JP6696056B1 - シアリルラクトースまたはその塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防用または治療用の組成物 - Google Patents

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Abstract

3’−または6’−シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防用または治療用の組成物に係わり、該3’−または6’−シアリルラクトースは、軟骨形成を促進すると共に、軟骨組織破壊を効果的に抑制するので,退行性関節炎の予防または治療のための組成物として有用である。

Description

本発明は、3’−または6’−シアリルラクトース(sialyllactose)、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎(osteoarthritis)の予防用または治療用の組成物に関する。
退行性関節炎(OA:osteoarthritis)は、主に、軟骨形成(cartilage ECM(extracellular matrix)synthesis)抑制及び軟骨組織破壊(cartilage destruction)促進による退行性関節疾患である。老化と係わる多くの病因学的危険因子と、病理生理学的過程とが退行性関節炎の進行に寄与する。関節の不安定性と損傷とを含んだ機械的ストレス、及び退行性関節炎にかかりやすくする老化関連因子が、潜在的な退行性関節炎の引き起こしメカニズムである。そのような因子は、多様な異化的及び同化的な因子を生産する独特の細胞タイプである軟骨細胞内生化学的経路の活性化により、Mmp(Matrix metalloproteinase)によるECMの分解、軟骨細胞の脱分化(dedifferentiation)、及びアポトーシス(apoptosis)を介したECM合成中断をもたらす(pelletier JP et al., Arthritis Rheum., 44: 1237-47, 2001)。特に、関節をなしている軟骨組織は、1回損傷されれば、正常に生体内で再生されない。そのような関節の軟骨組織が損傷される場合、激しい痛症と共に、日常活動に制限を受けることになり、慢性化される場合、致命的な退行性関節炎を誘発することになり、正常な生活や、職業的な活動を妨害することになる。
これまで、関節炎治療剤が開発されておらず、一般的に、関節炎症緩和目的に、NSAID(non-steroidal anti-inflammatory drugs)薬物を使用している。しかし、NSAID系薬物は、関節炎症のみを一時的に緩和させる効果が主な目的であるために、軟骨形成促進及び軟骨組織破壊抑制を必要とする非炎症性関節炎である退行性関節炎には、NSAID系の薬物使用は、適さない治療方法である(Pritchard MH et al., Annals of the Rheumatic Diseases, 37: 493-503, 1978)。そのような非ステロイド性抗炎症薬物(NSAIDs)は、炎症性関節炎であるリウマチ関節炎治療剤として、炎症メカニズムを遮断するためには適するが、むしろ軟骨損傷を加速化させたり、心血管、胃腸管、腎臓、肝臓などに対する副作用が問題として指摘されている。
また、現在、軟骨形成のために開発された自己由来軟骨細胞移植術は、患者の正常部位ですでに生成されている軟骨と、軟骨下骨との部分を共に採取し、損傷された軟骨部上に適当な孔をあけて移植し、硝子軟骨を生成する方法であり、一部患者において成功を収めたが、軟骨組織破壊部分が少なく、自家移植が可能な患者のみを対象に施行することができ、普遍的な方法にはなれない(Peterson L et al., J Bone Joint Surg Am. 85-A Suppl: 17-24, 2003)。
一方、母乳オリゴ糖内の3’−または6’−シアリルラクトース(3’−or 6−sialyllactose)は、腸に存在する細菌活性に影響を与える抗炎症特性を有しており、腸内の有用な細菌が良好に成長するように一助となるという報告がある(Izquierdo-Useros N et al., Plos Biol, 2012, 10)。シアリルラクトースは、母乳内に存在するので、服用に対する副作用がすでに検証されて、多様な機能に係わる研究が進行中であり、リウマチ関節炎患者に投与し、IgG変化による自家免疫疾患治療効果を確認している(米国特許5164374号明細書)が、3’−または6’−シアリルラクトースの退行性関節炎に対する予防及び治療の効果は、まだ知られていない。
そのために、本発明者らは、退行性関節炎を効率的に予防及び治療することができる新規物質を見い出そうと、鋭意努力した結果、3’−または6’−シアリルラクトースにより、軟骨形成促進と同時に、軟骨組織破壊が抑制されることを確認し、本発明の完成に至った。
pelletier JP et al., Arthritis Rheum., 44: 1237-47, 2001 Pritchard MH et al., Annals of the Rheumatic Diseases, 37: 493-503, 1978 Peterson L et al., J Bone Joint Surg Am. 85-A Suppl: 17-24, 2003 Izquierdo-Useros N et al., Plos Biol, 2012, 10
