JP6693436B2 - ガスセンサの製造用加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、センサ素子の中間体を外部から加熱する製造用加熱装置に関する。
ガスセンサは、内燃機関の排気系統の配管内に配置され、配管内を流れる排ガス中の酸素濃度の変化等を利用して、ガス検出を行うものである。ガスセンサには、内燃機関から排気される排ガスの酸素濃度を検出する用途、排ガスから求められる内燃機関の空燃比を検出する用途、排ガスから求められる内燃機関の空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるか燃料リーン側にあるかを検出する用途、NOx等の特定ガス成分を検出する用途等がある。
ガスセンサは、電極が両表面に設けられた固体電解質体によるセンサ素子を有する。センサ素子には、センサ素子をセンサ活性温度に加熱するためのヒータが配置されることが多い。ヒータは、有底円筒状のセンサ素子の内側に配置される場合、板状のセンサ素子に積層される場合等がある。また、例えば、二輪自動車の内燃機関に採用されるガスセンサにおいては、ヒータが配置されないセンサ素子が用いられることがある。
センサ素子を製造する際には、電極を焼結させるための加熱、電極の熱処理のための加熱、電極の表面を覆う多孔質セラミック層を乾燥又は焼結させるための加熱等が行われる。そして、製造完了前のセンサ素子の中間体を加熱炉内に配置し、熱放射又は対流によって中間体を加熱している。また、センサ素子の中間体の内側又は周辺に、通電時のジュール熱によって発熱するヒータを配置し、このヒータを発熱させて、ヒータからの熱伝導等によって中間体を加熱することもある。
センサ素子の中間体を加熱するものではないが、ガスセンサを製造する際に、センサ素子が保持される主体金具を加熱するものとしては、特許文献1のガスセンサの製造方法に記載されたコイルがある。このコイルは、センサ素子及び主体金具が組み付けられた組付体の周囲に配置して通電することにより、主体金具に付着する油分を除去するものである。
また、ガスセンサの使用時にセンサ素子を加熱するものとしては、特許文献2のガスセンサに記載された誘導コイルがある。この誘導コイルは、センサ素子を覆うカバーの内周面に配置されており、通電を行ったときに固体電解質体に設けられた電極を発熱させて、センサ素子を迅速にセンサ活性温度に加熱するものである。
特開2016−53498号公報 特開2006−105768号公報
センサ素子の中間体を加熱する際に、加熱炉を用いる場合には、熱放射又は対流によって加熱が行われる。そのため、中間体の温度が目標温度に加熱されるまでの加熱時間が長くなるといった課題がある。その結果、センサ素子の生産性を向上させることができない。
また、センサ素子の中間体を加熱する際に、通電によって発熱するヒータを使用する場合には、熱伝導、熱放射等によって加熱が行われる。そのため、電極の全体が均一に加熱されにくいといった課題がある。その結果、必要な性能を有するセンサ素子が得られないおそれがある。
特許文献1に記載されたコイルは、主体金具を加熱するものであり、センサ素子の中間体の加熱に用いるものではない。また、特許文献2に記載された誘導コイルは、ガスセンサの使用時にセンサ素子を加熱するものであり、センサ素子の中間体の加熱に用いるものではない。従って、センサ素子の中間体を加熱する際に、電極又は多孔質セラミック層の全体を、できるだけ均一にかつ短時間で加熱するためには、更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、必要な性能を有するセンサ素子を、精度よくかつ短時間で得ることができるガスセンサの製造用加熱装置を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、内燃機関の排ガス(G)におけるガス検出を行うガスセンサ(4)に用いられ、固体電解質体(51)に外側電極(52A)及び内側電極(52B)が設けられたセンサ素子(5)の製造時に使用され、
前記ガスセンサの制御装置(40)とは別の通電制御ユニット(2)によって制御されて、前記センサ素子の中間体(50)を加熱する製造用加熱装置(1)であって、
前記通電制御ユニットと、
前記中間体の周りに螺旋状に配置され、前記通電制御ユニットによる通電及び通電の遮断を受けて生じる電磁誘導によって前記中間体における前記外側電極及び前記内側電極を発熱させる誘導加熱コイル(3)と、
前記センサ素子の前記中間体を保持する治具(11)と、
前記誘導加熱コイルの両端部(32)を支持し、前記治具との間の位置決めを行う加熱ヘッド(21)とを備える、ガスセンサの製造用加熱装置にある。
前記ガスセンサの製造用加熱装置は、センサ素子の中間体を加熱して、センサ素子を製造するために用いられる。製造用加熱装置は、通電制御ユニットと、中間体の周りに螺旋状に配置される誘導加熱コイルとを備える。通電制御ユニットによって、中間体の周りに配置された誘導加熱コイルが通電されるときには、電磁誘導によって中間体における電極に渦電流が生じ、この渦電流によって電極が自己発熱する。これにより、電極の全体が極力均一に短時間で加熱され、これに伴い、電極の周辺も極力均一に短時間で加熱される。
そして、電極を焼結させるとき、電極の熱処理を行うとき、電極の表面を覆う多孔質セラミック層を乾燥又は焼結させるとき等において、中間体の電極の全体を極力均一に短時間で加熱することができ、必要な性能を有するセンサ素子を精度よく得ることができる。
それ故、前記ガスセンサの製造用加熱装置によれば、必要な性能を有するセンサ素子を、精度よくかつ短時間で得ることができる。
なお、ガスセンサによる「ガス検出」が示す内容は、内燃機関から排気される排ガスの酸素濃度を検出すること、排ガスから求められる内燃機関の空燃比を検出すること、排ガスから求められる内燃機関の空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるか燃料リーン側にあるかを検出すること、NOx等の特定ガス成分の濃度を検出すること等を含む。
