JP6687019B2 - インクジェットヘッドの駆動装置、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動装置、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

この発明は、インクジェットヘッドの駆動装置、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
記録媒体に対して複数のノズルからインクを吐出させて画像や被膜などを形成するインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置には、インク流路に沿って設けられた圧電素子(ピエゾ素子)に対して駆動電圧として矩形波形状や台形波形状で変化する電圧を印加することで当該圧電素子を変形させてインク流路を圧縮変形させ、インクを吐出させるものがある。
誘電性の負荷である圧電素子には、印加電圧の切り替えに応じて当該圧電素子の電気容量に応じた電荷の充放電に伴う電流が流れる。この印加電圧の切り替えは、通常、容量の大きい電源に対してトランジスターが接続され、当該トランジスターの動作を駆動電圧で制御することにより電力(電流)を増幅して行われる。
しかしながら、トランジスターでは、駆動電圧と供給電圧との間の電圧差と充放電に伴う電流とに応じた消費電力、即ち、ジュール熱が発生する。従って、特に、台形波形状などの連続的な電圧変化を伴う印加電圧が印加される場合において、当該印加電圧(即ち、駆動電圧)とトランジスターに供給されている一定の供給電圧との電圧差が大きいほど印加電圧の変化中に発生するジュール熱が大きくなり、周辺回路や機器の温度を上昇させないためにヒートシンクが必要になるといった問題がある。これに対し、駆動回路における消費電力を低減させるために、出力する印加電圧に応じて供給電圧を変化させる技術が考案されている。特許文献1には、駆動パルスの出力ごとに電力増幅回路の動作を停止させ、当該停止中に次の駆動パルスの電圧振幅に応じてDC/DCコンバーターから出力する供給電圧を変更することで電圧差を低減させる技術について開示されている。
特開2011−93202号公報
しかしながら、駆動電圧の立ち上がり変化前に供給電圧を変化させると、結局駆動電圧の振幅に応じて消費電力及びジュール熱が大きくなるという課題がある。一方で、駆動電圧に応じた適切な供給電圧が電力増幅部に供給されていないと、所望の駆動電圧が安定して出力されずにインクの吐出に問題が生じる。
この発明の目的は、電力消費量及び発熱量を効果的に低減しつつ、より安定してインクを吐出可能なインクジェットヘッドの駆動装置、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、当該電圧値と前記電力供給部が供給している第1供給電圧との電圧差が最初に所定の基準電圧差以下となるタイミングを切替タイミングとして前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替える
ことを特徴としている。
請求項2記載の発明は
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、生成された前記駆動波形信号又は当該駆動波形信号に係る波形データを参照信号として取得して、当該参照信号に基づいて切替タイミングを決定し、当該切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え
前記電力増幅部は、前記選択部が前記参照信号を取得するタイミングよりも所定の遅延時間遅延した前記駆動波形信号を増幅して出力する
ことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、前記駆動波形信号に応じて定められる切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、
前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められる
ことを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項2記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項3又は4記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部に入力される前記駆動波形信号の電圧値と出力される前記駆動電圧信号の電圧値との間で線形性からのずれが当該駆動電圧信号の波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下となる電圧差以上に保たれるように定められることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記選択部は、生成された前記駆動波形信号又は当該駆動波形信号に係る波形データを参照信号として取得し、当該参照信号に基づいて前記切替タイミングを決定することを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項又は記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記選択部は、前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差低い比較基準電圧と前記駆動波形信号の電圧値とを比較する比較部を備え、
当該比較の結果に基づいて前記供給電圧に係る選択を切り替える
ことを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項又は記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記駆動波形生成部は、前記波形データに応じた前記駆動電圧信号よりも電圧振幅の小さい初期駆動波形信号を当該波形データから生成する初期生成部と、生成された前記初期駆動波形信号の電圧を増幅して出力駆動波形信号を得る電圧増幅部と、を備え、
前記選択部は、前記初期駆動波形信号と、当該初期駆動波形信号において前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差低い比較基準電圧に対応する初期比較基準電圧とを比較する比較部を備え、当該比較の結果に基づいて前記供給電圧に係る選択を切り替える
ことを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1、6〜8の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記基準電圧差は、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記基準電圧差は、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部に入力される前記駆動波形信号の電圧値と出力される前記駆動電圧信号の電圧値との間で線形性からのずれが当該駆動電圧信号の波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下となる電圧差以上に保たれるように定められることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記電力供給部から供給可能な供給電圧には、前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数の電圧値のピーク値のうち最小のものよりも予め設定された最小離隔電圧差高い最小供給電圧が含まれ、
前記選択部は、前記ピーク値が最小の駆動電圧信号が生成される場合には、前記供給電圧に係る選択を当該最小供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小のものではない駆動電圧信号が生成される場合には、当該最小供給電圧を前記第1供給電圧として、当該駆動電圧信号の生成中に前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
ことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記電力供給部から供給可能な供給電圧には、前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数の電圧値のピーク値のうち最小のものよりも予め設定された最小離隔電圧差高い最小供給電圧が含まれ、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小の駆動電圧信号が生成される場合には、前記供給電圧に係る選択を当該最小供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小のものではない駆動電圧信号が生成される場合には、当該最小供給電圧を前記第1供給電圧として、当該駆動電圧信号の生成中に前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
ことを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記波形データは、前記駆動電圧信号における所定の時間間隔での電圧値に応じた離散値データの配列であり、当該離散値データの各々には、前記電力供給部からの供給電圧の選択情報が付加されており、
前記選択部は、前記駆動波形信号の生成に用いられる前記離散値データに付加された前記選択情報に応じて前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
ことを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記波形データは、前記駆動電圧信号における所定の時間間隔での電圧値に応じた離散値データの配列であり、当該離散値データの各々には、前記電力供給部からの供給電圧の選択情報が付加されており、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記駆動波形信号の生成に用いられる前記離散値データに付加された前記選択情報に応じて前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
ことを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項1〜14の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記選択部は、前記波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数のピーク値の数と等しい数の前記供給電圧の中から当該波形データに応じて何れかを選択することを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項1〜15の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の低下時に、当該電圧値と前記第1供給電圧とが交差する低下時交差タイミング以降に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替えることを特徴としている。
請求項17記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記駆動電圧信号の電圧値の低下時に、当該電圧値と前記第1供給電圧とが交差する低下時交差タイミング以降に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替える
ことを特徴としている。
請求項18記載の発明は、請求項1、6〜10の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値が上昇する期間及び低下する期間のうち少なくとも一方を取得する変動検出部を備え、
前記駆動電圧信号の電圧値が低下して、当該電圧値が、前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差未満の低下時基準電圧差以上低くなる低下時切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替える
