JP6690305B2 - Rh脱ガス槽の付着物落下検知方法 - Google Patents

Rh脱ガス槽の付着物落下検知方法 Download PDF

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本発明は、製鋼プロセス(二次精錬)におけるRH真空脱ガス槽内に付着した付着物の、溶鋼内への落下を検知する方法に関する。
RH式真空脱ガス処理中に、RH真空脱ガス槽(以下において、「脱ガス槽」または「RH脱ガス槽」と称する。)内に付着し成長した地金やスラグなどの付着物が脱ガス槽から剥離して、溶鋼鍋内に落下することがある。しかしながら、RH式真空脱ガス処理中に脱ガス槽内の状況を確認する有効な手段が少ないため、落下した付着物が検知されることなく、溶鋼が次工程へと運搬されることが懸念される。
脱ガス槽内の付着物は酸素を含んでいるため、これが溶鋼中に落下して溶解した状態で鋳造されると、鋳造製品の品質に悪影響を及ぼす。ここで、溶鋼中への付着物落下を検知できない場合には、スラブ精製段階で異常が判明することがある。RH式真空脱ガス処理が完了して、溶鋼鍋を連続鋳造設備に移動し、スラブ(鋳片)を作製した後の精製段階で異常が判明すると、異常に対する問題解決のために工程を修正する度合いが大きくなったり、修正が不可能になったりする場合もある。そのため、このような事態はできるだけ回避することが望まれている。これに対し、溶鋼中へ付着物が落下した時点で、付着物落下の有無や付着物の落下量を検知できれば、より早い段階で、再精錬の実施判断や製品種の変更等の対応を行うことが可能になる。それゆえ、溶鋼中へ付着物が落下した時点で、付着物落下の有無や付着物の落下量を検知する技術を開発することが求められている。
しかしながら、これまでは、脱ガス槽内の付着物落下を検知することには種々の困難が伴っていた。従来の落下物検知方法としては、例えば、脱ガス槽の内部を監視する監視モニタや付着物の落下音をオペレータが確認する方法がある。しかしながら、監視モニタや落下音による検知に頼っていたのでは、オペレータが常時監視している必要があり、監視していても、付着物の落下を見逃してしまう事態が発生し得る。このような事態を抑制するために、監視モニタの画像を録画する等の方法も考えられるが、脱ガス槽内は900℃程度で内部が赤熱状態であり、落下物の区別が困難であるため、画像処理による落下物判定は難しい。また、録画した画像を後から解析して落下物を確認するのでは、鋼のRH式真空脱ガス処理中に警報を出力することが困難であるため、溶鋼鍋内の異常を判明する時期が遅くなり、その結果、問題解決が遅れる可能性を有している。
このほか、落下物を検知する技術として、例えば特許文献1には、炭素含有量が0.01重量%以上であるアルミキルド鋼をRH脱ガス槽で処理する際に、RH脱ガス槽内で溶鋼に脱酸用アルミを投入した後、所定時間経過後の排気中の排ガスに含まれるCO濃度をCOセンサーにて検出し、CO濃度変化によりRH脱ガス槽の付着物落下を検知する、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法が開示されている。
特開2000−256729号公報
現在のRH操業では、O付加による昇熱が通常に採用されており、これはCO発生を伴う。そのため、CO濃度の測定により付着物の落下を検知する特許文献1の技術では、付着物落下の誤検知や、付着物落下の見逃しを伴いやすいという問題がある。また、特許文献1の技術では、脱酸アルミを投入してから一定時間経過した後のCO濃度変化により、付着物の落下を検知している。そのため、この技術では、一定時間の間に落下した付着物を検知することが難しく、検知時間が限定される制約を有している。