また、「製造用加熱装置」は、ガスセンサに内蔵された、加熱装置としてのヒータとは異なる。「ガスセンサの制御装置」は、ガスセンサによってガス検出を行う際に用いられる制御装置のことを示し、「通電制御ユニット」は、センサ素子を製造する際に用いられる制御装置のことを示す。「中間体における電極」には、焼結前の電極及び焼結後の電極のいずれも含まれる。
また、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
また、ガスセンサの製造用加熱装置を用いることによって、次のガスセンサの製造方法を実現することができる。
製造方法の発明の一態様としては、固体電解質体の両表面に電極がそれぞれ設けられ、内燃機関の排ガスにおけるガス検出を行うガスセンサに用いられるセンサ素子を製造するに当たり、
前記固体電解質体の両表面に、電極を形成するための電極材料を配置する電極材料配置工程と、
前記センサ素子の中間体の周りに螺旋状に配置される誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに通電を行う通電制御ユニットとを用い、前記通電制御ユニットから前記誘導加熱コイルへの通電及び通電の遮断を受けて生じる電磁誘導によって前記電極材料を発熱させて、前記電極材料から前記電極を形成する電極形成工程と、を含む、ガスセンサの製造方法がある。
また、製造方法の発明の他の態様としては、固体電解質体の両表面に電極がそれぞれ設けられ、かついずれかの外側電極の表面が多孔質セラミック層によって覆われ、内燃機関の排ガスにおけるガス検出を行うガスセンサに用いられるセンサ素子を製造するに当たり、
前記外側電極の表面を含む前記センサ素子の中間体の表面に、前記多孔質セラミック層を形成するためのセラミック材料を配置するセラミック材料配置工程と、
前記中間体の周りに螺旋状に配置される誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに通電を行う通電制御ユニットとを用い、前記通電制御ユニットから前記誘導加熱コイルへの通電及び通電の遮断を受けて生じる電磁誘導によって前記外側電極を発熱させ、前記外側電極から前記セラミック材料への熱伝導によって前記セラミック材料から前記多孔質セラミック層を形成するセラミック層形成工程と、を含む、ガスセンサの製造方法がある。
実施形態1にかかる、製造用加熱装置を示す説明図。 実施形態1にかかる、センサ素子の中間体及び誘導加熱コイルの周辺を拡大して示す断面図。 実施形態1にかかる、ガスセンサを示す断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子の製造方法を示すフローチャート。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子の製造方法を示すフローチャート。 実施形態1にかかる、センサ素子の中間体及び誘導加熱コイルの周辺を拡大して示す断面図。 実施形態1にかかる、実施品、比較品1及び比較品2の加熱装置によって中間体を目標温度に加熱するときの中間体の温度の変化を簡易的に示すグラフ。 実施形態2にかかる、製造用加熱装置を示す説明図。 実施形態2にかかる、焼結前後における一対の電極間の電気抵抗の違いを示すグラフ。 実施形態2にかかる、断線の有無に応じた一対の電極間の電気抵抗の違いを示すグラフ。 実施形態3にかかる、製造用加熱装置を示す説明図。 実施形態4にかかる、製造用加熱装置を示す説明図。 実施形態5にかかる、製造用加熱装置を示す説明図。 実施形態5にかかる、センサ素子の中間体及び誘導加熱コイルの周辺を示す説明図。
前述したガスセンサの製造用加熱装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ4の製造用加熱装置1は、図1に示すように、ガスセンサ4に用いられるセンサ素子5を製造する際に用いられる。図3及び図4に示すように、ガスセンサ4は、内燃機関の排ガスGにおけるガス検出を行うものであり、センサ素子5は、固体電解質体51の両表面に電極52A,52Bがそれぞれ設けられたものである。製造用加熱装置1は、図1及び図2に示すように、センサ素子5の製造時に、完成体となる前のセンサ素子5の中間体50を加熱するものである。製造用加熱装置1は、ガスセンサ4の制御装置40とは別に設けられた通電制御ユニット2と、中間体50の周りに螺旋状に配置され、通電制御ユニット2による通電及び通電の遮断を受けて生じる電磁誘導によって中間体50における電極52A,52Bを発熱させる誘導加熱コイル3とを備える。
以下に、本形態のガスセンサ4の製造用加熱装置1について詳説する。
本形態の製造用加熱装置1は、センサ素子5の製造時に用いられ、ガスセンサ4の使用時にセンサ素子5を加熱する用途には用いられない。製造用加熱装置1は、センサ素子5の製造時においてガスセンサ4と独立して動作する。本形態のガスセンサ4は、図3に示すように、センサ素子5を加熱するためのヒータを有しないヒータレスタイプのものであり、ヒータによってセンサ素子5を加熱することはできないものである。なお、製造用加熱装置1は、ヒータを内蔵するガスセンサ4に用いられるセンサ素子5を製造する際に使用してもよい。
センサ素子5の中間体50は、センサ素子5の製造が完了する前の状態のものとする。センサ素子5の中間体50としては、固体電解質体51の両表面に焼結前の電極52A,52Bが設けられた状態のもの、固体電解質体51の両表面に熱処理前の電極52A,52Bが設けられた状態のもの、固体電解質体51の外側電極52Aの表面に乾燥前又は焼結前の多孔質セラミック層53が設けられた状態のもの等がある。そして、製造用加熱装置1によって、中間体50の電極52A,52Bが発熱したときには、電極52A,52Bの焼結もしくは熱処理、又は多孔質セラミック層53の乾燥もしくは焼結を行うことができる。
