JP6688259B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機に代表される遊技機において、図柄変動を開始する際に図柄の変動パターンが選択され、選択された変動パターンに基づいて図柄を変動させると共に図柄変動に付随して行われる演出が実行されることが一般的である。
また、従来の遊技機には、特殊な遊技状態が開始されることを基準として特定の変動回数目になったことを契機として特殊な変動パターンを選択し、その特殊な変動パターンに基づく特殊演出を実行するものがあった。
この種の遊技機として、下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、所定条件を満足する場合に、潜伏確変状態に移行すると共にトリプルステージモードと称される演出モードに移行する遊技機が記載されている。トリプルステージモードは3通りの演出ステージから構成されるものであり、その開始を基準として特定の変動回数目(例えば、1回目、24回目、及び47回目)に変動時間が13秒に固定される特殊変動パターンが選択され、特殊変動パターンが選択された図柄変動においては演出ステージに関する選択演出が実行される。
このように予め定められた特定の変動回数目において共通の特殊変動パターンが選択されることによって、特定の変動回数目が到来した場合には当該選択演出を確実に実行することができる。
特開2017−18495号公報
特許文献1に記載されている遊技機において、特定の変動回数目は予め定められているものであるため、特殊変動パターンが選択されるタイミングを遊技者が容易に予期することができる。従って、トリプルステージモードの演出展開が予定調和になってしまい、演出効果の観点から未だ改善の余地があった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、特定の条件を満足する場合に選択される特定変動パターンを有しており、且つ特定変動パターンが選択されるタイミングが遊技者に予期され難い遊技機を提供するものである。
本発明によれば、始動口への遊技球の入球を契機として実行される始動口入球処理を実行する第一処理手段と、図柄変動の開始条件が成立することを契機として実行され、対象となる図柄変動の変動パターンを選択する処理を少なくとも含む図柄変動開始処理を実行する第二処理手段と、前記始動口入球処理及び前記図柄変動開始処理とは異なる契機に特定処理を実行する第三処理手段と、通常遊技状態、並びに、特別図柄に係る図柄変動の当選確率および普通図柄に係る図柄変動の当選確率の少なくとも一方が前記通常遊技状態に比べて高い有利遊技状態に係る状態遷移を制御する第四処理手段と、を備え、前記特定処理には、乱数を取得する処理と、取得した乱数に基づいて、前記第四処理手段による前記通常遊技状態と前記有利遊技状態の状態遷移に依存せずに、当該特定処理の実行時より後に開始される一回又は複数回の図柄変動を特定する処理と、が含まれ、前記第二処理手段によって実行される前記図柄変動開始処理の対象となる図柄変動が前記特定処理によって事前に特定されたものであるとき、当該図柄変動の変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれ、更に、前記特定処理には、取得した乱数に基づいて特定した図柄変動に対して特定演出条件を設定する処理が含まれ、前記特定演出条件は、当該特定演出条件が設定された図柄変動を対象とする前記図柄変動開始処理が実行されるまで保持され、当該図柄変動開始処理が実行されると消去され、且つ、前記特定演出条件が保持されている間に新たに前記特定処理が実行される契機が到来した場合、保持されていた前記特定演出条件が消去された後に、新たな前記特定処理が実行されて別の図柄変動に対して前記特定演出条件が設定されることを特徴とする遊技機が提供される。
本発明によれば、特定の条件を満足する場合に選択される特定変動パターンを有しており、且つ特定変動パターンが選択されるタイミングが遊技者に予期され難い遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。 図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。 遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 遊技機の主要な電気的構成を示すブロック図である。 遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。 図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 特定演出及び特殊演出に係るタイムチャートの一具体例を示す図である。 図9のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部に表示される演出表示の一具体例である。 図9のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部に表示される演出表示の一具体例である。 特定演出及び特殊演出に係るタイムチャートの一具体例を示す図である。 図12のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部81に表示される演出表示の一具体例である。 図12のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部81に表示される演出表示の一具体例である。 図12のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部81に表示される演出表示の一具体例である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、図1、図5、図6を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、第一処理手段と、第二処理手段と、第三処理手段と、を備える。
