JP6690567B2 - スイッチ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源部とグランドとの間に直列に設けられた一対のスイッチをオンオフさせるスイッチ制御装置に関するものである。
従来、回転電機(交流モータ)について異常の有無を判定し、異常発生時にはその異常に応じた対応処置を実施する技術が知られている。例えば特許文献1には、電力変換装置の電流と電流変化量とに応じた判定用電圧値を検出し、判定用電圧値が第1判定閾値を上回った場合に、電力変換の運転停止を指示する一方、判定用電圧値が第1判定閾値よりも大きい第2判定閾値を上回った場合に、電力変換の運転停止後において電力変換の運転再開を制限する技術が開示されている。
特開2016−178802号公報
ところで、インバータ等の電力変換装置では一般に、電源部とグランドとの間に直列に電流制御用の一対の半導体スイッチを接続し、その一対の半導体スイッチを互い違いにオンオフさせる構成が用いられる。かかる構成では、一対の半導体スイッチのうち一方がオン故障することに伴い一対の半導体スイッチを通じて過大な電流(貫通電流)が流れることが考えられるため、過電流が流れたと判定されると、その判定に応じてスイッチを遮断させる処置が行われる。
ここで、過電流の判定にはある程度の時間を要する。そのため、過電流が流れ始めてから過電流判定が完了するまでの間に、半導体スイッチが通常操作として遮断されることがあり得る。かかる場合、そのスイッチ遮断に伴い、大電流遮断による半導体スイッチのサージ破壊が生じることが懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、一対のスイッチを含む経路での過電流発生時において適正にスイッチ遮断を実施することができるスイッチ制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成の符号を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
第1の手段では、
電源部とグランドとの間に直列に設けられた一対のスイッチ(Sp,Sn,51,52)を、両方が同時にオンしないようにしてデューティ信号により互い違いにオンオフさせるスイッチ制御装置(24,70)であって、
前記デューティ信号を生成する信号生成部(24)と、
前記一対のスイッチのうち一方のスイッチのオン故障が生じた後に他方のスイッチがオンした状態で、前記一対のスイッチに通じる経路で過電流が流れたことを判定する判定部(71)と、
前記判定部により前記過電流が流れたと判定された場合に、前記他方のスイッチを通常の遮断速度よりも遅い速度で遮断させる遮断操作部(72)と、
少なくとも前記判定部による過電流判定と前記遮断操作部による遮断操作開始とに要する時間が確保されるように前記デューティ信号のオン時間を制限する制限部(24)と、
を備える。
一対のスイッチのうち一方のスイッチのオン故障が生じた後に他方のスイッチがオンすると、一対のスイッチに過大な電流(貫通電流)が流れる。また、大電流が流れている状態でスイッチを遮断すると、サージ電圧によるスイッチ破壊が懸念される。そのため、大電流が流れている状態では、通常の遮断速度よりも遅い速度でスイッチ遮断(いわゆるソフト遮断)が行われるとよい。ただし、デューティ信号によりオンオフされる各スイッチにおいて、そのオン時間が短すぎると、過電流判定とそれに伴うスイッチ遮断操作とが適正に行われず、結果として大電流遮断が行われることが懸念される。
この点、上記構成では、少なくとも判定部による過電流判定と遮断操作部による遮断操作開始とに要する時間が確保されるようにデューティ信号のオン時間が制限されるようになっている。これにより、一方のスイッチがオン故障した場合において、過電流を適正に判定するとともに、その過電流が流れている状態でのスイッチ遮断(ソフト遮断)を適正に実施することができる。その結果、一対のスイッチを含む経路での過電流発生時において適正にスイッチ遮断を実施し、ひいてはスイッチの保護を図ることができる。
第2の手段では、巻線界磁型の回転電機(21)の界磁巻線(26)を通電させる界磁回路(23)を有する回転電機ユニット(16)に適用され、前記界磁回路は、前記一対のスイッチとして電源部側の第1界磁スイッチ(51)とグランド側の第2界磁スイッチ(52)とを有しており、前記判定部は、前記第1界磁スイッチ及び前記第2界磁スイッチを通じて前記過電流が流れたことを判定し、前記制限部は、前記第1界磁スイッチをオンオフする前記デューティ信号についてデューティ上限値による制限、及び当該デューティ信号についてデューティ下限値による制限の少なくともいずれかを実施する。
巻線界磁型回転電機の界磁回路では、界磁電流制御において第1界磁スイッチ及び第2界磁スイッチが互い違いにオンオフされる。この場合、第1界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ上限値による制限を実施することにより、第1界磁スイッチのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、第2界磁スイッチのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。又は、第1界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ下限値による制限を実施することにより、第2界磁スイッチのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、第1界磁スイッチのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。
