JP6693534B2 - 熱交換器又は熱交換器を有する冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1は、空調システム1の概略構成図である。空調システム1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、対象空間(居住空間や貯蔵庫内等の被空調空間)の冷却又は加熱等の空調を行うシステムである。空調システム1は、主として、室外ユニット10と、複数(ここでは2台)の室内ユニット20と、液側連絡配管LP及びガス側連絡配管GPと、を有している。
室外ユニット10は、室外空間に設置される。室外空間は、空気調和が行われる対象空間外の空間であり、例えば建物の屋上等の屋外や、地下空間等である。室外ユニット10は、液側連絡配管LP及びガス側連絡配管GPを介して各室内ユニット20と接続されており、冷媒回路RCの一部(室外側回路RC1)を構成している。室外ユニット10は、室外側回路RC1を構成する機器として、主として、複数の冷媒配管(第1配管P1−第9配管P9)、アキュームレータ11、圧縮機12、油分離器13、四路切換弁14、室外熱交換器15、及び室外膨張弁16等を有している。これらの機器(11−16)は、冷媒配管によって接続されている。
室内ユニット20は、室内(居室や天井裏空間等)に設置されており、冷媒回路RCの一部(室内側回路RC2)を構成している。室内ユニット20は、室内側回路RC2を構成する機器として、主として、室内膨張弁21及び室内熱交換器22等を有している。
液側連絡配管LP及びガス側連絡配管GPは、室外ユニット10及び各室内ユニット20を接続する冷媒連絡配管であり、現地にて施工される。液側連絡配管LP及びガス側連絡配管GPの配管長や配管径については、設計仕様や設置環境に応じて適宜選定される。なお、液側連絡配管LP及びガス側連絡配管GPは、実際には、単一の配管で構成されてもよいし、継手等を介して複数の配管が接続されることで構成されてもよい。
以下、冷媒回路RCにおける冷媒の流れについて説明する。空調システム1では、主として、正サイクル運転と逆サイクル運転が行われる。ここでの冷凍サイクルにおける低圧は、圧縮機12に吸入される冷媒の圧力(吸入圧力)であり、冷凍サイクルにおける高圧は、圧縮機12から吐出される冷媒の圧力(吐出圧力)である。
正サイクル運転(冷房運転や冷房サイクル除霜運転等の運転)時には、四路切換弁14が正サイクル状態(図1の四路切換弁14の実線で示される状態)に制御される。正サイクル運転が開始されると、室外側回路RC1内において、冷媒が圧縮機12に吸入されて圧縮された後に吐出される。圧縮機12では、運転中の室内ユニット20で要求される熱負荷に応じた容量制御が行われる。具体的には、吸入圧力の目標値が室内ユニット20で要求される熱負荷に応じて設定され、吸入圧力が目標値になるように圧縮機12の運転周波数が制御される。圧縮機12から吐出されたガス冷媒は、室外熱交換器15に流入する。
逆サイクル運転(暖房運転等)時には、四路切換弁14が逆サイクル状態(図1の四路切換弁14の破線で示される状態)に制御される。逆サイクル運転が開始されると、室外側回路RC1内において、冷媒が圧縮機12に吸入されて圧縮された後に吐出される。圧縮機12では、運転中の室内ユニット20で要求される熱負荷に応じた容量制御が行われる。圧縮機12から吐出されたガス冷媒は、室外側回路RC1から流出し、ガス側連絡配管GPを経て運転中の室内ユニット20の室内側回路RC2に流入する。
図2は、室外ユニット10の斜視図である。図3は、室外ユニット10の概略分解図である。
室外ユニット10は、外郭を構成し、各機器(11―16等)を収容する室外ユニットケーシング30を有している。室外ユニットケーシング30は、複数の板金部材が組み上げられることによって、略直方体形状に形成されている。室外ユニットケーシング30の左側面、右側面及び背面の大部分は開口であり、係る開口が室外空気流AFを吸い込むための吸気口301として機能する。
図4は、底フレーム33上に配置される機器の配置態様と、室外空気流AFの流れ方向とを模式的に示した図である。図4に示されるように、底フレーム33上には、アキュームレータ11、圧縮機12、油分離器13及び室外熱交換器15を含む各種機器が、所定位置に配置されている。また、底フレーム33上には、室外ユニット制御部19を収容する電装品箱39が配置されている。
