JP6695242B2 - 浚渫装置 - Google Patents

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Description

本発明は、湖沼や池などの水底に堆積している泥土を浚い取る浚渫機において泥土を取込むための浚渫装置に関する。
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故により拡散した放射性セシウムによる土壌汚染の対策が急がれている。特に、放射性セシウムを吸着した土壌が降雨などにより水域に流入し湖沼や池などの閉鎖した水域の水底に集積し、放射性セシウムの高濃度化が生じている。そして、このような閉鎖性水域が、農業用ため池である場合には、耕作地を再汚染し、漁場である場合には、水産物の汚染を招くこととなり、早急な対策が望まれている。
そして、水底での泥土汚染は、表層において汚染度が高く、深いところでの汚染度は低くなることがわかっている。したがって、水底表層の深さ数cmから数十cm程度の泥土を浚渫装置により浚い取ることで、相当量の汚染泥土を除去することができる。
従来の浚渫装置は、水底が硬い場合や石などを多く含む場合であっても効率よく泥土の吸引できるようにするため、例えば、先端に刃を備える撹拌羽根を回転軸に設け、この撹拌羽根を回転させて水底を掻きまわして泥土の吸引を行うというものであった。しかしながら、このような従来の浚渫装置では、水底において沈静化している放射性セシウムを水中に拡散させてしまう危険があるという問題があった。
そこで、水底において沈静化している放射性セシウムを水中に拡散させないで、泥土を浚渫装置により浚い取るための技術が望まれていた。特許文献1は、このような課題を解決するためのものである。
実用新案登録第3196857号公報
特許文献1では、進行方向に相対的に後記下面より少なくとも一部は出っ張っている上面と、進行方向に相対的に前記上面より少なくとも一部は後退している下面と、上面と下面とに挟まれた進行方向に開口した取込開口と、取込開口に設けられ、吸い込むと管が詰まる物を取込開口に入れないための柵と、取込口とからなる浚渫用取込口構造体が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、放射性セシウムなどによる水底の汚染泥土を巻き上げることを抑制しつつ浚い取るために好適な浚渫用取込口構造体を提供することができた。
しかしながら、浚渫装置は移動しながら水底の汚染泥土を浚い取るものであるところ、移動の際に放射線セシウムの汚染泥土が巻き上がってしまうことがあるという問題が残されていた。そのため、浚渫装置の移動において放射線セシウムの汚染泥土が巻き上がってしまうことを防止できるような技術が望まれていた。
本発明は、そのような課題を解決するため、浚渫装置の移動に関する制御機能を有する浚渫装置を提供する。
具体的には、上面と、上面の進行方向後端に配置される背面と、側面と、背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、幅60センチメートルから幅100センチメートルで開口高さが20センチメートルから50センチメートルの開口と、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための柵と、を有する浚渫用取込口構造体を、水面上の浮遊構造体上から支持する支持柱と、支持柱を前進させるためのモーターと、の動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫装置であって、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知部と、抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるようにモーターを制御する前進速度設定部とを有する浚渫装置を提供する。
また、その特徴に加えて、抵抗検知部が、支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%の加重が加えられている場合を中程度の抵抗として出力し、支持柱に対して2.4キログラム重以下の加重が加えられている場合を低程度の抵抗として出力し、支持柱に対して3.6キログラム重以上の加重が加えられている場合を高程度の抵抗として出力する抵抗出力手段を有する浚渫装置を提供する。
また、浚渫方法として、上面と、上面の進行方向後端に配置される背面と、側面と、背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、開口と、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための柵と、を有する浚渫用取込口構造体を水面上の浮遊構造体上から支持柱を用いて支持するとともに、支持柱をモーターの動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫方法であって、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知ステップと、検知結果に応じて前進速度を制御するためにモーターを制御する前進速度設定ステップとを有する浚渫方法を提供する。