図1に示すように、製造用加熱装置1によって加熱する、センサ素子5の中間体50は、電極52A,52Bが設けられた固体電解質体51の単体とすることができる。また、図11に示すように、中間体50は、電極52A,52Bが設けられた固体電解質体51であって、ガスセンサ4の各部品に組み付けられた状態のものとすることもできる。ただし、中間体50が組み付けられたガスセンサ4の各部品は、後述する素子用カバー44が取り外された状態のものとする。
本形態のガスセンサ4は、ヒータを内蔵しないヒータレスタイプのものであり、二輪自動車に搭載されるものである。ガスセンサ4は、二輪自動車における内燃機関の排気系統の配管に配置され、配管を流れる排ガスGにおけるガス検出を行うものである。本形態のガスセンサ4は、排ガスG中の酸素を検出し、排ガスGから求められる内燃機関の空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるか燃料リーン側にあるかを検出するものである。なお、ガスセンサ4は、排ガスGから求められる内燃機関の空燃比を検出するもの、又はNOx等の特定ガス成分の濃度を検出するものとしてもよい。
(センサ素子5)
図4に示すように、センサ素子5の固体電解質体51は、有底円筒形状に形成されており、円筒部511と円筒部511の先端側を閉塞する半球状の底部512とを有する。電極52A,52Bには、固体電解質体51の外周面に設けられ、排ガスGが接触する外側電極52Aと、固体電解質体51の内周面に設けられ、大気Aが接触する内側電極52Bとがある。
図3及び図4に示すように、外側電極52Aは、固体電解質体51の円筒部511の外周面における、底部512の近傍に位置する底側位置に設けられている。内側電極52Bは、固体電解質体51の円筒部511の内周面における全体に設けられている。センサ素子5の検出部501は、固体電解質体51を介して外側電極52Aと内側電極52Bとが対向する部位として形成されている。固体電解質体51の円筒部511の外周面には、円筒部511の軸線方向Lに平行な状態で外側電極52Aに繋がる電極リード部521が形成されている。電極リード部521は、外側電極52Aには含まれないこととする。
固体電解質体51は、酸化物イオン(O2-)を透過させる性質を有するジルコニア材料から構成されている。ジルコニア材料は、ジルコニアを主成分とする種々の材料によって構成することができる。ジルコニア材料には、希土類金属元素もしくはアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアを用いることができる。外側電極52A及び内側電極52Bは、酸素に対して反応する酸素活性触媒としての白金と、固体電解質体51との共材となるジルコニア材料とを含有する。
図4に示すように、外側電極52Aの表面には、外側電極52Aを覆い、水及び被毒物質の透過を阻止して外側電極52Aを保護するための多孔質セラミック層53が設けられている。多孔質セラミック層53は、外側電極52Aを含む、固体電解質体51の円筒部511の底側位置及び底部512の全周に設けられている。多孔質セラミック層53は、アルミナ等のセラミック材料の多孔質体によって形成されている。
(ガスセンサ4)
図3に示すように、ガスセンサ4は、センサ素子5の他に、センサ素子5を保持するハウジング41、センサ素子5の各電極52A,52Bに電気的に接続された接続端子42及びリード線43、センサ素子5の検出部501を覆う素子用カバー44、接続端子42及びリード線43の一部を覆う端子用カバー45等を備える。接続端子42には、外側電極52Aの電極リード部521に外周側から接触するものと、内側電極52Bに内周側から接触するものとがある。
素子用カバー44には、排ガスGが通過する貫通孔441が設けられている。排気系統の配管内を流れる排ガスGは、貫通孔441を通って素子用カバー44内に流入し、センサ素子5の検出部501における多孔質セラミック層53及び外側電極52Aへ導かれる。また、端子用カバー45には、大気Aが通過する貫通孔451が設けられており、貫通孔451には、端子用カバー45内に水が入ることを防止するシート452が対向して配置されている。排気系統の配管の外部に存在する大気Aは、貫通孔451を通って端子用カバー45内に流入し、センサ素子5の検出部501における内側電極52Bへ導かれる。
(誘導加熱コイル3)
図1及び図2に示すように、誘導加熱コイル3の螺旋状部31は、有底円筒形状の固体電解質体51の円形断面形状に合わせて、円形状に形成されている。誘導加熱コイル3は、固体電解質体51の円筒部511の全周に設けられた外側電極52Aの全周に対向して配置される。誘導加熱コイル3は、外側電極52Aの全体と、外側電極52Aに固体電解質体51を介して対向する内側電極52Bの部分とを発熱させるよう構成されている。誘導加熱コイル3を構成する導体301は、冷媒Cを通過させる冷媒流路302を内部に有する中空形状に形成されている。
誘導加熱コイル3が通電されるときには、誘導加熱コイル3はジュール熱によって発熱する。そこで、冷媒流路302を有する導体301を用いて誘導加熱コイル3を形成することにより、冷媒流路302に流れる冷媒Cによって誘導加熱コイル3を冷却し、誘導加熱コイル3が溶断することを防止することができる。これにより、誘導加熱コイル3によって、中間体50における電極52A,52Bが400〜1000℃の高温になるまで、電極52A,52Bを発熱させることができる。
誘導加熱コイル3は、円環状断面を有する導体301が螺旋状に巻かれて形成されたものである。誘導加熱コイル3における螺旋状部31の軸線方向Lの長さは、外側電極52Aの軸線方向Lの長さよりも長い。この構成により、誘導加熱コイル3によって外側電極52Aの全体を効果的に発熱させることができる。そして、誘導加熱コイル3の中心部には、外側電極52Aの軸線方向Lの全体が配置される。螺旋状部31の軸線方向Lとは、螺旋状部31の円中心を通る中心軸線が伸びる方向のことをいう。
