実施形態において、本組換え細胞は、治療上の使用のためのものである。
更なる態様は、本明細書に記載される単離ポリペプチド、及び任意選択で担体または希釈剤を含む、組成物である。
本明細書に記載される単離核酸、ベクター、または組換え細胞を含む、組成物もまた、別の態様において提供される。
ある実施形態において、本希釈剤は、生理学的緩衝液であり、任意選択で無菌の生理学的緩衝液である。
ある実施形態において、本組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤を含む薬学的組成物である。
本単離ポリペプチド、単離核酸、ベクター、組換え細胞は、場合によっては凍結乾燥することができ、あるいは液体、ゲル、または固体組成物中にあることができる。
本組成物は、凍結乾燥粉末、または水溶液もしくは非水溶液、もしくは懸濁液であり得、これは更に抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、及び溶質を含有してもよい。そのような組成物中に存在してもよい他の構成成分としては、例えば水、(Tween等の)界面活性剤、アルコール、ポリオール、グリセリン、及び植物油が挙げられる。
核酸にとって好適な希釈剤としては、限定されるものではないが、水、食塩水、及びエタノールが挙げられる。
ポリペプチド及び/または細胞にとって好適な希釈剤としては、限定されるものではないが、食塩水、pH緩衝溶液、及びグリセロール溶液、またはポリペプチド及び/または細胞を凍結するために好適な他の溶液が挙げられる。
本組成物は更に、安定化剤、例えば還元剤、疎水性の添加剤、及びプロテアーゼ阻害因子を含むことができ、これらは生理学的緩衝液に添加される。
ある実施形態において、本組成物は、本明細書に記載される単離ポリペプチド、組換え細胞、及び/または組成物を含む生体適合性材料で形成されるスキャフォールドを含む。
ある実施形態において、生体適合性材料は、アルギン酸塩、アガロース、キトサン、ポリカプロラクトン、及び/またはヒアルロン酸(ヒアルロン酸塩)に基づく生体材料から選択される。コンドロサイト及び/またはIVD細胞用の一般的なスキャフォールドもまた使用することができる。
実施形態において、スキャフォールドは、ハイドロゲル、ミクロスフェア、マイクロカプセル、スポンジ、発泡体、または繊維へと形成される。
ある実施形態において、本組成物は、対象への移植のための軟骨または椎間板細胞を調製するためのものであり、本組成物は、本明細書に記載される単離ポリペプチド及び/または組換え細胞、軟骨及び/または椎間板細胞、ならびに担体または希釈剤を含み、軟骨及び/または椎間板細胞は、軟骨細胞及び/または椎間板細胞を誘導してプロテオグリカン及び/またはII型コラーゲン合成を増加させるのに十分な、有効量の該単離ポリペプチド及び/または組換え細胞に曝露される。本組成物及び/または本組成物の細胞は、例えば、本組成物の対象への投与に際して、対象の組織病理を治療するために単離及び使用することができる。
ある実施形態において、本薬学的組成物は、対象の軟骨または椎間板組織病理の治療における使用のためのものであり、本組成物は、本明細書に記載される単離ポリペプチド及び/または組換え細胞、軟骨及び/または椎間板細胞、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を含み、この治療は、本組成物の対象への投与に際して、対象の組織病理を治療するために、軟骨細胞及び/または椎間板細胞を誘導してプロテオグリカン及び/またはII型コラーゲン合成を増加させるのに十分な、有効量の該単離ポリペプチド及び/または組換え細胞に、軟骨及び/または椎間板細胞を曝露することを含む。
ある実施形態において、本組成物(本薬学的組成物を含む)は、生体適合性材料で形成されるスキャフォールドを含み、軟骨及び/または椎間板細胞は、スキャフォールド上またはその中に配置される。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板細胞を含む本組成物は、投与前に少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間培養される。
別の態様は、軟骨及び/もしくは椎間板細胞内、または軟骨及び/もしくは椎間板細胞を含む組織内において、マトリックス合成、任意選択でプロテオグリカン合成、及び/またはII型コラーゲン合成を誘導する方法を含み、本方法は、軟骨及び/または椎間板細胞を、有効量の、単離ポリペプチド、該単離ポリペプチドを発現する組換え細胞、及び/または本明細書に記載される組成物とともに、プロテオグリカン合成を誘導するような条件下でインキュベートし、増加したマトリックス合成を伴う誘導軟骨及び/または椎間板細胞を産生することを含む。
マトリックス合成は、例えば実施例において記載されるプロテオグリカン及び/またはII型コラーゲン合成を評価することによって、測定することができる。
ある実施形態において、本方法は、細胞培養物、任意選択で椎間板器官培養物中でインビトロで実行されて、増加したマトリックス合成を伴う細胞または組織を産生する。
ある実施形態において、細胞及び/または組織は、任意選択で軟骨移植における使用のための、軟骨を産生するような条件下で接触させられる。
ある実施形態において、軟骨細胞は、コンドロサイトである。ある実施形態において、椎間板細胞はAP細胞であり、任意選択でiAP細胞である。別の実施形態において、椎間板細胞はNP細胞である。更なる実施形態において、細胞の混合集団、例えばAP及びNPを含む集団が使用される。ある実施形態において、組織は、軟骨系譜細胞を含む。ある実施形態において、組織は、AP及び/またはNP系譜細胞を含む。
ある実施形態において、組換え細胞は、本明細書に記載される単離ポリペプチドを発現するMSCである。
ある実施形態において、軟骨細胞、椎間板細胞、及び/または組織は、対象中にあり、接触は、本明細書に記載される単離ポリペプチド、組換え細胞、または請求項14もしくは15に記載の組成物を対象に投与することによって実行される。
ある実施形態において、誘導軟骨及び/または椎間板細胞が、対象へ導入される。
ある実施形態において、軟骨細胞及び/または椎間板細胞は、インビトロで処理された自家細胞である。例えば、モザイクプラスティにおいては、小さく、多くの場合円形(4〜8mm)の自家グラフトを、例えば膝の非荷重負荷部位から採取する。ある実施形態において、リンクNが、採取前及び/または自家グラフトを再導入して修復の促進を試みるときに、注入または投与される。例えば、これは、収集部位の修復に役立ち得、かつ/または埋め込み部位の処理は、グラフトの周囲及びグラフトが採取された場所の修復を促進し得る。
別の態様は、対象に移植するための軟骨及び/または椎間板組織を産生する方法を含み、本方法は、軟骨及び/または椎間板細胞を、有効量の、単離ポリペプチド、該単離ポリペプチドを発現する組換え細胞、及び/または本明細書に記載される組成物とともに、プロテオグリカン合成を誘導するような条件下でインキュベート/培養し、増加したマトリックス合成、任意選択で増加したプロテオグリカン合成を伴う誘導軟骨及び/または椎間板細胞を産生することと、誘導軟骨及び/または椎間板細胞の実質的に純粋な集団を単離することとを含む。
ある実施形態において、マトリックスは、軟骨性マトリックスを含む。ある実施形態において、軟骨性マトリックスは、プロテオグリカン及び/またはコラーゲン、例えばII型コラーゲンを含む。
ある実施形態において、プロテオグリカン合成はアグリカンである。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板細胞は、例えば実施例に記載されるアルギン酸塩スキャフォールド等の、スキャフォールドを含む3D培養物中にある。
ある実施形態において、誘導軟骨及び/または椎間板細胞が、対象へ埋め込まれる。
ある実施形態において、例えばおよそ0.5マイクログラム/mLが、細胞培養において、及び/または投与のために使用される。別の実施形態において、約0.5マイクログラム/mL〜約10mg/mlが使用され、場合によっては約10マイクログラム/mLが使用される。約100マイクログラム/mL、約1000マイクログラム/mL、約2ミリグラム/mL、約3ミリグラム/mL、約4ミリグラム/mL、約5ミリグラム/mL、約6ミリグラム/mL、約7ミリグラム/mL、約8ミリグラム/mL、約9ミリグラム/mL、または約10ミリグラム/mL。ある実施形態において、用量は、10マイクログラム/mLずつの任意の増加で、約0.5マイクログラム/mL〜最大約10mg/mlである。ある実施形態において、量は、重量/容積である。ある実施形態において、注入当たりの量が投与される。例えば、ある実施形態において、腰部椎間板当たり最大もしくは約1mgが注入されるか、あるいは関節当たり最大1mgが導入される。
更なる態様は、軟骨及び/または椎間板組織病理に関連付けられる症状を緩和し、かつ/または軟骨及び/または椎間板組織病理を治療する方法を含み、この方法は、それらを必要とする対象に対して、本明細書に記載される、単離ポリペプチド、組換え細胞、誘導軟骨及び/もしくは椎間板細胞、ならびに/または薬学的組成物を投与することを含む。
ある実施形態において、症状は疼痛である。図27〜30において実証されるように、IVDにおけるNGF発現は、NP及びAF細胞の両方における変性とともに増加し、リンクNは、AF細胞における、ニューロトロフィン(NGF、BDNF)及びサブスタンスP(TAC1)のTNFα誘導遺伝子発現を抑制することができる。図29は、リンクNが、AF細胞において、ニューロトロフィン(NGF、BDNF)及びサブスタンスP(TAC1)のIL−1β誘導発現を抑制することを実証する。ニューロトロフィン及びサブスタンスPは、疼痛の媒介物である。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板組織の病理は、椎間円板変性症である。ある実施形態において、椎間円板変性症は早期段階である。例えば、早期段階の椎間板変性症としては、トンプソングレード1、2、及び/または3の変性、あるいは場合によっては、例えばMRI等の画像診断時に決定可能であるようにAFが実質的にインタクトである間が挙げられる。後期段階の椎間板変性症としては、例えば、トンプソングレード4、トンプソングレード5、またはより大きな変性及び/もしくは融合が起こっている場合を挙げることができる。例えば、本明細書に記載される産物及び方法を、融合後の隣接する椎間板の変性を治療及び/または予防するために使用することができる。
高感度及び/または定量MRI法を、本明細書に記載される治療を受けるのに好適な対象を選択するために使用することができる。ある実施形態において、治療は、例えば変性が検出可能なほどに存在するが、変性を修復及び/または遅らせる必要があるほどに疼痛をもたらしているわけではない変性椎間板に対して、予防的に投与される。
ある実施形態において、対象は、減少した細胞密度及び/または代謝活性を有し、場合によっては減少した細胞密度及び/または代謝活性は年齢に起因するものである。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板組織の病理は、関節炎、望ましくない骨形成、及び/または石灰化から選択される、炎症性または変性性関節疾患である。
ある実施形態において、関節炎は骨関節炎である。
別の実施形態において、関節炎は関節リウマチである。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板組織の病理は、骨粗鬆症である。ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板組織は、骨溶解症である。
ある実施形態において、軟骨及び/または椎間板組織の病理は、機械的損傷である。
ある実施形態において、対象は、任意選択でヒト、ウマ、ウシ、ヤギ、またはイヌから選択される哺乳動物である。ある実施形態において、対象はヒトである。
BMP受容体II型発現の喪失が、マウスモデルにおいて、内皮炎症及びアテローム性動脈硬化症を引き起こすことが示されている。リンクNは、BMP受容体II型に結合することが示されており、本明細書において、NFκB活性を阻害することが示される。したがって、更なる態様は、症状を緩和し、かつ/または内皮炎症及び/もしくはアテローム性動脈硬化症を有する対象を治療する方法であり、この方法は、それらを必要とする対象に対して、本明細書に記載される、単離リンクN断片ポリペプチド、組換え細胞、誘導軟骨及び/もしくは椎間板細胞、ならびに/または薬学的組成物を投与することを含む。
ある実施形態において、単離ポリペプチド、組換え細胞、誘導細胞、及び/または薬学的組成物は、対象に対してスキャフォールドで投与される。
単離リンクNポリペプチド、組換え細胞、誘導細胞、または薬学的組成物は、対象に対して、経皮的に、かつ/または組織病理の部位付近、もしくはその部位に投与することができる。椎間板組織の病理については、単離リンクN断片ポリペプチド、組換え細胞、及び/または誘導細胞は、対象に、椎間板内注射、例えばNP、AF、場合によっては内側AFへの注射によって投与、埋め込み、または移植することができる。関節の病理については、単離リンクN断片ポリペプチド、組換え細胞、及び/または誘導細胞は、対象に、冒されている局部への注入によって投与、埋め込み、または移植することができる。一部の実施形態において、自家細胞及び/または組織が例えば、モザイクプラスティにおいてなされるように、記載の通りに切除、処理され、再び埋め込まれる。
ある実施形態において、単離リンクN断片ポリペプチド、組換え細胞、及び/または誘導細胞は、対象に、滑液への注入によって投与、埋め込み、または移植することができる。ある実施形態において、対象が例えば病変を修復するための埋め込みスキャフォールドを有する場合、投与は、埋め込まれている埋め込みスキャフォールドへの注入/導入によって進行させることができる。
ある実施形態において、コンドロサイト、及び/またはMSC、及び/または誘導細胞を含む既存のエキソビボスキャフォールドを、本明細書に記載される単離リンクNポリペプチド、リンクN断片産物を含む組成物に更に含浸させることができる。スキャフォールドはその後、それを必要とする対象に注入することができる。
椎間板及び軟骨の修復は、細胞外マトリックス産生を最大化するために間葉系MSC及びリンクNを補充することによって増進することができる。
ある実施形態において、単離リンクN断片ポリペプチド、組換え細胞、誘導細胞、及び/または前述のうちの1つ以上を含む組成物が、椎間板病変を修復するために使用される。天然の椎間板変性は、裂け目の創成を伴う。そのような病変を修復するために、リンクN断片及び幹細胞を、病変を満たし、導入される薬剤の均一な分布を可能にする重合可能なスキャフォールドに埋め込むことができる。
更なる実施形態において、本単離ポリペプチド、または本単離ポリペプチドを含む組成物は、併用療法において投与される。
ある実施形態において、対象は、埋め込みを受けており、場合によっては本明細書に記載されるように治療を受けているか、または治療されていない。対象は、例えばプロテオグリカン産生を増加させるために、本明細書に記載される単離ポリペプチドを投与される。
ある実施形態において、本方法は更に、細胞または組織を、本明細書に記載される単離ポリペプチド、組換え細胞、または組成物と共にMSCと接触させること、あるいは対象にこれらを投与することを含む。
上の開示は、本出願を概略的に説明する。より完全な理解は、以下の具体的な実施例を参照して得ることができる。これらの実施例は、例証の目的のためにのみ記載され、本出願の範囲を制限することを意図しない。均等物の形態及び置換における変化が、状況が好都合であると示唆または表すとき、企図される。本明細書において特定の用語が使用されているが、そのような用語は、記述的な意味を意図するものであり、制限目的ではない。
以下の非制限的実施例は、本開示の例証である。
実施例1
現状、椎間板変性から生じる腰痛を予防、停止、または遅らせるための治療すら確立されていない。これまでの研究により、IVDにおいて、リンクNは成長因子として振る舞い、プロテオグリカン及びコラーゲンの合成を刺激し得ることが示されている。しかしながら、細胞活性の調節に関与するリンクNの配列は、よく理解されていない。椎間板細胞がリンクNをタンパク質分解性でプロセシングすることができるかどうかを判定するため、ヒト椎間板細胞を天然リンクNに48時間に亘って曝し、下において更に記載されるように、質量分光分析によって、残基1−8にまたがるペプチドが、AF細胞の存在下では生成されたが、NP細胞の存在下では生成されなかったことが明らかになった。リンクN1−8は、IL−1βNP及びAF細胞の存在下においてプロテオグリカン産生を著しく誘導し、ペプチドの最初の8個のアミノ酸において生物学的効果は維持されることが確認され、この効果は炎症性環境において持続性であることが指し示される。
細胞活性を調節する際のリンクNの独特な効果は、配列及び/またはモチーフ特異的な相互作用を示唆する。しかしながら、リンクNが生物学的システムにおいて安定であるかどうかはあまり明確でない。生物学的システムにおけるリンクNの成り行きもまた研究された。
方法及び材料
材料
