JP6682818B2 - 発信機、発信方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、電波の発信制御に関する。
山岳等における遭難者の救助を支援するための無線機器が知られている。例えば、特許文献1には、周波数範囲が異なる複数の電波を発信する発信機を用いて、広範囲の第一次探索により遭難エリアを絞り込み、さらに第二次探索により遭難位置を特定する探索システムが記載されている。
特許第4544878号公報
このような無線機器には、捜索活動が長期化した場合のためには遭難者の存在をできるだけ長期間知らせる必要がある一方、遭難者を確実に発見するためには電波の発信強度を高める必要もあり、相反する要請が存在する。
本発明の一つの例示的な目的は、発信機における電力消費の効率を向上させることにある。
本発明の一態様に係る発信機は、電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するモード変更手段と、前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と自機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する発信手段とを備える。
本発明の別の態様に係る電波の発信方法は、電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する。
本発明のさらに別の態様に係るプログラムは、コンピュータに、電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するステップと、前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を決定するステップとを実行させる。
本発明によれば、発信機における電力消費の効率を向上させることが可能である。
図1は、発信機の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、発信機の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、発信機の動作の一例を示すフローチャートである。 図4は、発信システムの構成の一例を示すブロック図である。 図5は、コンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る発信機の構成を示すブロック図である。図1に示す発信機100は、登山者などのユーザが行方不明になった場合にその捜索を支援するための電子機器(無線機)である。ユーザは、遭難に備え、行動時に発信機100を携帯する。したがって、発信機100は、ユーザが携行できる程度のサイズである。また、ここでは、発信機100の位置はユーザの位置と実質的に同一であるとみなされる。
発信機100は、モード変更部110と、発信部120とを備える。モード変更部110は、発信機100の動作モードを変更する。発信部120は、信号を電波によって発信する。以下においては、説明の便宜上、この信号のことを「遭難信号」という。また、以下においては、電波の発信とは遭難信号の発信を意味する。
発信機100は、複数の動作モードのいずれかに従って動作する。発信機100の動作モードは、電波を発信する第1のモードと、電波の発信を制限する第2のモードとを少なくとも含む。発信機100の動作モードは、これらのモード以外のモードを含んでもよい。
第2のモードは、第1のモードに比べ、電波の発信に係る電力消費が少なくなるように制限された動作モードである。ここでいう制限とは、電波の発信間隔(回数)の制限のほか、電波の発信強度(出力)の制限を含み得る。また、第2のモードは、第1のモードよりも電波の発信間隔が長い(又は電波の発信強度が弱い)動作モードであってもよいが、電波を発信しない動作モードであってもよい。
モード変更部110は、信号の取得を契機として、動作モードを第2のモードから第1のモードに変更する。動作モードの変更の契機となる信号は、例えば、捜索者が所持する発信機により発信された捜索信号である。モード変更部110は、捜索信号を受信すると、動作モードを第2のモードから第1のモードに変更する。なお、モード変更部110が動作モードを第1のモードから第2のモードに変更する契機は、特に限定さない。
発信部120は、発信機100の動作モードが第1のモードである場合に、遭難信号の発信方向を制御する。例えば、発信部120は、上述した捜索信号(以下「第1の信号」という。)を用いて遭難信号の発信方向を制御する。あるいは、発信部120は、発信機100の姿勢を示す信号(以下「第2の信号」という。)を用いて遭難信号の発信方向を制御してもよい。ここにおいて、発信機100の姿勢とは、発信機100と地表との相対的な位置関係をいい、発信機100が地表に対してどのような方向を向いた状態にあるかを指す。例えば、発信部120は、発信機100に作用する重力の方向を検出することによって、発信機100の特定の面(例えば正面)がどの方向を向いているかを判定することができる。なお、ここでいう地表は、その実際の傾きによらず、水平であるとみなされる。
発信部120は、第1の信号と第2の信号の少なくともいずれかを用いて遭難信号の発信方向(すなわち指向性)を制御する。例えば、発信部120は、第1の信号に基づき、捜索信号が到来した方向(すなわち捜索者がいる方向)に向けて電波を発信する。あるいは、発信部120は、第2の信号に基づき、重力の方向(すなわちユーザからみて地表の方向)と異なる方向に電波を発信する。なお、このような発信方向の制御は、遭難信号が第2のモードにおいても発信される場合には、第2のモードにおいても実行されてもよい。