なお、第1界磁スイッチ及び第2界磁スイッチが互い違いにオンオフされる構成からすると、第1界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ上限値による制限を実施することは、第2界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ下限値による制限を実施することと同意である。また同様に、第1界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ下限値による制限を実施することは、第2界磁スイッチ用のデューティ信号についてデューティ上限値による制限を実施することと同意である。なお、デューティ上限値は、デューティ比100%よりも小さい値、デューティ下限値はデューティ比0%よりも大きい値である。これらは後述の手段3についても同様である。
第3の手段では、3相の電機子巻線群を有する回転電機(21)と、前記回転電機の各相の電機子巻線(25)を相ごとに通電させるインバータ回路(22)を有する回転電機ユニット(16)に適用され、前記インバータ回路は、前記一対のスイッチとして相ごとに上アームスイッチ(Sp)と下アームスイッチ(Sn)とを有しており、前記判定部は、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを通じて前記過電流が流れたことを判定し、前記制限部は、前記上アームスイッチをオンオフする前記デューティ信号についてデューティ上限値による制限、及び当該デューティ信号についてデューティ下限値による制限の少なくともいずれかを実施する。
回転電機のインバータ回路では、各相の通電電流制御において上アームスイッチ及び下アームスイッチが互い違いにオンオフされる。この場合、上アームスイッチ用のデューティ信号についてデューティ上限値による制限を実施することにより、上アームスイッチのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、下アームスイッチのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。又は、上アームスイッチ用のデューティ信号についてデューティ下限値による制限を実施することにより、下アームスイッチのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、上アームスイッチのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。
第4の手段では、回転電機(21)の電機子巻線(25)及び界磁巻線(26)の少なくともいずれかに繋がる通電経路に前記一対のスイッチが設けられ、その一対のスイッチのオンオフを制御するスイッチ制御装置であって、前記デューティ信号は、前記電機子巻線及び前記界磁巻線の少なくともいずれかへの通電電流の要求値に応じて算出される指令信号と、所定周波数のキャリア信号との比較に基づいて生成され、前記制限部は、前記キャリア信号の周波数に応じて定められるデューティ制限値により、前記デューティ信号のデューティ比を制限する。
回転電機では、例えば、電機子制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数と、界磁制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数とが互いに異なることが考えられる。また、電機子制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数を可変にすること、又は、界磁制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数を可変にすることが考えられる。この点を考慮し、キャリア信号の周波数に応じて定められるデューティ制限値により、デューティ信号のデューティ比を制限するとよい。これにより、過電流判定とスイッチ遮断操作との所要時間を確保しつつ、適度なオン時間の制限を実現できる。例えば、キャリア信号の周波数が大きいほどデューティ上限値を小さくする。また、キャリア信号の周波数が大きいほどデューティ下限値を大きくする。
第4の手段では、電機子巻線に繋がる通電経路、及び界磁巻線に繋がる通電経路にそれぞれ一対のスイッチが設けられ、それら各一対のスイッチのオンオフを制御するスイッチ制御装置において、電機子制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数と、界磁制御用のデューティ信号を生成する際に用いるキャリア信号の周波数とが相違していることが考えられる。かかる場合において、第5の手段にように、前記デューティ制限値が、前記電機子制御用のデューティ信号と、前記界磁制御用のデューティ信号とで各々異なる値として定められているとよい。
車両システムを示す電気回路図。 回転電機ユニットの電気的構成を示す回路図。 界磁回路における通電経路を示す回路図。 ドライバの構成を簡略に示す回路図。 操作信号生成の処理手順を示すフローチャート。 界磁回路における第1スイッチ及び第2スイッチのスイッチング動作を示すタイムチャート。 2相変調手法を説明するための図。 2相変調手法を説明するための図。 デューティ制限値を説明するための図。 ハーフブリッジ構成の界磁回路を示す回路図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、エンジン(内燃機関)を駆動源として走行する車両の各種機器に電力を供給する車両システムにおいて、当該システムの制御を実施する制御装置を具体化するものとしている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
図1に示すように、車両システムは、電源部として鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを有する2電源システムである。各蓄電池11,12からは、スタータ13や、各種の電気負荷14,15、回転電機ユニット16への給電が可能となっている。また、各蓄電池11,12に対しては、回転電機ユニット16による充電が可能となっている。本システムでは、回転電機ユニット16及び電気負荷14,15のそれぞれに対して、鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12が並列に接続されている。
