JP6690874B2 - 自燃式の熱風発生用ロータリーキルン - Google Patents

自燃式の熱風発生用ロータリーキルン Download PDF

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本発明は、木質系燃料を自燃させながら熱風を発生させる自燃式の熱風発生用ロータリーキルンに関する。
近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されている廃木材や間伐材等の生木をチップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラで燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気で蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。なお、廃木材や間伐材等の生木はその含水率の高さから燃焼させにくく、ボイラでの燃焼効率もあまり良くないため、例えば天日乾燥を行うなどの他、適宜の乾燥装置にて加熱乾燥処理するように図ったものもあり、このような乾燥装置に関して本出願人も、特許文献1(特願2014−224044)に示されるように、既に特許出願済みである。
前記特許文献1に記載の乾燥装置によれば、発電用の木質チップを加熱乾燥処理する加熱乾燥炉の近傍にロータリーキルン構造の熱風発生炉を併設し、該熱風発生炉のキルン本体の炉内には山林や公園等の整備に伴って発生する剪定枝、抜根材、樹皮、建築現場等で発生する端材、或いは建築物の解体現場等で発生する建築廃材等の不用廃材を木質系燃料として投入して燃焼させ、それによって発生する熱風を前記加熱乾燥炉へ供給することで発電用の木質チップを加熱乾燥処理できるようにしている。
前記熱風発生炉は、キルン本体の内周壁に耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物を内張りして、木質系燃料の燃焼に伴う高温からキルン本体を保護していると共に保温性を高めるようにしており、例えば予め助燃バーナ等を燃焼させて炉内温度を高めた上で木質系燃料を供給して着火させれば、その後は助燃バーナを消火しても燃焼用空気と共に木質系燃料である不用廃材を高温雰囲気下のキルン本体内に定量供給させるだけで自燃させ続けられるようにしており、重油等の化石燃料の使用量を抑えられて環境負荷の軽減を図れるようにしている。
特願2014−224044
しかしながら、前記熱風発生炉のキルン本体内に供給される不用廃材等の木質系燃料の性状(例えば含水率等)は必ずしも一定ではなく、仮に含水率の高い木質系燃料が供給された場合には、助燃バーナを用いての着火・燃焼はできたとしても、助燃バーナを消火しての自燃運転となれば安定して燃焼させ続けることは容易でなく、場合によっては失火を避けるために助燃バーナを適宜再点火して燃焼を補助するといった対応が必要となることも想定され、そうなれば環境負荷や燃料コストの面で不利なものとなる。
本発明は上記の点に鑑み、木質系燃料の性状にかかわらず安定して自燃させ続けることの可能な自燃式の熱風発生用ロータリーキルンを提供することを課題とする。
本発明に係る請求項1記載の自燃式の熱風発生用ロータリーキルンでは、円筒状の鋼板の内周壁に耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の上流端部に助燃バーナと木質系燃料供給手段及び木質系燃料を自燃させるのに必要な外気を供給する外気供給ファンを備える一方、キルン本体の下流端部には熱風導出ダクトを備え、キルン本体の炉内上流側の耐火物の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差を形成させ、該段差は前記助燃バーナの火炎先端部よりもキルン上流側位置に設け、かつ前記キルン本体の炉内上流端部には堰部を形成し、木質系燃料の熱分解に伴って発生する高温のチャー含有固形物を前記段差にて堰き止めて前記堰部との間に所定の層厚にて滞留させて自燃用の火種とするように構成すると共に、前記段差よりも下流側の耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにし、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の木質系燃料を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて木質系燃料をキルン上流側へと戻す構成としたことを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