図2に示すように、誘導加熱コイル3を構成する導体301の外径は、φ1.5〜3mmの範囲内にあり、冷媒流路302の内径は、誘導加熱コイル3の外径よりも小さく、φ1〜2.5mmの範囲内にある。この構成により、センサ素子5の中間体50を加熱するために最適な誘導加熱コイル3を形成することができ、中間体50における電極52A,52Bを400〜1000℃の高温に加熱することが容易である。
導体301の外径がφ1.5mm未満である場合、又は冷媒流路302の内径がφ1mm未満である場合には、冷媒流路302の断面積が小さくなり、冷媒流路302を形成することが難しくなる。導体301の外径がφ3mm超過の場合、又は冷媒流路302の内径がφ2.5mm超過である場合には、センサ素子5に対して導体301及び冷媒流路302が相対的に大きくなり、外側電極52Aに対向させる導体301の巻き数を増やすことができなくなる。
また、誘導加熱コイル3は、その中心軸線を中心とする径方向に導体301が1層巻の状態で配置され、導体301が螺旋状に3巻以上巻かれて形成されている。誘導加熱コイル3における導体301の巻き数は、例えば、10巻以下とすることができる。また、誘導加熱コイル3を構成する導体301同士の間には、導体301同士の間の十分な絶縁性を確保するための隙間が形成されている。
図1に示すように、誘導加熱コイル3の両端部32は、加熱ヘッド21に支持されている。加熱ヘッド21は、センサ素子5の中間体50を保持する治具11との間の位置決めができるよう構成されている。加熱ヘッド21と治具11との位置決めにより、センサ素子5の中間体50と誘導加熱コイル3との位置決めを行い、中間体50中心軸線が誘導加熱コイル3の中心軸線と一致するようにする。
図2に示すように、中間体50の中心軸線と誘導加熱コイル3の中心軸線とが一致するときには、中間体50の最も外周側の表面と、誘導加熱コイル3の内周側位置との間に形成される隙間Sが2mm以下になるようにしている。中間体50の最も外周側の表面は、多孔質セラミック層53が形成される前の中間体50を加熱するときには、外側電極52Aの表面とすることができ、多孔質セラミック層53が形成された後の中間体50を加熱するときには、多孔質セラミック層53の表面とすることができる。
(通電制御ユニット2)
図1に示すように、本形態の通電制御ユニット2は、誘導加熱コイル3の冷媒流路302に冷媒Cを循環させる冷却チラー22と、中間体50の底部512の温度を測定する温度計24と、誘導加熱コイル3へ交流電圧(又は交流電流)を印加するコントローラ23と、冷却チラー22及びコントローラ23へ電力を供給する電源(図示略)とを備える。冷媒Cは、冷却チラー22から加熱ヘッド21を経由して誘導加熱コイル3へ供給され、誘導加熱コイル3から加熱ヘッド21を経由して冷却チラー22へ回収される。コントローラ23によって発生させる交流電圧は、正弦波、パルス波等の電圧波形を有するものとする。
冷却チラー22は、誘導加熱コイル3の冷媒流路302に循環させる冷媒Cを冷却する機能を有する。温度計24は、センサ素子5の中間体50からの電磁波の移動による熱放射(熱輻射)を非接触で測定する放射温度計とする。センサ素子5の中間体50の周りに誘導加熱コイル3が配置された状態において、中間体50の底部512の先端には、誘導加熱コイル3の一部が対向しない。そこで、温度計24は、中間体50の底部512の先端に対向して配置し、底部512の先端からの熱放射による温度を非接触で測定する。
コントローラ23は、コンピュータを用いて構成されている。コントローラ23は、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅及び周波数を調整する機能、誘導加熱コイル3によって加熱対象である中間体50を加熱する目標温度及び電圧印加時間を設定する機能、加熱対象である中間体50の温度を監視する機能、中間体50の温度が目標温度になるようフィードバック制御を行う機能等を有している。コントローラ23においては、目標温度の設定、交流電圧の振幅、周波数及び印加時間の設定等が可能である。
図1に示すように、冷却チラー22、加熱ヘッド21及び温度計24は、コントローラ23に接続されている。温度計24によって測定される中間体50の底部512の温度はコントローラ23に送信される。誘導加熱コイル3の両端部32は、加熱ヘッド21を介してコントローラ23に接続されている。そして、コントローラ23によって誘導加熱コイル3に交流電圧が印加される。
コントローラ23は、温度計24による測定温度が目標温度になるよう、誘導加熱コイル3に印加する交流電圧の振幅(大きさ)及び周波数を調整するよう構成されている。この構成により、中間体50における電極52A,52Bの温度が適切な温度になるよう制御することができる。そのため、ガス検出を行うために必要な性能を有するセンサ素子5を精度よく得ることができる。
目標温度は、センサ素子5の中間体50における電極52A,52Bを焼結する場合、センサ素子5の中間体50における電極52A,52Bの熱処理を行う場合、センサ素子5の中間体50の外周面に配置された多孔質セラミック層53の乾燥又は焼結を行う場合等の各製造場面に応じて、適切な温度に設定する。
なお、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅及び周波数と、誘導加熱コイル3によって加熱される中間体50の温度との関係が分かる場合等には、温度計24は使用しなくてもよい。この場合には、中間体50の温度は測定せず、コントローラ23は、フィードフォワード制御によって中間体50を目標とする温度に加熱することができる。
次に、製造用加熱装置1を用いてガスセンサ4のセンサ素子5を製造する方法について説明する。
(電極52A,52Bの形成)
