(第1実施形態)
以下、遊技機の一種であるスロットマシンの第1実施形態について説明する。
この実施形態のスロットマシンは、パチスロとも称される回胴式遊技機である。この明細書において、上、下、左、右、前(表)、後(裏)の各方向は、スロットマシンで遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、四角箱状の本体キャビネット11を備えている。本体キャビネット11は、前面に、図示しない開口部を備えている。スロットマシン10は、本体キャビネット11の開口部を覆っている前面扉12を備えている。前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持されている。
スロットマシン10は、遊技者から視認可能な位置に、演出表示装置13を備えている。演出表示装置13は、演出の1つとして、例えばキャラクタや文字などを模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行できる演出装置である。例えば、演出表示装置13は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び有機ELディスプレイなどである。
スロットマシン10は、遊技者から視認可能な位置に、装飾ランプ14を備えている。装飾ランプ14は、演出の1つとして、図示しない発光体を点灯、消灯、及び点滅させる演出(以下、発光演出と示す)を実行できる演出装置である。スロットマシン10は、前面扉12の前面側に、スピーカ15を備えている。スピーカ15は、演出の1つとして、例えば効果音や楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行できる演出装置である。この実施形態において、演出表示装置13、装飾ランプ14、及びスピーカ15は、1つ又は複数の演出装置を含んで構成された演出実行手段として把握できる。
スロットマシン10は、機内部に、リールユニット16を備えている。リールユニット16は、第1リール16aと、第2リール16bと、第3リール16cと、を備えている。リール16a〜16cは、左からこの順番で並んでおり、それぞれ左リール、中リール、及び右リールとも称される回胴(ドラム)である。
リール16a〜16cは、その外周面に沿って、複数の図柄が配列された図柄列をそれぞれ備えている。図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール16a〜16cの外側に巻き付けることにより設けられている。この実施形態において、図柄列は、図柄番号00から図柄番号20までの全部で21個の図柄によって構成されている。また、この実施形態の図柄には、複数種類の図柄がある。例えば、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、及びREPLAYの文字を模したリプレイ図柄などがある。
リールユニット16は、第1リール16aの回転角を検出するための第1リールセンサSE1と、第2リール16bの回転角を検出するための第2リールセンサSE2と、第3リール16cの回転角を検出するための第3リールセンサSE3と、を備えている(図3に示す)。
リールユニット16は、第1リール16aを動作させるアクチュエータと、第2リール16bを動作させるアクチュエータと、第3リール16cを動作させるアクチュエータと、を備えている(何れも図示しない)。例えば、リール16a〜16cを動作させる複数のアクチュエータは、ステッピングモータである。この実施形態において、リール16a〜16cは、それぞれに対応して設けられたアクチュエータによって、相互に独立して、縦方向に回動、回転及び停止が可能である。
スロットマシン10は、前面扉12のうち演出表示装置13の下方に、機内部にあるリールユニット16を視認可能とするための略四角形の表示窓12aを備えている。即ち、リールユニット16は、表示窓12aを介して遊技者が視認できるように、機内部に配設されている。スロットマシン10では、リール16a〜16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列(複数の図柄)が変動される。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上方から下方に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。この実施形態において、遊技としての変動ゲームは、少なくとも一部の期間において図柄を変動させることにより行われる。
表示窓12aは、リール16a〜16cにおいて、周方向に連続している3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール16a〜16cごとに、上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置が設定されている。この実施形態のスロットマシン10では、リール16a〜16cごとに設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、停止された図柄組み合わせを入賞と判定し得る有効な停止位置の組み合わせが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインを単に「有効ラインNL」と示す。この実施形態では、リール16a〜16cの各中段停止位置によって、有効ラインNL(有効な停止位置の組み合わせ)が構成されている。有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄組み合わせを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)となる。
この明細書では、図柄について単に「停止」と示す場合、図柄が表示窓12a内、即ち上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味している。この明細書では、「導出する」と示す場合、有効ラインNL上に図柄を停止させることにより、有効ラインNL上に図柄組み合わせを表示することを意味している。この明細書では、「入賞」と示す場合、賞を獲得するために必要な図柄組み合わせとして予め定められたものが有効ラインNL上に表示されることを意味している。
スロットマシン10では、入賞が発生すると、該入賞した図柄組み合わせに予め定められた賞が付与される。以下の説明では、有効ラインNL上に表示されることによって賞を獲得できる図柄組み合わせを「役」と示す場合がある。この実施形態のスロットマシン10では、複数種類の役が設定されている。
複数種類の役には、賞としてリプレイ(再遊技)を定めたリプレイ役(再遊技役)がある。リプレイ(再遊技)は、メダルの投入などによって新たにメダルを賭けることによらずに行うことができる変動ゲーム(遊技)をいう。リプレイ役には、入賞の発生により、後述する遊技状態の移行契機とならない通常リプレイ役がある。リプレイ役には、入賞の発生により、遊技状態の移行契機となり得る転落リプレイ役と昇格リプレイ役とがある。また、複数種類の役には、賞として、遊技媒体としてのメダルの払い出しを定めた払出し役(小役)がある。払出し役には、ベル役と、転落ベル(ベルこぼし)役と、チェリー役と、スイカ役と、がある。払出し役のうち、転落ベル役は、転落リプレイ役や昇格リプレイ役と同様に、入賞の発生により、遊技状態の移行契機となり得る役である。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、メダルを投入するためのメダル投入口17を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、ベットボタン18を備えている。ベットボタン18は、スロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットの中から予め定めた量(枚数)のメダルを変動ゲームに賭ける操作が可能な手段である。以下の説明では、遊技媒体を変動ゲームに賭けることを「ベット」と示す場合がある。この実施形態において、ベットボタン18は、クレジットの中から、1回の変動ゲームに賭けることができる最大の賭数(この実施形態では3枚)迄のメダルを変動ゲームに賭ける操作が可能な手段である。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、精算ボタン20を備えている。精算ボタン20は、ベットされたメダルや、クレジットを払い戻す操作が可能な手段である。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、スタートレバー21を備えている。スタートレバー21は、リール16a〜16cの回転を開始させる操作が可能な手段である。以下の説明では、変動ゲームを開始させる契機となる操作を単に「開始操作」と示す場合がある。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第1ストップボタン22aを備えている。第1ストップボタン22aは、第1リール16aと対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第1リール16aの回転を停止させる操作が可能な手段である。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第2ストップボタン22bを備えている。第2ストップボタン22bは、第2リール16bと対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第2リール16bの回転を停止させる操作が可能な手段である。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、第3ストップボタン22cを備えている。第3ストップボタン22cは、第3リール16cと対応しており、変動ゲームが開始されたのちに、第3リール16cの回転を停止させる操作が可能な手段である。ストップボタン22a〜22cは、左からこの順番で並んでおり、それぞれ左ストップボタン、中ストップボタン、及び右ストップボタンとも称される。また、以下の説明では、リール16a〜16cを停止させる契機となる操作を単に「停止操作」と示す場合がある。
