JP6691065B2 - リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6691065B2
JP6691065B2 JP2017013065A JP2017013065A JP6691065B2 JP 6691065 B2 JP6691065 B2 JP 6691065B2 JP 2017013065 A JP2017013065 A JP 2017013065A JP 2017013065 A JP2017013065 A JP 2017013065A JP 6691065 B2 JP6691065 B2 JP 6691065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
secondary battery
ion secondary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017013065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018120819A (ja
Inventor
裕太 杉山
裕太 杉山
康司 中桐
康司 中桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Primearth EV Energy Co Ltd
Original Assignee
Primearth EV Energy Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Primearth EV Energy Co Ltd filed Critical Primearth EV Energy Co Ltd
Priority to JP2017013065A priority Critical patent/JP6691065B2/ja
Publication of JP2018120819A publication Critical patent/JP2018120819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6691065B2 publication Critical patent/JP6691065B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及び、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であることから、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)等の駆動用電源として用いられている。リチウムイオン二次電池は、電極芯体の両面に活物質層を設けた正極板及び負極板をセパレータを介して捲回又は積層した電極体であれば、正極板及び負極板の対向面積が大きくなり大電流を取り出し易いものとなる。
このようなリチウムイオン二次電池は、化学的活性の高いリチウム、可燃性の高い電解液、充電状態での熱安定性の低い酸化物正極活物質を用いているので充分な安全対策が必要とされている。例えば、正負活物質は、ある温度に達すると電池内の電解液と発熱反応が生じる。この発熱反応によって電池自身の温度が更に上昇し、ある状態を境に急激な反応に発展し、熱暴走状態となる。そこで、熱暴走の進行を防止するようにしたリチウムイオン二次電池の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は、集電体及び集電体上に形成されたリチウムイオンを吸蔵及び脱離できる活物質を含む活物質層を少なくともいずれかにもつ正極及び負極を有する。リチウムイオン二次電池の活物質層は、リチウムイオン二次電池内が所定温度以上となったときに、活物質間及び活物質と集電体との間の少なくとも一方を孤立させて電気的に遮断する特性をもつ遮断手段を含む。例えば、遮断手段は、活物質層内に分散され、所定温度以上で体積膨張を起こす熱膨張粉末である。
特開2003−31208号公報
ところで、リチウムイオン二次電池は、活物質層内の導電性が高い方が電池特性がよい。その一方、リチウムイオン二次電池の安全性を高める熱膨張粉末等の膨張部材は絶縁体等の導電性の低い材料から構成されている。そのため、特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池等は、活物質層内に分散された熱膨張粉末によって、活物質層内の導電性が低下してしまい、電池特性を低下させるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池特性の低下を抑えつつ、安全性を確保することのできるリチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及び、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するリチウムイオン二次電池用正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極に用いられる中空構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、殻部と、前記殻部の内部の中空部と、前記殻部に開口し、前記殻部の外部と前記中空部とを連通させる連通孔とを備えるとともに、前記中空部には、常温よりも高い温度である所定の温度以上になると膨張して前記殻部を破壊する膨張部材が配置されている。
上記課題を解決するリチウムイオン二次電池は、中空構造を有する正極活物質を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池であって、前記正極に含まれる正極活物質が、上記記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