まず、固体電解質体51の表面に電極52A,52Bを形成する場合について説明する。電極52A,52Bを形成するに当たっては、図5に示すように、電極材料配置工程S1及び電極形成工程S2を行って電極52A,52Bを形成する。電極材料配置工程S1においては、固体電解質体51の両表面に、電極52A,52Bを形成するための電極材料を配置する。電極材料は、電極52A,52Bを構成する白金等の貴金属粒子、固体電解質粒子及び溶媒等を含有するものとする。なお、電極材料は、貴金属のめっき処理を行うためのめっき材料としてもよい。
次いで、電極形成工程S2においては、図1に示すように、固体電解質体51に電極材料が配置された、センサ素子5の中間体50を、誘導加熱コイル3の螺旋状部31の内側に配置する。このとき、中間体50の中心軸線を、螺旋状部31の中心軸線と一致させる。また、中間体50の底部512の先端に対向する位置に温度計24を配置する。また、コントローラ23においては、電極材料を加熱する目標温度、誘導加熱コイル3に印加する交流電圧の振幅、周波数、印加時間等を設定する。
次いで、図2に示すように、コントローラ23は、誘導加熱コイル3に交流電圧を印加するとともに、冷却チラー22を動作させて、誘導加熱コイル3の冷媒流路302に冷媒Cを循環させる。誘導加熱コイル3の螺旋状部31に交流電圧が印加されるときには、通電及び通電の遮断を受けて、誘導加熱コイル3の内周側を貫通する磁界Mが生じる。そして、中間体50の電極材料においては、磁界Mを打ち消すための渦電流が生じ、この渦電流の発生によって電極材料が自己発熱する。これにより、外側電極52Aの電極材料の全体、及び外側電極52Aに対向する内側電極52Bの部分における電極材料の全体が極力均一に加熱される。
また、中間体50における底部512の先端の温度は、温度計24によって測定されており、コントローラ23は、温度計24によって測定される温度が目標温度になるよう、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅及び周波数を調整する。そして、このコントローラ23による調整は、設定された印加時間の間行われる。なお、目標温度は、中間体50の加熱としての電極材料の発熱が行われる間に、適宜変更することもできる。こうして、固体電解質体51の表面に配置された電極材料が焼結し、固体電解質体51の表面に電極52A,52Bが形成される。
また、誘導加熱コイル3による中間体50の加熱は、固体電解質体51の表面に設けられた電極52A,52Bの熱処理をするために行うこともできる。この場合にも、電極52A,52Bの焼結を行った場合と同様に、誘導加熱コイル3によって電極52A,52Bが自己発熱する。
(多孔質セラミック層53の形成)
次に、外側電極52Aの表面に多孔質セラミック層53を形成する場合について説明する。多孔質セラミック層53を形成するに当たっては、図6に示すように、セラミック材料配置工程S3及びセラミック層形成工程S4を行って多孔質セラミック層53を形成する。セラミック材料配置工程S3においては、外側電極52Aの表面を含むセンサ素子5の中間体50の表面に、多孔質セラミック層53を形成するためのセラミック材料を配置する。セラミック材料は、アルミナ等のセラミック粒子、多数の孔を形成するための揮発剤、溶媒等を含有するスラリー状のものとする。
次いで、セラミック層形成工程S4においては、図7に示すように、固体電解質体51及び電極52A,52Bにセラミック材料が配置された、センサ素子5の中間体50を、誘導加熱コイル3の螺旋状部31の内側に配置する。そして、電極52A,52Bを形成する場合と同様にして、冷却チラー22の冷媒Cによって誘導加熱コイル3を冷却しつつ、誘導加熱コイル3によって電極52A,52Bを発熱させる。また、コントローラ23によって、温度計24によって測定する中間体50の温度が目標温度になるよう、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅及び周波数が調整される。
誘導加熱コイル3の電磁誘導によって外側電極52A及び内側電極52Bが発熱するときには、外側電極52A及び内側電極52Bからの熱伝導によってセラミック材料が加熱される。そして、セラミック材料が乾燥・固化して、多孔質セラミック層53が形成される。このとき、セラミック材料は、外側電極52Aと接する内側部分が先に加熱されて乾燥・固化し、内側部分から外側部分に向けて順次熱伝導によって加熱されて乾燥・固化していく。セラミック材料が加熱されるときには、セラミック材料に含まれる水等の溶媒が蒸発することによってセラミック材料の内部圧力が上昇する。
そして、セラミック材料の外側部分が乾燥・固化するときに、セラミック材料の外側部分が乾燥して固化していないことにより、セラミック材料の内側部分において生じた内部圧力を外側部分へ逃がすことができる。これにより、セラミック材料の内側部分に内部圧力が残留しにくく、セラミック材料から形成する多孔質セラミック層53に、突沸による割れが生じにくくすることができる。
一方、製造用加熱装置1ではなく、熱放射、熱伝導、対流等による加熱を行う従来の加熱装置を用いてセラミック材料を加熱する場合には、セラミック材料は、外側部分から先に乾燥・固化し、外側部分から内側部分に向けて順次熱伝導によって加熱されて乾燥・固化していく。この場合には、セラミック材料の内側部分に溶媒が残留したままセラミック材料の外側部分が乾燥・固化することになり、内側部分の冷媒Cが蒸発するときに、内側部分の内部圧力が上昇する。そのため、セラミック材料から形成する多孔質セラミック層53に、突沸による割れが生じるおそれがある。
図8は、誘導加熱を利用する製造用加熱装置1(実施品)、ジュール熱を利用する加熱装置(比較品1)、及び加熱炉を利用する加熱装置(比較品2)によって中間体50を目標温度に加熱するときの中間体50の温度の変化を簡易的に示す。中間体50の温度は、中間体50を構成する固体電解質体51の底部512の先端の温度とする。比較品1においては、加熱装置の一部を中間体50に接触させた場合について示す。
