JP6698530B2 - インビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための診断試薬 - Google Patents

インビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための診断試薬 Download PDF

Info

Publication number
JP6698530B2
JP6698530B2 JP2016539075A JP2016539075A JP6698530B2 JP 6698530 B2 JP6698530 B2 JP 6698530B2 JP 2016539075 A JP2016539075 A JP 2016539075A JP 2016539075 A JP2016539075 A JP 2016539075A JP 6698530 B2 JP6698530 B2 JP 6698530B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
tuberculosis
esat
composition according
immunogenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016539075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017503161A5 (ja
JP2017503161A (ja
Inventor
オーゴード,クラウス
ホフ,スレン,テーテンス
ローゼンクランツ,イーザ
アジェル,エルス,マリー
アンデルセン,ペーター,ラヴェツ
Original Assignee
スタテンス セールム インスティトゥート
スタテンス セールム インスティトゥート
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スタテンス セールム インスティトゥート, スタテンス セールム インスティトゥート filed Critical スタテンス セールム インスティトゥート
Publication of JP2017503161A publication Critical patent/JP2017503161A/ja
Publication of JP2017503161A5 publication Critical patent/JP2017503161A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6698530B2 publication Critical patent/JP6698530B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56911Bacteria
    • G01N33/5695Mycobacteria
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6893Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids related to diseases not provided for elsewhere
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/52Assays involving cytokines
    • G01N2333/521Chemokines
    • G01N2333/522Alpha-chemokines, e.g. NAP-2, ENA-78, GRO-alpha/MGSA/NAP-3, GRO-beta/MIP-2alpha, GRO-gamma/MIP-2beta, IP-10, GCP-2, MIG, PBSF, PF-4 or KC
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/52Assays involving cytokines
    • G01N2333/555Interferons [IFN]
    • G01N2333/57IFN-gamma
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2469/00Immunoassays for the detection of microorganisms
    • G01N2469/20Detection of antibodies in sample from host which are directed against antigens from microorganisms

Description

本発明は、ヒトまたは動物におけるインビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための、医薬的または診断試薬としての使用のための組成物を開示する。本発明は、特異性(偽陽性の量)を低下させることなく、既存の抗原の組合せと比較して感度を上昇させる(偽陰性を付与することが少ない)抗原の組合せに関する。特に、本発明は、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)感染を検出するための、登録商品において現在使用される早期分泌抗原標的(early secretory antigenic target)6kDa(ESAT−6)と呼ばれる抗原を含まない抗原組成物に関する。あるいは、新規診断または免疫原性組成物は、細胞が介在する診断の感度をさらに向上させるために、ESAT−6と組み合わせて使用することができる。
結核(TB)は、世界中で罹患および死亡の主要な原因となっている。4秒に1人がTBを発症し、20〜30秒ごとにこの疾患で死亡する者がいると推定される。これに加えて、世界人口のおよそ1/3が、TBの原因物質であるマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)(M.ツベルクローシス(M.tuberculosis))に潜伏感染している。
M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)に感染している免疫適格性の個体は一般に、活動性TB疾患を発症する生涯リスクが10%であり、このリスクは、例えば個体がHIVに同時感染しているか(Sonnenberg,2005)または糖尿病に罹患している(Young,2009)場合に劇的に上昇する。未処置のままで放置すると、活動性肺TBである者からそれぞれ年間10〜15人が感染する(World Health Organization Tuberculosis Fact Sheet No 104,2002)。したがって、活動性伝染性肺TBに対するM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染の進行を予防するために、感染の初期段階でM.ツベルクローシス(M.Tuberculosis)に感染した個体を検出できることは重要である。これは、診断後の可能な最初期の時点での予防的処置によって達成され得る。したがって、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染の迅速で正確な診断は、疾患を制御するための世界的な健康対策の重要な要素である。
M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を判定するための現在の診断アッセイは、培養、顕微鏡および関連患者物質のPCR、胸部X線、標準的なツベルクリン皮膚テスト(TST)およびインターフェロン−γ放出アッセイ(IGRA)を含む。最初の3つの方法は、活動性の伝染性TBを診断するために使用され、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)細菌の同定に基づき、したがって試料中の細菌の存在に依存する。これは、ある一定の細菌量および感染性物質へのアクセスが必要であり、したがって、この方法は、感染の早期診断に対して、すなわち臨床疾患の発症前には適切ではない。胸部X線は感度が高くなく、肺TBに対して、およびより進んだステージのTBを検出するためにしか適用可能ではない。
遅延型過敏反応(DTH)を示す標準的なツベルクリン皮膚テストは、曝露された個体におけるマイコバクテリア抗原の免疫学的認識に基づく単純で安価なアッセイである。しかし、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を検出することにおいて理想からほど遠い。これは、ワクチン亜系M.ボビス(M.bovis)カルメット・ゲラン桿菌(BCG)からおよび非結核性の環境マイコバクテリアからのタンパク質と一部が共有されるマイコバクテリア抗原の粗製の明確に定義されない混合物である、精製タンパク質誘導体(PPD)の皮内注射を使用する。PPDのこの広い交差反応性によって、TSTの特異性が低くなり、これは、BCGワクチン接種および非結核マイコバクテリアへの曝露が、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体で見られるものと同様のテスト結果を与えるという状況につながる。
M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染は強力な細胞性免疫(CMI)反応を媒介し、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対する特異的な反応の一部として生じる、免疫細胞およびこのような細胞由来の何らかの生成物の検出は、感染を検出するための適切な方法である(Andersen,2000)。このような特異的な反応を生じさせるために、試薬は、1)M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体によって広く認識され、2)M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)に特異的であり、それによってTB感染、BCGワクチン接種と非結核環境のマイコバクテリアへの曝露とが区別されなければならない。
M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)のゲノムは、4018オープン・リーディング・フレームを予測する(http://tuberculist.epfl.ch/、R27−March 2013にリリース)。しかし、これらのうちごく少数のみが、ヒトTB患者からの末梢血液単核細胞(PBMC)による強力で広い認識を有するT細胞抗原である。T細胞エピトープを予測するためのアルゴリズムが開発されたが、免疫優性抗原CFP10およびESAT−6を同定するために実験的検証は必須であった。M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)細胞外または培養ろ液(CF)タンパク質は、T細胞抗原が濃縮されたタンパク質分画を構成し(Andersen 1994)、二次元プロテオミクスに基づくアプローチによるCFタンパク質の分離によって、59個のヒトT細胞抗原の同定につながったが、この59個のうち35個が以前に記載されている(Deenadayalan,2010)。このリストは完全なものではない可能性があるものの、これは、およそ900個のCFタンパク質のうちごく少数のみが(Albrethsen,2013)T細胞抗原であることを強調する。論理的に、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)ゲノムからコードされる最も免疫優性な抗原が発現最大のサブセットであり、現在の技術を用いて、ある一定の増殖条件下で転写レベルに従い遺伝子をランク付けすることが可能であることが予想される。しかし、免疫原性に対して転写レベルがなす寄与は低く、これは、遺伝子が関連抗原をコードする正確な位置に体系的に使用することができない(Sidders,2008)。
非常に特異的な試薬候補は、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)ゲノムのRD領域(欠失の領域)からの抗原間で探索され得る。これらの領域は、病原性M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)株と比較すると、M.ボビス(M.bovis)BCGワクチン株からのゲノム欠失に相当する(Behr,1999)。したがって、理論上、これらの領域からのタンパク質(RDタンパク質)は、TB診断試薬として優れた候補であり、すなわち、これらは、それらのBCGワクチン状態または非病原性マイコバクテリア株への曝露とは無関係に、健康な非感染個体によって認識されるべきものではない。しかし、BCGから欠失される予想されるゲノムORFの(オープン・リーディング・フレーム)の全てのうち、タンパク質として実際に発現されるものはそれ自身公知ではなく、さらに免疫学的反応性は、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体からの感作リンパ球を用いて試験されるまでは未知のままである。これは、PBMCの再刺激によって、またはPPD/マントゥーテストが行われるのと同様に皮膚に物質を注射することによって、例えば、全血アッセイにおいて行われ得る。例えばRv3872の評価から、診断から1〜4カ月後に被験ヒトTB患者(n=7)において低インターフェロンγ(IFN−γ)反応が示され(国際公開第99/24577号パンフレット)、これは、このRDタンパク質が頻繁には認識されず、したがってCMIに基づく診断テストに対してRv3872がさらに追跡されなかったことを明らかにする。
例えばEspCタンパク質(Rv3615c)がヒトTB患者およびM.ボビス(M.bovis)感染ウシで特異的に認識され、遺伝子がBCGに存在する場合でもBCGワクチン接種/感染では認識されないので、可能性のある特異的なM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)タンパク質はRDタンパク質に限定されない(国際公開第2009060184号パンフレット;Sidders,2008;Millington,2011)。Rv3615cの分泌は、部分的にRD1遺伝子座に位置し、BCGに存在しないESX−1分泌系に依存するので、BCGワクチン接種個体での反応の欠如は、おそらくRv3615cの分泌がBCGにおいて消失しているからであると思われる。この抗原は、同等で強力なIFN−γ反応を誘導するESAT−6およびCFP10と同程度に強力と考えられるCMI診断試薬である(同書)。
特異的である可能性があるT細胞抗原が同定された場合、その抗原が、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体において特異的に認識され、BCGワクチン接種者では認識されないことを確認すべきである。RD1からのRv3873の場合、そのタンパク質は、他のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)タンパク質にも存在するアミノ酸118〜135において保存的モチーフがあるタンパク質ファミリーのメンバーであったと思われた。広く認識されるT細胞エピトープがこのモチーフに存在するので、BCGワクチン接種個体はまた、この配列にわたるペプチドにも反応した(Liu,2004)。しかし、他の既知のマイコバクテリアタンパク質の配列と比較することによって相同性が検出されなかったにもかかわらず、Rv3878およびRv3879cに対して交差反応性も観察され(Liu,2004)、これにより、可能性のある診断候補の特異性を実験的に立証する必要があることが強調される。同様にして、BLASTアルゴリズムでのデータベース検索から、観察された交差反応性を説明し得る明白なマイコバクテリアタンパク質が全く明らかにならなかったにもかかわらず、BCGワクチン接種ドナーおよびTB患者の両方においてRD13からのRv2653cが認識された(Aagaard,2004)。
CMIに基づくアッセイによるM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染の診断に対する可能性があるM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)特異的タンパク質が同定されているが、このようなタンパク質/ペプチドのプールが診断テストに対して所望の感度を提供する場合、まだ調べるべきことが残っている。ある抗原が、既に定義されている診断抗原と組み合わせた後に、感度をどの程度増大させるかを予想することは不可能であり;これは、各抗原に対して、好ましくは異なる遺伝学的背景を有する世界中の様々な地域からのTB患者において、実験的に評価しなければならない。
