JP6689436B1 - 工作機械 - Google Patents
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Abstract
Description
前記移動カバーが閉じ位置から開放位置に向けて移動されるときに生じる開口領域を覆うように気体を放出する吹き出し口を含む吹き出し部と、
前記開口領域の開口度に応じて、前記吹き出し口から放出される前記気体の量を変化させる制御部と、を備えている。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
なお、図面には、X軸、Y軸、Z軸が示されている・
はじめに、図1を参照しながら、1つの実施形態に係る工作機械の概要の説明を行う。図1は、1つの実施形態に係る工作機械を模式的に示す斜視図である。
工作機械では、一般的に、ワークを切削加工するときの摩擦抑制、冷却等のため、加工室内にクーラント(切削液)を放出する。また、放出されたクーラントのミストの飛散を防止するため、切削加工中に加工室を閉鎖するようになっている。更に、ワークの出し入れや点検のため、閉鎖された加工室を露出させるための開閉する移動カバーを備えている。
吹き出し口42から吹き出された気体は、ファン等からなる気体吸気手段の吸引力により、それぞれの吹き出し口42に対応する吸気口52に吸い込まれる。吸い込まれた気体は、ヘッダ配管56A、ホース56B及び接続配管56Cからなる吸気側気体流路56を流れて、気体吸気手段(図示せず)に到達し、大気へ放出される(実線及び破線の矢印参照)。なお、移動カバー4の移動距離を吸収するため、ホース56Bが用いられている。
これにより、常に気体を最大出力で放出する必要がなく、工作機械2の省エネルギを実現できる。また、開口領域Opの幅(開口度)Lが小さい場合には、気体の流量を小さくし、開口領域Opの幅(開口度)Lが大きい場合には、気体の流量を大きくすることができる。これにより、クーラントのミストの機外への放出を効率よく低減することができる。よって、少ない消費エネルギでクーラントのミストが外部に飛散するのを抑えることができる。
なお、開口度は、開放された領域の程度を示し、開口領域Opの開口幅Lだけでなく、開放された領域の面積の度合いで表すこともできる。
なお、吸気側気体流路56においても、ヘッダ配管56A及び接続配管56Cの間を繋ぐホース56Bが、工作機械2の上方に配置されている。ホース56Bは、移動カバー4の移動に動くが、工作機械2の上方に配置されているので、他部材との干渉を回避することができる。
次に、図2A及び図2Bを参照しながら、移動カバー4及び固定カバー6で囲まれた空間内について更に詳細に説明する。図2Aは、図1AのA−A断面を示し、特に、移動カバーが開放位置にある場合を示す平面断面図である。図2Bは、図1AのA−A断面を示し、特に、移動カバーが閉じ位置にある場合を示す平面断面図である
また、移動カバー4及び固定カバー6により囲まれた加工室Mの中には、加工室内のミストの状態を検出するためのセンサ60が備えられている。
なお、シール方法は、これに限られるものではなく、ラビリンスシール機構をはじめとする既知の任意のシール手段を採用することができる。なお、図1では、吹き出し口42を明確に示すため、シール部材(パッキン)62の図示を省略してある。
本実施形態では、移動カバー4がサーボモータ32により移動するので、工作機械2の制御部は、移動カバー4を高い位置精度で移動させるとともに、開口領域Opの開口幅(開口度)Lを正確に把握することができる。
なお、移動機構は、これに限られるものではなく、サーボモータ32により駆動されるボールネジを用いた移動機構や、サーボモータ32により駆動されるラックやピニオンを用いた移動機構をはじめとするその他に任意の移動機構を用いることができる。
次に、図3Aから図3Cを参照しながら、吹き出し部40及び吸気部50の更に詳細な説明を行う。図3Aは、1つの実施形態に係る工作機械における吹き出し部及び吸気部の構成を模式的に示す線図である。図3Bは、図3Aに示す構成のうち、吹き出し部の部分を抜き出して示した図である。図3Cは、図3Aに示す構成のうち、吸気部の部分を抜き出して示した図である。
図3Aから図3Cには、これまで図示されていなかった、5つの吹き出し口42a〜42eの各々の入側に配置された5つの流量調整弁46a〜46eが示されている。これにより、個々の吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を変更することができる。
以上のように、吹き出し部40は、複数の吹き出し口42a〜42eを有しており、流量調整弁46a〜46eにより、吹き出し口42a〜42e毎に放出される気体の量を変化させることができるの、開口領域Opの位置に応じて最適な流量の気体を放出して、エアカーテンのシール効果を高めることができる。
流量調整弁46a〜46eでそれぞれ流量が調整された気体が、吹き出し口42a〜42eから放出され、個々の吹き出し口42a〜42eに対向して配置された吸気口52a〜52eに吸い込まれる。吸気口52a〜52eで吸い込まれた気体は、ヘッダ配管56A、ホース56B及び接続配管56Cからなる吸気側気体流路56を流れて、気体吸気手段(ファン)54のサクション側に到達し、大気へ放出される。
次に、図4を参照しながら、吹き出し部及び吸気部を制御するエアカーテン制御部の説明を行う。図4は、エアカーテン制御部を含む工作機械の制御部の一例を示すブロック図である。
