JP6680758B2 - 上昇したトリグリセリドと関連する状態の治療のための方法及び組成物 - Google Patents

上昇したトリグリセリドと関連する状態の治療のための方法及び組成物 Download PDF

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Description

テキストファイルとして提供される配列表の参照による組み込み
配列表は、2015年10月1日に作製された、25KBサイズのテキストファイル「NGMB−137_SeqList.txt」としてここで提供される。テキストファイルの内容はその全体が、本明細書に参照により組み込まれる。
関連出願の相互参照
本出願は、2014年10月3日出願の米国仮特許出願第62/059,682号の優先利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
序論
米国心臓協会(American Heart Association)によれば、米国成人の約1/3は1デシリットル当たり150ミリグラム(mg/dl)超の上昇したトリグリセリド値を有すると推定される(Miller et al.(2011)Circulation.123:2292−2333(非特許文献1))。米国国民健康栄養調査による対象の試料から、全国人口の平均1.7%は2001年〜2006年の間に重度の高トリグリセリド血症(500〜2,000mg/dlとして特徴づけられる)に罹患していたと更に推定される(Christian et al.(2011)Am J Cardiol.107(6):891−7(非特許文献2))。
血中トリグリセリド値の上昇及び高トリグリセリド血症は、心臓疾患、心臓発作、脳卒中及びアテローム性硬化症の危険性の増加に対する大きな要因である。上昇したトリグリセリド値は、肥満、メタボリックシンドローム、過剰な体脂肪、高血圧、高血糖及び異常なコレステロール値など、人の心臓疾患の全体の危険性を増加させる悪条件の徴候、ならびにそれに対する要因でもあり得る。加えて高トリグリセリド値は、コントロール不良の2型糖尿病、甲状腺機能低下症、肝疾患、腎疾患及び遺伝性代謝障害を有する対象の健康の更なる衰えに至る。関連症状の治療を更に難しくするのが、高トリグリセリド値は、β遮断薬、避妊薬、利尿薬、ステロイド及びタモキシフェンなどある特定の癌治療薬のような日常的に処方された薬物の通常の副作用である。
したがって、トリグリセリド値を低下させる、特に上昇したトリグリセリド値を正常範囲内に低下させることは、対象の健康及び幸福に重要な影響を及ぼすことができる。トリグリセリド値を低下させることは、心臓疾患、心臓発作、脳卒中及びアテローム性硬化症の危険性の減少を伴う。更に通常のトリグリセリド値を維持することは、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、異常なコレステロール、糖尿病、甲状腺機能亢進症、肝疾患、腎疾患及び遺伝性代謝障害の有効な治療と関連する。加えてトリグリセリド値を低下させる及び/またはその増加を防止することによって、対象が、さもなければ反対にトリグリセリド値を増加させるかもしれない治療過程、例えばβ遮断薬、避妊薬、利尿薬、ステロイド及びタモキシフェンなどある特定の癌治療薬を含むトリグリセリド値を増加することが既知の薬物による治療を開始する、または継続することが可能になる。
食物由来トリグリセリドまたはコレステロールの摂取量を減らして、運動を増やすことなど生活習慣の改善は、上昇したトリグリセリドまたはコレステロール値を低下させることができる。しかし生活習慣の改善は、すべての患者にとって有効であるというわけではない。一部の患者は、他の複雑な健康要因が故に、運動の増加などある特定の生活習慣の改善を行うことが身体的にできない。更に運動プログラム及びダイエットなど生活習慣の改善のレジメンは多くの場合、患者のアドヒアランス不良を受け、徐々に上昇したトリグリセリド及び/またはコレステロール値を生じる可能性がある。最初に健康な生活習慣の改善を行うことができない対象のトリグリセリド及び/またはコレステロール値を薬理学的に減らすことは、減少したトリグリセリド値の直接効果を提供するだけでなく、患者の状態をある特定の生活習慣の改善を開始できる状況まで高めることができる。同様にある特定の生活習慣の改善を行うもしくは維持することが可能であるがそれをしたがらない対象のトリグリセリド及び/またはコレステロール値の薬理学的低減は、このような生活習慣の改善、例えば運動レジメン及び健康的な食習慣を開始する、またはそれを遵守する最初の誘因を提供することもできる。
Miller et al.(2011)Circulation.123:2292−2333 Christian et al.(2011)Am J Cardiol.107(6):891−7
概要
対象のトリグリセリド値を低下させる方法及び組成物を提供する。前記方法は、上昇したトリグリセリド値を有する、またはそれを示す危険性がある対象に対してANGPTL8のフラグメントを投与することを含む。
ある特定の実施形態において、上昇したトリグリセリド値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のトリグリセリド値を低下させる方法を提供する。前記方法は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象に投与することを含むことができ、ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜74を欠失しており、ポリペプチドは対象のトリグリセリド値を低下させるのに有効な量で投与される。
ある特定の実施形態において、連続するアミノ酸配列は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性を有することができる。
ある特定の実施形態において、連続するアミノ酸配列は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する。
ある特定の実施形態において、異種ポリペプチドはポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされ得る。異種ポリペプチドは、ヒト血清アルブミンなどのアルブミン、または免疫グロブリンFcであり得る。異種ポリペプチドは、リンカー配列を介してポリペプチドにコンジュゲートし得る。ある特定の場合には、リンカー配列は切断可能なリンカー配列であり得る。他の例で、リンカー配列は、非切断性リンカー配列であり得る。
例示の方法で、投与は、ポリペプチドを投与する前の対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも10%低下させることができる。例えば投与は、ポリペプチドを投与する前の対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも20%または30%低下させることができる。
対象は体重過多、肥満であり得、糖尿病、心臓血管疾患、甲状腺機能低下症またはこれらの組み合わせを有し得る。
対象の総コレステロール値及びLDLコレステロール値を低下させるための方法及び組成物を提供する。前記方法は、上昇した総コレステロールまたはLDLコレステロールを有する、またはそれを示す危険性がある対象に対してANGPTL8のフラグメントを投与することを含む。
ある特定の実施形態において、上昇した総コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象の総コレステロール値を低下させる方法を提供する。前記方法は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象に投与することを含み、ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、ポリペプチドは対象の総コレステロール値を低下させるのに有効な量で投与される。
ある特定の実施形態において、投与は、ポリペプチドを投与する前の対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも5%、10%、20%、またはそれ以上低下させることができる。
上昇した低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のLDLコレステロール値を低下させる方法も、開示される。前記方法は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象に投与することを含むことができ、ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、ポリペプチドは対象のLDLコレステロール値を低下させるのに有効な量で投与される。
例示的実施形態において、投与は、ポリペプチドを投与する前の対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも5%、10%、15%、またはそれ以上低下させることができる。
ポリペプチドの連続するアミノ酸配列は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、少なくとも95%、97%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有することができる。
異種ポリペプチドは、例示的場合において、ポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされ得る。異種ポリペプチドは、アルブミン、例えばヒト血清アルブミン、または免疫グロブリンFcである。異種ポリペプチドは、切断可能または非切断性リンカー配列などのリンカー配列を介してポリペプチドにコンジュゲートし得る。
例示の対象は、体重過多、肥満である、糖尿病を有する、甲状腺機能低下症、心臓血管疾患またはこれらの症状の組み合わせを有する対象を含む。
[本発明1001]
上昇したトリグリセリド値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のトリグリセリド値を低下させる方法であって、
全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを前記対象に投与することを含み、
前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
前記ポリペプチドが前記対象の前記トリグリセリド値を低下させるのに有効な量で投与される、前記方法。
[本発明1002]
前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、本発明1001〜1002のいずれかの方法。
[本発明1004]
前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有する、本発明1001〜1002のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、本発明1001〜1002のいずれかの方法。
[本発明1006]
異種ポリペプチドが前記ポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされている、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記異種ポリペプチドがアルブミンである、本発明1006の方法。
[本発明1008]
前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、本発明1006または1007の方法。
[本発明1009]
前記異種ポリペプチドが免疫グロブリンFcである、本発明1006の方法。
[本発明1010]
前記異種ポリペプチドがリンカー配列を介して前記ポリペプチドにコンジュゲートされている、本発明1006〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記リンカー配列が切断可能なリンカー配列である、本発明1010の方法。
[本発明1012]
前記リンカー配列が非切断性リンカー配列である、本発明1010の方法。
[本発明1013]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも5%低下させる、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも10%低下させる、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも20%低下させる、本発明1001〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
前記対象が体重過多または肥満である、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記対象が糖尿病を有する、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記対象が甲状腺機能低下症を有する、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1019]
上昇した総コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象の総コレステロール値を低下させる方法であって、
全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを前記対象に投与することを含み、
前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
前記ポリペプチドが前記対象の総コレステロール値を低下させるのに有効な量で投与される、前記方法。
[本発明1020]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも5%低下させる、本発明1019の方法。
[本発明1021]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも10%低下させる、本発明1019の方法。
