以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において上下とは、シリンジアダプタをシリンジホルダーに取り付けた場合の、重力方向における上方向と下方向とにそれぞれ対応する。また、前側はシリンジが搭載される側に対応し、後側は前側とは反対側に対応する。さらに、左右とは、シリンジアダプタを前側から見た場合の左側と右側とにそれぞれ対応する。
[第1実施形態]
注入装置1の概略斜視図である図1を参照して、薬液を注入するための注入装置1について説明する。注入装置1は、薬液が充填されたシリンジ91が搭載される注入ヘッド2と、注入ヘッド2に設けられ、シリンジ91の後端として、ピストン93の後端を押圧する押圧部4と、注入ヘッド2を制御する制御装置5とを備えている。この制御装置5は、シリンジ91内の薬液を送り出すために押圧部4を制御し、ピストン93の後端を押圧しながら前進させる。なお、注入装置1にシリンジ91を搭載することによって、注入システムが構成される。この注入システムは、注入装置1とシリンジ91とを備えると共にシリンジ91の先端に接続される延長チューブ900と、ミキシングデバイス910とを、さらに備えている。
注入装置1は、シリンジ91を注入ヘッド2に搭載するためのシリンジアダプタ6と、シリンジアダプタ6が取り付けられるシリンジホルダー7とを備えている。そして、注入装置1の押圧部4は、このシリンジアダプタ6に搭載されるシリンジ91の後端を押圧する。なお、図1においては、2つのシリンジ91を搭載するために、注入ヘッド2が2つのシリンジホルダー7を有している。しかし、注入ヘッド2は、1つ又は3つ以上のシリンジホルダー7を有していてもよい。
また、注入装置1は、薬液の注入状況等が表示される表示部としてのタッチパネルを有するコンソール10を備えている。このコンソール10、制御装置5及び注入ヘッド2のそれぞれは、メタルケーブル12及び光ケーブル13等を介して有線接続されている。なお、それぞれは無線接続されてもよく、例えば2.4GHz〜5GHzの周波数帯を使用する無線方式で接続されてもよい。また、制御装置5は、注入ヘッド2の電源(不図示)を有しているが、この電源は注入ヘッド2又はコンソール10に設けることができる。さらに、独立した電源を別途設けることもでき、電源をバッテリーに代えることもできる。
コンソール10には、薬液注入をスタート又はストップさせるために、ハンドスイッチ14等の遠隔操作装置が有線接続されている。なお、遠隔操作装置は、コンソール10に無線接続されてもよく、又は注入ヘッド2に有線若しくは無線接続されてもよい。
さらに、注入装置1は、注入ヘッド2が搭載されるキャスタースタンド11を備えている。なお、キャスタースタンド11には、制御装置5を搭載することもできる。また、注入ヘッド2と制御装置5とを一体的に構成して、両者をキャスタースタンド11に搭載することもできる。さらに、キャスタースタンド11に代えて天吊部材を設け、この天吊部材を介して天井から注入ヘッド2を天吊することもできる。
また、注入ヘッド2には、前進ボタン24、加速ボタン25、後退ボタン26、チェックボタン27、及びスタートボタン28等の操作ボタンが設けられている。そして、オペレーターは、操作ボタンを操作して、注入ヘッド2を手動で操作できる。具体的には、オペレーターが前進ボタン24を押している間、押圧部4が前進する。また、オペレーターが前進ボタン24と加速ボタン25とを同時に押すと、押圧部4の前進速度が加速される。さらに、オペレーターが後退ボタン26を押している間、押圧部4が後退する。
さらに、オペレーターがチェックボタン27を押すと、注入ヘッド2は注入可能な状態で待機する。その後、オペレーターがスタートボタン28を押すと、注入ヘッド2は薬液の注入を開始する。また、チェックボタン27及びスタートボタン28等の操作ボタンは、コンソール10のタッチパネルにも表示される。そして、オペレーターは、タッチパネルを操作して、注入ヘッド2を手動で操作することもできる。なお、注入装置1は、押圧部4が所定の位置まで自動で後退するように構成されてもよい。例えば、注入装置1は、オペレーターが後退ボタン26を押すと、所定の位置まで押圧部4が自動で後退するように構成されてもよい。
注入ヘッド2の押圧部4は、不図示の駆動機構を有する。例えば、駆動機構は、モーター、例えば超音波モーターのシャフトに接続された伝達機構と、伝達機構に接続されたネジ軸と、ネジ軸に取り付けられた台形ネジナットと、台形ネジナットに接続されたアクチュエーターとを備える。また、伝達機構は、シャフトに接続されたピニオンギアと、ネジ軸に接続されたスクリューギアとを有する。そして、伝達機構は、超音波モーターからの回転をネジ軸に伝達する。これにより、超音波モーターのシャフトの回転は、ピニオンギア及びスクリューギアを介してネジ軸に伝達される。そのため、ネジ軸は、伝達された回転に従って回転する。そして、台形ネジナットは、ネジ軸の回転に伴い前進方向又は後進方向に摺動する。この台形ネジナットの摺動に伴い、押圧部4が前進又は後進する。