第一処理手段は、始動口への遊技球の入球を契機として実行される始動口入球処理を実行する。ここで「始動口入球処理」とは、始動口への遊技球の入球を契機として実行される一連の処理をいい、始動口への入球を直接の契機にする処理に限られず、間接的に契機とする処理(例えば、始動口入球時に主制御基板100からサブ制御基板200に出力されるコマンドに応じてサブ制御基板200によって行われる処理)も含まれる。
本実施形態における第一処理手段は、例えば始動口入球時処理部110や演出制御部210等によって実現される。
第二処理手段と、図柄変動の開始条件が成立することを契機として実行され、対象となる図柄変動の変動パターンを選択する処理を少なくとも含む図柄変動開始処理を実行する。ここで「図柄変動開始処理」とは、図柄変動の開始条件が成立することを契機として実行される一連の処理をいい、該開始条件の成立を直接の契機にする処理に限られず、間接的に契機とする処理(例えば、図柄変動開始時に主制御基板100からサブ制御基板200に出力されるコマンドに応じてサブ制御基板200によって行われる処理)も含まれる。
本実施形態における第二処理手段は、例えば特図遊技制御部120や演出制御部210等によって実現され、図柄変動の変動パターンを選択する処理については変動パターン決定部124によって実現される。
第三処理手段と、始動口入球処理及び図柄変動開始処理とは異なる契機に特定処理を実行する。特定処理には、少なくとも、乱数を取得する処理と、取得した乱数に基づいて、当該特定処理の実行時より後に開始される一回又は複数回の図柄変動を特定する処理と、が含まれる。
ここで「特定処理」とは、「始動口入球処理」及び「図柄変動開始処理」と実行契機が異なる処理をいい、その実行契機の種別は特に制限されない。特定処理の実行契機としては、以下の例が挙げられる。
(i)大当り遊技又は小当り遊技の終了時
(ii)確変状態又は変短状態の終了時
(iii)希少な演出(例えば、発生頻度が低い演出、当選信頼度が高い演出)の終了時
(iv)演出モードの終了時(一の演出モードから他の演出モードに移行する時)
(v)演出用の操作手段(例えば、プッシュボタン37)の操作時
(vi)排出球の検知に基づくもの(例えば、大当り遊技間に計数された排出球が所定数に達した時)
本実施形態における第三処理手段は、例えば大当り遊技の終了を契機として特定処理を実行する特定処理部160によって実現され、乱数を取得する処理については乱数取得部161によって、取得した乱数に基づいて図柄変動を特定する処理については変動特定部162によって、それぞれ実現される。
本発明に係る遊技機10は、第二処理手段が図柄変動開始処理を実行する場合において、当該図柄変動開始処理の対象となる図柄変動が特定処理によって事前に特定されている場合、当該図柄変動の変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれることを特徴とする。
ここで「変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれる」とは、特定変動パターンが選択可能であることをいい、他の選択候補として特定変動パターンに該当しない変動パターンが含まれてもよく、含まれなくてもよい。
特定変動パターンに該当する変動パターンは単一であってもよいし、複数通り存在してもよい。また、特定処理によって事前に特定されている図柄変動においてのみ参照される特定変動パターンテーブル(専用の変動パターンテーブル)を有し、該テーブルの中に特定変動パターンが含まれる構成を採用してもよい。
なお、図柄変動開始処理の対象となる図柄変動の変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれる場合が、必ずしも当該図柄変動開始処理が特定処理によって特定された場合に限られなくてもよいが、これに限られる仕様によって本発明が実施されることが好ましい。即ち、特定変動パターンに基づく演出は、特別処理に起因する場合に限って実行されうる希少演出(特定処理に係る専用演出)であることが好ましい。該演出の演出効果がより高まり、本発明の有用性が向上するからである。
上記の特徴により、特定変動パターンが選択されうる図柄変動を、特定処理において乱数に基づいて特定するので、特定処理の都度特定される図柄変動がランダムに変化する。従って、遊技者に特定変動パターンが選択されるタイミングが予期されにくくなり、該特定変動パターンに基づく演出がマンネリ化して演出効果が低下することを抑制できる。
<遊技機10の構造について>
図1から図4を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。図2は、図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、図1から図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82・左サブ表示部83・右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
メイン表示部81は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
メイン表示部81は、保留表示(いわゆる保留玉)を表示することができる。保留表示が表示される表示領域と、演出図柄の変動が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで保留表示とは、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を表す画像である。保留表示は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上側、左側又は右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄の表示領域に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は移動しうる。