そこで本発明は、検知時間が限定されることなく、付着物の落下を検知することが可能な、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、転炉から出鋼されて溶鋼鍋内に保持されている溶鋼を、RH脱ガス槽で処理している間に測定された、溶鋼を保持している溶鋼鍋の重量(以下において、「溶鋼重量」とも称する。)と、溶鋼をRH式真空脱ガス処理しているRH脱ガス槽内の圧力との関係を調査した。その結果、溶鋼重量の変化に応じてRH脱ガス槽の付着物の落下を検出可能であることを知見した。ただし、溶鋼重量が変化する原因は、付着物の落下のみではない。例えば、合金鉄の添加によって溶鋼重量は増加する。しかしながら、合金鉄の添加が原因である溶鋼重量の増加は、その増加時期や増加量を容易に予測することができるので、付着物の落下と混同することはない。その他多くのRH操業操作についても同様である。
また、本発明者らは、RH脱ガス槽内の圧力変動に応じてRH脱ガス槽内の溶鋼面が上下し、溶鋼重量も変化することを知見した。上記知見に基づいて鋭意検討した結果、本発明者らは、RH脱ガス槽内の圧力変動時における溶鋼重量の変化を考慮することにより、RH脱ガス槽の付着物の落下を高精度に検知可能であることを知見した。
本発明は、このような知見に基づいて完成させた。以下、本発明について説明する。
本発明の第1の態様は、RH脱ガス槽を用いてRH式真空脱ガス処理をしている間に、溶鋼を保持した溶鋼鍋の重量の推移、および、RH脱ガス槽内の圧力の推移を把握し、RH脱ガス槽内の圧力が低下している間又は一定である間に、上記重量が増大した場合に、付着物が落下したと検知する、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法である。
本発明の第2の態様は、RH脱ガス槽を用いてRH式真空脱ガス処理をしている間に、溶鋼を保持した溶鋼鍋の重量の推移、および、RH脱ガス槽内の圧力の推移を把握し、RH脱ガス槽内の圧力が増加している間に、上記重量が、1.5ton/min以上の速さで4ton以上増大した場合に、付着物が落下したと検知する、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法である。
本発明では、CO濃度変化ではなく、RH脱ガス槽内の圧力変動時における溶鋼重量の変化を考慮して付着物の落下を検知するので、付着物落下の検知時間が限定されることなく、付着物の落下を検知することが可能な、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法を提供することができる。O付加による溶鋼昇温時であっても、付着物が落下すると溶鋼重量が増加するので、RH式真空脱ガス処理中に溶鋼重量を常時監視する本発明によれば、O付加による溶鋼昇温時であっても、付着物の落下を検知することが可能である。
RH式真空脱ガス処理に用いられるRH脱ガス槽および溶鋼鍋の配置を説明する図である。 RH式真空脱ガス処理を実施可能な設備の概要を説明する図である。 RH式真空脱ガス処理の操業データの一例を示す図である。図3(a)は、付着物が落下しない正常処理時の操業データの例を示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示した一部のデータを拡大して示す図である。 溶鋼重量を測定する装置の形態例を説明する図である。 RH式真空脱ガス処理中に付着物が落下した操業データの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