載の自燃式の熱風発生用ロータリーキルンによれば、内周壁に耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の上流端部に助燃バーナと木質系燃料供給手段及び外気供給ファンを備える一方、キルン本体の下流端部には熱風導出ダクトを備え、キルン本体の炉内上流側の耐火物の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差を形成させ、該段差は前記助燃バーナの火炎先端部よりもキルン上流側位置に設け、かつ前記キルン本体の炉内上流端部には堰部を形成し、前記段差にて木質系燃料の燃焼分解に伴って発生する高温のチャー含有固形物を堰き止めて前記堰部との間に所定の層厚にて滞留させて自燃用の火種とするように構成すると共に、前記段差よりも下流側の耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにし、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の木質系燃料を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて木質系燃料をキルン上流側へと戻す構成としたので、炉内に供給される木質系燃料を高温のチャー含有固形物と接触させることでその性状にかかわらず安定して自燃させ続けることができ、それによって助燃バーナでの化石燃料の使用量を抑えられて環境負荷や燃料コストの低減が期待できるものとなる。
また、例え高温のチャー含有固形物との接触によっても木質系燃料の一部が燃焼しきらずに未燃分が残ったとしても、前記段差下流側の矩形凹部内に落とし込ませてキルン本体の回転に伴って適当に攪拌することができ、それによって炉内空気との接触機会を高められて効果的に燃焼させることができ、未燃分の少ないより安定した自燃を維持することが可能となる。また、前記矩形凹部を浅底構造としたことにより、木質系燃料を耐火物の内壁面に沿わせるようにして持ち上げ落下させて攪拌することができ、例え木質系燃料が飛散性の高いようなものであっても、未燃状態のまま飛散してしまうといった不具合を抑えられて好適に燃焼させることができる。
また、前記段差下流側を流下する木質系燃料をより効果的に攪拌処理できて炉内空気との接触機会を一層高められ、より未燃分の少ない安定した自燃を維持することが可能となる。
本発明に係る自燃式の熱風発生用ロータリーキルンの一実施例を示す概略説明図である。 図1のA−A端面図である。 図1の要部拡大図である。
本発明に係る自燃式の熱風発生用ロータリーキルンにあっては、円筒状の鋼板の内周壁に、例えば耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の上流端部には不用廃材等の木質系燃料を供給するコンベヤ等の木質系燃料供給手段と、炉内に供給した木質系燃料の着火及び燃焼を補助する助燃バーナと、木質系燃料を自燃させるのに必要な外気(酸素)を供給する外気供給ファンとを備えている一方、キルン本体の下流端部には木質系燃料の燃焼に伴って生じた熱風を導出する熱風導出ダクトを連結している。
また、前記キルン本体の炉内上流側の耐火物の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差を形成させており、炉内に供給される木質系燃料が熱分解するのに伴って発生する高温のチャー含有固形物の一部を前記段差にて堰き止めて所定の層厚にて滞留させ、その後から供給される木質系燃料を自燃させるための火種とするように構成しており、木質系燃料は前記火種である高温のチャー含有固形物との接触によって、その性状にかかわらず(例え含水率が多少高くても)安定して自燃させ続けられるようにしている。
また、前記段差よりも下流側の耐火物の内壁面に対し、長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記キルン本体の回転に伴ってキルン本体内を流動する木質系燃料を前記矩形凹部内に次々と落とし込んで持ち回るようにしており、例え前記段差上流側に滞留する高温のチャー含有固形物との接触によっても木質系燃料の一部が燃焼しきらずに未燃分が多少残ったとしても、前記段差下流側の矩形凹部内に随時落とし込ませてキルン本体の回転に伴って適当に攪拌することができ、それによって炉内空気(酸素)との接触機会を高められて前記未燃分を効果的に燃焼させることができるように図っている。
