最初に、図1を参照して投影露光系1の基本的な構成部分を下記で説明する。
下記で行う下位系への投影露光系1の再分割は、主として投影露光系1の概念の区別に寄与する。これらの下位系は、別々の構造的下位系を形成することができる。しかし、下位系への分割は、必ずしも構造的区別に反映する必要はない。
投影露光系1は、放射線源モジュール2と複数のスキャナ3iとを含む。
放射線源モジュール2は、照明放射線5を発生させるための放射線源4を含む。
放射線源4は、特に自由電子レーザ(FEL)である。非常に高い輝度を有するコヒーレント放射線を発生させるシンクロトロン放射線を利用した放射線源を含めることができる。一例として、そのような放射線源に関しては、US 2007/0152171 A1及びDE 103 58 225 B3を参照されたい。
放射線源4は、例えば、1kWから25kWの範囲の平均電力を有する。放射線源4は、10MHzから10GHzの範囲のパルス周波数を有する。各個々の放射線パルスは、例えば、83μJのエネルギに達することができる。100fsの放射線パルス長が与られると、これは、833MWの放射線パルス電力に対応する。
放射線源4は、キロヘルツ範囲、例えば、100kHz、低域メガヘルツ範囲、例えば、3MHz、中間域メガヘルツ範囲、例えば、30MHz、高域メガヘルツ範囲、例えば、300MHz、又はギガヘルツ範囲、例えば、1.3GHzの繰り返し速度を有することができる。
放射線源4は、特にEUV放射線源である。放射線源4は、特に例えば2nmと30nmの間、特に2nmと15nmの間の波長範囲のEUV放射線を放出する。
放射線源4は、照明放射線5を生ビーム6の形態で放出する。生ビーム6は非常に小さい発散を有する。生ビーム6の発散は、10mradよりも小さく、特に1mradよりも小さく、特に100μradよりも小さく、特に10μradよりも小さいとすることができる。位置関係の説明を容易にするために、下記では直交xyz座標系の座標を使用する。通常、x座標はy座標と共に照明放射線5のビーム断面を張る。z方向は、通常は照明放射線5の放射線方向に延びる。物体平面21及び像平面24それぞれの領域内では、y方向は走査方向と平行に延びる。x方向は、走査方向と垂直に延びる。生ビーム6は、放射線源4によって特定の方向に放出される。以下では、そのような方向は指向Pとも呼ばれる。
生ビーム6は、0.1mm2よりも小さく、特に0.01mm2よりも小さいエタンデュを有することができる。エタンデュは、放射線源2によって放出される照明放射線5のエネルギのうちの90%を含む位相空間の最小体積である。それに対応するエタンデュの定義は、例えば、EP 1 072 957 A2及びUS 6 198 793 B1に見出すことができる。
放射線源モジュール2は、放射線源4の下流に配置されたビーム成形光学ユニット7を含む。ビーム成形光学ユニット7は、生ビーム6から集合出力ビーム8を発生させるように機能する。集合出力ビーム8は非常に小さい発散を有する。集合出力ビーム8の発散は、10mradよりも小さく、特に1mradよりも小さく、特に100μradよりも小さく、特に10μradよりも小さいとすることができる。
特に、生ビーム6又は集合出力ビーム8の直径に対して、ビーム成形光学ユニット7を用いて影響を及ぼすことができる。特に、ビーム成形光学ユニット7を用いて生ビーム6の拡大をもたらすことができる。生ビーム6は、ビーム成形光学ユニット7を用いて、特に少なくとも1.5倍、特に少なくとも2倍、特に少なくとも3倍、特に少なくとも5倍、特に少なくとも10倍だけ拡大することができる。拡大率は、特に1000よりも小さい。生ビーム6を異なる方向に異なる広がりに拡大することができる。特に、生ビーム6は、y方向よりもx方向に大きい広がりに拡大することができる。この場合に、物体視野11iの領域内のy方向は走査方向に対応する。集合出力ビーム8の発散は、生ビーム6の発散よりも小さく、特にその半分よりも小さいとすることができる。
ビーム成形光学ユニット7の更なる詳細に関しては、引用によって本出願に組み込まれているDE 10 2013 223 935.1を参照されたい。ビーム成形光学ユニット7は、特に、2つのミラーを各々が有する1つ又は2つのビーム成形ミラー群を含むことができる。ビーム成形ミラー群は、特に、集合出力ビーム8の伝播方向と平行に延びる互いに垂直な平面内の集合出力ビーム8のビーム成形に寄与する。
ビーム成形光学ユニット7は、更なるビーム成形ミラーを含むことができる。
ビーム成形光学ユニット7は、特に円柱ミラー、特に少なくとも1つの凸円柱ミラーと少なくとも1つの凹円柱ミラーとを含むことができる。ビーム成形光学ユニット7は、自由曲面プロファイルを有するミラーを含むことができる。そのようなミラーは、各場合に円錐形として表すことができない高さプロファイルを有する。
更に、生ビーム6の強度プロファイルに対して、ビーム成形光学ユニット7を用いて影響を及ぼすことができる。
更に、放射線源モジュール2は、ビーム成形光学ユニット7の下流に配置された出力結合光学ユニット9を含み、この出力結合光学ユニット9に対しては下記でより詳細に説明する。出力結合光学ユニット9は、集合出力ビーム8から複数、すなわち、n個の個々の出力ビーム10i(i=1からn)を発生させるように機能する。個々の出力ビーム10iは、各場合に物体視野11iを照明するためのビームを形成する。個々の出力ビーム10iは、各場合にスキャナ3iのうちの1つに割り当てられる。個々の出力ビーム10iのビームは、各場合に複数の別々の部分ビーム12iを含むことができる。
放射線源モジュール2は、特に、退避可能(evacuatable)ハウジングに配置される。
スキャナ3iは、各場合にビーム案内光学ユニット13iと投影光学ユニット14iを含む。
ビーム案内光学ユニット13iは、照明放射線5、特にそれぞれの個々の出力ビーム10iを個々のスキャナ3iの物体視野11iに案内するように機能する。
投影光学ユニット14iは、各場合に物体視野11iのうちの1つの中に配置されたレチクル22iを像視野23i内、特に像視野23iに配置されたウェーハ25i上に結像するように機能する。
ビーム案内光学ユニット13iは、照明放射線5のビーム経路の順序で各場合に偏向光学ユニット15i、入力結合光学ユニット16i、及び照明光学ユニット17iを含む。入力結合光学ユニット16iは、特にウォルタータイプIIIコレクターとして具現化することもできる。
偏向光学ユニット15iは、出力結合光学ユニット9内に組み込むことができる。出力結合光学ユニット9は、特に個々の出力ビーム10iを望ましい方向に予め偏向するように具現化することができる。一変形により、偏向光学ユニット15iは、その全部を省くことができる。一般的に出力結合光学ユニット9と偏向光学ユニット15iは、結合出力偏向デバイスを形成することができる。
偏向光学ユニット15iの異なる変形に対しては、これにより本出願内にその一部として組み込まれる例えばDE 10 2013 223 935.1を参照されたい。
入力結合光学ユニット16iは、照明光学ユニット17iのうちのそれぞれ内へ特に照明放射線5において、特に出力結合光学ユニット9によって発生された個々の出力ビーム10iのうちの1において結合するように機能する。
ビーム案内光学ユニット13iは、ビーム成形光学ユニット7及び出力結合光学ユニット9と共に照明デバイス18の構成部分を形成する。
照明デバイス18は、放射線源4と全く同様に照明系19の一部である。
照明光学ユニット17iの各々には、それぞれ投影光学ユニット14iのうちの1つが割り当てられる。互いに割り当てられた照明光学ユニット17iと投影光学ユニット14iとを光学系20iとも呼ぶ。
照明光学ユニット17iは、各場合に照明放射線5を物体平面21の物体視野11iに配置されたレチクル22iに伝達するように機能する。投影光学ユニット14iは、レチクル22iを特にその上の構造を像平面24の像視野23iに配置されたウェーハ25i上に結像するように機能する。
投影露光系1は、特に少なくとも2個、特に少なくとも3個、特に少なくとも4個、特に少なくとも5個、特に少なくとも6個、特に少なくとも7個、特に少なくとも8個、特に少なくとも9個、特に少なくとも10個のスキャナ3iを含む。投影露光系1は、20個までのスキャナ3iを含むことができる。
スキャナ3iには、共通放射線源モジュール2、特に共通放射線源4によって照明放射線5が供給される。
投影露光系1は、微細又はナノ構造化構成要素、特に電子半導体構成要素を生成するように機能する。
入力結合光学ユニット16iは、放射線源モジュール2、特に出力結合光学ユニット9と、照明光学ユニット17iのそれぞれのものとの間のビーム経路に配置される。入力結合光学ユニット16iは、特に集束アセンブリとして具現化される。入力結合光学ユニット16iは、個々の出力ビーム10iのそれぞれを中間焦点面27内の中間フォーカス26i内に伝達するように機能する。中間フォーカス26iは、光学系20i又はスキャナ3iのハウジングの貫通開口部の領域に配置することができる。ハウジングは、特に退避可能である。
照明光学ユニット17iは、各場合に従来技術で公知のファセットミラーのものに対応する機能を各場合に有する第1のファセットミラーと第2のファセットミラーとを含む。第1のファセットミラーは、特に視野ファセットミラーとすることができる。第2のファセットミラーは、特に瞳ファセットミラーとすることができる。lしかし、第2のファセットミラーは、照明光学ユニット17iの瞳平面から距離を置いて配置することができる。この一般的な場合を鏡面反射器とも呼ぶ。
ファセットミラーは、各場合にそれぞれ複数の第1及び第2のファセットを含む。投影露光系1の作動中に、第1のファセットの各々に対して、第2のファセットのうちの1つがそれぞれ割り当てられる。互いに割り当てられたこれらのファセットは、各場合に物体視野11iを特定の照明角度で照明するための照明放射線5の照明チャネルを形成する。
第1のファセットへの第2のファセットのチャネル毎の割り当ては、望ましい照明、特に予め定義された照明設定値に依存して実施される。第1のファセットミラーのファセットは、これらのファセットが、各場合に特に2つの傾斜自由度で変位可能、特に傾斜可能であるように具現化することができる。第1のファセットミラーのファセットは、特に異なる位置の間で切換可能である。異なる切り換え位置では、これらのファセットは、第2のファセットの中から異なる第2のファセットに割り当てられる。その上に入射する照明放射線5が物体視野11iの照明に寄与しない第1のファセットの少なくとも1つの切り換え位置を各場合に設けることができる。第1のファセットミラーのファセットは、仮想ファセットとして具現化することができる。これは、これらのファセットが複数の個々のミラー、特に複数のマイクロミラーの可変グループ分けによって形成されることを意味すると理解しなければならない。詳細に関しては、これにより本出願にその一部として組み込まれるWO 2009/100856 A1を参照されたい。
第2のファセットミラーのファセットは、相応に仮想ファセットとして具現化することができる。第2のファセットミラーのファセットは、これらのファセットが変位可能、特に傾斜可能であるように具現化することができる。
第2のファセットミラーを経由し、適切な場合に、例えば、3つのEUVミラーを含む下流の伝達光学ユニット(図には例示していない)を通して、第1のファセットはレチクル平面又は物体平面21の物体視野11iに結像される。
個々の照明チャネルは、特定の照明角度での物体視野11iの照明をもたらす。従って、照明チャネルの全体は、照明光学ユニット17iによる物体視野11iの照明の照明角度分布をもたらす。照明角度分布を照明設定とも呼ぶ。
照明光学ユニット17iの更なる実施形態において、特に投影光学ユニット14iの入射瞳の適切な位置が与えられると、物体視野11iの上流の伝達光学ユニットのミラーを省くことができ、それによって使用放射線ビームに対して対応する伝達率の増大がもたらされる。
照明放射線5に対して反射性を有する構造を有するレチクル22iは、物体平面21の物体視野11iの領域に配置される。レチクル22iは、レチクルホルダによって担持される。レチクルホルダは、変位デバイスを用いて駆動される方式で変位可能である。
投影光学ユニット14iは、各場合に物体視野11iを像平面24の像視野23iに結像する。投影露光中に、この像平面24内にウェーハ25iが配置される。ウェーハ25iは、投影露光中に投影露光系1を用いて露光される感光コーティングを有する。ウェーハ25iはウェーハホルダによって担持される。ウェーハホルダは、変位デバイスを用いて制御された方式で変位可能である。
レチクルホルダの変位デバイスとウェーハホルダの変位デバイスとは、互いに信号接続することができる。これらの変位デバイスは、特に同期される。レチクル22iとウェーハ25iは、特に互いに対して同期される方式で変位可能である。
下記では、照明系19の1つの有利な実施形態を説明する。
自由電子レーザ(FEL)又はシンクロトロンを利用した放射線源を主放射線源4として有利に使用することができることが認識されている。FELは、特に、複数のスキャナ3iに照明放射線5を供給するほど十分に大きいように設計された場合に、非常に良好にスリム化され、すなわち、特に経済的に運用することができる。FELは、特に、8個、10個、12個のスキャナに、又は20個のスキャナであっても照明放射線5を供給することができる。
1よりも多い放射線源4を設けることができる。
投影露光系1から構成される1つの要件は、個々のレチクル22iに到達する放射線強度、特にウェーハ25iに到達する放射線線量を非常に正確かつ非常に高速に調整することができることである。ウェーハ25iに到達する放射線線量は、特に可能な限り一定に保つことができることが意図される。
レチクル22i上に入射する照明放射線5の変動、特にレチクル22i上に入射する照明放射線5の全体強度の変動、従って、ウェーハ25i上に入射する放射線線量の変動は、主放射線源の強度変動及び/又は主放射線源4によって放出される生ビーム6の幾何学的変動、特に方向の変動、及び/又は特に出力結合光学ユニット9の領域内のこの生ビームの断面プロファイルの変動に帰することができる。断面プロファイルの変動は、特に、放射線源4によって放出される生ビーム6の発散変動及び/又は集合出力ビーム8の発散変動に帰することができる。
下記では、出力結合光学ユニット9の詳細をより具体的に説明する。
上述のように、FELとして具現化された放射線源4は、特定の強度プロファイルを有する照明放射線5を放出する。放射線源4は、特にガウスプロファイルを有する照明放射線5を放出する。照明放射線5、特に生ビーム6又は集合出力ビーム8は、特定の方向37に放出される。生ビーム6又は集合出力ビーム8の方向37は、特にこれらのビームの重心光線の方向を意味すると理解しなければならない。生ビーム6又は集合出力ビーム8は特定の低い発散38を有する。FELの生ビーム6又は集合出力ビーム8の低い発散38に起因して、これらのビームの位相空間を事実上2次元と見なすことができる。
重心光線の方向37を集合出力ビーム8の指向Pとも呼ぶ。また、この方向37は変数x0を用いて表される。変数x0は、特に集合出力ビーム8の公称発散の値によって正規化される。特に、変数σxも集合出力ビーム8の発散38を表すためなどに機能する。
図2に略示するように、集合出力ビーム8は、分離平面39の照明40をもたらす。分離平面39は、必ずしも具体的な幾何学平面である必要はない。分離平面39は、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割が実施される照明放射線5の位相空間内の面を一般的に表している。
実照明40は、設計照明とも呼ぶ公称照明41から外れる可能性がある。実照明40は、方向37及び/又は発散38の変動に起因して公称照明41から外れる可能性がある。この逸脱は、分離平面39の特定の領域上に入射する放射線エネルギが変動を受けるという影響を有する可能性がある。
本発明により、0.1%よりも良好な線量変動を達成するためには、FELの方向37が、FELの発散38に関して0.1%よりも小さく変動することしか許されないことが認識されている。従って、現実的な50μradのFEL発散38では、方向37は、25nradよりも安定であることが必要になる。本発明により、放射線源4の変動、特に集合出力ビーム8の変動の場合に個々のスキャナ3iへの照明放射線5の供給に寄与する領域の強度変動が互いに正確に補償し合うような分離平面39を異なる領域に分割することによって放射線源4の安定性から構成される要件を有意に低減することができることが認識されている。異なるスキャナ3iへの照明放射線5の供給がFELパラメータの変動に対して切り離されるように分離平面39を互いに素な領域に分割することができることが見出されている。分離平面39の個々の互いに素な領域は、特に、各場合に照明放射線5をスキャナ3iのうちの特定の1つに案内するように機能する。本発明により、スキャナ3iのうちの特定の1つに案内される照明放射線5、すなわち、個々の出力ビーム10iを各場合に分離平面39の互いに素な領域のうちの1つからそれぞれのスキャナ3iに案内される複数の別々の部分ビームに分割することによって線量変動の低減をもたらすことができることが認識されている。この場合に、特定の出力ビーム10iの照明放射線5をスキャナ3iのうちの1つに案内するように機能する多数の互いに素な領域が線量変動に対する良好な補償可能性、すなわち、それぞれのスキャナ3iに対する改善された線量安定化をもたらすことが定量的に成り立つ。
最初に、FELパラメータの変動が、投影露光系1の異なるスキャナ3iに対するエネルギ分割比の変更を引き起こさず、又は予め定義された最大許容限度値よりも小さいエネルギ分割比の変更しか引き起こさないという効果を達成するための分離平面39の分割が原理的にどのように可能であるかに関する概要説明を提示する。その後に、対応する光学構成要素42及び対応する出力結合光学ユニット9それぞれの異なる具体的実現化を一例として以下に説明する。
最初に、以下では、分離平面39内の照明がガウスプロファイルを有すると仮定する。この仮定は、十分な近似で正しい。本発明は、特に集合出力ビーム8の代替の既知の強度プロファイルに対して、特にこれらの強度プロファイルの変動がパラメータ化可能である場合に、いかなる問題も伴わずに適用することができる。
本発明による目的は、M個のスキャナに可能な限り均一で安定した照明放射線5を供給することである。この目的のために、分離平面39は、k=1,...,MであるM個の互いに素なセットAkに分割される。
更なる導出に向けて一般性の制約なくx0=0及びσx=1として選択される基準パラメータ
(方向37)及びσx(発散38)に関して、均一分布要件は、次式の数学的条件をもたらす。