プロナーゼは、Calbiochem(Darmstadt,Germany)のものであった。コラゲナーゼ1A、GlutaMAX、NaCl、及びギ酸は、Sigma(St.Louis,MO,USA)から購入した。低粘度アルギン酸塩(Keltone LV)を、Kelco Chemical Co.(San Diego,CA,USA)から入手した。ペニシリン/ストレプトマイシン、硫酸ゲンタマイシン、アンホテリシンB、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、及びウシ胎仔血清(FCS)は、Gibco(Burlington,ON,Canada)から入手した。アルギン酸塩ビーズを作製するための20G 1 1/2インチ針は、BD syringes,(Concord,ON,Canada)から入手した。HPLCグレードアセトニトリルは、Rathburn(Walkerburn,Scotland)から購入した。トリプシンゴールド質量分析グレードは、Promega(Madison,WI,USA)から購入した。トップ15mmの容量0.2mLのGlass−Micro−Insertを組み込む、寸法32×11.6mmのTopSert,TPX−Short Thread−Vialを、Skandinaviska GeneTec AB(Vaestra Froelunda,Sweden)から購入した。Vydac UltraMicro Spin(登録商標)Silica C18 300Åカラムを、The Nest Group(Southborough,MA,USA)から購入した。配列決定グレードキモトリプシンを、Roche Diagnostics GmbH(Mannheim,Germany)から購入した。35SO、2mCi,安定化水溶液を、Perkin Elmer(Montreal,Quebec,Canada)から注文した。NUNC 6ウェル培養プレートを、Corning Inc.(Edmonton,Alberta,Canada)から購入した。MMP 3、7、12、13、ADAMTS 4、5は、R&D Systems(Minneapolis,MN)のものであった。HTRA1は、Thermo Scientific(Waltham,MA)からのものであった。カテプシンK、B、及びLは提供された。
リンクNペプチド
リンクN、DHLSDNYTLDHDRAIH(配列番号15)、反転リンクN、HIARDHDLTYNDSLHD(R−リンクN)(配列番号16)、スクランブルリンクN、DLNRAHLHIDYHTDSD(S−リンクN)(配列番号17)、リンクNの最初の8個のペプチド残基、DHLSDNYT(リンクN1−8)(配列番号)、及び後半の8個のペプチド残基、LDHDRAIH(リンクN9−16)(配列番号18)を、CanPeptide(Pointe Claire,QC,Canada)で合成した。スクランブルされた16個のアミノ酸からなるペプチド配列は、Institut Pasteur,Paris,France(http://mobyle.pasteur.fr)からの生命情報科学ツールを用いて設計した。この配列は、元々のペプチドの等電点及び溶解性等の、リンクNの全体的な特性を模倣するように選択された。ペプチドの保存溶液(10mg/mL)をDMEM中で調製し、HEPESで補充し、pHを使用前に7.4に調節した。
組織のソース
ヒトの胸腰部の脊椎を、Transplant Quebec臓器提供プログラムを通じて回収した。椎間板を7人の提供者(男性1名、女性6名)から入手し、平均年齢は29.6歳であり、年齢の範囲は16〜47歳であった(表1)。脊椎に最新の化学療法、放射線療法を受けた提供者、または長年に亘って著しい麻痺を有した提供者は、研究から除外された。脊椎の回収は、死亡から8時間以内に行われた。石灰化を伴う椎間板、及び高さを喪失した椎間板は、研究には含まれなかった。全ての手順は、Montreal General Hospitalの施設内倫理委員会によって承認を受けた。
18〜27月齢の去勢牛のウシの尾を、屠殺から6時間以内に地域の畜殺場から入手した。
ヒト及びウシIVD細胞の単離
ヒト及びウシのIVDを、近接する椎体から分離し、ウシIVDについてはNP及びAFへ、ヒトIVDについてはNP及び内側線維輪(iAF)へ分割した。ヒトの外側線維輪(oAF)からの組織は、この研究においては細胞単離に使用しなかった。細胞は、前に記載したように、各部位から酵素的に単離した(63)。簡潔に述べれば、NP及びAF組織は、およそ2mmの厚さの小片に解剖し、50μg/mLのゲンタマイシン、100μg/mLのペニシリン、100Uストレプトマイシン、及び0.25μg/mLのファンギゾンを含有するPBS中で2回洗浄し、0.2%プロナーゼで1時間温浸し、その後血清を含まないDMEM中で4時間、NPについては0.01%のコラゲナーゼIA型で、ならびにAF組織については0.04%で温浸した。
ヒトIVD細胞の単分子層培養
リンクNの安定性を評価するため、単離されたばかりのNP及びAF部位からのヒト細胞を、ウェル当たり細胞250,000個という密度で、6ウェル培養プレートに蒔いた。細胞を、37℃、5%COにおいて、4.5g/Lのグルコースを含有し、10%のFCS、25mmol/LのHEPES、50μg/mLの硫酸ゲンタマイシン、0.25μg/mLのファンギゾン、50μg/mLのL−アスコルビン酸塩、及び2mmol/LのGlutaMAXで補充された3mLのDMEM中で培養した。ウェルはリンクN(1μg/mL)への曝露前に2日間放置された。200μLの培地を、固定した時間点(0時間、6時間、12時間、24時間、36時間、及び48時間)において収集した。ペプチドの安定性もまた、同じ時間点において、細胞の不在下で調査した。
リンクNのプロテイナーゼ処理
300μgのリンクN1−16を、10種の異なるプロテイナーゼの存在下で、30分間、2時間、及び24時間インキュベートした。MMP3、7、12、13、ADAMTS4、5、HTRA1について使用された緩衝液は、50mMのTris−HCl、200mMのNaCl、5mMのCaCl、0.01%のRapigestで構成された。カテプシンK、B、及びLについては、温浸緩衝液は、2.5mMのDTT、0.15%のコンドロイチン硫酸塩A、0.1Mの酢酸ナトリウム、pH5.5で構成された。
質量分析法
上述の単分子層培養物から収集された25μLの培地試料、またはペプチド消化物を、標準プロトコルにしたがってC18スピンカラム上で精製した(Harvard Apparatus,Holliston,MA)。溶出したペプチドを、20μLの2%アセトニトリル及び0.2%ギ酸(FA)中で再構成した。試料を、easy nano−LCシステム(Thermo Scientific,Waltham,MA)を備える三連四重極型質量分析計TSQ Vantage(商標)(Thermo Scientific)を用いて注入及び定量した。質量分析計は、単位導出において、Q1及びQ3設定の両方を伴うSRMモードで運転された(FWHM 0.7Da)。+1,700Vの噴出電圧を、270℃の加熱イオン伝達設定で脱溶媒和のために使用した。データは、Xcaliburソフトウェア(バージョン2.1)を用いて獲得した。使用された移動相は、A(水中の0.1%FA)及びB(0.1%中の100%アセトニトリル)であった。分離を、Reprosil−Pur C18−AQ樹脂(3μm,Dr.Maich GmbH,Switzerland)で充填された、10μmチップ、75μm×15cm毛細管カラム(PicoTip(商標)エミッタ、New Objective,Woburn,MA)上で行った。1μLの試料を注入し、300nL/分の流量で、97%移動相Aを5分間、85%Aを8分間、65%Aを42分間、及び19%Aを45〜50分間という勾配を用いて分離を行った。
リンクNペプチドについての多重反応モニタリング法(MRM)が、開発、最適化、及び推移によるピーク面積の和と付随して使用され、リンク1−16推移:641.30(3+)→863.41(y7)、641.30→748.38(y6)、641.30→611.33(y5)及び641.30→682.28(b6)、リンク1−8推移:964.40(1+)→845.43(b7)→682.87(b6)→568.23(b5)→453.20(b4)→712.31(y6)→849,37(y7)、リンク9−16推移:488.75(2+)→821.43(b7)→708.34(b6)→496.30((y4)→611.32(y5)→748.38(y6)であった。MRMデータは、Skyline 1.4ソフトウェア(MacCoss Lab Software,University of Washington,Seattle,WA)を用いて分析した。
ペプチドのあらゆる断片化を特定するために、前に記載したように、エレクトロスプレーイオントラップ質量分析とオンラインである逆相液体クロマトグラフィー(LC ESI MS)上に8μLの試料を注入することによって、発見実験もまた実行された(64)。
3DスキャフォールドにおけるIVD細胞の培養
様々なリンクNペプチドに対する代謝応答を比較するために、NP及びAF部位から単離されたばかりのヒト及びウシ細胞を、前に記載したように、1.2%アルギン酸塩ビーズに埋め込んだ(65)。アルギン酸塩ビーズ中の細胞を、37℃、5%COにおいて、4.5g/Lのグルコースを含有し、10%のFCS、25mmol/LのHEPES、50μg/mLの硫酸ゲンタマイシン、0.25μg/mLのファンギゾン、50μg/mLのL−アスコルビン酸塩、及び2mmol/LのGlutaMAXで補充されたDMEM中で培養した。ビーズを7日間安定化させ、細胞生存率を、更なる処理の前にLive/Dead(登録商標)アッセイで評価した。次いで、0.5mLのDMEM中、リンクN(1μg/mL)、R−リンクN(1μg/mL)、S−リンクN(1μg/mL)、リンクN1−8(0.5μg/mL)、またはリンクN9−16(0.5μg/mL)それぞれの等モル濃度の存在下において、48ウェルプレートでウェル当たり5個のビーズを培養した。25μCi/mLの35SOを培地に添加して、プロテオグリカン剛性の評価を可能にした(66)。加えて、ビーズを48時間、IL−1β(10ng/mL)単独に、またはペプチドとIL−1βとの組み合わせに曝した(51)。培養期間の終わりに、培地を収集し、ミリQ水に対して18.2Ωで徹底的に透析し(Spectra/Por(登録商標)3)、その後1MのMgSOによるコールドチェイスを2時間行い、あらゆる残存する組み込まれていない35SOを除去した。35SOの組み込みは、βシンチレーションカウンタ(Beckman Coulter LS6500,Beckman Coulter,Mississauga,Canada)を用いて測定した。
統計的分析
片側対応t検定を実行し、値p≦0.05を有意とみなした。
結果
16アミノ酸リンクNペプチドは、単離椎間板細胞及びインタクトヒト椎間板においてプロテオグリカン合成を誘導し、またウサギ椎間板穿刺変性モデルにおいて椎間板の高さを増加させることが知られている(34、31、29)。しかしながら、この効果が厳密に配列に対して依存性なのか、あるいはペプチドの全体的な特性に起因するものであるのかについては明らかでない。ペプチドの3つの変異型、天然(リンクN)、反転(R−リンクN)、及びスクランブル(S−リンクN)が、この問題に対処するために合成され、35SOの組み込みを、ペプチドに応答するプロテオグリカン合成を評価するために使用した。ウシ及びヒトのNP及びAF細胞を、1μg/mLのペプチドに48時間曝した。ウシ細胞は、リンクNに応答して、プロテオグリカン合成において統計学的に有意な増加を示した(NP p=0.03、AF p=0.03)が、細胞が反転またはスクランブルペプチドに曝露されたときには何の効果も確認されなかった(図1a)。ヒト細胞も、天然リンクNへの応答が有意に増加し(NP p=0.008、AF p=0.02)、スクランブルまたは反転ペプチドに対しては応答しないという類似の傾向を示し、配列特異的な応答であるということを示した(図1b)。ウシ及びヒト両方のAF細胞が、NP細胞と比較してより強く応答するという傾向を示した。
持続的な治療の効果を確実にするためには、ペプチドの安定性または活性の維持が重要である。それ故に、溶液中におけるリンクNの安定性を評価するために、質量分光分析を行った。1922Daの分子質量をもつ天然リンクNを培養培地において37℃で48時間インキュベートし、ペプチドの強度を標的質量分析法を用いて定量化した。この時間の中で、1922DaのリンクNペプチドの喪失は見出されず(図2)、ペプチドが37℃の溶液中で安定であることが示された。
代謝的に活性な細胞は、短鎖ペプチドをプロセシングする潜在性を有し、それによってそれらの短鎖ペプチドの生物学的効果を変更する可能性がある(67〜69)。椎間板細胞がリンクNをタンパク質分解性でプロセシングすることができるかどうかを判定するため、単分子層中のヒト椎間板細胞を天然リンクNに48時間に亘って曝し、1922Daのペプチドのピーク面積強を、その成り行きを評価するために定量化した。ペプチドは、NP細胞の存在下で、少なくとも48時間の間安定であることが確認された(図3a)。しかしながら、AF細胞の存在下ではリンクNの減少が6時間までに検出され、48時間後には痕跡量しか存在せず(図3b)、AF細胞はリンクNペプチドをプロセシングする能力を有することが実証された。
プロセシングされたリンクNの産物を特定するために、0〜1930Daの範囲の質量スペクトルにおける、より短鎖のペプチドの存在を分析した。リンクNを含有するNP細胞からの培地とAF細胞からの培地とを比較したとき、AF細胞培養培地においては、964.4Daの質量を有するペプチドが蓄積されたことが明白である(図4a)。同じペプチドは、NP細胞培養培地においては非常に低いレベルでしか存在しなかった(図4a)。964.4Daのペプチドは、2つの異なる保持時間でカラムから溶出した。この現象は時折観察されるが、高い濃度の結果として生じる、カラム上でのペプチド沈殿によるものである可能性が最も高い。アミノ酸1−8、または4−11を表す、天然の16アミノ酸リンクNの2つの別々の部分が、この質量のペプチドを生成し得る可能性がある(図4b)。タンデム質量分析の分析によって、AF細胞の存在下で残基1−8にまたがるペプチドが生成されることが確認されたが、ペプチド9−16の痕跡は見出されなかった(図4c)。
生物学的治療のために設計されるペプチドの活性の維持は非常に重要であり、リンクNのAF細胞によるプロセシングは、その生物学的効果を変更し得る可能性がある。これを評価するために、アミノ酸配列1−8及び9−16に対応する2つのペプチド(リンクN1−8及びリンクN9−16)を合成し、プロテオグリカン合成におけるそれらの効果を天然ヒトリンクNによる効果と比較した。プロテオグリカン合成は、35SOの組み込みを用いて評価し、ウシ及びヒトNP及びAF細胞を、等モル濃度のペプチドに48時間曝した。ウシ細胞がリンクN1−8単独に曝露されたとき、35SOの組み込みにおいて、天然ペプチドと同一の規模の統計学的に有意な増加が観察された(NP p=0.006、ならびにAF p=0.007)が、リンクN9−16では効果は確認されなかった(図5a)。ヒト細胞も、リンク1−8への応答が有意に増加する(NP p=0.004、ならびにAF p=0.01)が、リンクN9−16に対しては応答しないという類似の傾向を示し、生物学的効果が、ペプチドの最初の8個のアミノ酸で維持される配列に特異的であるということを示した(図5b)。ウシ及びヒト両方のAF細胞が、NP細胞と比較してより強い応答を示した。
リンク1−16の切断を担うプロテイナーゼを決定するために、10種の異なるプロテイナーゼとの温浸を、30分間、2時間、及び24時間実行した。試験したプロテイナーゼはMMP3、7、12、13、ADAMTS4、5、HTRA1、ならびにカテプシンK、B、及びLであった。1922Daのリンク1−16ペプチドのピーク面積強度を、質量分析法を用いて定量化した。カテプシンKとのインキュベーションでは、ピーク強度は30分後にして既に著しく減少し、2時間後及び24時間後にはほぼ検出不可能であったが、一方でMMP3、7、12、13、ADAMTS4、5、HTRA1、ならびにカテプシンB、及びLにはピーク強度は影響されなかった(2時間後の時間点が図6Aに示される)。1922Daのペプチド強度が消える際にm/z 964.4Da(+1)リンク1−8が現れるかどうかを評価するために、MRM法を設定した。この方法により、カテプシンKによって、リンク1−8が2時間後に生成されることが確認された(図6B)。カテプシンKがアミノ酸8と9との間の切断を生成するか否か、あるいはリンク1−16が残基8−16領域内のいくつかの部位でプロセシングされるか否かを評価するために、m/z 488.75Da(2+)リンク9−16ペプチドについてもMRM法を設定した。この分析により、2時間後のリンク9−16の存在が示され、リンクNが、アミノ酸8と9との間の単一の切断によってプロセシングされることが確認された(図6C)。
椎間板変性はインビボの炎症性サイトカインの存在に密接に関連し(51)、天然リンクNは、炎症性環境においても同等に働くことが知られている(34)。IL−1βの存在下でペプチドに対する応答を評価して、炎症性環境においてペプチドの有益な効果が維持されるかどうかを判定した。プロテオグリカン合成は、35SOの組み込みを用いて評価した。ウシNP及びAF細胞において、リンクN1−8は、IL−1βの存在下で天然リンクNと同程度にプロテオグリカン産生を有意に誘導した(NP p=0.006、ならびにAF p=0.013)(図7A)。ヒト細胞においても、リンクN1−8に対する応答の有意な増加(NP p=0.002、ならびにAF p=0.004)、ならびにリンクN9−16に対しては応答しないという同様の傾向が見出され、ペプチドの最初の8個のアミノ酸において生物学的効果が維持されることが確認され、この効果が炎症性環境において持続することが指し示された。