また、上面と、上面の進行方向後端に配置される背面と、側面と、背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、幅60センチメートルから幅100センチメートルで開口高さが20センチメートルから50センチメートルの開口と、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための柵と、を有する浚渫用取込口構造体を、水面上の浮遊構造体上から支持柱を用いて支持するとともに、支持柱をモーターの動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫方法であって、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知ステップと、抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるようにモーターを制御する前進速度設定ステップと、を有する浚渫方法を提供する。
また、その特徴に加えて、中程度の抵抗が、支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%であり、低程度の抵抗は、支持柱に対して2.4キログラム重以下であり、高程度の抵抗は、支持柱に対して3.6キログラム重以上である浚渫方法を提供する。
本発明により、浚渫装置の移動において放射線セシウムの汚染泥土が巻き上がってしまうことを防止できる機能を備えた浚渫装置を提供することができる。
浚渫用取込口構造体の構造を示す図 浚渫用取込口構造体の基本的な構成を示す図 浚渫装置の一部として浚渫用取込口構造体を前進させるための支持柱をも含めた基本的な構成を示す図 取込口の形状を示す図 浚渫装置全体の構造を示す図 支持台車が浮遊構造体上に敷かれたレール上を進行する場合の浮遊構造体の一例を示す図 図6の浮遊構造体の(a)上方、(b)前方、(c)側方から見た場合の図 加重センサを備え付けた浚渫装置の一例を示す図 加重センサによる抵抗検知の方法の一例を示す図 浚渫用取込口構造体に加えられる抵抗と前進速度の変化の対応関係の一例を示す図 本発明の処理方法の一例を示す図 浚渫工程を開始してから完了するまでのフローチャートを示す図
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。実施例1は、請求項1、2、3、4に関する。なお、本発明は、これら実施例に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
<概要>
本実施例における浚渫装置は、浚渫用取込口構造体を前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫装置であって、抵抗を検知する抵抗検知部と、抵抗の程度に応じて前進速度を変更するようにモーターを制御する前進速度設定部とを有する浚渫装置である。
本実施例における浚渫装置について、(1)浚渫装置のうち浚渫用取込口構造体の構造、(2)浚渫装置が移動するための構造、及び(3)前進速度を設定するための機能及び処理方法に分けて説明する。
<浚渫用取込口構造体の構造>
図1は、浚渫用取込口構造体の構造を示す図である。浚渫用取込口構造体(0100)は、上面(0101)と側面(0102a,0102b)と背面(0103a,0103b)と開口部分に存在する柵(0104)と取込口(0108)を備えている。この浚渫用取込口構造体が砂(0105)や泥(0106)を進行方向(0107)に移動しながら開口の柵の間から浚い取り、取込口(0108)へと吸い上げる。上面が存在し、開口を水底側に向けることで、取込効率の向上及び巻き上げ防止に繋げることができる。また、下面を設けずに柵を備えた開口のみで構成することによって、開口面が広くなり、取込効率の向上に繋げることができる。また、底面が存在しないことにより、底面にて砂や泥などを掘って巻上げを生じさせることを防止することができる。
背面は、上面の進行方向後端に配置される。背面の形状は、図1のように取込口の部分を頂点とする凸型であっても良いし、平板であっても良い。ただし、取込口の部分を頂点とする凸型であれば、取込口の吸引力が伝わる部分にムラがなくなるので、より望ましい。
図2及び図3は、浚渫用取込口構造体の(a)上方、(b)前方、(c)側方から見た場合の図である。このうち、図2は、浚渫用取込口構造体の基本的な構成を示す図である。他方、図3は、浚渫装置の一部として浚渫用取込口構造体を前進させるための支持柱をも含めた基本的な構成を示す図である。