このように、ストップボタン22a〜22cは、複数の図柄列と各別に対応しており、変動ゲームにおいて、対応している図柄列の変動を停止させる操作が可能な複数の手段となる。以下の説明では、変動ゲームが開始されたのちに、ストップボタン22a〜22cのうち最初の停止操作を第1停止操作と示し、2番目の停止操作を第2停止操作と示し、3番目の停止操作を第3停止操作と示す。ストップボタン22a〜22cの押し順には、第1停止操作から第3停止操作までのリール(ストップボタン)を異ならせた全部で6通りの押し順がある。
スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、メダル払出し口23を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、メダル払出し口23から払い出されたメダルを受ける受皿24を備えている。スロットマシン10は、機内部に、図示しないメダルセレクタを備えている。メダルセレクタは、メダル投入口17から投入されたメダルを検出する投入センサSE4を備えている(図3に示す)。スロットマシン10は、機内部に、メダル払出し口23からメダルを払出す動作が可能なホッパーユニットを備えている(図示しない)。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、予め定めた情報を表示できる情報パネル30を備えている。情報パネル30は、メダルの払出し枚数を表示する払出表示部30aを備えている。払出表示部30aは、ストップボタン22a〜22cの押し順及び押し位置のうち少なくとも一方を指示する情報(以下、指示情報と示す)を報知する報知部として兼用されている。なお、以下の説明では、ストップボタン22a〜22cの押し順及び押し位置を纏めて「停止操作態様」と示す場合がある。詳しくは後述するが、この実施形態において、指示情報の報知は、所定の指示番号を表示することにより行われる。また、情報パネル30は、リプレイ(再遊技)か否か、クレジットの残数、及び変動ゲームにおける賭数などを表示するための表示部を備えている。
図2に示すように、この実施形態のスロットマシン10は、リプレイタイム機能(リプレイ確率変動機能)を備えている。リプレイタイム機能は、内部抽選(後述する役抽選)におけるリプレイ役の当選確率を変動させる機能である。以下の説明では、リプレイタイムを「RT」と示す場合がある。この実施形態では、第1RT状態と、該第1RT状態に比してリプレイ役の当選確率が高い第2RT状態と、がある。第2RT状態は、第1RT状態に比して、リプレイ役の当選確率が高いことから、メダルの消費が抑制される。したがって、第2RT状態は、第1RT状態に比して、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
この実施形態において、第2RT状態への移行は、第1RT状態において、昇格リプレイ役の入賞が発生したことを契機に行われる。また、第1RT状態への移行は、第2RT状態において、転落リプレイ役の入賞、又は転落ベル役の入賞が発生したことを契機に行われる。したがって、遊技状態の移行は、通常リプレイ役、ベル役、スイカ役、及びチェリー役の入賞が発生したことを契機としては行われない。
この実施形態のスロットマシン10は、演出の1つとして、演出モードを実行可能に構成されている。演出モードは、スロットマシン10の演出状態に相当する。この実施形態において、演出モードには、通常演出モードMAと有利演出モードMBとがある。演出モードMA,MBは、滞在中である演出モードを識別可能とするモード識別情報を演出表示装置13に表示する態様により実行される。例えば、モード識別情報は、演出モードごとに異なる背景画像やキャラクタ画像である。したがって、遊技者は、演出表示装置13の表示内容をもとに、何れの演出モードに滞在中であるかを認識できる。なお、モード識別情報は、装飾ランプ14における特定の発光パターンや、スピーカ15から出力可能な特定の楽曲や効果音であってもよい。
通常演出モードMAは、主に、第1RT状態の変動ゲームにおいて滞在する演出モードである。通常演出モードMAは、所定の役の入賞を発生させるために必要なストップボタン22a〜22cの停止操作態様について、その報知頻度が有利演出モードMBに比して低い演出状態である。有利演出モードMBは、主に、第2RT状態の変動ゲームにおいて滞在する演出モードである。有利演出モードMBは、所定の役の入賞を発生させるために必要なストップボタン22a〜22cの停止操作態様について、その報知頻度が通常演出モードMAに比して高い演出状態である。
即ち、有利演出モードMBは、所謂アシストタイム状態であり、通常演出モードMAは、非アシストタイム状態である。以下の説明では、アシストタイムを「AT」と示す場合がある。例えば、有利演出モードMBにおいて、ストップボタン22a〜22cの停止操作態様の報知は、情報パネル30(払出表示部30a)における情報表示や、演出表示装置13における表示演出によって行われる。以下の説明では、ストップボタン22a〜22cの停止操作態様の報知を、ナビゲーション、又はこれを略してナビと示す場合がある。なお、ストップボタン22a〜22cの停止操作態様に関するナビは、装飾ランプ14による発光演出や、スピーカ15による音声演出によって行ってもよい。有利演出モードMBは、所謂ARTモードである。
有利演出モードMBへの移行は、通常演出モードMAにおいて、予め定めた第1移行条件が成立したことを契機に行われる。この実施形態において、第1移行条件は、後述するAT移行抽選に当選し、且つ昇格リプレイ役の入賞が発生することで成立する。通常演出モードMAへの移行は、有利演出モードMBにおいて、予め定めた第2移行条件が成立したことを契機に行われる。この実施形態において、第2移行条件は、有利演出モードMBに制御可能とする回数の変動ゲームが終了し、転落リプレイ役や転落ベル役の入賞が発生することで成立する。以下の説明では、有利演出モードMBに制御可能とする変動ゲームの回数を単に「残りAT回数」と示す。残りAT回数は、有利演出モードMBに滞在可能とする残り滞在回数である。
次に、スロットマシン10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、スロットマシン10は、機内部に、主制御基板40を備えている。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて制御情報としての制御信号(制御コマンド)を出力する。スロットマシン10は、機内部に、副制御基板41を備えている。副制御基板41は、主制御基板40から入力する制御信号に基づいて、各種の処理を行う。例えば、副制御基板41は、演出表示装置13による表示演出、装飾ランプ14による発光演出、及びスピーカ15による音声演出を実行させるための処理を行う。
まず、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、主制御用CPU40aと、主制御用ROM40bと、主制御用RAM40cと、を備えている。主制御用CPU40aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。この実施形態では、主制御用CPU40aによりプログラムを実行する実行手段としての機能が実現されている。主制御用CPU40aは、所定の数値データを一時的に記憶するための複数のレジスタ(記憶領域)を備えている。以下の説明において、「格納する」と示す場合、記憶させることを意味するものとする。レジスタには、Aレジスタ、Hレジスタ、及びLレジスタが少なくともある。なお、HレジスタとLレジスタとを纏めて「HLレジスタ」と示す場合がある。Aレジスタでは、1バイトの数値データを記憶できる。HLレジスタでは、2バイトの数値データを記憶できる。
主制御用ROM40bは、主制御用のプログラムや、所定の抽選に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。このように、この実施形態の主制御用ROM40bは、少なくとも主制御用のプログラムを記憶している記憶手段に相当する。主制御用RAM40cは、上述したクレジットなどのように、スロットマシン10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御用RAM40cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
また、この実施形態の主制御基板40は、乱数データを生成可能に構成されている。乱数データは、数値データである。例えば、乱数データは、乱数データを所定の周期毎に更新する乱数生成回路を主制御基板40に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成されてもよく、主制御用CPU40aが所定の制御周期毎に乱数データの値を更新することにより、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。このように、この実施形態では、乱数生成回路や主制御用CPU40aの処理によって乱数生成手段としての機能が実現されている。
この実施形態のスロットマシン10において、データの取り扱いに関する1単位は、1バイト(8ビット)である。以下の説明では、数字の末尾に特に何も示さない場合、10進法で表記された数値データであることを示し、数字の末尾に「H」と示す場合、16進法で表記された数値データであることを示す。
