JP6699257B2 - 熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、植物性材料と熱可塑性樹脂とを混合溶融成形した熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、植物性材料の粒子サイズの辺長の分布の偏りを少なくすることによって、表面の風合いがよく、植物性材料の揮発性成分を成形品表面から揮発させて香りが得られると共に、成形品の反りを抑えることができる熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法に関する。
従来より、木材等の植物性材料を熱可塑性樹脂と混合し、所定形状に成形した熱可塑性樹脂成形体の製造方法が検討されている。植物性材料は、様々な粒子サイズが含まれているため、製造した樹脂成形体において、植物性材料の混合のむらが生じたり、反りが発生したりする等の性能の問題が生じやすい。このため、植物性材料は、所定の粒子サイズになるように粉砕された状態で熱可塑性樹脂と混合される。
例えば、従来の乾式粉砕を用いた製造方法は、含水率15%以下の植物性材料を、回転粉砕刃等を用いた粉砕機により粉砕した後、篩い分けすることで粉砕物を得る。そして、粉砕物と熱可塑性樹脂を混合溶融及び成形して製品を製造する。また、従来の湿式粉砕を用いた製造方法は、粉砕時に水を供給して50〜200%の高水分率下で粉砕物を得る。そして、粉砕物と熱可塑性樹脂を混合溶融及び成形して製品を製造する。
また、植物性材料と樹脂とを混合溶融成形した熱可塑性樹脂成形体のシートを一度作製し、その後、作製したシート粉砕し、次いで粉砕物と樹脂とを混合して成形する樹脂成形品の製造方法が提案されている(特許文献1を参照。)。特許文献1の樹脂成形品の製造方法は、植物性材料をより均一に混合した樹脂成形品とすることができ、表面の風合い及び対衝撃性に優れた成形品を得ることができる。
特開2004−066522号公報
前記の乾式粉砕及び湿式粉砕を用いた製造方法、並びに特許文献1に示す製造方法においては、粉砕物の粒子サイズの分布が狭い範囲に偏らせることができ、反ることがない成形体を得ることができる。
しかし、近年では、植物性材料の均一性や成形体の強度の他に、成形体の美観を植物風にし、且つ植物性材料中の揮発性成分を長期にわたって発散させて香りが得られる成形体を得るための製造方法が望まれている。このような成形体は、粉砕物の粒子サイズの分布がより広い範囲となるように制御して製造する必要がある。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、植物性材料の粒子サイズの辺長の分布の偏りを少なくすることによって、表面の風合いがよく、植物性材料の揮発性成分を成形品表面から揮発させて香りが得られると共に、成形品の反りを抑えることができる熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、植物性材料を粉砕して前記植物性材料粉砕物を得る植物性材料粉砕工程と、植物性材料粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット作製工程と、前記ペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット粉砕工程と、前記ペレット粉砕物と前記熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得る混合溶融工程と、前記混合溶融工程で得られた前記混合溶融物を所定の形状に成形する成形工程と、を順に実施することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において前記ペレットの径は3〜7mmであり、前記ペレット粉砕物の最大辺長は2〜6mmであることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記ペレット粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット再作製工程と、前記ペレット再作製工程により得た前記ペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット再粉砕工程と、更に備え、前記ペレット再作製工程及び前記ペレット再粉砕工程をこの順に1又は2回行い、前記混合溶融工程は、最後の前記ペレット再粉砕工程で得られた前記ペレット粉砕物と前記熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得ることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記植物性材料粉砕物は、所定メッシュにより篩いにかけられた粉砕物であり、前記ペレット粉砕物は前記所定メッシュと同目数のメッシュにより篩いにかけられた粉砕物であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記植物性材料は針葉樹であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、植物性材料の粉砕物と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂成形体であって、辺長が0.25mm未満である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であり、且つ辺長が1mm以上である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であることを要旨とする。
本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、植物性材料を粉砕して植物性材料粉砕物を得る植物性材料粉砕工程と、前記植物性材料粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット作製工程と、前記ペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット粉砕工程と、前記ペレット粉砕物と前記熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得る混合溶融工程と、前記混合溶融工程で得られた前記混合溶融物を所定の形状に成形する成形工程と、を順に実施することにより、熱可塑性樹脂成形体の反り等を抑制する辺長が小さな植物性材料の粉砕物と、成形体表面に露出して植物性材料の美観を示し且つ徐々に揮発性成分を揮発させて植物性材料の芳香が得られる辺長が大きな植物性材料の粉砕物を、共に含んだ熱可塑性樹脂成形体を製造することができる。