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路P(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Q(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1が遊技球の通過を検知したことを契機として第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Qから転動した場合に比べて、第1流路Pから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2が遊技球の通過を検知したことを契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Pから転動した場合に比べて、第2流路Qから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ゲート63の付設されたカウントスイッチSW4が遊技球の通過を検知した場合の少なくとも一部において、ソレノイドコイルSOL4が作動することにより開放状態に遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7が遊技球の通過を検知したことを契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。
本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
なお、本実施形態に係る特別電動役物65は、大当り遊技においてのみ開放状態になる態様として以下説明するが、大当り遊技でも小当り遊技でも開放状態になる態様であってもよい。
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる遊技状態をいい、「特別電動役物を連続して作動」とは後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。ここで小当り遊技とは、特別電動役物65を単独で作動させることができる遊技状態をいい、「特別電動役物を単独で作動」とは、ラウンド遊技の回数が一回であることをいう。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
本実施形態において、第1流路Pから転動する場合と比較して、第2流路Qから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51が遊技球の通過を検知したことを契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52が遊技球の通過を検知したことを契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Qから転動する場合と比較して、第1流路Pから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、排出球として処理される。
アウト口69には不図示のカウントスイッチが付設されてもよく、該カウントスイッチによる排出球の検知に基づいて所定の演出に係る処理(例えば、本発明の特定処理)が実行されてもよい。
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
<遊技機10の制御構成について>
続いて、図5又は図6を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した図1から図4に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、図5又は図6で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
遊技機10は、主制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、主制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。主制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、主制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、主制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、図5に示される基板に限定されるものではなく、主制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
主制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。主制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、主制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
図6には、主制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、特定処理部160、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
特定処理部160は、大当り遊技の少なくとも一部の終了を契機として、特定変動パターンが選択される図柄変動ゲームを特定し、更に特定変動パターンが選択されると実行された場合に実行される特定演出に係る演出条件(以下、特定演出条件と呼称する)を事前に設定する。
情報伝送部190は、主制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を設定し、サブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