[本発明1022]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも20%低下させる、本発明1019の方法。
[本発明1023]
上昇した低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のLDLコレステロール値を低下させる方法であって、
全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを前記対象に投与することを含み、
前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
前記ポリペプチドが前記対象のLDLコレステロール値を低下させるのに有効な量で投与される、前記方法。
[本発明1024]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも5%低下させる、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも10%低下させる、本発明1023の方法。
[本発明1026]
前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも20%低下させる、本発明1023の方法。
[本発明1027]
前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1029]
前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有する、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1031]
異種ポリペプチドが前記ポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされている、本発明1019〜1026のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記異種ポリペプチドがアルブミンである、本発明1031の方法。
[本発明1033]
前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、本発明1031または1032の方法。
[本発明1034]
前記異種ポリペプチドが免疫グロブリンFcである、本発明1031の方法。
[本発明1035]
前記異種ポリペプチドがリンカー配列を介して前記ポリペプチドにコンジュゲートされている、本発明1031〜1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
前記リンカー配列が切断可能なリンカー配列である、本発明1035の方法。
[本発明1037]
前記リンカー配列が非切断性リンカー配列である、本発明1036の方法。
[本発明1038]
前記対象が体重過多である、本発明1019〜1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記対象が肥満である、本発明1019〜1037のいずれかの方法。
[本発明1040]
前記対象が糖尿病を有する、本発明1019〜1037のいずれかの方法。
[本発明1041]
前記対象が甲状腺機能低下症を有する、本発明1019〜1037のいずれかの方法。
ANGPTL8の過剰発現がマウスの血漿トリグリセリドを増加させたことを示す。 図2は、ANGPTL8の変異体(ANGPTL8−V2)がマウスの血漿トリグリセリドを抑制することを示す。構築物の設計を示す。 図2は、ANGPTL8の変異体(ANGPTL8−V2)がマウスの血漿トリグリセリドを抑制することを示す。過剰発現の前の血漿トリグリセリド値を示す。 図2は、ANGPTL8の変異体(ANGPTL8−V2)がマウスの血漿トリグリセリドを抑制することを示す。AAVによる過剰発現の2週間後の血漿トリグリセリド値を示す。 ANGPTL8及びANGPTL8−V2の過剰発現がマウスのトリグリセリド吸収及び/またはクリアランスに影響を及ぼしたことを示す。 ANGPTL8−V2の過剰発現がマウスのVLDL分泌を減らしたことを示す。
定義
治療に関連して本明細書で同じ意味で用いられるように「患者」または「対象」は、治療または予防的ケアの受容者としてのヒト及び非ヒトの動物を指す。
「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」などの用語は、対象を苦しめる疾患、障害もしくは状態の元となる原因のうちの少なくとも1つ、または対象を苦しめる疾患、障害、状態に関連する症状のうちの少なくとも1つを、一時的または永久的のいずれかで排除する、減少させる、抑制する、緩和する、または寛解させるために、疾患、障害もしくは状態、またはその症状が診断された、観察された後などに開始される一連の行動(薬剤、例えば、ポリペプチドまたはポリペプチドを含む薬学的組成物の投与など)を指す。したがって、治療は、活動性疾患を阻害する(すなわち、疾患、障害もしくは状態、またはそれに関連する臨床症状の発症もしくは更なる進行を抑止する)ことを含む。
本発明で使用する場合、「治療を必要とする」という用語は、対象が治療を必要とする、もしくは治療から利益を得るという、医師または他の介護者によって行われる判断を指す。この判断は、医師または介護者の専門知識の領域である様々な要因に基づき行われる。
「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、「予防(prevention)」などの用語は、一般的に特定の疾患、障害、または状態を有する傾向にある対象の状況において対象の疾患、障害、状態などの発症の危険性(例えば、臨床症状の不在により決定される)を、一時的または永久的のいずれかで予防する、抑制する、阻害するもしくは減少させる、またはその発現を遅延させるような様式で(例えば、疾患、障害、状態、またはその症状の発現前に)開始される一連の行動(薬剤、例えば、ポリペプチドまたはポリペプチドを含む薬学的組成物の投与など)を指す。ある特定の場合には、本用語は、疾患、障害または状態の進行を遅くする、または有害な、もしくはさもなければ望ましくない状態へのその進行を阻害することも指す。
本明細書で使用される場合、「予防を必要とする」という用語は、対象が予防的ケアを必要とする、もしくは予防的ケアから利益を得るという、医師または他の介護者によって行われる判断を指す。この判断は、医師のまたは介護者の専門知識の領域である様々な要因に基づき行われる。
「治療有効量」という語句は、患者に投与されたとき、疾患、障害もしくは状態の任意の症状、形態、または特性に対して任意の検出可能な好ましい作用を有することができる量で、単独または薬学的組成物の一部のいずれかとして、及び単回用量または一連の用量の一部のいずれかとして、対象に薬剤を投与することを指す。治療有効量は、関連する生理学的作用を測定することにより確認することができる。治療有効量は、投薬レジメン及び対象の状態などの診断分析に関連して調節され得る。
「変化をもたらすのに十分な量」という語句は、特定の療法の施与前に測定された指標のレベル(例えば、ベースラインレベル)とその後測定された指標のレベルとの間に検出可能な差があることを意味する。
本明細書で使用する場合「相同体」または「変異体」は、それぞれ、そのアミノ酸もしくは核酸配列に基づいて類似しているタンパク質またはDNA配列を指す。相同体または変異体は、それによってコードした天然起源のDNA配列及びタンパク質及びそれらのアイソフォームを包含する。相同体は、タンパク質/遺伝子の周知の対立遺伝子変異体またはスプライス変異体も含む。相同体及び変異体は、天然起源のDNA配列と1つ以上の塩基において異なるが、遺伝コードの縮重により、天然起源のタンパク質に対応するアミノ酸配列になおも翻訳される核酸配列も包含する。相同体及び変異体は、1つ以上の保存的置換及び/またはタグ及び/またはコンジュゲートが天然起源の配列とは異なるものを指すこともできる。
本明細書で同じ意味で用いられる「ポリペプチド」及び「タンパク質」とは、遺伝的にコードした及び遺伝的にコードされていないアミノ酸、化学的にもしくは生化学的に修飾されたまたは誘導体化されたアミノ酸、ならびに修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含み得る、アミノ酸のポリマー形態を指す。本用語は、異種アミノ酸配列を有する融合タンパク質、N末端側メチオニン残基を有するまたは有しない異種及び同種リーダー配列を有する融合物、免疫学的にタグ付けされたタンパク質などを含む融合タンパク質を含むが、これらに限定されない。
「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」という用語は同じ意味で用いられており、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態、またはそれらの類似体を指す。ポリヌクレオチドの非限定例としては、直線状及び環状の核酸、伝令RNA(mRNA)、cDNA、組み換えポリヌクレオチド、ベクター、プローブ、及びプライマーが挙げられる。
「異種」という用語は、異なる供給源に由来する構造によって定義される2つの成分を指す。例えば「異種」がポリペプチドとの関係において使用される場合、ポリペプチドは、異なるポリペプチド(例えば、タグペプチドまたはタンパク質からなる第1成分及びANGPTL8ポリペプチド由来の第2成分)に由来し得る、機能的に連結されるアミノ酸配列を含む。同様にキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとの関係において「異種」は、異なる遺伝子(例えば、本明細書に開示される実施形態に従うペプチドをコードする核酸からの第1成分及びキャリアポリペプチドをコードする核酸からの第2成分)に由来し得る、機能的に連結される核酸配列を含み得る。他の例示の「異種」核酸は、コード配列を含む核酸が、コード配列とは異なる遺伝的起源に由来する制御エレメント(例えば、プロモーター)に機能的に連結されている発現構築物を含む(例えば、プロモーター、コード配列またはその両方に対して異なる遺伝的起源であり得る目的の宿主細胞において発現を提供するため)。例えば、ANGPTL8ポリペプチドまたはそのドメインをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたT7プロモーターは異種核酸と言われる。組み換え細胞との関係において「異種」とは、核酸が存在する宿主細胞とは異なる遺伝的起源のものである核酸(またはポリペプチドなどの遺伝子産物)の存在を指し得る。
「機能的に連結される」という用語は、所望の機能を提供するための分子間の機能的連結を指す。例えば、核酸との関係において「機能的に連結される」とは転写、翻訳などの所望の機能を提供する核酸間の機能的連結、例えば、核酸発現制御配列(プロモーターまたは一連の転写因子結合部位など)と第2のポリヌクレオチドとの間の機能的な結合を指し、そこで発現制御配列は第2のポリヌクレオチドの転写及び/または翻訳に影響を与える。ポリペプチドとの関係において「機能的に連結される」とは、ポリペプチドの記載される活性を提供するための、(例えば異なるドメインの)アミノ酸配列間の機能的連結を指す。
ポリペプチドの構造との関係において本明細書で使用する場合「N末端」及び「C末端」とは、それぞれポリペプチドのアミノ最端及びカルボキシル最端を指し、一方で「N末端側」及び「C末端側」という用語は、それぞれN末端及びC末端に向かうポリペプチドのアミノ酸配列の相対的位置を指し、それぞれN末端及びC末端での残基を含み得る。
アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列(例えば、ANGPTL8ポリペプチドに「由来する」アミノ酸配列)との関係において「由来する」とは、ポリペプチドまたは核酸が参照ポリペプチドまたは核酸(例えば、天然起源のANGPTL8をコードする核酸)の配列に基づく配列を有することを意味し、供給源またはタンパク質または核酸が作製される方法について限定することを意味しない。
「単離された」とは、天然起源である場合、タンパク質が天然に生じ得る環境とは異なる環境にある目的のタンパク質を指す。「単離された」とは、目的のタンパク質が実質的に濃縮されている、及び/または目的のタンパク質が部分的にまたは実質的に精製されている試料内に存在するタンパク質を含むことを意味する。タンパク質が天然起源でない場合、「単離された」とは、タンパク質が、合成または組み換え手段のいずれかによって作製された環境から分離されていることを示す。
「濃縮された」とは、目的のタンパク質が、生体試料などの開始試料(例えば、タンパク質が天然に生じている試料、またはタンパク質が投与後に存在している試料)中の、または(例えば、細菌タンパク質中などのように)タンパク質が作製されたときのタンパク質の濃度より高い濃度(例えば、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも64倍高い、またはそれ以上高い)で存在するように、(例えば、科学者または臨床医により)試料が非天然に操作されることを意味する。
「実質的に純粋」とは、薬剤(例えば、ポリペプチド)が組成物の総含有量(例えば、組成物の総タンパク質含有量)の約50%超、通常は総タンパク質含有量の約60%超を構成することを示す。より一般的には「実質的に純粋」とは、総組成物の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%またはそれ以上が目的の薬剤である(例えば、総タンパク質の95%)組成物を指す。好ましくは、タンパク質は、組成物の総タンパク質の約90%超、より好ましくは約95%超を構成する。
「コード配列」という用語は、適切な制御エレメントの制御下で配置されるとき、一旦転写翻訳されて、タンパク質を例えばin vivo生産する核酸配列を指す。本発明で使用する場合、コード配列は連続ORFを有する、またはイントロンもしくは非コード配列の存在下により中断されるORFを有することができる。この実施形態では、非コード配列はmRNA前駆体からスプライシング除去されて、成熟mRNAを作成する。
