JP6686699B2 - スパッタリングターゲット - Google Patents

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本発明は、金属窒化物及び不可避不純物よりなるスパッタリングターゲットに関する。
特許文献1には、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物よりなり、その構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相とされたサーミスタ用金属窒化物材料が開示されている。
このような構造とされた金属窒化物は、高い耐熱性を有し、かつ信頼性の高いサーミスタ材料を得ることが可能となる。
また、特許文献1には、Ti−Al合金スパッタターゲットを用いて、窒素含有雰囲気中で反応性スパッタを行うことで、上記サーミスタ用金属窒化物材料を製造することが開示されている。
特開2013−179161号公報
しかしながら、特許文献1では、チャンバ内に窒素を導入し、窒素含有雰囲気とされたチャンバ内で反応性スパッタを行うことで、サーミスタ用金属窒化物材料を製造していたため、チャンバ内の空間において窒素が不均一となってしまう。
これにより、スパッタ膜(サーミスタ用金属窒化物材料)の組成が不均一となってしまうという問題があった。
特に、上記手法により、サーミスタ用金属窒化物材料を形成した場合、サーミスタ用金属窒化物材料の抵抗値が所望の値よりも低くなったり、結晶性が悪くなったりするという問題が発生する。
そこで、本発明は、スパッタ膜の組成を均一にすることの可能なスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一観点によれば、金属窒化物及び不可避不純物からなり、前記金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、ターゲットを構成するAlNよりなる母相中に、TiN相が分散されることを特徴とするスパッタリングターゲットが提供される。
本発明によれば、金属窒化物及び不可避不純物からなるスパッタリングターゲットであり、かつ金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示されることにより、スパッタリングターゲット中に均一に窒素を分散させることが可能となり、窒素含有雰囲気での反応性スパッタにおいても、均一な組成とされたスパッタ膜を成膜することができる。
また、金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示されることで、スパッタ膜の結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相となるため、良好なB定数が得られるとともに、高い耐熱性を有するスパッタ膜を成膜することができる。このようなスパッタ膜は、サーミスタを構成する膜として有効である。
さらに、AlNよりなる母相中に、TiN相を分散させることで、ターゲットに含まれるTiを均一に分散させることが可能となるので、より均一な組成とされたスパッタ膜を成膜できる。

上記スパッタリングターゲットにおいて、前記AlNの母相の平均粒径は、50μm以下であってもよい。
AlNの母相の平均粒径が50μmよりも大きいと、未使用の状態のスパッタリングターゲットのスパッタ表面に形成される段差が大きくなるため、異常放電が多く発生する恐れがある。
よって、AlNの母相の平均粒径を50μm以下とすることで、未使用の状態のスパッタリングターゲットのスパッタリング表面に形成される段差が小さくなるため、異常放電の発生を抑制することができる。
上記スパッタリングターゲットにおいて、前記TiN相の平均粒径は、50μm以下であってもよい。
導電性を有するTiN相は、導電性を有さないAlNの母相よりもスパッタレートが速い。このため、TiN相の平均粒径が50μmよりも大きいと、TiN相が存在した部分に窪みが生じて、スパッタリング表面に大きな段差が形成される恐れがある。つまり、異常放電が多く発生する恐れがある。
そこで、TiN相の平均粒径を50μm以下とすることで、スパッタリング表面に大きな段差が形成されることを抑制可能となるので、異常放電の発生を抑制できる。
上記スパッタリングターゲットにおいて、相対密度は97%以上であってもよい。