安定性要件は、外乱に関してこの関数を展開することによって数学的に定式化することができる。集合出力ビーム8の方向37に関しては、基準値x0付近の変動に関する次式がもたらされる。
これら2つの要件は以下の式列をもたらす。
この場合に、Lは、補償がそこまで達成される外乱の最大次数を示している。大きいLが選択されることになる場合に、基準値
に対するx0の逸脱の効果は小さくなる。
Akは、互いに素な間隔の和集合(union)である。更なる構成を単純化するために、Akが鏡面対称性を有すると仮定し、すなわち、この仮定の下では
ただし、
また
である。この対称性の存在は有利であるが、絶対に必要というわけではない。
上記に表した式を確立することができるためには、方向に関する強度プロファイルの対応する微分の知識と、間隔(a,b)にわたる積分の知識とが必要である。
この接合点では、関数
及び
の導出(derivation)及び積分の導出が省略される。これらの微分及び積分は、放射線源4の放射線プロファイルの知識が与えられると決定することができる。これらは、特にガウス関数の場合に解析的に決定することができる。適切な場合であればこれらを数値的又は実験的に決定することができる。微分及び積分の解析的決定では、放射線プロファイルがパラメータ化された形態で、特にx0及びσxの関数として存在する場合であれば有利である。
ガウス関数の対応する微分から進んで見出された結果は、次数Lまでの発散38の変動の補償の場合に、次数2Lまでの方向37の変動も自動的に補償されることである。この結果は、配置が上述の鏡面対称性を有する場合に一般的に成り立つ。
上述の計算式の更なる解析は、L1≧L2+2L3が成り立つ場合に、予め定義された次数L1までの発散38の変動の補償が、次数L2までの発散38の変動と次数L3までの方向37の変動との組合せ同時変動に対しても十分であることを明らかにした。
分離平面39の使用領域は、放射線源4の実質的にプロファイル全体、特に放射線源のプロファイル全体を受け入れるほど十分に大きいとすることができる。以下ではこの場合を無限サイズの分離平面39と呼ぶ。放射線源4のプロファイル全体が受け入れられない反対の場合を以下では有限サイズの分離平面と呼ぶ。分離平面39が必ずしも位置空間内の実平面に対応する必要がなく、位相空間内の任意の2次元区域に対応することができることを念頭に置かれたい。従って、無限サイズの分離平面39と呼ぶ場合が必ずしも極めて大きい構成要素をもたらすわけではない。
下記では、最初に異なる領域43iへの分離平面39の分割を分離平面39が無限サイズのものであるという仮定の下で説明する。その後に、有限サイズの分離平面39の実施形態に関して対応する結果を提示する。この点に関して、分離平面39が投影露光系1内の実平面を表す必要がなく、FEL放射線の位相空間内の抽象的区域を表すことを念頭に置かれたい。
本発明により、2次元ガウス関数が因数分解されるので、分離平面39をある軸、特にx軸に沿って構造化するだけで十分であることが認識されている。例示的には、分離平面39を互いに素なストリップ形領域43iに切り刻むだけで十分である。この軸に直交する方向のガウスパラメータの変動は、ストリップ形領域43i上に入射する照明放射線のエネルギ全体を変化させず、それぞれの領域43i上のエネルギ分布しか変化させない。
ストリップの順序が定義される場合に、設計は、切断位置x1,...,xNによって一意的に決定される。
仮定した対称軸44に関する鏡面対称性に起因して、対称軸44の片側の切断位置だけが独立して選択可能である。N個の切断位置が与えられると、領域43iの数は2N+1である。
下記では、FELのエネルギがM個のスキャナ3iの間で可能な限り均一に安定して分配されるようにN個の切断位置xiを最適化することがどのようにして可能であるかに関する説明を提示する。本発明により、次数Lまでの安定化を実施することが意図される場合に、次式が満たされることになる。
ここで、
ただし
この場合に、全和は、m番目のスキャナに割り当てられた全ての間隔(ak (m);bk (m))にわたるものである。
言い換えれば、これらの式は、境界条件0≦xi≦xi+1、i=1,...,N−1と共に満たされることが意図される(L+1)M個の条件を表している。
見出されるように、数値法を用いてこれらの連立方程式を解くのは困難である可能性がある。問題を最小化問題に縮小することが有利である場合がある。そのような再定式化は可能であることが証明されている。これらの連立方程式を解くことは、次式の関数を最小にすることと同等である。
構造関数h(x1,...,xN)に起因して、最小化問題を解くためにLevenberg−Marquardtアルゴリズムを使用することができる。
更なる境界条件が、互いに接合する領域43i、43j、43k...のシーケンスが各場合に繰り返されることを要求した。この境界条件は、原理的には省略することができる。
数値最適化の行程において、切断位置xiの必要個数NがN=(M−1)(L+1)によって与えられることが明らかになった。この点に関して、上記に提供した連立方程式が線形独立ではないことに注意しなければならない。独立方程式の個数は、上述の切断位置xiの個数Nに正確に対応する。
図3Aから図3Fは、M=4個のスキャナ31から34に対する領域43iへの分離平面39の決定された分割を示している。この場合に、図3Aは、L=0に対する、すなわち、変動補償のない理想的な状態におけるエネルギの均一分割に対する分離平面39の分割を示している。図3Bから図3Fは、1次まで(図3B:L=1)、2次まで(図3C:L=2)、3次まで(図3D:L=3)、4次まで(図3E:L=4)、及び5次まで(図3F:L=5)の変動補償の場合の分割を示している。
これらの図は、各場合に4つの異なるスキャナ31から34を含む投影露光系1に関する分割を示している。しかし、スキャナ3iの個数は4つよりも多いとすることができる。この数は、特に、5、6、7、8、9、10、又は11以上である。この数は、特に少なくとも12、特に少なくとも15、特に少なくとも20とすることができる。それによって図には明瞭化の理由から例示していないが、相応に大きい個数の異なる領域43iがもたらされる。
これらの図に定性的に示すように、領域43iは、ストリップ形、特に矩形に具現化される。図示の実施形態は、一例としてのものであることを理解しなければならない。領域43iのストリップ状実施形態は、特に単純な変形であり、特に簡単に生成することができるものである。領域43iは、より複雑な形状を有することができる。これらの領域は、特に非矩形に具現化することができる。これらの領域は、特に、少なくともセクション的に湾曲した境界又は鋸歯状の境界を有することができる。特にチェッカーパターンの形態での両方の座標軸における分離平面39の分割も可能である。更に、領域43iへの分離平面39の異なる分割を互いに組み合わせることができる。特に、例えば、複合光学構成要素42を形成するために、光学構成要素42の異なる代替形を互いに組み合わせることができる。
下記では、領域43iへの分離平面39の分割の更なる特性を領域43iのストリップ状実施形態に基づいて説明する。領域43iの代替実施形態に対するいかなる問題も伴わずに対応する特性を適用することができる。
領域43iは群にグループ分けされる。この場合に、同じ群の領域43iを同じハッチングに示している。異なる群の領域43iを別様にハッチングしている。同じ群の領域43iは、個々の出力ビーム10iのうちの1つのものの異なる部分ビーム12iをスキャナ3iのうちの同じ1つのものに案内するように機能する。異なる群の領域43iは、個々の出力ビーム10iを異なるスキャナ3iに案内するように機能する。
同じ群の領域43iは、相互非接続様式で具現化される。同じ群iの2つの領域43iの間には、各場合に他の群に属するM−1個の領域が位置する。例外は、恐らくは対称軸44であり、これは、対称軸の反対側に位置する2つの隣接領域43iの間に他の群に属する異なる個数の領域が位置する可能性があることに起因する。
明瞭化のために、領域43iには、領域が属する群を最初の添字iが示すように番号を振っている。言い換えれば、最初の添字は、正確にスキャナ3iに連続して番号を振るためなどに機能する。
第2の添字は、対称軸44から進んで正の方向及び負の方向に同じ群の領域を数え上げるように機能する。図ではスペースの理由から、代表的な領域43iのみを相応に示している。
群内の領域43iの個数は、実際の用途では30までとすることができる。この数は、特に3から20の範囲、特に5から10の範囲にある。群内の領域43iの個数は、特に、補償がそこまで達成される発散変動の最大次数Lに依存する。
群の個数は、スキャナ3iの個数に正確に対応する。
領域43iの少なくとも一部は、大きいアスペクト比を有することができる。領域43iの最大アスペクト比は、特に少なくとも10:1、特に少なくとも20:1とすることができる。領域43iのアスペクト比は、特に各場合に最大で200:1、特に最大で100:1である。
領域43iの幾何学的幅は、分離平面39の照明40、従って、存在する与えられた放射線源4に依存し、適切な場合であれば放射線源4と分離平面の間のビーム成形光学ユニット7の構成に依存する。集合出力ビーム8を生成するために生ビーム6の純粋な拡大だけを使用するわけではないビーム成形光学ユニット7の存在を前提とすると、これらの図を構成要素の直接的な幾何学表現ではなく、放射線源4の位相空間の分割仕様として理解しなければならない。
分離平面39の領域内の照明40が実質的にガウス的である場合に、対称軸44の近くの領域43iは、対称軸44から離れた領域よりも小さい傾向を有する。特に、領域43iの少なくとも1つの群iが、内側半域の領域43iの平均幅が外側半域の領域43iの平均幅よりも小さいような領域43iの幅の分布を有することが成り立つ。特に、これは、切断位置の個数が、上記で記述した補正される次数Lに対する切断位置の最低必要個数に正確に対応する場合に成り立つ。内側半域内の領域43iの平均幅は、外側半域内の領域43iの平均幅の特に最大で90%、特に最大で80%、特に最大で70%とすることができる。
対応するビーム成形光学ユニット7が使用される時に、照明40が実質的に均一であるように分離平面39が設けられる場合に、対称軸44の近くの領域43iは、対称軸から離れた領域よりも大きい傾向を有する。特に、領域43iの少なくとも1つの群iが、内側半域の領域43iの平均幅が外側半域内の領域43iの平均幅よりも大きいような領域43iの幅の分布を有することが成り立つ。特に、これは、切断位置の個数が、上記で記述した補正される次数Lに対する切断位置の最低必要個数に正確に対応する場合に成り立つ。内側半域内の領域43iの平均幅は、外側半域内の領域43iの平均幅の特に少なくとも110%、特に少なくとも120%、特に少なくとも130%とすることができる。
図4Aから図4Fは、図3Aから図3Fに記載の分離平面39の分割に関して、補正後の異なる補償次数Lに対する方向37の変動(各場合に左手の図)及び発散38の変動(各場合に右手の図)の効果を示している。図4Aから図4Fは、異なるスキャナの各々に関するそれぞれの曲線を示している。縦軸は、各場合に個々のスキャナ3iの全エネルギの相対変動を示している。横軸は、与えられた公称発散38に対する方向37及び発散38の変動を表している。補償次数Lに対する曲線プロファイルは、L+1次の多項式の最低次数におけるものである。
これらの図から、方向37及び/又は発散38の事前定義可能な最大変動に対してどの次数Lまでの補償を行わなければならないかを容易に推察することができる。全エネルギ中の許容変動に対する割当量は、0.1‰(パーミル)から5‰(パーミル)の範囲にある。この割当量は、公称発散の20%までの方向37及び/又は発散38の変動に最大で6次、特に最大で5次の補償次数を使用する場合にいかなる問題も伴わずに達成することができる。
図5Aから図5Fは、M=10個のスキャナ3iを含む系に関して対応する曲線を示している。この場合の補正が依然として一層有効であることを定性的に見て取ることができる。
下記では、有限サイズの分離平面39の場合をより詳細に説明する。
無限サイズの分離平面を考察する場合に、次式が成り立つ。
上式は、特にFELパラメータの変更の場合であっても、照明放射線5全体がスキャナ3iの全部に依然として供給されることを意味する。集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iを結合出力するのに分離平面39のある領域(−a;a)しか使用されない場合は上式はもはや成り立たない。gm(a;∞)≠0(0に等しくない)が成り立つので、FELパラメータのあらゆる変更は、スキャナ3iに進行する全エネルギ量の変更をもたらす。
本発明により、線量安定性に対しては、FELパラメータの変動は、個々のスキャナ3iに供給されるエネルギ量の変更をもたらす必要がないことが認識されている。これに代えて、これらのエネルギ量が均等に変動するならば十分とすることができる。そのような変動の補償のための閉ループ制御によってFELの全エネルギを適切に制御することができる。
この場合に、上記で記述した連立方程式は、次式の連立方程式によって置換される。
式中のパラメータαは、分離平面39内の全エネルギのうちのどの程度の分量をスキャナ3iに供給することが意図されるかを示している。αが大きい程、分離平面39内で集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iを結合出力するために全体的に使用される領域は原理的に大きくなければならない。パラメータαは、通常は0.5から1の範囲にある。このパラメータは、特に少なくとも0.6、特に0.7、特に少なくとも0.8、特に少なくとも0.9、特に少なくとも0.95、特に少なくとも0.97、特に少なくとも0.98、及び特に少なくとも0.99である。
更に、領域43iがもはや互いに緊密に接合せず、特にもはや間隙なく互いに接合しないことが有利である場合があり、又は必要である場合さえもあることが認識されている。隣接領域43iの間に自由隙間、すなわち、間隙を配置するか又は残すことが有利である場合があり、又は必要である場合さえもある。これは、次に、全体的に使用される分離平面39の領域の使用エネルギ分量α及びサイズ、特に外縁を互いに一意的に変換することがもはやできないことを意味する。更に、ある一定の状況下では、連立方程式の非常に多数の異なる解が存在することが認識されている。個々の解は、間隙のサイズにおいて非常に有意に異なる可能性がある。従って、最適化において、予め定義された定数dを用いてaL≦d及びbL≦dという追加条件を要求することを好適とすることができる。
連立方程式の解の数値的決定において、切断位置xiの必要個数NがN=(L+1)Mで与えられることが見出されている。この個数は、独立条件式の個数よりも大きい。これは、分離平面上の領域43jの切断位置xiに対して一意的に決定される解が存在せず、複数の異なる解が存在する可能性があるという影響を有する。
隣接領域43i、43jの間の隙間以外では、分離平面39の分割は、図3Aから図3Fに示すものに定性的に対応する。
間隙、すなわち、照明放射線5を伝達するのに使用されることのない分離平面39の領域に関しては、対称軸44の領域内の不使用領域が、全体的に使用される領域のかなりの広がりを外側に向けてもたらす可能性があることに注意しなければならない。これは、ガウス分布の強度が、中心、すなわち、対称軸44の領域において特に高く、縁部に向けて低下することに関連付けられる。
図6Aから図6Fは、α=0.97の場合に、すなわち、FEL放射線のうちの97%の分量しかスキャナ3iに案内されない場合に関して図5Aから図5Fに対応する。
上記で記述した異なる領域43iへの分離平面39の分割の場合に、予め定義された境界条件が、領域43iの配置が対称軸44に関して鏡面対称であること、及び割り当ての順序が周期的であることであったことに再度注意しなければならない。
2つの境界条件のうちのいずれも絶対に必要なわけではない。これらの境界条件は、第1に最適化問題の解を求める段階を単純化するように機能した。第2に、分離平面39の分割が対称性を有する場合に、放射線源4の特定の変動が自動的に低減される。例えば、領域43iの配置が対称軸44に関して鏡面対称である異なる領域43iへの分離平面39の分割は、生ビーム6が放射線源4を射出する方向の変動に関して最低次数で自動的に補償する。
下記では、上記で記述した異なる領域43iへの分離平面39の分割を実施するための光学構成要素の一部の特定の実施形態を例示的に説明する。これらの図に図示の実施形態は、全く概略的であり、特に正確な縮尺のものではない。特に、領域43iの配置及びサイズ分布は、例示目的のために寄与するだけである。
以下で分離構成要素とも呼ぶ対応する光学構成要素42を具現化するための第1の可能性を図7A及び図7Bに例示している。この実施形態は、固体光学構成要素42を含む。光学構成要素42は、特に一体的に構成される。それによって比較的簡単な冷却が可能になる。光学構成要素42は、照明放射線5、特に集合出力ビーム8が光学構成要素42上に図7A及び図7Bの左から到着する方式で入射するように照明放射線5のビーム経路に配置される。同一のハッチングの領域は、同じスキャナ3iに案内される。3つの個々の出力ビーム10iを結合出力するための構成要素を例示している。
構成要素42からの代替抜粋図を図8に例示している。図8は、同じ群iに属する領域43iが同一の勾配αiを有することを示している。これらの領域43iは、少なくとも非常に似通った勾配を有する。同じ群の勾配αiは、特に最大で10mradだけ異なる。
ここでの勾配は、各場合に個々の領域43i内への照明放射線5、特に集合出力ビーム8の入射角に対応する。
集合出力ビーム8の水平入射光線が水平に対して角度αiだけ傾いた領域43i上に入射する場合に、対応する光線は、関連の領域43iでの反射の後に水平に対して角度2αiで進行する。本発明により、反射光線の口径食のない伝播は、集合出力ビーム8の入射方向に隣接する領域43i+1が水平に対して反射光線が進行する角度2αiよりも小さい角度αi+1だけ傾斜されること、すなわち、αi+1<2αiであることを必要とすることが認識されている。
集合出力ビームからの全ての個々の出力ビーム10iの完全に口径食のない反射、特に完全に口径食のない結合出力のためには、この条件は、互いに接合する全ての領域に関して満たされなければならない。
集合出力ビーム8からの全ての個々の出力ビーム10iの口径食のない結合出力は、特に、角度のうちの最大のものαiがこれらの角度のうちの最小のものαjの2倍よりも小さく、max(αi:αj)≦2である場合に可能である。