鉛蓄電池11は周知の汎用蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて充放電時のエネルギ効率が高い蓄電池であることが望ましい。このリチウムイオン蓄電池12は、それぞれ複数の単電池を有してなる組電池として構成されている。これら各蓄電池11,12の定格電圧はいずれも同じであり、例えば12Vである。
リチウムイオン蓄電池12は、収容ケースに収容されて基板一体の電池ユニットUとして構成されている。電池ユニットUは、出力端子P1,P2,P3を有しており、このうち出力端子P1,P3に鉛蓄電池11とスタータ13と電気負荷14とが接続され、出力端子P2に電気負荷15と回転電機ユニット16とが接続されている。
各電気負荷14,15は、各蓄電池11,12からの供給電力の電圧に対する要求が相違するものである。このうち電気負荷14には、供給電力の電圧が一定又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定であることが要求される定電圧要求負荷が含まれる。これに対し、電気負荷15は、定電圧要求負荷以外の一般的な電気負荷である。
定電圧要求負荷である電気負荷14の具体例としては、ナビゲーション装置やオーディオ装置、メータ装置、エンジンECU等の各種ECUが挙げられる。この場合、供給電力の電圧変動が抑えられることで、上記各装置において不要なリセット等が生じることが抑制され、安定動作が確保される。電気負荷14として、電動ステアリング装置やブレーキ装置等の走行系アクチュエータが含まれていてもよい。電気負荷15の具体例としては、シートヒータやリヤウインドウのデフロスタ用ヒータ、ヘッドライト、フロントウインドウのワイパ、空調装置の送風ファン等が挙げられる。
回転電機ユニット16は、回転電機21と、インバータ22と、界磁回路23と、回転電機21の作動を制御する回転電機ECU24とを備えている。回転電機ユニット16は、モータ機能付き発電機であり、機電一体型のISG(Integrated Starter Generator)として構成されている。回転電機ユニット16の詳細については後述する。
電池ユニットUには、ユニット内電気経路として、各出力端子P1,P2を繋ぐ電気経路L1と、電気経路L1上の点N1とリチウムイオン蓄電池12とを繋ぐ電気経路L2とが設けられている。このうち電気経路L1にスイッチ31が設けられ、電気経路L2にスイッチ32が設けられている。
また、電池ユニットUには、スイッチ31を迂回するバイパス経路L3が設けられている。バイパス経路L3は、出力端子P3と電気経路L1上の点N1とを接続するようにして設けられている。出力端子P3は、ヒューズ35を介して鉛蓄電池11に接続されている。このバイパス経路L3によって、スイッチ31を介さずに、鉛蓄電池11と電気負荷15及び回転電機ユニット16との接続が可能となっている。バイパス経路L3には、例えば常閉式の機械式リレーからなるバイパススイッチ36が設けられている。バイパススイッチ36をオン(閉鎖)することで、スイッチ31がオフ(開放)されていても鉛蓄電池11と電気負荷15及び回転電機ユニット16とが電気的に接続される。
電池ユニットUは、各スイッチ31,32のオンオフ(開閉)を制御する電池ECU37を備えている。電池ECU37は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。電池ECU37は、各蓄電池11,12の蓄電状態や、上位制御装置であるエンジンECU40からの指令値に基づいて、各スイッチ31,32のオンオフを制御する。これにより、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを選択的に用いて充放電が実施される。例えば、電池ECU37は、リチウムイオン蓄電池12のSOC(State Of Charge)を算出し、SOCが所定の使用範囲内に保持されるようにリチウムイオン蓄電池12への充電量及び放電量を制御する。
回転電機ユニット16の回転電機ECU24や、電池ユニットUの電池ECU37には、各ECU24,37を統括的に管理する上位制御装置としてのエンジンECU40が接続されている。エンジンECU40は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されており、都度のエンジン運転状態や車両走行状態に基づいてエンジン42の運転を制御する。各ECU24,37,40や、その他図示しない各種の車載ECUは、CAN等の通信ネットワークを構築する通信線41により接続されて相互に通信可能となっており、所定周期で双方向の通信が実施される。これにより、各ECU24,37,40に記憶される各種データを互いに共有できるものとなっている。
次に、回転電機ユニット16の電気的構成について図2を用いて説明する。回転電機21は3相交流モータ(同期機)であり、3相電機子巻線25としてU相、V相、W相の相巻線25U,25V,25Wと、界磁巻線26とを備えている。各相巻線25U,25V,25Wが電機子巻線群に相当する。各相巻線25U,25V,25Wは星形結線され、中性点にて互いに接続されている。回転電機21の回転軸は、図示しないエンジン出力軸に対してベルトにより駆動連結されており、エンジン出力軸の回転によって回転電機21の回転軸が回転する一方、回転電機21の回転軸の回転によってエンジン出力軸が回転する。つまり、回転電機21は、エンジン出力軸や車軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、エンジン出力軸に回転力を付与する力行機能とを備えている。例えば、アイドリングストップ制御でのエンジン再始動時や車両加速のための動力アシスト時に、回転電機21が力行駆動される。