誘導加熱を利用する実施品によれば、ジュール熱を利用する比較品1に比べて、中間体50を目標温度に加熱する時間を短縮することができる。実施品においては、外側電極52Aの全体、及び内側電極52Bにおける、外側電極52Aとの対向部位の全体が自己発熱する。そのため、各電極52A,52Bから固体電解質体51の底部512への伝熱量が多くなり、加熱時間が短くなると考える。また、外側電極52Aの全体、及び内側電極52Bにおける、外側電極52Aとの対向部位の全体を略均一に発熱させることができる。
比較品1において、中間体50と加熱装置とが接触している場合には、加熱装置からの熱伝導によって中間体50が加熱される。この熱伝導は、電極52A,52B又は固体電解質体51の一部から全体に局所的に行われるため、加熱時間が長くなる。また、外側電極52Aの全体、及び内側電極52Bにおける、外側電極52Aとの対向部位の全体を均一に加熱することは困難である。
比較品1において、中間体50と加熱装置とが接触していない場合には、加熱装置からの熱放射によって中間体50が加熱される。この場合には、熱放射によって熱が電磁波によって運ばれるため、加熱時間が長くなる。また、比較品2においても、熱放射又は対流によって中間体50を加熱するため、加熱時間が著しく長くなる。
このように、本形態のガスセンサ4の製造用加熱装置1においては、中間体50における外側電極52Aの全体、及び内側電極52Bにおける、外側電極52Aとの対向部位の全体を略均一に短時間で加熱することができる。これにより、目標とする状態の外側電極52A又は多孔質セラミック層53を形成することができ、必要な性能を有するセンサ素子5を精度よく得ることができる。
それ故、本形態の製造用加熱装置1によれば、必要な性能を有するセンサ素子5を、精度よくかつ短時間で得ることができる。
<実施形態2>
本形態のガスセンサ4の製造用加熱装置1においては、通電制御ユニット2の構成が実施形態1に示す通電制御ユニット2の構成と異なる。本形態の通電制御ユニット2は、図9に示すように、センサ素子5の中間体50における、固体電解質体51を介する外側電極52Aと内側電極52Bとの間の電気抵抗を検出する抵抗検出部25と、誘導加熱コイル3へ交流電圧を印加するコントローラ23とを備える。コントローラ23は、誘導加熱コイル3への通電を開始し、抵抗検出部25による電気抵抗が所定の閾値以下になったことを検知して誘導加熱コイル3への通電を終了するよう構成されている。
抵抗検出部25は、有底円筒形状の固体電解質体51の外側電極52Aに繋がる電極リード部521と、内側電極52Bにおける、底側とは反対側の開口側の端部とに接続される。本形態においても、実施形態1の場合と同様に、誘導加熱コイル3は加熱ヘッド21に支持され、通電制御ユニット2は、冷却チラー22及び電源を有する。コントローラ23においては、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅、周波数及び印加時間等が設定される。
固体電解質体51を介する外側電極52Aと内側電極52Bとの間の電気抵抗には、外側電極52A及び内側電極52Bの内部抵抗、固体電解質体51の内部抵抗、外側電極52A及び内側電極52Bと固体電解質体51との間の界面抵抗等が含まれる。この電気抵抗は、図10及び図11に示すように、固体電解質体51の温度に比例し、固体電解質体51の温度が高いほど低くなる。同各図においては、固体電解質体51が室温(20℃)から400℃に加熱され、その後400℃に維持されるときの電気抵抗の変化を示す。
本形態においては、図10に示すように、センサ素子5の中間体50における一対の電極52A,52Bの焼結を行う際に、一対の電極52A,52Bの間に任意の電流を流して電気抵抗を測定することにより、一対の電極52A,52Bの焼結が正常に行われたか否かを確認する。焼結が行われていない一対の電極52A,52Bの間の電気抵抗は、焼結が行われた一対の電極52A,52Bの間の電気抵抗に比べて高い。そこで、焼結が行われた一対の電極52A,52Bの間の電気抵抗に余裕率を加味して、焼結前又は焼結後の判別をするための閾値を設定する。なお、電気抵抗は、電圧、電流等の変化を測定し、電圧、電流等の変化に基づいて求めることができる。
本形態においても、誘導加熱コイル3への通電は、設定した印加時間が経過するまで行う。そして、この印加時間が経過したときには、電極52A,52Bの焼結が正常に行われたかを確認するために、抵抗検出部25によって一対の電極52A,52Bの間の電気抵抗を測定する。この電気抵抗が、焼結の完了を示す閾値以下である場合には、焼結が正常に行われたとして、誘導加熱コイル3への通電を終了する。一方、電気抵抗が、焼結の完了を示す閾値以下でない場合には、焼結がまだ完了していないとして、誘導加熱コイル3への通電を継続する。そして、電気抵抗が閾値以下となったときに通電を終了する。こうして、本形態においては、電極52A,52Bの焼結が正常に行われたか否かを確認することができ、センサ素子5の製造の精度を高めることができる。
また、図11に示すように、固体電解質体51が400℃に維持される状態において、一対の電極52A,52Bの間に部分的な断線又は完全な断線がある場合の電気抵抗は、断線が生じていない場合の電気抵抗に比べて高くなる。そのため、印加時間よりも長い予備時間を経過しても、電気抵抗が閾値以下にならない場合には、一対の電極52A,52Bの間に断線が生じていることを推定することができる。なお、断線は、電極52A,52Bの剥離、電極52A,52Bが薄くなったことによるかすれ、固体電解質体51の欠け、割れ等によって生じる。
本実施形態においても、製造用加熱装置1のその他の構成及び実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。そして、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
<実施形態3>