本実施形態の発信機100によれば、電波の発信方向を制御することにより、電波の発信方向を制御しない場合に比べ、同じ電力でより遠方まで電波を到達させ、又はより長時間電波を発信させることが可能である。また、発信機100によれば、第1の信号と第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を制御することにより、電波を無作為に発信する場合に比べ、捜索者が遭難信号を受信する可能性を高めることが可能である。
例えば、登山者たるユーザが雪崩や滑落によって遭難した場合、ユーザがどのような体勢でいるかを予測することは不可能である。また、このような場合のユーザは、負傷したり意識を失ったりして身動きが取れない可能性もある。したがって、ユーザ、ひいては発信機100が遭難時にどのような姿勢にあるのかは、あらかじめ予測することができないだけでなく、ユーザが意識的に制御することができない可能性もある。
このような問題に対し、発信機100は、自動的、すなわちユーザの意識的な操作によらずに電波の発信方向を制御することが可能であるため、発信機100がいかなる姿勢であっても所定の方向に電波を発信することが可能である。これにより、発信機100は、遭難したユーザの発見及び救助の可能性を高めることが可能である。
[第2実施形態]
図2は、本発明の別の実施形態に係る発信機の構成を示すブロック図である。発信機200は、センサ部210と、第1制御部220と、受発信部230と、第2制御部240とを備える。発信機200は、第1実施形態の発信機100と同様に、ユーザによって携帯される電子機器である。
センサ部210は、複数のセンサを含む。具体的には、センサ部210は、測位センサ211と、衝撃センサ212と、重力センサ213と、電子コンパス214とを含む。なお、これらのセンサの具体的な配置は、特に限定されない。また、センサ部210は、他のセンサを含んでもよい。
測位センサ211は、発信機200の位置を測定するためのセンサである。測位センサ211は、例えば、いわゆるGPS(Global Positioning System)センサである。ただし、測位センサ211は、GPSに限らず、他の航法衛星システム(Navigation Satellite System)を利用して測位するセンサであってもよい。測位センサ211は、発信機200の位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、発信機200の位置を緯度及び経度によって表す。
衝撃センサ212は、発信機200に対して与えられる衝撃を検出するためのセンサである。衝撃センサ212は、例えば、高所からの落下や滑落の際に発生する特徴的な振動パターンを検出するために用いられる。また、重力センサ213は、重力加速度によって重力の方向(すなわち鉛直方向)を検出するためのセンサである。
なお、衝撃センサ212及び重力センサ213が測定する物理量は、いずれも加速度である。よって、衝撃センサ212及び重力センサ213は、別個のセンサではなく、それぞれの機能を兼ね備えた一体のセンサとして構成されてもよい。衝撃センサ212及び重力センサ213は、測定された加速度を示す加速度信号を出力する。
電子コンパス214は、方位を検出するためのセンサである。電子コンパス214は、地磁気を測定することによって方位を検出する。電子コンパス214は、検出された方位を示す方位信号を出力する。
第1制御部220は、発信機200の動作のうち、特に電波の発信を制御する。ここでいう制御には、動作モードの変更や電波の発信方向の決定が含まれる。すなわち、第1制御部220は、第1実施形態のモード変更部110に相当する機能を有する。
受発信部230は、電波を受信及び発信する。受発信部230は、第1実施形態の発信部120に相当する機能を有する。受発信部230は、より詳細には、受信回路231、発信回路232及びアンテナ部233を備える。受信回路231及び発信回路232は、所定の方式で変調・復調などの信号処理を実行する。アンテナ部233は、指向方向が異なる複数のアンテナを含んでいる。すなわち、本実施形態のアンテナ部233は、複数の方向に電波を発信できるように設けられている。なお、アンテナ部233は、送信用と受信用に分かれていてもよい。
受発信部230による電波の方向制御は、周知のいずれの手法を用いてもよく、また、アンテナの種類によっても異なる。受発信部230は、例えば、複数のアンテナのうち電波の発信方向に最も近いアンテナを用いて電波を発信してもよい。あるいは、アンテナがアレイ状に配置されている場合、受発信部230は、個々のアンテナに対応する位相係数を制御することで電波の発信方向を制御してもよい。
第2制御部240は、センサ部210、第1制御部220及び受発信部230への電力の供給を制御する。第2制御部240は、これらの各部への電力の供給を個別に制御する。例えば、第2制御部240は、ある場合において、センサ部210には電力を供給する一方、第1制御部220には電力を供給しない(遮断する)、といった制御を実行することができる。
本実施形態において、第2制御部240は、第1制御部220と独立に動作する。第2制御部240は、第1制御部220が起動していない状態(又は電力消費が抑制された状態)においても動作することができるように構成されている。典型的には、第2制御部240は、第1制御部220とは別異の回路によって構成される。
