JP6680526B2 - ラミネート包材 - Google Patents

ラミネート包材 Download PDF

Info

Publication number
JP6680526B2
JP6680526B2 JP2015247097A JP2015247097A JP6680526B2 JP 6680526 B2 JP6680526 B2 JP 6680526B2 JP 2015247097 A JP2015247097 A JP 2015247097A JP 2015247097 A JP2015247097 A JP 2015247097A JP 6680526 B2 JP6680526 B2 JP 6680526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
packaging material
heat
protective layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015247097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017109422A (ja
Inventor
田中 克美
克美 田中
輝利 熊木
輝利 熊木
高田 進
進 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Packaging Co Ltd
Original Assignee
Showa Denko Packaging Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko Packaging Co Ltd filed Critical Showa Denko Packaging Co Ltd
Priority to JP2015247097A priority Critical patent/JP6680526B2/ja
Publication of JP2017109422A publication Critical patent/JP2017109422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6680526B2 publication Critical patent/JP6680526B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

本発明は、蓄電デバイスの容器、食品や医薬品等の容器等として用いられるラミネート包材およびその関連技術に関する。
ラミネート包材は、金属箔の一方の面に容器の内側層となりヒートシールされる熱融着性樹脂フィルムを接着剤で貼り合わせ、他方の面に包装時に外側層となる耐熱性樹脂フィルムを接着剤で貼り合わせた5層のラミネート材が一般的である。耐熱性樹脂フィルムとしてはポリアミドフィルムやPETフィルムが用いられている(特許文献1参照)。これらのラミネート包材は、フラットシートで使用するパウチを除き、フラットシートにエンボス加工を施して立体的な収納空間を有する容器として用いられる。
近年、スマートフォンやタブレット端末等の携帯機器の薄型軽量化に伴い、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池やリチウムポリマー二次電池の外装体として使用するラミネート包材も厚さが薄く軽いものが求められている。ラミネート包材を厚さを薄くする方法として、各層の材料を薄肉化する方法がある。
しかし、各層を薄くすると、ラミネート包材の強度が低下し、ピンホール発生によるバリア性および成形性が低下して高いエンボス部の成形が困難になる、といった問題が生じる。
また、電池ケース用包材としては、耐熱性樹脂フィルムおよび接着剤層に代えて金属箔にエポキシ樹脂を5μm〜10μmの厚さに塗布することによって薄肉軽量化したラミネート包材がある(特許文献2参照)。
特開2005−22336号公報 特開2001−176465号公報
しかし、厚さ5μm〜10μmのエポキシ樹脂コート層を積層したラミネート包材は、ポリアミドフィルムやPETフィルムを接着剤で貼り合わせた従来のラミネート包材よりも成形性が劣り、エンボス加工時にキズや割れが発生するおそれがある。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、成形性を低下させることなく薄肉化を図ったラミネート包材およびその関連技術の提供を目的とする。
即ち、本発明は、下記の[1]〜[7]に記載の構成を有する。
[1]金属箔の一方の面に熱融着樹脂層が貼り合わされ、前記金属箔の他方の面が剥離可能な樹脂フィルムからなる保護層で被覆されていることを特徴とするラミネート包材。
