JP2020029573A - ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法、透明核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、該ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法、透明核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、該ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂成形体 Download PDF

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佑里恵 篠田
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祥平 岩崎
陽平 内山
Yohei Uchiyama
陽平 内山
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【課題】本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性、特に視覚的な透明感を改善し、透明性に非常に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を提供することを目的とし、その為の透明性の改良方法を提供することを目的とする。【解決手段】特定のポリオレフィン系樹脂用核剤と蛍光増白剤とを含有し、更にその蛍光増白剤の含有量をポリオレフィン樹脂系成形体の光学特性に基づいて特定の範囲に調整することにより、実質的に着色することなく、視覚的な透明感を発現できる方法を見出し、該方法により透明性に非常に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を提供することが可能となった。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法、透明核剤組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、該ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂成形体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価でバランスの良い性能を有し、汎用のプラスチックとして様々な用途で使用されている。例えば、優れた機械的特性や熱的特性を活かして、自動車部材、電気部材、機械部品等の用途で広く使われており、また、優れた光学的特性を活かして、日用雑貨、衣装等のケース、食品等の容器等の用途で広く使われている。
ポリオレフィン系樹脂等の結晶性の樹脂は、結晶性を制御することにより、上記特性をより改善することができる。結晶性を制御する方法としては、さまざまな方法が知られており、例えば、重合度や立体規則性等の樹脂の特性を調整する方法、成形加工条件を調整する方法によっても結晶性を制御することができる。しかし、ポリオレフィン系樹脂の場合、その様な方法では、ポリオレフィン系樹脂の特徴である安価でバランスの良い性能が十分に発揮することが難しくなってしまう。
また、結晶性を制御する方法として、結晶化促進剤や結晶核剤等の添加剤を加える方法も有効な方法として知られている。特に、ポリオレフィン系樹脂の場合、剛性等の機械的特性の改善や透明性等の光学的特性の改善に結晶核剤を加える方法が非常に有効であることが知られており、広く用いられている。
一方、リサイクル等の観点より、様々な用途で従来の樹脂からポリオレフィン系樹脂への置き換えが進められており、透明用途でもポリオレフィン系樹脂の使用が増えており、その様な用途では結晶核剤の配合がなくてはならない技術となっている。しかし、近年結晶核剤の配合だけでは十分に改善できない様なより透明性、特に透明感の要求される用途にポリオレフィン系樹脂を使用する動きがあり、その様な用途ではより透明感を改善する方法が求められている。
一般的に、透明性に優れるとは、成形体等の物質を通して反対側の視認性に優れることであり、乱反射が少なく、透過性に優れるだけでなく、視覚的な透明感も重要な因子である。しかし、ポリオレフィン系の樹脂の場合、結晶核剤を加えるだけでは、透過性は改善されるが、透明感を改善することは難しいのが現状である。
透明感の改善の方法としては、青色系の着色剤や蛍光増白剤を加えることによる所謂ブルーイングによる方法が知られている。しかし、上記の様な添加剤を加えすぎると、用途によってはその着色が問題になることがあり、透明感の改善と着色のバランスを取ることが難しいのが現状であった。
特表2014-503679号公報 特開2009-2944号公報 特開2012−233149号公報 特開2016−088979号公報 国際公開2017/182805号
本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性、特に視覚的な透明感を改善し、透明性に非常に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を提供することを目的とし、その為の透明性の改良方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定のポリオレフィン系樹脂用核剤と蛍光増白剤を含有し、更にその蛍光増白剤の含有量をポリオレフィン樹脂系成形体の光学特性に基づいて特定の範囲に調整することにより、実質的に着色することなく、視覚的な透明感を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記に示すポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法及び透明感に優れたポリオレフィン系樹脂組成物、更にその組成物を原料とし、その方法により透明感の改善されたポリオレフィン系樹脂成形体に関する。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法であって、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を含有し、上記(A)透明核剤を、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部含有させ、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲で含有させることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法である。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法では、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させることが好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
上記(B)蛍光増白剤は、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物であることが好ましい。
上記(B)蛍光増白剤は、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物であることが好ましい。
[一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物であることが好ましい。
[一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物であることが好ましい。
[一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
本発明は、(A)透明核剤及び(B)蛍光増白剤を含有する透明核剤組成物であって、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上記透明核剤組成物とポリオレフィン系樹脂とを含有するポリオレフィン系樹脂成形体としたときに、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有することを特徴とする透明核剤組成物でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
上記(B)蛍光増白剤の含有量は、下記式(c)で示される条件を満たす範囲であることが好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
上記(B)蛍光増白剤は、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物であることが好ましい。
上記(B)蛍光増白剤は、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物であることが好ましい。
[一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物であることが好ましい。
[一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物であることが好ましい。
[一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