図5は、室外ユニットケーシング30内における室外空気流AFの流れる態様を模式的に示した図である。図4−5に示されるように、室外空気流AFは、室外ユニットケーシング30の左側面、右側面及び背面に形成された吸気口301から室外ユニットケーシング30内に流入し、室外熱交換器15(熱交換部40)を通過した後、主として下方から上方に向かって流れ、吹出口302から流出する。すなわち、室外空気流AFは、吸気口301を介して室外ユニットケーシング30内に水平方向に沿って流入し、室外熱交換器15を通過した後、上方向に転回して吹出口302に向かって下方から上方に向かって流れる。室外ユニットケーシング30に流入する室外空気流AFに関しては、室外ファン18に近い空間のほうが、室外ファン18から遠い下方空間よりも風速が大きい。これに関連して、室外熱交換器15の熱交換部40を通過する室外空気流AFについては、下部分(特に中央より下方のパス)を通過する空気よりも上部分(特に中央より上方のパス)を通過する空気のほうが風速は大きい。
図6は、室外熱交換器15の斜視図である。図7は、図6とは異なる方向から見た室外熱交換器15の斜視図である。図8は、平面視における室外熱交換器15の模式図である。
図9は、熱交換部40の模式図である。図10は、図8におけるX-X線断面の部分拡大図である。
図11は、第1ヘッダ管50及びガス側集合管60の分解図である。第1ヘッダ管50は、上端及び下端が閉じられた上下方向に延びる細長い中空筒形の部品である。第1ヘッダ管50は、風下側熱交換部40bの一端側に配置されている。第1ヘッダ管50は、風下伝熱管側部材51、第1ヘッダ仕切部材52、集合管側部材53、複数の第1仕切板54、及び第2仕切板55を有している。
図12は、第2ヘッダ管70の分解図である。図13は、図12に示される第2ヘッダ管70の一部を示した拡大図である。図14は、仕切板74と整流板75が取り付けられた第2ヘッダ仕切部材72の一部が拡大して示されている。図15は、第2ヘッダ管70を上方から見た図である。図16は、第2ヘッダ管70の一部の断面を拡大した模式図である。
図17は、折返しヘッダ80の斜視図である。図18には、折返しヘッダ80を水平方向に沿って切断した断面図である。図19には、鉛直方向に沿って切断した折返しヘッダ80の一部を拡大した断面図である。
図20は、分流器90の斜視図である。図21は、図20の二点鎖線で囲われたA部分の拡大図である。
図30は、平面視における第1ヘッダ管50、ガス側集合管60、第2ヘッダ管70及び分流器90の位置関係を示した模式図である。室外熱交換器15において、第1ヘッダ管50、ガス側集合管60、第2ヘッダ管70及び分流器90は、図30に示されるように室外熱交換器15の一端付近に密集して配置されている。特に、第2ヘッダ管70(第2ヘッダ内部空間形成部材78)と分流器90とは風上側熱交換部40aの一端付近において近接配置されている。第2ヘッダ管70(第2ヘッダ内部空間形成部材78)と分流器90の平面視での直線距離D1は、設計仕様や設置環境に応じて適宜設定されるが、本実施形態ではコンパクト化の観点から100mm以下に設定されている。
室外熱交換器15は、各部が炉中においてロウ材でロウ付け接合されることで構成されている。この点、室外熱交換器15は、平面視において3箇所が大きく湾曲しており、曲げ部B1,B2,B3が形成されている(図8参照)。一方で、ロウ付けが行われる炉の大きさは決まっているので、熱交換部40については曲げ部B1,B2,B3の形成される前の平たい状態で炉中ロウ付けが行われる。曲げ部B1,B2,B3は、炉中ロウ付けが行われた後、所定のロール治具と押付治具を用いて構成される。
上述のような態様で構成される室外熱交換器15においては、複数のパスが構成されている。ここでの「パス」は、分流器90の第1細管93と、第2ヘッダ内部空間SP1(第2ヘッダ内部空間形成部材78)と、対応する1以上の伝熱管41(41a及び41b)と、折返し空間SP2と、によって構成される冷媒の通路である。
室外熱交換器15においては、以下の態様で冷媒が流れる。
正サイクル運転時に室外熱交換器15に流入する冷媒は、室外空気流AFと熱交換を行いながら流れる。但し、冷房サイクル除霜運転時においては、室外熱交換器15に流入する冷媒は、付着した霜と熱交換を行いながら流れる。
逆サイクル運転時に室外熱交換器15に流入する冷媒は、室外空気流AFと熱交換を行いながら流れる。具体的に、逆サイクル運転時には、第8配管P8から出入口管91に冷媒が流入する。出入口管91と通過した冷媒は、分流器90(本体内部空間SP3)に達し、分かれて複数の第1細管93、及び第2細管94に流入する(すなわち、各パスに流入する)。
