JP6698449B2 - 殺虫成分を含有するマルチフィラメント及び繊維製品 - Google Patents

殺虫成分を含有するマルチフィラメント及び繊維製品 Download PDF

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Description

本発明は、殺虫成分を保持するマルチフィラメント、および殺虫成分を保持するマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品に関する。
蚊等の有害生物の防除には、ピレスロイド系殺虫剤が表面にコーティング加工された繊維、織物及び網製品が、広く使用されている。
特表2007−524773号公報
しかしながら、新たな殺虫成分を含有する防除剤が求められていた。
本発明は、特定の殺虫成分を表面に浸漬、塗布またはコーティングすることにより保持させたマルチフィラメント、及び繊維製品を提供すること、特に蚊の防除に卓効を示す繊維製品を提供することを課題とする。
本発明は、以下のとおりである。
[1].ポリエステル製のマルチフィラメントの表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンを保持させたマルチフィラメント。
[2].ポリエステル製のマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品の表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンを保持させた繊維製品。
[3].[2]記載の繊維製品を用いて作成された蚊帳。
[4].[1]記載のマルチフィラメント、または[2]記載の繊維製品を、有害生物に接触させる工程を有する、有害生物の防除方法。
本発明により、有害生物の防除、特に蚊の防除に好適なマルチフィラメントおよび繊維製品を提供することができる。
本発明のマルチフィラメント(以下、本発明フィラメントと記す。)は、ポリエステル製のマルチフィラメントの表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンンを、浸漬、塗布またはコーティング等の方法により保持させたものである。
本発明の繊維製品(以下、本発明繊維製品と記す。)は、ポリエステル製のマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品の表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンンを浸漬、塗布またはコーティング等の方法により保持させたものである。
ポリエステル製のマルチフィラメントとは、ポリエステルを主な原料とし、必要に応じて防腐剤、安定剤、UV保護性を有する薬剤、蛍光増白剤、展着剤、拡散防止剤、発泡形成剤、湿潤剤、防汚剤、増粘剤、他の殺生物剤、可塑剤、接着剤、芳香剤、顔料及び染料等が添加されて作られたフィラメント(長繊維)を、複数本撚り合わせて1本の糸としたものである。
マルチフィラメントの製造方法としては、次のような方法があげられる。まず、紡糸ノズルから吐出された多数の溶融フィラメントを、冷却ゾーンを通過させて冷却する。ここでの冷却は単糸フィラメントが互いに融着しない程度でよく、冷却後、オイリングローラーにより油剤が付与される。未延伸糸を巻き取った後、または続けて延伸工程において撚り(ドラフト)をかけて引取り製造される。
フィラメントの太さは1〜25デニールが好ましく、マルチフィラメントとした時に50〜300デニールの太さであることが好ましいが、用途によって適宜選択できる。
また、マルチフィラメントから成る繊維製品は、上記記載で得られる製造法等により得たマルチフィラメントをボビンに巻き付け、公知の方法で編んだり、織ったり、熱融着したりすることにより、ネット状の繊維製品が製造される。得られたネット状の繊維製品の目の大きさ(フィラメントとフィラメントの間のすきまの大きさ、ホールサイズ)は有害生物の防除、特に蚊の防除の観点から1〜5mmのものが好ましい。
本発明フィラメントに用いられる5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンン(以下、本化合物と記す。)は、以下の式(1)
で示される。本化合物は、化合物(2)と化合物(3)とを反応させることにより製造することができる。
〔式中、Xは脱離基(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、及びベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基等)を表す。〕
反応は、通常溶媒中で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す。)等の酸アミド;アセトニトリル等のニトリル;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;スルホラン;1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物が挙げられる。
化合物(3)は化合物(3)そのものを用いても、化合物(3)と酸との塩を用いてもよい。酸としては塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。
化合物(3)の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常0.5〜5モルである。
反応は通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド及びトリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機アミンが挙げられる。塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常1〜5モルである。
反応は、相間移動触媒の存在下行われることもある。相間移動触媒としては、例えば臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。相間移動触媒の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常0.01〜0.5モルである。
反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本化合物はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
上記製造法において、化合物(2)は公知であるか、公知の化合物から公知の方法に準じて製造できる。化合物(3)は公知である。