上記課題を解決するリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、リチウムイオン二次電池の正極に用いられる正極活物質であり、殻部内に中空部を有する中空構造であるリチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法であって、前記正極活物質は、前記殻部の外部と前記中空部とを連通させる連通孔を備え、複数の正極活物質粒子のなかから所定の粒径の正極活物質粒子を前記正極活物質として選択する活物質選択処理工程と、常温よりも高温である所定の温度以上になると膨張する複数の膨張部材のなかから前記連通孔を通過できる形状の膨張部材を前記膨張部材として選択する膨張部材選択処理工程と、前記活物質選択処理工程で選択した前記正極活物質と前記膨張部材選択処理工程で選択した前記膨張部材とを所定の割合で混合する工程であって、前記連通孔を介して前記正極活物質の前記中空部に前記膨張部材を配置する混合処理工程と、前記正極活物質の前記中空部に配置されなかった前記膨張部材と前記正極活物質とを分離する分離処理工程とを備える。
このような構成又は方法によれば、正極活物質の中空部には膨張部材が配置されていることから、正極活物質が常温よりも高い所定の温度になると、膨張部材が膨張することにより、その周囲に配置されている殻部が破壊される。また、膨張部材を中空部に配置することによって、膨張力の殻部への伝達に無駄が少なく、正極活物質を的確に破壊することができるようになる。こうして、正極活物質が物理的に破壊されることにより、リチウムイオンの吸蔵及び離脱が困難となり正極活物質の導電性が低下する。また、隣接する正極活物質間の距離が離間して正極内の導電性物質の接触が損なわれて導電性が低下する。また、添加される膨張部材が正極活物質の中空部に配置されることから正極活物質間の導電性に対する影響が小さい。すなわち、膨張部材が膨張していない通常では、正極活物質間の導電性は維持される一方、膨張部材が膨張したときは、正極活物質の導電性が低下することで、過充電の進行が抑制されるとともに、充電に伴う発熱が抑制されて安全性が高められる。また、この正極活物質が用いられたリチウムイオン二次電池としてもその過熱が抑制されて自ずとその安全性が高められる。
また、このような方法によれば、膨張部材が連通孔を通過することができるので、混合させることで、膨張部材を殻部の外部から中空部に入れることができるようになる。
好ましい構成として、前記膨張部材は、樹脂製の外殻と、前記外殻内に内包され、前記所定の温度以上で膨張する膨張剤とを備える。
絶縁体である膨張部材が正極活物質の周囲に配置されていると通常でも正極活物質間の導電性が低下するおそれがある。この構造によれば、通常は、導電性に対する影響の無い、もしくは、影響の少ない中空部に樹脂製であって絶縁性のある又は導電性の低い膨張部材が配置されるようになるので、正極活物質間の導電性に影響が小さい。すなわち、膨張部材を配置させることによって正極活物質間の導電性を低下させるおそれがない、もしくは小さい。
好ましい構成として、前記外殻は、単量体混合物であり、前記膨張剤は、100℃以下かつ80℃以上の沸点を有する低分子量炭化水素を1種類以上含む揮発性膨張剤である。
このような構成によれば、膨張部材は、例えばマイクロカプセルであり、所定の温度として適切な温度に設定することができるとともに、膨張したときの大きさが数倍〜10倍以上の大きさになるため、正極活物質を確実に破壊することができるとともに、正極活物質間の距離を確保することができるようにもなる。
好ましい構成として、前記膨張部材は、前記連通孔を通過できる形状を有している。
このような構成によれば、膨張部材が連通孔を通過することができるので、膨張部材を殻部の外部から中空部に入れることができるようになる。例えば、膨張部材と殻部とを混ぜ合わせることで、連通孔を介して中空部に膨張部材を配置することが可能になる。
好ましい方法として、前記所定の割合は、前記活物質選択処理工程で選択した前記正極活物質に対して前記膨張部材選択処理工程で選択した前記膨張部材を2倍以上とする割合である。
このような方法によれば、正極活物質の周りを膨張部材が取り囲み、膨張部材が正極活物質の中空部に入りやすくなる。
好ましい方法として、前記混合処理工程では、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体を含むボールミルで混合処理を行う。
このような方法によれば、大きな媒体は正極活物質粒子を破壊してしまうおそれが高いが、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体であれば正極活物質粒子を破壊せず、膨張部材との混合が良好に行える。
本発明によれば、電池特性の低下を抑えつつ、安全性を確保することができる。
リチウムイオン二次電池を具体化した一実施形態について、その斜視構造の概略を示す図。 同実施形態において、リチウムイオン二次電池を構成する電極体の一部を展開した状態を示す図。 同実施形態において、リチウムイオン二次電池の正極を構成する正極活物質粒子の断面構造を模式的に示す断面図。 同実施形態において、リチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法の手順を示すフローチャート。
以下、リチウムイオン二次電池1と、その正極活物質10とについて、その一実施形態を説明する。リチウムイオン二次電池1は、リチウムイオンを、正極と負極との間で移動させることによって充放電を行う電池である。なお、このリチウムイオン二次電池1は、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)の駆動用電源として用いられる。
まず、リチウムイオン二次電池1の構成について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池1は、ケース11と、ケース11の開口を封止する蓋体12とを備える。蓋体12には、正極端子13と、負極端子14とが設けられている。ケース11内には、電極体15が、非水電解液とともに収容されている。
