JP6694749B2 - 容器詰野菜飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰野菜飲料に関する。
野菜汁には、ビタミン、ミネラル、食物繊維等が豊富に含まれており、とりわけ野菜を丸ごと使用して製造されたピューレを配合した野菜飲料は、野菜の各種栄養素や食物繊維をそのまま摂取できるという利点があるため、近年の健康志向の高揚とともに市場規模を拡大している。
しかしながら、野菜飲料は、野菜由来の不溶性食物繊維等を含有するため、それらが製造工程において装置内に付着しやく、歩留まりの低下や装置洗浄に手間が掛る等により生産性が損なわれやすい。また、野菜飲料を容器に充填した容器詰野菜飲料は、内容物の容器壁面への付着を生じやすいため飲用上の妨げとなるばかりか、飲み干した後に容器内に内容物が残存し、野菜飲料に含まれる各種栄養素や食物繊維を余すことなく摂取することが難しい。
従来、野菜汁及び/果汁含有容器詰飲料において、容器壁面に付着した不溶性固形物を振とうによって速やかに消失させる技術として、例えば、ポリデキストロースとグアガム分解物又は難消化性デキストリンとの組み合わせ、あるいは低分子化アルギン酸塩と、ポリデキストロース、グアガム分解物又は難消化性デキストリンとの組み合わせを特定量含有させ、不溶性固形物量、水分量、飲料粘度及びpHを特定範囲内に制御することが提案されている(特許文献1〜5)。
特開2007−29081号公報 特開2007−29082号公報 特開2007−29084号公報 特開2007−29086号公報 特開2007−29087号公報
本発明の課題は、内容物の容器壁面への付着が抑制された容器詰野菜飲料を提供することにある。
本発明者らは、食物繊維とともに特定量の非重合体カテキン類を含有させ、非重合体カテキン類と食物繊維との量比を一定に制御することで、内容物の容器壁面への付着が抑制された容器詰野菜飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)非重合体カテキン類 0.04〜0.38質量%、及び
(B)食物繊維を含有し、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]が2.8〜27である、容器詰野菜飲料を提供するものである。
本発明によれば、内容物の容器壁面への付着を抑制できるため、飲み干した後に容器内に内容物が残存し難く、野菜飲料に含まれる各種栄養素や食物繊維を余すことなく十分に摂取することができる。また、容器詰野菜飲料の製造において歩留まりが良好であり、装置洗浄等が容易で生産性にも優れる。
本発明の容器詰野菜飲料は、(A)非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称である。本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
本発明の容器詰野菜飲料中の(A)非重合体カテキン類の含有量は0.04〜0.38質量%であるが、内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.055質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、また内容物の容器壁面への付着抑制、風味の観点から、0.33質量%以下が好ましく、0.29質量%以下がより好ましく、0.26質量%以下が更に好ましい。(A)非重合体カテキン類の含有量の範囲としては、本発明の容器詰野菜飲料中に、好ましくは0.05〜0.33質量%、より好ましくは0.055〜0.29質量%、更に好ましくは0.06〜0.26質量%である。なお、(A)非重合体カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義され、例えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、(B)食物繊維を含有する。ここで、本明細書において「(B)食物繊維」とは、水に溶ける可溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維との総称であり、(B)食物繊維の含有量は、可溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の合計量に基づいて定義される。本発明においては、(B)食物繊維として可溶性食物繊維及び不溶性食物繊維から選択される少なくとも1種を含有すればよいが、可溶性食物繊維及び不溶性食物繊維を含有することが好ましい。
可溶性食物繊維としては、例えば、ペクチン、ポリデキストロース、アガロース、グルコマンナン、難消化性デキストリン等が挙げられ、また不溶性食物繊維としては、例えば、セルロース、キチン、キトサン等が挙げられる。
(B)食物繊維は、主として原料に由来するものであるが、新たに加えられたものであってもよい。原料に由来する食物繊維としては、例えば、野菜、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)等に由来するものが挙げられる。原料の部位は、葉、芽、茎、花、実、根、穂及び種子のいずれでもよく、特に限定されない。
野菜の種類は特に制限はなく、嗜好性に応じて適宜選択することができるが、例えば、根菜、葉菜、果菜及び茎菜から選択される1種又は2種以上を含む野菜を食物繊維の由来原料とすることが好ましく、少なくとも葉菜を含む野菜を食物繊維の由来原料とすることが好ましい。根菜としては、例えば、人参、大根、たまねぎ、ビート、しょうが、紫芋、ごぼう等が挙げられ、また葉菜としては、例えば、セロリ、ほうれん草、白菜、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、小松菜、パセリ、ケール、クレソン、モロヘイヤ、あしたば、レタス等が挙げられ、果菜としては、例えば、トマト、ピーマン、赤ピーマン、なす、かぼちゃ等が挙げられ、また茎菜としては、例えば、アスパラガス、タケノコ等が挙げられる。