考察
リンクNは、コンドロサイト(70)、インビボのIVD細胞、及びエキソビボのインタクトヒトIVD(19、20)におけるコラーゲン及びプロテオグリカン合成を刺激することができ、ならびに椎間板変性のウサギモデルにおいて椎間板の高さを増加させることができる(31)ということが従来から報告されている。しかしながら、天然リンクNが生物学的システムにおいてどの程度安定であるかについては知られていない。本研究は、AF細胞が、リンクNペプチドをタンパク質分解性でプロセシングする能力を有し、結果としてアミノ酸残基1−8にまたがる断片を生じることを実証する。データはまた、生物学的に活性な配列はこの断片内に保存され、ペプチドが、炎症性環境においてもNP細胞及びAF細胞の両方においてプロテオグリカン合成を増加させ得ることを指し示す。AF細胞が、NP細胞よりも、プロテオグリカンの大きな増加を、基線を超えて示した。しかしながら、産生された絶対濃度は、使用された方法では評定できない。NP細胞がより高い産生のベースラインを有し、結果としてリンクNの曝露を伴う場合も伴わない場合も、プロテオグリカンのより高い全濃度を生じるということが可能である。反転またはスクランブルリンクNペプチド、ならびにリンクNの残基9−16は、生物学的効果を有さなかった。
Wangらは、アミノ酸残基1−12にまたがるペプチドを含む、いくつかのより短いリンクN由来のペプチドを評価した際、リンクNの刺激効果は失われた(33)と以前から報告している。対照的に、リンクNの残基1−8にまたがるペプチドは活性であるということが、ここでは確認された。本結果と一致して、反転またはスクランブルペプチドは効果を有さないことが確認された。残基1−12ペプチドがそれらの系において不活性である理由については明確でないが、使用された異なる条件に関する可能性がある。Wangらは、サイズからは独立する、100ng/mLの異なるペプチドを使用した。
16アミノ酸天然リンクNの1μg/mLの最適な濃度が存在すると決定されたため、この濃度を使用し、8残基の0.5μg/mLの等モル濃度を維持するために、短鎖ペプチドを使用した。Wangらは、細胞可溶化液中の細胞結合性硫酸化GAGを測定したが、培養培地に放出されたGAG中の放射性硫酸塩の組み込みを、本明細書においては測定した。使用された細胞のソースもまた異なっており、Wangらは脊椎融合のための手術の間に抽出された変性した椎間板組織から細胞を単離し、この細胞を3D培養物へ移送する前に単分子層培養物中で拡張したが、この手順は、細胞の表現型を変化させ、それによって細胞の応答を変更した可能性もある。
Abbottら(71)によって、変性ヒト椎間板からの単分子層拡張細胞は天然リンクNに対する応答性が低く、アグリカンのメッセージレベルはわずかしか発現上昇せず、MMP3メッセージレベルは強く誘導されることが実証されている(71、18)。Wangらの研究において使用されたリンクNの用量は、これもまた決定された最適な用量よりも低く、この場合10分の1であった(71)。本明細書において試験される細胞は、中程度の変性を伴う臓器提供者から単離され、表現型を保存するために、細胞は単分子層に拡張されなかった。この差異と、評価される細胞が、重度に変性した、外科的に除去された椎間板からのものではないという事実が、異なった結果の説明となり得る]。重度の変性を伴う椎間板は、検出可能な治療上の応答をもたらすのに十分な細胞を有していない場合がある。また、外科的に除去された変性した椎間板の異なる部位を分離するのは、肉眼形態が失われ、NP細胞とAF細胞との差異を見分けることが難しくなるため、困難である。加えて、細胞の収率が重度に変性した椎間板では低く、細胞の数を増やすために細胞を拡張することが必要であり、これが細胞の表現型に影響を及ぼし得る(72)。
椎間板変性の早期の事象及び顕著な特徴は、アグリカンの喪失であり、変性の早期段階で使用される任意の治療剤は、アグリカンの合成を増加させねばならない。したがって、現在のアグリカン合成は、リンクN断片の効果の有益性を評価するための読み出し情報として注目された。しかしながら、インビボの椎間板変性は、椎間板マトリックスにおける増加した異化作用と強く関連付けられる。このプロセスは、疾患プロセスの早期においてこれもまた発現される、様々なサイトカイン及びプロテアーゼの発現上昇を伴う(17、53)。椎間板における変性プロセスを逆行または遅延させる能力をもつ生物活性剤にとって、この異化作用の環境においてその同化作用の効果を発揮することは必須である。このデータは、リンク1−8がこれらの特性を有することを指し示している。
リンクNはAF細胞によってプロセシングされるものの、活性配列はインタクトのまま残ることも確認された。リンクNの、残基8と9との間でのカテプシンKによる切断から、結果として2つのペプチド、リンク1−8及びリンク9−16が生じる一方で、MMP3、7、12、13、ADAMTS4、5、HTRA1、ならびにカテプシンB、及びLは、リンクNをプロセシングしなかった。椎間板変性におけるカテプシンKの役割が示唆された(55、73)。リンク1−8が、変性している椎間円板の細胞外マトリックスにおいて生成されるか否かは知られていない。
リンクNはBMP受容体II型を通じて作動することと、受容体の活性化が、Smad1/5シグナル伝達及びBMP−4及びBMP−7メッセージレベルの発現上昇につながることが示されている(32)。BMP受容体II型は、リンクNのパートナーとして説明される唯一の受容体である。それ故に、リンク1−8がリンクNと同じ受容体と相互作用し、リンクN及びリンク1−8の両方のペプチドが、同様の程度までプロテオグリカン合成を誘導する可能性が高い。そうである場合、リンクNはまた、メタロプロテイナーゼの発現を下方制御する能力等の、リンクNの他の代謝特性も有することが予期される。
リンクN1−8は、変性性椎間板疾患の治療にとって有望な生物活性物質である。この治療から利益を得ることができる患者としては、例えば早期の椎間板変性を有する者、例えば大きなコラーゲン変性が起こる前の、AFがインタクトなままである場合が挙げられる。トンプソングレード3を超える変性は、細胞の数の少なさ、及び椎間板中に残る重度に破壊されたECMに起因して、外科的な治療を必要とする場合がある。しかしながら、リンクN1−8は、これらのより高いグレードの変性を有する個体においても有用であり得、ここでリンクN1−8は、融合後の隣接する椎レベルの椎間板疾患を遅延させるために使用することができる(74〜76)。療法において元々の16個のアミノ酸からなるリンクNではなく、より短いこの8個のアミノ酸からなるペプチドを用いることの利点の一つは、産生コストであり得る。また、小さなサイズもインビボ送達により適し得る。
実施例2
以前に実証されたように、リンクNはMMPの切断によってリンクタンパク質から放出される。リンクNは、関節円板及び椎間円板の両方において産生され、アグリカン/コラーゲン合成を、椎間板(NP及びAF)ならびに関節軟骨(コンドロサイト)細胞によって促進する。
器官培養中のヒト椎間板におけるリンクN刺激は、培地が単独で注入された椎間板と比較して、1.15〜7倍を超えて増加することが報告されている。プロテオグリカン合成は、リンクN刺激後9日目に検出可能である。
椎間板変性のウサギモデルにおいて、L2/3環状穿刺の2週間後に、10マイクロリットルの生理食塩水中、リンクN100マイクログラムの濃度でリンクNを注入し、リンクN感染の14週間後にIVDの椎間板の高さが有意に増加した。アグリカンmRNAが、AF細胞及びNP細胞において有意に増加した(特にAF細胞において)。なお、MMP−3及びADAMTS−4プロテイナーゼ発現は有意に減少した。ヒト円板においてリンクNは保持され、終板を通じて緩徐に失われるのみであり、AFからは失われないということが実証された。スクランブルリンクNまたは反転リンクNがヒトNP細胞またはヒトiAF細胞において効果を有さなかったため、リンクNの特異性は配列依存性である。例えば参考文献29及び34を参照されたい。
NP及びAFの存在下における培養物中でのリンクNの安定性を、図3に示されるように、ならびに上述されるように試験した。リンクNはAF細胞によってプロセシングされるものの、NP細胞によってはプロセシングされない。
図4b及び4cは、質量分析法によって特定される、可能性のあるリンクN断片を示す。様々な異なるプロテイナーゼを伴うインキュベーション後の、リンクNペプチド1−16の多重反応モニタリングにより、シグナルは、カテプシンKインキュベーションの存在下でのみ喪失することが確認された(図6A)。これは、図6B及び6Cに示されるピークの出現に対応する。リンクN1−8は、ヒトNP細胞及びヒトiAF細胞と接触するとき、プロテオグリカン合成の誘導について活性であるが、リンクN9−16は活性ではない(図7A)。リンクN1−8は完全な長さのリンクNと類似の、またはそれよりも良好な活性を示す(図7B)。リンクN及びリンクN1−8は、炎症性環境においてプロテオグリカン合成を促進することができるが、リンクN9−16はできない。
これらの結果から、アグリカン産生はNF細胞及びAF細胞の両方で増加され、リンクNは椎間板中に保持され、終板を通じて緩徐に失われるのみであり、AFからは失われないということが示される。リンクNはAF細胞によってプロセシングされ、NP細胞によってはプロセシングされない。リンクNはカテプシンKによって切断され、1−8断片を生成し、AF細胞によって産生されるリンクN断片は活性である。リンクN及びこの断片は、炎症性環境において働く。
実施例3
方法論:
骨関節炎(OA)の軟骨を、全膝関節置換術を受けた4人の提供者からインフォームドコンセントの下に入手し、OA軟骨の骨外植片及びOAコンドロサイトを、各提供者から調製した。正常ヒトコンドロサイト(PromoCell,Heidelberg,Germany)及びウシ関節軟骨(12ヶ月)を、対照として使用した。
外植片調製及び処理
およそ1cmの軟骨外植片は、同じ提供者らから調製し、これは皮質骨を伴う軟骨を含んだ。外植片を、10%熱失活FBSを補充したDMEMで培養した。標準の培養条件下で7日後、外植片を21日間、IL−1β(5ng/ml)、リンクN(1μg/ml)に曝し、ならびにIL1βとリンクNとに共曝露し、培養培地を3日毎に取り替えた。
組織プロセシング及び分析
直径3mmの軟骨プラグを各外植片の異なる領域から単離した。Col II、Agg、Col X、及びMMP−13の発現を、ウェスタンブロット法で評価した。簡潔に述べれば、軟骨プラグを、プロテイナーゼ阻害剤を含有する、pH7.4で15体積量(v/w)の4Mの塩化グアニジウム、100mMの酢酸ナトリウムを用いて、48時間4℃で抽出した。ウェスタンブロット解析に使用する100μlのアリコートを、9体積量のエタノールと共に沈殿させ、50mUのケラタナーゼI(Seikagaku)と共に37℃で1時間インキュベートし、その後20mUのコンドロイチナーゼABC(Seikagaku)と共に37℃で夜通しインキュベートした。軟骨マトリックスの構成成分を、還元条件下において、4〜20%勾配ゲル(Bio−Rad)上でSDS/PAGEを用いて分解し、免疫ブロッティングのために0.2umのPVDF膜に転写した。アグリカンは、アミノ末端G1を認識するウサギポリクローナル抗体(抗G1)を用いて検出した。Col II及びMMP13は、抗Col II及び抗MMP13ウサギポリクローナル抗体(Abcam)を用いて認識し、一方で、X型コラーゲンは、抗Col Xマウスモノクローナル抗体(Sigma)で認識した。
組織中のグリコサミノグリカン(GAG、主としてアグリカン)の総含有量を、1,9−ジメチルメチレンブルー(DMMB)色素結合アッセイを用いて定量化した。
OAコンドロサイト単離及び培養
OAコンドロサイトを、0.125%プロナーゼ、それに続く0.2%コラゲナーゼでの連続的な温浸によって各膝の軟骨から回収した。単離後、細胞を、10%熱失活FBS及び1%ストレプトマイシンを補充したDMEMで拡張した。
NFκBシグナル伝達
OA及び正常コンドロサイトを、6ウェルプレートに移し、培養密度90%まで成長させた。細胞を夜通し血清除去し、37℃で10分間、IL−1β(5ng/ml)、リンクN(1μg/ml)、またはこれら2つの組み合わせを含有する培養培地でインキュベートした。細胞をRIPA(放射性免疫沈降アッセイ)緩衝液、ならびにプロテアーゼカクテルII(Sigma)、及びホスファターゼ(ThermoScientific)阻害剤中に溶解させた。可溶化液を、還元条件下において、4〜20%勾配ゲル(Bio−Rad)上で電気泳動させ、0.2umのPVDF膜に転写した。ブロットを、正規化のために抗ホスホNFκB抗体(Cell Signaling)、ならびにNFκB(Cell Signaling)及びGAPDH(Sigma)を用いて調べた。
結果:
OA外植片及びコンドロサイトにおいて、リンクNは、IL−1βの存在下でプロテオグリカン産生を有意に誘導した。OA軟骨において、プロテオグリカン合成における有意な増加が、リンクNに応答してマトリックス中で観察された保持された。同様の結果がCol IIについても観察された。リンクNはまた、MMP−13の活性化と、Col Xの発現とを抑制した。興味深いことに、OA及び正常コンドロサイトにおいて、NF−κBのIL−1β誘導活性化は、リンクNによって用量依存的に抑制された。
図8は、GAGがリンクNで処理されたOA外植片において保持されることを実証する。GAG保持率は、対照(CTL)外植片の保持%として計算された。
図8は、OA外植片及びコンドロサイトにおいて、リンクNが、IL−1βの存在下でプロテオグリカン産生を有意に誘導したことを実証する。
図9は、OA軟骨において、アグリカン合成における有意な増加が、リンクNに応答してマトリックス中で観察及び保持されたことを実証する。同様の結果がCol IIについても観察される。
図10は、リンクNがIL−1β誘導のMMP−13活性化(A)及びCol Xの発現(B)を抑制することを実証し、図11は、正常ヒトコンドロサイト(A)及びOAコンドロサイト(B)において、NF−κBのIL−1β誘導活性化が、リンクNによって用量依存的に抑制されることを実証する。
したがって、リンクNは、骨関節炎の軟骨におけるプロテオグリカンの保持を刺激し、炎症性環境におけるプロテオグリカン及びコラーゲンを刺激することができる。リンクNは、骨関節炎の軟骨におけるMMP−13の活性形態を抑制することができ、リンクNは、IL−1β誘導プロテアーゼ発現を抑制し、これは例えばNFκBの下方制御によるものであるという理論によって束縛されることはない。
OAは、インビボの炎症性サイトカインの存在に密接に関連付けられる。椎間円板中の炎症性環境において、リンクNが、プロテオグリカン合成を誘導し得ることは実証されている。しかしながら、炎症性環境の骨関節炎軟骨において、リンクNが、プロテオグリカンの含有量を復元し得るか否かについては知られていない。これを試験するために、骨関節炎軟骨由来のヒト外植片を、リンクNと共に、IL−1βの存在下で、リンクN及びIL−1βの組み合わせと共に、または培地単独で、21日間培養した。抽出可能なプロテオグリカンの濃度を、DMMBアッセイで定量化した。リンクNは、対照に対して正規化したとき、約50%まで外植片のGAG含有量を増加させた。IL−1βは、対照と比較したとき、プロテオグリカン濃度を減少させた。しかしながら、リンクNは、対照に対して正規化したとき、IL−1βの存在下で約30%まで外植片のGAG含有量を増加させた。これは、軟骨変性中に、リンクNがプロテオグリカンを復元する潜在性を有していることと、この効果が炎症性環境においても持続されるということとを指し示す。
次に、G1ドメインに対する抗体を用いる、組織中のアグリカンの合成及び保持へのリンクNの効果を分析した。補充無しに21日間外植片を培養した後、外植片は貧弱なアグリカンのG1含有断片を示す。リンクNの補充によって、アグリカンG1含有断片の含有量は、有意に増加する(P<0.0001)。外植片がIL−1単独で処理されたとき、アグリカンG1含有断片の染色強度は対照の強度と比較して類似するが、低分子量断片のほとんどが観察されなかった一方で、リンクN及びIL−1の補充は、リンクN単独で処理された外植片に匹敵するレベルまで、量を有意に増加させた。
次に、G1ドメインバンドは、マトリックスの進行中の代謝作用の結果として、インビボの軟骨中のアグリカナーゼ及びMMP活性によって産生されるため、炎症性環境におけるリンクNのMMP−13発現への効果について試験した。MMP−13発現を、リンクN単独の不在下もしくは存在下、IL−1単独の不在下もしくは存在下、またはリンクNを一緒に伴うIL−1の不在下もしくは存在下における外植片の培養後のウェスタンブロッティングによって分析した。補充無しに21日間外植片を培養した後、外植片は貧弱な活性MMP−13を示す。リンクNは、対照と比較したとき、活性MMP−13を有意に誘導した。IL−1補充によって、活性MMP−13は、リンクNによって刺激された場合よりも増加した。対照的に、IL−1βの存在下へのリンクNの添加は、IL−1β単独のときと比較すると、MMP−13の活性形態の量の減少につながった。したがって、炎症性環境において、リンクNは、MMP−13の活性形態を抑制する。