本発明は、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂組成物であって、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有することが好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式(c)中のΔLは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
上記(B)蛍光増白剤は、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物であることが好ましい。
上記(B)蛍光増白剤は、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物であることが好ましい。
[一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物であることが好ましい。
[一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
上記(A)透明核剤は、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物であることが好ましい。
[一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を混合する工程を有し、上記(B)蛍光増白剤の含有量が、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有する
ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法では、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させる工程を有することが好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
本発明は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物、又は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法で得られるポリオレフィン系樹脂組成物を原料とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体でもある。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法を用いることにより、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性、特に目視での透明感を、実質的に着色することなく、大きく改良することが可能となり、その結果、僅かな着色でも問題になる医療用途や色調に敏感な意匠性の高い用途等の分野において、ポリオレフィン系樹脂成形体をより一層使い易くなる。
<ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法>
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法は、上記ポリオレフィン系樹脂成形体が、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を含有し、上記(A)透明核剤を、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部含有させ、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲で含有させることを特徴とする。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法では、上記(B)蛍光増白剤の含有量が、ポリオレフィン系樹脂成形体の光学特性に応じて特定の範囲に調整されている。上記(B)蛍光増白剤は、上記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲で含有させることにより、着色を抑え、透明感に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を得ることが可能である。その一方で、上記(B)蛍光増白剤の含有量が少な過ぎたり、多過ぎたりると、目視でも着色していることが認識されたり、透明性が不充分となったりし、使用する用途が限定されてしまう。
上記式(a)において、Δaが−0.1を超える範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていると、透明性が低下し、Δaが−1.1未満の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていると、着色してしまう。
上記式(a)では、ポリオレフィン系樹脂成形体の着色を抑え、透明性を改良する観点から、Δaは、−1.1以上、−0.1以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることが好ましく、−1.0以上、−0.4以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることがより好ましく、−0.9以上、−0.5以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることが最も好ましい。
上記式(b)において、Δbが3.6を超える範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていると、着色してしまい、Δbが0.5未満の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていると、透明性が低下する。
上記式(b)では、ポリオレフィン系樹脂成形体の着色を抑え、透明性を改良する観点から、Δbは、0.5以上、3.6以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることが好ましく、1.0以上、3.0以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることがより好ましく、1.5以上、2.5以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることが最も好ましい。
更に、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法では、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させることが好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
上記式(c)では、ΔLが−1.0以上、0.5以下の範囲で上記(B)蛍光増白剤が含有されていることが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法における透明感とは、視覚的な透明感に優れることを意味する。
上記視覚的な透明感及び無色性(着色性)は、例えば、不作為に選択された複数名(例えば5人以上)のパネラーによる目視評価により行うことができる。
上記視覚的な透明感は、不作為に選択された複数名のパネラーが、視覚的な透明感に優れていると評価されるものが好ましく、視覚的な透明感に非常に優れていると評価されるものがより好ましい。
上記無色性は、不作為に選択された複数名のパネラーが、目視で僅かに着色が確認されるが、ほとんど気になる着色ではないと評価されるものが好ましく、目視ではほとんど着色が確認されないと評価されるものがより好ましい。
以下、上記(A)透明核剤、上記(B)蛍光増白剤、及び、上記(C)ポリオレフィン系樹脂について説明する。
(A)透明核剤
上記(A)透明核剤としては、例えば、ジアセタール系化合物、カルボン酸塩系化合物、リン酸エステル塩系化合物、アミド系化合物、ロジン系化合物等が例示される。なかでも、ジアセタール系化合物及びリン酸エステル塩系化合物が好ましい。ただし、上記(A)透明核剤の種類は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されるものではない。
上記ジアセタール系化合物としては、具体的には、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物が例示される。
[一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
上記ジアセタール化合物の中でも、例えば、上記一般式(1)中のR及びRが、同一又は異なって、メチル基又はエチル基であり、かつ、Rが水素原子であり、m及びnが1又は2の整数であり、pが1である化合物や、上記一般式(1)中のR及びRがプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物等が、核剤効果の観点から更に好ましい。
また、上記ジアセタール化合物の中でも、核剤効果の観点から、次の様な化合物も更に好ましい化合物として例示することができる。上記一般式(1)において、R及びRがプロピル基又はプロピルオキシ基であり、かつ、Rがプロピル基又はプロペニル基であり、m及びnが1であり、pが1である化合物。