主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、センサSE1〜SE4と接続されている。主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、センサSE1〜SE4が出力する検出信号を入力可能に構成されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、リール16a〜16cの各アクチュエータと接続されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して制御信号を出力することにより、各アクチュエータの動作を各別に制御可能に構成されている。
主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、ベットボタン18、精算ボタン20、スタートレバー21、及びストップボタン22a〜22cと接続されている。主制御用CPU40aは、図示しないポートを介して、ベットボタン18、精算ボタン20、スタートレバー21、及びストップボタン22a〜22cが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路を介して、情報パネル30(払出表示部30a)と接続されている。主制御用CPU40aは、図示しない駆動回路に対して制御信号を出力することにより、情報パネル30(払出表示部30a)の表示内容を制御可能に構成されている。
次に、主制御用ROM40bに記憶されている抽選テーブルのうち、役抽選テーブルについて説明する。
この実施形態における役抽選は、複数ある抽選番号のうち何れかの抽選番号を抽選により決定することで実現されている。各抽選番号は、変動ゲームにおいて入賞を許容する役(図柄組み合わせ)として、1つ又は複数の役が定められた情報である。この明細書において、「特定の役の入賞が許容されている」や「特定の役に当選する」と示す場合、入賞を許容する役として上記特定の役が定められた抽選番号に当選していることを意味する。
この実施形態の抽選番号には、入賞を許容する役として、スイカ役が定められた抽選番号、チェリー役が定められた抽選番号、ベル役が定められた抽選番号、及びリプレイ役が定められた抽選番号が含まれている。
ベル役が定められた抽選番号には、ベル役を入賞させる押し順として、ストップボタン22a〜22cの押し順のうち一部の押し順が定められているとともに、転落ベル役を入賞させる押し順として、上記一部の押し順とは異なる押し順が定められた抽選番号がある。
リプレイ役が定められた抽選番号には、昇格リプレイ役を入賞させる押し順として、ストップボタン22a〜22cの押し順のうち一部の押し順が定められているとともに、通常リプレイ役を入賞させる押し順として、上記一部の押し順とは異なる押し順が定められた抽選番号がある。
リプレイ役が定められた抽選番号には、通常リプレイ役を入賞させる押し順として、ストップボタン22a〜22cの押し順のうち一部の押し順が定められているとともに、転落リプレイ役を入賞させる押し順として、上記一部の押し順とは異なる押し順が定められた抽選番号がある。
そして、この実施形態において、役抽選テーブルには、第1RT状態において用いられる第1役抽選テーブルと、第2RT状態において用いられる第2役抽選テーブルとがある。この実施形態では、第1役抽選テーブルを用いて役抽選を行う場合に比して、第2役抽選テーブルを用いて役抽選を行うときのほうが、リプレイ役を定めた抽選番号に当選する確率の合計が高くなるように構成されている。役抽選テーブルを用いた役抽選の詳細については後述する。なお、何れの抽選番号にも当選しなかった場合は、所謂はずれとなる。
次に、副制御基板41について詳しく説明する。
副制御基板41は、副制御用CPU41aと、副制御用ROM41bと、副制御用RAM41cと、を備えている。例えば、副制御用CPU41aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する処理を実行する。副制御用ROM41bは、副制御用のプログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルなどを記憶している。副制御用ROM41bは、演出表示装置13における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出パターンや、表示演出の実行に用いる表示演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、装飾ランプ14における発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出パターンや、発光演出の実行に用いる発光演出データを記憶している。副制御用ROM41bは、スピーカ15における音声演出の態様(内容)を特定可能な音声演出パターンや、音声演出の実行に用いる音声演出データを記憶している。また、副制御用RAM41cは、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御用RAM41cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
また、この実施形態の副制御基板41は、乱数データを生成可能に構成されている。例えば、乱数データは、乱数データを所定の周期毎に更新する乱数生成回路を副制御基板41に搭載することにより、ハードウェア乱数として生成されてもよく、副制御用CPU41aが所定の制御周期毎に乱数データを更新することにより、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、演出表示装置13と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路に対して制御信号を出力することにより、演出表示装置13の表示態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、装飾ランプ14と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路に対して制御信号を出力することにより、装飾ランプ14の点灯態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、図示しない駆動回路を介して、スピーカ15と接続されている。副制御用CPU41aは、図示しない駆動回路に対して制御信号を出力することにより、スピーカ15による出力態様を制御可能に構成されている。副制御基板41は、演出実行手段を制御する演出制御手段として把握することができる。
次に、主制御用CPU40aが実行する遊技進行処理について説明する。
図4に示すように、遊技進行処理において、主制御用CPU40aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにおける所定の記憶領域の情報を消去したり、更新したりする。次に、主制御用CPU40aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。その後、主制御用CPU40aは、遊技状態をチェックする(ステップS103)。
次に、主制御用CPU40aは、リプレイ作動時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU40aは、リプレイ作動フラグが主制御用RAM40cに記憶されている場合にリプレイ作動時であると判定し、記憶されていない場合にリプレイ作動時ではないと判定する。なお、主制御用CPU40aは、リプレイ作動時である場合、前回の変動ゲームにおけるベット数を今回の変動ゲームにおけるベット数として再設定する。
主制御用CPU40aは、リプレイ作動時ではない場合(ステップS104:NO)、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、投入センサSE4からメダルの検出信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数に1加算する。また、ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、ベットボタン18から操作信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数が規定ベット数Xとなるようにベット数に加算するとともに、該加算分だけ、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットを減算する。
主制御用CPU40aは、リプレイ作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、今回の変動ゲームにおけるベット数が、変動ゲームを開始可能とする規定ベット数Xと一致するか否かを判定する(ステップS106)。ベット数が規定ベット数Xと一致しない場合(ステップS106:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理に移行する。すなわち、ステップS106の処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態となったか否かを判定している。その一方で、今回の変動ゲームにおけるベット数が規定ベット数Xと一致する場合(ステップS106:YES)、主制御用CPU40aは、スタートレバー21による開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御用CPU40aは、スタートレバー21から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー21から操作信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受け付けていない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理へ移行する。
