JP6680573B2 - 逆止弁を備える容器 - Google Patents
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Description
このサイドノック式容器には逆止弁が設けられている。この逆止弁は、弁室内が加圧されることによって移動し、弁口(開口)を閉塞する。一方、弁室内が減圧されることによって、前記逆止弁は移動し、弁口(開口)を開放する。即ち、前記逆止弁は内容物の流量を制御すると共に、逆流を防止している。
また、前記逆止弁が、容器本体と別体であるため、部品点数が多くなり、コストが嵩むという技術的課題があった。
特に、特許文献2に示された空気流入防止装置にあっては、逆止弁が薄い平板状であり、しかも、前記逆止弁が逆止弁主体に対して一つの連結帯を介して連結されているため、前記逆止弁の変形、あるいは連結帯のねじれ等により、弁口(開口)を塞ぐことができない虞があった。
このように、逆止弁が容器本体と一体に形成されているため、逆止弁の組み付ける作業を不要とし、容器のコストを安価になすことができる。
また、加圧・減圧室を構成する空間部と、内容物を貯留する貯留部との間に逆止弁が設けられているため、貯留部から前記空間部に導出された内容物は、前記逆止弁により逆流が抑制される。
まず、図1,2に基づいて、一実施形態にかかる塗布具の概略構成を説明する。尚、図1は、本発明にかかるキャップを装着した状態の塗布具を示す図であり、図2は、図1に示した軸筒本体を示す図である。
前記壁部2aは軸筒本体1の前方側に位置することによって、軸筒本体1の内部体積に対する、軸筒本体1内に収容される塗布液の充填効率を高めている。
この軸筒本体2の壁部2aには、前記弁室Aが加圧状態(正圧状態)になると閉塞し、減圧状態(負圧状態)になると開放する逆止弁2Aが設けられている。この逆止弁2Aは、塗布液貯留部3から弁室Aに流入した塗布液が、再び塗布液貯留部3に流入させない機能を有している。
この貫通穴4aの前方側の端部に継手7が嵌合している。また、前記操作部4の前方側の端部には、先軸5が装着されている。前記貫通穴4a、パイプ8により、塗布液貯留部3から穂首(塗布部)6への塗布液供給路が構成される。
一方、前記操作部4の後方側端部には、前記弁室Aを摺動するピストン10が取り付けられている。
更に、前記貫通穴10aの内部にはスプリング12が配置され、前記スプリング12の一端部は前記操作部4に係止され、他端部は前記弁11に係止されている。
その結果、前記弁室A内の圧力が、スプリング12の付勢力(反発力)以上の状態になると、前記弁体11は、前記スプリング力に抗しながら前方側(穂首6側)に移動し、貫通穴10aを開放する。
尚、図1において、符号13はフォロアであり、符号14はキャップである。前記フォロア13は塗布液追従体であり、一般的なインク追従体と同様な構成を備えている。
(軸筒本体(容器本体)2)
軸筒本体(容器本体)2は、図2に示すように円筒状に形成され、軸筒本体2の長さ寸法の3/4程度の長さを有する塗布液貯留部(貯留部)3が設けられている。この軸筒本体2の後端部は開放されており、塗布液貯留部3内に収容された塗布液の後端部にフォロア13を配置する(図1参照)ことにより、塗布液貯留部3を密閉するように構成されている。
この円筒状部2cは、軸線方向に延び、かつ前方に行くにしたがって外径が小さくなるように形成されている。また、円筒状部2cの内部に形成される貫通穴2c1も、前方に行くにしたがって内径が小さくなるように形成されている。
更に、前記円筒状部2cの先端部には、逆止弁2Aの弁体2A1が着座する弁座2A2が設けられている。
このように、前記弁体2A1が、少なくとも3個の脚部2A3によって連結(支持)されている。このように、前記弁体2A1はいわゆる3点支持のため、前記弁体2A1はねじれることなく、貫通穴2c1の開口を塞ぐことができる。
この凹部2A4を設けることにより、前記弁体2A1の厚さ寸法(軸筒本体の軸線方向の長さ)を大きくでき、機械的強度を大きくすることができる、一方、前記弁体2A1の軽量化を図ることができる。
即ち、凹部2A4を設けることにより、弁体2A1の変形を防止できる共に、弁体2A1を確実に動作させることができる。尚、前記凹部2A4は、前記弁体2A1の後方側の面に形成しても良い。
より好ましくは、前記軸筒本体2と前記逆止弁2Aが、同一の材料で一体成形されているのが良い。
なお、前記軸筒本体2と前記逆止弁2Aとを異なる材料を用いる場合には、いわゆる二色成形法により、前記軸筒本体2と前記逆止弁2Aとを一体に成形しても良い。
具体的には、前記軸筒本体2を硬質の樹脂材料で形成し、逆止弁2Aを、可撓性材料(ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー等)で形成しても良い。