前記ペレットの径は3〜7mmであり、前記ペレット粉砕物の辺長は2〜6mmである場合は、成形品の表面中の植物性材料の単調感をなくし、美観に優れたものとすることができる。
前記ペレット粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット再作製工程と、前記ペレット再作製工程により得た前記ペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット再粉砕工程と、更に備え、前記ペレット再作製工程及び前記ペレット再粉砕工程をこの順に1又は2回行い、前記混合溶融工程は、最後の前記ペレット再粉砕工程で得られた前記ペレット粉砕物と前記熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得る場合は、様々な最大辺長の植物性材料の粉砕物をより均等に成形体に含めることができ、より美観に優れた成形品とすることができる。
前記植物性材料粉砕物は、所定メッシュにより篩いにかけられた粉砕物であり、前記ペレット粉砕物は前記所定メッシュと同目数のメッシュにより篩いにかけられた粉砕物である場合は、最大辺長が大きな植物性材料の粉砕物を多く含み美観に優れた成形品とすることができる。
前記植物性材料が針葉樹である場合は木材風の成形体とすることができ、美観に優れる。また、針葉樹由来の芳香を発することができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、植物性材料の粉砕物と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂成形体であって、辺長が0.25mm未満である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であり、且つ辺長が1mm以上である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であるため、熱可塑性樹脂成形体の反り等が少なく、表面の風合いがよく、植物性材料の美観を示し且つ徐々に揮発性成分を揮発させて植物性材料の芳香が長期間得られる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法の工程を説明するフローチャートである。 実施例及び比較例における辺長の分布を示すグラフである。 実施例及び比較例における辺長の分布を示すグラフである。 比較例における辺長の分布を示すグラフである。 混合溶融装置の一例を示す模式的な断面図である。 混合溶融装置に配設された混合羽根の一例を示す模式的な側面図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、植物性材料を粉砕して植物性材料粉砕物を得る植物性材料粉砕工程と、植物性材料粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット作製工程と、ペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット粉砕工程と、混合溶融装置を用いて、ペレット粉砕物と熱可塑性樹脂とを混合させて混合溶融物を得る混合溶融工程と、混合溶融工程で得られた混合溶融物を所定の形状に成形する成形工程と、をこの順に行うことを特徴とする(図1を参照。)。
また、ペレット粉砕工程と混合溶融工程との間に、ペレット粉砕物を圧縮成形してペレットを得るペレット再作製工程と、ペレット再作製工程により得たペレットを粉砕してペレット粉砕物を得るペレット再粉砕工程と、更に備えることができる(図1を参照。)。
前記「植物性材料粉砕工程」は、植物性材料の最大辺長が小さくなるように粉砕する工程である。「最大辺長」とは、辺長が最長となる植物性材料の辺長である。
前記「植物性材料」は、植物に由来する材料である。この植物性材料としては、植物の葉、枝、幹、樹皮等を挙げることができる。具体的な例として、各種針葉樹(ヒノキ及びスギ等)及び広葉樹、竹を挙げることができる。また、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、綿花の葉、枝及び茎等、バナナ、パイナップル、トウモロコシ及びサトウキビ等の葉や幹、ココヤシの葉、幹及び果実の殻、並びにバガス等の各種植物体から得られた植物性材料が挙げられる。この植物性材料は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは芳香を発する植物性材料が好ましい。特に、針葉樹及び広葉樹等の木材が美観の点で好ましい。更に、針葉樹、特にヒノキ及びスギが美観及び芳香(α−ピネン、カジノール、リモネン等)が優れるため好ましい。
植物性材料の粉砕に用いることができる破砕機は特に問わず、剪断式破砕機、切断式破砕機、衝撃式破砕機及び圧縮式破砕機を例示することができる。即ち、破砕機としては、カッターミル、ターボミル、フェザミル、ロートプレックスミル、ラバチョッパ、ハンマーミル及びジョークラッシャー等が挙げられる。これらの破砕機は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。併用する場合としては、1つの破砕機で塊状物を粗砕して粗砕物を得た後、別の破砕機で得られた粗砕物を更に細かく細分化する場合等が挙げられる。
前記粉砕して得られる植物性材料粉砕物の最大辺長は、製造する成形品に合わせて適宜選択され通常2〜7mm(より好ましくは2〜6mm)とすることができる。
前記「ペレット作製工程」及び前記「ペレット再作製工程」は、植物性材料粉砕物を固めて一定以上の大きさとなるように成形する工程である。ペレットに成形する方法は特に限定されないが、加熱することなく圧縮成形してペレット化する工程であることが好ましい。加熱せず押し固めてペレット化することで、熱履歴を低減できるために得られる成形体の機械的特性をより高く維持できる。また、成形時の熱による芳香の揮発を抑制することができる。
圧縮成形により植物性材料粉砕物をペレット化する方法としては、例えば、ローラー式成形方法及びエクストルーダ式成形方法などが挙げられる。
