JP6599938B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特に、遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行うパチンコ遊技機に関する。
下記特許文献1には、所定形状の可動体を演出画像表示領域に表示される疑似遊技球の動きに応じて動作させることで、画像演出に加えてよりインパクトの強い新たな演出効果を楽しむことのできる遊技機が開示されている。具体的には、この遊技機は、遊技球を転動させることのできる遊技領域を有し、一部又は全部が透光性を有する部材により形成された遊技盤と、遊技状態に応じて、擬似遊技球を含む演出画像を表示する演出画像表示領域を有し、前記遊技盤の背後に配設され、当該遊技盤を透して視認可能な表示手段と、この表示手段による表示機能を制御する表示制御手段と、前記表示手段と前記遊技盤との間に形成された演出空間と、この演出空間内に配設された可動演出手段と、を備え、前記可動演出手段は、所定形状の可動体と、この可動体を前記演出画像表示領域に表示される前記擬似遊技球の動きに応じて動作させる駆動手段と、を備えている。
特開2008−132175号公報
上述の遊技機のように、可動体を備えて演出効果を高めるように可動体を動作させる様々な遊技機が存在している。そのため、単に可動体を動作させるだけでは従来のように演出効果の向上を見込めず、逆に、遊技者の興趣を低下させる可能性も出てきている。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、演出用の可動体の動作により遊技者の興趣の低下を防ぐ遊技機を提供するものである。
本発明によれば、複数の可動体と、演出表示部と、前記複数の可動体の動作及び前記演出表示部の演出表示を制御する演出制御手段と、を備え、前記複数の可動体の一部又は全部である特定可動体は、前記演出表示部の少なくとも一部の特定演出表示領域が覆蓋及び露出されるように動作可能であり、前記演出制御手段は、前記特定演出表示領域を覆蓋するように前記特定可動体を動作させ、かつ、覆蓋されている状態における前記特定演出表示領域を少なくとも含む演出表示領域に特定演出表示を行う覆蓋演出と、前記特定演出表示領域を覆蓋するように前記特定可動体を動作させ、かつ、前記特定演出表示を行わない非覆蓋演出とを実行可能であり、前記覆蓋演出で表示される前記特定演出表示には、一部が前記特定演出表示領域外に表示される第一の場合と、全部が前記特定演出表示領域内に表示される第二の場合とがあり、前記非覆蓋演出が実行される第三の場合よりも前記第二の場合のほうが大当り当選に関する有利度が高く、前記第二の場合よりも前記第一の場合のほうが該有利度が高い、遊技機が提供される。
本発明によれば、演出用の可動体の動作により遊技者の興趣の低下を防ぐ遊技機を提供することができる。
遊技機の正面図である。 図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。 図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。 遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 演出用可動体の動作状態を示す図である。 遊技機の主要な電気的構成を示すブロック図である。 遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態における特定演出表示としてのスターパターンを示す図である。 本実施形態における遮蔽演出のタイミングチャートである。 始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。 図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 図柄変動時の各種演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、図1、図4、図5、図6、図7を用いて説明する。図1は、遊技機10の正面図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。図5は、演出用可動体70の動作状態を示す図である。図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、複数の可動体、演出表示部、及び演出制御手段を備える。
演出表示部は、何らかの演出表示を行う表示装置であり、図4には演出表示装置80が例示されている。演出表示部による表示方式等を何ら制限されない。例えば、演出表示部は、液晶表示装置で実現されてもよいし、LEDで実現されてもよい。
演出表示部の表示領域の少なくとも一部が特定演出表示領域と表記される。図4の例では、メイン表示部81の表示領域の一部(中央の局所領域)が特定演出表示領域85とされている。もちろん、特定演出表示領域は演出表示部の表示領域の全部(全域)であってもよい。例えば、演出表示部がLEDで実現されている場合、特定演出表示領域はLEDそのものであってもよいし、LEDの点灯部であってもよい。
特定演出表示領域が演出表示部の一部である場合、特定演出表示領域は、他の表示領域と明確に区分けされている必要はなく、演出表示の一部を表示するのに利用されてもよい。
また、特定演出表示領域は、後述する特定可動体の動作で遮蔽され得る表示領域であればよいため、特定可動体の動作に追随して、演出表示部の表示領域内で移動、拡大縮小又は変形されてもよい。つまり、特定演出表示領域は、演出表示部の表示領域の少なくとも一部であって、特定可動体の動作により遮蔽され得る表示領域である。
当該複数の可動体は、主に演出用に用いられ、動き得る部材である。当該複数の可動体の具体例として、図4には、上サブ表示部82及び複数の演出用可動体70が例示されている。
当該複数の可動体の一部又は全部である特定可動体は、上述の特定演出表示領域が遮蔽及び露出されるように動作可能である。
ここで「特定演出表示領域が遮蔽される」とは、特定演出表示領域を遊技者に見えなくする又は見え難くすることを意味し、遊技者が通常の遊技姿勢から姿勢を変えなければ視認できないようにすることの意味も包含する。遊技者が覗き込めば視認可能なように特定演出表示領域を遮蔽することが望ましい。
逆に「特定演出表示領域が露出される」とは、特定演出表示領域が上述のように遮蔽された状態ではないことを意味し、遊技者が通常の遊技姿勢のまま特定演出表示領域を視認できるようにすることの意味を包含する。
当該特定可動体は、遊技者と特定演出表示領域との間に介入して特定可動体自身が遊技者から特定演出表示領域を遮蔽するように動作可能であってもよい。このような特定可動体の具体例として下可動体71が図4及び図5に例示されている。下可動体71は、メイン表示部81の前方から特定演出表示領域85を覆うように移動可能に設けられている(図5参照)。この例では、上方又は下方から遊技者が覗き込むことで視認できるような状態で下可動体71は特定演出表示領域85を遮蔽している。
特定可動体が特定演出表示領域を遮蔽する動作は、何ら制限されず、単純な位置移動であってもよいし、他の特定可動体との合体及び分離を含んでもよいし、特定可動体自体の変形を含んでもよい。
また、特定可動体自身が特定演出表示領域85を遮蔽しない形態もあり得る。例えば、演出表示部が特定可動体の一面に設けられており、特定演出表示領域が他の可動体又は固定された部材(装飾体等)で遊技者から遮蔽されるように、特定可動体が移動可能であってもよい。他の例として、特定可動体が、自身の一面に設けられた演出表示部の向きを変えるよう動作することで、特定演出表示領域を遊技者から遮蔽することもできる。