一方、弁室A側の圧力が塗布液貯留部3の圧力大きくなると、図4に示すように、脚部2A3が屈曲し、弁体2A1が後方(弁座2A2)側へ移動する。
そして、前記弁体2A1が弁座2A2に着座することにより、貫通穴2c1(貫通穴2b)の開口が閉じられ、弁室Aから塗布液貯留部3への塗布液の逆流が防止される。
前記軸筒本体2の内周面には、前方側端部から弁室A側に向かって、溝部2dが形成されている。この溝部2は、180度の間隔をもって相対向して形成されている。
この溝部2dには、前記ピストン10の外周面に設けられた突起10b(図6参照)が挿入(収容)され、前記ピストン10は回転することなく、軸筒本体2の軸線方向に直線的に摺動するように構成されている。
この突起部2e1、2e2の間に、前記操作部4の突起部4bが嵌入することにより、前記操作部4は、軸筒本体2に対して回動自在に取り付けられる。
尚、前記突起部2e1、2e2によって、前記操作部4の軸筒本体2の軸線方向の移動は阻止される。
操作部4は、図5(a)に示すように、使用者が摘み、回動動作を行う操作面4Aと、前記操作面4Aの前方側(先軸側)に設けられた先軸取付け部4Bと、前記操作面4Aの後方側(軸筒本体側)に設けられた軸筒本体取付け部4Cと、前記軸筒本体取付け部4Cの軸筒本体側(後方側)に設けられたカム溝部4Dとを備えている。
この嵌合によって、前記操作部4は軸筒本体1に対して回動できるが、軸筒本体1の軸線方向(前後方向)の移動が規制される。
また、前記カム部4Dには、外周面上に、前後方向に振幅する正弦波形状のカム溝4cが形成されている。このカム溝4c内に、ピストン10に形成されたカム10cが収容される。
これにより、ピストン10は操作部4(弁室A)に対して前後方向に移動する。尚、このカム溝4cは、カム溝部4Dの外周面に2周期分形成され、操作部4を1回転させると、ピストン10は操作部4(弁室A)に対して2往復、前後方向に移動するように形成されている。
この挿入溝4d内に、ピストン10のカム10cを入れ、挿入溝4d上を移動させることにより、前記カム10cはカム溝4c内に収容(装着)される。
更に、前記貫通穴4aの内部には、前記スプリング12の一端部を係止する係止壁部4eが設けられている。
ピストン10は、図6に示すように、後方側(弁室A側)にピストン部10A、前方側(操作部4)側にカム部10Bを備えている。
前記ピストン部10Aは有底円筒状に形成され、外周面が前記弁室Aを構成する軸筒本体1の内周面に隙間なく接し、ピストン10が摺動することにより、弁室A内を加圧するように構成されている。
前記脚部10eのうち2つの脚部10e(180度の間隔をもって設けられた脚部)における、先端部内周面には、前記カム10cが設けられている。また、前記カム10cが設けられた脚部10eの外周面には、突起10bが形成されている。
そのため、前記操作部4(カム溝4c)が回動しても、前記ピストン10は回転することなく、前記操作部4のカム溝部4D(カム溝4c)と前記カム10cによって、ピストン10は、弁室A内を前後方向に移動する。
尚、カム10cとカム溝4cによって構成されるカム機構部は、カムの動きが規制されるため、確動カムである。
弁11は、図7に示すように、前記ピストン10の貫通穴10aを開閉する弁体11aと、前記弁体11aの後端部側に形成されたガイド棒11bを備えている。
また、前記弁11は、前記弁体11aの前端部側に位置決め棒11cを備えている。この位置決め棒11cは、前記スプリング12内に挿入され、スプリング12と弁11との位置ずれを防止する。
尚、前記スプリング12は、コイルスプリングが用いられ、前記位置決め棒11cは、コイルスプリングの中央部の空間内に収容される。
図8に、操作部4、ピストン10、弁11、スプリング12の組付け体(加圧・減圧機構)を示す。
前記操作部4、ピストン10、弁11、スプリング12を組み立てるには、まずスプリング12を操作部4の貫通孔4a内に挿入し、更に前記スプリング12内に弁11の位置決め棒11cを挿入する。
そして、ピストン10のカム10cを操作部4の挿入溝4d上を摺動させ、前記カム10cをカム溝4c内に収容する。
このとき、前記カム10cが形成されたピストン10の脚部10eは、外方向に開拡し、前記カム10cがカム溝4c内に収容されると、前記脚部10eは元の状態に戻る。
そして、前記カム10cがカム溝4c内に収容された状態にあっては、スプリング12の反発力によって、弁11の弁体11aは、ピストン10に形成された弁座10dに着座した状態になされる。
続いて、塗布具1の組み立てについて説明する。
前記逆止弁2Aが形成された軸筒本体1の前方端部から、前記組付け体を装着する。
このとき、操作部4の突起部4bを軸筒本体1の突起部2e1、2e2の間に嵌入させる。これにより、前記操作部4は、軸筒本体2に対して、前後方向に移動することなく、回動自在に取り付けられる。