本発明の目的は、3’−または6’−シアリルラクトース(sialyllactose)、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎(osteoarthritis)の予防用、改善用または治療用の薬学組成物及び食品を提供するところにある。
本発明の他の目的は、3’−または6’−シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を投与する段階を含む退行性関節炎の治療方法を提供するところにある。
本発明のさらに他の目的は、3’−または6’−シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を退行性関節炎の治療に使用する用途を提供するところにある。
前記目的を達成するために、3’−または6’−シアリルラクトース(sialyllactose)またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎(osteoarthritis)の予防用または治療用の薬学組成物を提供する。
本発明は、また、3’−または6’−シアリルラクトースまたはその食品学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防または改善用食品を提供する。
本発明は、また、3’−または6’−シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を投与する段階を含む退行性関節炎の治療方法を提供する。
本発明は、また、3’−または6’−シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を退行性関節炎の治療に使用する用途を提供する。
多様な異化因子及び同化因子により、退行性関節炎誘発メカニズムを示す模式図である。 (A)3’−シアリルラクトース(3’−SL:3’−sialyllactose)及び(B)6’−シアリルラクトース(6’−SL:6’−sialyllactose)の化学構造式を示した図面である。 (A)3’−シアリルラクトース、または(B)6’−シアリルラクトースを軟骨細胞に濃度別に処理し、3’−シアリルラクトース及び6’−シアリルラクトースが軟骨細胞に細胞毒性を示さないことを確認した結果である。 軟骨細胞に、3’−シアリルラクトースを、それぞれ0,50,100,250μMで処理し、type II collagen(Col2a1)の発現が増大されることを確認した結果(A及びB)であり、IL−1βによって低減されたCol2a1発現が、3’−シアリルラクトースにより、それぞれ増大することを確認した結果(C及びD)であり、IL−1βによって低減されたSox−9活性度が、3’−シアリルラクトースによって上昇したことを確認した結果(E)である。 軟骨細胞に、6’−シアリルラクトースを、それぞれ0,50,100,250μMで処理し、type II collagen(Col2a1)の発現が増大されることを確認した結果(A)であり、IL−1βによって低減されたCol2a1発現が、6’−シアリルラクトースにより、それぞれ増大することを確認した結果(B)であり、type II collagen発現を調節する転写因子Sox−9活性因子が、IL−1βによって低減されると共に、6’−シアリルラクトースにより、さらに増大したことを確認した結果(C)である。 軟骨細胞において、IL−1βにより、関節破壊を誘導するMmp3及びMmp13の発現が増大することを確認した結果(A及びB)であり、IL−1βによって増大されたMmp3及びMmp13の発現が、3’−シアリルラクトースによって低減することを確認した結果(C及びD)である。 軟骨細胞において、IL−1βにより、関節破壊を誘導するMmp3及びMmp13の発現が増大することを確認した結果(A)であり、IL−1βによって増加されたMmp3及びMmp13の発現が、6’−シアリルラクトースによって低減することを確認した結果(B)である。 軟骨細胞において、IL−1βによって増大したErkリン酸化が、3’−シアリルラクトースによって不活性化されることを確認した結果である。
異なって定義されない限り、本明細書で使用された全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する技術分野において当業者によって一般的に理解されるところと同一の意味を有する。一般的に、本明細書で使用された命名法は、本技術分野で周知されており、一般的に使用されるものである。
関節炎は、大きく見て、非炎症性関節炎と炎症性関節炎とに分けられるが、非炎症性関節炎としては、骨関節炎(退行性関節炎(OA:osteoarthritis))を挙げることができ、炎症性関節炎としては、リウマチ関節炎を代表的なものとして挙げることができる(Yusuf E et al., Ann Rheum Dis, 70: 60-67, 2011; Berebaum F et al., Osteoarthritis Cartilage, 21: 16-21, 2013)。
骨関節炎は、一名、退行性関節炎とも呼ばれ、発病原因は、まだ明らかではないが、遺伝、外傷、肥満、老化、代謝異常のような多様な誘発因子がそこに関与すると知られている。そのような因子により、軟骨細胞において、攻撃因子と防御因子との均衡が崩れ、軟骨組織破壊促進及び軟骨摩耗が深化されながら、骨関節炎に特徴的な病理学的変化により、患者は、痛症を感じることになり、関節運動に制限が生ずると報告されている(Pelletier JP et al., Arthritis Rheum., 4: 1237-47, 2001)。
