JP6679921B2 - 多層積層繊維 - Google Patents
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Description
確かに、特許文献3においては、最外層に保護層を配置することで、特許文献1や特許文献2と比べて耐磨耗性等の力学特性の向上は期待される。しかし、特許文献3においても、そもそもの異種ポリマーを多層に積層した点では、特許文献1等と変わりはなく、強い荷重がかかる用途等では、やはり層間剥離が起こる場合がある。
また、繊維最外に配置した保護層の厚みは2μm以上と非常に分厚いものである。このため、保護層による減衰等を考慮し、過剰に積層数を増大させる必要があり、層厚みが極小化し、部分的な層の断裂やせん断方向の負荷に弱いなどの課題が残る。
このため、優れた審美性を有しつつも、使用上の制約がなく、織編物とした場合の風合いや力学特性が良好になる多層積層繊維が望まれていた。
(1)2種以上のポリマーが交互に積層された多層断面構造を有しており、最外層2μmにおいて、積層数が少なくとも3以上であり、繊維中心から繊維外層に向かって積層された層の厚みが徐々に厚くなる傾斜積層構造を有することを特徴とする多層積層繊維、
(2)同心円状に積層された多層構造が交互に10層以上積層されており、かつ単糸繊度3dtex以下であることを特徴とする(1)に記載の多層積層繊維、
(3)1層の厚みが0.6μm以下であり、交互に積層されたポリマーの屈折率が異なることを特徴とする(1)または(2)に記載の多層積層繊維、
(4)紫外から赤外領域のいずれかに反射波長領域を有した積層された多層構造を有する請求項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の多層積層繊維、
(5)多層積層構造を構成するポリマーがいずれもポリエステルを主成分とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の多層積層繊維、
(6)多層積層構造を構成する少なくとも1種類のポリマーがスピログリコール、シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジメタノールのうち1種類以上の成分を共重合したポリエステルであることを特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の多層積層繊維、
である。
本発明の多層積層繊維を、本発明の参考例として示す図1、図2および図4に示した繊維外層から中心にかけて同心円状に交互積層構造部を有する多層積層繊維を例にしこれらを引用参照して説明する。
ここで言う最外層とは、繊維断面に2点以上で外接する真円(図1のD)上から、繊維断面の面積を2等分するような任意の2本の直線の交点である繊維中心(図1のC)を通る任意の直線(図1のE)をひき、この直線と繊維断面が交差する点(図1のF)から外接円の中心方向へ2μmまでの領域をその繊維の最外層とする。本発明の繊維は該最外層の領域において、層状のポリマーが交互に3層以上積層されている必要がある。
本発明の多層積層繊維は、以下の多層薄膜干渉理論に基づいて層厚みを制御することで紫外から赤外領域のいずれかに反射波長領域を有するような光反射・干渉性を有することができる。
4nd=(2m−1)・λ ・・・ 式(1)
n:2種のポリマーの平均屈折率
d:2種のポリマーの平均層厚み(nm)
m:任意の整数(1,2…)
λ:反射波長(nm)
目標の反射波長λに対して、上記の式(1)を満たすような積層厚みdとすることで光反射や干渉を制御できることが知られている。
本発明の多層積層繊維は、複合口金を用いて2種以上のポリマーからなる交互積層構造を有する複合繊維を製糸することにより製造可能である。ここで多層積層繊維を製糸する方法としては、溶融紡糸が生産性を高めるという観点から好適である。その際の紡糸温度については、2種以上のポリマーのうち、主に高融点や高粘度ポリマーが流動性を示す温度とする。この流動性を示す温度としては、分子量によっても異なるが、そのポリマーの融点から融点+60℃の間で設定すると安定して製造することができる。
また、本発明の多層積層繊維における複合口金での単孔当たりにおける吐出量としては、0.1〜10g/分・孔程度にすると安定して製造することが可能となる。
また、本発明に使用されるポリマーの溶融粘度比は、2.0未満とすることで、安定的に複合ポリマー流を形成でき、良好な複合断面の多層積層繊維を得ることができる。
実施例および比較例については下記の評価を行った。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフによって、歪速度を段階的に変更して、溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s−1の溶融粘度を記載している。ちなみに、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
JIS K7142(1996)A法に従って測定した。
多層積層繊維の100mの重量を測定し、その値を100倍した値を算出した。この動作を10回繰り返し、その平均値を繊度(dtex)とした。また上記の繊度をフィラメント数で割った値を単糸繊度(dtex)とした。
多層積層繊維を繊維軸方向の任意の位置で切断し、その繊維断面をHITACHI製 走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し、繊維断面の切断面に外接する真円の径(図2のHの長さ)を繊維径とし、さらに内接する真円の径(図2のKの長さ)を内接円径として、異形度=繊維径÷内接円径から得られる値をいう。この操作を10ヶ所において行い、得られた結果の平均値を異形度とした。