なお、発信機200は、図2に示す構成のほかに、例えば、動作モードを表示する手段(ランプ、液晶ディスプレイなど)や、ユーザが動作モードを手動で切り替えるためのスイッチを備えてもよい。
発信機200の構成は、以上のとおりである。本実施形態において、発信機200は、「発信モード」と「省電力モード」の2つの動作モードのいずれかによって動作する。発信モードは、電波を発信する動作モードである。一方、省電力モードは、電波を発信せず、これにより電力消費を抑制する動作モードである。発信モードは、第1実施形態における第1のモードの一例に相当する。また、省電力モードは、第1実施形態における第2のモードの一例に相当する。
図3は、動作モードの変更に係る発信機200の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、動作モードが省電力モードから発信モードに切り替わる際の発信機200における処理を示している。具体的には、発信機200は、捜索信号又は所定のパターンの加速度信号の取得(ステップS2)を契機として動作モードを省電力モードから発信モードに変更する。
省電力モードにおいて、第2制御部240は、電力供給を所定の状態に制限する(ステップS1)。具体的には、第2制御部240は、第1制御部220及び発信回路232への電力供給を遮断する。また、第2制御部240は、受信回路231を間欠的に動作させる。すなわち、受信回路231は、省電力モードにおいては常に動作しているのではなく、動作している状態と休止している状態を所定の時間間隔で繰り返す。なお、第2制御部240は、センサ部210(特に衝撃センサ212)には電力を供給し続ける。
このように電力を制御した状態で、第2制御部240は、捜索信号又は所定のパターンの加速度信号の取得を待機する。換言すれば、第2制御部240は、これらの信号を取得したか否かを判断する(ステップS2)。これらの信号は、第1実施形態の第1の信号の一例に相当する。
ここにおいて、所定のパターンの加速度信号とは、衝撃センサ212によって出力され、発信機200を携行したユーザが滑落した場合などに検出される特徴的なパターンを示す加速度信号をいう。このパターンは、あらかじめ実験的又は経験的に設定されればよい。
第2制御部240は、捜索信号又は所定のパターンの加速度信号が取得された場合には(ステップS2:YES)、第1制御部220及び発信回路232を起動し、第1制御部220及び発信回路232への電力供給を開始する(ステップS3)。一方、これらの信号のいずれも取得されない場合には(ステップS2:NO)、第2制御部240は、ステップS2の判断を繰り返す。すなわち、この場合第2制御部240は、省電力モードでの動作を維持する。
ステップS3において起動された第1制御部220は、電波の発信方向を決定する(ステップS4)。第1制御部220は、次のいずれかの方法(又はその組み合わせ)によって電波の発信方向を決定する。
第1の方法として、第1制御部220は、重力センサ213からの加速度信号に基づいて、電波の発信方向を上空の方向に決定する。ここにおいて、上空の方向とは、鉛直方向に対して正反対の方向のみを指すものではなく、水平方向よりも上の方向であれば足りる。
また、第2の方法として、第1制御部220は、捜索信号に基づいて、電波の発信方向を当該信号の到来方向に決定する。あるいは、捜索信号に所定の位置(例えば、捜索者の位置、特定施設の位置など)を示す位置情報が含まれている場合であれば、第1制御部220は、第3の方法として、電波の発信方向を当該位置情報が示す位置に向かう方向に決定する。この場合、第1制御部220は、測位センサ211から出力された位置情報と、捜索信号に含まれる位置情報とに基づいて、電波の発信方向を特定する。また、第1制御部220は、方位信号と加速度信号とに基づいて、発信機200の姿勢を特定する。第1制御部220は、発信機200の姿勢を特定することにより、特定された発信方向に電波を発信するために必要なアンテナを決定することができる。
受発信部230は、第1制御部220によって電波の発信方向が決定されたら、遭難信号を含む電波を当該方向に発信する(ステップS5)。受発信部230は、遭難信号を所定の周波数で発信する。遭難信号の発信周波数は、特に限定されないが、法律又は他の規則に定めがあればこれに従うものとする。
以上のとおり、本実施形態の発信機200によれば、省電力モードにおいて第1制御部220及び受発信部230への電力供給を制限することにより、このような制限を行わない場合に比べ、発信機200の電力消費を抑制することが可能である。これに加え、発信機200は、第1実施形態の発信機100と同様の作用効果を奏する。
一般に、電波の発信方向の制御は、比較的多くの電力を消費する。本実施形態の発信機200は、この制御を限定的に実行することで、電波の発信方向を制御する場合の電力消費を抑制することができる。
また、本実施形態の発信機200は、受信回路231を間欠的に動作させることにより、受信回路231を常時動作させる場合よりも電力消費を抑制することができる。本実施形態でいう捜索信号は、地上を歩行する捜索者から発信される場合と、ヘリコプター等の航空機に搭乗した捜索者から発信される場合が考えられる。地上の捜索者から発信される場合、捜索者の移動スピードは速くない。一方、上空の捜索者から発信される場合、捜索者の移動スピードは歩行時よりも速くなるが、捜索信号の発信高度が高いため、捜索信号がある程度の時間発信され続けることになる。したがって、いずれの場合においても、受信回路231が間欠的に動作したとしても捜索信号を受信し損ねる可能性は少ないといえる。
