<第1実施形態>
本発明を遊技機である回胴式遊技機(以下、スロットマシンという)に適用した第1実施形態について、図1ないし図25を参照して詳細に説明する。
(構成)
図1ないし図5を参照して、スロットマシン1の構成の概略について説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、筐体3の前面開口が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設され、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。そして、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられ、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する本発明の可変表示列を成す回転リールから成る左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。
ここで、図2に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」「BAR」「Bell」「Cherry」「R1」「R2」を含む複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。なお、図2では、説明を簡単にするため、本実施形態の説明に必要なリールの図柄のみを示している。
また、各リール13L,13M,13Rの各図柄それぞれには、0番から20番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成されている。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に可変表示される。
そして、各リール13L,13M,13Rの回転が停止したときに、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定され、具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、3つのリール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。すなわち、すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されることになり、上段、中段および下段の横3列および斜め2列が後述する入賞ラインとなり、いずれかの入賞ラインに当選役の図柄が揃った状態で各リール13L,13M,13Rが停止すれば入賞となる。
ここで、図3に示すように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結され、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ独立して回転駆動される。
また図1に戻って、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの規定枚数の最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させるべく、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定枚数)は、3枚の1種類が設定されているものとする。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
ところで、図1には図示省略されているが、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が筐体3内の後壁に固定されており、筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3ないし図13を参照して説明する。
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に投入センサ53が設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。そして、ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するようになっている。
また、図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられており、これらのセンサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。本実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、図3に示すように、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU(本発明における「メイン制御手段」に相当)61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に収納された上、該基板ケースが痕跡を残さずに開放することができないように厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
そして、メイン制御基板63のRWM(リードライトメモリ)65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであって本発明における記憶手段に相当し、後述するフラグ格納手段651や遊技数カウンタ652、投入・払出枚数格納手段653などが形成され、投入・払出枚数格納手段653が本発明における記憶領域に相当する。また、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、予め設定されたデータ(抽選テーブル671、停止テーブル672など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
ところで、ROM67は例えば16KB(キロバイト)の容量を有し、図4に示すように、アドレス0000Hを先頭とする7.5KBの領域(制御領域4.5KB+データ領域3KB)が、遊技の進行に関するプログラムや各種テーブル671,672、必要データを格納するために使用される。また、後に詳述するように、ROM67のアドレス1E50Hを先頭とする残り8.5KBのうちの4.35KBの領域に、メダルの出玉履歴を監視するために各ゲームのメダル投入枚数やメダル払出枚数等の遊技情報の監視プログラムおよびデータを格納するために使用される。
RWM65は1024B(バイト)の容量を有し、図4に示すように、アドレスF000Hを先頭とする512Bの領域が、遊技の進行に関するプログラムを実行する際に必要な各種のデータを一時的に記憶するために使用される。また、後に詳述するように、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする残り512Bの未使用領域に、メダルの遊技履歴を監視するために各ゲームのメダル投入枚数やメダル払出枚数等の遊技情報に関する各種データを一時的に記憶するために使用される。なお、メダルの遊技履歴の監視プログラムは、メダルの出玉率(メダル払出枚数÷メダル投入枚数)が規則等で定められた所定の範囲(300%)内に収まっているか否かを判定することにより、スロットマシン1に対する不正の有無をチェックするために実行されるものである。ここで、RWM65が本発明における記憶手段に相当する。
また、メイン制御基板63には、遊技履歴表示手段(本発明における「表示手段」に相当)69が設けられ、これを制御する表示制御手段120がメインCPU61に設けられるとともに、遊技履歴表示手段69に表示すための複数種類の遊技履歴データを演算する演算手段121がメインCPU61に設けられている。この遊技履歴表示手段69は、図5に示すように、筐体3の内部であって各リール13L,13M,13Rの上部位置に設置された基板ケース内のメイン制御基板63に搭載されて、前面パネル5を開放したときに、外部から視認可能な位置に配置されている。そして、図6に示すように、遊技履歴表示手段69は、4個の7セグメント表示素子から成り、表示制御手段120の制御により、RWM65に記憶されたデータを用いて後述する演算手段により演算された結果を含む複数種類の遊技履歴データを表示する。また、演算手段121は、後述する遊技履歴監視手段112により管理される遊技情報に基づき、総払出枚数に対する役物払出枚数の演算を行う。なお、図6において、CSはメイン制御基板63を収納した透明樹脂製の基板ケース、Kは基板ケースCSを封印するかしめ部、CNはコネクタであり、メインCPU61の表示制御手段120により遊技履歴表示手段60が制御される。
さらに、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。そして、メインCPU61は、後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、遊技者により操作される各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作に関するデータなどの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを有するメモリ75を備えている。さらに、サブ制御基板73のサブCPU71はタイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(後述する役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することにより、遊技者に対して供すべき遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63の構成について詳細に説明する。図5に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
図5の遊技制御手段100はスロットマシン1の遊技に関する制御を行い、一般的な遊技である通常遊技および遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技を実行するものであり、図5に示すように、操作態様判定手段100aおよび遊技状態設定手段100bを備えている。
a)操作態様判定手段100a
図5の操作態様判定手段100aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作の有無や長押し等の態様を判定し、具体的には、各ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
b)遊技状態設定手段100b
図5の遊技状態設定手段100bは、後述する役抽選手段103による抽選処理の結果や、表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様の図柄判定手段109による判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
具体的には、通常遊技が実行される通常遊技状態において、所定の特別役(BB、RB)に入賞(入賞ライン上に「7−7−7」が揃えばBB入賞、入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」が揃えばRB入賞)すると、遊技状態設定手段100bにより、スロットマシン1の遊技状態が、特別遊技が実行される特別遊技状態に設定される。そして、特別遊技状態において、所定枚数のメダルが払い出されたり、所定数の遊技(ゲーム)が実行されたりすることで、特別遊技終了条件が成立すれば、特別遊技を終了して、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより通常遊技状態に設定される。ここで、BBとは、RBの入賞が連続して作動する役物連続作動装置の作動である。
また、通常遊技状態において、特別役に当選したにも関わらず当該特別役に入賞しなかった場合、すなわち、当該特別役に対応した各図柄が表示窓11の中段に設定された入賞ライン上に表示されるように各リール13L,13M,13Rが停止しなかった場合には、スロットマシン1の遊技状態は、内部当選中遊技が実行される内部当選中遊技状態に遊技状態設定手段100bにより設定される。また、内部当選中遊技状態において、入賞せずに内部で持ち越されている特別役に入賞することにより、スロットマシン1の遊技状態が、遊技状態設定手段100bにより特別遊技状態に設定される。
ここで、スロットマシン1における遊技の概略について説明する。
本実施形態では、スロットマシン1は、3枚のメダル投入によりゲームが実行されるようになっており、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入を検出すると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。そして、規定枚数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19の操作が検出されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが後述の役抽選手段103により決定される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角度に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速されて、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作を有効に受け付けられる状態となる。すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効状態になった後、例えば左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リール13Lを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、役抽選手段103により決定された所定の当選役の図柄が、有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、または払出口39から払い出されて1回のゲームが終了する。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