吐出直後の多層積層繊維を繊維軸方向の任意の位置で切断し、その繊維断面をOLYMPUS製 光学顕微鏡にて倍率50倍で観察し、積層数と積層厚み(押し流し積層厚み)を測定した。ただし、ここでいう積層数と積層厚みとは繊維断面に内接する真円(図2のI)と繊維断面の交点(図2のJ)から繊維中心(図2のC)に向かって引いた直線(図2のK)上に存在する各ポリマー成分の積層構造における総積層数と1層の厚みのことをいう。また繊維断面の切断面に外接する真円の径を押し流し繊維径として測定した。これら2つの値と、前述のDで求めた繊維径を用いて多積層繊維の積層厚み=押し流し積層厚み×繊維径/押し流し繊維径の値を求めた。この操作を10ヶ所において行い、得られた結果の平均値を多積層繊維の積層厚みとした。
黒色板に多層積層繊維のマルチフィラメントを間隔を空けずに50本平行に並べた糸サンプルを作製した。得られた糸サンプルについて、一定光量の下、検査者(5人)の視認により、干渉効果による発色性を評価した。また上記のサンプルをSHIMADZU製 分光光度計 UV−3150を用い、糸サンプルの繊維軸方向に平行に入射角8°で光を入射し、鏡面反射を含んだ相対拡散反射測定(標準白板:BaSO4)を行った。この測定により可視光域(380〜750nm)での反射率(%)の平均値を算出し、この値を光沢度(%)とした。発色性を有し、光沢度が高いほど、発色と光沢性を兼ね備えており、審美性が高いと評価した。
多層積層繊維を織密度が180本/inchとなるように繊維の本数を調整し、平織地を作成した。得られた平織地について、フロスティング評価を強条件(湿潤状態、荷重:7.36N)または弱条件(乾状態、荷重:4.12N)で行った後、平織地を繊維軸方向と垂直に切断し、その繊維断面をHITACHI製 走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影して、得られた繊維断面写真の切断面に層間剥離が存在するかを観察した。この時、耐剥離性を次の基準に基づき3段階判定した。
多層積層繊維を織密度が180本/inchとなるように繊維の本数を調整し、平織地を作成した。得られた平織地について、風合い(柔軟性)を検査者(5人)の触感により次の基準に基づき4段階判定した。
積層成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度120Pa・s屈折率1.66)と、積層成分2としてスピログリコール21モル%及びシクロヘキサンジカルボン酸29モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(SPG−CHDC共重合PET 溶融粘度75Pa・s屈折率1.53)を285℃で別々に溶融後、積層成分1/積層成分2の吐出比を50/50として、図6に例示した複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、図1に示すような同心円状均一積層繊維断面であって積層数が40層の複合形態となるように、吐出孔から流入ポリマーを吐出した。この際、積層成分1が最外層となり、積層成分1/積層成分2/積層成分1/…の交互積層となるように配置した。吐出された複合ポリマー流を、冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1300m/minで巻取り、154dtex−24フィラメント(総吐出量20g/min)の未延伸糸を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.17μmであり、最外層2μmの積層数は12であった。また該多層積層繊維は紫色に発色しており、光沢感も強く、光沢度は75%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
積層成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度120Pa・s 屈折率1.66)と、積層成分2としてスピログリコール21モル%及びシクロヘキサンジカルボン酸29モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(SPG−CHDC共重合PET 溶融粘度75Pa・s 屈折率1.53)を285℃で別々に溶融後、積層成分1/積層成分2の吐出比を50/50として、図6に例示した複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、図3に示すような同心円状傾斜積層繊維断面であって積層数が20層の複合形態となるように、吐出孔から流入ポリマーを吐出した。この際、積層成分1が最外層となり、積層成分1/積層成分2/積層成分1/…の交互積層となるように配置した。また積層構造の傾斜は繊維外層/中心で傾斜比1.8となるようにした。吐出された複合ポリマー流を、冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1300m/minで巻取り、115dtex−15フィラメント(総吐出量15g/min)の未延伸糸を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、36dtex−15フィラメント(単糸繊度2.4dtex)の延伸繊維を得た。得られた多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.3〜0.5μmで傾斜しており、最外層2μmの積層数は4であった。また該多層積層繊維は金属調を有しており、光沢度は65%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は良好な風合いを有していた。