なお、本実施形態でいう省電力モードは、発信機200のうちの特定の箇所(第1制御部220など)の動作を完全に停止させるのではなく、当該箇所を可能な限り少ない電力で動作させる動作モードであってもよい。例えば、いわゆるスリープ状態は、ここでいう省電力モードに該当し得る。
[第3実施形態]
図4は、本発明のさらに別の実施形態に係る発信システムの構成を示すブロック図である。発信システム30は、発信機200aと通信端末300とを備える。なお、本実施形態において、第2実施形態に記載された構成要素と同一の符号を用いて説明される構成要素は、第2実施形態において説明された構成要素と同様の構成又は機能を有するものとする。
発信機200aは、その一部の構成が第2実施形態の発信機200の構成と共通する。具体的には、発信機200aは、第1制御部220、受発信部230及び第2制御部240を備える点において発信機200と共通する。発信機200aは、センサ部210に代えてインタフェース部250を備える点において発信機200と相違する。
インタフェース部250は、通信端末300とデータをやり取りするインタフェースである。インタフェース部250は、通信端末310と有線又は無線で接続する。インタフェース部250は、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)などによって通信端末310と接続する。通信端末300と発信機200aの通信方式は、特定の方式に限定されないが、消費電力が少ない方が望ましい。
通信端末300は、ユーザが発信機200aとともに携帯する電子機器である。通信端末300は、例えば、携帯電話機やスマートフォンである。ただし、通信端末300は、以下に説明される機能を有すれば足り、電話機としての機能を必ずしも要しない。例えば、通信端末300は、いわゆるウェアラブルデバイスであってもよい。
通信端末300は、センサ部310と、制御部320と、インタフェース部330とを備える。センサ部310の具体的な構成は、第2実施形態のセンサ部210と同様である。あるいは、センサ部310は、ユーザの生体情報(体温、脈拍、血圧など)を計測するセンサを備えてもよい。制御部320は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置を備え、通信端末300の各部の動作を制御する。インタフェース部330は、発信機200aのインタフェース部250に対応するインタフェースである。なお、通信端末300は、これらの構成のほかに、所定のネットワーク(例えば、移動通信網)と通信する構成を備えてもよい。また、通信端末300は、捜索信号を受信する機能を備えてもよい。
発信システム30は、第2実施形態において発信機200が実行した処理を発信機200a及び通信端末300が分担して実行することが可能である。発信機200a及び通信端末300は、第2実施形態において発信機200が実行した処理のうち、分担しての実行が可能なものを実行する。
通信端末300は、上述した第1の信号に相当する信号を発信機200aに供給してもよい。例えば、通信端末300は、ユーザの体温や脈拍が所定の閾値以下になった場合に所定の信号を発信機200aに供給する。発信機200aは、この信号を取得したら、動作モードを省電力モードから発信モードに切り替える。
通信端末300は、所定のエリアから逸脱した場合(例えば、移動通信網の通信エリア外に位置し、いわゆる圏外の状態になった場合)に、動作モードを省電力モードから発信モードに切り替えるための信号を発信機200aに供給してもよい。あるいは、通信端末300は、あらかじめ決められた危険区域にユーザが進入したと位置情報に基づいて判断した場合に、動作モードを省電力モードから発信モードに切り替えるための信号を発信機200aに供給してもよい。
通信端末300は、電波の発信方向を計算及び決定してもよい。例えば、通信端末300が発信機200aの特定の位置に装着され、通信端末300及び発信機200aが一体となる構成の場合であれば、発信機200aの姿勢は、通信端末300姿勢と実質的に同一であるとみなせる。この場合、通信端末300は、事前に登録された特定の位置情報を含む地図情報を記憶することにより、自機の位置から当該特定の位置情報が示す位置に向かう方向を電波の発信方向に決定し、決定された発信方向を示す信号を発信機200aに供給してもよい。
本実施形態の発信システム30によれば、第2実施形態の発信機100と同様の作用効果を奏することが可能である。また、発信システム30は、通信端末300のセンサ部310を利用することにより、発信機200aがセンサ部210に相当する構成を有しない場合であっても第2実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
[変形例]
本発明の実施の形態は、上述した第1実施形態〜第3実施形態のみに限定されない。本発明の実施の形態は、例えば、以下に記載する変形例を含み得る。また、本発明の実施の形態は、本明細書に記載された実施形態及び変形例を必要に応じて適宜に組み合わせたものであってもよい。例えば、特定の実施形態を用いて説明された変形は、他の実施形態に対しても適用され得る。
(変形例1)
第2実施形態の発信機200は、捜索信号を受信した周波数に応じて電波の発信強度を制御してもよい。例えば、遭難者を地上と上空の双方から捜索する場合において、捜索者は、地上の捜索者から発信される捜索信号の発信周波数(以下「第1の周波数」という。)と上空の捜索者から発信される捜索信号の発信周波数(以下「第2の周波数」という。)とを識別可能に異ならせる。