上記ジアセタール系化合物の具体的な態様としては、次の様な化合物が例示される。1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−t−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’,5’−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロポキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−フルオロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−ブロモベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−エチルベンジリデン)−2,4−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−(p−メチルベンジリデン)−2,4−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(p−クロロベンジリデン)−2,4−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−メチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデ
ン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−エチルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロペニルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジメチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,3’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2’,6’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジエチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−プロポキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−2,4−O−(p−プロポキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3−O−(p−プロポキシベンジリデン)−2,4−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,5’−ジエチルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−メトキシベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メトキシカルボニルベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−メチル−4’−フルオロベンジリデン)−1−アリルソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’−ブロモ−4’−エチルベンジリデン)−1−アリルソルビトール等が例示される。
上記ジアセタール化合物の中でも、核剤効果の観点から、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−プロピルソルビトール等が特に好ましい。
また、上記具体的な態様のジアセタール系化合物は、単独で用いてもよいが、他の性能、例えば低温加工性等の観点から、2種以上のジアセタール化合物を併用、または予め混合した態様で用いてもよい。
上記併用または混合系で用いる場合、例えば、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せや1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールの組合せ、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジクロロベンジリデン)−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、の組合せ等が例示される。
上記ジアセタール系化合物は、例えば、日本国特公昭48−43748号公報、特開昭53−5165号公報、特開昭57−185287号公報、特開平2−231488号公報等に記載されている製造方法等を用いて容易に製造することができる。また、現在ポリオレフィン用結晶核剤として市販されているもの、例えば、新日本理化(株)のゲルオールD、ゲルオールMD、ゲルオールDXR、ミリケン社(米国)のミラッド3988、ミラッドNX8000等をそのまま使用してもよい。
上記リン酸エステル塩系化合物としては、具体的には、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物が例示される。
[一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
〜R10で示される炭素原子数1〜9のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、アミル基、iso−アミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、iso−ヘプチル基、オクチル基、iso−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、iso−ノニル基等が挙げられる。
11で示される炭素数1〜4のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びiso−ブチル基等が挙げられる。
Mで表されるアルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、及びカリウムが挙げられる。Mで表されるアルカリ土類金属の例としては、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、及びバリウム等が挙げられる。
上記一般式(3)で示され、Mがヒドロキシアルミニウムであるリン酸エステル塩系化合物の具体例としては、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−iso−プロピル−6−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、及びヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−iso−プロピル−6−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]が挙げられる。これらの中から、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]、又はヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]を選択してもよいし、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられる。これらを1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記リン酸エステル塩系化合物は、例えば、日本国特開2001−59040号公報、特開2004−83852号公報、特開2007−224132号公報等に記載されている製造方法等を用いて容易に製造することができる。また、現在ポリオレフィン用結晶核剤として市販されているもの、例えば、(株)ADEKAのアデカスタブNA21(ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩の混合物)等をそのまま使用してもよい。
(B)蛍光増白剤
上記(B)蛍光増白剤は、紫外光を吸収して青色蛍光色に自己発色し、透明性を付与する材料である。上記蛍光増白剤による青色蛍光色は青色顔料等を用いた場合の青色に比べて、同程度の透明性を付与した場合でも着色感が少なく、着色を嫌う用途での透明性の改良に効果的である。
上記(B)蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物、オキサゾール系化合物等が例示される。ただし、蛍光増白剤の種類は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されるものではない。
なかでも、好ましい(B)蛍光増白剤としては、スチルベン系化合物、オキサゾール系化合物等が挙げられ、なかでも、オキサゾール系化合物である下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物がさらに好ましい。
[式中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
上記一般式(1)のベンゾオキサゾール化合物の代表例としては、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)、4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン等が例示され、これらは、夫々単独で又は2種を適宜組み合わせて使用することができる。
なかでも、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)が特に好ましい。
(C)ポリオレフィン系樹脂
