JP6697253B2 - 装着型映像表示装置及び接眼光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、導光プリズムを含む装着型映像表示装置、及び、導光プリズムを含む接眼光学系に関する。
近年、頭部に装着されて使用される装着型映像表示装置が注目されている。その一例として、眼鏡の形状を有した画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
装着型映像表示装置は、例えば、表示素子と、導光プリズムを含む接眼光学系を備え、表示素子からの映像光を導光して使用者の眼球に向け射出することで、表示素子の表示映像を使用者の視野内に表示する。
導光プリズムは、表示素子からの映像光を使用者の眼球前まで導光するものであるから、使用者の視界を大きく遮らないように、小型及び薄型に構成されている。
しかしながら、導光プリズムを小型及び薄型にすると、例えば後述の図4に示すように、導光プリズム内の導光プリズム側面で反射した光が使用者の瞳孔に入射して、使用者の視野内にゴースト像を生じさせる場合がある。
図1は、従来の装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。図2は、接眼光学系を図1とは異なる方向から見た斜視図である。図3は、表示素子及び接眼光学系の平面図である。図4は、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。
図1乃至3において、接眼光学系1は、表示素子2からの映像光を導光する導光プリズム3と、導光プリズム3により導光された映像光を使用者の眼球へ向け射出する射出部4を含む。
導光プリズム3は、表示素子2からの映像光の光路を取り囲むように配置された4つの側面3a、3b、3c、及び3dと、表示素子2からの映像光を射出部4へ反射する反射面3eを含む。
射出部4は、正の屈折力を有する射出面4aを含み、その射出面4aは、反射面3eで反射された映像光を射出する。
光軸5(5a、5b)は、表示素子2の表示領域中心から、反射面3e以外で反射することなく、射出部4の射出面4aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面3eで反射する前の光線を光軸5aとし、反射面3eで反射した後の光線を光軸5bとする。
導光プリズム3の側面3a及び3bは、光軸5a及び5bを含む平面に対して平行に配置された面である。導光プリズム3の側面3c及び3dは、光軸5a及び5bを含む平面に対して垂直な、光軸5aを含む平面に対して平行に配置された面である。
導光プリズム3の断面3fは、光軸5a及び5bを含む平面に対して垂直な、光軸5aを含む平面との断面である。導光プリズム3の断面3gは、射出部4よりも表示素子2側の、光軸5aに垂直な平面との断面である。導光プリズム3の断面3hと射出部の断面4bは、光軸5a及び5bを含む平面に対して垂直な、光軸5bを含む平面との断面である。なお、断面3f、3g、及び3hの各々は、長方形又は正方形の形状を有する。また、断面3f、3g、3h、及び4bは、接眼光学系1の断面でもある。
このような構成の接眼光学系1によれば、例えば図4に示したように、表示素子2の表示領域中心から射出して接眼光学系1の断面3f、3h、及び4bの各断面上を通る光線に注目したときに、導光プリズム3の側面3a(又は側面3b)で反射した光線が使用者の瞳孔(眼球6の瞳孔)へ入射する場合がある。この場合、使用者の視野内には、その光線によるゴースト像が生じることになる。特に、導光プリズム3の側面3a(又は側面3b)における、反射面3eと射出部4との間に挟まれた領域は、射出部4に近いことから、その領域で反射した光は、より強いゴースト像を生じさせることになる。
このようなゴースト像は、導光プリズム3の小型化及び薄型化に伴って生じ易い。
従って、小型及び薄型の導光プリズムを含む接眼光学系を備えた装着型映像表示装置においては、導光プリズムの側面で反射した光により発生するゴースト像の除去又は低減が望まれている。
特開2015−135506号公報
本発明は、上記実状に鑑み、導光プリズムの側面で反射した光により発生するゴースト像を抑制することができる装着型映像表示装置及び接眼光学系を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、表示素子と接眼光学系を含む装着型映像表示装置である。接眼光学系は、表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、導光プリズムにより導光された映像光を射出する射出部とを含む。導光プリズムは、映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、映像光を射出部へ反射する反射面とを含む。射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、射出面は、反射面で反射された前記映像光を射出する。複数の側面は、反射面で反射される前の映像光の第1光軸と反射面で反射された後の映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ射出部と反射面との間に挟まれた第1側面を含む。第1側面の、第1光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第1光軸に対して近づくような第1の傾斜角を有すると共に、第1側面の、第2光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第2光軸に対して離れるような第2の傾斜角を有する。複数の側面は、第1側面よりも光路の上流側であって第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含む。第2側面の、第1光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第1光軸に対して近づくような第3の傾斜角を有する。第1光軸に対して垂直な第2平面と第2側面との第1交線は、第2光軸の、反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、第1平面と第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。
本発明の他の一態様は、接眼光学系であって、表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、導光プリズムにより導光された映像光を射出する射出部とを含む。導光プリズムは、映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、映像光を射出部へ反射する反射面とを含む。射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、射出面は、反射面で反射された映像光を射出する。複数の側面は、反射面で反射される前の映像光の第1光軸と反射面で反射された後の映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ射出部と反射面との間に挟まれた第1側面を含む。第1側面の、第1光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第1光軸に対して近づくような傾斜角を有すると共に、第1側面の、第2光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第2光軸に対して離れるような傾斜角を有する。複数の側面は、第1側面よりも光路の上流側であって第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含む。第2側面の、第1光軸を含み第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、光路の下流側に向かって、第1光軸に対して近づくような傾斜角を有する。第1光軸に対して垂直な第2平面と第2側面との第1交線は、第2光軸の、反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、第1平面と第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。
