以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、後述する実施例2が本発明の実施形態であり、実施例1は、そのベースとなるものであるが、便宜的に実施例と表記する。
[実施例1]
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67が設けられている。
パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤1には略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3の中央部に液晶ディスプレイからなるメイン演出表示装置6が設けられ、メイン演出表示装置6の向かって右には、普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行われる。なお、普通図柄作動ゲート22にあるのは演出用ゲート29であり、ここを遊技球が通過したことに起因して、様々な演出が行なわれる。
メイン演出表示装置6の直下には、メイン演出表示装置6よりも小型の液晶ディスプレイからなるサブ演出表示装置7が設けられている。サブ演出表示装置7の更に下には、遊技球の入球に起因して第1特別図柄(第1特図あるいは特図1とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11が設置されている。また、普通図柄作動ゲート22の直下には、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(第2特図あるいは特図2とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第2始動口12が設置されている。
第1始動口11は、左打ち(メイン演出表示装置6の左方を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置され、第2始動口12は、右打ち(メイン演出表示装置6の右方を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に配置されている。このため、左打ちを行うことで第1始動口11を狙い打つことができ、右打ちを行うことで第2始動口12を狙い打つことができる。また、第1始動口11の上方に形成されているステージ8に遊技球が乗ると、高確率で第1始動口11に入球するよう構成されている。なお、第1始動口11を右打ち領域、第2始動口12を左打ち領域に配置しても良い。
第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。また、第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる第1大入賞口20が設けられており、第1大入賞口20の更に下方に、特別電動役物からなる第2大入賞口21が設けられている。
このように、第1大入賞口20および第2大入賞口21は、右打ちされた遊技球が主に入球する位置に配されている。また、第2大入賞口21の下側には、大当り遊技中に第2大入賞口21に入球した遊技球が誘導され、大当り遊技終了後に確変状態(当否判定で当る確率が上昇した状態)となることを決定するための振分け装置13が配置されている。
メイン演出表示装置6の画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
また、大当り遊技中に第2大入賞口21に入球した遊技球は、振分け装置13により、特定領域15か取り込み口86かに振り分けられる。特定領域15に入すると、大当り遊技終了後に確変状態となることが決定される。
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口24〜26に入球した遊技球を検出する左一般入賞口SW24a,一般入賞口227に入球した遊技球を検出する右一般入賞口SW27a等からの検出信号が入力される。
また、この他にも、第1大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW20a、第2大入賞口21に入球した遊技球を計数するための第2カウントSW21a、振分け装置13に設けられた特定領域15に入球した遊技球を検出する確変口SW15aが入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている状態表示装置10の表示を制御する。状態表示装置10とは、第1特図表示装置,第2特図表示装置,第1特図保留数表示装置,第2特図保留数表示装置,普通図柄表示装置,普図保留数表示装置を備えたものであり、図2では省略した。
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド20bを制御することで第1大入賞口20の開閉を制御すると共に、第2大入賞口ソレノイド21bを制御することで第2大入賞口21の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分けソレノイド13aを制御することで、振分け装置13を駆動する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。
なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ28を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を押した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、演出用ゲート29を遊技球が通過した場合には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいてメイン演出表示装置6、サブ演出表示装置7を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