[2]前記保護層は、樹脂フィルムの流れ方向(MD)を0°、幅方向(TD)を90°としたとき、0°、45°、90°、135°の各方向における引張強度が150MPa以上、引張伸度が60%以上の樹脂フィルムからなる前項1に記載のラミネート包材。
[3]前記金属箔と保護層との間に耐熱コート層を有する前項1または2に記載のラミネート包材。
[4]前記耐熱コート層が、熱硬化性製樹脂、光硬化性樹脂、二液硬化型樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂を含んでいる前項3に記載のラミネート包材。
[5]前記保護層の金属箔側の面に隣接して、離型剤または粘着剤からなる剥離性調節層を有する前項1〜4のうちのいずれか1項に記載のラミネート包材。
[6]前記保護層側に突出するエンボス部を有する前項1〜5のうちのいずれか1項に記載のラミネート包材。
[7]蓄電デバイス本体と、
前項1〜6のうちのいずれか1項に記載されたラミネート包材の熱融着性樹脂層が向かい合い、熱融着性樹脂層が融着した熱封止部に囲まれた収納室を有する容器とを備え、
前記蓄電デバイス本体が容器の収納室内に密封されていることを特徴とする蓄電デバイス。
上記[1]に記載のラミネート包材は樹脂フィルムからなる剥離可能な保護層が金属箔を保護しているので金属箔の割れなどが発生しにくくなり、成形性が良く高いエンボス部を形成できる。また、保護層を剥離して除去することによりラミネート包材が薄肉化および軽量化されるので、ラミネート包材で作製した容器を用いた製品の薄型化および軽量化を図ることができる。
上記[2]に記載のラミネート包材は、保護層の4方向における引張強度が150MPa以上であり引張伸度が60%以上であるから、ラミネート包材に対するエンボス部の位置取りが制限されることなく高いエンボス部を成形できる。
上記[3]に記載のラミネート包材は、保護層を除去した後も金属箔が耐熱コート層に覆われているので、金属箔の表面を保護してキズの発生や薬品の付着による浸食を防ぐことができる。
上記[4]に記載のラミネート包材は、耐熱コート層が熱硬化性製樹脂、光硬化性樹脂、二液硬化型樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂を含んでいる。これらは使用環境によって硬化反応速度を容易にコントロールできる樹脂であり、塗布中と塗布後の硬化反応速度を変えることによってリードタイムを短縮できる。
上記[5]に記載のラミネート包材は、剥離性調節層によって保護層の剥離し易さが調節されているので、保護層の不本意な剥離を防いで確実に成形性を向上させることができる。また、保護層が不要になれば容易に剥離できる。
上記[6]に記載のラミネート包材は、エンボス部を有しているので内容積が拡大された容器の材料として有用である。
上記[7]に記載の蓄電デバイスは、前記ラミネート包材で構成された容器の収納室内に蓄電デバイス本体が密封されている。前記ラミネート包材の保護層を装着した状態においては容器の損傷が防がれる。また、保護層を剥離して除去することにより、蓄電デバイスの薄型化および軽量化を図ることができる。
本発明のラミネート包材の一実施形態の断面図である。 本発明のラミネート包材の他の実施形態の断面図である。 本発明のラミネート包材のさらに他の実施形態の断面図である。 保護層における引張方向を示す図である。 エンボス部を有するラミネート包材の断面図である。 本発明の蓄電デバイスの一実施形態の斜視図である。
[ラミネート包材の積層形態]
図1〜3に、本発明のラミネート包材の3つの実施形態を示す。
以下の説明において、同一符号を付した部材は同一物または同等物を表しており、重複する説明を省略する。
(第一のラミネート包材)
図1のラミネート包材1は、金属箔11の一方の面に接着剤層12を介して容器の内側層となる熱融着性樹脂層13が貼り合わされ、他方の面は樹脂フィルムからなる保護層14で覆われた4層材である。
前記熱融着性樹脂層13は接着剤層12の硬化によって金属箔11に強く接合されており、熱融着性樹脂層13を引張っても剥離できない。一方、保護層14は材料の樹脂フィルム自身の粘着力によって金属箔11に密着しているが、樹脂である保護層14は異種材料の金属箔11に対する親和性が低いので、保護層14を引張ることによって金属箔11から剥離することができる。また、保護層14に剥離方向の外力を加えない限り、保護層14は金属箔11に付着している。図1は保護層14の一部を剥がした状態を示している。
前記保護層14は、ラミネート包材1で包装用容器を作製する工程やヒートシール後の製品のハンドリング時に金属箔11を保護する。例えば、容器容積を大きくするためにエンボス部を成形する際に、金属箔11を保護することで包材の成形性を高めて高いエンボス部の形成を可能にするとともに、成形中に成形用工具との接触によるキズを防ぐ。また、薬品の付着による浸食を防ぐ。そして、製品の使用時に保護層14を剥離して取り除くことによって包材の薄肉化および軽量化を図り、ひいては製品の薄型化および軽量化を図ることができる。