一方、リウマチ関節炎(RA:rheumatoid arthritis)の場合、軟骨細胞及び軟骨組織の破壊によって誘発される退行性関節炎とは異なり、自家免疫反応による疾患進行が重要な原因因子として知られている。リウマチ関節炎は、滑膜(synovial membrane)細胞の炎症と増殖とを特徴とする慢性自家免疫疾患(autoimmune diseases)であり、骨関節炎と異なり、関節周囲骨の骨多孔症及び骨糜爛などが発生する。リウマチ関節炎は、滑膜の炎症が、関節膜(joint capsule)、靭帯(ligament)及び腱(tendon)に広がり、骨に侵犯して進むことになる。従って、骨関節炎とリウマチ関節炎は、その発明原因及び進行段階が全く異なり、それらに対する治療方法も異なる。
これまで知られたリウマチ関節炎治療剤としては、炎症メカニズムを遮断するために、適する非ステロイド性抗炎症薬物(NSAIDs)、ペニシラミン、ステロイド性ホルモン、TNF抑制剤、インターロイキン抑制剤、JAK抑制剤、抗CD関連抑制剤などがそれに該当する(Pritchard MH et al., Ann Rheum Dis, 37: 493-503, 1978; 2014 Frost & Sullivan report: Product and pipeline analysis of the global rheumatoid arthritis therapeutics market)。関節痛症及び炎症緩和の目的で、NSAID薬物及びステロイド性ホルモンが、退行性関節炎患者に使用されているが、それは、疾病自体を治療するよりは、症状のみを緩和させるので、実質的な退行性関節炎治療剤としての役割を行えない(Abramson SB et al., Osteoarthritis Cartilage, 7: 380-1, 1999)。それだけではなく、軟骨細胞及び軟骨組織の破壊によって主に発生する退行性関節炎は、その発病原因と発病現象が、炎症性関節炎であるリウマチ関節炎とは厳然に異なるために、退行性関節炎治療方法も、リウマチ関節炎治療方法とは、異なってしまう。
例えば、退行性関節炎治療のために、2014年まで開発されている治療剤のほとんどは、Col2a1とECMとの分泌が促進される間葉系幹細胞と、さまざまな構造体を結合し、軟骨が破壊された部分に挿入し、軟骨再生を促進させることができる方向に進められている。一方、リウマチ関節炎治療剤の場合、TNF抑制剤、インターロイキン抑制剤、JAK抑制剤、抗CD関連抑制剤などを開発することにより、炎症性サイトカインを基本的に抑制するための方向に、治療剤開発が進められていることを確認することができる(2014 Frost & Sullivan report: 1. A product and pipeline Analysis of the Global knee cartilage repari market, 2. Product and pipeline analysis of the global rheumatoid arthritis therapeutics market)。すなわち、多様な関節炎形態で非炎症性性向を有している退行性関節炎と、炎症性性向を有しているリウマチ関節炎との治療標的は、互いに異なる形態を取っているということが分かる。
そのような結果を基に比較すれば、退行性関節炎とリウマチ関節炎との場合、全く異なる疾病原因が存在し、また現在開発されている治療剤も、退行性関節炎の場合、軟骨再生を中心に進められ、リウマチ関節炎の場合、炎症抑制を基本に進められているということを確認することができる。従って、退行性関節炎治療のための標的因子と、炎症性リウマチ関節炎治療のための標的因子は、互いに異なるように適用されなければならない。
本発明の用語「退行性関節炎(OA:osteoarthritis)及び「骨関節炎」は、混用して使用され、同一意味に理解されなければならないのである。
本発明においては、3’−または6’−シアリルラクトースが、軟骨細胞に毒性は示さないが、関節形成に重要な役割を行うタイプIIコラーゲン(Col2a1)の発現を促進させ、同時に、軟骨組織破壊を促進するMmp3、Mmp13の発現を抑制させることを確認した。また、Col2a1発現に関与する転写因子Sox−9の活性調節にも、3’−または6’−シアリルラクトースが直接関与することを確認し、Mmp3、Mmp13発現に関与するpErk信号伝達体系を3’−シアリルラクトースが直接調節することを確認した。
従って、本発明は、一観点において、シアリルラクトース(sialyllactose)、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎(osteoarthritis)の予防用または治療用の薬学組成物に係わるものである。
本発明において、前記シアリルラクトースは、3’−シアリルラクトースまたは6’−シアリルラクトースであることを特徴とする。