次に、第1実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。上述したように、本パチンコ機50は、大当り遊技中、第2大入賞口21に遊技球が入球し、さらに、該遊技球が特定領域15に入球すると、確変機能が作動し、大当り遊技後の遊技状態は、当否判定で当る確率が高くなる確変状態となる。
なお、確変状態は、後述する時短状態と同じ期間にわたり継続させても良いし、次回の大当りまで継続させても良い。
また、大当り遊技では、2ラウンド目で第2大入賞口21が開放され、それ以外のラウンドで第1大入賞口20が開放されるという開放パターンで各大入賞口が開放される。したがって、本パチンコ機50は、形式上、全ての大当りで確変機能が作動する可能性があり、名目上の確変割合は、大当りとなった特図の種類や当り図柄に関らず一定(100%)となる。
しかし、大当り遊技の開放パターンとして、第2大入賞口21の開放時間が0.9秒間であるショートパターンと、該開放時間が20秒間であるロングパターンがあり、ショートパターンの大当り遊技では、第2大入賞口21への入球は非常に稀であり、確変機能が作動する確率は極めて小さい。ショートパターンは、第1特図による大当りでは50%、第2特別図柄による大当りでは0%の確率で発生する。
パチンコ機50の仕様の概要を図5に示す。本図に示すように、通常状態における大当りが発生する確率は、第1特図、第2特図とも1/250であり、高確率状態では第1特図、第2特図とも1/60となっている。大当りが発生した直後の遊技状態が高確率状態となる割合(確変付与率)は第1特図が50%、第2特図が100%となっている。また、大当りが発生した直後には、第1特図、第2特図によらず時短が必ず付与される。時短(電サポともいう)では、普通図柄抽選で当選した際の第2始動口12の開放時間を長くし、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置7での変動表示時間を短くする。確変および時短は、第1特図と第2特図の変動回数の合計が100回となるまで継続する(第1特図、第2特図のいずれによる大当りかを問わない)。
賞球は、第1始動口11が3個、第2始動口12が1個、第1大入賞口20、第2大入賞口21が何れも15個、一般入賞口24〜27が6個となっている。規定入賞数とは、大当り中に開放された大入賞口に入球すると大入賞口が閉鎖する個数である。大入賞口が閉鎖する条件としては規定入賞数以外に開放時間があるが、規定入賞数の球が大入賞口に入球すると、開放時間の経過を待たずに大入賞口は閉鎖する。規定入賞数は第1大入賞口20、第2大入賞口21とも9個となっている。
パチンコ機50では、以下のようにして遊技が進行する。遊技開始時点では、開放延長機能は作動しておらず、また、普通図柄抽選で当選しない限り第2始動口12には入球しないため、遊技者は左打ちを行い、第1始動口11を狙い打つことになる。第1特図による大当りでは確変機能は作動しないため、まずは開放延長機能を作動させることが目標となる。そして、第1特図で大当りとなり、開放延長機能が作動すると、遊技者は右打ちを行い、第2始動口12を狙い打ち、第2特図による大当りにより確変機能の作動を目指すことになる。
以下、パチンコ機50の動作について説明する。まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に移行し、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15にてCPUやI/O等の初期設定を行い、S70に移行する。S10で肯定判定が得られた場合には、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理(S50)と、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理(S55)と、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理(S60)と、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理(S65)とを行う。
なお、これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理や、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。そして、S70では、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動口入賞確認処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号と、第2始動口SW12aの検出信号とに基づき、第1始動口11或いは第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:no)、本処理を終了する。S105では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)未満か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:yes)、S110に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:no)、本処理を終了する。
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶として記憶し、S115に処理を移行する。