(第二のラミネート包材)
図2のラミネート包材2は、金属箔11の一方の面に接着剤層12を介して容器の内側層となる熱融着性樹脂層13が貼り合わされ、他方の面は金属箔11上に耐熱コート層15が形成され、前記耐熱コート層15が保護層14で覆われた5層材である。前記耐熱コート層15は材料樹脂の硬化によって金属箔11に接合されている。前記保護層14は保護層14は材料の樹脂フィルム自身の粘着力によって耐熱コート層15に密着しているが、保護層14の粘着力は金属箔11と耐熱コート層の間の接着力よりも弱いので、保護層14を引張ると保護層14と耐熱コート層15との間で剥離させることがでる。耐熱コート層15は保護層14の剥離後も金属箔11上に残る。また、保護層14に剥離方向の外力を加えない限り、保護層14は耐熱コート層15に付着している。図2は保護層14の一部を剥がした状態を示している。
前記耐熱コート層15は保護層14の剥離後にも金属層11上に残る層であり、保護層14剥離後の金属箔11を保護する。前記耐熱コート層14は従来の包材の外側層として用いられる耐熱性樹脂フィルムよりも薄く形成することにより、ラミネート包材の薄肉化および軽量化を図りつつ、金属箔11の表面を保護してキズの発生や薬品の付着による浸食を防ぐ効果がある。また、保護層14剥離前の耐熱性コート層15は、保護層14とともに成形性を高める効果がある。
(第三のラミネート包材)
図3のラミネート包材3は、金属箔11の一方の面に接着剤層12を介して容器の内側層となる熱融着性樹脂層13が貼り合わされ、他方の面は金属箔11上に耐熱コート層15が形成され、前記耐熱コート層上15に剥離性調節層16が形成され、前記剥離性調節層16が保護層14で覆われた6層材である。
前記剥離性調節層16は、保護層14が確実に剥離するように保護層14と耐熱コート層15の間の剥がれ易さを調節するために設けられた層である。保護層14は最終的に剥離されて除去される層であるが、それまでは不本意に剥離することなく容器や製品を保護しなければならない。即ち、保護層14は包材の成形時等に剥離せず成形性を向上させ、製品使用時には引張って容易に剥離できる程度の剥がれ易さが求められる。保護層14と耐熱コート層15の間の剥がれ易さはこれらを構成する材料と両者の材料の組み合わせによって異なるので、剥離性調節層16を設けることによって剥がれ易さを調節する。具体的には、保護層14の剥離が困難になる場合は離型剤を用いて剥離を促し、剥がれ易すぎる場合は粘着剤を用いて剥離し難くする。
前記ラミネート包材3において、保護層14と剥離性調節層16の間の接着力をf1、剥離性調節層16と耐熱コート層15との間の接着力をf2、耐熱コート層15と金属箔11との間の接着力をf3とするとき、f1、f2、f3の接着力の関係はf3>f1≧f2である。保護層14の剥離時に、剥離性調節層16は保護層14とともに除去されても良いし、耐熱コート層15側に残っても良い。図3は保護層14のみを、その一部を剥がした状態を示している。前記耐熱コート層15に離型剤または粘着剤が残った場合、ハンドリング等に支障が無ければ離型剤または粘着剤を除去するには及ばない。また、保護層14の剥離後に粘着剤が硬化した場合もハンドリング等に支障は無く、粘着剤が残っていても不都合は無い。剥離性調節層16は極めて薄い層であるから、剥離性調節層16の残留によって増加する厚みや重量は極めて小さい。
前記剥離性調節層16は耐熱コート層15を有するラミネート包材3において形成することには限定されない。金属箔11上に保護層14を形成する場合も、保護層14と金属箔11との間の剥がれ易さを調節するために剥離性調節層16を設けることができる。即ち、剥離性調節層16は、保護層14の金属箔11側の面に隣接して、保護層14の直下に設ける層である。
[ラミネート包材の構成材料]
本発明はラミネート包材の材料を限定するものではないが、好ましい材料として以下の材料を挙げることができる。
(金属箔)
前記金属箔11は、ラミネート包材に、酸素、電解質が反応して発生するガスや水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担う。アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔、あるいはこれのクラッド箔、これらの焼鈍箔または未焼鈍箔等が挙げられる。また、ニッケル、錫、銅、クロム等の導電性金属でめっきした金属箔、たとえばめっきしたアルミニウム箔を用いることも好ましい。また、前記金属箔11の厚さは7〜150μmが好ましい。