その一方で、開始操作を受け付けた場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU40aは、主制御基板40内で生成している乱数データのうち、役抽選用の乱数データを取得し、所定の記憶領域に格納する(ステップS108)。この実施形態において、役抽選用の乱数データは、上位バイトと下位バイトとの合計で2バイトの数値データである。即ち、役抽選用の乱数データは、0(0000H)から65535(FFFFH)までの全部で65536通りの整数値を取り得る。
ステップS108の処理を終了すると、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を行う(ステップS109)。内部抽選処理では、役抽選が行われ、該役抽選の結果を特定可能な情報として当選番号フラグが主制御用RAM40cに記憶される。内部抽選処理では、通常演出モードMAであるときに、有利演出モードMBへの移行を許容するか否かを抽選するAT移行抽選が行われる。AT移行抽選にて有利演出モードMBへの移行に当選した場合、主制御用RAM40cには、有利演出モードMBへの移行が許容されていることを特定可能な情報としてAT移行フラグが記憶される。また、AT移行抽選において、有利演出モードMBへの移行に当選した場合、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBへの移行が許容されたことを示す制御コマンド(以下、AT許容コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。なお、出力バッファに格納された制御コマンドは、所定の割り込み処理において、副制御基板41に出力される。内部抽選処理の詳細については後述する。
内部抽選処理を終了すると、主制御用CPU40aは、指示番号決定処理を行う(ステップS110)。指示番号決定処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグを初期化する。指示番号フラグは、払出表示部30aにおいて表示する指示番号を特定可能とするための情報である。指示番号には、ストップボタンの押し順が定められた指示番号と、ストップボタンの押し順が定められていない指示番号と、がある。
例えば、指示番号には、1番目に第1リール16aを停止させ、2番目と3番目に停止させるリールについては順序を問わない押し順を定めた指示番号がある。例えば、指示番号には、1番目に第1リール16aを停止させ、2番目に第2リール16bを停止させ、3番目に第3リール16cを停止させる押し順を定めた指示番号がある。また、指示番号には、1番目に第2リール16bを停止させ、2番目に第3リール16cを停止させ、3番目に第1リール16aを停止させる押し順を定めた指示番号がある。
そして、指示番号決定処理において、主制御用CPU40aは、指示番号フラグを初期化すると、主制御用RAM40cに記憶されている演出モードフラグを参照し、滞在中である演出モードを特定する。演出モードフラグは、滞在中である演出モード、即ち、制御中である現在の演出モード(演出状態)を特定可能とするための情報である。
主制御用CPU40aは、通常演出モードMAに滞在中である場合、次のように指示番号を決定する。即ち、主制御用CPU40aは、AT移行フラグが主制御用RAM40cに記憶されていない場合には、ストップボタン22a〜22cの押し順が定められていない指示番号を決定する。また、主制御用CPU40aは、AT移行フラグが主制御用RAM40cに記憶されており、且つ入賞を許容する役として昇格リプレイ役が定められた抽選番号に当選した場合には、昇格リプレイ役を入賞させるための押し順が定められた指示番号を決定する。
また、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBに滞在中である場合、次のように指示番号を決定する。即ち、主制御用CPU40aは、入賞を許容する役としてベル役が定められた抽選番号に当選したときには、ベル役を入賞させるための押し順が定められた指示番号を決定する。主制御用CPU40aは、入賞を許容する役として通常リプレイ役が定められた抽選番号に当選したときには、通常リプレイ役を入賞させるための押し順が定められた指示番号を決定する。
主制御用CPU40aは、指示番号を決定すると、該決定した指示番号を特定可能な情報として指示番号フラグを主制御用RAM40cに記憶させる。その後、主制御用CPU40aは、指示番号決定処理を終了する。この実施形態では、主制御用CPU40aが指示番号決定処理を実行することによって、遊技者に報知する指示情報を決定する指示情報決定手段としての機能が実現される。
指示番号決定処理を終了すると、主制御用CPU40aは、演出コマンド送信処理を行う(ステップS111)。演出コマンド送信処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出モードフラグを参照し、滞在中である演出モードを特定する。主制御用CPU40aは、特定した演出モードを特定可能な制御コマンド(以下、演出モードコマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。
また、演出コマンド送信処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグの値を参照することにより、指示番号決定処理で決定した指示番号を特定する。主制御用CPU40aは、特定した指示番号を特定可能な制御コマンド(以下、指示番号コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。
また、演出コマンド送信処理において、主制御用CPU40aは、入賞を許容する役が定められた抽選番号に当選した場合、該当選した抽選番号を特定可能な制御コマンド(以下、当選情報コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。なお、この実施形態において主制御用CPU40aは、役抽選の結果がはずれの場合、当選情報コマンドを生成しない。
演出コマンド送信処理を終了すると、主制御用CPU40aは、指示番号表示処理を行う(ステップS112)。指示番号表示処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている指示番号フラグの値を参照することにより、指示番号決定処理で決定した指示番号を特定する。そして、主制御用CPU40aは、特定した指示番号を払出表示部30aに表示させる。即ち、主制御用CPU40aは、指示情報を報知させる。この実施形態では、主制御用CPU40aが指示番号表示処理を実行することによって、指示情報を報知させる指示情報報知手段としての機能が実現される。
指示番号表示処理が終了すると、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過したか否かを判定する(ステップS113)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS113:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS113の判定処理を繰り返し行い、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS113:YES)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間を設定する(ステップS114)。
その後、主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの回転が開始されるように、リール16a〜16cの各アクチュエータを制御する(ステップS115)。なお、ステップS115の処理において、主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの回転速度が所定の回転速度で一定となり、ストップボタン22a〜22cによる停止操作を受付可能となるまで待機する。
次に、主制御用CPU40aは、ストップボタン22a〜22cの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS116)。ステップS116において、主制御用CPU40aは、ストップボタン22a〜22cの何れかから操作信号を入力している場合には肯定判定する一方で、ストップボタン22a〜22cの何れからも操作信号を入力していない場合には否定判定する。停止操作を受け付けていない場合(ステップS116:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS116の判定処理を繰り返し行い、停止操作を受け付けるまで待機する。
その一方で、停止操作を受け付けた場合(ステップS116:YES)、主制御用CPU40aは、操作信号を入力したストップボタンに対応するリールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS117)。即ち、主制御用CPU40aは、停止操作の受け付けを契機としてアクチュエータを制御し、受け付けた停止操作に対応するリールの回転を停止させることにより、図柄を停止させる。
詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、役抽選の結果及びストップボタン22a〜22cの停止操作態様に基づいて、予め定められた引き込み範囲(例えば4図柄)内にある図柄の中から、有効ラインNL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主制御用CPU40aは、検索された図柄が有効ラインNL上に停止されるようにアクチュエータを制御する。主制御用CPU40aは、ストップボタン22a〜22cの停止操作に関して上記のようなリール停止処理を行うことにより、役抽選の結果とストップボタンの操作態様に応じた図柄組み合わせを有効ラインNL上に停止させる。