本実施形態では図8に示すように、役として、特別役(ボーナス:BB,RB)、小役(中段ベル、一枚役1〜12、中段チェリー)、再遊技役(リプレイ1〜8)が予め設定されている。本実施の形態では、役抽選結果として、操作態様に応じて異なる役(「中段ベル」、「一枚役1」〜「一枚役12」、「リプレイ1」〜「リプレイ8」)に揃う可能性のある重複当選(当選役グループ:左ベル・中ベル・右ベル・リプレイ)に当選する可能性がある。そして、役抽選手段103の役抽選結果には、特別役当選(ボーナス当選)と、小役当選と、再遊技役当選(リプレイ当選)と、ハズレとがある。
また、入賞には、特別遊技(ボーナスゲーム)への移行に係る特別役入賞(ボーナス入賞)と、メダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、図8の役「BB」「RB」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと、特別役入賞となって、ボーナスゲーム(特別遊技)が実行される。
なお、本実施形態では、特別役入賞によるメダル払い出しはなく(特別役の規定払出枚数は0)、特別役に係る入賞態様が成立した遊技の後にボーナスゲームへ移行するように構成されているが、特別役に所定枚数(例えば10枚)の規定払出枚数を設定し、メダルを払い出した後にボーナスゲームへ移行するようにしてもよい。
また、例えば、図8の役「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」「中段チェリー」に係る各表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が表示窓11の中段の入賞ライン上に3個揃うと小役入賞となって、「払出枚数」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
また、図8において役「中段チェリー」の入賞に係る表示態様として使用されている「any」は、中リール13Mおよび右リール13Rに設けられているどの図柄が入賞ライン上に配置されてもよいことを意味している。
また、図8の役「リプレイ1」〜「リプレイ8」に係る表示態様で各リール13L,13M,13Rの図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞となって、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
ところで、本実施形態では、役抽選手段103により複数の役に同時に当選することができるように構成されている。すなわち、図9に示すように、複数の役により構成される当選役グループ(役抽選結果)が形成されており、各当選役グループに当選したか否かが役抽選手段103により抽選される。各当選役グループのうち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」(以後、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」をまとめて「ベルグループ」と称する場合もある。また、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれを「特定集合当選」と称する場合もある)には、それぞれ、複数の当選役が含まれている。具体的には、当選役グループ「左ベル」は、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」により構成され、当選役グループ「中ベル」は、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」により構成され、当選役グループ「右ベル」は、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」により構成されている。
したがって、後述の役抽選手段103により、当選役グループ「左ベル」に当選したと決定されれば、「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」に同時に当選したことになり、当選役グループ「中ベル」に当選したと決定されれば、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」に同時に当選したことになり、当選役グループ「右ベル」に当選したと決定されれば、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」に同時に当選したことになる。
また、本実施形態では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」それぞれには、遊技者に有利になるストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(押し順)が予め設定されており、図7の「備考」の欄に示すように、役抽選手段103による役抽選結果(当選役グループ)が同一の場合であっても、遊技者が各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのような順番で操作したかによって入賞態様(表示態様)が異なるように、停止制御手段106が各リール13L,13M,13Rを停止制御するように構成されている。
すなわち、図9に示す各当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選することにより、複数の役に同時に当選している場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序に対応して、当選した役のうち、入賞に係る図柄を優先的に入賞ライン上に揃える役が異なるように、停止制御手段106が構成されている。
具体的には、図9に示すように、例えば役抽選手段103による役抽選結果が当選役グループ「左ベル」に当選であった場合に、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われたと判定されると、最も遊技者に有利である当選役「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されるように各リール13L,13M,13Rが停止制御手段106により停止制御される。
他方、操作態様判定手段100aにより、最初に左ストップスイッチ21Lの操作が行われなかったと判定されると、当選役「中段ベル」に対応した表示態様である図柄「Bell」が入賞ライン上に揃った状態で図柄が表示されることはない。すなわち、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)に対応して予め設定された操作順序でストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたと操作態様判定手段100aにより判定されない限り、当選役グループに含まれる遊技者に最も有利な当選役に対応した表示態様で図柄が表示されることはない。
ところで、特別遊技(ボーナスゲーム)は、小役の当選確率が通常遊技に比べて高く設定されており、遊技メダルの払い出しを受けやすい遊技であって通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技であり、遊技者がより多くのメダルを獲得し得る遊技である。図6中の特別役「RB」に入賞することにより特別遊技状態に移行すると、レギュラーボーナスゲームが実行される。
レギュラーボーナスゲームでは、役抽選手段103による抽選処理の当選確率を規定する抽選テーブル671が、通常遊技において選択される通常遊技用抽選テーブルから、役抽選手段103による抽選処理の当選確率が通常遊技の場合よりも高確率に規定された特別遊技用抽選テーブルに切り換わることで、通常遊技中よりも、小役の当選確率が高くなるように設定されている。その結果、特別遊技は、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技となる。そして、レギュラーボーナスゲームに移行した後、予め設定された回数、例えば7回の遊技が行われるとレギュラーボーナスゲームを終了して通常遊技へ移行する。
また、図8中の特別役「BB」に入賞することにより特別遊技状態に移行すると、ビッグボーナスゲームが実行される。ビッグボーナスゲームでは、上記したレギュラーボーナスゲームが連続的に実行される。そして、ビッグボーナスゲームに移行した後、予め設定された枚数のメダルが払い出されるとビッグボーナスゲームを終了する。すなわち、本実施形態では、ビッグボーナスゲームは、ビッグボーナスゲームにおけるメダル払出枚数が、所定の上限枚数に達したときに、特別遊技(ビッグボーナスゲーム)を終了して通常遊技へ移行するよう設定されている。
なお、役抽選手段103の役抽選結果が特別役当選(BB,RB)となると、特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられないと、内部当選中遊技状態に移行すると共に、この特別役当選は、特別役の入賞態様の図柄配列が引き当てられるまで持ち越される。
一方、小役当選は、役抽選結果が小役当選となった遊技で小役の入賞態様の図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されない。また、リプレイ当選の場合には、どのようなタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、「リプレイ1」〜「リプレイ8」のいずれかに係る図柄が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rに図柄が配置されているため、必ず再遊技役に入賞する。
ところで、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選の場合には、リプレイに係る図柄と同様に、どのようなタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されても、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」に係る図柄(「Bell」「R1」「R2」)が必ず入賞ライン上に揃うように左・中・右リール13L,13M,13Rの図柄が配置されているため、必ず「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」のいずれかに入賞する。すなわち、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選した場合に、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されれば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rがどのようなタイミングで操作されても、各操作態様に対応付けされた入賞に係る図柄(図8参照)が入賞ライン上に揃うように各リール13L,13M,13Rが停止制御手段106により停止制御される。
なお、本実施形態では、「中段チェリー」に入賞した遊技の次の遊技からAT(アシストタイム)期間となり、AT遊技が実行されるように構成されている。AT遊技では、「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選したときに、当選役グループ(特定集合当選)の種類に応じた操作態様(いずれのストップスイッチを最初に操作するべきか)が遊技者に対して報知される。そして、AT期間に移行した後、予め設定された回数、例えば20回のAT遊技が行われるとAT期間が終了する。
(2)設定制御手段101
図7の設定制御手段101は、設定値(設定1〜設定6)を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102により選択される抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時に変更処理開始スイッチ(図示省略)のオンオフ状態を判定し、変更処理開始スイッチがオンの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。
本実施形態では、通常遊技の抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
(3)テーブル選択手段102
図7のテーブル選択手段102は、メイン制御基板63における遊技制御手段100により制御される遊技の種類(通常遊技や内部当選中遊技、特別遊技など)、設定制御手段101により設定される設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて抽選テーブル671(通常遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)役抽選手段103
図7の役抽選手段103は、予め設定された特定集合当選およびハズレを含む複数の役抽選結果のうちのいずれか1つを現在の遊技における役抽選結果として、乱数とテーブル選択手段102により選択された抽選テーブル671とを使用した抽選処理により選択して決定するものである。ここで、各抽選テーブル671では、乱数値と各役抽選結果との対応関係が定義されており、具体的には、例えば各抽選テーブル671には、後述する乱数発生手段103aが発生させる乱数の全範囲中において各役抽選結果それぞれが対応付けされている領域を示すデータが格納されている。