注入ヘッド2に搭載されるシリンジ91には、シリンジ91内において摺動可能であるピストン93が取り付けられている。そして、ピストン93の後端が押圧部4に当接した状態で超音波モーターが正転すると、押圧部4がピストン93を前進方向に押すことになる。ピストン93が前進すると、シリンジ91内の薬液が押し出され、シリンジ91の先端に接続される延長チューブ900及びミキシングデバイス910等を介して患者の体内に注入される。このミキシングデバイス910は、旋回流を生成するための旋回流生成室と、混合された薬液が流出する流出口と、旋回流生成室及び流出口の間に設けられ、流出口に向かって連続的に狭窄している空間を有する狭窄室とを備える。一方、超音波モーターが逆転すると、押圧部4がピストン93を後退方向に引くことになる。
なお、シリンジ91は、薬液が充填されているシリンジ及び薬液が充填されていない空シリンジのいずれであってもよい。そして、薬液が充填されているシリンジには、予め薬液が充填されているプレフィルドシリンジ、オペレーターが吸引器若しくは充填器で空のシリンジ91に薬液を充填して得られたシリンジ、及びオペレーターが手動で空のシリンジ91に薬液を充填して得られたシリンジ等が含まれる。また、薬液が充填されていない空のシリンジ91を注入装置1に搭載した場合、オペレーターは、注入装置1、吸引器又は充填器により薬液をシリンジ91に充填することができる。さらに、シリンジ91には、RFID(Radio Frequency Identifier)又はバーコードといったデーターキャリアを設けることができる。このデーターキャリアには、充填された薬液の情報等が記録されている。そして、注入装置1は、注入ヘッド2を介してデーターキャリアから記録された情報を読み取り、薬液の注入圧力等を制御できる。例えば、制御装置5は、読み取った薬液の情報(ヨード量及びガドリニウム含有量等)に基づいて、体重当たりの最適な注入量を計算してコンソール10のタッチパネルに表示させることができる。
注入ヘッド2及び制御装置5は、磁気を利用する撮像装置の近傍、例えば検査室内に配置できるように非磁性体材料を用いて構成できる。例えば、非磁性体材料とは、ステンレス、アルミニウム、プラスチック、真鍮、銅、及びセラッミックス等である。この場合、注入ヘッド2は、非磁性体材料を用いて構成されている超音波モーターを有する。この超音波モーターにおいては、例えば、弾性体がリン青銅から形成され、シャフト、ネジ及びスペーサが真鍮から形成され、ケース、ベース及びローターがアルミニウムから形成され、ブッシュがフッ素樹脂から形成される。
ただし、他の撮像装置の近傍で使用する場合、撮像装置から十分に離して使用する場合、又は磁気シールド処理を施した場合には、磁性体材料を用いて注入ヘッド2及び制御装置5を構成することもできる。さらに、コンソール10も、非磁性体材料を用いて構成すれば検査室内に配置できる。
注入ヘッド2を制御する制御装置5は、制御ユニットとして機能するメインCPU(Central Processing Unit)、メモリ部、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びドライブ回路等を有している。また、制御装置5に接続されているコンソール10は、タッチパネル等の制御ユニットとして機能するCPUと、メモリ部とを有している。そして、コンソール10及び制御装置5のメモリ部は、CPUが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、制御プログラム又はシステムソフトウェア等が格納されるROM(Read Only Memory)、及びハードディスクドライブ等を有している。
また、注入装置1は、撮像装置(不図示)に有線又は無線接続することができる。そして、薬液の注入時及び画像の撮影時には、撮像装置と注入装置1との間で各種データが送受信される。例えば、注入装置1において撮像条件が設定又は表示されてもよく、撮像装置において注入条件が設定又は表示されてもよい。このような撮像装置としては、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CT(Computed Tomography)装置、アンギオ撮像装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、CTアンギオ装置、MRアンギオ装置、超音波診断装置、及び血管撮像装置等の各種医療用撮像装置がある。さらに、注入装置1は、注入結果(注入履歴)に関する情報を、ネットワーク経由でRIS(Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)、及びHIS(Hospital Information System)等の外部記憶装置に送信し記憶させることもできる。