例えば、主制御用CPU40aは、役を入賞させる押し順が定められた抽選番号に当選している場合、ストップボタン22a〜22cの押し順に応じた図柄組み合わせを有効ラインNL上に停止させる。例えば、主制御用CPU40aは、何れの抽選番号にも当選していないはずれの場合、ストップボタン22a〜22cの押し順とは関係なく、賞を定めた図柄組み合わせとは異なるはずれの図柄組み合わせを有効ラインNL上に停止させる。
また、ステップS117の処理において、主制御用CPU40aは、ストップボタン22a〜22cから操作信号を入力すると、該操作信号を入力したストップボタンを特定可能な制御コマンド(以下、操作コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。なお、主制御用CPU40aは、指示番号を払出表示部30aに表示させている場合において、該指示番号に定められた停止操作態様とは異なる停止操作態様でストップボタン22a〜22cが操作された場合、指示番号を非表示としてナビを中止させる。
次に、主制御用CPU40aは、リール16a〜16cの全てを停止させたか否かを判定する(ステップS118)。リール16a〜16cのうち1以上のリールを停止させていない場合(ステップS118:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS116の処理へ移行する。その一方で、リール16a〜16cの全てを停止させている場合(ステップS118:YES)、主制御用CPU40aは、有効ラインNL上に停止されている図柄組み合わせを判定する表示図柄判定処理を行う(ステップS119)。表示図柄判定処理において、主制御用CPU40aは、賞が定められた図柄組み合わせ(役)が有効ラインNL上に停止されているかを判定する。即ち、主制御用CPU40aは、入賞が発生したか否かを判定する。また、表示図柄判定処理において、主制御用CPU40aは、賞を定めた図柄組み合わせ(役)が有効ラインNL上に停止されている場合、その図柄組み合わせの種類を判定する。
次に、主制御用CPU40aは、遊技者にメダルの払い出しを行うか否かを判定する(ステップS120)。ステップS120の処理において、主制御用CPU40aは、払出し役が入賞している場合には肯定判定する一方で、払出し役が入賞していない場合には否定判定する。メダルの払い出しを行う場合(ステップS120:YES)、主制御用CPU40aは、図示しないホッパーユニットを駆動してメダルを払い出すためのメダル払出し処理を行う(ステップS121)。これにより、賞メダルが賞として付与される。なお、賞が定められていない図柄組み合わせが有効ラインNL上に停止されている場合、賞は付与されない。
また、ステップS121の処理において、主制御用CPU40aは、払出し役が入賞した場合、該入賞により払い出すメダルの枚数を表示するように、払出表示部30aを制御する。払出表示部30aでは、最大で第3停止操作を受け付ける迄の期間において指示番号が表示される一方で、該期間とは異なる期間においては入賞により払い出すメダルの枚数が表示される。即ち、全てのリールが停止するまでの期間にて指示番号が払出表示部30aで表示され、該期間とは異なる期間にて、入賞により払い出すメダルの枚数が払出表示部30aで表示される。なお、入賞により払い出すメダルの枚数の表示は、ベットボタン18が操作されるなどして所定の終了条件が成立すると終了する。
主制御用CPU40aは、メダルの払い出しを行わない場合(ステップS120:NO)、及びステップS121の処理を終了した場合、変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS122)。なお、終了処理が終了すると、主制御用CPU40aは、ステップS101の処理へと移行する。
終了処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームの終了を指示する制御コマンド(以下、変動ゲーム終了コマンドと示す)を生成し、出力バッファに格納する。変動ゲーム終了コマンドは、入賞の有無や、入賞した図柄組み合わせ(役)についても特定可能である。なお、変動ゲーム終了コマンドは、遊技状態や演出状態に関係なく出力される。
終了処理において、主制御用CPU40aは、リプレイ役に入賞している場合、リプレイ作動フラグを主制御用RAM40cに記憶させる。即ち、主制御用CPU40aは、リプレイ(再遊技)を作動させる。これにより、リプレイが賞として付与されることになる。
終了処理において、主制御用CPU40aは、遊技状態を移行させる処理を行う。主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている遊技状態に関する情報(以下、遊技状態フラグと示す)を更新し、遊技状態を移行させる。例えば、主制御用CPU40aは、第1RT状態において、昇格リプレイ役が入賞している場合、遊技状態フラグの値を、第1RT状態を特定可能な値から第2RT状態を特定可能な値へと更新する。即ち、主制御用CPU40aは、遊技状態を第1RT状態から第2RT状態へと移行させる。例えば、主制御用CPU40aは、第2RT状態において、転落リプレイ役や転落ベル役が入賞している場合、遊技状態フラグの値を、第2RT状態を特定可能な値から第1RT状態を特定可能な値へと更新する。即ち、主制御用CPU40aは、遊技状態を第2RT状態から第1RT状態へと移行させる。
終了処理において、主制御用CPU40aは、演出モードを移行させる処理を行う。主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出モードフラグを更新し、演出状態を移行させる。この実施形態では、主制御用CPU40aが演出モードフラグの値を更新することにより、演出状態を制御する演出状態制御手段としての機能が実現される。
例えば、主制御用CPU40aは、通常演出モードMAに滞在中、有利演出モードMBへの移行が許容されている場合であって、昇格リプレイ役が入賞したときには、演出モードフラグの値を、通常演出モードMAを特定可能な値から有利演出モードMBを特定可能な値へと更新する。即ち、主制御用CPU40aは、演出モードを通常演出モードMAから有利演出モードMBへと移行させる。主制御用CPU40aは、演出モードを通常演出モードMAから有利演出モードMBへと移行させる場合、残りAT回数として所定の変動ゲームの回数を主制御用RAM40cに記憶させる。ここで、残りAT回数は、ベル役を入賞させるためのストップボタン22a〜22cの停止操作態様を報知可能となる変動ゲームの残り回数であって、第2RT状態から第1RT状態への移行を容易に回避可能となる変動ゲームの回数ともいえる。
例えば、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBに滞在中、残りAT回数が1以上ではない場合であって、転落ベル役や転落リプレイ役が入賞したときには、演出モードフラグの値を、有利演出モードMBを特定可能な値から通常演出モードMAを特定可能な値へと更新する。即ち、主制御用CPU40aは、演出モードを有利演出モードMBから通常演出モードMAへと移行させる。そして、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBに滞在中、残りAT回数が1以上である場合、変動ゲームが行われるごとに、主制御用RAM40cに記憶されている残りAT回数を1減算して更新する。
次に、遊技進行処理において行われる内部抽選処理(ステップS109)について説明する。
図5に示すように、内部抽選処理において、主制御用CPU40aは、役抽選処理を行う(ステップS201)。この役抽選処理の詳細については後述する。次に、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBに滞在しているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202の処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている演出モードフラグを参照し、滞在している演出モードを特定する。有利演出モードMBに滞在している場合(ステップS202:YES)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。
その一方で、有利演出モードMBに滞在していない場合(ステップS202:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cにAT移行フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップS203)。即ち、ステップS203の処理において、主制御用CPU40aは、通常演出モードMAにおいて、AT移行抽選に当選していることにより、既に有利演出モードMBへの移行が許容されているか否かを判定する。そして、AT移行フラグが記憶されている場合(ステップS203:YES)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。その一方で、AT移行フラグが記憶されていない場合(ステップS203:NO)、主制御用CPU40aは、AT移行抽選を行う(ステップS204)。この実施形態では、AT移行抽選に当選することで有利演出モードMBへの移行が許容され、AT移行抽選に当選しないことで有利演出モードMBへの移行が許容されない。