積層成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度120Pa・s屈折率1.66)と、積層成分2としてスピログリコール21モル%及びシクロヘキサンジカルボン酸29モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(SPG−CHDC共重合PET 溶融粘度75Pa・s屈折率1.53)、積層成分3として黒色顔料(カーボンブラック)を1wt%含んだポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度110Pa・s屈折率1.66)を285℃で別々に溶融後、積層成分1/積層成分2/積層成分3の吐出比を40/40/20として、図6に例示した複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、図4(a)に示すような芯鞘同心円状均一積層繊維断面であって積層数が22層の複合形態となるように、吐出孔から流入ポリマーを吐出した。この時、芯部は積層成分3であり、鞘部は積層成分1が最外層となり、積層成分1/積層成分2/積層成分1/…の交互積層となるように配置した。吐出された複合ポリマー流を、冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1300m/minで巻取り、154dtex−24フィラメント(総吐出量20g/min)の未延伸糸を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.17μmであり、最外層2μmの積層数は12であった。また該多層積層繊維は参考実施例1に比べて強い紫色に発色しており、光沢度は70%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
図6に例示した複合口金が組み込まれた紡糸パックに溶融ポリマーを流入させ、図1に示すような同心円状均一積層繊維断面であって積層数が5層の複合形態となるようにする以外は実施例2と同じポリマー、吐出比、吐出量、紡糸条件で紡糸し、多層積層繊維を製造した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、36dtex−15フィラメント(単糸繊度2.4dtex)の延伸繊維を得た。得られた多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に1.5μmであり、最外層2μmの積層数は2であった。得られた多層積層繊維は発色しておらず、光沢度は56%であった。
積層成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度120Pa・s 屈折率1.66)と、積層成分2としてポリアミド−6(N6 溶融粘度100Pa・s 屈折率1.53)を280℃で別々に溶融後、図6に例示した複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、図5に示すような扁平板状交互積層繊維断面であって積層数が40層の複合形態となるように、吐出孔から流入ポリマーを吐出した。この際、積層成分1からなる保護部(図5のM)と、積層成分1/積層成分2/積層成分1/…の交互積層構造部(図5のA及びB)となるように配置し、積層成分1/積層成分2の吐出比を80/20(交互積層構造部での積層成分1/積層成分2の比は50/50)とした。また吐出孔を縦横比1:10のスリット孔として、吐出された複合ポリマー流を、冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1300m/minで巻取り、異型度4の192dtex−12フィラメント(総吐出量25g/min)の未延伸糸を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、60dtex−12フィラメント(単糸繊度5.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.07μmであり、最外層2μmの積層数は1であった。該多層積層繊維は紫色に発色しており、光沢感も強く光沢度は85%であったが、弱条件のフロスティング後でも層間の剥離が見られ、耐剥離性は不可であった。該多層積層繊維を用いた布帛の触感が硬く、風合いも不可であった。
未延伸糸を38dtex−24フィラメント(総吐出量5g/min)とする以外は参考実施例1と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、12dtex−24フィラメント(単糸繊度0.5dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.09μmであり、最外層2μmの積層数は23であった。また該多層積層繊維は黄色に発色しており、光沢感も強く、光沢度は74%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
未延伸糸を230dtex−24フィラメント(総吐出量30g/min)とする以外は参考実施例1と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、72dtex−24フィラメント(単糸繊度3.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.20μmであり、最外層2μmの積層数は10であった。また該多層積層繊維は青色に発色しており、光沢感も強く、光沢度は75%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は良好な風合いを有していた。
参考実施例1の複合口金において、吐出孔を縦横比1:5のスリット孔とする以外は実施例1と同じポリマー、吐出比、吐出量、紡糸条件で紡糸し、多層積層繊維を製造した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、異型度2.0の48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.12μmであり、最外層2μmの積層数は9〜17であった。また該多層積層繊維は赤色に発色しており、さらに扁平形とすることで丸形よりも光沢感が増加し、光沢度は80%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は良好な風合いを有していた。
