JP6697253B2 - 装着型映像表示装置及び接眼光学系 - Google Patents
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Description
装着型映像表示装置は、例えば、表示素子と、導光プリズムを含む接眼光学系を備え、表示素子からの映像光を導光して使用者の眼球に向け射出することで、表示素子の表示映像を使用者の視野内に表示する。
しかしながら、導光プリズムを小型及び薄型にすると、例えば後述の図4に示すように、導光プリズム内の導光プリズム側面で反射した光が使用者の瞳孔に入射して、使用者の視野内にゴースト像を生じさせる場合がある。
光軸5(5a、5b)は、表示素子2の表示領域中心から、反射面3e以外で反射することなく、射出部4の射出面4aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面3eで反射する前の光線を光軸5aとし、反射面3eで反射した後の光線を光軸5bとする。
従って、小型及び薄型の導光プリズムを含む接眼光学系を備えた装着型映像表示装置においては、導光プリズムの側面で反射した光により発生するゴースト像の除去又は低減が望まれている。
図5は、第1の実施形態に係る装着型映像表示装置の装着例を示す図である。
図5に示したように、本実施形態に係る装着型映像表示装置11は、眼鏡12のリムに固定されており、その眼鏡12を使用者が装着することによって、使用者の頭部に装着される。装着型映像表示装置11は、眼鏡12のリムに固定される筐体13と、筐体13内に配置される表示素子(不図示)と、筐体13により保持される接眼光学系14を含む。
光軸18(18a、18b)は、表示素子15の表示領域中心から、反射面16e以外で反射することなく、射出部17の射出面17aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面16eで反射する前の光線を光軸18aとし、反射面16eで反射した後の光線を光軸18bとする。また、反射面16eで反射する前の光線の進行方向を光軸18aの正方向とし、反射面16eで反射した後の光線の進行方向を光軸18bの正方向とする。
θe=±(D/2)/(アイリリーフ)、
により求められる。
導光プリズム16において、例えば、表示素子15の表示領域中心からの光線が、上述の近づくような傾斜角(絶対値の傾斜角がD/(48n)より大きい)を有する側面16aで反射すると、その光線の傾きは、D/(48n)×2=D/(24n)よりも大きくなる。そして、この傾きを有する光線が導光プリズム16を抜けるときには、射出部17の正の屈折力を考慮しなくても、D/(24n)×n=D/24より大きな傾きを有することになる。射出部17の正の屈折力を考慮すれば、更に大きな傾きを有することになる。すなわち、その光線が射出部17を抜けるときには、上述のθeよりも大きな傾きを有することになるので、使用者の瞳孔の中心を必ず逸れることなる。このため、使用者の視野内には、ゴースト像が生じないか、あるいは、ゴースト像が目立たなくなる。
なお、この接眼光学系14によれば、例えば図11に示したように、反射面16eで反射した後に側面16a(又は側面16b)で反射した光線が使用者の瞳孔(眼球19の瞳孔)に入射して、ゴースト像を生じさせる場合がある。このような光線によるゴースト像は、以降の実施形態で述べる態様により抑制することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1の実施形態に係る装着側映像表示装置11における導光プリズム16の側面16a及び16bの傾斜方向を変更したものである。
図12は、第2の実施形態に係る装着型映像表示装置11に含まれる表示素子15及び接眼光学系14の一例を示す斜視図である。図13は、第2の実施形態に係る、接眼光学系14を図12とは異なる方向から見た斜視図である。図14は、第2の実施形態に係る、表示素子15及び接眼光学系14の平面図である。図15は、第2の実施形態に係る、導光プリズム16の断面16gの形状を示す図である。図16及び図17は、第2の実施形態に係る、表示素子15の表示領域中心から射出して接眼光学系14の断面上を通る光線の一例を示す図である。図18は、第2の実施形態に係る、太陽からの光線の一例を示す図である。なお、第2の実施形態に係る装着型映像表示装置11に含まれる筐体13、表示素子15、及び接眼光学系14の断面は、図9に示したものと同様である。
L=(n/nc)×L1+n×L2+L3、
により求められる。なお、この算出式は、後述の第4の実施形態において説明されるLの算出式に基づくものである。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る装着型映像表示装置は、図示はしないが、図5に示した装着例と同様に、眼鏡のリムに固定され、その眼鏡を使用者が装着することによって使用者の頭部に装着される。また、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1又2の実施形態に係る装着型映像表示装置11と同様に、眼鏡のリムに固定される筐体と、筐体内に配置される表示素子と、筐体により保持される接眼光学系を含む。
