JP6684550B2 - 支柱用基礎 - Google Patents
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Description
基台は、ブロック状のプレキャストコンクリート部材で構成してあり、スラブの上の所定位置に配置して、その周りにコンクリートを打設して一体に固定するものである。
また、中継部は、支柱の下端部を挿入できる挿入孔と、その側方に上下貫通状態に設けられたボルト挿通孔とを備え、基台に埋設されたアンカーボルトをボルト挿通孔に挿通してナットを締め付けて基台に固定されるものである。
従って、支柱用基礎の設置間隔、及び、手摺の支柱間隔が、完全に一致しないと、何れかの支柱が挿通孔に入らず、設置できなくなるから、支柱用基礎の位置出しを含む設置作業は、高い精度が要求され、極めて時間と手間が掛かるものとなっている。
また、支柱用基礎の設置において高い精度が確保されたにしても、手摺そのものの製造誤差で、支柱間隔が不揃いになっていることも考えられる。
その結果、基台に対する支柱の固定位置は、第1スライド支持機構の回転軌跡上の平面範囲内の任意の位置に設定できるようになる。
よって、基台の設置位置の精度を高めなくても、確実に支柱を所定位置に支持固定できるようになり、支柱用基礎の設置作業の効率向上を図ることができる。
その結果、支柱間隔に誤差を含んでいるような手摺等であっても、その支柱間隔の誤差を中継部材で吸収して、手間をかけずに支柱を所定の位置に立設できるようになる。
また、支柱が例えば角柱であって、外周面の方向を変えない(柱軸芯周りの回転角を変更しない)状態で平面的な軸芯位置の変更を行う必要があるような場合でも、第1スライド支持機構と回転支持機構と第2スライド支持機構とを使用することで、支柱の芯合わせと面方向合わせとを簡単に行うことができる。
また、回転支持機構は、凹部と凸部との嵌合構造によって構成してあるから、構造が簡単な上、基台と第1支持部材との連結の際に、位置合わせをより迅速に且つ簡単に実施できる。
更には、凹部と凸部との嵌合構造は、水平力の作用に対して横ずれし難いから、互いの連結強度も高く維持できる。
即ち、中継部は、平面視において、全周にわたって外周部が立上り部より基台の立上り部より外側に張り出しているから、直接的に雨水が立上り部にかかるのを防止できる。更には、中継部の上から外周部を伝って落下する水は、垂下筒部によって、直下方向に案内されるから、中継部の下面側に回り込んで立上り部と防水層との間に浸入することを防止できる。よって、支柱用基礎の設置部における所定の防水性を確保することができる。
よって、より安定した状態で支柱を支持することができる。
当該実施形態においては、屋上スラブRには、予め、上面に沿って防水シート2が敷設してあり(図1、図2参照)、基礎1は、防水シート2の上に載置した状態でボルト3で屋上スラブRに固定してある。
尚、当該実施形態においては、支柱PAは、金属製の手摺Pの一部材として構成してある。具体的には、手摺Pは、所定の支柱間隔をあけて隣接する金属製の角筒部材で形成してある支柱PAと、それら支柱PAにわたって一体に固着された金属製の横桟PBとを設けて構成してある(図3参照)。
上端の閉塞部5Aは、平面視での中央部に、中継部1Bを取り付ける第2ボルト9を螺合させる雌ネジ部5aが形成してあり、平面視での外周部は、上方に立ち上がらせた円筒部5bが設けられている。従って、この円筒部5bによって、基台1Aの縦軸芯X方向の上方に開口する凹部6が構成されている。
凹部6と凸部7aと第2ボルト9とによって、中継部1Bを縦軸芯X周りに回転させて位置変更自在に固定することができで、この凹部6と凸部7aと第2ボルト9とによって回転支持機構Kが構成されている。
基礎1周りの止水性を向上させるために、図1、図2に示すように、防水シート2の上面から基台1Aのベース部4と立上り部5を覆う状態に防水パッチ2Aが設置されているが、この箇所で屋上スラブRへの漏水を生じ難くするために、垂下筒部7fが寄与している。
即ち、雨水が、第1支持部材7の下面を伝って防水パッチ2Aの上端部における立上り部5との隙間に浸入するのを、垂下筒部7fによる下方への誘導作用によって防止し易くしている。