この役抽選手段103は、それぞれ複数の役から成る特定集合当選が複数あり(「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役4」から成る当選役グループ「左ベル」、「中段ベル」「一枚役5」〜「一枚役8」から成る当選役グループ「中ベル」、「中段ベル」「一枚役9」〜「一枚役12」から成る当選役グループ「右ベル」)、それぞれ遊技者に有利になる各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様(いずれのストップスイッチを最初に操作すべきか)が異なる複数の特定集合当選を含む複数の役抽選結果のいずれかに当選したか否かの抽選を実行する。
a)乱数発生手段103a
図7の乱数発生手段103aは、抽選用の乱数を所定の乱数値範囲内で発生させるものである。また、乱数発生手段103aは、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、乱数発生手段103aは、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。なお、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。
b)乱数抽出手段103b
図7の乱数抽出手段103bは、乱数発生手段103aが発生させた乱数値を抽出するもので、乱数発生手段103aが発生させた乱数値を所定の条件で抽出する。この乱数抽出手段103bは、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで、現在の遊技における役抽選手段103の抽選処理に使用される乱数値を抽出する。
また、乱数発生手段103aは、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段103aが発生させる数値は、厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、乱数抽出手段103bが抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
c)抽選結果決定手段103c
図7の抽選結果決定手段103cは、現在の遊技において乱数抽出手段103bにより抽出された乱数値と、現在の遊技における遊技状態とに基づいて現在の遊技における役抽選結果を決定する。この抽選結果決定手段103cは、テーブル選択手段102により選択された現在の遊技状態に対応した抽選テーブル671を参照し、乱数抽出手段103bにより抽出された乱数値が、抽選テーブル671により定義されている各役抽選結果に対応した乱数値の領域のうち、どの領域に属するかを判定することにより、現在の遊技における役抽選結果を決定する。
(5)リール検出手段105
図7のリール検出手段105は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する。このリール検出手段105は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(6)停止制御手段106
図7の停止制御手段106は、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作に基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行い、各リール13L,13M,13Rにより可変表示される各図柄を役抽選手段103の役抽選結果に対応した表示態様で停止させる。この停止制御手段106は、遊技毎に、抽選結果決定手段103cにより決定された役抽選結果と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様に基づき各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
なお、図9の「備考」の欄に記載されているように、「ベルグループ」(当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれか)に当選した場合には、最初に操作するストップスイッチに応じて、揃う役が異なるように設定されている。また、「ベルグループ」の種類に応じて、有利となる操作態様は異なる。
各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するための停止テーブル672は、役抽選手段103の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。そして、この停止テーブル672は、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものであり、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応するストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作順序に対応して滑りコマ数が異なるように形成されている。
また、停止制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果がいずれかの役への当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選役に入賞するように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。他方、役抽選手段103による役抽選結果がハズレであれば、停止制御手段106は、ハズレの役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
ところで、滑りコマ数には上限が設けられており、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段106は、仮に役抽選手段103による役抽選結果がいずれかの役への当選であっても、表示窓11に表示される図柄が当選した役に対応した入賞態様で停止表示されるようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。換言すれば、停止制御手段106は、役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、各リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることを条件に、表示窓11に表示される図柄が当選した役に対応した入賞態様で停止表示されるように、リール13L,13M,13Rを停止制御する。
(7)報知決定手段107
図7の報知決定手段107は、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知するかどうかの決定を行う。例えば、役抽選結果が「右ベル」となった場合であっても、その旨を知ることができなければ、遊技者は右ストップスイッチ21Rを最初に操作するとは限らず、「中段ベル」を必ずしも揃えることができない。一方、AT遊技において、役抽選結果が「右ベル」となったときにその旨を報知し、右ストップスイッチ21Rを最初に操作するよう促すことで、遊技者が払い出しを受ける機会を増やすことが可能となる。
ここでは、AT遊技の抽選が行えるAT許容状態への移行役である「中段チェリー」に入賞した場合に、報知決定手段107により報知を行うと決定されて、フラグ格納手段651に格納されるAT期間中フラグの状態がONに設定される。また、フラグ格納手段651に格納されるAT期間中フラグの状態は、予め設定された回数のAT遊技が実行されるとOFFに設定される。また、フラグ格納手段651を形成する各ビットのうちのいずれかをAT期間中フラグに割り当てて、当該ビットのON、OFFを設定することにより、AT期間中フラグの状態をフラグ格納手段651に格納することができる。
そして、AT遊技では、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれかに当選したときに、各当選役グループに予め設定されている遊技者に有利な操作態様(操作順序)が遊技者に対して報知される。なお、AT期間に移行した後、予め設定された回数、例えば20回のAT遊技が行われるとAT期間が終了する。
また、後述するように、コマンド作成手段108は、報知決定手段107の決定結果に従ってコマンドを作成する。この報知決定手段107は、コマンド作成手段108で作成するコマンドを、特定集合当選の種類を識別できるコマンド(有利な操作態様のわかるコマンド)とするか、特定集合当選の種類を識別できないコマンド(有利な操作態様がわからないコマンド)とするか、を決定するためのものとしても機能している。
(8)コマンド作成手段108
図7のコマンド作成手段108は、役抽選手段103による抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などの種々のデータをサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成する。このコマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するようにサブ制御コマンド送信手段111によりサブ制御基板73に送信される。
このコマンド作成手段108は、役抽選手段103による抽選が実行されたときに、抽選の結果を識別できるコマンドとして、「0」〜「8」を含むコマンドを作成する。後述するように、サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
そして、コマンド作成手段108は、報知決定手段107により、遊技者に有利な操作態様を報知しないと決定されたとき、つまりAT期間中フラグがOFFに設定されているときには、「ベルグループ」のいずれかに当選したことは識別できるが、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれず該当選役グループを識別できないコマンドを作成する。また、報知決定手段107により、遊技者に有利な操作態様を報知すると決定されたとき、つまりAT期間中フラグがONに設定されているときには、当選した当選役グループ(「左ベル」「中ベル」「右ベル」)の種類を示すデータが含まれて該当選役グループを識別可能なコマンドを作成する。
具体的には、図9に示すように、コマンド作成手段108は、AT期間中フラグがOFFであるときには、当選役グループ「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選した場合であっても、「ベルグループ」のうちのいずれの当選役グループかを識別できないように同じ「1番」というコマンドを作成する。一方、コマンド作成手段108は、AT期間中フラグがONであるときに「左ベル」に当選した場合は「2番」のコマンドを、「中ベル」に当選した場合は「3番」のコマンドを、「右ベル」に当選した場合は「4番」のコマンドを作成する。
なお、コマンド作成手段108は、それ以外の役抽選結果については、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、同じコマンドを作成する。例えば、「中段チェリー」に当選した場合は「5番」のコマンドを、「BB」に当選した場合は「6番」のコマンドを、「RB」に当選した場合は「7番」のコマンドを、「リプレイ」に当選した場合には「8番」のコマンドを作成する。なお、ハズレの場合は「0番」のコマンドを作成する。
(9)図柄判定手段109
図7の図柄判定手段109は、リール検出手段105により検出された各リール13L,13M,13Rがそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段106により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rによる各図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行う。
この図柄判定手段109は、図8の役「BB」「RB」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、特別役入賞と判定する。また、図柄判定手段109は、図8の「中段ベル」「一枚役1」〜「一枚役12」「中段チェリー」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、小役入賞と判定し、図柄判定手段109は、図8の「リプレイ1」〜「リプレイ8」に示す表示態様で図柄が入賞ライン上に揃うと、再遊技役入賞と判定する。
(10)払出制御手段110
図7の払出制御手段110は、図柄判定手段109による判定結果に基づき、遊技者に所定の利益を付与する。この払出制御手段110は、図柄判定手段109により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出枚数だけメダルを払い出す。また、払出制御手段110は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出枚数だけクレジットメダルを増加させる。
ところで、払出制御手段110は、図柄判定手段109により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたものとして、次のゲームの入賞ラインを有効とする。
(11)サブ制御コマンド送信手段111
図7のサブ制御コマンド送信手段111は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々のデータを含むコマンドを所定の情報として一方通行で送信する。このサブ制御コマンド送信手段111は、コマンド作成手段108により作成されて、設定制御手段101により設定される設定値、通常遊技状態および特別遊技状態などの遊技状態、役抽選手段103の役抽選結果、図柄判定手段109による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段110によるメダルの払出状態など、スロットマシン1の状態を表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