光軸25(25a、25b)は、表示素子22の表示領域中心から、反射面23k以外で反射することなく、射出部24の射出面24aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面23kで反射する前の光線を光軸25aとし、反射面23kで反射した後の光線を光軸25bとする。また、反射面23kで反射する前の光線の進行方向を光軸25aの正方向とし、反射面23kで反射した後の光線の進行方向を光軸25bの正方向とする。
L=(n/nc)×L1+n×L2+L3、
により求められる。なお、この算出式は、後述の第4の実施形態において説明されるLの算出式に基づくものである。
なお、導光プリズムの側面23g、23h、23i、及び23jの全て又は一部は、例えば図22に示したように、筐体26による接眼光学系21の保持に使用される。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第3の実施形態に係る装着型映像表示装置の導光プリズム23において、表示素子22からの映像光の入射面を、屈折力を有する入射面に変更すると共に、側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さを、より短い長さに変更したものである。
図25は、第4の実施形態に係る装着型映像表示装置に含まれる表示素子22及び接眼光学系21の一例を示す斜視図である。図26は、第4の実施形態に係る、接眼光学系21を図25とは異なる方向から見た斜視図である。図27は、第4の実施形態に係る、表示素子22及び接眼光学系21の平面図である。
また、第4の実施形態では、導光プリズム23の側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さが、第3の実施形態の場合よりも短くされている。また、このときに、第3の実施形態では、導光プリズム23の側面23c及び23aの各々の1つの頂点同士が側面23e側で接すると共に、側面23d及び23bの各々の1つの頂点同士が側面23e側で接していたのに対し、第4の実施形態では、導光プリズム23の側面23c及び23aの各々の1つの頂点同士が側面23f側で接すると共に側面23d及び23bの各々の1つの頂点同士が側面23f側で接するようにされている。これにより、側面23cと23dとの間の、光軸25a及び25bを含む平面に対して垂直方向の長さを、第3の実施形態にくらべ、短い長さに変更している。
La=L1/nc+L2、
により求められる。
P=(n−1)/R、
により求められる。
1/La−1/(Li/n)=P、
であり、よって、
Li=n/(1/La−P)、
である。
L=Li+L3=n/(1/La−P)+L3、
により求めることができる。
なお、第4の実施形態においては、表示素子22から射出して導光プリズム23の側面23g及び23hで反射した光が使用者の瞳孔に入射しないように、側面23g及び23hを粗面としてもよいし、又は、側面23g及び23hに遮光溝を設けるようにしてもよい。
図28及び29に示した例では、側面23g及び23hの、筐体26による保持に使用される部分に、粗面28又は遮光溝29が設けられ、その粗面28又は遮光溝29が筐体26から露出されないようにされている。このようにすることで、表示素子22から射出して側面23g又は23hで反射する光線によるゴースト像の発生を抑制することができる。また、例えば、導光プリズム23の側面23i及び23jの、少なくとも筐体26から露出されている部分が研磨されており、使用者が、その部分を介して外界を見ることができる場合には、粗面28や遮光溝29によって太陽光がこの部位に当たり散乱することでまぶしさを感じることを防止できる。
また、第3又は4の実施形態においては、図24を用いて説明したように、導光プリズム23の側面23dで反射した太陽からの光のまぶしさを抑制することができるが、それを、より強く抑制したいのであれば、導光プリズム23の側面23dを、光軸25bの正方向に向かって、光軸25a及び25bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有するように構成してもよい。これにより、例えば、図30に示すように、使用者の前方上空に位置する太陽からの光は、導光プリズム23の側面23fに入射して側面23dで反射した後、側面23eから射出しても、使用者の瞳孔(眼球27の瞳孔)からは、より逸れるようになる。よって、側面23dで反射した太陽からの光のまぶしさを、より抑制することができる。なお、図30に示した例は、導光プリズム23の側面23cも、光軸25bの正方向に向かって、光軸25a及び25bを含む平面に対して近づくような傾斜角を有するように構成された例である。