図1は、RH式真空脱ガス処理に用いられるRH脱ガス槽、および、溶鋼鍋の配置を説明する図である。図1に示したように、RH式真空脱ガス処理が実施される際、RH脱ガス槽10は溶鋼鍋20の上側に配置され、RH脱ガス槽10の上部からガスが排気される。RH脱ガス槽10の下部には2本の浸漬管11、12が備えられており、浸漬管11、12は、溶鋼鍋20に保持されている溶鋼1の中に浸漬される。RH式真空脱ガス処理を行う際には、不図示の減圧ポンプを用いてRH脱ガス槽10内の圧力(以下において、RH脱ガス槽内の圧力を「槽内圧力」とも称する。)が低減され、RH式真空脱ガス処理の終了後に、RH脱ガス槽10内の圧力は大気圧に戻される。RH脱ガス槽内の溶鋼面は、RH脱ガス槽内の圧力変動に応じて変動し、これに応じて溶鋼重量も変化する。
溶鋼鍋20に保持されている溶鋼1は、RH式真空脱ガス処理が行われている間に、一方の浸漬管(浸漬管11)を通って上昇することによりRH脱ガス槽10へと達し、RH脱ガス槽10内で溶鋼内のガスが放出される。このようにしてガスが放出された溶鋼は、他方の浸漬管(浸漬管12)を通って下降することにより、溶鋼鍋20へと戻る。RH式真空脱ガス処理時には、2本の浸漬管を用いて、溶鋼を環流させることにより、溶鋼内のガスが除去される。
RH脱ガス槽内の圧力変動と溶鋼重量の変動との関係について、以下に説明する。
図2に、RH式真空脱ガス処理を実施可能な設備を示す。
溶鋼中の水素、窒素若しくはCOガスを脱気し、製品強度や加工性に合った成分調整を実施するRH式真空脱ガス処理に於いては、転炉から出鋼された溶鋼を搬送用台車21等によってRH設備の下部まで搬送して、脱ガス槽下部に設置されている浸漬管部分を溶鋼に浸漬させる。その後、真空ポンプにて脱ガス槽内の圧力を1Torr程度に減圧するとともに、2本の浸漬管の一方の内部を上昇させ、他方の内部を下降させることにより、溶鋼を、溶鋼鍋と脱ガス槽との間で循環させる。これにより、溶鋼中のガスが放出されて、ガス含有量の少ない溶鋼となる。図2には、昇降シリンダー22によって溶鋼鍋を上昇させることにより、溶鋼中へ浸漬管を浸漬させる形態を示したが、本発明はこの方式には限定されず、脱ガス槽を下降させることによって、浸漬管を溶鋼中へ浸漬させる形態であっても、本発明を適用することができる。
RH式真空脱ガス処理を実施中に、脱ガス槽内の付着物が溶鋼内に落下すると、溶鋼重量が増える。但し、RH式真空脱ガス処理中は、脱ガス槽内の圧力が低いため、一定量の溶鋼が真空槽内に押し上げられて脱ガス処理前より溶鋼重量が軽くなっているが、O付加等によるガス発生時には一時的に脱ガス槽内の圧力が上昇し溶鋼重量が上昇する。よって、脱ガス槽内の圧力が上昇しておらず(すなわち、脱ガス槽内の圧力が低下している、または、一定であり)、且つ、溶鋼重量が上昇しているときに、脱ガス槽内の付着物が溶鋼中に落下したと検知することができる。
図2に示した設備を用いて、RH式真空脱ガス処理を実施する操業(以下において、「RH操業」と称する。)を行った場合の、付着物が落下しない時の全体の挙動を、図3(a)および図3(b)を用いて説明する。
図3(a)の横軸は時間[min]であり、溶鋼鍋を搬送用台車から昇降させる装置が作動する直前を0minとし、一連のRH操業が完了して、再び溶鋼鍋が搬送用台車に載置されるまでのデータを所収している。図3(a)の左側の縦軸は槽内圧力[Torr]および溶鋼重量[ton]であり、右側の縦軸は溶鋼鍋の昇降高さ[mm]および排ガス流量[kg/h]である。図3(b)は図3(a)に示した溶鋼重量を拡大して示す図である。図3(b)の横軸は時間[min]であり、左側の縦軸は槽内圧力[Torr]であり、右側の縦軸は溶鋼重量[ton]である。
図3(a)に示したように、2min頃から溶鋼鍋が上昇して、脱ガス槽の浸漬管が溶鋼内に浸漬されることにより、浸漬管に浮力が、溶鋼に浮力の反力が、それぞれかかり、溶鋼重量が増加する。