本発明フィラメント及び本発明繊維製品は、ポリエステル製のマルチフィラメント及びポリエステル製のマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品の重量に対して0.1〜10質量%の本化合物を浸漬処理、塗布処理またはコーティング処理することが好ましく、0.1〜4質量%を処理することがより好ましい。
例えば、ポリエステル製のマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品に浸漬処理および塗布処理を実施する方法としては、本化合物を所望の濃度となるように適当な溶媒に溶解または分散後、得られた溶液または分散液を活版輪転機、銅版輪転機または樹脂版輪転機による凸版印刷法、グラビア印刷機、ロートグラビア印刷機または彫刻凹版印刷機によるグラビア印刷法、オフセット印刷機によるオフセット印刷法、タイプ平版印刷機、シルクスクリーン、ドラム型スクリーン印刷機またはスクリーン捺染機による平版印刷法、浸漬機によるディッピング法、噴霧器によるスプレー法、静電噴霧器による静電スプレー法等を使用することにより繊維製品に殺虫成分を保持させ、その後必要により乾燥、加熱、スリット等の操作を行うことにより実施できる。
また、コーティング処理を実施する方法としては、本化合物を適当な溶媒に溶解または分散した後、得られた溶液または分散液に界面活性剤および/または分散剤を投入した分散液を調製し、さらにバインダーを投入した後、ロールコーター、プレードコーター、エアナイフコーター、キャストコーター、ナイフコーター等のコーティング機によるコーティング法によりコーティング処理を行い、その後必要により乾燥、加熱、スリット等の操作を行うことにより実施できる。
浸漬処理、塗布処理およびコーティング処理に使用する溶媒としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノキシエタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、炭酸プロピレン及び植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
コーティング処理に使用する界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン系界面活性剤;ドデシルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、アルキル四級アンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩などのアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩などのカチオン系界面活性剤;パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩などの高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネートなどのジアルキルスルホコハク酸、オレイン酸アミドスルホン酸塩などの高級脂肪酸アミドスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩などのアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカン−2−サルフェートなどの高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステルなどのポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体等のアニオン系界面活性剤;N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリジニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤などを挙げることができ、それらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
コーティング処理に使用する分散剤としては、水溶性高分子分散剤、例えば、水溶性天然高分子系分散剤、水溶性半合成高分子系分散剤及び水溶性合成高分子系分散剤が挙げられ、具体的には、水溶性天然高分子系分散剤としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グアガム及びキサンタンガム等が挙げられ、水溶性半合成高分子系分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース塩のセルロース系分散剤が挙げられ、水溶性合成高分子系分散剤としては、例えばポリビニルアルコール及びポリビニルビリドンが挙げられる。かかる水溶性高分子分散剤としては、市販されているものを使用することができ、ポリビニルアルコールとしては例えば、ゴーセノールGL−03(日本合成化学工業製)、ゴーセノールKL−05(日本合成化学工業製)及びクラレポバールPVA−224(クラレ製)が挙げられ、カルボキシメチルセルロース塩としては例えば、セロゲン6A(第一工業製薬製)、セロゲン7A(第一工業製薬製)、CMCダイセル1110(ダイセル化学工業製)及びCMCダイセル1210(ダイセル化学工業製)が挙げられ、キサンタンガムとして、ケルザン(三晶製)、ロードポール23(ローディア日華製)が挙げられ、ポリオール誘導体としては例えば、アグリゾールFL−104FA(花王製)が挙げられる。また、かかる水溶性高分子分散剤は通常、分散水溶液の全重量に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%程度配合される。
コーティング処理に使用するバインダーとしては、例えば無機バインダー、天然有機バインダー、半合成バインダー、合成樹脂系バインダー、ワックス類等が挙げられる。無機バインダーとしては、ベントナイト、モンモリロナイト、水ガラス、コロイダルシリカ等が挙げられる。天然有機バインダーとしては、澱粉、デキストリン、カゼイン、ゼラチン、にかわ、寒天、アラビアガム、コーンスターチ、天然ゴム、パルプ液等が挙げられる。半合成バインダーとしては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系バインダー、リグニン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸アンモニウムなどのリグニン系バインダー等挙げられる。