上述のように構成される室外熱交換器15は、以下の機能を有している。
分流器本体95において、本体内部空間SP3の第1細管93との連通部分の高さ(第1細管93の出口面の高さ)h2(図27、図31参照)は、ヘッドの基準である。ヘッド差が伝熱管41を流れる冷媒の圧力よりも大きくなると、冷媒の流れが阻害されることとなる。特に、熱交換部40の下部に配置される伝熱管41については、ヘッドの影響により冷媒の循環量が低下して冷媒が滞留しやすい。
室外熱交換器15では、分流器本体95が、本体内部空間SP3から出入口管91が上方向に沿って延びるとともに多数(ここでは10本、すなわち6本以上)の第1細管93が本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように設置されている。この点、分流器本体95が係る態様で設置されることに関連して、分流器本体95と第1細管93とのロウ付け接合を人手により行う場合には作業性が著しく低下し組立性に優れないことが想定される。室外熱交換器15においては、分流器本体95と複数の第1細管93とがアルミニウム又はアルミニウム合金製であることにより、両者を炉中ロウ付けによって接合して分流器90を構成することが可能となっている。これに関連して、組立性向上が促進されている。
室外熱交換器15では、コンパクト化が促進されている。すなわち、分流器90において、各第1細管93は、本体内部空間SP3から下方向に沿って延びてから湾曲して、対応する第2ヘッダ内部空間SP1に向かって上方向に沿って延びている。より詳細には、本実施形態において、各第1細管93のうち半数以上(ここでは9本)の第1細管93は、本体内部空間SP3から下方向に沿って延びてから下方に膨らむように湾曲して上方向に延伸方向を転換し、分流器本体95に間隔を置いて隣接しながら上方向に沿って延びる上方湾曲管93a(図27、図28参照)である。また、係る上方湾曲管93aのほとんど(ここでは8本)は、分流器本体95の中心に向かって湾曲し、出入口管91に間隔を置いて隣接しながら上方向に沿って延びている(図27、図28参照)。つまり、設置状態における平面視で、半数以上の第1細管93が、分流器本体95及び出入口管91の周方向に間隔を置いて配置されている。換言すると、分流器90において、分流器本体95、及び天面側から上方に延びる出入口管91は、底面側に接続され湾曲して上方に向かって延びる複数の第1細管93(上方湾曲管93a)によって周囲を囲まれている。
(10−1)
従来、複数の伝熱管が積層される熱交換部と、液側端部に配置される分流器とを有し、熱交換部において1以上の伝熱管で構成されるパス(冷媒流路)を複数形成された熱交換器が知られている。係る熱交換器は、分流器と各パスとを連通させる細管を複数有し、分流器と各パスとの間の冷媒流路が当該細管によって形成されている。例えば、設置状態において4本の細管が分流器との接続口から下方に延びるように設置されるものがある。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、分流器90は、分流器本体95と各第1細管93とが炉中でロウ付けされることで構成されており、多数の第1細管93が分流器本体95から下方に延びる分流器90を有する熱交換器に関して、組立性が向上している。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、分流器本体95は、当接部953を有する。当接部953は、炉中に移動する際に支えられる治具と当接する部分である。これにより、炉中ロウ付けに係る工程が円滑に行われやすくなっており、係る観点でも組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、分流器本体95は、設置状態において上方に面する天面951に、第1開口95aを形成されており、第1開口95aにおいて出入口管91の一端が接続されている。これにより、簡易に、設置状態において本体内部空間SP3から上方向に沿って延びるように、出入口管91を分流器本体95に接続することが可能となっている。係る観点でも組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、分流器本体95は、設置状態において下方に面する底面952に、第2開口95bを複数形成され、各第2開口95bにおいて、対応する第1細管93の一端が接続されている。