また、サブ制御コマンド送信手段111は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンド作成手段108により作成されるコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段111は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンド作成手段108により作成されるコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(12)遊技履歴監視手段112
図7の遊技履歴監視手段112は、メダルの出玉率などの遊技履歴を監視するものであって、図4に示すように、ROM67のアドレス1E50Hを先頭とする4.35KBの領域に格納されたプログラムがメインCPU61により実行されることによって具現化される。また、図4に示すように、出玉履歴監視手段112によりメダルの出玉率(メダル払出枚数÷メダル投入枚数(%))を監視するために使用される各種のデータは、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの領域に格納される。そして、出玉率監視手段112は次のような機能を備えている。
RWM65の遊技数カウンタ652は、RWM65に予め設定された領域により構成され、ゲーム数を記憶する。この遊技数カウンタ652の初期値である当初ゲーム数は0に設定されている。なお、遊技数カウンタ652は、予め設定されたゲーム数M(例えば、M=400)までゲーム数をカウントした後は、再び初期値である0に初期化された後、ゲーム数Mまでゲーム数をカウントするように構成されている。すなわち、遊技数カウンタ652に格納されている値が0〜399まで更新された後は、再度、ゲーム数が0から399までカウントされる。
また、図7のRWM65の投入・払出枚数格納手段653は、図10(a)に示すように、予め設定されたゲーム数M(=400)の各ゲームにおけるメダルの投入枚数および払出枚数数を記憶するもので、RWM65に予め設定された400個のデータから成るデータ配列により形成される。また、各データは1Bの容量により構成されており、投入・払出枚数格納手段653は、400B(=1B×400個)の容量により形成されている。なお、RWM65の投入・払出枚数格納手段653は、本発明における記憶制御手段としてのメインCPU61により記憶制御される。
さらに、400個の各データのビット構成は図10(b)に示すようになっており、最下位の第0ビット(bit0)〜第3ビット(bit3)に各ゲームにおけるメダルの払出枚数が記憶され、第4ビット(bit4)、第5ビット(bit5)に各ゲームにおけるメダルの投入枚数が記憶される。また、各データ記憶領域の最上位の第7ビット(bit7)は、各ゲームにおいて、図6に示す「リプレイ1」〜「リプレイ8」(以下、単に「リプレイ」と称する場合もある)のいずれかに入賞した場合にはONにセットされ、入賞しなかった場合にはOFFにセットされる。
a)カウンタ更新手段112a
図7のカウンタ更新手段112aは、ゲームごとに遊技数カウンタ652の記憶値を更新するものであり、このカウンタ更新手段112aは、各リール13L,13M,13Rの停止によりゲームが終了した後であって次のゲームの開始前に、遊技数カウンタ652の記憶値を1ずつインクリメントする。また、カウンタ更新手段112aは、遊技数カウンタ652の記憶値が設定集計基準である設定ゲーム数M(=400)に等しいか否かを判定し、遊技数カウンタ652の記憶値が設定ゲーム数Mに等しければ、遊技数カウンタ652の記憶値を初期値である0にクリアする。したがって、カウンタ更新手段112aにより、遊技数カウンタ652の記憶値は0〜(M−1)の設定ゲーム数M(=400)の範囲で循環して更新される。なお、遊技数カウンタ652の記憶値の初期値を設定ゲーム数Mに設定し、ゲームが終了した後であって次のゲームの開始前に、遊技数カウンタ652の記憶値を1ずつデクリメントすることによりゲーム数をカウントするようにしてもよい。
b)履歴更新手段112b
図7の履歴更新手段112bは、本発明の所定集計基準である所定ゲーム数を1ゲームとした場合における1ゲームごとに、遊技数カウンタ652の記憶値に対応する投入・払出枚数格納手段653のデータ記憶領域の所定ビットに、当該ゲームにおけるメダルの投入枚数および払出枚数を記憶すると共に、当該ゲームにおいて「リプレイ」に入賞したか否かをセットする。ここで、遊技数カウンタ652の記憶値は0〜(M−1)の設定ゲーム数Mの範囲で循環して更新されるので、投入・払出枚数格納手段653は400ゲーム分のデータを記憶するリングバッファとして機能する。したがって、図11に示すように、投入・払出枚数格納手段653が1ゲーム目〜400ゲーム目までのデータを記憶している場合に、401ゲーム目の遊技(ゲーム)が終了すると、最先のゲームである1ゲーム目のデータを記憶したデータ格納領域に、401ゲーム目のデータが上書きされ、これにより投入・払出枚数格納手段653は、1ゲーム目のデータを破棄すると同時に401ゲーム目のデータを新たに記憶することになる。
ところで、投入・払出枚数格納手段653の記憶動作について、具体的に説明すると、図12(a)に示すように、1ゲーム目の各データの記憶領域には3枚のメダルが投入され、0枚のメダルが払い出され、2ゲーム目の各データの記憶領域には、3枚のメダルが投入され、15枚のメダルが払い出されていることを示すデータが記憶されている。また、398ゲーム目の各データの記憶領域には、3枚のメダルが投入され、8枚のメダルが払い出され、「リプレイ」に入賞していないことを示し、399ゲーム目のデータ記憶領域には、3枚のメダルが投入され、0枚のメダルが払い出され、「リプレイ」に入賞していることを示すデータが格納されている。そして、400ゲーム目の各データの記憶領域には、前回のゲームにおいて「リプレイ」に入賞しているため、0枚のメダルが投入され、0枚のメダルが払い出され、「リプレイ」に入賞していることを示すデータ記憶されている。
次に、図12(b)に示すように、401ゲーム目の遊技が終了すると、1ゲーム目のデータが破棄されると同時に401ゲーム目のデータが投入・払出枚数格納手段653に記憶される。そして、401ゲーム目の各データの記憶領域には、前回のゲームにおいて「リプレイ」に入賞しているため、0枚のメダルが投入され、0枚のメダルが払い出され、「リプレイ」に入賞していないことを示すデータが記憶されている。続いて、図12(c)に示すように、402ゲーム目の遊技が終了すると、2ゲーム目のデータが破棄されると同時に402ゲーム目のデータが投入・払出枚数格納手段653に記憶される。そして、402ゲーム目の各データの格納領域には、前回のゲームにおいて「リプレイ」に入賞していないため、3枚のメダルが投入され、1枚のメダルが払い出され、「リプレイ」に入賞していないことを示すデータが記憶され、以下同様にして、最新のデータが最先に記憶されたデータに上書きされて記憶されることになる。
c)出玉率算出手段112c
図7の出玉率算出手段112cは、各ゲームで、現在のゲームまでの設定ゲーム数Mの期間における出玉率(%)を算出するものである。すなわち、この出玉率算出手段112cは、1ゲームごとに、投入・払出枚数格納手段653に記憶されている総ゲーム分のメダル投入枚数の総和S1を算出し、投入・払出枚数格納手段653に記憶されている総ゲーム分のメダル払出枚数の総和S2を算出し、出玉率(=S2/S1)を演算して算出するものである。なお、算出された出玉率(%)はRWM65の所定の空き領域に記憶される。
d)出玉率判定手段112d
図7の出玉率判定手段112dは、出玉率算出手段112cにより算出された出玉率(%)が予め設定された上限値(本実施形態では、規則に基づき例えば300%に設定される)を超えているか否かの判定を行うものである。この出玉率判定手段112dは、出玉率が上限値を超えていると判定すると、遊技履歴監視手段112により、例えば下部ランプ部37L,37R等を用いて出玉率(%)が上限値を超えている旨の報知がなされるようになっている。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図3に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)サブ制御コマンド受信手段201
図7のサブ制御コマンド受信手段201は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段111により送信された種々のデータを含むコマンドを所定の情報として受信するものである。サブ制御コマンド受信手段201は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信し、コマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段202
図7の演出内容決定手段202は、サブ制御コマンド受信手段201により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段103の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
そして、演出内容決定手段202は、受信したコマンドがAT期間中に対応したものであり当選した当選役グループ(ベルグループ)の種類を識別可能であれば、当選役グループの種類に対応する遊技者に有利な操作態様がわかる報知演出を実行し、受信したコマンドがAT期間中に対応したものでなければ遊技者に有利な操作態様がわからない演出を実行するよう、演出内容を決定する。例えば、役抽選結果に応じて、図9に示す「1番」のコマンドを受信した場合は、AT期間中ではないため、「ベルグループ」のいずれかの当選役グループに当選したことはわかるが「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれに当選したのかわからない演出群の中から一の演出を選択する。また、図9に示す「2番」のコマンドを受信した場合は、「左ベル」に当選したことがわかる演出や、最初に左ストップスイッチ21Lを操作するよう促す演出の中から、一の演出を選択する。図9に示す「3番」「4番」のコマンドを受信した場合も、それぞれ同様に演出内容を決定する。
また、演出内容決定手段202は、図9に示す「5番」〜「8番」のコマンドを受信した場合も、同様に、それぞれの当選役グループに当選した可能性を示唆する演出群から一の演出を選択する。さらに、「0番」のコマンドを受信した場合も、同様に、遊技者の期待を損ねないように、ハズレに対応する演出群の中から一の演出を選択する。
演出内容としては、例えば演出内容決定手段202により、液晶表示器27に各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を表示したり、スピーカ31L,31Rにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を音声により報知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rそれぞれに設けられたランプを所定順序で点滅させることにより各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知したり、各リール13L,13M,13Rに設けられたバックライトを所定順序で点滅させて、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知するなどの演出内容がある。
そして、演出内容決定手段202は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を、次に説明する表示制御手段203および音声制御手段204に送信する。
(3)表示制御手段203
図7の表示制御手段203は、演出内容決定手段202から送信された信号に含まれるデータに基づき、液晶表示器27に動画を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行する。
(4)音声制御手段204
図7の音声制御手段204は、演出内容決定手段202から送信された信号に含まれるデータに基づき、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行する。
(動作)
続いて、図13ないし図15を参照してスロットマシン1の動作について説明する。なお、本実施形態では、AT期間中に(AT期間中フラグがON)、「ベルグループ」(「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれか)に当選した場合に、当選した当選役グループに対応し遊技者に有利となる各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を報知する演出がサブ制御基板73において実行され、メイン制御基板63において遊技者に有利となる各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序が報知される。
以下の説明では、上記した種々の機能および手段と、メイン制御基板63のメインCPU61およびサブ制御基板73のサブCPU71が種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能(詳細説明は省略)とにより実行される処理である。また、以下の処理で実行される各種のフラグをON(オン)またはOFF(オフ)に設定したり、各種のフラグに値を設定したりする処理については、周知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
1.メイン処理
図13を参照してメイン処理について説明する。
スロットマシン1の電源がオンされると、メイン制御基板63が備えるRWM65の状態がチェックされ、メモリにエラーが生じていないかどうかが判定されて各種の初期設定が行われ、RWM65のチェックの結果、異常が無ければ通常遊技状態へ移行し、図13に示すように、規定枚数(3枚)のメダルが投入されたかどうかが判定され(ステップS1)、規定枚数のメダルが投入されるまで待機する(ステップS1のNO)。一方、規定枚数(3枚)のメダルが投入されれば(ステップS1のYES)、スタートスイッチ19が操作されるまで待機し(ステップS2のNO)、スタートスイッチ19が操作されれば(ステップS2のYES)、役抽選手段103による抽選処理が実行される(ステップS3)。