図2を参照して、電極体15の構成について説明する。電極体15は、正極である正極シート20と、負極である負極シート30とが、セパレータ40,41を介して巻回された積層体である。正極シート20は、長尺状に形成され、シート状の正極集電体21と、正極集電体21の両面に設けられた正極合材層22とを備える。負極シート30は、長尺状に形成され、シート状の負極集電体31と、負極集電体31の両面に設けられた負極合材層32とを備える。巻回前の積層体は、正極シート20、セパレータ40、負極シート30、セパレータ41の順に積層されている。
積層体は、その長尺方向に巻回されることによって巻回体とされ、巻回体をその周面から押圧することによって扁平形状に成形されている。成形後の電極体15であって、その径方向の中央部には、正極合材層22と負極合材層32とが密に積層された部分が形成されている。
また、正極シート20の長尺方向に沿って延びる一方の端部には、正極合材層22が形成されずに正極集電体21が露出した正極端部23が設けられている。この正極端部23は、負極シート30及びセパレータ40,41からはみ出た状態となっている。この正極端部23は、ケース11内の内部正極端子等を介して、正極端子13に電気的に接続されている。
また、負極シート30の長尺方向に沿って延びる一方の端部にも、負極合材層32が形成されずに負極集電体31が露出した負極端部33が設けられている。この負極端部33は、正極シート20及びセパレータ40,41からはみ出た状態となっている。この負極端部33は、ケース11内の内部負極端子等を介して、負極端子14に電気的に接続されている。
(正極)
次に、正極について詳述する。まず、正極シート20を構成する正極集電体21は、従来の二次電池の構成要素と同様の構成要素を用いることができる。例えば、正極集電体21の材料として、導電性の良好な金属からなる導電性材料が好ましく用いられる。例えば、導電性材料としては、アルミニウムを含む材料、アルミニウム合金を含む材料を用いることができる。
正極合材層22に含まれる正極活物質10は、層状の結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物を含有する。リチウム遷移金属酸化物は、Li以外に、1つ又は複数の所定の遷移金属元素を含む。リチウム遷移金属酸化物に含有される遷移金属元素は、Ni,Co,Mnの少なくとも一つであることが好ましい。上記リチウム遷移金属酸化物の好適な一例として、Ni,CoおよびMnの全てを含むリチウム遷移金属酸化物(以下「LNCM酸化物」と表記することもある。)が挙げられる。
正極活物質10は、遷移金属元素(すなわち、Ni,CoおよびMnの少なくとも1種)の他に、付加的に、1種または複数種の元素を含有し得る。付加的な元素としては、周期表の1族(ナトリウム等のアルカリ金属)、2族(マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属)、4族(チタン、ジルコニウム等の遷移金属)、6族(クロム、タングステン等の遷移金属)、8族(鉄等の遷移金属)に属するいずれかの元素を含むことができる。また、付加的な元素としては、周期表の13族(半金属元素であるホウ素、もしくはアルミニウムのような金属)および17族(フッ素のようなハロゲン)に属するいずれかの元素を含むことができる。
好ましい一態様において、正極活物質10は、下記一般式(1)で表される組成(平均組成)を有し得る。
Li1+xNiCoMn(1−y−z)MAαMBβ…(1)
上記式(1)において、xは、0≦x≦0.2を満たす実数であり得る。yは、0.1<y<0.6を満たす実数であり得る。zは、0.1<z<0.6を満たす実数であり得る。MAは、W,CrおよびMoから選択される少なくとも1種の金属元素であり、αは0<α≦0.01(典型的には0.0005≦α≦0.01、例えば0.001≦α≦0.01)を満たす実数である。MBは、Zr,Mg,Ca,Na,Fe,Zn,Si,Sn,Al,BおよびFからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、βは0≦β≦0.01を満たす実数であり得る。βが実質的に0(すなわち、MBを実質的に含有しない酸化物)であってもよい。なお、層状構造のリチウム遷移金属酸化物を示す化学式では、便宜上、O(酸素)の組成比を2として示しているが、この数値は厳密に解釈されるべきではなく、多少の組成の変動(典型的には1.95以上2.05以下の範囲に包含される)を許容し得るものである。
(正極活物質の中空構造)
次に図3を参照して、正極活物質10の中空構造について説明する。正極活物質10は、中空構造を有する正極活物質粒子100と、正極活物質粒子100内に配置された膨張部材としてのマイクロカプセル50とから構成される。
正極活物質粒子100は、典型的には、殻部101とその内部に形成された中空部102(空洞部)とを有する中空構造の粒子形態をなす。この正極活物質粒子100は、典型的には、概ね球形、やや歪んだ球形等であり得る。正極活物質粒子100の殻部101は、殻部101に開口し、中空部102と粒子外部とを連通させる連通孔110を有する。
殻部101は、殻を構成するリチウム遷移金属酸化物の一次粒子111が球殻状に集まって形成されたものである。即ち、正極活物質粒子100は、一次粒子111が集まった二次粒子である。ここで「一次粒子」とは、外見上の幾何学的形態から判断して単位粒子(ultimate particle)と考えられる粒子を指す。ここに開示される正極活物質において、一次粒子111は、典型的にはリチウム遷移金属酸化物の結晶子の集合物である。正極活物質の形状観察はSEM(Scanning Electron Microscope)画像により行うことができる。
正極活物質粒子100の平均粒径(二次粒径)は、例えば、およそ2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。正極活物質粒子100の平均粒径が小さすぎると、中空部102の容積も小さくなるため、中空部102に蓄えられる電解液の量も少なくなる。また、正極活物質の生産性の観点からは、正極活物質粒子100の平均粒径は25μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがより一層好ましい。好ましい一態様では、正極活物質粒子の平均粒径は、3μm以上10μm以下である。上記正極活物質粒子100の平均粒径は、当該分野で公知の方法、例えばレーザ回折散乱法に基づく測定による体積基準のメジアン径(D50:50%体積平均粒径)として求めることができる。