本発明を更に記載する前に、本発明は記載する特定の実施形態に限定されておらず、したがって、当然ながら変更することが可能であることを理解すべきである。本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されるために当該専門用語は制限することを意図しないことも理解されるべきである。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限値及び下限値の間、文脈が別途明確に指示しない限り下限値の単位の10分の1まで各介在値、ならびにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、本発明内にも包含されるが、表示範囲内の任意の具体的に除外された限界値の適用を受ける。表示範囲がそれらの上限値及び下限値のうちの1つまたは両方を含む場合、それらの包含される上限値及び下限値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に包含される。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等の任意の方法及び材料も、本発明を実施または試験するために使用することが可能であるが、好ましい方法及び材料を以下に記載する。本明細書で記すすべての刊行物は、刊行物が引用されたことに関する方法及び/または材料を開示かつ記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、他に明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「投与量」は複数のかかる投与量を含み、「ポリペプチド」への言及は1つ以上のポリペプチド及び当業者には既知のそれらの等価物への言及を含むなどである。特許請求の範囲が任意の選択的要素を除外するように作成されてもよいことに更に留意する。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連した「単に」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用のため、または「否定的な」限定の使用のための先の記載としての役目を果たすよう意図される。
明確にするために別々の実施形態において記載される本発明のある特定の特徴は、単一の実施形態においても組み合わせて提供され得ると理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態において記載される本発明の様々な特徴は、別々にまたは任意の好適な部分的組み合わせでも提供され得る。本発明に関連する実施形態のすべての組み合わせは、あたかもそれぞれ及びすべての組み合わせが個々にかつ明確に開示されるかのように、本発明によって具体的に包含され、開示される。加えて、本発明に関連する実施形態のすべての部分的組み合わせ及びその要素は、あたかもそれぞれ及びすべての部分的組み合わせが個々にかつ明確に開示されるかのように、本発明によって具体的に包含され、開示される。
本明細書で論じられる出版物は、本出願の出願日前のその開示のためだけに提供される。本明細書におけるいずれの内容も、本発明が先行発明を理由にかかる出版物に先行する権利を有しないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に提供される出版物の日付は、実際の出版日とは異なる場合があり、別々に確認する必要があり得る。
詳細な説明
対象のトリグリセリド値、総コレステロール値及びLDLコレステロール値のうちの1つ以上を低下させるための方法を提供する。ある特定の実施形態において、前記方法は本開示のポリペプチドを投与することを含み、ポリペプチドは、対象のトリグリセリド値、総コレステロール値及びLDLコレステロール値のうちの1つ以上を低下させるのに有効な量で投与される。
本開示は、異なる種からのANGPTL8ポリペプチド及び相同体のアミノ酸配列のフラグメントを包含するポリペプチドの使用、ならびに患者のトリグリセリド値を低下させる治療のための製剤の調製及びその方法におけるかかるタンパク質の使用を提供する。このような例示的実施形態を以下に説明する。全長ANGPTL8の投与は上昇したトリグリセリド値を生じるが、全長ANGPTL8のN末端領域を欠くANGPTL8のフラグメントは、トリグリセリド値を低下させることによってドミナントネガティブとして作用するということを発明者は発見した。フラグメントは、全長ANGPTL8に存在するコイルドコイルドメインを含む。
「ベータトロフィン」、「ベータトロフィン変異体1」、「ベータトロフィン変異体2」、「アンジオポエチン様タンパク質8」、「Angptl8」、「Angptl8」、「Lipasin」及び「肝細胞癌関連タンパク質TD26」は、「C19orf80」、「肝細胞癌関連遺伝子TD26」、「TD26」、「PRO1185」、「PVPA599」及び「RIFL」(NCBI遺伝子ID:55908)としても既知の、「ANGPTL8遺伝子」の発現産物、ANGPTL8タンパク質(Uniprot ID:UNQ599/PR01185)を記載するために、本明細書では同じ意味で用いられる。ANGPTL8は、ANGPTL8遺伝子またはANGPTL8遺伝子と相同な遺伝子によってコードされる、ヒト及びネズミ変異体を含む。
ヒトANGPTL8の全長アミノ酸配列は以下のとおりである:
Figure 0006680758
(配列番号1、予測シグナルペプチドに下線を引いた)。ANGPTL8をコードするコンセンサスヒトゲノム遺伝子座は、C19orf80またはNC_018930.2(配列番号2)として同定されることができ、それは配列NM_018687.6(配列番号3)で表される対応するmRNAを生成する。
配列番号1で記述されるヒトANGPTL8参照配列との関係において、ヒトANGPTL8タンパク質は、残基1〜21からのシグナルペプチド及び残基22〜198からのANGPTL8鎖を含有しており、それは残基76〜140及び165〜194からの2つの予測コイルドコイルドメインを含む。
場合によっては、本明細書で開示される方法で使用するポリペプチドは、ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むANGPTL8フラグメントであってもよく、ポリペプチドはANGPTL8のN末端側セグメントを欠いており、N末端側セグメントは少なくとも70アミノ酸長である。
ある特定の場合、連続するアミノ酸配列は最高125アミノ酸長であることができ、ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%または100%の配列同一性を有することができ、配列番号1の配列の最初の70アミノ酸を欠くことができる。他の場合では、連続するアミノ酸配列は最高120、119、118、115、112または110アミノ酸長でもよく、ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、98%、99%または100%の配列同一性を有することができ、配列番号1の配列の最初の70アミノ酸を欠くことができる。
場合によっては、本明細書で開示される方法で使用するポリペプチドは、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドであってもよく、ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠いている。場合によっては、前記ポリペプチドは、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むことができ、ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜74を欠いている。
いくつかの実施形態で、ポリペプチドは、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むことができ、配列番号1の全長のANGPTL8のアミノ酸21〜75、21〜76、21〜77、21〜78、21〜79、21〜80または21〜85を欠いており、連続するアミノ酸配列は、140、130、120、122、121、117、119または110アミノ酸長など、118〜121、119〜121、120〜121、121、117〜118、117〜119、117〜120、118〜125、118〜130、119〜135または119〜140アミノ酸長である。
ある特定の場合には、ポリペプチドは、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸76〜140のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むことができる。
ある特定の場合には、ポリペプチドは、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸165〜194のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むことができる。
ある特定の場合には、ポリペプチドは、第2の連続するアミノ酸配列に機能的に連結される第1の連続するアミノ酸配列を含む連続するアミノ酸配列を含むことができ、第1の連続するアミノ酸配列は全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸76〜140のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有しており、第2の連続するアミノ酸配列は全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸165〜194のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、90%、95%、97%、99%または100%の配列同一性を有する。ある特定の実施形態において、第1及び第2の連続するアミノ酸配列は、リンカー配列、例えば本明細書で提供されるリンカー配列などの介在配列を介して接合されることができる。
場合によっては、本明細書で開示される方法で使用されるポリペプチドは、配列番号1の残基80〜198に対する少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドでもよく、例えば以下のアミノ酸配列により表されることができる:
Figure 0006680758
(配列番号5)。
場合によっては、本明細書で開示される方法で使用されるポリペプチドは、以下のものに対して少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドでもよい:
Figure 0006680758
(配列番号16)。
本開示のある特定の実施形態において、本開示のANGPTL8はマウスANGPTL8に由来するANGPTL8でもよい。マウスANGPTL8(Gm6484、NCBI RefSeq NP_001074409.1)のコンセンサスタンパク質配列は、以下のとおりである:
Figure 0006680758
(配列番号6、シグナルペプチドに下線を引いた)。マウスANGPTL8は、配列番号6の残基1〜15からのシグナルペプチド、及び配列番号6の残基16〜198からのANGPTL8鎖を含む。ある場合には、目的のANGPTL8ペプチドは、配列番号6のマウスANGPTL8の残基77〜198のC末端コイルドコイルドメインの全部または一部を含むことができ、例えば、以下のアミノ酸配列により表されることができる:
Figure 0006680758
(配列番号7)。
ある場合には、本開示のANGPTL8は、例えば上述の参照タンパク質配列または上述のDNA配列と比較して、1つ以上の天然の変異体であることができる。このような天然の変異体には様々なものがあり、配列番号1の59位のR置換に対してW、及び配列番号1の147位のR置換に対してQを含むことできるが、これらに限定されない。
本開示のANGPTL8の変異体は場合によっては、いろいろな長さの1つ以上のアミノ酸の欠失を有するタンパク質配列によって表されることができ、それは配列番号1で記述されるANGPTL8タンパク質配列と比較して、1〜180アミノ酸長の範囲の欠失を含み、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179または180アミノ酸長の欠失を含むが、これらに限定されない。ある場合には、ANGPTL8変異体は、配列番号1のANGPTL8タンパク質配列の残基21〜79から59アミノ酸長のアミノ酸欠失を含むことができる。
対象ANGPTL8変異体のアミノ酸欠失は内部アミノ酸またはアミノ酸の内部配列には限定されず、場合によっては、N末端側またはC末端側切断で表されることができる。例えば本開示のANGPTL8変異体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179もしくは180アミノ酸長を含む、1〜180アミノ酸長の任意の範囲のN末端側切断またはC末端側切断を有することができるが、これらに限定されない。ある特定の場合には、本開示のANGPTL8変異体は、配列番号1のANGPTL8のアミノ酸1〜79のN末端側欠失を表すことができる。
本開示のある特定の実施形態において、本開示の目的のペプチドは、ANGPTL8関連遺伝子由来であることができる、またはANGPTL8関連タンパク質の一部を含むことができる。ある特定の場合には、本開示のペプチドは、1つ以上のアンジオポエチン(ANG)ファミリータンパク質由来であることができ、それはアンジオポエチン−1(ANG−1、GenBank:AAM92271.1)、アンジオポエチン−2(ANG−2、GenBank:AAI43903.1)、アンジオポエチン−3(ANG−3、GenBank:AAD31728.1)、アンジオポエチン−4(ANG−4、GenBank:AAI11977.1)、アンジオポエチン様タンパク質1(ANGPTL1、GenBank:AAH50640.1)、アンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2、GenBank:AIC50961.1)、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3、GenBank:AAH07059.1)、アンジオポエチン様タンパク質4(ANGPTL4、GenBank:AIC56388.1)、アンジオポエチン様タンパク質5(ANGPTL5、GenBank:AAQ89186.1)、アンジオポエチン様タンパク質6(ANGPTL6、GenBank:AAI42633.1)、及びアンジオポエチン様タンパク質7(ANGPTL7、GenBank:AIC50550.1)を含むが、これらに限定されない。例えばある特定の実施形態では、本開示の対象ポリペプチドは、以下のアミノ酸配列のヒトアンジオポエチン様2ポリペプチド(AAH12368.1)の一部からのものである、またはそれを含むことができる:
