JP6694142B2 - ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法 - Google Patents

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本発明は、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性の改良に関するものであり、詳しくは、該流動性の改良方法、その方法を含む流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価でバランスの良い性能を有し、汎用のプラスチックとして様々な用途で使用されている。また、一般にポリオレフィン系樹脂は結晶性の樹脂であり、生産効率の向上を目的に、また機械的特性や熱的特性、光学的特性を向上する目的で結晶核剤を加えて用いられることが多い。特に、光学的特性である透明性の改善には結晶核剤の配合が不可欠である。
前記結晶核剤には、タルク等の無機系の結晶核剤とジアセタール化合物、カルボン酸やリン酸エステルの金属塩等の有機系の結晶核剤があり、更に有機系の結晶核剤には溶解タイプと非溶解タイプの結晶核剤がある。透明性等の光学的特性の改善には前記ジアセタール系化合物に代表される溶解タイプの有機系の結晶核剤が特に有効であり、多く用いられている。
汎用プラスチック、特にポリオレフィン系樹脂の特徴の一つは、安価であることであり、その為には生産性に優れることが重要であり、上述の様に結晶核剤を加えることによる成形サイクルの短縮等の様々な工夫がなされている。原料のフィード性もその一つであり、個々の原料のフィード性、即ちその流動性に優れることが必要である。しかし、上記結晶核剤、なかでもジアセタール系の結晶核剤は流動性が悪く、生産性における大きな問題であった。
そのため、これまでにもジアセタール系化合物をはじめとした結晶核剤の流動性の改良に関して様々な検討がなされてきた。例えば、粒状化することにより流動性を改良する方法(特許文献1〜4)や、粒状化せず、流動性改良剤を加えることにより流動性を改良する方法(特許文献5〜8)などが提案されており、実際に使われている。
一方、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、特にジアセタール系化合物等の結晶核剤の場合、ポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性がその結晶核剤としての性能に大きく影響することが知られており、これまでに分散性や溶解性を改良して結晶核剤としての性能を向上するために、様々な検討がなされてきた。例えば、特許文献9では結晶核剤の粒子を微細化する方法が、特許文献10〜12では、各種カルボン酸やその金属塩を加える方法が、また特許文献13ではフェノール系の酸化防止剤を加える方法が提案されている。また、本特許出願人も、特許文献1や特許文献14のなかで特定の化合物を加えることにより結晶核剤の融点が降下し、その結果樹脂中での分散性や溶解性が改善され、結晶核剤としての性能を向上することができることを報告している。
近年、汎用プラスチックにおいては、より一層の生産性の向上が求められており、原料のフィード性、即ちその流動性のより一層の改善が求められており、上記結晶核剤、なかでもジアセタール系の結晶核剤の流動性の更なる改善が生産性を向上する上での大きな課題であった。
WO98/33851号 特開2001−81236号公報 特開2002−332359号公報 特開2003−096246号公報 特表2009−507982号公報 特開2013−209662号公報 特開2015−30849号公報 特許第5920524号公報 特開平6−145431号公報 特開昭51−122150号公報 特開昭57−21440号公報 特開昭60−101131号公報 特開2011−207991号公報 WO02/077094号
本発明は、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性を改良する方法、その方法を含む流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の状況に鑑み、上記課題を解決すべく、これまでにも様々な検討を進めてきた。その中で、本特許出願人が報告している上記分散性や溶解性を改良する系において、配合する化合物、その含有量、更にその混合条件により、予想外の流動性改良効果を示すことが確認された。そこで、本発明者らは、更に、上記系に関して、鋭意検討した結果、特定の条件下で、特定の化合物を、特定の比率で混合することにより、結晶核剤の流動性を著しく改良できるだけでなく、樹脂中での分散性や溶解性をも改善可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示すポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法、その方法を含む流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法及び該方法により得られた流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤、更にその結晶核剤を含んでなる透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体に関する。
[項1] (A)原料結晶核剤、(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩、(C)高級脂肪酸を含んでなるポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であって、
(B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部、(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部であり、且つ、
(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲であり、且つ、
該ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤が、有機溶媒で膨潤された(A)成分と有機溶媒に溶解した(B)成分と粉末状又は粒状の(C)成分の混合物より有機溶媒を除去してなる混合体であることを特徴とする流動性の改良された結晶核剤。
[項2] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である[項1]に記載の結晶核剤。
[項3] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項1]又は[項2]に記載の結晶核剤。
[項4] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、
ラウリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
[項5] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項4]に記載の結晶核剤。
[項6] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
[項7] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項6]に記載の結晶核剤。
[項8] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項2]又は[項3]に記載の結晶核剤。
[項9] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項8]に記載の結晶核剤。
[項10] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の飽和脂肪酸である[項1]〜[項9]の何れかに記載の結晶核剤。
[項11] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の飽和脂肪酸である、[項10]に記載の結晶核剤。
[項12] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項11]に記載の結晶核剤。
[項13] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項12]に記載の結晶核剤。
[項14] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項1]〜[項13]の何れかに記載の結晶核剤。
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
[項15] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項14]に記載の結晶核剤。
[項16] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項15]に記載の結晶核剤。
[項17] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項14]に記載の結晶核剤。
[項18] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項17]に記載の結晶核剤。
[項19] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項1]〜[項18]の何れかに記載の結晶核剤。