更に、FELの照明放射線5を複数のスキャナ3iに沿って分割することが意図される場合に、隣接領域43i、43jの全ての対に対してこれらの角度条件をもたらすことがもはや不能であることが認識されている。この場合に、本発明は、光学的使用領域43iの間、すなわち、個々の出力ビーム10iを結合出力するのに使用される領域43iの間に光学的不使用中間領域47を導入することを可能にする。対応する実施形態を例えば図7A及び図7B、図11、及び図12に例示的に示している。
中間領域47の必要性は、特に、個々の出力ビーム10iが構成要素42を射出する際の角度に基づいており、従って、投影露光系1の異なる構成部分の互いに対する相対的幾何学配置に基づいている。従って、不使用中間領域47の存在は、構成要素42の必要な特性ではない。更に、不使用中間領域47の存在は、照明放射線5が構成要素42上に図の左から入射するので、照明放射線5の損失を引き起こさない。
有限サイズの分離平面39だけが使用される場合に発生する分離平面39内の不使用領域57は、中間領域47とは根本的に異なる。これらの不使用領域57は、根本的に必然的なものあり、照明放射線5の損失をもたらす。図7Bは、不使用中間領域47に加えて不使用領域57が更に発生する構成を図7Aと類似の図に示している。
図7Bに記載の実施形態の場合に、照明放射線5は、不使用領域57によってビーム成形光学ユニット7に反射して戻されるか又は他に吸収される。より簡単な描写図の理由から図のように吸収を選択した。しかし、有利なことに、照明放射線のうちのこの分量は、放射線エネルギを放散させることができる吸収ユニット(ビームダンプ)まで面の適切な傾きによって反射される。
図11は、図7Aに示す構成要素42と類似の構成要素42の側面図を略示している。中間領域47の面は、入射集合出力ビーム8の重心光線と平行に延びていることを見て取ることができる。集合出力ビーム8が非常に小さい発散のみを有する場合であっても、非常に小さいにも関わらず、エネルギのある分量が中間領域47上に入射し、そこから非制御方式で反射される可能性がある。この非制御方式の反射は、図12に示すように、集合出力ビーム8が中間領域47上に入射しないように、これらの中間領域47がx方向に対して垂直な方向に若干後退する方式で配置される場合に回避することができる。
図9は、照明系19のビーム経路内の光学構成要素42の配置を略示している。光学構成要素42は、集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iを結合出力するように機能する。光学構成要素42は、特に個々の出力ビーム10iを個々のスキャナ3iに案内するように機能する。
これらの図には例示の理由から光学構成要素42における偏向角を有意に拡大した方式で例示している。通常、これらの偏向角は、実際には有意に浅い。一般的に照明放射線5は、特に水平方向に対して実質的に平行に横方向から基板30内に入射する。
図9に略示するように、同じ群に属する光学構成要素42の異なる領域43iの勾配も若干異なる可能性がある。1つの同じ群の領域43iは、特に、これらの領域によってそれぞれ結合出力される個々の出力ビーム10iが、平行ではなく集束様式でスキャナ3iに到達するように、集合出力ビーム8の入射方向に対して傾けることができる。この場合に、光学構成要素42の設計において、光学構成要素42とスキャナ3iの間の距離に関するいずれかの情報を事前に把握しなければならない。
図10は、図9に記載の実施形態の発展を示している。この実施形態において、光学構成要素42とスキャナ3iの間のビーム経路に追加の偏向要素45i、46iが配置される。偏向要素は、特にミラーとすることができる。これらの偏向要素は、各場合に偏向光学ユニット15iの一部を形成することができる。また、これらの偏向要素は、各場合に出力結合光学ユニット9及び/又は入力結合光学ユニット16iの一部を形成することができる。
偏向要素45i、46iは、各場合に2つ1組で配置することができる。互いに割り当てられた2つの偏向要素45i、46iは、複数メートルの距離、特に10mよりも長く、特に20mよりも長く、特に50mよりも長く、特に100mよりも長い距離にあるとすることができる。この距離は、通常は300mよりも短い。
追加の偏向要素45i、46iは、大きい距離にわたる照明放射線5の斜方経路を回避するように機能する。これは、特に投影露光系1、特にその照明デバイス18の全体構成に対して有利である場合がある。
図10に記載の代替形の場合に、個々の出力ビーム10iは、各場合に第1の偏向要素45iにおける偏向の後に水平に進行する。個々の出力ビーム10iは、第2の偏向要素46iにおける偏向の後に垂直に進行する。個々の出力ビーム10iは、個々のスキャナ3iに特に垂直方向と平行な方向に入射する。
照明放射線5がスキャナ3iに下から垂直に入射するか又は水平から少なくとも有意に外れる方式で入射するようにスキャナ3iが設計される場合に、追加の偏向要素45i、46iは、比較的小さい追加の光損失しか引き起こさない。2回の追加反射しか発生せず、この場合に、これらの追加反射は、比較的浅い角度を有するかすめ入射で発生する。かすめ入射を用いた特定の全角度によるビーム偏向の場合に、全偏向が分配される個々の反射の回数が多い程、全伝達率は高い。偏向要素45i、46iにおける2回の追加偏向は、偏向光学ユニット15iが照明放射線を偏向させなければならない角度を低減する。従って、偏向光学ユニット15iの伝達率が増大し、それによって偏向要素45i、46iにおける吸収が補償される。
偏向要素45iの可能な実施形態を図13及び図14に略示している。図13に示す代替形の場合に、偏向要素45iは平面反射面48を有する。反射面48は、特に連続的に、特に簡単に接続されるように具現化される。図13に示す偏向要素45iの代替形は、特に簡単に生成することができる。
図14に示す代替形の場合に、反射面48は、互いに平行のオフセットされた複数の領域を有する。この場合に、反射面48は、特に不連続に具現化される。反射面48はステップ59を有する。その結果、偏向要素45iによって反射される光チューブ49の寸法を低減することができる。
下記では、光学構成要素42の寸法に関する一部の一般的な詳細を図15及び図16を参照して説明する。光学構成要素42は、全体的に長さlと高さhを有する。光学構成要素42の高さh又はその光学的使用領域の高さhは、集合出力ビーム8の広がりに正確に等しい。高さhは、更に発生する全ての寸法をスケーリングする。
光学構成要素42の上方の距離dの場所で、スキャナ3iに様々に割り当てられた個々の出力ビーム10iは、空間的に完全に分離されることが意図される。図15に破線として示すこの距離dの場所では、個々のスキャナ3iに案内される照明ビームのビーム経路は重ならない。
領域43i及び不使用中間領域47の全ては、長さlにわたって受け入れられなければならない。それによって長さlに関する最小長さlminがもたらされる。
更に、あらゆる長さlに対して個々の出力ビーム10iを互いから完全に分離するための最小距離dが存在することが認識されている。それとは逆に、与えられた距離dに対して、光学構成要素42が有することが許される最大長さlmaxが存在する。
図16は、M=10個のスキャナ3iの場合の異なる最小角度αminに対する許容パラメータ範囲を示している。許容パラメータ範囲は、各場合に2つの区切り線の間の範囲である。
許容パラメータ範囲の区切りは、第1に照明放射線を分割することが意図されるスキャナ3iの個数、すなわち、集合出力ビーム8を分割することが意図される個々の出力ビーム10iの個数に依存する。更に、これらの区切りは、最大かすめ反射を受ける照明放射線5が反射される際の角度αminに依存する。
下記では、光学構成要素42の更なる実施形態を図17から図19を参照して説明する。図17から図19に記載の光学構成要素42の実施形態の場合に、集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iの部分ビーム12iを結合出力するための放射線反射領域43iが層状様式で具現化される。これらの放射線反射領域43iは、各場合に互いに対向して置かれた2つの保持構造50によって保持される。
領域43iの間には、各場合に放射線透過領域51が配置される。光学構成要素42は、特に階段状の形状を有する。光学構成要素42は、特に開いた階段の方式で、すなわち、蹴上げなく具現化される。この場合に、階段のステップは水平に対して傾けられる。
保持構造50は、化粧側板状様式で具現化される。保持構造50は、放射線反射領域43iの長手広がりyに対して垂直な方向に実質的に任意の断面を有することができる。この断面は特に多角形である。この断面は、特に平行四辺形、非矩形、又は矩形とすることができる。
保持構造50の平行四辺形断面、非矩形断面、一般的に不規則な多角形断面、又は自由断面により、群の放射線反射領域43iは、照明放射線5のビーム経路のz方向に異なる場所に配置することができる。それによって個々の出力ビーム10iのうちの1つのものの部分ビーム12iを含む光チューブ49の直径を縮小することが可能になる。
群の領域43iは、特に各場合に集合出力ビーム8の入射方向に対して同一の傾斜角を有する。更に、領域43iのx方向の寸法は、上記で記述した方法によって決定される。図17から図19に図示の実施形態の場合に、光学構成要素42は、集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iのうちの唯1つを結合出力するように機能する。更に、個々の出力ビーム10iは、複数の部分ビーム12iを含む。残りの個々の出力ビーム10iは、妨害を受けることなく、特に影響を受けることなく放射線透過インタフェース51を通過する。
これらの図には例示していない代替形により、更に光学構成要素42のこの実施形態においても、光学構成要素42が異なる群i、jの領域43i、43jを含むことを可能とすることができる。原理的には、図17に示す代替形による光学構成要素42を集合出力ビーム8から全ての個々の出力ビーム10iを結合出力するのに適するように具現化することができる。
図19は、照明放射線5のビーム経路における図17に記載の光学構成要素42のうちの3つのものの1つの可能な配置を示している。この配置では、光学構成要素42iの各々は、各場合に複数の部分ビーム12ijを有する特定の個々の出力ビーム10iを集合出力ビーム8から結合出力する。個々の出力ビーム10iは、各場合にスキャナ3iのうちの特定の1つに案内される。この場合に、これらの個々の出力ビーム10iは、各場合に偏向光学ユニット15iにより、特に偏向要素52iによって偏向することができる。
図19に記載の実施形態において、個々の出力ビーム10iは、各場合に垂直方向にスキャナ3iに入射する。この目的のために、個々の出力ビーム10iは偏向要素52iにおいて偏向される。個々の出力ビーム10iは、特にほぼ90°だけ偏向される。個々の出力ビーム10iは、特に少なくとも60°、特に少なくとも70°、特に少なくとも80°だけ偏向される。偏向要素52iは、各場合に個々の出力ビーム10iがそれぞれのスキャナ3iに水平から30°よりも小さく、特に20°よりも小さく、特に10°よりも小さく外れる方向から入射することが意図される場合は省くことができる。
図18は、対応する実施形態を略示している。この場合に、領域43iにおける部分ビーム12ijの偏向角を例示理由から実際の場合よりも有意に大きく示している。
図17に略示するように、保持構造50は、各場合に冷却デバイス53に熱伝導接続される。層状領域43iは、保持構造50と熱接触状態にある。領域43iは、保持構造50を通して特に熱伝導によって熱を放散させることができる。この場合に、照明放射線5が領域43i上に入射した時の領域43i内の最大温度が各場合に中心領域内で得られることが見出されている。本発明により、与えられた全熱入力に対する領域43i内の最大温度が、関連の領域43iのy方向広がりと共に増大することを示すことができた。従って、最大可能区域にわたる入射照明放射線5の分布は不利である可能性がある。従って、冷却デバイス53及び保持構造50を用いた領域43iの十分な冷却を確実にするために、領域43iが最大でもy方向にある最大広がりのみを有することを可能とすることができる。
下記では、光学構成要素42の更なる代替形を図20を参照して説明する。図20に記載の代替形の場合に、個々の出力ビーム101が集合出力ビーム8から結合出力され、一方、残りの個々の出力ビーム10i(i>1)は、更に一緒に、すなわち、互いに平行に案内される。この代替形では、結合出力されず、更に一緒に案内される個々の出力ビーム10iも、放射線反射領域54によって偏向される。
スキャナ31への個々の出力ビーム101の更なる案内は、上記で記述した代替形のものに対応し、ここではその説明を参照されたい。
残りの個々の出力ビーム10i(i>1)は、個々の出力ビーム101分だけ減少した集合出力ビーム81を依然として形成する。下記では、どのように個々の出力ビーム10i(i>1)が集合出力ビーム81から結合出力され、それぞれのスキャナ3i(i>1)に案内されるかに関する2つの異なる変形の説明を提示する。
図20に記載の光学構成要素42の実施形態は、光学構成要素42の冷却を容易にすることができる。この実施形態において、特に冷却デバイス(図20には例示していない)をミラー本体56の領域内に設けることができる。
図21に略示する変形により、図20に示す複数の光学構成要素42は、照明放射線5のビーム経路に互いに前後に配置される。光学構成要素42の個数Mは、スキャナ3iの個数に正確に対応する。そのような構成要素42は、最後のスキャナ3Mに関しては省くことができ、従って、光学構成要素42の個数をM−1とすることができる。
光学構成要素42は、各場合に適切な場合であれば複数の個々の出力ビーム10j(j<i)が結合出力された後に残った集合出力ビーム8jから個々の出力ビーム10iのうちの1つを結合出力するように機能する。更に、構成要素42は、各場合に個々の出力ビーム10iが結合出力された後に残った集合出力ビーム8iの偏向をもたらす。
この実施形態の1つの利点は、それぞれのスキャナ3iの上流の放射線を更に偏向しなければならない場合に決して伝達率損失が発生しない点である。光線がかすめ反射によって与えられた角度だけ偏向される場合に、全偏向が分配される個々の反射の回数が多い程、全伝達率は高い。従って、構成要素42における偏向の得られる伝達率損失は、残留偏向の高い伝達率によって補償されるか又は過補償さえされる。
それに対する代替形として、複数の個々の出力ビーム10iが結合出力された後に残った集合出力ビーム8iを各場合にミラー要素55における追加の反射によって水平に偏向し戻すか、又は水平を超えてさえも偏向することを可能とすることができる。
下記では、放射線源モジュール2、特に出力結合光学ユニット9の異なる実施形態の更なる詳細を説明する。下記で説明する実施形態の詳細、特に制御可能な個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の制御可能分割の詳細、特にこの分割の制御の時間的詳細は、上記で記述した実施形態の詳細、特に光学構成要素42の詳細及び/又は領域43iへの分離平面39の分割の詳細と任意に組み合わせることができる。
放射線源モジュール2は、特に照明系19の構成部分である。更に、照明系19は、個々の出力ビーム10iを異なるスキャナ3iの異なる物体視野11iに案内するための複数M個のビーム案内光学ユニット13iを含む。
出力結合光学ユニット9は、特に照明デバイス18の構成部分である。照明デバイス18は、放射線源4又は一般的には原理的に複数の異なる放射線源4を含むことができる放射線源ユニットと共に照明系19を形成する。
投影露光系1の基本構成を図23にここでもまた非常に概略的に例示している。投影露光系1の場合に、複数M個のスキャナ3iに対して、放射線源モジュール2、特に単一放射線源4によって照明放射線5が供給される。特に、単一高電力自由電子レーザ(FEL)が放射線源4として機能する。そのような放射線源4によって放出される照明放射線5の全電力は、1kWから35kWの範囲、特に10kWから25kWの範囲にあるとすることができる。
図24に示す変形により、スキャナ3iの各々にスキャナ132iが割り当てられる。スキャナ132iは、特にエネルギセンサである。スキャナ132iを用いて、個々の物体視野11i、特に個々の像視野23iに伝達される照明放射線5の強度又は線量を決定することができる。スキャナ132iは、特に照明放射線5の強度又は線量の継続的な決定を可能にする。これらのスキャナは、特に照明放射線5の強度又は線量の実時間の決定を可能にする。
スキャナ132iは、信号送信方式で制御デバイス133に接続される。制御デバイス133自体は、出力結合光学ユニット9に信号送信方式で接続される。
スキャナ132iと制御デバイス133を使用することで、出力結合光学ユニット9をフィードバックを用いて制御し、すなわち、閉ループ制御によって制御することができる。
制御デバイス133は、コンピュータユニットを含むことができる。制御デバイス133は、放射線源4に信号送信方式で接続することができる。この制御デバイスは、特に、放射線源4によって放出される照明放射線5の強度を制御するように機能することができる。この目的のために別々の制御デバイスを設けることができる。
FELに関するコストは、その電力と共に徐々にしか増大せず、従って、コスト毎電力は、低電力を有するFELに関してよりも高電力FELに関して有意に低いので、FELは、特に複数のスキャナ3iを含む投影露光系1に適している。
本発明により、個々のスキャナ3iに到達する放射線線量は、非常に正確に制御しなければならないことが認識されている。個々のスキャナ3iに到達する放射線線量の許容誤差又は許容変動は、特に最大でも1%、特に最大でも0.5%、特に最大でも0.3%、特に最大でも0.2%、特に最大でも0.1%、特に最大でも0.05%である。
線量は、特に、レチクル22i上の点が、照明光学ユニット17iによって照明される物体視野11iの領域を通過する間の時間よりも速い時間スケールで制御しなければならない。この時間は、レチクル22i上の点に光学的に共役なウェーハ25i上の点が像視野23iの対応する領域を通過するのに必要とされる時間と同一である。この領域を走査スロットとも呼ぶ。この時間は、通常は少なくとも1ms、特に少なくとも5msである。この場合に、この移動にわたる積分の結果としてウェーハ25i上の点を照明する線量がもたらされ、従って、この線量を走査積分とも呼ぶ。線量制御は、特に、最大でも1ms、特に最大でも0.5ms、特に最大でも0.3ms、特に最大でも0.2ms、特に最大でも0.1msの時間スケールで行われる。
更に、そのような高速線量制御では、この制御に向けて使用される機械構成要素を複数回加速及び減速しなくてもよい場合であれば有利であることも認識されている。
下記で説明する個々のスキャナ3iに案内される放射線線量を適応化するための手段は、個々のスキャナ3i、特にその物体視野11i、特にその像視野23iに到達する強度の特に照明放射線の±1%まで、特に±5%まで、特に±10%までの変更を可能にする。