Figure 0006680758
(配列番号8)。
場合によっては、ANGPTL8関連タンパク質のペプチドを含む本開示のペプチドは、ANGPTL8関連タンパク質の一部、または特定ドメイン、または特定ドメインの一部だけを含むことができる。例えば一実施形態において、目的のペプチドは、ヒトアンジオポエチン様2ポリペプチドの一部を含むことができ、例えば、以下のアミノ酸配列によって表される:
Figure 0006680758
(配列番号9)。
核酸及びタンパク質配列
対象ポリペプチドは、目的のタンパク質をコードする構築物を提供するために、当該技術分野において既知の異なるANGPTL8の核酸を操作する組み換え技術を使用して生成され得る。アミノ酸配列が提供されるとき、当業者は、遺伝子コードの知識を考慮して、かかるアミノ酸配列をコードする様々な異なる核酸を直ちに認識することが理解されるであろう。
ある場合には、本開示のANGPTL8は、以下の配列を有する組み換えcDNAのフラグメントまたはその変異体で表されることができる:
Figure 0006680758
(配列番号4)、それは上述のcDNA配列の1つ以上のサイレント変異(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190及び190〜200のサイレント変異を含む)を有する変異体を含むが、これらに限定されない。
ヒトANGPTL8に関連して本明細書に開示されるタンパク質及び遺伝子の特徴はそれぞれ独立して位置することができる、または、関連する遺伝子もしくはタンパク質のこのような特徴の有無は、関連した配列を適切なヒト参照配列と関連づけるアミノ酸もしくはヌクレオチド配列比較によって判定されることを当業者は直ちに理解するであろう。ヒトANGPTL8と関連する例示の相同遺伝子の配列は、チンパンジー(P.troglodytes)のC19H19orf80、オオカミ(C.lupus)のC20H19orf80、ウシ(B.taurus)のC7H19orf80、ハツカネズミ(M.musculus)のGm6484及びドブネズミ(R.norvegicus)のLOC100361444を含むが、これらに限定されない。ヒトANGPTL8と関連する例示の相同タンパク質の配列は、XP_003316163.1、XP_005632923.1、XP_005208869.1、NP_001074409.1、及びNP_001258639.1を含むが、これらに限定されない。
ヒトANGPTL8に関連した更なるパラロガス遺伝子は、グッピー(Poecilia reticulata)のclg8h19orf80、グリーンアノール(Anolis carolinensis)のc2h19orf80、ミドリザル(Chlorocebus sabaeus)のC6H19orf80、ハイイロジネズミオポッサム(Monodelphis domestica)のC3H19orf80、ネコ(Felis catus)のCA2H19orf80、ヤギ(Capra hircus)のC7H19orf80、ウマ(Equus caballus)のC7H19orf80、カニクイザル(Macaca fascicularis)のC19H19orf80、ハタネズミ(Microtus ochrogaster)のC5H19orf80、ニシゴリラ(Gorilla gorilla)のC19H19orf80、アヌビスヒヒ(Papio anubis)のC19H19orf80、フタコブラクダ(Camelus ferus)のLOC102508050、コモンマーモセット(Callithrix jacchus)のC22H19orf80、ボノボ(Pan paniscus)のLOC103783638、メクラデバネズミ(Nannospalax galili)のLOC103734570、ホッキョクグマ(Ursus maritimus)のLOC103678678、マレーヒヨケザル(Galeopterus variegatus)のLOC103591351、モウコノウマ(Equus przewalskii)のLOC103543218、オオクビワコウモリ(Eptesicus fuscus)のLOC103301110、フィリピンメガネザル(Tarsius syrichta)のLOC103249447、ツチブタ(Orycteropus afer afer)のLOC103207899、カモノハシ(Ornithorhynchus anatinus)のLOC103170718、モンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus)のLOC103162524、ミンククジラ(Balaenoptera acutorostrata scammoni)のLOC103007216、マッコウクジラ(Physeter catodon)のLOC102983429、アムールトラ(Panthera tigris altaica)のLOC102964797、シロアシネズミ(Peromyscus maniculatus bairdii)のLOC102906929、クロオオコウモリ(Pteropus alecto)のLOC102888052、ケープハネジネズミ(Elephantulus edwardii)のLOC102862909、ホオヒゲコウモリ(Myotis davidii)のLOC102759590、ウェッデルアザラシ(Leptonychotes weddellii)のLOC102747799、ツパイ(Tupaia chinensis)のLOC102483995、トビイロホオヒゲコウモリ(Myotis lucifugus)のLOC102440177、スイギュウ(Bubalus bubalis)のLOC102416148、チルー(Pantholops hodgsonii)のLOC102335494、ヤク(Bos mutus)のLOC102267376、ブラントホオヒゲコウモリ(Myotis brandtii)のLOC102244580、チンチラ(Chinchilla lanigera)のLOC102016286、ジュウサンセンジリス(Ictidomys tridecemlineatus)のLOC101972143、ゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus)のLOC101826982、ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)のLOC101706461、フェレット(Mustela putorius furo)のLOC101670309、ヒメハリテンレック(Echinops telfairi)のLOC101660529、ヒメミユビトビネズミ(Jaculus jaculus)のLOC101599511、デグー(Octodon degus)のLOC101568418、ミナミシロサイ(Ceratotherium simum simum)のLOC101392854、タイセイヨウセイウチ(Odobenus rosmarus divergens)のLOC101362133、アンティルマナティー(Trichechus manatus latirostris)のLOC101350564、ハンドウイルカ(Tursiops truncatus)のLOC101336653、及びシャチ(Orcinus orca)のLOC101284684を含むが、これらに限定されない。
タンパク質修飾
本開示で使用するタンパク質は、修飾されたタンパク質として提供されることができる。修飾の目的は、治療用に調製されるタンパク質の望ましい特性(例えば血清半減期)を増加させて、検出分析で使用するための及び/またはタンパク質精製用などの抗体を産生させることであり得る。
対象タンパク質を修飾するための1つの方法は、別のタンパク質(例えば対象タンパク質とは異種のアミノ酸配列を有する)などのタンパク質のN末端及び/もしくはC末端で1つ以上の追加要素、ならびに/または担体分子をコンジュゲートする(例えば連結する)ことである。したがって、例示のタンパク質は、免疫グロブリンFcポリペプチド由来のポリペプチド(複数可)を有する融合タンパク質として提供されることができる。
タンパク質へのコンジュゲート修飾は、(例えば治療上の使用にとって望ましい)ある特定の特性を付与する及び/または強化するため第2のコンジュゲート分子の特性を利用しながら、望ましい活性を保持するタンパク質をもたらす可能性がある。例えばポリペプチドは分子にコンジュゲートされて、例えば溶解度、貯蔵、半減期、免疫原性の減少、組織または他の身体位置(例えば、血液または他の特定の器官など)での制限放出を促進できる。
コンジュゲートタンパク質の他の特徴は、コンジュゲートが非コンジュゲートタンパク質と比較して毒性を減少させるものを含むことができる。別の特徴は、コンジュゲートが非コンジュゲート材料より効率的に一種の細胞または器官を標的とすることができるということである。タンパク質は所望により薬剤に付着して、代謝障害と関連する原因もしくは作用に更に対抗することができて(例えばトリグリセリド値を低下させるための薬剤)、及び/または所望により修飾して、(例えば、PEG化、過剰グリコシル化などによって)改良された薬物動態的プロファイルを提供することができる。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示したポリペプチド配列を、半減期(例えば血清半減)及び/または溶解度(例えば、宿主細胞株から発現させたとき凝集体形成を減少させる、または宿主細胞株から精製させたとき凝集体を減少させる)をin vivo増加させる異種ポリペプチドにコンジュゲートできる。
本開示のポリペプチド配列を修飾するために使用される前述の成分及び分子のいずれも、リンカーを介して任意にコンジュゲートされ得る。好適なリンカーは、修飾されたポリペプチド配列と連結された成分及び分子との間のある程度の移動を可能にするのに一般的に十分な長さである「可動性リンカー」を含む。リンカー分子は一般的に、約6〜50個の原子の長さである。リンカー分子はまた、例えばアリールアセチレン、2〜10個のモノマー単位を含有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二塩基酸、アミノ酸、またはこれらの組み合わせであってもよい。好適なリンカーは容易に選択することができ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50のアミノ酸などの任意の好適な長さであり得る。
例示の可動性リンカーは、グリシンポリマー(G)、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、グリシン−セリンポリマー(例えば、(G、(GSGGS)(配列番号18)、(G、(G(配列番号19)、(GSGGS(配列番号20)、(GSGSG)(配列番号21)及び(GGGS(配列番号22)ならびにこれらの組み合わせ、ここでm、n及びoは、少なくとも1〜20、例えば、1〜18、2〜16、3〜14、4〜12、5〜10、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の整数からそれぞれ独立して選択される)、ならびに他の可動性リンカーを含む。グリシン及びグリシン−セリンポリマーは比較的構造不定であり、したがって、成分間のニュートラルなテザーとして機能することができる。例示の可動性リンカーは、GGSG(配列番号23)、GGSGG(配列番号24)、GSGSG(配列番号25)、GSGGG(配列番号26)、GGGSG(配列番号27)及びGSSSG(配列番号28)を含むが、これらに限定されない。
追加の可動性リンカーは、グリシンポリマー(G)またはグリシン−セリンポリマー(例えば、(GS)、(GSGGS)(配列番号18)、(GGGS)(配列番号29)及び(GGGGS)(配列番号32)、ここでn=l〜50、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50である)を含む。例示の可動性リンカーは、GGGS(配列番号31)、GGGGS(配列番号32)、GGSG(配列番号23)、GGSGG(配列番号24)、GSGSG(配列番号25)、GSGGG(配列番号26)、GGGSG(配列番号27)及びGSSSG(配列番号28)を含むが、これらに限定されない。これらのリンカー配列のマルチマー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30または30〜50)は、本明細書で開示されるポリペプチドに異種アミノ酸配列をコンジュゲートするために用いることができる、可動性リンカーを提供するために連結されてもよい。本明細書に記載されるように、異種アミノ酸配列は、シグナル配列及び/またはアルブミン、Fc配列などの融合パートナーでもよい。
生成方法
本開示のタンパク質は、組み換え方法及び非組み換え方法(例えば、化学合成)を含む任意の好適な方法により生成され得る。ポリペプチドが化学的に合成される場合、液相または固相を介して合成を進めることができる。固相合成(SPPS)は、非天然のアミノ酸及び/またはペプチド/タンパク質骨格の修飾の組み込みを可能にする。Fmoc及びBocなどのSPPSの様々な形態は、本開示のペプチドの合成に利用可能である。化学合成の詳細は当該技術分野において既知である(例えば、Ganesan A.2006 Mini Rev.Med.Chem.6:3−10;及びCamarero J.A. et al.2005Protein Pept Lett.12:723−8)。簡単に説明すると、小さい不溶性かつ多孔性ビーズを、ペプチド鎖を構築する機能単位で処理する。カップリング/脱保護のサイクルを繰り返した後、固相付着ペプチドの遊離N末端側アミンは単一のN保護アミノ酸単位にコンジュゲートされる。次にこの単位は脱保護されて、更なるアミノ酸を付着することが可能である新規のN末端側アミンを現す。ペプチドは固相に固定されたままで、切断される前に濾過処理を受ける。