次に、主制御用CPU40aは、AT移行抽選に当選したか否かを判定する(ステップS205)。即ち、ステップS205の処理において、主制御用CPU40aは、有利演出モードMBへの移行が許容されたか否かを判定する。そして、AT移行抽選に当選していない場合(ステップS205:NO)、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。その一方で、AT移行抽選に当選している場合(ステップS205:YES)、主制御用CPU40aは、AT移行フラグを主制御用RAM40cに記憶する(ステップS206)。その後、主制御用CPU40aは、内部抽選処理を終了する。
次に、内部抽選処理において行われる役抽選処理(ステップS201)について説明する。この実施形態の役抽選処理では、複数ある抽選番号のそれぞれについて、当選とするか否かの抽選(以下、単位役抽選と示す)が予め定めた順序で行われる。役抽選処理は、何れかの抽選番号に当選するか、全ての抽選番号についての単位役抽選が非当選となると、終了される。以下の説明では、1回の役抽選処理における単位役抽選の実行回数を「抽選繰返し回数N」と示す。したがって、抽選繰返し回数Nは、1回目の単位役抽選を示す1から、最大で抽選番号の総数に等しい最大値Xまでの値を取り得る。
図6に示すように、役抽選処理において、主制御用CPU40aは、滞在中の遊技状態に対応付けられた役抽選テーブルを選択する(ステップS301)。ステップS301の処理において、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている遊技状態フラグの値に基づいて滞在中の遊技状態を特定する。例えば、ステップS301の処理において、主制御用CPU40aは、第1RT状態に滞在している場合、第1RT状態用の役抽選テーブルを選択する。主制御用CPU40aは、第2RT状態に滞在している場合、第2RT状態用の役抽選テーブルを選択する。
図7(a)に示すように、役抽選テーブルには、1からXまでの抽選繰返し回数Nごとに、複数ある抽選番号のうち抽選対象とする抽選番号が1つずつ対応付けられている。例えば、抽選繰返し回数N=1には、抽選番号1を、抽選繰返し回数N=2には、抽選番号2を、抽選繰返し回数N=3には、抽選番号3を対応付けることができる。なお、各抽選繰返し回数Nには、抽選番号が昇順や降順となるように抽選番号を対応付けてもよく、これとは異なる順序となるように抽選番号を対応付けてもよい。また、役抽選テーブルには、1からXまでの抽選繰返し回数Nごとに、変数vが1つずつ対応付けられている。この実施形態において、変数vのデータ量d1は、1バイトである。変数vは、抽選繰返し回数Nごとに異なる値であってもよく、一部が同一の値であってもよい。この実施形態では、役抽選テーブル(変数v)を記憶する主制御用ROM40bによって、変数として取り得る値を記憶する変数記憶手段としての機能が実現されている。
図6に示すように、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nに1を設定する(ステップS302)。ステップS302の処理において、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nを特定可能な情報として主制御用RAM40cに記憶されている抽選繰返しカウンタに、抽選繰返し回数N=1を特定可能な値を設定する。主制御用CPU40aは、抽選繰返しカウンタの値を参照することにより、抽選繰返し回数Nを特定できる。
次に、主制御用CPU40aは、選択している役抽選テーブルを参照して抽選繰返し回数Nに対応付けられた抽選番号を読み出すとともに、該読み出した抽選番号を特定可能な情報を主制御用RAM40cに記憶させる(ステップS303)。ステップS303の処理において、主制御用CPU40aは、抽選繰返しカウンタの値をもとに抽選繰返し回数Nを特定する。
次に、主制御用CPU40aは、選択している役抽選テーブルを参照して抽選繰返し回数Nに対応付けられた変数vを読み出すとともに、該読み出した変数vをAレジスタに格納する(ステップS304)。このように、主制御用CPU40aは、主制御用ROM40bに記憶されている値を変数vとして取得する。以下の説明では、ステップS304における「Aレジスタに変数vを格納する」処理を、取得処理と示す。この実施形態では、所定の抽選繰返し回数NであるときのステップS304の処理が第1取得処理に相当し、上記所定の抽選繰返し回数Nとは異なる抽選繰返し回数NであるときのステップS304の処理が第2取得処理に相当する。以下、説明の便宜のため、抽選繰返し回数N=n(但し、nは1〜X)であるときのステップS304の処理を「第n取得処理」と示すものとする。
次に、主制御用CPU40aは、Aレジスタに格納した変数vと、予め定めた定数bとを乗算して判定値としての判定データpを算出し、該算出した判定データpをHLレジスタに格納する(ステップS305)。例えば、定数bの値は224である。即ち、定数bのデータ量d2は、例えば1バイトである。このように、主制御用CPU40aは、取得した変数と、予め定めた定数と、を演算することにより、判定値を生成する。この判定値を生成するための演算は、乗算である。この実施形態では、主制御用CPU40aがステップS305の処理を実行することにより、判定値としての判定データを生成する判定値生成手段としての機能が実現されている。以下の説明では、ステップS305における「Aレジスタに格納した変数と定数とを乗算して算出した判定データをHLレジスタに格納する」処理を、生成処理と示す。
そして、この実施形態の主制御用CPU40aは、ステップS304の処理として、抽選繰返し回数Nが異なる複数の取得処理を実行した場合、ステップS305における生成処理(特定の生成処理)を共通して実行する。即ち、この実施形態の主制御用CPU40aは、第1取得処理及び第2取得処理のうち何れかの取得処理を実行した場合には、生成処理のうち特定の生成処理を共通して実行するようになっている。
例えば、図7(b)に示すように、抽選繰返し回数N=1には変数v1が対応付けられていることから、ステップS305の生成処理においては、判定データpとして「v1・b」が演算され、HLレジスタに格納される。例えば、抽選繰返し回数N=Xには変数vXが対応付けられていることから、ステップS305の生成処理においては、判定データpとして「vX・b」が演算され、HLレジスタに格納される。以下の説明では、抽選繰返し回数N=n(但し、n=1〜X)であるときに、ステップS305の生成処理において生成される判定データpを「判定データpn」と示すものとする。この実施形態において、判定データp1〜pXのデータ量d3は、何れも2バイトである。
次に、図6に示すように、主制御用CPU40aは、遊技進行処理におけるステップS108の処理にて取得した乱数データと、HLレジスタに格納した判定データpとを加算して加算データAdを算出する(ステップS306)。次に、主制御用CPU40aは、乱数データが取り得る最大値(この実施形態では65535)を、算出した加算データAdが超えているか否かを判定する(ステップS307)。乱数データが取り得る最大値を加算データAdが超えている場合(ステップS307:YES)、主制御用CPU40aは、抽選対象とした抽選番号について当選と判定する。乱数データが取り得る最大値を加算データAdが超えていない場合(ステップS307:NO)、主制御用CPU40aは、抽選対象とした抽選番号について非当選(はずれ)と判定する。したがって、この実施形態では、主制御用CPU40aによって、各種の判定処理を行う判定手段としての機能が実現されている。そして、主制御用CPU40aが行う判定処理のうちの1つであるステップS307の判定処理は、乱数データと判定データpとを用いて行われる。
乱数データの最大値を加算データAdが超えている場合(ステップS307:YES)、主制御用CPU40aは、ステップS303の処理にて記憶した情報に基づき、抽選対象とした抽選番号を特定し、該特定した抽選番号を特定可能な値(情報)を、主制御用CPU40aに記憶されている当選番号フラグとして記憶させる(ステップS308)。その後、主制御用CPU40aは、役抽選処理を終了する。
その一方で、乱数データが取り得る最大値を加算データAdが超えていない場合(ステップS307:NO)、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nが最大値Xであるか否かを判定する(ステップS309)。抽選繰返し回数Nが最大値Xである場合(ステップS309:YES)、主制御用CPU40aは、役抽選処理を終了する。ステップS309の処理において肯定判定される状況は、抽選番号1〜Xの全てについて単位役抽選に当選しない所謂「はずれ」となる。なお、この場合において、当選番号フラグには、はずれを示す初期値が設定された状態となる。
抽選繰返し回数Nが最大値Xではない場合(ステップS309:NO)、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nに「N+1」を設定する(ステップS310)。詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nを特定可能な情報として主制御用RAM40cに記憶されている抽選繰返しカウンタに、抽選繰返し回数N=N+1を特定可能な値を設定する。即ち、主制御用CPU40aは、抽選繰返し回数Nを1加算して更新する。この処理の実行によって、単位役抽選における抽選対象とする抽選番号が次の順序の抽選番号に切り替えられる。ステップS310の処理が終了すると、主制御用CPU40aは、ステップS303の処理へと移行し、新たに抽選対象とした抽選番号について、ステップS303〜S307の処理を行うことになる。