これにより、簡易に、設置状態において本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように、第1細管93を分流器本体95に接続することが可能となっている。係る観点でも組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の第2開口95bは、間隔を置いて環状に配置されている。これにより、多数の第1細管93が分流器本体95から下方に延びる分流器90を有する熱交換器に関して、隣り合う第1細管93間のクリアランスを確保しつつ多数の第1細管93を密集させることが可能となっている。ひいては、分流器90のコンパクト化が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の第1細管93のうち半数以上の第1細管93は、設置状態において、本体内部空間SP3から下方向に沿って延びてから湾曲して分流器本体95に隣接して上方向に沿って延びる上方湾曲管93aである。これにより、第1細管93を、設置状態において本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように分流器本体95に接続しつつ、分流器本体95との接続部分よりも上方に位置する第2ヘッダ内部空間SP1まで延びるように構成することが可能となっている。また、分流器本体95と第1細管93との距離を小さくして分流器90をコンパクトに構成することが可能となっている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、上方湾曲管93aは、設置状態において、分流器本体95に隣接して上方向に沿って延びてから、再び湾曲して出入口管91に向かって延び、さらに湾曲して出入口管91に隣接して上方向に沿って延びている。これにより、第1細管93を、設置状態において本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように分流器本体95に接続しつつ、分流器本体95との接続部分よりも上方に位置する第2ヘッダ内部空間SP1まで延びるように構成することが可能となっている。また、分流器本体95と第1細管93との距離を小さくして分流器90をコンパクトに構成することが可能となっている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では複数の上方湾曲管93aが、設置状態において、平面視で、出入口管91の周方向に間隔を置いて配置されている。これにより、多数の第1細管93が分流器本体95から下方に延びる分流器90を有する熱交換器に関して、隣り合う上方湾曲管93a間のクリアランスを確保しつつ多数の上方湾曲管93a(すなわち半数以上の第1細管93)を密集させるとともに、出入口管91と各上方湾曲管93aとの距離を小さくして分流器90をコンパクトに構成することが可能となっている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の第2ヘッダ内部空間形成部材78は、熱交換部40と分流器90の間の冷媒流路を形成しており、対応する伝熱管41及び第1細管93に連通し一方から流出する冷媒を他方へ流入させる第2ヘッダ内部空間SP1を内部に形成されている。すなわち、分流器90よりも熱交換部40側で対応するパスを形成する第2ヘッダ内部空間形成部材78を複数有する室外熱交換器15に関して、組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、第2ヘッダ内部空間形成部材78は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。各第1細管93と対応する第2ヘッダ内部空間形成部材78との接合を人手により行う場合には作業性が著しく低下し組立性に優れないことが想定されるところ、本実施形態に係る室外熱交換器15では、第2ヘッダ内部空間形成部材78と各第1細管93とがアルミニウム又はアルミニウム合金製であることにより、両者を炉中においてロウ付け接合することが可能となっている。よって、組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、設置状態において、分流器90と第2ヘッダ内部空間形成部材78との平面視での直線距離D1は、100mm以下である。このように分流器90と第2ヘッダ内部空間形成部材78とが近接している室外熱交換器15に関して、各部の接合を人手により行う場合には特に作業性が低下し組立性に優れないことが想定されるところ、本実施形態に係る室外熱交換器15では炉中での各部のロウ付け接合が可能に構成されていることから、組立性向上が促進されている。