CFP10(Rv3874)、ESAT−6(Rv3875)、RD1領域からの2個の低分子タンパク質およびTB7.7(Rv2654)の診断可能性は非常によく実証されており(Brock,2004;Moon,2013,国際公開第2004099771号パンフレット)、ヒトでの使用に対して登録されている様々な診断試薬において現在使用されている。T−SPOT(登録商標)では、CFP10およびESAT−6をカバーするペプチドを使用する。TBテストは、ESAT−6およびCFP10で再刺激されたPBMCで見出されるT細胞の免疫反応を検出する細胞性血液試験である。この反応は、ELISPOTと呼ばれる非常に感度の高い酵素結合免疫スポット法によって検出され、T−SPOT.TBテストとして市販されている。このテストは、非常に感度が高く、BCGワクチン接種状況に依存しない。M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染の検出のための別の登録済みテストは、QuantiFERON(登録商標)−TB Goldであり、これは、ESAT−6、CFP10をカバーするペプチドおよびTB7.7からの単一ペプチドでの再刺激時に全血試料中で免疫反応の検出を可能にするインビトロ診断技術である。これらのテストの両方とも、選択された特異的な抗原ペプチドプールでの曝露に反応したインターフェロン−γ(IFN−γ)の産生を測定し、現時点で最先端であると考えられる。T−SPOT.TBおよびQuantiFERON(登録商標)−TB Goldテストは、合わせてIFN−γ放出アッセイ(IGRA)として認識されている。
IFN−γ以外の他のサイトカインおよびケモカインも、マイコバクテリア抗原に対する免疫学的反応を監視する際に適用可能性を示している。IFN−γ誘導性タンパク質(IP−10)は、IFN−γと比較して100倍高いレベルで発現され、IP−10の分泌に基づく診断アッセイは、IFN−γ放出アッセイと同等な診断性能を示している(Ruhwald,2009)。
ヒトでの使用に対して既に登録されおり、世界中で使用されているこれらのインビトロテストに加えて、ESAT−6およびCFP10も、皮膚テスト試薬として有効であることが証明されている。臨床研究から、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を診断するために、PPDと同じであるが、組み換えタンパク質として産生され、送達されるESAT−6およびCFP10を用いて適用される皮膚テストを使用することができ、BCGワクチン接種状況により影響を受けないことが示されている(Aggerbeck,2013)。
BCGおよびIGRAを含むいくつかの診断法が広く使用されているにもかかわらず、TBは、年間ほぼ200万人を死に追いやり続けており、感度が改善された免疫診断テストを開発することが必要とされ続けている。免疫無防備状態の患者は、TBを発症するリスクがより高く、残念ながらTSTおよびIGRAの両方とも、現在の形態では、これらの群において性能は次善のものである。試験の改善を最も必要とする患者群としては、HIV感染患者、免疫介在性の炎症性疾患がある患者、免疫抑制的な薬物療法を受けている患者(例えばプレドニゾロンまたはTNF−α阻害剤)および慢性腎不全がある患者が挙げられる。例えばHIV感染者において、CD4細胞数が少ないこと(例えば<250個の細胞/μL)は、テスト結果の不確定率が高くなること、活動性TBに対するテスト感度が低下することおよび曝露個体における陽性テスト反応に対する可能性が低下することと強い関連があることがよく知られており、(Redelman−Sidi,2013)で概説される。
標的とされる検査に対する別の非常に適切な群は小児である。小児における潜伏TB感染(LTBI)およびTBの診断は困難であり、感染の微生物学的確認が得られないことが多く、処置は臨床症状のみによって指示される。活動性および推定潜伏感染の低年齢小児の両者とも、免疫系が未熟であり、これによりサイトカイン放出がより低くなり、IGRAの性能が損なわれると思われる。最近、QuantiFERON(著作権)−TB Goldテストは、微生物学的にTBが確認された81名の小児中で感度が53%であることが示されたが、このことから、小児でのM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対する免疫診断テストの改善の必要性が裏付けられる(Schopfer,2013)。
上述の高リスク患者群(例えば免疫抑制状態、HIV感染、小児)におけるIGRAテスト性能に関する中心的問題は、TB疾患のリスク上昇を突き進める基本的な免疫抑制性状態が、それ自体、抗原への反応における低CMI反応および低IFN−γ放出を特徴とすることである。IGRAの結果は、カットオフに対するIFN−γ放出の大きさの比較に基づいて決定されるので、IFN−γ放出が損なわれることによって偽陰性となるテスト結果のリスクが上昇する。したがって、より特異的な抗原を含むことによって、より特異的なT細胞が動員され、その結果、CMI反応およびIFN−γ放出増強が起こり、結果として反応がカットオフを下回るリスクが低くなることは熟練者にとって明らかである。したがって、さらなる特異的抗原を添加することは、診断感度改善によるIGRAテストにおける大きな制限に対処するものである。
より大きい反応に基づいてM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)の感染を診断することから得られる別の利点は、分析的な精度の改善であり、テスト結果の信頼性がより高くなることである。QuantiFERON(登録商標)−TB Goldテストにおいて、陽性テストに対するカットオフは0.35IU/mLまたは17.5pg/mLであり、ELISAのような高感度の方法でさえも高い精度で決定することが困難な非常に低い濃度である。例えば、現在までのIGRAの最大の精度試験から、同じ患者試料の再テストにおいてQuantiFERON−TB Gold In−Tubeによって測定されるTB反応がかなり変動することが分かった。個体内での変動性には、最初の反応が0.25〜0.80IU/mLであった場合に、何れかの方向で最大0.24IU/mLの差異が含まれた。このことから、0.59IU/mL未満の陽性QuantiFERON TB Gold In−Tubeテストの結果は慎重に解釈すべきであるという結論に至った(Metcalfe AJRCCM 2012)。
モデリング研究から、新規のワクチンなく、TBを排除することはできず、新規およびより有効なワクチンが国際的な優先順位であることが示唆される。全体的な考え方は、現在のBCGワクチンにブースターサブユニットワクチンを追加するか、またはBCGに取って代わるように新規TB生ワクチンを作製するというものである。臨床開発において実験的ワクチンの数が増加しており、ESAT−6が必須のワクチン抗原と思われるというコンセンサスが新たに出現してきている。したがって、現在前臨床レベルまたは臨床試験中の新規ワクチンの多くはESAT−6を含有する。最近、Aeras Foundationは、既にTBに潜伏感染している者において活動性TB疾患の発症を予防するために設計されたESAT−6含有ワクチンのヒト初回投与試験を発表した(Aagaard,2011)。いくつかの生ワクチン候補がまた、ESAT−6、例えばrBCG:GE(Yang,2011)、rM.S−e6c10(Zhang,2010)、サルモネラ(Salmonella)/Ag85B−ESAT−6(Hall,2009)、rBCG−A(N)−E−A(C)(Xu,2009)またはESAT−6例えばH1を組み込む融合タンパク質(van Dissel,2010;van Dissel,2011)を発現させるために直接的に組み換えにより改変されている。残念ながら、IGRAテストおよびESAT−6含有ワクチンによるワクチン接種におけるESAT−6に基づく診断の使用は、TSTおよびBCGの平行使用に付随する交差反応問題のまさにその繰り返しである。
結果的に、両BCGおよびESAT−6含有ワクチンと平行して使用することができる特異的な診断試薬が非常に必要とされる。インビボまたはインビトロアッセイを用いて、試薬は、ヒトおよび動物において、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を検出することおよび、TB感染とBCGまたは新規ESAT−6含有ワクチンでのワクチン接種との間だけでなく、非病原性の環境のマイコバクテリアへの曝露も区別することが可能であるべきである。診断試薬は、ESAT−6、CFP10の現在の組合せと、および一部の診断アッセイTB7.7において、少なくとも同じ感度を有するべきである。
欧州特許第2417456号明細書は、CFP−10と一緒にRv3615cを使用するような系によって、ESAT−6/CFP−10の組合せと非常に近い診断感度がもたらされることを記載する。
ESAT−6の固有の特徴は免疫原性が高いことであり、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に特異的であるので、ESAT−6を単一抗原で置き換えることによって、様々な集団群で試験した場合、ESATと比較して感度が上昇しないと思われる。これは例えば、Brockらによって、TB患者において14〜43%の単一抗原の認識を示し、対してESAT−6が同じ患者群の75%で反応を生じさせることが明らかにされている。抗原の殆どがESAT−6と比較して免疫原性がより低いとすると、大きな反応および診断感度の改善のために抗原のプールが必要とされる可能性がより高い。
例示されるように、抗原の組合せの感度および特異性を予想することは単純ではなく;むしろ、これは、特異的な抗原の組合せの詳細な設計を必要とする。これに加えて、診断プール中のペプチド数を増加させることによって、偽陽性数を増加させることによりさらに特異性を低下させるリスクを導入し、このことから、TBの特異的な診断のための診断または免疫原性組成物が慎重に選択され、試験される必要があることが強調される。
したがって、ヒトまたは動物におけるM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)による感染の、インビボまたはインビトロでの細胞が介在する免疫学的診断の改善が緊急に必要とされる。抗原の組合せは、特異性(偽陽性の量)を損なうことなく、既存の抗原の組合せと比較して、感度を上昇させる(偽陰性がより低くなる)ことが必要とされる。必要とされる抗原の組合せの改善は、ESAT−6を含むワクチンが導入される場合の状況を見込むためのESAT−6抗原を含まない両抗原組成物および現在の最新の診断試薬を改善するためのESAT−6を含む抗原の組合せに関する。
発明者らのデータから、診断可能性がある3個の新規抗原由来のペプチドを添加することによって、CFP10/ESAT6およびCFP10/Rv3615の組合せがさらに改善され得ることが明らかになる。この新規の知見は2つの理由により予想外である。
a)TBゲノム上の抗原の殆ど(>99%)が非特異的であり、様々なマイコバクテリア種の間で共有されているので、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)に対して特異的である強力に認識される抗原を同定することは非常に困難である。
b)CFP10/RV3615cおよびCFP10/ESAT6の診断組合せの感度が既に非常に高いので、感度をまたさらに向上させることは、非特異的な反応ゆえに次第に困難になる。
したがって、本発明は、CFP10/RV3615cの組合せだけでなくESAT6を含む現在の診断カクテルの感度も上昇させることが可能であり、特異性を損なわないペプチドを記載するので、非常に有望である。
本発明は、TB複合体(M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)、M.ボビス(M.bovis)、M.アフリカヌム(M.africanum))の種により引き起こされる感染検出の改善およびTB感染とワクチン接種との間の区別に関する。改善診断組成物によって、1)新規ESAT−6含有TBワクチン、2)BCGまたは3)非病原性の環境のマイコバクテリアへの曝露の何れからの抗原効果も妨害されてはならない。本発明は、診断または免疫原性組成物の改善を開示し、これらは、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対する細胞反応を検出するためにインビボまたはインビトロの何れかで使用することができ、それによってTBを診断するために使用することができる。抗原のカクテルもしくはプールまたはこれらの抗原をカバーするペプチドのカクテルもしくはプールを使用することによって、発明者らは、診断免疫原性組成物中にESAT−6がないにもかかわらず、テストを非常に高感度にした。さらに、発明者らは、現在使用されるESAT−6を含む診断免疫原性組成物をさらに改善した。
図1は、100pg/mLのIFN−γのカットオフに基づく、エジプトからの34名のボランティアドナーにおける免疫認識を示すヒートマップ。2例は、潜伏TB(対象1および2)であり、32例がTB疾患と診断された(対象3〜34)。白色コードは反応がないことを示し、灰色コードは反応を示し、黒色はESAT−6またはCFP10の何れにも反応なしでの、ある抗原への反応を示す。 図2は、50pg/mLのIFN−γのカットオフに基づく、グリーンランドからの31名のボランティアドナーにおけるにおける免疫認識を示すヒートマップ。14名がTBと診断され(対象1〜14)および17名が潜伏TB(対象15〜31)であった。白色コードは反応がないことを示し、灰色コードは反応を示し、黒色はESAT−6またはCFP10の何れにも反応なしでの、ある抗原への反応を示す。 図3は、100pg/mLのIFN−γのカットオフに基づく、エジプトからの30名の感染浸淫地域の対照ドナーにおける免疫認識を示すヒートマップ。全ドナーがBCGワクチン接種を受けており、TB疾患の病歴またはTB患者との既知の接触がなかった。ドナーは、中等度感染浸淫国とみなされるエジプトで生活していたので、「感染浸淫地域の対照」として定義した。白色コードは反応がないことを示し、灰色コードは反応を示す。調べた抗原は全て、非特異的抗原刺激の例として含まれたPPDと対照的に、非常に特異的であった。ドナー31および77は両者とも、広い範囲のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原を認識し、このことから、言及した選択基準にもかかわらず、潜伏感染が示される。 図4は、Quantiferonペプチドプール(ESAT−6、CFP10、Rv2654c(ペプチド4))に対する、およびエジプトからの73名のTB患者におけるペプチドプールAに対するIP−10反応。点線は、Quantiferon抗原に対する6ng/mLの、およびペプチドプールAに対する5.5ng/mLの中間値反応を示す。 図5は、Quantiferonペプチドプール(ESAT−6、CFP10、Rv2654c(ペプチド4))に対する、およびデンマークからの100名のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)非曝露個体におけるペプチドプールAに対する、IP−10反応。点線は、両抗原プールに対する0ng/mLの中間値反応を示す。これはペプチドプール全体の高い特異性(偽陽性は少数)を示し、このことから、各ペプチドが高い特異性を有することが示される。 図6は、Quantiferonペプチドプール(ESAT−6、CFP10、Rv2654c(ペプチド4))およびペプチドプールAに対する、デンマークからの100名のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)非曝露個体におけるIFN−γ反応。点線は、ペプチドプールAに対する0pg/mLの、およびQuantiferon抗原に対する4.9pg/mLの中間値反応を示す。これはペプチドプール全体の高い特異性(偽陽性は少数)を示し、このことから、各ペプチドが高い特異性を有することが示される。 図7は、100名のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)非曝露個体および73名のTB患者における、Quantiferon抗原に対するペプチドプールAの診断可能性を比較する受信者動作特性(ROC)曲線分析。これはペプチドプール全体の高い特異性(偽陽性は少数)を示し、このことから、各ペプチドが高い特異性を有することが示される。 図8は、68例の微生物学的に確認されたTB患者およびタンザニアからの36名の感染浸淫地域の対照における、Quantiferonペプチドプール(ESAT−6、CFP10およびRv2654c)に対する、およびペプチドプールAに対するIP−10(ng/mL)反応。 図9は、エジプト、カイロからのTBが確認された73名の患者における、ペプチドプールAおよびESAT−6について濃縮されたペプチドプールAに対するIP−10(ng/mL)反応。この線は中間値を示す。