また、Camellia属の茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、不発酵茶が好ましく、中でも緑茶が好ましい。
本発明の容器詰野菜飲料中の(B)食物繊維の含有量は、生理作用の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、また内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、1.5質量%以下が好ましく、1.4質量%以下がより好ましく、1.2質量%以下が更に好ましい。(B)食物繊維の含有量の範囲としては、本発明の容器詰野菜飲料中に、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.2〜1.4質量%、更に好ましくは0.3〜1.2質量%である。なお、(B)食物繊維の含有量は、原料に由来するもの、及び新たに加えられたものの総量であり、通常知られている食物繊維の分析法に準拠して分析することができる。例えば栄養表示基準(平成8年5月厚生省告示第146号)における栄養成分等の分析方法等(栄養表示基準別表第1の第3欄に掲げる方法)に準ずる酵素−重量法(プロスキー法)が挙げられる。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]が2.8〜27であるが、内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、3以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、そして25以下が好ましく、23以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは3〜25、より好ましくは3.5〜23、更に好ましくは4〜20である。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、(C)カフェインを含有してもよい。
本発明の容器詰野菜飲料中の(C)カフェインの含有量は、風味バランスの観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.0010質量%以上が更に好ましく、また生理作用の観点から、0.0500質量%以下が好ましく、0.0100質量%以下がより好ましく、0.0090質量%以下が更に好ましい。(C)カフェインの含有量の範囲としては、本発明の容器詰野菜飲料中に、好ましくは0.0001〜0.0500質量%、より好ましくは0.0005〜0.0100質量%、更に好ましくは0.0010〜0.0090質量%である。なお、(C)カフェインの含有量は、通常知られているカフェインの分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。例えば、液体クロマトグラフィー法で分析することが可能であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰野菜飲料は、(D)Brixが、内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、13.0%以下が好ましく、11.0%以下がより好ましく、9.0%以下が更に好ましく、また飲み応えの観点から、1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましく、3.0%以上が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは1.0〜13.0%、より好ましくは2.0〜11.0%、更に好ましくは3.0〜9.0%である。ここで、本明細書において「(D)Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の屈折率を基準として、試料の屈折率より算出される可溶性固形分濃度を意味する。具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、(B)食物繊維(質量%)と(D)Brix(%)との比率[(B)/(D)]が、内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、0.10以上が好ましく、0.11以上がより好ましく、0.13以上が更に好ましく、そして0.25以下が好ましく、0.22以下がより好ましく、0.20以下が更に好ましい。かかる比率[(B)/(D)]の範囲としては、好ましくは0.10〜0.25、より好ましくは0.11〜0.22、更に好ましくは0.13〜0.20である。
更に、本発明の容器詰野菜飲料は、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維(質量%)と(D)Brix(%)との比率[(B)/(D)/(A)]が、内容物の容器壁面への付着抑制の観点から、0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、そして4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましい。かかる比率[(B)/(D)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.3〜4、より好ましくは0.4〜3、更に好ましくは0.5〜2.5である。