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(大当り抽選で当りとなる値)であるか否かと、該保留記憶に係るリーチ判定用乱数等が特定値(図柄演出でリーチとなる値)であるか否かを判定する先読み判定を行う。そして、先読み判定の結果と、先読み判定が行われた保留記憶に対応する特図の種類(第1特図であるか第2特図であるか)、及びその変動パターンを示す先読みコマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信する(S120)。
なお、先読みコマンドを受信したサブ統合制御装置83は、該先読みコマンドに対応する保留記憶が消化されるまで、該先読みコマンドが示す先読み判定結果を保存する。続くS125では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する特図について、何個の保留記憶が生じているかを示す保留数コマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。なお、各特図に対応する保留記憶の数と、該保留記憶についての先読み判定の結果とを示す一つのコマンドを生成し、該コマンドを、先読みコマンドや保留数コマンドに替えて用いても良い。
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図8〜11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。また、本処理の終了後は、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が実行される。
図8に示すように、まずS200にて、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に移行する。S205では、第1特図あるいは第2特図の変動表示中か否かを判定し、肯定判定の場合(S205:Yes)には、図10のS280に移行し、否定判定の場合(S205:No)には、S210に移行する。
S210では、第1特図あるいは第2特図の確定表示中か否かを判定する。肯定判定の場合(S210:Yes)には、図11のS290に移行し、否定判定の場合(S210:No)には、図9のS215に移行する。S215では、第1保留記憶および第2保留記憶の有無を判定し、いずれかに保留記憶が存在する場合(S215:Yes)には、S220に移行し、いずれにも保留記憶が存在しない場合(S215:No)には、本処理を終了する。
S220では、現時点で存在する第1,第2保留記憶のうち、最先の保留記憶を選択すると共に、選択した保留記憶の種類に対応する保留記憶の数をデクリメントし、S225に移行する。なお、第1,第2保留記憶が存在する場合には、第1保留記憶のうち、最先に生じたものから順に選択する構成としても良い。
S225では、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合(S225:Yes)には、S230に移行し、否定判定の場合(S225:No)には、S235に移行する。S230では、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に移行する。
一方、S235では、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態で無い場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に移行する。S240では、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合(S240:Yes)には、S245に移行する。否定判定の場合(S240:No)には、S260に移行する。
S245では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。この決定により大当りのラウンド数も決定することになる。なお、大当り図柄決定用乱数に基づく決定の結果、第1特図,第2特図に対応する各当り図柄は、ランダムに選択される。そして、S250に移行する。S250,S255では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定すると共に、当り図柄に基づき大当り遊技における開放パターンや、大当り遊技後の開放延長機能の作動の有無や、開放延長機能や確変状態の継続回数等決定し(図5参照)、S270に移行する。
一方、大当り抽選で外れた際に移行するS260では、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に移行する。S265では、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)や、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を示すカウンタの更新等を行い、S270に移行する。
S270では、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。更に、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄(大当りの場合には、当り図柄に対応する演出図柄となる)を指示する図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
第1特図あるいは第2特図の変動表示中に移行するS280(図10)では、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合(S280:Yes)には、S285に移行する。否定判定の場合(S280:No)には、本処理を終了する。S285では、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