続いて、薬液の注入について説明する。薬液を注入する場合、オペレーターは注入装置1の電源をオンにし、シリンジホルダー7にシリンジアダプタ6を取り付ける。そして、オペレーターは、シリンジ91の先端に延長チューブ900等を接続すると共に、シリンジアダプタ6にシリンジ91を搭載して注入準備を完了させる。なお、オペレーターは、シリンジ91を搭載した後に、注入装置1の電源をオンしてもよい。
そして、オペレーターは、コンソール10のタッチパネル又は入力ボタンを操作して、注入プロトコルの作成に必要なデータを入力する。例えば、オペレーターは、体重、身長、体表面積、心拍数及び心拍出量等の患者の身体的データ、及び薬液の種類のデータ等を入力する。なお、注入プロトコル及び薬液のデータ等は、外部の記憶媒体からコンソール10に入力することもできる。
コンソール10は、注入速度、注入量、注入時間及び注入最大圧力(注入圧力リミット値)等の基本注入プロトコルと、薬液のデータ等を予め記憶している。そして、コンソール10は、入力されたデータと予め記憶されているデータに応じて、個別の患者に適した個別注入プロトコルを決定する。オペレーターは、決定された注入プロトコルの内容を確認し、必要であれば内容を変更する。そして、コンソール10は、オペレーターが確認した注入プロトコルを制御装置5に送信する。制御装置5は、コンソール10から受信した注入プロトコルを一時的に記憶する。なお、注入プロトコルは、第三者が変更できないように、パスワードによりロックされていてもよい。
また、コンソール10は、注入速度、注入量及び注入時間等の所定のデータを、タッチパネルに表示する。なお、注入ヘッド2がヘッドディスプレイを有する場合、注入ヘッド2が所定のデータをヘッドディスプレイに表示してもよい。さらに、制御装置5が、ポータブルディスプレイ又はタブレット型コンピューター等の外部デバイスに、所定のデータを表示させてもよい。これらのデバイスは、注入ヘッド2又は制御装置5とBluetooth(登録商標)及びWi-Fi等の規格に従い無線接続され、注入ヘッド2のヘッドディスプレイに代えることができる。
オペレーターは、注入準備を完了して注入プロトコルを確認すると、注入ヘッド2のチェックボタン27又はコンソール10のチェックボタンを押す。これにより、注入ヘッド2は、注入可能な状態で待機する。その後、オペレーターは、注入ヘッド2のスタートボタン28、ハンドスイッチ14のボタン、又はタッチパネルに表示された注入ボタンを押して注入を開始する。なお、注入ヘッド2がヘッドディスプレイを有する場合、オペレーターは、ヘッドディスプレイに表示された注入ボタンを押して注入を開始することもできる。その後、注入ヘッド2は、注入プロトコルに従って自動的に薬液を注入する。
続いて、図2を参照して、注入ヘッド2のシリンジホルダー7について説明する。図2は、注入ヘッド2の前端部分を示す概略上面図であり、シリンジアダプタ6を取り付ける前のシリンジホルダー7を示している。
注入ヘッド2には、2つのシリンジホルダー7が設けられており、シリンジホルダー7の前側上部には、シリンジアダプタ検出部8が設けられている。また、シリンジホルダー7は、シリンジアダプタ6の前部を受け入れる略U字状に湾曲した溝71と、シリンジアダプタ6の後部を受け入れる係合溝72とを有している。具体的にシリンジホルダー7には、係合溝72として上方が開口した空間が形成されており、シリンジアダプタ6の後部は係合溝72に挿入される。また、溝71と係合溝72とは、互いに連通している。係合溝72の内面には内方に向かって突出する規制部73が設けられており、規制部73は後述するシリンジアダプタ6の隆起部617と当接する。
シリンジアダプタ検出部8は、取り付けられたシリンジアダプタ6を検出する。そのため、シリンジアダプタ検出部8は、後述するシリンジアダプタ6の凸部65によって押し下げられるシリコンゴム製の押下ボタン81を有している。例えば、シリンジホルダー7の一方には、造影剤が充填されたシリンジ91が搭載される。また、他方のシリンジホルダー7には、生理食塩水が充填されたシリンジ91が搭載される。そして、一方のシリンジホルダー7には、溝71を挟んで両側にシリンジアダプタ検出部8が設けられている。また、他方のシリンジホルダー7には、溝71の片側に1つのシリンジアダプタ検出部8が設けられている。
シリンジアダプタ6が取り付けられると、シリンジアダプタ検出部8は、押下ボタン81の押下げを検出して、制御装置5に検出信号を出力する。そして、制御装置5は、検出信号に基づいて、シリンジアダプタ6の種類を判定して、取り付けられたシリンジアダプタ6の種類を取得する。これにより、制御装置5は、シリンジ91に充填された薬液を特定することができる。すなわち、シリンジ91は、外形及び材質(ガラス又は樹脂等)の少なくとも一方が製造会社毎に異なることがある。そして、複数種類のシリンジ91をシリンジホルダー7に搭載させるために、種類に応じたシリンジアダプタ6が用いられる。そのため、シリンジアダプタ6の種類を判定すれば、制御装置5がシリンジ91を特定でき且つ充填された薬液も特定できる。