この役抽選手段103の抽選処理では、まず、現在の遊技状態等に基づいてテーブル選択手段102により抽選テーブル671が選択され、選択された抽選テーブル671と、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで乱数抽出手段103bにより抽出された乱数値とに基づいて抽選結果決定手段103cにより役抽選結果が決定される。
続いて、サブ制御基板73に役抽選手段103による役抽選結果に関する情報を送信するためのコマンドがコマンド作成手段108により作成される。具体的には、まず、フラグ格納手段651に格納されたAT期間中フラグの状態がONであるか否かが判定され、AT期間中フラグがOFFであると判定されれば、当選役グループ(特定集合当選)の詳細な種類を識別できないコマンドがコマンド作成手段108により作成される。すなわち、「ベルグループ」のいずれかに当選したときに、AT期間中フラグがOFFであると判定されれば、「左ベル」「中ベル」「右ベル」のいずれの当選であっても、「1番」のコマンドを作成する。
一方、AT期間中フラグがONであると判定されれば、当選役グループ(特定集合当選)の種類を識別可能なコマンドがコマンド作成手段108により作成される。すなわち、「ベルグループ」のいずれかに当選したときに、AT期間中フラグがONであると判定されれば、「左ベル」の当選であれば「2番」のコマンドを、「中ベル」の当選であれば「3番」のコマンドを、「右ベル」の当選であれば「4番」のコマンドを作成する。なお、「ベルグループ」以外の役抽選結果であった場合には、AT期間中フラグがONであってもOFFであっても、当選役グループの種類を識別可能なコマンドを作成する。そして、コマンド作成手段108により作成されたコマンドは、サブ制御コマンド送信手段111によりサブ制御基板73に対して送信される。
そして、役抽選処理の後、図13に示すように、各リール13L,13M,13Rの回転が開始され(ステップS4)、回転中の各リール13L,13M,13Rに対応する各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されるまで待機し(ステップS5のNO)、各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されれば(ステップS5のYES)、停止制御手段106によるリール回転の停止制御により、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止される(ステップS6)。
その後、全てのリール13L,13M,13Rの回転が停止されるまでステップS5、ステップS6の処理を繰返して実行し(ステップS7のNO)、全てのリール13L,13M,13Rが停止されれば(ステップS7のYES)、図柄判定手段109により図柄の判定が行われる(ステップS8)。
続いて、報知決定処理(ステップS9)が実行され、図13のメイン処理のステップS8の図柄判定処理において、図柄判定手段109により「中段チェリー」への入賞と判定されたか否かが判定され、「中段チェリー」への入賞であれば、フラグ格納手段651に格納されているAT期間中フラグの状態が報知決定手段107によりONに設定される。なお、AT期間中20回の遊技が行われたときには、AT期間中フラグをOFFに設定する。一方、「中段チェリー」への入賞でなければ、報知決定処理を終了する。
そして、図13に示すように、報知決定処理の後、必要に応じて払出制御手段110によりメダル払出処理が実行され(ステップS10)、後に詳述する遊技履歴監視処理が実行される(ステップS11)。
2.遊技履歴監視処理
次に、上記したステップS11の遊技履歴監視処理について、図14を参照して説明する。
まず、図14に示すように、カウンタ更新手段112aにより遊技数カウンタ652の記憶値が更新されて、履歴更新手段112bにより、現在のゲームにおける遊技情報(メダルの投入枚数、メダルの払出枚数、「リプレイ」に入賞したか否か)に関するデータが投入・払出枚数格納手段653に追加される(ステップS21)。
次に、出玉率算出手段112cにより、投入・払出枚数格納手段653のデータ記憶領域に記憶されているメダル投入枚数、メダル払出枚数、「リプレイ」の入賞データに基づき、現在のゲームまでの直近400ゲームにおける出玉比率が演算され、遊技履歴表示手段69に表示するためのデータが算出されて更新され(ステップS22)、図13のメイン処理に戻る。
ところで、サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送信されたコマンドがサブ制御コマンド受信手段113により受信され、報知(演出)内容が演出内容決定手段114により決定される。具体的には、「1番」のコマンドを受信した場合は、「1番」のコマンドに対応した演出群から一の演出が選択される。また、「2番」のコマンドを受信した場合は、「2番」のコマンドに対応した演出群から一の演出が選択される。他のコマンドを受信した場合も同様である。なお、「2番」〜「4番」のコマンドに対応した演出群は、それぞれ、遊技者に有利なストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を遊技者に報知する演出が設定されている。そして、決定された報知(演出)が表示制御手段115または音声制御手段116により実行される。
3.表示制御処理
続いて、表示制御手段120による表示制御処理について、図15を参照して説明する。
図16を参照して説明する。
表示制御処理は所定時間毎のタイマ割り込みによって実行されるものであり、図15に示すように、電源投入の初期設定で最初のデータとして表示待ちタイマにマイナスのデータ(−1)の演算がなされ(ステップS31)、続いて表示待ちタイマがゼロか否かの判定がなされ(ステップS32)、この判定結果がNOであればこの処理のスタートに戻る。
一方、ステップS32の判定結果がYESであれば、次のステップS33において、ポインタが1加算(+1)されて、RWM65に記憶されている次のデータを用いて遊技履歴表示手段69に遊技履歴が表示され(ステップS34)、表示待ちタイマのポインタにnが設定され(ステップS34)、その後タイマ割込みに戻る。ここで、表示待ちタイマのnが、例えば所定値(例えば、100)になっていればこの割込みによる表示制御処理を抜ける。こうして、図13に示すように、例えば6種類のデータを用いた遊技履歴が遊技履歴表示手段69に定期的に順次表示される。
したがって、メイン制御基板63のRWM65に設定された投入・払出枚数格納手段653に、所定集計基準である1ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否といった遊技情報をRWM65に記憶するとともに、設定集計基準である設定ゲーム数(400ゲーム)にわたってこれら遊技情報を記憶し、所定集計基準である設定ゲーム数よりも多く設定された累計設定集計基準のデータ量であるゲーム数(例えば6000ゲーム)分のデータをRWM65に記憶し、この記憶データを用いた出玉率算出手段112cによる演算結果を含む複数種類の遊技履歴データを遊技履歴表示手段69に表示させる。このとき、電源投入以降は遊技機の状態に関わらず複数種類の遊技履歴データのうちの所定のデータを特定するための表示を遊技履歴表示手段69に表示させ、一定期間毎に遊技履歴表示手段69の表示対象を複数種類の遊技履歴データのうちの別のデータに順次変更することにより複数種類の遊技履歴データを特定するための表示を遊技履歴表示手段69に定期的に表示させるため、外部から視認可能な遊技表示手段69の表示を確認することにより、より詳細な不正の判定行うことができる。
また、RWM65の投入・払出枚数格納手段653を400ゲーム分(400B)のリングバッファ構成とし、投入・払出枚数格納手段653に最先に記憶された遊技情報に上書きするように、設定ゲーム数(400ゲーム)を超えるゲーム分の遊技情報を記憶させるため、常に最後のゲームから設定ゲーム数(400ゲーム)分遡って1ゲームごとの遊技情報をチェックすることができ、不正行為の詳細を容易に検証することができる。
さらに、設定ゲーム数(400ゲーム)分の1ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否のデータを、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の各データ記憶領域の所定ビットそれぞれに記憶するようにしたため、少ないバイト数の記憶容量で400ゲームの遊技情報を効率よく記憶することができる。
また、出玉率算出手段112cにより、遊技情報のうちメダル投入枚数と、メダル払出枚数とから出玉率を計算により導出し、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の所定領域内に出玉率を記憶するようにしたため、1ゲームごとの出玉率をチェックすることができ、不正行為をより詳細に検証することができる。
なお、上記した例では、所定集計基準である所定ゲーム数を1ゲームとして、RWM65の投入・払出枚数格納手段653に、1ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否といった遊技情報を記憶するようにした場合について説明したが、所定ゲーム数は例えば2ゲームであって、2ゲームごとの遊技情報を記憶するようにしてもよく、同様に3ゲーム以上の所定ゲーム数ごとの遊技情報を記憶するようにしてもよい。ただし、所定ゲーム数は設定集計基準である400ゲーム等の設定ゲーム数を超えないものとする。さらに、設定ゲーム数も、上記した400ゲームに限定されるものではない。
また、上記した例では、最大400ゲーム(設定ゲーム数)分の現在ゲームまでの出玉率のみを導出してRWM65に記憶する場合について説明したが、RB(レギュラーボーナスゲーム)等の特定役に入賞したときの特定役払出枚数を記憶して特定役物比率を導出し、これを記憶するようにしてもよい。
なお、図15の表示制御処理において、表示するデータ量が所定量集計されていない場合には、遊技履歴表示手段69の表示態様として点滅等を行うようにしてもよい。また、データ量が異常値である場合には、高速点滅や表示色や輝度を変更するなどの制御を行うようにしてもよい。
したがって、RWM65の投入・払出枚数格納手段653に、1期あたり400ゲーム(所定集計基準)として15期分の合計6000ゲーム分(設定集計基準)のデータを記憶するリングバッファ構成の記憶領域を形成し、最先に記憶された記憶領域にデータを上書きするようにしたため、6000ゲームを超えて遊技を実行しても、常に最後のゲームから中期(6000ゲーム分)にわたり400ゲーム分ごとのゲーム数カウンタによるゲーム数、再遊技役の入賞回数、メダル投入枚数、メダル払出枚数、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数、AT許容状態のゲーム数、AT非許容状態のゲーム数、AT許容状態の比率、AT許容初当り回数等の遊技情報、並びに、これらの総累計をチェックすることができる。
また、図16に示すように、所定の条件下で特定のリールが無制御になり、小役などを目押しで狙って揃えることができるCT(チャレンジタイム)機能を有し、図7に示すRWM65の投入・払出枚数格納手段653に、所定集計基準である所定ゲーム数を400ゲーム、設定集計基準である設定ゲーム数Mを6000として、400ゲーム分のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否を記憶するのに加え、メダル払出枚数の詳細として小役入賞による払出枚数、シングルボーナス(SB)入賞による払出枚数、CT入賞による払出枚数、RB入賞による払出枚数、さらには図16には図示されていないが、AT許容状態のゲーム数、AT非許容状態のゲーム数、AT許容状態の比率、AT許容初当り回数を遊技情報として記憶するとともに、払出異常がある場合の出玉NG情報を記憶する。
すなわち、全6000ゲームの中期にわたり、400ゲームごとの短期のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否の遊技情報およびメダル払出枚数の詳細として小役入賞による払出枚数、SB入賞による払出枚数、CT入賞による払出枚数、RB入賞による払出枚数の遊技情報、出玉NG情報をRWM65の投入・払出枚数格納手段653に記憶するようにし、中期(6000ゲーム分)の出玉率、中期のCT,SB,RB入賞による役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った中期役物比率、中期のRB入賞による連続役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った中期連続役物比率を出玉率算出手段112cにより演算して算出する。
このとき、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の第1〜15期(P1〜P15)の記憶領域は、15期分のデータを記憶するリングバッファとして機能し、第1〜15期(P1〜P15)の記憶領域がすべて埋まった後は、最先のデータが記憶された記憶領域に、最新のデータが上書きされて記憶されるようになっている。
詳細には、図16に示すように、中期のゲーム数である6000ゲームを400ゲームごとの15の短期に分割し、1〜400ゲームを第1期(P1)、401〜800ゲームを第2期(P2)として、以下同様にして5601〜6000ゲームを第15期(P15)とすると、RWM65の遊技数カウンタ652はとは別に、図5の遊技数カウンタ652等のゲーム数カウンタによるゲーム数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2B(バイト)および第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について2Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成し、再遊技役の入賞回数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について2Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成し、役入賞によるメダル払出枚数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期の合計分(PS)について3Bの領域、および、総累計の3Bの領域をRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成する。