この診断法は、感染中のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)(または結核菌群からの他のマイコバクテリア)細菌によって発現される抗原の細胞性免疫学的(CMI)認識に基づく。したがって、このテストは、従来の培養、顕微鏡およびPCR法のように細菌の存在を必要としない。これは、感染期の初期にこのテストを適用することができること、およびこのテストが感染の解剖学的位置にかかわりなく適用可能であることを意味する。本方法は、現在使用されるTSTに対する代替物として、接触者追跡において理想的である。
理論的診断可能性があるM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)特異的な抗原を選択し、一連のヒトTB患者において認識を試験することによって、発明者らは、3つの診断プールを同定することができ、これらのプールは、1)ESAT−6を欠いており、それにより、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染とワクチン接種とを区別するためにESAT−6ワクチン接種個体でも使用することができ、2)ESAT−6含有診断プールと同じ高い特異性を示し、3)ESAT−6、CFP10およびTB7.7の組合せによって得られるものよりも優れている、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対する感度を呈した。
本発明は、
a)Rv3874(配列番号1)、Rv3615(配列番号2)、ならびにRv3865(配列番号3)、Rv2348(配列番号4)、Rv3614(配列番号5)、Rv2654(配列番号6)およびRv3877(配列番号7)から選択されるさらなる組成物;
またはb)前記ポリペプチドの断片の混合物;
またはc)ポリペプチドまたは前記ポリペプチドの断片の選択される混合物が、a)またはb)での選択からのポリペプチドの何れかに対して少なくとも80%の配列同一性を有し、同時に免疫原性であるもの
から選択されるアミノ酸配列から構成される実質的に純粋なポリペプチドの混合物を含む診断または免疫原性組成物を開示する。
ヒトの使用に対してESAT−6含有ワクチンが登録されないであろう状況下で、ESAT−6含有ワクチンが使用されていない領域で、および他の状況下、例えば診断テストの感度をさらに上昇させるために、上記で開示される診断または免疫原性組成物の何れかにESAT−6(配列番号51)またはその1つ以上の断片を追加することができる。
好ましい診断組成物は、Rv3874、Rv3615および任意選択によりESAT−6の免疫原性エピトープを含む断片の混合物を含み、ここで配列番号1の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号9〜14から選択され、配列番号2の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号15〜18または配列番号59〜63から選択され、配列番号51の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号52〜58から選択され、ここで配列番号3の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号19〜21から選択され、配列番号4の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号22〜25から選択され、配列番号5の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号26〜45から選択され、ここで配列番号6の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号8であり、配列番号7の免疫原性エピトープを含む断片が配列番号46〜50から選択される。
本診断または免疫原性組成物におけるポリペプチドは、個々のものとして存在し得るかまたはポリペプチドの一部もしくは全てが任意選択によりリンカーまたはスペーサーを介して融合させられる。
好ましい診断または免疫原性組成物は、ペプチドプールAとして実施例で言及される、配列番号9〜14、配列番号15〜18、配列番号19〜21および配列番号22〜25の、プールまたは混合物を含む。
好ましいポリペプチドおよび前記ポリペプチドの断片の詳細な説明:
CFP10(配列番号1)は、主要なESX−1タンパク質である。CFP10のアミノ酸配列全体をカバーする次の6個のペプチドを選択した(配列番号9〜14)。
Rv3615c(配列番号2)は、ESX−1系により分泌されるタンパク質である。アミノ酸55〜103をカバーする4個のペプチドを選択した(配列番号15〜18)。Rv3615のC末端部をカバーする代替的ペプチドは、アミノ酸配列、配列番号59〜63を有する5ペプチドであった。
Rv3865(配列番号3)は、ESX−1分泌関連タンパク質であり:アミノ酸9〜44をカバーする3個のペプチドを選択した(配列番号19〜21)。
Rv2348c(配列番号4)は、BCGにおいて存在しないことが示されているRD7領域に位置する:全長タンパク質配列のアミノ酸56〜109をカバーする4個のペプチドを選択した(配列番号22〜25)。
Rv3614c(配列番号5)は、分泌型タンパク質である:配列全体をカバーする20個のペプチドを選択した(配列番号26〜45)。
Rv2654c(配列番号6))は、RD11領域によりコードされる、機能が未知のタンパク質である:ペプチド4を選択した(配列番号8)。
Rv3877(配列番号7)はRD1領域に位置し、BCGには存在しない:全長タンパク質(511aa)においてアミノ酸220〜284をカバーする5個のペプチドを選択した(配列番号46〜50)。
ESAT−6(Rv3875;配列番号51)は主要なESX−1タンパク質である。配列全体をカバーする7個のペプチドを選択した(配列番号52〜58)。
本発明は、病原性マイコバクテリアによって、例えばM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)またはマイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)によって引き起こされるTBの診断のための医薬組成物の調製のための診断または免疫原性組成物の使用および、TBのインビトロまたはインビボ診断のための上述の診断または免疫原性組成物を含むCMI診断ツールまたはキットをさらに開示する。
本発明はまた、ヒトを含む動物において、上述の診断または免疫原性組成物を使用して、病原性マイコバクテリアによって、例えばM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)またはマイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)によって引き起こされるTBを診断するインビトロおよびインビボ法も開示する。
TBを診断するインビボ法は、ヒトを含め、動物における、上記で定められるような医薬組成物の皮内注射を含み、注射部位での陽性皮膚反応は、動物がTBを有することを示し、注射部位での陰性皮膚反応は動物がTBを有しないことを示す。
TBを診断するインビトロ法は、陽性反応、例えば細胞増殖またはIFN−γなどのサイトカイン放出を検出するために、試料、例えば血液試料を本発明による診断または免疫原性組成物と接触させることを含む。
本発明診断または免疫原性組成物は、確立されたIGRAテストにおいて現在使用されている組成物に取って代わり得る(TB.SPOT(登録商標)TBテストにおけるCFP10/Rv3874およびESAT−6/Rv3875およびQuantiFERON(登録商標)−TB GoldにおけるTB7.7/Rv2654c、CFP10/Rv3874およびESAT−6/Rv3875。
本方法は、TB.SPOT(登録商標)TBテストにおけるCFP10/Rv3874およびESAT−6/Rv3875およびQuantiFERON(登録商標)−TB GoldにおけるTB7.7/Rv2654c、CFP10/Rv3874およびESAT−6/Rv3875と比較して次の改善点をさらに保持する。
ESAT−6を含むサブユニットタンパク質ワクチンまたはESAT−6を発現するように改変されているかまたは本来的に発現する組み換え生ワクチンなど、ESAT−6含有ワクチンで個体がワクチン接種されている場合、本組成物はESAT−6の使用を回避し、結果的に依然としてM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に特異的である。これは、TB.SPOT(登録商標).TBテストにおけるCFP10およびESAT−6およびQuantiFERON(登録商標)−TB GoldまたはESAT−6に基づく何らかの他のテストにおけるTB7.7、CFP10およびESAT−6には当てはまらない。
ESAT−6含有組成物は、CMIに基づくM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)テストで使用されている。与えられるテストは、ESAT−6の使用を回避し得、2個以上のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)特異的抗原を用いることから幅広い認識が得られるという長所がある。発明者らのテストにおいて、発明者らは、Quantiferon抗原を用いた74%の感度および96%の特異性と比較して、CFP10、Rv3615c、Rv3865およびRv2348(ペプチドプールA)の組合せにより87%の感度および98%の特異性を得る。したがって、非常に高感度な抗原であり、高い割合のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体によって認識されることが知られているESAT−6の欠如にもかかわらず、本明細書中で試験した組成物は、ESAT−6に基づき、IGRAアッセイで現在使用されている周知の組成物と比較して、>10%高い感度率を得る。
本明細書中で、発明者らはまた、CFP10、Rv3615c、Rv3865およびRv2348からなるペプチドプールにESAT−6を添加することによって、発明者らが診断性能をさらに改善できることを示すデータも提示する。ESAT−6を指定のペプチドプールに添加することによって、発明者らは、様々な免疫抑制性の合併症、例えばHIVを有する個体での診断に、または例えば小児での使用に適切であり得る反応の大きさを向上させることができる。また、全5個の抗原(CFP10、ESAT−6、Rv3865、Rv2348およびRv3615c)からのペプチドの組合せを使用することによって、発明者らは、CFP10、Rv3615c、Rv2348およびRv3865単独のプールを有する場合と比較して、TB診断が確認されている患者の頻度を3%上昇させることができた。
本発明はまた、TBの診断のためのインビボテストも開示する。これは、上述の組成物を用いた、ヒトを含む動物における皮膚テストの方式であり得る。皮膚テストは:動物において皮内注射するかまたは例えばパッチもしくは絆創膏で動物の皮膚に本発明の組成物を適用することである。注射または適用部位での陽性皮膚テスト反応は、動物またはヒトがTBであることを示し、注射または適用部位での陰性皮膚反応は動物がTBを有しないことを示す。
免疫反応を惹起するには6〜9アミノ酸(T細胞エピトープ)のみの配列で十分であるが全長タンパク質も有用であるので、本発明のペプチドプールがタンパク質をそれらの全長で含む必要はない。タンパク質に埋め込まれるT細胞エピトープに対する正確かつ最小のアミノ酸配列を決定することは当業者にとって可能なので、本発明はまた、全長タンパク質のように特異的なさらなるアミノ酸なく前記T細胞エピトープ(またはそれに対する類似体)を含むポリペプチドの断片(免疫原性部分)および前記T細胞エピトープ(任意選択によりリンカーまたはスペーサーを介してカップリング)を含む融合タンパク質、およびこのようなポリペプチドまたは融合タンパク質を含むカクテルまたはプールにも関する。
本発明のさらなる実施形態は、実施例および特許請求の範囲に記載する。
定義
ポリペプチド
「ポリペプチド」という語は、本発明において、その通常の意味を有するものとする。これは、全長タンパク質を含む、何らかの長さのアミノ酸鎖、オリゴペプチド、短いペプチドおよびその断片であり、ここでアミノ酸残基は、共有ペプチド結合により連結される。本ポリペプチドは、グリコシル化されることによって、脂質付加されることによって、例えばMowatら(Mowat,1991)に記載のようなパルミトイルオキシスクシンイミドでの、もしくは(Lustig,1976)により記載のようなドデカノイルクロリドでの化学的脂質付加によって、または補欠分子族を含むことによって、または例えばhisタグもしくはシグナルペプチドなどのさらなるアミノ酸を含有することによって、化学的に修飾され得る。
したがって、各ポリペプチドは、特異的なアミノ酸を特徴とし、特異的な核酸配列によってコードされ得る。このような配列は、組み換えまたは合成法により作製される類似体および変異体を含み、このようなポリペプチド配列は、組み換えポリペプチドにおいて1つ以上のアミノ酸残基の置換、挿入、付加または欠失により修飾されており、本明細書中に記載の生物学的アッセイの何れにおいても免疫原性のままであると理解されよう。置換は好ましくは「保存的」である。これらは次の表に従い定義される。2列目の同じブロックにおける、好ましくは3列目の同じ行におけるアミノ酸は、互いに置換され得る。3列目中のアミノ酸は一文字コードで示される。
Figure 0006698530
本発明内の好ましいポリペプチドは、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)からの免疫原性抗原の断片である。このような抗原は、例えばM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)細胞および/またはM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)培養ろ液由来であり得る。したがって、上記抗原の1つの免疫原性部分を含むポリペプチドは、全体的に免疫原性部分からなり得るか、またはさらなる配列を含有し得る。さらなる配列は、ネイティブM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原由来であり得るか、または異種であり得、このような配列は免疫原性であり得るがその必要はない。
本発明の関連において、「実質的に純粋なポリペプチド断片」という用語は、最大10重量%の、元来付随する他のポリペプチド物質を含有するポリペプチド標品を意味する(他のポリペプチド物質はより低いパーセントであることが好ましく、例えば最大で4%、最大で3%、最大で2%および最大で1)。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも96%純粋であること、すなわちそのポリペプチドが標品中に存在する総ポリペプチド物質の少なくとも96重量%を構成し、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.25%、少なくとも99.5%および少なくとも99.75%など、より高いパーセントが好ましい。ポリペプチド断片が「基本的に純粋な形態」であること、すなわちポリペプチド断片が、元来付随する他の抗原を基本的に含まないこと、すなわち結核菌群に属する細菌または病原性細菌からの他の抗原を一切含まないことが特に好ましい。これは、以下で詳述するような非マイコバクテリア宿主細胞での組み換え法によってポリペプチド断片を調製することによって、または固相もしくは液相ペプチド合成の周知の方法により、例えば(Merrifield 1963)により記載される方法もしくはその変法によりポリペプチド断片を合成することによって遂行し得る。
「結核」(TB)は、動物において、またはヒトにおいてTB感染および疾患を引き起こすことが可能な結核菌群からの病原性細菌によって引き起こされる感染と理解される。病原性マイコバクテリアの例は、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)、M.アフリカヌム(M.africanum)およびM.ボビス(M.bovis)である。関連動物の例は、ウシ、フクロネズミ、アナグマおよびカンガルーである。
「TB患者」は、培養または顕微鏡的に証明された病原性マイコバクテリアによる感染がある個体および/または臨床的にTBと診断された、および抗TB化学療法に反応性がある個体と理解される。TBの培養、顕微鏡および臨床診断は当業者にとって周知である。
「遅延型の過敏反応」(DTH)という用語は、ポリペプチドの皮膚への注射または皮膚への適用後に誘発されるT細胞介在性の炎症反応と理解され、前記炎症反応は、ポリペプチド注射または適用から72〜96時間後に出現する。