図2では、(a)上方からは,上面(0201)、側面(0202a,0202b)、背面(0203a,0203b)が観察でき、背面に取込口(0208)が設けられていることがわかる。次に、(b)前方からは,上面(0201)、側面(0202a,0202b)、開口(0209)に設けられた柵(0204)が観察でき、取込口(0208)が設けられていることがわかる。次に、(c)側方からは、上面(0201)、側面(0202b)、背面(0203b)が観察でき、背面に取込口(0208)が設けられていることがわかる。そして、側方から観察した際の柵(0210)の形状は、上面略前端から背面下端に向けてなだらかな曲線を描くように構成されている。なだらかな曲線を描くことにより、砂や泥を掘って巻き上げてしまうことを防止することができる。なお、図2においては、図3とは異なり、浚渫装置の一部として浚渫用取込口構造体を前進させるための支持柱が観察できないが、取込口(0208)を利用して前進方向に力を加えて移動させることなどが考えられる。
図3では、(a)上方からは,上面(0301)、側面(0302a,0302b)、背面(0303a,0303b)が観察でき、背面に取込口(0308)が設けられている。これに加えて、上面に支持柱(0309)が設けられていることがわかる。次に、(b)前方からは,上面(0301)、側面(0302a,0302b)、開口(0310)に設けられた柵(0304)が観察でき、取込口(0308)が設けられている。これに加えて、上面に支持柱(0309)が設けられていることがわかる。次に、(c)側方からは、上面(0301)、側面(0302b)、背面(0303b)が観察でき、背面に取込口(0308)が設けられていることがわかる。
取込口は、背面下端近傍に設けられ、浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための機能を発揮する。
開口は、取込効率を追求した結果、最も効率的に泥土や砂を吸い上げることができるのは、幅60センチメートルから幅100センチメートルで開口高さが20センチメートルから50センチメートルの大きさである。
図4は、開口の形状・大きさを示す図である。図3の各部位の説明を前提とする。取込口の幅(L1)は、60センチメートルから100センチメートルの範囲内であることが望ましい。60センチメートル未満であると、取り込める範囲が狭くなりすぎる。他方、100センチメートルを超えると、吸引力の伝わり方にムラが生じる。60センチメートルから100センチメートルの範囲内であれば、適切な取込範囲において、吸引力も満遍なく伝わり、ムラなく吸引することができる。次に、開口高さは、20センチメートルから50センチメートルの範囲内であることが望ましい。20センチメートル未満であると、吸引力の伝わる範囲が狭くなる。他方、50センチメートルを超えると、泥土が巻き上がる危険性が生じる。20センチメートルから50センチメートルの範囲内であれば、適切な範囲に吸引力を伝えることができ、かつ泥土が巻き上がらない程度の高さを保つことができる。
次に、開口に設けられた柵は、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を開口内に入れないための役割を果たす。柵により区分けされた開口幅は、水底に堆積する木枝のうち取込口がつまるサイズの物を開口内に入れない幅であり、かつ、取込効率を損なわない範囲であることが望ましい。具体的には、取込口の直径よりも狭い幅であることが望ましい。さらには、より確実に入り込むことを防ぐために、取込口の直径の半分以下の幅であることが望ましい。例えば、取込口の直径が20cmの場合には、柵により区分けされた開口幅は、10cm以下であることがという具合である。
<浚渫装置が移動するための構造>
次に、浚渫装置が移動するための構造は、浚渫用取込口構造体の支持柱を支持する支持台車が浮遊構造体上を移動することにより水底に堆積した泥土を浚いながら移動するという具合である。この浮遊構造体は、池面に固定的に配置されることが望ましく、その実現方法としては、ロープ等で池の岸に繋ぐことで張力によって固定する方法が考えられる。浚い取った泥土は、ポンプを通って排出される。
図5は、浚渫装置全体の構造を示す図である。浚渫用取込口構造体(0501)の支持柱(0502)を支持してモーター(0503)を備える支持台車(0504)が浮遊構造体(0505)上を移動することにより水底の泥土(0506)を浚いながら移動するというように構成されている。浚い取った泥土は、ポンプ(0507)を通って排出される。
支持台車の移動方法は、浮遊構造体上に敷かれたレールの上を進行するという形態が考えられる。この形態によれば、支持台車が真直ぐ進むことができるので、支持柱により連結されている浚渫用取込口構造体の移動も真直ぐに保つことができる。
図6は、支持台車が浮遊構造体上に敷かれたレール上を進行する場合の浮遊構造体の一例を示す図である。水面(0601)に浮遊構造体(0602)が浮いており、浮遊構造体上にレール(0603)が敷かれている。