ことを特徴としている。
請求項19記載の発明は、請求項18記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記低下時基準電圧差は、ゼロであることを特徴としている。
請求項20記載の発明は、請求項1〜19の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記駆動波形生成部は、インクを吐出させる動作に係るインク吐出データに応じた前記波形データから駆動波形信号を生成すると共に、当該インク吐出データの終了時及び中断時のうち少なくとも一方では、インクを吐出させない所定の非吐出波形データから駆動波形信号を生成し、
前記選択部は、前記非吐出波形データに基づく前記駆動電圧信号の生成時には、前記供給電圧に係る選択を当該駆動電圧信号の電圧値に応じた供給電圧に切り替えることを特徴としている。
請求項21記載の発明は、請求項1〜20の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記電力供給部を備えることを特徴としている。
請求項22記載の発明は、請求項21記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記電力供給部は、前記複数の供給電圧の出力端に各々電界効果トランジスターが設けられ、当該複数の供給電圧のうち電圧値が高い側から2番目以下のものの出力端に接続されている前記電界効果トランジスターよりも前記電力増幅部の側には、順方向にダイオードが設けられ
前記選択部は、当該電界効果トランジスターの各々に切替信号を出力することで、何れか一つの電界効果トランジスターを選択的に通電状態とする
ことを特徴としている。
請求項23記載の発明は、
インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
ランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部と、
前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、前記電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
を備え、
前記電力供給部は、前記複数の供給電圧の出力端に各々電界効果トランジスターが設けられ、当該複数の供給電圧のうち電圧値が高い側から2番目以下のものの出力端に接続されている前記電界効果トランジスターよりも前記電力増幅部の側には、順方向にダイオードが設けられ、
前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記電界効果トランジスターの各々に切替信号を出力することで、何れか一つの電界効果トランジスターを選択的に通電状態とする
ことを特徴としている。
請求項24記載の発明は、請求項21〜23のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、
前記電力供給部は、入力される電源電圧から前記複数の供給電圧のうち少なくとも一部に変換する直流電圧変換部を備えることを特徴としている。
請求項25記載の発明は、
請求項1〜24の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、
インクを吐出する複数のノズルと、
当該複数のノズルに各々対応して設けられ、前記駆動装置により駆動されるアクチュエーターと、
を備えることを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項26記載の発明は、
請求項1〜24の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、
インクを吐出する複数のノズルと、
当該複数のノズルに各々対応して設けられ、前記駆動装置により駆動されるアクチュエーターと、
取得されたインク吐出データに基づいて前記駆動装置の動作を制御する動作制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明に従うと、電力消費量及び発熱量を効果的に低減しつつ、より安定してインクを吐出可能とすることが出来るという効果がある。
本発明の実施形態であるインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 アクチュエーターに印加される駆動電圧と、電力供給部から供給される電圧とを示す図である。 インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの駆動装置の回路構成を説明する図である。 本実施形態のインクジェット記録装置における電力増幅部の回路構成を示す図である。 本実施形態のインクジェット記録装置における電力増幅部の入出力電圧の対応関係を示す図である。 電力供給部における供給電圧の切り替え時の電圧変化について説明する図である。 電力供給部における供給電圧の切り替え時の電圧変化について説明する図である。 インクジェット記録装置における駆動装置の回路構成の変形例1を示す図である。 変形例1の駆動装置の回路構成における電力供給部からの供給電圧の切り替え時の電圧変化について説明する図である。 インクジェット記録装置における駆動装置の回路構成の変形例2を示す図である。 インクジェット記録装置における駆動装置の回路構成の変形例3を示す図である。 変形例3の駆動装置の回路構成を有するインクジェット記録装置における電力供給部からの供給電圧の切り替え時の電圧変化について説明する図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置における駆動装置の回路構成を示す図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置における駆動装置の回路構成の変形例4を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のインクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
このインクジェット記録装置1は、記録媒体上にインクを吐出して画像を記録するものであり、制御部40と、移動制御部41と、通信部43と、操作表示部44と、報知出力部45と、移動動作部21と、インクジェットヘッド22と、駆動装置220などを備え、バス46により互いに信号を送受信可能に接続されている。また、インクジェット記録装置1は、電力供給部50(図3参照)を備え、各部の動作に必要な電力を供給する。
制御部40は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。制御部40は、CPU401(Central Processing Unit)と、RAM402(Random Access Memory)と、記憶部403などを備える。
CPU401は、各種演算処理を行う。CPU401は、記憶部403に記憶されている制御プログラムを読み出して画像記録やその設定などに係る各種制御処理を行う。
RAM402は、CPU401に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。記憶部403は、制御プログラムや設定データなどを記憶する不揮発性メモリーを含む。また、記憶部403は、通信部43を介して外部から取得されたプリントジョブに係る設定や記録対象の画像データ(インク吐出データ)を一時的に記憶するDRAMなどを備えても良い。
移動動作部21は、画像を記録する対象である記録媒体を所定の方向に搬送することでインクジェットヘッド22に対して移動させ、少なくとも給排紙に係る動作を行う。移動動作部21としては、例えば、表面に記録媒体を担持する円筒形状のドラム外周や無端状ベルトの表面を周回動作させる回転モーターなどが挙げられる。なお、移動動作部21は、記録媒体とインクジェットヘッド22とが相対移動させられれば良く、即ち、インクジェットヘッド22が静止又は移動する記録媒体に対して移動することが可能であっても良い。
移動制御部41は、移動動作部を動作させて、担持されている記録媒体を適切なタイミング及び速度で移動させる制御動作を行う。この移動制御部41は、制御部40と共通であっても良い。
インクジェットヘッド22は、複数のノズルが所定のパターンで配列されて設けられ、当該複数のノズルの開口部から適切なタイミングでインクを吐出させることで記録媒体上に画像を記録する。ノズルの配列パターンは、特には限られず、一次元配列でも二次元配列でも良い。インクジェットヘッド22は、アクチュエーター222(負荷要素)を備える。
アクチュエーター222は、複数のノズルに対して各々設けられ、印加される電圧(駆動電圧信号)に応じて動作してインクにかかる圧力を変化させることでノズルからインクを吐出させる。アクチュエーター222としては、ここでは、圧電素子が用いられ、印加電圧に応じて変形する。アクチュエーター222の変形モードは、印加電圧とアクチュエーター222の変形量とが対応するモードであれば特には限られない。
駆動装置220は、出力対象画像の各画素データに応じて適切なタイミングでインクジェットヘッド22のアクチュエーター222を駆動する駆動電圧信号を出力する。駆動装置220は、基板上などにまとめて形成されても良いし、インクジェット記録装置1の各部に分散して配置されていても良い。また、駆動装置220の構成の一部又は全部は、インクジェットヘッド22に設けられていても良い。駆動装置220は、ヘッド制御部42と、駆動回路221などを備える。
駆動回路221は、各アクチュエーター222に対してノズルからのインク吐出タイミングや非吐出状態などに応じて予め定められた波形パターンの駆動電圧信号をそれぞれ出力する。本実施形態のインクジェット記録装置1では、複数種類のピーク電圧を有する台形波形状の駆動電圧信号がアクチュエーター222に対して印加される。駆動回路221は、初期生成部2217(DAC)と、選択部32と、電力増幅部2219などを備える。駆動回路221の回路構成については、後に詳述する。
ヘッド制御部42は、記録対象の画像データの有無や画像データの内容に応じて駆動回路221の動作を制御する。ヘッド制御部42は、CPU421と、記憶部422などを備え、記録対象の画像データに基づいて、各ノズルからインクを吐出させるか否かなどに従って駆動回路221に適切な波形パターンの駆動電圧信号を出力させるための波形データを図示略のクロック信号(同期信号)に応じた適切なタイミングで各ノズルに対応するアクチュエーター222の駆動回路221へ出力する。
このヘッド制御部42は、制御部40と共通に設けられても良い。
移動制御部41とヘッド制御部42とにより画像記録に係る動作制御部が構成される。また、後述するように、ヘッド制御部42の一部と駆動回路221の一部とにより駆動波形生成部31が構成される。
通信部43は、外部機器との間で所定の通信規格に従って通信し、データの送受信を行う。用いられる通信規格としては、LAN(Local Area Network)によるTCP/IPなどの各種規格の他、無線LAN、ブルートゥース通信(登録商標:Bluetooth)などの近距離無線通信や、USB(Universal Serial Bus)などによる外部機器との直接通信を用いることが可能である。通信部43は、外部機器から画像記録に係る命令であるプリントジョブを受信し、必要に応じて外部機器に対してインクジェット記録装置1のステータス情報などを出力する。
操作表示部44は、ユーザー操作を受け付けたりユーザーに情報やメニューなどを示すための表示を行なったりする。操作表示部44としては、例えば、表示部442としてのLCD(液晶ディスプレイ)を備えたものが用いられ、当該LCDの表示画面上に画像形成に係る各種メニューやステータスなどを表示させる。また、このLCDに対応して操作検出部441としてのタッチパネルを備え、LCDの表示画面上に重ねて配置することで当該表示画面へ表示に応じたタッチ操作を検出可能としている。或いは、操作表示部44は、押しボタンスイッチを備え、当該押しボタンスイッチの押下操作を検出しても良い。