本発明は、導光プリズムを含む装着型映像表示装置、又は、導光プリズムを含む接眼光学系において、導光プリズムの側面で反射した光により発生するゴースト像を抑制することができる、という効果を奏する。
従来の装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 接眼光学系を図1とは異なる方向から見た斜視図である。 表示素子及び接眼光学系の平面図である。 表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る装着型映像表示装置の装着例を示す図である。 第1の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る、接眼光学系を図6とは異なる方向から見た斜視図である。 第1の実施形態に係る、表示素子及び接眼光学系の平面図である。 第1の実施形態に係る、装着型映像表示装置に含まれる筐体、表示素子、及び接眼光学系の断面図である。 第1の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の他の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る、接眼光学系を図12とは異なる方向から見た斜視図である。 第2の実施形態に係る、表示素子及び接眼光学系の平面図である。 第2の実施形態に係る、導光プリズムの断面の形状を示す図である。 第2の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の他の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る、接眼光学系を図19とは異なる方向から見た斜視図である。 第3の実施形態に係る、表示素子及び接眼光学系の平面図である。 第3の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる筐体、表示素子、及び接眼光学系の断面図である。 第3の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る、接眼光学系を図25とは異なる方向から見た斜視図である。 第4の実施形態に係る、表示素子及び接眼光学系の平面図である。 第4の実施形態において、導光プリズムの側面を粗面とした例を示す図である。 第4の実施形態において、導光プリズムの側面に遮光溝を設けた例を示す図である。 第3又は4の実施形態の変形例に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。 第5の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。 第5の実施形態に係る、筐体、表示素子、及び接眼光学系の平面図である。 第5の実施形態に係る、筐体、表示素子、及び接眼光学系の正面図である。 第5の実施形態に係る、接眼光学系の複数箇所における断面を示す図である。 第5の実施形態に係る、表示素子、接眼光学系の光軸を含む断面、及び使用者の眼球を示す図である。
<第1の実施形態>
図5は、第1の実施形態に係る装着型映像表示装置の装着例を示す図である。
図5に示したように、本実施形態に係る装着型映像表示装置11は、眼鏡12のリムに固定されており、その眼鏡12を使用者が装着することによって、使用者の頭部に装着される。装着型映像表示装置11は、眼鏡12のリムに固定される筐体13と、筐体13内に配置される表示素子(不図示)と、筐体13により保持される接眼光学系14を含む。
図6は、装着型映像表示装置11に含まれる表示素子及び接眼光学系14の一例を示す斜視図である。図7は、接眼光学系14を図6とは異なる方向から見た斜視図である。図8は、表示素子及び接眼光学系14の平面図である。図9は、装着型映像表示装置11に含まれる筐体13、表示素子、及び接眼光学系14の断面図である。図10及び図11は、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系14の断面上を通る光線の一例を示す図である。
図6乃至9において、接眼光学系14は、表示素子15からの映像光を導光する導光プリズム16と、導光プリズム16により導光された映像光を使用者の眼球へ向け射出する射出部17を含む。
導光プリズム16は、表示素子15からの映像光の光路を取り囲むように配置された4つの側面16a、16b、16c、及び16dと、表示素子15からの映像光を射出部17へ反射する反射面16eを含む。
射出部17は、正の屈折力を有する射出面17aを含み、その射出面17aは、反射面16eで反射された映像光を射出する。
光軸18(18a、18b)は、表示素子15の表示領域中心から、反射面16e以外で反射することなく、射出部17の射出面17aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面16eで反射する前の光線を光軸18aとし、反射面16eで反射した後の光線を光軸18bとする。また、反射面16eで反射する前の光線の進行方向を光軸18aの正方向とし、反射面16eで反射した後の光線の進行方向を光軸18bの正方向とする。
導光プリズム16の側面16a及び16bは、光軸18a及び光軸18bを含む平面の対向側に配置される面であって、光軸18aの正方向に向かって、光軸18a及び光軸18bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有する。このとき、その傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい値である。ここで、Dは、射出部17の射出面17aの、光軸18a及び光軸18bを含む平面に対して垂直方向の開口寸法であり(後述の図10参照)、nは、導光プリズム16の屈折率である。
導光プリズム16の側面16c及び16dは、光軸18a及び18bを含む平面に対して垂直な、光軸18aを含む平面に対して平行に配置された面である。側面16c及び16dの少なくとも筐体13から露出される部分は、研磨されており、使用者の眼球から側面16c及び16dを介して外界を見ることができるようにされている。
導光プリズム16の断面16fは、光軸18a及び18bを含む平面に対して垂直な、光軸18aを含む平面との断面である。導光プリズム16の断面16gは、射出部17よりも表示素子15側の、光軸18aに垂直な平面との断面である。導光プリズム16の断面16hと射出部17の断面17bは、光軸18a及び18bを含む平面に対して垂直な、光軸18bを含む平面との断面である。なお、断面16fは台形の形状を有し、断面16g及び16hの各々は、長方形又は正方形の形状を有する。また、断面16f、16g、16h、及び17bは、接眼光学系14の断面でもある。