インバータ22は、各相巻線25U,25V,25Wから出力される交流電圧を直流電圧に変換して電池ユニットUに対して出力する。また、インバータ22は、電池ユニットUから入力される直流電圧を交流電圧に変換して各相巻線25U,25V,25Wへ出力する。インバータ22は、相巻線の相数と同数の上下アームを有するブリッジ回路であり、3相全波整流回路を構成している。インバータ22は、回転電機21に供給される電力を調節することで回転電機21を駆動する駆動回路を構成している。
インバータ22は、相ごとに上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnを備えており、各相のスイッチSp,Snが互い違いにオンオフされることにより、相ごとに時系列の通電が行われる。本実施形態では、各スイッチSp,Snとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、具体的には、NチャネルMOSFETを用いている。上アームスイッチSpには、上アームダイオードDpが逆並列に接続され、下アームスイッチSnには、下アームダイオードDnが逆並列に接続されている。すなわち、各ダイオードDp,Dnは、カソードを電源側、アノードをグランド側とする向きでそれぞれ設けられている。本実施形態では、各ダイオードDp,Dnとして、各スイッチSp,Snの寄生ダイオードを用いている。なお、各ダイオードDp,Dnとしては、寄生ダイオードに限らず、例えば各スイッチSp,Snとは別部品のダイオードであってもよい。各相におけるスイッチSp,Snの直列接続体の中間点は、各相巻線25U,25V,25Wの一端にそれぞれ接続されている。
インバータ22には、相ごとの電流経路に、各相電流Iu,Iv,Iwを検出する電流検出部29が設けられている。電流検出部29は、例えばシャント抵抗やカレントトランスを備える構成を有する。
界磁回路23は、複数のスイッチング素子のオンオフに応じて界磁巻線26を通電させるものである。界磁回路23は、1つの遮断スイッチ50と、4つの界磁スイッチ51,52,53,54とを有してなり、界磁スイッチ51〜54によりHブリッジ整流回路が構成されている。各スイッチ50〜54の基本構成はインバータ22の各スイッチと同じであり、各々において半導体スイッチング素子にはダイオードDiが逆並列に接続されている。
界磁回路23では、界磁スイッチ51,52が電源部(図2では電池ユニットU)とグランドとの間に直列接続されるとともに、界磁スイッチ53,54が、電源部とグランドとの間に直列接続されている。そして、界磁スイッチ51,53のハイサイドどうし、界磁スイッチ51,52及び界磁スイッチ53,54の中間点どうし、界磁スイッチ52,54のローサイドどうしがそれぞれ電気的に接続されることで、各界磁スイッチ51〜54がHブリッジ状に接続されている。この場合、界磁スイッチ53は界磁スイッチ51に並列に設けられ、界磁スイッチ54は界磁スイッチ52に並列に設けられている。なお以下においては、説明の便宜上、界磁スイッチ51〜54を、それぞれ第1スイッチ51、第2スイッチ52、第3スイッチ53、第4スイッチ54とも称する。
界磁巻線26は、界磁スイッチ51,52の中間点と界磁スイッチ53,54の中間点とを繋ぐ経路部分に設けられている。第2スイッチ52を基準にして言えば、界磁巻線26は、第2スイッチ52の両端に接続され第2スイッチ52と並列となる並列経路部に設けられている。界磁巻線26の両端のうち一方は界磁スイッチ51,52の中間点であるF+端子に接続され、他方は界磁スイッチ53,54の中間点であるF−端子に接続されている。F+端子が電源側端子(ハイサイド端子)であり、F−端子がグランド側端子(ローサイド端子)である。なお、界磁巻線26は、図示しないブラシを介してF+端子、F−端子にそれぞれ接続されている。
遮断スイッチ50は、電源部と第1スイッチ51との間、より詳しくは、電池ユニットUに繋がる母線と第1スイッチ51及び第3スイッチ53の分岐点との間に設けられている。遮断スイッチ50のオンオフにより、界磁回路23に対する電力供給と電力遮断とが切り替えられる。
界磁回路23により界磁巻線26の通電を行う際には、以下のように各スイッチ50〜54がオンオフされる。図3には界磁回路23における通電経路を示す。回転電機21の作動に伴う界磁巻線26の通電時には、遮断スイッチ50が常時オン(オン固定)されるとともに、第3スイッチ53が常時オフ(オフ固定)、第4スイッチ54が常時オン(オン固定)とされる。そして、その状態下で第1スイッチ51及び第2スイッチ52が相反する期間でオンオフされる。この場合、第1スイッチ51がオン、第2スイッチ52がオフとなる状態では、図3に破線で示すように、遮断スイッチ50→第1スイッチ51→界磁巻線26→第4スイッチ54→グランドの順となる経路Y1で電流が流れる。また、その後、第1スイッチ51がオフ、第2スイッチ52がオンとなる状態では、図3に二点鎖線で示すように、界磁巻線26→第4スイッチ54→第2スイッチ52→界磁巻線26の順となる還流経路Y2で電流(還流電流)が流れる。
ここで、第4スイッチ54の両端の電気経路のうちグランド側には、界磁巻線26を流れる界磁電流Ifを検出する界磁電流検出部55が設けられている。また、第2スイッチ52の両端の電気経路のうちグランド側には、第1スイッチ51がオフ、第2スイッチ52がオンとなる状態で流れる還流電流Irを検出する還流電流検出部56が設けられている。なお、電源側からグランドに流れる向きを正とすると、界磁電流Ifは正の電流として検出され、還流電流Irは負の電流として検出される。電流検出部55,56は、例えばシャント抵抗やカレントトランスを備える構成を有する。
図2に戻り、インバータ22の高圧側経路には、インバータ22の入出力の電圧(すなわち電源電圧)を検出する電圧センサ45が設けられている。この電圧センサ45を含め各センサの検出信号は回転電機ECU24に適宜入力される。
インバータ22及び界磁回路23を構成する各スイッチは、ドライバ27を介してそれぞれ独立にオン/オフ駆動が切り替えられる。
