JP6698975B1 - 電気機器 - Google Patents

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Abstract

第1の電力変換回路(150a)及び第2の電力変換回路(150b)は、第1のノイズフィルタ回路(25a)及び第2のノイズフィルタ回路(25b)を介して、入力電源(10)と接続された受電部(110)と共通に接続される。受電部(110)の電源入力ノード(N0,N1)間に第1のノイズフィルタ回路(25a)を経由して形成される第1の経路の第1のインダクタンス(La)、及び、電源入力ノード(N0,N1)間に第2のノイズフィルタ回路(25b)を経由して形成される第2の経路の第2のインダクタンス(Lb)は、第2のインダクタンスに対する第1のインダクタンスの比(La/Lb)が、第1のコンデンサ(82a)のキャパシタンス(C1)に対する第2のコンデンサ(82b)のキャパシタンス(C2)の比(C2/C1)に従う様に調整される。

Description

本発明は、電気機器に関する。
電気機器、特に、高周波スイッチングを伴う電力変換回路(例えば、インバータ回路)を内蔵する構成のものでは、当該スイッチング動作により発生する高周波の伝導ノイズが入力電源ラインに流出する可能性がある。このような高周波伝導ノイズは、共通の入力電源ラインに接続された他の電気機器に対して、誤動作、故障、及び、雑音混入等の電磁妨害(EMI:Electromagnetic Interference)を引き起こすことが懸念される。
このため、伝導ノイズ対策として、電気機器内に、入力電源及び電力変換回路(インバータ)の間にノイズフィルタを配置することが公知である。ノイズフィルタの配置により、所定の規格による規制値以下に伝導ノイズを抑制することが期待される。
特開2017−184328号公報(特許文献1)には、コモンモードチョークコイルを有するノイズ低減回路(ノイズフィルタ)において、コモンモードチョークコイルの入力側及び出力側の各々に、コンデンサ及び抵抗の直列接続体を設ける構成が記載されている。
特許文献1によれば、配線等の寄生インダクタンス、及び、寄生容量によって形成される意図しないLC共振回路のQ値を、コンデンサに直列接続された抵抗によって低下させることが可能である。この結果、インバータ回路にて発生するノイズの流出を広い周波数帯域において抑制することが可能である。
特開2017−184328号公報
複数の電力変換回路(インバータ回路)を備えた電気機器では、入力電源と複数のインバータ回路の入力端子との間にそれぞれノイズフィルタを接続する構成とされることが一般的である。この際に、通常、各ノイズフィルタは、対応するインバータ回路からの伝導ノイズを最適に抑制できるように調整される。
しかしながら、上記構成では、共通の入力電源に対して複数のインバータ回路が接続されることにより、入力電源側の配線の寄生インダクタンス等によって意図しない共振回路が1又は複数形成される可能性がある。
このような共振回路が形成されると、各ノイズフィルタ単体で調整したフィルタ特性を発揮できなくなることが懸念される。又、各ノイズフィルタに特許文献1に記載された構成を適用した場合にも、形成された共振回路での共振ピークをなまらせる効果は生じるものの、十分なノイズ低減効果を得られないことが懸念される。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、複数の電力変換回路が共通の入力電源と接続される構成の電気機器において、入力電源側での伝導ノイズの低減効果を高めることである。
本発明のある局面によれば、電気機器は、受電部と、スイッチング素子を含んで構成された第1及び第2の電力変換回路と、第1及び第2のノイズフィルタ回路と、第1及び第2の配線とを備える。受電部は、入力電源と接続された第1及び第2の電源入力ノードを有する。第1のノイズフィルタ回路は、受電部及び第1の電力変換回路の間に電気的に接続される。第2のノイズフィルタ回路は、受電部及び第2の電力変換回路の間に電気的に接続される。第1の配線は、受電部及び第1のノイズフィルタ回路を電気的に接続する。第2の配線は、受電部及び第2のノイズフィルタ回路を電気的に接続する。第1のノイズフィルタ回路は、第1の配線と接続される1対の第1入力端子と、第1のコンデンサとを含む。第1のコンデンサは、第1入力端子間に、第1の電力変換回路の入力電源側に対して並列接続される。第2のノイズフィルタ回路は、第2の配線と接続される1対の第2入力端子と、第2のコンデンサとを含む。第2のコンデンサは、第2入力端子間に、第2の電力変換回路の入力電源側に対して並列接続される。更に、第1及び第2の電源入力ノードの間に、第1の配線及び第1のノイズフィルタ回路を経由して形成される第1の経路の第1のインダクタンス、並びに、第2の配線及び前記第2のノイズフィルタ回路を経由して形成される第2の経路の第2のインダクタンスは、第2のインダクタンスに対する第1のインダクタンスの比が、第1のコンデンサの第1のキャパシタンスに対する第2のコンデンサの第2のキャパシタンスの比に従うように調整される。
本発明によれば、複数の電力変換回路が共通の入力電源と接続される構成の電気機器において、入力電源側での伝導ノイズの低減効果を高めることができる。
実施の形態1に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。 図1に示された電気機器から入力電源に漏れ出す伝導ノイズのシミュレーション結果を示すグラフである。 パラメータxを変化させた下での図2と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。 パラメータxに対する伝導ノイズのピーク値の減少量の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施の形態2に係る電気機器の構成を説明する回路図である。 実施の形態2に係る電気機器の入力電源側に形成される共振回路の並列共振周波数における簡易等価回路図である。 実施の形態2に係る電気機器における図2と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施の形態2に係る電気機器における図3と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施の形態3に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。 実施の形態4に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。 実施の形態5に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。 実施の形態5の変形例に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。 実施の形態6に係る電気機器の第1の構成例を説明する回路図である。 実施の形態6に係る電気機器の第2の構成例を説明する回路図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気機器100の構成例を説明する回路図である。