なお、このような構成の導光プリズム16においては、側面16aと断面16fとの交線、及び、側面16bと断面16fとの交線は、光軸18aの正方向に向かって、光軸18aに対して近づくような傾斜角を有する。
このような構成の接眼光学系14によれば、例えば図10に示したように、表示素子15の表示領域中心から射出して接眼光学系14の断面16f、16h、及び17bの各断面上を通る光線に注目したときに、反射面16eで反射する前に側面16a(又は側面16b)で反射した光線を、使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)から逸らすことができる。これは、次のような理由による。
眼球19の瞳孔中心を抜ける光に注目し、使用者の眼球19から射出部17の上下枠(断面17bと射出面17aとの交線における一方の端部と他方の端部)が見える角度θe(単位はラジアン)は、
θe=±(D/2)/(アイリリーフ)、
により求められる。
ここで、Dは、上述の射出部17の射出面17aの開口寸法である。アイリリーフは、射出部17と眼球19との間の光軸18b方向の距離である。例えば眼鏡等の分野においては、アイリリーフが略12mmであることが知られている。
そこで、アイリリーフを例えば12mmとすると、θe=±D/24となる。
導光プリズム16において、例えば、表示素子15の表示領域中心からの光線が、上述の近づくような傾斜角(絶対値の傾斜角がD/(48n)より大きい)を有する側面16aで反射すると、その光線の傾きは、D/(48n)×2=D/(24n)よりも大きくなる。そして、この傾きを有する光線が導光プリズム16を抜けるときには、射出部17の正の屈折力を考慮しなくても、D/(24n)×n=D/24より大きな傾きを有することになる。射出部17の正の屈折力を考慮すれば、更に大きな傾きを有することになる。すなわち、その光線が射出部17を抜けるときには、上述のθeよりも大きな傾きを有することになるので、使用者の瞳孔の中心を必ず逸れることなる。このため、使用者の視野内には、ゴースト像が生じないか、あるいは、ゴースト像が目立たなくなる。
すなわち、反射面16eで反射する前に側面16a(又は16b)で反射した光線によるゴースト像の発生を抑制することができる。
なお、この接眼光学系14によれば、例えば図11に示したように、反射面16eで反射した後に側面16a(又は側面16b)で反射した光線が使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)に入射して、ゴースト像を生じさせる場合がある。このような光線によるゴースト像は、以降の実施形態で述べる態様により抑制することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1の実施形態に係る装着側映像表示装置11における導光プリズム16の側面16a及び16bの傾斜方向を変更したものである。
第2の実施形態の説明では、理解を容易にするため、第1の実施形態で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
図12は、第2の実施形態に係る装着型映像表示装置11に含まれる表示素子15及び接眼光学系14の一例を示す斜視図である。図13は、第2の実施形態に係る、接眼光学系14を図12とは異なる方向から見た斜視図である。図14は、第2の実施形態に係る、表示素子15及び接眼光学系14の平面図である。図15は、第2の実施形態に係る、導光プリズム16の断面16gの形状を示す図である。図16及び図17は、第2の実施形態に係る、表示素子15の表示領域中心から射出して接眼光学系14の断面上を通る光線の一例を示す図である。図18は、第2の実施形態に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。なお、第2の実施形態に係る装着型映像表示装置11に含まれる筐体13、表示素子15、及び接眼光学系14の断面は、図9に示したものと同様である。
図12乃至図15において、第2の実施形態では、導光プリズム16の側面16a及び16bが、光軸18aの正方向に向かって光軸18a対して近づくような傾斜角を有すると共に、光軸18bの正方向に向かって光軸18bに対して離れるような傾斜角を有する。このとき、その近づくような傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい値である。また、その離れるような傾斜角の絶対値は、d/Lラジアンより大きい値である。ここで、D及びnは、第1の実施形態で説明したとおりである。dは、光軸18aと光軸18bとの交点から側面16a又は側面16bまでの、光軸18a及び光軸18bを含む平面に対して垂直方向の距離である。Lは、光軸18aと光軸18bとの交点から見た表示素子15の表示面の虚像位置である。より詳しくは、Lは、図14に示したように、表示素子15の表示面に設けられたカバーガラス15aの厚みをL1、そのカバーガラス15aの屈折率をnc、そのカバーガラス15aと導光プリズム16の入射面(表示素子15からの映像光の入射面)との間の距離をL2、その入射面と、光軸18aと光軸18bとの交点との距離をL3としたときに、
L=(n/nc)×L1+n×L2+L3、
により求められる。なお、この算出式は、後述の第4の実施形態において説明されるLの算出式に基づくものである。
また、導光プリズム16の側面16a及び16bが、このような傾斜を有することに伴って、導光プリズム16の断面16f、16g、及び16hが、いずれも台形の形状を有する。なお、断面16gは、図15に示したように、対向する平行な2辺のうち、使用者の眼球19側の辺が、長辺となる台形の形状を有する。
なお、このような構成の導光プリズム16においては、側面16aと断面16fとの交線、及び、側面16bと断面16fとの交線は、光軸18aの正方向に向かって、光軸18aに対して近づくような傾斜角を有すると共に、側面16aと断面16hとの交線、及び、側面16bと断面16hとの交線は、光軸18bの正方向に向かって、光軸18bに対して離れるような傾斜角を有する。
このような構成の接眼光学系14によれば、例えば図16に示したように、表示素子15の表示領域中心から射出して接眼光学系14の断面16f、16h、及び17bの各断面上を通る光線に注目したときに、反射面16eで反射する前に側面16a(又は側面16b)で反射した光線を、使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)から逸らすことができる。この理由は、第1の実施形態で述べたとおりである。従って、そのような光線によるゴースト像の発生を抑制することができる。
また、例えば図17に示したように、反射面16eで反射した後の光線を、側面16a又は側面16b)での反射をさせることなく接眼光学系14から射出させて、使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)から逸らすこともできる。これは、次のような理由による。
表示素子15の表示領域中心を射出して、断面16fと断面16hとの交線と側面16aとの交点に向かう光線の傾角は、d/Lである。なお、d及びLは上述のとおりである。従って、側面16aが、光軸18bの正方向に向かって光軸18bに対して離れるような傾斜角を有する場合には、表示素子15の表示領域中心を射出した光線は、反射面16eで反射した後に、側面16aに当たらなくなり、使用者の瞳孔から逸れることになる。従って、例えば図11に示したような光線によるゴースト像の発生を抑制することもできる。