演出制御手段は、複数の可動体の動作及び演出表示部の演出表示を制御する。
演出制御手段は、遮蔽演出を実行可能である。演出制御手段の具体例として図7には演出制御部210が例示されている。
ここで「遮蔽演出」とは、特定演出表示領域が遮蔽されるように特定可動体を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の特定演出表示領域に大当りか否か或いは大当りの種別を報知又は示唆する特定演出表示を行う演出である。特定演出表示は、遮蔽演出において、特定演出表示領域内の全部又は一部に表示されることが好ましいが、特定演出表示領域内に収まりきらずにその一部が特定演出表示領域外にはみ出した状態で表示されてもよい。例えば、特定演出表示で大当りに関する複数の情報が報知又は示唆される場合には、当該複数の情報の中の一部を報知又は示唆する局所部(特定演出表示の一部)の少なくとも一部が特定演出表示領域外にはみ出した状態で表示されてもよい。
特定演出表示で報知又は示唆される大当りか否かには、実行中の図柄変動ゲームでの大当りの当否、先読みされた保留中乱数の事前判定による大当りの当否などが含まれる。
ここで「図柄変動ゲーム」とは、図柄を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示された図柄によって当否抽選結果を遊技者に報知する遊技である。
特定演出表示で報知又は示唆される大当りの種別には、大当り遊技中のラウンド遊技の回数(ラウンド数)、大当り遊技終了後に確変状態又は変短状態が付与され得るか否かなどが含まれる。
但し、遮蔽演出における特定演出表示の内容は複数種存在してもよいし、一種であってもよい。
このように本実施形態では、演出表示部の少なくとも一部である特定演出表示領域が遮蔽及び露出されるように動作可能な特定可動体が設けられており、その特定可動体を動作させて遮蔽されている状態の特定演出表示領域に特定演出表示を行う遮蔽演出が実行される。
本実施形態によれば、可動体はそれ自体の動きで遊技者の興趣を高めるものであるところ、その可動体の動作で、大当りか否か或いは大当りの種別を報知又は示唆する特定演出表示を敢えて視認し難くすることで、遊技者の興趣を一層喚起させることができる。例えば、本遊技機の仕様を知らない遊技者は、特定演出表示が可動体で遮蔽されて視認できない可能性が高い一方で、仕様を知っている遊技者は、覗き込むことで特定演出表示を確認できるため、優越感を得ることができ、興趣の向上が見込める。逆に、特定演出表示を見たくない遊技者にとっては、見ないで済むため、興趣の低下を防ぐことができる。
また、演出制御手段は、遮蔽演出とは異なる他の演出で特定可動体を動作させてもよい。この場合、当該他の演出の一つとして、特定可動体を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の特定演出表示領域に特定演出表示を行わない演出、いわゆるガセ遮蔽演出が実行されてもよい。
このようにすれば、特定可動体の動作がそのまま特定演出表示の出力に結び付かず、特定可動体が動作したからといって特定演出表示が出力されているか否かが定かではないことから、特定可動体の動作開始時の遊技者の興趣を喚起させることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
<遊技機10の構造について>
図1から図5を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。図2は、図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。図5は、演出用可動体70の動作状態を示す図である。
なお、図1から図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82は可動式の液晶装置である。
メイン表示部81は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
メイン表示部81は、保留画像(いわゆる保留玉)を表示することができる。保留画像が表示される表示領域と、演出図柄の変動が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで保留画像とは、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を表す画像である。保留画像は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
また、メイン表示部81の表示領域には、後述の下可動体71の動作により遮蔽又は露出される局所領域があり、その局所領域には遮蔽演出の実行時に特定演出表示が行われる。このため、この局所領域は特定演出表示領域85と表記される。特定演出表示領域85は、他の表示領域と特に区別されなくてもよく、メイン表示部81の表示領域の一部として、演出図柄群の変動表示や他の演出の表示の一部に利用され得る。
上サブ表示部82は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に、ソレノイド、モータなどのようなアクチュエータ(図示せず)からの動力により移動し得る。上サブ表示部82の原位置はメイン表示部81を基準として上側であり、その原位置からメイン表示部81における特定演出表示領域85には重ならない位置まで上サブ表示部82は移動しうる。
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81又は上サブ表示部82)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
メイン表示部81より前側には、複数の演出用可動体70が設けられている。これら演出用可動体70は、ソレノイド、モータなどのようなアクチュエータ(下アクチュエータ75、左アクチュエータ76及び右アクチュエータ77)からの動力により所定の態様でそれぞれ動作可能である。各演出用可動体70の動作を実現し得る構造や動作態様等については何ら制限されない。
本実施形態では、演出用可動体70として下可動体71、左可動体72及び右可動体73が設けられており、下可動体71が、自身が遊技者から特定演出表示領域85を遮蔽するように動作可能な特定可動体に相当する。
下可動体71の原位置は、メイン表示部81の下側であり(図4に示される位置)、下可動体71は、その原位置からメイン表示部81における特定演出表示領域85が遮蔽される位置(以降、移動先位置と表記する場合もある)まで動作可能である。言い換えれば、下可動体71は、原位置と移動先位置との間を往復する動作が可能であり、移動先位置から原位置に戻ることで特定演出表示領域85が露出される。
更に具体的には、下可動体71は、メイン表示部81の左下方向外側に位置するその左端を支点として、その右端が上方に移動可能(反時計回りに回転可能)に組み付けられている。これにより、下可動体71が少なくとも原位置に存在する場合には特定演出表示領域85は露出され、下可動体71が図5に示される位置(以降、移動先位置と表記される)に存在する場合には特定演出表示領域85は遮蔽される。
左可動体72の原位置は、メイン表示部81の左上側であり(図4に示される位置)、左可動体72は、その原位置からメイン表示部81の左中央付近の位置(図5に示される位置)まで移動可能である。