報知出力部45は、インクジェット記録装置1に異常が生じた場合などに所定の報知動作を行う。報知出力部45としては、例えば、圧電素子などを用いて所定のビープ音を発生させる音声発生部やLEDランプを点滅又は点灯させる発光部などが挙げられる。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインクジェットヘッド22からのインク吐出に係る構成及び動作について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、インクの吐出動作、インクの非吐出動作及び非動作状態といった各動作に応じてそれぞれ異なる波形パターンの駆動電圧信号がクロック信号に従って順次アクチュエーター222に印加されて、適切な量及び速度のインクが吐出されたり、ノズル内のインクを吐出させない範囲でインクが振動されたりする。ここでは、これらの駆動電圧信号は、台形波形状の電圧変化を伴い、その電圧ピーク値が動作によって異なる。また、一度のインク吐出動作に対して複数の駆動電圧信号を組み合わせて吐出させるインク量やインク液滴の形状を調節しても良い。或いは、異なる量のインクを吐出させる複数種類のインク吐出動作にそれぞれ対応して異なる駆動電圧信号の波形パターンが設定されても良い。これら複数の駆動電圧信号の電圧ピーク値の中で、非吐出動作に係る駆動電圧信号の電圧ピーク値は、特に限定するものではないが、通常では最も小さい。
アクチュエーター222に用いられる圧電素子は、誘電体であって印加される電圧の変化に応じて充放電される。駆動回路221には、印加される電圧のピーク電圧より大きい電圧が供給される必要がある。
図2は、アクチュエーター222に印加される駆動電圧と、電力供給部50から供給される電圧とを示す図である。
ここでは、アクチュエーター222に印加される駆動電圧信号Vwaveにおいて、低ピーク電圧VwLの台形状駆動電圧信号と高ピーク電圧VwHの台形状駆動電圧信号とが順に出力される場合について示す。例えば、低ピーク電圧VwLの台形状駆動電圧信号が非吐出動作に係る駆動電圧信号であり、高ピーク電圧VwHの台形状駆動電圧信号が吐出動作に係る駆動電圧信号である。
電力供給部50からの供給電圧Vpは、二値データを送信する切替信号Vcntの値、即ち、電圧の高低に応じて低供給電圧VL(第1供給電圧)と高供給電圧VH(第2供給電圧)との間で切り替えられる。通常、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VL未満の場合には、この低供給電圧VLが供給され、駆動電圧信号Vwaveの電圧値がベース電圧VwBから上昇する時に当該電圧値が低供給電圧VLと交差してこの低供給電圧VL以上となる場合に、切替信号VcntがVslからVshに切り替わって、供給電圧Vpが高供給電圧VHに切り替えられる。その後、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の低下時に当該電圧値が高ピーク電圧VwHから低供給電圧VL未満に下がると、切替信号VcntがVshからVslに切り替わって、速やかに供給電圧Vpが低供給電圧VLに戻される。
ここで、供給電圧Vpの変化(立ち上がり、立下がり)は、後述するように、過渡的な変化を伴う。
図3は、インクジェット記録装置1におけるインクジェットヘッド22の駆動装置220の回路構成を説明する図である。
電力供給部50は、直流電圧変換部501と、スイッチング回路502などを備える。また、駆動回路221は、2つの比較器2211、2212と、論理和回路2213と、初期生成部2217と、電圧増幅部2218と、電力増幅部2219などを備える。これらのうち、比較器2211、2212、及び論理和回路2213は、ヘッド制御部42のCPU421が対応する処理を行うことで省略されても良い。また、スイッチング回路502は、駆動回路221と同一基板上に形成されても良い。
電力供給部50は、外部から所定の直流電圧で取得した電力を供給電圧Vpで電力増幅部2219に供給する。直流電圧変換部501(DC/DC変換回路)は、取得された直流電圧を複数の供給電圧Vp、ここでは、高供給電圧VHと低供給電圧VLとに変換する。或いは、外部から入力された直流電圧が高供給電圧VH又は低供給電圧VLの何れか一方である場合には、直流電圧変換部501は、他方の電圧にのみ変換すれば良い。更に、高供給電圧VHと低供給電圧VLの両電圧で外部から直流電圧の入力がなされる場合には、電力供給部50は、直流電圧変換部501を備えなくても良い。直流電圧変換部501には、電力消費の小さいもの、即ち、発熱量の少ない各種周知の回路が用いられる。
また、電力供給部50は、図示略の補償回路を備え、電力が供給される複数のアクチュエーター222の総負荷の変化による供給電圧の変化を抑える動作を行っても良い。
スイッチング回路502は、駆動回路221から入力される切替信号Vcntに応じて複数の供給電圧Vp(高供給電圧VHと低供給電圧VL)のうち何れかを選択的に駆動回路221の電力増幅部2219に供給するための切り替え動作を行う。切り替え動作は、例えば、電界効果トランジスター(FET)などのアナログスイッチを用いて行われる。
ヘッド制御部42において、記憶部422は、各動作にそれぞれ応じた駆動電圧信号の波形パターンをデジタルデータとして記憶する。例えば、記憶部422には、各駆動電圧信号一周期分の電圧値を適宜なサンプリング周波数(時間間隔)で離散的に示す値(離散値)の配列が駆動波形の波形パターンを示すデータ(波形データ)として記憶される。この離散値は、例えば、初期生成部2217(DAC)でアナログ信号に変換される際に必要な精度の波形が得られる範囲などに応じて任意に定められるが、例えば、8ビット〜16ビットで表される値である。CPU421は、入力された画像データ(画素データ)に応じて適切な波形データを読み出し、入力されたクロック信号に同期して各離散値を順次駆動回路221へと出力する。なお、この波形データの出力に係る動作は、専用の回路構成を用いてCPU421を介さずに行われても良い。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、CPU421から駆動回路221に対してこの波形データの各離散値を通常出力するのに加えて、当該通常出力のタイミングに対してクロック信号の所定周期分遅延させて遅延出力させる。これら駆動回路221に対して通常出力及び遅延出力された波形データの離散値は、それぞれ選択部32の比較器2211、2212で第1基準電圧Vref1に応じたデジタル値Vref1dと順次比較されて比較結果が論理和回路2213に入力される。論理和回路2213の演算出力結果は、切替信号Vcntとして選択部32から電力供給部50のスイッチング回路502に出力されて、電力供給部50から電力増幅部2219へ供給する供給電圧Vpの切り替えに用いられる。第1基準電圧Vref1は、低供給電圧VL以下であり、低供給電圧VLとの電圧差が小さい方が好ましい。ここでは、第1基準電圧Vref1は、低供給電圧VLと等しく設定されている。
遅延出力された波形データは、比較器2212への入力とは別に初期生成部2217に入力されてアナログ波形の駆動波形信号Vdp(初期駆動波形信号)に変換される。初期生成部2217は、周知のデジタルアナログ変換器(DAC)であって、デジタル離散値をアナログ電圧値に変換して出力する。この駆動波形信号Vdpは、波形データの離散値(電圧値)に比例して変化する電圧信号であり、最終的に出力される駆動電圧信号Vwaveよりも所定の1未満の係数分小さく、また、オフセット値が含まれていても良い。その後、この駆動波形信号Vdpが電圧増幅部2218で適切な電圧値の範囲に増幅されて、最終的に出力される駆動波形信号Vd(出力駆動波形信号)として電力増幅部2219に送られる。
CPU421、記憶部422、初期生成部2217及び電圧増幅部2218により駆動波形生成部31が構成される。
駆動波形生成部31の電圧増幅部2218から出力された駆動波形信号Vdは、電力増幅部2219で電力増幅されて、駆動電圧信号Vwaveとしてアクチュエーター222に印加され、当該印加電圧の変化に応じてアクチュエーター222の電荷が充放電される。なお、ここでは、アクチュエーター222をキャパシターとしてのみ示しているが、アクチュエーター222は、実際には抵抗成分やコイル成分を伴う。
図4Aは、本実施形態のインクジェット記録装置1における電力増幅部2219の回路構成を示す図である。また、図4Bは、本実施形態のインクジェット記録装置1における電力増幅部2219の入出力電圧の対応関係を示す図である。
図4Aに示すように、この電力増幅部2219は、npn型トランジスターとpnp型トランジスターを組み合わせたプッシュプル型の増幅回路を2段重ねた構成を有し、2段目のpnp型トランジスターTr1のエミッター端子に供給電圧Vpが入力され、2段目のnpn型トランジスターTr2のエミッター端子が接地され、pnp型トランジスターTr1のコネクター端子とnpn型トランジスターTr2のコネクター端子とが接続されて駆動電圧信号Vwaveの出力となる。この構成により、駆動波形信号Vdの電圧値がアクチュエーター222の電圧(電位)から上昇又は低下する場合に、アクチュエーター222に貯えられた電荷をそれぞれ充電又は放電する電流を増幅することで、アクチュエーター222の電圧、即ち、駆動電圧信号Vwaveの電圧値を駆動波形信号Vdの電圧値に追従させる。このとき、アクチュエーター222の充放電に係る電流量、及び当該駆動波形信号Vdの電圧値と供給電圧Vpとの電圧差に応じて電力が消費されるので、電力消費量の低減及び発熱量の抑制には、駆動波形信号Vdの電圧値と供給電圧Vpとの電圧差が小さいことが好ましい。従って、電力供給部50からの供給電圧Vpは、駆動波形信号Vdの電圧値に応じて切り替えられる。
電力増幅部2219は、2段階の増幅に限られず、また、増幅率や駆動電圧の安定性を調節(上昇)させるための回路構成が付加されていても良い。
このとき、pnp型トランジスターTr1のエミッター端子に入力された供給電圧Vpは、ベースとの間でベース/エミッター間電圧分の降下(通常、約0.6V)が生じる。電力増幅部2219全体でのこの電圧降下は、増幅の段数により増加する。また、アクチュエーター222のキャパシター成分の電気容量に応じて電圧の変化には僅かな遅延を伴う。
更に、電力供給部50で供給電圧Vpが切り替えられた場合、エミッター端子への入力電圧の変化には、キャパシター51などの容量に応じた過渡的状況(遅延)が生じ、出力される駆動電圧信号Vwaveの電圧値には、突入電流による電圧不安定が生じ得る。
また、この電力増幅部2219は、供給電圧Vpが入力される駆動波形信号Vdよりも回路構成に応じた電圧差以上高くないと適切に動作せず、入力電圧と出力電圧との間に線形性が成り立たなくなる。
これらの理由により、駆動波形信号Vdの電圧値が変化する場合には、供給電圧Vpは、駆動波形信号Vdの電圧値よりも大きい必要がある。即ち、図4Bに示すように、駆動波形信号Vdの電圧値が供給電圧Vpに等しくなってから供給電圧Vpを切り替えたのでは遅く、駆動波形信号Vdの電圧値が供給電圧Vp、ここでは、低供給電圧VLと等しくなるタイミングより前(ここでは、後に詳述する遅延時間Td前)に低供給電圧VLから高供給電圧VHへの切り替えが行われる必要がある。また、ここでは、供給電圧Vpが駆動波形信号Vdの電圧値よりも余裕を持って大きい状態、即ち、供給電圧Vpが駆動波形信号Vdの電圧値より少なくとも電力増幅部2219で用いられている段数分のトランジスターにおけるベース/エミッター間電圧降下分以上大きい状態に保たれるのが好ましい。即ち、ここでは、供給電圧Vpの切替タイミングにおける供給電圧Vp(低供給電圧VL)と駆動波形信号Vdとの電圧差である基準電圧差dVrは、このトランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に設定される。