タンパク質が組み換え技術を用いて生成される場合、タンパク質は、任意の好適な構築物を用いて、及び細菌(例えば大腸菌(E.coli))もしくは酵母宿主細胞などのそれぞれ原核細胞または真核細胞であり得る任意の好適な宿主細胞を用いて、細胞内タンパク質としてまたは分泌型タンパク質として生成され得る。
宿主細胞として使用することができる真核細胞の他の例としては、昆虫細胞、哺乳動物細胞及び/または植物細胞が挙げられる。哺乳動物宿主細胞が使用される場合、細胞は、ヒト細胞(例えば、HeLa、293、H9及びJurkat細胞)、マウス細胞(例えば、NIH3T3、L細胞及びC127細胞)、霊長類細胞(例えば、Cos1、Cos7及びCV1)、ならびにハムスター細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)のうちの1つ以上を含み得る。
ある特定の実施形態において、細胞内で発現するとき対象タンパク質は、タンパク質が細胞から分泌されるとき切断され得るシグナル配列を含むことができる。
対象タンパク質の発現に好適な様々な宿主−ベクター系は、当該技術分野に既知の標準的な手順に従い採用され得る。例えば、Sambrook et al.1989 Current Protocols in Molecular Biology Cold Spring Harbor Press,New York;及びAusubel et al.1995 Current Protocols in Molecular Biology,Eds.Wiley and Sonsを参照されたい。
遺伝物質を宿主細胞に導入するための方法は、例えば形質転換、電気穿孔法、コンジュゲーション、リン酸カルシウム法などを含む。転換のための方法は、導入されたANGPTL8をコードする核酸の安定した発現を提供するように選択され得る。ポリペプチドをコードする核酸は、遺伝性エピソーム要素(例えば、プラスミド)として提供され得る、またはゲノムに統合され得る。目的のポリペプチドの生成に使用するための様々な適切なベクターは、商業的に入手可能である。
ベクターは宿主細胞における染色体外維持を提供する、または宿主細胞のゲノム内への統合を提供することができる。発現ベクターは転写及び翻訳の制御配列を提供し、コード領域が転写開始領域ならびに転写及び翻訳の停止領域の転写制御下で機能的に連結される、誘導性または構成的発現を提供することができる。一般に転写及び翻訳の制御配列は、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、及びエンハンサーまたはアクチベーター配列を含み得るが、これらに限定されない。プロモーターは構成的または誘導性のいずれかであり得、強い構成的プロモーター(例えばT7、CMVなど)であり得る。ある特定の実施形態において、本開示のタンパク質は核酸構築物から発現されることができ、そこで異種プロモーターはタンパク質をコードする核酸配列へ機能的に連結される。
発現構築物は一般的に、目的のタンパク質をコードする核酸配列の挿入を提供するために、プロモーター配列付近に位置する簡便な制限部位を有する。発現宿主において作動的な選択マーカーは、ベクターを含有する細胞の選択を容易にするために存在し得る。加えて、発現構築物は追加の要素を含み得る。例えば、発現ベクターは1つまたは2つの複製系を有し得、したがって、発現のために生物、例えば哺乳類または昆虫の細胞において、ならびにクローン化及び増幅のために原核宿主においてそれを維持することが可能である。加えて発現構築物は、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするために、選択マーカー遺伝子を含有し得る。選択可能な遺伝子は当該技術分野において既知であり、使用される宿主細胞により異なる。
タンパク質の単離及び精製は、当該技術分野において既知の方法に従い達成され得る。例えばタンパク質は、タンパク質を構成的に及び/または誘導時に発現するように遺伝的に修飾された細胞の可溶化液から、または合成反応混合物から、試料を抗タンパク質抗体と接触させ、非特異的に結合した材料を除去するために洗浄し、特異的に結合したタンパク質を溶出することを一般的に伴う免疫親和性精製によって単離され得る。単離されたタンパク質は、透析及びタンパク質精製方法に通常採用される他の方法により更に精製され得る。一実施形態で、タンパク質は、金属キレートクロマトグラフィ方法を用いて単離され得る。本開示のタンパク質は、上述のように単離を容易にするために修飾を含有し得る。
対象タンパク質は、実質的に純粋な形態または単離された形態(例えば、他のポリペプチドを含まない)で調製され得る。タンパク質は、存在し得る他の成分(例えば他のポリペプチドまたは他の宿主細胞成分)と比べて、ポリペプチドが濃縮された組成物中に存在し得る。例えば精製されたタンパク質は、タンパク質が、他の発現タンパク質を実質的に含まない組成物中に存在するように提供されることができ、例えば組成物の90%未満、一般的に60%未満及びより一般的に50%未満が他の発現タンパク質で構成されている。
組成物
本開示は対象タンパク質を含む組成物を提供し、トリグリセリド値、総コレステロール値及びLDL値のうちの1つ以上を低下させることを必要とする対象に、それを投与することができる。ある特定の場合において前記組成物は、本明細書に記載されている対象ポリペプチド及び薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
本開示のポリペプチドは、対象に投与するのに適した組成物の形態であり得る。一般にそのような組成物は、1つ以上のポリペプチド、及び1つ以上の薬学的に許容されるもしくは生理学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤を含む「薬学的組成物」である。ある特定の実施形態において、ポリペプチドは、治療有効量で存在する。薬学的組成物は本開示の方法で使用されることができ、すなわち、例えば、薬学的組成物は、本明細書に記載される治療的及び予防的な方法及び使用を実践するために、ex vivoまたはin vivoで対象に投与され得る。
本開示の薬学的組成物は意図される投与方法または投与経路に適合するように製剤化され得、例示的な投与経路は本明細書に記載される。更に薬学的組成物は、本開示により企図される疾患、障害及び状態を治療するまたは予防するために、他の治療的に有効な成分または化合物(例えば、食欲抑制剤)と組み合わせて使用され得る。
薬学的組成物は通常、本開示により企図されるポリペプチドのうちの少なくとも1つの治療有効量と、1つ以上の薬学的及び生理学的に許容される製剤とを含む。好適な薬学的に許容されるもしくは生理学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤は、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸及び重硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルもしくはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾエート)、乳化剤、懸濁剤、分散剤、溶媒、充填剤、増量剤、界面活性剤、緩衝剤、ビヒクル、希釈剤及び/または補助剤を含むが、これらに限定されない。例えば、好適なビヒクルは、生理食塩溶液またはクエン酸緩衝生理食塩水であってよく、可能であれば一般的に非経口投与用の薬学的組成物に他の材料が補充される。更なる例示的なビヒクルは、中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水である。当業者は、薬学的組成物及び投与形態に使用することができる様々な緩衝剤を容易に認識するだろう。典型的な緩衝剤は、薬学的に許容される弱酸、弱塩基またこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一例として緩衝剤の成分は、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びそれらの塩などの水溶性材料であり得る。許容される緩衝剤は、例えば、トリス緩衝液、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、及びN−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)を含む。
薬学的組成物が製剤化された後、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体または無水もしくは凍結乾燥された粉末として減菌バイアルに保管され得る。そのような製剤は、すぐに使用できる形態、使用前に再構成を必要とする凍結乾燥形態、使用前に希釈を必要とする液体形態、または他の許容される形態のいずれかで保管され得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、単回使用容器(例えば、単回使用バイアル、アンプル、シリンジまたは自動注射器(例えば、EpiPen(登録商標)に類似))で提供され、一方、多回使用容器(例えば、多回使用バイアル)は他の実施形態において提供される。任意の薬物送達装置は、ポリペプチドを送達するために使用されることができ、インプラント(例えば、埋め込み可能なポンプ)及びカテーテル系を含み、その両方は当業者に周知である。一般的に皮下または筋肉内投与されるデポ剤注射も、定義された期間にわたり、本明細書に開示されるポリペプチドを放出するために利用され得る。デポ剤注射は通常、固系または油系のいずれかであり、本明細書に記載される製剤成分のうちの少なくとも1つを一般的に含む。当業者は、デポ剤注射の可能な製剤及び使用に精通している。
薬学的組成物は、減菌の注射可能な水性または油性の懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、本明細書に記載されるそれらの好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁剤を用いた、既知の技術分野に従い製剤化され得る。減菌の注射可能な調製物も、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の減菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。採用され得る許容される希釈剤、溶媒、及び分散媒質は、水、リンゲル溶液、等張性塩化ナトリウム溶液、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,NJ)、またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、及びこれらの好適な混合物を含む。加えて、減菌の固定油は、溶媒または懸濁媒質として常用される。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が採用され得る。更にオレイン酸などの脂肪酸は、注射可能物の調製に用途を見出す。特定の注射可能製剤の吸収の延長は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチン)を含むことにより達成され得る。
活性成分を含有する薬学的組成物(例えば本開示のポリペプチド)は、例えば錠剤、カプセル、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルション、硬カプセルもしくは軟カプセル、またはシロップ、溶液、ミクロビーズ、またはエリキシル剤として、経口使用に好適な形態であり得る。経口使用を目的とする薬学的組成物は、薬学的組成物の製造の分野に公知の任意の方法に従い調製されることができ、そのような組成物は、薬学的に優れたかつ美味である調製物を提供するために、例えば甘味剤、風味剤、着色剤及び防腐剤などの1つ以上の薬剤を含有することができる。錠剤、カプセルなどは、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの顆粒剤及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;及び例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であり得る。
経口投与に適した錠剤、カプセルなどは、消化管における崩壊及び吸収を遅らせ、それによって持続作用を提供するための既知の技法によりコーティングされても、されなくてもよい。例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの徐放化材料を用いてもよい。それらはまた当該技術分野に公知の技法によりコーティングされ、制御放出用の浸透性治療錠剤を形成することができる。追加の薬剤は、投与した組成物の送達を制御するために、ポリエステル、ポリアミン酸、ヒドロゲル、ポリビニルピロリドン、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、エチレン−酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミン、もしくはラクチド/グリコリドコポリマー、ポリラクチド/グリコリドコポリマー、またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなどの生分解性もしくは生体適合性粒子またはポリマー物質を含む。例えば、経口剤は、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルもしくはポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルの使用により、それぞれ、コアセルベーション技法により、もしくは界面重合により調製されたマイクロカプセル、またはコロイド薬物送達系に封入され得る。コロイド状分散系は、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロ球体、ミクロビーズ、及び脂質に基づく系を含み、それは水中油型エマルション、ミセル、混合されたミセル及びリポソームを含む。リポソームを調製する方法は、例えば米国特許第4,235,871号、同第4,501,728号、及び同第4,837,028号に記載されている。上述の製剤を調製するための方法は当業者に明らかである。