合成樹脂系バインダーとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリクロロエチレン、ポリ塩化プロピレンなどのハロゲン化ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系高分子、ポリスチレン、アクリロニトリル−ポリスチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化塩化ビニル、ポリビニルエーテルなどのビニル系高分子、ポリ塩化ビニリデン、ケトン−ホルマリン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリイソプレンなどの合成ゴム、シリコン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリアセタールなどのアセタール樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシド、ポリフェニレンオキシドなどの酸化オレフィン類、ポリカーボネートなどのカーボネート樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリウレタン、ポリウレタン尿素などのポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
バインダーが水溶性の場合には、水に溶解して水溶液として添加してもよいし、粉末として添加してもよいし、加熱によって融解した溶融物として使用してもよいし、水中にこれらの微粒子が分散したエマルジョンとして使用してもよい。
バインダーが水に不溶性の場合には、水に分散したエマルジョンして添加するか、加熱によって融解した溶融物として使用するか、水中にこれらの微粒子が分散したエマルジョンとして使用することが好ましい。
バインダーは二種類以上を任意の割合に混合して使用してもよい。また、バインダーの添加量はバインダーの種類によっても変化し得るが、通常、ポリエステル製のマルチフィラメントまたは繊維製品の全重量に対して0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%の割合である。
本発明繊維製品は、ネット状のトリコット編み、ラッセル編みおよび平編み織物としてそのまま利用することができるし、またこれを縫製加工することにより、例えば蚊帳等として利用することができる。蚊帳の形状としては、織物を四角柱形や円錐台形に縫製したりして部屋の大きさや寝床の大きさに合わせて使いやすい形状に工夫することが好ましい。つりさげ方法は、天井から吊り下げても良く、壁にフックを打ち込んで壁から吊り下げても良い。蚊帳は通常就寝時のみ部屋もしくは寝床を覆う形で使用するが、特段邪魔にならないようであれば一日中使用していても問題ない。蚊帳として用いた場合は、マラリアなどの感染症を媒介する蚊が繊維製品表面の本化合物と接触することで殺虫効果及び吸血阻害効果を奏する。マラリアを媒介する蚊は夜行性であり、夜人が寝入ってから吸血行動を始める。そのため、蚊が吸血源を求めて人に近づこうとした際に、人がこの蚊帳の中で就寝していると、人に近づく前に蚊が蚊帳に触れるため、蚊は効率的に本化合物と接触することになる。蚊は本化合物と接触することにより、苦死したり、吸血意欲を喪失したりする。また、必要以上に本化合物が室内に漂うことが無く、長期の残効性も期待される。このような方法は、環境に安全な防除方法であり、好ましい。
蚊帳以外にも、本発明繊維製品としては、例えば、寝具、マットレス、ピロー、キルト、クッション、カーテン、壁紙、敷物材料並びに窓、食器棚及びドアの網(網戸)が挙げられる。ジオテキスタイル、テント、靴の中底、衣類(ソックス、ズボン、シャツ、虫刺され等に晒される体表面に用いられるユニフォーム等)、並びに馬用の毛布であってもよい。
本発明フィラメント、または本発明繊維製品によって防除できる有害生物としては、アカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、トラフカクイカ等のカクイカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、トウゴウヤブカ、キンイロヤブカ、セスジヤブカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、アシマダラヌマカ等のヌマカ類、キンパラナガハシカ等のナガハシカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ科に属するセスジユスリカ、オオユスリカ、アカムシユスリカ、シマユスリカ、オオヤマチビユスリカ、アブ類、ハエ類、ブユ類、サシチョウバエ類、ヌカカ類、ツェツェバエ類、ユスリカ類、ノミ類、シラミ類、トコジラミ類、サシガメ類、ゴキブリ類、アリ類、シロアリ類、ゴキブリ類、ダニ類、マダニ類等が挙げられる。
本発明の有害生物の防除方法は、本発明フィラメント、または本発明繊維製品を、有害生物に接触させる工程を有する。すなわち、本発明フィラメント、または本発明繊維製品を有害生物の生息場所、とくに人や動物等の誘引源の周辺に設置することにより、有害生物が誘引源に近づこうとする際に本発明フィラメント、または本発明繊維製品に接触し、本発明フィラメント、または本発明繊維製品に保持されている本化合物の殺虫効果および吸血阻害効果により防除することができる。また、本発明フィラメント、または本発明繊維製品と餌や熱源、光源等の誘引源とを組み合わせたトラップとして使用することにより、有害生物を防除することができる。
以下、本発明を実施例にてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例1>
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン2.00g(10.57mmol)とDMF20mlとの混合物に炭酸カリウム2.92g(21.13mmol)及び4,5−ジクロロ−6−エチルピリミジン2.06g(11.63mmol)を加え、90℃で5時間撹拌し、室温に冷却後、水60mlを加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(本化合物)3.00gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.27 (3H, t, J = 7.5 Hz), 2.79 (2H, q, J = 7.5 Hz), 3.00 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.79 (2H, q, J = 7.0 Hz), 5.42 (1H, bs), 7.35 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.58 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.45 (1H, s).