右可動体73の原位置は、メイン表示部81の右上側であり(図4に示される位置)、右可動体73は、その原位置からメイン表示部81の右中央付近の位置(図5に示される位置)まで移動可能である。
このように、左可動体72及び右可動体73は、メイン表示部81前方における特定演出表示領域85を遮蔽しないように動作する。また、上サブ表示部82についても同様にメイン表示部81前方における特定演出表示領域85を遮蔽しない位置まで動作可能である。つまり、左可動体72及び右可動体73並びに上サブ表示部82は特定可動体には属さない。本実施形態では、特定可動体(下可動体71)に加えて、他の可動体(左可動体72及び右可動体73並びに上サブ表示部82)が更に設けられ、当該他の可動体は、特定演出表示領域85で行われる特定演出表示を遮蔽しないように動作する。これにより、複数の可動体の一部の可動体が遮蔽演出で利用されることで、どの可動体が動くかといった点で遊技者の期待度を高め、可動体の動作に伴う遊技者の興趣を喚起させることができる。
本明細書において「可動体の原位置」とは、可動体が動作し始める前に停止している位置である。
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1が遊技球の通過を検知したことを契機として第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2が遊技球の通過を検知したことを契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ゲート63の付設されたカウントスイッチSW4が遊技球の通過を検知した場合の少なくとも一部において、ソレノイドコイルSOL4が作動することにより開放状態に遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7が遊技球の通過を検知したことを契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51が遊技球の通過を検知したことを契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52が遊技球の通過を検知したことを契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
<遊技機10の制御構成について>
続いて、図6又は図7を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した図1から図5に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図6は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。図7、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、図6又は図7で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図6では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
下アクチュエータ75は、サブ制御基板200からの制御により下可動体71を動作させる。同様に、左アクチュエータ76は左可動体72を動作させ、右アクチュエータ77は右可動体73を動作させる。
図7には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報(例えばラウンド数)等が含まれてもよい。
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80(メイン表示部81又は上サブ表示部82)に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄をメイン表示部81に変動表示又は停止表示させる。また、演出制御部210は、特定の演出が実行される場合に、下アクチュエータ75、左アクチュエータ76、右アクチュエータ77などのアクチュエータを制御することで、可動式の上サブ表示部82又は一以上の演出用可動体70を動作させることもできる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37やカーソルボタン38にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、先読み判定部112と、を有する。
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。なお、乱数M1及び乱数M2は、後述する当否判定部121による判定(特別遊技状態に係る当選判定)に用いられる。
特図保留制御部111は、保留されている乱数(保留乱数)の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留画像を、演出表示装置80に表示させてもよい。
先読み判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、その乱数M1又は乱数M2が後述する当否判定部121により当否抽選に用いられる前に、その乱数M1又は乱数M2を読み出し(先読みし)、先読み判定処理を実行する。なお、先読み判定部112により読み出された乱数M1又は乱数M2は消化されず保留記憶されたままとなる。
本実施形態では、先読み判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させる場合に、先読み判定処理を行う。但し、先読み判定処理の実行契機はこのような例のみに限定されない。
先読み判定部112により実行される先読み判定処理は、例えば、次のような処理を含む。
(i)先読みされた保留乱数が当否判定部121による当否抽選で当選するか否かの事前判定
(ii)先読みされた保留乱数に基づいて先読み演出を行うか否かの判定
(iii)先読み演出の開始タイミング及び終了タイミングの決定
先読み演出の開始タイミング及び終了タイミングは、図柄変動ゲーム単位で決められてもよいし、図柄変動ゲームの変動パターンを基準として図柄変動ゲーム内の或るタイミングとして決められてもよい。後者の場合、例えば、図柄変動ゲーム内の演出図柄がリーチ状態とされたタイミング、図柄変動ゲームの開始後所定時間経過のタイミングなどとして決められる。本実施形態は、このような先読み演出に係るタイミングの決め方を制限するものではない。
ここで先読み演出には、例えば保留画像の態様(色彩等)を変化させる演出が含まれてもよいし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出が含まれてもよい。
先読み判定部112は、先読みされた保留乱数が当否判定部121による当否抽選で当選すると事前判定した場合に、その当選に係る大当り遊技におけるラウンド回数判定を事前に実施してもよい。
このように先読み判定部112による先読み判定処理で決められた情報(先読み判定情報)は、情報伝送部190を介して演出制御部210へコマンドとして送信される。
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、演出条件判定部125と、を有する。
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出し、その乱数M1又は乱数M2を用いて大当りの当否抽選を行う。
当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