長い時間スケールではより強い線量の適応化が必要である可能性がある。この適応化は、適切な場合であれば追加の手段を用いて達成することができる。
下記で説明する変形は、FELによって放出される照明放射線5、特にその強度を例えば生成電子の個数を変更することにより、FELの繰り返し周波数を変更することにより、又はFELの個々のパルスを省くことによって制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができるということを利用する。この制御、特に閉ループ制御では、放射線源4の周波数は、特に少なくとも1MHz、特に少なくとも10MHz、特に少なくとも100MHzである。この周波数は、1GHzまで、特に10GHzまで、特に100GHzまでとすることができる。電子は、特にレーザを用いた電極照射によって発生させることができる。レーザは、そのような電子源が使用される場合に強度が有利に制御可能であるようにヒステリシスなく非常に高速に制御することができる。
異なるスキャナ3iに対する線量を互いに独立して設定することができるように、本発明は、FELの強度制御可能性と、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段とを使用する。FELの全体強度と、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比とが閉ループ制御によって制御される場合に、各スキャナ3iに対する線量を閉ループ制御によって互いに独立して制御することができる。複数のスキャナ3iに対する線量の独立した閉ループ制御では、複数のスキャナ3iの間の分割比を単一自由度だけによって表すことができるならば十分であることが認識されている。更に、複数のスキャナ3iの独立した閉ループ制御では、複数のスキャナ間の分割比が時間的に可変であるだけで、制御可能でなくても十分とすることができることが認識されている。
下記では、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段の異なる変形を説明する。
放射線源モジュール2、特に出力結合光学ユニット9の変形を図25及び図26を参照して下記で説明する。
これらの図は、集合出力ビーム8を4つの個々の出力ビーム101から104に分割するのに使用される出力結合光学ユニット9を示している。これらの図は、主として本発明による概念を図解するのに寄与する。集合出力ビーム8は、そこから外れるいくつかの個々の出力ビーム10iに分割することができる。個々の出力ビーム10iの個数は、投影露光系1のスキャナ3iの個数Mに特に正確に対応する。
出力結合光学ユニット9は、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段を含む。図25及び図26に示す変形の場合に、この手段は、一般的に分離構成要素とも呼ぶ分離板134として具現化される。
分離板134は、矩形様式で具現化される。この分離板は、照明放射線5のビーム経路内で固定配置される。
分離板134は、特に構造化ミラーとして具現化される。このミラーは異なる領域135iを有する。
領域135iの各々は、スキャナ3iのうちの正確に1つのものに割り当てられる。領域135iは、特に、各場合にスキャナ3iのうちの特定の1つへのこれらの領域135i上に入射する照明放射線5の伝達をもたらすように具現化される。従って、分離板134を使用することで、集合出力ビーム8を個々の出力ビーム10iに分割することができる。
領域135iは、特に異なる向きを有する。これは、集合出力ビーム8が異なる領域135i上への異なる入射角を有するという効果を有する。それによって集合出力ビーム8を個々のスキャナ3iに特定的に割り当てられた個々の出力ビーム10iに分割することが簡単な方式で可能になる。
更に、出力結合光学ユニット9は回転多角形ミラー136を有する。
これらの図における多角形ミラー136の例示は、一例としてのものであると理解しなければならない。この例示は、根底にある概念を説明するのに寄与するに過ぎない。実際の多角形ミラー136は、通常は多数の側面を有する。
従って、この変形では、出力結合光学ユニット9は、回転要素と、多角形ミラー136と、固定要素と、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の場所依存の分割比が与えられた分離板134とを含む。
回転多角形ミラー136は、放射線源4と分離板134の間、特にビーム成形光学ユニット7と分離板134の間のビーム経路に配置される。
多角形ミラー136は、集合出力ビーム8が、各場合に多角形ミラー136の反射側面のうちの1つから分離板134に反射され、そこで照明領域137を照明するように照明放射線5のビーム経路に配置される。照明領域137は、ストリップ形状様式で具現化される。照明領域137の別の形状も同じく可能であり、下記でより一層詳細に説明する。照明領域137の正確な形状は、ビーム成形光学ユニット7及び/又は多角形ミラー136を用いて決定することができる。
図25及び図26に示す変形の場合に、照明領域137は、その長辺が分離板134の幅全体にわたっている状態で延びる。それに対して、垂直な方向には、照明領域137は、分離板134の部分領域しか覆わない。照明領域137は、特に、分離板134の長さ、すなわち、長辺に対して最大で1:2、特に最大で1:3、特に最大で1:5、特に最大で1:10の幅の比を有する幅を有する。
多角形ミラー136は回転可能に装着される。このミラーは、特にその側面の全てと平行に延びる中心長手軸の周りに回転可能に装着される。
多角形ミラー136の変位、すなわち、回転に向けて、特にモータの形態にあるアクチュエータを有する制御ユニット(図には例示していない)が設けられる。多角形ミラー136の回転、特にその回転速度は、制御可能とすることができる。代替実施形態において、多角形ミラー136は、固定的に予め定義された制御不能な回転速度を有する。多角形ミラー136の回転速度は、必ずしも正確に一定に保つ必要はない。多角形ミラーの現在位置を決定するための手段が存在する場合に、多角形ミラー136は、若干変動する回転速度を有することができる。
多角形ミラー136の回転方向138の回転は、分離板134に対する変位方向139の照明領域137の変位、特にシフトをもたらす。従って、多角形ミラー136を使用することで、分離板134上で照明領域137をシフトさせることが可能である。分離板134上における照明領域137の相対位置、従って、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を特に周期TVarで周期的に変更することができる。
分離板134に対する照明領域137の変位の場合に異なる領域135i上への集合出力ビーム8の入射角の変動を補償するために、領域135iに屈折力を与えることができる。特に、図26に示すx軸に沿って、すなわち、変位方向139と平行に領域135iに屈折力を与えることを可能とすることができる。これに代えて又はこれに加えて、図26に例示的に略示するように、個々の出力ビーム10iの各々に対して、特にミラーの形態にあり、個々の出力ビーム10iのそれぞれを分離板134からスキャナ3iのうちの1つに伝達するように機能する追加の光学要素140を設けることができる。この光学要素140に、各場合に屈折力を与えることができる。光学要素140は、結像光学ユニット154の構成部分を形成する。結像光学ユニット154、特に光学要素140は、出力結合光学ユニット9の構成部分を形成することができる。光学要素140を使用することで、スキャナ3i内への個々の出力ビーム10iの入射点が、分離板134上への集合出力ビーム8の入射点に依存せず、特に照明領域137の変位方向139の位置に依存しないことを保証することができる。
多角形ミラー136の回転中に、反射側面上への集合出力ビーム8の入射角は変化する。良好な近似で、多角形ミラー136上の集合出力ビーム8の最大入射角と最小入射角の間の差は、このミラー136の側面の個数の逆数に比例する。多角形ミラー136がより多くの側面を有する程、多角形ミラー136上への集合出力ビーム8の異なる入射角の間隔は小さい。多角形ミラー136上への集合出力ビーム8の入射角は、反射率に対して影響を有する。多角形ミラー136が最小反射率を有することを確実にするために、最大許容入射角を予め定義することができる。それとは逆に、最小入射角を予め定義することができる。最大入射角と最小入射角の間の10°の差が与えられると、多角形ミラー136の136個の側面個数がもたらされる。
多角形ミラー136の側面個数は、特に少なくとも12、特に少なくとも18、特に少なくとも24、特に少なくとも136である。この個数は、120まで、特に180まで、特に360までとすることができる。
ファセットとも呼ぶ多角形ミラー136の側面の個数を増大することにより、多角形ミラー136の必要とされる回転速度を低減することができる。
分離板134の予め定義されたサイズが与えられると、多角形ミラー136の側面の個数が多い程、多角形ミラー136と分離板134の間の距離を長くしなければならない。多角形ミラーは、特に、その回転中に照明領域137が各場合に全体の分離板134にわたって掃引するように具現化かつ配置される。従って、個々のファセットの回転角は、分離板134の変位方向139の寸法と、分離板134と多角形ミラー136の間の距離とに直接に関連付けられる。64個のファセットを有し、多角形ミラーと分離板134の間に1mの距離を有する多角形ミラー136では、変位方向139に掃引される領域に対して200mm前後の長さがもたらされる。良好な近似で、これらの表示の大きさを他の幾何学形状に対してスケーリングすることができ、すなわち、変位方向139に掃引される領域の長さは、多角形ミラー136と分離板134の間の距離に比例し、多角形ミラーのファセットの個数に反比例する。
本発明の一代替形により、特にミラー141の形態にある更なる構成要素を多角形ミラー136と分離構成要素134の間に配置することができる。ミラー141は、多角形ミラー136によって引き起こされる偏向角を増大させるためなどに機能する。
偏向角の増大は、多角形ミラー136の回転中に照明領域137が分離板134全体にわたって掃引することを確実にするのに望ましい場合がある。それによって分離板134の実施形態及び/又は配置を多角形ミラー136のファセットの個数から切り離すことが可能になる。
更に、ミラー141を用いて、個々の反射中に照明放射線が分離板134に向う途中で偏向される際の最大偏向角を低減することができる。全偏向が複数の部分反射の間で分配されることによって伝達率を高めることができる。
ミラー141が多角形ミラー136と分離板134の間のビーム経路に配置される対応する代替形を図64に略示している。図示の変形の場合に、集合出力ビームは、多角形ミラー136の例示する位置で多角形ミラー136の側面上に角度αで入射し、すなわち、全体で2αだけ偏向される。
ミラー141は、多角形ミラー136の側面で反射された集合出力ビーム8が、ミラー141において角度2αだけ偏向されるように多角形ミラー136に対して配置される。
ミラー141は曲面を有する。ミラー141が正確に偏向角の2倍化をもたらすことが意図される場合に、ミラー141の面形状は、次の微分方程式の解としてもたらされる。
この微分方程式は、次式の形態の解の1パラメータ族を有する。
偏向角を一般的に倍率fだけ増大させることが意図される場合に、次の微分方程式の解としての面形状がもたらされる。
そのような面を有するミラー141は、予め定義された平行移動による角度増大構成要素を形成する。角度増大構成要素の場合に、特に有効入射角と反射角とが互いに比例する。
原理的には、ミラー141は、別の面形状を有することができる。これは、特に入射角と反射角の間の比例関係が重要ではない場合に可能である。
原理的には、倍率fは1よりも小さいとすることができる。この場合に、一般的に増大<1である角度増大構成要素と見なされる角度増大構成要素を含む。
図25及び図5に示す例示的実施形態の場合に、多角形ミラー136の回転は、変位方向139に沿った照明領域137のシフトだけではなく、分離板134上への集合出力ビーム8の入射角の変化ももたらす。そのような入射角の変更は望ましくない可能性がある。言い換えれば、集合出力ビームを平行にオフセットすることができることが有利である場合がある。この場合に、分離板134上への集合出力ビーム8の入射角の変化が発生することなく照明領域137を分離板134に対して変位方向139に変位させることができる。
そのようなソリューションに関する変形を図62に略示している。この変形により、多角形ミラー136と分離板134の間のビーム経路に起動可能平面ミラー142が配置される。この原理を図解するために、照明放射線5の2つの異なるビーム経路を多角形ミラー136と起動可能平面ミラー142との異なる位置と共に例示している。
それに対する代替形を図63に例示している。この代替形により、起動可能平面ミラー142の代わりに、特にミラー143の形態にある屈折力を有する光学構成要素が設けられる。ミラー143は、図63の作図面内の放物線によって表すことができる形状を有する放射線反射面を有する。図63の作図面に対して垂直な方向には、ミラー143は、曲率のない方式で具現化することができる。ミラー143の放射線反射面は、特に一般的な円柱側面断面の形状を有することができる。この場合に、一般的な円柱という用語は、2つの平行平面合同面、すなわち、底面及び上面と側面とによって境界が定められた本体を表している。側面は、特に平行な直線によって形成される。側面は、特に、平面曲線が曲線の平面に位置しない直線に沿ってシフトされることによって発生させることができる。ミラー143で反射された個々の出力ビーム10iは、特に予め定義された方向と平行又は少なくとも実質的に平行に進行する。ミラー143は、照明放射線5のビーム経路上に固定配置される。
ミラー143は、好ましくは、多角形ミラー136上の照明放射線5の入射点Pが放物線のフォーカスの場所に正確に位置するように多角形ミラー136に対して配置される。この場合に、望ましい平行オフセット振幅を多角形ミラー136の偏向角間隔で割り算したものから放物線の焦点距離fがもたらされる。
集合出力ビーム8は、図63の作図面内で伝播方向に対して垂直な方向に有限の広がりを有するので、ミラー143によって反射された光線の全てが放物線を軸線方向に平行な方式で射出することになるわけではない。従って、集合出力ビーム8をこの方向に最小可能広がりを有するように成形することが有利である。集合出力ビーム8は、図63の作図面に対して垂直な方向には大きい広がりを有することができる。集合出力ビーム8のそのような成形は、特にビーム成形光学ユニット7を用いて達成することができる。図63の作図面内の集合出力ビーム8の広がりは、有利なことにミラー143の放物線の焦点距離の1/5よりも小さく、特に焦点距離の1/10よりも小さく、特に1/25よりも小さい。図63の作図面に対して垂直な集合出力ビーム8の広がりは、有利なことに作図面内の広がりの大きさの少なくとも5倍、特にこの大きさの少なくとも10倍、特にこの大きさの少なくとも20倍である。
集合出力ビーム8は、ビーム成形光学ユニット7により、すなわち、特に出力結合光学ユニット9上への入射の前に細長断面を有するように成形される。出力結合光学ユニット9上への入射時の集合出力ビーム8の断面は、特に、集合出力ビーム8の断面の長軸の長さと短軸の長さとの少なくとも2:1、特に少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、特に少なくとも10:1の比によって定義されるアスペクト比を有する。
変位方向139と、集合出力ビーム8の断面の長軸との位置合わせとは、特に互いに垂直に向けられる。
以下では、照明領域137内の照明放射線5の強度は、変位方向139に対して垂直な方向の位置に依存しないと仮定する。この仮定は、例えば、集合出力ビーム8がこの方向、すなわち、y方向に均一化されていることによって得られる。この均一化は、例えば、ビーム成形光学ユニット7を用いて達成することができる。
集合出力ビーム8が垂直方向、すなわち、変位方向139に対して垂直な方向に均一化されるという仮定は、基本概念の実施には必要ではない。集合出力ビーム8の強度の垂直縁部の低下は、例えば同量の放射線エネルギを収集又は反射するために分離板134の上縁及び下縁での、すなわち、変位方向139に対して垂直である領域135iを幅広にすることによって補償することができる。
下記では、図53、図54、図54A、及び図54Bを参照して、放射線源4の強度を望ましい線量と分割比の時間プロファイルとに依存してどのように変更することができるかに関して例を用いて提示する。
簡略化の目的で、これらの図は、2つの個々の出力ビーム10i、10i+1への入射ビームの分割の場合のみを示している。これは、多数の個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割からの抜粋として理解することができる。
図53は、2つの領域135i、135i+1を有する分離板134、及びそれに対して変位方向139にシフトされた照明領域137からの抜粋図を示している。概念を図解するために、異なる領域135i、135i+1を異なる破線を用いてハッチングした。これらの破線を図54においても再度用いている。この図は、照明領域137が分離板134に対して変位方向139に沿って周期的に変位した場合に、2つの個々の出力ビーム10i、10i+1への入射ビームの強度の分割比がどのように変化するかを示している。図54は、更に分割比の変動の周期TVarの持続時間を示している。
スキャナ3iに対する設定値線量がスキャナ3i+1に対する設定値線量よりも多い場合に、放射線源4の電力は、例えば図55Aに示すように制御しなければならない。この電力は、特に、個々の出力ビーム10i+1の個々の強度に対する個々の出力ビーム10iの個々の強度の比が最大である時点で最大値を取る。それとは逆に、この電力は、各場合にこの比が最小である時点で最小値を取る。
上述の場合とは逆に、スキャナ3iに対する設定値線量がスキャナ3i+1に対する設定値線量よりも少ない場合に、放射線源4の電力は、例えば図55Bに示すように制御しなければならない。この場合に、電力は、個々の出力ビーム10i+1の個々の強度に対する個々の出力ビーム10iの個々の強度の比が最大である時点で最小値を取る。それとは逆に、放射線源4の電力は、この比が最小である時に最大値を取る。