スパッタリング表面に空孔が多数存在すると、空孔を起点とする異常放電が多く発生する恐れがある。
よって、スパッタリングターゲットの相対密度を97%以上として、緻密にすることにより、スパッタリングターゲットのスパッタリング表面に形成される空孔が少なくなるため、異常放電の発生を抑制することができる。
また、上記スパッタリングターゲットにおいて、さらに、Zrを含み、Ti、AlおよびZrの合計含有量に対するZrの含有量の比が、原子比で0.00005以上0.0015以下の範囲にあってもよい。
Zrを、Ti、AlおよびZrの合計含有量に対するZrの含有量の比が、原子比で0.00005以上0.0015以下の範囲にて含むことによって、スパッタリングターゲットがより緻密になり、スパッタリングターゲットのスパッタリング表面に形成される空孔が少なくなるため、異常放電の発生を抑制することができる。
本発明によれば、組成が均一とされたスパッタ膜を成膜することができる。
実施例3のスパッタリングターゲットのスパッタリング表面のSEM写真である。 実施例3のスパッタリングターゲットのスパッタリング表面の組成分析結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態のスパッタリングターゲットは、金属窒化物及び不可避不純物からなり、前記金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される。
本実施の形態のスパッタリングターゲットによれば、金属窒化物及び不可避不純物からなるスパッタリングターゲットであり、かつ金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示されることにより、スパッタリングターゲット中に均一に窒素を分散させることが可能となり、窒素含有雰囲気での反応性スパッタにおいても、均一な組成とされたスパッタ膜を成膜することができる。
また、金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示されることで、スパッタ膜の結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相となるため、良好なB定数が得られるとともに、高い耐熱性を有するスパッタ膜を成膜することができる。このようなスパッタ膜は、サーミスタを構成する膜として有効である。
なお、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.70未満であると、ウルツ鉱型の単相が得られず、NaCl型相との共存相又はNaCl型相のみの相となってしまうため、十分な高抵抗値と高B定数とを得ることができない。
また、上記「y/(x+y)」(すなわち、Al/(Ti+Al))が0.95を超えると、抵抗率が非常に高く、きわめて高い絶縁性を示すため、サーミスタ用の膜として適用することができない。
また、上記「z」(すなわち、N/(Ti+Al+N))が0.4未満であると、金属の窒化量が少ないため、ウルツ鉱型の単相が得ることが困難となるため、十分な高抵抗値と高B定数とを得ることができない。
さらに、上記「z」(すなわち、N/(Ti+Al+N))が0.5を超えると、ウルツ鉱型の単相を得ることができない。なお、このことは、ウルツ鉱型の単相において、窒素サイトにおける欠陥がない場合の正しい化学量論比は、N/(Ti+Al+N)=0.5であることに起因する。
上記スパッタリングターゲットにおいて、ターゲットを構成するAlNよりなる母相中に、TiN相を分散させてもよい。
このように、AlNよりなる母相中に、TiN相を分散させることで、ターゲットに含まれるTiを均一に分散させることが可能となるので、より均一な組成とされたスパッタ膜を成膜できる。
上記スパッタリングターゲットにおいて、相対密度は97%以上であってもよい。
このように、スパッタリングターゲットの相対密度を97%以上として、緻密にすることにより、スパッタリングターゲットのスパッタリング表面に形成される空孔が少なくなるため、異常放電の発生を抑制することができる。
また、上記スパッタリングターゲットにおいて、さらに、Zrを含んでいてもよい。この場合、Ti、AlおよびZrの合計含有量に対するZrの含有量の原子比[Zr/(Ti+Al+Zr)は、0.00005以上0.0015以下の範囲にあることが好ましい。