演出制御部210は、情報伝送部190を介して主制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄をメイン表示部81に変動表示又は停止表示させる。また、演出制御部210は、特定の演出が実行される場合に、可動式の上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84をメイン表示部81の前面に移動させることもできる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37やカーソルボタン38にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、先読み判定部112と、を有する。
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。なお、乱数M1及び乱数M2は、後述する当否判定部121による判定に用いられる。
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留表示を、演出表示装置80に表示させてもよい。即ち、演出表示装置80は、保留されている乱数の個数である保留数を示す保留表示手段として機能する。
先読み判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、後述する当否判定部121による判定の事前に乱数M1又は乱数M2を参照し、特定の演出を実行するか否か、実行する場合にはどのタイミングで実行するか等を決定する判定処理を実行する。
ここで先読み判定部112によって判定される特定の演出には、例えば保留表示の態様(色彩等)を変化させる演出が含まれてもよいし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出が含まれてもよい。
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、を有する。
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。即ち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122ははずれを示す特別図柄(はずれ図柄)を一意に決定する。
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果ははずれであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図柄変動ゲームの実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
変動パターン決定部124は、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターンは、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時(カウントスイッチSW4による検知時)に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
確変制御部143は、特定の特別図柄(当選図柄)が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球したことを契機として確変状態を付与してもよい。
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Qへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
特定処理部160は、大当り制御部141による大当り遊技の少なくとも一部の終了を契機として特定処理を実行することによって特定演出条件を設定する。
特定処理部160は、乱数取得部161と、変動特定部162と、演出設定部163と、を有する。
乱数取得部161は、特定演出を実行する図柄変動ゲームを特定するために用いられる乱数M4を、大当り制御部141によって実行される大当り遊技の少なくとも一部の終了を契機として取得する。
変動特定部162は、乱数取得部161が取得した乱数M4に基づいて、それより後に実行される図柄変動ゲームのいずれかを特定する。
演出設定部163は、変動特定部162が特定した図柄変動ゲームに対して特定演出条件を設定する。特定演出条件は、設定された図柄変動ゲームを対象とする図柄変動開始処理が実行されるまで演出設定部163によって保持され、当該図柄変動開始処理が実行されると消去される。
なお、本実施形態に係る特定処理部160は、特定演出条件を保持している間に新たに特定処理が実行される契機が到来した場合、保持していた特定演出条件を消去した後に、新たな特定処理を実行して別の図柄変動に対して特定演出条件を設定する。言い換えれば、特定処理部160(演出設定部163)が保持可能な特定演出条件は一回の特定演出に対応するものに限られ、既に特定演出条件が設定されている場合に新たに特定処理を実行すると、演出設定部163は既存の特定演出条件を上書きして新たな特定演出条件を設定する。後述の特殊演出(特定演出条件が保持されている期間に行われうる演出)の演出内容が不整合になることを回避するためである。
また、演出設定部163が特定演出条件を保持している期間に大当り遊技が実行された場合であって、且つ該大当り遊技の終了を契機として特定処理が実行されない場合、演出設定部163は保持している特定演出条件を消去(クリア)することが好ましい。既存の特定演出条件を上書きする上記の理由と同様である。
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は上述した連続演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
また、演出制御部210は、特定演出及び特殊演出を実行する。特定演出は、特定変動パターンが選択された遊技において実行される予告演出である。特殊演出は、特定処理によって設定された特定演出条件が保持されている期間の少なくとも一部において、当該特定演出条件に基づいて実行される予告演出である。
特定演出と特殊演出とは互いに独立した演出であり、内容的及び時間的に関連しなくてもよいが、これらの少なくとも一方について関連している方が好ましい。互いの演出の相乗効果によって演出効果を高めることができるからである。
特定演出及び特殊演出の具体的な演出態様については後述する。