上記実施形態に係る空調システム1では、室外熱交換器15の機能に関連して、組立性向上が促進されている。
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
上記実施形態では、分流器本体95において、設置状態において下方に面する底面952に、第1細管93の一端が接続される第2開口95bが複数形成されていた。設置状態において本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように第1細管93を分流器本体95に接続する、という観点から、分流器90は係る態様で構成されることが好ましい。しかし、分流器90の構成態様は、必ずしもこれに限定されず、第1細管93が設置状態において本体内部空間SP3から下方向に沿って延びるように、分流器本体95に接続される限り、適宜変更が可能である。例えば、分流器本体95において、設置状態において側方に面する側面に、複数の第2開口95bの一部又は全部が形成されてもよい。
上記実施形態では、分流器本体95において、設置状態において上方に面する天面951に、出入口管91の一端が接続される第1開口95aが形成されていた。設置状態において本体内部空間SP3から上方向に沿って延びるように出入口管91を分流器本体95に接続する、という観点から、分流器90は係る態様で構成されることが好ましい。しかし、分流器90の構成態様は、必ずしもこれに限定されず、出入口管91が設置状態において本体内部空間SP3から上方向に沿って延びるように、分流器本体95に接続される限り、適宜変更が可能である。例えば、分流器本体95において、設置状態において側方に面する側面に、第1開口95aが形成されてもよい。
上記実施形態では、第1細管93は、第2ヘッダ内部空間SP1と1対1に対応し、対応する第2ヘッダ内部空間SP1に接続されていた。しかし、第1細管93と、第2ヘッダ内部空間SP1の対応関係については、矛盾が生じない限り、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。例えば、各第1細管93は、いずれかの第2ヘッダ内部空間SP1と1対多、多対1、又は多対多に対応していてもよい。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、第2ヘッダ内部空間形成部材78は、対応する伝熱管41の一端に接続される風上伝熱管接続開口711と、対応する第1細管93の他端に接続される第1細管接続開口73aと、をそれぞれ形成されており、設置状態で、第1細管接続開口73aの高さ位置が、最下方に位置する風上伝熱管接続開口711の高さ位置以下であった。凝縮器として用いられる際に各パスにおいて液冷媒が滞留することを抑制する、という観点上、室外熱交換器15は係る態様で構成されることが好ましい。しかし、第2ヘッダ内部空間形成部材78において、第1細管接続開口73aの高さ位置が、最下方に位置する風上伝熱管接続開口711の高さ位置以下である必要は必ずしもない。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、設置状態において、本体内部空間SP3は、第1細管93との連通部分の高さh2が、最下方に位置する第2ヘッダ内部空間SP1の上端の高さh3以下に位置していた(図31)。凝縮器として用いられる際に各パスにおいて液冷媒が滞留することを抑制する、という観点上、室外熱交換器15は係る態様で構成されることが好ましい。しかし、設置状態において、本体内部空間SP3は、第1細管93との連通部分の高さh2が、最下方に位置する第2ヘッダ内部空間SP1の上端の高さ位置以下である必要は必ずしもない。
上記実施形態では、第2ヘッダ内部空間SP1を形成する第2ヘッダ内部空間形成部材78(特許請求の範囲記載の「第2分流部」)が複数集まって構成されていると解釈可能な単一の第2ヘッダ管70が、熱交換部40と分流器90の間に配置されていた。