本発明の容器詰野菜飲料は、粘度が、飲み応えの観点から、1.00mPa・s以上が好ましく、1.25mPa・s以上がより好ましく、1.50mPa・s以上が更に好ましく、また飲み易さの観点から、9.50mPa・s以下が好ましく、9.00mPa・s以下がより好ましく、8.65mPa・s以下が更に好ましい。かかる粘度の範囲としては、好ましくは1.00〜9.50mPa・s、より好ましくは1.25〜9.00mPa・s、更に好ましくは1.50〜8.65mPa・sである。ここで、本明細書において「粘度」とは、振動粘度測定器を利用して20℃にて測定した値であり、具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、かかる粘度は、加熱殺菌済の容器詰野菜飲料の粘度であることが好ましい。
本発明の容器詰野菜飲料は、pHが、風味バランスの観点から、3.35以上が好ましく、3.50以上がより好ましく、3.65以上が更に好ましく、また製造上の観点から、3.95以下が好ましく、3.90以下がより好ましく、3.85以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは3.35〜3.95、より好ましくは3.50〜3.90、更に好ましくは3.65〜3.85である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメーターにより測定するものとする。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、所望により、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、果汁、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有してもよい。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の容器詰野菜飲料は、例えば、(A)非重合体カテキン類及び(B)食物繊維、必要により他の成分を配合し、(A)非重合体カテキン類の含有量、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]を調整し、容器に充填することにより製造することができる。
(A)非重合体カテキン類は、Camellia属の茶葉抽出物の形態で含有させることができる。Camellia属の茶葉抽出物としては、例えば、緑茶抽出物が挙げられる。緑茶抽出物は、常時により製造されたものであれば特に制限はなく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の市販品を用いることもできる。緑茶抽出物は、常法により製造されたもの又は市販品を、そのまま使用しても、濃縮又は水希釈して使用してもよく、更に精製して非重合体カテキン類の純度を高めたものを使用しても構わない。精製方法としては、例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報、特開2007−282568号公報等に記載の方法を挙げることができる。
(B)食物繊維は、前述のCamellia属の茶葉抽出物に加え、野菜汁の形態で含有させることができる。野菜汁は、常法により製造されたものであれば特に限定されず、例えば、野菜をそのまま又は必要により細断し、例えば、磨砕器、ミキサー、搾汁器、おろし器、2軸式エクストルダー等の装置を用いて製造されたピューレ、おろし等を挙げることができる。また、市販の野菜ピューレを用いてもよい。野菜汁は、常法により製造されたものを、そのまま使用しても、濃縮又は水希釈して使用してもよい。
容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶等の通常の包装容器が挙げられる。
また、本発明の容器詰野菜飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されないが、例えば、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、PETボトル等については、飲料をあらかじめUHT法により加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、容器に充填後、コールドスポットで65℃10分以上が確保できる後殺菌を行い、容器詰野菜飲料を得ることができる。
このようにして本発明の容器詰野菜飲料は、内容物の容器壁面への付着を抑制することができるが、例えば、次の方法により測定される内容物の容器付着率(質量%)を、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下とすることができる。
容器詰野菜飲料を恒温槽にて20℃にて液温を均一にした後、内容物を全量廃棄し、次いで容器壁面に内容物の一部が付着した状態で容器ごと質量を測定し、次いで下記式(i)により容器付着量を算出した後、下記式(ii)により容器付着率(質量%)を求める。
容器付着量(g) =[内容物廃棄後の容器質量(g)]−[空容器質量(g)] (i)
容器付着率(質量%)= [容器付着量(g)]/[内容物充填量(g)]×100 (ii)
〔容器詰野菜飲料の内容物の容器壁面への付着防止方法〕
本発明の容器詰野菜飲料の内容物の容器壁面への付着防止方法は、0.04〜0.38質量%の(A)非重合体カテキン類と、(B)食物繊維を含有させ、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]を2.8〜27に調整するものである。ここで、(A)非重合体カテキン類、(B)食物繊維、質量比[(B)/(A)]、(D)Brix、比率[(B)/(D)]、比率[(B)/(D)/(A)]、pH等の具体的態様は、上記において説明したとおりである。