このことから分かるように、本発明における「溶鋼重量」は、図4に例示した溶鋼重量の測定装置によって計測されるみかけの重量であり、設備内の溶鋼の質量を測定しているものではない。本発明における「溶鋼重量」は、正確には、溶鋼を保持した溶鋼鍋の重量計測値から、風袋である溶鋼鍋の重量を差し引いた値である。
その後、3min頃から真空排気されることで、槽内圧力が1Torr程度まで減圧されるのと同時に、排ガス流量が増加する。
図3(b)に示したように、上述した浸漬管の溶鋼内への浸漬により増加した溶鋼重量は、3min頃からの、真空排気により減少する。これは、溶鋼が脱ガス槽へと吸い込まれることで、溶鋼重量が減少するものである。
その後、18min頃に真空排気が完了して、脱ガス槽内が大気圧に戻り、21min頃に溶鋼内に浸漬していた脱ガス槽の浸漬管が引き抜かれる時の挙動は、溶鋼鍋が上昇して浸漬管が溶鋼内に浸漬されてから減圧されるまでの挙動と逆の挙動になる。
このように、RH式真空脱ガス処理を実施する際における、溶鋼重量の変化およびその理由が明らかになった。したがって、図3(a)および図3(b)に示した溶鋼重量の変化と、実際にRH式真空脱ガス処理を実施している際における、RH脱ガス槽内の圧力変動および溶鋼重量の変化とを比較することにより、溶鋼重量の増加が、付着物の落下による重量増加であるか否かを判別することができるようになり、付着物落下を検知することが、実用的に可能になった。
本発明者らによる調査の結果、RH式真空脱ガス処理中に溶鋼重量が増加するのは、「槽内圧力増加時」および「合金添加物投入時」であり、これらのいずれの場合においても、溶鋼重量増加時には「槽内圧力値も増加」することが判明した。一方で、RH式真空脱ガス処理中に溶鋼重量が減少するのは、「槽内圧力減少時」であった。よって、付着物が落下しない正常なRH式真空脱ガス処理中に溶鋼重量が変動(増加または減少)する場合は、槽内圧力も同様に変動する(溶鋼重量が増加する場合は槽内圧力も増加し、溶鋼重量が減少する場合は槽内圧力も減少する。)傾向が見られる。
したがって、上記傾向に反する場合、すなわち、溶鋼重量が増加しているにも関わらず、槽内圧力が低下若しくは一定の槽内圧力値である場合には、溶鋼中に何らかの付着物が落下したことにより溶鋼重量が増加したと検知することができる。また、槽内圧力が上昇しており且つ溶鋼重量が増加している場合であっても、溶鋼重量の増加挙動が、槽内圧力の上昇に伴って溶鋼が脱ガス槽から溶鋼鍋へと移動することによる溶鋼重量の増加を超える挙動である場合、当該付加的な増加分は、溶鋼中に何らかの付着物が落下したことが原因であると推定することが可能である。本発明者らによる調査の結果、槽内圧力が上昇しており且つ溶鋼重量が増加している場合であっても、1.5ton/min以上の速さで溶鋼重量が4ton以上増加した場合には、溶鋼中に何らかの付着物が落下したことによる溶鋼重量の増加であると判断できることが判明した。ここで、溶鋼重量の増加速度を1.5ton/min以上に限定するのは、鋳造製品の品質に影響する槽内付着物の落下のみを検知し、その他の通常操業によって発生する重量変化を排除するためである。また、当該速度による溶鋼重量の増加を4ton以上に限定するのは、浸漬管の浸漬深さ変更による重量変化や合金投入による重量増加等の、通常操業よって発生する重量変化を検知範囲から排除するためである。なお、溶鋼中に何らかの付着物が落下したことによる溶鋼重量の増加であると判断できる上記溶鋼重量の増加速度は、1.5ton/min以上であれば特に限定されないが、ロードセル故障若しくはケーブル断線による測定異常が原因である重量変化は検知しないようにするため、その上限は50ton/min以下であることが好ましい。また、上記増加速度で増加する溶鋼重量は、4ton以上であれば特に限定されないが、その上限は、溶鋼鍋の容積から溶鋼の体積を差し引いた空間内に付着物が入り得る重量である30ton以下であることが好ましい。