[項20] 前記有機溶媒が、メタノールである[項19]に記載の結晶核剤。
[項21] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項1]〜[項20]の何れかに記載の結晶核剤。
[項22] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項1]〜[項21]の何れかに記載の結晶核剤。
[項23] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項1]〜[項22]の何れかに記載の結晶核剤。
[項24] 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法であって、
有機溶媒で膨潤された(A)原料結晶核剤と、有機溶媒に溶解した(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、溶媒を除去することを特徴とする製造方法。
[項25] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項24]に記載の製造方法。
[項26] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項24]又は[項25]に記載の製造方法。
[項27] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
[項28] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項27]に記載の製造方法。
[項29] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
[項30] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項29]に記載の製造方法。
[項31] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項25]又は[項26]に記載の製造方法。
[項32] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項31]に記載の製造方法。
[項33] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の脂肪酸である[項24]〜[項32]の何れかに記載の製造方法。
[項34] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の脂肪酸である、[項33]に記載の製造方法。
[項35] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項34]に記載の製造方法。
[項36] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項35]に記載の製造方法。
[項37] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項24]〜[項36]の何れかに記載の製造方法。
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
[項38] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項37]に記載の製造方法。
[項39] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項38]に記載の製造方法。
[項40] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項37]に記載の製造方法。
[項41] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項40]に記載の製造方法。
[項42] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項24]〜[項41]の何れかに記載の製造方法。
[項43] 前記有機溶媒が、メタノールである[項42]に記載の製造方法。
[項44] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項24]〜[項43]の何れかに記載の製造方法。
[項45] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項24]〜[項44]の何れかに記載の製造方法。
[項46] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項24]〜[項45]の何れかに記載の製造方法。
[項47] ポリオレフィン系樹脂と[項1]〜[項23]の何れかに記載の結晶核剤を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物。
[項48] 結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部である、[項47]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[項49] 結晶核剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部である、[項48]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[項50] [項47]〜[項49]の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
[項51] ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法であって、
有機溶媒で膨潤された(A)原料結晶核剤に、有機溶媒に溶解した(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、溶媒を除去することを特徴とする改良方法。
[項52] 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、[項51]に記載の改良方法。
[項53] 前記(B)成分の塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩である、[項51]又は[項52]に記載の改良方法。
[項54] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムから選ばれた1種又は2種以上の化合物である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
[項55] 前記アルキル硫酸エステル塩が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又は炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムである、[項54]に記載の改良方法。
[項56] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
[項57] 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、エチレンオキシド平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、[項56]に記載の改良方法。
[項58] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項52]又は[項53]に記載の改良方法。
[項59] 前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである、[項58]に記載の改良方法。
[項60] 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の脂肪酸である[項51]〜[項59]の何れかに記載の改良方法。
[項61] 前記(C)成分のが、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の脂肪酸である、[項60]に記載の改良方法。
[項62] 前記(C)成分が、ステアリン酸、12−ヒドロキステアリン酸及びベヘン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[項61]に記載の改良方法。
[項63] 前記(C)成分が、ステアリン酸及び/又は12−ヒドロキステアリン酸である、[項62]に記載の改良方法。
[項64] 前記(A)成分が、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤である、[項51]〜[項63]の何れかに記載の改良方法。
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
[項65] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、[項64]に記載の改良方法。
[項66] 前記(A)成分が、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールである、[項64]に記載の改良方法。
[項67] 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、[項64]に記載の改良方法。