更に、供給電圧Vpは、電力増幅部2219への入力電圧と出力電圧との間で線形性が所望の基準レベルで成り立つ電圧差以上駆動波形信号Vdの電圧値より高い状態を維持しておくことがより好ましい。供給電圧Vpと駆動波形信号Vdの電圧差が電力増幅部2219への入力電圧と出力電圧との間での線形性の維持に十分ではない場合、図4(b)の点線で示すように、駆動電圧信号Vwaveの電圧値変化に歪みが生じる。このときの歪みにより本来アクチュエーター222に印加されるべき電圧値Vo(駆動波形信号Vdの電圧値)と実際に印加される電圧値(駆動電圧信号Vwaveの電圧値)との間の電圧差dVLが大きくなると、アクチュエーター222の動作に悪影響を及ぼしてインクの吐出量が所望の量から外れたり、吐出タイミングがずれたり、更には、インクの吐出がなされなくなったりすることになる。ここでは、電圧値Voに対する電圧差dVLの値、即ち、線形性からのずれが出力画像に求められる画質に問題を生じさせない範囲内、例えば、10%以下に収まるように基準電圧差dVr、即ち、遅延時間Tdを設定する。なお、通常、供給電圧Vpの切り替わりの際に電圧上昇や電圧低下に要する時間は、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の変化よりも速いが、上述のように突入電流や、回路内各所の容量性負荷及び誘導性負荷に応じて供給電圧Vpに一時的な変動が生じ得るので、基準電圧差dVrに対して遅延時間Tdを長めに設定して駆動電圧信号Vwaveの出力をより安定化させることが出来る。
具体的には、電圧差は、例えば、電力増幅部2219における増幅の段数に0.6Vを乗じた値以上であり、更に、この値に0.5〜1.0V程度を加算した値が好ましい電圧差となる。電圧差は、更に、想定される電流に対する依存や温度に対する依存などを考慮して定められても良い。一方で、電圧差がこの値より大きくなり過ぎると不要な電力消費の増大に繋がる。
図5A及び図5Bは、電力供給部50における供給電圧Vpの切り替え時の電圧変化について説明する図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、図5Aに示すように、ヘッド制御部42のCPU421は、出力対象画像の画素データに応じた波形データを駆動波形データDwave(ここでは連続的に示しているが、サンプリング周波数に応じた離散値)として通常出力すると共に、遅延時間Td遅れて遅延出力する。例えば、図5Bに示すように、遅延出力では、通常出力された駆動波形データDwaveよりもクロック信号2周期分遅延されて同一データが出力される。そして、遅延出力された駆動波形データDwaveが初期生成部2217においてアナログ信号に変換され、駆動波形信号Vdpが生成される。
通常出力された駆動波形データDwaveは、参照信号として第1基準電圧Vref1に対応するデジタル値Vref1dと比較される。駆動波形データDwaveの示す電圧値の値がベース電圧VwBからの上昇時に最初に第1基準電圧Vref1以上となるタイミングTon(切替タイミング)で(ここでは、通常出力されたp+2番目のデータの比較時)、比較器2211の比較結果が変化して、供給電圧Vpの切替信号Vcntが電圧Vshに切り替わる。この切替信号Vcntの切り替わりによりスイッチング回路502が動作して、電力供給部50から出力される供給電圧Vpは、高供給電圧VHに切り替わる。この切り替わりのときの供給電圧Vp、即ち、第1基準電圧Vref1と、遅延して実際に出力される駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の基準電圧差dVrは、上述のように、pnp型トランジスターTr1のベース/エミッター間電圧より大きいことが好ましい。また、この供給電圧Vpの切り替わりは、上述のようにキャパシター51の容量などに応じた過渡的変化を伴って(遅延して)立ち上がるが、遅延時間Tdが経過して駆動電圧信号Vwaveと第1基準電圧Vref1とが等しくなる(重なる)交差タイミングTa(遅延出力されたp+2番目のデータの比較時)では、既に供給電圧Vpが十分に高くなっており、また、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差は、最終的に供給電圧Vpが高供給電圧VHに到達するまでベース/エミッター間電圧や上述の線形性の維持に必要な電圧差より大きく保たれる。
また、低ピーク電圧VwLの台形状駆動電圧信号の出力中、即ち、ここでは、非吐出動作に係る駆動電圧信号の出力時には、供給電圧Vpが低供給電圧VLのままで変化しない。駆動装置220では、駆動電圧信号の複数の電圧値におけるピーク値のうち最も低い台形状駆動電圧信号の出力中には、供給電圧Vpを変化させないように定められた供給電圧Vp(最小供給電圧)を供給するように選択設定することが出来る。このときにも、当該台形状駆動電圧信号の電圧値の上昇時及び低下時には、当該電圧値と低供給電圧VLとの差に応じた電力消費が発生する。従って、この低供給電圧VLは、上述のように、pnp型トランジスターTr1のベース/エミッター間電圧以上大きく、また、入力される駆動波形信号Vdの電圧値Voに対する出力電圧である駆動電圧信号Vwaveの電圧値のずれdVLが上述のように画質に問題を生じさせない範囲内であるように低ピーク電圧VwLより大きく設定される一方で、当該設定条件の範囲内で可能な限り小さくなるように、低ピーク電圧VwLとの最小離隔電圧差dVbが定められるのが好ましい。高ピーク電圧VwHの台形状駆動電圧信号の出力時には、この最小供給電圧である低供給電圧VLと、この低供給電圧VLより高い高供給電圧VHとの間で選択の切り替えがなされる。
一方、駆動波形データDwaveが示す台形波形状の駆動電圧は、実際の駆動電圧信号Vwaveの電圧値よりも先に高ピーク電圧VwHから低下して第1基準電圧Vref1未満になるが、実際の駆動電圧信号Vwaveの電圧値が第1基準電圧Vref1以上である間は、比較器2212の出力に応じて論理和回路2213の出力する切替信号VcntがVshのまま維持される。その後、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が第1基準電圧Vref1と交差する低下時交差タイミングTb(ここでは、遅延出力されたn+2番目のデータ比較時)で論理和回路2213の出力が変化する。この低下時交差タイミングTbが低下時切替タイミングToffとされ、比較器2211、2212の比較結果に応じて切替信号VcntがVslに切り替わり、スイッチング回路502が動作して供給電圧Vpが低供給電圧VLに切り替わる。この切り替わり時にもまた、供給電圧Vpは、若干の過渡的な変化(遅延)を伴って低下し、供給電圧Vpは、その変化中に亘り駆動電圧信号Vwaveの電圧値よりも十分高い状態に保たれる。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成では、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が台形波形状に立ち上がる期間において、出力される駆動電圧信号Vwaveの波形に与える悪影響を低減させるように、当該電圧値が低供給電圧VL以上となる前に供給電圧Vpを高供給電圧VHに切り替えることが出来る。
なお、上述のように基準電圧差dVrに対して遅延時間Tdを長めに設定した場合には、駆動波形データDwaveの立ち上がり速度などによっては遅延出力から得られる駆動電圧信号Vwaveの実際の立ち上がり開始前に供給電圧Vpの切り替えタイミングが設定され得る。この場合には、立ち上がり時の電力消費は従来技術に比して低減されない。このような状況で駆動電圧信号Vwaveの歪みが許される範囲である場合には、選択部32において、遅延出力された駆動波形データDwaveが示す電圧値の立ち上がりを最初に検出した後、駆動波形データDwaveが示す電圧値が低供給電圧VL以上となる前に可能な限り速やかに供給電圧Vpを切り替えるように回路を構成しても良い。
ここで、CPU421は、記録対象の画像データに応じた波形データの出力が終了した場合や、記録媒体の交換などで波形データの出力が中断される場合などにおいて、クロック信号に同期して非吐出動作に対応する波形データを駆動回路221に出力する。上述のように、この波形データから生成される駆動電圧信号Vwaveのピーク電圧は、電力供給部50から供給される最も低い低供給電圧VLよりも低い。この非吐出動作に応じた波形データが駆動回路221に入力される場合には、選択部32の動作に関わらず強制的に供給電圧を低供給電圧VLに設定させることが出来る。
以上のように、第1実施形態のインクジェットヘッド22の駆動装置220は、ノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーター222(負荷要素)に駆動電圧信号Vwaveを出力するインクジェットヘッド22の駆動装置であって、アクチュエーター222の動作に応じた波形データから駆動波形信号Vdp、Vdを生成する駆動波形生成部31と、トランジスターTr1、Tr2などを用いて駆動波形信号Vdの電力を増幅して駆動電圧信号Vwaveを生成し、当該駆動電圧信号Vwaveをアクチュエーター222に出力する電力増幅部2219と、駆動電圧信号Vwaveの電圧値に基づいて、複数の供給電圧VH、VLのうちの何れかを選択的に電力増幅部2219へと供給する電力供給部50からの供給電圧Vpを選択する選択部32と、を備える。
選択部32は、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に電力供給部50が供給している低供給電圧VLと前記電圧値とが等しくなる交差タイミングTaより前に電力供給部50からの供給電圧Vpに係る選択を低供給電圧VLより高い高供給電圧VHに切り替える。
このように、上昇開始後に供給電圧Vpを切り替えることにより電力消費量や発熱量を低減させるとともに、交差タイミングTaより前に切り替えることで、供給電圧Vpと駆動波形信号Vdの電圧差不足や逆転による駆動電圧信号Vwaveの波形歪みなどの電圧不足を防ぎ、アクチュエーター222を適切に動作させてより安定してノズルからインクを吐出させることが出来る。
また、選択部32は、駆動波形信号Vdp、Vdに応じて定められる切替タイミングで電力供給部50からの供給電圧Vpに係る選択を低供給電圧VLより高い高供給電圧VHに切り替える。即ち、駆動波形信号Vdp、Vdの立ち上がり時間やピーク電圧値などに応じて適切な切替タイミングが定められて供給電圧Vpが低供給電圧VLから高供給電圧VHに切り替えられる。これにより、時系列データに従ってリアルタイムで容易に供給電圧Vpの切り替えが可能となり、電力消費量を低減させつつ確実にアクチュエーター222を駆動させてより安定したインクの吐出を行わせることが出来る。
また、選択部32は、生成される駆動波形信号に応じた波形データを駆動波形生成部31から参照信号として取得して、当該参照信号に基づいて供給電圧Vpの切替タイミングTonを決定し、電力増幅部2219は、選択部32が参照信号を取得するタイミングよりも遅延時間Tdだけ遅延した駆動波形信号Vdp、Vdを電力増幅して出力する。
従って、通常出力により先行して取得される波形データに基づいて供給電圧Vpを切り替えると判断したタイミングで、遅延出力に応じて動作する電力増幅部2219への供給電圧Vpを切り替えることで、複雑な構成を必要とせずに適切に交差タイミングTaを前倒したタイミングでの供給電圧Vpの切り替えを行わせ、安定したインクの吐出を可能とすることが出来る。
また、切り替えのタイミングTonは、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差が、電力増幅部2219におけるトランジスターTr1のベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められる。即ち、駆動波形信号Vdの増幅動作を妨げないようにタイミングTonが設定されるので、駆動電圧信号Vwaveの出力時における電力消費量及び発熱の増加を可能な範囲で抑えつつ、インクをより安定して吐出させることが出来る。
また、切り替えのタイミングTonは、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差が、電力増幅部2219に入力される駆動波形信号Vdの電圧値と出力される駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間での線形性からのずれが駆動電圧信号Vwaveの波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下、ここでは、本来アクチュエーター222に印加されるべき駆動波形信号Vdの電圧値Voに対して、当該電圧値Voと実際に印加される駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差dVLが10%以下となる電圧差以上に保たれるように定められる。従って、インクの吐出に悪影響を及ぼさずにより安定してインクを吐出させつつ、電力消費量及び発熱の増加を可能な範囲で抑えることが出来る。