また、本発明の付着防止方法においては、容器詰野菜飲料中に(A)非重合体カテキン類及び(B)食物繊維以外の他の成分が含まれていてもよく、例えば、(C)カフェインや前述の添加剤を挙げることができる。(C)カフェイン及びび添加剤の具体的構成は、上記において説明したとおりである。
1.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で溶解希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.食物繊維の分析
栄養表示基準(平成8年5月厚生省告示第146号)における栄養成分等の分析方法等(栄養表示基準別表第1の第3欄に掲げる方法)に準ずる酵素−重量法(プロスキー法)により求めた。
3.Brixの測定
20℃における試料のBrixを、糖用屈折計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
4.容器付着量、容器付着率の測定
容器詰野菜飲料(内容物:350g,容器:PETボトル)を恒温槽にて20℃にて液温を均一にした後、内容物を全量廃棄した。次いで、容器壁面に内容物の一部が付着した状態で容器ごと質量を測定し、下記式(i)により容器付着量を算出した後、下記式(ii)により容器付着率(質量%)を求めた。
容器付着量(g) =[内容物廃棄後の容器質量(g)]−[空容器質量(g)] (i)
容器付着率(質量%)= [容器付着量(g)]/[内容物充填量(g)]×100 (ii)
5.粘度の測定
容器詰野菜飲料を20℃にて液温を均一にした後、振動粘度測定器(VIBRO VISCOMETER CJV5000、CHICHIBU CEMENT社製)を用い、20℃、測定レンジ50mVの条件にて粘度を測定した。
製造例1
緑茶抽出物の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1,000gを常温、200r/minの攪拌条件下で、95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約30分間攪拌を続けた。次いで、2号濾紙で活性炭、酸性白土、及び沈殿物を濾過した後、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃にて3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。得られた減圧濃縮物は800gであった。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にタンナーゼKTFH(キッコーマン製、Industrial Grade、500U/g以上)2.7gを溶解した液を添加し、30分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで、95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活させた。次いで、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物は、非重合体カテキン類の含有量が15.126質量%であり、カフェイン含有量が0.31質量%であった。
製造例2
野菜汁の製造
ブロッコリー、セロリ、ホウレンソウ、コマツナ及びパセリの各ピューレを2.5 : 2.0 : 1.5 : 1.5 : 1.0の質量割合で混合し、野菜汁を製造した。
実施例1〜8及び比較例1〜3
表1に示す割合の野菜汁、緑茶抽出物及びレモン果汁を配合し、水にて全量を調整して野菜飲料を得た。次に、その野菜飲料を134℃にて30秒加熱殺菌し冷却した後、360g容PETボトルに野菜飲料350gを充填しキャップをした。次に、そのPETボトルを65℃にて50分加熱殺菌した後、10℃以下に冷却して容器詰野菜飲料を得た。
Figure 0006694749
表1から、食物繊維とともに特定量の非重合体カテキン類を含有させ、非重合体カテキン類と食物繊維との量比を一定に制御することで、内容物の容器壁面への付着が抑制された容器詰野菜飲料が得られることが分かる。

Claims (8)

  1. (A)非重合体カテキン類0.04〜0.38質量%、及び
    (B)葉菜を含む野菜に由来する食物繊維
    を含有し、
    (A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]が2.8〜27である、容器詰野菜飲料。
  2. (B)食物繊維と(D)Brixとの比率 [(B)/(D)]が0.10〜0.25である、請求項1記載の容器詰野菜飲料。
  3. (A)非重合体カテキン類と、(B)食物繊維と、(D)Brixとの比率が [(B)/(D)/(A)]が0.3〜4である、請求項1又は2記載の容器詰野菜飲料。
  4. (B)食物繊維の含有量が0.1〜1.5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰野菜飲料。
  5. (D)Brixが1.0〜13.0%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰野菜飲料。
  6. (C)カフェインを含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰野菜飲料。
  7. pHが3.35〜3.95である、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰野菜飲料。
  8. (A)非重合体カテキン類0.04〜0.38質量%、及び
    (B)食物繊維
    を含有させ、(A)非重合体カテキン類と(B)食物繊維との質量比[(B)/(A)]を3〜27に調整する、容器詰野菜飲料の内容物の容器壁面への付着防止方法。
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