特図の確定表示中に移行するS290(図11)では、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合(S290:Yes)には、S295に移行する。否定判定の場合(S290:No)には、本処理を終了する。S295では、特図の確定表示を終了し、続くS300で確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定する。肯定判定の場合(S300:Yes)には、S305に移行し、否定判定の場合(S300:No)には、S335に移行する。
S305では、確変状態であることを示す確変フラグが1(確変フラグがセットされている)か否かを判定し、肯定判定の場合(S305:Yes)には確変フラグをクリアし(S310)、S315に移行する。否定判定の場合(S305:No)にはそのままS315に移行する。S315では、時短状態であることを示す時短フラグが1(時短フラグがセットされている)か否かを判定し、肯定判定の場合には時短フラグをクリアし(S320)、S325に移行する。否定判定の場合(S315:No)にはそのままS325に移行する。そして、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S327)を実行すると共に、大当り抽選での当選を通知するコマンドや、特典内容等を通知するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S330)、本処理を終了する。
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS335では、確変フラグが1(確変フラグがセットされている)か否かを判定し、肯定判定の場合には、確変回数が0か否かを判定する(S340)。肯定判定の場合(S340:Yes)には、確変フラグをクリアし(S345)、S350に移行する。S335が否定判定された場合、またはS340が否定判定された場合はS350に直行する。
S350では、時短フラグが1(時短フラグがセットされている)か否かを判定し、肯定判定の場合(S350:Yes)には、時短回数が0か否かを判定する(S355)。そして、肯定判定の場合には(S355:Yes)、時短フラグをクリアし(S360)、S365に移行する。S350が否定判定された場合、またはS355が否定判定された場合はS360に直行する。S365では、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、当処理を終了する。
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図12〜15のフローチャートを用いて説明する。なお、当処理は、当否判定処理に続いて実行される。当処理が起動されるとまずS500にて、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。肯定判定の場合(S500:Yes)には、S510に移行し、否定判定の場合(S500:No)には、当処理を終了(リターン)する。
S510では、第2大入賞口21の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S510:Yes)には、図13のS545に移行する。否定判定の場合(S510:No)には、S515に移行する。S515では、第1大入賞口20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S515:Yes)には、図13のS575に移行する。否定判定の場合(S515:No)には、S520に移行する。
S520では、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S520:Yes)には、図14のS600に移行する。否定判定の場合(S520:No)には、S525に移行する。S525では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合(S525:Yes)には、図15のS645に移行する。否定判定の場合には(S525:No)、S530に移行する。
S530では、大当り抽選で当った後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、否定判定の場合(S530:No)には、当処理を終了し、肯定判定の場合(S530:Yes)には、S535に移行する。S535では、選択された大当り遊技の種類に対応する開放パターンに従い第1大入賞口20を開放させる第1大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S540)、当処理を終了する。
第2大入賞口21の開放中に移行するS545(図13)では、確変口SW15aからの信号により、特定領域15への入球が生じたか否かを判定する。肯定判定の場合(S545:Yes)には、特定領域入球フラグをセット(S550)し、S555に移行する。否定判定の場合(S545:No)には、S555に直行する。
S555では、第2大入賞口21に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合(S555:Yes)には、S565に移行し、否定判定の場合(S555:No)には、S560に移行する。S560では、第2大入賞口21の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には(S560:No)、当処理を終了する。肯定判定の場合(S560:Yes)には、S565に移行し、第2大入賞口21を閉鎖させる第2大入賞口閉鎖処理を実行する。第2大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第2大入賞口が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS570では大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。