さらに、SB入賞によるメダル払出枚数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について2Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成し、CT入賞によるメダル払出枚数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について2Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成し、RB入賞によるメダル払出枚数の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について3Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成する。さらに、図17には図示されていないが、AT許容状態のゲーム数、AT非許容状態のゲーム数、AT許容状態の比率、AT許容初当り回数についても、第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各2Bおよび第1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について3Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成する。そして、払出異常による出玉NG情報の記憶領域として第1期(P1)ないし第15期(P15)それぞれについて各1ビットおよび1〜15期(P1〜P15)の合計分(PS)について1ビットの計2Bの領域を投入・払出枚数格納手段653に形成する。
また、図16に示すように、上記した中期(6000ゲーム分)出玉率(%)の記憶領域、中期のCT,SB,RB入賞による役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った中期役物比率の記憶領域、中期のRB入賞による連続役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った中期連続役物比率の記憶領域として、各1B(バイト)の領域を投入・払出枚数格納手段653に形成する。ここで、これらの記憶領域の投入・払出枚数格納手段653に占める全容量は284B(バイト)となり、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域を利用して上記した各記憶領域を形成することができる。
そして、投入・払出枚数格納手段653の各記憶領域に記憶される数値例を示すと、例えば5950ゲームを実行した時点では、図18に示すような数値が記憶されることになる。なお、図17ないし図21では、AT許容状態のゲーム数、AT非許容状態のゲーム数、AT許容状態の比率、AT許容初当り回数のデータは省略されている。
ところで、第1期(P1)から第15期(P15)それぞれにおけるRWM65の投入・払出枚数格納手段653の各記憶領域への記憶動作について説明する。図18に示すように、例えば第1期(P1)分のデータを記憶する場合、RWM65の未使用領域に400ゲーム分のゲーム数カウンタによるゲーム数、再遊技役の入賞回数、メダル投入枚数、メダル払出枚数、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数の累積値が、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の空き領域に設けられた作業領域(SA)を用いて記憶される。
そして、400ゲーム目になると、図19に示すように、ゲーム数カウンタによるゲーム数として作業領域に記憶されていた値「399」に「1」を加算した「400」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶され、メダル投入枚数として作業領域に記憶されていた値「1197」に「3」を加算した「1200」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶されるとともに、再遊技役の入賞回数、メダル払出枚数(総数)、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数それぞれの累積値として作業領域に記憶されていた「162」,「3192」,「2112」,「0」,「0」,「1080」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶される。なお、400ゲーム目では、作業領域(SA)の記憶データはすべて「0」にリセットされる。
さらに、401ゲーム目以降、同様にして第2期(P2)、第3期(P3)、…、第14期(P14)の記憶領域への各データの格納・記憶が行われる。その際、直近のデータは第1期(P1)の記憶領域に格納され、以前のデータは1期ずつシフトしてデータ内容を上書きしていく。
そして、例えば5999ゲーム目において、図20に示すように、第1期(P1)〜第14期(P14)までの記憶領域に各データが格納・記憶され、作業領域(SA)に、5601〜5999ゲームまでのゲーム数カウンタによるゲーム数「399」、再遊技役の入賞回数「162」、メダル投入枚数「1197」、メダル払出枚数「3894」、役入賞によるメダル払出枚数「2094」、SB入賞によるメダル払出枚数「0」、CT入賞によるメダル払出枚数「0」、RB入賞によるメダル払出枚数「1800」が記憶されている場合に、次の6000ゲーム目になると、図21に示すように、ゲーム数カウンタのデータとして作業領域に記憶されていた値「399」に「1」を加算した「400」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶され、メダル投入枚数として作業領域に記憶されていた値「1197」に「3」を加算した「1200」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶されるとともに、再遊技役の入賞回数、メダル払出枚数(総数)、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数それぞれの累積値として作業領域に記憶されていた「162」,「3894」,「2094」,「0」,「0」,「1800」が第1期(P1)の記憶領域に格納・記憶される。また、それまで第1期(P1)に格納されていた各データは第2期(P2)に転送され、以降、第3期(P3)、第4期(P4)、…、第15期(P15)にそれぞれ転送される。
さらに、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の上記した各データの合計分(PS)の記憶領域には、1〜6000ゲームにおけるゲーム数カウンタによるゲーム数、再遊技役の入賞回数、メダル投入枚数、メダル払出枚数、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数の累積値が記憶され、それまでの総累計も記憶される。なお、6000ゲーム目では、図21に示すように作業領域(SA)の記憶データはすべて「0」にリセットされる。
また、図21に示すように、1〜6000ゲームにおける中期出玉率(%)「105.84、中期役物比率「0.23」、中期連続役物比率「0.23」が、出玉率算出手段112cにより導出され、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の各1Bの所定領域に格納・記憶される。
さらに、6399ゲーム目には、図22に示すように、第1期(P1)〜第15期(P15)までのすべての記憶領域に各データが格納・記憶された状態であり、例えば作業領域(SA)に、6399ゲームまでのゲーム数カウンタによるゲーム数「399」、再遊技役の入賞回数「162」、メダル投入枚数「1197」、メダル払出枚数「3400」、役入賞によるメダル払出枚数「1600」、SB入賞によるメダル払出枚数「0」、CT入賞によるメダル払出枚数「0」、RB入賞によるメダル払出枚数「1440」が記憶されているとすると、次の6400ゲーム目には、図20に示すように、ゲーム数カウンタのデータとして作業領域に記憶されていた「399」に「1」を加算した「400」が、最先にデータ記憶された第1期(P1)の記憶領域に上書きされて格納・記憶され、メダル投入枚数として作業領域に記憶されていた「1197」に「3」を加算した「1200」が第1期(P1)の記憶領域に上書きされて格納・記憶されるとともに、再遊技役の入賞回数、メダル払出枚数(総数)、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数それぞれの累積値として作業領域に記憶されていた「162」,「4000」,「1840」,「0」,「0」,「2160」が第1期(P1)の記憶領域に上書きされて格納・記憶される。なお、作業領域(SA)の記憶データはすべて「0」となる。その際、それまで第1期(P1)に格納されていた各データは第2期(P2)に転送され、以降、第3期(P3)、第4期(P4)、…、第15期(P15)にそれぞれ転送され、第15期(P15)に格納されていた最先のデータは上書きされて格納・記憶される。
一方、6399ゲームまでの中期出玉率(%)、中期役物比率、中期連続役物比率は、第1期(P1)ないし第15期(P15)の記憶領域に記憶されている1〜6000ゲームまでと変更がなく(図21参照)、図22に示すように、中期出玉率(%)「105.84」、中期役物比率「0.23」、中期連続役物比率「0.23」の各値が継続して記憶され、投入・払出枚数格納手段653の各1Bの所定領域に格納・記憶される。また、6400ゲーム目になると、第15期(P15)の記憶領域が上書きされるため、第1期(P1)ないし第15期(P15)の記憶領域に記憶されているデータがそれまで記憶されていた1〜6000ゲーム分のデータから変更されることになり、その結果図20に示すように、401〜6400ゲーム分の中期(6000ゲーム分)のデータに基づき、中期出玉率(%)「110.33」、中期役物比率「0.24」、中期連続役物比率「0.24」が出玉率算出手段112cにより新たに計算されて導出され、投入・払出枚数格納手段653の各1Bの所定領域に格納・記憶される。
また、6800ゲーム目には、図24に示すように、ゲーム数カウンタのデータとして作業領域に記憶されていた「399」に「1」を加算した「400」が、最先にデータ記憶された第15期(P15)の記憶領域に上書きされて格納・記憶され、メダル投入枚数として作業領域に記憶されていた「1197」に「3」を加算した「1200」が第2期(P2)の記憶領域に上書きされて格納・記憶されるとともに、再遊技役の入賞回数、メダル払出枚数(総数)、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数それぞれの累積値として作業領域に記憶されていた「165」,「10100」,「100」,「0」,「5000」,「25000」が第1期(P1)の記憶領域に上書きされて格納・記憶される。なお、作業領域(SA)の記憶データはすべて「0」となる。
そして、6800ゲーム目には、上記したように第15期(P15)の記憶領域のデータが上書きされて変更されるため、第1期(P1)ないし第15期(P15)の記憶領域に記憶されているデータがそれまで記憶されていた401〜6400ゲーム分のデータから変更されることになり、その結果図21に示すように、801〜6800ゲーム分の中期のデータに基づき、中期出玉率(%)「163.11」、中期役物比率「0.33」、中期連続役物比率「0.50」が出玉率算出手段112cにより新たに計算されて導出され、投入・払出枚数格納手段653の各1Bの所定領域に格納・記憶される。
さらに、RWM65の投入・払出枚数格納手段653の上記した各データの合計分(PS)の記憶領域には、801〜6800ゲームの中期におけるゲーム数カウンタによるゲーム数、再遊技役の入賞回数、メダル投入枚数、メダル払出枚数、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数、AT許容状態のゲーム数、AT非許容状態のゲーム数、AT許容状態の比率、AT許容初当り回数の総累積が記憶される。なお、6800ゲーム目では、図25に示すように作業領域(SA)の記憶データはすべて「0」にリセットされる。
そして、このようにしてRWM65に記憶された複数種類の集計データを用いて演算された複数種類の遊技履歴データが、遊技履歴表示手段69に図25に示すように表示される。
ところで、遊技履歴表示手段69には、演算手段121よる演算結果を含む複数種類の遊技履歴データが、図25に示すような(1)「連続役物比率(6000ゲーム)」、(2)「役物比率(6000ゲーム)」、(3)「連続役物比率(設置時からの累計)」、(4)「役物比率(設置時からの累計)」、(5)「AT許容状態比率(設置時からの累計)」、(6)「AT許容状態当選確率」の順番で順次繰り返し表示される。具体的には、表示順(1)として、間近6000ゲームにおけるRB入賞による連続役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「AA」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、次の表示順(2)として、間近6000ゲームにおけるCT,SB,RB入賞による役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った値(百分率)が遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「Ab」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示される。このとき、例えば6000ゲームに達していないときには上位2桁セグメントは点滅表示される。