回転電機ECU24は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。回転電機ECU24は、その内部の図示しないICレギュレータにより、界磁巻線26に流す励磁電流を調整する。これにより、回転電機ユニット16の発電電圧(電池ユニットUに対する出力電圧)が制御される。また、回転電機ECU24は、通電位相に応じて各相のスイッチSp,Snのオンオフを制御するとともに、各相の通電時にオンオフ比率(例えばデューティ比)を調整することで通電電流を制御する。ここで、回転電機ECU24は、車両の走行開始後にインバータ22を制御して回転電機21を駆動させて、エンジンの駆動力をアシストする。回転電機21は、エンジン始動時にクランク軸に初期回転を付与することが可能であり、エンジン始動装置としての機能も有している。
回転電機ECU24によるインバータ22の通電電流制御について補足する。回転電機ECU24は、上位制御装置であるエンジンECU40からの力行トルク指令値や発電電圧指令値に基づいて通電電流指令値を算出するとともに、その通電電流指令値と実際の通電電流(電流検出部29の電流検出値)との偏差に基づいて、相ごとに通電電流制御のためのデューティ信号として操作信号を生成する。具体的には、通電電流指令値と電流検出値との偏差に基づいて相ごとに指令電圧を算出するとともに、その指令電圧とキャリア信号(例えば三角波信号)との大小比較に基づくPWM処理によって操作信号(PWM信号)を生成する。本実施形態では、3相変調により操作信号を生成するが、3次高調波重畳パターンを用いたパルス幅変調を実施することも可能である。そして、回転電機ECU24は、各相の操作信号により、相ごとに上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnを各々オンオフさせる。これにより、回転電機21の各相電流がフィードバック制御される。
なお、回転電機21の力行時及び発電時においては、所定回転速度以下となる回転域で上記のPWM制御が実施されるとよい。この場合、所定回転速度を超える回転域では、例えば矩形波制御(目標電圧のゼロクロス点でオンオフ操作される制御)が実施されるとよい。
回転電機ECU24による界磁電流制御について補足する。回転電機ECU24は、エンジンECU40からの力行トルク指令値や発電電圧指令値に基づいて、界磁電流指令値を算出するとともに、その界磁電流指令値と実際の界磁電流(界磁電流検出部55の電流検出値)との偏差に基づいて、界磁電流制御のためのデューティ信号として操作信号を生成する。具体的には、界磁電流指令値と電流検出値との偏差に基づいて指令電圧を算出するとともに、その指令電圧とキャリア信号との大小比較に基づくPWM処理によって操作信号(PWM信号)を生成する。そして、回転電機ECU24は、操作信号により、第1スイッチ51及び第2スイッチ52を各々オンオフさせる。これにより、界磁電流がフィードバック制御される。
ここで、ドライバ27の構成を図4を用いて説明する。ドライバ27は、インバータ22の各スイッチSp,Snや界磁回路23の各スイッチ51〜54を構成するスイッチング素子のゲート端子(導通制御端子)に対して充電及び放電を行い、そのスイッチング素子をオン状態及びオフ状態で切り替える駆動装置である。なおここでは、スイッチSpを例にドライバ27の構成を説明する。
ドライバ27は、充電用回路として、電源61に接続された抵抗62及び充電用スイッチ63を有しており、充電用スイッチ63がオンすることで、スイッチSpのゲートに一定の電流が流れ、スイッチSpのゲート充電が行われる。これにより、スイッチSpがオン状態となる。
また、ドライバ27は、放電用回路として2系統の放電部を有しており、一方は、操作信号による通常遮断用の第1放電部64、他方は、ソフト遮断用の第2放電部65となっている。第1放電部64は、第1放電用抵抗66及び第1放電用スイッチ67を有し、第2放電部65は、第2放電用抵抗68及び第2放電用スイッチ69を有している。第1放電用抵抗66と第2放電用抵抗68とは抵抗値が相違しており、第1放電用抵抗66の抵抗値R1と第2放電用抵抗68の抵抗値R2とはR1<R2の関係となっている。これら放電用抵抗66,68は放電速度(遮断速度)を調整する抵抗であり、R1<R2の関係からして、第1放電用スイッチ67を介してゲート放電を行う場合よりも、第2放電用スイッチ69を介してゲート放電を行う場合の方が放電速度が遅くなるものとなっている。
つまり、スイッチSpをオフ(遮断)する際には、第1放電用スイッチ67と第2放電用スイッチ69とが択一的にオンされるようになっており、第1放電用スイッチ67がオンされることで通常遮断が行われ、第2放電用スイッチ69がオンされることで、通常遮断よりも遮断速度を遅くしたソフト遮断が行われる。なお、充電用スイッチ63及び第1放電用スイッチ67のオンオフは、回転電機ECU24からの操作信号に基づいて行われる。
ところで、インバータ22では、相ごとに、直列接続体である一対のスイッチとして上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnが設けられており、界磁回路23では、直列接続体である一対のスイッチとして第1スイッチ51及び第2スイッチ52が設けられている。そして、これら各一対のスイッチは、操作信号により互い違いにオンオフされる。かかる場合において、一対のスイッチのうち一方のスイッチのオン故障が生じた後に他方のスイッチがオンすると、一対のスイッチに過大な電流(貫通電流)が流れる。また、過電流対策としてスイッチ遮断が行われるが、大電流が流れている状態でスイッチを遮断すると、サージ電圧によるスイッチ破壊が懸念される。そのため、大電流が流れている状態では、ソフト遮断によりスイッチがオフ操作される。ただし、操作信号のオン時間が短すぎると、過電流判定とそれに伴うスイッチ遮断操作とが適正に行われず、結果として大電流遮断が行われることが懸念される。
そこで本実施形態では、少なくとも過電流判定と遮断操作開始とに要する時間が確保されるように操作信号のオン時間が制限されるようになっている。これにより、一方のスイッチがオン故障した場合において、過電流が適正に判定されるとともに、その過電流が流れている状態でのスイッチ遮断(ソフト遮断)が適正に実施される。