一方、第1大入賞口20の開放中に移行するS575では、第1大入賞口20に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合(S575:Yes)には、S585に移行し、否定判定の場合(S575:No)には、S580に移行する。S580では、第1大入賞口20の開放時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には、本処理を終了する。肯定判定の場合(S580:Yes)には、S585に移行し、第1大入賞口20を閉鎖させる第1大入賞口閉鎖処理を実行する。第2大入賞口閉鎖処理では、サブ統合制御装置83に対し、第1大入賞口が閉鎖された旨を示すコマンド(閉鎖コマンド)の送信も行われる。続くS590で、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、当処理を終了する。
各ラウンドのインターバル中に移行するS600(図14)では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、否定判定の場合(S600:No)には、当処理を終了する。肯定判定の場合(S600:Yes)には、S605に移行し、開放カウンタが大当りラウンド数に到達しているか否かを判定する。例えば、当該大当りが8ラウンド大当りであれば、開放カウンタが8か否かを判定し、15ラウンド大当りであれば、開放カウンタが15か否かを判定する。肯定判定の場合(S605:Yes)には、S610に移行し、否定判定の場合(S605:No)には、S620に移行する。S610では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし(S615)、当処理を終了する。
一方、S620では、開放カウンタに基づき、現在のラウンド数が7か否かを判定する。肯定判定の場合(S620:Yes)には、S625に移行し、第1大入賞口20を開放させる第1大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S630)、当処理を終了する。S620が否定判定された場合には、S635に移行し、第2大入賞口21を開放させる第2大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし(S640)、当処理を終了する。
なお、第2大入賞口21の開閉と同期して振分け装置13を駆動し、第2大入賞口21の開放時に確変口15への入球が可能な状態としても良い。また、これに限らず、ロングパターンの場合には、第2大入賞口21の開閉と同期して振分け装置13を駆動するが、ショートパターンの場合には、振分け装置13を駆動しない構成としても良い。これにより、ショートパターンの場合には、確変機能が作動しないようにすることができる。
大当り遊技の終了演出中に移行するS645(図15)では、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、否定判定の場合には、当処理を終了する。肯定判定の場合(S645:Yes)には、S650に移行し、役物連続作動装置を停止させ、続くS655にて条件装置を停止させ、S660に移行する。S660では、特定領域入球フラグが1(特定領域入球フラグがセットされている)か否かを判定する。肯定判定の場合(S660:Yes)には、S665に移行し、当り図柄に応じて先に決定された確変回数と時短回数を設定する。そして確変フラグと時短フラグをセットする(S670)と共に、特定領域入球フラグをクリア(S675)し、S695に移行する。
S660が否定判定された場合には、S680にて、大当り遊技の終了後に時短状態となるか否かを判定する。否定判定の場合には(S680:No)、S695に直行する。肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に移行し、当り図柄に応じて先に決定された時短回数を設定する。そして時短フラグをセットし(S690)、S695に移行する。S695では、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信し、続くS700にて大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドとを送信し、当処理を終了する。
パチンコ機50にて行われる予告演出は4組のグループに分けられている。これについて図16(a)を用いて説明する。グループAは達吉表情予告であり、予告演出A〜Cの3種類の予告からなる。予告演出Aは図17(b)に示すようなもので、メイン演出表示装置6の右上に笑顔のキャラクタ(熊の達吉)が表示される。なお、図示はしないが、予告演出B、Cではキャラクタの表情が予告演出Aとは異なっている。これらの違いは大当りになる期待度を表しており、予告演出Aが最も大当りになる可能性が高く、予告演出Cが大当りになる可能性が最も低く設定されている。また、予告演出なしの場合であってもキャラクタ91はメイン演出表示装置6の右上に表示されるが、この場合は、図17(a)に示すようにキャラクタは無表情となる。なお、符号92は特別図柄の演出図柄、符号93は保留記憶の数を示す保留図柄である。
グループBはカットイン予告であり、予告演出D〜Fの3種類の予告からなる。この内、予告演出Dは図17(c)に示すようなもので、メイン演出表示装置6の右上に格闘家95の画像がカットインされる。なお、図示はしないが、予告演出E、Fではカットインの形や格闘家のセリフが予告演出Dとは異なり、メイン演出表示装置6の上に格闘家やセリフが表示される点で共通している。これらの違いにより、大当りになる期待度を表している。グループAとグループBは何れもメイン演出表示装置6の右上を用いる演出表示であるため、グループAとグループBを同時に行なうのは困難である。