なお、第2の実施形態においては、上述のとおり、導光プリズム16の側面16bが、光軸18bの正方向に向かって光軸18bに対して離れるような傾斜角を有している(例えば図15参照)。そのため、例えば図18に示したように、使用者の前方上空に位置する太陽からの光が、導光プリズム16の側面16dに入射して側面16bで反射した後、側面16cから射出して使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)に入射する場合がある。この場合、使用者は、太陽の光が反射する側面16bを白くまぶしく感じる場合がある。このような太陽光によるまぶしさは、以降の実施形態で述べる態様により抑制することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る装着型映像表示装置は、図示はしないが、図5に示した装着例と同様に、眼鏡のリムに固定され、その眼鏡を使用者が装着することによって使用者の頭部に装着される。また、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1又2の実施形態に係る装着型映像表示装置11と同様に、眼鏡のリムに固定される筐体と、筐体内に配置される表示素子と、筐体により保持される接眼光学系を含む。
図19は、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。図20は、第3の実施形態に係る、接眼光学系を図19とは異なる方向から見た斜視図である。図21は、第3の実施形態に係る、表示素子及び接眼光学系の平面図である。図22は、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる筐体、表示素子、及び接眼光学系の断面図である。図23は、第3の実施形態に係る、表示素子の表示領域中心から射出して接眼光学系の断面上を通る光線の一例を示す図である。図24は、第3の実施形態に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。
図19乃至図22において、接眼光学系21は、表示素子22からの映像光を導光する導光プリズム23と、導光プリズム23により導光された映像光を使用者の眼球へ向け射出する射出部24を含む。
導光プリズム23は、表示素子22からの映像光の光路を取り囲むように配置された10個の側面23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、及び23jと、表示素子22からの映像光を射出部24へ反射する反射面23kを含む。
射出部24は、正の屈折力を有する射出面24aと、2つの側面24b及び24cを含み、射出面24aは、反射面23kで反射された映像光を射出する。
光軸25(25a、25b)は、表示素子22の表示領域中心から、反射面23k以外で反射することなく、射出部24の射出面24aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面23kで反射する前の光線を光軸25aとし、反射面23kで反射した後の光線を光軸25bとする。また、反射面23kで反射する前の光線の進行方向を光軸25aの正方向とし、反射面23kで反射した後の光線の進行方向を光軸25bの正方向とする。
導光プリズム23の側面23a及び23bは、光軸25a及び光軸25bを含む平面の対向側に配置され且つ射出部24と反射面23kとの間に挟まれた面であって、光軸25aの正方向に向かって光軸25a対して近づくような傾斜角を有すると共に、光軸25bの正方向に向かって光軸25bに対して離れるような傾斜角を有する。このとき、その近づくような傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい値である。また、その離れるような傾斜角の絶対値は、d/(2L)ラジアンより大きい値である。ここで、D及びnは、第1の実施形態で説明したものと同様である。すなわち、Dは、射出部24の射出面24aの、光軸25a及び光軸25bを含む平面に対して垂直方向の開口寸法であり、nは、導光プリズム23の屈折率である。また、dとLは、第2の実施形態で説明したものと同様である。すなわち、dは、光軸25aと光軸25bとの交点から側面23a又は側面23bまでの、光軸25a及び光軸25bを含む平面に対して垂直方向の距離である。Lは、光軸25aと光軸25bとの交点から見た表示素子22の表示面の虚像位置である。より詳しくは、Lは、図21に示したように、表示素子22の表示面に設けられたカバーガラス22aの厚みをL1、そのカバーガラス22aの屈折率をnc、そのカバーガラス22aと導光プリズム23の入射面(表示素子22からの映像光の入射面)との間の距離をL2、その入射面と、光軸25aと光軸25bとの交点との距離をL3としたときに、
L=(n/nc)×L1+n×L2+L3、
により求められる。なお、この算出式は、後述の第4の実施形態において説明されるLの算出式に基づくものである。
導光プリズム23の側面23c及び23dは、光軸25a及び光軸25bを含む平面の対向側に配置される面であって、光軸25aの正方向に向かって、光軸25a及び光軸25bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有する。このとき、その傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい値である。ここで、D及びnは上述のとおりである。
導光プリズム23の側面23e及び23fは、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直な、光軸25aを含む平面に対して平行に配置された面である。側面23e及び23fは、研磨されており、使用者の眼球から側面23e及び23fを介して外界を見ることができるようにされている。
導光プリズム23の側面23g及び23hは、光軸25a及び25bを含む平面に対して平行に配置された面である。なお、側面23gと23hとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さは、側面23cと23dとの間の、最も表示素子22側であって且つ光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さよりも短くなっている。
導光プリズム23の側面23i及び23jは、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直な、光軸25aを含む平面に対して平行に配置された面である。
なお、導光プリズムの側面23g、23h、23i、及び23jの全て又は一部は、例えば図22に示したように、筐体26による接眼光学系21の保持に使用される。
射出部24の側面24b及び24cは、光軸25a及び25bを含む平面の対向側に配置された面であって、光軸25bの正方向に向かって、光軸25bに対して近づくような傾斜角を有する。