図2の構成においては、回転電機ユニット16に、一対のスイッチに通じる経路で過電流が流れたことを判定する判定部71と、判定部71により過電流が流れたと判定された場合に、他方のスイッチについてソフト遮断を行わせる遮断操作部72とが設けられている。判定部71は例えば比較器を用いて構成される。判定部71及び遮断操作部72は、例えば専用IC回路であるASIC70により実現される。本実施形態では、回転電機ECU24とASIC70とにより「スイッチ制御装置」が構成されている。
インバータ22の上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnについて言えば、判定部71は、電流検出部29により検出した電流検出値を入力し、その電流検出値が所定の閾値を上回ることに基づいて、過電流が流れたと判定する。遮断操作部72は、判定部71の判定結果に基づいて、ドライバ27におけるソフト遮断用の第2放電部65に対して第2放電用スイッチ69をオンする旨の指令信号を出力する。これにより、上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnのうちオン故障が生じていない側のスイッチについてソフト遮断が実施される。
また、界磁回路23の第1スイッチ51及び第2スイッチ52について言えば、判定部71は、還流電流検出部56により検出した電流検出値を入力し、その電流検出値が所定の閾値を上回ることに基づいて、過電流が流れたと判定する。遮断操作部72は、判定部71の判定結果に基づいて、ドライバ27におけるソフト遮断用の第2放電部65に対して第2放電用スイッチ69をオンする旨の指令信号を出力する。これにより、第1スイッチ51及び第2スイッチ52のうちオン故障が生じていない側のスイッチについてソフト遮断が実施される。
ここで、例えば界磁回路23において、第1スイッチ51及び第2スイッチ52のうち第1スイッチ51で生じるオン故障を想定すると、過電流判定及びソフト遮断を適正に行うには、第2スイッチ52におけるオン時間として必要最小限の時間を確保する必要がある。そのため、第1スイッチ51の操作信号に対してデューティ比の上限ガードを実施する。この上限ガードは、デューティ比が100%よりも小さいデューティ上限値により行われる。この上限ガードにより、第2スイッチ52の操作信号が0%よりも大きいデューティ比の信号となる。また、第2スイッチ52で生じるオン故障を想定すると、過電流判定及びソフト遮断を適正に行うには、第1スイッチ51におけるオン時間として必要最小限の時間を確保する必要がある。そのため、第1スイッチ51の操作信号に対してデューティ比の下限ガードを実施する。この下限ガードは、デューティ比が0%よりも大きいデューティ下限値により行われる。この下限ガードにより、第2スイッチ52の操作信号が100%よりも小さいデューティ比の信号となる。
図5は、回転電機ECU24により実施される操作信号生成の処理手順を示すフローチャートであり、本処理は所定周期で繰り返し実施される。ここでは、界磁電流制御のための操作信号を例にして説明する。
図5において、ステップS11では、力行トルク指令値や発電電圧指令値に基づいて、PWM処理によりPWM信号を生成する。続くステップS12では、第1スイッチ51及び第2スイッチ52のうち第1スイッチ51のPWMデューティ比が所定の上限値を超えているか否かを判定する。上限値は例えば95%である。そして、ステップS12が肯定されると、ステップS13に進み、第1スイッチ51のPWMデューティ比を所定の上限値で制限する(デューティ比=上限値とする)。
また、ステップS14では、第1スイッチ51及び第2スイッチ52のうち第1スイッチ51のPWMデューティ比が所定の下限値未満であるか否かを判定する。下限値は例えば5%である。そして、ステップS14が肯定されると、ステップS15に進み、第1スイッチ51のPWMデューティ比を所定の下限値で制限する(デューティ比=下限値とする)。その後、ステップS16では、上記のごとく制限が実施されたPWMデューティ比、又は制限が実施されていないPWMデューティ比に基づいて操作信号を生成し、出力する。
なお、第1スイッチ51及び第2スイッチ52が互い違いにオンオフされる構成からすると、第1スイッチ用の操作信号についてデューティ上限値による制限を実施することは、第2スイッチ用の操作信号についてデューティ下限値による制限を実施することと同意である。また同様に、第1スイッチ用の操作信号についてデューティ下限値による制限を実施することは、第2スイッチ用の操作信号についてデューティ上限値による制限を実施することと同意である。
上記図5の処理では、第1スイッチ51のオン故障を想定してデューティ比の上限ガードを実施するとともに、第2スイッチ52のオン故障を想定してデューティ比の下限ガードを実施する構成としたが、これらのいずれか一方のみを想定した構成であってもよい。図5の処理を用い、インバータ22の各スイッチSp,Snについて適用することも可能である。この場合、上アームスイッチSpのPWMデューティ比が所定の上限値を超えていれば、そのデューティ比を所定の上限値で制限する。また、上アームスイッチSpのPWMデューティ比が所定の下限値未満であれば、そのデューティ比を所定の下限値で制限する。
図6は、界磁回路23における第1スイッチ51及び第2スイッチ52のスイッチング動作を示すタイムチャートである。第1スイッチ用の第1操作信号と、第2スイッチ用の第2操作信号とは、互い違いにオンオフされ、かつ所定のデッドタイムを有するものとなっている。なお、キャリア信号は例えば1kHzであり、キャリア信号により決定されるPWM周期は1msecである。