図1を参照して、実施の形態1に係る電気機器100は、配線70a,71aと、配線70b,71bと、受電部110と、ノイズフィルタ回路25a,25bと、電力変換回路150a,150bとを備える。
受電部110は、入力電源10と接続される電源入力ノードN0及びN1を有する。入力電源10は、例えば、商用の交流系統電源によって構成される。即ち、電源入力ノードN0及びN1の間には、系統周波数(例えば、50[Hz]又は60[Hz])の交流電圧が入力される。
電力変換回路150aの入力側は、配線70a,71a及びノイズフィルタ回路25aを経由して、電源入力ノードN0及びN1(受電部110)と接続される。同様に、電力変換回路150bの入力側は、配線70b,71b及びノイズフィルタ回路25bを経由して、電源入力ノードN0及びN1(受電部110)と接続される。
これにより、電力変換回路150a及び150bの各々には、入力電源10からの交流電圧が入力される。本実施の形態では、配線70a,71a,70b,71bの各々は、同じ材質及び径を有し、更に、配線70a及び71aは等長であり、かつ、配線70b及び71bも等長であるものとする。
図1において、電源入力ノードN0及びN1は「第1の電源入力ノード」及び「第2の電源入力ノード」に対応し、配線70a,71aは「第1の配線」に対応し、配線70b,71bは「第2の配線」に対応する。又、電力変換回路150aは「第1の電力変換回路」の一実施例に対応し、電力変換回路150bは「第2の電力変換回路」の一実施例に対応する。
例えば、電力変換回路150a及び150bは、入力電源10からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路(図示せず)と、整流回路からの出力電圧を半導体スイッチング素子のオンオフ制御によって交流電圧に変換するインバータ回路(図示せず)とを含んで構成される。尚、図示は省略するが、電力変換回路150a及び150bの出力側には、電力変換回路150a及び150bによって変換された電力によって駆動される負荷(例えば、モータ等)が接続される。
通常、半導体スイッチング素子が高周波でスイッチングされることにより、インバータ回路が出力する交流電圧に、高周波ノイズが重畳する。当該高周波ノイズに起因する入力電源10側での伝導ノイズを抑制するために、ノイズフィルタ回路25a及び25bが、受電部110と、電力変換回路150a及び150bとの間に、それぞれ接続される。
ノイズフィルタ回路25aの入力端子80a及び81aは、配線70a及び71aによって、受電部110の電源入力ノードN0及びN1とそれぞれ接続される。配線70a及び71aの各々は、寄生インダクタンスL1を有する。
ノイズフィルタ回路25aは、キャパシタンスC1のコンデンサ82aと、コモンモードチョークコイル85aとを含む。寄生インダクタンスLx1を有するコンデンサ82aは、入力端子80a及び81aの間に接続される。コモンモードチョークコイル85aは、コンデンサ82aと、電力変換回路150aとの間に接続される。
ノイズフィルタ回路25bの入力端子80b及び81bは、配線70b及び71bによって、受電部110の電源入力ノードN0及びN1とそれぞれ接続される。配線70b及び71bの各々は、寄生インダクタンスL2を有する。
ノイズフィルタ回路25bは、キャパシタンスC2のコンデンサ82bと、コモンモードチョークコイル85bとを含む。寄生インダクタンスLx2を有するコンデンサ82bは、入力端子80b及び81bの間に接続される。コモンモードチョークコイル85bは、コンデンサ82bと、電力変換回路150bとの間に接続される。
このように、ノイズフィルタ回路25a,25bにおいて、電力変換回路150a,150bの入力側に対して、コンデンサ82a,82bは並列接続され、コモンモードチョークコイル85a,85bは直列接続される。
図1において、ノイズフィルタ回路25aは「第1のノイズフィルタ回路」の一実施例に対応し、ノイズフィルタ回路25bは「第2のノイズフィルタ回路」の一実施例に対応する。コンデンサ82aは「第1のコンデンサ」の一実施例に対応し、コンデンサ82bは「第2のコンデンサ」の一実施例に対応する。
電気機器100の入力電源10側において、受電部110及び電力変換回路150aの間には、コンデンサ82aのキャパシタンスC1及び寄生インダクタンスLx1と、配線70a,71aの各々の寄生インダクタンスL1とによる第1の直列共振回路が形成される。同様に、受電部110及び電力変換回路150bの間には、コンデンサ82bのキャパシタンスC2及び寄生インダクタンスLx2と、配線70b,71bの各々の寄生インダクタンスL2とによる第2の直列共振回路が形成される。更に、受電部110を介して、電力変換回路150a及び150bの入力側が接続された経路には、上記第1及び第2の直列共振回路が並列接続された並列共振回路が形成される。
図1において、一般的にL1>>Lx1であることからLx1を無視すると、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLaは、La=2・L1で示すことができる。同様に、L2>>Lx2であることからLx2を無視すると、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLbは、Lb=2・L2で示すことができる。即ち、インダクタンスLaは「第1のインダクタンス」に対応し、インダクタンスLbは「第2のインダクタンス」に対応し、キャパシタンスC1は「第1のキャパシタンス」に対応し、キャパシタンスC2は「第2のキャパシタンス」に対応する。