また、電力供給部50から供給可能な供給電圧Vpには、アクチュエーター222の動作に応じた波形データから生成される駆動電圧信号Vwaveの複数の電圧値のピーク値のうち最小のものよりも予め設定された最小離隔電圧差dVb高い最小供給電圧(ここでは、低供給電圧VL)が含まれ、選択部32は、ピーク値が最小の駆動電圧信号Vwaveが生成される場合には、供給電圧Vpに係る選択を当該最小供給電圧に切り替える。
従って、ピーク値が最小の駆動電圧信号が生成、出力される場合の電力消費及び発熱を低減させつつ正常な駆動電圧信号Vwaveを確実にアクチュエーター222に対して印加することが出来る。
また、ピーク値が最小のものではない駆動電圧信号Vwaveが生成される場合には、当該最小供給電圧を低供給電圧VLとして、駆動電圧信号Vwaveの生成中に供給電圧Vpの切り替えに係る選択を行う。
従って、複数の駆動電圧信号Vwaveが組み合わされて出力される場合に、適切に電力消費を低減させ、何れの駆動電圧信号も確実にアクチュエーター222に対して印加することが出来る。
また、選択部32は、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の低下時に、当該電圧値と低供給電圧VLとが交差する低下時交差タイミングTb以降に電力供給部50からの供給電圧Vpに係る選択を高供給電圧VHから低供給電圧VLに切り替える。
即ち、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の上昇時とは異なり、実際の駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VL以下になってからの切り替えにより、過渡的な変化を伴って供給電圧Vpが低供給電圧VLに低下したときには、既に駆動電圧信号Vwaveの電圧値が当該低供給電圧VLに対して十分に低下しているので、駆動電圧信号Vwaveの波形に悪影響を与えることなく適切にアクチュエーター222に出力し、安定したインク吐出を行わせることが出来る。
また、駆動波形生成部31は、インクを吐出させる動作に係る画像の各画素データに応じた波形データから駆動波形信号Vdpを生成すると共に、当該画素データの終了時及び中断時のうち少なくとも一方では、インクを吐出させない所定の非吐出波形データから駆動波形信号Vdpを生成し、選択部32は、非吐出波形データに基づく駆動電圧信号Vwaveの生成時には、供給電圧Vpに係る選択を駆動電圧信号Vwaveの電圧値に応じた低供給電圧VLに強制的に切り替える。
これにより、電力供給部50から誤って不要に高供給電圧VHが供給され続けるのを防ぎ、単純且つ確実に電力消費量及び発熱を低減させることが出来る。この場合、更に、選択部32の選択動作を単純化、省略可能として当該選択部32の動作に係る電力消費を低減させることとしても良い。
また、インクジェットヘッド22の駆動装置220として、電力供給部50を備えることで、複数の電圧の選択的な供給を容易に行うことが出来る。
また、電力供給部50は、直流電圧変換部501を備え、当該直流電圧変換部501により複数の供給電圧Vpのうち少なくとも一部を生成する。従って、容易な構成で所望の数の電圧源を用いて切り替え利用することが出来る。
また、本実施形態のインクジェットヘッド22は、上述の駆動装置220と、インクを吐出する複数のノズルと、当該複数のノズルに各々対応して設けられたアクチュエーター222と、を備える。これにより、インクジェットヘッド22のインク吐出動作に係る電力消費を効率良く抑え、発熱量を低減することが出来るので、ヒートシンクなどを備える必要がなく、コストアップやサイズの増大などを伴わずに、温度上昇に伴う画質の劣化をより容易に抑えつつ、インクの吐出動作を安定的に行わせることが出来る。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、駆動装置220と、インクを吐出する複数のノズルと、当該複数のノズルに各々対応して設けられたアクチュエーター222と、取得された画像データにおける各画素データなどのインク吐出データに基づいて駆動装置220の動作を制御する動作制御部(ヘッド制御部42)と、を備える。従って、このインクジェット記録装置1では、インク吐出に係る駆動動作における必要以上の電力消費を抑え、これに伴う発熱量を効率良く低減させることで、ヒートシンクの具備や画像記録の中断などの必要なくインクの過熱に伴う記録画像や形成膜などの劣化を抑えることが出来る。
[変形例1]
図6は、インクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成の変形例1を示す図である。
この変形例1の駆動装置220の回路構成は、上記実施形態のインクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成と比較して、駆動回路221aにおける初期生成部2217の位置が異なり、また、選択部32aにおいて遅延出力データが入力される比較器2212及び論理和回路2213が省略されている。その他の部分については同一であり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
変形例1の駆動装置220の回路構成を備えるインクジェット記録装置1では、供給電圧Vpを切り替える基準とする電圧を低供給電圧VLよりも低い第2基準電圧Vref2に設定する。また、ヘッド制御部42のCPU421は、遅延出力を行わず、駆動回路221aには、通常出力された駆動波形データDwaveのみが入力されて初期生成部2217により駆動波形信号Vdpに変換される。そして、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が上昇する場合に、比較器2211(比較部)で駆動波形信号Vdpの電圧値が基準電圧と比較されて、当該駆動電圧信号Vwaveの電圧値が最初に低供給電圧VL以上となるタイミングよりも前倒しされて供給電圧Vpの切り替えがなされる。
この変形例1の駆動装置220の回路構成では、比較器2211に参照信号として入力される駆動波形信号Vdpは、未だ電圧増幅がなされていない。従って、電圧増幅後の第2基準電圧Vref2に対応する基準電圧Vref2pが比較基準電圧として比較器2211に入力されて駆動波形信号Vdpと比較される。また、この変形例1の駆動装置220の駆動回路221aでは、比較器2211には、アナログ電圧値の比較を行う構成であるコンパレーターなどが用いられる。
図7は、この変形例1の駆動装置220の回路構成における電力供給部50からの供給電圧Vpの切り替え時の電圧変化について説明する図である。
この駆動装置220を備えるインクジェット記録装置1では、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が、ベース電圧VwBからの上昇時に最初に低供給電圧VLよりも基準電圧差dVr低い第2基準電圧Vref2以上となるタイミングTonで比較器2211の比較結果が変化して、切替信号VcntがVslからVshに切り替わる。これにより、スイッチング回路502が動作して供給電圧Vpが上昇する。上述のように、基準電圧差dVrは、pnp型トランジスターTr1のベース/エミッター間電圧、及び電力増幅部2219への入力電圧と出力電圧との間での線形性の維持が十分になされる電圧差に基づいて設定されている。従って、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VL以上となる交差タイミングTaでは、既に供給電圧Vpが低供給電圧VLよりも十分に高くなっており、また、最終的に供給電圧Vpが高供給電圧VHに到達するまで、供給電圧Vpは、駆動電圧信号Vwaveの電圧値より十分に高い状態に保たれる。
また、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が高ピーク電圧VwHから低下して最初に第2基準電圧Vref2未満となるタイミングToffで比較器2211の比較結果が変化して、切替信号VcntがVslに切り替わる。これにより、スイッチング回路502が動作して供給電圧Vpが低下する。即ち、この供給電圧Vpが低下し始めるタイミングは、低下時交差タイミングTb以降であって、既に駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VLより十分低くなっており、駆動電圧信号Vwaveに大きな悪影響を与えない。
[変形例2]
図8は、インクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成の変形例2を示す図である。
この変形例2の駆動装置220の回路構成は、駆動回路221bにおける電圧増幅部2218の位置を除き、上記変形例1の駆動装置220の回路構成と同一であり、同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
この変形例2の駆動装置220の回路構成を備えるインクジェット記録装置1では、駆動回路221bは、初期生成部2217でアナログ信号に変換されて生成された駆動波形信号Vdpを更に電圧増幅部2218において電圧増幅して駆動波形信号Vdを生成し、当該駆動波形信号Vdを参照信号として比較器2211に出力する。この変形例2では、第2基準電圧Vref2が比較器2211に直接比較基準電圧として入力される。その結果、変形例1の駆動装置220の回路構成に係る図7と同様に、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が、ベース電圧VwBから上昇時に最初に低供給電圧VL以上となるより前のタイミングTonでスイッチング回路502が動作して、供給電圧Vpが低供給電圧VLから高供給電圧VHに切り替わる。また、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が高ピーク電圧VwHから低下して最初に低供給電圧VL未満となった後、この低供給電圧VLより基準電圧差dVr低い第2基準電圧Vref2未満となるタイミングToffでスイッチング回路502が動作して、供給電圧Vpが低供給電圧VLに切り替わる。
従って、この変形例2の駆動装置220の回路構成を備えるインクジェット記録装置1では、変形例1と同一の効果を得ることが出来る。但し、第2基準電圧Vref2に応じて比較器2211、即ち、コンパレーターをより高電圧で動作させる必要があるので、対応する比較器2211が選択される。
[変形例3]
図9は、インクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成の変形例3を示す図である。
この変形例3の駆動装置220の回路構成は、駆動回路221cにおいて、上記実施形態のインクジェット記録装置1における駆動装置220の回路構成から初期生成部2217の位置が変更され、また、選択部32cにおいて変動検出部2214及び論理積回路2215が追加されている。その他の構成については同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
この変形例3の駆動装置220の回路構成では、駆動回路221cにおいて、駆動波形データDwaveがアナログ変換されて駆動波形信号Vdpが生成された後、当該駆動波形信号Vdpが参照信号として比較器2211、2212及び変動検出部2214に供給される。比較器2211では、この駆動波形信号Vdpの電圧値が第1基準電圧Vref1の増幅前電圧に対応する基準電圧Vref1pと比較されて、比較結果w5が論理和回路2213に出力される。比較器2212では、駆動波形信号Vdpの電圧値が第2基準電圧Vref2の増幅前電圧に対応する基準電圧Vref2pと比較されて、比較結果w3が論理積回路2215に出力される。