上記(C)ポリオレフィン系樹脂は、透明感を改良しようとするポリオレフィン系樹脂成形体の材料となるポリオレフィン系樹脂である。
上記(C)ポリオレフィン系樹脂としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されることなく、従来公知のポリオレフィン系樹脂が使用可能である。
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等が例示される。より具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレンコポリマー(エチレン含量50質量%以上、好ましくは70質量%以上)、プロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマー(プロピレン50質量%以上、好ましくは70質量%以上)、ブテンホモポリマー、ブテンコポリマー(ブテン含量50質量%以上、好ましくは70質量%以上)、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテンコポリマー(メチルペンテン含量50質量%以上、好ましくは70質量%以上)、ポリブタジエン等が例示される。
また、上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。更に、これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示される。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系、メタロセン触媒等も使用できる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1999)は、その適用する成形方法により適宜選択されるが、通常0.01〜200g/10分程度、好ましくは0.05〜100g/10分程度が推奨される。
その他の添加剤
また、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法では、その使用目的やその用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲でその他のポリオレフィン系樹脂用添加剤が含まれていてもよい。添加剤単独で加えてもよく、マスターバッチとして加えてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂用添加剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2004年9月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。具体的には、酸化防止剤、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。これらの添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0001〜10質量部程度、より好ましくは0.001〜5質量部程度で使用されるのが一般的である。
特に、上記酸化防止剤は、本発明のポリオレフィン系樹脂用透明化剤組成物の特徴である無色性を阻害するような製造過程等における着色等の劣化を抑制する効果も有しており、好ましく用いることができる。上記観点から酸化防止剤を使用する場合、その使用量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.03〜3質量部程度であることが推奨される。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が例示され、具体的な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾール等の硫黄系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等の亜リン酸エステル系酸化防止剤等が例示される。中でも、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、亜リン酸エステル系の酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等が特に推奨される。
<透明核剤組成物>
本発明は、上記(A)透明核剤及び上記(B)蛍光増白剤を含有する透明核剤組成物であって、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上記透明核剤組成物とポリオレフィン系樹脂とを含有するポリオレフィン系樹脂成形体としたときに、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有することを特徴とする透明核剤組成物でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明の透明核剤組成物において、上記(A)透明核剤及び上記(B)蛍光増白剤、並びに、その他の添加剤は、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法で記載した材料、含有量等を適用することができる。
なかでも、上記(A)透明核剤が1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールと1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール、及び、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]からなる群から選択される1以上であり、上記(B)蛍光増白剤が2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)である組み合わせが好ましい。
本発明の透明核剤組成物において、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法で記載した上記式(a)及び(b)の好ましい範囲となるように含有されることが好ましく、より好ましい範囲となるように含有されることがより好ましい。
また、上記ポリオレフィン系樹脂は、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法で記載した(C)ポリオレフィン系樹脂を任意に用いることができる。
本発明の透明核剤組成物は、本発明の効果を奏する限り、その製造方法に限定はなく、例えば、所定量の上記(A)透明核剤及び上記(B)蛍光増白剤と、必要に応じて上述したその他の添加剤とを、(1)室温下、汎用の粉体混合機等を用いて、均一になるまで混合して粉末状の透明核剤組成物とする方法や、(2)加熱下や加圧下で混合して、顆粒状の透明核剤組成物とする方法、(3)上記粉末状の透明核剤組成物を加熱下や加圧下で顆粒状にして顆粒状の透明核剤組成物とする方法等の方法を用いて容易に製造することができる。
<ポリオレフィン系樹脂組成物>
本発明は、上記(A)透明核剤、上記(B)蛍光増白剤、及び、上記(C)ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂組成物であって、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、上記(A)透明核剤、上記(B)蛍光増白剤、及び、上記(C)ポリオレフィン系樹脂、並びに、その他の添加剤は、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法で記載した材料、含有量等を適用することができる。また、本発明の透明核剤組成物で記載した上記(A)透明核剤及び上記(B)蛍光増白剤の組み合わせを好適に用いることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、上記(B)蛍光増白剤の含有量は、上述した本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法で記載した上記式(a)及び(b)の好ましい範囲となるように含有されることが好ましく、より好ましい範囲となるように含有されることがより好ましい。
<ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法>
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を混合する工程を有し、上記(B)蛍光増白剤の含有量が、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、上記ポリオレフィン系樹脂成形体は、上記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、上記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有する
ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法でもある。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
上記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の上記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、上記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法では、上記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させる工程を有する好ましい。