図2は、図1に示された電気機器100から入力電源10に漏れ出す伝導ノイズのシミュレーション結果を示すグラフである。図2の横軸には、周波数[Hz]が対数表示され、縦軸には伝導ノイズの強度が示される。
図2を参照して、特性線CL0は、後述する回路定数の設定の適用前におけるシミュレーション結果である。尚、当該シミュレーションでの回路定数の値関係として、C1<C2、及び、La<Lbとしている。又、シミュレーションでは、コンデンサ82aの寄生インダクタンスLx1(Lx1<<L1)、及び、コンデンサ82bの寄生インダクタンスLx2(Lx2<<L2)も設定されている。ここでは、寄生インダクタンスLx1,Lx2(コンデンサ82a,82b)は、それぞれ寄生インダクタンスL1,L2(配線70a,71a)の数(%)程度に設定した。
特性線CL0には、上述の並列共振回路による並列共振により、伝導ノイズの極大ピークが生じている。上述した、L1>>Lx1、かつ、L2>>Lx2の下では、極大ピークが生じる並列共振周波数fpは、下記の式(1)で示すことができる。
Figure 0006698975
さらに、特性線CL0には、第1及び第2の直列共振回路のそれぞれにおける直列共振周波数fs1及びfs2において、伝導ノイズの極小ピークが生じている。上記と同様に、L1>>Lx1、かつ、L2>>Lx2の下では、直列共振周波数fs1,fs2は、下記の式(2)及び式(3)で示すことができる。
Figure 0006698975
実施の形態1に係る電気機器100では、伝導ノイズの極大ピークが生じる並列共振周波数fp、極小ピークが生じる直列共振周波数fs1及びfs2を一致させるための回路定数の設定により、伝導ノイズが極大となる並列共振ピークを消滅させることができる。
図2中の特性線CL1は、La・C1=Lb・C2の条件を成立させるために、2・L1・C1=2・L2・C2(以下では、単に「L1・C1=L2・C2」とも表記する)としたときのシミュレーション結果である。
式(2)及び式(3)より、L1・C1=L2・C2とすることで、fs1=fs2が成立することが理解される。更に、式(1)中の(C1・C2)/(C1+C2)=C2/(1+(C2/C1))に対して、L1・C1=L2・C2を変形した(C2/C1)=(L1/L2)を代入すると、fp=1/(2π・√(L2・C2))が得られる。即ち、L1・C1=L2・C2とする回路定数の設定により、fp=fs1=fs2とすることができる。図2中には、特性線CL0での並列共振周波数fpと区別するために、L1・C1=L2・C2としたときの共振周波数がfp*で示される。
特性線CL1では、特性線CL0での並列共振ピークの極大点を直列共振ピークの2個の極小点で相殺することにより、並列共振周波数fp相当の500[kHz]近傍での極大点での伝導ノイズのピーク値が低減されている。例えば、今回のシミュレーション結果では、当該ピーク値が、特性線CL0でのピーク値から30[dB]以上低減されている。尚、特性線CL1において、共振周波数fp*相当の350[kHz]近傍に僅かに残存する極大ピークは、特性線CL0における並列共振ピークを、直列共振ピークによって完全に相殺できなかったために発生するものである。これは、Lx1及びLx2の存在により、La・C1=Lb・C2を完全に満足できなかったことに起因する。
次に、上述の回路定数設定(L1・C1=L2・C2)の具体的な実現例について説明する。
ノイズフィルタ回路25a及び25b中のコンデンサ82a及び82bのキャパシタンスC1及びC2は、ノイズ発生源となる電力変換回路150a及び150bのノイズ特性に対応させて適正値に設定する必要がある。従って、伝導ノイズ低減のための回路定数設定の観点から、キャパシタンスC1,C2を調整することは困難である。
一方で、寄生インダクタンスL1及びL2は、配線70a,71a及び配線70b,71bの配線長、径、及び、材質等によって変化する。一般的に、配線の寄生インダクタンスは配線長に比例するので、代表的には、配線70a,71a及び配線70b,71bの配線長の調整によって、伝導ノイズ低減のための回路定数設定を実現することが可能である。
例えば、C1=C2であるときには、配線70a,71aの配線長と、配線70b,71bの配線長とを揃えることで、L1・C1=L2・C2を実現することができる。一方で、電力変換回路150a及び150bのノイズ特性からC2=m・C1(m:m>0の実数)である場合には、配線70a,71aの各配線長を、配線70b,71bの各配線長のm倍とすることで、L1・C1=L2・C2を実現することができる。
伝導ノイズ低減のための、La・C1=Lb・C2とする回路定数設定は、電力変換回路150a及び150bのノイズ特性から定まるキャパシタンスC1及びC2の比(C1/C2)に対して、インダクタンスLa及びLbがその逆比を有するように(即ち、La/Lb=C2/C1)、配線70a,71a及び配線70b,71bを設けることと等価である。
上述のように、一般的には、Lx1<<L1、及び、Lx2<<L2が成立するので、配線70a,71aの寄生インダクタンスの合計である2・L1と、配線70b,71bの寄生インダクタンスの合計である2・L2との比、即ち、(2・L1/2・L2=L1/L2)を、キャパシタンスC1及びC2の逆比(C2/C1)に従って設定することで、伝導ノイズ低減のための回路定数設定(La・C1=Lb・C2)を等価的に実現することが可能である。
但し、実使用環境を想定すると、La・C1(又は、L1・C1)及びLb・C2(又は、L2・C2)を常に完全に一致させることは容易ではない。従って、一致度に対する伝導ノイズの変化を考察する。以下では、一致度を定量的に評価するために、両者の比に相当するパラメータxを下記の式(4)で定義して、シミュレーションを行った。
Figure 0006698975
図3は、パラメータxを変化させた下での図2と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。
図3を参照して、特性線CL0は図2と同じである一方で、実施の形態1に係る特性線CL11〜CL13では、回路定数設定のパラメータxの値が異なる。具体的には、特性線CL11はx=0.76のとき、特性線CL12はx=1.0のとき、特性線CL13はx=1.2のときのシミュレーション結果である。即ち、特性線CL12(x=1)は、図2の特性線CL1と同じである。
特性線CL11〜CL13のいずれについても、特性線CL0と比較すると、並列共振周波数fpでの伝導ノイズは、30[dB]以上低減されている。但し、xが1から離れる特性線CL11,CL13では、共振周波数fp*での極大点でのピーク値は、特性線CL12よりは大きくなることが理解される。