導光プリズム23の断面23lは、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直な、光軸25aを含む平面との断面である。導光プリズム23の断面23mは、側面23aよりも表示素子22側であって且つ側面23gよりも射出部24側の、光軸25aに垂直な平面との断面である。導光プリズム23の断面23nと射出部24の断面24dは、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直な、光軸25bを含む平面との断面である。なお、導光プリズム23の断面23mは、長方形又は正方形の形状を有し、導光プリズム23の断面23nは、台形の形状を有する。また、断面23l、23m、23n、及び24dは、接眼光学系21の断面でもある。
なお、このような構成の導光プリズム23において、側面23aと断面23lとの交線、及び、側面23bと断面23lとの交線は、光軸25aの正方向に向かって、光軸25aに対して近づくような傾斜角を有すると共に、側面23aと断面23nとの交線、及び、側面23bと断面23nとの交線は、光軸25bの正方向に向かって、光軸25bに対して離れるような傾斜角を有する。また、側面23cと断面23lとの交線、及び、側面23dと断面23lとの交線は、光軸25aの正方向に向かって、光軸25aに対して近づくような傾斜角を有する。
このような構成の接眼光学系21によれば、例えば図23に示したように、表示素子22の表示領域中心から射出して接眼光学系21の断面23l、23n、及び24dの各断面上を通る光線に注目したときに、反射面23kで反射した後に側面23a(又は23b)で反射した光線が、更に側面24b(又は24c)で反射して、使用者の瞳孔(眼球27の瞳孔)から逸れるようになる。これは、次のような理由による。
導光プリズム23の側面23aが有する傾斜角(光軸25bの正方向に向かって光軸25bに対して離れるような傾斜角)を、仮に、d/(2L)ラジアンとする。なお、d及びLは上述のとおりである。そうすると、表示素子22の表示領域中心から射出した光線が、反射面23kで反射した後に側面23aで反射すると、その光線は、光軸25bに対して平行か拡散方向へ進行する。このため、その光線は、光軸25bの正方向に向かって光軸25bに対して近づくような傾斜角を有する射出部24の側面24bによって遮断され、使用者の瞳孔に入射しないことになる。従って、導光プリズム23の側面23aが有する傾斜角(光軸25bの正方向に向かって光軸25bに対して離れるような傾斜角)が、d/(2L)ラジアンより大きければ、反射面23kで反射した後に側面23aで反射した光によるゴースト像の発生を抑制することができる。
また、この構成の接眼光学系21によれば、図示はしないが、表示素子22の表示領域中心から射出して、反射面23kで反射する前に側面23a又は23c(或いは、側面23b又は23d)で反射した光線を、使用者の瞳孔から逸らすこともできる。これは、第1の実施形態で説明した理由によるものである。
また、この構成の接眼光学系21によれば、導光プリズム23の側面23dが、光軸25bの正方向に向かって、光軸25a及び25bを含む平面に対してゼロの傾斜角を有することから、例えば、図24に示したように、使用者の前方上空に位置する太陽からの光は、導光プリズム23の側面23fに入射して側面23dで反射した後、側面23eから射出しても、使用者の瞳孔(眼球27の瞳孔)からは逸れるようになる。従って、使用者は、導光プリズム23の側面23dで反射した太陽からの光に、まぶしさを感じることはない。
また、この構成の接眼光学系21によれば、導光プリズム23の側面23gと23hが平行にされ、側面23iと23jが平行にされているので、例えば製造、組立時等に、筐体26への接眼光学系21の挿入量の調整(表示素子22と接眼光学系21との光学的な位置調整等)が容易になる。また、太さが一定でない部分を保持する場合よりも、筐体26の設計が容易になる。
また、この構成の接眼光学系21によれば、導光プリズム23において、側面23c、23d、23e、及び23fで囲まれている部分よりも、筐体26による保持に使用される側面23g、23h、23i、及び23jで囲まれた部分の方が細くなるので、筐体26を、より小型に構成することができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置の導光プリズム23において、表示素子22からの映像光の入射面を、屈折力を有する入射面に変更すると共に、側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さを、より短い長さに変更したものである。
第4の実施形態の説明では、理解を容易にするため、第3の実施形態で使用した符号と同一の符号を付して説明する。
図25は、第4の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子22及び接眼光学系21の一例を示す斜視図である。図26は、第4の実施形態に係る、接眼光学系21を図25とは異なる方向から見た斜視図である。図27は、第4の実施形態に係る、表示素子22及び接眼光学系21の平面図である。
図25乃至27において、第4の実施形態では、表示素子22からの映像光が入射する導光プリズム23の入射面が屈折力を有する。
また、第4の実施形態では、導光プリズム23の側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さが、第3の実施形態の場合よりも短くされている。また、このときに、第3の実施形態では、導光プリズム23の側面23c及び23aの各々の1つの頂点同士が側面23e側で接すると共に、側面23d及び23bの各々の1つの頂点同士が側面23e側で接していたのに対し、第4の実施形態では、導光プリズム23の側面23c及び23aの各々の1つの頂点同士が側面23f側で接すると共に側面23d及び23bの各々の1つの頂点同士が側面23f側で接するようにされている。これにより、側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さを、第3の実施形態にくらべ、短い長さに変更している。
また、第4の実施形態では、導光プリズム23の入射面が屈折力を有することから、光軸25aと光軸25bとの交点から見た表示素子22の表示面の虚像位置であるLが、次のようにして算出される。
図27に示したように、表示素子22の表示面に設けられたカバーガラス22aの厚みをL1、そのカバーガラス22aと導光プリズム23の入射面(屈折力を有する入射面)との間の距離をL2、その入射面と、光軸25aと光軸25bとの交点との距離をL3とする。また、導光プリズム23の屈折率をn、カバーガラス22aの屈折率をncとする。また、導光プリズムの入射面の屈折力をPとし、曲率をRとする。また、表示素子22の表示面から導光プリズム23の入射面までの空気換算光路長をLaとする。また、導光プリズム23内から見た表示素子22の表示面の虚像の、導光プリズム23の入射面からの距離をLiとする。
このとき、Laは、
La=L1/nc+L2、
により求められる。
Pは、
P=(n−1)/R、
により求められる。
結像の公式により、
1/La−1/(Li/n)=P、
であり、よって、
Li=n/(1/La−P)、
である。
これにより、光軸25aと光軸25bとの交点から見た表示素子22の表示面の虚像位置であるLは、
L=Li+L3=n/(1/La−P)+L3、
により求めることができる。
このような構成の接眼光学系21によっても、第3の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、第4の実施形態においては、表示素子22から射出して導光プリズム23の側面23g及び23hで反射した光が使用者の瞳孔に入射しないように、側面23g及び23hを粗面としてもよいし、又は、側面23g及び23hに遮光溝を設けるようにしてもよい。