図55A及び図55Bに示す放射線源4の電力のプロファイルは、純粋に例示的であることを理解しなければならない。個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比に依存する放射線源4の電力の適切な制御を使用することにより、図示したようにスキャナ3iの全てに対して基本的に任意の設定値線量を設定することができる。これは、特に、周期TVarを再分割する部分間隔の個数kが十分に大きい場合に可能である。これに、特に、部分間隔の個数kがスキャナ3iの個数Mに少なくとも同一の場合に可能である。
下記では、分離板134の異なる変形を例示的な図27から図37を参照して説明する。
図27は、4つの領域1351から1354を有する分離板134を略示している。異なる領域1351から1354は、上述のように別々の個々の出力ビーム101から104を4つの異なるスキャナ31から34に伝達するように機能する。
領域135iは、各場合にx方向の位置に依存するy方向広がりを有する。この場合に、x方向は、変位方向139に対向する。y方向は、変位方向139に対して垂直である。
分離板134がその広がり全体にわたって一定の反射率を有する場合に、異なる領域135iから異なるスキャナ3iに反射される個々の出力ビーム10iの個々の強度は、集合出力ビーム8によって照明される領域135iの部分面積に関して直接に依存し、特に、正比例する。この部分面積は、照明領域137とそれぞれの領域135iとの交差点、すなわち、重ね合わせ領域によって正確に与えられる。この面積、従って、個々の出力ビーム10iの個々の強度は、照明領域137の変位方向139の変位によって変更することができる。特に、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割、すなわち、個々の強度への全体強度の分割比は、分離板134に対する照明領域137の変位によって変更することができる。
分離板134上における照明領域137の2つの異なる配置(A,B)を図27に例示している。配置Aは、個々の出力ビーム101の個々の強度の最小値に正確に対応する。個々の出力ビーム103は、ほぼ照明領域137の位置Aにおいて最大値を有する。位置Bでは状況が正確に反対である。この位置では個々の出力ビーム101が最大値を有し、それに対して個々の出力ビーム103は位置Bでは最小値を有する。個々の出力ビーム102及び104は、各場合に2つの位置A、Bにおいて中間値を有する。
分離板134のこの代替形の場合に、領域135iは、分離板134の直線縁部を除き、各場合に三角関数、特に正弦関数によって表すことができる境界144ijを有する。この場合の添字i、jは、それぞれ隣接する領域135i、135jの添字を示している。
特にこの代替形では、境界144ijを連続関数によって表すことができる。この代替形では、領域135iのy方向広がりは、全ての点でx方向の最小値よりも大きい。この最小値は、分離板134の全y方向広がりの約12%である。別の最小値も同じく可能である。分離板134、特に異なる領域135iへのその分割のそのような実施形態の場合に、分離板134に対する照明領域137の全ての配置に関して集合出力ビーム8の全体強度の12%の最小分量が個々のスキャナ3iの各々に案内されることが確実にされる。特に、多角形ミラー136の全ての変位位置、すなわち、その変位の全ての時点に関して、個々の出力ビーム10iの各々が、集合出力ビーム8の全体強度の少なくとも12%、又は全ての個々の出力ビーム10iの個々の平均強度の少なくとも48%を有する個々の強度を有することが確実にされる。
一般的に、分離板134は、好ましくは、個々の出力ビーム10iの少なくとも50%、特に少なくとも70%、特に少なくとも90%、特に100%の分量が、多角形ミラー136の変位の周期TVarの持続時間のうちの少なくとも50%中に全ての個々の出力ビーム10iの個々の平均強度の少なくとも10%である個々の強度を有するように具現化される。
下記では、分離板134の1つの好ましい構成の代替特徴を説明する。個々の出力ビーム10iの各々に関して、分割分量の時間プロファイル、すなわち、集合出力ビーム8の強度のうちのどれ程の分量が関連の個々の出力ビーム10iに伝達されるかを周期TVarの持続時間にわたって決定することができる。そこから、個々の出力ビーム10iの各々に関して、分割分量の平均値、分散、及び標準偏差を決定することができる。分散は、標準偏差の二乗に等しい。好ましくは、個々の出力ビーム10iのうちの少なくとも50%、特に少なくとも70%、特に少なくとも90%、特に100%の分量が、次に、対応する分割分量の平均値の半分よりも小さい標準偏差を有する。
一般的に、分離板134の1つの有利な構成、特に領域135iへのその分割は、以下のように特徴付けることができる。
Mをスキャナ3iの個数とする。上述のようにx座標は、照明領域137を分離板134に対して変位させる変位方向139と平行とし、y座標は、x座標に対して垂直とし、特に、集合出力ビーム8によって照明される照明領域137が張られる座標とする。以下の考察では、分離板134のx方向寸法及びy方向寸法を1に対して正規化する。この正規化は、単純なスケーリングによって達成することができる。
これらの仮定を使用すると、個々の領域135iの平均y広がり、すなわち、x方向に平均されたy広がりが1/Mとしてもたらされる。
更に、aを特定の領域135iの最大y広がりとし、bを最小y広がりとし、それによって次式が導出される。a≧1/M≧b
最後に、Aを特定の領域135iのy広がりがa/2+1/(2M)よりも大きいx座標の分量とし、Bをy広がりがa/2+1/(2M)よりも小さい関連の領域135iのx座標の分量とする。この場合に、分離板の有利な分割を次式の特性によって特徴付けることができる。
M≦8に対してA+B<1/2、かつ
M≧8に対してA+B<4/M
例示的には、x方向の広がりにわたる領域135iのy広がりは、可能な限り各場合に僅かしか変化しない値、特に実質的に一定の値を有し、少数の点でしか上方又は下方の異常値を持たない。
図28Aは、分離板134の代替実施形態を略示している。図28Aに示す分離板134の実施形態は、集合出力ビーム8を3つの個々の出力ビーム101、102、及び103に分割するように機能する。この場合に、分離板134は、3つの領域1351、1352、及び1353を有する。この実施形態において、個々の領域135iのうちで照明領域137によって覆われた部分領域の部分面積の照明領域137の変位方向139の位置に依存する予め定義された公称値からの偏差を各場合に三角関数の和によって表すことができる。公称値は、特に、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の均一な分割に対応する平均値とすることができる。
下記では、出力結合光学ユニット9と、照明放射線5のスキャナ3i間での分割を制御する方法との更なる態様を説明する。
一般的に、出力結合光学ユニット9は、放射線源4からの照明放射線5、特に、生ビーム6から特にビーム成形光学ユニット7を用いて成形することができる集合出力ビーム8を個々のスキャナ3iに案内される個々の出力ビーム10iの間で分割するように機能する。特に、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を出力結合光学ユニット9を用いて変更し、特に制御し、特に閉ループ制御によって制御することができる。それによって個々のスキャナ3i間での照明放射線5の全エネルギの分配を変更し、特に制御し、特に閉ループ制御によって制御することができる。
個々のスキャナ3i間での照明放射線5の全エネルギの分割は、パラメータpに依存してi番目のスキャナ3iに案内される全エネルギの分量を示す関数fi(p)によって表すことができる。パラメータpは、出力結合光学ユニット9の設定、特に分離板134上における照明領域137の相対配置、又は出力結合光学ユニット9の要素の設定に依存する異なる個々の出力ビーム10iに対する照明領域137の透過率を一般化された形式で表している。従って、個々の強度への全体強度の分割比の変動は、パラメータpの変化と、fi(p)の関連の変化とによって表すことができる。
パラメータpに対して時間プロファイルp(t)が設定される。pの変化は、多くの場合に機械的変位に関連付けられるので、p(t)は、連続関数であることが多くの場合に有利であり、及び/又は必要でさえある。しかし、本発明の洞察では、ある一定の期間にわたってパラメータpが特定の値に設定され、次いで、異なる値に瞬時に変化されるならば十分である。pの時間的変動のためのこの手法は説明を容易にし、下記ではこの手法を使用する。
パラメータpは、各場合にある一定の期間に対して設定される。次いで、異なる期間にわたって平均を取ることにより、走査積分がもたらされる。パラメータpの時間的変動の可能性、特に異なる期間内でパラメータpを別様に選択する可能性は、自由度数をある周期にわたって平均された全てのスキャナ3iの全エネルギの分布を実質的に自由に選択することができるほど十分に有意とすることができることを示すことができた。実際には、この選択は、照明領域137を分離板134に対して変位させること、特に一連の異なる照明領域137を分離板134上で順次照明することによって行うことができる。分離板134上での照明領域137の相対位置を変更することにより、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更することができる。
異なるソリューションは、例えば、個々の出力ビーム10iの平均標準強度から進んでこれらの個々の出力ビーム10iの個々の強度を減衰させることのみしかできないか否か、又は異なるスキャナ3i間でのエネルギの再分配が可能であるか否かにおいて異なる。これは、一般的に出力結合光学ユニット9のいわゆるレバーによって記述することができる。以下ではこのレバーを文字mで表示する。
出力結合光学ユニット9の起動なしに、各場合に集合出力ビーム8の電力の固定の基準分量が、出力結合光学ユニット9によって個々の出力ビーム10iのうちの特定の1つに向けられる。M個の個々の出力ビーム10iが与えられ、特に、スキャナ3iが同一であり、ウェーハ25iの露光に向けて同一の処理がこれらのウェーハに対して実施される場合に、この分量を1/Mとすることができる。特に、スキャナ3iの集合が異なるタイプから構成される場合に、基準分量は1/Mに等しくないとすることができる。レバーmは、ある個々の出力ビーム10iの基準分量からのこの個々の出力ビーム10iの調節可能分量の最大相対偏差を表している。以下では、レバーmは、最大相対偏差の絶対値を表し、すなわち、ある一定のm値の表示は、この分量(proportion)をmだけ増大させること及びこの分量をmだけ低減することの両方が可能であるという情報を必ずしも含むわけではない。
更に、個々のスキャナ3iに案内される照明放射線5の再分配の場合に、集合出力ビーム8の全エネルギが一定である場合にスキャナ3iのうちの特定の1つに案内されるエネルギ量の増加が、他のスキャナ3j、j≠i(jがiに等しくない)に全体的に案内されるエネルギの量の減少を余儀なくもたらすことが認識されている。
予め定義された個数Mのスキャナ3iに照明放射線5の予め定義された走査積分線量yを供給するタスクを数学的に表し、関数fi(p)を用いて解くことができる。走査周期、すなわち、ウェーハ25i上の点が走査スロットを通過するのに必要とされる時間がk個の間隔に分割され、k番目の間隔内の集合出力ビーム8の全体強度がzkによって表示される場合に、i番目のスキャナ3iに案内される放射線線量yiを次式として表現することができる。
i=1,...,M
式中のMは、スキャナ3iの全個数を示している。
個々のスキャナ3i間でのエネルギの再分配が、スキャナ3iに案内される照明放射線5の全絶対エネルギ値を一定に留める場合に、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割に関係なく、すなわち、パラメータpによって表される出力結合光学ユニット9の設定に関係なく次式が成り立つ。
本発明により、実質的に任意に予め定義される望ましい線量{yi}の集合に対して、これらの望ましい線量を設定することができるための解{pk}、すなわち、k個の間隔内の一連のパラメータ値pが存在するためには出力結合光学ユニット9をどのように設計しなければならないかを示すことができた。これは、関数{fi}によって数学的に表現される。
更に、与えられた関数{fi}に対する解{pk}を望ましい線量{yi}から計算するために、出力結合光学ユニット9をどのように制御することができるかを示すことができた。
M個のスキャナ3iを含む投影露光系1内でM個の望ましい予め定義された線量を設定するために、すなわち、スキャナ特定の望ましい予め定義された線量を設定するためには、走査周期をM個の間隔kに再分割するだけで十分であることを示すことができた。
M個のスキャナ3iに対して任意の望ましい線量を設定するために集合出力ビーム8の分割をどのように表すことができるかに関する単純な変形は、走査間隔をM個の互いに素な間隔に分離し、各場合に正確に1つの間隔piにおいて関数fi(pk)が適切に選択され、一方、これらの関数fi(pk)が残りの間隔pj、j≠i(jがiに等しくない)において一定であるように関数fi(pk)を選択することにある。
有利なことに、関数fi(p)は、少なくとも実際に使用されるp値に対して連続的であり、その理由は、それによって有利に達成することができることが、パラメータpの実際の設定において、すなわち、アクチュエータを用いた分離板134に対する照明領域137の変位において、設定値からの小さい偏差が、設定値分割比からの個々の出力ビーム10iに対する集合出力ビーム8の実際の分割比の大きい偏差を引き起こさないからである。1よりも小さいか又は等しい全てのp値に対して、全ての関数fi(p)の和は有利に1に等しい。個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の対応する分割、すなわち、関数fi(p)の対応するプロファイルを図60に例示している。
個々の出力ビーム10iの個々の強度の平均公称値fに対する強度増大を図60に記載の関数fi(p)のプロファイルを用いて特に簡単な方式で設定することはできるが、公称値f*から進んで指定外変動を両方の方向に有する間隔pk内の関数fi(p)を形成することが有利である場合がある。これを図61に例示している。
pの値がi番目の間隔から平均値を差し引いたものの間に指定され、xiのようなxiが、この間隔中にi番目のスキャナ3iに案内される個々の出力ビーム10iの個々の強度が関連のこの平均値xiに対してどのように変化するかを直接に示す場合に、関数fiは、以下の簡単な形式を取る。
ここで、i=kに対してδik=1であり、i≠k(iがkに等しくない)に対してδik=0である。
1つの重要な疑問は、ターゲット値yiの特定の範囲を設定することができるためには変数xiが最大でどのような値を取ることができなければならないかということである。実際の実施では、この疑問は、異なるスキャナ3iに対して照明放射線の望ましい線量の予め定義された範囲を設定することができるためには出力結合光学ユニット9の設定範囲がどれ程有意になければならないかという疑問に対応する。この設定範囲は、上記で導入したレバーmの変数によって表される。
一般性を制限することなく、−1≦yi≦1である任意のyiを設定可能であることが意図されると仮定すると、マニピュレータの必要設定範囲mが次式によって与えられる。
上述したように、レバーmは、基準分割比からの実際の分割比の最大相対偏差の絶対値を示している。相対偏差を上方と下方の両方に取得することができる場合を対称と呼ぶ。上述の計算式は、対称の場合を表している。別の極端な形式として、相対偏差mは、上方又は下方のいずれかだけにしか取得することができない。マニピュレータの必要設定範囲Mを以下の表に要約する。
上述のように、上の式の正規化は、走査周期にわたって積分された個々の出力ビーム10iのうちの各々の最大可能独立分量変更が1に等しいように設定されるようなものである。必要なレバーmは、1よりも大きく、従って、瞬間分割比を走査周期にわたって積分された分割比の予め定義された値よりも有意に変化させることができなければならない範囲が基準値から外れることが許されることを示している。従って、mの最小値は、目的によって一意的に予め定義される。
M−1個の間隔を十分とすることができる場合であっても、走査周期をM個の間隔に分割することが通常は好適であることが認識されている。これは、特に、必要設定範囲が有意に小さくなるという利点を有する。更に、この場合に、解が常に存在する。
走査周期は、M個よりも多い間隔に分割することができる。走査周期は、特にMの整数倍個の間隔に分割することができる。個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割を変更することができる速度から個々の間隔の最短持続時間に対する下限がもたらされる。
個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比の変動の周期TVarを分割する互いに素な間隔の個数が投影露光系1の異なるスキャナ3iの個数Mに正確に対応する場合に、最終的に対称実施形態と非対称実施形態の間に本質的な差は存在しない。非対称実施形態の場合は設定範囲mが2倍大きいが、その見返りとしてmに対して0という値しか必要とされない。対称実施形態の場合に、mは半分の大きさであるが、その見返りに−mから+mまでの値が必要である。マニピュレータの設定範囲mを設定するための上の式は、yiに対する解が特定の範囲に存在することを確実にする。この解は、最適化中に更に明示的にも構成される。従って、後の時点である一定の強度分布を設定することが意図される場合にこの解を使用することも常に可能である。
許容されるダイバーシティ{yi}の縁部には、通常は単一解{yk}しか存在しないが、許容範囲のyiに対して少なくともM個の互いに素な間隔への周期TVarの分割の場合は、通常は考えられる解の無限集合が存在する。最適な1又は複数の解を選択する場合は、機械的境界条件を考慮することができる。一例として、マニピュレータを可能な限り小さくしか移動しなくてもよいようにする要望を考慮することができる。
相応に設計された分離板134の特定の実施形態を図29及び図30に例示しており、ここではこれらの図の説明を参照されたい。図29に記載の分離板134の変形は、設定範囲m=0.9を有する。図9に示す変形は、設定範囲m=2を有する。
代替変形により、関数fi(p)は、非線形プロファイルを有する。例えば、M=3に対して、以下の関数を関数fi(p)として選択することができる。
f1(p)=cos p、f2(p)=sin p及びf3(p)=−cos p−sin p
代替の可能性は以下の通りである。
f1(p)=cos p、f2(p)=cos(p+2π:3)、及びf3(p)=cos(p+4π:3).