本形態のガスセンサ4の製造用加熱装置1は、誘導加熱コイル3に通電を行う機能の他に、加熱が行われた後のセンサ素子5又は中間体50が正常に機能するかの検査を行う機能を有する。本形態の通電制御ユニット2は、図12に示すように、固体電解質体51を介する外側電極52Aと内側電極52Bとの間に流れる電流を検出する電流検出部26と、電流検出部26によって検出される電流が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部27とを備える。
電流検出部26は、センサ素子5又は中間体50の固体電解質体51の外側電極52Aに接触させる流体R1の酸素濃度と、センサ素子5又は中間体50の固体電解質体51の内側電極52Bに接触させる流体R2の酸素濃度とを異ならせたときに、外側電極52Aと内側電極52Bとの間に流れる電流を検出する。判定部27において使用される閾値は、外側電極52Aにおける酸素濃度と内側電極52Bにおける酸素濃度との差に応じて、外側電極52Aと内側電極52Bとの間に流れる電流に余裕率を加味して設定する。判定部27は、コントローラ23内に構成することができ、コントローラ23とは別の制御装置によって構成することもできる。
電流検出部26は、有底円筒形状の固体電解質体51の外側電極52Aに繋がる電極リード部521と、内側電極52Bにおける、底側とは反対側の開口側の端部とに接続される。本形態においても、実施形態1の場合と同様に、誘導加熱コイル3は加熱ヘッド21に支持され、通電制御ユニット2は、冷却チラー22及び電源を有する。コントローラ23においては、誘導加熱コイル3へ印加する交流電圧の振幅、周波数及び印加時間等が設定される。図12においては、製造用加熱装置1の詳細を省略する。
本形態においては、誘導加熱コイル3への通電が終了した後、外側電極52Aに接触させる流体R1の酸素濃度と、内側電極52Bに接触させる流体R2の酸素濃度とを異ならせる。本形態においては、各電極52A,52B及び固体電解質体51が触媒活性を有する温度において、内側電極52Bには、流体R2としての大気Aを接触させ、外側電極52Aには、大気Aよりも酸素濃度が低い、流体R1としての気体を接触させる。このとき、各電極52A,52B及び固体電解質体51が触媒活性を有する温度になるように、誘導加熱コイル3への通電によって各電極52A,52B及び固体電解質体51を加熱してもよい。
外側電極52Aに接触する流体R1の酸素濃度と内側電極52Bに接触する流体R2の酸素濃度との差により、酸化物イオン(O2-)が固体電解質体51を透過し、外側電極52Aと内側電極52Bとの間に電流が流れる。そこで、電流検出部26によって外側電極52Aと内側電極52Bとの間に流れる電流を測定する。そして、電流検出部26によって測定される電流が閾値以上である場合には、判定部27は、センサ素子5又は中間体50が、ガス検出を行うために正常に機能するとして、このセンサ素子5又は中間体50が良品であると判定する。
一方、電流検出部26によって測定される電流が閾値未満である場合には、判定部27は、センサ素子5又は中間体50が、ガス検出を行うために正常に機能しないとして、このセンサ素子5又は中間体50が不良品であると判定する。本形態においては、センサ素子5又は中間体50がガス検出のために正常に機能するかを検査することができ、センサ素子5の製造の精度を高めることができる。
本実施形態においても、製造用加熱装置1のその他の構成及び実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。そして、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
<実施形態4>
本形態においては、ハウジング41等に組み付けられた状態のセンサ素子5によるガス検出が正常に機能するかを検査する際に製造用加熱装置1を用いる。図13に示すように、本形態のセンサ素子5が組み付けられたガスセンサ4からは、素子用カバー44(図3参照)が取り外されている。そして、製造用加熱装置1の誘導加熱コイル3によって、素子用カバー44が取り外されたガスセンサ4におけるセンサ素子5を、一対の電極52A,52B及び固体電解質体51が触媒活性を有する温度に加熱する。また、外側電極52Aに接触させる流体の酸素濃度と、内側電極52Bに接触させる流体の酸素濃度とを異ならせる。具体的には、内側電極52Bには大気Aを接触させ、外側電極52Aには大気Aよりも酸素濃度が低い気体を接触させる。
本形態においても、電流検出部26及び判定部27を有する通電制御ユニット2を備えた、実施形態3の製造用加熱装置1を用いる。図13においては、製造用加熱装置1の詳細を省略する。そして、電流検出部26によって測定される電流が閾値以上である場合には、判定部27は、ガスセンサ4が、ガス検出を行うために正常に機能するとして、このガスセンサ4が良品であると判定する。一方、電流検出部26によって測定される電流が閾値未満である場合には、判定部27は、ガスセンサ4が、ガス検出を行うために正常に機能しないとして、このガスセンサ4が不良品であると判定する。判定部27は、コントローラ23内に構成することができ、コントローラ23とは別の制御装置によって構成することもできる。
本形態においては、ガスセンサ4が、通電によって発熱するヒータを内蔵しない場合において、製造用加熱装置1を用いて、ガスセンサ4におけるセンサ素子5を、ガスセンサ4の外部から加熱することができる。そのため、製造用加熱装置1を用いることにより、ヒータを内蔵しないヒータレスのガスセンサ4における機能検査を行うことができる。
<実施形態5>
本形態におけるセンサ素子5は、図14及び図15に示すように、板形状の固体電解質体51に一対の電極52A,52Bが設けられた積層タイプのものである。そして、一対の電極52A,52Bには、固体電解質体51の一方の表面に設けられ、排ガスGが接触する外側電極52Aと、固体電解質体51の他方の表面に設けられ、大気Aが接触する内側電極52Bとがある。外側電極52Aの表面には、外側電極52Aに到達する排ガスGの流速を調整するための拡散抵抗層としての多孔質セラミック層53が形成されている。