次に、殻部101の構成について説明する。好ましい一態様では、殻部101は、一次粒子111が環状(数珠状)に連なった形態を有する。一次粒子111は、殻部101の厚み方向において、単層であってもよく、多層であってもよい。なお、図3に示す正極活物質粒子100は、その構成の一例を示すものであり、殻部101の層数、中空部102の形状、殻部101の厚みと中空部102の幅との比率、連通孔110の数や大きさ等は、図3に示す正極活物質粒子100に限定されるものではない。
殻部101の厚さは、好ましくは3.0μm以下であり、より好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下である。殻部101の厚さが小さいほど、リチウムイオン二次電池1の充電時には殻部101の内部(厚さの中央部)からもLiイオンが放出されやすく、リチウムイオン二次電池1の放電時にはLiイオンが殻部101の内部まで吸収されやすくなる。
殻部101の厚さの下限値は特に限定されないが、通常は、概ね0.1μm以上であることが好ましい。殻部101の厚さを0.1μm以上とすることにより、リチウムイオン二次電池1の製造時または使用時に加わり得る応力や、リチウムイオン二次電池1の充放電に伴う正極活物質の膨張収縮等に対して、高い耐久性を保持することができる。抵抗低減効果と耐久性とを両立させる観点からは、殻部101の厚さはおよそ0.1μm以上2.2μm以下であることが好ましく、1μmを含む0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。
このことから、正極活物質粒子100の中空部102の内径D4は、正極活物質粒子100の平均粒径から殻部101の厚さを引いた大きさであって、例えば、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下であることがより好ましい。
次に、連通孔110について詳述する。殻部101の連通孔110は、殻部101に貫通形成されていて殻部101の外部と中空部102とを連通させている。連通孔110は、中空部102と、正極活物質粒子100の外部とで電解液を行き来させる。連通孔110は、殻部101を構成する複数の一次粒子111の間に隙間として構成される。
正極活物質粒子100が有する連通孔110の数は、正極活物質粒子100の一粒子当たりの平均として、およそ1〜10個程度(例えば1〜5個)であることが好ましい。上記平均連通孔数が多いほど電解液が行き来しやすくなるが、多すぎると、中空形状を維持しにくくなることがある。また、平均連通孔数を多くすると単位体積あたりの正極活物質量が少なくなるため、エネルギー密度が低下する。
また、一つの正極活物質粒子100に設けられる複数の連通孔110の直径D2は、モード径が、1μm以上5μm以下であることが好ましい。正極活物質粒子100の平均粒径が3μm以上10μm以下であるとき、連通孔110として直径D2が1μm以上5μm以下であるものがあることが多い。連通孔110の直径D2は、連通孔110を円形状の孔にモデル化したときの直径であり、必ずしも連通孔110の開口幅の最大値を示すものではない。
(マイクロカプセルの構造)
正極活物質粒子100の中空部102内に配置されている膨張部材としてのマイクロカプセル50について説明する。
図3に示すように、マイクロカプセル50は、樹脂製の外殻51と、外殻51内に内包され、所定の温度以上で膨張する膨張剤52とを備えている。そして、マイクロカプセル50は、所定の温度以上になると外殻51が軟化するとともに、膨張剤52が内圧を上げて、外殻51が大きく膨らむ。例えば、マイクロカプセル50は、膨張前の大きさ(平均粒径)に比べて直径で約3.5倍〜6倍の大きさ、体積で約50倍〜100倍の大きさに膨張する。例えば、正極活物質粒子100の中空部102の内径D4が8μm、マイクロカプセル50は、膨張前の平均粒径が2μmであり、膨張すると直径が5倍になるものとする。例えば、このマイクロカプセル50は、温度が所定温度以上に上昇することに応じて膨張して膨張後の平均粒径が10μmとなり、配置されている中空部102の内径D4である8μmよりも大きくなるため正極活物質粒子100の殻部101を破壊する、つまり正極活物質10が破壊されることになる。上記マイクロカプセル50の平均粒径は、当該分野で公知の方法、例えばレーザ回折散乱法に基づく測定による体積基準のメジアン径(D50:50%体積平均粒径)として求めることができる。
外殻51は、熱可塑性樹脂であって、耐電解液性に優れた、熱可塑性、かつ、ガスバリヤー性に優れる重合体である。また外殻51を構成する熱可塑性樹脂の軟化点は、100℃を含む90℃以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂は、塩化ビニリデンを含む(共)重合体、及び(メタ)アクリロニトリルを含む(共)重合体であることが好ましい。例えば、外殻51を(メタ)アクリロニトリルを主成分(51重量%以上)とする(共)重合体により構成することが好ましい。具体例としては、次の共重合体が挙げられる。例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体51重量%以上、及び塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体49重量%以下を含有する単量体混合物から得られる共重合体。