未延伸糸を230dtex−24フィラメント(総吐出量30g/min)とする以外は参考実施例5と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、72dtex−24フィラメント(単糸繊度3.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.14μmであり、最外層2μmの積層数は8〜15であった。また該多層積層繊維は赤色に発色しており、さらに扁平形とすることで丸形よりも光沢感が増加し、光沢度は80%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛の風合いは衣料用途として使用可能なレベルであった。
積層成分2として1,4−シクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET 溶融粘度100Pa・s屈折率1.58)とし、285℃で溶融する以外は参考実施例1と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、吐出量、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.17μmであり、最外層2μmの積層数は12であった。また該多層積層繊維は紫色に発色しており、光沢感も強く、光沢度は65%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
積層成分2をポリアミド−6(N6 溶融粘度100Pa・s屈折率1.53)とし、280℃で溶融する以外は参考実施例1と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、吐出量、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.18μmであり、最外層2μmの積層数は12であった。また該多層積層繊維は紫色に発色しており、光沢感も強く、光沢度は75%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後では層間剥離が見られたものの、弱条件では層間剥離が見られなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
積層成分2をポリブチレンテレフタレート(PBT 溶融粘度100Pa・s屈折率1.64)とし、280℃で溶融する以外は参考実施例1と同じ複合口金、ポリマー、吐出比、吐出量、紡糸条件で紡糸し、巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラー間で3.2倍延伸を行い、48dtex−24フィラメント(単糸繊度2.0dtex)の延伸繊維を得た。得られた該多層積層繊維の各積層成分の層厚みは共に0.17μmであり、最外層2μmの積層数は12であった。また該多層積層繊維は薄紫色に発色しており、光沢度は58%であった。耐剥離性については、強条件のフロスティング後でも層間の剥離は見受けられなかった。また該多層積層繊維を用いた布帛は優れた風合いを有していた。
B ポリマー層
C 繊維断面の面積を2等分するような任意の2本の直線の交点(繊維中心)
D 繊維断面に2点以上で外接する真円(外接円)
E 外接円から繊維中心へ引いた任意の直線
F 外接円から繊維中心へ引いた任意の直線と繊維断面が交差する点
G 繊維断面とその外接円の任意の交点
H 繊維断面とその外接円の任意の交点から繊維中心へ引いた直線
I 繊維断面に2点以上で内接する真円(内接円)
J 繊維断面とその内接円の任意の交点
K 繊維断面とその内接円の任意の交点から繊維中心へ引いた直線
L 中空部または第三成分のポリマ−
M 保護部
1 計量プレート
2 分配プレート
3 吐出プレート
Claims (6)
- 2種以上のポリマーが交互に積層された多層断面構造を有しており、最外層2μmにおいて、積層数が少なくとも3以上であり、繊維中心から繊維外層に向かって積層された層の厚みが徐々に厚くなる傾斜積層構造を有することを特徴とする多層積層繊維。
- 同心円状に積層された多層構造が交互に10層以上積層されており、かつ単糸繊度3dtex以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層積層繊維。
- 1層の厚みが0.6μm以下であり、交互に積層されたポリマーの屈折率が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の多層積層繊維。
- 紫外から赤外領域のいずれかに反射波長領域を有した積層された多層構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層積層繊維。
- 多層積層構造を構成するポリマーがいずれもポリエステルを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層積層繊維。
- 多層積層構造を構成する少なくとも1種類のポリマーがスピログリコール、シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジメタノールのうち1種類以上の成分を共重合したポリエステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層積層繊維。
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