図28は、側面23g及び23hを粗面とした例を示す図であり、図29は、側面23g及び23hに遮光溝を設けた例を示す図である。
図28及び29に示した例では、側面23g及び23hの、筐体26による保持に使用される部分に、粗面28又は遮光溝29が設けられ、その粗面28又は遮光溝29が筐体26から露出されないようにされている。このようにすることで、表示素子22から射出して側面23g又は23hで反射する光線によるゴースト像の発生を抑制することができる。また、例えば、導光プリズム23の側面23i及び23jの、少なくとも筐体26から露出されている部分が研磨されており、使用者が、その部分を介して外界を見ることができる場合には、粗面28や遮光溝29によって太陽光がこの部位に当たり散乱することでまぶしさを感じることを防止できる。
なお、このような粗面や遮光溝は、第3の実施形態における導光プリズム23の側面23g及び23hに適用することも勿論可能である。
また、第3又は4の実施形態においては、図24を用いて説明したように、導光プリズム23の側面23dで反射した太陽からの光のまぶしさを抑制することができるが、それを、より強く抑制したいのであれば、導光プリズム23の側面23dを、光軸25bの正方向に向かって、光軸25a及び25bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有するように構成してもよい。これにより、例えば、図30に示すように、使用者の前方上空に位置する太陽からの光は、導光プリズム23の側面23fに入射して側面23dで反射した後、側面23eから射出しても、使用者の瞳孔(眼球27の瞳孔)からは、より逸れるようになる。よって、側面23dで反射した太陽からの光のまぶしさを、より抑制することができる。なお、図30に示した例は、導光プリズム23の側面23cも、光軸25bの正方向に向かって、光軸25a及び25bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有するように構成された例である。
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る装着型映像表示装置は、図示はしないが、図5に示した装着例と同様に、眼鏡のリムに固定され、その眼鏡を使用者が装着することによって使用者の頭部に装着される。また、第5の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1乃至4の何れか1つの実施形態に係る装着型映像表示装置と同様に、眼鏡のリムに固定される筐体と、筐体内に配置される表示素子と、筐体により保持される接眼光学系を含む。
図31は、第5の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子及び接眼光学系の一例を示す斜視図である。図32は、第5の実施形態に係る、筐体、表示素子、及び接眼光学系の平面図である(但し、筐体のみを断面として示すと共に使用者の眼球も示す)。図33は、第5の実施形態に係る、筐体、表示素子、及び接眼光学系の正面図である(但し、筐体のみを断面として示す)。図34は、第5の実施形態に係る、接眼光学系の複数箇所における断面を示す図である。図35は、第5の実施形態に係る、表示素子、接眼光学系の光軸を含む断面、及び使用者の眼球を示す図である。
図31乃至35において、接眼光学系31は、表示素子32からの映像光を導光する導光プリズム33と、導光プリズム33により導光された映像光を使用者の眼球37へ向け射出する射出部34を含む。
なお、導光プリズム33は、第2の実施形態に係る導光プリズム16に対応する部分33aと、楕円柱部分33bとからなる。導光プリズム33の部分33aは、第2の実施形態に係る導光プリズム16を、その側面16a、16b、16c、及び16dが曲面で構成されるようにしたものである。導光プリズム33の楕円柱部分33bは、筐体35によって接眼光学系31が保持される部分であり、4つの遮光溝33c、33d、33e、33fが設けられている。なお、4つの遮光溝33c、33d、33e、33fは、筐体35内に収まり、露出されないようにされている。
導光プリズム33は、表示素子32からの映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面として、部分33aの側面である、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16a、16b、16c、及び16dの各々に対応する曲面と、楕円柱部分33bの側面である曲面とを含む。また、導光プリズム33は、表示素子32からの映像光を射出部34へ反射する反射面33gを含む。
射出部34は、正の屈折力を有する射出面34aを含み、その射出面34aは、反射面33gで反射された映像光を射出する。
光軸36(36a、36b)は、表示素子32の表示領域中心から、反射面33g以外で反射することなく、射出部34の射出面34aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面33gで反射する前の光線を光軸36aとし、反射面33gで反射した後の光線を光軸36bとする。また、反射面33gで反射する前の光線の進行方向を光軸36aの正方向とし、反射面33gで反射した後の光線の進行方向を光軸36bの正方向とする。
導光プリズム33の部分33aにおける、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16a及び16bの各々に対応する曲面は、光軸36a及び光軸36bを含む平面の対向側に配置され且つ射出部34と反射面33gとの間に挟まれた面である。その曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36aを含む平面との交線は、光軸36aの正方向に向かって光軸36a対して近づくような傾斜角を有する。また、その曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36bを含む平面との交線は、光軸36bの正方向に向かって光軸36b対して離れるような傾斜角を有する。
導光プリズム33の部分33aにおける、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16c及び16dの各々に対応する曲面は、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36aを含む平面の対向側に配置される面である。その曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面との交線は、光軸36aの正方向に向かって光軸36a対して負の傾斜角を有する。
接眼光学系31の断面31aは、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36aを含む平面との断面である。接眼光学系31の断面31bは、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36bを含む平面との断面である。接眼光学系31の断面31c、31d、及び31eは、導光プリズム33の楕円柱部分33bにおける、表示素子32側の位置、4つの遮光溝33c、33d、33e、及び33fが設けられている位置、及び反射面33g側の位置での、光軸36aに垂直な平面との断面である。接眼光学系31の断面31fは、導光プリズム33の部分33aにおける、光軸36aに垂直な平面との断面である。