膨張剤52は、揮発性膨張剤であって、マイクロカプセル50の発泡を起す所定の温度、直接的にはマイクロカプセル50の外殻51を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、例えば、100℃以下かつ80℃以上の温度でガス化する揮発性の有機化合物を含んでいる。この有機化合物として、例えば100℃以下の沸点を有するプロパン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素等を用いることができる。また、電池内部での安全性を考慮して、有機化合物として、塩化メチル、メチレンクロライド、フロロトリクロロメタン、ジフロロジクロロメタン、クロロトリフロロメタン等のハロゲン化炭化水素やクロロフロロカーボン類等の不燃性または難燃性の化合物を用いてもよい。これらの有機化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組合せて使用することができる。つまり、これらの有機化合物は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、かつ、リチウムイオン二次電池1の使用範囲(−30℃〜60℃)における最も高温であって、常温よりも高い温度である最高温度(例えば、60℃)までは発泡しないように、沸点は80℃以上にされている。
(正極活物質の製造方法)
図4を参照して、本実施形態の作用を正極活物質10の製造方法として説明する。本実施形態で説明する正極活物質10の製造方法は、正極活物質粒子100の中空部102にマイクロカプセル50を配置するための方法である。
正極活物質10の製造方法が開始されると、まず、活物質選択処理が実行される(ステップS10:活物質選択処理工程)。活物質選択処理は、製造された中空構造を有する複数の正極活物質粒子(選択前の正極活物質粒子)のなかから所定の粒径D3の正極活物質粒子100を選択する。所定の粒径D3は、例えば、3μm以上かつ10μm以下である。この場合、活物質選択処理では、まず、選択前の正極活物質粒子から10μm以下を選別するふるいにかけることで粒径D3が10μm以下の正極活物質粒子100を選択する。続いて、粒径D3が10μm以下に選別された正極活物質粒子100から3μm以上を選別するふるいにかけることで粒径D3が3μm以上の正極活物質粒子100を選択する。これにより、粒径D3が3μm以上かつ10μm以下の正極活物質粒子100が選択される。
次に、マイクロカプセル選択処理が実行される(ステップS11:膨張部材選択処理工程)。マイクロカプセル選択処理は、製造されたマイクロカプセル50(選択前のマイクロカプセル)のなかから所定の粒径D1のマイクロカプセル50を選択する。所定の粒径D1は、例えば、1μm以上かつ3μm以下である。この場合、マイクロカプセル選択処理では、まず、選択前のマイクロカプセル50から3μm以下を選択するふるいにかけることで粒径D1が3μm以下のマイクロカプセル50を選択する。続いて、粒径D1が3μm以下に選別されたマイクロカプセル50から1μm以上を選別するふるいにかけることで粒径D1が1μm以上のマイクロカプセルを選択する。これにより、粒径D1が1μm以上かつ3μm以下のマイクロカプセルが選択される。
続いて、混合処理が実行される(ステップS12:混合処理工程)。混合処理は、選択された正極活物質粒子100の中空部102に、連通孔110を介して選択されたマイクロカプセル50を配置させる工程である。そこで、混合処理では、選択された正極活物質粒子100と、選択されたマイクロカプセル50とを所定の割合で混合する。
例えば、混合処理は、混合装置いわゆるボールミルを使用して行われる処理であって、円筒状容器に所定量の選択された正極活物質粒子100と、前記所定量の2倍〜3倍の量の選択されたマイクロカプセル50と、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体(ボール)とを混合して封入する。つまり、所定の割合を2倍〜3倍とする。そして、この円筒状容器を回転台の上で所定時間の回転を実施することで、殻部101に形成された連通孔110を介して選択された正極活物質粒子100の中空部102に、選択されたマイクロカプセル50を配置させる。ボールミルは、材料の粉砕に利用されることが多いが、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体を利用することにより、正極活物質粒子100が破壊されることを抑制し、かつ、正極活物質粒子100の周囲にマイクロカプセル50を適切に分散配置させることができる。なお、マイクロカプセル50は、正極活物質粒子100の中空部102に1つ配置されてもよいし、複数が配置されてもよい。
なお、本実施形態では、所定の割合を2倍〜3倍とした。2倍未満であると、マイクロカプセル50の数が少ないため、マイクロカプセル50が正極活物質粒子100の連通孔110に到達して当該連通孔110に侵入する確率が低下する。他方、3倍よりも多ければ、多数のマイクロカプセル50が正極活物質粒子100の周囲に複数の分布することになるため、マイクロカプセル50が正極活物質粒子100の連通孔110に到達して、その連通孔110から中空部102に侵入する可能性が高まる。正極活物質粒子100の中空部102にはマイクロカプセル50が1つだけ配置されれば十分であるが、マイクロカプセル50の数が多くなると、中空部102に多数配置されて無駄が生じるとともに、中空部102の電解液保持量を減少させて電池特性を低下させるおそれもある。またマイクロカプセル50が多いと、混合処理の後に正極活物質粒子100の中空部102に配置されずに残るマイクロカプセル50の量が多くなる。こうした残ったマイクロカプセル50は、破棄するか、再利用のために調整することが必要であり、残量が多くなることに応じて正極活物質10の製造方法としての効率を低下させるおそれがある。よって、マイクロカプセル50が正極活物質粒子100の中空部102に配置されやすいこと、及び、配置される数をできるだけ1つにすることを両立させる観点から所定の割合は2倍〜3倍であることが好ましい。