両方の代替形において次式が成り立つ:
両方の代替形において、2つの互いに素な間隔への周期TVarの分割を用いて望ましいエネルギ分布y1及びy2を設定することができ、この場合に、y3=−y1−y2である。p1及びp2の可能な入れ替えを除いて、一意的な解がもたらされ、第1の例に対して:
かつ第2の例に対して:
である。
しかし、y1、y2、及びy3=−y1−y2がある一定の限度内にある場合にのみ解が存在する。
マニピュレータが、関数f
i(p)に先行する前因子として機能するレバーmを有する場合は、−1≦y
i≦1である任意のy
iを設定することができることを示すことができた。異なる場合に対して必要とされるレバーmを下記の表内に要約する。
更に、M=q+2個のスキャナ3iに対してci=2πi/(q+2)、i=1...M、及びqが奇数である関数fi(x)=cosq(x+ci)は常に解を表すことを示すことができた。言い換えれば、この関数族{fi}は、M=q+2個のスキャナ3iを含む投影露光系1に関する分離板134の分割の可能性を示している。q=1、3、5、及び7に対する関数fi(p)=cosq(p+ci)の形式を図65Aから図65Dに例示している。別々の領域135iへの分離板134の対応する逸脱を図28Aから図28Dに例示している。
例として、指数qが大きい程、関数fi(p)がより局在化されることが明らかになる。実際には、これは、関数fi(p)が局在化される程、個々のスキャナ3iを互いに独立してより良好に駆動することができることを意味する。
分離板134の更なる代替形を図29及び図30に例示している。これらの代替形では、境界144ijは、各場合にセクション的に直線に具現化される。分離板134は、変位方向139に各場合に領域135iの相対分量が連続的に変動する4つの領域を実質的に有する。変位方向139に互いに接する領域の間では、変位方向139に対して垂直な方向の領域135iの広がりの急激な変化が発生する。
図29に記載の代替形と図30に記載の代替形とは、設定範囲又はレバーmの値が異なる。従って、設定範囲mは、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の異なる分割が均一な分割から最大でどの程度外れるかの尺度を形成する。設定範囲mは、出力結合光学ユニット9の実施形態から、特に分離板134の実施形態から、特に異なる領域135iへの分離板134の分割から直接もたらされる。出力結合光学ユニット9、特に互いに対して変位可能な出力結合光学ユニット9の構成要素の相互作用が、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するか又は一般的に操作するように機能するので、設定範囲mを出力結合光学ユニット9の設定範囲m又はマニピュレータの設定範囲mとも呼ぶ。図29に示す代替形の場合に、設定範囲は、m=0.9である。図30に示す代替形の場合に、設定範囲は、m=2である。
図31に略示する1つの特に有利な実施形態において、個々の領域135iは、変位方向139に対して垂直な方向に複数の部分領域135ijに分割される。この分割は、特に、上記で記述した領域43iへの分離平面39の分割に対応し、ここではその説明を参照されたい。特に変位方向に関する予め定義された位置における、特に変位方向に関する全ての位置における部分領域135ijへの領域135iの分割は、上記で記述した領域43iへの分離平面39の分割に対応する(例えば、図3を参照されたい)。
部分領域135ijへの領域135iの分割は、特に、変位方向139の予め定義された位置における、特に変位方向139の全ての位置における照明領域137が、部分領域135ijへの分割が上記で記述した領域43ijへの分離平面39の分割に正確に対応する分離板134からのセグメントを覆うようなものである。
従って、この実施形態において、時間的態様と空間的態様とが互いに組み合わされる。この実施形態において、特に、予め定義された次数Lまでの変動の補償のための分離平面39の分割の利点が、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の時間的に可変様式である、特に制御可能である、特に閉ループ制御可能である分割からもたらされる利点と組み合わされる。
この実施形態において、分離板134は、その実施形態及び機能に関して光学構成要素42に対応し、ここでは光学構成要素42の説明を参照されたい。
分離板134及び分離板145それぞれの他の実施形態において、部分領域135ijへの領域135iの対応する分割も可能である。
図32から図37は、分離板134の異なる代替形の3次元格子図を例示的に略示している。
図32及び図33に示す代替形の場合に、分離板134は、ジャンプ不連続性ではなく曲げ部を有する。
図34から図37に示す代替形の場合に、分離板134は、ジャンプ不連続性を有する。
図32、図34、図36に示す代替形の場合に、照明領域137は分離板134上で水平に向けられ、すなわち、分離板の全幅が照明されるが、高さの一部しか照明されない。図33、図35、及び図37に示す代替形の場合に、照明領域137は分離板134上で垂直に向けられ、すなわち、分離板の全高さが照明されるが、幅の一部しか照明されない。
図32、図34、図35に示す代替形の場合に、異なるスキャナへの個々の出力ビーム10iの方向は、水平平面内の向きにおいて異なり、すなわち、個々の出力ビーム10iは、異なるスキャナ3iに対して互いに横並びに進行する。図33、図36、図37に示す代替形の場合に、異なるスキャナへの個々の出力ビーム10iの方向は、水平平面内の向きにおいて異なり、すなわち、個々の出力ビーム10iは、異なるスキャナ3iに対して互いに上下に進行する。
例えば、分離板134上の照明領域137の向きが軸のうちの1つと平行ではない他の構成が可能である。他の構成では、異なるスキャナ3iへの個々の出力ビーム10iの方向が定義される平面は座標面と平行ではない。他の構成では、異なるスキャナ3iへの個々の出力ビーム10iの方向は、1つの平面に位置しない。
下記では、出力結合光学ユニット9を用いた照明放射線5のスキャナ3i間での分割を制御するための本発明による方法の一般的態様の説明を与える。これらの態様の説明は、出力結合光学ユニット9の個々の具体的な実施形態に関連するが、これらの考察は、本発明に提示する実施形態の全てのものに相応に適用される。
一般性を制限することなく、以下では、放射線源4からの照明放射線5を更なる構成要素を用いずにスキャナ3iの間で均一に分配する場合に、単位時間毎に1という照明放射線5の線量がスキャナ3iの各々に到達することになるという慣例を使用する。
ウェーハ25iのうちの1つの上の点を露光する照明放射線5の線量は、この点が走査スロットを通過する間にこの点を露光する瞬間放射線線量の時間積分からもたらされる。放射線源4の強度、特に、対応するスキャナ3iに案内される個々の出力ビーム10iの個々の強度をこの時間内に変更することができる。
放射線源4は、特にパルス様式で作動される。放射線源4は、照明放射線5をそれを含むパルスシーケンスの形態で放出する。下記では、個々の強度への全体強度の分割比を変更する間の所要時間、特にこの変更の周期TVarがN個の互いに素な間隔に分割されると仮定する。これらの間隔は、特に同一の幅、すなわち、同一の間隔持続時間を有することができる。これらの間隔は、異なる幅を有することができる。k番目の間隔内で放射線源4によって放出される照明放射線5を含むパルスの強度の和をxkで表示すると、i番目のスキャナ3iに到達する全体強度は次式によって与えられる。
ここで、aik≧0である。
ここで、aikがk番目の間隔の長さにわたって一定であり、及び/又は間隔k内の個々のパルスが各場合に同一の強度を有すると仮定する。しかし、これらの考察は、いかなる問題も伴わずにパルスの強度が個々の間隔内で可変である場合に拡張することができる。
一定強度を有するパルスが与えられると、k番目の間隔内でi番目のスキャナ3iに到達する照明放射線5の全体強度は、個々のパルスの強度、特に、間隔の長さで重み付けされた個々のパルスの平均強度からもたらされる。
分離板134の個々の領域135iが変位方向139に変化する減衰率を有する減衰効果のみを有するか否か、又は領域135iが個々のスキャナ3i間で照明放射線5の再分配をもたらすか否かに基づいて、行列要素aikに対して異なる上限を指定することができる。
行列Aの要素aikは、放射線源4が電力1を有する照明放射線5を期間k内に放出する場合に照明放射線5のどの程度の放射線線量がこの間隔内にスキャナ3iに到達するかを実質的に示している。
放射線源4によって最大に放出される全体強度が1に対して正規化される場合に、一般的に
が成り立つ。個々の行列要素aikは1よりも大きいとすることができる。しかし、上限uを指定することができる。
0≦aik≦u
一般的に、複数のスキャナ3i間で放射線を分割する分離板134が唯1つだけ存在することは必要ではない。代替の可能性は、最初に放射線を個々の出力ビーム10iに固定比に則して分割し、次いで、これらの個々の出力ビーム10iを各場合に専用分離板を通して案内することである。
これらの分離板では、特に、各場合に個々の出力ビーム10iの1つの可変部分のみをスキャナ3iに案内することができ、一方、エネルギの別の部分は、個々の出力ビームから排除される。この別の構成を図49及び図50を参照して下記で一層詳細に説明する。
単一分離板134を有する構成の場合に、スキャナ3iへの個々の出力ビーム10iへの分割比fi(p)をパラメータpによって表している。全てのスキャナ3iが同等である場合に、分離板134の2つの縁部が互いに同定されるように、すなわち、個々の出力ビーム10iへの分割比が分離板の上縁と下縁において同一であり、fi+1(p)=fi(p+Δ)であるようにfi(p)を選択することができる。言い換えれば、異なる関数fi(p)は、パラメータpの逸脱においてのみ異なる。従って、パラメータpが周期的に変更される場合に、異なる関数fi(p)は、位相シフトにおいて異なる。図27は、そのような構成の一例である。
複数の別々の分離板を有する構成の場合にも、下記ではこれらの分離板が同一に構成され、その駆動においてのみ互いに対して位相シフトされると仮定する。
下記では、更に、M個のスキャナ3iの場合の周期TVarがN=M個の互いに素な間隔に分割され、放射線源がM個の間隔の各々において照明放射線5を含む特定の同一の個数のパルスを放出すると仮定する。
行列Aは、上述の仮定の下における巡回行列である。そのような行列に関する例えば連立方程式を解く段階等の線形計算演算を1次元離散フーリエ変換への還元によって非常に効率的に実施することができることでこの巡回行列は有利である。
行列Aは、特に可逆であり、すなわち、次式が成り立つような行列要素bikを有する行列Bが存在する。
以下では、ymaxが、全ての個々の出力ビーム10iの最大強度、すなわち、スキャナ3iが受け入れることが意図される最大強度を表している。相応にyminが、全ての個々の出力ビーム10iの最小強度を表している。個々のスキャナ3iに対して異なる強度を設定することができる機能は、ymaxとyminの比によって決定される。以下では、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の全体強度の異なる分割の範囲を特徴付けるために、この比をパラメータr=(ymax−ymin)/ymaxによって示している。
数値最適化を使用することで、異なる個数Mのスキャナ3iに関するymaxへのパラメータrの依存性を調べることができた。結果の更なる解析から次式の基本関係を見つけることができた。
この基本関係は、特定の値rを設定することができる最大値ymaxの決定を可能にする。ビーム経路内で減衰がない場合に、スキャナ3iにおける全体強度yiは間隔の全個数Nに比例することになり、従って、比ymax/Nがエネルギ効率を示している。エネルギ効率は、rN(ymax)に関する上述の式を逆算することによって決定することができる。結果をスキャナ3iの個数Mに依存して異なるr値に関する図38に例示している。
一般的に、出力結合光学ユニット9を使用することにより、特に分離板134を使用することにより、照明放射線5のエネルギをスキャナ3i間で再分配することができる。この再分配は、特に、個々の出力ビーム10iの平均エネルギ又は個々の強度から進んで、個々の出力ビーム10iの1つの部分集合の個々の強度を個々の出力ビーム10iの別の部分集合の個々の強度の代償として高めることができることを意味する。極端な場合に、全体の集合出力ビーム8、すなわち、集合出力ビーム8の全体強度を特定の時点でスキャナ3iのうちの正確に1つのものに各場合に案内することができる。言い換えれば、集合出力ビーム8は、個々の出力ビーム10iのうちの正確に1つのものに各場合に分割することができ、一方、他の個々の出力ビーム10j、j≠iは、この時点で個々の強度=0を有する。この場合に、スキャナ3iの線量を放射線源4の電力の制御により、特に閉ループ制御により、これらの制御が他のスキャナ3jに対する効果を有することなく制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。しかし、この場合に、スキャナ3iの各々には、周期TVarの分量1/Nだけにわたって照明放射線5が供給される。それによってパルス量子化効果をもたらすことができる。
パラメータuは、特に行列要素aikの最大値を示している。一例として、この値は、全ての個々の出力ビーム10iの個々の平均強度に対する個々の出力ビーム10iのうちの1つのものの最大個々の強度の比を表し、この比は、集合出力ビーム8の全体強度をスキャナ3iの個数Mで割り算したものに正確に対応する。ここでは、集合出力ビーム8の全体強度が個々の出力ビーム10iの間で完全に分配されると仮定している。
図39から図44は、異なる個数Mのスキャナ3iに関してパラメータuに依存するエネルギ損失(N−ymax)/Nを示している。これらの図は、各場合にr=5%、r=10%、及びr=15%に関する曲線を示している。図39〜図44から定性的に推察することができるように、パラメータuの増大はエネルギ損失の低減をもたらす。本発明は、特に分離板134、特にその領域135iをu≧2であるように具現化することを可能にする。uに対する上限として、特にu≦6を選択することができる。
大きい個数Nの間隔に対して到達可能なエネルギ効率に対する値が
に近づくことを解析によって示すことができる。従って、本発明は、小さいM値及び/又は小さいr値だけに対するニュートラルフィルタの使用、及びエネルギ吸収だけによる個々の出力ビーム10iの個々の強度へのこのフィルタの影響を可能にする。ニュートラルフィルタの使用は、特に最大でM=5、特に最大でM=3個のスキャナ3iの場合に可能である。ニュートラルフィルタの使用は、特にr<0.1、特にr<0.05、特にr<0.02、特にr<0.01の場合に可能である。
下記では、出力結合光学ユニット9の代替形を図45から図47を参照して説明する。同一の部分は、これにより参照する上記で記述した変形の場合と同じ参照符号を獲得する。
この実施形態において、固定分離板134の代わりに回転可能分離板145が設けられる。この変形では、回転多角形ミラー136を省くことができる。
従って、この変形では、出力結合光学ユニット9は、回転要素と、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の場所依存の分割比が与えられた分離板145とを含む。
分離板145は、環状様式、すなわち、円形リング形状様式で具現化される。
この変形では、照明領域137、すなわち、集合出力ビーム8によって照明される領域は固定のものである。従って、分離板145の回転により、分離板145は照明領域137に対して変位し、従って、照明領域137は分離板145に対して変位される。
異なる領域135iは、各場合に領域135iのうちで照明領域137によって覆われる部分領域が分離板145の回転中に変化するように具現化された境界144ijを有する。その結果、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更することができる。分割比は、特に周期的に変更することができる。この場合に、周期は、特に分離板145の全回転に正確に対応する。
これらの図に図示の実施形態において、分離板145は、4つの異なる領域1351から1354を有する。領域135iの個数Nは、ここでもまた、スキャナ3iの個数Mに対応する。この変形においても、領域135iを複数の別々の、すなわち、非接続の部分領域に分割することができる。領域135iは、特に、特定のスキャナ3iに案内される個々の出力ビーム10iのうちの少なくとも1つが、分離板145上の複数の別々の、すなわち、非接続の部分領域によって反射されるように部分領域に分割することができる。
実際には、投影露光系1は、通常は4個よりも多いスキャナ31から34を含む。この場合に、分離板145の異なる領域135iの個数nも相応に多い。図47は、異なる個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割がどのように達成されるかを略示している。個々の領域135iは、分離板145の裏面と平行な平面146に対して異なる傾き角αiを有する。それによって個々の領域135iで反射され、すなわち、偏向される個々の出力ビーム10iの異なる射出方向147iがもたらされる。
隣接領域135iによる個々の出力ビーム10iの遮蔽を回避するために、領域135iは、図48に示すように、平面146に対して垂直な方向にオフセットすることができる。領域135iは、好ましくは、特に、分離板145が全体的に連続面、すなわち、ステップのない面を有するように互いに対してオフセットされる。ステップのない連続面を有する分離板145の対応する実施形態は、特に、照明放射線5の反射をかすめ入射に実施することが意図される場合であれば有利である。この場合に、かすめ入射は、特に、反射面の表面法線に対して少なくとも70°の入射角での照明放射線5の入射を意味すると理解しなければならない。
出力結合光学ユニット9の更なる変形を図49を参照して下記で説明する。同一の部分は、これにより参照される上記で記述した変形の場合と同じ参照符号を獲得する。
この変形では、出力結合光学ユニット9は、集合出力ビーム8を個々の出力ビーム10iに分割するための分割ユニット148を含む。分割ユニット148は、複数の偏向要素149iを含む。偏向要素149iは、各場合に集合出力ビーム8から個々の出力ビーム10iのうちの1つを偏向して結合出力するように機能する。これらの偏向要素149iは、照明放射線5のビーム経路に固定配置される。
個々の出力ビーム10iの個々の強度を変更するために、伝達率に影響を及ぼすための要素が各場合に設けられる。特に、そのような要素は個々の出力ビーム10iの各々に割り当てられる。伝達率に影響を及ぼすための要素は、特に各場合に場所依存の伝達率を有する回転要素として具現化される。この要素は、特に各場合に回転ニュートラルフィルタ150iを含むことができる。ニュートラルフィルタ150iは、特に各場合に方位角方向に変化し、すなわち、回転位置に依存する吸収率、従って、透過率を有する環状フィルタ領域を有する。
図49は、別々のニュートラルフィルタ150iが個々の出力ビーム10iの各々に割り当てられる変形を例示的に略示している。原理的には、単一回転ニュートラルフィルタ150を用いて複数、特に全ての個々の出力ビーム10iに影響を及ぼすことができる。この場合に、ニュートラルフィルタ150は、個々の出力ビーム10iの各々に対して各場合に別々のフィルタ領域を有することができる。ニュートラルフィルタ150i上の異なる入射領域を用いて個々の出力ビーム10iに別様に影響を及ぼすことができ、特にそれを減衰させることができる。この場合に、単一環状フィルタ領域を有するニュートラルフィルタ150を具現化するだけで十分とすることができる。更なる代替形も同じく可能である。ニュートラルフィルタは、反射において放射線の可変分量をビーム経路から誘導し、その後に吸収することによって達成することができる。
ニュートラルフィルタ150iは、個々の出力ビーム10iの個々の強度の周期的適応化を可能にする。個々の出力ビーム10iの個々の強度は、特にニュートラルフィルタ150iを用いて互いに独立して制御することができる。
集合出力ビーム8の全体強度も、必要に応じて制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。集合出力ビーム8は、特に、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比の変動に依存して制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。集合出力ビーム8は、特に、異なるウェーハ25iに到達することが意図される照明放射線5の望ましい予め定義された線量にも依存して制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。更なる詳細、補足、及び代替形に関しては、上述の代替形を参照されたい。
この実施形態において、回転要素の個数は、個々の出力ビーム10iの個数に正確に等しく、特にスキャナ3iの個数に正確に等しいとすることができる。回転要素には、場所依存の吸収率、反射率、又は伝達率が与えられる。
出力結合光学ユニット9の更なる変形を図50を参照して下記で説明する。同一の部分は、これにより参照する上記で記述した変形の場合と同じ参照符号を獲得する。
この変形では、出力結合光学ユニット9は、図49に示す変形の回転ニュートラルフィルタ150iの代わりに、各場合に回転多角形ミラー51iを含み、更に各場合に、それに対して割り当てられ、場所依存の伝達率、特に反射率又は吸収率を有する固定構成要素を含む。固定構成要素は、各場合に変位方向139に変動する透過率を有する矩形板152iとして具現化される。
多角形ミラー51iは、各場合に板152i上で変位方向139に変位可能な照明領域137をもたらす。照明領域137の変位は、図25に示す変形に実質的に対応する。しかし、図50に記載の変形では、板152iは、集合出力ビーム8を個々の出力ビーム10iに分割するための役割を達成せず、スキャナ3iに到達する個々の出力ビーム10iのうちの1つの個々の強度に影響を及ぼすためだけなどに機能する。