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法では、例えば、上述した本発明の透明核剤組成物とポリオレフィン系樹脂と、必要に応じて、上述したその他の添加剤とを加えて、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合することにより、容易に得ることができる。
また、上述した本発明の透明核剤組成物を用いずに、上記(C)ポリオレフィン系樹脂に上記(A)透明核剤及び上記(B)蛍光増白剤と、必要に応じて上述したその他の添加剤とを加えて、室温にてドライブレンド後、所定の条件にて溶融混合する方法を用いることも可能である。
<ポリオレフィン系樹脂成形体>
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物、又は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法で得られるポリオレフィン系樹脂組成物を原料とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体もまた本発明の一態様である。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、透明性及び無色性に優れる。
上記透明性及び無色性は、例えば、不作為に選択された複数名のパネラーによる目視評価により行うことができる。
上記透明性は、不作為に選択された複数名のパネラーが、視覚的な透明感に優れていると評価されるものが好ましく、視覚的な透明感に非常に優れていると評価されるものがより好ましい。
上記無色性は、不作為に選択された複数名のパネラーが、目視で僅かに着色が確認されるが、ほとんど気になる着色ではないと評価されるものが好ましく、目視ではほとんど着色が確認されないと評価されるものがより好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、慣用されている成形方法に従って成形することにより得られる。上記成形方法としては、本発明の効果を奏する限り、特に制約はなく、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれも採用できる。
(1)色差測定
コニカミノルタ(株)製の分光測色計CM−2600dを用いて、UVフィルターを設置せず測定した時のa、b、LとUVフィルターを設置して400nm以下のUV光をカットして測定した時のa Filter、b Filter、L Filterを測定し、以下の式を用いて、その差分Δa、Δb、ΔLを求めた。
Δa=a Filter−a
Δb=b Filter−b
ΔL=L Filter−L
評価試料には、1.0mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を使用した。また、上記分光測色計の光源は CIE標準光源D65光源に近似したパルスキセノンランプが使用されており、視野10°でSCIModeにて測定を行った。
(2)曇り度(ヘイズ値)測定
日本電色工業(株)のヘイズメータ(NDH 7000)を用いて、JISK7136(2000)に準じた方法でヘイズ値(%)を測定した。評価試料には、上記(1)色差測定と同じ1.0mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を使用した。得られたヘイズ値の数値が小さい程、透明性に優れていることを示す。
(3)目視評価
上記(1)色差測定及び(2)曇り度(ヘイズ値)測定で用いた1.0mm厚み射出成形品のオレフィン系樹脂成形体を用いて、不作為に選択された5人のパネラーに透明性(透明感)と無色性(着色性)を目視にて評価してもらい、以下の基準で判定結果をまとめた。
透明性
◎:視覚的な透明感に非常に優れている
○:視覚的な透明感に優れている
△:透明性は良いか、視覚的な透明感がやや劣っている
×:透明性に劣っている
無色性
◎:目視ではほとんど着色が確認されない
○:目視で僅かに着色が確認されるが、ほとんど気になる着色ではない
△:目視で僅かではあるが、気になる程度の着色がある
×:目視で明らかな着色がある
実施例中の透明核剤の略号又は名称
DMDBS:1,3:2,4−ビス−O−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール
EDBS:1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール
PDBN:1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−1−n−プロピルソルビトール
NA−21:ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート]と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩の混合物、(株)ADEKA製のアデカスタブNA−21
[実施例1]
DMDBSとEDBSを、DMDBS/EDBS=3/7の比率になる様に室温で均一に混合し、(A)透明核剤を調製した後、得られた透明核剤に透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量が0.1質量%になる様に2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)(BASFジャパン(株)製、製品名「Tinopal OB」、以下「OB」と略記する)を加えて、更に室温下で均一に混合して、透明核剤組成物を調製した。
次に、ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンランダムコポリマー(MFR=7.5g/10分(荷重2160g、温度230℃)、サンアロマー(株)製、PC630)100質量部、透明核剤組成物として上記で得られた透明核剤組成物0.175質量部、及びその他添加剤としてステアリン酸カルシウム(CaSt)0.05質量部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IRGANOX1010)0.05質量部、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)製、商品名「IRGAFOS168」)0.05質量部をドライブレンドした。そのドライブレンド物を二軸押出機((株)テクノベル社製 L/D=45、スクリュー径15mm、ダイス径5mm)を用いてバレル温度240℃にて溶融混合後、押し出されたストランドを冷却し、ペレタイザーでカッティングして、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。
続いて、得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製NS40−5A)にて射出成形温度(加熱温度)240℃、金型温度(冷却温度)40℃の条件下で成形して、厚みが1mmのポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
その後、上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体について、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、下記式(a)、(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
−0.1≧Δa≧−1.1 (a)
3.6≧Δb≧0.5 (b)
0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果を表1に示した。
[実施例2〜10]
OBの配合量を、表1に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表1に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
その後、上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)、(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例1〜6]
OBの配合量を、表1に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表1に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)で示される条件のいずれかを満たさない範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例11]
(A)透明核剤として、PDBNを用いた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体について、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)、(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果を表2に示した。
[実施例12〜18]