さらに、表示順(3)として、設置以降の累計ゲームにおけるRB入賞による連続役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bA」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、表示順(4)として、設置以降の累計ゲームにおけるCT,SB,RB入賞による役物払出枚数を総メダル払出枚数で割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bb」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、表示順(5)として、設置以降の累計ゲームにおけるAT許容状態であったゲームの占める割合(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bC」、および、下位2桁のセグメントによりその割合(%)が一定期間表示される。表示順(6)として、設置以降の累計ゲームにおけるAT許容状態当選回数の累計をAT非許容状態である累計ゲームで割った値(分子を1とした分母の3ケタ)が、遊技履歴表示手段69の上位1桁のセグメントにより略記「d」、および、下位3桁のセグメントにより分母の3桁表示(1/1000の場合は、999表示)される。そして、これらの表示(1)〜(6)が一定期間ごとに順次繰り返し表示される。なお、「役物比率」とは、遊技機から払い出されるメダルのうち役物が作動している状態で払い出されるメダル等の比率であり、「連続役物比率」とは、遊技機から払い出されるメダルのうち役物連続作動装置の作動時のRB入賞において払い出されるメダル等の比率である。
したがって、第1実施形態によれば、遊技履歴表示手段69の表示を確認することにより、より詳細に不正を判定することができる。
また、中期(6000ゲーム分)にわたる中期出玉率(%)、中期役物比率、中期連続役物比率を出玉率算出手段112cにより計算して導出するため、出玉率の管理や中期役物比率、中期連続役物比率の管理を容易に行うことができる。
なお、第1実施形態の変形例において、メイン制御基板63にRWM65のほかに別途RWMを設け、上記した第1期(P1)〜第15期(P15)の各期分のデータを、1ゲーム単位で履歴をチェックできるように、少なくとも再遊技役の入賞回数、メダル投入枚数、メダル払出枚数、役入賞によるメダル払出枚数、SB入賞によるメダル払出枚数、CT入賞によるメダル払出枚数、RB入賞によるメダル払出枚数等の遊技情報のデータを1ゲームごとに格納・記憶するようにしてもよい。このとき、RWM65の容量に余裕があれば、RWM65の未使用領域を利用するのが望ましい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図26ないし図32を参照して説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態の基本的な構成および動作はほぼ同じであるため、以下では、上記した第1実施形態と異なる点について説明することとし、第1実施形態と同様の構成・動作については、同一符号を引用することにより説明を省略するものとする。
第2実施形態では、設定ゲーム数を短期の400ゲーム、中期の6000ゲーム、長期の17500ゲームの3種類が設定される。これは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の第20条第5項の規定に基づく国家公安委員会の指定試験機関である保安通信協会、いわゆる保通協の型式試験における出玉率の基準とされている短期400ゲーム、中期6000ゲーム、長期17500ゲームに対応したものである。
そして、図26に示すように、現在の短期(400ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数を記憶する各2Bの現世代短期記憶領域MsTをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成するとともに、1世代前の短期(400ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数に加えて、図7の遊技数カウンタ652等のゲーム数カウンタによるゲーム数および短期出玉率(%)の各2Bの1世代前短期記憶領域MsBをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成し、さらに400ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数、ゲーム数および短期出玉率(%)を記憶する各4Bの領域に加えて、複数の短期世代分つまり400ゲームごとの短期出玉率(%)およびその間の払出異常による短期出玉NG回数を記憶する2Bの領域から成る累積短期記憶領域MsSをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成する第1の点が、第2実施形態において第1実施形態と異なる。これら現世代短期記憶領域MsT、1世代前短期記憶領域MsBおよび累積短期記憶領域MsSの容量は32Bとなり、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域を用いて形成することができる。
さらに、上記した累積短期記憶領域MsSに6000ゲーム分のデータが記憶されることに基づき、中期(6000ゲーム分)ごとのデータを記憶するために、図27に示すように、現在の中期(6000ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、RB入賞によるRBメダル払出枚数、RB,SB,CT入賞による役物メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数および図7の遊技数カウンタ652等のゲーム数カウンタによるゲーム数を記憶する各2Bの現世代中期記憶領域MmTをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成するとともに、1世代前の中期(6000ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、RBメダル払出枚数、役物メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数を記憶する各2Bの領域に加えて、それまでの6000ゲームにおける中期出玉率(%)を記憶する2Bの領域、およびRB,SB,CT入賞による中期役物比率、RB入賞による中期連続役物比率を記憶する各1Bの領域から成る1世代前中期記憶領域MmBをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成し、さらに6000ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、RBメダル払出枚数、役物メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数を記憶する各4Bの領域に加えて、複数の中期の世代分つまり6000ゲームごとの中期出玉率(%)およびその間における中期出玉NG回数を記憶する各2Bの領域、6000ゲームごとのRB,SB,CT入賞による中期役物比率を記憶する1Bの領域およびその間における中期役比NG回数を記憶する2Bの領域、さらにRB入賞による中期連続役物比率を記憶する1Bの領域およびその間における中期連役比NG回数を記憶する2Bの領域から成る累積中期記憶領域MmSをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成する第2の点が、第3実施形態において第1実施形態と異なる。これら現世代中期記憶領域MmT、1世代前中期記憶領域MmBおよび累積中期記憶領域MmSの容量は56Bとなり、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域を用いて形成することができる。
また、長期(17500ゲーム分)ごとのデータを記憶するために、図28に示すように、現在の長期(17500ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数および図7の遊技数カウンタ652等のゲーム数カウンタによるゲーム数を記憶する各2Bの現世代長期記憶領域MlTをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成するとともに、1世代前の長期(17500ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数を記憶する各2Bの領域に加えて、それまでの17500ゲームにおける長期出玉率(%)を記憶する2Bの領域を記憶する2Bの領域から成る1世代前長期記憶領域MlBをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成し、さらに17500ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数を記憶する各4Bの領域に加えて、複数の長期世代分つまり17500ゲームごとの長期出玉率(%)およびその間における長期出玉NG回数を記憶する各2Bの領域から成る累積長期記憶領域MlSをRWM65の投入・払出枚数格納手段653に形成する第3の点が、第3実施形態において第1実施形態と異なる。これら現世代長期記憶領域MlT、1世代前長期記憶領域MlBおよび累積長期記憶領域MlSの容量は32Bとなり、RWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域を用いて形成することができる。
そして、現世代短期記憶領域MsT、1世代前短期記憶領域MsBおよび累積短期記憶領域MsSへの記憶動作について具体的に数値例を挙げて説明すると、例えば399ゲーム目において、図29に示すように、RWM65の未使用領域に形成された現世代短期記憶領域MsTにメダル投入枚数「1197」、メダル払出枚数「600」、再遊技役の入賞回数「53」およびゲーム数「399」が格納・記憶される。一方、400ゲームに達していないため、1世代前短期記憶領域MsBに記憶されるメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数および短期出玉率(%)はいずれも「0」であり、同様に、累積短期記憶領域MsSに記憶されるメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数、短期出玉率および短期出玉NG回数はいずれも「0」である。
そして、400ゲーム目になると、図30に示すように、現世代短期記憶領域MsTに記憶されていたメダル投入枚数「1197」の「3」を加算した「1200」が1世代前短期記憶領域MsBに格納・記憶され、メダル払出枚数は変更なく「600」、再遊技役の入賞回数の変更なく「53」が1世代前短期記憶領域MsBに記憶され、ゲーム数としてそれまで記憶されていた「399」に「1」を加算した「400」、短期出玉率「50(%)」が1世代前短期記憶領域MsBに格納・記憶される。また、累積短期記憶領域MsSには、メダル投入枚数「1200」、メダル払出枚数「600」、再遊技役の入賞回数「53」、短期出玉率(%)「50」および短期出玉NG情報「0」が格納・記憶される。
また、401ゲーム目になると、図31に示すように、現世代短期記憶領域MsTには、メダル投入枚数「3」、メダル払出枚数「6」、再遊技役の入賞回数の変更なく「0」、ゲーム数「1」が現世代前短期記憶領域MsTに格納・記憶される。また、1世代前短期記憶領域MsBおよび累積短期記憶領域MsSには、図30と同じ400ゲームまでのデータが格納・記憶される。
さらに、2世代にわたる短期の800ゲーム目になると、図32に示すように、現世代短期記憶領域MsTに記憶されていたメダル投入枚数「1197」の「3」を加算した「1200」が1世代前短期記憶領域MsBに格納・記憶され、メダル払出枚数として例えば「3800」、再遊技役の入賞回数として例えば「55」が1世代前短期記憶領域MsBに記憶され、短期出玉率(%)として例えば「317」が1世代前短期記憶領域MsBに格納・記憶される。また、累積短期記憶領域MsSには、2世代の短期にわたるメダル投入枚数「2400」が格納・記憶され、メダル払出枚数として例えば「4400」、再遊技役の入賞回数として例えば「108」、短期出玉率(%)として例えば「183」および短期出玉NG回数として例えば「1」が格納・記憶される。
ところで、上記した現世代中期記憶領域MmT、1世代前中期記憶領域MmB、累積中期記憶領域MmS、および、現世代長期記憶領域MlT、1世代前長期記憶領域MlB、累積長期記憶領域MlSへの記憶動作も、上記した現世代短期記憶領域MsT、1世代前短期記憶領域MsBおよび累積短期記憶領域MsSへの記憶動作と同様である。また、このようにしてRWM65に記憶された複数種類の集計データを用いて演算された複数種類の遊技履歴データが、上記した第1実施形態と同様、遊技履歴表示手段69に表示される。
したがって、第2実施形態によれば、短期(400ゲーム分)、中期(6000ゲーム分)、長期(17500ゲーム分)のメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞回数、短期・中期・長期出玉率、中期役物比率、中期連続役物比率をRWM65の所定の記憶領域に記憶するため、短期(400ゲーム分)、中期(6000ゲーム分)、長期(17500ゲーム分)の遊技情報を簡単にチェックすることができ、遊技履歴表示手段69の表示を確認することにより、より詳細な不正の判定を行うことができ、しかも長期を対象にすることによって、一層詳細な不正の判定を行うことが可能になる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図33および図34を参照して説明する。なお、第3実施形態は本発明の遊技機を弾球遊技機であるパチンコ遊技機に適用した例であり、基本的な電気的な構成および動作は、上記した第1実施形態とほぼ同じであるものとし、以下では、上記した第1実施形態と異なる点について説明することとし、第1実施形態と同様の構成・動作については、同一符号を引用することにより説明を省略するものとする。