本発明で使用される用語「薬学的に許容可能な塩」とは、化合物が投与される有機体に深刻な刺激を誘発せず、化合物の生物学的な活性と物性とを損傷させない化合物の剤形を意味する。前記薬学的塩は、薬学的に許容される陰イオンを含む無毒性酸付加塩を形成する酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸のような無機酸;酒石酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、卜リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、ベンゾ酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、サリチル酸のような有機カーボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のようなスルホン酸などによって形成された酸付加塩が含まれる。例えば、薬学的に許容されるカルボン酸塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどによって形成された金属塩またはアルカリアルカリ土類金属塩;リシン、アルジニン、グアニジンなどのアミノ酸塩;ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジエタノールアミン、コリン及びトリエチルアミンのような有機塩などが含まれる。
本発明において、前記3’−または6’−シアリルラクトースの薬学的に許容可能な塩は、Naでもあるが、それに限定されるものではない。
前記3’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式1の構造を有することが望ましく、前記6’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式2の構造を有することが望ましいが、それらに限定されるものではない。
本発明で使用した試験単一化合物は、3’−または6’−シアリルラクトースであり、化学構造式は、C2338NO19Naであり、母乳に多く含有されている天然由来の単一化合物(single compound)である(図2)。
本発明において、前記3’−または6’−シアリルラクトースは、その誘導体を含むことを特徴とする。
本発明の用語「誘導体」とは、前記3’−または6’−シアリルラクトースの作用基を、導入、置換、酸化、還元などにより、母体の構造と性質とを大幅に変化させない限度に変化させた化合物を意味する。そのような作用基の種類には、制限がなく、例えば、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、フェノキシ基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、シクロヘキシル基、アルキルアルコール基、アルキルジアルコール基、または置換もしくは非置換のフェニルで置換もしくは非置換のC−C20二環式炭化水素基;ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、メチル基またはアミノ基で置換もしくは非置換のC−C30環式炭化水素基;または糖残基を含んでもよいが、それらに制限されるものではない。
本明細書において、「糖残基」とは、多糖類分子から1個の水素原子が除去された基を意味し、従って、例えば、単糖類またはオリゴ糖に由来した残基を意味する。
本明細書において、「置換された」は、別途の定義がない限り、作用基のうち一つ以上の水素原子がハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、イミノ基(=NH、=NR;Rは、C−C10アルキル基である)、アミノ基(−NH、−NH(R’)、−N(R”)(R”’);R’、R”、R”’は、それぞれ独立して、C−C10アルキル基である)、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基、C−C20アルキル基、C−C30アリール基、C−C30シクロアルキル基、C−C30ヘテロアリール基、またはC2ないしC30ヘテロシクロアルキル基に置換されるものを意味する。
本発明において、前記3’−または6’−シアリルラクトース、あるいは3’−または6’−シアリルラクトース誘導体が安定性を示すpHの範囲は、pH4ないしpH10であることが望ましいが、それに限定されるものではない。
本発明において、3’−または6’−シアリルラクトースを有効成分として含む退行性関節炎の予防用または治療用の薬学組成物は、下記特性のうち1以上を有することを特徴とする:
1)タイプIIコラーゲン(Col2a1)の発現増加
2)基質金属蛋白質分解酵素3(Mmp3)または基質金属蛋白質分解酵素13(Mmp13)の発現低減
3)Sox−9活性上昇
4)p−ERKの不活性化増大
本発明において、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を追加して含むことを特徴とする。「製薬上(薬学的に)許容される担体」は、製剤を製剤化させたり、安定化させたりすることに一助となるために、活性成分に追加される物質であり、患者に有意の有害な毒性効果を引き起こさせない。
前記担体は、患者を刺激せず、本発明による3’−または6’−シアリルラクトースの生物学的な活性及び特性を阻害しない担体または希釈剤を言う。液状溶液に製剤化される組成物において許容される薬学的担体としては、滅菌及び生体に適するものとして、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、及びそれら成分のうち1成分以上を混合して使用することができ、必要によっては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤のような他の一般的な添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液のような注射用剤形;丸薬、カプセル、顆粒または精製;に製剤化することができる。他の担体は、例えば、文献[Remington's Pharmaceutical Sciences (E. W. Martin)]に記載されている。