そして、分離処理が実行される(ステップS13:分離処理工程)。分離処理は、正極活物質粒子100と、正極活物質粒子100の中空部102に配置されなかったマイクロカプセル50(残ったマイクロカプセル)の混合体のなかから正極活物質粒子100を選択する。正極活物質粒子100の平均粒径は、例えば、3μm以上である。この場合、分離処理では、まず、混合体から3μm以下を選別するふるいにかけることで残ったマイクロカプセル50(平均粒径が1μm以上3μm以下)を除外する。なお、3μm以下を選択するふるいでマイクロカプセル50が残るような場合、ふるいの目を少しずつ大きくするようにしてもよい。また、正極合材層22の導電性低下への影響が小さければマイクロカプセル50が多少残ったままでもよい。これにより、平均粒径が3μm以上10μm以下であり、かつ、マイクロカプセル50が中空部102に配置された正極活物質粒子100、すなわち正極活物質10を混合体から分離して取得することができる。
分離処理が終了すると、正極活物質10の中空部102にマイクロカプセル50を配置させる正極活物質10の製造方法が終了する。
(作用)
本実施形態によれば、正極活物質10の中空部102にはマイクロカプセル50が配置されていることから、正極活物質10が常温よりも高い所定の温度になると、マイクロカプセル50が膨張することにより、その周囲に配置されている殻部101が破壊される。また、マイクロカプセル50を中空部102に配置することによって、膨張力の殻部101への伝達に無駄が少なく、正極活物質10を的確に破壊することができるようになる。また、隣接する正極活物質10間の距離が離間して正極内の導電性物質の接触が損なわれる。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法によれば、以下に記載するような効果が得られるようになる。
(1)正極活物質10の中空部102にはマイクロカプセル50が配置されていることから、正極活物質10が常温よりも高い所定の温度になると、マイクロカプセル50が膨張することにより、その周囲に配置されている殻部101が破壊される。また、マイクロカプセル50を中空部102に配置することによって、膨張力の殻部101への伝達に無駄が少なく、正極活物質10を的確に破壊することができるようになる。こうして、正極活物質10が物理的に破壊されることにより、リチウムイオンの吸蔵及び離脱が困難となり正極活物質10の導電性が低下する。また、隣接する正極活物質10間の距離が離間して正極内の導電性物質の接触が損なわれて導電性が低下する。また、添加されるマイクロカプセル50が正極活物質10の中空部102に配置されることから正極活物質10間の導電性に対する影響が小さい。すなわち、マイクロカプセル50が膨張していない通常では、正極活物質10間の導電性は維持される一方、マイクロカプセル50が膨張したときは、正極活物質10の導電性が低下することで、過充電の進行が抑制されるとともに、充電に伴う発熱が抑制されて安全性が高められる。また、この正極活物質10が用いられたリチウムイオン二次電池としてもその過熱が抑制されて自ずとその安全性が高められる。
(2)絶縁体であるマイクロカプセル50が正極活物質10の周囲に配置されていると通常でも正極活物質10間の導電性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態では、通常は、導電性に対する影響の無い、もしくは、影響の少ない中空部102に樹脂製であって絶縁性のある又は導電性の低いマイクロカプセル50が配置されるようになるので、正極活物質10間の導電性に影響が小さい。すなわち、マイクロカプセル50を配置させることによって正極活物質10間の導電性を低下させるおそれがない、もしくは小さい。
(3)マイクロカプセル50は、所定の温度として適切な温度に設定することができるとともに、膨張したときの大きさが数倍〜10倍以上の大きさになるため、正極活物質10を確実に破壊することができるとともに、正極活物質10間の距離を確保することができるようにもなる。
(4)マイクロカプセル50が連通孔110を通過することができるので、マイクロカプセル50を殻部101の外部から中空部102に入れることができるようになる。例えば、マイクロカプセル50と殻部101とを混ぜ合わせることで、連通孔110を介して中空部102にマイクロカプセル50を配置することが可能になる。
(5)所定の割合が2倍以上であるので、正極活物質粒子100の周りをマイクロカプセル50が取り囲み、マイクロカプセル50が正極活物質10の中空部102に入りやすくなる。
(6)大きな媒体は正極活物質粒子100を破壊してしまうおそれが高いが、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体であれば正極活物質粒子100を破壊せず、正極活物質粒子100とマイクロカプセル50との混合が良好に行える。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・正極合材層22は、正極集電体21の少なくとも一方の面に設けられていればよく、片面に設けられていてもよい。また、負極合材層32は、負極集電体31の少なくとも一方の面に設けられていればよく、片面に設けられていてもよい。
・電極体15は、正極シート20及び負極シート30を、セパレータ40,41を介して巻回した電極構造に限定されず、リチウムイオン二次電池1の形状や使用目的に応じて適宜変更してもよい。例えば、正極シート20及び負極シート30を、セパレータ40,41を介して積層した巻回しないタイプの電極構造であってもよい。
・正極活物質粒子100とマイクロカプセル50との混合にボールミルを用いなくてもよい。マイクロカプセル50を正極活物質粒子100の中空部102に配置させることができるように混合させることができるのであれば、攪拌用のはねが回転する攪拌装置等を用いてもよい。
・所定の割合が2倍〜3倍ではなくてもよい。正極活物質粒子100の中空部102にマイクロカプセル50を効率的に入れることができるのであれば、所定の割合が2倍未満であってもよいし、3倍より大きくてもよい。所定の割合は、正極活物質粒子100の粒径D3、連通孔110の直径D2、マイクロカプセル50の粒径D1、ボールミルの態様に応じて適切な値が変動する。よって、正極活物質粒子100の中空部102にマイクロカプセル50が配置されやすいこと、及び、配置される数をできるだけ1つにすることを両立させることができる所定の割合を、経験や実験、理論的に適切な値として設定することができると好ましい。