軟骨修復はまた、安定したマトリックスを生成するためのコラーゲン産生を必要とする。それ故に、直近に産生された抽出可能なII型コラーゲンのレベルを評価した。骨関節炎対照外植片から抽出されたII型コラーゲンの量は、リンクNを補充された外植片における量よりも少なかったが、有意な差ではなかった。外植片をIL−1単独で処理すると、II型コラーゲンの量は、対照外植片と比較して有意に減少した。対照的に、IL−1βの存在下へのリンクNの添加は、IL−1β単独のときと比較すると、II型コラーゲンの量の増加につながった。したがって、炎症性環境において、リンクNはアグリカン産生を刺激するだけでなく、II型コラーゲンの産生も刺激した。
いくつかの研究により、炎症性サイトカイン及びマトリックス変性酵素をコードする多くの遺伝子が、転写因子である核内因子κB(NF−κB)によって制御されることが示されている。リンクNを用いたNF−κB活性化カスケードの抑制は、炎症性媒介物の発現を下方制御し得る。
次に、正常コンドロサイトにおける、IL−1によるNF−κB活性化へのリンクNの効果を分析した。からの正常コンドロサイトを、リンクNの様々な濃度の存在下または不在下において、IL−1βで刺激した。リン酸化NF−κB RelA(p65)の刺激を、P−P65(NF−κB)に対して特異的な抗体を用いて、ウェスタンブロッティングによって判定した。IL−1βの不在下でコンドロサイト細胞を培養した後、コンドロサイトはP−P65(NF−κB)タンパク質を示さない。リンクNの補充によっても、P−P65(NF−κB)タンパク質への影響は観察されなかった。予期されたとおり、P−P65(NF−κB)は、IL−1βによる刺激後に顕著である。リンクNは、IL−1β刺激性のP−P65(NF−κB)を、用量依存的な様式で著しく阻害した。100ngのリンクNは1000ngのリンクNと非常に類似した。OA患者からのコンドロサイトが使用されたときにも同様の結果が観察された。このデータは、リンクNがIL−1β媒介NF−κB活性化を抑制することと、NF−κBシグナル伝達を阻害することによって、IL−1β刺激性MMP−13及び炎症性サイトカインを抑制し得ることを実証する。
考察
関節軟骨アーキテクチャは、同化因子及び異化因子を通じてインタクトかつ機能的に保たれ、この同化因子及び異化因子は、コンドロサイトに働きかけ、今度はこのコンドロサイトが合成と変性とのバランスをとることによって組織の恒常性を維持する。コラーゲン及びアグリカンの変性及び喪失、軟骨下骨の組織修復、ならびに滑膜の炎症は、平衡が異化に対して移動するため、骨関節炎を特徴付ける。リンクNは、コンドロサイトにおいてコラーゲン及びプロテオグリカン合成を刺激することができるということが従来から報告されている。しかしながら、炎症性環境の骨関節炎軟骨において、リンクNが、プロテオグリカン及びコラーゲンの含有量を復元し得るか否かについては知られていない。本明細書の結果によって、早期OAにおいて、リンクNはプロテオグリカン及びコラーゲンの含有量を復元する潜在性を有することが実証される。このデータはまた、リンクNがタンパク質分解を抑制し、炎症性環境においてもNF−κBシグナル伝達を阻害することによって、プロテオグリカン及びコラーゲン合成を増加させ得ることを指し示す。
生物活性因子であるリンクNは、椎間板の修復を刺激する潜在性を有するように実証されている。リンクNは、単離IVD細胞をインビトロで用いることで、コラーゲン及びプロテオグリカンのメッセージレベルを誘導することが特定されており、かつ放射性35SOの新たに合成されたプロテオグリカンへの組み込みを増加させることが報告されている(6、16、18)。実際、エキソビボでのインタクトヒトIVDへのリンクNの注入は、新たに合成されたプロテオグリカンへの放射性35SOの組み込みの増加をもたらし、椎間板変性の穿刺モデルにおいてウサギ椎間板に注入されたとき、椎間板の高さの部分的な復元につながった。この結果は、リンクNが、OA患者からのコンドロサイトにおいてプロテオグリカン及びコラーゲン発現を刺激することができ、軟骨の機能的特性の復元という機能的役割と一貫していることを指し示す。
リンクNは、コンドロサイトにおいて、P−P65(NF−κB)の活性化を抑制した。NF−κBシグナル伝達経路は、インビボの関節炎の進展及び進行において能動的な役割を果たす(19、20)。実際、我々の研究は、IL−1bによる刺激に続く、関節コンドロサイトにおけるNF−κBの活性化を示しており、これは関節軟骨の異化において重要な役割を果たす。NF−κB発現は、コラゲナーゼ−3(メタロプロテイナーゼ(MMP)−13)及びストロメライシン1(MMP−3)のレベルと相関関係にあった。また、核NF−κBの局在性への移動が、II型コラーゲンで免疫化されたDBA/1マウスにおける関節炎の早期段階での軟骨の破壊中に、コンドロサイト中で示された。本結果によって、IL−1bによる刺激が、関節コンドロサイトにおけるNF−κB活性化の刺激を引き起こすことが示される。
機能的マトリックスを有するためには、新規に規定されるマトリックスが組織修復されねばならない。これは、様々なプロテアーゼの発現上昇を伴う。この研究において、リンクNは、対照と比較したとき、活性MMP−13を有意に誘導した。したがって、軟骨内でその新規の機能のために、新規に合成されたECMを組織修復するには、これらのプロテアーゼの発現上昇が必要とされる。リンクNを補充されたヒト椎間板細胞は、インビトロで、ならびに椎間板変性のウサギインビボモデルにおいて、プロテアーゼの発現を上昇させる。したがって、リンクNは、椎間板ECMを組織修復して軟骨の機能を復元することを伴って、軟骨の修復を刺激するのに有効であることが窺える。
関節炎においてMMPによって関節軟骨変性を低減するための、NF−κBの阻害剤の潜在的な使用について記載してきた。非ステロイド性の抗炎症薬(NSAID)、グルココルチコイド、及び異なる薬剤を用いた好ましい結果は、NF−κB活性化の減少を実証する。しかしながら、NSAIDの使用は、胃腸における副作用及びアンチセンスの特異性の喪失を結果として生じる可能性が有り、転写因子デコイの方策は、単一の器官においてのみ遺伝子発現を阻害することを標的とするとき、大きな課題を呈する。更に、タンパク質送達、免疫原性、及び治療のコストの問題が、療法のための全体的なタンパク質についての現実的な見通しを制限している。
実施例4
プロテオグリカンは枯渇しているが実質的なコラーゲンの破損は伴わない、早期椎間板変性の器官培養モデルを、リンクNを経済的な成長因子類似体として、ならびに間葉系幹細胞(MSC)を細胞補充として用いる、分子及び細胞療法の効果を研究するために使用する。
材料及び方法
間葉系幹細胞培養
骨髄から収集されたヒトMSCを、Lonza(Basel,Switzerland)から入手した。供給業者によれば、この細胞はCD105、CD166、CD29、及びCD44に対して陽性であり、CD14、CD34、及びCD45に対して陰性である。加えて、この細胞は、骨形成、軟骨形成、及び脂肪生成の分化系列へと分化し得ることが確認された。全ての細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、100U/mLのペニシリン、及び100μg/mLのストレプトマイシンで補充されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で拡張し、4継代内で使用した(19、20)。全ての培養試薬は、Wisent Inc.(St−Bruno,Canada)から入手した。
間葉系幹細胞標識及び追跡
MSCを、供給業者の説明書に従い、PKH67(Sigma−Aldrich,Oakville,Canada)で標識した。簡潔に述べれば、2×10MSCを、FBSを伴わずにDMEMで洗浄し、400g、5分間の遠心分離によって緩いペレットとして収集した。このペレットを、希釈剤C中に再懸濁させ、色素溶液と速やかに混合させた。次いで、細胞/色素懸濁液を5分間インキュベートし、その後等容積のFBSを添加することによって、反応を停止させた。細胞の生存率を、トリパンブルーで染色することによって測定した。アリコートを、単分子層(Sarstedt,Saint−Leonard,Canada)中で二日間培養して、標識の効率性を追跡した。細胞の残余を、リン酸緩衝食塩水(PBS)(Wisent)または1mg/mLのリンクN(CanPeptide,Montreal,Canada)で補充されたPBSのいずれかに再懸濁した。次いで、細胞懸濁液を、トリプシンで前処理して変性を誘導したウシ椎間板に注入した(21)。
椎間板単離及び培養
前に記載したように、最も大きい最初の3〜4個の尾部の椎間板を、24〜30月齢の去勢牛の尾から単離した(21、22)。簡潔に述べれば、それらの尾は、皮膚、筋肉、及び靭帯を外すように解剖され、各区分の椎弓根を取り除いた。骨、及び軟骨性終板の隣接する石灰化部分を取り除き、それにより椎間板の表面は、検出可能な石灰化組織を伴わずに軟質であり、可撓性であった。椎間板を、1,000U/mLのペニシリン、1,000μg/mLのストレプトマイシン、及び0.25μg/mLのファンギゾン(GIBCO,Burlington,Canada)を補充されたPBS中ですすいだ後、それらの椎間板を、50mLの培養培地(5%FBS、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、50μg/mLのL−アスコルビン酸塩を補充された、2mMのGlutamax及び25mMのHepesを伴うDMEM)を格納する無菌80mL検体容器中で3日間予備調整した。28G1/2針を用いた、椎間板の中心への、75μLのPBS中に溶解させた100μgのトリプシン(Sigma−Aldrich)の単回の注入によって、変性を誘導した(21)。この針は、中心に到達するために必要な距離を測るために椎間板の上面に置かれ、次いで同じ深さまで挿入された。中心に到達すると、トリプシン溶液を緩徐に注入し、次いで逆流を防ぐために針を徐々に引き抜いた。次いで、椎間板を更に4日間培養し、その後75μLの最終容積のPBS中のMSC(10個の細胞)、リンクN(75μg)、またはMSC(10個の細胞)とリンクN(75μg)の組み合わせを注入した。リンクNの濃度は、ウシ椎間板の平均容積が7.5mLであると想定し、単離ウシ椎間板細胞にとっての最適な用量(1μg/mL)に基づいた。使用されたMSCの数は、健康なヒト椎間板の細胞密度を測定した、Liebscherらによる研究(23)に基づいた。ウシ椎間板は既に高い細胞密度を有するため、栄養の欠乏に起因する細胞生存への潜在的な有害な影響を回避するために、健康な大人のヒト椎間板中において確認される細胞の数の約半分をこの研究において使用した。7個の椎間板は、全ての実験的条件について注入した。トリプシン処理した椎間板のうちの7個は、変性対照として働かせるために、ならびにNPのプロテオグリカン含有量を分解するのにトリプシンが活性であるかを確かめるために、PBSのみを注入した。7個の椎間板は、非変性対照として働かせるために、いかなる注入も伴わずに培養した。次いで、椎間板を14日間培養し、培地を3日毎に取り替えた。
顕微鏡検査及び組織学的検査による椎間板の分析
培養の終結時に、2枚のミクロトーム刃からなる社内設計の切削工具を用いて、椎間板の中心を通して2つの薄片を採取した(21)。これにより、幅約3cm(椎間板の直径)及び高さ1cm(椎間板の高さ)で厚さ750μmの2枚の切片を得る。1枚の切片は、組織学的分析のために、ホルマリンを含まない固定剤(Accustain,Sigma−Aldrich)で固定した。固定した試料は、パラフィンワックス中に埋め込み、5μmの厚さの薄片を切り出し、ヘマトキシリン及びサフラニンO−ファストグリーンで染色した(24)。他方の切片は、椎間板組織中でのMSCの分布を調査するために、そのまま使用した。椎間板に定植する標識された幹細胞を、倒立型共焦点レーザ走査顕微鏡(CLSM、Zeiss LSM 510)を用いて可視化した。20枚の連続する6μmの薄片を画像化し、CLSMスタックを単独の画像へと分割した。
細胞外ECMタンパク質及びプロテオグリカンの抽出
残存する髄核(NP)組織を収集し、湿重量を記録した(21)。組織を小片へと切り分け、タンパク質及びプロテオグリカン抽出のために、14体積量の抽出緩衝液[4Mの塩化グアニジウム、50mMの酢酸ナトリウム、pH5.8、10mMのEDTA、COMPLETE(登録商標)(Roche,Laval,Canada)中に懸濁させた。4℃で48時間の連続攪拌によって組織を抽出し、抽出物を4℃で30分間、12,000gの遠心分離によって透明にした。上清を収集し、更なる分析のために−80℃で保管した。
GAG分析
組織抽出物中の硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)を、改変ジメチルメチレンブルー(DMMB)色素結合アッセイによって定量化した(25、26)。試料を、検量線の比例領域の中間に入るように希釈した。潜在的な干渉を補正するために、組織抽出物と等容積の抽出緩衝液を検量線に添加した。
アガロースゲル電気泳動法によるプロテオグリカン分析
プロテオグリカン組成物を、アガロースゲル電気泳動法によって分析した(27)。椎間板抽出物の10μLのアリコート中のプロテオグリカンを、無水エタノールで沈澱させ、蒸留水に溶解させた。試料を、試料緩衝液(0.1MのTris−HCl、0.768Mのグリシン、0.01%のブロモフェノールブルー、1.2%のグリセロール、0.05%のSDS、pH8.3)と混合し、10分間沸騰させた。1.2%アガロースゲルの電気泳動によって、プロテオグリカンを分離した。ゲルを、0.5%(w/v)トリトンX100を伴う、3%酢酸中の0.02%(w/v)トルイジンブルーで染色し、3%酢酸、次いで蒸留水で脱染した。
ウェスタンブロットによるアグリカン及びII型コラーゲン分析
椎間板抽出物の10μLのアリコート中のタンパク質及びプロテオグリカンを、9体積量の無水エタノールの添加によって沈澱させ、95%エタノールで2回洗浄し、最終的に凍結乾燥させた。II型コラーゲンの分析のための試料を、蒸留水に溶解させた。アグリカンの分析のための試料を、緩衝液(0.03Mの酢酸ナトリウムを伴う0.05MのTris−HCl、pH7.4、COMPLETE(登録商標))に溶解させ、ケラタナーゼI及びコンドロイチナーゼABC(Amsbio,Lake Forest,CA,US)で温浸させた。同じ処理群からの試料をプールし、SDS試料緩衝液と混合し、10分間沸騰させた。次いでタンパク質を、還元条件下において、SDS−PAGE(4〜12% Bio−Rad(登録商標)ゲル)で分離した。分離したタンパク質を、ニトロセルロース膜に転写し、これらのタンパク質は、0.2%Tween20を伴うPBS中の1%BSA(ブロッキング緩衝液)でブロックされた。次いで、タンパク質を、4℃のブロッキング緩衝液中、希釈度1:2,000の一次抗体と共に夜通しインキュベートし、その後、ブロッキング緩衝液中で、西洋ワサビペルオキシダーゼと結合する二次抗体と共に(希釈度1:5,000、Sigma−Aldrich)インキュベートした。II型コラーゲンを認識する一次抗体はAbcam(Toronto,Canada)より入手し、アグリカンG1ドメインを認識する一次抗体は、前に記載したように調製した(28)。結合された抗体を、化学発光法(GE Healthcare Baie d’Urfe Canada)で可視化し、Bio−Rad VersaDoc画像分析システム(Bio−Rad,Mississauga,Canada)を用いて分析した。
統計的分析
統計的分析を、分散の分析と、それに続く、GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.La Jolla,CA,USA)を用いたフィッシャー保護最小有意差事後検定を用いて行った。結果は、異なるウシの尾からの椎間板を用いた、7つの独立した実験の平均±標準偏差(SD)として提示される。差分は、p<0.05の場合に統計学的に有意であるとみなした。
結果
リンクNは、プロテオグリカン合成を、単離椎間板細胞によって、ならびに変性ウサギ椎間板において誘導することと、インビトロのMSCの軟骨形成を増進することが知られている(20、29〜32)。しかしながら、リンクNまたはMSCが単独で、早期変性を伴うより大きな椎間板においてプロテオグリカン含有量を復元することができるか否かについては知られていない。また、リンクN及びMSCの組み合わせが相加効果を有するか否かについても知られていない。これを試験するために、タンパク質分解性に誘導されたアグリカンの枯渇を伴うウシ椎間板を、リンクNもしくはMSC単独で、またはリンクNとMSCとの組み合わせで処理した。椎間板を処理後2週間培養し、抽出可能なプロテオグリカンの濃度を、DMMBアッセイで定量化した(図12)。介入無しに、変性椎間板中のGAG含有量は、非変性対照のGAG含有量の約50%まで下落した。対照的に、リンクN及びMSC単独、またはそれらの組み合わせは、変性対照椎間板中のGAG含有量と比較して、椎間板のGAG含有量を有意に増加させた(p<0.05)。処理された椎間板中のプロテオグリカン濃度は、非変性椎間板のプロテオグリカン濃度と同様であった。しかしながら、処理された群内に置いて、統計的有意性は観察されなかった(p>0.05)。これは、早期変性において、リンクNまたはMSCはどちらも単独で、プロテオグリカンをその元々のレベルまで復元する潜在性を有しており、併用療法による追加的な利益は得られないことを指し示している。
等しいプロテオグリカン含有量を有することは、構造が正常な椎間板の構造と同じであることを必ずしも意味しない。これに対処するために、抽出したプロテオグリカンを、アガロースゲル電気泳動法によって分析した。処理された椎間板における染色のサイズ分布及び強度は、非変性対照椎間板のものと同等であるが、一方で、染色の強度は、変性対照椎間板においてより低かった(図13)。このデータは、処理された椎間板中で産生された、新規に合成されたプロテオグリカンが、非変性椎間板のプロテオグリカンと同じサイズ範囲であることを実証する。