しかし、室外熱交換器15においては、第2ヘッダ内部空間SP1に相当する空間を形成する部材(すなわち、第2ヘッダ内部空間形成部材78に相当する部材)が、第2ヘッダ管70以外に配置されてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器15において10のパスが形成されていた。しかし、室外熱交換器15において形成されるパスの数については設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。例えば、室外熱交換器15においては、11以上のパスが形成されてもよいし、10未満のパスが形成されてもよい。また、第2ヘッダ管70において形成される第2ヘッダ内部空間SP1の数や第1細管93の数についても、パスの数に応じて適宜変更されてもよい。
上記実施形態におけるパスの形成態様については、適宜変更が可能である。例えば、各パスに含まれる伝熱管41の数については、個別に適宜変更が可能である。
上記実施形態では、第10パスRP10が、上側第10パスRP10aと下側第10パスRP10bを含むように形成されていた。しかし、第10パスRP10は、必ずしも係る態様で形成される必要はなく、第10パスRP10において、下側第10パスRP10bについては省略されてもよい。係る場合、第1ヘッダサブ空間S2、第2ヘッダサブ空間SPaや第2細管94等が省略されてもよい。
上記実施形態における室外熱交換器15の各部の配置位置については、適宜変更してもよい。例えば、上記実施形態では、第1ヘッダ管50、ガス側集合管60、第2ヘッダ管70及び分流器90は熱交換部40の一端近傍に配置されるとともに折返しヘッダ80は熱交換部40の他端近傍に配置されたが、第1ヘッダ管50、ガス側集合管60、第2ヘッダ管70及び分流器90が熱交換部40の他端近傍に配置され、折返しヘッダ80が熱交換部40の一端近傍に配置されてもよい。また、例えば、風上側熱交換部40aと風下側熱交換部40bの配置位置を入れ替えてもよい。すなわち、風上側熱交換部40aが風下側(又は内側)に配置され、風下側熱交換部40bが風上側(又は外側)に配置されてもよい。
上記実施形態におけるガス側集合管60については、適宜省略されてもよい。係る場合、例えば、第1ヘッダ管50に第7配管P7が接続されてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器15は、2つの熱交換部40(風上側熱交換部40a及び風下側熱交換部40b)を有していた。しかし、室外熱交換器15の構成態様は、必ずしも係る態様には限定されず、適宜変更が可能である。例えば、室外熱交換器15は、3以上の熱交換部40を有していてもよい。係る場合、各熱交換部40は、室外空気流AFの流れ方向に沿って並べられてもよいし、他の態様で並べられてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器15は、平面視において略U字状又は略C字状を呈するように構成された。すなわち、室外熱交換器15は、熱交換部40が主として室外空気流AFの流れ方向に交差する3面を有するように構成されていた。しかし、室外熱交換器15の構成態様は、必ずしも係る態様には限定されず、適宜変更が可能である。
上記実施形態では、伝熱管41には、複数の流路411が形成されていた。しかし、必ずしもこれに限定されず、単一の流路411を形成された扁平管が伝熱管41として用いられてもよい。また、例えば、円管が伝熱管41として用いられてもよい。
上記実施形態では、熱交換部40は97本の伝熱管41を含んでいた。しかし、熱交換部40に含まれる伝熱管41の本数については適宜変更が可能であり、98本以上であってもよいし、97本未満であってもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器15に含まれる各部がアルミニウム製又はアルミニウム合金製である場合について説明した。しかし、必ずしも室外熱交換器15に含まれる各部の全てがアルミニウム製又はアルミニウム合金製である必要はない。例えば、分流器90以外のいずれかの部分に関しては、他の金属(例えばスチール系等の材料)によって構成されてもよいし、他の素材(例えば樹脂等)によって構成されてもよい。