「サイトカイン」という用語は、免疫学的反応の指標として使用され得るインターロイキンおよびインターフェロンなどの何らかの免疫調節剤と理解される。これは、例えば、CXCL10または「IP−10」およびインターロイキン2(IL−2)としても知られる、インターフェロン−ガンマ「IFN−γ」、インターフェロンγ誘導性タンパク質10を含む。
本願にわたり、文脈から別段の要求がない限り、「含む(comprise)」という語または「含む(comprises)」もしくは「含むこと(comprising)」などのその変形物は、述べられる要素もしくは整数または要素もしくは整数群を含むが、何らかの他の要素もしくは整数または要素もしくは整数群を排除しないものと理解される。
配列同一性
「配列同一性」という用語は、長さが等しい2個のアミノ酸配列間の、または長さが等しい2個のヌクレオチド配列間の相同性の度合いの定量的な目安を示す。比較しようとする2個の配列は、ギャップを挿入して、またはあるいはタンパク質配列の末端での短縮化によって、できる限り最良の可能な一致に対してアライメントしなければならない。配列同一性は、
Figure 0006698530
として計算することができ、式中、Ndifは、アライメントした場合の2個の配列における非同一残基の総数であり、Nrefは、配列の一方における残基の数である。ゆえに、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATC(Ndif=2およびNref=8)で75%の配列同一性を有する。具体的な残基の非同一なものとしてギャップを数え、すなわちDNA配列AGTGTCは、DNA配列AGTCAGTC(Ndif=2およびNref=8)で75%の配列同一性を有する。あるいは配列同一性は、BLASTプログラム、例えばBLASTPプログラム(Pearson,1988)(www.ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLAST)によって計算することができる。本発明のある態様において、http://www2.ebi.ac.uk/clustalw/で利用可能なThompsonら(Thompson,1994)により記載のような初期設定パラメーターを用いて、配列アライメント法ClustalWでアライメントを行う。
配列同一性の好ましい最終パーセンテージは、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%および少なくとも99.5%である。
免疫原性エピトープ
ポリペプチドの免疫原性エピトープはそのポリペプチドの一部であり、動物またはヒトにおいておよび/または生体試料中で免疫反応を誘発し、これは本明細書中に記載の生物学的アッセイの何れかにより決定される。ポリペプチドの免疫原性エピトープは、T細胞エピトープまたはB細胞エピトープであり得る。免疫原性エピトープは、ポリペプチドの1または数個の比較的小さな部分と関連し得、これらは、ポリペプチド配列にわたり全体的に散在し得るか、またはポリペプチドの特異的な部分に位置し得る。数個のポリペプチドに対して、エピトープは、配列全体をカバーするポリペプチド全体にわたり分散することも明らかになっている(Ravn,1999)。
免疫反応中に認識される関連があるT細胞エピトープを同定するために、「総当たり的」方法を使用することが可能である:T細胞エピトープは直鎖状であるので、ポリペプチドの欠失突然変異体は、体系的に構築される場合、例えばこれらの欠失突然変異体を例えば本明細書中に記載のIFN−γアッセイに供することによって、免疫認識において必須であるのはどのポリペプチド領域かを明らかにする。別の方法は、MHCクラスIIエピトープの検出のために、好ましくは合成の、本ポリペプチド由来の例えば20アミノ酸残基の長さを有する重複ペプチドを利用する。生物学的アッセイ(例えば本明細書中で記載のようなIFN−γアッセイ)においてこれらのペプチドを試験することができ、これらの一部が、ペプチド中のT細胞エピトープの存在に対する証拠として、陽性反応(および、それによって免疫原性)となる。MHCクラスIエピトープの検出の場合、結合するペプチドを予想し(Stryhn,1996)、その後、これらのペプチド合成物を生成させ、関連がある生物学的アッセイ、例えば本明細書中に記載のようなIFN−γアッセイにおいてそれらを試験することが可能である。ペプチドは、好ましくは本ポリペプチド由来の例えば8〜11アミノ酸残基の長さを有する。
T細胞エピトープの最小長は少なくとも6アミノ酸であることが示されているにもかかわらず、このようなエピトープがより長く伸びているアミノ酸から構成されることは普通である。ゆえに、本発明のポリペプチド断片の長さが少なくとも7アミノ酸残基、例えば少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも24および少なくとも30アミノ酸残基であることが好ましい。ゆえに、本発明の方法の重要な実施形態において、ポリペプチド断片の長さが最長で50アミノ酸残基、例えば最長で40、35、30、25および20アミノ酸残基であることが好ましい。10〜30アミノ酸残基の長さを有するペプチドは、MHCクラスIIエピトープとして最も効率的であることが判明すると予想され、したがって本発明の方法で使用されるポリペプチド断片の特に好ましい長さは、18、例えば15、14、13、12などおよびさらには11アミノ酸残基である。7〜12アミノ酸残基の長さを有するペプチドは、MHCクラスIエピトープとして最も効率的であることが判明すると予想され、したがって本発明の方法で使用されるポリペプチド断片の特に好ましい長さは、11、例えば10、9、8などおよびさらには7アミノ酸残基である。
免疫原性エピトープを含むポリペプチドの免疫原性部分(免疫原性エピトープを含む断片)は、異型遺伝子性のヒト集団の幅広い部分(高頻度)によって、または少数の部分(低頻度)によって認識され得る。さらに一部の免疫原性部分は、高い免疫学的反応(ドミナント)を誘導し、一方で他のものが誘導する反応はより低いが、なお著しい反応(サブドミナント)である。高頻度><低頻度は、広く分布するMHC分子(HLA型)に、または複数のMHC分子によっても結合する、免疫原性部分に関連し得る(Sinigaglia,1988;Kilgus,1991)。前記ポリペプチドからの免疫原性エピトープを含む断片は、少なくとも10アミノ酸長の重複ペプチドとして存在し得、それによりいくつかのエピトープに及ぶ。
変異体
本発明の組成物のポリペプチドの共通する特性は、それらが実施例で説明されるように免疫学的反応を誘発することができることである。置換、挿入、付加または欠失により作製される本発明のポリペプチドの変異体も免疫原性であり、これは本明細書中に記載のアッセイの何れかにより決定されることが理解される。
免疫個体
免疫個体は、病原性マイコバクテリアによる感染が排除されているかまたは制御されているかまたはM.ボビス(M.bovis)BCGでのワクチン接種を受けている人間または動物として定義される。
免疫原性
免疫原性ポリペプチドは、現在または以前に病原性マイコバクテリアに感染している生体試料または個体中で免疫反応を誘導するポリペプチドとして定義される。免疫原性ポリペプチドは、抗原または抗原性ポリペプチドと同義であり、この2つの用語、免疫原および抗原は、この開示において区別なく使用され;抗原に対する厳密な定義は、TまたはB細胞受容体に特異的に結合することができることであり、免疫原に対する厳密な定義は、免疫反応を引き起こすことができることであるが、診断の場合には、この2つの用語の効果は同じであり、ゆえに本明細書中で無差別に使用される。
CMI診断
免疫反応は次の方法のうち1つによって監視され得る:インビトロCMI反応は、現在または以前に病原性マイコバクテリアに感染している動物またはヒトから採取されるリンパ球からの関連サイトカイン、例えばIFN−γなどの放出によって、またはこれらのT細胞の増殖の検出によって、決定される。誘導は、ウェルあたり好ましくは1×10個の細胞〜1×10個の細胞を含む血液細胞の懸濁液に免疫原性組成物を添加することによって行われる。細胞は、血液、脾臓、肝臓または肺の何れかから単離され、免疫原性組成物の添加の結果、例えば1〜200μg/mL懸濁液の濃度となり、刺激は、2〜5日間行われる。細胞増殖を監視するために、細胞に放射性標識化チミジンを瞬間適用し、温置から16〜22時間後、液体シンチレーション測定または何らかの他の方法によって増殖を検出して、増殖反応を検出する。IFN−γの放出は、当業者にとって周知のELISA法によって決定することができる。IL−2、IL−12、TNF−α、IL−4、TGF−β、IP−10、MIP−1β、MCP−1、IL−1RAおよびMIGなど、ポリペプチドに対する免疫学的反応を監視する場合、IFN−γ以外の他のサイトカインおよびケモカインが適切であり得る。サイトカイン(例えばIFN−γ)の存在を判定するための別のおよびより高感度の方法はELISPOT法であり、ここで例えば血液から単離される細胞を好ましくは1〜4×10個の細胞/mLの濃度に希釈し、診断または免疫原性組成物の存在下で18〜22時間温置し、その結果、好ましくは1〜200μg/mLの濃度となる。その後、細胞懸濁液を1〜2×10/mLに希釈し、抗IFN−γで被覆されたポリビニリデンフルオリド膜マイクロタイタープレートに移し、好ましくは4〜16時間温置する。IFN−γ産生細胞は、標識二次抗IFN−γ抗体およびスポットを生じさせる適切な基質の使用によって判定し、解剖顕微鏡を用いて数え上げることができる。FluoroSpotアッセイはELISPOTアッセイの改変法であり、同じアッセイで2種のサイトカインをスポットすることを可能にする複数の蛍光抗サイトカインを用いることに基づき、これはIL−2およびIFN−γ同時判定に対して以下に記載のような疾患リスク予想を改善できる可能性がある。ラテラルフロー技術を用いて、サイトカインまたはケモカイン反応の存在を判定することも可能である。迅速妊娠検査から周知であるこのタイプのアッセイによって、放出されるサイトカインまたはケモカインのレベルの迅速検出が可能になり、非常に制約がある設定でも感染および疾患の診断が可能になる。比濁法などの比色分析アッセイを含む他の免疫アッセイは当業者にとって周知であり、サイトカインまたはケモカインレベルのハイスループット検出のために使用することができる。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術の使用によって関連サイトカインをコードするmRNAの存在を判定する可能性でもある。mRNAレベルでのサイトカインまたはケモカインの検出は通常、mRNA転写がタンパク質合成に先行するので、タンパク質レベルでの検出よりも速い。例えば、サイトカインIFN−γおよびケモカインIP−10のmRNAレベルは、タンパク質レベルと比較して、より短い温置時間で最適となる。mRNAレベルで検出されるサイトカインおよびケモカインシグナルは、刺激から2時間という早い時間で行い得、6〜10時間で最大レベルに到達する。通常、例えばPCR、ラテラルフロー、ELISPOTまたはELISAを利用して1種以上のサイトカインを測定する。当業者にとって当然のことながら、特異的なポリペプチドにより誘導されるこれらのサイトカインの何れかの量の顕著な増加または減少は、ポリペプチドの免疫学的活性の評価で使用することができる。また、熟練者は、ある一定のパターンのサイトカイン放出が、ある一定の臨床状態と関連することを認めるであろう。特にIL−2に対するIFN−γの優位性は、初発の活動性TB疾患の兆候として示唆されており、一方でIFN−γに対するIL−2の優位性は、テストに供される哺乳動物において感染が存在するものの、感染制御およびTB疾患発症低リスクを示唆する(Biselli,2010;Sester,2011)。
インビトロCMI反応は、IL−7および/またはIL−15などのサイトカインの添加によって増大し得、また放出増大は、IL−10、IL−4、IL−5および/またはIL−13などの阻害性物質を阻止することによっても行い得る。インビトロ培養条件が刺激を受ける細胞にとって最適である場合、同様のCMI反応をより確実に検出することができる。このような条件は、例えば単糖および複合糖類の形態で栄養を添加することによって促進することができる。
単純であり、さらに感度が高い方法は、単核細胞を予め単離しない全血試料の使用である。この方法を用いて、50〜1000mLの量においてヘパリン添加全血試料(赤血球を予め溶解させるかまたは溶解させない)および温置は、本発明の診断または免疫原性組成物とともに18時間〜6日間行い、その結果、好ましくは1〜200μg/mL懸濁液の濃度となる。上清を回収し、IFN−γ(または何らかの他の関連がある放出サイトカイン、例えばIP−10、IL−2など)の放出は、当業者にとって周知のELISA法によって判定することができる。
CMI反応を判定するための別の単純でさらに感度が高いインビトロ法は、温置後に、診断または免疫原性組成物とともに、ろ紙、例えばWhatman 903またはWhatman FTA紙上に試料をスポット添加することによる。乾燥後、スポット添加した試料を安定化させ、後の段階で試料中のサイトカインおよびケモカインレベルを検出することができる。CMI反応は、タンパク質またはmRNA測定に対して上述の技術で容易に検出される。この方法は、低リソース設定またはハイスループット試料調製および分析に対して特に適切である。
別のインビトロ法は、ヘパリンおよび/または栄養素などの血液安定化剤も任意選択により添加される、免疫原性ポリペプチドまたはその融合タンパク質で予め被覆されたバキュテナー血液回収チューブを含む。予め被覆された温置チューブによって血液回収が単純になり、インビトロ温置のための試料を調製する際の血液由来の感染への曝露のリスクがなくなる。このようなバキュテナーチューブは、ハイスループット処理および自動化に理想的である。
したがって、本発明はまた、動物またはヒトにおいて病原性マイコバクテリアによる進行中のまたは以前の感作を診断するためのインビトロ法であり、本方法は、動物またはヒトからの血液試料を提供し、本発明のポリペプチドまたは組成物と動物からの試料を接触させることを含み、血液試料中の単核細胞による少なくとも1種のサイトカインの細胞外フェーズへの顕著な放出が、動物が感作されていることを示す、方法にも関する。陽性反応は、TB診断+2標準偏差がない患者由来の血液試料からの放出を超える反応である。
インビトロCMI反応はまた、生マイコバクテリア、細菌細胞からの抽出物またはIL−2を添加した10〜20日にわたる培養ろ液の何れかでT細胞株が推進されている、免疫個体またはM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染者由来のT細胞株の使用によっても決定され得る。誘導は、例えば1×10個の細胞〜3×10個の細胞/ウェルを含有するT細胞株への、好ましくは1〜200μgポリペプチド/mL懸濁液の添加によって行われ、2〜6日間温置を行う。IFN−γの誘導または別の関連サイトカインの放出はELISAによって検出される。上記のように放射活性標識チミジンを用いて細胞増殖を検出することによって、T細胞の刺激を監視することもできる。両アッセイに対して、陽性反応は、バックグラウンド+2標準偏差を超える反応である。
インビボCMI反応(例えば皮膚テスト、経皮皮膚テスト、パッチ皮膚テスト)は、本発明の診断または免疫原性組成物において、病原性マイコバクテリアに臨床的にまたは無症候性に感染している個体に対する、好ましくは1〜200μgの各ポリペプチドでの皮内注射または局所適用パッチ後の陽性DTH反応として決定され得、陽性反応は、注射または適用から72〜96時間後に直径が少なくとも5mmとなる。
診断精度およびカットオフ
いかなる診断テストの感度も、テストにより正確に同定または診断される陽性反応個体の割合を定め、例えばある状態にある個体全てが陽性テストを有する場合、感度は100%である。あるスクリーニングテストの特異性は、テストによって正確に同定または診断される、症状がない個体の割合を反映し、例えば状態がない個体全てが陰性のテスト結果となる場合、100%特異的である。
感度は、本発明の記載方法によって(例えば陽性IFN−γテスト結果を有する)、正確に診断される、ある状態(例えば活動性TB感染)にある個体の割合として定められる。
本明細書中での特異性は、本発明の記載される方法によって(例えば陰性IFN−γテスト結果を有する)、正確に同定される、ある状態がない(例えば活動性TB感染に曝露されていない)個体の割合として定義される。
受信者操作特性
診断テストの精度は、その受信者操作特性(ROC)によってより詳細に説明される(Zweig,1993)。ROCグラフは、観察されるデータの範囲全体にわたり識別閾値を連続的に変動させることから得られる感度/特異性ペアの全てのプロットである。
検査室検査の臨床成績は、その診断精度または臨床的に関連があるサブグループに対象を正確に分類できることに依存する。診断精度は、そのテストが、検査される対象の2つの異なる状態を正確に区別できることの目安である。このような状態は、例えば健康および疾患、潜伏または最近の感染対非感染または良性対悪性疾患である。