また、前記金属箔11には化成皮膜が形成されていることも好ましい。前記化成皮膜は、金属箔の表面に化成処理を施すことによって形成される皮膜であり、このような化成処理が施されていることによって、電解液による金属箔表面の腐食を十分に防止できる。例えば、次のような処理を行うことによって、金属箔に化成処理を施す。即ち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)〜3)のうちのいずれかの水溶液を金属箔の表面に塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
前記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m〜50mg/mが好ましく、特に2mg/m〜20mg/mが好ましい。
(熱融着性樹脂層)
熱融着性樹脂層13を構成する熱融着性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種の熱融着性樹脂からなる未延伸フィルムにより構成されるのが好ましい。前記熱融着性樹脂層13の厚さは20μm〜150μmに設定されるのが好ましい。
(接着剤層)
接着剤層12を構成する接着剤は絶縁性接着剤であり、オレフィン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることが好ましい。前記接着剤層12の厚さは、0.5μm〜5μmに設定されるのが好ましい。
(保護層)
保護層14を構成する樹脂としては、熱封止する際の熱封止温度で溶融しない樹脂を用いることが好ましい。前記樹脂としては、前記熱融着性樹脂層13を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する樹脂を用いるのが好ましく、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する性樹脂を用いるのが特に好ましい。例えば、二軸延伸ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリオレフィンフィルムを用いることが好ましい。特に、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムが好ましい。前記保護層14は単層で形成されていても良いし、或いは、例えば二軸延伸ポリエステルフィルム/二軸延伸ポリアミドフィルムからなる複層フィルムで形成されていても良い。
前記保護層14の厚さは6μm〜100μmが好ましい。6μm未満ではエンボス部成形時の成形性向上効果が小さい。また100μmの厚さがあれば十分な成形性が得られるので、過剰な厚さは無駄になる。特に好ましい厚さは9μm〜50μmであり、より好ましくは12μm〜25μmである。
また、保護層14はエンボス部の成形時に成形用工具の動きに追従して伸びることによって金属箔11を保護する。このとき、より高いエンボス部を成形するには保護層14が切れることなく十分に伸びる必要がある。本発明においては、保護層14は、成形性向上の観点から、JIS K7127の引張試験方法に基づいて下記の条件で測定した4方向の引張強がそれぞれ150MPa以上であり、引張伸度が60%以上であることを推奨する。特に好ましい引張強度は200MPa以上であり、特に好ましい引張伸度は90%以上である。
(試験条件)
試料方向:樹脂フィルムの流れ方向(MD)を0°、幅方向(TD)を90°とし、0°(MD)、45°、90°(TD)、135°の4方向(図4参照)
試料サイズ:試料長さ150mm、試料幅15mm
標点間距離(チャック間隔):100mm
引張速度(試験速度)100mm/min
前記保護層14の引張強度および引張伸度を0°、45°、90°、135°の4方向で規定し、どの方向に対しても所定の引張強度および引張伸度を有しているので、ラミネート包材に対するエンボス部の位置取りが制限されることなく高いエンボス部を成形できる。
(耐熱コート層)
耐熱コート層15を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、二液硬化型樹脂のうちの1種以上を含んでいることが好ましい。これらの樹脂は温度や光の強弱といった樹脂の使用環境によって容易に硬化反応速度をコントロールできるので、作業内容に応じて硬化反応速度に調節することによってリードタイムを短縮することができる。例えば、樹脂の塗布中は、硬化反応速度を遅くして塗布可能な状態を長く持続させることにより、広い面積に薄い層を効率よく形成することができる。また、樹脂を塗布した後は、硬化反応速度を速めることにより短時間で耐熱コート層15を完成させることができる。熱硬化性樹脂として酸変性ポリオレフィン系樹脂を例示でき、光硬化性樹脂としてアクリレート樹脂、エポキシ系樹脂を例示でき、二液硬化型樹脂としてウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂を例示できる。