次に、図3、図4及び図5を参照してシリンジアダプタ6について説明する。図3は、上方から見たシリンジアダプタ6を示す概略斜視図である。図4は、シリンジアダプタ6の左側面図、上面図及び右側面図を示している。図4では左側から、左側面図、上面図及び右側面図がこの順で示されている。また、図5は、シリンジアダプタ6の前面図、下面図及び後面図を示している。図5では下側から、前面図、下面図及び後面図がこの順で示されている。
また、図4及び図5においては、シリンジアダプタ6のツマミ部61以外の部分を、灰色で色付けして示している。なお、2つのシリンジホルダー7に取り付けられる2つのシリンジアダプタ6は同様の構成を備えている。そのため、以下では、一方のシリンジアダプタ6について説明し、他方のシリンジアダプタ6については説明を省略する、
図3に示すように、シリンジアダプタ6は、シリンジ91が搭載される本体60と、本体60に取り付けられる一対のツマミ部61とを有している。そして、一対のツマミ部61は、本体60に向かって変位可能であり、本体60とは別体で構成されている。また、一対のツマミ部61は、本体60の後部に設けられており、当該後部を挟んで互いに対向している。
シリンジアダプタ6の本体60は、シリンジ91が搭載される凹部62を有している。この凹部62は略U字状に湾曲しており、シリンジホルダー7の湾曲した溝71に挿入されると共に、シリンジ91の外形と相補的な内面形状を有する。また、本体60の前部には、凹部62から外側に向かって延在するフランジ63が設けられている。
シリンジアダプタ6は、フランジ63の上面に設けられると共に、水平方向に回転自在であるストッパーアーム64をさらに有する。このストッパーアーム64は、凹部62の上方の開口から退避した退避位置と、この開口に突出した保持位置との間で移動することができる。そして、保持位置に位置するストッパーアーム64は、凹部62に位置するシリンジ91の外面に上方から当接する。これにより、シリンジ91は、下方の凹部62及び上方のストッパーアーム64により確実に保持される。
図4の左側面図及び右側面図と、図5の下面図及び前面図に示されるように、フランジ63の下側には、下方に向かって突出する凸部65が設けられている。そして、シリンジアダプタ6をシリンジホルダー7に取り付けると、凸部65がシリンジアダプタ検出部8の押下ボタン81を押し下げる。この凸部65の数又は位置は、シリンジアダプタ6に搭載されるシリンジ91の種類に応じて異なる。
具体的には、図5の下面図に示されるように、左側のフランジ63の下側に2つの凸部65が設けられており、右側のフランジ63の下側に1つの凸部65が設けられている。これに対して、他の種類のシリンジ91に対応するシリンジアダプタ6においては、例えば、左側のフランジ63の下側に1つの凸部65が設けられており、右側のフランジ63の下側には凸部65が設けられていない。これにより、制御装置5は、押下げられた押下ボタン81の数又は位置に基づいて、シリンジアダプタ6の種類を判定できる。
本体60の下部には、複数の補強用リブが設けられている。さらに、本体60の後部は、中空形状を有していると共に、その内部において上下方向に延在する補強用リブが設けられている。また、図4の上面図に示されるように、本体60の後部には、シリンジ91のフランジを受け入れるフランジ保持部66が設けられている。具体的に本体60の後部には、上方が開口した空間が形成されており、シリンジ91を搭載する際にフランジがフランジ保持部66に挿入される。
また、フランジ保持部66は、シリンジ91が搭載される凹部62に連通している。そのため、図5の前面図及び後面図に示されるように、シリンジアダプタ6の前面から後面に渡って凹部62が設けられているが、図4の上面図に示されるように、凹部62のフランジ保持部66と連通する部分には上下方向に貫通する隙間が存在している。
次に、図6及び図7を参照してツマミ部61について説明する。図6は、上方から見たシリンジアダプタ6を示す概略分解図である。図6では、シリンジアダプタ6の本体60と、2つのツマミ部61と、ツマミ部61を本体60に押し付けて固定する押付部材としてのネジ67とが、それぞれ互いに離間して示されている。また、図7は、本体60の後部の右側面を拡大して示す概略斜視図である。なお、本体60の後部の両側面は、対称的な構成を有している。そのため、図7は右側面のみを示しており、左側面の説明は省略する。
図6に示すように、本体60の後部に取り付けられる一対のツマミ部61は、本体60とは別体で構成されている。また、ツマミ部61は、上下方向に延在しており、ツマミ部61のそれぞれの上端部は、シリンジアダプタ6の外方に向かって張り出している。そして、シリンジアダプタ6をシリンジホルダー7に取り付ける際には、オペレーターがツマミ部61を指で挟んで変位させる。これにより、シリンジホルダー7とツマミ部61との間の隙間が広がり、シリンジアダプタ6を取り付けることができる。