<製造例2>
(1)繊維製品Aの製造方法
ソルポール1200 0.053ml、ジメチルスルホキシド 0.526mlおよびキシレン 0.421mlを混合し、混合溶剤(A)を得た。またシクロヘキサン 0.9mlおよびジメチルスルホキシド 0.1mlを混合し、混合溶剤(B)を得た。スクリュー管に本化合物 7.8125mgを秤量し、混合溶剤(A) 1ml、混合溶剤(B) 1ml、およびイオン交換水 18mlを添加して十分に混合し、含浸溶媒Aを得た。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Aをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Aをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Aを作成した。その後繊維製品Aを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例3>
(1)繊維製品Bの製造方法
スクリュー管に本化合物 15.625mgを秤量し、製造例2で調製した混合溶剤(A) 1ml、混合溶剤(B) 1ml、およびイオン交換水 18mlを添加してよく混ぜ、含浸溶媒Bを得た。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Bをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Bをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Bを作成した。その後繊維製品Bを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例4>
(1)繊維製品Cの製造方法
スクリュー管にデルタメトリン 15.625mgを秤量し、製造例2で調製した混合溶剤(A) 1ml、混合溶剤(B) 1ml、およびイオン交換水 18mlを添加してよく混ぜ、含浸溶媒Cとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Cをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Cをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Cを作成した。その後繊維製品Cを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例5>
(1)繊維製品Dの製造方法
製造例2で調製した混合溶剤(A) 1ml、混合溶剤(B) 1ml、およびイオン交換水 18mlを添加してよく混ぜ、含浸溶媒Dとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Dをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Dをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Dを作成した。その後繊維製品Dを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例6>
(1)繊維製品Eの製造方法
200ml容メスフラスコに本化合物 2.291gを秤量し、エタノールを添加して溶解させ200mlとしたものを薬液(C)とした。100ml容メスフラスコにアクリル酸エステル共重合44%エマルジョン 18.940gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Eとした。100ml容メスフラスコに薬液(C)を10mlおよびバインダー液Eを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Eとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Eをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Eをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Eを作成した。その後繊維製品Eを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例7>
(1)繊維製品Fの製造方法
100ml容メスフラスコにポリカーボネート系ウレタン40%エマルジョン 20.730gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Fとした。100ml容メスフラスコに製造例6で調製した薬液(C)を10mlおよびバインダー液Fを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Fとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Fをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Fをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Fを作成した。その後繊維製品Fを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例8>
(1)繊維製品Gの製造方法
100ml容メスフラスコにアクリル酸エステル共重合44%エマルジョン 18.940gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Gとした。100ml容メスフラスコに製造例6で調製した薬液(C)を14.5mlおよびバインダー液Gを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Gとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Gをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Gをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Gを作成した。その後繊維製品Gを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例9>
(1)繊維製品Hの製造方法