・マイクロカプセル50は、連通孔110を通過できる形状でなくてもよい。例えば、マイクロカプセル50が連通孔110に嵌ったとしても、膨張すれば正極活物質10を破壊することができる。また、正極活物質粒子100を作成するとき、マイクロカプセル50を予め中空部102に配置させることができれば、マイクロカプセル50の大きさが連通孔110よりも大きくてもよい。
・膨張剤52は、リチウムイオン二次電池1としての安全性を確保することができるのであれば、沸点が100℃よりも高くてもよい。沸点が100℃よりも高い有機化合物としては、例えばトルエン、テトラクロロエチレンがある。
・マイクロカプセル50は、外殻51が導電性を有していてもよい。例えば、外殻51が導電性のある部材から形成されていてもよいし、導電性のあるコーティングがなされていてもよい。
・マイクロカプセル50は、外殻51と膨張剤52とから構成されていなくてもよい。膨張して正極活物質10を破壊できるとともに、電解液に耐性を有していればマイクロカプセル全体が発泡樹脂等の材料で構成されていてもよい。
・リチウムイオン二次電池1は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車に搭載されなくてもよい。例えば、リチウムイオン二次電池1は、ガソリン自動車やディーゼル自動車等の車両に搭載されてもよい。またリチウムイオン二次電池1は、鉄道、船舶、及び航空機等の移動体や、ロボットや、情報処理装置等の電気製品の電源として用いられてもよい。
1…リチウムイオン二次電池、10…正極活物質、11…ケース、12…蓋体、13…正極端子、14…負極端子、15…電極体、20…正極シート、21…正極集電体、22…正極合材層、23…正極端部、30…負極シート、31…負極集電体、32…負極合材層、33…負極端部、40…セパレータ、41…セパレータ、50…マイクロカプセル、51…外殻、52…膨張剤、100…正極活物質粒子、101…殻部、102…中空部、110…連通孔、111…一次粒子。

Claims (8)

  1. リチウムイオン二次電池の正極に用いられる中空構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
    殻部と、前記殻部の内部の中空部と、前記殻部に開口し、前記殻部の外部と前記中空部とを連通させる連通孔とを備えるとともに、
    前記中空部には、常温よりも高い温度である所定の温度以上になると膨張して前記殻部を破壊する膨張部材が配置されている
    リチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 前記膨張部材は、樹脂製の外殻と、前記外殻内に内包され、前記所定の温度以上で膨張する膨張剤とを備える
    請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 前記外殻は、単量体混合物であり、
    前記膨張剤は、100℃以下かつ80℃以上の沸点を有する低分子量炭化水素を1種類以上含む揮発性膨張剤である
    請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. 前記膨張部材は、前記連通孔を通過できる形状を有している
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  5. 中空構造を有する正極活物質を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータとを備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極に含まれる正極活物質が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質である
    リチウムイオン二次電池。
  6. リチウムイオン二次電池の正極に用いられる正極活物質であり、殻部内に中空部を有する中空構造であるリチウムイオン二次電池用正極活物質を製造する方法であって、
    前記正極活物質は、前記殻部の外部と前記中空部とを連通させる連通孔を備え、
    複数の正極活物質粒子のなかから所定の粒径の正極活物質粒子を前記正極活物質として選択する活物質選択処理工程と、
    常温よりも高温である所定の温度以上になると膨張する複数の膨張部材のなかから前記連通孔を通過できる形状の膨張部材を前記膨張部材として選択する膨張部材選択処理工程と、
    前記活物質選択処理工程で選択した前記正極活物質と前記膨張部材選択処理工程で選択した前記膨張部材とを所定の割合で混合する工程であって、前記連通孔を介して前記正極活物質の前記中空部に前記膨張部材を配置する混合処理工程と、
    前記正極活物質の前記中空部に配置されなかった前記膨張部材と前記正極活物質とを分離する分離処理工程とを備える
    リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記所定の割合は、前記活物質選択処理工程で選択した前記正極活物質に対して前記膨張部材選択処理工程で選択した前記膨張部材を2倍以上とする割合である
    請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記混合処理工程では、1mm以上かつ2mm以下の大きさの媒体を含むボールミルで混合処理を行う
    請求項6又は7に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