経口使用のための製剤はまた、活性成分が、不活性固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、または微結晶セルロースと混合される硬ゼラチンカプセルとして、あるいは活性成分が、水、または油性媒質、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして、提示されてもよい。
水性懸濁液は、その製造に適した賦形剤との混合物中に活性材料を含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、及びアカシアガム;分散剤もしくは湿潤剤、例えば、天然のホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液は、1つ以上の防腐剤も含み得る。
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはヤシ油中に、または流動パラフィンなどの鉱物油中に懸濁させることによって製剤化され得る。油性懸濁液は、糊剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含有し得る。上述のものなどの甘味剤及び風味剤は、美味の経口調製物を提供するために添加され得る。
水の添加によって水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、及び1つ以上の防腐剤との混合物中に活性成分を提供する。好適な分散剤もしくは湿潤剤、及び懸濁剤は、本明細書において例示される。
本開示の薬学的組成物はまた、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油、または鉱物油、例えば、流動パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然のガム(例えば、アカシアガムもしくはトラガントガム)、天然のホスファチド(例えば、大豆、レシチン、及び脂肪酸由来のエステルまたは部分エステル)、ヘキシトール無水物(例えば、ソルビタンモノオレエート)、ならびに部分エステルとエチレンオキシドの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。
製剤は、インプラント、リポソーム、ヒドロゲル、プロドラッグ、及びミクロ封入された送達系を含む制御放出製剤などの、迅速な分解または身体からの排除に対して組成物を保護するための担体も含み得る。例えば、モノステアリン酸グリセリル、もしくはステアリン酸グリセリルなどの徐放化材料が単独でまたは蝋との組み合わせで採用され得る。
本開示は、薬物の直腸投与用の坐剤の形態でのポリペプチドの投与を企図する。坐剤は、薬物を、通常の温度では固体であるが、直腸温度で液体であり、したがって、薬物を放出するために直腸で融解する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製され得る。そのような材料は、ココアバター及びポリエチレングリコールを含むが、これらに限定されない。
本開示により企図されるポリペプチドは、現在既知の、また将来開発される任意の他の好適な薬学的組成物の形態(例えば、鼻または吸入用途のためのスプレー)であり得る。
製剤中のポリペプチドまたはその断片の濃度は、広く変動し得(例えば、約0.1重量%未満、通常約2重量%または少なくとも2重量%から20重量%〜50重量%以上まで)、主に、例えば、選択される特定の投与形態による、流体量、粘度、及び対象に基づく要因に基づき、通常選択される。
Nano Precision Medicalのデポ送達技術(Nano Precision Medical(Emeryville、CA))の使用が、本明細書で企図される。前記技術は、タンパク質及びペプチド治療用など巨大分子のゼロ次放出速度を生じるチタニアナノチューブ膜を利用する。生体適合膜は、治療用巨大分子の長期の(例えば最高1年)一定速度の送達を提供する、小さな皮下インプラントに収容されている。前記技術は現在、II型糖尿病の治療用のGLP−1作動薬の送達において評価されている。ある特定の実施形態において、本明細書で開示されるポリペプチド(複数可)は膜を有する製剤でもよい。例えばポリペプチドは膜内に浸透できる、または膜によって囲まれることができる。膜は、円盤、管または球体の形状であってもよい。ある特定の実施形態において、管はナノチューブでもよく、または球体はナノ球体でもよい。
対象薬学的組成物は、本明細書で提供されるポリペプチドを含むことができる。例えば対象薬学的組成物は、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性)を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、該ポリペプチドは全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜75を欠失しているポリペプチド、及び薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
患者集団
本開示は、上昇したトリグリセリド値を有する対象のトリグリセリド値を低下させる方法を提供する。本開示は、上昇した総コレステロール値を有する対象の総コレステロール値を低下させる方法を提供する。例示の方法には、高LDLコレステロール値を有する対象のLDLコレステロール値を低下させることが含まれる。
上昇したトリグリセリド値は、心臓血管疾患、心臓疾患、心筋梗塞、脳卒中、アテローム性硬化症、糖尿病、慢性腎疾患、高脂血症、膵炎、乳び血症、発疹性黄色腫及び腹痛などの状態と関連している。重度の高トリグリセリド血症は、特に乳び血症及び発疹性黄色腫、腹痛及び/または膵炎を伴う。高トリグリセリド値は、特に真性糖尿病、慢性腎疾患、ある特定の原発性高脂血症と関係している。加えて上昇したトリグリセリド値は、心臓血管疾患の危険性が増す状態における悪化因子(肥満、高血圧及び喫煙を含む)である。
上昇したトリグリセリド値と関連した高リポタンパク血症は、二次性高リポタンパク血症でもあり得る。上昇したトリグリセリド値と関連する二次性高リポタンパク血症は、肥満、過剰なアルコール摂取、ならびにチアジド系利尿薬、経口避妊薬及び他エストロゲンならびにいくつかのβ‐アドレナリン作動性効果遮断薬を含む様々な薬の使用などの複数の条件と関連する悪化因子である。加えて上昇したトリグリセリド値と関連する二次性高リポタンパク血症は、真性糖尿病、甲状腺機能低下症、腎疾患(尿毒症、ネフローゼ症候群、維持透析及び腎移植)、肝疾患、タンパク異常血症及び他の代謝疾患及び内分泌疾患と関係している。
上昇したトリグリセリド値は、急性ストレス関連症状とも関係している。上昇したトリグリセリド値と関連する急性ストレス関連状態は、火傷、外傷、心筋梗塞及び敗血症を含むが、これらに限定されない。
上昇したトリグリセリド値は場合によっては、直接もしくは間接に1つ以上の家族的状況または遺伝的状況の結果であり得る。ある場合には、かかる家族的または遺伝子的状況は、上昇したトリグリセリド値の直接的または間接的な治療に応答しない。基礎疾患の治療にもかかわらず持続する高トリグリセリド血症を含む、持続性高トリグリセリド血症は、家族性高トリグリセリド血症などの高リポタンパク血症の原発性形態に関連し得る、またはそれによって生じ得る。上昇したトリグリセリド値と関連する更なる家族的状況は、家族性複合型脂質血症及び家族性異常βリポタンパク血症(III型高リポタンパク血症)を含む。
高コレステロール値(総コレステロール及びLDLコレステロール)は、これらが動脈のアテローム性プラークの発達を促進するので(アテローム性硬化症)、心臓血管疾患と強く関係している。この疾患過程は、心筋梗塞(心臓発作)、脳卒中及び末梢血管疾患につながる可能性がある。
したがって、上に列挙したいずれかの状態の患者を、本明細書に記載したポリペプチドを投与することにより治療できる。
本明細書で示される条件は例示であって、本明細書で記載される組成物を用いて治療され得る状態を制限することを意図したものではないことが理解される。したがって、他の条件を有する患者も、本明細書で提供される組成物を使用して治療されることができる。
方法
対象方法は、上昇したトリグリセリド値を有する患者に対象タンパク質を投与することを伴う。本明細書で使用する場合「上昇したトリグリセリド値」または「高トリグリセリド値」とは、ヒトの体液試料中のトリグリセリドの最適値を超えるトリグリセリド値を指す。米国心臓協会(AHA)は、100mg/dL以下のトリグリセリド値を最適と考えると勧告している。「上昇したトリグリセリド値」または「高トリグリセリド値」は、100mg/dL超、例えば150mg/dL超、200mg/dL、250mg/dL、300mg/dL、350mg/dL、400mg/dL、450mg/dLまたは500mg/dL、またはそれ以上のトリグリセリド値を指す。
対象方法は、患者の体液試料中100mg/dL超、例えば約150mg/dL超、200mg/dL、250mg/dL、300mg/dL、350mg/dL、400mg/dL、450mg/dL、500mg/dLまたはそれ以上のトリグリセリド値を有する患者に、本明細書で開示するタンパク質を投与することを伴う。
上昇したトリグリセリド値を有する、それを有する疑いがある、またはそれを発症する危険性がある患者は、患者を治療するために本明細書に記載されるポリペプチドを投与されることができる。上昇したトリグリセリド値の家族歴、または上昇したトリグリセリド値をもたらし得るセデンタリーライフスタイル及び/もしくはトリグリセリドの高い食事などの生活習慣を有する対象は、上昇したトリグリセリド値を発症する危険性があると考えることができる。
本開示は、上昇した総コレステロール値を有する対象の総コレステロール値を低下させる方法を提供する。本明細書で使用する場合「上昇した総コレステロール値」または「高総コレステロール値」は、約200mg/dL未満の通常の総コレステロール値より高い総コレステロール値を指す。上昇した総コレステロール値は200mg/dLより高い値、例えば210mg/dL、220mg/dL、240mg/dL、250mg/dL、またはそれ以上を含む。
本開示は、上昇したLDLコレステロール値を有する対象のLDLコレステロール値を低下させる方法を提供する。本明細書で使用する場合「上昇したLDLコレステロール値」または「高LDLコレステロール値」は、70mg/dL超、例えば100mg/dL超、120mg/dL、130mg/dL、150mg/dL、160mg/dL、180mg/dL、190mg/dL、またはそれ以上のLDL値を指す。
上に列挙した状態のいずれかを有する患者は、上昇した総コレステロール及び/またはLDLコレステロールを有する可能性がある。ある特定の場合には心臓病の危険性があるまたは心臓病に罹患している患者の総コレステロール及び/またはLDLコレステロールを減らすために、本方法を使用することができる。上昇した総コレステロール及び/もしくはLDLコレステロールの家族歴、または上昇した総コレステロール値及び/もしくはLDLコレステロール値をもたらし得るセデンタリーライフスタイル及び/もしくはコレステロールの高い食事などの生活習慣を有する対象は、上昇した総コレステロール値及び/またはLDLコレステロール値を発症する危険性があると考えることができる。
「治療」とは少なくともホストを苦しめる状態と関連した症状の改善が達成されることを意味しており、改善とは少なくとも治療されている状態と関連したパラメータ、例えば症状の大きさの減少を指す。したがって、治療は、状態もしくは少なくともそれと関連づけられる症状が減らされるまたは回避される状況を含む。したがって、治療は、(i)予防、すなわち臨床症状の発現の危険性を減らすことであって、それは、臨床症状を発現させなくする、例えば有害なまたはさもなければ望ましくない状態への疾患進行を防止することを含み、(ii)抑制、すなわち臨床症状の発現または更なる発現を抑止する、例えば活動性疾患を緩和するまたは完全に抑制することを含む。
本開示の方法において、本明細書に記載されるタンパク質組成物を対象(例えばヒト患者)に投与して、例えば、血流のトリグリセリド値を健常な個人で見出せる範囲に引き下げるために、例えば目標トリグリセリド値を達成する及び/または維持することができる。治療の対象は、本明細書に記載されている状態を有するものを含む。
対象方法は、全長のANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与する対象のトリグリセリド値の少なくとも5%以上の低減を達成することができ、前記ポリペプチドは全長のANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜74を欠いている。例えば、対象ポリペプチドを投与することは、対象のトリグリセリド値を少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上低下させることができる。
トリグリセリド値は、任意の標準アッセイを使用して測定されることができる。例えば、トリグリセリド値は、酵素アッセイを使用して、例えばリパーゼを使用して、対象の唾液、尿、血液、血清または血漿の試料で測定することができる。市販のキットのいずれかを使用して、患者の体液試料のトリグリセリド値を測定してもよい。ある特定の実施形態において、体液試料は血液、血清または血漿であり得る。