グループCは先読み保留予告であり、予告演出G〜Iの3種類の予告からなる。この内、予告演出Gは図18(a)に示すようなもので、メイン演出表示装置6の左下に表示される保留図柄93が星付の保留図柄96になる。予告演出H、Iでは星付の保留図柄96が表示されない点で予告演出Gとは異なるが、通常の保留図柄93とは異なる保留図柄が表示される点で共通している。これらの違いにより、大当りになる期待度を表している。先読み保留予告は後述するグループDも含め、メイン演出表示装置6の画面上で位置的な干渉を受けない予告演出であるため、いずれのグループの予告演出が行われる場合(または既に行われている場合)でも実行される予告演出となっている。
グループDは流れ星予告であり、予告演出J〜Lの3種類の予告からなる。この内、予告演出Jは図18(b)に示すようなもので、メイン演出表示装置の上部を右から左へ星97が流れる。予告演出K、Lでは星の数が予告演出Jとは異なるが、何れも星が流れる点で共通している。これらの違いにより大当りになる期待度を表している。流れ星予告は画面の上部で行われる予告演出であるため、いずれのグループの予告演出が行われる場合(または既に行われている場合)でも実行可能な予告演出となっている。グループCとの違いは、グループAとグループBを組み合わせて実行すると決定された時に、グループBに替わって実行される点である。すなわち、演出の実行判定でグループAとグループBを行なうと判定された場合に、実行される演出はグループAとグループDとなる。なお、演出の実行判定でグループAとグループBを行なう、と決定されなくてもグループDが実行される場合がある。なお、なぜグループAとBを同時に行なわないようにしたかについては、本実施例ではグループAの達吉表情予告とグループBのカットイン予告は演出表示領域が被っており、同時に行なうと各々の期待度が表現できなくなるためである。特に達吉表情予告は、予告が無い場合でも表示されている達吉を用いた予告であるため、グループAの方を残し、グループBを達吉表情予告と演出表示領域がほぼ被らないグループDの流れ星予告に替えることとした。図18(b)は、予告演出Jが単独で実行された様子を示している。また、グループBは、単独、グループCとの組み合わせ、グループDとの組み合わせ、もしくはグループC、グループDとの組み合わせで実行される演出となる。このようにグループA〜Dのいずれのグループを実行するかを決定する処理が「第1決定手段」に相当し、各予告演出(予告演出A、予告演出D、予告演出G、予告演出Jなど)を実行する処理が「第2決定手段」に相当する。
以上の様に構成されたパチンコ機50によれば、同時に予告演出を行なうのが困難な組み合わせ(グループAとグループB)が決定された際には、その場合にしか実行されない予告演出(グループD)に替えるので、好適に演出を実行することができる。
なお、グループDの予告演出を、グループBと類似するものに替えても良い。その一例を図19に示す。この例では、流れ星予告に替えて格闘家98が小さく表示される。こうすると、同時に実行が困難な予告演出を回避するだけでなく、グループB(カットイン予告)と同様、格闘家がメイン演出表示装置6に表示されるという類似性のある予告演出が行われることになるので、カットイン予告の発生に近い期待感を遊技者に抱かせることができる。このように、そのままではグループAと表示領域が被ってしまうグループBの予告演出をグループDに替えることにより同時に表示できるようすることができる。また、替える際は、グループBの予告演出Dが選択されていた場合は、グループDの予告演出Jが選択されるように、予めグループBとグループDの予告演出が対応しているようにすることが考えられる。グループを替えても期待度の報知内容は維持するため、予告演出として期待度の統一性が図れる。
ここで本実施例の構成と、本発明または参考例の構成要件との対応関係を示す。第1始動口11または第2始動口12への入球が「予め定められた遊技条件」に相当し、メイン演出表示装置6が「第1の画像表示装置」に相当、サブ演出表示装置7が「第2の画像表示装置」に相当し、S110の処理が「保留記憶手段」に相当し、S115の処理が「先読み手段」に相当し、S240の処理が「当否判定手段」に相当し、S285の処理が「当否報知手段」に相当する。
[参考態様1]
本発明の参考態様1について説明する。なお、本参考態様は第1実施例と共通点が多いため、相違点を中心に説明する。参考態様1のパチンコ機50にて行われる予告演出も4組のグループに分けられている。これについて図20(a)に示す。第1実施例との違いは、グループDが、グループBの代替え表示専用となっている点である。すなわち、グループDは演出の実行判定でグループAとグループBを行なうと判定された場合にのみ実行されるものであり、図18(b)に示したような、グループDの予告演出が単独で実行されることは本参考態様ではありえない。なお、グループBは単独もしくはグループCとの組み合わせで実行される演出となる。グループDは流れ星予告ではなく、セリフ予告となっており、予告演出M〜Oの3種類の予告からなる。この内、予告演出Mが予告演出Aとともに実行された様子を図20(b)に示す。メイン演出表示装置6の左上に吹き出しとともにセリフ99が表示される。図示はしないが、予告演出N、Oでは吹き出しの形やセリフの内容が予告演出Mとは異なり、これらの違いにより大当りになる期待度を表している。