ローラー式成形方法は、ダイとこのダイに接して回転されるローラーとを備えたローラー式成形機を用い、ローラーにより植物性材料粉砕物をダイ内に圧入した後、ダイから押し出してペレットを形成する方法である。ローラー式成形機には、ダイの形状が異なるディスクダイ式(ローラーディスクダイ式成形機)とリングダイ式(ローラーリングダイ式成形機)が挙げられる。一方、エクストルーダ式成形方法は、エクストルーダ式成形機を用いる方法であり、スクリューオーガの回転により植物性材料粉砕物がダイ内に圧入された後、ダイから押し出してペレットを形成する方法である。
これらの圧縮成形方法のなかでは、特にローラーディスクダイ式成形方法を用いる方法が好ましい。この圧縮成形方法で用いられるローラーディスクダイ式成形機は圧縮効率が高く特に好適である。
得られるペレットの形状及び大きさは特に限定されないが、柱状(円柱状が好ましいが、これに限られない。)であることが好ましい。また、その最大長さは2mm以上(通常10mm以下)とすることが好ましく、その径は3〜7mmが特に好ましい。
前記「ペレット粉砕工程」は、ペレットにした植物性材料の粉砕物を再粉砕することにより様々な辺長の植物性材料の粉砕物をより均等に分布させたペレット粉砕物を得るための工程である。また、前記「ペレット再粉砕工程」は、ペレット粉砕工程を繰り返すことにより、様々な辺長の植物性材料の粉砕物をより更に均等に分布させたペレット粉砕物を得るための工程である。ペレット再作製工程及びペレット再粉砕工程は、任意の回数だけ行うことができるが、通常0〜2回行われる。尚、3回以上行ってもよい。
ペレット粉砕工程及びペレット再粉砕工程における粉砕に用いることができる破砕機は特に問わず、植物性材料粉砕工程と同様の破砕機を用いることができる。また、植物性材料粉砕工程と同一の破砕機を用いてもよい。
粉砕して得られるペレット粉砕物の最大辺長は、製造する成形品に合わせて適宜選択され通常2〜7mm(より好ましくは2〜6mm、特に好ましくは2〜5mm)とすることができる。
また、辺長が0.25mm未満(好ましくは0.030〜0.25mm)である粉砕物が粉砕物全体に対して20質量%以上(好ましくは、20〜45質量%、更に好ましくは20〜40質量%)含まれており、且つ辺長が1mm以上(好ましくは1〜7mm、更に好ましくは1〜6mm、特に好ましくは1〜5mm)である粉砕物が粉砕物全体に対して20質量%以上(好ましくは、20〜45質量%、更に好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは20〜35質量%)含まれていることが好ましい。
更に、辺長が前記2種類の範囲の中間(0.25mm以上、1mm未満)に位置する植物性材料の粉砕物の含有率は適宜選択することができ、例えば、含有率を10〜60質量%(好ましくは15〜60質量%、更に好ましくは20〜60質量%)とすることができる。
前記「混合溶融工程」は、混合溶融装置を用いてペレット粉砕物と熱可塑性樹脂とを混合し溶融させて混合溶融物を得る工程である。
前記「熱可塑性樹脂」は、熱可塑性を有する樹脂である。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず種々のものを用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル樹脂{(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂)、(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂)}、ポリスチレン、アクリル樹脂(メタクリレート及び/又はアクリレート等を用いて得られた樹脂)、ポリアミド樹脂(ナイロン等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、熱可塑性樹脂として、単独で又は他の熱可塑性樹脂と併用して、熱可塑性エラストマーを用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が例示される。これらのなかではオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの形態は特に限定されないが、オレフィン系樹脂成分(ハードセグメントとして機能)とゴム成分(ソフトセグメントとして機能)とを含み、ゴム成分がオレフィン系樹脂成分内に分散されてなるものが好ましい。
このうち、オレフィン系樹脂成分は、オレフィンを主成分とする樹脂であること以外特に限定されない。このオレフィン系樹脂成分としては、オレフィンの単独重合体、オレフィンを含む共重合体(オレフィン共重合体を構成する構成単位全体を100モル%とした場合に70モル%以上のオレフィンに由来する構成単位を有する共重合体)が挙げられる。前者(オレフィンの単独重合体)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン・プロピレン共重合体(エチレン・プロピレンランダム共重合体など)等が挙げられる。一方、後者(オレフィンを含む共重合体)としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・アクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。これらのオレフィン系樹脂成分は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、前記ゴム成分の組成は特に限定されず、種々のゴム成分を用いることができる。即ち、例えば、オレフィン系ゴム(EPR、EPDM等)、スチレン系ゴム、ウレタン系ゴム、アクリル系ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのゴム成分のなかでは、オレフィン系ゴム及びスチレン系ゴムが好ましい。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物{スチレン、アルキル置換スチレン(α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン等)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等}に由来する構成単位を含む共重合体であり、通常、この芳香族ビニル化合物に由来する構成単位{通常、全構成単位中に5モル%(通常50モル%以下)を越えて含有}は、芳香族ビニル重合体ブロックとして含有されてハードセグメントとして機能する。スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加されていてもよく、水素添加されていなくてもよいが、水素添加型スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。また、前記芳香族ビニル重合体ブロック以外の重合体部分は、通常、共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等)を用いて形成される。
このスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、水素添加型スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS,水素添加型スチレン・ブタジエンブロック共重合体)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS,水素添加型スチレン・イソプレンブロック共重合体)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)等が挙げられる。
更に、混合溶融工程では、前記熱可塑性樹脂の一部に酸変性された熱可塑性樹脂を用いることができる。即ち、前記各酸変性されていない熱可塑性樹脂(非酸変性熱可塑性樹脂)と、酸変性熱可塑性樹脂とを併用することができる。
酸変性熱可塑性樹脂は、酸基を有する熱可塑性樹脂である。この酸変性熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂に酸基を導入したものが挙げられる(尚、以下では酸基が導入されていない状態の重合体を「ベースポリマー」ともいう)。このベースポリマーとしては、前記熱可塑性樹脂として挙げた各種熱可塑性樹脂のうちの1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでは前記非酸変性熱可塑性樹脂と同様にポリオレフィンが好ましい。
更に、前記ベースポリマーは、非酸変性熱可塑性樹脂と同質であることが好ましい。この「同質」とは、[i]同じ種類の熱可塑性樹脂であって、構成単位(単量体単位)が同じであること、[ii]同じ種類の熱可塑性樹脂であって、構成単位が異なること、又は、[iii]同じ又は異なる種類の熱可塑性樹脂であって、同じ構成単位を少なくとも1種有し且つ互いに相溶性を有する熱可塑性樹脂であること、を意味する。「同じ種類の熱可塑性樹脂」とは、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等の分類において共通することを意味する。
前記[i]としては、同一の単独重合体又は共重合体であって、分子量、粘度等の化学的性質又は物理的性質が異なる場合が挙げられる。このうち共重合体である例としては、共通する2以上の構成単位を有し、その割合が異なる場合が挙げられる。前記[ii]としては、一方がポリエチレンであり、他方がポリプロピレンである場合等が挙げられる。前記[iii]の例としては、一方がポリエチレンであり、他方がエチレン・プロピレン共重合体である場合等が挙げられる。前記[ii]及び[iii]において、熱可塑性樹脂(B)及びベースポリマーの各々の構成単位全体の50モル%以上を占める主構成単位は同じであることが好ましい。
また、酸変性熱可塑性樹脂を形成する酸基の種類は特に限定されないが、通常、無水カルボン酸残基(−CO−O−OC−)及び/又はカルボン酸残基(−COOH)である。この酸基は共重合段階で導入されたものであってもよく、グラフト導入されたものであってもよい。また、酸基はどのような化合物により導入されたものであってもよく、その化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性熱可塑性樹脂に導入される酸基の量は特に限定されないものの、酸価において5以上であることが好ましい。これにより、酸変性熱可塑性樹脂の添加量を抑制しつつ高い添加効果を得ることができるからである。この酸価は、10〜80がより好ましく、15〜70が更に好ましく、20〜60が特に好ましい。尚、この酸価はJIS K0070によるものである。更に、その重量平均分子量は10,000〜200,000であることが好ましい。これにより熱可塑性樹脂組成物全体への性状変化を抑制しつつ、高い添加効果が得られ、更に優れた耐衝撃性を付与できる。この重量平均分子量は、15,000〜150,000がより好ましく、25,000〜120,000が更に好ましく、35,000〜100,000が特に好ましい。尚、この重量平均分子量はGPC法によるものである。
前記混合溶融工程で混合するペレット粉砕物の含有率は、得られる混合溶融物内においてペレット粉砕物の割合が20〜95質量%となるものであればよいが、20〜90質量%が好ましく、22〜80質量%がより好ましく、26〜65質量%が更に好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。前記範囲では本発明の方法による成形性向上及び耐衝撃性向上の各効果を特に得易いためである。
前記「混合溶融装置」は、回転軸の円周方向に複数の混合羽根が立設された混合具を備えた装置であり、この混合溶融装置の混合羽根の回転による剪断力により、熱可塑性樹脂を溶融させながら、ペレット粉砕物と熱可塑性樹脂とを混合して混合溶融物を得ることができる装置である。更に、この混合溶融装置は、通常、前記混合を行うための混合室を備える。そして、前記混合具はこの混合室内に少なくとも混合羽根が配置される。更に、前述のように、回転軸に生じる負荷を測定するためにこの負荷を測定できる負荷測定手段を備える。この負荷測定手段は、回転軸に生じる負荷を直接測定できるように、混合溶融装置自体に付設することができる。更に、通常、回転軸を駆動するために備えられている駆動源(モーター等)に負荷測定手段を付設し、駆動源の負荷を測定することによって間接的に回転軸の負荷が測定されるようであってもよい。
このような混合溶融装置としては、特に下記混合溶融装置が好ましい。