対象方法は、全長のANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与する対象の総コレステロール及び/またはLDLコレステロール値の少なくとも5%以上の低減を達成することができ、前記ポリペプチドは全長のANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜74を欠いている。例えば、対象ポリペプチドを投与することは、対象の総コレステロール及び/またはLDLコレステロール値を少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以上低下させることができる。
投与経路
本開示は、任意の適切な方法での開示されるポリペプチド及びその組成物の投与を企図する。好適な投与経路は、非経口(例えば筋肉内、静脈内、皮下(例えば注射または移植)、腹腔内、大槽内、関節内、腹腔内、脳内(実質内)及び脳室内)、経口、経鼻、経膣、舌下、眼内、直腸内、局所(例えば経皮)、舌下ならびに吸入を含む。ある特定の実施形態において、投与は皮下でもよい。
一般的に皮下または筋肉内に投与されるデポ剤注射も、定義された期間にわたり、本明細書に開示されるポリペプチドを放出するために利用され得る。デポ剤注射は通常固系または油系のいずれかであり、本明細書に記載される製剤成分のうちの少なくとも1つを一般的に含む。当業者は、デポ剤注射の可能な製剤及び使用に精通している。
本開示のポリペプチドを少なくとも1日2回、少なくとも1日1回、少なくとも48時間毎に1回、少なくとも72時間毎に1回、少なくとも週1回、少なくとも2週毎に1回、少なくとも毎月1回、少なくとも2か月毎に1回、または少なくとも3か月毎に1回、またはそれよりも少ない頻度で対象に投与する方法を本開示は企図する。
併用療法
上昇したトリグリセリド値を治療または予防することを目的とする多種多様な治療法のいずれかは、対象タンパク質を有する組成物または治療法と併用することができる。
本明細書で使用する場合「併用」とは、別個に投与され得る、例えば個別投与のために別個に製剤化される(例えば、キットに提供され得るような)療法、及び単一の製剤で投与され得る(すなわち「同時処方」)療法を含むことを意味する。併用療法で提供され得る薬剤の例としては、スタチン、フィブラート、ナイアシン及び魚油が挙げられる。
対象タンパク質が1つ以上の他の治療法と併用して投与される場合、併用療法は対象タンパク質の投与と同時に、その投与前または投与後最高5時間以上、例えば10時間、15時間、20時間以上のどこかで投与され得る。ある特定の実施形態において、対象タンパク質及び他の治療介入は連続的に行われて、または適用されて、例えば対象タンパク質は別の治療処置の前または後に投与される。更に他の実施形態で、対象タンパク質及び他の治療は同時に行われて、例えば、対象タンパク質及び第2の治療が同時に行われる場合、例えば、第2の治療が製剤のとき、それは、2つの別個の製剤として対象タンパク質と共に投与されることができる、または対象に投与される1つの組成物内に組み入れられることができる。上で示されるように、連続的か同時投与かにかかわらず、治療は、本開示の目的のために一緒にすなわち併用して行われると考えられる。
投薬量
本明細書に記載される方法において、対象タンパク質の治療に有効な量は、それを必要とする患者に投与される。例えば、対象タンパク質の治療に有効な量によって、トリグリセリド値は対象ポリペプチドによる患者の治療前に測定されたトリグリセリド値と比較して少なくとも約5%減少する。ある特定の場合には、治療される前に正常トリグリセリド値を有しない患者に対して対象タンパク質を有効量で血流に送達するとき、トリグリセリド値を正常値に戻すことを、対象タンパク質は引き起こす。
例示の方法において、対象タンパク質の治療に有効な量は、それを必要とする患者に投与される。例えば、対象タンパク質の治療に有効な量によって、総コレステロール値及び/またはLDLコレステロール値は対象ポリペプチドによる患者の治療前に測定された値と比較して少なくとも約5%減少する。ある特定の場合には、治療される前に通常の総コレステロール値及び/またはLDLコレステロール値を有しない患者に対して対象タンパク質を有効量で血流に送達するとき、総コレステロール値及び/またはLDLコレステロール値を正常値に戻すことを、対象タンパク質は引き起こす。
投与の目標、治療される個人の健康及び身体状態、年齢、所望の回復の程度、対象タンパク質の処方、使用される対象タンパク質の活性、治療を行う臨床医の医学的状況の評価、対象の状態及び対象の体重、ならびに状態の重篤度、ならびに他の関連する要因に応じて、投与される量は異なる。特定のタンパク質の投与に伴う可能性があるあらゆる有害な副作用の存在、性質及び範囲によっても、投与量のサイズは決定される。
前記量は、慣用的試行を通じて決定され得る比較的広い範囲に入ることが予想される。例えば、トリグリセリド、総コレステロール及びLDLコレステロールのうちの1つ以上を減少させるために使用される対象タンパク質の量は、もしそうでない場合対象にとって不可逆的に有毒であり得るおおよその量(すなわち最大許容量)以下である。他の場合では、前記量は、およそ毒性閾値またはそれを大きく下回るものであるが、依然として有効な濃度範囲にある量である、または閾値用量程度に少ない。
個々の用量は通常、対象へ測定可能な効果を生じるのに必要な量以上であって、対象タンパク質またはその副生成物の吸収、分布、代謝及び排泄(「ADME」)に関する薬物動態学及び薬理学に基づいて、したがって、対象における組成物の体内動態に基づいて決定されることができる。これは投与経路及び投与量を考慮することを含み、それは経腸(消化管の一部に保持されたときの全身的または局所的効果のため消化管を介して適用)または非経口(全身的または局所的効果のため消化管以外の経路により適用)適用について調整できる。例えば対象タンパク質の投与は通常注射を介するものであり、多くの場合皮下、静脈、筋肉内、またはこれらの組み合わせである。
有効量(ED)は、それを服用する対象のある一定の割合において、治療応答または所望の作用を生成する薬剤の用量または量である。薬剤の「半有効量」またはED50は、それを投与される集団の50%において、治療応答または所望の作用を生成する薬剤の用量または量である。ED50は薬剤の作用の妥当な予測の手段として一般的に使用されるが、臨床医がすべての関連要因を考慮に入れた、適切であると判断し得る用量とは限らない。
いくつかの実施形態で有効量は計算されたED50と同一であり、ある特定の実施形態では有効量は計算されたED50を超える量である。ある特定の実施形態で有効量は、計算されたED50未満の量である。
有効量のタンパク質は、1つ以上の用量で投与されるとき有効な量であって、治療前の個人のトリグリセリド値と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または80%超、個人のトリグリセリド値を低下させる量であり得る。
投与当たりの用量の更なる例は、10μg未満、2μg未満、または1μg未満でもよい。投与当たりの用量は、50μg超、100μg超、300μg超、最高600μg以上でもよい。重量当たりの投与量の範囲の例は約0.1μg/kg〜約1μg/kg、最高約1mg/kg以上である。有効量及び投与レジメンは、安全性ならびに漸増及び用量範囲試験、ならびに当該技術分野において既知のin vitro及びin vivoアッセイから経験的に容易に決定されることができる。
本明細書で使用する場合「単位投与形態」という用語は、ヒト及び動物対象のための1回投与量として適切な物理的に別個の単位を指しており、各単位は薬学的に許容される希釈剤、担体またはビヒクルと関連して所望の効果を生じるのに十分な量で計算された本開示のタンパク質の所定量を含有する。新規の単位投与形態のための規格は、使用される特定のタンパク質及び達成される効果、ならびにホストの各タンパク質と関連する薬力学に依存する。
キット
本明細書で開示された組成物を使用するため及び上述のような方法を実施するためのキットも、本開示により提供される。キットは、高トリグリセリド値、高総コレステロール値及び高LDLコレステロールのうちの1つ以上の治療または予防を必要とする対象の対象タンパク質の投与のために提供されることができる。キットは本明細書で開示されるタンパク質のうちの1つ以上を含むことができ、それは減菌容器で提供されることができ、対象への投与のための薬学的に許容される好適な賦形剤を備えた製剤で提供されることができる。タンパク質はそのまますぐに使用できる製剤で提供されることができる、または望ましい濃度を有するために再構成されることができる。タンパク質がユーザによって再構成されて提供される場合、キットは、対象タンパク質とは別個に包装され得る緩衝液、薬学的に許容される賦形剤なども提供することができる。本キットのタンパク質は、他の薬剤と別途にそれと組み合わせて配合され得る。
上述の成分に加えて、キットは、対象方法を実施するためキットの構成要素を使用するための説明書を更に含むことができる。対象方法を実施するための説明書は一般的に、好適な記録媒体に記録される。例えば説明書は、紙またはプラスチックなどの基材に印刷されることができる。したがって、説明書は、パッケージ内の印刷物として、キットまたはその構成要素の容器の表示に(すなわち包装または部分的包装に付随して)など、キットに存在することができる。他の実施形態において、説明書は、好適なコンピュータ可読の記憶媒体、例えばCD−ROM、ディスケットなどに存在する電子的記憶データファイルとして存在する。更に他の実施形態では、実際の説明書はキットに存在しないが、例えばインターネットを介して遠隔源から説明書を得るための手段が提供される。本実施形態の一例は、説明書を見ることが可能である及び/または説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。説明書と同様に、説明書を得るための手段も好適な基材に記録される。
以下の実施例は、当業者に本発明をどのように作製及び使用するかの完全な開示及び説明を提供するように提示され、本発明者が自身の発明とみなすものの範囲を限定するようには意図されておらず、以下の実験がすべてまたは唯一の実行される実験であると示すようにも意図されていない。使用される数値(例えば、量、温度など)に対する正確さを確保する努力がなされているが、いくつかの実験による誤差及び偏差を考慮すべきである。別途示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧またはそれに近い。標準的な略語が使用され得る。例えば、bp=塩基対(複数可)、kb=キロベース(複数可)、pl=ピコリットル(複数可)、sまたはsec=秒(複数可)、min=分(複数可)、hまたはhr=時間(複数可)、aa=アミノ酸(複数可)、kb=キロベース(複数可)、bp=塩基対(複数可)、nt=ヌクレオチド(複数可)、i.m.=筋肉内(に)、i.p.=腹腔内(に)、s.c.=皮下(に)など。
本発明はその特定の実施形態を参照して記載されたが、当業者には、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更をなすことができ、等価物で置換できることが理解されるべきである。更に、特定の状況、材料、物質の組成、方法、処理工程及び複数の処理工程を本発明の目的、趣旨及び範囲に適合させるために、多くの改変を行うことができる。こうした改変はすべて、本明細書に添付される特許請求の範囲に含まれるものとする。
材料及び方法
AAVベクターの構築:
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が製造業者の指示に従って行われた。Phusion(登録商標)ハイフィデリティDNAポリメラーゼを備えるPCR試薬キットを、New England BioLabs(F−530L(Ipswich、MA))から購入した。反応は、製造業者の指示に従って設定された。全長hANGPTL8及びその変異体を含むDNA増幅フラグメントは、制限酵素XbaI及びBamHI(またはANGPTL8−V2のためのXbaI及びBglII)で消化されて、次に同じ制限酵素で消化されたAAV導入遺伝子ベクターでライゲーションされた。発現のために使用するベクターは、クローニングされたコード配列の挿入部位の強力な真核生物プロモーター5’、続いて3’非翻訳領域及びウシ成長ホルモンポリアデニル化尾部からなる、選択マーカー及び発現カセットを含んだ。発現構築物は、5’及び3’端部で内部末端反復が隣接する。
PCRプライマー配列は以下のとおりである。
Figure 0006680758
マウスモデル:
6週齢の雄のC57BL/6マウス(Research Diets、カタログ番号D12492NI)が組み換えAAV(rAAV)の1回尾部静脈注射を受けた。マウス体重及び血清トリグリセリド値は様々な時点で測定された。
血漿トリグリセリドアッセイ:
血漿は尾の切れ目から収集した。トリグリセリドは、製造業者の指示に従ってL型トリグリセリドMキットを使用して測定された。
経口脂質負荷試験:
マウスは、10μL/gコーン油を強制胃内投与された(ACH food companies,Inc.(Memphis、TN)製Mazolaコーン油)。尾部血液を、コーン油後0、80、145分で収集した。トリグリセリドは、製造業者の指示に従ってL型トリグリセリドMキットを使用して測定された。
VLDL分泌試験:
マウスはチロキサポール10μL/g(Sigma(St.Louis、MO))を注射されて、内因性LPL活性を阻止した。尾部血液を、注射後1時間、2時間及び4.5時間で収集した。トリグリセリド値は、製造業者の指示に従ってL型トリグリセリドMキットを使用して測定された(Wako Chemicals(Richmond、VA))。
実施例1:マウスのAAVによるANGPTL8の過剰発現
本実施例は、マウスまたはヒト全長ANGPTL8を過剰発現させているアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターで治療したマウスにおけるANGPTL8の代謝効果について記載する。AAVをマウス内に尾部静脈により注入した。血漿トリグリセリド値を、週に一度尾部血液で測定した。図1に示すようにANGPTL8の過剰発現は、血漿トリグリセリドを著しく増加させた(注入後4週間目のデータが示されており、同じ傾向が実験の間全体にわたって見られた)。別の関連したファミリーメンバーであるANGPTL2の発現は、血漿トリグリセリド値に著しい影響を及ぼさなかった。