Zrを、上記の範囲にて含むことによって、スパッタリングターゲットがより緻密になり、スパッタリングターゲットのスパッタリング表面に形成される空孔が少なくなるため、異常放電の発生を抑制することができる。Zrは、ZrOとして、スパッタリングターゲットに含有されていることが好ましい。ZrOは、焼結助剤として作用して、スパッタリングターゲットを緻密にさせる効果が高い。
次に、本実施の形態のスパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
始めに、平均粒径が1〜50μmの範囲内とされたAlN粉と、平均粒径が1〜50μmの範囲内とされたTiN粉と、を準備する。
次いで、TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)を満たす量のAlN粉及びTiN粉にアルコールを添加して、AlN粉及びTiN粉を粉砕・混合させることで、スラリーを作製する。粉砕・混合前のAlN粉及びTiN粉に、Zr(特に、ZrO)を添加してもよい。
AlN粉及びTiN粉の粉砕・混合の際には、例えば、ボールミルを用いることができる。ボールミルを用いた場合の粉砕・混合の時間は、例えば、4時間程度にするとよい。
ボールミルを用いて、長時間粉砕・混合を行うと、TiN粉の硬さが硬いため、ボールが摩耗して、コンタミが多くなってしまう。したがって、粉砕・混合の時間は、4時間程度が好ましい。
ボールミルによるAlN粉及びTiN粉の粉砕・混合に際して、ボールの摩耗による不純物の影響を避けるために、ボールは硬度の高いTiN製のものを使用し、容器は金属元素を含まない樹脂製のものを使用することが好ましい。TiN製のボールの他にTiNよりも硬度の高い材質からなるボールを用いてもよい。
また、TiN以上に硬度の高い材質からなるボールとZrO製のボールを組合せて使用して、AlN粉及びTiN粉の粉砕・混合と共に、ZrO製のボールを摩耗させ、AlN粉とTiN粉の粉砕混合物に、ZrO製のボールの摩耗によって生じたZrO製の微粉末を添加してもよい。この場合、ZrO製のボールの使用量と、粉砕・混合時間によって、AlN粉とTiN粉の粉砕混合物へのZrの添加量を制御してもよい。
次いで、上記スラリーを乾燥させる。具体的には、ホットプレートを用いて、スラリーを乾燥させる。このとき、粉砕・混合された粉同士(具体的には、AlN粉及びTiN粉)が凝集して、固まってしまう(以下、「凝集粉」という。)。
次いで、ふるいを用いて、凝集粉をほぐして、崩すことで、AlN粉及びTiN粉よりなる混合粉を作製する。
次いで、混合粉を焼結させることで、焼結体を作製する。焼結温度は、例えば、1650〜1800℃の範囲内の温度とすることができる。
1650℃よりも温度が低いと、焼結が不十分となり、スパッタリングターゲットに微細な穴が多く生じる恐れがある。このような微細な穴が生じると、微細な穴に水が含まれることで、真空引きが困難となり、スパッタリングターゲットとして不向きとなる。
また、1650℃よりも温度が低いと、相対密度を90%以上、特に97%以上にすることが困難となる恐れがある。
混合粉の焼結は、例えば、ホットプレスを用いることができる。ホットプレスを用いる場合、焼結は、真空雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気のうちのいずれかの雰囲気中で行うことができる。
次いで、上記焼結体を研削加工して、所望の形状とされたスパッタリングターゲットを作製する。上記研削加工では、例えば、砥石を用いて加工を行う。このとき、研削液を使用して加工してもよいし、研削液を使用しないで加工してもよい。
その後、金属製のバッキングプレートに、Inはんだを用いて、研削加工された焼結体を貼り付けることで、スパッタリングターゲットが作製される。
なお、スパッタリングターゲットは、スパッタリング装置に装着可能な構造体である。
上述したスパッタリングターゲットを用いたスパッタ膜の成膜方法について簡単に説明する。
始めに、上述したスパッタリングターゲットが取り付けられたスパッタ装置のチャンバ内のステージ上に、基板を固定する。
その後、上述したスパッタリングターゲットをスパッタすることで、基板上に、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物よりなるスパッタ膜を成膜する。