この混合溶融装置{以下、図5(図5は、国際公開04/076044号パンフレット図1を引用)及び図6(図6は、国際公開04/076044号パンフレット図2を引用)参照。}としては、国際公開04/076044号パンフレットに記載の混合溶融装置1が好ましい。即ち、混合溶融装置1は、材料供給室13と、該材料供給室13に連接された混合室3と、該材料供給室13と該混合室3とを貫通して回転自在に設けられた回転軸5と、該材料供給室13内の該回転軸5に配設され且つ該材料供給室13に供給された混合材料(ペレット粉砕物等)を該混合室3へ搬送するらせん状羽根12と、該混合室3内の該回転軸5に配設され且つ該混合材料を混合する混合羽根10a〜10fと、を備える混合溶融装置が好ましい。
更に、この混合溶融装置には、前記回転軸5を回転させるための駆動源(モーター等)8が付設されており、駆動源8はプーリー6及びVベルト7を介して回転連絡されていることが好ましい。また、この駆動源8には負荷測定手段21が付設されていることが好ましい。更に、この負荷測定手段21は、駆動源8に電気的に接続されて、駆動源8の主軸に作用される負荷(トルク)を測定できるものであることが好ましい。
前記混合溶融装置では、混合材料を混合溶融装置1(材料供給室13)へ投入し、混合溶融装置1の混合羽根10a〜10fを回転させることで、混合羽根により生じる剪断力や、ペレット粉砕物及び熱可塑性樹脂が共に混合室3の内壁へ向かって押し付けるように打撃し且つ押し進められ、材料同士の衝突するエネルギー(熱量)により短時間で熱可塑性樹脂が軟化され、更には溶融され、ペレット粉砕物と混合され、更には混練される。また、得られる熱可塑性組成物には射出成形が可能な優れた流動性が発現される。
前記混合羽根10a〜10fは、前記回転軸5の円周方向の一定角度間隔の部位における軸方向において対向すると共に、回転方向において互いの対向間隔が狭まるような取付け角で該回転軸5に配設された少なくとも2枚の混合羽根(10a〜10f)によって構成され、該混合羽根10a〜10fの該回転軸5に対する取付け角は、該回転軸5に取り付けられる該混合羽根10a〜10fの根元部から半径方向外方の先端部まで同一であることが好ましく、更には、前記混合羽根10a〜10fが矩形板状をなすことが好ましい。
混合溶融工程における混合条件等は特に限定されない。混合溶融工程では、混合を開始すると次第に回転軸5に生じる負荷が上昇し、その後、負荷の極大値を経て、負荷は次第に減少するという経過をたどる。この負荷の極大値を経てから継続する混合時間の長さを変えることにより混合状態を調整することが好ましい。
前記負荷の極大値(トルクのピーク)を経てから継続する混合時間は、3秒以上(通常、125秒以下)とすることが好ましく、3〜120秒とすることがより好ましく、4〜60秒とすることが更に好ましく、4〜40秒とすることがとりわけ好ましい。
この混合時間は、混合羽根の直径が20〜30cmである場合に特に適している。更に、回転軸5の回転数(とりわけ負荷の極大値に達するまでの間の回転数)は、1400〜4000rpmが好ましく、2000〜3500rpmがより好ましく、2400〜3000rpmが特に好ましい。
前記「成形工程」は、混合溶融工程で得られた混合溶融物を所定の製品の形状に成形する工程である。成形する手段は特に問わず、製品の形状に応じて射出成形、押出成形、ブロー成形等を選択することができる。
尚、本発明の熱可塑性組成物の製造方法では混合溶融工程と成形工程との間に、上記混合溶融工程で得られた混合溶融物を除熱して固化した後、固化された混合溶融物を粉砕する粉砕工程を備えることができる。
即ち、粉砕工程は、混合溶融工程で得られた混合溶融物を除熱して固化した後、固化された混合溶融物を粉砕する工程である。この混合溶融物を粉砕する方法は特に限定されず、例えば、乾式粉砕方法及び湿式粉砕方法を用いることができるが、乾式粉砕方法が好ましい。乾式方法では、混合溶融物中に含まれたペレット粉砕物の吸湿・吸水による乾燥を要さないからである。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、ペレット粉砕物及び熱可塑性樹脂以外にも他の成分を配合できる。他の成分としては、各種帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤等を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これら他の成分は、どの工程で配合してもよい。但し、本発明の方法ではペレット粉砕物と熱可塑性樹脂との混合を促進するための添加剤は何ら用いる必要がない。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、その形状、粒子サイズ及び厚さ等は特に限定されない。
また、成形体中に含まれる植物性材料の粉砕物(ペレット粉砕物)は、粒子サイズをその辺長により分類したときに、(1)辺長が小さな植物性材料の粉砕物と、(2)辺長が大きな植物性材料の粉砕物と、が所定の割合で含まれていることが好ましい。
(1)辺長が小さな植物性材料の粉砕物は、成形体中に均等に分散させることができ、成形品が反りにくくなる。このような粉砕物は辺長が0.25mm未満である。また好ましくは、辺長が0.03mm以上0.25mm未満であることが好ましい。この辺長が小さな植物性材料の粉砕物の含有率は、前記効果を得るために粉砕物全体に対して20質量%以上であることが好ましい。更に好ましくは、20質量%以上45質量%未満(特に好ましくは20〜40質量%)であることが好ましい。
(2)植物性材料の粉砕物が成形体表面に表れることにより、成形体が木質の美観を呈する。辺長が大きな植物性材料の粉砕物が所定割合含まれていると、辺長が小さな植物性材料の粉砕物と適宜混合して成形体表面に植物性材料の粉砕物が不規則に並び、成形体の美観が優れる。更に、木質の風合いに寄与する。また、粉砕物の粒子サイズが大きくなることにより成形時の熱が全体に伝わりにくくなり、且つ粉砕物の体積に対する表面積の比率が減少して粉砕物中の揮発性成分が成形時に揮発しにくくなり、成形後に徐々に揮発性成分が揮発して、長期にわたり芳香をもたらすことができる。このような粉砕物は辺長が1mm以上である。また好ましくは、辺長が1〜7mm(更に好ましくは1〜6mm)であることが好ましい。この辺長が大きな植物性材料の粉砕物の含有率は、前記効果を得るために粉砕物全体に対して20質量%以上であることが好ましい。更に、含有率は好ましくは20〜45質量%(更に好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは20〜35質量%)である。