変動検出部2214では、駆動波形信号Vdpの時間変化成分が抽出されて(即ち、微分されて)得られる微分信号w1のうち正の所定値以上の部分のみ整形されて信号w2が出力される。この信号w2は、論理積回路2215に出力され、比較結果w3との論理積w4が論理和回路2213に出力される。変動検出部2214における抵抗素子の抵抗値及びキャパシターの容量は、台形波形状の駆動電圧信号の電圧値の上昇期間及び低下期間における駆動波形信号Vdpの変化を検出可能に適宜選択される。また、変動検出部2214としては、オペアンプなどを用いてより正確に変化量を算出可能な構成が用いられても良い。
論理和回路2213は、比較器2211の比較結果w5と、論理積回路2215で得られた論理積w4との論理和を切替信号Vcntとしてスイッチング回路502に出力する。
図10は、この変形例3の駆動装置220の回路構成を有するインクジェット記録装置1における電力供給部50からの供給電圧Vpの切り替え時の電圧変化について説明する図である。
グラフbに示すように、変動検出部2214では、グラフaに示された2つの台形状駆動電圧信号の各立ち上がりの期間及び立下がりの期間に非ゼロの微分信号w1(点線)が得られ、このうち、ここでは、それぞれの立ち上がりの期間のみが選択されて信号w2(実線)として出力される。一方、グラフcに示すように比較器2212の比較結果w3は、2回目の台形状駆動電圧信号において電圧値が第2基準電圧Vref2以上となる期間にハイレベルとなる。従って、グラフdに示すように、論理積回路2215は、論理積w4として、2回目の台形状駆動電圧信号の立ち上がり期間において電圧値が第2基準電圧Vref2以上の期間のみがハイレベルとなる信号を論理和回路2213に出力する。
グラフeに示すように、比較器2211の比較結果w5は、2回目の台形状駆動電圧信号の電圧値が第1基準電圧Vref1以上、即ち、低供給電圧VL以上の期間にハイレベルとなる。そして、グラフfに示すように、論理和回路2213は、グラフd、eに示した論理積w4及び比較結果w5の論理和、即ち、駆動電圧信号Vwaveの電圧値がベース電圧VwBから上昇時に最初に第2基準電圧Vref2以上となるタイミングTonと、当該駆動電圧信号Vwaveの電圧値が高ピーク電圧VwHから低下時に最初に第1基準電圧Vref1未満となるタイミングToffとの間に亘り、切替信号VcntがVshとなる。その結果、グラフaに示されているように、このタイミングTonからタイミングToffまでの間、スイッチング回路502が高供給電圧VHの出力状態に切り替えられる。
このように、変形例3の駆動装置220の回路構成を備えるインクジェット記録装置1では、駆動回路221cは、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の高ピーク電圧VwHからの低下時(立下がり時)に変形例1、2の駆動装置220の回路構成をそれぞれ備えるインクジェット記録装置1の駆動回路221a、221bよりも早く供給電圧Vpを高供給電圧VHから低供給電圧VLに戻す。上述のように、供給電圧Vpが切り替えられてから最終的に低供給電圧VLに到達するまでには若干の遅延時間があり、その間に駆動波形信号Vdの電圧値が低供給電圧VLよりも十分に低下するので、アクチュエーター222に印加される電圧(即ち、駆動電圧信号Vwave)には、大きな悪影響を与えない。
なお、比較結果w5に係る基準電圧Vref1pを基準電圧Vref2pより大きい範囲で低下させることで、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の低下時における供給電圧Vpの切替タイミングを上述の場合よりも遅らせることが出来る。また、変動検出部2214において、駆動電圧信号Vwaveの上昇期間の検出の代わりに低下期間の検出を行わせることが出来る。この場合、例えば、比較器2211では、駆動波形信号Vdpの電圧値が基準電圧Vref2p以上であるか否かが判別され、比較器2212では、駆動波形信号Vdpの電圧値が基準電圧Vref1p未満であるか否かが判別され、更に、論理積回路2215の出力結果が反転される。そして、比較器2211の比較結果w5と、論理積回路2215でなされた論理積w4の反転信号は、論理和回路2213の代わりに論理積回路に出力されて、当該論理積回路の出力結果が切替信号Vcntとしてスイッチング回路502に入力されれば良い。
以上のように、本実施形態の変形例1〜3の駆動装置220の各回路構成を備えるインクジェット記録装置1では、選択部32a、32cは、駆動電圧信号Vwaveの電圧値の上昇時に、当該電圧値と電力供給部50が供給している低供給電圧VLとの電圧差が最初に基準電圧差dVr以下となるタイミングを供給電圧Vpの切替タイミングTonとして電力供給部50からの供給電圧Vpに係る選択を低供給電圧VLより高い高供給電圧VHに切り替える。
このような切替タイミングの決定であっても、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VLと交差する低下時交差タイミングTbに対して所望の電圧差(基準電圧差dVr)に対応する時間前倒して、供給電圧Vpを低供給電圧VLから高供給電圧VHに切り替えることが出来るので、不要に電力消費量や発熱量を増大させずに安定した電圧、電力をアクチュエーター222に供給して確実に駆動させ、安定してインクを吐出させることが出来る。また、このような回路構成により、遅延信号を別途生成して用いる必要が無いので、より容易に供給電圧Vpの切替タイミングを決定することが出来る。
また、選択部32a、32cは、駆動波形生成部31で生成された駆動波形信号Vdp、Vdの何れかを参照信号として取得し、当該参照信号に基づいて供給電圧Vpの切替タイミングを決定する。このように、デジタルデータである波形データの代わりにアナログ信号に変換された後の駆動波形信号を基準となる電圧値とコンパレーターなどで比較することでも、容易且つ確実に適切な供給電圧Vpの切替タイミングを決定して、電力消費量の低減と安定したインクの吐出とを両立させることが出来る。
また、変形例2の選択部32aは、低供給電圧VLよりも基準電圧差dVr低い第2基準電圧Vref2と駆動波形信号Vdの電圧値とを比較する比較器2211を備え、当該比較の結果に基づいて供給電圧Vpに係る選択を切り替えるので、交差タイミングTaを適切に前倒した供給電圧Vpの切替タイミングTonを容易な構成で確実且つ速やかに決定する。従って、駆動回路221aのコストアップや大型化などを防ぎつつ、確実に適切な供給電圧Vpを電力増幅部2219に供給して、電力消費量の低減と安定したインクの吐出とを両立させることが出来る。
また、駆動装置220の回路構成の変形例1において、駆動波形生成部31は、波形データに応じた駆動電圧信号Vwaveよりも電圧振幅の小さい初期の駆動波形信号Vdpを生成する初期生成部2217と、生成された初期の駆動波形信号Vdpの電圧を増幅して出力する駆動波形信号Vdを得る電圧増幅部2218と、を備え、選択部32aは、初期の駆動波形信号Vdpと、当該初期の駆動波形信号Vdpにおいて低供給電圧VLよりも基準電圧差dVr低い第2基準電圧Vref2に対応する基準電圧Vref2p(初期比較基準電圧)とを比較する比較器2211を備え、当該比較の結果に基づいて供給電圧Vpに係る選択を切り替える。
従って、コンパレーターなどの比較器2211の動作に必要な電圧を低くすることが出来るので、出力される駆動波形信号Vdを比較する場合における電力消費量や発熱量の低減に加えて、選択部32aにおける電力消費量も併せて低減させることが出来る。
また、基準電圧差dVrは、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差が、電力増幅部2219におけるトランジスターTr1のベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められるので、電力消費量及び発熱の増加を可能な範囲で抑えつつ、インクをより安定して吐出させることが出来る。
また、基準電圧差dVrは、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差が、電力増幅部2219に入力される駆動波形信号Vdの電圧値と出力される駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間での線形性からのずれが駆動電圧信号Vwaveの波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下、ここでは、本来アクチュエーター222に印加されるべき駆動波形信号Vdの電圧値Voに対して、当該電圧値Voと実際に印加される駆動電圧信号Vwaveの電圧値との間の電圧差dVLが10%以下となる電圧差以上に保たれるように定められる。従って、インクの吐出に悪影響を及ぼさずにより安定してインクを吐出させつつ、電力消費量及び発熱の増加を可能な範囲で抑えることが出来る。
また、変形例3の駆動装置220の回路構成における選択部32cは、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が上昇する期間を取得する変動検出部2214を備え、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低下する際に、低下時切替タイミングToffで電力供給部50からの供給電圧Vpに係る選択を高供給電圧VHから低供給電圧VLに切り替える。この低下時切替タイミングToffを定める基準電圧は、上昇時の切替タイミングTonに係る第2基準電圧Vref2より高く、低供給電圧VL以下に定められる。
このように、駆動電圧信号Vwaveの電圧値が低供給電圧VLよりも更に基準電圧差dVr低下するのを待つことなく、より小さい低下時基準電圧差に基づいて供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveとの電圧差が小さくなり過ぎないタイミングで供給電圧Vpを低下させることで、供給電圧Vpと駆動電圧信号Vwaveとの電圧差が大き過ぎる期間を適宜短縮し、駆動電圧信号Vwaveに悪影響を与えないようにしつつ電力消費量や発熱量を低減させることが出来る。
また、特に、駆動電圧信号Vwaveの低下時に、供給電圧Vpの選択に係る基準電圧を低供給電圧VLと等しくする、即ち、低下時の基準電圧差をゼロとすることで、遅延出力を用いずに、上記第1実施形態と同様に駆動電圧信号Vwaveの出力に悪影響を与えない範囲で効率良く電力消費量の低下を図ることが出来る。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のインクジェット記録装置1aについて説明する。
図11は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aの機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1aは、第1実施形態のインクジェット記録装置1において駆動回路221に設けられていた選択部32の代わりに駆動回路221dの選択回路2216とヘッド制御部42のCPU421及び記憶部422とを跨いで選択部32dが構成されている。また、駆動装置220がインクジェットヘッド22に含まれて構成されている。その他の構成については、第1実施形態のインクジェット記録装置1と第2実施形態のインクジェット記録装置1aとで同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、本実施形態のインクジェット記録装置1aにおける駆動装置220の回路構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1aのヘッド制御部42では、アクチュエーター222に出力可能な複数種類の駆動電圧信号に応じて記憶部422にそれぞれ記憶される波形データにおいて配列された上述の離散値に対して、それぞれ供給電圧Vpの切り替えに係る切替信号Vcntを示す切替データ(選択情報)が付加されている。切替信号VcntがVsh又はVslの何れであるかは、1ビットで表されるので、この切替データは、8〜16ビットの離散値に対して十分に小さい。この切替データは、上述の実施形態及び変形例1〜3のインクジェット記録装置1に係る駆動装置220のうち何れかで得られる切替信号Vcntに応じたものが予めインクジェット記録装置1の出荷前試験などで計測されて設定されている。また、この切替データが付加された波形データは、ユーザーの操作などに基づいて通信部43を介して外部から新たに取得されて記憶部422に追加又は上書きされても良い。一方で、駆動回路221dは、上記実施形態の駆動回路221における比較器2211、2212及び論理和回路2213が削除され、代わりに選択回路2216が設けられている。