各例において、ROCプロットは、識別閾値の全範囲に対する、感度対1−特異性をプロットすることによって2つの分配間の重複を示す。y軸は感度または真陽性分率である[(真陽性のテスト結果数)(真陽性の数+偽陰性のテスト結果数として定義]。これはまた、疾患または状態の存在下において陽性とも呼ばれる。これは専ら罹患サブグループから計算される。x軸は、偽陽性分率または1−特異性である[(偽陽性の結果数)/(真陰性数+偽陽性の結果数)として定義]。これはまた、特異性の指標でもあり、完全に非罹患サブグループから計算される。
真および偽陽性分率は完全に個別に、2個の異なるサブグループからのテスト結果を用いることによって計算されるので、ROCプロットは、試料中の疾患の有病率とは独立している。ROCプロット上の各点は、特定の識別閾値に対応する感度/−特異性ペアを表す。完全な鑑別(結果の2つの分布において重複なし)があるテストは、左上隅を通過するROCプロットを有し、真陽性分率は1.0または100%(完全な感度)であり、偽陽性分率は0(完全な特異性)である。鑑別なしのテストに対する理論的プロット(2群に対する結果分布が同一)は、左下隅から左上隅への45°対角線である。殆どのプロットは、これらの2つの両端の間に入る。(ROCプロットが45°対角線より下に完全に入る場合、「陽性」に対する基準を「より大きい」から「より小さい」に、または「より小さい」から「より大きい」に逆転することによってこれは容易に矯正される。定性的に、プロットが左上隅に近いほど、テストの全体的精度が高くなる。
検査室テストの診断精度を定量するためのある1つの都合の良い目標は、1つの数によってその性能を表すことである。最も一般的で包括的な目安は、ROCプロット下面積である。慣習により、この面積は常に>0.5である(そうでない場合、そうなるように判定規則を逆転することができる)。値は、1.0(2群のテスト値が完全に分離)〜0.5(テスト値の2群間での明白な分布の相違なし)の範囲である。面積は、対角線に最も近い点または90%特異性での感度などのプロットの特定の部分にのみ依存するものではなく、プロット全体にも依存する。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1.0)にどの程度近いかの定量的な記載的表現である。
新規抗原プールの臨床的有用性は、ある感染に対する他の診断ツールと比較して、およびこれと組み合わせて、評価し得る。M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)による感染の場合、CMI結果の臨床的有用性は、IGRAまたは受信者動作曲線分析を用いたTSTなどの確立された診断テストと比較して評価し得る。
調製方法
一般に、様々な手順のうち何れか1つを用いて、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原およびこのような抗原をコードするDNA配列を調製し得る。
これらは、上記のものなどの手順によって、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)細胞または培養ろ液からのネイティブタンパク質として精製し得る。免疫原性抗原は、抗原をコードするDNA配列を用いて、組み換えによっても作製し得、この抗原は、発現ベクターに挿入されており、適切な宿主中で発現される。宿主細胞の例はE.コリ(E.coli)である。約100アミノ酸より少ない、一般的には50アミノ酸より少ないポリペプチドまたはその免疫原性部分はまた、合成によっても作製することができ、伸長しているアミノ酸鎖にアミノ酸を連続的に付加する、市販の固相技術など、当業者にとって周知の技術を用いて作製し得る。
ポリペプチドをコードするプラスミドDNAの構築および調製において、E.コリ(E.coli)などの宿主株を使用することができる。次いで、関心のあるプラスミドを保有する宿主株の一晩培養物からプラスミドDNAを調製し、例えば内毒素除去段階を含むQiagen Giga−プラスミドカラムキット(Qiagen,Santa Clarita,CA,USA)を用いて精製することができる。
融合タンパク質
個別のものであることを除き、2つ以上の免疫原性ポリペプチドは融合タンパク質としても作製され得、この方法によって本発明のポリペプチドの優れた特徴を達成することができる。例えば、組み換え作製される場合にポリペプチドの輸送を促進する融合パートナー、ポリペプチドの精製を促進する融合パートナーおよび本発明のポリペプチド断片の免疫原性を促進する融合パートナーは全て興味深い可能性である。したがって、本発明はまた、少なくとも2つ(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10または10を超えるなど)のポリペプチドまたは上記で定められる免疫原性断片および任意選択により少なくとも1つのさらなる融合パートナーを含む融合ポリペプチド、ならびに融合タンパク質を含む組成物にも関係する。融合パートナーは、免疫原性を促進するために、ESAT−6、TB10.4、CFP10、RD1−ORF2、Rv1036、MPB64、MPT64、Ag85A、Ag85B(MPT59)、MPB59、Ag85C、19kDaリポタンパク質、MPT32およびアルファ−クリスタリンなど、結核菌群に属する細菌由来のポリペプチド断片または上述の抗原の何れかの少なくとも1つのT細胞エピトープなどの、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)由来の別のポリペプチドであり得る(国際公開第0179274号パンフレット;同第01041519号パンフレット;(Nagai,1991;Rosenkrands,1998;Skjot,2000)。本発明はまた、本発明のポリペプチド(またはその免疫原性部分)の2つ以上(例えば3、4、5、6、7、8、9、10または10を超えるなど)の相互融合を含む融合ポリペプチドにも関係する。
[実施例]
実施例1.抗原の初回選択
TBの免疫診断のために選択されたT細胞抗原は、BCGでのワクチン接種および最も流行性の非定型マイコバクテリアからの干渉を回避するために、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対して特異的であるべきである。同時に、TBに対する新規ワクチンの多くにおいてESAT−6が存在することを考えると、ESAT−6を回避することは重要である。上記背景技術のように、発明者らは、理論的な考察、実際のテスト実施および数百個の可能性のある抗原の文献検索に基づく、詳細で厳密なダウン・セレクション(down−selection)過程を通じて、さらなるテストのために9個以下のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原を選択した。これらは次のとおりである。
CFP10(Rv3874)。10kDa培養ろ液抗原は、ESAT−6とともに、IFN−γ放出アッセイ(IGRA)によるM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染に対する現在の細胞に基づく診断血液テストの基礎である。CFP10は、免疫優性M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原およびCFP10およびESAT−6の診断特異性は、リージョン・オブ・ディファレンス1(region of difference 1(RD1))でのそれらのゲノムの位置により生じ、この領域は全BCG株に存在せず(Behr,1999)、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)の病態に関与する。ESX−1分泌経路のコンポーネントをコードする遺伝子もRD1に位置する。インターフェロン−γアッセイ研究の観点で、TB患者において61〜71%のCFP10に対する感度が報告された(Pai,2004)。ESAT−6とは対照的に、CFP10は、評価中の現在のワクチン候補の何れの一部でもない。
Rv3877。CFP10に関して、Rv3877遺伝子は、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)染色体上のRD1領域に位置し、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)ゲノムの他の場所には近いホモローグはない。本タンパク質は、M.ボビス(M.bovis)BCGまたは環境性マイコバクテリアM.アビウム(M.avium)には存在せず、したがって、可能性のある以前のBCGワクチン接種からの干渉またはM.アビウム(M.avium)などの環境性マイコバクテリア、への強い曝露なく、特異的なM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)診断に対して使用することができる。Rv3877は、膜貫通タンパク質であり、ESX−1基質が分泌される孔を形成するので、ESX−1分泌の重要なコンポーネントである(Abdallah,2007)。Rv3877タンパク質をカバーする合成ペプチドのプールは、ヒトTB患者から単離されたPBMCの33%による陽性反応を誘導した(Mustafa,2008)。
Rv3614cおよびRv3615c。espA−espC−espD(Rv3616c−Rv3615c−Rv3614c)遺伝子クラスターはESX−1依存性タンパク質分泌およびM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)毒性(Fortune,2005;MacGurn,2005)に必須であり、3個の遺伝子が同時転写されることが最近明らかになった(Chen,2012)。Rv3616cおよびRv3615cはESAT−6およびCFP10と同時分泌され(Fortune,2005;MacGurn,2005)、一方でRv3614c分泌は、ESX−1機能を必要とするとは限らない(Chen,2012)。ウシにおいて、Rv3615cのM.ボビス(M.bovis)対応物Mb3645cは、M.ボビス(M.bovis)感染動物の37%においてIFN−γ反応を刺激したが、ナイーブおよびBCG−ワクチン接種動物では刺激しなかった(Sidders,2008)。Mb3645cおよびRv3615cは100%アミノ酸同一性を示す。ウシにおいて、Mb3645cタンパク質のC末端部分(アミノ酸57〜103)は、最も免疫原性が高かった(Sidders,2008)。ヒトにおいて、TB症例を認識し、BCGワクチン接種において反応が低い、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)特異的なT細胞に基づく免疫診断に対する可能性のある候補としてRv3615cも同定された(Millington,2011)。活動性TBの患者において、最も頻繁に認識されるペプチドは、分子のC末端部分(アミノ酸66〜90)に位置した。Rv3615cをコードする遺伝子がBCGに存在するにもかかわらず、Rv3615cタンパク質は、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体において特異的に認識されるが、BCGワクチン接種者での認識は限定的である。
EspF(Rv3865)。Ewerら(Ewer,2006)によって、実験的にまたは自然にM.ボビス(M.bovis)に感染したウシにおいて有望な診断マーカーとして、ESX−1分泌関連タンパク質EspFタンパク質またはM.ボビス(M.bovis)Mb3895(M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)からのRv3865と同一)が同定された。実験的感染ウシの50パーセントはMb3895ペプチドプールに反応し、一方でBCGワクチン接種した仔牛はこのペプチドプールに反応しなかった。
Rv2348c。Rv2348cは、機能未知の仮説的なタンパク質である。Rv2348c遺伝子はRD7領域に位置する。この領域は、BCGにはないことが示されており(Behr,1999)、したがって以前のBCGワクチン接種からの干渉なく、TB診断のために本タンパク質を使用できる。この遺伝子はインビトロで高い割合で転写され(Arnvig,2011)、タンパク質がプロテオーム研究において同定された(de Souza,2011)。Rv2348cORF(オープン・リーディング・フレーム)におけるアミノ酸断片23〜50は、M.アビウム(M.avium)遺伝子Mav_2040と非常に高い相同性を有する。
Rv3873。Rv3873のアミノ酸配列から、アミノ酸12〜70をカバーする領域が重複ペプチドによってカバーされた。評価したいくつかのRDペプチドプールの中で、Rv3873Aと呼ばれる、Rv3873ペプチドのこのプールが、TB患者からのPBMCの46%により認識される最も有望なプールの1つとして同定された(Brock,2004)。可能性のある交差反応区画は、分子のこの部分に存在しなかった。
Rv3878。上記でRv3873に対して記載されるように、このRD1タンパク質のアミノ酸122〜189をカバーする、Rv3878Bと名付けられたペプチドプールを定め、評価した。ヒトTB患者からのPBMCの32%によってこれが認識され、感度を最大にするためにESAT−6およびCFP10と組み合わせ得るペプチドカクテルまたはプールとして示唆された(Brock,2004)。
Rv2654c。Rv2654c遺伝子はRD11領域によりコードされ、機能未知である、可能性のあるPhiRv2プロファージタンパク質をコードする。Rv2654cのタンパク質産物全体(TB7.7と呼ばれる)をカバーする重複ペプチドをスクリーニングすることによって、Brockらは、BCG−ワクチン接種個体において交差認識を見出さず、さらに47%の感度を示した(Brock,2004)。選択されたペプチド(配列番号8)はQuantiFERON(登録商標)TB Goldテストに含まれる。
Figure 0006698530
実施例2.抗原の選択
エジプトおよびグリーンランドの2回の独立した試験において、TB患者または潜伏感染個体における認識について上記テキストで列挙される抗原のうち7個を試験した。両試験において、比較物およびベンチマーク抗原としてESAT−6(Rv3875)も含まれた。さらに、非特異的抗原刺激の例として、エジプトにおいてPPDが含まれた。
概説したような抗原からの選択ペプチドで新鮮試料採取した希釈全血を再刺激し、ESAT−6およびCFP10のペプチドプールに対する反応がベンチマークとして含まれた。
エジプトでの試験において、陽性対照として34名のボランティアドナー(女性8名および男性26名)が含まれた。これらのうち32名が、陽性痰培養物が明らかになったTB疾患として診断された(対象3〜34)。2例が潜伏TB(対象1および2)であった。さらに、30名の感染浸淫地域の陰性対照ドナー(女性5名および男性25名)が含まれた。これらは、全てBCGワクチン接種が推定され、TB疾患の病歴はなく、TB患者との既知の接触はなかった。グリーンランドでの試験において、31名の対象が含まれた(女性15名および男性16名)。14名がTB疾患と診断され(対象1〜14);11例で陽性痰培養物が明らかになり、4例で臨床の立場でTB診断が行われた。残りの17名の対象は潜伏TBであった(対象15〜31)。
両実験において、選択された抗原(各ペプチド10μg/mL)が入ったプレート上で新鮮試料採取した希釈全血を刺激した。両試験において、抗原ESAT−6、CFP10、Rv3873、Rv3878、Rv3615c、Rv3865、Rv3877およびRv2348からの合成ペプチド(Genecustより入手)をスクリーニングし、陽性(PHA)および陰性(培地のみ)対照および(エジプトのみ)PPDも含まれた(図示せず)。希釈全血を37℃で5日間温置し、続いて上清を回収し、社内ELISAによって(IFN−γ)について試験した。これらの試験における陽性反応は、エジプトおよびグリーンランド試験に対して、それぞれ、IFN−γ濃度が100または50pg/mLであるものとして定義した。