[項68] 前記(A)成分の原料核剤が、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトールである、[項67]に記載の改良方法。
[項69] 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである[項51]〜[項68]の何れかに記載の改良方法。
[項70] 前記有機溶媒が、メタノールである[項69]に記載の改良方法。
[項71] 前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.2〜4重量部である、[項51]〜[項70]の何れかに記載の改良方法。
[項72] 前記(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して0.3〜3重量部である、[項51]〜[項71]の何れかに記載の改良方法。
[項73] (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/2.5〜2.5/1の範囲である、[項51]〜[項72]の何れかに記載の改良方法。
本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、非常に流動性に優れており、生産性の向上などに大きく寄与することができる。また、本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、特にジアセタール系化合物等において非常に重要であるポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性についても、従来の結晶核剤と同等かそれ以上の性能を有しており、結晶核剤として非常に優れた姓能を発揮することができる。従って、本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、様々な用途で幅広く使用することが可能であり、得られた成形品は非常に優れた透明性を有しており、多くの用途で有用である。
<ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤>
本発明の結晶核剤は、流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であり、その形状は限定されるものではなく、粉末状でも粒状でも良い。
本発明の結晶核剤は、市販品や通常の製造工程で得られた(A)原料結晶核剤((A)成分)を特定の溶媒で膨潤した後、予め有機溶媒に溶解した(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩)((B)成分)と粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸((C)成分)を同時に又は逐次的に加えて混合することにより容易に得ることができる。また、製造工程の途中、例えば乾燥工程等の前後に上記手順の工程を組み込む方法を採用することも可能である。
本発明において、上記混合時に各成分の状態が本発明の目的である流動性の改良に対して非常に重要である。従来、分散性や溶解性の改善の為には、(B)成分及び(C)成分が(A)成分の粒子を形成する凝集体中に存在する微粒子間に可能な限り均一に存在することが重要であり、その為には全成分を大量の有機溶媒中に投入後、長時間加熱混合するか、予め(B)成分及び(C)成分を有機溶媒に溶解させ、その溶液を(A)成分に加える方法などが推奨された(特許文献3参照)。それだけでも嵩密度の上昇により、流動性が改善する方向にあったが、より一層の生産性の向上が求められている現状を鑑みると、より流動性の改善が必要であると本発明者らは考えた。その課題に対して、本発明に係る上記手順により製造する場合に、驚くべきことに嵩密度の上昇だけでは説明できない程著しく流動性が改善することがわかった。
そこで、本発明者らは上記系においてのみ流動性が著しく改善する理由を解明すべく、様々な分析を試みたが、未だ明確な答えは得られていない。しかし、その分析結果より、以下に示す様な一つの推論が可能である。即ち、予め有機溶媒で膨潤された(A)成分に予め有機溶媒に溶解した(B)成分を加えることにより、(B)成分が(A)成分の微粒子間にすばやく浸透し、(B)成分は(A)成分の微粒子間に均一に存在する。一方、予め有機溶媒に溶解せずに粉末状又は粒状のままで加えた(C)成分は、(A)成分に微粒子間への浸透が遅く、その結果(A)成分の粒子を形成する凝集体の表面近傍に多く存在しているものと考えられる。その表面近傍に存在する(C)成分が流動性を改善する効果に大きく寄与しているものと推測されている。
膨潤とは、一般的に固体の形状を維持した状態で、溶媒が固体中に浸透して体積膨張することを意味する。本発明の場合も、(A)成分の粒子を形成する凝集体中に存在する微粒子間に溶媒が均一に浸透した状態を膨潤状態と言う。なお、固体の形状を維持した状態であれば、一部溶解した状態であっても、本発明では膨潤状態とした。また、膨潤状態であることにより添加剤などが粒子中に浸透しやすくなることが知られている。特に、同じ種類の溶媒に予め溶解した状態で加えることにより、その傾向はより顕著になる。通常、膨潤状態になるためには溶媒の溶解性、相溶性が重要であり、溶解性が高すぎる場合には膨潤状態を超えて溶解状態になり、逆に相溶性が低すぎる場合には溶媒が固体中に浸透せず、膨潤状態とはならない。
上記原料である結晶核剤の粉末の形状は、本発明の効果を奏する限り、特に制約はないが、好ましくはレーザー回折式粒度分布測定で求めた平均粒径が0.01〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmであることが、特に推奨される。平均粒径を0.01μm以上にすることにより、作業性に優れる傾向にあり、平均粒径を15μm以下にすることにより、本発明の結晶核剤のポリオレフィン系樹脂中への分散性や溶解性に好影響を及ぼす傾向が認められる。
本発明の結晶核剤は、得られた粉末状のままでも十分に流動性を改良することが可能であるが、更に流動性を向上させたい場合には、得られた粉末を従来公知の方法で粒状化することもできる。その場合は、加えた(B)成分や(C)成分のバインダーとして作用し、粒状化を促進するだけでなく、得られた粒状物の樹脂中での分散性や溶解性の低下を抑える効果もあり、好ましい。
本発明の結晶核剤が粉末状の場合、その形状が、好ましくはレーザー回折式粒度分布測定で求めたその平均粒径が、0.1〜30μm、より好ましくは0.5〜20μmであることが推奨される。同様に、粒状の場合、その平均粒径が、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmであることが推奨される。但し、本発明の効果を奏する限り、必ずしも上記形状である必要はない。
また、本発明の結晶核剤は、流動性の改良の観点より、その安息角が好ましくは48度以下、より好ましくは46度以下であることが推奨される。一般に、安息角が小さいほど流動性に優れる傾向にある。
さらに、本発明の結晶核剤は、ゆるめ嵩密度とかため嵩密度から求められる圧縮比(かため嵩密度/ゆるめ嵩密度)が好ましくは1.4以下であることが推奨される。一般に、圧縮比が1に近いほど流動性に優れる傾向にある。
上記レーザー回折式粒度分布測定は、汎用の装置を用いて、汎用の方法・条件により測定することができる。例えば、レーザー回折式粒度分布計(マルバーンインスツルメンツ社製、「マスターサイザー3000」)を用いて、湿式測定セル中で十分に撹拌混合することで、分散剤として界面活性剤を加えた水溶液中に試料を分散させ、続いて、得られた混合物を装置内で更に撹拌、循環させながら、超音波を当てて装置内にて十分に均一に分散させた後、超音波を当てながら試料の粒度分布を測定することができる。得られた粒度分布より平均粒径、即ち体積基準累積50%粒径(メジアン径:d50)を求めることができる。
(A)成分;原料結晶核剤
(A)成分である原料結晶核剤は、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤である。ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤としては、例えば、ジアセタール系化合物、カルボン酸塩系化合物、リン酸エステル塩系化合物、アミド系化合物、ロジン系化合物などが例示される。なかでも、上記ジアセタール系化合物において、本発明の効果が最も顕著である。ただし、その種類は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されるものではない。
上記ジアセタール系化合物としては、具体的には、下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物が例示される。
[式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
上記ジアセタール系化合物の中でも、更に好ましい化合物としては、例えば、上記一般式(1)中のR及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である化合物や、上記一般式(1)中のR及びRがプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物などが挙げられる。
また、次の様な化合物も更に好ましい化合物として例示することができる;上記一般式(1)において、R及びRがプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物。