図6において、第1操作信号のオン期間T1では第1スイッチ51がオンされ、第2操作信号のオン期間T2では第2スイッチ52がオンされる。なお、図6には、還流電流検出部56により検出される電流の推移を示しており、当該電流は、第1スイッチ51がオフされる期間において負の電流として検出される。そして、例えばタイミングtaで第1スイッチ51のオン故障が生じると、その後に第2スイッチ52がオンすることに伴い、両スイッチ51,52を通じて過大な電流(貫通電流)が流れ始める。このとき、判定部71において過電流判定が実施される。なお、過電流が流れたと判定されるには例えば10μsec程度の時間を要する。
判定部71において過電流が流れたと判定されると、その判定結果に基づいて、遮断操作部72において第1スイッチ51及び第2スイッチ52のいずれかについてソフト遮断が行われる。このとき、第1スイッチ51のオン故障を想定して第1操作信号のデューティ比の上限ガードが実施されている、逆に言えば、第2操作信号のデューティ比の下限ガードが実施されていることで、第2スイッチ52のオン期間において過電流判定とスイッチ遮断操作とが適正に行われる。このとき、第2スイッチ52のオン時間として、例えば少なくとも20μsecの時間が確保されているとよい。
インバータ22において、2相変調を用いた通電電流制御を実施してもよい。具体的には、回転電機ECU24は、各相の上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnの操作状態を1相ずつ所定周期ごとに順次固定するとともに、その固定された相以外の2相を構成する上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnをPWM処理によりオンオフ操作する。
より具体的には、図7に示すように、回転電機21の電気角120°ごとに、1相ずつ上アームスイッチSpのオフ操作固定及び下アームスイッチSnのオン操作固定が順次行われるように各相の指令信号(各相の通電電流指令値と回転電機21の電気角速度に応じて算出されるフィードフォワード操作量)が設定される。そして、この指令信号に基づいて、相ごとに操作信号が生成される。なお、相間電圧が正弦波となるように操作状態を固定する2相の指令信号が設定されるとよい。この場合、キャリア信号の最大値が「1」、最小値が「0」になることを前提として、オフ操作固定される上アームスイッチSpの指令信号が下限値に固定され、オン操作固定される下アームスイッチSnの指令信号が上限値に固定される。
又は、図8に示すように、回転電機21の電気角120°ごとに、1相ずつ上アームスイッチSpのオン操作固定及び下アームスイッチSnのオフ操作固定が順次行われるように各相の指令信号が設定される。そして、この指令信号に基づいて、相ごとに操作信号が生成される。この場合、オン操作固定される上アームスイッチSpの指令信号が上限値に固定され、オン操作固定される下アームスイッチSnの指令信号が上限値に固定される。
上記のような2相変調が行われる構成においても、上述のとおりデューティ比の制限を行うことで、上アームスイッチSpがオン故障した場合、又は下アームスイッチSnがオン故障した場合において、過電流判定とスイッチ遮断とが好適に実施される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
回転電機21における一対のスイッチをオンオフさせる操作信号のオン時間を、少なくとも判定部71による過電流判定と遮断操作部72による遮断操作開始とに要する時間が確保されるように制限する構成とした。これにより、一対のスイッチのうち一方のスイッチがオン故障した場合において、過電流を適正に判定するとともに、その過電流が流れている状態でのスイッチ遮断(ソフト遮断)を適正に実施することができる。その結果、一対のスイッチを含む経路での過電流発生時において適正にスイッチ遮断を実施し、ひいてはスイッチの保護を図ることができる。
界磁回路23でのスイッチ制御で言えば、第1スイッチ51用の操作信号についてデューティ上限値による制限を実施することにより、第1スイッチ51のオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、第2スイッチ52のオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。又は、第1スイッチ51用の操作信号についてデューティ下限値による制限を実施することにより、第2スイッチ52のオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、第1スイッチ51のオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。
また、インバータ22でのスイッチ制御で言えば、上アームスイッチSp用の操作信号についてデューティ上限値による制限を実施することにより、上アームスイッチSpのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、下アームスイッチSnのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。又は、上アームスイッチSp用の操作信号についてデューティ下限値による制限を実施することにより、下アームスイッチSnのオン故障に起因して過電流が流れることを想定した上で、上アームスイッチSpのオン期間内において過電流判定とスイッチ遮断操作とを適正に実施できる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・回転電機21では、例えば、電機子巻線25のオンオフ制御に用いる操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f1と、界磁巻線26のオンオフ制御に用いる操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f2とが互いに異なることが考えられる。例えば、f1>f2になること、又はf1<f2になることが考えられる。また、電機子制御用の操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f1を可変にすること、又は、界磁制御用の操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f2を可変にすることが考えられる。この点を考慮し、キャリア信号の周波数に応じてデューティ制限値を定め、そのデューティ制限値により操作信号のデューティ比を制限するとよい。例えば、キャリア信号の周波数が大きいほどデューティ上限値を小さくする。また、キャリア信号の周波数が大きいほどデューティ下限値を大きくする。