スパッタ条件として、例えば、チャンバ内の到達真空度を5×10−6Pa、スパッタガス圧を0.1〜0.7Pa、ターゲットの投入電力(出力)を100〜500W、チャンバ内の雰囲気をArガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気下(窒素ガス分圧が0〜50%(好ましくは、1〜50%))を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、実施例について説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
[実施例1〜6、比較例1〜9]
<スパッタリングターゲットの作製>
実施例1〜6のスパッタリングターゲットT1〜T6と、比較例1〜9のスパッタリングターゲットS1〜S9と、を下記手法により作製した。
始めに、表1に示す条件とされた2種の原料粉末にアルコールを添加して、ボールミルにより、2種の原料粉末を粉砕・混合させることでスラリーを作製した。このときの粉砕・混合の時間は、4時間とした。
次いで、ホットプレートを用いて、スラリーを乾燥させた。このとき、粉砕・混合された2種の原料粉末が凝集して固まることで、凝集粉が形成された。ホットプレートの加熱温度は、200℃とし、乾燥時間は、12時間とした。
次いで、ふるいを用いて、凝集粉をほぐして、崩すことで、2種の原料粉末よりなる混合粉を作製した。
次いで、ホットプレスを用いて、真空雰囲気において、混合粉を焼結させることで、焼結体を作製した。このときの加熱温度を1680℃とし、圧力を34.3MPaとし、焼結時間を2時間とした。
次いで、砥石を用いて、上記焼結体を研削加工し、Inはんだを用いて、銅製のバッキングプレートに貼り付けることで、スパッタリングターゲットT1〜T10,S1〜S9を作製した。
<スパッタリング表面のSEM写真>
走査型電子顕微鏡を用いて、実施例3のスパッタリングターゲットT3のスパッタリング表面のSEM写真を撮影した。この写真を図1に示す。
図1のSEM写真から、AlNの母相(SEM写真において、黒っぽく見える部分)に、TiN相(SEM写真において、白っぽく見える部分)が略均一に分散されていることが確認できた。
<スパッタリング表面の組成分析、及びその結果について>
日本電子製のEPMAであるJXA−8500を用いて、実施例3のスパッタリングターゲットT3のスパッタリング表面の組成分析を行った。この結果を図2に示す。
図2を参照するに、右下の全体が黒く見えている画像から、観察エリアの全体に窒素(N)が含まれていることが確認できた。
また、右下の画像、及び右上のAlがねずみ色に見えている画像から、スパッタリングターゲットT3の母相がAlN相であることが確認できた。
また、右上の画像、右下の画像、及び左下の画像から、右上の画像で黒く見えている部分が、TiN相であることが確認できた。
また、図2に示す4つの画像から、図1に示すSEM写真において、黒っぽく見える部分がAlNの母相であり、白っぽく見える部分がTiN相であることが確認できた。
実施例1、2、4〜6のスパッタリングターゲットT1、2、4〜6及び比較例1〜9のスパッタリングターゲットS1〜S9について、スパッタリング表面の組成分析を行った。その結果、実施例1、2、4〜6のスパッタリングターゲットT1、2、4〜6は、いずれもAlNの母相に、TiN相が略均一に分散されていることが確認できた。比較例1〜3のスパッタリングターゲットS1〜S3は、Ti相とAl相とを有することが確認できた。比較例4〜6のスパッタリングターゲットS4〜S6は、Ti相とAlN相とを有することが確認できた。比較例7〜9のスパッタリングターゲットS7〜S9は、TiN相とAl相とを有することが確認できた。
<スパッタ膜の作製>
次いで、上述したスパッタリングターゲットT1〜T6,S1〜S9を用いて、ガラス基板上に、厚さ200nmのスパッタ膜T1M〜T6M,S1M〜S9Mを成膜した。
このときスパッタ条件として、チャンバ内の到達真空度を5×10−6Pa、スパッタガス圧を0.60Pa、ターゲットの投入電力(出力)を550W、チャンバ内の雰囲気をArガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気下(窒素ガス分圧が4%)を用いた。
<スパッタ膜面内における抵抗値の差の測定、及びその結果について>
次いで、スパッタ膜T1M〜T6M,S1M〜S9M面内における抵抗値の差を測定した。