製薬上許容される担体は、滅菌注射可能な溶液剤または分散液剤を直ちに投与用(extemporaneous)に製造するための滅菌水溶液、あるいは分散液、及び滅菌粉末を含む。制約活性物質のためのそのような媒質及び作用剤の使用は、当業界に公知されている。組成物は、望ましくは、非経口注射用に製剤化される。該組成物は、溶液剤、マイクロエマルジョン剤、リポソーム剤、または高い薬物濃度に適するその他注文された構造物としても製剤化される。該担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適する混合物を含む溶媒または分散媒質でもある。一部の場合、組成物中に、等張化剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトールまたは塩化ナトリウムを含んでもよい。滅菌注射可能な溶液剤は、必要量の3’−または6’−シアリルラクトースを、必要によっては、前述成分のうち、1種、またはそれらの組み合わせ物と共に、適切な溶媒中に混入させた後、滅菌マイクロ濾過を行っても製造される。一般的には、分散液剤は、活性化合物を、基本的な分散媒質、及び前述のものからのその他必要な成分を含む滅菌ビークルに混入させて製造される。滅菌注射可能な溶液剤を製造するための滅菌粉末の場合、一部製造方法は、活性成分、及び任意の追加の所望成分の粉末を、そのあらかじめ滅菌・濾過させた溶液から生成する真空乾燥及び冷凍・乾燥(凍結乾燥)である。
また、本発明による薬剤学的組成物は、苦痛を受ける患者の重症度によっても異なる投与量及び頻度で、経口または非経口でも投与される。組成物は、必要によっては、ボーラスでもってまたは連続注入によっても患者に投与される。
本発明のシアリルラクトースを含む組成物は、関節老化による軟骨組織破壊を抑制し、軟骨形成を促進させ、退行性関節炎を治療することができる。
現在まで知られている退行性関節炎治療法としては、人工関節置換術、軟骨成形術、軟骨移植術、自己由来軟骨細胞移植術などがあるが、該人工関節置換術は、関節切開が必要であるので、患者の苦痛及び負担があり、施術過程が複雑であってややこしい。それだけではなく、自家移植が可能な患者のみを対象として施行するために、治療の制限的な部分が多く存在する(Peterson L et al., J Bone Joint Surg Am. 85-A Suppl: 17-24, 2003)。自家由来軟骨細胞移植術は、患者の正常部位から採取した軟骨組織から軟骨細胞を得て、体外で必要な数ほど培養して増殖した後、損傷された軟骨部分を充填する方法である。しかし、それも、供与組織が制限されており、移植用組織を採取するための手術を必要とするために、施術過程が複雑であってややこしい(Yoon et al., Journal of Rheumatic Diseases, 19, 2012)。それ以外に、自家油という骨髄、筋肉、脂肪などの組織から間葉系幹細胞を得て、体外で分化させ、関節軟骨損傷部位に注入する方法がある。しかし、間葉系幹細胞を、TGF−bを基に軟骨細胞に分化するとき、間葉系幹細胞が肥大軟骨細胞に分化される危険があり、BMPでもって、間葉系幹細胞を軟骨細胞に分化させた場合には、骨増殖体に分化される危険が存在する(1. Park et al., J of Korean Orthopaedic Research Society, 18:2, 2015; Mamidi MK et al., Osteoarthritis Cartilage, 24: 1307-16, 2016)。また、現在まで開発された退行性関節炎医薬品や健康食品類のほとんどが、実質的に退行性関節炎治療に重要な軟骨細胞活性及び軟骨再生効果よりは、陣痛緩和及び抗炎症効果にだけ重点を置く傾向を示している。
従って、従来の退行性関節炎の治療医薬品や健康食品類が有している副作用、軟骨再生効果低下、及び安全性確保などの問題点を解決することができ、人体に副作用がない母乳成分のうち一つである3’−または6’−シアリルラクトースは、退行性関節炎の予防、治療または改善のための原料として有用に使用されると期待することができる。
従って、本発明は、他の観点において、シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を投与する段階を含む退行性関節炎の治療方法に係わるものである。
本発明は、さらに他の観点において、シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物を退行性関節炎の治療に使用する用途を提供する。
本発明において、前記シアリルラクトースは、3’−シアリルラクトースまたは6’−シアリルラクトースであることが望ましく、さらに望ましくは、前記3’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式1の構造を有するものであり、前記6’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式2の構造を有するものであるが、それらに限定されるものではない。
本発明は、さらに他の観点において、シアリルラクトース、またはその食品学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防または改善用食品に係わるものである。
本発明において、前記シアリルラクトースは、3’−シアリルラクトースまたは6’−シアリルラクトースであることを特徴とする。