図2に示した装置を用いて本発明を実施した例について、説明する。
転炉から出鋼された溶鋼を入れた溶鋼鍋は、専用台車により、転炉からRH設備へと搬送される。こうして溶鋼鍋がRH設備に到着したら、溶鋼鍋昇降装置を用いて溶鋼鍋を上昇させることにより、RH設備の浸漬管が溶鋼中へと浸漬され、その後、RH設備でRH式真空脱ガス処理が行われる。当該処理が終了したら、溶鋼鍋昇降装置を用いて溶鋼を入れた溶鋼鍋を下降させることにより、RH設備の浸漬管が溶鋼から引き抜かれる。その後、溶鋼を入れた溶鋼鍋は、専用台車により、RH設備から連続鋳造設備へと搬送される。
RH設備でRH式真空脱ガス処理を行っている間に、溶鋼鍋昇降装置に設置したロードセルを用いて、溶鋼重量を測定するとともに、脱ガス槽内に設置した真空度計を用いて、脱ガス槽内の圧力を測定した。溶鋼鍋昇降装置に設置したロードセルの一例を、図4に示す。
図2に示したように、溶鋼鍋昇降装置は、溶鋼鍋の4方にそれぞれ設置されたシリンダー(図2の「昇降CYL」および図4の「昇降シリンダー」)4本と、溶鋼鍋を支えるフレーム架台(図4の「フレーム架台」)と、溶鋼鍋トラニオン(支軸)に掛けるためのフック(図4の「フック」)とを有している。4本のシリンダーそれぞれに設けられた受け台の上に、ロードセル(型式CC5−200T/H、大和製衡株式会社製)が1個ずつ備えられ、これらのロードセルの上に、フックが取り付けられたフレーム架台が置かれている。フレーム架台は、4方を梁で固定された四角形の枠であり、向かい合う一対の面のそれぞれに、溶鋼鍋を吊るためのフックが取り付けられている。よって、ロードセルには、フレーム架台とフックの荷重のみが掛かり、ロードセルは周囲の地上設備と接していない。このような構造にすることにより、正確な溶鋼重量を計測することが可能である。
脱ガス槽内の圧力は、真空ポンプを使用して1Torr程度まで減圧される状態を、脱ガス槽内に設置した真空度発信器(EJX310J−DLS2G−3A0DD、横河電機株式会社製)によって常時計測し、複圧時は760Torrの大気圧となる。RH操業時の、付着物が落下しない時の全体の挙動を、図3(a)に示す。
溶鋼重量は、前述した4個のロードセルの計測値から、フレーム架台およびフックの重量(溶鋼鍋を計測する前の重量)を差し引くことにより算出する。溶鋼鍋の昇降高さは、溶鋼鍋昇降装置の位置により測定され、0mmはフックと専用台車走行フロア面とが接触する位置(下限値)を示し、5000mmはフックと専用台車が干渉しないためのRH処理前待機位置(上限値)である。排ガス流量は、脱ガス槽と真空ポンプとの間に設置されている配管の途中に設置された差圧流量計(FHCS12W1−CABYY、富士電機株式会社製)により計測される。具体的には、RH式真空脱ガス処理開始直後に脱ガス槽内や配管ダクト内に滞留している空気や残ガスを排気し、その後、溶鋼内に滞留している有害ガス成分(水素、窒素、酸素)および浸漬管から吹き込んでいる不活性ガス(アルゴン、窒素)として生成されたガス流量が、排ガス流量である。
溶鋼鍋昇降装置を用いて溶鋼鍋を上昇させる際には、溶鋼鍋の昇降高さが一旦下がった段階で、溶鋼鍋のトラニオンにフックがかかる。その後、溶鋼鍋の昇降高さが上昇するとともに、溶鋼鍋がフックに吊られて上昇する。このようにして溶鋼鍋がフックに吊られて上昇すると、これと同時にロードセルに溶鋼鍋の荷重が掛かって溶鋼重量が測定され、今回の測定結果は370t程度であった。その後、脱ガス槽下部に設置されている2つの浸漬管が溶鋼鍋に保持されている溶鋼に着湯した状態で、溶鋼鍋昇降装置による溶鋼鍋の移動を停止した。