加えて、インタクトアグリカンコアタンパク質の存在または存在量を、SDS−PAGEによって評価した。250kDaよりも大きい質量を伴うインタクトアグリカンコアタンパク質は、非変性対照椎間板と比較して、変性対照椎間板において有意に少なく(p<0.05)、一方でリンクN及び/またはMSCの注入は、非変性対照椎間板に匹敵するレベルまで、そのタンパク質の量を有意に増加させた(図14)。
椎間板修復はまた、安定したマトリックスを生成するためのコラーゲン産生を必要とする。それ故に、直近に産生された抽出可能なII型コラーゲンのレベルを評価した(図15)。変性対照椎間板から抽出されたII型コラーゲンの量は、非変性対照椎間板における量よりも有意に少なかった。椎間板にMSC及び/またはリンクNを注入したとき、II型コラーゲンの量は、非変性対照椎間板において検出される量と同様のレベルまで増加した。したがって、リンクN及びMSCはアグリカン産生を刺激するだけでなく、II型コラーゲンの産生も刺激した。
修復組織内でのプロテオグリカンの分布を評価するために、組織学的分析を使用した。組織薄片のサフラニンO及びファストグリーン染色によって、サフラニンO(赤)染色がほぼ見出されず、変性対照椎間板におけるプロテオグリカンの均一な喪失が確認された(図16)。この結果によって更に、変性対照椎間板におけるプロテオグリカン含有量が、NP部位にわたって枯渇したことが確認された。MSCまたはリンクN単独またはそれらで共に処理された椎間板においては、サフラニンO染色の強度及び分布は、非変性対照椎間板のものと同様の、NP部位にわたって一様な分布を示した。したがって、新規に合成されたプロテオグリカンは、ECMにわたって拡散することができ、細胞から離れた領域においても組織含有量を復元することができた。
MSC誘導修復プロセスが持続するためには、注入された幹細胞は生存可能なままである必要が有り、修復組織にわたって分布した。これに対処するために、MSCをPKH67で標識し(図17A、B)、標識の効率性及び色素の持続可能性を評価するために、単分子層で2日間培養した。MSCの生存率は、トリプシン処理された椎間板に注入される前に細胞を標識し、PBSまたはリンクN/PBS溶液中で懸濁させたとき、90%よりも高かった。注入されたMSCが生き残り、椎間板のECM中に統合されたか否かを評価するために、細胞を共焦点顕微鏡で追跡した。標識されたMSCは、2週間の器官培養期間の後に、NP部位にわたって分布されていることが見出され(図17C、D)、持続可能な修復プロセスの実行可能性を指し示した。
考察
本研究において、IVDプロテオグリカン含有量を復元するための分子及び細胞療法の潜在性を研究するために、早期椎間板変性の器官培養モデルを使用した。リンクNを分子薬剤として使用し、MSCを細胞補充として使用した。変性椎間板を、いずれかの療法で別個に、または組み合わせて処理し、その結果によって、リンクNまたはMSCが単独で、組織プロテオグリカンを復元する能力を有していることと、2つの組み合わせによる追加的な効果は観察されなかったことが明らかになった。
従前の研究によって、リンクNが椎間板修復を刺激するという潜在性が実証されている(20、29、31〜35)。リンクNは本明細書に示されるようにAF細胞によって切断されるものの、結果として生じるN末端の8個のアミノ酸からなるペプチドは、タンパク質分解性に安定であるようであり、生物学的活性を保持する。単離IVD細胞をインビトロで活用する研究によって、リンクNは、コラーゲン及びプロテオグリカンのメッセージレベルを誘導し、新たに合成されたプロテオグリカンへの放射性35SOの組み込みの増加に帰着し得ることが示されている(34、35)。加えて、エキソビボでのインタクトヒトIVDへのリンクNの注入(34)は、新たに合成されたプロテオグリカンへの放射性35SOの組み込みの増加をもたらし、リンクNは、椎間板変性の穿刺モデルにおいてウサギ椎間板に注入されたとき、椎間板の高さの部分的な復元につながった。本研究において使用されたモデルは若年成人における早期段階の変性を模倣しており、ここでは組織はリンクNの刺激に応答可能な細胞を十分な数有している。一方では対照的に、減少する細胞の数、細胞老化、及び潜在的には炎症性環境が、ヒト椎間板変性を特徴付けることが多い。我々のグループの以前の研究によって、リンクNは炎症性環境において等しく効能があることが示されている(34)。この段階では、椎間板ECMを合成可能である追加的な細胞を供給することもまた必要であり得る。
自家IVD細胞を収集することができ、IVD修復のための細胞のソースとして使用することができる良性の部位は存在せず、MSCが有力な選択肢として残る。IVD修復のためのMSCの潜在的な使用については、小動物において記載されている(36〜38)。ウサギにおける好ましい結果は、椎間板の高さの増加、ならびにECMの沈着及び水和作用を実証する。しかしながら、ウサギについての他の研究は、特にMSCがスキャフォールドを伴わずに、またはAFの密閉を伴わずに投与されたとき、骨棘の形成を報告している(39)。リンクNは、軟骨形成を促進し、かつヒトMSCの骨形成をインビトロで低減すると知られているため、併用療法にとって理想的な候補であり得る(20)。動物試験に加えて、小規模のヒト臨床治験では、改善された疼痛スコア及び障害スコアが報告されている(40)。臨床治験においては椎間板の高さの増加は確認されなかったが、MRIによって測定された水和作用の増加は検出することができた。本結果は、MSC補充が、早期変性において実行可能な選択肢であり得ることを指し示す。しかしながら、終板の石灰化が変性と関連付けられるため(41)、変性椎間板に結果として生じる損なわれた栄養経路が、追加的な細胞の代謝活性を指示するか否かについては、確認する必要が残る(42、43)。
現行のモデルは裂け目の生成に帰着せず、分子の枯渇しかもたらさないが、一方で天然の椎間板変性は、多くの場合裂け目の創成を伴う。そのような病変を修復するために、リンクN及び幹細胞を、病変を満たし、治療剤の均一な分布を可能にする重合可能なスキャフォールドに注入することが必要とされ得る。
実施例5
ウシ椎間板器官培養物を用いて、追加的な試験を実行した。図18は、リンクN1−8が、リンクN1−8処理の2週間後に、変性ウシ椎間板で、プロテオグリカン合成、アグリカン及びII型コラーゲン発現における統計学的に有意な増加を誘導することを実証する。
リンクN及びアミノ酸1−8を含む断片が、変性椎間板においてアグリカンのレベルを復元できることが実証される。
実施例6
ヒトリンクN[DHLSDNYTLDHDRAIH](配列番号15)は、インビトロ及びインビボの両方において、椎間円板(IVD)細胞によって細胞外マトリックスの生合成を刺激することができる。現在まで、ウシリンクN[DHHSDNYTVDHDRVIH](配列番号5)の椎間板細胞への効果について、報告はなかった。本研究の目的は、ウシ線維輪(AF)及び髄核(NP)細胞への、ウシリンクN(BLN)の効果と、ヒトリンクN(HLN)の効果とを比較することである。
方法:健康な22〜24月齢の去勢牛の尾骨椎間板のNP及びAF部位から単離した細胞を、プロテオグリカン合成及び遺伝子発現のために1.2%アルギン酸塩ビーズに直ぐ埋め込むか、またはタンパク質抽出のために単分子層において培養した。ビーズを、1μg/mlのHLNまたはBLNのいずれかで補充された培地において、18日間インキュベートした。硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)放出を分析した。培養の7日後及び14日後に、定量的PCRを、アグリカン(AGG)、ADAMTS−4、及びADAMTS−5について行った。Smad活性化を、P−Smad1/5及びP−Smad2を対象とする特定の抗体を用いて、免疫ブロッティングで分析した。
結果:NP及びAF細胞において、BLN及びHLNを伴うインキュベーションは、培養培地中へのGAG放出の増加を結果としてもたらした。GAG放出は、対照培地と比較して、BLNまたはHLNのいずれかと共にインキュベートされたAF細胞において有意に高かった。しかしながら、NP細胞は、HLNと共にインキュベートされたとき、GAG放出の有意かつ一貫した増加を有した。AF細胞において、リンクN補充の両方が、Smad1/5の速やかな活性化(10分未満)を誘導し、これは6時間を経て対照レベルより下に減少した。NP細胞においては、Smad1/5は遅延されたようであり、30分後から始まり時間と共に増加した。
BLNは、Smad1/5の活性化を通じて、ウシIVD細胞におけるGAG放出を刺激することができる。AF細胞中におけるBLNによるSmad1/5の速やかな活性化は、AF細胞の方がNP細胞よりも、GAG合成を促進する際のBLN補充に対して良好に応答するという我々の所見を説明し得、椎間板修復を刺激するように設計されるあらゆる薬剤にとって必要とされる特色を、両方のペプチドが有する。
更なる詳細が、実施例7において見出される。
実施例7
椎間円板(IVD)は、プロテオグリカンに富む中心の髄核(NP)を包囲する、周辺のコラーゲンに富む線維輪(AF)からなる、複合構造物である[77]。IVDは、ヒアルロン酸塩と相互作用して大きなプロテオグリカン凝集体を産生するプロテオグリカンアグリカンを高含有量有するため、圧縮に抗う。これらの相互作用は、リンクタンパク質の更なる相互作用によって安定化される(図19)[78、79]。AF及びNPに備わる椎間板細胞は、代謝プロセスを通じてIVDの恒常性を制御し、同化因子と異化因子との間の均衡を維持し、マトリックス分子及び変性性酵素の発現を制御する。この定常状態の代謝の不均衡は、枯渇した合成及び増加する分解の両方に起因して、IVDマトリックスの組成及び構造における生化学的な改変につながり、アグリカンはタンパク質分解性の損傷及び損失の影響を特に受けやすい。細胞外マトリックス(ECM)の進行性の分解は、椎間板変性と密接に関連付けられる[80]。
IVD変性は、人々の半数以上に大きな影響を及ぼし得る腰痛の病因において、主要な役割を果たす[53、81〜82]。したがって、腰痛療法にとって、変性プロセスを逆行させ、変性したIVDを修復(変性したIVDの構造または機能を復元)することは、極めて重要である。最近、細胞または成長因子療法が、IVD修復を誘導すると提唱されている[83〜86]。いくつかの研究において、細胞の代謝を刺激し、組織の恒常性を同化状態へと変化させ(マトリックス合成)、それによって変性プロセスを逆行させるために成長因子を使用することが提唱されている。
椎間板修復は、骨形成タンパク質(BMP)及び形質転換成長因子−β(TGF β)等の成長因子の補充によって増進し得る。これらの成長因子は、細胞外マトリックスの産生を最大化し、組織の再生を促進するように、直接的に適用することができる。成長因子に対する経済的な代案として、リンクNを組織再生のために使用することが可能であり得る。ヒトリンクNペプチド[DHLSDNYTLDHDRAIH](配列番号15)はリンクタンパク質、すなわちアグリカンG1ドメインとヒアルロン酸塩との間の非共有結合性相互作用を安定化する糖タンパク質のN末端ペプチドである(図19)。リンクNは、インビトロでヒト関節軟骨及びウシIVD細胞におけるコラーゲン及びプロテオグリカン合成を刺激することができ[87〜88、35]、ならびにインビボの椎間板変性のウサギモデルにおいて椎間板の高さを増加させることができる[31]。これまでの研究により、リンクNはまた、コンドロサイト肥大のマーカーであるX型コラーゲンの発現を減少させ[89]、軟骨及び椎間板ECM形成のマーカーであるII型コラーゲンの発現を刺激し得ることが示されている[90]。それ故に、リンクNは、IVD修復のために必要なECM形成を促進するために、幹細胞と共に使用できる可能性を有する。
現在まで、ウシリンクN
(配列番号)の椎間板細胞への効果について、報告はなかった。本研究の目的は、BLN配列で起こる残基の置換(太字で表される)が、リンクNの機能を改変するか否かを判定するために、ウシIVD細胞への、ウシリンクN(BLN)の効果と、ヒトリンクN(HLN)の効果とを比較することである。
材料及び方法
ウシ椎間板細胞の単離
20〜24月齢の健康な去勢牛の尾骨IVDを、屠殺から2〜3時間で地域の畜殺場から入手した。IVDをそれらに隣接する椎体から分離し、前に記載したように、細胞を、0.2%プロナーゼ、それに続く0.125%コラゲナーゼでの連続的な温浸によってNP及びAF部位から単離した[88]。単離後、NP及びAF細胞を、アルギン酸塩ビーズに直ぐ埋め込むか、またはタンパク質抽出のために6ウェルプレートに蒔いた。
アルギン酸塩への埋め込み
単離後、NP及びAF細胞を、ml当たり2百万個の細胞という濃度で、1.2%アルギン酸塩(0.15MのNaClに溶解)中に再懸濁した。アルギン酸塩は、大規模な細胞増殖の不在下におけるマトリックス産生の効果を評価するために選択した[91〜92]。細胞懸濁液の液滴を、102mMの塩化カルシウム溶液中に18ゲージの針を通じて放出し、10分間重合させた。続いて、アルギン酸塩ビーズを培養培地(10%ウシ胎仔血清及び抗生物質で補充された、ダルベッコ改変イーグル培地(高グルコース))において7日間安定化させた。
アルギン酸塩ビーズの培養及び処理
安定化の後、アルギン酸塩ビーズを、ウェル当たり9個のビーズという密度で24ウェルプレート中に配置し、1μg/mlのHLNまたはBLNのいずれか(CanPeptide,Montreal)で補充された培地において、18日間インキュベートした。同じ期間、培地単独で培養したビーズを、対照(CTL)として使用した。BLN及びHLN補充の濃度は、1μg/mLのリンクNが椎間板細胞におけるプロテオグリカン合成を刺激する際に最大の応答を誘導する[93]という所見に基づき、選択した。異なるリンクN補充の下で、任意の表現型変化が起こるのに十分な時間を確保するために、培養培地は18日間、3日毎に取り替えた。
椎間板細胞の培養及び処理
AF及びNP細胞を、80〜90%コンフルエンスに到達するまで、6ウェルプレート中に(7.5×10個の細胞/ウェル)、培養培地(10%ウシ胎仔血清及び抗生物質で補充された、ダルベッコ改変イーグル培地(高グルコース))において拡張させた。細胞は、血清を含まない培地において夜通し予備インキュベートし、次いで最大6時間までの異なる時間点の間、1μg/mLのHLNまたはBLNにおいてインキュベートした。培地単独でインキュベートした細胞が、対照(CTL)としての使用であった。
細胞生存率
アルギン酸塩ビーズ上の細胞生存率を、生死蛍光アッセイ(Live/Dead(登録商標)、Invitrogen)を用いて18日目に評価し、蛍光顕微鏡検査によって視覚化した。
プロテオグリカン含有量
リンクNを伴う、または伴わないアルギン酸塩ビーズの培養培地は3日毎に取り替え、培地中に放出された硫酸化グリコサミノグリカン(GAG、主としてアグリカン)を、1,9−ジメチルメチレンブルー(DMMB)色素結合アッセイを用いて分析した[94]。アルギン酸塩はDMMBと反応する多価陰イオンであり、それ故にアッセイに干渉するため、アルギン酸塩中のGAG保持率は測定しなかった。
総RNA単離及び遺伝子発現
7日目及び14日目に、アルギン酸塩ビーズをクエン酸塩緩衝液に再懸濁し、細胞を遺伝子発現のために回収した。総RNAを、製造業者の説明書に従い、Trizol(Invitrogen,Burlington,ON,Canada)を用いて椎間板細胞から抽出した。1マイクログラムの総RNAを、Superscript(商標)First Strand cDNA合成キット(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を用いてcDNAへと逆転写した。逆転写に続いて、リアルタイムPCRを適用して、アグリカン(AGG)、ADAMTS−4、及びADAMTS−5のメッセージレベルを定量的に分析した。1マイクロリットルのcDNAを、遺伝子特異的プライマーを用いて増幅した(表3)。最初に、標的遺伝子の発現を18S rRNA発現レベルに対して正規化し、次いでリンクNと共にインキュベートされたビーズの発現を対照のビーズに対して正規化した。
タンパク質発現
インキュベートしたAF及びNP細胞を次いで、10mMのHEPES、50mMのNa、50mMのNaF、50mMのNaCl、5mMのEDTA、5mMのEGTA、2mMのNaVO、1%トリトンX100(全てSigma−Aldrichより入手)、ならびにプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostics,Laval,QC,Canada)を含有する緩衝液(pH7.4)に溶解させた。タンパク質を10%アクリルアミドゲル上で分離し、ウェスタンブロットのためにPVDF膜に転写して、P−Smad1/5、P−Smad2、Smad1、及びSmad2(Cell Signaling Technology,Danvers,MA)を対象とする特定の抗体を用いてタンパク質発現を測定した。膜をESL化学発光試薬(GE Healthcare,Piscataway,NJ)中でインキュベートし、Molecular Imager VersaDoc(商標)MP 4000 System(Bio−Rad Canada,Mississauga,ON,Canada)を用いて走査した。バンド強度を、ImageJソフトウェアプログラムを用いて、濃度測定で定量化した。Smad1/5及びSmad2のリン酸化反応を、対応するSmad1及びSmad2の総形態に対して正規化した。