また、ツマミ部61は、ツマミ部61の延在方向と直交する前後方向に延びる隆起部617を有している。そして、隆起部617は、取り付け時にシリンジホルダー7の規制部73(図2)と当接する。すなわち、シリンジアダプタ6が取り付けられると、この隆起部617が規制部73の下方に位置する。これにより、シリンジホルダー7からシリンジアダプタ6が上方へ抜け出ることが防止される。
また、ツマミ部61は、本体60と当接する当接面611を有している。当接面611は、略平坦であると共に、本体60側に面している。また、ツマミ部61は、第1角部としての前側角部612と、第1角部とは形状又はサイズが異なる第2角部としての後側角部613とを有している。さらに、ツマミ部61の下部は、ツマミ部61の延在方向に並んだ2つのネジ穴614を有している。なお、ツマミ部61の前側角部612は、後側角部613と同一の形状及びサイズを有していてもよい。ただし、前側角部612が後側角部613とは異なる形状又はサイズを有していることにより、取り付ける際に前後方向におけるツマミ部61の向きを容易に判別できるという利点を奏する。
図7に示す本体60の後部は、前側角部612を支持する第1支持部としての前側支持部602と、後側角部613を支持する第2支持部としての後側支持部603とを有している。また、前側支持部602と後側支持部603とは、本体60から外方に向かって突出しており、ツマミ部61の下部が両者の間に挿入される。
この前側支持部602とツマミ部61の前側角部612とは、相補的な形状を有しており、具体的には両者の左右方向の幅と、前後方向の長さとが一致するように設定されている。同様に、後側支持部603と後側角部613とは、相補的な形状を有している。そのため、ツマミ部61を本体60に取り付けると、前側角部612及び後側角部613のそれぞれの前面及び後面は、前側支持部602及び後側支持部603からは突出しない。
さらに、本体60の後部は、ツマミ部61の当接面611と本体60との間に隙間を画定する肩部604を有している。そして、肩部604は、本体60の後部の前側及び後側において、それぞれ下方から上方に向かって二段の段差を構成するように設けられている。すなわち、前側支持部602及び後側支持部603と肩部604との間には、上下方向に延在すると共に、当接面611と対向する対向面606が設けられている。
また、本体60の後部は、当接面611と当接する突出部601とを有している。この突出部601は、肩部604の上端に設けられており、前後方向に延在する略角柱状の形状を有している。第1実施形態において突出部601は、ツマミ部61の前側角部612及び後側角部613にそれぞれ対応して設けられている。そして、突出部601は、後述するように、ツマミ部61を本体60に向かって変位させる際に、ツマミ部61と当接して支点として機能する。なお、突出部601は、例えば0.1mmの長さで対向面606から突出している。
また、本体60の後部には、ネジ67が挿入される2つのネジ穴607が設けられている。そして、本体60のネジ穴607の内側には、例えば金属製のブッシュ608が配置されている。ネジ67は、ツマミ部61のネジ穴614を介して本体60のネジ穴607に挿入され、本体60にネジ止めされる。これにより、ネジ67は、押付部材として機能し、当接面611を突出部601に押し付けるように、ツマミ部61を本体60に固定する。
このようなシリンジアダプタ6は、以下のように製造される。まず、本体60とツマミ部61とを準備する。具体的には、本体60を機械的強度が低い又は吸水性が高い第1の樹脂から射出成形する。ツマミ部61の当接面611と当接する突出部601は、本体60を成形する際に形成される。また、ツマミ部61を、第1の樹脂よりも機械的強度が高い又は吸水性が高い第2の樹脂から射出成形する。本体60と当接する当接面611は、ツマミ部61を成形する際に形成される。第1の樹脂は、非結晶性樹脂であり、例えばポリカーボネート等の熱可塑性樹脂である。また、第2の樹脂は、結晶性樹脂であり、例えばポリアセタール(POM)等の結晶性樹脂である。この非結晶性樹脂は収縮が少ないため安定性に優れており、結晶性樹脂は耐衝撃性に優れている。
次に、金属製のネジ67と、金属製のブッシュ608とを準備して、ブッシュ608を本体60のネジ穴607に挿入して固定する。その後、ツマミ部61の前側角部612及び後側角部613が、それぞれ前側支持部602及び後側支持部603に当接するように、ツマミ部61の下部を前側支持部602と後側支持部603との間に挿入する。そして、ツマミ部61のネジ穴614を介して本体60のネジ穴607にネジ67を挿入して、ツマミ部61の当接面611を本体60の突出部601に押し付けるようにツマミ部61を本体60に固定する。このようにして、シリンジアダプタ6は製造される。
なお、ツマミ部61は、接着等の他の方法によって本体60に固定することもできる。ただし、ネジ67等の押付部材によって固定する場合には、ツマミ部61が本体60から剥がれることがないという利点を奏する。さらに、押付部材によって固定する場合、ワッシャー等によって、本体60とツマミ部61との間の隙間の幅を調整できるという利点を奏する。また、押付部材によって固定すると、ツマミ部61の当接面611が本体60の突出部601に押し付けられる。これにより、当接面611が突出部601に確実に当接するので、後述する支点の変動をより確実に抑制できる。また、ブッシュ608は、インサート成形によって本体60を成形する際に、本体60のネジ穴607に固定することもできる。この場合、ブッシュ608をネジ穴607に挿入する工程は省略される。