上記実施形態において室外熱交換器15は、設置状態において、分流器90と第2ヘッダ内部空間形成部材78との平面視での直線距離D1が100mm以下となるように構成されていた。コンパクト性を向上させるという観点によれば、D1が小さい値に設定されることが好ましい。しかし、必ずしもこれに限定されず、分流器90と第2ヘッダ内部空間形成部材78との平面視での直線距離D1の値は、適宜変更が可能である。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の第2開口95bは、間隔を置いて環状に配置されていた。多数の第1細管93が分流器本体95から下方に延びる分流器90を有する熱交換器に関して、隣り合う第1細管93間のクリアランスを確保しつつ多数の第1細管93を密集させるという観点によれば、複数の第2開口95bは係る態様で配置されることが好ましい。しかし、第2開口95bの配置態様に関しては、必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の第1細管93のうち半数以上の第1細管93は、設置状態において、本体内部空間SP3から下方向に沿って延びてから湾曲して分流器本体95に隣接して上方向に沿って延びる上方湾曲管93aであった。この点、上方湾曲管93aの数については、必ずしも上記実施形態におけるものには限定されず、適宜変更が可能である。すなわち、分流器90に含まれる上方湾曲管93aの数については、9本以上であってもよいし8本未満であってもよい。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、ほとんどの上方湾曲管93aは、設置状態において、分流器本体95に隣接して上方向に沿って延びてから、再び湾曲して出入口管91に向かって延び、さらに湾曲して出入口管91に隣接して上方向に沿って延びていた。この点、上方湾曲管93aの構成態様については、必ずしも上記実施形態におけるものには限定されず、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。
上記実施形態に係る室外熱交換器15では、複数の上方湾曲管93aが、設置状態において、平面視で、出入口管91の周方向に間隔を置いて配置されていた。分流器90のコンパクト化という観点によれば、複数の上方湾曲管93aが係る態様で配置されることが好ましい。しかし、上方湾曲管93aの構成態様については、必ずしも上記実施形態におけるものには限定されず、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。
その他、上記実施形態における室外熱交換器15の各部の形成態様(位置、形状、大きさ等)については、必ずしも上記実施形態における態様には限定されず、上記(10−1)に記載の思想に矛盾が生じない限り、設計仕様等に応じて適宜変更が可能である。
上記実施形態における冷媒回路RCの構成態様については、設計仕様や設置環境に応じて適宜変更が可能である。例えば、冷媒回路RCに含まれる機器の一部に代えて/冷媒回路RCに含まれる機器とともに、図1に示されない機器が含まれていてもよい。また、例えば、冷媒回路RCに含まれる機器の一部(例えばアキュームレータ11等)については支障が生じない限り、省略されてもよい。
上記実施形態において、室外熱交換器15は、空気流が側方から流入し上方へ流出する室外ユニット10において適用された。しかし、室外熱交換器15は、他のユニットに適用されてもよい。例えば、室外熱交換器15は、空気流が側方から流入し前面側へ流出するトランク型の室外ユニット10に適用されてもよい。また、例えば、室外熱交換器15は、室内ユニット20において室内熱交換器22として適用されてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器15が、空調システム1に適用される場合について説明した。しかし、室外熱交換器15は、他の冷凍装置(給湯装置やヒートポンプチラー等)にも適用可能である。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10 :室外ユニット
12 :圧縮機
15 :室外熱交換器(熱交換器)
18 :室外ファン
20 :室内ユニット
30 :室外ユニットケーシング
40 :熱交換部
40a :風上側熱交換部
40b :風下側熱交換部
41 :伝熱管
41a :風上側伝熱管
41b :風下側伝熱管
42 :伝熱フィン
50 :第1ヘッダ管
51 :風下伝熱管側部材
52 :第1ヘッダ仕切部材
53 :集合管側部材
54 :第1仕切板
55 :第2仕切板
60 :ガス側集合管
61 :接続管
62 :結束バンド
70 :第2ヘッダ管
71 :風上伝熱管側部材
72 :第2ヘッダ仕切部材
72a :第1連通開口
72b :第2連通開口
73 :分流器側部材
73a :第1細管接続開口(第2接続口)
74、74a:仕切板
75 :整流板
75a :第3連通開口