以上の様に構成されたパチンコ機50によれば、同時に予告演出を行なうのが困難な組み合わせ(グループAとグループB)が決定された際には、その場合にしか実行されない予告演出(グループD)に替えるので、好適に演出を実行することができる。また、本参考態様ではグループDは、グループAとグループBが決定された際にのみ見られる専用の予告演出となる。これにより、グループDを、グループAやグループCの出現頻度などに影響を与えることがないレアな演出とすることができる。しかも、グループDはセリフを付加するという、グループAの達吉表情予告と関連する予告であるので、グループAの予告演出がグレードアップした(キャラクタ91がしゃべった等)演出とすることができる。このように、グループBの代替えとしてグループDを用いるという考え方以外にも、グループAとグループBの組み合わせの場合はグループAの予告演出を発展させるためのグループDを用いるという考え方も内包する演出となる。
[参考態様2]
本発明の参考態様2について図21を用いて説明する。なお、本参考態様も第1実施例と共通点が多いため、相違点を中心に説明する。参考態様2のパチンコ機50にて予告演出を行なうか否かを判定する際には、図21に示すように最高3回の抽選を行なう。そして1回目の抽選(第1抽選)では、カテゴリAの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリAは、先読み演出となっている。カテゴリAの予告演出を行なうと判定された場合は、先読み演出のみを行なう。なお、本参考態様ではカテゴリと表現しているが、実施例1や2のようにグループと表現しても差し支えない。
カテゴリAの予告演出を行なわないと判定された場合は、第2抽選を行なう。第2抽選では、カテゴリBの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリBは、メイン演出表示装置6(図21では「メイン液晶」と表記)の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリBの予告演出を行なうと判定された場合は、メイン演出表示装置6の画面上の予告演出のみを行なう。なお、「メイン演出表示装置6の画面上の予告演出」においては、同時にサブ演出表示装置7を使用するものであっても良い(以下に示す例でも同様)。メイン演出表示装置6とサブ演出表示装置7を同時に使用する予告演出の例を図22(a)に示す。また、同時に使用する方法として、1つの予告表示内容をメイン演出表示装置6とサブ演出表示装置7とで表示することが考えられる。遊技機にある全ての演出表示装置を用いて1つのものを表示するため最も迫力のある表示内容とすることができる。
図21に戻る。カテゴリBの予告演出も行なわないと判定された場合は、第3抽選を行なう。第3抽選では、カテゴリCの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリCは、サブ演出表示装置7(図21では「サブ液晶」と表記)の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリCの予告演出を行なうと判定された場合は、サブ演出表示装置7の画面上での予告演出のみを行なう。カテゴリCの予告演出も行なわないと判定された場合は、予告演出は行わない。なお、「サブ演出表示装置7の画面上の予告演出」においては、同時にメイン演出表示装置6を使用することはない(以下に示す例でも同様)。以上の様に実行する予告演出(先読み演出を含む)を決定する処理が「予告決定手段」に相当する。
この様にパチンコ機50では、複数の変動を跨いで行われる先読み演出を行なうか否かを優先的に決定し、次に液晶画面が大きく、大掛かりな演出が可能なメイン演出表示装置6の画面上の予告演出を行なうか否かを決定し、これら何れも行わないときに、サブ演出表示装置7の画面上の予告演出を行なうか否かを決定する。従って、予告演出の重要度や、演出力の高さの順序で抽選することができる。なお、本参考態様では、予告演出を行わないと判定した時に次の判定に行く構成で説明したが、あくまで予告演出決定の優先順位として用いても良い。カテゴリAのように優先度の高い演出を最初に決定し、その選ばれた演出と複合が可能な予告演出だけでカテゴリB、Cを順に判定していくようにすれば、複合可能な予告演出を備えた遊技機で利用することができる。
また、カテゴリAの予告演出を行うと判定した場合は、カテゴリBの判定を行なわずにカテゴリCの判定を行なうといったことも考えられる。実施例1や2のように、カテゴリCの予告演出をカテゴリBの予告演出の代替えのようにすることができる。
[実施例2]
本発明の第2実施例について図23を用いて説明する。なお、本実施例は参考態様2と共通点が多いため、相違点を中心に説明する。第2実施例のパチンコ機50では、先読み演出をメイン演出表示装置6で行うものだけでなく、サブ演出表示装置7においても行なう。そして予告演出を行なうか否かを判定する際には、図23に示すように最高4回の抽選を行なう。第1抽選では、カテゴリAの予告演出を行なうか否かを判定する。第2実施例におけるカテゴリAは、メイン演出表示装置6の画面上で行なう先読み演出となっている。カテゴリAの予告演出を行なうと判定された場合は、メイン演出表示装置6の画面上で行なう先読み演出のみを行なう。
カテゴリAの予告演出を行なわないと判定された場合は、第2抽選を行ない、カテゴリBの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリBは、サブ演出表示装置7の画面上で行なう先読み演出となっている。カテゴリBの予告演出を行なうと判定された場合は、サブ演出表示装置7の画面上で行なう先読み演出のみを行なう。図22(b)にサブ演出表示装置7の画面上で行なう先読み演出のみが行なわれた様子を示す。メイン演出表示装置6では、先読み演出だけでなく、一切の予告演出が行なわれていないが、サブ演出表示装置7では保留図柄96が他の保留図柄とは異なる色で表示される先読み演出が行なわれている。
図23に戻る。カテゴリBの予告演出も行なわないと判定された場合は、第3抽選を行ない、カテゴリCの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリCは、メイン演出表示装置6の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリCの予告演出を行なうと判定された場合は、メイン演出表示装置6の画面上でのみ予告演出を行なう。