図4は、パラメータxに対する伝導ノイズのピーク値の減少量の変化のシミュレーション結果を示すグラフである。
図4では、プロットされる各点でのパラメータxについて、図3と同様のシミュレーションを実行したときの、共振周波数fp*の極大点でのピーク値の、特性線CL0の当該共振周波数での伝導ノイズ値に対する低減量を縦軸にプロットしている。
図4において、x=1.0で伝導ノイズ差が最大となっていないのは、コンデンサ82a,82bの寄生インダクタンスLx1,Lx2が存在することで、x=1.0にてLa・C1=Lb・C2を完全に満足できなかったことに起因する。仮に、寄生インダクタンスLx1及びLx2の影響が完全に無視できる場合には、x=1.0において伝導ノイズ差が最大となる。
パラメータxが1.0から大きく離れると、例えば、図4のシミュレーション結果では、x<0.76、及び、x>1.2の領域では、回路定数設定後の共振周波数(図2のfp*相当)における伝導ノイズが、特性線CL0よりも増加することが理解される。従って、図4のシミュレーション結果に照らすと、パラメータxについては、0.76≦x≦1.2の範囲内とすることが好ましい。
言い換えると、パラメータx、即ち、L2・C2に対するL1・C1の比は、電力変換回路150a,150bのノイズ特性に対応したキャパシタンスC1,C2の下での、共振周波数fp*における伝導ノイズが、回路定数調整前の並列共振周波数fp(図2)での伝導ノイズよりも減少する範囲に対応させて、x=1.0を含む予め定められた範囲内に設定することができる。
以上説明したように、実施の形態1に係る電気機器によれば、複数の電力変換回路が共通の入力電源と接続される構成において、複数の電力変換回路に対応した、ノイズフィルタ回路内のコンデンサのキャパシタンスと、配線等の寄生インダクタンスとについての上述の逆比に従った回路定数の設定により、高いノイズ低減効果を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、ノイズフィルタ回路25a,25bのコンデンサ82a,82bのキャパシタンスC1,C2が不一致の下でのノイズ低減効果を更に高める回路構成を説明する。
図5は、実施の形態2に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。
図5を参照して、実施の形態2に係る電気機器101では、相対的にキャパシタンスが小さいコンデンサを有するノイズフィルタ回路において、入力端子間に、抵抗素子86(抵抗値R1)がコンデンサと直列に接続される。
図5では、C1<C2のときの回路構成例が示される。従って、抵抗素子86は、ノイズフィルタ回路25aにおいて、入力端子80a,81a間にコンデンサ82aと直列に接続される。一方で、コンデンサ82b(キャパシタンスC2)を含むノイズフィルタ回路25bの構成は、実施の形態1(図1)と同様である。
抵抗素子86の抵抗値R1は、図6に示される簡易等価回路図に基づいて設定することができる。
図6は、電気機器101の入力電源10側に形成される共振回路の並列共振周波数fp(図2)における簡易等価回路図である。
図6を参照して、実施の形態1と同様に、L1>>L1x、かつ、L2>>L2xであるので、コンデンサ82a,82bの寄生インダクタンスLx1,Lx2は無視することができる。更に、C1<C2のときには、周波数上昇に伴って、寄生インダクタンスL2又はLx2の影響が支配的になることによりコンデンサ82b(C2)が先に容量性のふるまいを失う。このため、並列共振周波数fpでは、コンデンサ82aのキャパシタンスC1が容量性のふるまいを行う一方で、コンデンサ82bのキャパシタンスC2は、共振回路に対して容量として影響しない。
このため、簡易等価回路では、ノイズフィルタ回路25aにおいて、コンデンサ82a(C1)が容量として作用する一方で、配線70a,71aの寄生インダクタンスL1は共振回路上では無視できる。一方で、ノイズフィルタ回路25bでは、コンデンサ82b(C2)が容量として作用しない一方で、配線70a,71aの寄生インダクタンスL2が作用する。
図6の簡易等価回路において、入力電源10から見た合成インピーダンスz(ω)は、角各周波数ωの関数(ω=2π・f)として、下記の式(5)により示される。式(5)中において、Lb=2・L1である。
Figure 0006698975
式(5)の実数項及び虚数項に整理することにより、下記の式(6)が得られる。
Figure 0006698975
並列共振周波数fpに対応する角周波数ω(ω=2π・fp)において、z(ω)の虚数項はゼロとなり、実数項のみが残る。従って、式(6)の虚数項より、角周波数ωについて、下記の式(7)が成立することが理解される。
Figure 0006698975
式(7)を変形すると、下記の式(8)が得られる。
Figure 0006698975
更に、式(8)を変形することで、式(9)を得ることができる。
Figure 0006698975
式(9)において、Lb≦C1・R12のとき、ωが実数ではなくなるので並列共振が消滅することなる。従って、抵抗値R1について、下記の式(10)とすることで、図6の簡易等価回路において並列共振が消滅する。
Figure 0006698975
尚、式(10)は、抵抗値R1の下限値のみを規定する。一方で、R1が過大になるとコンデンサ82a(C1)によるノイズ低減効果が失われるため、この観点からの上限値を更に用いることで、抵抗値R1の適正値を定めることができる。
図7は、図5に示された電気機器101における図2と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。
図7を参照して、特性線CL0は、図2と同様であり、並列共振周波数fpに伝導ノイズの極大ピークが生じている。図7中の特性線CL2は、抵抗素子86が配置された電気機器102において、実施の形態1と同様に、2・L1・C1=2・L2・C2(即ち、L1・C1=L2・C2)としたときのシミュレーション結果である。
特性線CL2において、特性線CL0の並列共振周波数fpにおけるノイズ低減効果は、実施の形態1での特性線CL1と同様である。更に、実施の形態2では、新たに配置された抵抗素子86の抵抗値R1を式(10)に従って設定することにより、並列共振ピークを鈍らせることができる。これにより、伝導ノイズが極大となる並列共振ピークの大きさを、伝導ノイズが極小となる直列共振ピークの大きさより小さくすることができる。