当否判定部121により読み出された乱数M1又は乱数M2は消化され保留記憶から消される。
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。具体的には、特図選択部122は、当否判定部121によって乱数M1が当選と判定された場合、乱数抽選を行うことによって、当選を示す第1特別図柄(以降、第1当選特図と表記する場合もある)を選択し、乱数M2が当選と判定された場合、当選を示す第2特別図柄(以降、第2当選特図と表記する場合もある)を選択する。以降、第1当選特図及び第2当選特図を当選特図と総称する場合もある。一方、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122は、ハズレを示す第1特別図柄又は第2特別図柄(ハズレ図柄)を決定する。
特図選択部122により選択された第1特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
特図選択部122により選択された第2特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
本実施形態では第1当選特図及び第2当選特図はそれぞれ複数とおり予め用意されている。特図選択部122は、このような複数とおりの当選特図の中から、乱数抽選によって一つの当選特図を選択する。
また、本実施形態では、当選特図は確変特図と非確変特図とに大別される。「確変特図」とは、その当選特図が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態が付与され得る当選特図であり、「非確変特図」とは、当該確変状態が付与され得ない当選特図である。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域の遊技球の通過が確変状態付与の要件に含まれる場合、「確変特図」は、Vゾーン通過を許容する状態となり得る当選特図であり、「非確変特図」は、Vゾーン通過を許容しない状態となり得る当選特図である。
本実施形態では、各当選特図には、更に、大当り遊技中のラウンド遊技の回数(ラウンド数)が一意に割り振られている。
これにより、本実施形態では、特図選択部122が当選特図を選択することにより、大当り遊技中のラウンド数及び確変状態が付与され得るか否かが決まることになる。
但し、大当り遊技中のラウンド数や確変状態の付与の決定手法については、このような例に限定されない。例えば、遊技状態制御部140が、乱数抽選により、ラウンド数又は確変状態が付与され得るか否かを決定してもよい。
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に同種の演出図柄を仮停止させる演出及びそれに付随して行われる演出を意味する。なお、最後に仮停止する列を除く複数の列に同種の演出図柄が仮停止している状態をリーチ状態と称する場合がある。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図柄変動ゲームの実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
演出条件判定部125は、特図選択部122により選択された特図、リーチ抽選部123の抽選結果、先読み判定部112により決められた先読み判定情報などに基づいて、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する特定の演出をするか否かを判定する。この判定は乱数抽選により行われてもよい。判定候補となる特定演出群には、上述した遮蔽演出、いわゆるガセ遮蔽演出、上サブ表示部82又は演出用可動体70を動作させる演出などが含まれる。
変動パターン決定部124は、特図選択部122により選択された特図、リーチ抽選部123の抽選結果、先読み判定部112により決められた先読み判定情報、演出条件判定部125の判定結果などに基づいて、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)は、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲーム(遊技)の実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出や遮蔽演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
なお、変動パターン決定部124は、リーチ演出、遮蔽演出などの実行が選択された場合は、それらを実行しないことが選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時(カウントスイッチSW4による検知時)に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、ラウンド遊技の回数(ラウンド数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
確変制御部143は、確変特図が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球したことを契機として確変状態を付与してもよい。
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。言い換えれば、大当り制御部141は、大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行後に大当り遊技を実行させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が当選特図等に基づいて決められるラウンド数を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
大当り制御部141は、上記のラウンド数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
決められたラウンド数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
遊技状態制御部140により制御される大当り遊技には、有利度合の異なる複数種の大当り遊技が存在する。本実施形態における大当り遊技の有利度合の違いは、例えば、ラウンド数の違い、及び、確変状態が付与され得るか否かの違いである。その他、大当り遊技の有利度合は、変短状態が付与され得るか否か、出球数、或る特別な演出が行われるか否かなどによっても生じ得る。遊技状態制御部140は、このように有利度合の異なる複数種の大当り遊技を実行可能なように制御することができる。
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は連続演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
演出制御部210は、予告演出として、リーチ演出や先読み演出を実行する。具体的には、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力されるコマンドによりリーチ抽選部123による抽選結果などの情報を取得し、その情報に基づいてリーチ演出を実行する。また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力されるコマンドにより先読み判定処理で決められた先読み判定情報を取得し、その先読み判定情報に基づいて先読み演出を実行する。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力されるコマンドから変動パターンの情報などを取得し、それら情報に基づいて、遮蔽演出や上サブ表示部82又は一以上の演出用可動体70を動作させることもできる。例えば、演出制御部210は、変動パターンの情報から遮蔽演出を実行するか否か、遮蔽演出以外で演出用可動体70又は上サブ表示部82を動作させる演出を実行するか否かなどを決定することができる。