100ml容メスフラスコにポリカーボネート系ウレタン40%エマルジョン 20.730gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Hとした。100ml容メスフラスコに製造例6で調製した薬液(C)を14.5mlおよびバインダー液Hを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Hとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Hをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Hをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Hを作成した。その後繊維製品Hを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例10>
(1)繊維製品Iの製造方法
100ml容メスフラスコにポリカーボネート系ウレタン40%エマルジョン 20.730gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Iとした。100ml容メスフラスコに製造例6で調製した薬液(C)を45.5mlおよびバインダー液Iを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Iとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Iをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Iをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Iを作成した。その後繊維製品Iを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例11>
(1)繊維製品Jの製造方法
200ml容メスフラスコにデルタメトリン 2.291gを秤量し、エタノールを添加して溶解させ200mlとしたものを薬液(D)とした。100ml容メスフラスコにアクリル酸エステル共重合44%エマルジョン 18.940gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Jとした。100ml容メスフラスコに薬液(D)を14.5mlおよびバインダー液Jを25mlそれぞれ採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Jとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Jをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Jをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Jを作成した。その後繊維製品Jを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<製造例12>
(1)繊維製品Kの製造方法
100ml容メスフラスコにアクリル酸エステル共重合44%エマルジョン 18.940gを秤量し、エタノールを添加して分散させ100mlとしたものをバインダー液Kとした。100ml容メスフラスコにバインダー液Kを25ml採取し、エタノールを添加して100mlとしたものを含浸溶媒Kとした。マルチフィラメント太さ0.2mmおよびホールサイズ2mmのポリエステル製編み生地を縦25cmおよび横25cmで切り出し、ステンレスバットの中に広げ、含浸溶媒Kをポリエステル製編み生地に注いだ。ピンセットを用いて含浸溶媒Kをポリエステル製編み生地になじませ、繊維製品Kを作成した。その後繊維製品Kを一晩遮光条件で室温にて乾燥させた。
<試験例1>
本化合物の基礎的な殺虫活性を局所施用法で調べた。種々の濃度に調製した本化合物のアセトン溶液を、炭酸ガスで麻酔した未吸血のハマダラカ雌成虫(Anopheles gambiae Kisumu系統)の胸背部にマイクロシリンジを用いて0.3μl滴下処理した。処理後、ハマダラカ雌成虫をプラスチックカップ(直径9cm、高さ約4.5cm)に移し入れ、5%砂糖水を与えて24時間後の死虫率を求めた。供試したハマダラカ雌成虫は、1濃度につき10頭2反復とした。試験結果より本化合物の半数致死量(LD50値)をプロビット法で算出した。比較対象として、デルタメトリンを用いて本化合物と同様の実験を行った。ここで、半数致死量が低い化合物ほど基礎殺虫活性が高いことを意味する。本化合物のデルタメトリンに対する相対効力を求めるため、デルタメトリンのLD50値に対するLD50値の比を算出した。結果を表1に示した。
<表1>
<試験例2>
製造例2〜5で得た繊維製品A〜Dのハマダラカ雌成虫(Anopheles gambiae Kisumu系統)に対する致死効果を下記の参考文献に記載の標準WHOトンネル法に従って調査した。トンネル試験のための装置は下記の参考文献の記載に従って作成した。すなわち、本装置はガラス製のトンネル部分(高さ25cm, 幅25cm, 長さ60cm)と、その両端に接続したケージ部分(25cm角)から構成されている。各繊維製品を金属フレームに固定し、20×20cmを露出させて、これをガラストンネルの一端から3分1(一端から20cm)の位置に設置し、トンネルに2つのセクションを設けた。各繊維製品には蚊が通過できるように直径1cmの穴を5cm間隔で9箇所開口した。蚊がこの穴を通過してセクション間を移動する際は必ず繊維製品に接触する。誘引源をトンネルの短いセクションに置き、18:00に供試サンプルを挟んで誘引源とは反対側のセクションに羽化後3−5日令のハマダラカ雌成虫(Anopheles gambiae Kisumu系統)を110頭放虫した。
翌朝9:00トンネル試験終了時にハマダラカ雌成虫をプラスチックカップ(直径9cm、高さ約4.5cm)に移し入れ、5%砂糖水を与えて24時間後の死虫率を求めた。試験サンプルにおける死虫率は、対照サンプルの死虫率で補正した24時間後の補正死虫率を式(a)により算出した。ここで、24時間後の補正死虫率が高いサンプルほど、誘引源が存在する条件で接触殺虫活性が高いことを意味する。なお、ここで対照サンプルは繊維製品Dである。結果を表2に示した。
(参考文献)
WHOPES(2005), Guidelines for laboratory and field testing of long-lasting insecticidal mosquito nets, WHO/CDS/WHOPES/GCDPP/2005.11 Geneva, WHO.