この結果、実施の形態2に係る電気機器では、La・C1=Lb・C2(L1・C1=L2・C2)とする回路定数の設定により、並列共振周波数と直列共振周波数を一致させたときに、直列共振によるノイズ極小ピークが残存するようになる。従って、特性線CL2では、並列共振周波数fp、及び、直列共振周波数fs1及びfs2を一致させた後の共振周波数fp*において、図2のような極大ピークが残存していない。
図8は、図5に示された電気機器101における図3と同様のシミュレーション結果を示すグラフである。図8には、図3と同様のパラメータx(式(4))について、x=0.76、x=1.0、及び、x=1.2としたときの、特性線CL21〜CL23が示される。
図8を参照して、特性線CL21〜CL23のいずれについても、特性線CL0と比較すると、並列共振周波数fpでの伝導ノイズは、図3と同様に、30[dB]以上低減されている。
更に、実施の形態2では、パラメータxが1.0から離れる特性線CL21,CL23においても、抵抗素子86の配置によって並列共振ピークを鈍らせることにより、実施の形態1(図3)と比較して、共振周波数fp*におけるピーク値が抑制されることが理解される。
このように、実施の形態2に係る電気機器では、低容量のコンデンサを含むノイズフィルタに抵抗素子86を配置することによって、ノイズ低減効果を高めることが可能である。特に、実施の形態2では、実施の形態1と比較して、2・L1・C1=2・L2・C2(即ち、L1・C1=L2・C2)とする回路定数設定が厳密に実行できなくても、高いノイズ低減効果を得ることが可能である。
尚、以上では、C1<C2の場合を例示したが、反対に、コンデンサ82aのキャパシタンスC1の方が、コンデンサ82bのキャパシタンスC2よりも大きいとき(C1>C2)にも実施の形態2を適用することができる。この場合には、図5において、抵抗素子86は、ノイズフィルタ回路25bにおいて、入力端子80b,81b間にコンデンサ82bと直列に接続される。一方で、コンデンサ82aを含むノイズフィルタ回路25aの構成は、実施の形態1(図1)と同様とされる。又、式(10)において、インダンクタンスLbをLaに置換し、かつ、キャパシタンスC1をC2に置換することで、抵抗値R1の範囲を定めることができる。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。
図9を参照して、実施の形態3に係る電気機器102は、実施の形態1に係る電気機器100(図1)と比較して、ノイズフィルタ回路25a,25bが、調整用インダクタ87a,88a及び調整用インダクタ87b,88bをさらに備える点で異なる。電気機器102のその他の部分の構成は、電気機器100と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
ノイズフィルタ回路25aにおいて、調整用インダクタ87aは、配線70a又は71aに直列接続される態様で、コンデンサ82aよりも入力電源側に電気的に接続される。調整用インダクタ88aは、コンデンサ82aと直列接続される。ノイズフィルタ回路25aにおいて、調整用インダクタ87aは「第1の調整用インダクタ」の一実施例に対応し、調整用インダクタ88aは「第2の調整用インダクタ」の一実施例に対応する。
図9の構成では、調整用インダクタ87aのインダクタンスLa1及び調整用インダクタ88aのインダクタンスLxa1を用いると、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLa=2・L1+La1+Lxa1で示される。
同様に、ノイズフィルタ回路25bにおいて、調整用インダクタ87bは、配線70b又は71bに直列接続される態様で、コンデンサ82bよりも入力電源側に電気的に接続される。調整用インダクタ88bは、コンデンサ82bと直列接続される。ノイズフィルタ回路25bにおいて、調整用インダクタ87bは「第1の調整用インダクタ」の一実施例に対応し、調整用インダクタ88bは「第2の調整用インダクタ」の一実施例に対応する。
図9の構成では、調整用インダクタ87bのインダクタンスLb1及び調整用インダクタ88bのインダクタンスLxb1を用いると、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLb=2・L2+Lb1+Lxb1で示される。
この結果、実施の形態3の構成では、伝導ノイズが極大となる並列共振周波数と、伝導ノイズが極小となる直列共振周波数とが一致するための回路定数の設定条件である、La・C1=Lb・C2は、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bのインダクタンスを加味して、下記の式(11)で示される。
Figure 0006698975
上述のように、寄生インダクタンスL1及びL2は、配線70a,71a及び配線70b,71bの長さ等によってある程度調整可能ではあるが、高精度に調整することは一般的に困難である。或いは、レイアウト面等から配線70a,71a及び配線70b,71bの長さが制約を受ける可能性も想定される。このため、電力変換回路150a及び150bのノイズ特性に対応させて設定されたキャパシタンスC1及びC2に対して、寄生インダクタンスL1,L2の調整のみによって、伝導ノイズ低減のための回路定数設定(La・C1=Lb・C2)を実現することが困難となる(即ち、パラメータxの1.0からの乖離が大きくなる)虞がある。
これに対して、実施の形態3に係る電気機器によれば、調整用インダクタ87a,87b及び88a,88bの追加配置により、伝導ノイズ低減のための回路定数設定(La・C1=Lb・C2)をより高精度に実現すること、即ち、パラメータxを1.0に近付けることが容易となる。これにより、伝導ノイズの低減効果を高める構成を容易に実現することが可能となる。
尚、上述した式(10)の実現のために、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bの一部のみを配置する構成とすることも可能である。即ち、調整用インダクタ87a及び88aの一方のみを配置すること、或いは、調整用インダクタ87b及び88bの一方のみを配置することも可能である。又、ノイズフィルタ回路25a側及びノイズフィルタ回路25b側の一方のみに、調整用インダクタ87a及び88aの少なくとも一方、又は、調整用インダクタ87b及び88bの少なくとも一方を配置する構成とすることも可能である。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る電気機器103の構成例を説明する回路図である。