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに図5では図示していないが、いわゆる装飾可動体(演出用の役物)の移動制御を実行することができてもよい。
<主制御基板100における処理手順について>
次に、主制御基板100において実現される各種処理の処理手順について、図7及び図8を用いて説明する。なお、上述した図1から図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図7は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。図8は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、図7及び図8に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
まず、図7に示す始動口入球時処理について説明する。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶され(ステップS106)、ステップS106で取得された乱数に係る保留数が1加算される(ステップS108)。
続いて、先読み判定部112によって特定の演出を実行するか否か、実行する場合にはどのタイミングで実行するか等が決定される(ステップS110)。
ステップS102からステップS110までの一連の処理結果に基づき情報伝送部190によって設定されたコマンドがサブ制御基板200へ送信されて(ステップS112)、図7に示す処理手順は終了となる。
続いて、図8に示す図柄変動開始処理の処理手順について説明する。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、図8に示す処理手順は終了となる。
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定処理(保留されている乱数を消化して当否判定を行う)や特図選択部122による図柄選択処理(当否判定処理の結果を用いて、該当否判定の結果を報知する図柄変動ゲームで停止させる図柄を選択する)が少なくとも含まれる。
また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、特図保留制御部111は、ステップS204で読み出した乱数に係る保留数を1減算する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
ここで、演出設定部163が特定演出条件を保持している場合(ステップS210のYES)、演出設定部163は特殊演出に係る処理を実行する(ステップS212)。
また、演出設定部163が特定演出条件を保持していない場合(ステップS210のNO)、演出設定部163による特殊演出に係る処理は実行されずに、ステップS214の処理に移行する。
なお、ステップS212において実行される処理の具体的内容は、特殊演出及び特定演出の演出態様又は特定演出条件の内容によって変化するものであり、詳細は後述する。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて、図柄選択処理によって選択された図柄が停止するまでに行われる図柄の変動パターンを決定する(ステップS214)。
また、変動パターン決定部124は、演出設定部163が特定演出条件を保持している場合(ステップS210のYES)、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数の他に、ステップS212の処理結果を更に用いて変動パターンを決定してもよい(ステップS214)。
ステップS202からステップS214までの一連の処理結果に基づき情報伝送部190によって設定されたコマンドがサブ制御基板200に対して送信されて(ステップS216)、図8に示す処理手順は終了となる。
<特定演出及び特殊演出の実行態様について>
続いて、特定演出及び特殊演出の実行態様に関する一つ目の具体例を説明する。
図9は、特定演出及び特殊演出に係るタイムチャートの一具体例を示す図である。
図10及び図11は、図9のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部81に表示される演出表示の一具体例である。
図9のタイムチャートにおいて上段に示す回数は、大当り遊技の終了時を基準として計数される遊技回数(図柄変動ゲームの回数)である。
また、図9の下段に示す「X」は図10に示す演出表示がメイン表示部81に表示されるタイミングであり(以下、タイミングXと称する)、図9の下段に示す「XI」は図11に示す演出表示がメイン表示部81に表示されるタイミングである(以下、タイミングXIと称する)。
図10及び図11において、メイン表示部81上に図示される数字図柄が本実施形態に係る演出図柄が停止表示した状態を表すものである。また、メイン表示部81上に図示される矢印図柄は本実施形態に係る演出図柄が変動表示している状態を表すものである。そして、図10(a)に示す「END」の文字図柄は、大当り遊技におけるエンディング演出に係る演出表示である。
或る大当り遊技のエンディング演出が終了する時(タイミングXの直前)において、特定処理部160によって特定処理が実行され、乱数取得部161によって取得された乱数M4が「50(16進数表記では32)」であったものとする。
この場合、変動特定部162は該乱数M4に基づいてタイミングXを基準として50回目の図柄変動ゲームを特定し、演出設定部163は乱数M4そのものを特定演出条件として保持する。なお、この実施例において演出設定部163に保持される特定演出条件は、特定処理において取得された乱数M4に基づいて定められる数値であればよく、必ずしも乱数M4そのものではなくてもよい。
演出制御部210は、演出設定部163によって保持されている数値(本実施例によれば「50」)を、情報伝送部190を介して入力し、メイン表示部81の表示領域の一部に表示する(図10(a)参照)。該図面においてはメイン表示部81の右上部分に乱数M4を表示しているが、その表示位置は特に制限されず、メイン表示部81の他の部分であってもよいし、他の表示装置(例えば、上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84)であってもよい。