また、ここでは、スイッチング回路502の具体例が示されている。
これら以外の構成は、上記実施の形態と同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
電力供給部50では、直流電圧変換部501から出力される2種類の供給電圧Vpである高供給電圧VH及び低供給電圧VLの出力端に各々PチャンネルMOSFET502a、502bのソース端子が接続され、また、PチャンネルMOSFET502a、502bのドレイン端子(電力増幅部2219の側)には、更に、ダイオード502c、502dのアノードがそれぞれ接続されている。ダイオード502c、502dのカソードは、まとめてキャパシター51及び電力増幅部2219に接続されている。
PチャンネルMOSFET502a、502bのゲート端子には、それぞれ、駆動回路221dから切替信号が入力される。
CPU421は、クロック信号に応じて順次画素データに応じた波形データの離散値を駆動回路221dの初期生成部2217に出力する。このとき、当該離散値に付加されている切替データが分離されて、当該切替データに応じた切替信号Vcntが離散値と同時に別途駆動回路221dの選択回路2216に出力される。
CPU421から選択回路2216に入力された切替信号Vcntは、一方で直接電力供給部50のPチャンネルMOSFET502bのゲート端子に入力され、他方では、インバーター2216aで反転された後に、PチャンネルMOSFET502aのゲート端子に入力される。これにより、PチャンネルMOSFET502a、502bは、何れかが選択的(排他的)に通電状態となり、高供給電圧VH及び低供給電圧VLのうち何れか一方が供給電圧Vpとして電力増幅部2219に供給される。
このとき、高供給電圧VHの供給状態から低供給電圧VLの供給状態に切り替えられた直後には、ダイオード502dのカソード側電圧がアノード側電圧より高い状態となるので、ダイオード502dがPチャンネルMOSFET502bへの電流の逆流を防止することで当該PチャンネルMOSFET502bの破損を防止する。ダイオード502cは、PチャンネルMOSFET502aへの電流の逆流を防止するが、通常では、キャパシター51の電圧(電力増幅部2219への供給電圧)が高供給電圧VHより高くはならないので逆流は生じない。従って、ダイオード502cは、省略されても良い。
[変形例4]
図13は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aにおける駆動装置220の回路構成の変形例4を示す図である。
この変形例4の駆動装置220の回路構成では、電力供給部50eにおいて、直流電圧変換部501eが供給電圧Vpとして高供給電圧VH及び低供給電圧VLに加えて中供給電圧VMを出力可能であり、CPU421(選択部32e)からスイッチング回路502eに入力された切替信号Vcntにより、3種類の供給電圧のうち何れかが選択的に電力増幅部2219に出力される。
その他の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
このように、2種類より多い供給電圧Vpを複数段階で切り替えて駆動電圧信号Vwaveの電圧値との差を小さくしても良い。特に、駆動電圧信号の波形パターンが3種類以上あり、図2に示した高ピーク電圧VwH及び低ピーク電圧VwLに加えて他のピーク電圧がある場合に、これらのピーク電圧よりそれぞれ高い供給電圧Vpが各々電力供給部50eから選択的に出力可能とさせても良い。
このように、第2実施形態のインクジェット記録装置1aでは、波形データは、駆動電圧信号Vwaveにおける所定の時間間隔(サンプリング周波数)での電圧値に応じた離散値データの配列であり、当該離散値データの各々には、電力供給部50からの供給電圧Vpの選択情報である切替信号Vcntを示す切替データが付加されており、選択部32dのCPU421は、駆動波形信号Vdpの生成に用いられる離散値データに付加されたこの切替データに応じて切替信号Vcntを出力し、一方で選択回路2216を介し、他方でそのままPチャンネルMOSFET502a、502bに出力することで、供給電圧Vpの切り替えに係る選択を行う。
これにより、リアルタイムで波形データや駆動波形信号と基準値とを比較して判断する構成を必要とせず、簡単な処理で容易に交差タイミングTaよりも前倒しした切替タイミングTonで供給電圧Vpの適切な切り替えを行うことが出来る。従って、駆動回路221dを更に低コスト小型化させることが出来る。また、通常、切替データは、離散値データと比較して十分にビット数が小さいので、データ量の増大の影響を軽微に抑えることが出来る。
また、変形例4の駆動装置220の回路構成において、選択部32eは、波形データから生成される駆動電圧信号Vwaveの各々における複数のピーク値(最大電圧値)の数と等しい数の前記供給電圧Vpの中から当該波形データに応じて何れかを選択する構成とすることが出来る。従って、中間的なピーク電圧を有する駆動電圧信号の波形パターンに比して高過ぎる供給電圧を供給するのを防ぎ、電力消費量や発熱量を効率良く低減させることが出来る。
また、電力供給部50は、複数の供給電圧VH、VLの出力端に各々PチャンネルMOSFET502a、502bが設けられ、当該複数の供給電圧VH、VLのうち電圧値が高い側から2番目以下の低供給電圧VLの出力端に接続されているPチャンネルMOSFET502bよりも電力増幅部2219の側には、順方向、即ち、出力元である当該PチャンネルMOSFET502bの側にアノードが接続されたダイオード502dが設けられ、選択部32dは、PチャンネルMOSFET502a、502bの各々に切替信号Vcnt及びこの反転信号を出力することで、何れか一つのPチャンネルMOSFETを選択的に通電状態とする。
これにより、容易な構成で電力消費を抑えながら確実且つ高速に供給電圧Vpの切り替えを行うことが出来る。また、ダイオード502dにより供給電圧Vpを高圧側から低圧側に切り替えた際に、PチャンネルMOSFET502bに電流が逆流するのを防ぎ、容易な構成で安全に供給電圧Vpを切り替えることが出来る。従って、安全且つ容易に電力消費量及び発熱量の効果的な抑制を図りつつ、適切にアクチュエーター222を駆動させて正常なインクの吐出を行わせることが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、選択部において、論理回路などを用いて選択を行う構成と、CPU421の制御動作により選択を行う構成とを示したが、これらの構成は適宜併用されても良い。また、論理回路は、同等の結果を得ることの可能な回路で置き換えられても良い。
また、上記実施の形態では、初期生成部2217でアナログ信号に変換後、電圧増幅部2218で所望の電圧に増幅したが、これらをまとめて行っても良い。
また、選択部は、駆動回路とは別個の基板などに形成されても良く、例えば、電力供給部50のスイッチング回路502と一体的に形成されても良い。
また、駆動波形は、台形波形状に限られず、連続的な変化を伴うものであれば、他の形状であっても本発明を適用することが出来る。
また、電力増幅部2219への入出力電圧間の線形性からのずれに係る基準レベルは、インクジェット記録装置1の出力画像の画質モードに応じて変更可能であっても良い。
また、第1、第2実施形態及び変形例1〜4に示した立ち上がり時のタイミング決定手段及び切替タイミングと、立下がり時のタイミング決定手段及び切替タイミングとの組み合わせは、例示であり、組み合わせ可能な任意の組合せで実施されて良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、動作手順や処理内容などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
この発明は、インクジェットヘッドの駆動装置、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に利用することが出来る。
1、1a インクジェット記録装置
21 移動動作部
22 インクジェットヘッド
220 駆動装置
221、221a〜221d 駆動回路
2211、2212 比較器
2213 論理和回路
2214 変動検出部
2215 論理積回路
2216 選択回路
2216a インバーター
2217 初期生成部
2218 電圧増幅部
2219 電力増幅部
222 アクチュエーター
31 駆動波形生成部
32、32a、32c〜32e 選択部
40 制御部
401 CPU
402 RAM
403 記憶部
41 移動制御部
42 ヘッド制御部
421 CPU
422 記憶部
43 通信部
44 操作表示部
441 操作検出部
442 表示部
45 報知出力部
46 バス
50、50e 電力供給部
501、501e 直流電圧変換部
502 スイッチング回路
502a、502b PチャンネルMOSFET
502c、502d ダイオード
502e スイッチング回路
51 キャパシター
dVr 基準電圧差
dVb 最小離隔電圧差
Dwave 駆動波形データ
Ta 交差タイミング
Tb 低下時交差タイミング
Td 遅延時間
Tr1 pnp型トランジスター
Tr2 npn型トランジスター
Vcnt 切替信号
Vd 駆動波形信号
Vdp 駆動波形信号
VH 高供給電圧
VL 低供給電圧
Vp 供給電圧
Vref1 第1基準電圧
Vref1d デジタル値
Vref1p 基準電圧
Vref2 第2基準電圧
Vref2p 基準電圧
Vsh 電圧
Vwave 駆動電圧信号
VwH 高ピーク電圧
VwL 低ピーク電圧
VwB ベース電圧

Claims (26)

  1. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、当該電圧値と前記電力供給部が供給している第1供給電圧との電圧差が最初に所定の基準電圧差以下となるタイミングを切替タイミングとして前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替える
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  2. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、生成された前記駆動波形信号又は当該駆動波形信号に係る波形データを参照信号として取得して、当該参照信号に基づいて切替タイミングを決定し、当該切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え
    前記電力増幅部は、前記選択部が前記参照信号を取得するタイミングよりも所定の遅延時間遅延した前記駆動波形信号を増幅して出力する
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  3. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に、前記駆動波形信号に応じて定められる切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、
    前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められる