図10を参照して、実施の形態4に係る電気機器103は、実施の形態3に係る電気機器102(図9)の構成に加えて、ノイズフィルタ回路25aが、図5と同様の抵抗素子86(抵抗値R1)をさらに有する点で異なる。即ち、図10においても、ノイズフィルタ回路25a,25bの間でコンデンサ82a,82bのキャパシタンスは異なっており、図5と同様にC1<C2のときの回路構成例が示される。
このような構成とすることにより、実施の形態3と同様に、伝導ノイズが極大ピークとなる並列共振周波数と、極小ピークとなる直列共振周波数が一致するための条件La・C1=Lb・C2の実現が容易になるとともに、実施の形態2と同様に、抵抗素子86の配置により、並列共振ピークを鈍らせることができる。
従って、実施の形態4に係る電気機器によれば、実施の形態2及び3の効果の組み合わせにより、伝導ノイズの低減効果を更に高めることができる。尚、抵抗素子86の抵抗値R1の範囲については、式(10)において、Lb=2・L2+(Lb1+Lxb1)として算出することが可能である。
又、実施の形態4に係る電気機器103においても、実施の形態3で説明したように、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bの一部のみを配置する構成とすることも可能である。又、抵抗素子86についても、実施の形態2で説明したように、C2<C1の場合には、ノイズフィルタ回路25bにおいて、入力端子80b,81b間にコンデンサ82bと直列に接続される。
実施の形態5.
図11は、実施の形態5に係る電気機器の構成例を説明する回路図である。
図11を参照して、実施の形態4に係る電気機器104は、図1に示された電気機器100と比較して、ノイズフィルタ回路25a,25bの構成が異なる。具体的には、ノイズフィルタ回路25aにおいて、コモンモードチョークコイル85aは、入力端子80a及び81aと、コンデンサ82aとの間に接続され、コンデンサ82aは、コモンモードチョークコイル85a及び電力変換回路150aの間に接続される。同様に、ノイズフィルタ回路25bにおいて、コモンモードチョークコイル85bは、入力端子80b及び81bと、コンデンサ82bとの間に接続され、コンデンサ82bは、コモンモードチョークコイル85b及び電力変換回路150bの間に接続される。
図11の構成では、コモンモードチョークコイル85aをコンデンサ82aよりも入力電源側に接続することにより、電源入力ノードN0及びN1間にノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLaに、コモンモードチョークコイル85aの漏れインダクタンスLdm1が加えられる。この結果、図9では、La=2・L1+2・Ldm1となる。
同様に、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLbには、コモンモードチョークコイル85bの漏れインダクタンスLdm2が加えられる。この結果、図9では、Lb=2・L2+2・Ldm2となる。
従って、実施の形態3では、伝導ノイズが極大となる並列共振周波数と、伝導ノイズが極小となる直列共振周波数が一致するための回路定数の設定条件である、La・C1=Lb・C2は、コモンモードチョークコイル85a,85bの漏れインダクタンスLdm1,Ldm2を加味して、下記の式(12)で示される。
(L1+Ldm1)・C1=(L2+Ldm2)・C2 …(12)
このように、図11の回路構成では、コモンモードチョークコイル85a,85bをコンデンサ82a,82bよりも入力端子80a,80b側に接続することにより、ノーマルモードチョークとして機能する漏れインダクタンスLdm1,Ldm2を、伝導ノイズ低減のための回路定数設定La・C1=Lb・C2に組み入れることが可能となる。
この結果、実施の形態3に係る電気機器102では、漏れインダクタンスLdm1,Ldm2と、配線70a,71a及び配線70b,71bの長さの調整との組み合わせによって、伝導ノイズ低減のための回路定数設定(La・C1=Lb・C2)の実現性を向上することができる。
実施の形態5の変形例
図12は、実施の形態5の変形例に係る電気機器105の構成例を説明する回路図である。
図12を参照して、実施の形態5の変形例に係る電気機器105は、実施の形態5に係る電気機器104(図10)の構成に加えて、図9(実施の形態3)と同様の調整用インダクタ87a,88a及び調整用インダクタ87b,88bをさらに備える点、並びに、ノイズフィルタ回路25aが、図5(実施の形態2)と同様の抵抗素子86(抵抗値R1)をさらに有する点で異なる。即ち、図12においても、ノイズフィルタ回路25a,25bの間でコンデンサ82a,82bのキャパシタンスは異なっており、図5と同様にC1<C2のときの回路構成例が示される。
この結果、図12の回路構成では、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLa=2・L1+2・Ldm1+La1+Lxa1となる。同様に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLb=2・L2+2・Ldm2+Lb1+Lxb1となる。
この結果、実施の形態5の変形例では、実施の形態5と比較して、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bの追加配置により、伝導ノイズを低減するための回路定数の条件La・C1=Lb・C2の実現が更に容易になるとともに、抵抗素子86の配置により、並列共振ピークを鈍らせることができる。
尚、実施の形態5の変形例では、実施の形態5に対して、実施の形態2及び3の両方を組み合わせる構成例を説明したが、実施の形態2及び3の一方を実施の形態5と組み合わせることも可能である。又、これらの組み合わせにおいて、実施の形態3で説明したように、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bの一部のみを配置する構成とすることも可能である。更に、実施の形態2で説明したように、抵抗素子86については、C2<C1の場合には、ノイズフィルタ回路25bにおいて、入力端子80b,81b間にコンデンサ82bと直列に接続される。
実施の形態6.