前記耐熱コート層15の厚さは0.5μm〜5μmが好ましい。0.5μm未満では金属箔11に対する保護効果が小さく、5μmを超えると包材の薄肉化および軽量化の効果が小さい。特に好ましい厚さ1μm〜3μmである。
(剥離性調節層)
剥離性調節層16は離型剤または粘着剤からなり、上述したとおり、保護層14と、耐熱コート層15または金属箔11との間の剥離し易ささに応じて使い分ける。離型剤としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤を例示できる。粘着剤としては、熱封止時の熱によって硬化しない粘着剤が好ましく、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤を例示できる。剥離性調節層16は保護層13の剥離し易さを調節できる厚さがあれば足り、好ましい厚さは0.1μm〜1μmが好ましい。特に好ましい厚さは0.2μm〜0.6μmである。
[ラミネート包材の製造方法]
ラミネート包材は、図1〜3に示した積層形態となるように各層を貼り合わせることにより作製することができる。以下に、図3のラミネート包材3の製造工程の一例を示す。なお、本発明のラミネート包材は各層の貼り合わせを以下の順序で行うことに限定するものではなく、貼り合わせの順序は任意に設定することができる。
また、耐熱コート層15を有さないラミネート包材1、剥離性調節層16を有さないラミネート包材2は、これらの層を形成する工程を行わずに次工程に進んで貼り合わせて作製する。
(1)保護層14の一方の面に剥離性調節層16を構成する離型剤または粘着剤を塗工して乾燥させる。
(2)金属箔11の保護層14側の面に耐熱コート層15を構成する樹脂を塗工する。
(3)金属箔11の耐熱コート層15形成面と保護層14の剥離性調節層16形成面とを合わせて貼り合わせ、乾燥させる。
(4)上記(3)の金属箔11の他方の面に接着剤を塗工して接着剤層12を形成する。
(5)金属箔11の接着剤層12形成面に熱融着性樹脂層13を貼り合わせて乾燥させる。
前記剥離性調節層16の離型剤および粘着剤の塗工方法、および耐熱コート層15の塗工方法は限定されず、グラビアロール塗工、スクリーン塗工、インクジェット塗工等を例示できる。前記ラミネート包材3は容器相当の寸法で作製するよりも長尺包材のロール物として作製する方が製造効率が良く、長尺包材の作製にはグラビアロール塗工が適している。
作製したラミネート包材3は、要すれば絞り加工等によってエンボス部を形成する。図5は、フラットシートのラミネート包材3を成形してエンボス部21とその周囲にフランジ22を形成したラミネート包材20を示している。前記エンボス部21は保護層14側に突出し、保護層14が凸面、熱融着性樹脂層13が凹面となるように成形されている。かかるラミネート包材20は、エンボス部21によって内容積が拡大された容器の材料として有用である。
また、作製したラミネート包材3の保護層14に各種情報をプリントすることもできる。保護層14は最終的に剥離される層であるが、裁断位置やエンボス部の成形位置等をプリントしておくことでこれらの工程を補助することができる。また、包材情報や製品情報をプリントしておくことで包材や製品の管理を補助することができる。
[蓄電デバイス]
本発明のラミネート包材は蓄電デバイスの容器、食品や医薬品等の容器の材料として用いられる。図6の蓄電デバイス4は、容器30の材料として本発明のラミネート包材を用いた例である。
容器30は、図5のエンボス部21を有するラミネート包材20からなる容器本体と、このラミネート包材20の平面寸法と同寸のフラットシートのラミネート包材3からなる蓋板25とで構成されている。前記容器30は容器本体20のエンボス部21と蓋板25によって囲まれた空間を収納室31とし、この収納室31に蓄電デバイス本体40が収納されている。
前記蓄電デバイス本体40の正極および負極にはそれぞれ正極用タブリード41および負極用タブリード42が接続され、収納室31の一辺において容器本体20と蓋板25の間から正極用タブリード41および負極用タブリード42を引き出した状態で容器本体20のフランジ22と蓋板25の周縁の重なり部分を熱封止し、両者の融着性樹脂層が融着する熱封止部が形成されている。
前記蓄電デバイス4において、容器本体20および蓋板25を構成するラミネート包材3の保護層14は剥離されることなく容器30の表面層として存在し、完成までの工程において成形性を向上させかつ金属箔11の損傷を防止している。前記保護層14は蓄電デバイス4を各種装置に組み込む時に除去されていればよいので、保護層14を装着したままにしておくことで搬送等による容器30の損傷を防止することができる。そして、前記保護層14の除去によって蓄電デバイス4が薄型化および軽量化される。