図1、2および3は、データをグラフで表現(ヒートマップ)したものであり、含有される個々の値が、反応を示さない場合は白色で表され、灰色はある抗原に対して反応があることを示し、黒色は、同じドナーがESAT−6および/またはCFP10に反応せずに、ある抗原に対して反応することを表す。示されるように、テスト抗原のうちいくつかは、TB患者または潜伏感染ドナーにおいて認識され、最も主要な反応はRv3615cによる刺激由来である(ドナーの49%において認識)。重要なこととして、ESAT−6のみが、CFP10での刺激時に認識されない3名の患者を認識し(図1の患者番号9および17および図2の患者番号3)、このうちRv3615は、全3名の患者を認識可能である。さらに、Rv3615cによる再刺激は、ESAT−6およびCFP10により認識されない、それぞれ11名および9名のドナーにおいて認識を示した。対照的に、これらの抗原のうち2つは非常に限られた数のドナーにおいて認識され;Rv3873は65名のドナーのうち僅か2名で認識され、Rv3878は65名のドナーのうち7名で認識された。したがって、感度が中程度であるデンマークおよびオランダからのTB患者でのこれらの抗原における以前のデータにもかかわらず(Rv3873はRv3878に対して32%、およびRv3873に対して46%(Brock,2004)、本明細書中で得たデータは、全ての抗原が、全ての設定において高感度で働くとは予想されないことを強調する。Rv3865、Rv3877およびRv2348は中程度の感度を示し、65名のドナーのうち16名、12名および15名で認識された。重要なこととして、抗原、Rv3615c、Rv3865およびRv2348は全て、ESAT−6および/またはCFP10を認識しなかった多くのドナーにおいて反応を生じ、これにより、これらの抗原の診断可能性がさらに明らかになる。エジプトからの30名の感染浸淫地域の陰性対照ドナーのパネルにおいて、選択された抗原の特異性が確認された(図3)。示されるように、研究対象の抗原は全て、非特異的抗原刺激の例として含まれたPPDとは対照的に、非常に特異的であった。ドナー31および77は両者とも、ESAT−6およびCFP−10の両方を含む、広い範囲のM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)抗原を認識し、言及した選択基準にもかかわらず、潜伏感染が強く示される。
実施例3.CFP10および3615cはCFP10およびESAT−6に対して同等である
続いて、組合せCFP10およびRv3615cの診断性能を組合せCFP10およびESAT−6と比較した。発明者らは、グリーンランドからの35名からの全血試料を含め、このうち18名は、陽性Quantiferonテストとして定義される、潜伏性M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を有し、および/またはM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)およびツベルクリン皮膚テスト転換に対する曝露が証明された者であり、17名の患者は、微生物学的にTBが確認された。7日間にわたり、加湿37℃インキュベーター中で、200μLの未希釈全血の個々のアリコートを5μg/mLの最終濃度でCFP10(配列番号1)またはRv3615(配列番号15〜18)またはESAT−6(配列番号51)に相当する重複ペプチドで刺激した。陰性対照試料(nil)を平行して調製した。温置後、血漿上清を単離し、ELISAを用いてIFN−γのレベルを決定した。
個々の抗原での刺激に反応した、測定レベルの抗原特異的IFN−γ産生(刺激した全血のレベルから未刺激ウェル中のレベルを差し引いたもの)を付加することによって、この3個の抗原の診断能を評価し、続いてカットオフに対してこの合計を比較した。カットオフは、少なくとも50pg/mLの合わせた抗原特異的反応および個々の患者においてニル(nil)値よりも4倍高いものとして定義した。カットオフを上回る抗原特異的なレベルによって、抗原陽性として個々の患者を分類し、カットオフを下回る抗原特異的なレベルを抗原陰性として分類した。
表2は、個々の抗原CFP10、Rv3615c、ESAT−6および組合せの感度を示す。示されるように、組合せCFP10およびRv3615cの診断性能は、CFP10およびESAT−6と同等であり、両組合せとも60%感度を示す。CFP10、Rv3615cおよびESAT−6を組み合わせることによって、感度が60%から69%へとさらに向上する。
Figure 0006698530
実施例4.3個の抗原:Rv2348、Rv3865およびRv3877との組合せCFP10およびRv3615cの濃縮
上記と同じ全血試料(グリーンランドから35名;潜伏M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染者18名および微生物学的に確認されたTB患者17名)および同じアッセイ条件を用いて、発明者らは、3個の異なる抗原:Rv2348、Rv3865およびRv3877との、CFP10およびRv3615cの組合せの効果を評価した。
個々の抗原に反応にしたIFN−γの測定レベルの抗原特異的な産生(刺激した全血のレベルから未刺激ウェルのレベルを差し引く)を付加し、続いてカットオフと合計を比較することによって、3個の抗原の診断能を評価した。カットオフは、少なくとも50pg/mLの合わせた抗原特異的反応および個々の患者においてニル(nil)値よりも4倍高いものとして定義した。カットオフを上回る抗原特異的なレベルによって、抗原陽性として個々の患者を分類し、カットオフを下回る抗原特異的なレベルを抗原陰性として分類した。
表3は、個々の抗原Rv3865、CFP10、Rv3615cおよび組合せの感度を示す。Rv3865の感度は比較的穏やかであり、僅か20%の感度であったが、Rv3865をCFP10およびRv3615cに添加すると、CFP10およびRv3865単独と比較して、全体的な診断感度が6%増強した。
Figure 0006698530
同様に、Rv3877の診断能は僅か11%であったが、この抗原もまた、CFP10およびRv3615cの全体的感度を60%から69%へと向上させた(表4)。
Figure 0006698530
最後に、発明者らは、Rv2348もまたCFP10およびRv3615cの診断能を向上させることが可能であったか否かを評価した(表5)。示されるように、Rv2348の感度は29%であり、Rv2348をCFP10およびRv3615cに添加すると、CFP10およびRv3615c単独で使用した場合と比較して、診断感度が23%増強する。
Figure 0006698530
発明者らは、単一ペプチドプール(ペプチドプールA)にこれらの4個の抗原を組み合わせた場合の感度および特異性のさらなる評価のために次の抗原(CFP10、Rv3615c、Rv3865およびRv2348)を選択した。
実施例5.感度−および特異性−ペプチドプールAの試験実施
本技術分野で、ESAT−6、CFP10およびTB7.7p4を含む免疫診断カクテルが、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)による感染を診断するための好ましい方法であることは周知である。この抗原カクテルは高感度かつ特異的と考えられ、これはQuantiferonテストの基礎を形成する。先の実施例から明らかであるように、抗原の組合せは、IFN−γ反応の基礎的な度合いがより高く、抗原のみを有するものと比較してよりロバストに検出されるので、診断感度およびテストの信頼性を改善する。
免疫診断に対する非常にユーザーフレンドリーなアプローチは、カクテル中の抗原で予めコーティングしたバキュテナーチューブを使用することである。例えばQuantiferonテストにおいて、抗原カクテルに相当する凍結乾燥ペプチドが、バキュテナーチューブ中でヘパリンによりコーティングされる。血液をこのチューブに採取し、ペプチドが抗原特異的なCD4およびCD8T細胞と相互作用できるようにする。16〜24時間温置後、チューブを遠心し、産生されたIFN−γのレベルを血漿上清中で測定し、陰性および陽性対照試料と比較することができる。レベルが陽性試験結果に対するカットオフを上回る場合、感染または非感染の何れかとして、被験対象をさらに分類することができる。
IFN−γシグナル伝達と関連する他の免疫エフェクター分子が、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染を診断するために有用であることは周知である(Chego ERJ 2014)。ケモカインIP−10が非常に高レベルで産生され、IFN−γに対する同等な診断性能を有する。
いくつかの抗原を1つの抗原カクテルに組み合わせることの有用性を明らかにするために、発明者らは、次の抗原を「ペプチドプールA」に組み合わせた。ペプチドプールAは次のペプチドから構成された:
・CFP10:CFP10のアミノ酸配列全体をカバーする6個のペプチド(配列番号9〜14)
・Rv3615c:アミノ酸55〜103をカバーする4個のペプチド(配列番号15〜18)
・Rv3865:アミノ酸9〜44をカバーする3個のペプチド(配列番号19〜21)
・Rv2348c:全長タンパク質配列のアミノ酸56〜109をカバーする4個のペプチド(配列番号22〜25)。
ペプチドプールAに組み合わせた場合の4個の抗原の感度を試験するために、エジプトにおける第二の独立した試験を行った。この試験において、陽性痰培養物が明らかな73名のTB患者が含まれ、各対象が血液試料を供与し、事前に調製した抗原コーティング真空チューブに直接採取した。ESAT−6+CFP10+Rv2654cペプチド(すなわちQuantiferonテストと同じペプチド、ベンチマークとして使用、Quantiferonペプチドプールと命名)またはペプチドプールA(上で示されるようなCFP10+Rv3516c+Rv3865+Rv2348)の何れかでチューブをコーティングした。温置16〜24時間後に、上清を回収し、社内ELISAアッセイによりサイトカインIP−10の放出について試験した。図4で示されるように、高い割合のTB患者が、ペプチドプールAならびにQuantiferonペプチドプールの両方を認識した。中央値反応は、ペプチドプールAの場合はIP10の5.5ng/mLおよびQuantiferonペプチドプールの場合は6.0であった。
平行して、ペプチドプールAの特異性を試験するために、デンマークにおいて独立した試験を行った。この試験において、TB有病率が非常に低い地域(デンマーク)に居住しており、M.ツベルクローシス(M.tuberculosis)への既知の曝露がない100名の対象が含まれた。17例において、対象はBCGワクチン接種が実証され、19例においてBCGワクチン接種状況が不明/記載されていなかった。残りの参加者はBCGワクチンを接種していなかった。感度実験と同様に、ペプチドプールA(CFP10+Rv3615c+Rv3865+Rv2348)またはベンチマークQuantiferonペプチドプール(ESAT−6+CFP10+Rv2654c)の何れかで予めコーティングしたバキュームチューブに新鮮な全血を直接採取した。温置16〜24時間後に、上清を回収し、社内ELISAアッセイによってサイトカインIP−10およびIFN−γの含有量について試験した。ペプチドプールAおよびQuantiferonペプチドプールに対する中央値IP−10反応が両者とも0ng/mLであったにもかかわらず(図5)、Quantiferon−抗原での再刺激時に数名の非曝露ドナーが陽性反応を呈し、IP−10レベルがおよそ5ng/mLであった。IFN−γの分泌を分析した場合、偽陽性反応を示す非曝露ドナーで同じ傾向が観察された(図6;ペプチドプールA中央値0pg/mL、四分位範囲(IQR)−0.5〜5.2pg/mLおよびQuantiferonペプチドプール中央値4.9pg/mL、IQR−0.6〜32.45pg/mL。
感度および特異性実験からのデータを合わせることによって、発明者らは、Quantiferon抗原プールとペプチドプールAの診断可能性を比較する、受信者動作特性(ROC)曲線分析を行うことができた(図7)。曲線下面積(AUC)は、ペプチドプールAについては0.979、Quantiferon抗原プールについては0.947であった。ROC曲線分析によって、ペプチドプールAおよびQuantiferonペプチドプール両方に対する最適カットオフが、ペプチドプールAについては1.4ng/mL(98.1%特異性で感度87.7%);Quantiferonペプチドプールについては2.3ng/mL(96.2%特異性で感度75.3%)であると特定された。
これらのカットオフを用いて、発明者らは、QuantiferonペプチドプールおよびペプチドプールAでの再刺激時の、陽性および陰性反応の数を直接付き合わせて比較した(表6および7)。73名のTB患者のうち、54名(74%)がQuantiferonペプチドプールを認識し、これは、64〜89%のQuantiferon抗原の感度において公開されている範囲内である(Dewan,2007)。対照的に、ペプチドプールAは、この試験において、88%の推定感度に対応する、より高い割合のTB患者を認識した(73名の患者のうち64名)。マクマネーテストを用いて、ペプチドプールAが、Quantiferonペプチドプールと比較して、この試験において、有意に高い感度を明らかにした(p<0.012)。
Figure 0006698530
Figure 0006698530
結論として、ペプチドプールAは、Quantiferon抗原と比較して、有意に高い感度(真の陽性がより多い;表6)を呈し、少なくとも同程度に特異的であった(同等な偽陽性;表7)。これらの結果は、1)現在のQuantiferon抗原と比較してより感度が高い、ESAT−6を欠いているTB−診断ペプチドプールを設計すること、2)現在のQuantiferonと特異性が同等である非ESAT−6含有抗原プールを設計することが可能であることを明らかに立証する。
実施例6.ペプチドプールAの検証
免疫診断テストに対するカットオフの検証は、独立コホートでの確認を必要とすることは、当業者にとって周知である。この目的のために、発明者らは、68例の微生物学的に確認されたTB患者および36名の感染浸淫地域の対照を含め、すなわちこれらの一部は、タンザニアからの、既に存在するが、制御されているM.ツベルクローシス(M.tuberculosis)感染個体である。
各ドナーから、凍結乾燥ヘパリン(18IU)および次のようなペプチド(5μg/ペプチド):Quantiferonペプチドプール(ESAT−6、CFP10およびTB7.7p4(チューブ1)、Quantiferonテストと同等);ペプチドプールA(CFP10、Rv3615、Rv3865およびRv2348B(チューブ2))および陰性対照チューブ(チューブ3)を含む5本のバキュテナーチューブに1mLの血液を採取した。
図8において、発明者らは、念のため、IP−10(ng/mL)反応を差し引いた陰性対照チューブ(チューブ3)およびチューブ1およびチューブ2からの対照を示す。TB例において反応度が高いことについてQuantiferonペプチドプールおよびペプチドプールAが同等であることは明らかである。予想されるように、感染浸淫地域の対照反応はより不均一であり、これは、一部の被験個体が感染していることを裏付ける。
実施例5で特定された、予め定められたカットオフ(1.4ng/mL)を用いて、TB患者(表8)および感染浸淫地域の対照(表9)の両方に対して診断精度を比較した。TB患者群において、標準的Quantiferonペプチドプールの診断感度は66%(含まれる68名の患者のうち45名が陽性と定義)であり、ペプチドプールAに対してはより高く、72%の感度(68名の患者のうち49名が陽性と判定)である。予想されるように、2つのテスト間の一致は非常に高く、91%一致であった(両テストにおいて44名が陽性、両テストにおいて18名が陰性で、全体的一致は68名中62名)。
Figure 0006698530
感染浸淫地域の対照集団において、感染に対する究極の判断基準はなく、したがって、発明者らは、陽性反応者として判定する。ペプチドプールAは39%(14/36)を陽性として検出し、標準的Quantiferonペプチドプールは31%(11/36)であり、繰り返すが、これは、より高い感度を示唆する。一致も非常に高かった(92%は、含まれる36名からの33例における一致に対応する)。
Figure 0006698530
実施例7.ペプチドプールAは、ESAT−6と組み合わせることによって、さらに改善することができる。
発明者らは、診断性能をまたさらに改善する目的で、ペプチドプールAにESAT−6を添加することの可能性をさらに評価した。したがって、発明者らは、エジプトのカイロでの、実施例5に記載のものと同じアッセイ条件を用いて、TB確認の73例のコホートにおいて、ペプチドプールA+ESAT−6およびペプチドプールAを試験した。図9において、ペプチドプールAをESAT−6と組み合わせた場合、反応の大きさを増大させることが明らかであり、中央値が6.86ng/mL IP−10であるESAT−6があるペプチドプールAと比較して、ペプチドプールAの中央値反応はIP−10の5.50ng/mLである。0.75ng/mLのカットオフを用いて、発明者らは、2群において反応者頻度を比較した。ペプチドプールAにおいて、反応者頻度は93%であり、73名の被験患者のうち68名が陽性であり、一方でESAT−6があるペプチドプールAの頻度は96%(73名の患者のうち70名−96%)であった。したがって、ペプチドプールAをESAT−6と組み合わせることによって、偽陰性率が7%から4%へと低下した。
参考文献
Abdallah,A.M.,N.C.Gey van Pittius,et al.(2007).Type VII secretion−−mycobacteria show the way.Nature reviews.Microbiology 5(11):883−891.