図4に示す例では、エアカーテン制御部500が工作機械の制御部100に含まれている場合を示す。制御部100は、工作機械本体部10を制御する工作機械本体制御部200と、クーラント放出部20によるクーラントの放出を制御するクーラント放出制御部300と、移動カバー4の移動の制御を行う移動カバー制御部400と、エアカーテン制御部500とを備える。ただし、エアカーテン制御部500が、工作機械の制御部100に含まれる場合だけでなく、エアカーテン制御部500が、工作機械の制御部100とは独立した個別の制御装置として存在する場合もあり得る。
移動カバー制御部300からサーボモータ32へ送信される制御信号の少なくとも一部が、
エアカーテン制御部500にも送信される。これにより、エアカーテン制御部500は、開口領域OPの開口幅(開口度)Lを把握することができる。
同様に、エアカーテン制御部500は、吹き出し部40の気体供給手段(ファン)44へ制御信号を送り、気体吸気手段(ファン)54を駆動し、気体吸気手段(ファン)54の気体の吸込量を変更することができる。
流量調整弁46a〜46eの開度により、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を調整する一例として、以下が考えられる。例えば、開口領域Opの上側領域(Y軸方向プラス側)を流れる気体の量が、開口領域Opの下側領域(Y軸方向マイナス側)を流れる気体の量より多くなるように、流量調整弁46a〜46eの開度を制御することができる。
クーラントのミストは、一般的に空気より軽いので上方へ向かう傾向を示す。よって、開口領域Opの上側領域からミストが流出し易くなる。このとき、開口領域Opの上側領域のエアカーテンによる遮断効果を高めることより、空気より軽いミストを効率的に遮断することができる。
サーボモータ32への制御信号、つまりサーボモータ32に送信する移動カバー4の位置に関する信号に基づいて、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を調整することができる。吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量は、気体供給手段(ファン)44の気体の吐出量、及び流量調整弁46a〜46eの開度を調整することにより変更することができる。
エアカーテン制御部500は、サーボモータ32への制御信号により得られた開口領域OPの開口幅(開口度)Lに基づいて、気体供給手段(ファン)44及び流量調整弁46a〜46eに制御信号を送って、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を制御する。その場合、吹き出し口42a〜42eからの流量を、開口幅(開口度)Lに対する比例制御で調整することもできるし、その他の任意の関数に基づいて調整することもできる。
サーボモータ32への制御信号に基づく流量制御により、開口領域OPの開口幅(開口度)Lに応じて、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の量を正確に調整できるので、開口領域Opからミストが外部へ流出するのを効果的に抑制することができる。
移動カバー4及び固定カバー6で囲まれた加工室M内には、センサ60が配置されており、センサ60からの検出信号が、エアカーテン制御部500に送信される。エアカーテン制御部500は、センサ60から送信される信号に基づいて、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を制御することもできる。
このとき、上記のサーボモータへの制御信号に基づく流量制御だけを行う場合もあり得るし、以下に述べるセンサからの信号に基づく流量制御だけを行う場合もあり得るし、サーボモータへの制御信号に基づく流量制御及びセンサからの信号に基づく流量制御の両方を併用する場合もあり得る。例えば、サーボモータへの制御信号に基づいて気体の流量を変更した後、センサによる検出データに基づいて、流量を再調整することが考えられる。
センサ60としては、湿度センサ、温度センサ、画像センサ等を例示することができる。
センサ(湿度センサ)60により、加工室M内におけるクーラントのミストの量を直接把握することができる。加工室M内の湿度が高いことを検出した場合には、クーラントのミストの量が多く、ミストが外部に漏れ易いとみなせる。よって、エアカーテン制御部500は、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を高める制御処理行う。一方、加工室M内の湿度が低いことを検出した場合には、クーラントのミストの量が少なく、比較的、ミストが外部に漏れにくいとみなせる。よって、エアカーテン制御部500は、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を低下させる制御処理行う。
センサ(画像センサ)60により加工室M内の画像を取得した場合には、画像処理により、加工室M内のクーラントのミストの量を算出することができる。よって、画像センサを用いた場合も、上記の湿度センサからの信号に基づく場合と同様な流量制御を行うことができる。