78 :第2ヘッダ内部空間形成部材(第2分流部)
80 :折返しヘッダ
81 :風上側開口
82 :風下側開口
88 :折返し空間形成部材
90 :分流器(第1分流部)
91 :出入口管(第1管)
93 :第1細管(第2管)
93a :上方湾曲管
94 :第2細管
95 :分流器本体(本体部)
95a :第1開口(第1差込口)
95b :第2開口(第2差込口)
100 :治具
411 :流路
511 :風下伝熱管接続開口
711 :風上伝熱管接続開口(第1接続口)
951 :天面
952 :底面
953 :当接部
AF :室外空気流
P1―P9 :第1配管−第9配管
RC :冷媒回路
RP1―RP10:第1パス−第10パス
RP10a :上側第10パス
RP10b :下側第10パス
S1 :第1ヘッダメイン空間
S2 :第1ヘッダサブ空間
SPa :第2ヘッダサブ空間
SP1 :第2ヘッダ内部空間(第2空間)
SP2 :折返し空間
SP3 :本体内部空間(第1空間)
Claims (11)
- 設置状態において鉛直方向に沿って並ぶ複数の伝熱管(41)を含む熱交換部(40)と、
冷媒が出入りする第1管(91)と、前記第1管よりも前記熱交換部側の冷媒流路を形成する複数の第2管(93)と、前記第1管の一端及び各前記第2管の一端に連通し前記第1管及び前記第2管の一方から流出した冷媒を他方へ流入させる第1空間(SP3)を内部に形成された本体部(95)と、を有する第1分流部(90)と、
を備え、
前記第1管は、設置状態において、前記第1空間から上方向に沿って延びるように前記本体部に一端が接続され、
6本以上の前記第2管は、設置状態において、前記第1空間から下方向に沿って延びるように前記本体部に一端が接続され、
複数の前記第2管のうち半数以上の前記第2管は、設置状態において、前記第1空間から下方向に沿って延びてから湾曲して前記本体部に隣接して上方向に沿って延びる上方湾曲管(93a)であり、
前記上方湾曲管は、設置状態において、前記本体部に隣接して上方向に沿って延びてから、再び湾曲して前記第1管に向かって延び、さらに湾曲して前記第1管に隣接して上方向に沿って延びる、
熱交換器(15)。 - 前記第1分流部は、前記本体部と各前記第2管とが炉中でロウ付けされることで構成されている、
請求項1に記載の熱交換器(15)。 - 前記本体部は、炉中に移動する際に支えられる治具(100)と当接する当接部(953)を有する、
請求項2に記載の熱交換器(15)。 - 前記本体部は、設置状態において上方に面する天面(951)に第1差込口(95a)を形成され、
前記第1差込口において前記第1管の一端が接続される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器(15)。 - 前記本体部は、設置状態において下方に面する底面(952)に第2差込口(95b)を複数形成され、
各前記第2差込口において対応する前記第2管の一端が接続される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換器(15)。 - 複数の前記第2差込口は、間隔を置いて環状に配置されている、
請求項5に記載の熱交換器(15)。 - 複数の前記上方湾曲管が、設置状態において平面視で前記第1管の周方向に間隔を置いて配置されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の熱交換器(15)。 - 前記熱交換部と前記第1分流部の間の冷媒流路を形成し、対応する前記伝熱管の一端に連通するとともに対応する前記第2管の他端に連通し対応する前記伝熱管及び前記第2管の一方から流出する冷媒を他方へ流入させる第2空間(SP1)を内部に形成された複数の第2分流部(78)をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換器(15)。 - 前記第2分流部は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である、
請求項8に記載の熱交換器(15)。 - 設置状態において、前記第1分流部と前記第2分流部との平面視での直線距離(D1)は100mm以下である、
請求項8又は9に記載の熱交換器(15)。 - 冷媒を圧縮する圧縮機(12)と、
請求項1から10のいずれか1項に記載の熱交換器(15)と、を備える、
冷凍装置(1)。
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