具体的には、表面抵抗測定器(三菱油化社製、Loresta AP MCP−T400)を用いて、四探針法により、各スパッタ膜T1M〜T6M,S1M〜S9Mの中央部のシート抵抗と端部のシート抵抗とを測定し、2つのシート抵抗の差を、スパッタ膜T1M〜T6M,S1M〜S9M面内における抵抗値の差とした。この結果を表1に示す。
表1を参照するに、実施例1〜6の抵抗値の差は、16.8〜27.8Ω・cmの範囲内であり、比較例1〜9の抵抗値の差(具体的には、43.7〜69Ω・cm)よりも小さい結果となった。
この結果から、スパッタ膜T1M〜T6Mは、組成のばらつきが小さく、均一な組成の膜であると考えられる。
また、比較例1〜9の結果から、原料粉末にTiN粉末またはAlN粉末を含むことで、原料粉末にTiN粉末及びAlN粉末を含んでない場合と比較して、抵抗値の差がかなり小さくなることが確認できた。
また、金属粉末のみで製造された比較例1〜3のスパッタリングターゲットS1〜S3を用いて成膜されたスパッタ膜S1M〜S3Mでは、抵抗値の差が非常に大きくなることが確認できた。
[実施例7〜16]
<スパッタリングターゲットの作製>
TiN粉末とAlN粉末とを、重量比で21:79となるように秤量し、そこに、ZrO粉末を表2に示す量にて秤量し、添加して、ボールミルにより、4時間粉砕・混合させて、スラリーを作製したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例7〜16のスパッタリングターゲットを製造した。なお、原料粉末の粉砕・混合に際して、ボールはTiN製のものを使用し、容器は樹脂製のものを使用した。
<スパッタリング表面の組成分析>
実施例7〜16のスパッタリングターゲットについて、スパッタリング表面の組成分析を行った。その結果、実施例7〜16のスパッタリングターゲットは、いずれもAlNの母相に、TiN相が略均一に分散されていることが確認できた。
<ターゲットの組成>
実施例7〜16のスパッタリングターゲット中のTi、AlおよびZrの含有量を、高周波アルゴンプラズマ発光分光分析装置(アジレント・テクノロジー社製、Agilent 7700X)により測定した。得られたTi、AlおよびZrの含有量からTiAlのx、y、zおよびy(x+y)と、Ti、AlおよびZrの合計含有量に対するZrの含有量の原子比[Zr/(Ti+Al+Zr)]とを算出した。その結果を、実施例3のスパッタリングターゲットの測定結果と共に、表2に示す。
<ターゲットの相対密度の測定、及びその結果について>
実施例7〜16のスパッタリングターゲットの相対密度を、ターゲットの嵩密度を理論密度で除することによって算出した。尚、嵩密度は、スパッタリングターゲットの実寸した寸法から算出した体積と重量から求めた。理論密度ρfnは、TiNの密度をρ、AlNの密度をρ、ZrOの密度をρ、TiNの含有量をC、AlNの含有量をC、ZrOの含有量をCとして、下記の式より求めた。なお、密度の単位はg/cm、含有量の単位は質量%である。
その結果を表2に示す。
表2の結果から、Zrを含む実施例7〜16のスパッタリングターゲットは、相対密度が高い値を示すことが確認された。
<スパッタ膜面内における抵抗値の差の測定、及びその結果について>
実施例7〜16のスパッタリングターゲットを用いて、前記実施例1〜6と同様にスパッタ膜を作製して、作製したスパッタ膜面の面内における抵抗値の差を測定した。
その結果を表2に示す。
表2の結果から、実施例7〜16のスパッタリングターゲットを用いて得られたスパッタ膜は、抵抗値の差が15.9〜18.5Ω・cmの範囲内であり、前記の実施例1〜6のスパッタリングターゲットを用いて得られたスパッタ膜と同様に、抵抗値の差が小さいことが確認された。

Claims (2)

  1. 金属窒化物及び不可避不純物からなり、前記金属窒化物が、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、ターゲットを構成するAlNよりなる母相中に、TiN相が分散されることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. さらに、Zrを含み、Ti、AlおよびZrの合計含有量に対するZrの含有量の比が、原子比で0.00005以上0.0015以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
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