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  4. 前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められることを特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  5. 前記切替タイミングは、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部に入力される前記駆動波形信号の電圧値と出力される前記駆動電圧信号の電圧値との間で線形性からのずれが当該駆動電圧信号の波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下となる電圧差以上に保たれるように定められることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  6. 前記選択部は、生成された前記駆動波形信号又は当該駆動波形信号に係る波形データを参照信号として取得し、当該参照信号に基づいて前記切替タイミングを決定することを特徴とする請求項記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  7. 前記選択部は、前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差低い比較基準電圧と前記駆動波形信号の電圧値とを比較する比較部を備え、
    当該比較の結果に基づいて前記供給電圧に係る選択を切り替える
    ことを特徴とする請求項又は記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  8. 前記駆動波形生成部は、前記波形データに応じた前記駆動電圧信号よりも電圧振幅の小さい初期駆動波形信号を当該波形データから生成する初期生成部と、生成された前記初期駆動波形信号の電圧を増幅して出力駆動波形信号を得る電圧増幅部と、を備え、
    前記選択部は、前記初期駆動波形信号と、当該初期駆動波形信号において前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差低い比較基準電圧に対応する初期比較基準電圧とを比較する比較部を備え、当該比較の結果に基づいて前記供給電圧に係る選択を切り替える
    ことを特徴とする請求項又は記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  9. 前記基準電圧差は、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部における前記トランジスターのベース/エミッター間での降下電圧以上に保たれるように定められることを特徴とする請求項1、6〜8の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  10. 前記基準電圧差は、前記供給電圧と前記駆動電圧信号の電圧値との間の電圧差が、前記電力増幅部に入力される前記駆動波形信号の電圧値と出力される前記駆動電圧信号の電圧値との間で線形性からのずれが当該駆動電圧信号の波形の歪みの大きさに基づいて定められる基準レベル以下となる電圧差以上に保たれるように定められることを特徴とする請求項記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  11. 前記電力供給部から供給可能な供給電圧には、前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数の電圧値のピーク値のうち最小のものよりも予め設定された最小離隔電圧差高い最小供給電圧が含まれ、
    前記選択部は、前記ピーク値が最小の駆動電圧信号が生成される場合には、前記供給電圧に係る選択を当該最小供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小のものではない駆動電圧信号が生成される場合には、当該最小供給電圧を前記第1供給電圧として、当該駆動電圧信号の生成中に前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  12. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記電力供給部から供給可能な供給電圧には、前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数の電圧値のピーク値のうち最小のものよりも予め設定された最小離隔電圧差高い最小供給電圧が含まれ、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小の駆動電圧信号が生成される場合には、前記供給電圧に係る選択を当該最小供給電圧に切り替え、前記ピーク値が最小のものではない駆動電圧信号が生成される場合には、当該最小供給電圧を前記第1供給電圧として、当該駆動電圧信号の生成中に前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  13. 前記波形データは、前記駆動電圧信号における所定の時間間隔での電圧値に応じた離散値データの配列であり、当該離散値データの各々には、前記電力供給部からの供給電圧の選択情報が付加されており、
    前記選択部は、前記駆動波形信号の生成に用いられる前記離散値データに付加された前記選択情報に応じて前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  14. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記波形データは、前記駆動電圧信号における所定の時間間隔での電圧値に応じた離散値データの配列であり、当該離散値データの各々には、前記電力供給部からの供給電圧の選択情報が付加されており、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記駆動波形信号の生成に用いられる前記離散値データに付加された前記選択情報に応じて前記供給電圧の切り替えに係る選択を行う
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  15. 前記選択部は、前記波形データから生成される前記駆動電圧信号の複数のピーク値の数と等しい数の前記供給電圧の中から当該波形データに応じて何れかを選択することを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  16. 前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の低下時に、当該電圧値と前記第1供給電圧とが交差する低下時交差タイミング以降に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替えることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  17. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記駆動電圧信号の電圧値の低下時に、当該電圧値と前記第1供給電圧とが交差する低下時交差タイミング以降に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替える
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  18. 前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値が上昇する期間及び低下する期間のうち少な
    くとも一方を取得する変動検出部を備え、
    前記駆動電圧信号の電圧値が低下して、当該電圧値が、前記第1供給電圧よりも前記基準電圧差未満の低下時基準電圧差以上低くなる低下時切替タイミングで前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第2供給電圧から前記第1供給電圧に切り替える
    ことを特徴とする請求項1、6〜10の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  19. 前記低下時基準電圧差は、ゼロであることを特徴とする請求項18記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  20. 前記駆動波形生成部は、インクを吐出させる動作に係るインク吐出データに応じた前記波形データから駆動波形信号を生成すると共に、当該インク吐出データの終了時及び中断時のうち少なくとも一方では、インクを吐出させない所定の非吐出波形データから駆動波形信号を生成し、
    前記選択部は、前記非吐出波形データに基づく前記駆動電圧信号の生成時には、前記供給電圧に係る選択を当該駆動電圧信号の電圧値に応じた供給電圧に切り替えることを特徴とする請求項1〜19の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  21. 前記電力供給部を備えることを特徴とする請求項1〜20の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  22. 前記電力供給部は、前記複数の供給電圧の出力端に各々電界効果トランジスターが設けられ、当該複数の供給電圧のうち電圧値が高い側から2番目以下のものの出力端に接続されている前記電界効果トランジスターよりも前記電力増幅部の側には、順方向にダイオードが設けられ
    前記選択部は、当該電界効果トランジスターの各々に切替信号を出力することで、何れか一つの電界効果トランジスターを選択的に通電状態とする
    ことを特徴とする請求項21記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  23. インクジェットヘッドに設けられたノズル開口部からインクを吐出させる動作を行うアクチュエーターに駆動電圧信号を出力するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
    前記アクチュエーターの動作に応じた波形データから駆動波形信号を生成する駆動波形生成部と、
    トランジスターを用いて前記駆動波形信号の電力を増幅して前記駆動電圧信号を生成し、当該駆動電圧信号を前記アクチュエーターに出力する電力増幅部と、
    複数の供給電圧のうちの何れかを選択的に前記電力増幅部へと供給する電力供給部と、
    前記駆動電圧信号の電圧値に基づいて、前記電力供給部からの供給電圧を選択する選択部と、
    を備え、
    前記電力供給部は、前記複数の供給電圧の出力端に各々電界効果トランジスターが設けられ、当該複数の供給電圧のうち電圧値が高い側から2番目以下のものの出力端に接続されている前記電界効果トランジスターよりも前記電力増幅部の側には、順方向にダイオードが設けられ、
    前記選択部は、前記駆動電圧信号の電圧値の上昇開始後、当該電圧値の上昇時に前記電力供給部が供給している第1供給電圧と前記電圧値とが等しくなる交差タイミング前に前記電力供給部からの供給電圧に係る選択を前記第1供給電圧より高い第2供給電圧に切り替え、前記電界効果トランジスターの各々に切替信号を出力することで、何れか一つの電界効果トランジスターを選択的に通電状態とする
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
  24. 前記電力供給部は、入力される電源電圧から前記複数の供給電圧のうち少なくとも一部に変換する直流電圧変換部を備えることを特徴とする請求項21〜23の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  25. 請求項1〜24の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、
    インクを吐出する複数のノズルと、
    当該複数のノズルに各々対応して設けられ、前記駆動装置により駆動されるアクチュエーターと、
    を備えることを特徴とするインクジェットヘッド。
  26. 請求項1〜24の何れか一項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置と、
    インクを吐出する複数のノズルと、
    当該複数のノズルに各々対応して設けられ、前記駆動装置により駆動されるアクチュエーターと、
    取得されたインク吐出データに基づいて前記駆動装置の動作を制御する動作制御部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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