アリ溝7cと第1ボルト10とを備えて第1スライド支持機構S1が構成されている。
従って、凹み部7eに遊嵌状態で位置する支柱PAの基端部Paは、第2支持部材8に追従して平面視での縦横に移動できる。
この第1ボルト挿通孔8dは、図1、図3、図4に示すように、長穴として構成してある。
即ち、長穴は、平面視において、第1スライド支持機構S1を構成するアリ溝7cの長手方向に交差する方向に沿った長径を備えている。
前記第1ボルト挿通孔8dと第1ボルト10とを備えて第2スライド支持機構S2が構成されている。
切欠き溝8eによれば、第2支持部材8を第1支持部材7に固定した状態で、柱挿通孔8aと第1ボルト挿通孔8dとを外部空間に連通させることができ、柱挿通孔8aや第1ボルト挿通孔8d内に浸入した雨水を、切欠き溝8eを通して外部空間に誘導して排出することが可能となる。
具体的には、図3に示すように、回転支持機構Kによって第1支持部材7を縦軸芯X周りに回転させると共に、第1スライド支持機構S1によって第2支持部材8をアリ溝7cの長手方向に沿ってスライド移動させ、第2スライド支持機構S2によって第2支持部材8と支柱PAとを第1ボルト挿通孔8dの長径方向に沿ってスライド移動させることで、支柱PAの立設位置、及び、外周面の向く方向の調整を図っている。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、支持する支柱PAは、先の実施形態で説明した4角筒部材で構成してあるものに限らず、他の多角形筒部材で構成してあったり、円筒部材で構成してあってもよい(図11、図12参照)。
また、それら筒部材に限らず、内空部が埋まった多角形柱部材や円柱部材で構成してあってもよい。
また、中継部1Bと嵌合する部分と、それより上方部分との横断面形状が異なっているものであってもよい。具体例としては、図11に示すように、中継部1Bと嵌合する部分の外形が円形断面で、それより上方部分の外形が矩形断面であってもよい。また、中継部1Bと支柱PAとの嵌合部分は、中継部1Bの柱挿通孔8aに支柱PAを挿通させる構造の他、例えば、図12に示すように、中継部1Bにボス部7gを形成して、このボス部7gに支柱PAの下端部を外嵌させる構造であってもよい。
尚、支柱PAと中継部1Bとの嵌合部分が、図11、図12に示すように、平面視で円形となるように形成してあれば、支柱軸芯周りに相対回転させることができ、支柱PAの外周面の向く方向を簡単に調整することが可能となる。
また、支柱用基礎1を構成する基台1Aや中継部1Bは、先の実施形態で説明した形状に限るものではなく、適宜、変更することができる。
また、二部材で構成する場合であっても、第1支持部材7の上に第2支持部材8が重なる構造に限らず、例えば、図12に示すように、第2支持部材8の上に第1支持部材7が重なる構造であってもよい。この場合は、下方から上方へ回転支持機構K、第2スライド支持機構S2、第1スライド支持機構S1の順で配置されている。
また、回転支持機構Kや第1スライド支持機構S1や第2スライド支持機構S2の詳細構造や、上下配置関係も、適宜、変更することができる。
例えば、スライド支持機構としては、アリ溝に替えて長穴で構成したり、長穴に替えてアリ溝で構成したり、又は、他の公知のスライド支持機構を採用するものであってもよい。
この実施形態においては、主に、第1支持部材7と、その第1支持部材7を支持する基台1Aの上端部とが、先の実施形態と異なった構造に形成されている。
この垂下筒部7fは、基台1Aに第1支持部材7を連結した状態で、立上り部5より径方向での外径側に位置するように形成されている。従って、第1支持部材7に雨水等が掛かって下方に伝って落下する際に、垂下筒部7fを伝うことで直下方向へ誘導することができ、立上り部5の上端部における防水パッチ2Aとの接合部に水が浸入するのを防止し易くしている。
このボルト挿通孔17Cは、両端部17Bのうちで、前記中間部17A側に近接した位置に設けられており、挿通させた第1ボルト10を、ボルト挿通孔17Cの長径方向に沿ってスライドさせることができる。