本発明において、前記3’−シアリルラクトースの食品学的に許容可能な塩は、前記化学式1の構造を有することが望ましく、前記6’−シアリルラクトースの食品学的に許容可能な塩は、前記化学式2の構造を有することが望ましいが、それらに限定されるものではない。
本発明において、前記3’−または6’−シアリルラクトースの食品学的に許容可能な塩は、Naでもあるが、それに限定されるものではない。
本発明において、前記3’−または6’−シアリルラクトースは、その誘導体を含むことを特徴とする。
本発明の食品は、機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)のような全ての形態で製造することができる。例えば、該健康食品としては、本発明の3’−シアリルラクトースを、茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するようにしたり、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取したりすることができる。また、該機能性食品としては、飲み物(アルコール性飲料含む)、果実及びその加工食品(例:果物缶詰、瓶詰、ジャム、マーマレードなど)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージ、コンビーフなど)、パン類及び麺類(例:うどん、そば、ラーメン、スパゲッティ、マカロニなど)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例:バター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:みそ、醤油、ソースなど)などに、本発明の3’−シアリルラクトースを添加して製造することができる。
前記健康機能食品も、食品組成物として、機能性食品、栄養補助剤、健康食品、食品添加剤などの多様な形態を含むものであり、当業界に公知された一般的な方法により、多様な形態、例えば、前述の3’−または6’−シアリルラクトース、茶、ジュース、ドリンクの形態で製造したり、顆粒化、カプセル化、粉末化したりするか、あるいはそのような化合物または抽出物を、飲み物、果実及び加工食品、魚類、肉類及びその加工食品、パン類、麺類、調味料など各種食品に添加して製造することによっても提供される。
以下、実施例を介して、本発明についてさらに詳細に説明する。それら実施例は、ただ、本発明についてさらに具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨により、本発明の範囲は、それら実施例によって制限されるものではないということは、当業界において当業者おいて自明であろう。
実施例1:シアリルラクトースによる軟骨細胞毒性測定
軟骨細胞(chondrocyte)は、生後5日の正常マウスの大腿骨頭(femoral heads)、大腿骨関節(femoral condyles)及び頚骨高原部(tibial plateaus)に由来する軟骨組織から得た。得られた軟骨細胞は、10%(v/v)ウシ胎児血清(fetal bovine serum,Gibco、米国)、50μg/mlのストレプトマイシン(Sigma-Aldrich、米国)及び50unit/mlペニシリン(Sigma-Aldrich、米国)が含有されたDMEM培地(Gibco、米国)から培養した。
3’−または6’−シアリルラクトースが、軟骨細胞に毒性がないということを確認するために、軟骨細胞を、96ウェル培養容器に、9×10cells/ウェル基準で培養した後、3’−または6’−シアリルラクトース(Genechem Inc.、大田、大韓民国)を、0,10,50,100,250μMの濃度別でそれぞれ処理し、24時間、37℃、5% COインキュベータで培養した。3’−または6’−シアリルラクトースの軟骨細胞に対する毒性は、EZ−Cytox Cell viability assay kit(DoGen、大韓民国)を使用し、450nmで吸光度を測定して確認した。
その結果、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースは、全ての濃度において、軟骨細胞に対する細胞毒性がなく、軟骨細胞増殖に悪影響を及ぼさないということを確認した(図3)。
実施例2:シアリルラクトースによる軟骨形成及び再生効果の確認
2−1:タイプIIコラーゲン(Col2a1)の発現増大
3’−または6’−シアリルラクトースによる軟骨形成及び再生効果を確認するために、実施例1で得られた軟骨細胞を36時間培養した後、3’−または6’−シアリルラクトースを、0,10,50,100,250μMの濃度別にそれぞれ処理し、36時間追加培養した。
その次に、qRT−PCRを行うために、軟骨細胞からTRI試薬(Molecular Research Center Inc.)を利用してRNAを抽出し、前記RNAを逆転写させて得たcDNAに対し、配列番号1及び2のプリマーを使用し、アニーリング温度55℃の条件でPCRで増幅し、軟骨形成に重要なtype II collagen(Col2a1、173bp)の発現を確認した。対照群としては、配列番号3及び4のプリマーで、Gapdh(450bp、アニーリング温度58℃)を確認した。
配列番号1:5’−CACACTGGTAAGTGGGGCAAGA−3’(Col2a1−S)
配列番号2:5’−GGATTGTGTTGTTTCAGGGTTCG−3’(Col2a1−AS)