図9には、電機子制御用(インバータ制御用)の操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f1と、界磁制御用の操作信号の生成に用いるキャリア信号の周波数f2とがf1>f2の関係である場合においてデューティ制限値の違いを示す。この場合、電機子制御と界磁制御とで比べて、デューティ制限値が相違している。詳しくは、高周波数側の電機子制御では、低周波数側の界磁制御に比べて、デューティ上限値が小さく、デューティ下限値が大きいものとなっている。
上記構成によれば、過電流判定とスイッチ遮断操作との所要時間を確保しつつ、適度なオン時間の制限を実現できる。
・上記実施形態では、界磁回路23をHブリッジ回路にて構成したが、これに代えて、界磁回路23をハーフブリッジ回路にて構成してもよい。図10に、ハーフブリッジ回路構成の界磁回路23を示す。図10の界磁回路23では、電源部とグランドとの間に第1スイッチ51と第2スイッチ52とが直列接続され、第2スイッチ52と並列となる並列経路部に界磁巻線26が設けられている。本構成においても、上記のとおり操作信号(デューティ信号)のデューティ比が制限されるとよい。
・上記実施形態では、回転電機21として3相交流モータへの適用例を説明したが、これを変更してもよい。例えば3相の電機子巻線群を2組有する6相交流モータへの適用も可能である。要は、3相の電機子巻線群をn組(nは1以上)有する交流モータへの適用が可能である。
・上記実施形態では、発電動作と力行動作とを行う回転電機について説明したが、発電動作及び力行動作のいずれかのみを行う回転電機にも適用することができる。
・本発明が適用される電源システムを、車両以外の用途、例えば船舶、航空機、ロボット等の用途に用いることも可能である。
・上記の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散して実現したり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素で実現したりしてもよい。
24…回転電機ECU、51…第1スイッチ、52…第2スイッチ、71…判定部、72…遮断操作部。

Claims (3)

  1. 回転電機(21)の電機子巻線(25)に繋がる通電経路、及び界磁巻線(26)に繋がる通電経路において、それぞれ電源部とグランドとの間に一対のスイッチ(Sp,Sn,51,52)が直列に設けられ、それら各一対のスイッチを、両方が同時にオンしないようにしてデューティ信号により互い違いにオンオフさせるスイッチ制御装置(24,70)であって、
    前記デューティ信号として、前記電機子巻線及び前記界磁巻線への各通電電流の要求値に応じて算出される指令信号と所定周波数のキャリア信号との比較に基づいて、電機子制御用のデューティ信号と界磁制御用のデューティ信号とを生成する信号生成部(24)と、
    前記一対のスイッチのうち一方のスイッチのオン故障が生じた後に他方のスイッチがオンした状態で、前記一対のスイッチに通じる経路で過電流が流れたことを判定する判定部(71)と、
    前記判定部により前記過電流が流れたと判定された場合に、前記他方のスイッチを通常の遮断速度よりも遅い速度で遮断させる遮断操作部(72)と、
    少なくとも前記判定部による過電流判定と前記遮断操作部による遮断操作開始とに要する時間が確保されるように前記デューティ信号のオン時間を制限する制限部(24)と、を備え
    前記制限部は、前記キャリア信号の周波数に応じて定められるデューティ制限値により、前記デューティ信号のデューティ比を制限するものであり、
    電機子制御用のデューティ信号を生成する際に用いる前記キャリア信号の周波数と、界磁制御用のデューティ信号を生成する際に用いる前記キャリア信号の周波数とが相違しており、前記デューティ制限値が、前記電機子制御用のデューティ信号と、前記界磁制御用のデューティ信号とで各々異なる値として定められているスイッチ制御装置。
  2. 前記界磁巻線を通電させる界磁回路(23)を有する回転電機ユニット(16)に適用され、前記界磁回路は、前記一対のスイッチとして電源部側の第1界磁スイッチ(51)とグランド側の第2界磁スイッチ(52)とを有しており、
    前記判定部は、前記第1界磁スイッチ及び前記第2界磁スイッチを通じて前記過電流が流れたことを判定し、
    前記制限部は、前記デューティ制限値によるデューティ比の制限として、前記第1界磁スイッチをオンオフする前記デューティ信号についてデューティ上限値による制限、及び当該デューティ信号についてデューティ下限値による制限の少なくともいずれかを実施する請求項1に記載のスイッチ制御装置。
  3. 前記電機子巻線を相ごとに通電させるインバータ回路(22)を有する回転電機ユニット(16)に適用され、前記インバータ回路は、前記一対のスイッチとして相ごとに上アームスイッチ(Sp)と下アームスイッチ(Sn)とを有しており、
    前記判定部は、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチを通じて前記過電流が流れたことを判定し、
    前記制限部は、前記デューティ制限値によるデューティ比の制限として、前記上アームスイッチをオンオフする前記デューティ信号についてデューティ上限値による制限、及び当該デューティ信号についてデューティ下限値による制限の少なくともいずれかを実施する請求項1又は2に記載のスイッチ制御装置。
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