図7は、図6の浮遊構造体の(a)上方、(b)前方、(c)側方から見た場合の図である。上方から見ればコの字型であり、前方及び側面から見れば長方形である。浮遊構造体は、浮遊構造体を構成する部分ブロックを繋ぎ合わせることで構成されるものであるが、図にあるように、各部分ブロックは、同じ形状であることが望ましく、縦横比が2:3程度の直方体であることが望ましい。同じ形状であれば、各部分ブロックを繋ぎ合わせる数や向きなどを工夫することにより、色々なバリエーションの浮遊構造体を構成することができるからである。なお、この浮遊構造体の全体での形状は、あくまで一例であり、上方から見た形状がコの字型に限定されるものではない。
支持柱を前進させるため、モーターを利用するとよい。モーターによる動力が支持柱に伝わり、支持柱により連結されている浚渫装置全体が移動することにより、浚渫用取込口構造体を含む浚渫装置全体が前進し、池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去するという具合である。
このようにして浮遊構造体のレール上を支持台車が走行することにより、支持柱により連結されている浚渫用取込口構造体が、進行方向に移動することとなる。
<前進速度を設定するための機能及び処理方法>
次に、本実施例における浚渫装置は、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知部と、抵抗の程度に応じて前進速度を変化させるようにモーターを制御する前進速度設定部とを有している。
支持柱に加えられる抵抗の原因は、浚渫用取込口構造体に加わる進行方向と逆向きの抵抗に関していえば、泥土などの浚渫対象の量や密度などの影響であると考えられる。例えば、浚渫対象の量が多ければ、抵抗が大きくなる。また、浚渫対象の密度が高ければ、抵抗が大きくなる。浚渫対象の量が多かったり密度が濃い場合に高速度で浚渫用取込口構造体を移動させると、浚渫対象が巻き上がる危険性がある。そのため、浚渫対象を巻き上げないようにするためには、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知し、検知した抵抗の度合いよって前進速度を変化させる工夫をすることが望ましい。
前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する方法は、例えば、支持台車に加重センサを備え付けておいて、支持柱が抵抗を受けて支点を中心にして動く距離を測定することによって、抵抗を算出しても良い。この場合における加重センサは、支持柱が動く距離ないし加重センサとの距離により抵抗を算出するという方法である。
図8は、加重センサを備え付けた浚渫装置の一例を示す図である。加重センサ(0801)を備えた浚渫装置の浚渫用取込口構造体(0802)に進行方向とは逆向きの抵抗が加わった場合、支点(0803)を中心にして、支持柱(0804)が進行方向と逆向きに押されて動くこととなる。この動きないし加重センサと支持柱との距離を測定することにより、支持柱に加えられる抵抗を測定するという具合である。ここでの加重センサの設置位置は、支点(0803)から垂直方向に下向きの距離(α)が30cmから70cmの範囲内であり、支点から垂直方向に下りている支持柱(0804)との距離(β)が0.5cmから2.0cmの範囲内であることが望ましい。
図9は、加重センサによる抵抗検知の方法の一例を示す図である。支持柱が抵抗を受けたことにより、支点を中心として、元の支持柱の場所(0901)から進行方向と逆向きに動かされた場所(0902)に回転したので、それにより加重センサ(0903)との距離が接近する。この接近距離をメータ(0904)で測ることにより、支持柱に加えられる抵抗の大きさを算出することができる。
その他の実施形態としては、例えば、電動機により移動用シャフトを移動させる場合には電動機の負荷電流等を検知対象としたり、移動用シャフトの移動速度を検知対象としたり、移動用シャフトや浚渫用取込口構造体に取付けた圧力センサーによる計測値を検知対象とするなどして具現され得る。
「抵抗の程度に応じて前進速度を変化させる」とは、抵抗が大きい場合には前進速度を下げ、抵抗が大きい場合には前進速度を上げるという前進速度変化を意味する。具体的には、抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるという具合である。
また、低程度の抵抗は支持柱に対して2.4キログラム重以下であり、中程度の抵抗は支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%であり、高程度の抵抗は支持柱に対して3.6キログラム重以上であることが望ましい。そのため、抵抗検知部は、支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%の加重が加えられている場合を中程度の抵抗として出力し、支持柱に対して2.4キログラム重以下の加重が加えられている場合を低程度の抵抗として出力し、支持柱に対して3.6キログラム重以上の加重が加えられている場合を高程度の抵抗として出力する抵抗出力手段を有していても良い。