演出制御部210は、変動パターンの情報などから一義的に、遮蔽演出を実行するか、ガセ遮蔽演出を実行するか、又は、演出用可動体70若しくは上サブ表示部82を動作させる他の演出を実行するかを決めてもよいし、乱数抽選等を更に行うことで、それら演出を実行するか否かを決めてもよい。例えば、大当り遊技に当選している場合に、演出制御部210が、抽選等により、下可動体71を動作させかつ特定演出表示を行わないガセ遮蔽演出を実行する場合があってもよいし、下可動体71以外の演出用可動体70又は上サブ表示部82を動作させる演出を実行する場合があってもよい。
ここで、本実施形態で実行される遮蔽演出について説明する。
演出制御部210は、原位置から特定演出表示領域85が遮蔽される位置(図5参照)まで下可動体71を動作させ、かつ、特定演出表示領域85が下可動体71で遮蔽されている状態の特定演出表示領域85内にスターパターンを表示する。本実施形態ではこのスターパターンの表示が、大当りか否か或いは大当りの種別を報知又は示唆する特定演出表示に相当する。
図8は、本実施形態における特定演出表示としてのスターパターンを示す図である。
図8に例示されるとおり、本実施形態では6つのスターパターン、言い換えれば6種の特定演出表示が設けられている。
演出制御部210は、遮蔽演出の実行を決めた場合、情報伝送部190を介して入力されるコマンドに含まれる特図情報などに基づいて、図8に例示される6つのスターパターンの中から一つのパターンを選択し、そのパターンを特定演出表示として特定演出表示領域85に表示させる。具体的には、演出制御部210は、非確変特図が選択されている場合、即ち確変状態が付与され得ない大当り遊技に当選している場合、パターン1を選択する。演出制御部210は、16ラウンドが割り当てられた確変特図が選択されている場合、即ち確変状態が付与され得る16ラウンドの大当り遊技に当選している場合には、保留内の16ラウンドの大当りの個数に応じて、パターン2からパターン6の中のいずれか一つを選択する。保留内の16ラウンドの大当りの個数は、例えば、コマンドに含まれる先読み判定情報などで示され得る。また、演出制御部210は、16未満のラウンド数が割り当てられた確変特図が選択されている場合、即ち確変状態が付与され得る16ラウンド未満の大当り遊技に当選している場合には、パターン1を選択する。
図8において破線で囲まれた領域は特定演出表示領域85を示している。つまり、パターン3からパターン6における「×2」、「×3」、「×4」、「×5」の表示部分は、特定演出表示領域85より外側に表示されるため、遮蔽演出においても下可動体71で遮蔽されず、露出することになる。
図8で例示される特定演出表示(スターパターン)は、大当りか否かを報知又は示唆する局所部(星マーク)、確変状態が付与され得る16ラウンドの大当りか否かを報知又は示唆する局所部(数字「16」)、及び、保留内の大当りの個数を報知又は示唆する局所部(吹き出しマーク)から構成されており、3つの情報を報知又は示唆する表示であるといえる。本実施形態では、このような特定演出表示のうち一つの情報に対応する局所部(吹き出しマーク)が部分的に特定演出表示領域85外に表示される。このように特定演出表示の一部が特定演出表示領域85外に表示されてもよい。但し、特定演出表示領域85外に表示される特定演出表示の一部は、星マークの一部であってもよい。このようにすれば、大当りか否かという単純な情報のみが遊技者に提供され、大当りに関する詳細情報(数字「16」及び吹き出しマーク)が隠ぺいされるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
但し、特定演出表示はこのような例に限定されない。特定演出表示は1種であってもよいし、図8では露出される「×2」などの表示部分も含めて特定演出表示のすべてが特定演出表示領域85内に表示されてもよい。
図9は、本実施形態における遮蔽演出のタイミングチャートである。
図9に示されるように、遮蔽演出が開始されると、下可動体71が原位置から特定演出表示領域85を遮蔽する位置(移動先位置)へ向けて動作を開始する。下可動体71が移動先位置へ到達すると、所定の時間間隔を空けて、特定演出表示としてのスターパターンが特定演出表示領域85に表示される。その後、スターパターンは、下可動体71が原位置へ向けての戻り動作を開始する時点よりも更に前に、消去される。スターパターンが消去されてから所定の時間間隔を空けて、下可動体71が原位置へ向けての戻り動作を開始し、原位置に戻り停止することで、遮蔽演出が終了する。
このように、特定演出表示は、特定可動体の動作により特定演出表示領域が遮蔽される状態となった後に、特定演出表示領域で行われ、特定可動体の動作により特定演出表示領域が露出する前に、消去されることが好ましい。
また、遮蔽演出において、特定可動体が、特定演出表示領域が遮蔽されるように動作した後、特定演出表示領域が露出される状態となるまで動作したときには、特定演出表示領域から特定演出表示は消去されていることが好ましい。本実施形態では、特定可動体(下可動体71)が特定演出表示領域85が遮蔽される位置(移動先位置)まで動作した後、特定演出表示領域85が露出される位置まで動作したときには、特定演出表示領域85から特定演出表示は消去されていることが好ましい。
ここで「特定演出表示領域が露出される状態(位置)」とは、遮蔽された状態の特定演出表示領域における特定演出表示が表示されていた領域の全部又は一部が遊技者にとって遮蔽状態と比較してより視認され易くなる状態(位置)を意味する。但し、特定演出表示を完全に遊技者から隠蔽するためには、特定演出表示領域の一部でも露出される状態となったときには、特定演出表示領域から特定演出表示が消去されていることが好ましい。
このようにして、特定演出表示を遊技者に容易には視認できないようにすることで、遮蔽されている特定演出表示に対する期待感が増し、可動体の動作に伴う遊技者の興趣を一層喚起させることができる。
図9に例示されるような遮蔽演出のタイミング制御は様々な手法で実現可能である。
例えば、下可動体71の存在位置を検知する位置センサが原位置と移動先位置とに設けられていてもよい。この場合、演出制御部210は、位置センサからの信号により下可動体71が移動先位置に到達したか否かを判定し、下可動体71が移動先位置に到達してから所定時間間隔を空けてスターパターンを特定演出表示領域85に表示させればよい。演出制御部210は、スターパターンを特定演出表示領域85から消去させた後、所定時間間隔を空けて下可動体71を原位置に向けて動作させればよい。
他の例として、動作開始からの経過時間により下可動体71が移動先位置に到達しているか否かを推定することもできる。この場合、演出制御部210は、下可動体71を原位置から動作させ始めると共に、タイマーを起動し、そのタイマーが所定時間を指し示したときに、下可動体71が移動先位置に到達してから所定時間経過していると推定して、スターパターンを表示させればよい。
また、下可動体71を動作させるために下アクチュエータ75に対する制御を連続的又は断続的に行う場合には、その制御のシーケンス情報を考慮して、下可動体71が移動先位置に到達しているか否かを推定してもよい。