なお、本実施形態に係る装着型映像表示装置では、接眼光学系31と表示素子32との位置関係によって、導光プリズム33における、光軸36a及び光軸36bを含む平面との断面と、光軸36aに垂直な平面(例えば断面31cを含む平面)との交線において、光軸36aから一方(射出部34側)の端部までの距離(例えば図32のd1)と、光軸36aから他方の端部までの距離(例えば図32のd2)との関係は、前者の距離が後者の距離よりも大きい関係にある(例えば図32において、d1>d2)。
また、4つの遮光溝33c、33d、33e、33fにおいて、遮光溝33c及び遮光溝33dと、遮光溝33e及び遮光溝33fは、光軸36a及び光軸36bを含む平面に対して対称に設けられている。また、遮光溝33c及び遮光溝33eと、遮光溝33d及び遮光溝33fは、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、楕円柱部分33bの中心軸を含む平面に対して非対称に設けられている。
このような構成の接眼光学系31によれば、表示素子32の表示領域中心から射出して接眼光学系31の断面31a及び31bの各断面上を通る光線に注目したときに、例えば図16に示した例と同様に、反射面33gで反射する前に、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16aに対応する、導光プリズム33の部分33aの曲面(又は第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16bに対応する、導光プリズム33の部分33aの曲面)で反射した光線を、使用者の瞳孔(眼球37の瞳孔)から逸らすことができる。すなわち、反射面33gで反射する前に側面16a(又は側面16b)に対応する曲面で反射した光線によるゴースト像の発生を抑制することができる。
また、4つの遮光溝33c、33d、33e、33fにより、表示素子32の表示領域中心から射出して楕円柱部分33bの側面である曲面で反射する光線によるゴースト像の発生を抑制することもできる。
上述の各実施形態において、表示素子は、例えば、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
また、上述の各実施形態に係る装着型映像表示装置は、図5に示した装着例に限らず、例えば、導光プリズムの長手方向が使用者の正中線方向に略平行になるように、使用者に装着されるようにしてもよい。
また、上述の各実施形態において、導光プリズムは、反射面を1つ有する構成であったが、その反射面よりも光路の上流側に、更に1つ以上の反射面を有するように構成してもよい。
また、第1の実施形態に係る導光プリズム16において、側面16aと断面16fとの交線の一部、及び、側面16bと断面16fとの交線の一部が、光軸18aの正方向に向かって、光軸18aに対して近づくような傾斜角を有するように構成してもよい。
また、第2の実施形態に係る導光プリズム16において、側面16aと断面16fとの交線の一部、及び、側面16bと断面16fとの交線の一部が、光軸18aの正方向に向かって、光軸18aに対して近づくような傾斜角を有すると共に、側面16aと断面16hとの交線の一部、及び、側面16bと断面16hとの交線の一部が、光軸18bの正方向に向かって、光軸18bに対して離れるような傾斜角を有するように構成してもよい。
また、第3及び第4の実施形態に係る導光プリズム23において、側面23aと断面23lとの交線の一部、及び、側面23bと断面23lとの交線の一部が、光軸25aの正方向に向かって、光軸25aに対して近づくような傾斜角を有すると共に、側面23aと断面23nとの交線の一部、及び、側面23bと断面23nとの交線の一部が、光軸25bの正方向に向かって、光軸25bに対して離れるような傾斜角を有するように構成してもよい。また、側面23cと断面23lとの交線の一部、及び、側面23dと断面23lとの交線の一部が、光軸25aの正方向に向かって、光軸25aに対して近づくような傾斜角を有するように構成してもよい。
また、第5の実施形態に係る導光プリズム33の部分33aにおいて、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16a及び16bの各々に対応する曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36aを含む平面との交線の一部が、光軸36aの正方向に向かって光軸36a対して近づくような傾斜角を有すると共に、その曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面に垂直な、光軸36bを含む平面との交線の一部が、光軸36bの正方向に向かって光軸36b対して離れるような傾斜角を有するように構成してもよい。また、第2の実施形態に係る導光プリズム16の側面16c及び16dの各々に対応する曲面と、光軸36a及び光軸36bを含む平面との交線の一部が、光軸36aの正方向に向かって光軸36a対して近づくような傾斜角を有するように構成してもよい。
本発明は、上記実施形態をそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、様々の発明を形成できる。例えば、実施形態にしめされる全構成要素のいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 接眼光学系
2 表示素子
3 導光プリズム
3a、3b、3c、3d 側面
3e 反射面
3f、3g、3h 断面
4 射出部
4a 射出面
4b 断面
5、5a、5b 光軸
6 眼球
11 装着型映像表示装置
12 眼鏡
13 筐体
14 接眼光学系
15 表示素子
16 導光プリズム
16a、16b、16c、16d 側面
16e 反射面
16f、16g、16h 断面
17 射出部
17a 射出面
17b 断面
18、18a、18b 光軸
19 眼球
21 接眼光学系
22 表示素子
22a カバーガラス
23 導光プリズム
23a、23b、23c、23d、23e 側面
23f、23g、23h、23i、23j 側面
23k 反射面
23l、23m、23n 断面
24 射出部
24a 射出面
24b、24c 側面
24d 断面
25、25a、25b 光軸
26 筐体
27 眼球
28 粗面
29 遮光溝
31 接眼光学系
31a、31b、31c、31d、31e、31f 断面
32 表示素子
33 導光プリズム
33a 部分
33b 楕円柱部分
33c、33d、33e、33f 遮光溝
33g 反射面
34 射出部
34a 射出面
35 筐体
36、36a、36b 光軸
37 眼球

Claims (9)

  1. 表示素子と接眼光学系を含む装着型映像表示装置であって、
    前記接眼光学系は、
    前記表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、
    前記導光プリズムにより導光された前記映像光を射出する射出部と、
    を含み、
    前記導光プリズムは、
    前記映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、
    前記映像光を前記射出部へ反射する反射面と、
    を含み、
    前記射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、前記射出面は、前記反射面で反射された前記映像光を射出し、