溶鋼鍋昇降装置による溶鋼鍋の移動を停止した後に、真空ポンプにより脱ガス槽の真空排気処理が実施され、脱ガス槽内の圧力が低下する。このようにして脱ガス槽内の圧力が低下すると、溶鋼が脱ガス槽内へ吸い上げられ、脱ガス槽内を1Torr程度にまで減圧すると、溶鋼重量が10ton程度軽くなる。これに対し、脱ガス槽内の圧力が上がると、脱ガス槽内に押し上げられていた溶鋼面が下がるため、溶鋼重量は重くなる。図3(a)の19min付近に相当する、真空排気の終了以降に、脱ガス槽内の圧力は大気圧へと戻る。脱ガス槽内の圧力が大気圧に戻ると、溶鋼重量は初期の値に戻る(図3(a)の19min以降)。但し、RH式真空脱ガス処理中にO付加や合金鉄の投入を行うと、RH式真空脱ガス処理前と当該処理の後の溶鋼重量は異なる。
上記の処理内容から、RH式真空脱ガス処理中に溶鋼重量が増加するのは、「槽内圧力が増加」「合金添加物投入時」であり、共に重量増加時は「槽内圧力値も増加」となる。一方で、溶鋼重量が減少する場合は「槽内圧力が減少」である。よって、図3(a)に示したように、付着物が落下しない正常処理中に溶鋼重量が変動(増加、減少)する場合は、槽内圧力にも同様の変動(増加、減少)傾向が見られる。
しかし、溶鋼重量が増加しているにもかかわらず、脱ガス槽内の圧力が低下若しくは一定の圧力値である場合は、溶鋼中に何らかの付着物が落下し、溶鋼重量を増加させたと検知することができる。
RH式真空脱ガス処理中に付着物が溶鋼中に落下したときの、操業データの一例を図5に示す。図5に示した破線で囲んだ領域AおよびCは、溶鋼重量が増加し、且つ、槽内圧力が増加している。また、図5に示した破線で囲んだ領域Dは、溶鋼重量が減少し、且つ、槽内圧力が減少している。これらは、溶鋼重量の変動傾向と槽内圧力の変動傾向とが一致しており、溶鋼重量が増加するときの速さが緩やかであるため、付着物が落下していないと判断することができる。これに対し、図5に示した破線で囲んだ領域Bは、溶鋼重量が2min間で4ton増加しているにもかかわらず(増加速度は2ton/min)、槽内圧力が減少しているので、溶鋼重量の変動傾向と槽内圧力の変動傾向とが一致していない。したがって、図5の領域Bは、溶鋼中に何らかの付着物が落下したことにより溶鋼重量が増加したと検知することができる。
上記実施例では、槽内圧力が変化していない場合あるいは槽内圧力が低下していく過程にあって溶鋼重量が減少していくことが想定されるにもかかわらず、溶鋼重量が増加した場合には、付着物落下が原因であると容易に判断できた。
しかし、本発明は、槽内圧力が上昇しており溶鋼重量が増加している場合であっても、その時点での溶鋼重量増加が、槽内圧力上昇に伴う、脱ガス槽から溶鋼鍋への溶鋼の移動による溶鋼重量の増加分を超える付加的な増加挙動を示していれば、当該付加的な増加分は、付着物落下が原因であると推定することが可能である。当該付加的な増加挙動により付着物の落下を検知した具体例が、図5の領域Bである。
1…溶鋼
10…RH脱ガス槽
11、12…浸漬管
20…溶鋼鍋
21…搬送用台車
22…昇降シリンダー

Claims (2)

  1. RH脱ガス槽を用いてRH式真空脱ガス処理をしている間に、溶鋼を保持した溶鋼鍋の重量の推移、および、RH脱ガス槽内の圧力の推移を把握し、
    前記RH脱ガス槽内の圧力が低下している間又は一定である間に、前記重量が増大した場合に、付着物が落下したと検知する、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法。
  2. RH脱ガス槽を用いてRH式真空脱ガス処理をしている間に、溶鋼を保持した溶鋼鍋の重量の推移、および、RH脱ガス槽内の圧力の推移を把握し、
    前記RH脱ガス槽内の圧力が増加している間に、前記重量が、1.5ton/min以上の速さで4ton以上増大した場合に、付着物が落下したと検知する、RH脱ガス槽の付着物落下検知方法。
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