上記ジアセタール化合物の具体的な態様としては、次の様な化合物が例示される。1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン
)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール等が例示される。
特に、好ましい態様としては、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロピルソルビトールなどが例示される。
また、上記具体的な態様のジアセタール化合物は、単独で用いてもよいが、他の性能、例えば低温加工性等の観点から、2種以上のジアセタール化合物を併用、または予め混合した態様で用いてもよい。
上記併用または混合系で用いる場合、例えば、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せや1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、の組合せなどが例示される。
上記ジアセタール化合物は、例えば、日本国特公昭48−43748号公報、特開昭53−5165号公報、特開昭57−185287号公報、特開平2−231488号公報等に記載されている製造方法などを用いて容易に製造することができる。また、現在ポリオレフィン用結晶核剤として市販されているもの、例えば、ミリケン社(米国)のミラッド3988、ミラッドNX8000、新日本理化(株)のゲルオールD、ゲルオールMD、ゲルオールDXRなどをそのまま使用してもよい。
また、上記ジアセタール系化合物以外の結晶核剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩、下記一般式(3)で示されるシクロヘキサンジカルボン酸金属塩、下記一般式(4)で表されるノルボルナンジカルボン酸金属塩などのカルボン酸塩系化合物、下記一般式(5)で示されるリン酸エステル塩系化合物、下記一般式(6)で示されるアミド系化合物、下記一般式(7)で示されるロジン酸又はその金属塩化合物(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩)等のロジン系化合物などが例示される。
[式中、M及びMは、いずれもリチウムイオンであるか、または共同してカルシウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウムおよび一塩基性アルミニウムからなる群から互いに独立して選択される単一の金属カチオンであり、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のアルキレンオキシ基、アミノ基および炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素および沃素)ならびにフェニル基からなる群からそれぞれ選択される。]
[式中、M及びMは、同一又は異なって、金属カチオンまたは有機カチオンから成る群から独立して選択されるか、または該2つの金属イオンは単一の金属イオンにまとめられ(二価、例えばカルシウム等)、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、及びR26は水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のアルキレンオキシ基、アミノ基、及び炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン原子、フェニル基、アルキルフェニル基、及び最大9個の炭素原子を有するジェミナルまたはビシナルの炭素環から成る群から個々に選択され、好ましくは、金属カチオンはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銀、ナトリウム、リチウム、ルビジウム、カリウム等から成る群から選択される。]
[式中、R27〜R30は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R31は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、dは1又は2の整数であり、dが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、dが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
[式中、fは、2〜6の整数を表す。R32は、炭素数2〜18の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数3〜18の脂環族ポリカルボン酸残基又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表す。2〜6個のR33は、同一又は異なって、それぞれ、炭素数5〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族アミン残基、炭素数5〜30の脂環族アミン残基又は炭素数6〜30の芳香族アミン残基を表す。]
[式中、R34 、R35 およびR36 は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を示し、各同一であっても異なっていてもよい。]
(B)成分:硫酸エステル塩及びスルホン酸エステル塩
(B)成分である硫酸エステル塩及びスルホン酸エステル塩としては、本発明の効果を奏するものであれば、どの様な構造の硫酸エステル塩及びスルホン酸エステル塩でも使用することができるが、好ましくは、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であり、その塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩又はトリエタノールアミン塩であることが推奨される。
より具体的には、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩としては、例えば、n−オクチル硫酸ナトリウム、2−エチルヘキシル硫酸ナトリウム、n−デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、アラキジル硫酸ナトリウム、ベヘニル硫酸ナトリウム、イソステアリル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、ヤシ油アルキル硫酸ナトリウム、パーム油アルキル硫酸ナトリウム、パーム核油アルキル硫酸ナトリウム、大豆油アルキル硫酸ナトリウム、n−オクチル硫酸カリウム、2−エチルヘキシル硫酸カリウム、n−デシル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸カリウム、パルミチル硫酸カリウム、ステアリル硫酸カリウム、アラキジル硫酸カリウム、ベヘニル硫酸カリウム、イソステアリル硫酸カリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム、ヤシ油アルキル硫酸カリウム、パーム油アルキル硫酸カリウム、パーム核油アルキル硫酸カリウム、大豆油アルキル硫酸カリウム、n−オクチル硫酸アンモニウム、2−エチルヘキシル硫酸アンモニウム、n−デシル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸アンモニウム、パルミチル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸アンモニウム、アラキジル硫酸アンモニウム、ベヘニル硫酸アンモニウム、イソステアリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウム、ヤシ油アルキル硫酸アンモニウム、パーム油アルキル硫酸アンモニウム、パーム核油アルキル硫酸アンモニウム、大豆油アルキル硫酸アンモニウムなどが挙げられ、その中でも、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸カリウム及び炭素数12〜14のアルキル硫酸アンモニウムがより好ましく、特にラウリル硫酸ナトリウム、炭素数12〜14のアルキル硫酸ナトリウムが最も好ましい。
オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数1〜5のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ポリオキシエチレン(オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数1〜5)−n−オクチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)−2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)−n−デシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パルミチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)アラキジルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ベヘニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)イソステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ヤシ油アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パーム油アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パーム核油アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)大豆油アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)−n−オクチルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)−2−エチルヘキシルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)−n−デシルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ミリスチルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パルミチルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ステアリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)アラキジルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ベヘニルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)イソステアリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ヤシ油アルキルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パーム油アルキルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)パーム核油アルキルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)大豆油アルキルエーテル硫酸カリウムなどが挙げられ、その中でも、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムがより好ましく、特にポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数1〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムが最も好ましい。
炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数6〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数6〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜13の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸カリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数6〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数6〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数6〜20の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数10〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数10〜13の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウムなどが挙げられ、その中でもドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムがより好ましく、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが最も好ましい。
(C)成分:高級脂肪酸
(C)成分である高級脂肪酸としては、本発明の効果を奏するものであれば、どの様な構造の高級脂肪酸でも使用することができるが、好ましくは、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の飽和脂肪酸であることが推奨され、より好ましくは分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数18〜22の飽和脂肪酸であることが特に推奨される。
具体的には、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、10−ヒドロキシパルミチン酸、11−ヒドロキパルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、エイコサジエン酸、ミード酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸などが挙げられ、その中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸が推奨され、特にステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸が特に推奨される。
本発明の結晶核剤中の(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部であり、特に好ましくは0.2〜4重量部であることが推奨される。(B)成分の含有量が、前記範囲にあれば、透明性が低下することなく、十分な流動性の改善が得られる。
本発明の結晶核剤中の(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部であり、特に好ましくは0.3〜3重量部であることが推奨される。(C)成分の含有量が、0.3重量部未満では、十分な流動性の改善が得られレ難い傾向にあり、5重量部を超えた場合には、透明性の低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
さらに、(B)成分と(C)成分の比率は、(B)/(C)=1/3〜4/1であり、特に好ましくは1/2.5〜2.5/1の範囲であることが推奨される。(B)成分と(C)成分の比率を前記範囲にすることにより、結晶核剤の流動性が大きく改善され、且つ透明性に優れた成形体を得ることができる。
本発明の結晶核剤の製造方法
本発明の結晶核剤の製造方法に関して、以下に更に具体的な例を示して、詳しく記載する。但し、本発明は、目的の性能が得られる限り、必ずしも以下の方法に限定されるものではない。
(i)(A)原料結晶核剤に有機溶媒を加えて加熱攪拌し、(A)成分を膨潤させる。
(ii)工程(i)で得られた膨潤した(A)成分に、予め有機溶媒に溶解した(B)硫酸エステル塩及び/またはスルホン酸エステル塩を加えて、更に攪拌する。
(iii)更に、粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を加えて、攪拌する。
(iv)所定時間、加熱攪拌後、有機溶媒を除去する。
上記工程(ii)と工程(iii)は、目的の性能が得られる場合には、同時に行うこともできる。
工程(i)で用いられる有機溶媒としては、(A)成分を膨潤させることができる有機溶媒、また(B)成分を溶解させることができる有機溶媒は、それぞれの役目を果たすことができるものであれば特に制約はないが、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、などが挙げられ、中でも炭素数1〜4の低級アルコール系溶媒が好ましく、更にその中でもメタノール、エタノールが、特にメタノールが最も推奨される。有機溶媒は、単独で用いても良く、複数の有機溶媒を使用することができる。また、例えば、低級アルコール系溶媒やケトン系溶媒に少量の炭化水素系溶媒や水などを混合して用いることもできる。
工程(i)の温度、時間は、(A)成分の種類と用いる有機溶媒の種類により、異なるものであるが、例えば、有機溶媒としてメタノールを用いた場合は、通常、40〜60℃で、1〜3時間程度で行うことにより十分に(A)成分を膨潤させることができる。
工程(ii)において、(B)成分を溶解させる有機溶媒としては、用いる(B)成分が容易に溶解できる有機溶媒であれば、如何なる種類の有機溶媒でも使用することができるが、好ましくは工程(i)と同じ有機溶媒を用いることが推奨される。
工程(ii)及び工程(iii)の温度、時間は、工程(i)と同様に、成分(A)の種類及び用いる成分(B)、成分(C)の種類により異なるものであるが、例えば、有機溶媒としてメタノールを用いた場合は、通常、40〜60℃で、1〜5時間程度で行うことにより、本発明の効果を有する結晶核剤を得ることができる。
工程(iv)の方法としては、用いた有機溶媒の種類により異なるが、例えば、濾過、遠心分離、蒸発乾燥等、従来公知のどの様な方法でも行うことができるが、低沸点有機溶媒を用いて、蒸発乾燥する方法が最も好ましい。
また、蒸発乾燥する場合には、メタノール等の低沸点有機溶媒に該有機溶媒より沸点の高い溶媒を加える方法が着色等を抑える為には有効である。更に、例えば、水などの(C)成分が溶解しない溶媒を使った場合、更に流動性を向上させる効果も期待される。
ポレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法については、上記の「本発明の結晶核剤の製造方法」に記載の説明と同じ説明となり、具体的には、有機溶媒で膨潤された(A)原料結晶核剤に、有機溶媒に溶解した(A)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部の(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、その混合物から溶媒を除去してなる混合体とすることにより、ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性を改善することができる。
<ポリオレフィン系樹脂組成物>
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、本発明の結晶核剤とポリオレフィン系樹脂とを、必要に応じてその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤を加えて、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合することにより、容易に得ることができる。
ポリオレフィン系樹脂中の本発明の結晶核剤の濃度は、ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤としての核剤効果を奏する限り、特に制約はないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部であることが好ましい。
[ポリオレフィン系樹脂]
上記ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されることなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂などが例示される。より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン50重量%以上、好ましくは70重量%以上のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示される。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01〜200g/10分程度、好ましくは0.05〜100g/10分程度が推奨される。
[その他の添加剤]
また、上述の通り、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤が含まれていてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂用添加剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。具体的には、蛍光増白剤(2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等)、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、充填剤(タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊維等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、有機無機の顔料(インディゴ化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ウルトラマリン化合物、アルミン酸コバルト化合物等)、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。
これらの添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、例えば、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0001〜100重量部程度、より好ましくは0.001〜50重量部程度で使用されるのが一般的である。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのフェノール系酸化防止剤、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾールなどの硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどの亜リン酸エステル系酸化防止剤等が例示される。中でも、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、亜リン酸エステル系の酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンなどが特に推奨される。
<ポリオレフィン系樹脂成形体>
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、上記本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、慣用されている成形方法に従って成形することにより得られる。前記成形方法としては、本発明の効果を奏する限り、特に制約はなく、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。
かくして得られたポリオレフィン系樹脂成形体は、透明性等の光学的特性や耐衝撃性等の機械的特性に優れており、成形品やシート、フィルムとして、自動車部材、電気部材、機械部品、日常雑貨など様々な用途で、非常に有用である。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例や応用例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
[結晶核剤の性状]
(1)平均粒径の測定(レーザー回折式粒度分布測定)
レーザー回折式粒度分布計(マルバーンインスツルメンツ社製、「マスターサイザー3000」)を用いて、以下の方法により測定した。まず、湿式測定セルを用い、十分に撹拌混合することで、分散剤としてノニオン系界面活性剤を加えた水溶液中に、試料を分散させ、続いて、得られた混合物を装置内で更に撹拌、循環させながら、超音波を当てて装置内にて十分に均一に分散させた。その後、超音波を当てながら試料の粒度分布を測定した。得られた粒度分布より、体積基準累積50%粒径(d50)を求め、平均粒径とした。
(2)圧縮比の測定
漏斗をメスシリンダーの開口部上2cmとなるように、かつそれと軸が一致するように垂直に保持し、漏斗を通して100cmのメスシリンダーに結晶核剤を100cmゆっくりと入れた。秤を用いてメスシリンダー内の結晶核剤の重量を0.1gの桁まで測定した。得られた重量より下記式(1)を用いてゆるめ嵩密度を求めた。続いて、メスシリンダーをゴムシートの上5cmの高さから垂直に落下させる操作(タッピング)を50回繰り返した。メスシリンダー内の結晶核剤の容量を0.1cmの桁まで読み取り、下記式(2)を用いてかため嵩密度を求めた。得られたゆるめ嵩密度及びかため嵩密度より下記式(3)を用いて、圧縮比を求めた。一般的に、圧縮比が1に近いほど流動性に優れると言われている。
式(1);
ゆるめ嵩密度(g/cm)=メスシリンダー内の結晶核剤の重量(g)/100cm
式(2);
かため嵩密度(g/cm)=メスシリンダー内の結晶核剤の重量(g)/タッピング後の結晶核剤の容量(cm
式(3);
圧縮比=かため嵩密度/ゆるめ嵩密度
[流動性の評価]
(3)安息角の測定
25℃、湿度60%の条件下で、結晶核剤30gを、漏斗上縁までの距離が1cmの高さから、開口部の直径9cm、穴の直径1cmの漏斗上へ注ぎ込み、振動させずに漏斗下口から10cmの位置にある直径9cmの円形台上に落下させる。落下した円錐状の堆積物の高さを測定し、水平面と母線のなす角を計算から求め、安息角(単位:度)とした。この安息角が小さいほど粉末流動性が良いことを示す。
(4)粉体流動性試験(漏斗試験)
結晶核剤を、漏斗の上縁までの距離が5cmの高さから、開口部の直径15cm、穴の直径1.5cmの漏斗上へ注ぎ込み、振動させずに漏斗下口より落下させる。結晶核剤の漏斗から排出状態より、以下の基準に従って、結晶核剤の流動性を4段階評価にて判定した。
(評価基準)
◎:結晶核剤が全て速やかに漏斗から排出され、漏斗内壁の付着物もほとんど確認されない
○:結晶核剤がわずかに漏斗から排出されずに残るが、わずかな衝撃により残った結晶核剤も全て排出される
△:結晶核剤が漏斗から排出されずに残り、わずかな衝撃だけでは漏斗上に残った結晶核剤を完全に排出することは困難である
×:結晶核剤が漏斗から排出されずに多量に残り、衝撃を与えても漏斗上に残った結晶核剤を排出することは困難である
[成形体の性状]
(5)ヘイズ値の測定
東洋精機製作所製のヘイズメータを用いて、JIS K7136(2000)に準じた方法でヘイズ値を測定した。評価試料には、1mm厚み射出成形品のポリプロピレン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
(6)白点評価
射出成形した50mm×50mm×1mm形状のポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として使用し、目視観察で成形体中の白点の数をカウントした。得られた結果は、試料5枚の平均値をとり、その試料の白点数とし、得られた評価結果より、以下の3段階で分類評価した。
◎:白点数が3個未満である。成形体の性能上、全く問題のないレベルである。
○:白点数が3〜15個の範囲である。核剤としての性能上、問題はないが、他の物性面で未分散物の影響が出る可能性がある。