また、前記矩形凹部は、その深さを比較的浅めに、好ましくは約10〜20mm程度の浅底構造としており、それによって矩形凹部内の木質系燃料がキルン本体の上部側まで持ち上がる前に徐々に耐火物の内壁面に沿ってこぼれ落ち、例えば木質系燃料が樹皮等のように細かくて飛散性の高いようなものであっても、熱風に煽られて未燃状態のまま飛散してキルン本体より流出してしまうような不具合を抑制でき、またダスト量の低減も図れるようにしている。
また更に、前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、矩形凹部内の木質系燃料をキルン本体の回転と共に持ち回りつつ矩形凹部の傾斜に沿って落下させることでキルン上流側へと若干戻すようにしており、これによって木質系燃料をより効果的に攪拌処理できて炉内空気との接触機会を一層高められるようにしている。
このように、上記構成の自燃式の熱風発生用ロータリーキルンによれば、キルン本体の炉内上流側の耐火物の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差を形成させ、木質系燃料の熱分解に伴って発生する高温のチャー含有固形物を前記段差にて堰き止め滞留させて自燃用の火種とするように構成したので、木質系燃料は炉内への供給直後に前記高温のチャー含有固形物と接触することで、その性状にかかわらず比較的容易に着火・燃焼させることができ、安定して自燃させ続けることが可能となる。また、例え木質系燃料の一部が前記チャー含有固形物との接触によっても着火・燃焼せず、未燃分が多少残ったとしても、前記段差下流側の耐火物内壁面に刻設した横長でかつ浅底構造の矩形凹部により、未燃状態の木質系燃料を飛散を抑えながら適当に攪拌することができて、炉内空気との接触機会を高めて効果的に燃焼させることができ、自燃でありながら木質系燃料を極力残さずに燃焼させて無駄なく熱風として活用することが可能となる。また、構造もシンプルであるため、比較的簡単にかつ低コストにて設けることができて採用のしやすいものとなる。
以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説明する。
図中の1は、例えば不用廃材等の木質系燃料を自燃させながら熱風を発生させる自燃式の熱風発生用ロータリーキルンであって、円筒状の鋼板2の内周壁に、例えば耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物3を所定の層厚にて内張りしてなるキルン本体4を、基台5上に回転自在に傾斜支持しており、前記キルン本体4の上流端部には木質系燃料供給手段である供給コンベヤ6と、炉内に供給した木質系燃料の着火及び燃焼を補助する助燃バーナ7と、木質系燃料を自燃させるのに必要な外気(酸素)を供給する外気供給ファン8とを備えている一方、キルン本体4の下流端部には二次燃焼室9を備え、該二次燃焼室9の上端部には木質系燃料の燃焼に伴って生じた熱風を導出させる熱風導出ダクト10を連結していると共に、二次燃焼室9の下端部には木質系燃料の燃焼によって発生する灰等を排出する排出部11を備えている。
また、前記キルン本体4の炉内上流側の耐火物3の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差12を形成させ、炉内に供給される木質系燃料が熱分解するのに伴って発生する高温のチャー含有固形物Rの一部を前記段差12にて堰き止めて所定層厚にて滞留させ、後から供給されてくる木質系燃料を自燃させるための火種となるように構成している。なお、キルン本体4の炉内上流端部には前記段差12にて堰き止めた高温のチャー含有固形物Rが逆流して炉内からこぼれ落ちないように堰部13を形成している。
前記段差12は、図1に示すように、炉内耐火物3の内周径が炉内上流側に向かって漸次拡大するように略テーパー形状としており、段差12にて堰き止めて滞留させた高温のチャー含有固形物Rを少しずつ下流側へ流下可能なようにしている。例えば、段差を略直角状に形成すると、チャー含有固形物Rの一部が直角状の段差隅部に不必要に長く留まり続けて長時間に亘って高温に晒されることにより、場合によっては溶融を来してクリンカを発生させたり、そのクリンカが段差隅部付近に付着・成長するようなおそれがあるが、前記のように、略テーパー形状とすることにより、適度に流下させることができて上記不具合を回避することが可能となる。
また、前記段差12は、助燃バーナ7の火炎先端部付近よりもキルン上流側位置に形成させており、そうすることで助燃バーナ7のバーナ火炎からの輻射熱をより効果的に利用しながら段差12上流側に滞留する木質系燃料を燃焼可能としており、例えば、最初に炉内に供給された木質系燃料を着火させるまでの運転開始時や、含水率の高い難燃性の木質系燃料が供給されることで自燃状態にある木質系燃料が失火したときにも、前記助燃バーナ7を点火してやれば、バーナ火炎からの輻射熱を効率よく利用しながら比較的容易に着火(再着火)・燃焼可能なように図っている。