Aggerbeck,H.,R.Giemza,et al.(2013).Randomised clinical trial investigating the specificity of a novel skin test(C−Tb)for diagnosis of M.tuberculosis infection.PloS one 8(5):e64215.
Albrethsen,J.,J.Agner,et al.(2013).Proteomic profiling of Mycobacterium tuberculosis identifies nutrient−starvation−responsive toxin−antitoxin systems.Molecular&cellular proteomics :MCP 12(5):1180−1191.
Andersen,P.(1994).Effective vaccination of mice against Mycobacterium tuberculosis infection with a soluble mixture of secreted mycobacterial proteins.Infection and immunity 62(6):2536−2544.
Andersen,P.,M.E.Munk,et al.(2000).Specific immune−based diagnosis of tuberculosis.Lancet 356(9235):1099−1104.
Arnvig,K.B.,I.Comas,et al.(2011).Sequence−based analysis uncovers an abundance of non−coding RNA in the total transcriptome of Mycobacterium tuberculosis.PLoS pathogens 7(11):e1002342.
Behr,M.A.,M.A.Wilson,et al.(1999).Comparative genomics of BCG vaccines by whole−genome DNA microarray.Science 284(5419):1520−1523.
Biselli,R.,S.Mariotti,et al.(2010).Detection of interleukin−2 in addition to interferon−γ discriminates active tuberculosis patients,latently infected individuals,and controls.Clinical Microbiology and Infection 16(8):1282−1284.
Brock,I.,K.Weldingh,et al.(2004).Specific T−cell epitopes for immunoassay−based diagnosis of Mycobacterium tuberculosis infection.Journal of clinical microbiology 42(6):2379−2387.
Chen,J.M.,S.Boy−Rottger,et al.(2012).EspD is critical for the virulence−mediating ESX−1 secretion system in Mycobacterium tuberculosis.Journal of bacteriology 194(4):884−893.
de Souza,G.A.,M.O.Arntzen,et al.(2011).Proteogenomic analysis of polymorphisms and gene annotation divergences in prokaryotes using a clustered mass spectrometry−friendly database.Molecular&cellular proteomics :MCP 10(1):M110 002527.
Deenadayalan,A.,D.Heaslip,et al.(2010).Immunoproteomic identification of human T cell antigens of Mycobacterium tuberculosis that differentiate healthy contacts from tuberculosis patients.Molecular&cellular proteomics :MCP 9(3):538−549.
Dewan,P.K.,J.Grinsdale,et al.(2007).Low Sensitivity of a Whole−Blood Interferon−γ Release Assay for Detection of Active Tuberculosis.Clinical Infectious Diseases 44(1):69−73.
Ewer,K.,P.Cockle,et al.(2006).Antigen mining with iterative genome screens identifies novel diagnostics for the Mycobacterium tuberculosis complex.Clinical and vaccine immunology :CVI 13(1):90−97.
Fortune,S.M.,A.Jaeger,et al.(2005).Mutually dependent secretion of proteins required for mycobacterial virulence.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 102(30):10676−10681.
Hall,L.J.,S.Clare,et al.(2009).Characterisation of a live Salmonella vaccine stably expressing the Mycobacterium tuberculosis Ag85B−ESAT−6ESAT−6 fusion protein.Vaccine 27(49):6894−6904.
Harboe,M.,A.S.Malin,et al.(1998).B−cell epitopes and quantification of the ESAT−6 protein of Mycobacterium tuberculosis.Infection and immunity 66(2):717−723.
Kilgus,J.,T.Jardetzky,et al.(1991).Analysis of the permissive association of a malaria T cell epitope with DR molecules.The Journal of Immunology 146(1):307−315.
Liu,X.Q.,D.Dosanjh,et al.(2004).Evaluation of T−cell responses to novel RD1− and RD2−encoded Mycobacterium tuberculosis gene products for specific detection of human tuberculosis infection.Infection and immunity 72(5):2574−2581.
Lustig,J.V.,H.L.Rieger,et al.(1976).Humoral and cellular responses to native antigen following oral and parenteral immunization with lipid−conjugated bovine serum albumin.Cellular immunology 24(1):164−172.
MacGurn,J.A.,S.Raghavan,et al.(2005).A non−RD1 gene cluster is required for Snm secretion in Mycobacterium tuberculosis.Molecular microbiology 57(6):1653−1663.
Merrifield,R.B.(1963).Solid Phase Peptide Synthesis.I.The Synthesis of a Tetrapeptide.Journal of the American Chemical Society 85(14):2149−2154.
Millington,K.A.,S.M.Fortune,et al.(2011).Rv3615c is a highly immunodominant RD1(Region of Difference 1)−dependent secreted antigen specific for Mycobacterium tuberculosis infection.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108(14):5730−5735.
Moon,H.W.and M.Hur(2013).Interferon−gamma release assays for the diagnosis of latent tuberculosis infection:an updated review.Annals of clinical and laboratory science 43(2):221−229.
Mowat,A.M.,A.M.Donachie,et al.(1991).Immune−stimulating complexes containing Quil A and protein antigen prime class I MHC−restricted T lymphocytes in vivo and are immunogenic by the oral route.Immunology 72(3):317−322.
Mustafa,A.S.,R.Al−Attiyah,et al.(2008).Efficient testing of large pools of Mycobacterium tuberculosis RD1 peptides and identification of major antigens and immunodominant peptides recognized by human Th1 cells.Clinical and vaccine immunology :CVI 15(6):916−924.
Nagai,S.,H.G.Wiker,et al.(1991).Isolation and partial characterization of major protein antigens in the culture fluid of Mycobacterium tuberculosis.Infection and immunity 59(1):372−382.
Pai,M.,L.W.Riley,et al.(2004).Interferon−gamma assays in the immunodiagnosis of tuberculosis:a systematic review.The Lancet infectious diseases 4(12):761−776.
Pearson,W.R.and D.J.Lipman(1988).Improved tools for biological sequence comparison.Proceedings of the National Academy of Sciences 85(8):2444−2448.
Ravn,P.,A.Demissie,et al.(1999).Human T Cell Responses to the ESAT−6 Antigen from Mycobacterium tuberculosis.Journal of Infectious Diseases 179(3):637−645.
Redelman−Sidi,G.and K.A.Sepkowitz(2013).IFN−gamma release assays in the diagnosis of latent tuberculosis infection among immunocompromised adults.American journal of respiratory and critical care medicine 188(4):422−431.
Rosenkrands,I.,P.B.Rasmussen,et al.(1998).Identification and characterization of a 29−kilodalton protein from Mycobacterium tuberculosis culture filtrate recognized by mouse memory effector cells.Infection and immunity 66(6):2728−2735.
Ruhwald,M.and P.Ravn(2009).Biomarkers of latent TB infection.Expert review of respiratory medicine 3(4):387−401.
Schopfer,K.,H.L.Rieder,et al.(2013).The sensitivity of an interferon−gamma release assay in microbiologically confirmed pediatric tuberculosis.European journal of pediatrics.
Sester,U.,M.Fousse,et al.(2011).Whole−Blood Flow−Cytometric Analysis of Antigen−Specific CD4 T−Cell Cytokine Profiles Distinguishes Active Tuberculosis from Non−Active States.PloS one 6(3):e17813.
Sidders,B.,C.Pirson,et al.(2008).Screening of highly expressed mycobacterial genes identifies Rv3615c as a useful differential diagnostic antigen for the Mycobacterium tuberculosis complex.Infection and immunity 76(9):3932−3939.
Sinigaglia,F.,M.Guttinger,et al.(1988).A malaria T−cell epitope recognized in association with most mouse and human MHC class II molecules.Nature 336(6201):778−780.
Skjot,R.L.,T.Oettinger,et al.(2000).Comparative evaluation of low−molecular−mass proteins from Mycobacterium tuberculosis identifies members of the ESAT−6 family as immunodominant T−cell antigens.Infection and immunity 68(1):214−220.
Sonnenberg,P.,J.R.Glynn,et al.(2005).How soon after infection with HIV does the risk of tuberculosis start to increase? A retrospective cohort study in South African gold miners.The Journal of infectious diseases 191(2):150−158.
Stryhn,A.,L.O.Pedersen,et al.(1996).Peptide binding specificity of major histocompatibility complex class I resolved into an array of apparently independent subspecificities:quantitation by peptide libraries and improved prediction of binding.European Journal of Immunology 26(8):1911−1918.