センサ(温度センサ)60により、加工室M内の温度が高いことが検出された場合には、クーラントのミストを含む気体が膨張しており、ミストが外部に漏れ易いとみなせる。よって、エアカーテン制御部500は、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を高める制御処理行う。一方、加工室M内の温度が低いことを検出した場合には、比較的、ミストが外部に漏れにくいとみなせる。よって、エアカーテン制御部500は、吹き出し口42a〜42eから放出される気体の流量を低下させる制御処理行う。
上記の実施形態では、吹き出し口42a〜42eは、移動カバー4の移動方向であるZ軸方向に気体を放出するように固定されているが、これに限られるものではない。例えば、個々の吹き出し口42a〜42eの姿勢を変えて、気体を放出する方向を変化させることもできる。これにより、各吹き出し口42a〜42eからの気体の放出方向を調整して、開口領域Opで均等なエアシール効果が得られるようにすることもできる。
<吹き出し部40>
上記の実施形態では、個々の吹き出し口42a〜42eに対応して流量調整弁46a〜46eが設けられているが、これに限られるものではない。例えば、ヘッダ配管48Bを吹き出し口42a〜42cが分岐した第1のヘッダ配管と、吹き出し口42d〜42eが分岐した第2のヘッダ配管に分けて、各々のヘッダ配管に対応する流量調整弁を設けることもできる。このように、複数の吹き出し口ごとに流量調整弁を設けることにより、部材数を減らし、制御部の負担を軽減することができる。
上記の実施形態では、吸入部50を備えているが、これに限られるものではなく、吸入部50を備えず、吹き出し部40のみを備える場合もあり得る。その場合には、吹き出し口42から放出された気体は大気放出となるが、開口領域Opの開口幅(開口度)Lによって、吹き出し口42から放出される気体の流量を変化させることにより、少ない消費エネルギでクーラントのミストが外部に飛散するのを抑えることができる。
4 移動カバー
6 固定カバー
10 工作機械本体部
12 ワーク保持部
12A チャック
12B チャック固定部
14 工具
16 タレット
20 クーラント放出部
30 移動機構
32 サーボモータ
34 ベルト機構
40 吹き出し部
42、42a〜42e 吹き出し口
44 気体供給手段(ファン)
46、46a〜45e 流量調整弁
48 吹き出し側気体流路
48A 接続配管
48B ヘッダ配管
50 吸気部
52、52a〜52e 吸気口
54 気体吸気手段(ファン)
56 吸気側気体流路
56A ヘッダ配管
56B ホース
56C 接続配管
60 センサ
62 シール部材(パッキン)
64 シール部材(Oリング)
100 制御部
200 工作機械本体制御部
300 クーラント放出制御部
400 移動カバー制御部
500 エアカーテン制御部
M 加工室
Op 開口領域
L 開口幅
Claims (8)
- 加工室を覆う固定カバーと、
前記加工室を開放又は閉鎖する移動カバーと、
前記移動カバーが閉じ位置から開放位置に向けて移動されるときに生じる開口領域を覆うように気体を放出する吹き出し口を含む吹き出し部と、
前記吹き出し口から放出された前記気体を吸入する吸気口を含む吸気部と、
前記開口領域の開口度に応じて、前記吹き出し口から放出される前記気体の量を変化させる制御部と、を備え、
前記吹き出し口及び前記吸気口のうち一方は前記固定カバーに取り付けられており、他方は前記移動カバーに取り付けられている、工作機械。
- 加工室を開放又は閉鎖する移動カバーと、
前記移動カバーが閉じ位置から開放位置に向けて移動されるときに生じる開口領域を覆うように気体を放出する吹き出し口を含む吹き出し部と、
前記吹き出し口から放出される前記気体の量を変化させる制御部と、を備え、
前記移動カバーは、水平方向に移動し、
前記開口領域の上側領域を流れる前記気体の量は、前記開口領域の下側領域を流れる前記気体の量より多い、工作機械。
- 加工室を開放又は閉鎖する移動カバーと、
前記移動カバーが閉じ位置から開放位置に向けて移動されるときに生じる開口領域を覆うように気体を放出する吹き出し口を含む吹き出し部と、
前記吹き出し口から放出される前記気体の量を変化させる制御部と、
前記加工室内に配置された湿度センサと、を備え、
前記制御部は、前記湿度センサが検出する前記加工室内の湿度に応じて、前記吹き出し口から放出される前記気体の量を変化させる、工作機械。
- 前記吹き出し口から放出された前記気体を吸入する吸気口を含む吸気部と、
前記加工室を覆う固定カバーと、を備え、
前記吹き出し口及び前記吸気口のうち一方は前記固定カバーに取り付けられており、他方は前記移動カバーに取り付けられている、請求項2または3に記載の工作機械。
- 前記吹き出し部は、複数の前記吹き出し口を有しており、
前記制御部は、前記吹き出し口毎に放出される前記気体の量を変化させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記移動カバーは、水平方向に移動し、
前記開口領域の上側領域を流れる前記気体の量は、前記開口領域の下側領域を流れる前記気体の量より多い、請求項1または3に記載の工作機械。
- 前記移動カバーは、サーボモータにより開閉される、請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記気体の量は、前記制御部が前記サーボモータに送信する、前記移動カバーの位置に関する信号に基づいて決定される、請求項7に記載の工作機械。
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