パチンコ遊技機の場合、上記したスロットマシン1とは異なり、所定集計基準や設定集計基準は球の発射数もしくは遊技(プレイ)時間で表現されるため、図33に示すように、第4実施形態では、発射球が短期6000発を所定集計基準としてこれを第1期(Q1)とし、設定集計基準である中期60000発までの第10期(Q10)にわたる遊技情報をRWM65の未使用領域に記憶するようにし、1期あたり6000発(短期)として10期分の合計60000発分(中期)のデータを記憶するリングバッファ構成の記憶領域をRWM65に形成している点が第1実施形態と大きく異なる。
図33に示すように、例えば第1期(Q1)分のデータを記憶するために、RWM65の未使用領域に6000発分の図5の遊技数カウンタ652と同様の発射球カウンタによる発射球数、払い出された遊技球の総和を表す総賞球数、チャッカーへの入賞による入賞払出球数、第1種/第2種非電動役物への入賞による第1種/第2種非電動役物払出球数、普通電動役物への入賞による普通電動役物払出球数、特別電動役物Aへの入賞による特別電動役物A払出球数、特別電動役物Bへの入賞による特別電動役物B払出球数を記憶する各2Bの記憶領域、および第1〜10期(Q1〜Q10)の合計分(QS)について2Bの記憶領域がRWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域に形成される。そして、これら発射球数、総賞球数、入賞払出球数、第1種/第2種非電動役物払出球数、普通電動役物払出球数、特別電動役物A払出球数、特別電動役物B払出球数の累積値が、RWM65の投入・払出枚数格納手段653のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域に設けられた作業領域(SA)を用いて記憶される。
また、図33に示すように、第1期(Q1)〜第10期(Q10)それぞれにおける短期出玉率NGフラグを記憶するために1Bずつの記録領域がRWM65に形成される。さらに、中期出玉率(賞球÷60000)、特別電動役物A,Bの合計払出球数の賞球に対する比率である特別電動役物比率、および、第1種役物/第2種非電動役物・普通電動役物・特別電動役物A,Bの合計払出球数の賞球に対する比率である役物比率を記憶するために各1Bずつの記憶領域がRWM65に形成される。なお、パチンコ遊技機の場合、風営法の規則により、中期出玉率は0.5〜2.0、特別電動役物比率は0.6未満、役物比率は0.7未満となるように設計しなければならない。
なお、図33の第1期(Q1)ないし第10期(Q10)におけるRWM65の各記憶領域への記憶動作、および、遊技履歴表示手段69、表示制御手段120による表示処理は、上記した第1実施形態とほぼ同様であり、詳細な説明は省略するが、遊技履歴表示手段69による表示パターンの例として、図34に示すような表示が行われる。
遊技履歴表示手段69には、出玉率算出手段112cによる演算結果を含む複数種類の遊技履歴データが、図34に示すような(a)「特別電動役物比率(60000球払出)」、(b)「役物比率(60000球払出)」、(c)「特別電動役比率(設置時からの累計)」、(d)「役物比率(設置時からの累計)」、(e)「役物連続作動装置の作動の当選確率(設置時からの累計)」順番で順次繰り返し表示される。具体的には、表示順(a)として、間近60000球払出における連続作動装置の作動に基づく特別電動役物での払出枚数を6000で割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「AA」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、次の表示順(b)として、間近60000球払出における第1種/第2種非電動役物、普通電動役物、特別電動役物での払出球数を60000で割った値(百分率)が遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「Ab」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示される。
さらに、表示順(c)として、設置以降の役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物での払出球数を総払出球数で割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bA」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、表示順(d)として、設置以降の第1種/第2種非電動役物、普通電動役物、特別電動役物での払出球数を総払出球数割った値(百分率)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bb」、および、下位2桁のセグメントによりその百分率の下2桁(%)が一定期間表示され、表示順(e)として、設置以降の低確率状態における役物連続作動装置の作動の当選回数の累計を低確率状態での総回転数で割った値(分子を1とした分母の3桁)が、遊技履歴表示手段69の上位2桁のセグメントにより略記「bC」、および、下位2桁のセグメントによりその割合(%)が一定期間表示される。そして、これらの表示(a)〜(e)が一定期間ごとに順次繰り返し表示される。なお、「役物比率」とは、遊技機から払い出される出球のうち役物が作動している状態で払い出される出球の比率であり、「特別電動役物比率」とは、遊技機から払い出される出球のうち特別電動役物(アタッカー)が作動している状態で払い出される出球の比率である。
したがって、第3実施形態によれば、パチンコ遊技機における遊技情報を、スロットマシン同様、簡単にチェックすることができ、遊技履歴表示手段69の表示を確認することにより、より詳細な不正の判定を行うことができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について図35を参照して説明する。なお、第4実施形態は本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例であり、上記した第3実施形態と同様、基本的な電気的な構成および動作は、上記した第1実施形態とほぼ同じであるものとし、以下では、上記した第1実施形態および第3実施形態と異なる点について説明することとし、第1、第3実施形態と同様の構成・動作については、同一符号を引用することにより説明を省略するものとする。また、遊技履歴表示手段69、表示制御手段120による表示処理は、第3実施形態と同様である。
図35に示すように、第4実施形態では、払い出された遊技球の総和を表す総賞球数が短期12000発を所定集計基準としてこれを第1期(Q1)とし、設定集計基準である中期120000発までの第10期(Q10)にわたる遊技情報をRWM65の未使用領域に記憶するようにし、1期あたり12000発(短期)として10期分の合計120000発分(中期)の合計分(QS)データを記憶するとともに、工場出荷時からの累積分(QC)データを記憶するリングバッファ構成の記憶領域をRWM65に形成している点が第1実施形態および第4実施形態と大きく異なる。すなわち、第5実施形態では、第4実施形態のように発射球の数で所定集計基準を定めているのではなく、払い出された遊技球の総和を表す総賞球数で所定集計基準を定めている。なお、第1期(Q1)〜第10期(Q10)分のデータとして、それぞれ数値データが記憶される。
図35に示すように、例えば第1期(Q1)分のデータを記憶するために、RWM65の未使用領域に、払い出された遊技球の総和を表す総賞球数、チャッカーへの入賞による入賞払出球数、普通電動役物への入賞による普通電動役物払出球数、特別電動役物への入賞による特別電動役物払出球数を記憶する各2Bの記憶領域、および第1〜10期(Q1〜Q10)の合計分(QS)について3Bの記憶領域、および、工場出荷時からの総賞球数の累積、入賞払出球数の累積、普通電動役物払出球数の累積、特別電動役物払出球数の累積を記憶する累計分(QC)についての4Bの記憶領域がRWM65のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域に形成される。そして、これら総賞球数、入賞払出球数、普通電動役物払出球数、特別電動役物払出球数の累積値が、RWM65の投入・払出枚数格納手段653のアドレスF200Hを先頭とする512Bの未使用領域に設けられた作業領域(SA)を用いて記憶される。なお、図35の第1期(Q1)ないし第10期(Q10)におけるRWM65の各記憶領域への記憶動作は、上記した第2実施形態とほぼ同様であり、詳細な説明は省略する。
このとき、総賞球数、入賞払出球数、普通電動役物払出球数、特別電動役物払出球、特別電動役物賞球比率、役物賞球比率は、合計分(QS)の記憶領域の記憶データを読み出すことで、クレジット表示器45や液晶表示器27等の表示装置に表示され、入賞払出球数の累積、普通電動役物払出球数の累積、特別電動役物払出球の累積、特別電動役物賞球比率および役物賞球比率の総累積についても累積分(QC)の記憶領域の記憶データを読み出すことによって表示され、役物賞球比率が所定値を満たすかどうか(普通役物比率<0.6、電動役物比率<0.7)によって、不正の有無が判断できるようになっている。
したがって、第4実施形態によれば、第3実施形態と同様、パチンコ遊技機における遊技情報を簡単にチェックすることができ、遊技履歴表示手段69の表示を確認することにより、より詳細な不正の判定を行うことができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、上記した複数種類の遊技履歴データには、遊技機が遊技場に設置された以後の所定集計基準の累積を含むのが望ましい。
また、上記した遊技履歴表示手段69は、表示する対象である遊技履歴データの種類を特定可能に表示する第1表示制御手段と、当該遊技履歴データを特定可能に表示する第2表示制御手段とを備えていてもよい。こうすると、上記した第1実施形態のように、4個のセグメントにより種類とデータを同時に表示することができるほか、種類を所定時間表示した後にそのデータの表示に切り換えることができ、多様な表示が可能になる。
また、上記した第1、第2実施形態では、AT(アシストタイム)遊技が可能なスロットマシン1(回動式遊技機)に本発明を適用した場合について説明したが、上記のAT機能を有しないスロットマシン(回動式遊技機)であっても本発明を同様に適用することができる。要するに、RWM65の投入・払出枚数格納手段653に、所定ゲーム数である1ゲームごとのメダル投入枚数、メダル払出枚数、再遊技役の入賞の成否といった遊技情報を記憶できる構成であればよい。
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1およびパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技媒体としてのパチンコ球を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。
また、上記した第1、第2実施形態における各リール13L,13M,13Rに代えて、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用い、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させるように構成してもよい。また、回転リールの数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数に設定すればよい。
そして、回胴式遊技機、パチンコ遊技機などの遊技機に対して、本発明を広く適用することが可能である。
また、上記した第1、第2実施形態で説明したスロットマシンにおいて、所定集計基準である所定ゲーム数、設定集計基準である設定ゲーム数を任意に設定することが可能であるのは勿論であり、第3実施形態で説明したパチンコ遊技機の場合にも、所定集計基準や設定集計基準である球数を任意に設定することができるのはいうまでもない。
また、図7の投入・払出枚数格納手段653に格納されたデータは、特定処理を行うことによって、メイン制御基板63から外部に読み出すことが可能である。
また、図7の投入・払出枚数格納手段653に格納された遊技情報は、クレジット表示器45や液晶表示器27等の表示装置で外部から確認することが可能である。
また、図3、図7のRWM65は、筐体3の電源をOFFにしてもデータが消去されることなく保持される構造になっている。
また、図7の投入・払出枚数格納手段653に格納されたデータは外部からの操作によってデータが消去されることがない構造になっている。
また、図7の投入・払出枚数格納手段653に格納されたデータに基づいて、不正行為が行われている可能性が高いと判断された場合、遊技を停止したり、出玉を制限したりすることも可能である。
また、設定集計基準において、出玉率や出玉NG情報等の合計値が規定値を超えたときや、一定期間以上連続して、出玉NG情報がNGを示しているときなどに、不正行為が行われている可能性が高いと判断される。
また、上記した遊技履歴監視処理について、出玉率が上限値を超えていることの報知については、特定役物比率や各種役物比率が上限値を超えているときに報知してもよく、報知様態も履歴や超過の度合いに応じて段階的にすることも可能である。例えば、1回の所定集計基準において上限値を超えた場合は第1の報知様態とし、連続した所定集計基準において上限値を超えた場合は第2の報知様態とするようなものとしたり、特定役物比率が7割を超えた場合は第1の報知様態とし、特定役物比率が8割を超えた場合は第2の報知様態としたりするようなものである。