統計的分析
全ての実験を3連で行い、3つの独立した培養物で繰り返した。各時間点における処理及び培養期間の効果、ならびに実験群(対照、BLN、及びHLN)間の差異の有意性を、反復測定分散分析とそれに続くチューキーの多重比較試験で評価した。0.05未満のP値を、統計学的に有意であるとみなした。
結果
アルギン酸塩ビーズ生存率
1μg/mlのHLNまたはBLNの補充が、AF及びNP細胞の生存率に対して有害であることを確かめるために、細胞播種アルギン酸塩スキャフォールドを、18日間培養物中に維持した。HLNまたはBLNのいずれかで補充されたスキャフォールドの場合、細胞生存率は98%超に維持された(図20)。
プロテオグリカン合成への、ウシ及びヒトリンクNの効果
リンクNと共に、あるいはリンクNを伴わずにインキュベートされたNP及びAF細胞の両方において、培養培地中へのGAG放出の速度は、時間と共に増加した(図21及び22)。NP細胞は、AF細胞の総GAG放出と同様の総GAG放出を提示する傾向にあった。
1μg/mlのHLNを補充されたNP細胞によるGAG放出は、全ての時間点において対照よりも有意に高かった(3日目はp<0.05、ならびに6、9、12、15、18日目はp<0.0001)。BLNを補充されたNP細胞によるGAG放出と比べると、この差異は12日目からのみ有意であった(p<0.05)。対照的に、BLNを補充されたNP細胞によるGAG放出と対照との間において、増加に向かう傾向は観察されたものの、統計学的有意性は観察されなかった(図21)。
1μg/mlのHLNを補充されたAF細胞において、GAG放出は6日目から対照よりも有意に高かったが(6日目はp<0.005、ならびに9、12、15、18日目はp<0.0001)、一方で1μg/mlのBLNを補充されたAF細胞においては、GAG放出は9日目から対照よりも有意に高かった(p<0.001)(図22)。最後に、GAG放出は、全ての時間点において、BLNを補充されたAF細胞よりもHLNを補充されたAF細胞においてより高い傾向にあったが、この差異が有意であったのは18日目のみであった。
我々の以前の実験の結果[95]と同様に、GAG合成の大部分は、アルギン酸塩ビーズにおける最小の保持を伴って、培養培地中で放出されることが確認された。それ故に、GAG放出は、プロテオグリカン合成の尺度であり、BLNもまたGAG放出を刺激できることが窺える。
マトリックス合成への、ウシ及びヒトリンクNの効果
プロテオグリカン及びプロテイナーゼ発現へのBLNまたはHLNの効果を調査するため、ウシ細胞播種アルギン酸塩スキャフォールドを、1μg/mLのリンクNに対して曝露し、相対遺伝子発現を、AGG、ADAMTS−4、及びADAMTS−5について評価した。結果は、リンクNに曝露されていない細胞(対照)と対比して表す。両方のリンクNによる処理は、対照と比較した際、NP細胞中のAGG遺伝子発現の増加につながったが、HLNインキュベーションにおいて、この増加はより大きく、統計学的に有意であった(p=0.0107)(図23)。AF細胞において、AGG発現は、対照と比較すると、HLNインキュベーションに応答して発現上昇したが(p=0.0257)、対照と比較すると、BLN間では有意な効果は観察されなかった(p>0.1)。
7日目にはNP細胞のADAMTS−4発現において重要な変化は観察されなかったが、この発現は、14日目には、有意ではない減少傾向を指し示した(図24B)。対照的に、AF細胞では、BLN及びHLNインキュベーションの両方において、mRNA ADAMTS−4発現の増加が観察されたものの、この差異は対照と比較すると有意なものではなかった。
7日目には、HLNインキュベーションに応答して、AF及びNP細胞の両方について、ADAMTS−5発現が発現上昇された。しかしながら、この増加は、AF細胞についてのみ有意であった(p=0.0149)。BLNインキュベーションに応答して、ADAMTS−5発現は、対照と比較すると、AF細胞において下方制御され(p=0.0329)、NP細胞においては上方制御された(p=0.0058)(図24C及び24D)。
ウシ椎間板細胞における、ヒト及びウシリンクN機能の制御因子としての、標準Smad媒介シグナル伝達
BLN及びHLNの、ウシNP及びAF細胞における同化応答の誘導を引き起こす分子機序を説明するために、BLN及びHLNが、Smad標準シグナル伝達経路の主要なトランスデューサとしてSmad1/5を活性化するか否かについて調査した。
ウェスタンブロットの結果によって、HLNはウシAF細胞においてSmad1/5を5分以内に活性化し、一方でBLNによる活性化は10分以内に起こり、30分の時点で最大の活性化を達成することが明らかになった(図25)。両方のリンクN補充について、AF細胞のSmad1/5レベルは、6時間後に対照レベルより下まで減少した。NP細胞においては、BLN及びHLN補充は、Smad1/5を30分後から有意に刺激し、時間と共に増加し続けた。しかしながら、両方のIVD細胞で、HLNがBLNよりもSmad1/5活性化においてより有効であることが窺えた。
AF細胞においては、HLNまたはBLNのいずれかにおけるインキュベーションは、最大3時間まで、Smad2の活性化の僅かな増加を誘導するようであった。対照的に、リンクN中でインキュベートされたNP細胞においては、Smad2の活性化は検出されなかった(図26)。
考察
これまでの研究により、ウシIVDにおいて、インビトロで、リンクNは成長因子として振る舞い、プロテオグリカン及びコラーゲンの合成を刺激することができ[88、35]、インビボの椎間板変性のウサギモデルにおいて、椎間板の高さを増加させることができる[31]ということが示されている。リンクNはまた、3次元スキャフォールド中、ならびにインタクトヒト椎間板中のヒト椎間板細胞によるプロテオグリカン合成を刺激することもできる[93]。本データは、HLNが、NP細胞では全ての時間点において、ならびにAF細胞では6日目から、プロテオグリカン合成を有意に刺激したことを指し示す。BLNを補充されたNP細胞は、プロテオグリカン合成における有意ではない増加に向かう傾向を示した。興味深いことに、BLNを補充されたAF細胞のGAG放出は、9日目以降、対照よりも有意に高く、BLNは、NP細胞よりもAF細胞でのプロテオグリカン合成を刺激するのにより有効であることが示唆される。加えて、HLNは、ウシNP細胞においては14日目以後、ADAMTS−4発現を下方制御することができるが、AF細胞のADAMTS−4発現には有意には影響を及ぼさない。BLNは、NP細胞においては14日目以後、ADAMTS−4発現に対して有意な効果を有さないが、AF細胞では増加に向かう傾向が観察された。BLNは、AF細胞においてはADAMTS−5を下方制御することができ、一方でNP細胞では14日目以後ADAMTS−5を上方制御する。最終的に、BLN及びHLNは、Smad1/5シグナル伝達経路を通じて、NP及びAF細胞によるプロテオグリカン合成を刺激する。
以前に、細胞増殖はアルギン酸塩中では大規模であることが予期されないが[91〜92]、GAG産生における変化に対して寄与し得ることを我々は発見した。この研究において、我々はアグリカンのメッセージレベル及び累積的なプロテオグリカン放出について分析し、リンクNと共にインキュベートされたAF細胞及びNP細胞の両方について、アグリカンのmRNA発現が増加するのと同様に、GAG放出が対照と比較して増加することを発見した。我々が発見したNP細胞及びAF細胞によるGAG合成の類似性、ならびにタンパク質分解性単離中のAF細胞の存在及び生存の増加は、AF細胞がNP細胞の機能的代用物として働けることを意味し得、これは組織工学にとって有益である。
BLNがNPにおいてADAMTS−5を刺激する一方で、AFにおいてはそれを下方制御するという事実は、修復が椎間板ECMの組織修復を伴い、組織修復がタンパク質分解を伴うという事実によって説明し得る。したがって、マトリックス合成がターンオーバーを超える限り、修復中にタンパク質分解の完全な不在が必要なわけではない。HLN及びBLNは、プロテオグリカン産生を刺激して、椎間板機能の復元に役立つことができる。HLNがウシAF細胞においてSmad1/5を5分以内に直ぐ活性化し、一方でBLNによる活性化は30分以内に徐々に起こるという事実は、HLNの活性化は直接的であり得るのに対し、BLNの活性化は間接的であり得ることを示唆する。この間接的な活性化はまた、NP細胞の場合でもあてはまり得、ここではBLN及びHLNの補充は、Smad1/5を30分後に有意に刺激し、試験が持続する期間にわたって増加し続けた。したがって、AF及びNP中のBLN、ならびにNP中のHLNは、他の分子を活性化し、この分子が今度はプロテオグリカン合成を刺激するという可能性がある。
AF細胞中におけるBLNによるSmad1/5の10分以内での速やかな活性化は、AF細胞の方がNP細胞よりも、プロテオグリカン合成を促進する際のBLN補充に対して良好に応答するという我々の所見を説明し得る。これまでの研究により、ウシ椎間板由来のAF細胞は、TGF−βで刺激されるとき、NP細胞よりも多くのプロテオグリカンを産生することが示されている[96]。しかしながら、NP細胞及びAF細胞は同様の様式で応答することが可能であるため、これは常に当てはまるわけではない[97]。Smad1/5を直接的に刺激するというリンクNの能力は、年齢の差異によって変動し得る。若い椎間板においては、NPがプロテオグリカンの主なソースである。しかしながら、おそらくはSmad1/5シグナル伝達の直接的な活性化を通じて、年齢及び変性と共に、AFにおける増加したプロテオグリカンの含有量が観察される[96、98]。
両方のペプチドが、椎間板修復を刺激するように設計されるあらゆる薬剤にとって必要とされる特色を有するが、HLNの補充の方が、AFがまだインタクトである椎間板変性の早期段階においては、それを治療するためのより良好な選択肢であり得る。この原理は、潜在的にはプロテオグリカンの蓄積と関連付けられる増加した膨潤に起因するNPの突出を予防するための、最適な修復のためのインタクトAFを仮定する。
BLNは、Smad1/5シグナル伝達の間接的な活性化によって、NP細胞及びAF細胞の両方において、インビトロで、プロテオグリカン産生を刺激することができる。それ故に、原則的に、BLNの補充もまた、椎間板変性を治療するための選択肢であり得る。1ug/mlの濃度のHLNが、プロテオグリカン合成の刺激に対して有効であり、年齢及び変性を伴う場合のプロテオグリカン合成の主なソースであるAF中において、Smad1/5シグナル伝達を直接的に活性化することができる。
略語の一覧表
18S rRNA:18SリボソームRNA、ADAMTS:トロンボスポンジン様反復を伴うディスインテグリン及びメタロプロテアーゼ、AGG:アグリカン、AF:線維輪、BLN:ウシリンクN、BMP:骨形成タンパク質、DMMB:1,9−ジメチルメチレンブルー、ECM:細胞外マトリックス、GAG:硫酸化グリコサミノグリカン、HA:ヒアルロン酸塩、HLN:ヒトリンクN、IVD:椎間円板、LP:リンクタンパク質、NP:髄核、PCR:ポリメラーゼ連鎖反応、RT:逆転写、TGF β:形質転換成長因子−β。
実施例8
図27は、一連の組織染色、及びIVDにおけるNGF発現が、NP細胞及びAF細胞の両方において変性と共に増加することを示す免疫ブロットである。図28は、リンクNが、AF細胞において、ニューロトロフィン(NGF、BDNF)及びサブスタンスP(TAC1)のTNFα誘導遺伝子発現を抑制することを実証する。図29は、リンクNが、AF細胞において、ニューロトロフィン(NGF、BDNF)及びサブスタンスP(TAC1)のIL−1β誘導発現を抑制することを実証する。図30及び31は、ニューロトロフィン及びSP受容体のレベルを低減することによって、リンクNの効果が媒介されることを実証する。
図32は、リンクNが、グレード4のヒトAF細胞におけるIL−1β誘導NGF放出を阻害し、抑制できることを示す。図33は、リンクN(10μg/ml)の補充が、穿刺後24時間の損傷を受けたウシ椎間板からのサブスタンスPの放出を低減させたことを実証する。
NGF発現ヒトIVDが、変性と共に増加することが実証される。リンクNは、機械的に損傷したIVDからのサブスタンスPの放出を減少させる。リンクNは、AF細胞において、TNFα及びIL−1β誘導ニューロトロフィン遺伝子発現、ならびにニューロトロフィン受容体を有意に抑制する。
実施例9
より小さい断片を、活性について試験する。アミノ酸の断片、配列番号1の1−4、4−8、及び3−6を試験する。例えばアミノ酸1−7、1−6、1−5等からなるより小さくなっていく断片を、活性が失われるまで試験する。同様に、NH2端からアミノ酸を失っていくより小さな断片を試験し、例えばアミノ酸2−8、3−8、4−8、5−8等を試験する。他の実施形態において記載されたようなPCR分析及び35Sを、読み出し情報として使用することができる。
実施例10
リンクN断片は、下の表の種のうちの1つに見出される、1つ以上のアミノ酸変化を含み得る。
本出願は、現在好ましいと考えられている実施例を参照して記載されてきたが、本出願は開示された実施例に制限されないということが理解されるべきである。反対に、本出願は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる、種々の修正及び同等の手配を網羅することを意図する。
全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、特異的かつ個別にその全体で参照により組み込まれるのと同じ度合いで、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、例えば、表またはその他の場所において提供される受入番号及び/またはバイオマーカー配列(例えばタンパク質及び/または核酸)を含む、本明細書に提供される各受入番号と関連付けられる配列は、その全体が参照により組み込まれる。
本明細書において言及された参考文献の引用
1.Mwale,F.(2013)Collagen and other proteins of the nucleus pulposus,annulus fibrosus,and cartilage endplates.I.M.Shapiro,M.V.Risbud(eds.),The Intervertebral discs 5,79−92
2.Ishihara,H.,McNally,D.S.,Urban,J.P.,and Hall,A.C.(1996)Effects of hydrostatic pressure on matrix synthesis in different regions of the intervertebral disk.J Appl Physiol(1985)80,839−846
3.Handa,T.,Ishihara,H.,Ohshima,H.,Osada,R.,Tsuji,H.,and Obata,K.(1997)Effects of hydrostatic pressure on matrix synthesis and matrix metalloproteinase production in the human lumbar intervertebral disc.Spine(Phila Pa 1976)22,1085−1091
4.Hutton,W.C.,Elmer,W.A.,Boden,S.D.,Hyon,S.,Toribatake,Y.,Tomita,K.,and Hair,G.A.(1999)The effect of hydrostatic pressure on intervertebral disc metabolism.Spine(Phila Pa 1976)24,1507−1515
5.Hsieh,A.H.,and Lotz,J.C.(2003)Prolonged spinal loading induces matrix metalloproteinase−2 activation in intervertebral discs.Spine(Phila Pa 1976)28,1781−1788
6.Kang,J.D.,Stefanovic−Racic,M.,McIntyre,L.A.,Georgescu,H.I.,and Evans,C.H.(1997)Toward a biochemical understanding of human intervertebral disc degeneration and herniation.Contributions of nitric oxide,interleukins,prostaglandin E2,and matrix metalloproteinases.Spine(Phila Pa 1976)22,1065−1073
7.Goupille,P.,Jayson,M.I.,Valat,J.P.,and Freemont,A.J.(1998)Matrix metalloproteinases: the clue to intervertebral disc degeneration? Spine(Phila Pa 1976)23,1612−1626
8.Oegema,T.R.,Jr.,Johnson,S.L.,Aguiar,D.J.,and Ogilvie,J.W.(2000)Fibronectin and its fragments increase with degeneration in the human intervertebral disc.Spine 25,2742−2747.