OBの配合量を、表2に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表2に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例11と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)、(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表2に示した。
[比較例7〜11]
OBの配合量を、表2に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表2に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例11と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)で示される条件のいずれかを満たさない範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表2に示した。
[実施例19]
(A)透明核剤として、DMDBSを用いて、更に透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量が0.3質量%になる様にOBの配合量を変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体について、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)、(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果を表3に示した。
[実施例20〜27]
OBの配合量を、表3に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表3に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例19と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表3に示した。
[比較例12〜13]
OBの配合量を、表3に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表3に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例19と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)で示される条件のいずれかを満たさない範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表3に示した。
[実施例28]
(A)透明核剤として、NA−21を用いて、更に透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量が0.2質量%になる様にOBの配合量を変え、透明核剤組成物の配合量を0.2質量部に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体について、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果を表4に示した。
[実施例29〜30]
OBの配合量を、表4に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表4に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例28と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)及び(c)で示される条件を満たす範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表4に示した。
[比較例14〜15]
OBの配合量を、表4に記載の「透明核剤組成物中の(B)蛍光増白剤の含有量」になる様に変え、同じく透明核剤組成物の配合量を表4に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、実施例28と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体のそれぞれについて、色差測定を行い、(B)蛍光増白剤が、上記式(a)及び(b)で示される条件のいずれかを満たさない範囲で含有されていることを確認した。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表4に示した。
[比較例16]
OB0.1質量部の代わりに、青色顔料である市販のフタロシアニンブルー0.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、色差測定、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果を表5に示した。
[比較例17〜18]
透明核剤組成物の配合量を表5に記載の「ポリオレフィン系樹脂組成物中の透明核剤組成物の含有量」になる様に変えた以外は、比較例16と同様に実施してポリオレフィン系樹脂成形体を得た。
上記で得られたポリオレフィン系樹脂成形体を評価試料として用いて、色差測定、曇り度測定、目視評価を行い、得られた結果をまとめて表5に示した。
上記表1における実施例と比較例の結果を比較すれば明らかな様に、(B)蛍光増白剤の含有量が、本発明の式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲の透明核剤組成物を用いた場合、着色が少なく、且つ透明性に非常に優れたポリオレフィン系樹脂成形体が得られるのに対して、上記条件を満たさない範囲の透明核剤組成物を用いた場合には、着色を抑えると透明性の改善が不十分であり、逆に透明性を改善しようとすると着色が問題になることがわかる。また、表2〜4の結果より、透明核剤の種類を変えても、本発明の効果が得られていることがわかる。即ち、本発明の式(a)及び式(b)で示される条件は、広く透明核剤に適用可能であるものと言える。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法を用いることにより、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性、特に目視での透明感を、実質的に着色することなく、大きく改良することが可能となり、その結果、僅かな着色でも問題になる医療用途や色調に敏感な意匠性の高い用途等の分野において、ポリオレフィン系樹脂成形体をより一層使い易くなり、今後安価で且つリサイクル性に優れたポリオレフィン系樹脂の用途の拡大が期待される。

Claims (21)

  1. ポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂成形体は、(A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を含有し、
    前記(A)透明核剤を、前記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部含有させ、
    前記(B)蛍光増白剤を、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲で含有させる
    ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
    −0.1≧Δa≧−1.1 (a)
    3.6≧Δb≧0.5 (b)
    前記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
  2. 前記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させる請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
    0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
    前記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
  3. 前記(B)蛍光増白剤が、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物である請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
  4. 前記(B)蛍光増白剤が、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物である請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
    [一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
  5. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物である請求項1〜4の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
    [一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
  6. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物である請求項1〜4の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂成形体の透明感の改良方法。