<表2>
<試験例3>
本化合物とデルタメトリンの基礎的な殺虫活性を試験例1と同様の方法で調べた。ただし、供試したハマダラカ雌成虫はピレスロイド抵抗性ハマダラカ(Anopheles gambiae VK7系統)とし、1濃度につき10頭2反復とした。本化合物のデルタメトリンに対する相対効力を求めるため、デルタメトリンのLD50値に対するLD50値の比を算出した。結果を表3に示した。
<表3>
<試験例4>
製造例2〜5で得た繊維製品A〜Dのピレスロイド抵抗性ハマダラカ(Anopheles gambiae VK7系統)に対する致死効果を、ハマダラカ雌成虫(Anopheles gambiae Kisumu系統)のかわりにピレスロイド抵抗性ハマダラカ(Anopheles gambiae VK7系統)を用いたこと以外は試験例2と同様の方法で調査した。なお、ここで対照サンプルは繊維製品Dである。結果を表4に示す。
<表4>
<試験例5>
製造例6〜12で得た繊維製品E〜Kのピレスロイド抵抗性ハマダラカ(Anopheles gambiae VK7系統)に対する吸血阻害効果を、下記の参考文献に記載の標準WHOトンネル法に従って確認した。標準WHOトンネル法に用いる装置は、下記の参考文献の記載に従って作成した。すなわち、本装置はガラス製のトンネル部分(高さ25cm, 幅25cm, 長さ60cm)と、その両端に接続したケージ部分(25cm角)から構成されている。各成形品を金属フレームに固定し、20×20cmを露出させて、これをガラストンネルの一端から3分の1(一端から20cm)の位置に設置し、トンネルに2つのセクションを設けた。各樹脂ネットには蚊が通過できるように直径1cmの穴を5cm間隔で9箇所開口した。蚊がこの穴を通過してセクション間を移動する際は必ず樹脂ネットに接触する。誘引源をトンネルの短いセクションに置き、18:00に供試サンプルを挟んで誘引源とは反対側のセクションに羽化後3−5日令のピレスロイド抵抗性ハマダラカ雌成虫(Anopheles gambiae VK7系統)を110頭放虫した。
翌朝9:00の試験終了時にハマダラカ雌成虫をプラスチックカップ(直径9cm、高さ約4.5cm)に移し入れ、吸血率を求めた。試験サンプルにおける吸血阻害率は対照サンプルの吸血率で補正した式(b)により算出した。ここで、吸血阻害率が高いサンプルほど、誘引源が存在する条件で吸血阻害活性が高いことを意味する。なお、ここで対照サンプルは繊維製品Kである。結果を表5に示した。
(参考文献)
WHOPES(2005), Guidelines for laboratory and field testing of long-lasting insecticidal mosquito nets, WHO/CDS/WHOPES/GCDPP/2005.11 Geneva, WHO.
<表5>
本発明マルチフィラメント、及び繊維製品は、有害生物の防除、特に蚊の防除に有用である。

Claims (4)

  1. ポリエステル製のマルチフィラメントの表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンを保持させたマルチフィラメント。
  2. ポリエステル製のマルチフィラメントを用いて作成された繊維製品の表面に、5−クロロ−4−エチル−6−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミノ]ピリミジンを保持させた繊維製品。
  3. 請求項2記載の繊維製品を用いて作成された蚊帳。
  4. 請求項1記載のマルチフィラメント、または請求項2記載の繊維製品を、有害生物に接触させる工程を有する、有害生物の防除方法。
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