図10は、浚渫用取込口構造体に加えられる抵抗と前進速度の変化の対応関係の一例を示す図である。例えば固い粘土層など密度が緻密である場合、3.6kg重以上の抵抗が加わり、それを受けて前進速度が7.2m/5分以下となる。例えば軟らかい粘土層など密度が普通である場合、3.0kg重プラスマイナス20%の抵抗が加わり、それを受けて前進速度が9.0m/5分プラスマイナス20%の範囲となる。例えば浮泥層など密度が疎密である場合、2.3kg重以下の抵抗が加わり、それを受けて前進速度が10.8m/5分以上となる。これらの前進速度を超えると、目視して確認できる程度に泥の巻上げが生じる。他方、これらの前進速度未満であると、作業効率が落ちる。
そして、このような前進速度の制御を繰り返して浚渫工程を完了させる。抵抗の測定と、その結果による前進速度の制御は、断続的に行なうことが望ましい。なぜなら、前進速度が変われば、層の密度が同じあっても抵抗は変化するので、都度適切な速度に調整することが望ましいからである。
さらに、本実施例に必須の要素ではないが、移動用シャフトに対して加えられる移動負荷を音で知らせる機能を果たす「負荷告知部」を備えていても良い。例えば、過剰負荷を検知した場合に警報音により告知したり、警報音だけでなく移動負荷が正常な範囲内である場合にも何らかの音による告知を行ってもよい。あるいは、移動負荷が正常な範囲外である場合に音による告知を行ってもよい。また、移動負荷の程度に応じた音量で告知してもよい。このような音による告知は、上述した検知部による検知結果に基づいて行うことができる。
また、発動機やエンジンなどの回転運動を用いて移動用シャフトの移動を行う場合には、発動機やエンジンの回転に伴い生じる回転音を告知のための音としてもよい。過剰な移動負荷が生じた場合には発動機やエンジンの回転が上昇し、それに伴い回転音も変化するため過剰負荷を告知することになる。なお、それらの回転音を増幅して出力するようにしてもよい。
さらには、浚渫中に移動負荷に応じて移動用シャフトを上下動する機能を果たす「移動用シャフト高調整部」を備えていてもよい。例えば、浚渫用取込口構造体が水底に潜ってしまい移動が妨げられている場合には移動負荷は増加する。この場合、移動用シャフト高調整部は移動用シャフトを上方へ動かすことで潜ってしまっている浚渫用取込口構造体を引き上げる。また、水底から離れて浚渫用取込口構造体が移動している場合には、移動負荷は浚渫を行っているときよりも減少することになる。この場合、移動用シャフト高調整部が移動用シャフトを下方へ動かすことで、浚渫用取込口構造体が適切に水底に接することを可能にし得る。
また、本発明は、以上の処理方法として、前記の浚渫用取込口構造体を水面上の浮遊構造体上から支持柱を用いて支持するとともに、支持柱をモーターの動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫方法であって、前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知ステップと、抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるようにモーターを制御する前進速度設定ステップと、を有する浚渫方法を提供する。ここにおける中程度の抵抗とは、支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%であり、低程度の抵抗は、支持柱に対して2.4キログラム重以下であり、高程度の抵抗は、支持柱に対して3.6キログラム重以上であることが望ましい。
図11は、本発明の処理方法を示す図である。抵抗検知ステップ(S1101)と前進速度設定ステップ(S1102)からなる浚渫方法である。
図12は、浚渫工程を開始してから完了するまでのフローチャートの一例を示す図である。まずは9.0m/5分プラスマイナス20%の範囲内の前進速度で開始する。そして、抵抗の程度を測定し、抵抗が低程度であれば前進速度を10.8m/5分以上とし、浚渫工程を完了させるかを問い、完了させない場合には再度抵抗の程度を測定し、以後繰り返すという具合である。抵抗が中程度であれば前進速度を維持し、浚渫工程を完了させるかを問い、完了させない場合には再度抵抗の程度を測定し、以後繰り返すという具合である。抵抗が高程度であれば前進速度を7.2m/5分以下とし、浚渫工程を完了させるかを問い、完了させない場合には再度抵抗の程度を測定し、以後繰り返すという具合である。
浚渫用取込口構造体:0100、0501、0802
上面:0101、0201、0301
側面:0102、0202、0302
背面:0103、0203、0303
柵:0104、0204、0304
砂:0105
泥:0106
取込口:0108、0208、0308
支持柱:0309、0503、0804
モーター:0503
支持台車:0504
浮遊構造体:0505、0602
泥土:0506
ポンプ:0507
水面:0601
レール:0603
加重センサ:0801、0903
支点:0803