次に、大当り遊技の終了後、1回目の図柄変動ゲームが開始する時(タイミングXの直後)において、演出設定部163は特殊演出に係る処理(上記のステップS212における処理)として、保持している数値を1減算する。換言すれば、本実施態様における図柄変動開始処理には特定演出条件として定められた数値を減算する減算処理が含まれる。
そして、演出制御部210は、演出設定部163によって減算された数値(本実施例によれば「49」)を、情報伝送部190を介して入力し、メイン表示部81の表示領域の一部に表示する(図10(b)参照)。このように、演出制御部210は、減算処理の結果に基づいて、メイン表示部81に表示している数値を図柄変動ゲームが実行されるごとに減算する特殊演出(図9では「カウントダウン予告」と表記する演出)を、複数回の図柄変動ゲームに跨がって実行する。
上記のような特殊演出を実行することにより、大当り遊技の終了を基準として49回目の図柄変動ゲームが終了する時(タイミングXIの直前)には、メイン表示部81の右上部分に表示される数値が「1」になる(図11(a)参照)。
そして、50回目の図柄変動ゲームが開始する時(タイミングXIの直後)には、メイン表示部81の右上部分に表示される数値が「0(零)」になる(図11(b)参照)。また、当該図柄変動ゲームにおいて、変動パターン決定部124は特定変動パターンを決定し、演出制御部210は特定変動パターンの入力に基づいて特定演出(図9では「特定」と表記する演出)を実行する。図11(b)の例では、メイン表示部81に爆発する様が表示されることを特定演出として図示する。
続いて、特定演出及び特殊演出の実行態様に関する二つ目の具体例を説明する。
図12は、特定演出及び特殊演出に係るタイムチャートの一具体例を示す図である。
図13乃至図15は、図12のタイムチャートの或る時点においてメイン表示部81に表示される演出表示の一具体例である。
図12のタイムチャートにおいて上段に示す回数は、大当り遊技の終了時を基準として計数される遊技回数(図柄変動ゲームの回数)である。
また、図12の下段に示す「XIII」は図13に示す演出表示がメイン表示部81に表示されるタイミングであり(以下、タイミングXIIIと称する)、図12の下段に示す「XIV」は図14に示す演出表示がメイン表示部81に表示されるタイミングであり(以下、タイミングXIVと称する)、図12の下段に示す「XV」は図15に示す演出表示がメイン表示部81に表示されるタイミングである(以下、タイミングXVと称する)。
図13乃至図15において、メイン表示部81上に図示される数字図柄が本実施形態に係る演出図柄が停止表示した状態を表すものである。また、メイン表示部81上に図示される矢印図柄は本実施形態に係る演出図柄が変動表示している状態を表すものである。そして、図13(a)に示す「END」の文字図柄は、大当り遊技におけるエンディング演出に係る演出表示である。
或る大当り遊技のエンディング演出が終了する時(タイミングXIIIの直前)において、特定処理部160によって特定処理が実行され、乱数取得部161によって取得された乱数M4が「30(16進数表記では1E)」であったものとする。
この場合、変動特定部162は該乱数M4に基づいてタイミングXIIIを基準として30回目の図柄変動ゲームを特定し、演出設定部163は特定した図柄変動ゲームを識別可能な情報と共に特定演出用の演出フラグを保持する。
この段階において、演出制御部210は、該エンディング演出を実行するのみであり、メイン表示部81の表示上には特段の変化が見られない(図13(a)参照)。なお、これは一具体例であり、演出制御部210は、演出フラグが保持されている旨を示す情報を、情報伝送部190を介して入力して、該エンディング演出と共に何らかの演出表示をメイン表示部81に表示してもよい。
次に、大当り遊技の終了後、1回目の図柄変動ゲームが開始する時(タイミングXIIIの直後)において、演出設定部163は特殊演出に係る処理(上記のステップS212における処理)として、演出フラグ(特定演出条件)が保持されている図柄変動ゲームを計数する(計数値を1加算する)。換言すれば、本実施態様における図柄変動開始処理には特定演出条件が保持されている図柄変動を計数する計数処理が含まれる。
そして、演出制御部210は、演出設定部163による計数結果に応じて指定される背景表示をメイン表示部81に表示した上で、演出図柄の変動を開始させる(図13(b)参照)。ここで「計数結果に応じて指定される背景表示」とは、例えば、計数結果が1回から9回までの期間は日中の背景表示D1、計数結果が10回から19回までの期間は夕方の背景表示D2、計数結果が20回から29回までの期間は夜間の背景表示D3等である。
このように、演出制御部210は、計数処理の結果に基づいて、メイン表示部81の背景表示を変化させる特殊演出(図12では「背景変化予告」と表記する演出)を、複数回の図柄変動ゲームに跨がって実行する。
上記のような特殊演出を実行することにより、大当り遊技の終了を基準として9回目の図柄変動ゲームが終了する時(タイミングXIVの直前)には日中の背景表示D1が表示されていたメイン表示部81(図14(a)参照)が、10回目の図柄変動ゲームが開始する時(タイミングXIVの直後)には夕方の背景表示D2に変化する(図14(b)参照)。
更に、大当り遊技の終了を基準として29回目の図柄変動ゲームが終了する時(タイミングXVの直前)には夜間の背景表示D3が表示されていたメイン表示部81(図15(a)参照)が、30回目の図柄変動ゲームが開始する時(タイミングXVの直後)には暗転背景D4に変化する(図15(b)参照)。ここで暗転背景D4とは、本実施例における特定演出に係る背景表示である。
上記のように、特定演出が実行される図柄変動(変動特定部162によって特定された図柄変動)が実行されるまでの期間に、該図柄変動の到来が近づいている様を示唆する特殊演出を実行するので、特定演出の演出効果をより高めることができる。