第1ボルト10は、下端部側に拡径頭部10aが位置する状態で下方から上方に挿通される。前記両端部17Bの下面には、前記ボルト挿通孔17Cを挟んだ両側に、それぞれ下方に突出したリブ18が設けられている。
従って、第1支持部材7におけるボルト挿通孔17C周りの部分を、両リブ18によって補強することができる。
第1支持部材7のなかでも、幅寸法が変化する部分には、応力集中が生じ易いから、その部分に、高さの大きい前記一方のリブ18aを配置してあることで、第1支持部材7の応力バランスを平均化することができる。
また、特に第1支持部材7に関しては、薄型設計の単純な形状でありながら、高強度が得られ、経済性の向上や、取扱性の向上を図ることができる。
1B 中継部
5 立上り部
5a 雌ネジ部
6 凹部
7 第1支持部材
7a 凸部
7b 第2ボルト挿通孔
7f 垂下筒部
8 第2支持部材
8a 角型挿通孔(柱挿通孔)
8c 固定用雄ネジ部材(ネジ部材)
8d 第1ボルト挿通孔
9 第2ボルト
10 第1ボルト
10b ナット
K 回転支持機構
PA 支柱
Pa 基端部
R 屋上スラブ(支柱設置下地の一例)
S1 第1スライド支持機構
S2 第2スライド支持機構
X 縦軸芯
Claims (4)
- 支柱設置下地に設置自在な基台と、
前記基台とその上方に立設する支柱とを連結する中継部と、
前記中継部を前記支柱に対して縦軸芯周りに回転させて位置変更自在に固定する回転支持機構と、を備え、
前記中継部は、前記基台の上に支持される第1支持部材と、前記支柱の基端部を支持すると共に、前記第1支持部材の上に支持され、前記支柱を挿通支持する柱挿通孔が上下に貫通する状態で形成された第2支持部材と、前記第2支持部材に設けられ、前記柱挿通孔に挿通された前記支柱を締め付け固定するネジ部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材とに亘って設けられ、前記第2支持部材を前記第1支持部材に対して平面視で一方向に沿って位置変更自在に固定する第1スライド支持機構と、前記第1支持部材と前記第2支持部材とに亘って設けられ、前記第2支持部材を前記第1支持部材に対して前記一方向と交差する方向に沿って位置変更自在に固定する第2スライド支持機構と、を備え、
前記第1スライド支持機構は、前記第1支持部材のうち、前記支柱を取り付けた前記第2支持部材を前記第1支持部材に取り付けた状態において平面視で前記支柱を挟んで前記一方向と交差する方向における左右両側に位置する部分から、前記一方向に沿ってスライド可能な状態で、上方に向けて立設された左右の第1ボルトを備え、
前記第2スライド支持機構は、前記第2支持部材のうち、平面視で前記柱挿通孔を挟んで前記一方向と交差する方向における左右両側に位置する部分に、上下方向に沿う状態で貫通するとともに平面視で前記一方向と交差する方向に沿って延びるように形成され、前記左右の第1ボルトの夫々を挿通可能な左右の前記第1ボルト挿通孔と、前記左右の第1ボルト挿通孔を貫通した状態で端部にナットが締結される前記左右の第1ボルトと、を備え、
前記回転支持機構は、前記基台に前記縦軸芯に沿う状態で設けられた雌ネジ部と、前記第1支持部材のうち、前記支柱を取り付けた前記第2支持部材を前記第1支持部材に取り付けた状態において平面視で前記柱挿通孔と重複する部分に形成された第2ボルト挿通孔と、前記第1支持部材の上方から前記第2ボルト挿通孔を通され、前記雌ネジ部に締結される第2ボルトと、を備えている支柱用基礎。 - 前記回転支持機構は、前記基台と前記第1支持部材との一方に設けられて前記縦軸芯方向に開口している円筒状の凹部と、前記基台と前記第1支持部材との他方に設けられて前記凹部に内嵌自在な円柱状の凸部と、を備えて構成してある請求項1に記載の支柱用基礎。
- 前記基台は、柱状の立上り部を備え、
前記中継部は、平面視において、全周にわたって外周部が前記立上り部より外側に張り出す状態に形成してあり、且つ、前記基台との連結状態で、前記立上り部の上端部において外周側に位置する垂下筒部を備えている請求項1または2に記載の支柱用基礎。 - 前記基台の柱状の立上り部は、円柱形状である請求項1〜3の何れか一項に記載の支柱用基礎。
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