×:白点数が15個を超えて存在が確認される。明らかに、核剤の性能面でも十分に効果が発現されておらず、更に未分散物が様々な物性面で問題を生ずる可能性が高い。
実施例中の化合物の略号
EDBS:1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール
DMDBS:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール
PDBN:1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール
NaLS:ラウリル硫酸ナトリウム
NaDBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
St:ステアリン酸
12HSt:12−ヒドロキシステアリン酸
[実施例1]
温度計、冷却装置を設置した(株)ダルトン製の全量4.7Lの万能混合撹拌機(5dmv−01−rr型)にDMDBS300gとメタノール400gを仕込み、60℃で1時間攪拌し、DMDBSをメタノールで十分に膨潤させた。次に、予めメタノールに均一の溶解させたNaLS3gと粉末状のSt7.5gを仕込み、更に60℃で2時間攪拌混合した。続いて、水200gを加えた後に、系内を徐々に減圧にして溶媒を除去し、最後に温度を100℃まで上げて完全に溶媒を除去し、乾燥物を得た。得られた乾燥物は、解砕機を用いて解砕して、粉末状の本発明の結晶核剤とした。解砕後の結晶核剤(粉末状)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定より4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例2]
NaLSの量を7.5gに、Stの量を6gに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、5μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例3]
NaLSの量を6gに、Stの量を1.5gに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例4]
NaLSの量を6.75gに、Stの量を3.75gに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例5]
Stを12HStに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例6]
NaLSをNaDBSに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例7]
DMDBSをEDBSに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、7μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例8]
DMDBSをPDBNに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、6μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[実施例9]
実施例1で得られた粉末状の結晶核剤を、ローラー圧縮法にて圧縮し、その圧縮物を解砕して、粒状の本発明の結晶核剤を得た。得られた粒状の結晶核剤の平均粒径は、30μmであることを確認した。
得られた粒状の結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表1に示した。続いて、得られた粒状の結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表1に示した。
[比較例1]
NaLSの量を30gに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例2]
Stの量を30gに変えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、5μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例3]
(C)成分を加えない以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、5μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例4]
(B)成分を加えない以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、7μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例5]
温度計、冷却装置を設置した(株)ダルトン製の全量4.7Lの万能混合撹拌機(5dmv−01−rr型)にDMDBS300gと水400gを仕込み、60℃で1時間攪拌した。DMDBSは1時間経過後も膨潤状態にはならなかった。次に、予め水に均一の溶解させたNaLS3gと粉末状のSt7.5gを仕込み、更に60℃で2時間攪拌混合した。続いて、系内を徐々に減圧にして溶媒を除去し、最後に温度を100℃まで上げて完全に溶媒を除去し、乾燥物を得た。得られた乾燥物は、解砕機を用いて解砕して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。解砕後の結晶核剤の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定より5μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例6]
(B)成分を溶媒に溶解せずに粉末状態で加えた以外は、実施例1と同様に実施して、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。得られた結晶核剤の平均粒径は、4μmであることを確認した。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[比較例7]
温度計、冷却装置を設置した(株)ダルトン製の全量4.7Lの混合攪拌機万能混合撹拌機(5dmv−01−rr型)にDMDBS300gと粉末状のNaLS3gと粉末状のSt7.5gを仕込み、60℃で2時間攪拌混合し、本発明の範囲外の結晶核剤を得た。
得られた結晶核剤を用いて、圧縮比、安息角を測定し、結果を表2に示した。続いて、得られた結晶核剤を用いて、粉体流動性試験(漏斗試験)による粉体流動性の評価を行い、結果を合わせて表2に示した。
[実施例10]
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンランダムコポリマー(MFR=7g/10分(荷重2160g、温度230℃)、(株)プライムポリマー社製、R−720)100重量部、結晶核剤として実施例1で得られた本発明の結晶核剤0.2重量部、及びその他添加剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業(株)社製、商品名「Ca−St」)0.05重量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGANOX1010」)0.05重量部、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05重量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を一軸押出機(田辺プラスチックス機械株式会社製VS―20)を用いてバレル温度250℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)240℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、厚みが1mmのポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られた成形体を評価試料として用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表3に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表3に示した。
[実施例11]
結晶核剤として、実施例2で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表3に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表3に示した。
[実施例12]
結晶核剤として、実施例3で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表3に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表3に示した。
[実施例13]
結晶核剤として、実施例4で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表3に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表3に示した。
[実施例14]
結晶核剤として、実施例5で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表3に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表3に示した。
[実施例15]