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る装着型映像表示装置は、図示はしないが、図5に示した装着例と同様に、眼鏡のリムに固定され、その眼鏡を使用者が装着することによって使用者の頭部に装着される。また、第5の実施形態に係る装着型映像表示装置は、第1乃至4の何れか1つの実施形態に係る装着型映像表示装置と同様に、眼鏡のリムに固定される筐体と、筐体内に配置される表示素子と、筐体により保持される接眼光学系を含む。
光軸36(36a、36b)は、表示素子32の表示領域中心から、反射面33g以外で反射することなく、射出部34の射出面34aの中心を通る光線である。その光線のうち、反射面33gで反射する前の光線を光軸36aとし、反射面33gで反射した後の光線を光軸36bとする。また、反射面33gで反射する前の光線の進行方向を光軸36aの正方向とし、反射面33gで反射した後の光線の進行方向を光軸36bの正方向とする。
また、上述の各実施形態に係る装着型映像表示装置は、図5に示した装着例に限らず、例えば、導光プリズムの長手方向が使用者の正中線方向に略平行になるように、使用者に装着されるようにしてもよい。
2 表示素子
3 導光プリズム
3a、3b、3c、3d 側面
3e 反射面
3f、3g、3h 断面
4 射出部
4a 射出面
4b 断面
5、5a、5b 光軸
6 眼球
11 装着型映像表示装置
12 眼鏡
13 筐体
14 接眼光学系
15 表示素子
16 導光プリズム
16a、16b、16c、16d 側面
16e 反射面
16f、16g、16h 断面
17 射出部
17a 射出面
17b 断面
18、18a、18b 光軸
19 眼球
21 接眼光学系
22 表示素子
22a カバーガラス
23 導光プリズム
23a、23b、23c、23d、23e 側面
23f、23g、23h、23i、23j 側面
23k 反射面
23l、23m、23n 断面
24 射出部
24a 射出面
24b、24c 側面
24d 断面
25、25a、25b 光軸
26 筐体
27 眼球
28 粗面
29 遮光溝
31 接眼光学系
31a、31b、31c、31d、31e、31f 断面
32 表示素子
33 導光プリズム
33a 部分
33b 楕円柱部分
33c、33d、33e、33f 遮光溝
33g 反射面
34 射出部
34a 射出面
35 筐体
36、36a、36b 光軸
37 眼球
Claims (9)
- 表示素子と接眼光学系を含む装着型映像表示装置であって、
前記接眼光学系は、
前記表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、
前記導光プリズムにより導光された前記映像光を射出する射出部と、
を含み、
前記導光プリズムは、
前記映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、
前記映像光を前記射出部へ反射する反射面と、
を含み、
前記射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、前記射出面は、前記反射面で反射された前記映像光を射出し、
前記複数の側面は、前記反射面で反射される前の前記映像光の第1光軸と前記反射面で反射された後の前記映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ前記射出部と前記反射面との間に挟まれた第1側面を含み、
前記第1側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような第1の傾斜角を有すると共に、前記第1側面の、前記第2光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第2光軸に対して離れるような第2の傾斜角を有し、
前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって前記第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含み、
前記第2側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような第3の傾斜角を有し、
前記第1光軸に対して垂直な第2平面と前記第2側面との第1交線は、前記第2光軸の、前記反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、前記第1平面と前記第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。 - 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