センサ素子5は、角部に面取り、フィレット加工等が行われた矩形状の断面を有する、長尺状の直方体形状に形成されている。一対の電極52A,52Bは、長尺形状のセンサ素子5における先端部分に形成されている。センサ素子5の内部には、内側電極52Bへ大気Aを取り込むためのダクト54が形成されている。また、本形態のセンサ素子5は、ヒータを内蔵しないものである。
図15に示すように、本形態の誘導加熱コイル3は、センサ素子5の矩形状の断面に合わせて、導体301が長円形状(オーバル形状)であって螺旋形状に巻かれて形成されている。誘導加熱コイル3は、長円形状の導体301における長辺部と、センサ素子5の表面との間の隙間Sが2mm以下になるよう形成されている。本形態の製造用加熱装置1のその他の構成は、実施形態1に示したものと同様である。
本形態の製造用加熱装置1によれば、積層タイプのセンサ素子5を効果的に加熱することができ、必要な性能を有する積層タイプのセンサ素子5を、精度よくかつ短時間で得ることができる。
なお、製造用加熱装置1の構成は、実施形態1〜5に示したものに限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。
1 製造用加熱装置
2 通電制御ユニット
3 誘導加熱コイル
4 ガスセンサ
5 センサ素子
50 中間体
52A,52B 電極

Claims (8)

  1. 内燃機関の排ガス(G)におけるガス検出を行うガスセンサ(4)に用いられ、固体電解質体(51)に外側電極(52A)及び内側電極(52B)が設けられたセンサ素子(5)の製造時に使用され、
    前記ガスセンサの制御装置(40)とは別の通電制御ユニット(2)によって制御されて、前記センサ素子の中間体(50)を加熱する製造用加熱装置(1)であって、
    前記通電制御ユニットと、
    前記中間体の周りに螺旋状に配置され、前記通電制御ユニットによる通電及び通電の遮断を受けて生じる電磁誘導によって前記中間体における前記外側電極及び前記内側電極を発熱させる誘導加熱コイル(3)と、
    前記センサ素子の前記中間体を保持する治具(11)と、
    前記誘導加熱コイルの両端部(32)を支持し、前記治具との間の位置決めを行う加熱ヘッド(21)とを備える、ガスセンサの製造用加熱装置。
  2. 前記誘導加熱コイルの内周側位置と前記中間体の最も外周側の表面との間に形成される隙間(S)は、2mm以下である、請求項1に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  3. 前記誘導加熱コイルは、有底円筒形状に形成された前記固体電解質体の、底側の外周面に設けられた前記外側電極の全周に対向して配置されて、少なくとも前記外側電極の全体を発熱させるよう構成されている、請求項1又は2に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  4. 前記通電制御ユニットは、前記中間体の底部(512)の温度を測定する温度計(24)と、前記誘導加熱コイルへ交流電圧を印加するコントローラ(23)とを備えており、
    前記コントローラは、前記温度計による測定温度が目標温度になるよう、前記交流電圧の振幅及び周波数を調整するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  5. 前記通電制御ユニットは、前記中間体における、前記固体電解質体を介する前記外側電極と前記内側電極との間の電気抵抗を検出する抵抗検出部(25)と、前記誘導加熱コイルへ交流電圧を印加するコントローラ(23)とを備えており、
    前記コントローラは、前記中間体における前記外側電極及び前記内側電極の焼結を行う際に、前記誘導加熱コイルへの通電を開始し、前記抵抗検出部によって検出される電気抵抗が、前記外側電極及び前記内側電極の焼結が正常に行われたことを示す閾値以下になったことを検知して前記誘導加熱コイルへの通電を終了する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  6. 前記通電制御ユニットは、
    前記センサ素子又は前記中間体の前記固体電解質体の前記外側電極に接触させる流体(R1)の酸素濃度と、前記センサ素子又は前記中間体の前記固体電解質体の前記内側電極に接触させる流体(R2)の酸素濃度とを異ならせたときに、前記固体電解質体を介する前記外側電極と前記内側電極との間に流れる電流を検出する電流検出部(26)と、
    加熱が行われた後の前記センサ素子又は前記中間体が正常に機能するかの検査を行う際に、前記電流検出部によって検出される電流が、前記センサ素子又は前記中間体がガス検出を行うために正常に機能することを示す閾値以上であるか否かを判定する判定部(27)と、を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  7. 前記誘導加熱コイルを構成する導体(301)は、冷媒(C)を通過させる冷媒流路(302)を内部に有する中空形状に形成されており、
    前記通電制御ユニットは、前記冷媒流路に冷媒を循環させる冷却チラー(22)を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
  8. 前記誘導加熱コイルを構成する導体の外径は、φ1.5〜3mmの範囲内にあり、前記冷媒流路の内径は、前記誘導加熱コイルの外径よりも小さく、φ1〜2.5mmの範囲内にあり、
    前記誘導加熱コイルの全長は、前記固体電解質体の軸線方向(L)における、前記外側電極の全長よりも長い、請求項に記載のガスセンサの製造用加熱装置。
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