9.Roberts,S.,Caterson,B.,Menage,J.,Evans,E.H.,Jaffray,D.C.,and Eisenstein,S.M.(2000)Matrix metalloproteinases and aggrecanase: their role in disorders of the human intervertebral disc.Spine(Phila Pa 1976)25,3005−3013
10.Akhatib,B.,Onnerfjord,P.,Gawri,R.,Ouellet,J.,Jarzem,P.,Heinegard,D.,Mort,J.,Roughley,P.,and Haglund,L.(2013)Chondroadherin Fragmentation Mediated by the Protease HTRA1 Distinguishes Human Intervertebral Disc Degeneration from Normal Aging.J Biol Chem 288,19280−19287
11.Annunen,S.,Paassilta,P.,Lohiniva,J.,Perala,M.,Pihlajamaa,T.,Karppinen,J.,Tervonen,O.,Kroger,H.,Lahde,S.,Vanharanta,H.,Ryhanen,L.,Goring,H.H.,Ott,J.,Prockop,D.J.,and Ala−Kokko,L.(1999)An allele of COL9A2 associated with intervertebral disc disease.Science 285,409−412.
12.Kawaguchi,Y.,Osada,R.,Kanamori,M.,Ishihara,H.,Ohmori,K.,Matsui,H.,and Kimura,T.(1999)Association between an aggrecan gene polymorphism and lumbar disc degeneration.Spine 24,2456−2460.
13.Ala−Kokko,L.(2002)Genetic risk factors for lumbar disc disease.Ann Med 34,42−47
14.Roughley,P.,Martens,D.,Rantakokko,J.,Alini,M.,Mwale,F.,and Antoniou,J.(2006)The involvement of aggrecan polymorphism in degeneration of human intervertebral disc and articular cartilage.Eur Cell Mater 11,1−7; discussion 7
15.Thompson,J.P.,Pearce,R.H.,Schechter,M.T.,Adams,M.E.,Tsang,I.K.,and Bishop,P.B.(1990)Preliminary evaluation of a scheme for grading the gross morphology of the human intervertebral disc.Spine 15,411−415.
16.Mwale,F.,Roughley,P.,and Antoniou,J.(2004)Distinction between the extracellular matrix of the nucleus pulposus and hyaline cartilage: a requisite for tissue engineering of intervertebral disc.Eur Cell Mater 8,58−64
17.Wuertz,K.,and Haglund,L.(2013)Inflammatory Mediators in Intervertebral Disk Degeneration and Discogenic Pain.Global Spine J 3,175−184
18.Abbaszade,I.,Liu,R.Q.,Yang,F.,Rosenfeld,S.A.,Ross,O.H.,Link,J.R.,Ellis,D.M.,Tortorella,M.D.,Pratta,M.A.,Hollis,J.M.,Wynn,R.,Duke,J.L.,George,H.J.,Hillman,M.C.,Jr.,Murphy,K.,Wiswall,B.H.,Copeland,R.A.,Decicco,C.P.,Bruckner,R.,Nagase,H.,Itoh,Y.,Newton,R.C.,Magolda,R.L.,Trzaskos,J.M.,and Burn,T.C.(1999)Cloning and characterization of ADAMTS11,an aggrecanase from the ADAMTS family.J Biol.Chem.274,23443−23450
19.Almaawi,A.,Wang,H.T.,Ciobanu,O.,Rowas,S.A.,Rampersad,S.,Antoniou,J.,and Mwale,F.(2013)Effect of acetaminophen and nonsteroidal anti−inflammatory drugs on gene expression of mesenchymal stem cells.Tissue Eng Part A 19,1039−1046
20.Antoniou,J.,Wang,H.T.,Alaseem,A.M.,Haglund,L.,Roughley,P.J.,and Mwale,F.(2012)The effect of Link N on differentiation of human bone marrow−derived mesenchymal stem cells.Arthritis research & therapy 14,R267
21.Jim,B.,Steffen,T.,Moir,J.,Roughley,P.,and Haglund,L.(2011)Development of an intact intervertebral disc organ culture system in which degeneration can be induced as a prelude to studying repair potential.Eur Spine J 20,1244−1254
22.Demers,C.N.,Antoniou,J.,and Mwale,F.(2004)Value and limitations of using the bovine tail as a model for the human lumbar spine.Spine(Phila Pa 1976)29,2793−2799
23.Liebscher,T.,Haefeli,M.,Wuertz,K.,Nerlich,A.G.,and Boos,N.(2011)Age−related variation in cell density of human lumbar intervertebral disc.Spine(Phila Pa 1976)36,153−159
24.Rosenberg,L.(1971)Chemical basis for the histological use of safranin O in the study of articular cartilage.J Bone Joint Surg Am 53,69−82
25.Barbosa,I.,Garcia,S.,Barbier−Chassefiere,V.,Caruelle,J.P.,Martelly,I.,and Papy−Garcia,D.(2003)Improved and simple micro assay for sulfated glycosaminoglycans quantification in biological extracts and its use in skin and muscle tissue studies.Glycobiology 13,647−653
26.Mort,J.S.,and Roughley,P.J.(2007)Measurement of glycosaminoglycan release from cartilage explants.Methods Mol Med 135,201−209
27.Bjornsson,S.(1993)Size−dependent separation of proteoglycans by electrophoresis in gels of pure agarose.Anal Biochem 210,292−298
28.Sztrolovics,R.,White,R.J.,Roughley,P.J.,and Mort,J.S.(2002)The mechanism of aggrecan release from cartilage differs with tissue origin and the agent used to stimulate catabolism.Biochem.J.362,465−472
29.Mwale,F.,Demers,C.N.,Petit,A.,Roughley,P.,Poole,A.R.,Steffen,T.,Aebi,M.,and Antoniou,J.(2003)A synthetic peptide of link protein stimulates the biosynthesis of collagens II,IX and proteoglycan by cells of the intervertebral disc.J Cell Biochem 88,1202−1213.31.Mwale,F.,Masuda,K.,Pichika,R.,Epure,L.M.,Yoshikawa,T.,Hemmad,A.,Roughley,P.J.,and Antoniou,J.(2011)The efficacy of Link N as a mediator of repair in a rabbit model of intervertebral disc degeneration.Arthritis Res Ther 13,R120
32.Wang,Z.,Weitzmann,M.N.,Sangadala,S.,Hutton,W.C.,and Yoon,S.T.(2013)Link Protein N−terminal Peptide Binds to Bone Morphogenetic Protein(BMP)Type II Receptor and Drives Matrix Protein Expression in Rabbit Intervertebral Disc Cells.J Biol Chem 288,28243−28253
33.Wang,Z.,Hutton,W.C.,and Yoon,S.T.(2013)ISSLS Prize winner: Effect of link protein peptide on human intervertebral disc cells.Spine(Phila Pa 1976)38,1501−1507
34.Gawri,R.,Antoniou,J.,Ouellet,J.,Awwad,W.,Steffen,T.,Roughley,P.,Haglund,L.,and Mwale,F.(2013)Best Paper NASS 2013: Link−N can stimulate proteoglycan synthesis in the degenerated human intervertebral discs.European cells & materials 26,107−119
35.Petit,A.,Yao,G.,Rowas,S.A.,Gawri,R.,Epure,L.,Antoniou,J.,and Mwale,F.(2011)Effect of synthetic link N peptide on the expression of type I and type II collagens in human intervertebral disc cells.Tissue Eng Part A 17,899−904
36.Yang,H.,Wu,J.,Liu,J.,Ebraheim,M.,Castillo,S.,Liu,X.,Tang,T.,and Ebraheim,N.A.(2010)Transplanted mesenchymal stem cells with pure fibrinous gelatin−transforming growth factor−beta1 decrease rabbit intervertebral disc degeneration.Spine J 10,802−810
37.Hiyama,A.,Mochida,J.,Iwashina,T.,Omi,H.,Watanabe,T.,Serigano,K.,Tamura,F.,and Sakai,D.(2008)Transplantation of mesenchymal stem cells in a canine disc degeneration model.J Orthop Res 26,589−600
38.Sakai,D.,Mochida,J.,Yamamoto,Y.,Nomura,T.,Okuma,M.,Nishimura,K.,Nakai,T.,Ando,K.,and Hotta,T.(2003)Transplantation of mesenchymal stem cells embedded in Atelocollagen gel to the intervertebral disc: a potential therapeutic model for disc degeneration.Biomaterials 24,3531−3541
39.Vadala,G.,Sowa,G.,Hubert,M.,Gilbertson,L.G.,Denaro,V.,and Kang,J.D.(2012)Mesenchymal stem cells injection in degenerated intervertebral disc: cell leakage may induce osteophyte formation.J Tissue Eng Regen Med 6,348−355
40.Orozco,L.,Soler,R.,Morera,C.,Alberca,M.,Sanchez,A.,and Garcia−Sancho,J.(2011)Intervertebral disc repair by autologous mesenchymal bone marrow cells: a pilot study.Transplantation 92,822−828
41.Hristova,G.I.,Jarzem,P.,Ouellet,J.A.,Roughley,P.J.,Epure,L.M.,Antoniou,J.,and Mwale,F.(2011)Calcification in human intervertebral disc degeneration and scoliosis.J Orthop Res 29,1888−1895
42.Nachemson,A.,Lewin,T.,Maroudas,A.,and Freeman,M.A.(1970)In vitro diffusion of dye through the end−plates and the annulus fibrosus of human lumbar inter−vertebral discs.Acta Orthop Scand 41,589−607
43.Urban,J.P.,and Roberts,S.(2003)Degeneration of the intervertebral disc.Arthritis Res Ther 5,120−130
45.Antoniou,J.,Epure,L.M.,Michalek,A.J.,Grant,M.P.,Iatridis,J.C.,and Mwale,F.(2013)Analysis of quantitative magnetic resonance imaging and biomechanical parameters on human discs with different grades of degeneration.J Magn Reson Imaging
46.Majumdar,S.,Link,T.M.,Steinbach,L.S.,Hu,S.,and Kurhanewicz,J.(2011)Diagnostic tools and imaging methods in intervertebral disk degeneration.Orthop Clin North Am 42,501−511,viii
47.Borthakur,A.,Maurer,P.M.,Fenty,M.,Wang,C.,Berger,R.,Yoder,J.,Balderston,R.A.,and Elliott,D.M.(2011)T1rho magnetic resonance imaging and discography pressure as novel biomarkers for disc degeneration and low back pain.Spine(Phila Pa 1976)36,2190−2196
48.Roughley,P.J.(2004)Biology of intervertebral disc aging and degeneration: involvement of the extracellular matrix.Spine 29,2691−2699
49.Antoniou,J.,Steffen,T.,Nelson,F.,Winterbottom,N.,Hollander,A.P.,Poole,R.A.,Aebi,M.,and Alini,M.(1996)The human lumbar intervertebral disc: evidence for changes in the biosynthesis and denaturation of the extracellular matrix with growth,maturation,ageing,and degeneration.J.Clin.Invest.98,996−1003
50.Roberts,S.,Evans,E.H.,Kletsas,D.,Jaffray,D.C.,and Eisenstein,S.M.(2006)Senescence in human intervertebral discs.Eur.Spine J.15 Suppl 3,S312−S316
51.Le Maitre,C.L.,Freemont,A.J.,and Hoyland,J.A.(2005)The role of interleukin−1 in the pathogenesis of human intervertebral disc degeneration.Arthritis Res.Ther.7,R732−R745
52.Shamji,M.F.,Setton,L.A.,Jarvis,W.,So,S.,Chen,J.,Jing,L.,Bullock,R.,Isaacs,R.E.,Brown,C.,and Richardson,W.J.(2010)Proinflammatory cytokine expression profile in degenerated and herniated human intervertebral disc tissues.Arthritis Rheum 62,1974−1982
53.Freemont,A.J.(2009)The cellular pathobiology of the degenerate intervertebral disc and discogenic back pain.Rheumatology.(Oxford)48,5−10
54.Struglics,A.,and Hansson,M.(2012)MMP proteolysis of the human extracellular matrix protein aggrecan is mainly a process of normal turnover.Biochem J 446,213−223
55.Gruber,H.E.,Ingram,J.A.,Hoelscher,G.L.,Zinchenko,N.,Norton,H.J.,and Hanley,E.N.,Jr.(2011)Constitutive expression of cathepsin K in the human intervertebral disc: new insight into disc extracellular matrix remodeling via cathepsin K and receptor activator of nuclear factor−kappaB ligand.Arthritis research & therapy 13,R140
56.Bachmeier,B.E.,Nerlich,A.,Mittermaier,N.,Weiler,C.,Lumenta,C.,Wuertz,K.,and Boos,N.(2009)Matrix metalloproteinase expression levels suggest distinct enzyme roles during lumbar disc herniation and degeneration.European spine journal : official publication of the European Spine Society,the European Spinal Deformity Society,and the European Section of the Cervical Spine Research Society 18,1573−1586
57.Tiaden,A.N.,Klawitter,M.,Lux,V.,Mirsaidi,A.,Bahrenberg,G.,Glanz,S.,Quero,L.,Liebscher,T.,Wuertz,K.,Ehrmann,M.,and Richards,P.J.(2012)Detrimental role for human high temperature requirement serine protease A1(HTRA1)in the pathogenesis of intervertebral disc(IVD)degeneration.J Biol Chem 287,21335−21345
58.Gruber,H.E.,Fisher,E.C.,Jr.,Desai,B.,Stasky,A.A.,Hoelscher,G.,and Hanley,E.N.,Jr.(1997)Human intervertebral disc cells from the annulus: three−dimensional culture in agarose or alginate and responsiveness to TGF−beta1.Experimental cell research 235,13−21
59.Chen,W.H.,Lo,W.C.,Lee,J.J.,Su,C.H.,Lin,C.T.,Liu,H.Y.,Lin,T.W.,Lin,W.C.,Huang,T.Y.,and Deng,W.P.(2006)Tissue−engineered intervertebral disc and chondrogenesis using human nucleus pulposus regulated through TGF−beta1 in platelet−rich plasma.Journal of cellular physiology 209,744−754
60.Hiyama,A.,Gogate,S.S.,Gajghate,S.,Mochida,J.,Shapiro,I.M.,and Risbud,M.V.(2010)BMP−2 and TGF−beta stimulate expression of beta1,3−glucuronosyl transferase 1(GlcAT−1)in nucleus pulposus cells through AP1,TonEBP,and Sp1: role of MAPKs.Journal of bone and mineral research : the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research 25,1179−1190
61.Jin,H.,Shen,J.,Wang,B.,Wang,M.,Shu,B.,and Chen,D.(2011)TGF−beta signaling plays an essential role in the growth and maintenance of intervertebral disc tissue.FEBS letters 585,1209−1215
62.Billington,C.J.,Mason,P.,Magny,M.C.,and Mort,J.S.(2000)The slow−binding inhibition of cathepsin K by its propeptide.Biochem Biophys Res Commun 276,924−929
63.Roughley,P.,Hoemann,C.,DesRosiers,E.,Mwale,F.,Antoniou,J.,and Alini,M.(2006)The potential of chitosan−based gels containing intervertebral disc cells for nucleus pulposus supplementation.Biomaterials 27,388−396
64.Danfelter,M.,Onnerfjord,P.,and Heinegard,D.(2007)Fragmentation of proteins in cartilage treated with interleukin−1: specific cleavage of type IX collagen by matrix metalloproteinase 13 releases the NC4 domain.The Journal of biological chemistry 282,36933−36941
65.Maldonado,B.A.,and Oegema,T.R.,Jr.(1992)Initial characterization of the metabolism of intervertebral disc cells encapsulated in microspheres.Journal of orthopaedic research : official publication of the Orthopaedic Research Society 10,677−690
66.Malemud,C.J.,Killeen,W.,Hering,T.M.,and Purchio,A.F.(1991)Enhanced sulfated−proteoglycan core protein synthesis by incubation of rabbit chondrocytes with recombinant transforming growth factor−beta 1.J Cell Physiol 149,152−159
67.Johnson,A.R.,and Erdos,E.G.(1977)Metabolism of vasoactive peptides by human endothelial cells in culture.Angiotensin I converting enzyme(kininase II)and angiotensinase.The Journal of clinical investigation 59,684−695
68.Lu,H.,Dalgard,C.L.,Mohyeldin,A.,McFate,T.,Tait,A.S.,and Verma,A.(2005)Reversible inactivation of HIF−1 prolyl hydroxylases allows cell metabolism to control basal HIF−1.The Journal of biological chemistry 280,41928−41939
69.Wicks,S.J.,Lui,S.,Abdel−Wahab,N.,Mason,R.M.,and Chantry,A.(2000)Inactivation of smad−transforming growth factor beta signaling by Ca(2+)−calmodulin−dependent protein kinase II.Molecular and cellular biology 20,8103−8111
70.McKenna,L.A.,Liu,H.,Sansom,P.A.,and Dean,M.F.(1998)An N−terminal peptide from link protein stimulates proteoglycan biosynthesis in human articular cartilage in vitro.Arthritis and rheumatism 41,157−162
71.Abbott,R.D.,Purmessur,D.,Monsey,R.D.,Brigstock,D.R.,Laudier,D.M.,and Iatridis,J.C.(2013)Degenerative grade affects the responses of human nucleus pulposus cells to link−N,CTGF,and TGFbeta3.Journal of spinal disorders & techniques 26,E86−94
72.Kandel,R.,Roberts,S.,and Urban,J.P.(2008)Tissue engineering and the intervertebral disc: the challenges.European spine journal : official publication of the European Spine Society,the European Spinal Deformity Society,and the European Section of the Cervical Spine Research Society 17 Suppl 4,480−491
73.Ariga,K.,Yonenobu,K.,Nakase,T.,Kaneko,M.,Okuda,S.,Uchiyama,Y.,and Yoshikawa,H.(2001)Localization of cathepsins D,K,and L in degenerated human intervertebral discs.Spine(Phila Pa 1976)26,2666−2672
74.Zigler,J.E.,Glenn,J.,and Delamarter,R.B.(2012)Five−year adjacent−level degenerative changes in patients with single−level disease treated using lumbar total disc replacement with ProDisc−L versus circumferential fusion.Journal of neurosurgery.Spine 17,504−511
75.Ruberte,L.M.,Natarajan,R.N.,and Andersson,G.B.(2009)Influence of single−level lumbar degenerative disc disease on the behavior of the adjacent segments−−a finite element model study.Journal of biomechanics 42,341−348
76.Lund,T.,and Oxland,T.R.(2011)Adjacent level disk disease−−is it really a fusion disease? The Orthopedic clinics of North America 42,529−541,viii
77 Hayes AJ,Benjamin M,Ralphs JR.Extracellular matrix in development of the intervertebral disc.Matrix Biol 2001;20:107−21.