発信機200は、捜索信号を第1の周波数で受信した場合には、捜索信号を第2の周波数で受信した場合よりも小さい発信強度で電波を発信する。あるいは、発信機200は、捜索信号を第2の周波数で受信した場合には、最初から最大の発信強度で電波を発信する一方、捜索信号を第1の周波数で受信した場合には、例えば最大の発信強度の半分程度の強度で電波の発信を開始し、所定の周期毎に発信強度を大きくしてもよい。
(変形例2)
本発明に係る発信機の用途は、必ずしも災害用や遭難救助用に限定されない。本発明は、電波の発信を一定の条件下において制限する発信機全般に適用され得る。
(変形例3)
上述した発信機100、200及び200aの具体的なハードウェア構成は、さまざまなバリエーションが考えられ、特定の構成に限定されない。例えば、発信機100、200及び200aは、その一部の構成要素がソフトウェアを用いて実現されてもよい。
図5は、発信機100、200又は200aを実現するコンピュータ装置400のハードウェア構成を例示するブロック図である。コンピュータ装置400は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、記憶装置404と、ドライブ装置405と、通信インタフェース406と、入出力インタフェース407とを備える。発信機100、200又は200aは、図5に示される構成(又はその一部)によって実現され得る。
CPU401は、RAM403を用いてプログラム408を実行する。プログラム408は、ROM402に記憶されていてもよい。また、プログラム408は、フラッシュメモリなどの記録媒体409に記録され、ドライブ装置405によって読み出されてもよいし、外部装置からネットワーク410を介して送信されてもよい。通信インタフェース406は、ネットワーク410を介して外部装置とデータをやり取りする。入出力インタフェース407は、周辺機器(各種センサ、表示装置など)とデータをやり取りする。通信インタフェース406及び入出力インタフェース407は、データを取得又は出力する手段として機能することができる。
なお、第1制御部220と第2制御部240は、単一の回路(プロセッサ等)によって構成されてもよいし、それぞれが異なる回路によって構成されてもよい。ここでいう回路(circuitry)は、専用又は汎用のいずれであってもよい。
100、200、200a 発信機
110 モード変更部
120 発信部
210 センサ部
211 測位センサ
212 衝撃センサ
213 重力センサ
214 電子コンパス
220 第1制御部
230 受発信部
231 受信回路
232 発信回路
233 アンテナ部
240 第2制御部
250 インタフェース部
30 発信システム
300 通信端末
310 センサ部
320 制御部
330 インタフェース部
400 コンピュータ装置

Claims (17)

  1. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するモード変更手段と、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と自機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する発信手段と
    を備え
    前記第2の信号は、自機に作用する重力の方向を示し、
    前記発信手段は、前記第2の信号を用いて、重力の方向と異なる方向に前記電波を発信する、
    発信機。
  2. 前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記発信手段は、前記第1の信号を用いて、前記捜索信号の到来方向に前記電波を発信する
    請求項1に記載の発信機。
  3. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するモード変更手段と、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と自機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する発信手段と
    を備え、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記発信手段は、前記第1の信号を用いて、前記捜索信号の到来方向に前記電波を発信する、
    発信機。
  4. 前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記発信手段は、前記捜索信号の発信周波数に応じて前記電波の発信強度を制御する
    請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の発信機。
  5. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するモード変更手段と、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と自機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する発信手段と
    を備え、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記発信手段は、前記捜索信号の発信周波数に応じて前記電波の発信強度を制御する、
    発信機。