(3)辺長が小さな植物性材料の粉砕物と、辺長が大きな植物性材料の粉砕物との含有比率は用途に応じて適宜変更できるが、例えば辺長が小さな植物性材料の粉砕物:辺長が大きな植物性材料の粉砕物=4:9〜9:4(更に好ましくは24:37〜40:21、特に好ましくは24:27〜40:21)を挙げることができる。このような範囲とすることで、成形体の反りにくさと、美観、風合い及び芳香をいずれも適切な範囲に満たすことができる。
(4)辺長が前記2種類の範囲の中間(0.25mm以上、1mm未満)に位置する植物性材料の粉砕物は、一定量含有していると前記2種類の粉砕物とあわせて大きさが連続的となり、成形体の美観がより好ましくなる。この含有率は適宜選択することができ、例えば、含有率を10〜60質量%(好ましくは15〜60質量%、更に好ましくは20〜60質量%)とすることができる。
熱可塑性樹脂成形体の用途は特に限定されない。この成形体は、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等として用いられる。このうち自動車用品としては、自動車用内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等が挙げられる。具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、自動車用ドアトリム、シート構造材、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、自動車用ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー及びカウリング等が挙げられる。更に、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材、構造材等が挙げられる。その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、本熱可塑性樹脂成形体を、条件を変えて製造し、評価を行った。
[1]実施例1
実施例1は図1に示すように、以下に説明する植物性材料粉砕工程、ペレット作製工程、ペレット粉砕工程、混合溶融工程及び成形工程をこの順で行い熱可塑性樹脂成形体を作製した。
(1)植物性材料粉砕工程
ヒノキチップ(日本産、最大辺長50mm)を粉砕機(有限会社吉工製、RC250)により粉砕し、メッシュ5mmの篩により篩い分けして最大辺長が5mmの植物性材料粉砕物を得た。
(2)ペレット作製工程
植物性材料粉砕工程により作製した植物性材料粉砕物をローラーディスクダイ式成形機(菊川鉄工所製KP280)にフィダー周波数20Hzで投入し、長さ約6mm、直径約6mmの円柱形状ペレットを作製した。
(3)ペレット粉砕工程
ペレット作製工程により作製したペレットを前記植物性材料粉砕工程と同じ粉砕機により粉砕し、メッシュ5mmの篩により篩い分けしてペレット粉砕物を得た。このペレット粉砕物の辺長別の含有率を後述する表1及び2に示す。
(4)混合溶融工程
ペレット粉砕工程により作製したペレット粉砕物、ポリプロピレン(サンアロマーVM970X)、及び酸変性ポリプロピレン(三菱化学モディックP908)を質量比30:68.5:1.5の割合で混合溶融装置(株式会社エムアンドエフ・テクノロジー製、国際公開04/076044号に示された器機)の材料供給室(図5の符号13)に投入し、混合室(容量5L、図5の符号3)内で混合し混練した。この混合に際して混合羽根(直径25cm、図6の符号10a〜10f)の回転数は2700rpmに設定した。そして、混合羽根にかかる負荷(トルク)が上昇し、極大値に達した時点から5秒経過した後に混合溶融装置1から混合溶融物を排出した。
続いて、樹脂乾燥機で110℃、4時間の条件で乾燥させ、塊状の混合溶融物を得た。
(5)成形工程
混合溶融工程で得た混合溶融物を射出成形機(住友重機機械工業SE100DU)により成形温度180℃、型温度40℃の条件で射出成形を行い、厚さ4mmでシボ加工付きの平板状の熱可塑性樹脂成形体を得た。
[2]実施例2
実施例2は、植物性材料粉砕工程、ペレット作製工程、ペレット粉砕工程、ペレット再作製工程、ペレット再粉砕工程、混合溶融工程及び成形工程をこの順で行い熱可塑性樹脂成形体を作製した。各工程において、植物性材料粉砕工程、ペレット作製工程、ペレット粉砕工程及び成形工程は、実施例1と同じ条件であるため説明を省略する。
ペレット再作製工程は、ペレット粉砕工程により作製したペレット粉砕物を、ペレット作製工程と同じ条件でペレット作製し、円柱形状ペレットを作製した。
ペレット再粉砕工程は、ペレット再作製工程により作製したペレットをペレット粉砕工程と同様に、前記植物性材料粉砕工程と同じ粉砕機により粉砕し、メッシュ5mmの篩により篩い分けしてペレット粉砕物を得た。
混合溶融工程は、ペレット再粉砕工程により得られたペレット粉砕物を用いたほかは実施例1と同じ条件で混合を行い、混合溶融物を得た。
[3]実施例3
実施例3は、植物性材料粉砕工程、ペレット作製工程、ペレット粉砕工程、第1のペレット再作製工程、第1のペレット再粉砕工程、第2のペレット再作製工程、第2のペレット再粉砕工程、混合溶融工程及び成形工程をこの順で行い熱可塑性樹脂成形体を作製した。即ち、実施例3は、ペレット再作製工程、ペレット再粉砕工程を2回繰り返して行った。
各工程において、植物性材料粉砕工程、ペレット作製工程、ペレット粉砕工程、混合溶融工程及び成形工程は、実施例2と同じ条件であるため説明を省略する。また、第1・第2のペレット再作製工程及び第1・第2のペレット再粉砕工程は、それぞれ実施例2に示すペレット再作製工程及びペレット再粉砕工程と同じ条件で行った。
[4]参考例
最大辺長が大きなペレット粉砕物を含まない参考例として、植物性材料粉砕工程における篩を1mmメッシュとし、ペレット粉砕工程における篩を5mmメッシュとしたほかは、実施例1と同じ条件で熱可塑性樹脂成形体を製造した。
[5]比較例1〜5
前記実施例1〜3を従来の技術と比較するため、ペレット作製工程及びペレット粉砕工程の実施を行わず、植物性材料粉砕工程、混合溶融工程及び成形工程をこの順で行って熱可塑性樹脂成形体を成形し、比較例1〜4とした。この比較例1〜4は、植物性材料粉砕工程で用いた篩の目付をそれぞれ0.5mmメッシュ、1mmメッシュ、2mmメッシュ、5mmメッシュとした他は、実施例1の同名工程と同じ条件で各工程を実施した。