なお、本発明の蓄電デバイスは、容器の形状、蓄電デバイス本体の形態、タブリードの位置、収納した蓄電デバイスと外部との通電方法等は何ら限定されない。容器の材料として本発明のラミネート包材が用いられている限り、本発明の蓄電デバイスに該当する。また、エンボス部を持たないパウチ型容器を用いた蓄電デバイスも本発明に含まれる。
実施例1〜4として、図3の5層構造のラミネート包材3を異なる保護層14を用いて作製した。保護層14以外は下記の共通材料を用いた。
金属箔11:JIS H4160で分類されるA8079のアルミニウム箔、厚さ40μm
接着剤層12:2液硬化型オレフィン系接着剤、厚さ2μm
熱融着性樹脂層13:未延伸プロピレンフィルム、厚さ40μm
耐熱コート層15:エポキシ樹脂、厚さ3μm
剥離性調節層16:シリコーン離型剤、厚さ0.5μm
実施例1〜4のラミネート包材3は以下の方法で作製した。
(1)表1に示した保護層14の一方の面に、剥離性調節層16としてシリコーン離型剤を塗工して乾燥させた。。
(2)金属箔11の保護層14側の面に耐熱コート層15としてエポキシ樹脂を塗工した。
(3)金属箔11の耐熱コート層15形成面と保護層14の剥離性調節層16形成面とを合わせて貼り合わせ、乾燥させた。
(4)上記(3)の金属箔11の他方の面に接着剤を塗工して接着剤層12を形成した。
(5)金属箔11の接着剤層12形成面に熱融着性樹脂層13を貼り合わせ、乾燥させた。
比較例として、実施例と共通の材料を用いて保護層14の無いラミネート包材を作製した。即ち、比較例のラミネート包材は、金属箔11の一方の面に厚さ3μmの耐熱コート層15を有し(上記工程の(2)参照)、他方の面に厚さ2μmの接着剤層12と熱融着性樹脂層13が積層されている(上記工程の(4)(5)参照)。
実施例1〜4で使用した保護層14について、JIS K7127の引張試験方法に基づいて下記の条件で測定した4方向の引張強度および張伸度を測定した。測定結果を表1に示す。
試料方向:0°(MD)、45°、90°(TD)、135°
試料サイズ:試料長さ150mm、試料幅15mm
標点間距離(チャック間隔):100mm
引張速度(試験速度)100mm/min
実施例1〜4および比較例のラミネート包材に対し、深絞り成形により、図5に参照されるエンボス部21を形成する成形試験を行い、成形性を評価した。
深絞り成形用工具は、ラミネート包材を押し込んでエンボス部21の内面形状を成形するパンチと、前記パンチに押し込まれたラミネート包材を流入させる四角形の穴を有するダイスと、前記ダイスの穴と同寸の四角形の穴を有し、穴の周りでラミネート包材を抑えるブランクホルダーとを備えている。前記パンチの天面寸法は55mm×35mmである。
深絞り成形は、パンチの天面にラミネート包材の熱融着性樹脂層を当て、エンボス部の凸面が保護層、凹面が熱融着性樹脂層となる態様で、絞り深さ(エンボス部の高さ)を変えて行った。そして、成形品のエンボス部のコーナー部のピンホールおよび割れの発生を調べ、これらが発生しない限界の深さをそのラミネート包材の最大成形深さとした。最大成形深さに応じて下記の基準で評価した。
◎:最大成形深さが7mm以上である
〇:最大成形深さが5mm以上7mm未満である
△:最大成形深さが4mm以上5mm未満である
×:最大成形深さが4mm未満である
Figure 0006680526
上記の試験結果より、保護層を設けることによって成形性が向上し、より高いエンボス部を成形できることを確認した。
本発明のラミネート包材は、薄型化および軽量化が要求される容器材料として利用できる。
1、2、3、20…ラミネート包材
4…蓄電デバイス
11…金属箔
12…接着剤層
13…熱融着性樹脂層
14…保護層
15…耐熱コート層
16…剥離性調節層
21…エンボス部
30…容器
31…収納室
40…蓄電デバイス本体

Claims (6)

  1. 金属箔の一方の面に熱融着樹脂層が貼り合わされ、前記金属箔の他方の面が剥離可能な樹脂フィルムからなる保護層で被覆され、かつ前記金属箔と保護層との間に耐熱コート層を有し、
    前記耐熱コート層が、熱硬化性製樹脂、光硬化性樹脂、二液硬化型樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂を含んでいることを特徴とするラミネート包材。
  2. 前記保護層は、樹脂フィルムの流れ方向(MD)を0°、幅方向(TD)を90°としたとき、0°、45°、90°、135°の各方向における引張強度が150MPa以上、引張伸度が60%以上の樹脂フィルムからなる請求項1に記載のラミネート包材。
  3. 前記保護層の金属箔側の面に隣接して、離型剤または粘着剤からなる剥離性調節層を有する請求項1または2に記載のラミネート包材。
  4. 前記保護層側に突出するエンボス部を有する請求項1〜のうちのいずれか1項に記載のラミネート包材。