実施の形態6では、電気機器が室外機及び室内機を備える空気調和機である場合の構成例を説明する。
図13は、実施の形態6に係る電気機器の第1の構成例を説明する回路図である。
図13を参照して、実施の形態6の第1の構成例に係る電気機器106は、入力電源10と電気的に接続されるプラグ11と、リレースイッチ200と、室内機300aと、室外機300bとを備える。
室内機300aは、実施の形態1と同様のノイズフィルタ回路25a及び電力変換回路150aを含む。室内機300aに内設された室内機受電部110aは、ノイズフィルタ回路25aと電気的に接続される。例えば、電力変換回路150aは、室内機のファンモータ(図示せず)に対して交流電力を供給する。
室外機300bは、実施の形態1と同様のノイズフィルタ回路25b及び電力変換回路150bを含む。室外機300bに内設された室外機受電部110bは、ノイズフィルタ回路25bと電気的に接続される。例えば、電力変換回路150bは、室外機の冷媒圧縮機(図示せず)の駆動モータに対して交流電力を供給する。
電気機器106では、室内機300aに内設された室内機受電部110aがプラグ11と電気的に接続される。室外機300bに内設された室外機受電部110bは、リレースイッチ200を経由して室内機受電部110aと接続されることによって、プラグ11と接続された入力電源10から給電される。電気機器106(空気調和機)の停止時には、リレースイッチ200をオフすることにより、漏洩電流の抑制が図られる。
図13の電気機器106では、ノイズフィルタ回路25a,25bにそれぞれ対応する室内機受電部110a及び室外機受電部110bが入力電源に対して段階的に接続される構成とすることで、電気機器106の「受電部」と、ノイズフィルタ回路25a及び25bのそれぞれとの間の配線長の差が大きくなることが理解される。
図13の構成では、プラグ11を介して入力電源と接続される室内機受電部110aが「受電部」に対応する。電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLb(Lb=2・L2)を構成する寄生インダクタンスL2には、室外機300b内の配線長による寄生インダクタンスに加えて、室内機受電部110a及び室外機受電部110bの間の配線長による寄生インダクタンスが含まれることになる。
一方で、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLa(La=2・L2)を構成する寄生インダクタンスL1は、室内機300a内の配線長による寄生インダクタンスによって形成される。
この結果、図13の電気機器106では、ノイズフィルタ回路25a側の寄生インダクタンスL1(インダクタンスLa)が、ノイズフィルタ回路25b側の寄生インダクタンスL2(インダクタンスLb)よりも小さくなり(L1<L2)、かつ、その差が比較的大きくなる。
従って、寄生インダクタンスL1及びL2の差を活用して、伝導ノイズが極大となる並列共振周波数と、伝導ノイズが極小となる直列共振周波数とが一致するための回路定数の設定条件である、La・C1=Lb・C2の実現を図ることができる。
即ち、図13の回路構成では、L2>L1によりLb>Laとなることを考慮すると、電力変換回路150a,150bのノイズ特性から、コンデンサ82a,82bについてC1>C2であるときに、調整用インダクタの追加配置を最小化して、La・C1=Lb・C2を確保することが可能となる。
図14は、実施の形態6に係る電気機器の第2の構成例を説明する回路図である。
図14を参照して、実施の形態6の第2の構成例に係る電気機器107は、図13に示された電気機器106と同様の、プラグ11と、リレースイッチ200と、室内機300aと、室外機300bとを備える。
電気機器107では、電気機器106(図13)とは反対に、室外機受電部110bがプラグ11と電気的に接続されるとともに、室内機受電部110aは、室外機受電部110bを介して、入力電源に対して段階的に接続される。これにより、電気機器107においても、「受電部」と、ノイズフィルタ回路25a及び25bのそれぞれとの間の配線長の差が大きくなる。
具体的には、図14の構成では、プラグ11を介して入力電源と接続される室外機受電部110bが「受電部」に対応する。電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25aを介して形成される経路のインダクタンスLa(La=2・L1)を構成する寄生インダクタンスL1には、室内機300a内の配線長による寄生インダクタンスに加えて、室外機受電部110b及び室内機受電部110aの間の配線長による寄生インダクタンスが含まれることになる。
一方で、電源入力ノードN0及びN1間に、ノイズフィルタ回路25bを介して形成される経路のインダクタンスLb(Lb=2・L2)を構成する寄生インダクタンスL2は、室外機300b内の配線長による寄生インダクタンスによって形成される。
この結果、図14の電気機器107では、ノイズフィルタ回路25b側の寄生インダクタンスL2(インダクタンスLb)が、ノイズフィルタ回路25a側の寄生インダクタンスL1(インダクタンスLa)よりも小さくなり(L2<L1)、かつ、その差が比較的大きくなる。
即ち、図14の回路構成では、L1>L2によりLa>Lbとなることを考慮すると、電力変換回路150a,150bのノイズ特性から、コンデンサ82a,82bについてC2>C1であるときに、調整用インダクタの追加配置を最小化して、La・C1=Lb・C2を確保することが可能となる。
このように、実施の形態6に係る電気機器では、ノイズフィルタ回路25a及び25bを段階的に入力電源と接続することによって生じた、配線の寄生インダクタンスの差を利用して、伝導ノイズを低減するための回路定数の条件La・C1=Lb・C2を容易に実現することが可能となる。