  6. 前記第1の信号は、外部機器により決定された前記電波の発信方向を示し、
    前記発信手段は、前記第1の信号が示す発信方向に前記電波を発信する
    請求項1に記載の発信機。
  7. 前記動作モードが前記第1のモードである場合に間欠的に動作する捜索信号の受信回路を備える
    請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の発信機。
  8. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するモード変更手段と、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と自機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信する発信手段と
    を備え、さらに
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に間欠的に動作する捜索信号の受信回路を備える、
    発信機。
  9. 前記発信手段は、前記電波の発信方向に応じた複数のアンテナを有する
    請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の発信機。
  10. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信し、
    前記第2の信号は、自機に作用する重力の方向を示し、
    前記第2の信号を用いて、重力の方向と異なる方向に前記電波を発信する、
    電波の発信方法。
  11. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信し、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記第1の信号を用いて、前記捜索信号の到来方向に前記電波を発信する、
    電波の発信方法。
  12. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信し、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記捜索信号の発信周波数に応じて前記電波の発信強度を制御する
    電波の発信方法。
  13. 電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更し、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて発信方向が制御された電波を発信し、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に間欠的に動作する捜索信号を受信する
    電波の発信方法。
  14. コンピュータに、
    電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するステップと、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を決定するステップと
    を実行させ
    前記第2の信号は、自機に作用する重力の方向を示し、
    前記電波の発信方向を決定するステップにおいて、コンピュータに、前記第2の信号を用いて、重力の方向と異なる方向に前記電波を発信させる、
    プログラム。
  15. コンピュータに、
    電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するステップと、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を決定するステップと、
    を実行させ、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記電波の発信方向を決定するステップにおいて、コンピュータに、前記第1の信号を用いて、前記捜索信号の到来方向に前記電波を発信させる、
    プログラム。
  16. コンピュータに、
    電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するステップと、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を決定するステップと、
    を実行させ、
    前記第1の信号は、外部において発信された捜索信号を示し、
    前記電波の発信方向を決定するステップにおいて、コンピュータに、前記捜索信号の発信周波数に応じて前記電波の発信強度を制御させる
    プログラム。
  17. コンピュータに、
    電波を発信する第1のモードと当該電波の発信を制限する第2のモードとを動作モードに含み、第1の信号の取得を契機として、前記動作モードを前記第2のモードから前記第1のモードに変更するステップと、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に、前記第1の信号と発信機の姿勢を示す第2の信号の少なくともいずれかを用いて電波の発信方向を決定するステップと、
    前記動作モードが前記第1のモードである場合に間欠的に動作する捜索信号を受信するステップと、
    を実行させるプログラム。
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