JP2017013065A 2017-01-27 2017-01-27 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Active JP6691065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017013065A JP6691065B2 (ja) 2017-01-27 2017-01-27 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017013065A JP6691065B2 (ja) 2017-01-27 2017-01-27 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018120819A JP2018120819A (ja) 2018-08-02
JP6691065B2 true JP6691065B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=63043920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017013065A Active JP6691065B2 (ja) 2017-01-27 2017-01-27 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6691065B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3977354B2 (ja) * 1995-03-17 2007-09-19 キヤノン株式会社 正極活物質の製造方法、負極活物質の製造方法及びリチウムを利用する二次電池の製造方法
JP2010080221A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Sekisui Chem Co Ltd 電池用負極材料及び電池用負極
JP5664932B2 (ja) * 2012-10-17 2015-02-04 トヨタ自動車株式会社 二次電池
JP6017978B2 (ja) * 2013-01-24 2016-11-02 トヨタ自動車株式会社 正極活物質及び該活物質を用いたリチウム二次電池
JP6167943B2 (ja) * 2014-03-07 2017-07-26 トヨタ自動車株式会社 非水電解質二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018120819A (ja) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4727021B2 (ja) 電極及びそれを用いた非水系電池
KR100873563B1 (ko) 과충전 및 고온 안전성이 우수한 전기 화학 소자
JP6884269B2 (ja) マイクロカプセルを含む負極及びこれを備えたリチウムイオン二次電池
US11677123B2 (en) Mitigating thermal runaway in lithium ion batteries using damage-initiating materials or devices
JP6960526B2 (ja) マイクロカプセルを含むアンダーコート層を備えた正極及びリチウムイオン二次電池
TWI360251B (en) Electrochemical device with alternative separator
US9017878B2 (en) Lithium secondary battery with enhanced heat-resistance
US20160126535A1 (en) Mitigating thermal runaway in lithium ion batteries using damage-initiating materials or devices
JP2017524240A (ja) 熱暴走の保護を備えたリチウムイオン電池
CN107078232A (zh) 具有防止燃烧的改善安全性的锂离子电池
JP2015536524A (ja) リチウムイオンバッテリ
JP2003031208A (ja) 非水電解液二次電池
JP2021533533A (ja) リチウムイオンバッテリ
JP2014007089A (ja) 電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子
JP2009026674A (ja) リチウムイオン電池
CN109671909B (zh) 负极和具备该负极的非水电解质二次电池
JP6691065B2 (ja) リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JPH10233237A (ja) 非水電解液二次電池
KR101743919B1 (ko) 이차전지용 전극 조성물, 그 전극 및 이를 포함하는 이차전지
JP4789295B2 (ja) 密閉形電池
JP2014044826A (ja) 二次電池用セパレータの製造方法、二次電池用セパレータ、二次電池、および電池パック
JP2005259567A (ja) 非水電解質二次電池
JP2000149979A5 (ja)
JP3307231B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2004235007A (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170818

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170818

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180607

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180607

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6691065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250