この実施形態において、ステップS303〜S307の処理は、単位役抽選に相当する。そして、この実施形態の役抽選処理では、最初に抽選対象とする抽選番号から最後に抽選対象とする抽選番号X(但しXは2以上である整数)までの各抽選番号について、予め定めた順序で1つずつ抽選対象とし、抽選対象とした抽選番号ごとに単位役抽選が行われる。そして、主制御用CPU40aは、何れかの抽選番号に当選するか、又は、予め定めた順序において最後となる抽選番号Xを抽選対象とした単位役抽選が終了すると、役抽選を終了する。
この実施形態において、ステップS304の取得処理を実行するためのプログラム、ステップS305の生成処理(特定の生成処理)を実行するためのプログラム、変数v、及び定数bのデータ量と、生成される判定データpのデータ量との関係については、後に詳しく説明する。
次に、副制御用CPU41aが行う処理について説明する。
副制御用CPU41aは、主制御用CPU40aから各種の制御コマンドを入力すると、該制御コマンドに基づいて各種の演出を実行させるように演出表示装置13、装飾ランプ14、及びスピーカ15を制御する。なお、副制御用CPU41aは、入賞指示コマンドを入力しない場合、賞が定められていない図柄組み合わせが有効ラインNL上に停止したことを把握する。
例えば、副制御用CPU41aは、演出モードコマンドを入力すると、制御中の演出モードを特定可能な副制御用の演出モードフラグを副制御用RAM41cに記憶させる。そして、副制御用CPU41aは、副制御用の演出モードフラグから特定可能な演出モードを示すモード識別情報が報知されるように、演出表示装置13、装飾ランプ14、及びスピーカ15のうち少なくとも1つを制御する。
副制御用CPU41aは、指示番号コマンドを入力すると、該指示番号コマンドから特定可能な指示番号に応じたストップボタン22a〜22cの停止操作態様を報知するナビが実行されるように、演出表示装置13、装飾ランプ14、及びスピーカ15のうち少なくとも1つを制御する。なお、主制御用CPU40aが払出表示部30aに実行させるナビの態様と、副制御用CPU41aが実行させるナビの態様は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
次に、上述した役抽選処理を実行させるためのプログラム(命令)のデータ量や、各種の数値データのデータ量について、詳細に説明する。この実施形態において、役抽選処理を実行するためのプログラムは、主制御用ROM40bに記憶されている。
図8に示すように、抽選繰返し回数Nに対応付けて記憶されている変数v(v1〜vX)のデータ量d1や、生成処理に用いられる定数bのデータ量d2は、何れも1バイトである。また、生成処理において生成される判定データp(p1〜pX)のデータ量d3は、何れも2バイトである。したがって、この実施形態において、判定データp(p1〜pX)のデータ量d3は2単位以上のデータ量であり、変数vとして取り得る値のデータ量d1、及び定数bとして取り得る値のデータ量d2は、何れも判定データpに比して少ない単位数のデータ量である。また、生成処理において生成する判定データp(p1〜pX)のデータ量d3は、変数vとして取り得る値のデータ量d1、及び定数bの値のデータ量d2の何れよりも多い単位数のデータ量である。
また、役抽選処理のステップS305における生成処理において、「Aレジスタに格納した変数vと定数b(この実施形態では224)とを乗算して算出した判定データpをHLレジスタに格納する命令」は、例えば「MUL HL,A,224」と記述される。生成処理のデータ量D2は、Aレジスタに格納した変数vと、定数bとを乗算してHLレジスタに格納する命令「MUL HL,A,」の記述に必要なデータ量である2バイトと、定数bの記述に必要なデータ量である1バイトと、を加算した合計で3バイトである。
したがって、主制御用ROM40bに記憶されているプログラムなどの総データ量のうち、変数として取り得る値のデータ量d1、生成処理のデータ量D2、抽選繰返し回数Nの最大値X、及び生成処理において生成される判定データpのデータ量d3の関係は、「D2+d1×X<d3×X」の関係式(1)を満たしている。なお、抽選繰返し回数Nの最大値Xは、抽選番号の個数や、役抽選に用いられる変数vの個数に等しい。さらに、抽選繰返し回数Nの最大値Xは、取得処理の数Aや実行回数と把握することも可能である。
例えば、抽選番号の個数が4であると仮定した場合、データ量d1=1バイト、データ量D2=3バイト、データ量d3=2バイトであることから、D2+d1×X=7バイトであり、d3×X=8バイトであるため、上記関係式(1)を満たしている。例えば、抽選番号の個数が50であると仮定した場合、データ量d1=1バイト、データ量D2=3バイト、データ量d3=2バイトであることから、D2+d1×X=53バイトであり、d3×X=100バイトであるため、上記関係式(1)を満たしている。このように、この実施形態では、生成処理を実行するためのプログラムのデータ量D2と、変数1〜Xのデータ量d1と、を合計したデータ量Daは、判定データp1〜pXを予め主制御用ROM40bに記憶すると仮定した場合における判定データp1〜pXの各データ量d3を合計したデータ量Dbよりも少ない。
また、この実施形態では、変数vとして取り得る値のデータ量d1、定数bの値のデータ量d2、抽選繰返し回数Nの最大値X、及び生成処理において生成される判定データpのデータ量d3の関係は、「d2+d1×X<d3×X」の関係式(2)を満たしている。即ち、この実施形態では、変数vのデータ量d1と、定数のデータ量d2とを合計したデータ量は、判定データpのデータ量d3を合計したデータ量よりも少ない。したがって、この実施形態では、例えば、2バイトのデータ量である判定データp1〜pXをそのまま主制御用ROM40bに記憶しておき、抽選繰返し回数Nに対応付けた判定データpを読み出して所定の記憶領域に格納する命令を実行する構成に比して、主制御用ROM40bに予め記憶しておくデータ量を少なくすることができる。
上述した実施形態のスロットマシン10によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)実施形態によれば、変数vと定数bとを演算することにより判定データpを生成する。演算により生成される判定データpのデータ量d3は、変数vとして取り得る値、及び定数bの値の何れよりも多い単位数のデータ量であることから、単に複数通りの判定データpをそのまま主制御用ROM40bに記憶させておく従来の構成に比して、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量を少なくすることができるようになる。
(2)実施形態によれば、変数vとして取り得る値のデータ量d1は、それぞれ1単位(1バイト)のデータ量であることから、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量を少なくすることができることに加えて、変数vとして取り得る値の取り扱いを容易にできる。
(3)実施形態によれば、判定データpを生成するにあたっては、判定データpよりも少ない単位数のデータ量である値(変数vや定数b)を記憶しておくだけですむことから、主制御用ROM40bの圧迫をさらに抑制できる。
(4)実施形態によれば、変数vとして取り得る値のデータ量が1バイトであることから、従来の遊技機に比して、主制御用ROM40bの圧迫をさらに抑制できる。
(5)実施形態によれば、乗算により判定データpを生成することから、同じデータ量の判定データpを生成するにあたって、個々の変数vや定数bのデータ量を小さくできる。
(6)実施形態によれば、変数vとして取り得る値及び定数bの値のうち、少なくとも定数bの値のデータ量d2は、1バイト(1単位)のデータ量である。したがって、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量を少なくすることができることに加えて、定数bとして取り得る値の取り扱いを容易にできる。
(7)実施形態によれば、生成処理を、複数の抽選繰返し回数Nについての取得処理(第1取得処理及び第2取得処理)において共通化することで、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量をより少なくできる。
(8)実施形態によれば、データ量d1,d3,D2、及び抽選繰返し回数Nの最大値Xの関係は、「D2+d1×X<d3×X」の関係式(1)を満たしている。このため、従来の遊技機に比して、判定データpを演算により生成するための生成処理が新たに必要になるものの、該生成処理のデータ量D2を考慮しても、判定データpをそのまま取得する処理を採用する場合に比して、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量を少なくすることができる。
(9)実施形態によれば、乱数データを用いた判定(役抽選)を行うにあたって、主制御用ROM40bにおける記憶容量の圧迫をさらに抑制できる。
(第2実施形態)
次に、スロットマシンの第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について詳細に説明し、上述した実施形態と同一の構成についてはその説明を簡略化又は省略する。
この実施形態では、変数を取得する取得処理として、複数の取得処理を備えている点で第1実施形態と異なっている。以下、詳細に説明する。
主制御用CPU40aは、取得処理として、第1取得処理と、第2取得処理と、第3取得処理と、第4取得処理と、を含む複数の取得処理を実行する。
第1〜第4取得処理は、1バイトの変数vを読み出してレジスタAに格納する処理である。「レジスタAに変数vを格納する命令」は、例えば「LD A,v」と記述される。この「レジスタAに変数vを格納する命令」のデータ量D1は、変数vを読み出してレジスタAに格納する命令「LD A,」の記述に必要なデータ量である1バイトと、変数vの記述に必要なデータ量d1である1バイトと、を加算した合計で2バイトである。