結晶核剤として、実施例6で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表4に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表4に示した。
[実施例16]
結晶核剤として、実施例7で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表4に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表4に示した。
[実施例17]
結晶核剤として、実施例8で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表4に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表4に示した。
[実施例18]
結晶核剤として、実施例9で得られた本発明の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表4に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表4に示した。
[比較例8]
結晶核剤として、比較例1で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例9]
結晶核剤として、比較例2で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例10]
結晶核剤として、比較例3で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例11]
結晶核剤として、比較例4で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例12]
結晶核剤として、比較例5で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例13]
結晶核剤として、比較例6で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
[比較例14]
結晶核剤として、比較例7で得られた本発明の範囲外の結晶核剤を用いた以外は、実施例10と同様に実施して、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂成形体を得た。得られた成形体を用いて、ヘイズ値を測定し、得られた結果を表5に示した。続いて、上記方法にて目視により成形体中の白点評価を行い、その結果を合わせて表5に示した。
上記表1中の実施例1〜9の結果と表2中の比較例3〜7の結果を比較すると、本発明外の条件で得られた結晶核剤が何れも満足される流動性を示していないのに対して、本発明の条件で得られた結晶核剤は、著しく流動性が向上し、非常に優れた流動性を示していることがわかる。
また、上記表3、4の実施例10〜18の結果と比較して、表5の比較例8、9や表5の比較例12〜13のヘイズ値が大きく悪化しており、更に白点評価でも白点、即ち未分散物等が増加する傾向にあることがわかる。この結果より、本発明外の条件で流動性を改良した場合、結晶核剤本来の性能である透明性などが低下する傾向にあり、十分に満足する成形体を得るためには、本発明の条件で製造することが好ましい結果となった。
本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、流動性が大きく改良されており、非常に流動性に優れた結晶核剤として、様々な用途で使用することができる。また、本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、ポリオレフィン系樹脂中での分散性や溶解性についても従来の結晶核剤と同等かそれ以上の性能を有し、成形品の性能的にも非常に有用である。従って、本発明のポリオレフィン系樹脂用結晶核剤は、様々な用途で生産性の向上などに大きく寄与することが可能であり、得られたポリオレフィン系樹脂成形体は、結晶核剤の未分散物や未溶解物による白点等の欠点がなく、かつ透明性等の光学的特性や耐衝撃性等の機械的特性に優れており、自動車部材、電気部材、機械部品、日用雑貨、衣装等のケース、食品等の容器など、様々な用途で広く使うことができる。

Claims (10)

  1. (A)下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤、(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩、(C)高級脂肪酸を含んでなるポリオレフィン系樹脂用結晶核剤であって、
    (B)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部、(C)成分の含有量が(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部であり、且つ、
    (B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲であり、且つ、
    該ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤が、有機溶媒で膨潤された(A)成分と有機溶媒に溶解した(B)成分と粉末状又は粒状の(C)成分の混合物より有機溶媒を除去してなる混合体であることを特徴とする流動性の改良された結晶核剤。
    [式(1)中、R 及びR は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR 基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
  2. 前記(B)成分が、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩、エチレンオキシド平均付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩及び炭素数6〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の結晶核剤。
  3. 前記(C)成分が、分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい炭素数12〜24の飽和脂肪酸である請求項1又は2に記載の結晶核剤。
  4. 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である、請求項1〜3の何れかに記載の結晶核剤。
  5. 前記一般式(1)において、R及びRが、同一又は異なって、プロピル基又はプロポキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である、請求項1〜3の何れかに記載の結晶核剤。
  6. 前記有機溶媒が、炭素数1〜4の低級アルコールである請求項1〜の何れかに記載の結晶核剤。
  7. 流動性の改良されたポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の製造方法であって、
    有機溶媒で膨潤された(A)下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤と、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の有機溶媒に溶解した(B)硫酸エステル塩及び/又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、有機溶媒を除去することを特徴とする製造方法。
    [式(1)中、R 及びR は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR 基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
  8. ポリオレフィン系樹脂と請求項1〜の何れかに記載の結晶核剤を含んでなるポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. 請求項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を原料とするポリオレフィン系樹脂成形体。
  10. ポリオレフィン系樹脂用結晶核剤の流動性改良方法であって、
    有機溶媒で膨潤された(A)下記一般式(1)で示されるジアセタール系化合物を含む原料結晶核剤に、(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部の有機溶媒に溶解した(B)硫酸エステル塩及び又はスルホン酸塩と、(A)成分100重量部に対して0.3〜5重量部の粉末状又は粒状の(C)高級脂肪酸を、(B)成分と(C)成分の比率が、(B)/(C)=1/3〜4/1の範囲になる様に混合後、有機溶媒を除去することを特徴とする改良方法。
    [式(1)中、R 及びR は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。R は、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのR は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR 基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
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