また、植物性材料粉砕工程を実施後、得られた植物性材料粉砕物を同条件で再度粉砕する第2の植物性材料粉砕工程を行った他は、比較例4と同じ条件で熱可塑性樹脂成形体を製造し、比較例5とした。
[6]辺長別の含有率の分布
実施例1〜3、参考例及び比較例1〜5における、混合溶融工程に投入するペレット粉砕物(比較例は植物性材料粉砕物)の辺長別の含有率の分布を調べて表1及び図2〜4に示した。辺長別の含有率は、各粉砕物を2、1、0.5、0.25、0.15、0.075mmメッシュの篩に順次かけて、それぞれの篩の残粉砕物、及び0.075mmメッシュの篩を通過した各粉砕物の質量を計測し、所定範囲の辺長の粉砕物の粉砕物全体に対する含有率として表1及び図2〜3に示した。
また、粉砕物を辺長が0.25mm未満、0.25mm以上1mm未満、及び1mm以上の3区分に分けたときの各含有率を表2に示す。
Figure 0006699257
Figure 0006699257
[7]反り、見栄え、芳香
実施例1〜3と比較例2〜4とにおいて製造した熱可塑性樹脂成形体の反りの程度、表面の見栄え、及び芳香の持続性を比較検討した。この結果を表3に示す。
表3において、ペレット再作製・粉砕工程の繰返回数は、ペレット再作製工程及びペレット再粉砕工程を行った回数を示す。また、反り率は、成形体を平面に載置し、一辺を該平面に接触させたとき対向する辺が該平面から離れた距離を測定し、(離れた距離)÷(辺間の長さ)の式で求めた比率を示す。見栄えは、成形体の表面に表れる各粉砕物を観察し、特定の辺長の各粉砕物が一部分に偏って存在していないか、及び各種辺長の各粉砕物が均等に散らばっているかを確認した。更に、芳香の項目は、製造した成形体を1週間、密閉しない状態で放置した後、植物性材料の芳香を嗅ぎ、香の強さに応じた低・中・高の3段階に区分した。
Figure 0006699257
[8]辺長別の含有率の分布の検討
(1)反り率の比較
実施例1〜3は表2に示すように、辺長0.25mm未満のペレット粉砕物の含有率が約24質量%、約30質量%、約39質量%といずれも20%以上であり、表2に示すように反り率がそれぞれ約8%、約6%、約4%といずれも10%未満であり反りが殆どないことが分かる。
一方、同含有率が約10質量%、約4質量%、約2質量%といずれも20%未満である比較例2〜4は、反り率がそれぞれ12%、15%、19%といずれも10%超であり大きな反りを示した。
(2)ペレット作製工程及びペレット粉砕工程の有無による辺長別の含有率の分布の違い
ペレット作製工程及びペレット粉砕工程の有無による辺長別の含有率の分布の違いについて、実施例1と、比較例4、5とを比較検討した。
表2及び図2に示すように、本実施例1の成形体は、辺長がそれぞれ0.25mm未満、0.25mm以上1mm未満、1mm以上の含有率の粉砕物が、それぞれ約24質量%、約50質量%、約27質量%といずれも20質量%以上であり、さまざまな辺長の粉砕物が広く分布していることが分かる。
一方、比較例4、5において辺長1mm以上の含有率の粉砕物が20質量%以上であるが、辺長0.25mm以下の含有率の粉砕物が20質量%未満であり、粉砕物の辺長が大きい側に偏っていた。
そして、1度粉砕しただけである比較例4、及び実施例1と同じ回数である2回であるが、ペレット作製を行っていない比較例5は、いずれも辺長1mm以上の植物性材料粉砕物の含有率が、80質量%を越えており、成形体の表面に辺長が大きい粉砕物が目立っていた。また、表面が荒れていた。そして反り率がそれぞれ15%、19%であり、実施例1の反り率である8%に比べて大きく反りが起きていることが分かる。
また、実施例1と同じ回数である2回であるが、ペレット作製を行っていない比較例5は、辺長0.25mm未満の植物性材料粉砕物の含有率は1質量%未満であり、粉砕の回数を増やしても辺長0.25mm未満の植物性材料粉砕物の含有率が増加しにくいことが分かる。
ペレット作製工程及びペレット粉砕工程を備えることにより、少ない粉砕回数であっても、成形体の反り等を抑制する辺長が小さな植物性材料の粉砕物と、熱可塑性樹脂成形体表面に露出して植物性材料の美観を示し且つ徐々に揮発性成分を揮発させて植物性材料の芳香が得られる辺長が大きな植物性材料の粉砕物を、共に含む熱可塑性樹脂成形体が容易に得られることが分かる。
尚、参考例に示すように、植物性材料粉砕工程で植物性材料粉砕物の最大辺長を1mmとすると、辺長0.25mm未満、及び0.25mm以上1mm未満のペレット粉砕物の含有率が約37質量%、約60質量%と20質量%を越えていた。また、辺長0.25mm未満の含有率が20〜60質量%の範囲内であった。そして、外観は実施例1〜3よちきめ細かく、比較例2よりも辺長0.25mm未満、及び0.25mm以上1mm未満の粉砕物の含有率の差が少ない外観の熱可塑性樹脂成形体が得られた。
(3)ペレット再作製工程及びペレット再粉砕工程の回数による辺長別の含有率の分布の違い
図3に示すように、ペレット再作製工程及びペレット再粉砕工程の回数を、実施例1の0回から、実施例2の1回、実施例3の2回と繰り返すことにより、実施例1において最も含有率が高い辺長が0.5〜1mmのペレット粉砕物の含有率が約28質量%から約26質量%、約21質量%に減少し、反りの低減に寄与する辺長0.25mm未満のペレット粉砕物が約24質量%から約30質量%、約39質量%と増加することが分かる。
特に、辺長0.15〜0.25mmの範囲において、実施例1の約11質量%から、約15質量%、約18質量%と大きく上昇する一方、表1に示すように反り率が8%から6%、4%と減少し、反りに対して大きく改善できることが分かる。
一方比較例4は、ほとんどの辺長の粉砕物が1mm以上であって、反りが大きく、外観も大きな辺長の粉砕物が目立っていた。
(4)植物性材料粉砕工程による植物性材料粉砕物の最大辺長による違い
図4の比較例1〜4に示すように、植物性材料粉砕工程で最大辺長を変化させた場合、低い反りに寄与する辺長0.25mm未満の植物性材料の粉砕物の含有率がそれぞれ、約78質量%、約10質量%、約3質量%、約2質量%となった。一方、外観・芳香に寄与する辺長1mm以上の植物性材料の粉砕物の含有率がそれぞれ、約0質量%、約13質量%、約46質量%、約84質量%となった。
このように、植物性材料粉砕工程で最大辺長を様々に変化させても、ペレット作製工程及びペレット粉砕工程がなければ辺長の分布が狭くなり、辺長が大きい・小さい両方の粉砕物の含有率の両方が20質量%を満たすことができずに一方に偏っており、各実施例と同様の熱可塑性樹脂成形体を得ることが困難であることが分かる。