なお、上記の特殊演出は特定演出が実行される図柄変動(即ち、図柄変動開始処理によって特定変動パターンが選択される図柄変動)を示唆する演出であって、大当り遊技の当選/非当選を示唆するものではない。従って、特殊演出が実行される図柄変動に係る当選信頼度と、特殊演出が実行されない図柄変動に係る当選信頼度と、は不変になる。
また、上記の特定演出は、大当り遊技の当選を事前に判定する処理(先読み判定部112の処理)に基づくものではないので、特殊演出と同様に大当り遊技の当選/非当選を示唆するものではない。従って、特定演出が実行される図柄変動に係る当選信頼度と、特定演出が実行されない図柄変動に係る当選信頼度と、についても不変になる。
このような構成になっているので、変動特定部162によって特定される図柄変動は、特定処理に係る契機(例えば、大当り遊技の終了時)を基準として、保留数の上限値を超える回数目の図柄変動にすることができる。ここで「保留数の上限値」とは、本実施形態では4個であるが、いわゆる保8タイプ(保留表示の最大数が8個)の遊技機であれば8個である。
<本発明の変形例について>
ここまで図1から図15を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上述の実施形態の説明に用いた構成図は本発明の実施に係る一具体例であって、図示されている構成要素その一部を省いたり、記載されていない構成要素を追加したり、一の基板に係る構成要素を他の基板に係る構成要素とする等の変更を許容する。
上述の実施形態においてフローチャートやタイムチャートを用いて説明した処理手順は、本発明の実施に係る一具体例であって、その一部を省いたり前後に入れ替えたり、或いは記載されていない処理を処理手順の一部に含める等の変更を許容する。
上述の実施形態では、大当り遊技の終了時を基準として特殊処理を実行する旨で説明したが、既に述べたとおり特殊処理の実行契機は他の契機に置き換えることができる。例えば、特殊処理の実行契機は、小当り遊技、確変状態又は変短状態といった他の遊技状態の終了時に代えてもよいし、希少演出や演出モードの終了といった遊技者が知覚可能な変化が発生する時に代えてもよいし、遊技者による何らかの操作の受付時に代えてもよいし、アウト口69等に付設されている特定のカウントスイッチによる検知に基づいて所定の計数結果が導出された時に代えてもよい。
上述の実施形態では、本発明に係る特殊演出の理解促進のため便宜的に簡易な実施例で説明したが、特定変動パターンが選択されるタイミング(特定演出の実行タイミング)を遊技者に予期され難いものにするという本発明の課題を鑑みて、特殊演出の演出態様は該タイミングの到来を暗に予期する程度であることが好ましい。
より具体的には、図9乃至図11を用いて説明した演出態様において、特定演出条件として保持している数値とメイン表示部81に表示されている数値とは必ずしも一致せずともよく、表示上の数値は一部の遊技において増加してもよく、表示上の数値の減算が停止してもよく、1回の遊技進行で表示上の数値が複数回増減してもよい。
或いは、図12乃至図15を用いて説明した演出態様において、特殊演出として表示されている背景表示が切り替わるタイミングは、必ずしも均等でなくてよく、その表示期間がランダムに変化してもよい。また、背景表示の切替パターンが複数用意されていてもよく、通常パターン(例えば、日中の背景表示D1→夕方の背景表示D2→夜間の背景表示D3→暗転背景D4)の他に、一部の背景表示を省いた特殊パターン(例えば、日中の背景表示D1→暗転背景D4)や切替が逆行する特殊パターン(例えば、日中の背景表示D1→夕方の背景表示D2→日中の背景表示D1)が設けられていてもよい。
図12乃至図15を用いて説明した特殊演出の演出態様において、背景表示が変化するものとしたが、これに代えて例えば、キャラクター表示が変化する演出(例えば、図13等に図示したゾウに係るキャラクターが別の動物に変化する等)としてもよいし、保留表示が変化する演出(例えば、演出設定部163による計数結果が第一の範囲内であれば全ての保留表示を円形とし、第二の範囲内であれば全ての保留表示を方形とする等)としてもよいし、背景音楽が変化する演出としてもよい。
図11(b)や図15(b)に図示した特定演出の演出態様は一具体例であって、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、特定演出は対象の図柄変動ゲームの開始時から開始されるものに限られず、特定演出はリーチ状態を形成した後に開始される演出(例えば、スペシャルリーチ演出)であってもよいし、1回以上の変動サイクルを経て開始される演出(例えば、擬似連演出)であってもよいし、対象の図柄変動ゲームの終了時に実行される演出(例えば、演出モードの切替)であってもよい。
また、特定演出はメイン表示部81に表示されるものに限られず、他の表示装置(例えば、上サブ表示部82、左サブ表示部83及び右サブ表示部84)に表示されるものであってもよいし、スピーカ33から出力される音声を含むものであってもよいし、照明装置35の発光を伴うものであってもよいし、不図示の演出用可動体(装飾可動体)の作動を伴うものであってもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)始動口への遊技球の入球を契機として実行される始動口入球処理を実行する第一処理手段と、図柄変動の開始条件が成立することを契機として実行され、対象となる図柄変動の変動パターンを選択する処理を少なくとも含む図柄変動開始処理を実行する第二処理手段と、前記始動口入球処理及び前記図柄変動開始処理とは異なる契機に特定処理を実行する第三処理手段と、を備え、前記特定処理には、乱数を取得する処理と、取得した乱数に基づいて、当該特定処理の実行時より後に開始される一回又は複数回の図柄変動を特定する処理と、が含まれ、前記第二処理手段が前記図柄変動開始処理を実行する場合において、当該図柄変動開始処理の対象となる図柄変動が前記特定処理によって事前に特定されている場合、当該図柄変動の変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれることを特徴とする遊技機。