  5. 前記耐熱コート層の厚さが0.5μm〜5μmである請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のラミネート包材。
  6. 蓄電デバイス本体と、
    請求項1〜のうちのいずれか1項に記載されたラミネート包材の熱融着性樹脂層が向かい合い、熱融着性樹脂層が融着した熱封止部に囲まれた収納室を有する容器とを備え、
    前記蓄電デバイス本体が容器の収納室内に密封されていることを特徴とする蓄電デバイス。
JP2015247097A 2015-12-18 2015-12-18 ラミネート包材 Active JP6680526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247097A JP6680526B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 ラミネート包材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015247097A JP6680526B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 ラミネート包材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017109422A JP2017109422A (ja) 2017-06-22
JP6680526B2 true JP6680526B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=59078973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015247097A Active JP6680526B2 (ja) 2015-12-18 2015-12-18 ラミネート包材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6680526B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102522216B1 (ko) 2020-09-04 2023-04-18 율촌화학 주식회사 프라이머층 조성물, 이를 이용한 이차전지 파우치 필름 및 그 제조 방법
WO2023007984A1 (ja) * 2021-07-30 2023-02-02 昭和電工パッケージング株式会社 電池用包装材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017109422A (ja) 2017-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6626258B2 (ja) ラミネート外装材の製造方法
JP6629514B2 (ja) ラミネート外装材の製造方法
JP5519895B2 (ja) 電池ケース用包材及び電池用ケース
JP4422171B2 (ja) 電池ケース用包材及び電池用ケース
WO2017221553A1 (ja) 蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス
KR102191710B1 (ko) 라미네이트재의 제조 방법
JP2017068955A (ja) 蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス
KR102191709B1 (ko) 라미네이트재
WO2018061375A1 (ja) 包装材及びその製造方法
JP6636343B2 (ja) ラミネート包材
JP6680526B2 (ja) ラミネート包材
KR20170022900A (ko) 라미네이트 외장재 및 축전 디바이스
JP6649099B2 (ja) ラミネート包材
JP2017068959A (ja) 蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材及び蓄電デバイス
CN106560321B (zh) 层压外装件
CN110857366A (zh) 蓄电装置用外包装材料的制造方法
JP7303160B2 (ja) 蓄電デバイス用外装材の製造方法
WO2022270157A1 (ja) 成形容器用積層体、成形容器および包装体
JP7257568B2 (ja) 蓄電デバイス用外装材
WO2018066196A1 (ja) 包装材の製造方法
JP6948776B2 (ja) 包装材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6680526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250