また、本実施形態では、下可動体71は、遮蔽演出の実行時において、特定演出表示領域85に表示されるスターパターンの種別に関わらず、共通の態様で動作する。このように、特定可動体は、遮蔽演出の実行時において、特定演出表示の内容に関わらず、共通の態様で動作することが好ましい。
ここで「共通の態様で動作する」とは、遊技者が認識可能な範囲で動作の仕方が同じであることを意味し、動作の仕方としては、動きの速度、動きの軌跡などがあり得る。
これにより、特定可動体の動作がそのまま特定演出表示の内容に結び付かず、特定可動体が動作したからといって特定演出表示の内容が定かではないことから、特定可動体の動作開始時の遊技者の興趣を喚起させることができる。
このような遮蔽演出は、同じ大当り当選時であっても、有利度合の高い大当り当選時に実行される可能性が高くなるように制御されてもよい。即ち、大当り遊技に有利度合の異なる第一の大当り遊技と第二の大当り遊技とが含まれる場合、演出制御部210は、第一の大当り遊技が実行される前の大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行中には、遮蔽演出を実行する場合があり、第一の大当り遊技よりも有利度合の低い第二の大当り遊技が実行される前の大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行中には、遮蔽演出を実行しないようにしてもよい。
大当り遊技の有利度合は、例えば、ラウンド数、確変状態が付与されるか否か、変短状態が付与されるか否か、出球数、大当り遊技に伴って行われる演出であって発生頻度の少ない(レアな)演出が実行されるか否かなどである。例えば、演出制御部210は、16ラウンドの大当り遊技が当選した場合、又は、確変状態が付与され得る大当り遊技が当選した場合に、遮蔽演出を実行する可能性があり、16ラウンドよりも少ないラウンド数の大当り遊技や確変状態が付与され得ない大当り遊技が当選した場合には、遮蔽演出を実行しないようにしてもよい。この場合、上述の演出条件判定部125は、特図選択部122により当選特図が選択された場合のうち、所定数よりも大きいラウンド数が割り振られている当選特図が選択された場合、又は、確変特図が選択された場合には、遮蔽演出を実行することを選択する可能性があり、その他の当選特図が選択された場合には、遮蔽演出を実行しないことを選択するようにしてもよい。
このようにすれば、有利度合が高い大当り遊技が実行される場合にのみ、遮蔽演出が実行されるため、遮蔽演出が実行された際の遊技者の興趣を喚起させることができる。
また、下可動体71のように遮蔽演出で動作する特定可動体は次のように制御されてもよい。即ち、演出制御部210は、リーチ演出の発展演出時又は大当りを報知若しくは示唆する演出時に、特定可動体としての下可動体71を動作させるようにしてもよい。この場合、上述の演出条件判定部125が、リーチ抽選部123によりリーチ演出の発展演出を行うことが選択された場合、又は、特図選択部122により当選特図が選択された場合に、特定可動体としての下可動体71を動作させる割合が高くなるように、遮蔽演出又は下可動体71の動作演出を選択すればよい。
このようにすれば、特定可動体(下可動体71)は重要な局面で動作することになるため、特定可動体の動作で遊技者の期待度を高めることができ、ひいては、可動体の動作による遊技者の興趣を喚起させることができる。
演出制御部210は、遮蔽演出とは異なる他の演出においても、特定可動体を動作させるようにしてもよい。例えば、演出制御部210は、変動パターンの情報などから遮蔽演出以外で下可動体71を動作させるか否かを決定することができる。
当該他の演出には、特定演出表示領域が遮蔽されるように特定可動体を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の特定演出表示領域に特定演出表示を行わない演出が含まれてもよい。本実施形態では、演出制御部210は、特定演出表示領域85が遮蔽されるように下可動体71を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の特定演出表示領域85にスターパターンを表示させない演出(いわゆるガセ遮蔽演出)を実行してもよい。
このようにすれば、特定可動体の動作がそのまま特定演出表示の出力に結び付かず、特定可動体が動作したからといって特定演出表示が出力されているか否かが定かではないことから、特定可動体の動作開始時の遊技者の興趣を喚起させることができる。
特定可動体を遮蔽演出以外でも動作させる場合、特定可動体(下可動体71)は、他の演出の実行時においても、遮蔽演出の実行時と共通の態様で動作することが好ましい。完全に共通の態様でなくとも、特定可動体は、他の演出の実行時においても、遮蔽演出と共通の態様で特定演出表示領域が露出される状態となるまで(例えば、そのような状態となる位置まで)動作することが好ましい。
これにより、特定可動体の動き方(動作態様)がそのまま特定演出表示の出力に結び付かないため、特定可動体の動作開始時の遊技者の興趣を喚起させることができる。
また、演出制御部210は、遮蔽演出に関して遊技者に説明するために、遮蔽演出実行時以外で、特定演出表示領域85に特定演出表示(スターパターン表示)が行われることを報知又は示唆する演出を行うこともできる。特定演出表示領域85に特定演出表示が行われることを報知又は示唆する演出は、特定演出表示領域85を指し示しかつそこで行われる特定演出表示の内容を説明する演出であってもよいし、特定演出表示領域85を指し示すことなく特定演出表示という存在をにわかにほのめかす程度の情報を提示する演出であってもよい。例えば、演出制御部210は、遮蔽演出実行時ではないときに、「覗き見で星マークが表示されていれば大当りの可能性大」といった表示をメイン表示部81に表示させることができる。
但し、演出制御部210は、特定可動体が少なくとも原位置とは異なる位置に存在している場合には、遮蔽演出以外で、特定演出表示領域に特定演出表示が行われることを報知又は示唆する演出を行わないことが好ましい。例えば、下可動体71が移動先位置に存在し、特定演出表示領域85を遮蔽しているときに、特定演出表示領域85に特定演出表示(スターパターン表示)が行われることを報知又は示唆する演出が行われないことが好ましい。
このように、特定可動体の動作で特定演出表示(大当り確定演出など)を敢えて視認し難くしながら、特定可動体の背後で特定演出表示がなされることを遊技者に知らせないことで、遊技者の興趣を一層喚起させることができる。具体的には、仕様を知らない遊技者は、特定演出表示が特定可動体で遮蔽されて視認できない可能性が高い一方で、仕様を知っている遊技者は、覗き込むことで特定演出表示を確認できるため、期待感或いは優越感を得ることができ、興趣の向上が見込める。
上記の説明において、演出制御部210は、演出表示装置80(メイン表示部81及び上サブ表示部82)の演出表示及び上サブ表示部82又は演出用可動体70の動作を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれらに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
<メイン制御基板100における処理手順について>