(2)前記特定処理には、取得した乱数に基づいて特定した図柄変動に対して特定演出条件を設定する処理が含まれ、前記特定演出条件は、当該特定演出条件が設定された図柄変動を対象とする前記図柄変動開始処理が実行されるまで保持され、当該図柄変動開始処理が実行されると消去され、且つ、前記特定演出条件が保持されている間に新たに前記特定処理が実行される契機が到来した場合、保持されていた前記特定演出条件が消去された後に、新たな前記特定処理が実行されて別の図柄変動に対して前記特定演出条件が設定される(1)に記載の遊技機。
(3)前記特定処理によって設定された前記特定演出条件が保持されている期間の少なくとも一部において、当該特定演出条件に基づく特殊演出を実行する演出制御手段を備える(2)に記載の遊技機。
(4)前記特定演出条件は、前記特定処理において取得された乱数に基づいて定められる数値であり、前記図柄変動開始処理には、前記特定演出条件として定められた数値を減算する減算処理が含まれ、前記演出制御手段は、前記減算処理の結果に基づく前記特殊演出を複数回の図柄変動に跨がって実行する(3)に記載の遊技機。
(5)前記図柄変動開始処理の対象となる図柄変動の変動パターンの選択候補に前記特定変動パターンが含まれる場合が、当該図柄変動開始処理が前記特定処理によって特定された場合に限られる(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記特定演出条件は、前記特定処理において設定される演出用フラグであり、前記図柄変動開始処理には、前記特定演出条件が保持されている図柄変動を計数する計数処理が含まれ、前記演出制御手段は、前記計数処理の結果に基づく前記特殊演出を複数回の図柄変動に跨がって実行する(3)に記載の遊技機。
(b)前記特殊演出が実行される図柄変動に係る当選信頼度と、前記特殊演出が実行されない図柄変動に係る当選信頼度と、が不変である(3)に記載の遊技機。
(c)前記図柄変動開始処理によって前記特定変動パターンが選択される図柄変動に係る当選信頼度と、前記図柄変動開始処理によって前記特定変動パターンが選択されない図柄変動に係る当選信頼度と、が不変である(1)に記載の遊技機。
10 遊技機
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33 スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35 照明装置
36 球抜き機構
37 プッシュボタン
38(38a、38b、38c、38d) カーソルボタン
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
63 ゲート
65 特別電動役物
67 普通入賞口
69 アウト口
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 上サブ表示部
83 左サブ表示部
84 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 特別図柄表示部
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
100 主制御基板
101 CPU
102 RAM
103 ROM
110 始動口入球時処理部
111 特図保留制御部
112 先読み判定部
120 特図遊技制御部
121 当否判定部
122 特図選択部
123 リーチ抽選部
124 変動パターン決定部
130 普図遊技制御部
131 普図保留制御部
132 普図抽選部
133 普通電役制御部
140 遊技状態制御部
141 大当り制御部
142 特別電役制御部
143 確変制御部
144 変短制御部
150 図柄表示制御部
151 第1特別図柄表示制御部
152 第2特別図柄表示制御部
153 普通図柄表示制御部
160 特定処理部
161 乱数取得部
162 変動特定部
163 演出設定部
190 情報伝送部
200 サブ制御基板
201 CPU
202 RAM
203 ROM
210 演出制御部
SOL1、SOL4 ソレノイドコイル
SW1、SW2、SW4、SW51、SW52、SW7 カウントスイッチ
P 第1流路
Q 第2流路

Claims (1)

  1. 始動口への遊技球の入球を契機として実行される始動口入球処理を実行する第一処理手段と、
    図柄変動の開始条件が成立することを契機として実行され、対象となる図柄変動の変動パターンを選択する処理を少なくとも含む図柄変動開始処理を実行する第二処理手段と、
    前記始動口入球処理及び前記図柄変動開始処理とは異なる契機に特定処理を実行する第三処理手段と、
    通常遊技状態、並びに、特別図柄に係る図柄変動の当選確率および普通図柄に係る図柄変動の当選確率の少なくとも一方が前記通常遊技状態に比べて高い有利遊技状態に係る状態遷移を制御する第四処理手段と、
    を備え、
    前記特定処理には、
    乱数を取得する処理と、
    取得した乱数に基づいて、前記第四処理手段による前記通常遊技状態と前記有利遊技状態の状態遷移に依存せずに、当該特定処理の実行時より後に開始される一回又は複数回の図柄変動を特定する処理と、が含まれ、
    前記第二処理手段によって実行される前記図柄変動開始処理の対象となる図柄変動が前記特定処理によって事前に特定されたものであるとき、当該図柄変動の変動パターンの選択候補に特定変動パターンが含まれ
    更に、前記特定処理には、取得した乱数に基づいて特定した図柄変動に対して特定演出条件を設定する処理が含まれ、
    前記特定演出条件は、当該特定演出条件が設定された図柄変動を対象とする前記図柄変動開始処理が実行されるまで保持され、当該図柄変動開始処理が実行されると消去され、且つ、
    前記特定演出条件が保持されている間に新たに前記特定処理が実行される契機が到来した場合、保持されていた前記特定演出条件が消去された後に、新たな前記特定処理が実行されて別の図柄変動に対して前記特定演出条件が設定されることを特徴とする遊技機。
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