下記では、個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割を制御するための異なる方法を説明する。
上記で記述した変形の全てにおいて、出力結合光学ユニット9は、少なくとも1つの回転可能な要素、すなわち、少なくとも1つの周期的に変位可能な要素を含む。放射線源4の照明放射線5の複数M個のスキャナ3i間での分割を制御するために、第1に、この要素の周期的可変設定に依存する個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比の時間プロファイルを決定することができる。
更に、個々の出力ビーム10iのうちの各々の平均実強度を決定することが可能になる。実強度は、特に、各場合にある周期にわたって平均される方式で決定することができる。
ここで、各場合にスキャナ3iの入力での、及び/又は物体視野11iの領域内の、及び/又は像視野23iの領域内の実強度を決定することが可能である。原理的には、実強度は、出力結合光学ユニット9の下流のビーム経路内の他の場所で決定することができる。
個々の出力ビーム10iの予め定義された設定値強度に対して、個々の出力ビーム10iのうちの各々の平均実強度を適応化するための補正因子は、決定された実強度に基づいて決定することができる。
第1に、集合出力ビーム8の全体強度は、決定された補正因子に基づいて、更に個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段の周期的変更に基づいて、特に時間的に依存して制御することができる。この制御は、特に制御デバイス133を用いて行うことができる。集合出力ビーム8の全体強度は、特に放射線源4の制御により、特に放射線源4のパルス周波数の制御により、特に放射線源4の平均パルス周波数の制御によって達成することができる。この場合に、制御は、特にフィードバックを用いて行うことができる。言い換えれば、閉ループ制御を含めることができる。
特に、周期TVarの互いに素な間隔の各々に対する放射線源のパルス周波数を個々に制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することを可能とすることができる。この場合に、パルス周波数は、個々の間隔内で一定とすることができる。パルス周波数は、これらの間隔内で制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。
互いに素なかつ離散間隔の代わりに、放射線源の強度及び/又はパルス周波数を連続的に制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。この制御は、特に、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比が連続的に、特に定常的に変更される場合に有利である場合がある。
それに対する代替として、スキャナ3i間での放射線源4からの照明放射線5の分割の制御は、以下の通りに行うことができる。最初に、個々の出力ビーム10iの設定値強度、又は異なるスキャナ3i内のウェーハ25iを露光することが意図される望ましい線量が予め定義される。
個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段の可変設定に依存するこの分割比の時間プロファイルが決定される。
次いで、シーケンスpk全体にわたって平均された個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の全体強度の分割比を達成するために使用することができる個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を変更するための手段の設定の時間シーケンスpkを決定する段階が続く。時間シーケンスpkは、特に予め定義された設定値強度に依存して決定される。
次いで、分割比を変更するための手段の設定のシーケンスpk全体を通過する際にシーケンスpkにわたって平均される個々の出力ビーム10iのうちの各々の実強度を決定する段階が続く。
そこから、予め定義された設定値強度からの決定された実強度の逸脱が決定される。
集合出力ビーム8の全体強度又はその時間プロファイル、及び/又は設定値のシーケンスpkの適応化をいつも達成することができる。この適応化は、逸脱のうちの少なくとも1つが予め定義された最大値を超えた場合にのみ行うことができる。
集合出力ビーム8の全体強度は、特に時間的に制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。この全体強度は、特に、分割比を変更するための手段の設定値のシーケンスpkに依存して制御することができ、特に閉ループ制御によって制御することができる。
集合出力ビーム8の全体強度の閉ループ制御と設定シーケンスpkの閉ループ制御とに対して、特に2つの別々の制御ループが設けられる。集合出力ビーム8の全体強度、特に、ウェーハ25i上の点が走査スロットを通過するのに必要とされる時間内に放射線源4によって放出される照明放射線5の強度の閉ループ制御のための制御ループは、少なくとも1回、特に複数回、特に少なくとも3回、特に少なくとも5回、特に少なくとも10回通される。制御ループの通過が発生する所要時間を上記で記述した例示的実施形態との類似によってTVarと表示する。
個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比を変更するための手段の設定の閉ループ制御は、別々の制御ループ内で行うことができる。これは、設定される分割比に対する新しい予め定義された値を各時点での個々の出力ビーム10iの実強度の測定から出現させることができるが、各時点で個々の出力ビーム10iへの放射線源4によって放出される照明放射線5、すなわち、集合出力ビーム8の瞬間分割比に対して正確に1つの値しか設定することができないので有利である。個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比を変更するための手段の設定値のシーケンスpkは、ターゲット線量値に対する予め定義された値から決定される。分割比を変更するための手段は、次に、決定されたシーケンスpkに則して設定される。
下記では、これらの方法の更なる詳細及び出力結合光学ユニット9の更なる変形をより詳細に説明する。
出力結合光学ユニット9の更なる例示的実施形態を図51を参照して下記で説明する。図51に示す変形は、図26に示すものに実質的に対応し、ここではこの図の説明を参照されたい。図51に記載の変形では、回転多角形ミラー136の代わりに、変位可能偏向ミラー153、特に起動可能方式で変位可能なものが設けられる。偏向ミラー153の変位、特に傾斜により、照明領域137を分離板134に対して変位可能である。その結果、個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割は、偏向ミラー153の変位位置の制御によって変更することができる。
偏向ミラー153と分離板134の間の2mの距離及び変位方向139と平行な方向の分離板134の100mmの広がりが与えられると、中心位置に対する偏向ミラー153の傾斜範囲は±12.5mradである。10mmの基準が与えられると、そのような傾斜は、2つのリニアアクチュエータのゼロ位置付近の±62.5μmの移動に対応する。偏向ミラー153を変位させるために圧電アクチュエータを使用することができる。これらの圧電アクチュエータは、特に偏向ミラー153の非常に高速な変位を可能にする。2つの変位位置の間で偏向ミラー153を変位させるのに必要とされる時間は、特に1msよりも短く、特に最大でも0.1ms、特に最大でも0.05ms、特に最大でも0.03ms、特に最大でも0.02ms、特に最大でも0.01msである。
図52に略示するように一変形による出力結合光学ユニット9は、単一偏向ミラー153の代わりに複数の偏向ミラー153、例えば、2、3、4、5、又は6以上の偏向ミラー153を含むことができる。q個の偏向ミラー153が使用される場合に、単一集合出力ビーム8によってq個の異なる照明領域137を分離板134上で同時に照明することができる。
この代替形の1つの利点は、偏向ミラー153を変位させるためのアクチュエータを単一偏向ミラー153を有する代替形の場合よりも低速に移動しなければならない点である。2つの切り換え処理中の時間は、単一偏向ミラー153を有する代替形の場合よりも特に偏向ミラー153の個数qに正確に対応する倍数だけ長くすることができる。更に、切り換え処理毎の変位移動を小さくすることができる。原理的には、専用分離板134を個々の偏向ミラー153の各々に割り当てることができる。
偏向ミラー153の個数は、スキャナ3iの個数に特に正確に対応することができる。出力結合光学ユニット9は、スキャナ3iの個数よりも少ない個数の偏向ミラー153を有することができる。
偏向ミラー153の個数qが少なくともスキャナ3iの個数Mに対応する、q≧Mである構成は、偏向ミラー153の設定を制御ループの周期の範囲で変更しなくてもよいという利点をもたらす。従って、偏向ミラー153を設定しなければならない時間スケールは、もはや時間TVarによって与えられることはなく、リソグラフィ装置1の関連のドリフト効果が発生する時間スケールによってのみ与えられる。
図51及び図52に記載の変形においても、図64に記載の角度増大構成要素を有利に使用することができる。その結果、偏向ミラー153の傾斜機能の範囲を縮小することができる。
照明放射線の形状は、放射線源4のビーム特性とビーム成形ユニット7の構成とでもたらされる。図56に略示するように、照明領域137は、必ずしもストリップ形状様式で具現化する必要がなく、特に必ずしも矩形様式で具現化する必要はない。図56は、丸形、特に楕円状の形状を有する2つの異なる照明領域137を示している。図56に示す2つの照明領域137は、変位方向139の広がりにおいて異なる。
自由電子レーザは、第一近似としてガウス放射線プロファイルを放出する。しかし、以下の考察において必要とされるものは、分離板134の照明がI(x,y)=Ix(x)・Iy(y)として因数分解され、ミラー対称性がIx(−x)=Ix(x)として存在するというより一般的特性に過ぎない。これらの条件は、特に、放射線源4のビーム特性、更にビーム成形ユニット7の成形特性がこれらの条件を満たす場合に満たされる。境界144i、i+1の真っ直ぐな直線行程の場合に、照明領域137の変位方向139の広がりが個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比に対して無関係になるという効果を有する。これは、境界144i、i+1の行程が、図57に示すように曲げ部及び/又は曲率を有する場合はもはや成り立たない。この場合に、分割比は、照明領域137の中心の位置だけではなく、照明領域137の変位方向139の広がりにも依存する。
従って、有利なことに、分離板134の設計では、境界144ijの曲げ部を可能な限り回避する試みが行われる。更に、曲率は、好ましくは、可能な限り小さく保たれる。有利なことに、境界144ijの曲率半径は、照明領域137の直径の2倍よりも大きく、特に照明領域137の直径の5倍よりも大きく、特に照明領域137の直径の10倍よりも大きい。
更に、分割比の制御、特に照明領域137の変位の制御では、好ましくは、照明領域137は、曲げ部の領域又は大きい曲率を有する領域に置かれることになることが防止される。
図58は、3つの領域1351、1352、1353を有する分離板134を示している。この変形では、境界1441,2、1442,3は区分的に直線である。
図58は、領域1353が変位方向139に対して垂直な方向に分離板134の全広がりの正確に3分の1を有する変位方向139の位置を円形の記号155で強調表示している。この位置は、スキャナ33に対する個々の出力ビーム103の個々の強度として、この強度が標準強度値、すなわち、全体強度を3つ全てのスキャナ31、32、33の間で均一に分割した値を有する位置に正確に対応する。境界1442、3はこれらの場所に曲げ部を持たないので、3つのこれらの位置は有利である。これらの位置を塗り潰し記号に示している。従ってこの変形で有利に使用される照明領域137を変位させるための領域は、双方向矢印156に示している。
これらの領域を可能な限り大きくするために、不利領域を急勾配にするための具備を為すことができる。これを図59に例示している。縁部の勾配を変化させることにより、照明領域137を変位方向139に変位させるために有利に使用される領域をかなり拡大することが可能であった。
下記では、出力結合光学ユニット9を設定するための他の態様を概説する。
上述の考察は、拡張可能パラメータpが離散時点で瞬時に変更されることを少なくとも部分的に仮定した。それによって一般的であるが依然として定量的な結果が導出可能であることが可能になった。実際には、分離板134上の照明放射線5の入射位置、特に分離板134に対する照明領域137の相対変位位置は、一般的に瞬時には変更されず、時間と共に継続的に変更される。
パラメータpの変化の有限速度を考慮に入れると、最終的に周期TVar内で照明領域137の有意により多くの異なる位置に移動することが可能であるが、これらの位置はもはや互いに独立して選択することができない。これは、与えられたレバーmを用いて望ましい強度yiのより大きい範囲を設定することができるという効果を有することができる。
外部パラメータpを時間と共に継続的に変更することしかできないことを無視すると、有限速度は、パラメータpが、ターゲット位置に、後に次のターゲット位置に有限速度で移動するまで留まるという効果を有する。
記述した例示的実施形態の全てが、個々の出力ビーム10iのうちの特定の1つのものの個々の強度の増大をもたらす各領域に対して、この個々の出力ビーム10iの個々の強度が低減される更なる領域が存在するという特性を充足する。従って、パラメータpが一定速度で移動領域全体にわたって1回移動される場合に、正味の効果は平均されて失われる。
有限移動時間は、特に、外部パラメータpが望ましい値のうちの1つを有する時間が減少するという効果を有する。この効果は、設定される関数fi(p)の値を決定するときに考慮しなければならない。
更に、外部パラメータpの値は制御ループ内で決定されるので、このパラメータpの設定は比較的不正確であることが許されることが認識されている。これに関連することは、ウェーハ25i上の点が走査スロットを通過する時間内に何度の制御ループの通過が発生するかということである。走査スロットにわたって平均される分割比の誤差は、第一近似として瞬間分割比の誤差を上述の通過回数の平方根で割り算したものによって与えられる。得られる相対誤差は、有利なことにウェーハ25iを露光する線量の許容範囲の1/2よりも小さく、特に線量の許容範囲の1/10よりも小さい。
個々のスキャナ3iに入射するエネルギ、特に異なる個々の出力ビーム10iの個々の強度は、センサを用いて、特にエネルギセンサ又は線量センサを用いて非常に正確かつ非常に高速に測定することができる。これらの測定の値に基づいて、どの程度の線量補正が必要であるかを計算することができる。放射線源4によって放出される照明放射線5の全体強度、特に集合出力ビーム8の全体強度は、特にターゲット線量値yiに依存して制御デバイス33を用いて制御することができる。この全体強度は、特にセンサ132を用いて制御ループによって制御することができる。
集合出力ビーム8の全体強度の閉ループ制御に関して、以下の制御ループを通すことができる。
−i番目のスキャナ3iに対する望ましい線量
を予め定義する段階。
−集合出力ビーム8の現在の全体強度
を決定する段階。集合出力ビーム8の現在の全体強度
は、制御ループの前回の通過から既知とすることができる。この全体強度は、各場合に測定することができる。
−走査継続時間にわたって平均された現在設定相対線量変動
を決定する段階。この値は、前回の制御ループ通過から引き継ぐことができる。
−i番目のスキャナ3iの実線量siを好ましくは移動の時間平均として測定する段階。
−集合出力ビーム8の全体強度のうちのどの程度の分量が特定のスキャナ3iのレチクル22iに到達するかを
として推定する段階。
−以下の連立方程式を解く段階。
この連立方程式は常に解を有する。
−特に放射線源4によって放出される照明放射線5の電力をlに対して決定された解に依存して適応化することによって集合出力ビーム8の全体強度を適応化する段階。
上述の制御ループは、ウェーハ25i上の点が走査スロットを通過するのに必要とされる時間内に少なくとも1回通さなければならない。
制御ループは、複数回、特に少なくとも2回、特に少なくとも3回、特に少なくとも5回、特に少なくとも10回通すことができる。
外部パラメータpkの新しい予め定義された値を決定するために、yiに対して決定された値を第2の制御ループに転送することができる。外部パラメータpkの新しい予め定義された値は、yiに対して決定された値から直接に決定することができ、次いで、第2の制御ループに転送される。
新しい予め定義された値pkの設定は、有利なことに別々の制御ループ内で行われる。これは、値yiに対する新しい予め定義された値は、各時点で測定値から第1の制御ループM内で発生させることができるが、各時点で外部パラメータpkに対して正確に1つの値しか設定することができないことで有利である。
設定値のシーケンスpkは、上述の第2の制御ループ内の集合である。このシーケンスの2つの異なる設定の間には、少なくとも外部パラメータpを設定するための手段の機械的慣性に対応する時間中の待機がある。有利なことに、待機の継続時間は、最大で50倍の長さ、特に最大で20倍の長さ、特に最大で5倍の長さである。
異なる例示的実施形態に基づいて上記で記述した空間的態様及び時間的態様、特に別々の領域43iへの分離板39の分割、すなわち、光学構成要素42の実施形態、及び分離板134及び145それぞれを用いた個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割は、互いに有利に組み合わせることができる。特に、上記で記述した特性に加えて、分離板134及び145の特性を有する光学構成要素42を設けることができる。
光学構成要素42は、特に図17を参照して記述したものに対応する実施形態を有することができる。光学構成要素42又は分離板134の対応する変形の平面図を図66に略示している。位置関係を明確にするために図17に示すものに対応する局所座標系を使用する。分離板134の以上の説明とは異なり、この変形の説明では、変位方向139と平行な方向をy方向と表示する。x方向は、分離板39が領域43iにどのように分割されるかに関する態様の説明からのx方向(例えば、図3Aから図3F又は図7A、図7Bを参照されたい)に対応する。
領域43i、j=135i、jの群は、個々の出力ビーム10iの特定の1つを反射するように機能する。領域43i、j=135i、jは、y方向にこの方向の照明領域137の対応する広がりよりも大きい広がりを有する。詳細に関しては、以上の説明を参照されたい。
領域43i、j=135i、jは、x方向に可変広がりを有する。領域43i、j=135i、jのx方向広がりは、特にy方向の位置と共に変化する。領域43i、j=135i、jのx方向広がりは、少なくとも予め定義されたy方向位置で特にこれらの領域のy方向広がり全体にわたって上記で記述した領域43iへの分離板39の分割に対応する。
y方向に関する領域43i、j=135i、jのx広がりの変動は、上記で記述した照明領域137の変位方向139と平行な方向の領域135iの変動に対応する。
光学構成要素42=134のそのような実施形態は、第1に異なるビーム経路を有する別々の部分ビーム12i、jに個々の出力ビーム10iを分割すること、第2に個々の出力ビーム10iへの集合出力ビーム8の分割比を光学構成要素42=134に対する照明領域137の変位によって変更することを可能にする。
下記では、出力結合光学ユニットの更なる実施形態を更なる例示的実施形態に基づいて説明する。最初に、投影露光装置201の一般的構成部分をここでもまた提示する。
マイクロリソグラフィのための投影露光装置201は、複数の投影露光装置を含む系の一部であり、図67は、これらの投影露光装置のうちの1つ201を示している。投影露光装置201は、微細又はナノ構造化電子半導体構成要素を生成するように機能する。系の投影露光装置の全てに共通の光源又は放射線源202は、例えば、2nmと30nmの間、特に2nmと15nmの間の波長範囲にある例えば13nmのEUV放射線を放出する。光源202は、自由電子レーザ(FEL)として具現化される。自由電子レーザは、非常に高い輝度を有するコヒーレント放射線を発生させるシンクロトロン放射線源又はシンクロトロン放射線を利用する光源を含む。そのようなFELを記載している文献は、WO 2009/121 438 A1に示されている。使用することができる光源202は、例えば、Uwe Schindler著「Ein supraleitender Undulator mit elektrisch umschaltbarer Helizitat[電気的に切換可能なヘリシティーを有する超電導アンジュレータ(A superconducting undulator having electrically switchable helicitity)]」、Helmholtz Association内Karlsruhe Research Centre、scientific reports、FZKA6997、2004年8月、US 2007/0152171 A1、及びDE 103 58 225 B3に記載されている。
FELとしての実施形態の場合に、光源202は、2000MWから2500MWのピーク電力を有することができる。光源202は、パルス様式で作動させることができる。パルス電力は280MWとすることができる。パルス持続時間は2ps(FWHM)とすることができる。パルスエネルギは0.6mJとすることができる。パルス繰り返し速度は3MHzとすることができる。cw電力又は平均パルス電力は1.7kWとすることができる。相対波長帯域幅Δλ/λは0.1%とすることができる。典型的なビーム直径は、200μmの領域内にあるとすることができる。典型的なFEL放出の発散は、20μradの領域内にあるとすることができる。