また、前記ピストン11の突起10bを、軸筒本体2の溝部2d内に収容する。これにより、前記ピストン11は、前記操作部4が回動しても、軸筒本体2に対して回動することなく、前後方向に移動するように取り付けられる。
一方、軸筒本体2の後端部から塗布液貯留部3内に、所定の塗布液を導入し、収容した後、フォロアを挿入して、塗布具1が完成する。
図9に示す状態は、塗布液が弁室A内に充填されている状態である。また図9に示す状態は、弁室Aの圧力は塗布液貯留部3内の圧力と一致し、塗布液貯留部から弁室内への塗布液の流入が停止し、逆止弁2Aは開いた状態にある。尚、弁11は、スプリング12によって閉じている。
この回動によって、カム溝4cに沿ってカム10cが移動し、ピストン10は後方へ移動し(図9にあっては下方に移動し)、図10に示す状態となる。
図10に示す状態にあっては、このピストン10の移動によって、弁室Aは加圧され(正圧になり)、前記圧力によって、前記逆止弁2Aの脚部2A3が屈曲し、弁体2A1が後方に移動し、弁座2A2に着座し、前記貫通穴2c1(貫通穴2b)を閉じる。即ち、前記弁室Aから塗布液貯留部3への逆流を防止する。
一方、弁11は、弁室A内の圧力により、スプリング12の反発力に抗して、開き、弁室A内の塗布液が貫通穴10a、パイプ8、穂首6に供給される。
この回動によって、カム溝4cに沿ってカム10cが移動し、ピストン10は後方へ移動し(下方に移動し)、図11に示す状態となる。この図11に示す状態が、ピストン10が最も後方へ移動した状態である。
このピストン10の移動により、更に、弁室A内の塗布液が貫通穴10a、パイプ8、穂首6に供給され、弁室A内に充填された塗布液の吐出が終了する。
即ち、前記操作部4の回動により、カム溝4cに沿ってカム10cが移動し、ピストン10が前方へ移動する(図12にあっては上方に移動する)。
このピストン10の移動により、弁室Aは減圧(負圧)となり、屈曲した脚部2A3が元の状態に復帰する。即ち、弁体2A1は前方に移動し、前記貫通穴2c1(貫通穴2b)を開放する。その結果、塗布液貯留部3内の塗布液が弁室A内に流入し始める。
尚、このとき、弁11はスプリング12によって閉じられている。
このピストン10の移動により、塗布液貯留部3内の塗布液が、更に弁室A内に流入し、弁室A内が塗布液で充填される。そして、ピストン10の前方への移動が停止すると、前記塗布液の流入が停止し、図9に示す状態となる。
尚、図9乃至図13に、操作部4を一方向に回動させる場合を示したが、他の方向に回動させた場合であっても、同様な作用効果を得ることができる。
図14に示す第1の変形例は、逆止弁2Aの夫々の脚部2A3に、V字状の溝2A5を形成したものである。このV字状の溝2A5は、脚部2A3の略中間に、前記壁部2aと平行に形成される。
その結果、前記V字状の溝2A5が屈曲点となり、前記脚部2A3は屈曲する。しかもV字状の溝2A5が形成されていない脚部と比べて、前記脚部2A3が屈曲し易いという利点を有する。
このような、くの字形状の脚部にあっては、直線状の脚部と比べて、前記脚部2A3が屈曲し易いという利点を有する。
このリング状突起部2A6は弁座2A2と密接するものであり、弁体2A1が着座した際、逆流をより抑制することができる。
また、前記容器内の貯留部内に収容される内容物は、低粘性から高粘性の液体を対象とすることができる。
2 軸筒本体
2A 逆止弁
2A1 弁体
2A2 弁座
2A3 脚部
2A4 凹部
2A5 V字状溝
2A6 リング状突起部
2a 壁部
2b 貫通穴
2c 円筒状部
2c1 貫通穴
2d 溝部
2e1,2e2 突起部
3 塗布液貯留部
4 操作部
4A 操作面
4B 先軸取付け部
4C 軸筒本体取付け部
4D カム溝部
4a 貫通穴
4b 突起部
4c カム溝
4d 挿入溝
10 ピストン
10a 貫通穴
10b 突起
10c カム
10d 弁座
10e 脚部
11 第1の弁
11a 弁体
11b ガイド棒
11c 位置決め棒
12 スプリング
13 フォロア
Claims (1)
- 容器本体内部に設けられた加圧・減圧室を構成する空間部と、
前記容器本体内を区切る壁部を境にして、前記空間部の対向側に設けられた、内容物を貯留する貯留部と、
前記壁部に設けられた、前記空間部と貯留部を連通する貫通穴と、
前記貫通穴を開閉する逆止弁と、
を備えた逆止弁を備える容器であって、
前記逆止弁が、
前記容器本体と一体に形成された逆止弁であって、
前記壁部から延設された、少なくとも3個以上の屈曲可能な脚部と、
前記脚部の先端部に形成された、前記貫通穴の開口を開閉する弁体と、
を有することを特徴とする逆止弁を備える容器。
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