78.Watanabe H,Yamada Y,Kimata K.Roles of aggrecan,a large chondroitin sulfate proteoglycan,in cartilage structure and function.J Biochem(Tokyo)1998;124:687−693.
79.Roughley PJ.Biology of intervertebral disc aging and degeneration: involvement of the extracellular matrix.Spine.2004;29:2691−2699
80.Li X,An HS,Ellman M,Phillips F,Thonar EJ,Park DK,et al.Action of fibroblast growth factor−2 on the intervertebral disc.Arthritis Res Ther 2008;10:R48.
81.Smith LJ,Nerurkar NL,Choi KS,Harfe BD,Elliott DM.Degeneration and regeneration of the intervertebral disc: lessons from development.Dis Model Mech.2011;14:31−41.
82.Miller JA,Schmatz C,Schultz AB.Lumbar disc degeneration: correlation with age,sex and spine level in 600 autopsy specimens.Spine.1988;14:173−178.
83.Masuda K,An HS.Growth factors and the intervertebral disc.Spine J.2004;4:330S−340S.
84.An HS,Takegami K,Kamada H,Nguyen CM,Thonar EJ,Singh K,Andersson GB,Masuda K.Intradiscal administration of osteogenic protein−1 increases intervertebral disc height and proteoglycan content in the nucleus pulposus in normal adolescent rabbits.Spine.2005;30:25−31.
85.Henriksson HB,Svanvik T,Jonsson M,Hagman M,Horn M,Lindahl A,Brisby H.Transplantation of human mesenchymal stems cells into intervertebral discs in a xenogeneic porcine model.Spine.2009;34:141−148
86.Sakai D,Mochida J,Iwashina T,Watanabe T,Nakai T,Ando K,Hotta T.Differentiation of mesenchymal stem cells transplanted to a rabbit degenerative disc model: potential and limitations for stem cell therapy in disc regeneration.Spine.2005;30:2379−2387.
87.Liu H,McKenna LA,Dean MF.An N−terminal peptide from link protein can stimulate biosynthesis of collagen by human articular cartilage.Arch Biochem Biophys.2000;14:116−122.
88.Mwale F,Demers CN,Petit A,Roughley P,Poole AR,Steffen T,Aebi M,Antoniou J.A synthetic peptide of link protein stimulates the biosynthesis of collagens II,IX and proteoglycan by cells of the intervertebral disc.J Cell Biochem.2003;14:1202−1213.
89.Tchetina E,Mwale F,Poole AR.Distinct phases of coordinated early and late gene expression in growth plate chondrocytes in relationship to cell proliferation,matrix assembly,remodeling,and cell differentiation.J Bone Miner Res.2003;14:844−851.
90.Mwale F,Demers CN,Petit A,Antoniou J.Effect of the N−terminal peptide of Link protein on human mesenchymal stem cells from osteoarthritis patients.J Stem Cells.2008;14:99.
91.Li Z,Gunn J,Chen MH,et al.On−site alginate gelation for enhanced cell proliferation and uniform distribution in porous scaffolds.J Biomed Mater Res A 2008; 86:552−9.
92.Lin YJ,Yen CN,Hu YC,et al.Chondrocytes culture in three−dimensional porous alginate scaffolds enhanced cell proliferation,matrix synthesis and gene expression.J Biomed Mater Res A 2009; 88:23−33.
93.Gawri R,Antoniou J,Ouellet J,Awwad W,Steffen T,Roughley P,Haglund L,Mwale F.Link−N can stimulate proteoglycan synthesis in the degenerated human intervertebral discs.Eur Cells Mater 2013,In Press.
94.Farndale RW,Buttle DJ,Barrett AJ.Improved quantitation and discrimination of sulphated glycosaminoglycans by use of dimethylmethylene blue.Biochim Biophys Acta 1986; 883:173−7.
95.Mwale F,Ciobanu I,Giannitsios D,Roughley P,Steffen T,Antoniou J.Effect of oxygen levels on proteoglycan synthesis by intervertebral disc cells.Spine 2011; 36(2):E131−8.
96.Alini M,Roughley PJ,Antoniou J,Stoll T,Aebi M.A biological approach to treating disc degeneration: not for today,but maybe for tomorrow.Eur Spine J.2002,Suppl 2:S215−20.
97.Chou AI,Reza AT,Nicoll SB.Distinct intervertebral disc cell populations adopt similar phenotypes in three−dimensional culture.Tissue Eng Part A.2008; 14(12):2079−87.
98.Roughley PJ,Melching LI,Heathfield TF,Pearce RH,Mort JS.The structure and degradation of aggrecan in human intervertebral disc.Eur Spine J.2006 Suppl 3:S326−32.

Claims (24)

  1. DHLSDNYT(配列番号2)またはDHHSDNYT(配列番号3)の配列からなる単離ポリペプチド。
  2. 前記ペプチドが、安定化部分及び/または担体に結合されている、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
  3. 請求項1または2に記載のポリペプチドをコードする、単離核酸。
  4. 請求項3に記載の単離核酸を含む、ベクター。
  5. 請求項1または2に記載のポリペプチドを発現し、かつ/または請求項3に記載の単離核酸もしくは請求項4に記載のベクターを含む、組換え細胞。
  6. 前記細胞が、コンドロサイト系譜細胞、幹細胞、または椎間板細胞であり、任意選択で前記幹細胞が間葉系幹細胞である、請求項5に記載の組換え細胞。
  7. 請求項1または2に記載の単離ポリペプチドと、任意選択で、担体、安定化剤、もしくは希釈剤、及び/または請求項5または6に記載の組換え細胞とを含む、組成物。
  8. 前記組成物が、薬学的に許容される担体、安定化剤、または希釈剤を含む薬学的組成物である、請求項に記載の組成物。
  9. 請求項1、2、5、及び6のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド及び/または組換え細胞を含む生体適合性材料で形成されたスキャフォールドを含み、任意選択で前記スキャフォールドがアルギン酸塩スキャフォールドまたはハイドロゲルスキャフォールドであり、かつ前記組換え細胞が前記スキャフォールド上またはその中に配置される、請求項7または8に記載の組成物。
  10. 軟骨内、軟骨細胞内、及び/または椎間板細胞内、もしくは軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞を含む組織内において、マトリックス合成、任意選択でプロテオグリカン合成、及び/またはII型コラーゲン合成を誘導するインビトロの方法であって、前記方法が、前記軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞を、有効量の、請求項1または2に記載の単離ポリペプチド、請求項5または6に記載の組換え細胞、及び/または請求項のいずれか1項に記載の組成物とともに、プロテオグリカン合成を誘導するような条件下でインキュベート/培養することにより、増加したマトリックス合成を伴う誘導軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞を産生することを含む、方法。
  11. 対象に移植するための軟骨及び/または椎間板組織を産生するインビトロの方法であって、前記方法が、軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞を、有効量の、請求項1または2に記載の単離ポリペプチド、請求項5または6に記載の組換え細胞、及び/または請求項のいずれか1項に記載の組成物とともに、プロテオグリカン合成を誘導する条件下でインキュベート/培養することにより、増加したマトリックス合成を伴う誘導軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞を産生することと、誘導軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞の実質的に純粋な集団を単離することと、を含む、方法。
  12. 前記細胞及び/または組織を、任意選択で軟骨移植における使用のための、軟骨を産生するような条件下で接触させる、請求項10または11に記載の方法。
  13. 対象の軟骨障害及び/または椎間板障害の症状を緩和し、かつ/もしく対象の軟骨障害及び/または椎間板障害を治療するための薬学的組成物であって、請求項1または2に記載の単離ポリペプチド、あるいは請求項5または6に記載の組換え細胞を有効成分として含有する、薬学的組成物。
  14. 軟骨障害及び/または椎間板障害が、椎間円板変性症である、請求項13に記載の薬学的組成物。
  15. 軟骨障害及び/または椎間板障害が、関節炎、望ましくない骨形成、及び/または石灰化から選択される、炎症性または変性性関節疾患である、請求項13に記載の薬学的組成物。
  16. 前記関節炎が、骨関節炎である、請求項15に記載の薬学的組成物。
  17. 前記関節炎が、関節リウマチである、請求項15に記載の薬学的組成物。
  18. 前記対象が、ヒトである、請求項13〜17のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  19. 前記対象に対してスキャフォールドで投与される、請求項1318のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  20. 前記組換え細胞が、請求項1または2に記載の単離ポリペプチドを発現する、間葉系幹細胞(MSC)、軟骨細胞、または椎間板細胞である、請求項1012のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記組換え細胞または誘導細胞が、コンドロサイト、任意選択で自家コンドロサイトである、請求項1012のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記対象が、移植を受けたことがある、請求項1319のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  23. 前記方法が、前記軟骨、軟骨細胞、及び/または椎間板細胞もしくは組織を、請求項1または2に記載の単離ポリペプチド、請求項5または6に記載の組換え細胞、及び/または請求項のいずれか1項に記載の組成物と組み合わせて、MSCと接触させることをさらに含む、請求項1012、20、及び21のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記対象が、減少した細胞密度及び/または代謝活性を有し、任意選択で前記減少した細胞密度及び/または代謝活性が年齢に起因するものである、請求項1319のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
JP2016537056A 2013-08-27 2014-08-27 軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物 Active JP6700182B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361870394P 2013-08-27 2013-08-27
US61/870,394 2013-08-27
US201461975329P 2014-04-04 2014-04-04
US61/975,329 2014-04-04
PCT/CA2014/000656 WO2015027322A1 (en) 2013-08-27 2014-08-27 Methods and compositions for treatment of cartilage and disc tissue pathologies

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016534117A JP2016534117A (ja) 2016-11-04
JP2016534117A5 JP2016534117A5 (ja) 2017-10-05
JP6700182B2 true JP6700182B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=52585327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016537056A Active JP6700182B2 (ja) 2013-08-27 2014-08-27 軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物

Country Status (12)

Country Link
US (3) US10202420B2 (ja)
EP (1) EP3039032B1 (ja)
JP (1) JP6700182B2 (ja)
KR (1) KR102369010B1 (ja)
CN (1) CN105940011B (ja)
AU (2) AU2014311219B2 (ja)
CA (1) CA2957965C (ja)
ES (1) ES2883567T3 (ja)
IL (1) IL244282B (ja)
MX (1) MX2016002556A (ja)
WO (1) WO2015027322A1 (ja)
ZA (1) ZA201601963B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6700182B2 (ja) 2013-08-27 2020-05-27 ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ 軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物
CN111939323B (zh) * 2020-08-08 2022-06-10 武汉速普生物科技有限公司 含有透明质酸连接肽和连接蛋白末端肽的功能性多肽水凝胶及其应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030109470A1 (en) * 2001-04-10 2003-06-12 Aya Jakobovits Nucleic acid sequences useful in the detection and treatment of various cancers
WO2002083919A2 (en) * 2001-04-10 2002-10-24 Agensys, Inc. Nucleic acid and corresponding protein entitled 184p1e2 useful in treatment and detection of cancer
JP6700182B2 (ja) * 2013-08-27 2020-05-27 ザ ロイヤル インスティチューション フォー ザ アドバンスメント オブ ラーニング/マギル ユニバーシティ 軟骨及び椎間板組織病理の治療のためのポリペプチド及び組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US20210079040A1 (en) 2021-03-18
JP2016534117A (ja) 2016-11-04
IL244282A0 (en) 2016-04-21
EP3039032A4 (en) 2017-04-19
MX2016002556A (es) 2016-10-26
CN105940011B (zh) 2021-01-05
AU2014311219B2 (en) 2018-12-06
AU2014311219A1 (en) 2016-04-21
IL244282B (en) 2021-09-30
EP3039032B1 (en) 2021-05-19
KR20160058109A (ko) 2016-05-24
WO2015027322A1 (en) 2015-03-05
ES2883567T3 (es) 2021-12-09
CN105940011A (zh) 2016-09-14
CA2957965A1 (en) 2015-03-05
US10202420B2 (en) 2019-02-12
EP3039032A1 (en) 2016-07-06
AU2019201512A1 (en) 2019-03-28
US20190375788A1 (en) 2019-12-12
ZA201601963B (en) 2022-08-31
KR102369010B1 (ko) 2022-03-02
CA2957965C (en) 2023-03-28
US20160207959A1 (en) 2016-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hashimoto et al. Molecular network of cartilage homeostasis and osteoarthritis
Swartzlander et al. Immunomodulation by mesenchymal stem cells combats the foreign body response to cell-laden synthetic hydrogels
AU2006249302A1 (en) Chondrogenic compositions and methods of use
US11771803B2 (en) Enhancement of osteogenic potential of bone grafts
Li et al. Functional self‐assembled peptide scaffold inhibits tumor necrosis factor‐alpha‐induced inflammation and apoptosis in nucleus pulposus cells by suppressing nuclear factor‐κB signaling
US20210079040A1 (en) Methods and compositions for treatment of cartilage and disc tissue pathologies
EA037111B1 (ru) Способ лечения или предупреждения остеоартрита
Zhao et al. Supramolecular hydrogel based on an osteogenic growth peptide promotes bone defect repair
Xia et al. Matrigel scaffold combined with Ad-hBMP7-transfected chondrocytes improves the repair of rabbit cartilage defect
KR102519971B1 (ko) 염증성 질환의 예방 또는 치료용 조성물 및 이의 용도
Zheng et al. Targeted Protein Fate Modulating Functional Microunits Promotes Intervertebral Fusion
Aker et al. Molecular biology and interactions in intervertebral disc development, homeostasis, and degeneration, with emphasis on future therapies: a systematic review
US20230069012A1 (en) Tissue regeneration patch
ES2933738A1 (es) Hidrogel basado en matriz extracelular descelularizada y sus usos
Lamas et al. Therapeutic potential of mscs in musculoskeletal diseases (osteoarthritis)
Bearden Three-Dimensional (3D) Systems in Combination with Multipotent Stromal Cells (MSCs) as a Clinical Option for Tissue Engineering
Aldebeyan Mechanism of Proteoglycan Synthesis by Bovine and Human Link N
PL236332B1 (pl) Nowy peptyd do zastosowania jako stymulator chondrogenezy i lek w terapii uszkodzeń chrząstki
Stenberg On the role of signaling pathways in the pathogenesis of osteoarthritis
Taylor Passaged Chondrocytes: a source of cells for cartilage tissue engineering
Hanna Novel conditioning protocols focusing on oxygen manipulation to enhance stem cell transplantation
Wei Biological therapies for the restoration of degenerated intervertebral discs
Li Tissue engineering in the study of musculoskeletal diseases and matrix remodeling
Lee Connective tissue growth factor (CCN2/CTGF)-induced fibrogenesis: Biology, bioengineering and therapeutics

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170825

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180801

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6700182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250