    [一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
  7. (A)透明核剤及び(B)蛍光増白剤を含有する透明核剤組成物であって、
    前記(B)蛍光増白剤の含有量が、前記透明核剤組成物とポリオレフィン系樹脂とを含有するポリオレフィン系樹脂成形体としたときに、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、
    前記ポリオレフィン系樹脂成形体は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有する
    ことを特徴とする透明核剤組成物。
    −0.1≧Δa≧−1.1 (a)
    3.6≧Δb≧0.5 (b)
    前記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
  8. 前記(B)蛍光増白剤の含有量が、下記式(c)で示される条件を満たす範囲である請求項7に記載の透明核剤組成物。
    0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
    前記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
  9. 前記(B)蛍光増白剤が、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物である請求項7又は8に記載の透明核剤組成物。
  10. 前記(B)蛍光増白剤が、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物である、請求項9に記載の透明核剤組成物。
    [一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
  11. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物である請求項7〜10の何れかに記載の透明核剤組成物。
    [一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
  12. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物である請求項7〜10の何れかに記載の透明核剤組成物。
    [一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
  13. (A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂組成物であって、
    前記(B)蛍光増白剤の含有量が、前記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、
    前記ポリオレフィン系樹脂成形体は、前記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有する
    ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
    −0.1≧Δa≧−1.1 (a)
    3.6≧Δb≧0.5 (b)
    前記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
  14. 前記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有する請求項13に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
    0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
    前記式(c)中のΔLは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
  15. 前記(B)蛍光増白剤が、スチルベン系化合物、ジアミノスチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、ピレン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ビフェニル系化合物、チアゾール系化合物、チオフェン系化合物及びオキサゾール系化合物からなる群より選ばれた1種若しくは2種以上の化合物である請求項13又は14に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  16. 前記(B)蛍光増白剤が、下記一般式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物である、請求項15に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
    [一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは、チオフェン基、トランス−スチルベン基又はシス−スチルベン基を表す。d及びeは、夫々1〜4の整数を示す。]
  17. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(2)で示されるジアセタール化合物である請求項13〜16の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
    [一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を示す。Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数2〜4のアルケニル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。m及びnは、それぞれ1〜5の整数を示す。pは0又は1を示す。2つのRは互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。2つのR基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]
  18. 前記(A)透明核剤が、下記一般式(3)で示されるリン酸エステル塩系化合物である請求項13〜16の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
    [一般式(3)中、R〜R10は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜9のアルキル基を表し、R11は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、fは1又は2の整数であり、fが1のとき、Mはアルカリ金属を表し、fが2のとき、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はヒドロキシアルミニウムを表す。]
  19. ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、
    (A)透明核剤、(B)蛍光増白剤、及び、(C)ポリオレフィン系樹脂を混合する工程を有し、
    前記(B)蛍光増白剤の含有量が、前記ポリオレフィン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂成形体が、下記式(a)及び(b)で示される条件を満たす範囲であり、
    前記ポリオレフィン系樹脂成形体は、前記(C)ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記(A)透明核剤を0.05〜1.0質量部含有する
    ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
    −0.1≧Δa≧−1.1 (a)
    3.6≧Δb≧0.5 (b)
    前記式中のΔa及びΔbは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したa及びbの値を差し引いた値である。
  20. 前記(B)蛍光増白剤を、下記式(c)で示される条件を満たす範囲で含有させる工程を有する請求項19に記載のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
    0.5≧ΔL≧−1.0 (c)
    前記式中のΔLは、厚さ1mmのシート状の前記ポリオレフィン系樹脂成形体において、400nm以下のUV光がカットされるUVカットフィルターを設置したCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したL値より、前記UVカットフィルターを設置していない状態でCIE標準光源D65光源を用いた分光光度計にて測定したLの値を差し引いた値である。
  21. 請求項13〜18の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物、又は、請求項19若しくは20に記載のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法で得られるポリオレフィン系樹脂組成物を原料とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形体。
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