続いて、図8を参照してツマミ部61の変位について説明する。図8は、後側角部613及び後側支持部603の略中央の左右方向に沿った断面に対応している。また、図8中左側に変位前のツマミ部61が示され、図8中右側に変位後のツマミ部61が示されている。なお、本体60に取り付けられる2つのツマミ部61は略同一の形状を有している。そのため、以下では一方のツマミ部61のみを説明し、他方のツマミ部61の説明は省略する。
本体60に取り付けられた2つのツマミ部61の上端部は、互いに対向している。そして、シリンジアダプタ6をシリンジホルダー7に取り付ける際に、オペレーターは、シリンジアダプタ6の内方に向かう力A(図8中矢印で示される)をツマミ部61の上端部に加える。すると、図8中右側に示されように、ツマミ部61は内方に変位して、2つのツマミ部61は互いに近付くように変位する。
このとき、ツマミ部61の当接面611は、本体60の突出部601に当接している。換言すると、突出部601は、ツマミ部61の前側角部612及び後側角部613における本体60側の面と当接している。そのため、力Aが加わると、突出部601が支点となって、ツマミ部61が湾曲するように変形する。なお、ツマミ部61の下部には外方に向かう力が加わるが、ネジ67によって本体60に固定されているため、ツマミ部61の下部は変位しない。
ツマミ部61の変形により、ツマミ部61は本体60に近づくように変位する。すなわち、ツマミ部61の当接面611と本体60との間の隙間Bを狭めるように、ツマミ部61が変位する。その結果、シリンジアダプタ6の後部の外寸が小さくなる。この状態で、オペレーターは、シリンジアダプタ6の後部をシリンジホルダー7の係合溝72に挿入する。そして、ツマミ部61の変位後は、隆起部617が係合溝72の規制部73に阻害されることないので、シリンジアダプタ6の後部を係合溝72に挿入することができる。
挿入後、オペレーターがツマミ部61を離すと、ツマミ部61の変形が解消される。そのため、ツマミ部61は、図8中左側に示された取り付け前の位置に戻る。この時、隆起部617はシリンジホルダー7の規制部73の下方に位置するので、シリンジアダプタ6の上方への移動は規制部73によって規制される。また、ツマミ部61の隆起部617が係合溝72の規制部73を乗り越える際に、ツマミ部61がシリンジホルダー7の内面と衝突して衝突音を生じさせる。この衝突音(クリック音)を確認することにより、オペレーターはシリンジアダプタ6が正常に取り付けられたことを確認することができる。
このように、本体60の後部に突出部601が設けられると共に、ツマミ部61が変位する際に、突出部601がツマミ部61の当接面611に当接して支点として機能する。これにより、ツマミ部61の変位量のバラつきを抑制することができる。すなわち、通常、樹脂製品の表面には、成形の精度に起因してわずかな凹凸が存在している。そのため、ツマミ部61の当接面611にもわずかな凹凸が存在しており、変位時に支点となる位置が変動してしまう。この変動によって、ツマミ部61の変位量が異なってしまう。
例えば、変位量が小さい場合には、シリンジアダプタ6を取り付ける際に、ツマミ部61がシリンジホルダー7の内面と接触して取り付け難くなってしまう。一方、変位量が大きい場合には、ツマミ部61の隆起部617が係合溝72の規制部73を乗り越える際に、衝突音を生じない又は衝突音が小さくなってしまい、正常に取り付けられたか否かを確認できなくなってしまう。これに対して、突出部601が設けられていれば、支点の位置が一定に設定されるため、ツマミ部61の変位量のバラつきを抑制することができる。
なお、成形精度に起因して生じる凹凸は容易には視認できないほどの小さいサイズであり、発生を抑制することは困難である。一方、比較的に大きなサイズとなる突出部601の形成は容易であるため、成形によってツマミ部61を形成する場合には突出部601が特に有利である。
以上説明した第1実施形態のシリンジアダプタ6によれば、ツマミ部61が本体60とは別体で構成されている。そのため、シリンジアダプタ6のツマミ部61のサイズ又は形が変わってしまった場合、又はツマミ部61が破損してしまった場合であっても、ツマミ部61のみを交換することができる。また、製造過程でツマミ部61が不良品となっても、本体60に別のツマミ部61を取り付けることができる。そのため、歩留まりの低下を抑制して、シリンジアダプタ6の製造コストを低くすることができる。