実施例2:ANGPTL8−V2の過剰発現はマウスの血漿トリグリセリドを低減した
図2Aに示すように、ANGPTL8の変異体は、NまたはC末端の欠失で作成された。内因性シグナルペプチド(SP)は両方の構築物により保持された。AAVをマウス内に尾部静脈により注入した。全長ANGPTL8の過剰発現は、血漿トリグリセリド値を著しく上昇させた(図2B〜図2C)。逆にANGPTL8−V1の過剰発現は血漿トリグリセリド値に影響を及ぼさず、C末端がトリグリセリド上昇の作用にとって重要であることを示唆した。予想外にANGPTL8−V2の過剰発現は、血漿トリグリセリドの顕著な抑制になった。これはANGPTL8−V2はドミナントネガティブな形態として機能することを示す。
実施例3:ANGPTL8の効果のメカニズム及び血漿トリグリセリドの変異体
図3に図示すように経口脂質負荷試験を使用して、ANGPTL8の変異体がどのように血漿トリグリセリド値に影響を与えるかについて評価した。全長ANGPTL8の過剰発現は、血漿トリグリセリドのクリアランスをおおいに損なった。それに対し、ANGPTL8−V2の過剰発現は脂質耐性の劇的な改善をもたらして、減少した脂質吸収及び/または強化されたクリアランスの発生を示唆した。超低密度リポタンパク質(VLDL)分泌に対する影響の可能性も評価された。トリグリセリドは、VLDLの一部として肝臓により分泌される。本試験で内因性トリグリセリドクリアランスは、LPL抑制剤チロキサポールを適用することにより阻害された。ANGPTL8−V2の過剰発現は血漿トリグリセリドの著しく減少した蓄積をもたらして、ANGPTL8−V2が肝臓からのVLDL分泌を抑制することを示唆した(図4)。
これらの実験において、以下の配列を用いた。
全長hANGPTL8
Figure 0006680758
(配列番号1)

全長hANGPTL8 cDNA
Figure 0006680758
(配列番号4)

ANGPTL8−V1
Figure 0006680758
(配列番号14)

ANGPTL8−V1cDNA
Figure 0006680758
(配列番号15)

ANGPTL8−V2
Figure 0006680758
(配列番号16)

ANGPTL8−V2cDNA
Figure 0006680758
(配列番号17)

Claims (48)

  1. 上昇したトリグリセリド値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のトリグリセリド値を低下させるための薬学的組成物であって、
    全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象の前記トリグリセリド値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物。
  2. 前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
  4. 前記連続するアミノ酸配列が、前記全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  5. 前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  6. 異種ポリペプチドが前記ポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  7. 前記異種ポリペプチドがアルブミンである、請求項6に記載の薬学的組成物。
  8. 前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、請求項6または7に記載の薬学的組成物。
  9. 前記異種ポリペプチドが免疫グロブリンFcである、請求項6に記載の薬学的組成物。
  10. 前記異種ポリペプチドがリンカー配列を介して前記ポリペプチドにコンジュゲートされている、請求項6〜9のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  11. 前記リンカー配列が切断可能なリンカー配列である、請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 前記リンカー配列が非切断性リンカー配列である、請求項10に記載の薬学的組成物。
  13. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも5%低下させる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  14. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも10%低下させる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  15. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のトリグリセリド値と比較して、トリグリセリド値を少なくとも20%低下させる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  16. 前記対象が体重過多または肥満である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  17. 前記対象が糖尿病を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  18. 前記対象が甲状腺機能低下症を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  19. 上昇した総コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象の総コレステロール値を低下させるための薬学的組成物であって、
    全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象の総コレステロール値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物。
  20. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも5%低下させる、請求項19に記載の薬学的組成物。
  21. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも10%低下させる、請求項19に記載の薬学的組成物。
  22. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象の総コレステロール値と比較して、総コレステロール値を少なくとも20%低下させる、請求項19に記載の薬学的組成物。
  23. 上昇した低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のLDLコレステロール値を低下させるための薬学的組成物であって、
    全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有する連続するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜70を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象のLDLコレステロール値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物
  24. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも5%低下させる、請求項23に記載の薬学的組成物。
  25. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも10%低下させる、請求項23に記載の薬学的組成物。
  26. 前記投与することが、前記ポリペプチドの投与の前の前記対象のLDLコレステロール値と比較して、LDLコレステロール値を少なくとも20%低下させる、請求項23に記載の薬学的組成物。
  27. 前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有する、請求項19〜26のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  28. 前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する、請求項19〜26のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  29. 前記連続するアミノ酸配列が、全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸80〜198を含む、請求項19〜26のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  30. 異種ポリペプチドが前記ポリペプチドのN末端またはC末端にコンジュゲートされている、請求項19〜29のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  31. 前記異種ポリペプチドがアルブミンである、請求項30に記載の薬学的組成物。
  32. 前記異種ポリペプチドがヒト血清アルブミンである、請求項30または31に記載の薬学的組成物。
  33. 前記異種ポリペプチドが免疫グロブリンFcである、請求項30に記載の薬学的組成物。
  34. 前記異種ポリペプチドがリンカー配列を介して前記ポリペプチドにコンジュゲートされている、請求項30〜33のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  35. 前記リンカー配列が切断可能なリンカー配列である、請求項34に記載の薬学的組成物。
  36. 前記リンカー配列が非切断性リンカー配列である、請求項35に記載の薬学的組成物。
  37. 上昇したトリグリセリド値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のトリグリセリド値を低下させるための薬学的組成物であって、
    配列番号16のアミノ酸22〜139を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜80を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象の前記トリグリセリド値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物。
  38. 上昇した総コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象の総コレステロール値を低下させるための薬学的組成物であって、
    配列番号16のアミノ酸22〜139を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜80を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象の前記総コレステロール値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物。
  39. 上昇した低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を有する、またはそれを示す危険性がある対象のLDLコレステロール値を低下させるための薬学的組成物であって、
    配列番号16のアミノ酸22〜139を含むポリペプチドを含み、
    前記ポリペプチドが全長ANGPTL8(配列番号1)のアミノ酸21〜80を欠失しており、かつ
    前記ポリペプチドが前記対象の前記LDLコレステロール値を低下させるのに有効な量で対象に投与される、前記薬学的組成物。
  40. 前記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸1〜80を欠失している、請求項37〜39のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  41. 前記対象が体重過多である、請求項19〜40のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  42. 前記対象が肥満である、請求項19〜40のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  43. 前記対象が糖尿病を有する、請求項19〜40のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  44. 前記対象が甲状腺機能低下症を有する、請求項19〜40のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  45. 前記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸21〜76を欠失している、請求項1〜36のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  46. 前記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸21〜79を欠失している、請求項1〜36のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  47. 前記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸1〜79を欠失している、請求項1〜36のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  48. 前記対象がヒトである、請求項1〜47のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
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