前記段差12よりも下流側の耐火物3の内壁面には、対向する一対の平行な長辺部14a及び対向する一対の平行な短辺部14bとからなる矩形凹部14をキルン本体4の周方向及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記キルン本体4の回転に伴ってキルン本体4内を流動する木質系燃料を前記矩形凹部14内に次々に落とし込んで持ち回るようにしており、例え前記段差12上流側に滞留する高温のチャー含有固形物R上へ供給された木質系燃料の一部が、含水率の高さなどの理由から十分に燃焼しきらずに未燃分が多少残ったとしても、その未燃分を前記矩形凹部14内に随時落とし込ませてキルン本体4の回転と共に持ち回りながら適当に攪拌させ、炉内空気(酸素)との接触機会を高めて十分に燃焼可能なようにしている。
なお、前記木質系燃料を攪拌する手段として、従来あるような、耐火物3内壁面に同じ耐火物からなる断面略凸状構造のリフタを設けるようにすることもできるが、その場合、木質系燃料を掻き上げる度にリフタ部分に荷重や剪断等の負荷が繰り返し掛かるため、比較的短い運転時間でもリフタ部分やその周辺の耐火物3に摩耗やクラック、欠損等が発生し、攪拌機能が早期に低下してしまう可能性があるものの、前記のように、耐火物3内壁面に矩形凹部14を刻設するようにすることで、耐火物3への荷重や剪断等の負荷を軽減できてメンテナンス面で有利なものとなる。
また、矩形凹部14の深さは比較的浅めに、好ましくは約10〜20mm程度の浅底構造としており、それによって矩形凹部14内の木質系燃料がキルン本体4の上部側まで持ち上がりきる前に徐々に耐火物3の内壁面に沿うようにしてこぼれ落ち、例えば、木質系燃料が樹皮等のような飛散性の高いものであっても、熱風に不必要に煽られて未燃状態のまま飛散してしまうといった不具合を抑制できるように図っている。
なお、前記矩形凹部14の大きさや設置間隔等は、キルン本体4のサイズ等を考慮して炉内にバランス良く配置されるように適宜決定すると良いが、前記のように、矩形凹部14を浅底構造とすると矩形凹部14にて一度に持ち回れる木質系燃料の量が少なくなって十分な攪拌処理ができなくなる懸念も生じるものの、例えば、キルン本体4の内周径が1900mm程度であれば、矩形凹部14の長辺部14aの長さを約1000mm程度、短辺部14bの長さを約400mm程度の幅広構造に形成し、キルン周方向へ8〜10個程度設けるように配置すれば、矩形凹部14にて一度に持ち回れる木質系燃料の量をあまり減らすことなく、例えばリフタと比べてもそれ程遜色のない攪拌処理能力を維持することが可能となって好ましいものとなる。
また、前記矩形凹部14は、図3に示すように、その長辺部14a側をキルン本体4の傾斜方向(図中、左方向)に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、キルン本体4内の木質系燃料をキルンの回転と共に持ち回りながら前記矩形凹部14の傾斜に沿って落下させることで木質系燃料をキルン上流側へと若干戻すようにしており、こうすることによって木質系燃料をある程度の時間を掛けながらより効果的に攪拌処理でき、例えば、前記のように矩形凹部14を幅広構造とするのと併せて採用すれば、矩形凹部14を浅底構造とすることに伴う攪拌処理能力の低下分を十分に補うことができて、リフタと略同等程度に木質系燃料を攪拌処理することが可能となる。
なお、矩形凹部14を傾斜配置した場合には、矩形凹部14内の木質系燃料は隅部14c付近に誘導されてこぼれ出て行くため、木質系燃料の詰まりや隅部14cの偏摩耗等を抑制すべく前記隅部14cを略円弧形状に成形している。
また、矩形凹部14の傾斜角度θは木質系燃料の性状等に応じて適当な攪拌処理ができるように適宜決定すれば良いが、少なくとも木質系燃料の安息角以上にしておけば、矩形凹部14内に落とし込んだ木質系燃料を下位側の長辺部14aに沿わせてキルン上流側へスムーズに誘導させることが可能となって好ましいものとなる。
そして、上記構成の自燃式の熱風発生用ロータリーキルン1にて、例えば、不用廃材等の木質系燃料を自燃させて高温の熱風を発生させるときには、先ず、助燃バーナ7を燃焼させてキルン本体4内に熱風を供給して炉内温度を高めた後、供給コンベヤ6より木質系燃料を炉内へ供給して着火・燃焼させる。この着火・燃焼させた木質系燃料が炉内を流下していって段差12位置に到達すると一時的に堰き止められて滞留し、その間に助燃バーナ7からの熱風や、バーナ火炎からの輻射熱に晒されて熱分解が進んで高温のチャー含有固形物Rを生じるまでになると、前記助燃バーナ7を消火させる一方、外気供給ファン8より所定量の外気(酸素)を供給して自燃運転状態に移行させる。そして、高温雰囲気下の前記炉内に木質系燃料と外気とを所定量ずつ供給させると、木質系燃料は助燃バーナ7による補助なしでも順次着火・燃焼していき、高温の熱風を発生させ、下流の熱風導出ダクト10より導出されていく。