前記射出面の、前記第1平面に対して垂直方向の開口寸法をDとし、前記導光プリズムの屈折率をnとしたときに、前記第1の傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい。 - 請求項1又は2記載の装着型映像表示装置であって、
前記第1光軸と前記第2光軸との交点から前記第1側面までの、前記第1平面に対して垂直方向の距離をdとし、前記交点から見た前記表示素子の表示面の虚像位置をLとしたときに、前記第2の傾斜角の絶対値は、d/Lラジアンより大きい。 - 請求項1又は2記載の装着型映像表示装置であって、
前記射出部は、前記第1平面の対向側に配置された側面を更に含み、
前記射出部の側面は、使用者の眼球側に向かって、前記第2光軸に対して近づくような傾斜角を有し、
前記第1光軸と前記第2光軸との交点から前記第1側面までの、前記第1平面に対して垂直方向の距離をdとし、前記交点から見た前記表示素子の表示面の虚像位置をLとしたときに、前記第2の傾斜角の絶対値は、d/(2L)ラジアンより大きい。 - 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
前記射出面の、前記第1平面に対して垂直方向の開口寸法をDとし、前記導光プリズムの屈折率をnとしたときに、前記第3の傾斜角の絶対値は、D/(48n)ラジアンより大きい。 - 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
前記接眼光学系を保持する筐体を更に含み、
前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって、前記第1平面に対して垂直な、前記第1光軸を含む第2平面の一方及び他方の対向側に配置された第2側面及び第3側面を更に含み、
前記第2側面及び前記第3側面の全て又は一部は、研磨され、前記筐体から露出されている。 - 請求項1記載の装着型映像表示装置であって、
前記接眼光学系を保持する筐体を更に含み、
前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側に配置された4つの側面を更に含み、
前記4つの側面は、前記第1平面の一方及び他方の対向側に配置され且つ前記第1平面に対して略平行な第2側面及び第3側面と、前記第1平面に対して垂直な、前記第1光軸を含む第2平面の一方及び他方の対向側に配置され且つ前記第2平面に対して略平行な第4側面及び第5側面であり、
前記筐体は、前記第2側面、前記第3側面、前記第4側面、及び前記第5側面の全て又は一部を用いて前記接眼光学系を保持する。 - 請求項7記載の装着型映像表示装置であって、
前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって、且つ、前記第2側面、前記第3側面、前記第4側面、及び前記第5側面よりも前記光路の下流側に配置された2つの側面を更に含み、
前記2つの側面は、前記第1平面の一方及び他方の対向側に配置された第6側面及び第7側面であり、
前記第2側面と前記第3側面との間の距離は、前記第6側面と前記第7側面との間の距離よりも短く、
前記第2側面及び前記第3側面に遮光溝が設けられる、又は、前記第2側面及び前記第3側面が粗面である。 - 接眼光学系であって、
表示素子からの映像光を導光する導光プリズムと、
前記導光プリズムにより導光された前記映像光を射出する射出部と、
を含み、
前記導光プリズムは、
前記映像光の光路を取り囲むように配置された複数の側面と、
前記映像光を前記射出部へ反射する反射面と、
を含み、
前記射出部は、正の屈折力を有する射出面を含み、前記射出面は、前記反射面で反射された前記映像光を射出し、
前記複数の側面は、前記反射面で反射される前の前記映像光の第1光軸と前記反射面で反射された後の前記映像光の第2光軸とを含む第1平面の対向側に配置され且つ前記射出部と前記反射面との間に挟まれた第1側面を含み、
前記第1側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような傾斜角を有すると共に、前記第1側面の、前記第2光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第2光軸に対して離れるような傾斜角を有し、
前記複数の側面は、前記第1側面よりも前記光路の上流側であって前記第1平面の対向側に配置された第2側面を更に含み、
前記第2側面の、前記第1光軸を含み前記第1平面に垂直な平面との交線の一部又は全部は、前記光路の下流側に向かって、前記第1光軸に対して近づくような傾斜角を有し、
前記第1光軸に対して垂直な第2平面と前記第2側面との第1交線は、前記第2光軸の、前記反射面から使用者の眼球側へ向かう方向に向かって、前記第1平面と前記第2平面との第2交線に対してゼロ又は近づくような傾斜角を有する。
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