この実施形態において、判定データpを算出するために「Aレジスタに変数vを格納する命令」の数Aは、第1〜第4取得処理の合計で「4」である。なお、「Aレジスタに変数を格納する命令」は、少なくとも4つあればよく、5つ以上であってもよい。例えば、第1〜第4取得処理及び生成処理は、第1実施形態における役抽選、及びAT移行抽選において実行してもよく、変動ゲームの進行を停滞させて行う停滞演出(所謂、フリーズ演出)を実行させるか否かの演出抽選において実行してもよい。
そして、主制御用CPU40aは、上述した第1取得処理及び第2取得処理のうち何れかの取得処理を実行した場合には、生成処理のうち特定の生成処理を共通して実行する。また、主制御用CPU40aは、上述した第3取得処理及び第4取得処理のうち何れかの取得処理を実行した場合にも、生成処理のうち特定の生成処理を共通して実行してもよい。
なお、「判定データpを取得するための処理が含まれていると仮定したときの該処理のためのプログラム(図中において従来の第n取得処理と示す)」のデータ量D3は、判定データpを読み出してAレジスタに格納する命令「LD A,」のデータ量である1バイトと、判定データpのデータ量である2バイトと、を加算した合計3バイトである。
図9に示すように、各取得処理のデータ量D1、生成処理のデータ量D2、取得処理の数A、及び、主制御用プログラムに上記生成処理により生成される判定データpと同じデータ量の判定データpを取得するための処理が含まれていると仮定したときの該処理のデータ量D3の関係は、「D2+D1×A<D3×A」の関係式(3)を満たしている。
例えば、取得処理の数A=4と仮定した場合、データ量D1=2バイト、データ量D2=3バイト、データ量D3=3バイトであることから、D2+D1×A=11バイト、D3×A=12バイトであるため、上記関係式(3)を満たしている。例えば、取得処理の数=50と仮定した場合、データ量D1=2バイト、データ量D2=3バイト、データ量D3=3バイトであることから、D2+D1×A=103バイト、D3×A=150バイトであるため、上記関係式(3)を満たしている。
即ち、この実施形態では、各取得処理を実行するためのプログラムのデータ量D1と、生成処理を実行するためのプログラムのデータ量D2と、を合計したデータ量Dcは、判定データpを取得するための処理が含まれていると仮定したときの該処理のためのプログラムのデータ量D3を合計したデータ量Ddよりも少ない。
第2実施形態のスロットマシン10によれば、第1実施形態における(1)〜(9)の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
(10)実施形態によれば、生成処理を、複数の取得処理(第1取得処理及び第2取得処理)において共通化することで、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量をより少なくできる。第3取得処理及び第4取得処理についても同様である。
(11)実施形態によれば、データ量D1〜D3、及び取得処理の数Aの関係は、「D2+D1×A<D3×A」の関係式(3)を満たしている。このため、従来の遊技機に比して、判定データpを演算により生成するための生成処理が新たに必要になるものの、該生成処理のデータ量を考慮しても、主制御用ROM40bに記憶させておくデータ量を少なくすることができる。
上述した実施形態は、例えば次のような別の実施形態に変更してもよい。
・変数vのデータ量d1、定数bのデータ量d2、判定データpのデータ量d3、各取得処理のデータ量D1、及び生成処理のデータ量D2は、適宜変更してもよい。但し、それぞれのデータ量は、上述した関係式(1)〜(3)のうち少なくとも1つの関係式を満たすように設定することが好ましい。
・変数vのデータ量d1、定数bのデータ量d2、判定データpのデータ量d3、各取得処理のデータ量D1、及び生成処理のデータ量D2の単位数(バイト数)は、適宜変更してもよい。但し、判定データpのバイト数は、変数v及び定数bのバイト数よりも多いことが好ましい。
・定数bを変更してもよい。定数bを小さな値とする場合には、変数vを乗算して算出される判定データpの差を小さくすることができる。ただし、定数bは、そのバイト数が判定データpのバイト数未満となるようにするとよい。
・生成処理によって生成する判定データpは、役抽選とは異なる判定を行うための値であってもよい。例えば、有利演出モードMBへ移行させるか否かの判定(AT移行抽選)、変動ゲームの進行を停滞させて行う停滞演出(所謂、フリーズ演出)を実行させるか否かの判定(フリーズ抽選)を行うための値であってもよい。また、判定データpは、表示演出、音声演出、及び発光演出のうち少なくとも1つの演出についての実行可否や、演出内容を判定するための値であってもよい。この場合、判定データpの算出は、主制御用CPU40aが行ってもよく、副制御用CPU41aが行ってもよい。
・取得処理としては、少なくとも第1取得処理と第2取得処理があればよく、第3取得処理と第4取得処理は省略されてもよい。但し、主制御用ROM40bなどの記憶手段に記憶させるデータ量を削減する観点からは、4つ以上の取得処理を備えていることが好ましい。
・生成処理において、判定データpを算出するための演算は、乗算に限定されない。例えば、1バイトの第1データと1バイトの第2データとを連結して2バイトの判定データpを生成してもよく、2つのデータを加算して判定データpを生成してもよい。
・生成処理に用いられる定数bは、複数あってもよい。この場合、少なくとも1つの定数bについては、複数の取得処理において共用された生成処理に用いられるようにする。
・主制御用CPU40aは、生成処理により生成した判定データpと、乱数データとは異なる値と、を用いて判定処理を行ってもよい。乱数データとは異なる値は、例えば所定の遊技状態や演出モードにおける変動ゲームの実行回数などである。
・当選か否かの判定手法を変更してもよい。例えば、ステップS306の処理において、主制御用CPU40aは、乱数データから判定データpを減算して減算データSbを算出し、ステップS307の処理において、減算データSbが0以下である場合に当選と判定し、0以下でない場合に非当選と判定してもよい。また、主制御用CPU40aは、乱数データと判定データpとが一致する場合に当選と判定し、一致しない場合に非当選と判定してもよい。
・スロットマシン10は、指示番号を表示する専用の表示装置を備えていてもよい。
・スロットマシン10は、4つ以上のリールを備えていてもよい。
・スロットマシン10は、ボーナス役を備えていてもよい。主制御用CPU40aは、ボーナス役の入賞が発生すると、次回の変動ゲームからボーナス遊技を生起させる。
・スロットマシン10は、1種類の演出モードを備えていてもよく、3種類以上の演出モードを備えていてもよい。
・スロットマシン10は、3種類以上の遊技状態を備えていてもよい。
・スロットマシン10は、主制御基板40の機能と副制御基板41の機能とを統合した単一の制御基板を備えていてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御用CPU40aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・主制御用CPU40a、主制御用ROM40b、及び主制御用RAM40cは、ワンチップマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
・副制御基板41の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、スロットマシン10は、演出表示装置13を専門に制御する表示基板、装飾ランプ14を専門に制御するランプ基板、及びスピーカ15を専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御用CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・スロットマシン10は、メダルとは異なる遊技媒体を用いる遊技機であってもよい。例えば、遊技媒体は、遊技球であってもよい。
・パチンコ遊技機として具体化されていてもよい。パチンコ遊技機は、遊技盤と、始動口と、変動ゲームを表示する表示装置と、大入賞口と、制御装置と、を備える。制御装置は、遊技球が始動口に入球したことを契機に大当り判定を行い、該大当り判定に当選すると、変動ゲームにおいて大当り図柄を表示し、大当りの変動ゲームの終了後、大入賞口を開放する大当り遊技を付与する。このような遊技機においても、生成処理によって、大当り判定といった判定処理に用いる判定データpを生成することができる。
次に示す技術的思想は、上述した実施形態から把握することができる。
(イ)前記記憶手段に記憶されているプログラムの総データ量のうち、前記変数として取り得る値のデータ量d1、前記特定の生成処理のデータ量D2、前記変数として取り得る値の個数X、及び、前記生成処理において生成される判定値のデータ量d3の関係は、D2+d1×X<d3×Xの関係式を満たしている。
(ロ)前記記憶手段に記憶されているプログラムの総データ量のうち、前記取得処理のそれぞれのデータ量D1、前記特定の生成処理のデータ量D2、前記取得処理の数A、及び、前記プログラムに、前記生成処理により生成される判定値と同じデータ量の判定値を取得するための処理が含まれていると仮定したときの該処理のデータ量D3の関係は、D2+D1×A<D3×Aの関係式を満たしている。
(ハ)前記判定値のデータ量は、2単位以上のデータ量であり、前記変数として取り得る値のデータ量、及び前記定数の値のデータ量は、何れも前記判定値に比して少ない単位数のデータ量である。
(ニ)前記生成処理において生成される判定値のデータ量は、前記変数として取り得る値、及び前記定数の値の何れよりも多い単位数のデータ量である。
(ホ)前記1単位は、1バイトである。
(ヘ)前記判定値を生成するための演算は、乗算である。
(ト)乱数を生成する乱数生成手段を備え、前記実行手段は、判定値と乱数とを用いて当選か否かの判定を行う。