配列番号3:5’−TCACTGCCACCCAGAAGAC−3’(Gapdh−S)
配列番号4:5’−TGTAGGCCATGAGGTCCAC−3’(Gapdh−AS)
また、軟骨細胞から、プロテアーゼ抑制剤及びフォスファターゼ抑制剤のカクテル(Roche)を含む溶解緩衝剤(150mM NaCl、1% NP−40、50mM Tris、5mM NaF)を利用し、総細胞溶解物を抽出し、細胞内Col2a1発現を確認した。抗Col2a1抗体(Millipore)及び抗Erk抗体(Cell signaling)を利用したウェスタンブロッティングを行い、ウェスタンブロットバンドを、コンピュータプログラムを活用し、バンドの厚み及び濃度を測定し、その相対的な値をdensitometerで示した(図4A及び図4B)。
その結果、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとにより、軟骨細胞内Col2a1発現が増大することを確認し、それにより、軟骨形成促進に効果があるということが分かった(図4A、図4B及び図5A)。
2−2:IL−1βによって抑制されたタイプIIコラーゲン(Col2a1)の発現増大
IL−1βは、軟骨細胞において、Col2a1の発現を抑制させる代表的な炎症性サイトカインであり、軟骨細胞を36時間培養した後、5ng/mlのIL−1β(GeneScript、アメリカ)を24時間処理し、IL−1βにより、Col2a1発現が低減されることを確認した。
そのように低減されたCol2a1発現が、3’−または6’−シアリルラクトースにより、軟骨細胞内において、さらに増大するか否かということを確認するために、前記実施例2−1と同一方法で、qRT−PCRとウェスタンブロッティングを行った。
その結果、軟骨細胞において、IL−1βによって抑制されたCol2a1が、3’−または6’−シアリルラクトースにより、漸次的に発現が増大されることを確認した(図4C、図4D及び図5B)。すなわち、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとにより、軟骨の形成及び再生が促進されるということが分かった。
実施例3:シアリルラクトースによる軟骨形成及び再生信号伝逹活性化
軟骨の形成及び再生に重要なCol2a1の発現は、Sox−9という転写因子によって調節されるので、3’−シアリルラクトースにより、Sox−9転写因子が調節されるか否かということを調べた。
Sox−9リポーター遺伝子は、SV40プローモーターのアップストリーム部位に、ヒトCol2a1遺伝子の最初イントロンに該当する部位に、48個遺伝子で構成されたSox9結合部位が、pGL3ベクターに挿入されている(Zhou G et al., J Biol Chem 1998, 12, 14989-97)。
そのようなSox−9リポーター遺伝子1μgを、リポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用し、軟骨細胞にそれぞれ3時間トランスフェクションさせた。トランスフェクションされた細胞に、5ng/mlインターロイキン1ベータ(IL−1β)と共に、0,10,50,100,250μM3’−または6’−シアリルラクトースを24時間処理した後、軟骨細胞を得て、Sox−9活性をルシフェラーゼ活性を介して確認した。
その結果、IL−1βによって低減されたSox−9の活性は、3’−または6’−シアリルラクトースによって回復することを確認することができた(図4E及び図5C)。それは、3’−または6’−シアリルラクトースが、Sox−9の活性を直接調節し、それを介して、軟骨形成に重要なCol2a1の発現が調節されることを示すということが分かる。すなわち、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとにより、軟骨の形成及び再生が促進されるということを示す。
実施例4:シアリルラクトースによる関節炎症抑制及び軟骨破壊抑制確認
IL−1βは、軟骨細胞において、軟骨形成に重要なCol2a1を低減させながら、同時に関節炎症及び軟骨組織破壊を促進する代表的な炎症性サイトカインである。軟骨細胞に、5ng/mlのIL−1βを時間別に処理した後、実施例2−1の方法で、下記表1の条件及びプライマーを使用し、qRT−PCRを行い、Mmp3、Mmp13の発現抑制を確認した。
Mmp3及びMmp13のような分泌タンパク質は、900μlの無血清条件培地(conditioned medium)を100μl TCA(trichloroacetic acid)と反応させた後、0℃で20分間反応させた。その後、12,000rpm、4℃で10分間、遠心分離機を介して上澄み液を除去し、冷たい100%アセトン500μlと20℃で一時間反応させた。100%アセトンと、反応中のサンプルとを、遠心分離機を介して上澄み液を除去し、タンパク質を最終的に沈澱させた後で検出し、抗Mmp3抗体(Abcam)及び抗Mmp13抗体(Abcam)を利用したウェスタンブロッティングを行い、ウェスタンブロットバンドをコンピュータプログラムを活用し、バンドの厚み及び濃度を測定し、その相対的な値をdensitometerで示した。
その結果、IL−1βにより、軟骨細胞において、関節炎症を誘発する軟骨組織破壊を誘導するMmp3、Mmp13の発現が増大するということを確認した(図6A、図6B及び図7A)。