次に、メイン制御基板100において実現される各種処理の処理手順について、図10、図11及び図12を用いて説明する。なお、上述した図1から図7に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図10は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。図11は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。図12は、図柄変動時の各種演出処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、図10、図11及び図12に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
まず、始動口入球時処理について図10の処理手順に沿って説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
続いて、先読み判定部112によって上述した先読み判定処理が実行される(ステップS110)。具体的には、先読み判定部112は、(ステップS108)で保留記憶された保留乱数を読み出して、その保留乱数が当否判定部121による当否抽選で当選するか否かの事前判定を行う。先読みされた保留乱数が当選すると事前判定された場合、先読み判定部112は、その保留乱数に基づいて先読み演出を行うか否かの判定、或いは、その当選に係る大当り遊技におけるラウンド数の事前判定を行うこともできる。
ステップS102からステップS110までの一連の処理結果を含むコマンド(先読み判定情報を含む)が、情報伝送部190からサブ制御基板200へ送信されて(ステップS112)、その始動口入球時処理は終了となる。
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について図11の処理手順に沿って説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、保留記憶されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ状態とするか否か、(iii)特定の演出(遮蔽演出、演出用可動体70を動作させる演出など)を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を指定情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、変動パターン、選択された特別図柄、保留数、先読み判定情報、確変状態の有無、変短状態の有無を示す指定情報等が含まれうる。
次に、図柄変動時における各種演出処理の処理手順について図12の処理手順に沿って説明する。図12では各種演出処理として遮蔽演出及びガセ遮蔽演出が例示されている。もちろん、図柄変動時には図12に示されない他の演出が実行されてもよい。
演出制御部210は、ステップS212において出力されたコマンドを受けると(ステップS302)、このコマンドで示される情報(例えば、変動パターンの情報)に基づいて、遮蔽演出を実行するか否かを判定する(ステップS304)。
演出制御部210は、遮蔽演出を実行すると判定すると(ステップS304;YES)、当該コマンドで示される情報(例えば、特図情報など)に基づいて、図8に例示される6つのスターパターンの中から一つのスターパターンを選択する(ステップS306)。これらスターパターンが特定演出表示に相当する。
続いて、演出制御部210は、下可動体71(特定可動体)に対して、原位置から特定演出表示領域85を遮蔽する位置(移動先位置)へ向けての動作を開始させる(ステップS308)。この動作が図12では遮蔽動作と表記されている。
その後、演出制御部210は、下可動体71が移動先位置に到達することを監視する(ステップS310)。この監視手法は何ら制限されない。例えば、位置センサからの信号により到達を検知してもよいし、動作開始からの経過時間により到達を推測してもよい。
下可動体71が移動先位置に到達したと判定すると(ステップS310;YES)、演出制御部210は、(ステップS306)で選択されたスターパターンを特定演出表示領域85に表示する(ステップS312)。ここで、スターパターンの特定演出表示領域85への表示(特定演出表示)は、図9のタイミングチャートで例示するとおり、下可動体71が移動先位置に到達してから所定時間間隔を空けて実施されることが好ましい。このようにすることで、特定演出表示領域85に出力された特定演出表示(スターパターン)を下可動体71で確実に遮蔽することができ、遊技者に容易には視認することができなくすることができる。
演出制御部210は、スターパターンの表示(ステップS312)から所定時間経過後にスターパターンを消去する(ステップS314)。ここでの所定時間は、予め決められた時間であってもよいし、任意に決められる時間であってもよい。また、スターパターンが動画の場合には、その動画の再生時間が当該所定時間とされてもよい。なお、スターパターンが消去される際には、未だ、下可動体71により特定演出表示領域85が遮蔽されている。
スターパターンの消去(ステップS314)後、演出制御部210は、下可動体71に対して移動先位置から原位置へ戻る動作を開始させる(ステップS316)。このときも、スターパターン消去から所定時間間隔を空けて下可動体71の戻り動作を開始させることが好ましい。このようにすることで、特定演出表示領域85から特定演出表示(スターパターン)が完全に消されてから特定演出表示領域85を露出状態とすることができ、特定演出表示を遊技者に容易には視認することができなくすることができる。
下可動体71は原位置に戻ると動作を停止し(ステップS318)、遮蔽演出が終了する。
一方で、演出制御部210は、遮蔽演出を実行しないと判定すると(ステップS304;NO)、更に、当該コマンドで示される情報(例えば、変動パターンの情報)に基づいて、ガセ遮蔽演出を実行するか否かを判定する(ステップS320)。但し、ここでは、ガセ遮蔽演出を実行するか否かではなく、下可動体71を含む演出用可動体70又は上サブ表示部82のいずれか一つ以上を動作させるか否かが判定されてもよい。この場合、更に、動作させる可動体が抽選などにより選択されてもよい。
演出制御部210は、ガセ遮蔽演出を実行すると判定すると(ステップS320;YES)、下可動体71(特定可動体)に対して、原位置から特定演出表示領域85を遮蔽する位置(移動先位置)へ向けての動作を開始させる(ステップS322)。
その後、演出制御部210は、(ステップS310)と同様に、下可動体71が移動先位置に到達することを監視する(ステップS324)。
下可動体71が移動先位置に到達したと判定すると(ステップS324;YES)、演出制御部210は、下可動体71に対して移動先位置から原位置へ戻る動作を開始させる(ステップS316)。
このようなガセ遮蔽演出実行時における(ステップS322)、(ステップS324)及び(ステップS316)の一連の下可動体71の動作態様は、遮蔽演出実行時と共通であることが好ましい。例えば、下可動体71が移動先位置に到達してから戻り動作を開始するまでの時間は、遮蔽演出とガセ遮蔽演出とで同一とされることが好ましい。また、下可動体71の動作速度や動作軌跡も両演出で共通とされることが好ましい。
このようにすれば、遊技者にとって遮蔽演出とガセ遮蔽演出との区別が付きにくいため、下可動体71動作時の遊技者の興趣を向上させることができる。
<本発明の変形例について>
ここまで図1から図12を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、上述の実施形態では、下可動体71のみが特定演出表示領域85を遮蔽し得る特定可動体に相当したが、特定可動体は複数設けられていてもよい。この場合、遮蔽演出で動作させる特定可動体が選択されればよい。