このとき、キルン本体4内に供給される木質系燃料が、含水率が高いなどの着火・燃焼しにくい性状を有していても、前記段差12にて堰き止められて滞留する高温のチャー含有固形物Rがあたかも火種のような役目を果たし、そこへ前記難燃性の木質系燃料を直接投入させることによって比較的容易に着火・燃焼させることができ、木質系燃料の性状にかかわらず自燃状態を安定維持することができる。
また、木質系燃料が前記高温のチャー含有固形物Rとの接触によってもその一部が燃焼しきらずに未燃分が残った場合には、この未燃状態の木質系燃料は前記段差12下流側へ流下していき、やがて矩形凹部14の位置に到達すると木質系燃料はその内部へと次々と落ち込むようにして収まり、キルン本体4の回転に伴って持ち回らされていく。そして、矩形凹部14内の木質系燃料がキルン回転方向へ、例えば約1/8〜1/4周程度まで持ち上げられると、徐々に耐火物3の内壁面に沿ってこぼれ落ちていき、その際にこぼれ落ちる木質系燃料の一部は傾斜した矩形凹部14の下位側の長辺部14aに沿ってキルン上流側へ若干戻されることになる。そして、これら一連の動作を繰り返しつつ木質系燃料は効果的に攪拌処理され、炉内空気と万遍なく接触しながら十分に燃焼されていく。
このように、本発明の自燃式の熱風発生用のロータリーキルン1にあっては、キルン本体4の炉内上流側の耐火物3の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差12を形成させ、木質系燃料の燃焼に伴って発生する高温のチャー含有固形物Rを前記段差12にて堰き止め滞留させて自燃用の火種とするように構成したので、木質系燃料をその性状にかかわらず比較的容易に着火・燃焼させることができ、助燃バーナ7による補助なしでも安定した自燃運転が可能となる。また、前記段差12下流側の耐火物3内壁面に浅底構造の矩形凹部14を刻設したので、例え木質系燃料の含水率が高く、前記チャー含有固形物Rとの接触によっても着火・燃焼せずに未燃分が多少残ったとしても、あまり飛散させることなく適当に攪拌処理できて炉内空気との接触機会を高めながら効果的に燃焼させることができる。
なお、キルン本体4内に供給される木質系燃料はキルン後半部では燃焼がほぼ完了して灰化しており、そのような状態であまり攪拌されずにキルン本体4底部側に留まっていると、その灰の一部が溶融してクリンカが生成されやすく、場合によってはそれが耐火物3表面に付着成長するなどの不具合を生じる可能性があるものの、前記矩形凹部14を少なくともキルン後半部側に設けるようにすれば、灰化した廃木材を適度に攪拌しながら炉内空気と万遍なく接触させて完全燃焼させることができ、それによってクリンカの発生を効果的に防ぐことができてメンテナンス面において好適なものとなる。
1…自燃式の熱風発生用ロータリーキルン
2…鋼板 3…耐火物
4…キルン本体
6…供給コンベヤ(木質系燃料供給手段) 7…助燃バーナ
8…外気供給ファン 10…熱風導出ダクト
12…段差 14…矩形凹部
R…チャー含有固形物

Claims (1)

  1. 円筒状の鋼板の内周壁に耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の上流端部に助燃バーナと木質系燃料供給手段及び木質系燃料を自燃させるのに必要な外気を供給する外気供給ファンを備える一方、キルン本体の下流端部には熱風導出ダクトを備え、キルン本体の炉内上流側の耐火物の内周径を下流側の内周径よりも拡大して段差を形成させ、該段差は前記助燃バーナの火炎先端部よりもキルン上流側位置に設け、かつ前記キルン本体の炉内上流端部には堰部を形成し、木質系燃料の熱分解に伴って発生する高温のチャー含有固形物を前記段差にて堰き止めて前記堰部との間に所定の層厚にて滞留させて自燃用の火種とするように構成すると共に、前記段差よりも下流側の耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにし、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の木質系燃料を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて木質系燃料をキルン上流側へと戻す構成としたことを特徴とする自燃式の熱風発生用ロータリーキルン。
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