メータ:0904:

Claims (3)

  1. 上面と、
    上面の進行方向後端に配置される背面と、
    側面と、
    背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、
    幅60センチメートルから幅100センチメートルで開口高さが20センチメートルか
    ら50センチメートルの開口と、
    上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための
    柵と、
    を有する浚渫用取込口構造体を
    水面上の浮遊構造体上から支持柱を用いて支持するとともに、
    支持柱をモーターの動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを
    順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫方法であって、
    前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知ステップと、
    抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、
    抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、
    抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるようにモーターを
    制御する前進速度設定ステップと、
    を有し,
    中程度の抵抗は、支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%であり、
    低程度の抵抗は、支持柱に対して2.4キログラム重未満であり、
    高程度の抵抗は、支持柱に対して3.6キログラム重超である
    を有する浚渫方法。
  2. 上面と、
    上面の進行方向後端に配置される背面と、
    側面と、
    背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、
    幅60センチメートルから幅100センチメートルで開口高さが20センチメートルか
    ら50センチメートルの開口と、
    上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための
    柵と、
    を有する浚渫用取込口構造体を
    水面上の浮遊構造体上から支持する支持柱と、
    支持柱を前進させるためのモーターと、
    の動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを順次吸い上げること
    で池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫装置であって、
    前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知部と、
    抵抗が中程度である場合には9m/5分プラスマイナス20%の速度で前進させ、
    抵抗が低程度である場合には10.8m/5分以上の速度で前進させ、
    抵抗が高程度である場合には7.2m/5分以下の速度で前進させるようにモーターを
    制御する前進速度設定部と、
    を有し,
    抵抗検知部は、
    支持柱に対して3キログラム重プラスマイナス20%の加重が加えられている場合を中
    程度の抵抗として出力し、
    支持柱に対して2.4キログラム重未満の加重が加えられている場合を低程度の抵抗と
    して出力し、
    支持柱に対して3.6キログラム重を超える加重が加えられている場合を高程度の抵抗と
    して出力する抵抗出力手段を有する浚渫装置。
  3. 上面と、
    上面の進行方向後端に配置される背面と、
    側面と、
    背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、
    開口と、
    上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための
    柵と、
    を有する浚渫用取込口構造体を
    水面上の浮遊構造体上から支持柱を用いて支持するとともに、
    支持柱をモーターの動力によって前進させることによって池等の底にある泥や砂などを
    順次吸い上げることで池等の底にある泥や砂を所定厚分除去する浚渫方法であって、
    前進する支持柱に加えられる抵抗を検知する抵抗検知ステップと、
    検知結果に応じて前進速度を制御するためにモーターを制御する前進速度設定ステップ
    と、
    を有する浚渫方法。
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