また、シリンジアダプタ6に印刷又は塗装を施す際にツマミ部61のサイズ又は形状が変化してしまっても、歩留まりの低下を抑制できる。例えば、シリンジ91に充填される薬液の名称等が、シリンジアダプタ6のフランジ63に印刷される場合がある。または、造影剤が充填されたシリンジ91が搭載されるシリンジアダプタ6と、生理食塩水が充填されたシリンジ91が搭載されるシリンジアダプタ6とで、両者のツマミ部61に異なる色を塗装する場合がある。これらのケースでは、印刷時のフィルムの押し付け、又は塗装時の加熱によって、ツマミ部61の不良が生じてしまうことがある。この点、第1実施形態のシリンジアダプタ6によれば、ツマミ部61の不良が生じても、本体60はそのまま使用できるので歩留まりの低下を抑制できる。
さらに、ツマミ部61に本体60よりも機械的強度が高い材料を用いることにより、使用時のツマミ部61の破損を抑制できる。また、ツマミ部61に本体60よりも吸水性が低い材料を用いることにより、ツマミ部61のサイズ又は形状の変化を抑制できる。なお、ツマミ部61は、本体60とは異なる色の樹脂で形成することができる。これにより、シリンジアダプタ6の種類を色によって判別することができる。さらに、ツマミ部61の塗装が不要になるため、塗装時の加熱に起因する不良を防止できると共に、塗装工程の削減によって製造コストを低くすることができる。
また、本体60の突出部601は、半球、円錐、円錐台及び半円柱等の他の形状を有していてもよい。また、突出部601の数は、1つ又は3つ以上であってもよい。さらに、本体60の突出部601は、本体60とは別体であってもよい。この場合、突出部601は、接着等の方法によって本体60に固定される。また、ネジ穴614は1つであってもよい。ただし、ツマミ部61の延在方向に複数のネジ穴614を設けることにより、延在方向の複数個所で固定できる。これにより、ツマミ部61のがたつきを防止できるという利点を奏する。
[第2実施形態]
続いて、図9を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るシリンジアダプタ206は、シリンジ91のフランジと係合する係合突起200を備えている点で、第1実施形態とは異なる。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態で説明した構成要素については同じ参照符号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
図9は、シリンジアダプタ206の左右方向に沿った部分断面図であり、ネジ67の中心に沿ったツマミ部261の断面を示している。図9に示すように、ツマミ部261は、本体60側に向かって突出する係合突起200を有している。この係合突起200は、ツマミ部261の下部から上方に向かって延在しており、係合突起200の先端は、シリンジ91のフランジ(不図示)と係合する。
すなわち、シリンジ91のフランジには、係合突起200と係合する切り欠きが設けられている場合がある。そして、シリンジ91のフランジがシリンジアダプタ206の後部のフランジ保持部66に挿入されると、係合突起200と切り欠きが係合する。具体的には、挿入時に、シリンジ91のフランジが係合突起200の先端に当接し、係合突起200は外側に向かって湾曲するように変形する。その結果、係合突起200は、外側に向かって変位する。
そして、シリンジ91のフランジがフランジ保持部66に完全に挿入されると、係合突起200は元の位置に戻ると同時に、フランジの切り欠きと係合する。これにより、シリンジ91のフランジの上方移動が係合突起200によって規制されるので、シリンジ91のガタツキを防止することができる。
以上説明した第2実施形態のシリンジアダプタ206によっても、ツマミ部261のみを交換することができると共に、歩留まりの低下を抑制して、シリンジアダプタ206の製造コストを低くすることができる。さらに、第2実施形態のシリンジアダプタ206によれば、シリンジ91のガタツキを防止することができる。
[第3実施形態]
続いて、図10を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るシリンジアダプタ306は、押付部材としてクリップ367を用いている点で第1及び第2実施形態とは異なる。なお、第3実施形態の説明においては、第1及び第2実施形態との相違点について説明し、第1及び第2実施形態で説明した構成要素については同じ参照符号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
図10は、上方から見たシリンジアダプタ306を示す概略斜視図である。図10に示すように、シリンジアダプタ306は、押付部材として、ネジ67に代えてクリップ367を有している。そして、クリップ367は、ツマミ部361の当接面611を、本体360の突出部601に押し付けるように、ツマミ部361を本体360の後部に固定する。そのため、ツマミ部361は、ネジ穴614に代えて、クリップ367の先端を受け入れる溝部314と、溝部314に設けられた係合穴315とを有している。また、本体360の後部にも、同様の形状の溝部314と係合穴315とが形成されている(不図示)。具体的に溝部314と係合穴315とは、本体360の後部における最も外側のリブに形成されている。