次に、軟骨細胞に、5ng/ml IL−1β及び3’−または6’−シアリルラクトース0,10,50,100,250μMを24時間処理し、Mmp3、Mmp13の発現程度を確認した。前記表1の条件及びプライマーを使用し、qRT−PCRを行い、ウェスタンブロッティングを行い、軟骨細胞において、IL−1βによって増大されたMmp3、Mmp13の発現が、3’−または6’−シアリルラクトースにより、濃度依存的に低減することを確認した(図6C、図6D及び図7B)。それは、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとにより、関節炎症及び軟骨組織破壊が緩和及び抑制される可能性があることを示している。
実施例5:シアリルラクトースによる軟骨破壊信号伝逹体系抑制
IL−1βによって増加する軟骨破壊因子であるMmp3、Mmp13は、軟骨細胞内において、多様な信号伝逹経路を介して活性化される。それゆえに、3’−シアリルラクトースが、IL−1βによって調節される多様な信号伝逹経路(signal transduction pathway)を遮断させるか否かということを確認した。
マウス膝軟骨細胞に、5ng/ml IL−1βを10分間処理し、Erk(extarcellular-signal regulated kinase)リン酸化を介して、Erk活性化を確認した。
それにより、軟骨細胞に、5ng/ml IL−1β及び3’−シアリルラクトース0,50,100,250μMを共に処理し、IL−1βによって増大されたErkリン酸化が、3’−シアリルラクトースによって低減されるということを確認した(図8)。すなわち、IL−1βに、Mmp3、Mmp13を活性化させることができる信号伝逹経路のうちErk信号伝逹経路を、3’−シアリルラクトースが阻害することにより、Mmp3とMmp13とを抑制することができるということを、ウェスタンブロット及びdensitometryを介して確認した。
一般的に、退行性関節炎患者組織においても、Erkの活性化や促進を確認することができるが(Yang et al., Nat Med, 2010)、それは、退行性関節炎患者に最も多く関与する軟骨破壊信号伝逹体系を、3’−シアリルラクトースが強力に抑制することができるということを示すものである。
統計分析
本発明の全ての実施例の結果は、マンキンスコア(Mankin score)のような序数等級システムに基づいて定量されたデータであり、非母数(non-parametric)統計学的方法を利用して分析した。相対的な倍数変化(fold changes)によって表示されたqRT−PCRデータは、まず、シャピロ・ウィルク(Shapiro-wilk)検定を利用し、正規分布(normal distribution)を確認した後、双対比較(pair-wise comparisons)及び多重比較(multi-comparisons)のために、それぞれStudent’s t検定及び事後検定(post hoc test)を含むANOVA(analysis of variance)を利用した。統計的な有意性は、0.05レベルの確率で受容された(P<0.05)。
以上、本発明内容の特定部分について詳細に記述したが、当業界の当業者において、そのような具体的技術は、ただ、望ましい実施様態であるのみ、それにより、本発明の範囲が制限されるものではないという点は明白であろう。従って、本発明の実質的な範囲は、特許請求の請求、及びそれらのの等価物によって定義されるものである。
本発明の3’−または6’−シアリルラクトースは、軟骨形成を促進すると共に、軟骨組織破壊を効果的に抑制するので、退行性関節炎の予防または治療のための組成物として有用である。

Claims (8)

  1. シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防用または治療用の薬学組成物であって、前記シアリルラクトースは、3’−シアリルラクトースまたは6’−シアリルラクトースであることを特徴とする薬学組成物
  2. 前記3’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式1の構造を有することを特徴とする請求項に記載の薬学組成物:
  3. 前記6’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式2の構造を有することを特徴とする請求項に記載の薬学組成物:
  4. 下記特性のうち1以上を有することを特徴とする請求項1に記載の薬学組成物:
    1)タイプIIコラーゲン(Col2a1)の発現増大
    2)基質金属蛋白質分解酵素3(Mmp3)または基質金属蛋白質分解酵素13(Mmp13)の発現減少
    3)Sox−9活性上昇
    4)p−ERKの不活性化増大。
  5. 薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を追加して含むことを特徴とする請求項1に記載の薬学組成物。
  6. シアリルラクトース、またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性関節炎の予防用または改善用の食品であって、前記シアリルラクトースは、3’−シアリルラクトースまたは6’−シアリルラクトースであることを特徴とする食品
  7. 前記3’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式1の構造を有することを特徴とする請求項に記載の食品:
  8. 前記6’−シアリルラクトースの塩は、下記化学式2の構造を有することを特徴とする請求項に記載の食品:
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