カテゴリCの予告演出も行なわないと判定された場合は、第4抽選を行ない、カテゴリDの予告演出を行なうか否かを判定する。カテゴリDは、サブ演出表示装置6の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリDの予告演出を行なうと判定された場合は、サブ演出表示装置7の画面上で行なう予告演出のみを行なう。カテゴリDの予告演出も行なわないと判定された場合は、予告演出は行わないことになる。以上の様に実行する予告演出(先読み演出を含む)を決定する処理も「予告決定手段」に相当する。
以上の様に構成されたパチンコ機50によれば、先読み演出に関しても、メイン演出表示装置6で行われるものを優先して実行の可否を決定していくことができる。なお、参考態様2にも言えるが、なぜ先読み演出を優先するかは、先読み演出の特性上、複数変動に渡る演出を行うものである点、複数変動に渡るため、途中で中止することができない点があることから、優先して判定する必要があるためである。
また、先読み演出が実行中である場合は、この判定も行なわれないことになる。連続演出中は毎変動カテゴリAで予告演出を行うと判定されているようなものであるためである。
[他の参考態様]
本発明の参考態様について図24(a)を用いて説明する。なお、本参考態様も参考態様2と共通点が多いため、相違点を中心に説明する。本参考例のパチンコ機50にて予告演出を行なうか否かを判定する際には、最高3回の抽選を行なう。そしてカテゴリAはサブ演出表示装置7の画面上で行なう予告演出、カテゴリBは、メイン演出表示装置6の画面上で行なう予告演出、カテゴリCは、先読み演出となっている。つまり、判定の順序が参考態様2の逆となっている。
以上の様に構成されたパチンコ機50によれば、サブ演出表示装置7の画面上で行なう予告演出を最も優先的に行う遊技構成とすることができる。このようにすることにより、メイン演出表示装置6では変動演出を楽しませ、サブ演出表示装置7では予告を楽しませるという、各々の演出を別の演出表示装置で行なうことにより、お互いを干渉させずに演出できる遊技性とすることができる。
予告演出を行なうか否かの判定を図24(b)のようにしてもよい。図24(b)においても、参考態様2と同様、最高3回の抽選を行なう。ここでカテゴリAは、メイン演出表示装置6の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリAの予告演出を行なうと判定された場合は、サブ演出表示装置7の画面上で行なう予告演出のみを行なう。
カテゴリAの予告演出を行なわないと判定された場合は、第2抽選を行ない、カテゴリBの予告演出を行なうか否かを判定する。ここでカテゴリBは、サブ演出表示装置7の画面上で行なう予告演出となっている。カテゴリBの予告演出を行なうと判定された場合は、サブ演出表示装置7の画面上でのみ予告演出を行なう。
カテゴリBの予告演出も行なわないと判定された場合は、第3抽選を行ない、カテゴリCの予告演出を行なうか否かを判定する。ここでカテゴリCは、先読み演出となっている。カテゴリCの予告演出を行なうと判定された場合は、先読み演出を行なう。カテゴリCの予告演出も行なわないと判定された場合は、予告演出は行わないことになる。
以上の様に構成されたパチンコ機50によれば、先読み演出を最後に決定し、他の予告演出を優先的に行なう遊技構成とすることができる。これは、例えば先読み演出で表示する保留図柄を、実行中の他の予告演出に対応したもの(例えば予告演出Aのキャラクタ)にする際に有効である。
本発明は、封入式のパチンコ機にも適用することができる。封入式のパチンコ機では遊技球を払い出さずに、賞球数に対応する数値データを遊技者に付与する。そして、発射に用いる遊技球を遊技機内で循環して繰り返し用いるように構成されるのが一般的である。また、サブ統合制御装置83は、スピーカ30や各種LED、ランプ31をも制御するものとして構成されていたが、これらを個別に制御する複数のサブ制御装置として構成し直してもよい。なお、上記で説明してきたグループやカテゴリ内容は、遊技状態や演出モード(遊技状態は変化しない)によって異なるグループ、カテゴリに変化させたり、優先順位を変化させたりしてもよい。遊技状態や演出モードによっては先読み演出が優先されたり、代替え演出が発生したり、少なくとも3つのグループ、カテゴリがあれば、その組み合わせや優先順位の変化により、多様な出現率、組合せを生じさせることができ、予告演出を充実させることができる。
例えば時短状態など特図の平均変動時間が短い状態の時はグループ、カテゴリの判定数を減らしたり、先読み演出を優先するようにすれば、短い変動時間でも複数の変動に渡って演出できる先読み演出をメインに据えて演出していくことができる。
また、同じグループやカテゴリに属していた予告演出が、遊技状態や演出モードによって異なるグループ、カテゴリに属するように変化する事も考えられる。例えば、特定の演出モードの時だけ出現率を高くしたければ、優先度の高いグループ、カテゴリに属させれば出現率を高くできたり、その演出モードに合った予告演出以外はグループやカテゴリから外して判定すれば演出モードと統一感を持たせることができるようになる。
また、予告演出として演出表示装置で表示されるもののみで説明したが、演出用可動物や効果音などもグループ化、カテゴリ化してもよい。
このように、本発明は多数の予告演出を備えた場合、予告演出をグループ化、カテゴリ化することにより、大きな枠組みから予告演出の選定ができ、製作側の負担も軽減することができる。
また、本発明は、パチンコ機以外の遊技機に適用することもできる。当否判定から所定時間後に該当否判定の結果を遊技者に告知する遊技機であって、複数の予告演出を実行可能な遊技機(例えば回胴式遊技機)であれば、適用することができる。