クリップ367の両先端部は、自身の弾性によって互いに近付く方向に常時付勢されている。また、クリップ367の先端部には、係合穴315に挿入される突起316が形成されている。そして、一方の先端部に形成された突起316は、他方の先端部に向かって突出している。この突起316が係合穴315に挿入されることにより、シリンジアダプタ306を取り外す際に、クリップ367が抜け落ちることが防止される。なお、図10においては、クリップ367の外観が示されている。そのため、視認できない突起316は点線で図示している。
シリンジアダプタ306にツマミ部361を取り付ける場合、まずツマミ部361の下部を、本体360の後部の前側支持部602と後側支持部603との間に挿入する。そして、クリップ367の両先端部を本体360及びツマミ部361の両方の溝部314に挿入する。すると、両先端部同士の隙間に挟まる部分の厚みによって当該隙間が広がるように、クリップ367が弾性変形する。その後、両先端部の突起316を係合穴315に挿入する。これにより、クリップ367の弾性によって当接面611が本体360の突出部601に押し付けられるように、ツマミ部361が本体360に固定される。
このようなクリップ367は、弾性を有する金属板部材を湾曲させて形成することができる。また、先端部の突起316は、例えば、プレス加工によって形成することができる。なお、説明の便宜上、図10には1つのクリップ367のみが示されているが、シリンジアダプタ306は、左右両側にあるツマミ部361に対応する2つのクリップ367を有している。
以上説明した第3実施形態のシリンジアダプタ306によっても、ツマミ部361のみを交換することができると共に、歩留まりの低下を抑制して、シリンジアダプタ306の製造コストを低くすることができる。さらに、第3実施形態のシリンジアダプタ306によれば、クリップ367によって、ツマミ部361を取り付けることができるので、取り付け作業をより簡素化することができる。なお、クリップ367は、当接面611を突出部601に押し付けることができればよく、図10に示すものには限定されない。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形例は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、図11は、変形例に係る本体460の後部の右側面を拡大して示す概略斜視図を示している。そして、図11に示すように、本体460の突出部401は、前側支持部602と後側支持部603との間に渡って延在していてもよい。なお、本体460の後部の両側面は対称的な構成を有しているため、左側面の説明は省略する。
図11に示す肩部404は、対向面606同士の間に渡って延在している。そして、線状の突出部401が、肩部404の全長に渡って設けられている。また、突出部401の長さは、ツマミ部61の当接面611の前後方向における長さと一致するように設定されている。このような突出部401であっても、ツマミ部61の変位時に当接面611と当接し、支点として機能する。さらに、より長い突出部401が当接面611と当接するので、支点の位置の変動をより確実に抑制することができる。
さらに、シリンジ91の脱落が生じない場合には、ストッパーアーム64は省略することができる。また、2つのツマミ部61は、異なる形状を有していてもよい。ただし、2つのツマミ部61が同一の形状を有していれば、同一の金型により形成できるという利点を奏する。また、ツマミ部61及び本体60の形成方法は、射出成形に限られない。例えば、ブロー成形等によってツマミ部61及び本体60を形成してもよい。
また、制御装置5は、取り付けられたシリンジアダプタ6の種類に基づいて、シリンジ91に充填された薬液を特定し、特定された薬液の名称及び製造会社名等をコンソール10のタッチパネルに表示させてもよい。これにより、誤った薬液が注入されることを防止できる。
また、注入プロトコルが誤って設定されてしまうことを防止すると共に、操作を簡易化するために、注入装置1は以下のような処理を行うように構成されてもよい。すなわち、注入装置1の制御装置5は、特定された薬液に応じた個別注入プロトコルをコンソール10に決定させてもよい。そして、注入装置1のコンソール10は、決定された個別注入プロトコルをタッチパネルに表示する。これにより、シリンジアダプタ6が取り付けられると、薬液に応じた個別注入プロトコルが自動的にタッチパネルに表示される。また、コンソール10は、オペレーターが撮像部位を入力すると、特定された薬液に応じた個別注入プロトコルをタッチパネルに表示してもよい。さらに、コンソール10は、オペレーターが患者の身体的データを入力すると、入力されたデータ及び特定された薬液に基づく個別注入プロトコをタッチパネルに表示してもよい。これにより、オペレーターが入力したデータに基づく個別注入プロトコルが、自動的にタッチパネルに表示される。