    前記複数の側面は、前記反射面で反射される前の前記映像光の第1光軸と前記反射面で反射された後の前記映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ前記射出部と前記反射面との間に挟まれた第1側面を含み、
    前記第1側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような第1の傾斜角を有すると共に、前記第1側面の、前記第2光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第2光軸に対して離れるような第2の傾斜角を有し、
    前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって前記第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含み、
    前記第2側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような第3の傾斜角を有し、
    前記第1光軸に対して垂直な第2平面と前記第2側面との第1交線は、前記第2光軸の、前記反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、前記第1平面と前記第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。
  2. 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
    前記射出面の、前記第1平面に対して垂直方向の開口寸法をDとし、前記導光プリズムの屈折率をnとしたときに、前記第1の傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい。
  3. 請求項1又は2記載の装着型映像表示装置であって、
    前記第1光軸と前記第2光軸との交点から前記第1側面までの、前記第1平面に対して垂直方向の距離をdとし、前記交点から見た前記表示素子の表示面の虚像位置をLとしたときに、前記第2の傾斜角の絶対値は、d/Lラジアンより大きい。
  4. 請求項1又は2記載の装着型映像表示装置であって、
    前記射出部は、前記第1平面の対向側に配置された側面を更に含み、
    前記射出部の側面は、使用者の眼球側に向かって、前記第2光軸に対して近づくような傾斜角を有し、
    前記第1光軸と前記第2光軸との交点から前記第1側面までの、前記第1平面に対して垂直方向の距離をdとし、前記交点から見た前記表示素子の表示面の虚像位置をLとしたときに、前記第2の傾斜角の絶対値は、d/(2L)ラジアンより大きい。
  5. 請求項記載の装着型映像表示装置であって、
    前記射出面の、前記第1平面に対して垂直方向の開口寸法をDとし、前記導光プリズムの屈折率をnとしたときに、前記第3の傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい。
  6. 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
    前記接眼光学系を保持する筐体を更に含み、
    前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって、前記第1平面に対して垂直な、前記第1光軸を含む第2平面の一方及び他方の対向側に配置された第2側面及び第3側面を更に含み、
    前記第2側面及び前記第3側面の全て又は一部は、研磨され、前記筐体から露出されている。
  7. 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
    前記接眼光学系を保持する筐体を更に含み、
    前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側に配置された4つの側面を更に含み、
    前記4つの側面は、前記第1平面の一方及び他方の対向側に配置され且つ前記第1平面に対して略平行な第2側面及び第3側面と、前記第1平面に対して垂直な、前記第1光軸を含む第2平面の一方及び他方の対向側に配置され且つ前記第2平面に対して略平行な第4側面及び第5側面であり、
    前記筐体は、前記第2側面、前記第3側面、前記第4側面、及び前記第5側面の全て又は一部を用いて前記接眼光学系を保持する。
  8. 請求項記載の装着型映像表示装置であって、
    前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって、且つ、前記第2側面、前記第3側面、前記第4側面、及び前記第5側面よりも前記光路の下流側に配置された2つの側面を更に含み、
    前記2つの側面は、前記第1平面の一方及び他方の対向側に配置された第6側面及び第7側面であり、
    前記第2側面と前記第3側面との間の距離は、前記第6側面と前記第7側面との間の距離よりも短く、
    前記第2側面及び前記第3側面に遮光溝が設けられる、又は、前記第2側面及び前記第3側面が粗面である。
  9. 接眼光学系であって、
    表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、
    前記導光プリズムにより導光された前記映像光を射出する射出部と、
    を含み、
    前記導光プリズムは、
    前記映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、
    前記映像光を前記射出部へ反射する反射面と、
    を含み、
    前記射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、前記射出面は、前記反射面で反射された前記映像光を射出し、
    前記複数の側面は、前記反射面で反射される前の前記映像光の第1光軸と前記反射面で反射された後の前記映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ前記射出部と前記反射面との間に挟まれた第1側面を含み、
    前記第1側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような傾斜角を有すると共に、前記第1側面の、前記第2光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第2光軸に対して離れるような傾斜角を有し、
    前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって前記第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含み、
    前記第2側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような傾斜角を有し、
    前記第1光軸に対して垂直な第2平面と前記第2側面との第1交線は、前記第2光軸の、前記反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、前記第1平面と前記第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。
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