[9]見栄え、芳香の検討
実施例1〜3の見栄えは、様々な辺長のペレット粉砕物がそれぞれ表面全体に分布しており、規則性が見られずに外観が良好であった。一方比較例2〜4は、特定範囲の辺長の植物性材料粉砕物が多く表れており、それぞれの大きさの違いが分かりにくく、単調であった。
また、芳香において実施例1〜3は、いずれも比較例2と比べて強く芳香が感じされた。一方、比較例2〜4に示すように、辺長が大きい粉砕物が多いほど強く芳香が感じられることがわかる。
以上より、反り率が10%未満であり、外観が優れており、長期にわたり芳香が感じられるという3点を全て満たす条件の成形体は、実施例1〜3であり、比較例2〜4は全ての条件を満たすことができなかったことが分かる。
尚、実施例1〜3と同様の製造方法により、梨地シボ、石地シボ等のシボ加工を施した熱可塑性樹脂成形体を製造したところ、ペレット粉砕物による表面の荒れが見られず、シボ加工による触感の向上が得られた。
[10]他の実施例
各実施例の熱可塑性樹脂成形体は、混合溶融工程においてバッチ式混練機を用いたがこれに限られず、二軸押出機等の連続式混練機により混合してもよい。また、混合溶融工程によって得た混合溶融物をペレットとして成形し、成形工程に用いてもよい。
例えば、実施例1と同じペレット粉砕物、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンを同じ比率によりバット上でドライブレンドを行って混合材料を得た。次いで、混合材料を材料供給機(クボタCE−W−2)に投入して二軸押出機(プラスチック工業研究所BTN30−S2−42−L)に供給し、8kg/時、バレル温度180℃、スクリュ回転数200rpmの条件で動作させてペレットを得た。このペレットを樹脂乾燥機で105℃、4時間の条件で乾燥させた。
実験例1と同条件で、成形工程による成形を行いシボ加工付きの平板を製造した。このように製造した熱可塑性樹脂成形体であっても実験例1と同程度の反りと、同じ外観を示し、長期にわたり芳香が得られた。
本発明の熱可塑性組成物の製造方法並びに成形体は、自動車関連分野及び建築関連分野などにおいて広く利用される。特に自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等に好適であり、なかでも自動車用品としては、自動車用内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等に好適である。具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、自動車用ドアトリム、シート構造材、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、自動車用ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー及びカウリング等が挙げられる。更に、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材にも好適である。具体的には、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材、構造材等が挙げられる。その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等としても好適である。
1;混合溶融装置、10a〜10f;混合羽根、12;らせん状羽根、13;材料供給室、2;一方比較例、21;負荷測定手段、3;混合室、5;回転軸、6;プーリー、7;ベルト、8;駆動源。

Claims (7)

  1. 植物性材料を粉砕して植物性材料粉砕物を得る植物性材料粉砕工程と、
    前記植物性材料粉砕物を加熱せず押し固めて、径が3〜7mmであるペレットを得るペレット作製工程と、
    前記ペレットを粉砕して最大辺長が2〜6mmであるペレット粉砕物を得るペレット粉砕工程と、
    前記ペレット粉砕物と熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得る混合溶融工程と、
    前記混合溶融工程で得られた前記混合溶融物を所定の形状に成形する成形工程と、
    を順に実施することを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記ペレット粉砕物を加熱せず押し固めて、径が3〜7mmであるペレットを得るペレット再作製工程と、
    前記ペレット再作製工程により得た前記ペレットを粉砕して最大辺長が2〜6mmであるペレット粉砕物を得るペレット再粉砕工程と、更に備え、
    前記ペレット再作製工程及び前記ペレット再粉砕工程をこの順に1又は2回行い、
    前記混合溶融工程は、最後の前記ペレット再粉砕工程で得られた前記ペレット粉砕物と前記熱可塑性樹脂とを混合溶融させて混合溶融物を得る請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記植物性材料粉砕物は、所定メッシュにより篩いにかけられた粉砕物であり、
    前記ペレット粉砕物は前記所定メッシュと同目数のメッシュにより篩いにかけられた粉砕物である請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記植物性材料は針葉樹である請求項1乃至のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 植物性材料の粉砕物と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂成形体であって、
    辺長が0.25mm未満である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であり、且つ辺長が1mm以上である前記粉砕物が前記粉砕物全体に対して20質量%以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、非酸変性熱可塑性樹脂と、酸変性熱可塑性樹脂と、を含む請求項5記載の熱可塑性樹脂成形体。
  7. 本熱可塑性樹脂成形体内においてペレット粉砕物の割合が20〜95質量%である請求項5又は6記載の熱可塑性樹脂成形体。
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