また、複数の特定可動体で特定演出表示領域85を遮蔽する形態であってもよい。この場合には、遮蔽演出ではそれら複数の特定可動体を動作させればよい。
更に、特定演出表示領域85の位置は固定されておらず可変とされてもよい。例えば、複数の特定可動体が設けられており、特定可動体ごとに遮蔽可能な表示領域の位置(特定演出表示領域85の位置)が異なっている場合、遮蔽演出で動作させる特定可動体で遮蔽される特定演出表示領域85に特定演出表示が行われればよい。また、特定可動体の動きに合わせて特定演出表示領域85の位置が移動されてもよい。この場合には、特定可動体の動きに応じて特定演出表示の表示位置を随時変えていけばよい。
また、上サブ表示部82が特定可動体とされ、上サブ表示部82の表示領域の少なくとも一部が特定演出表示領域85とされてもよい。この場合、特定演出表示領域85が他の装飾体などで遮蔽されるように、上サブ表示部82が移動可能に構成されていてもよい。また、上サブ表示部82が回転自在に構成されており、上サブ表示部82の回転により表示領域の向きが前方(遊技者方向)から後方に変化するようになっていてもよい。この場合、上サブ表示部82の表示領域の向きが後方に回転することで、遊技者に通常の姿勢では特定演出表示領域85を視認できなくすることができる。
上述の実施形態においてフローチャートやタイムチャートを用いて説明した処理手順は、本発明の実施に係る一具体例であって、その一部を省いたり前後に入れ替えたり、或いは記載されていない処理を処理手順の一部に含める等の変更を許容する。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数の可動体と、
演出表示部と、
前記複数の可動体の動作及び前記演出表示部の演出表示を制御する演出制御手段と、
を備え、
前記複数の可動体の一部又は全部である特定可動体は、前記演出表示部の少なくとも一部の特定演出表示領域が遮蔽及び露出されるように動作可能であり、
前記演出制御手段は、前記特定演出表示領域が遮蔽されるように前記特定可動体を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の前記特定演出表示領域に大当りか否か或いは大当りの種別を報知又は示唆する特定演出表示を行う遮蔽演出を実行可能である、
遊技機。
(2)前記演出制御手段は、前記遮蔽演出とは異なる他の演出においても、前記特定可動体を動作させる、
(1)に記載の遊技機。
(3)前記他の演出には、前記特定演出表示領域が遮蔽されるように前記特定可動体を動作させ、かつ、遮蔽されている状態の前記特定演出表示領域に前記特定演出表示を行わない演出が含まれる、
(2)に記載の遊技機。
(4)前記特定可動体は、前記他の演出の実行時においても、前記遮蔽演出の実行時と共通の態様で動作する、
(2)又は(3)に記載の遊技機。
(5)大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行後に大当り遊技を実行させる遊技状態制御手段を更に備え、
前記大当り遊技には、有利度合の異なる第一の大当り遊技と第二の大当り遊技とが含まれ、
前記演出制御手段は、前記第一の大当り遊技が実行される前の大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行中には、前記遮蔽演出を実行する場合があり、前記第一の大当り遊技よりも有利度合の低い前記第二の大当り遊技が実行される前の大当りの当選を報知する図柄変動ゲームの実行中には、前記遮蔽演出を実行しない、
(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(付記a)前記特定可動体は、前記特定可動体自身が遊技者から前記特定演出表示領域を遮蔽するように、動作可能である、
(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(付記b)前記演出表示部は、前記特定可動体の一面に設けられており、
前記特定可動体は、遊技者から前記特定演出表示領域が遮蔽されるように、動作可能である、
(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
10 遊技機
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33 スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35 照明装置
36 球抜き機構
37 プッシュボタン
38(38a、38b、38c、38d) カーソルボタン
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
63 ゲート
65 特別電動役物
67 普通入賞口
69 アウト口
70 演出用可動体
71 下可動体
72 左可動体
73 右可動体
75 下アクチュエータ
76 左アクチュエータ
77 右アクチュエータ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 上サブ表示部
85 特定演出表示領域
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
100 メイン制御基板
101 CPU
102 RAM
103 ROM
110 始動口入球時処理部
111 特図保留制御部
112 先読み判定部
120 特図遊技制御部
121 当否判定部
122 特図選択部
123 リーチ抽選部
124 変動パターン決定部
125 演出条件判定部
130 普図遊技制御部
131 普図保留制御部
132 普図抽選部
133 普通電役制御部
140 遊技状態制御部
141 大当り制御部
142 特別電役制御部
143 確変制御部
144 変短制御部
150 図柄表示制御部
151 第1特別図柄表示制御部
152 第2特別図柄表示制御部
153 普通図柄表示制御部
190 情報伝送部
200 サブ制御基板
201 CPU
202 RAM
203 ROM
210 演出制御部
SOL1、SOL4 ソレノイドコイル
SW1、SW2、SW4、SW51、SW52、SW7 カウントスイッチ
X 第1流路
Y 第2流路

Claims (1)

  1. 複数の可動体と、
    演出表示部と、
    前記複数の可動体の動作及び前記演出表示部の演出表示を制御する演出制御手段と、
    を備え、
    前記複数の可動体の一部又は全部である特定可動体は、前記演出表示部の少なくとも一部の特定演出表示領域が覆蓋及び露出されるように動作可能であり、
    前記演出制御手段は、前記特定演出表示領域を覆蓋するように前記特定可動体を動作させ、かつ、覆蓋されている状態における前記特定演出表示領域を少なくとも含む演出表示領域に特定演出表示を行う覆蓋演出と、前記特定演出表示領域を覆蓋するように前記特定可動体を動作させ、かつ、前記特定演出表示を行わない非覆蓋演出とを実行可能であり、
    前記覆蓋演出で表示される前記特定演出表示には、一部が前記特定演出表示領域外に表示される第一の場合と、全部が前記特定演出表示領域内に表示される第二の場合とがあり、
    前記非覆蓋演出が実行される第三の場合よりも前記第二の場合のほうが大当り当選に関する有利度が高く、前記第二の場合よりも前記第一の場合のほうが該有利度が高い、
    遊技機。
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