尚、実施の形態6及びその変形例に係る電気機器106,107に対して、実施の形態2で説明した抵抗素子86をコンデンサ82a又は82bと直列接続する構成、実施の形態3で説明した、調整用インダクタ87a,87b,88a,88bの少なくとも一部を追加配置する構成、並びに、実施の形態5で説明した、漏れインダクタンスLdm1,Ldm2を利用するようにコモンモードチョークコイル85a,85bを接続する構成の一部又は全部を組み合わせることも可能である。
又、本実施の形態では、2個の電力変換回路150a,150bが共通の受電部110(入力電源10)と接続される構成を説明したが、3個以上の電力変換回路が共通の受電部(入力電源)と接続される構成に対しても、本実施の形態を適用することが可能である。例えば、当該3個以上の電力変換回路のうちのノイズ発生量の多い2個の電力変換回路の間で、入力側のノイズフィルタ回路に関連する回路構成及び回路定数条件を実施の形態1〜6のいずれかと同様にすることができる。
以上で説明した複数の実施の形態について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不整合や矛盾が生じない範囲内で、各実施の形態で説明された構成を適宜組合わせることは出願当初から予定されている点についても、確認的に記載する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 入力電源、11 プラグ、25a,25b ノイズフィルタ回路、70a,70b,71a,71b 配線、80a,80b 入力端子、82a,82b コンデンサ、85a,85b コモンモードチョークコイル、86 抵抗素子、87a,87b,88a,88b 調整用インダクタ、100〜107 電気機器、110 受電部、110a 室内機受電部、110b 室外機受電部、150a,150b 電力変換回路、200 リレースイッチ、300a 室内機、300b 室外機、N0,N1 電源入力ノード、R1 抵抗値、fp 並列共振周波数、fp* 共振周波数(回路定数条件設定後)、fs1,fs2 直列共振周波数。

Claims (7)

  1. 入力電源と接続された第1及び第2の電源入力ノードを有する受電部と、
    スイッチング素子を含んで構成された第1及び第2の電力変換回路と、
    前記受電部及び前記第1の電力変換回路の間に電気的に接続される第1のノイズフィルタ回路と、
    前記受電部及び前記第2の電力変換回路の間に電気的に接続される第2のノイズフィルタ回路と、
    前記受電部及び前記第1のノイズフィルタ回路を電気的に接続する第1の配線と、
    前記受電部及び前記第2のノイズフィルタ回路を電気的に接続する第2の配線とを備え、
    前記第1のノイズフィルタ回路は、
    前記第1の配線と接続される1対の第1入力端子と、
    前記第1入力端子間に、前記第1の電力変換回路の入力電源側に対して並列接続された第1のコンデンサとを含み、
    前記第2のノイズフィルタ回路は、
    前記第2の配線と接続される1対の第2入力端子と、
    前記第2入力端子間に、前記第2の電力変換回路の入力電源側に対して並列接続された第2のコンデンサとを含み、
    前記第1及び第2の電源入力ノードの間に、前記第1の配線及び前記第1のノイズフィルタ回路を経由して形成される第1の経路の第1のインダクタンス、並びに、前記第2の配線及び前記第2のノイズフィルタ回路を経由して形成される第2の経路の第2のインダクタンスは、前記第2のインダクタンスに対する前記第1のインダクタンスの比が、前記第1のコンデンサの第1のキャパシタンスに対する前記第2のコンデンサの第2のキャパシタンスの比に従うように調整され、
    前記第1及び第2の電力変換回路のノイズ特性に対応してそれぞれ設定された前記第1及び第2のキャパシタンスは異なる値であり、
    前記第1の配線及び前記第2の配線は、前記第2の配線のインダクタンスに対する前記第1の配線のインダクタンスの比が、前記第1のキャパシタンスに対する前記第2のキャパシタンスの比に従うように調整される、電気機器。
  2. 前記第2のキャパシタンス及び前記第2の配線のインダクタンスの積に対する、前記第1のキャパシタンス及び前記第1の配線のインダクタンスの積の比が、1.0を含む所定範囲内となるように、前記第1及び第2のインダクタンスは調整される、請求項記載の電気機器。
  3. 前記第1のキャパシタンスは、前記第2のキャパシタンスよりも小さく、
    前記第1のノイズフィルタ回路は、
    前記第1入力端子間に、前記第1のコンデンサと直列に接続された抵抗素子をさらに含む、請求項1又は2に記載の電気機器。
  4. 前記第2のキャパシタンスは、前記第1のキャパシタンスよりも小さく、
    前記第2のノイズフィルタ回路は、
    前記第2入力端子間に、前記第2のコンデンサと直列に接続された抵抗素子をさらに含む、請求項1又は2に記載の電気機器。
  5. 前記第1及び第2のノイズフィルタ回路の少なくとも一方は、
    前記第1の配線に対して直列に接続される第1の調整用インダクタと、
    前記第1又は第2のコンデンサに対して直列に接続される第2の調整用インダクタとの少なくとも一方をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の電気機器。
  6. 前記第1及び第2のノイズフィルタ回路の各々は、
    前記第1入力端子又は前記第2入力端子と、前記第1又は第2のコンデンサとの間に接続されたコモンモードチョークコイルをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の電気機器。
  7. 前記受電部は、前記第1及び第2のノイズフィルタ回路にそれぞれ対応して2個設けられ、
    前記2個の受電部のうちの一方の受電部は、前記入力電源と接続された他方の受電部を経由して、前記入力電源と電気的に接続される、請求項1〜のいずれか1項に記載の電気機器。
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