光源202は、生ビーム中に0.1mm2よりも小さいオリジナルエタンデュを有する。エタンデュは、光源の放出の光エネルギの90%を含む位相空間の最小体積である。それに対応するエタンデュの定義は、x及びyが照明される照明視野を張る視野寸法であり、NAが視野照明の開口数である時に、エタンデュが照明データx,yとNA2との乗算によって得られることを示すEP 1 072 957 A2及びUS 6 198 793 B1に見出される。0.1mm2よりも更に小さい光源エタンデュ、例えば、0.01mm2よりも小さいエタンデュが可能である。
EUV光源202は、電子ビームを発生させるための電子ビーム供給デバイスとEUV発生デバイスとを有する。EUV発生デバイスには、電子ビーム供給デバイスによって電子ビームが供給される。EUV発生デバイスは、アンジュレータとして具現化される。アンジュレータは、変位によって調節可能なアンジュレータ磁石を任意的に含むことができる。アンジュレータは電磁石を含むことができる。光源202の場合は揺動体を設けることができる。
光源202は2.5kWの平均電力を有する。光源202のパルス周波数は30MHzである。この場合に、各個々の放射線パルスは83μJのエネルギを伝達する。100fsの放射線パルス長が与えられると、このパルス長は833MWの放射線パルス電力に対応する。
光源202の繰り返し速度は、キロヘルツ範囲にあるもの、例えば、100kHz、比較的低いメガヘルツ範囲にあるもの、例えば、3MHz、中間メガヘルツ範囲にあるもの、例えば、30MHz、又は高メガヘルツ範囲にあるもの、例えば、300MHz、又は他にギガヘルツ範囲にあるもの、例えば、1.3GHzとすることができる。
下記では、位置関係の例示を容易にするために、直交xyz座標系を使用する。これらの図では、x座標はy座標と共に通常はEUV照明結像光203のビーム断面を張る。相応にx方向は、通常は照明結像光203のビーム方向に延びる。x方向は、例えば、図67及び図68内で垂直に、すなわち、投影露光装置201の系が含まれる構成平面と垂直に延びる。
図67は、系の投影露光装置201のうちの1つの主構成要素を非常に概略的に示している。
光源202は、照明結像光203を最初にEUV生ビーム204の形態で放出する。生ビーム204は、一般的にガウス強度プロファイルを有するビーム、すなわち、断面が丸形のビームとして存在する。EUV生ビーム204は非常に小さいビーム断面と非常に低い発散とを有する。
ビーム成形光学ユニット206(図67を参照されたい)は、EUV生ビーム204からEUV集合出力ビーム207を発生させるように機能する。これを図67に非常に概略的に例示し、図68にはそれよりも幾分詳細に例示している。EUV集合出力ビーム207は非常に低い発散を有する。EUV集合出力ビーム207は、均一に照明される矩形の形状を有する。EUV集合出力ビーム207のx/yアスペクト比は、Nが系内で光源202によって供給される投影露光装置201の個数である時にN:1とすることができる。
図68は、N=4であり、従って、光源202が、図67に記載の投影露光装置201のタイプに則した4つの投影露光装置に照明光203を供給する系設計を示している。N=4では、EUV集合出力ビーム207のx/yアスペクト比は4:1である。更に、小さいアスペクト比N:1、例えば、
が可能である。投影露光装置201の個数Nは、更に大きいとすることができ、例えば、210までとすることができる。
出力結合光学ユニット208(図67及び図68を参照されたい)は、EUV集合出力ビーム207から複数個、すなわち、N個のEUVの個々の出力ビーム2091から209N(i=1,...N)を発生させるように機能する。
図67は、上述のEUVの個々の出力ビーム209のうちの正確に1つのもの、すなわち、出力ビーム2091の更なる案内を示している。図67に同じく略示する出力結合光学ユニット208によって発生された他のEUVの個々の出力ビーム209iは、系の他の投影露光装置に給送される。
出力結合光学ユニット208の下流では、照明結像光203は、ビーム案内光学ユニット210(図67を参照されたい)により、投影される物体としてのレチクルの形態にあるリソグラフィマスク212が配置された投影露光装置201の物体視野211に向けて案内される。ビーム案内光学ユニット210と共に、ビーム成形光学ユニット206及び出力結合光学ユニット208は、投影露光装置201のための照明系を構成する。
ビーム案内光学ユニット210は、照明光203、すなわち、EUVの個々の出力ビーム209iに対するビーム経路の順序で偏向光学ユニット213と、集束アセンブリの形態にある入力結合光学ユニット214と、下流の照明光学ユニット215とを含む。照明光学ユニット215は、従来技術で公知のものに対応する機能を有し、従って、図67には関連のEUVビーム経路なしで極めて概略的にしか例示していない視野ファセットミラー216と瞳ファセットミラー217とを含む。
視野ファセットミラー216での反射の後に、視野ファセットミラー216の個々の視野ファセット(例示していない)に割り当てられたEUV部分ビームに分割された照明光203の使用放射線ビームは、瞳ファセットミラー217上に入射する。瞳ファセットミラー217の瞳ファセット(図67には例示していない)は丸形である。これらの瞳ファセットのうちの1つは、視野ファセットのうちの1つから反射される使用放射線ビームの各部分ビームに割り当てられ、それによって視野ファセットのうちの1つと瞳ファセットのうちの1つとを含む入射ファセット対が、使用放射線ビームの関連部分ビームに対する照明チャネル又はビーム案内チャネルを予め定義する。視野ファセットへの瞳ファセットのチャネル別割り当ては、投影露光装置201による望ましい照明に依存して行われる。従って、照明光203は、視野ファセットのうちのそれぞれと瞳ファセットのうちのそれぞれとを含む対を順次経由する照明チャネルに沿う個々の照明角度を予め定義するように案内される。それぞれ予め定義される瞳ファセットを駆動するために、視野ファセットミラー216の視野ファセットは、各場合に個々に傾斜される。
瞳ファセットミラー217を通じて、かつ適切な場合に例えば3つのEUVミラー(例示していない)からなる下流の伝達光学ユニットを通じて、視野ファセットは、投影露光装置201の投影光学ユニット19(同じく図67に略示する)のレチクル平面又は物体平面218内で照明視野又は物体視野211に結像される。
視野ファセットミラー216の視野ファセットの照明によって全ての照明チャネルを通して引き起こされる個々の照明角度から、照明光学ユニット215による物体視野211の照明の照明角度分布がもたらされる。
照明光学ユニット215の更なる実施形態において、特に投影光学ユニット219の入射瞳の適切な位置が与えられると、物体視野211の上流の伝達光学ユニットのミラーを省くことができ、それによって使用放射線ビームに対する投影露光装置201の対応する伝達率の増大がもたらされる。
使用放射線ビームを反射するレチクル212は、物体平面218の物体視野211に配置される。レチクル212は、レチクル変位ドライブ221を用いて駆動される方式で変位可能なレチクルホルダ220によって担持される。
投影光学ユニット219は、物体視野211を像平面223の像視野222に結像する。投影露光中に、ウェーハ224は、この像平面223に配置され、かつ投影露光装置201による投影露光中に露光される感光層を担持する。ウェーハ224は、ウェーハホルダ225によって担持され、ウェーハホルダ225は、次に、ウェーハ変位ドライブ226を用いて制御された方式で変位可能である。
投影露光中に、図67のレチクル212とウェーハ224の両方は、同期方式でレチクル変位ドライブ221とウェーハ変位ドライブ226との対応する駆動によってx方向に走査される。ウェーハは、投影露光中に一般的に600mm/sの走査速度でx方向に走査される。
図68から図75は、EUV集合出力ビーム207からEUVの個々の出力ビーム209を発生させるための出力結合光学ユニットの例を示している。出力結合光学ユニットは、結合出力構成要素として、EUVの個々の出力ビーム2091、2092、...に割り当てられた複数の結合出力ミラー2311、2312、...を有し、EUV集合出力ビーム207からこれらのEUVの個々の出力ビーム2091、2092、...を結合出力する。
図68は、結合出力中に照明光203が結合出力ミラー231によって90°だけ偏向されるような出力結合光学ユニット208の結合出力ミラー231の配置を示している。結合出力ミラー231が、例えば、図69に略示するように照明光203のかすめ入射で作動される実施形態が好ましい。図69に記載の実施形態において、結合出力ミラー231上への照明光203の入射角αは約70°であるが、EUV集合出力ビーム207の入射方向と比較したそれぞれの結合出力ミラー231によるEUVの個々の出力ビーム209の有効偏向が10°であるように更に有意にこの角度よりも大きいことも可能であり、例えば、85°の領域内にあるとすることができる。有効偏向は、実施形態に依存して少なくとも1°、又は他に少なくとも5°とすることができる。従って、結合出力ミラー231は、GIミラー(かすめ入射ミラー)として具現化される。
結合出力ミラー231iの各々は、ヒートシンク(詳細には例示していない)に熱的に結合される。
図68は、合計で4つの結合出力ミラー2311から2314を有する出力結合光学ユニット208を示している。図69は、合計で3つの結合出力ミラー2311から2313を有する出力結合光学ユニット208の変形を示している。図70は、一方が示されている合計で2つの結合出力ミラー231を有する出力結合光学ユニット208の変形における結合出力ミラー231のうちの1つを示している。光源202によって供給される投影露光装置1の個数N、例えば、N=2又はN≧4、特にN≧8に基づいて、異なる個数Nの結合出力ミラー231も可能である。
結合出力の後に、EUVの個々の出力ビーム209の各々は、例えば、1:1のx/yアスペクト比を有する。例えば、
の異なるx/yアスペクト比も可能である。
結合出力ミラー331i(i=1,2,...)は、それぞれの最近接結合出力ミラー231iがEUV集合出力ビーム207の周辺断面分量を反射し、それによって関連の結合出力ミラー231iを通り過ぎる残りのEUV集合出力ビーム207からのEUVの個々の出力ビーム209iとしてこの断面分量を結合出力するように、EUV集合出力ビーム207のビーム経路にEUV集合出力ビーム207のビーム方向に互いに背後にオフセットされる方式で配置される。この縁部からの結合出力は、EUV集合出力ビーム207の依然として残っている最後の断面分量が結合出力されるまで、次に続く結合出力ミラー231i+1、...によって繰り返される。
EUV集合出力ビーム207のエネルギに対して、個々のEUVの個々の出力ビーム209iは、この全エネルギの1%と50%の間の分量を伝達することができる。
EUV集合出力ビーム207の断面内でEUVの個々の出力ビーム209iに割り当てられる断面分量の間の分離は、yz平面と平行に延びる分離平面に沿って実施される。EUVの個々の出力ビーム209iの分離は、ビーム経路内の次の光学構成要素、すなわち、偏向光学ユニット213の次の構成要素から最も遠い断面分量が各場合に切り離されるように実施することができる。それによって取りわけ、結合出力ミラー231の反射面232の特に反対側からの出力結合光学ユニット208の駆動及び/又は冷却が容易になる。
照明光203のビーム経路内で出力結合光学ユニット208の下流に置かれた偏向光学ユニット213は、第1にEUVの個々の出力ビーム209が各場合に偏向光学ユニット213の下流で垂直ビーム方向を有するようにEUVの個々の出力ビーム209を偏向するように、第2にEUVの個々の出力ビーム209のx/yアスペクト比を適応化するように機能する。適応化ターゲットのx/yアスペクト比は、矩形又は物体形状の物体視野211のアスペクト比とすることができ、照明光学ユニット215の最初の光学要素のアスペクト比とすることができ、又は照明光学ユニット215の上流で中間焦点面234(図67を参照されたい)内にある中間フォーカス233における照明光203の開口角のアスペクト比とすることができる。
出力結合光学ユニット208の下流にEUVの個々の出力ビーム209の垂直ビーム経路が既に存在する場合に、偏向光学ユニット213の偏向効果を省くことができ、EUVの個々の出力ビーム209のx/yアスペクト比に関する適応化効果だけで十分である。
偏向光学ユニット213の下流のEUVの個々の出力ビーム209は、適切な場合であれば集束アセンブリ214を通った後にこれらのビームが照明光学ユニット215内にこのユニットの効率的な折り返しを可能にする角度で入射するように進行することができる。偏向光学ユニット213の下流では、EUVの個々の出力ビーム209iは、垂直に対して0°から10°までの角度、垂直に対して10°から20°までの角度、又は垂直に対して20°から30°までの角度で進行することができる。
複数の結合出力ミラー231を含む出力結合光学ユニット208の実施形態の場合の結合出力ミラー231の光学面、すなわち、結合出力ミラー231のそれぞれの反射面232は振動面として具現化される。それぞれの結合出力ミラー231の反射面232は、振動ドライブと作動的に接続され、それによって反射面232は振動又は揺動を達成する。
図70は、振動ドライブが、結合面236を通して結合出力ミラー231のミラー本体237に結合された結合本体235として具現化される結合出力ミラー231の実施形態を示している。
図70に記載の結合出力ミラー231の場合は入射角αは82°である。ミラー本体237は、楔形設計のものであり、入射角αに対応する8°の楔角βを有する。
図70に記載の結合出力ミラー231の実施形態に基づいて、振動ドライブを構成する結合本体235は、圧電構成要素又は音響光学変調器として具現化することができる。
作動中に、振動ドライブ235は、反射面232、すなわち、振動面内に振動変形をもたらす。この振動変形は、定常波及び/又は進行波とすることができる。振動面232のこの振動変形の振動周波数は、50Hzと10kHzの間にあるか又はそれよりも高いとすることができ、少なくとも100Hz、又は他に少なくとも1kHzとすることができる。振動周波数の上限は、例えば、光源202の繰り返し速度によって与えられ、100MHzと1.3GHzの間の範囲にあるとすることができる。反射面232の振動変形によって引き起こされるEUVの個々の出力ビーム209に対する有効偏向角は、μradの範囲から例えばmradの範囲までにあるとすることができる。
図71は、出力結合光学ユニット208の結合出力ミラー231のうちの1つに関する更なる実施形態を示している。既に指定した実施形態を参照して上記で記述したものに対応する構成要素は同じ参照番号を伴い、再度解説することはしない。
図71に記載の結合出力ミラー231のミラー本体237には結合面236を通してヒートシンク238が結合される。このヒートシンクは複数の流体チャネル239を含み、図71にはこれらの流体チャネルのチャネルセクションのみを破線に示している。ヒートシンク238は、流体給送ライン240及び流体排出ライン241を通して熱伝達流体、例えば、水に対する流体回路242に接続される。熱伝達流体として異なる液体又はガスを使用することができる。更に、流体回路242内には熱交換器243及び循環ポンプ244が配置される。
流体回路242を通じた熱伝達流体の循環及び流体チャネル239を通じた熱伝達流体の流れの結果として、ヒートシンク238はターゲット方式で振動を引き起こす。これに代えて又はこれに加えて、熱伝達流体中の圧力変動又は圧力波が、ヒートシンク238のターゲットを定めた振動をもたらすことができる。ヒートシンク238の振動の周波数及び振幅は、流体チャネル239の幾何学設計及び流体チャネル239を通る熱伝達流体の流れによって予め定義することができる。従って、流体回路242の作動中に、ヒートシンク238を通して、それに結合されたミラー本体237及び従って反射面232が振動を引き起こす。図70に記載の実施形態に関して上記に提供した振動周波数に関する説明が成り立つ。
図71に記載の実施形態の場合に、流体回路242全体が反射面232に対する振動ドライブである。振動ドライブは、液圧ドライブによって形成される。
図72は、結合出力ミラー231の更なる変形を示している。既に指定した実施形態を参照して上記で記述したものに対応する構成要素は同じ参照番号を伴い、再度解説することはしない。
図72に記載の結合出力ミラー231のミラー本体237は、y方向と平行な関節式継手軸245を有する関節式継手を通して関節接合で固定フレーム本体246に接続される。この関節式継手接続は、楔形ミラー本体237の隣辺面247を通して行われる。ミラー本体237の隣辺面247と反対の楔先端248では、ミラー本体237に振動本体249が機械的に結合される。振動本体249の作動中に、図72の双方向矢印250に示すように、全体のミラー本体237が関節式継手軸245を中心として振動する。従って、関節式継手軸245は、ミラー本体237に対する傾斜軸を表す。
図73は、図68から図72に記載の実施形態の結合出力ミラー231のうちの1つの代わりに使用することができる結合出力要素の更なる実施形態51を示している。結合出力要素251は、ビームスプリッタの方式で具現化され、かつ入射EUV集合出力ビーム207を反射EUVの個々の出力ビーム2091と透過EUV出力ビームとに分離し、透過EUV出力ビームは、結合出力ビームスプリッタ251が属する出力結合光学ユニットの実施形態に基づいて、更に分離されるEUV集合出力ビーム207、又は更なる結合出力なしで使用される更なるEUVの個々の出力ビーム2092とすることができる。
EUVの個々の出力ビーム2091は、ここでもまた、EUV集合出力ビーム207全体の1%と50%の間の範囲のエネルギを担持する。
ビームスプリッタ結合出力要素251の部分反射面252は、ここでもまた、振動ドライブと作動的に接続された振動面として具現化される。この場合に、原理的には、図70から図72を参照して結合出力ミラー231に関して上述した振動ドライブを使用することができる。
それぞれの振動ドライブは、ここでもまた、部分反射面252、すなわち、振動面内に振動変形をもたらす。この振動変形は、部分反射面252内の定常波及び/又は進行波とすることができる。
結合出力要素251の部分反射面252の振動ドライブの更なる例示的実施形態を図74及び図75を参照して以下に説明する。既に指定した実施形態を参照して記述したものに対応する構成要素は同じ参照番号を伴い、再度解説することはしない。
図74に記載の振動ドライブの場合に、結合出力要素251は、ここでもまた、関節式継手軸253を有する関節式継手を通してフレーム本体254に接続される。この場合に、関節式継手253又はフレーム本体254のいずれも入射EUV集合出力ビーム27に対して外乱阻止効果を持たないように、関節式継手253は結合出力要素251の先端面の領域に配置される。
関節式継手253の反対に置かれた結合出力要素251の端部領域は、振動本体255に機械的に作動的に接続される。振動本体255の作動中に、図74の双方向矢印256に示すように、結合出力要素251全体は、すなわち、部分反射面252を含めて、関節式継手軸253の周りに振動方式で傾斜される。
図75は、結合出力要素251が各場合に2つの本体257、258の間の端面内に締結される変形を示している。この場合に、本体257、258のうちの少なくとも一方は、ビームスプリッタ結合出力要素251、特にその部分反射面52の振動を励振するための振動本体である。図75には、そのような振動を矢印259に示している。この場合に、ここでもまた、本体257、258のうちの少なくとも一方によって部分反射面252内に定常波又は進行波を励振することができる。図75に記載の一実施形態において、本体257、258の両方が振動本体である。別の実施形態において、本体257は振動本体であり、本体258は固定フレーム本体である。第3の実施形態において、本体257が固定フレーム本体であり、本体258が振動本体である。
時間平均された振動面232又は252の振動に起因して、物体視野211の照明中にビーム均一化がもたらされ、従って、コヒーレント極紫外(EUV)集合出力ビーム27の使用に関連付けられたスペックルの低減がもたらされる。
図76は、振動面として具現化された光学面260の更なる実施形態を示しており、光学面は、ミラーアレイとして具現化されている。上述した振動面、例えば、振動面232又は253の代わりに振動面260を使用することができる。
振動面260は、複数の個々のミラー261を含むミラーアレイとして具現化される。個々のミラー261の各々は個々のアクチュエータ262と作動的に接続され、図76にはこの接続を個々のミラー261のうちの1つに対して示している。個々のミラー261に対するアクチュエータ262は、一緒に振動面260に対する振動ドライブを構成する。アクチュエータ262によって振動様式で駆動される単一の個々のミラー261、又は他に相応に振動様式で駆動される個々のミラー261の群を振動面260の振動ドライブに対して使用することができる。この目的のために、個々のミラー261の群を共通の振動ドライブによって駆動することができる。従って、振動面260は、少なくとも1つの振動部分面を有することができる。全ての個々のミラー261を有する振動面260全体も、共通振動ドライブを用いて振動様式で駆動することができる。
ミラーアレイの実施形態、特にMEMSアレイとしての実施形態及び対応するミラードライブは、WO 2013/160 256 A1、WO 2012/130 768 A2、及びWO 2009/100 856 A1から公知である。
上記で記述した振動ドライブは、組合せで作動させることもできる。
投影露光装置201を用いた微細又はナノ構造化構成要素の生成中に、最初にレチクル212とウェーハ224とが与えられる。その後に、投影露光装置201を用いてレチクル212上の構造がウェーハ224の感光層上に投影される。感光層の現像により、ウェーハ224上に微細又はナノ構造が生成され、こうして微細又はナノ構造化構成要素、例えば、メモリチップの形態にある半導体構成要素が生成される。
異なる例示的実施形態の全ての詳細は、互いにいずれかの望ましい方式で組み合わせることができる。特に、異なる振動ドライブの詳細は、少なくとも1つの個々の出力ビーム10iを結合出力するための光学構成要素42の異なる実施形態と、及び/又は個々の出力ビーム10iの個々の強度への集合出力ビーム8の全体強度の分割比を周期的に変更するためのデバイスと組み合わせることができる。