Thompson,J.D.,D.G.Higgins,et al.(1994).CLUSTAL W:improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position−specific gap penalties and weight matrix choice.Nucleic Acids Research 22(22):4673−4680.
van Dissel,J.T.,S.M.Arend,et al.(2010).Ag85B−ESAT−6 adjuvanted with IC31 promotes strong and long−lived Mycobacterium tuberculosis specific T cell responses in naive human volunteers.Vaccine 28(20):3571−3581.
van Dissel,J.T.,D.Soonawala,et al.(2011).Ag85B−ESAT−6 adjuvanted with IC31(R) promotes strong and long−lived Mycobacterium tuberculosis specific T cell responses in volunteers with previous BCG vaccination or tuberculosis infection.Vaccine 29(11):2100−2109.
Xu,Y.,W.Liu,et al.(2009).Recombinant Mycobacterium bovis BCG expressing the chimeric protein of antigen 85B and ESAT−6 enhances the Th1 cell−mediated response.Clinical and vaccine immunology :CVI 16(8):1121−1126.
Yang,X.,L.Bao,et al.(2011).A novel recombinant Mycobacterium bovis bacillus Calmette−Guerin strain expressing human granulocyte macrophage colony−stimulating factor and Mycobacterium tuberculosis early secretory antigenic target 6 complex augments Th1 immunity.Acta biochimica et biophysica Sinica 43(7):511−518.
Young,F.,J.A.Critchley,et al.(2009).A review of co−morbidity between infectious and chronic disease in Sub Saharan Africa:TB and diabetes mellitus,HIV and metabolic syndrome,and the impact of globalization.Globalization and health 5:9.
Zhang,H.,P.Peng,et al.(2010).Recombinant Mycobacterium smegmatis expressing an ESAT−6ESAT−6−CFP10 fusion protein induces anti−mycobacterial immune responses and protects against Mycobacterium tuberculosis challenge in mice.Scandinavian journal of immunology 72(4):349−357.
Zweig,M.H.and G.Campbell(1993).Receiver−operating characteristic(ROC) plots:a fundamental evaluation tool in clinical medicine.Clinical chemistry 39(4):561−577.
Aagaard,C.,I.Brock,et al.(2004).Mapping immune reactivity toward Rv2653 and Rv2654:two novel low−molecular−mass antigens found specifically in the Mycobacterium tuberculosis complex.The Journal of infectious diseases 189(5):812−819.
Aagaard,C.,T.Hoang,et al.(2011).A multistage tuberculosis vaccine that confers efficient protection before and after exposure.Nature medicine 17(2):189−194.

Claims (21)

  1. 結核(TB)の診断のための組成物であって、前記組成物が
    a)Rv3874(配列番号1)およびRv3615(配列番号2);または
    b)Rv3874(配列番号1)およびRv3615(配列番号2)と、Rv3865(配列番号3)、Rv2348(配列番号4)、およびRv3877(配列番号7)から選択される1つ以上;または
    c)前記ポリペプチドからの免疫原性エピトープを含む断片;
    から選択されるアミノ酸配列から構成される実質的に純粋なポリペプチドの混合物を含み、 ここで、前記ポリペプチドまたは前記ポリペプチドの断片の選択される混合物が、a)またはb)での前記選択からの前記ポリペプチドの何れかに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、同時に免疫原性であることを特徴とする、結核(TB)の診断のための組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物において、Rv3874(配列番号1)、Rv3615(配列番号2)およびRv3865(配列番号3)またはそれらの免疫原性エピトープを含む断片を含むことを特徴とする、組成物。
  3. 請求項1に記載の組成物において、Rv3874(配列番号1)、Rv3615(配列番号2)およびRv2348(配列番号4)またはそれらの免疫原性エピトープを含む断片を含むことを特徴とする、組成物。
  4. 請求項1に記載の組成物において、Rv3874(配列番号1)、Rv3615(配列番号2)およびRv3877(配列番号7)またはそれらの免疫原性エピトープを含む断片を含むことを特徴とする、組成物。
  5. 請求項1に記載の組成物において、Rv3874(配列番号1)、Rv3615(配列番号2)、Rv3865(配列番号3)およびRv2348(配列番号4)またはそれらの免疫原性エピトープを含む断片を含むことを特徴とする、組成物。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物において、配列番号1の免疫原性エピトープを含む前記断片が、配列番号9〜14から選択されることを特徴とする、組成物。
  7. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物において、配列番号2の免疫原性エピトープを含む前記断片が、配列番号15〜18または配列番号59〜63から選択されることを特徴とする、組成物。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の組成物において、配列番号3の免疫原性エピトープを含む前記断片が配列番号19〜21から選択されることを特徴とする、組成物。
  9. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の組成物において、配列番号4の免疫原性エピトープを含む前記断片が配列番号22〜25から選択されることを特徴とする、組成物。
  10. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の組成物において、配列番号7の免疫原性エピトープを含む前記断片が配列番号46〜50から選択されることを特徴とする、組成物。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の組成物において、Rv3875(配列番号51)または1つ以上のその断片をさらに含むことを特徴とする、組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物において、前記断片および配列番号51の免疫原性エピトープを含む前記断片が配列番号52〜58から選択されることを特徴とする、組成物。
  13. 請求項1に記載の組成物において、前記ポリペプチドからの免疫原性エピトープを含む断片が少なくとも10アミノ酸長の重複ペプチドとして存在することを特徴とする、組成物。
  14. 請求項5に記載の組成物において、前記混合物が配列番号9〜25を含むことを特徴とする、組成物。
  15. 請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物において、前記ポリペプチドの一部または全てが任意選択によりリンカーまたはスペーサーを介して一緒に融合されることを特徴とする、組成物。
  16. 病原性マイコバクテリアにより引き起こされる結核(TB)の診断のための医薬組成物の調製のための、請求項1乃至15の何れか1項に記載の組成物の使用。
  17. 請求項16に記載の使用において、前記病原性マイコバクテリアが、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)またはマイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)であることを特徴とする、使用。
  18. 結核(TB)のインビトロまたはインビボ診断のためのCMI診断ツールまたはキットであって、請求項1乃至15の何れか1項に記載の組成物を含むことを特徴とする、CMI診断ツールまたはキット。
  19. トを含む動物において病原性マイコバクテリアにより引き起こされる結核(TB)をインビトロで診断するための方法であって、前記方法が、陽性反応を検出するために、前記ヒトを含む動物から得られた試料を請求項1乃至15の何れか1項に記載の組成物と接触させるステップを備えることを特徴とする、方法
  20. 請求項19に記載の方法において、前記病原性マイコバクテリアが、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)またはマイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)であることを特徴とする、方法。
  21. 請求項19又は20に記載の方法において、前記陽性反応が、細胞の増殖またはサイトカインの放出であることを特徴とする、方法。
JP2016539075A 2013-12-16 2014-12-15 インビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための診断試薬 Active JP6698530B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA201300698 2013-12-16
DKPA201300698 2013-12-16
PCT/DK2014/000062 WO2015090322A1 (en) 2013-12-16 2014-12-15 Diagnostic reagents for improved in vivo or in vitro cell-mediated immunological diagnosis of tuberculosis

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017503161A JP2017503161A (ja) 2017-01-26
JP2017503161A5 JP2017503161A5 (ja) 2017-12-21
JP6698530B2 true JP6698530B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=52686037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016539075A Active JP6698530B2 (ja) 2013-12-16 2014-12-15 インビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための診断試薬

Country Status (18)

Country Link
US (1) US10641770B2 (ja)
EP (1) EP3084442B1 (ja)
JP (1) JP6698530B2 (ja)
KR (1) KR102305770B1 (ja)
CN (1) CN105829891B (ja)
AU (1) AU2014365971B2 (ja)
CA (1) CA2933817C (ja)
DK (1) DK3084442T3 (ja)
EA (1) EA201691091A1 (ja)
ES (1) ES2875021T3 (ja)
HR (1) HRP20210933T1 (ja)
HU (1) HUE054800T2 (ja)
LT (1) LT3084442T (ja)
PL (1) PL3084442T3 (ja)
PT (1) PT3084442T (ja)
RS (1) RS61977B1 (ja)
SI (1) SI3084442T1 (ja)
WO (1) WO2015090322A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107045065A (zh) * 2017-02-07 2017-08-15 广州市宝创生物技术有限公司 结核快速诊断试剂盒及其制备方法
KR101923198B1 (ko) * 2017-09-25 2018-11-28 주식회사 엠디엡투스 Tb7.7에 특이적으로 결합하는 dna 압타머 및 이의 용도
KR102157770B1 (ko) * 2019-01-11 2020-09-18 주식회사 파이지노믹스 가축의 결핵 진단을 위한 항원 펩타이드 조성물 및 이의 용도
GB201906193D0 (en) * 2019-04-10 2019-06-19 Sec Dep For Environment Food And Rural Affairs Acting Through The Animal And Plant Health Agency Diagnostic reagents

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1200466A2 (en) * 1999-07-13 2002-05-02 Statens Serum Institut Tuberculosis vaccine and diagnostics based on the mycobacterium tuberculosisesat-6 gene family
JP5075969B2 (ja) * 1999-07-13 2012-11-21 スタテンズ セーラム インスティテュート マイコバクテリウム・ツベルクローシスesat−6遺伝子ファミリーベースの結核ワクチン及び診断法
WO2004099771A1 (en) * 2003-05-08 2004-11-18 Statens Serum Institut A new specific epitope based immunological diagnosis of tuberculosis
GB0906215D0 (en) * 2009-04-09 2009-05-20 Lalvani Ajit Diagnostic test
WO2010121618A1 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Statens Serum Institut A tuberculosis tb vaccine to prevent reactivation
ITRM20100411A1 (it) * 2010-07-23 2012-01-24 Massimo Amicosante Uso di sequenze amminoacidiche da mycobacterium tuberculosis o dei loro corrispondenti acidi nucleici per la diagnosi e la prevenzione di infezione tubercolare, relativo kit diagnostico e vaccino.
US20130345079A1 (en) * 2010-10-27 2013-12-26 Infectious Disease Research Institute Mycobacterium tuberculosis antigens and combinations thereof having high seroreactivity
WO2012167307A1 (en) * 2011-06-06 2012-12-13 The University Of Melbourne Diagnosis of mycobacterial infection
CN102608333B (zh) * 2012-03-30 2013-06-05 中国科学院微生物研究所 一种结核诊断组合物及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
AU2014365971A8 (en) 2016-08-25
EP3084442B1 (en) 2021-03-17
LT3084442T (lt) 2021-07-12
AU2014365971A1 (en) 2016-06-30
US20170016897A1 (en) 2017-01-19
HRP20210933T1 (hr) 2021-09-03
SI3084442T1 (sl) 2021-08-31
ES2875021T3 (es) 2021-11-08
CN105829891A (zh) 2016-08-03
DK3084442T3 (da) 2021-06-21
CA2933817C (en) 2023-04-04
CN105829891B (zh) 2018-04-06
EP3084442A1 (en) 2016-10-26
CA2933817A1 (en) 2015-06-25
JP2017503161A (ja) 2017-01-26
KR20160097325A (ko) 2016-08-17
RS61977B1 (sr) 2021-07-30
PL3084442T3 (pl) 2021-10-25
KR102305770B1 (ko) 2021-09-29
WO2015090322A8 (en) 2016-07-21
EA201691091A1 (ru) 2016-12-30
WO2015090322A1 (en) 2015-06-25
US10641770B2 (en) 2020-05-05
AU2014365971B2 (en) 2021-02-04
PT3084442T (pt) 2021-06-22
BR112016013915A2 (pt) 2018-01-09
HUE054800T2 (hu) 2021-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK2417456T3 (en) DIAGNOSTIC TEST Mycobacterium tuberculosis
EP2672268B1 (en) Mycobacterium antigens
EP2005184A2 (en) Methods for detecting a mycobacterium tuberculosis infection
JP2012503206A (ja) Mycobacteriumtuberculosis感染を検出するための方法
EP1735623B1 (en) Mycobacterium tuberculosis infection diagnostic test
JP6698530B2 (ja) インビボまたはインビトロでの細胞が介在する結核の免疫学的診断の改善のための診断試薬
US9050361B2 (en) Diagnostic reagents
WO2004099771A1 (en) A new specific epitope based immunological diagnosis of tuberculosis
Dockrell et al. A postgenomic approach to identification of Mycobacterium leprae-specific peptides as T-cell reagents
US7745141B2 (en) Mycobacterial proteins as early antigens for serodiagnosis and vaccines
US7807182B2 (en) Early detection of mycobacterial disease using peptides
AU2002324578A1 (en) Early detection of mycobacterial disease using peptides
EP1463526A2 (en) Early detection of mycobacterial disease using peptides
EA041840B1 (ru) Диагностические реагенты для улучшенной in vivo или in vitro клеточно-опосредованной иммунологической диагностики туберкулеза
BR112016013915B1 (pt) Composição de diagnóstico; utilização das composições de diagnóstico; ferramenta ou conjunto de diagnóstico de cmi; e método de diagnóstico in vitro ou in vivo de tuberculose causada por micobactérias virulentas
Aboma In search of biomarkers for leprosy diagnosis: in silico identification, screening & field application

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171027

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6698530

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250