JP6678826B1 - 電力制御器 - Google Patents

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Abstract

演算処理部(3A)は、負荷(5)に供給する電力を調整するための操作量を演算する。信号生成部(4)は、操作量に基づいて、複数のスイッチ素子(S1)〜(Sn)のうちオンとするスイッチ素子数、および、オンとするスイッチ素子数に設定する時比率を演算し、決定したスイッチ素子数および時比率に基づいて、複数のスイッチ素子(S1)〜(Sn)のうちの少なくとも1つを駆動させる信号を生成する。信号生成部(4)は、スイッチ素子を流れるシャント電流とスイッチ素子を駆動するシャント駆動信号のオンパルス幅の差に基づいて、補正値を求める補正値演算部と、補正値に基づいて、演算処理部の出力する操作量を補正する補正部とを含む。

Description

本発明は、電力制御器に関する。
負荷に対して供給する電力量を制御するために電力制御器が用いられる。例えば、人工衛星では、およそ50Vまたは100Vの安定化された電圧をバス電源として搭載機器に供給するために電力制御器が利用されている。たとえば、人工衛星用の電力制御器は、日照時に複数の太陽電池アレイから発生する電力を負荷への供給するとともに、特定の太陽電池アレイ出力を短絡(以下、シャントと称する)することによって、電力バスの電圧の上昇を抑える。
このような電力制御器においては、要求される発生電力の大きさに応じて太陽電池アレイの構成段数が決定される。従来、太陽電池アレイの構成段数は10段から40段程度で構成されており、それぞれの太陽電池アレイにシャントを行うスイッチ素子が並列に接続されている。すなわち、シャントを行うスイッチ素子は太陽電池アレイの構成段数と同数備えられている。なお、太陽電池アレイとスイッチ素子の構成段数をシャント段数と称することとする。
このようなシャント方式の電力制御器では、個々の太陽電池アレイに並列に接続された電界効果型トランジスタから成るスイッチ素子をオンまたはオフに駆動することでシャント又は開放の切り替えを行っている。このスイッチ素子のオンとオフの切り替え動作(以下、スイッチングと称する)にはスイッチング損失による発熱を伴う。電力制御器の設計を行う際には、スイッチ素子の発熱が最大となる条件に耐えられるよう熱設計を行うため、個々のスイッチ素子で想定される最大発熱量が大きくなるほど電力制御器の大型化に繋がる。
このため、スイッチ素子の発熱を均一化することで個々のスイッチ素子の最大発熱量を抑制し、電力制御器の小型軽量化を可能とする方式が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この方式では、電力制御器は、制御周期毎に電力の供給状態の過不足分に基づいて、電力の供給とシャントを行う割合(シャント率)を決定し、このシャント率に基づいてスイッチ素子のオン時間を算出する。均質に割り振られたタイミング信号によって各スイッチ素子を順次駆動される。これによって、すべてのスイッチ素子のスイッチング回数が均一化され、個々のスイッチ素子のスイッチング回数は、電力制御器全体で行うスイッチング回数と比較してシャント段数分の1にまで低減される。これにより、スイッチ素子で発生する発熱が均一化されて、最大発熱量を抑制することができるので、熱設計の条件を緩和することができ、小型軽量化が可能となる。
特開2014−71554号公報
特許文献1に開示された電力制御器では、電力制御器全体で行うスイッチングを全てのスイッチ素子に分散させている。個々のスイッチ素子のスイッチング回数は、電力制御器で行うスイッチング回数と比較してシャント段数分の1に低減される。一方で、この動作を実現するために、電力制御器は、均質に割り振られたタイミング信号によって決定される制御周期ごとに、1段ずつ順次スイッチ素子のオン時間を決定し、スイッチ素子を駆動する。このため、全てのスイッチ素子を駆動するために制御周期のシャント段数倍の時間が必要となり、応答性が悪かった。
例えば、負荷の消費電力が変動した際などのようにバス電圧を維持するためにシャント率を変更する必要が生じた際に、全てのスイッチ素子のシャント率を変更するために制御周期のシャント段数倍の時間が必要となる。これによって、シャント段数に依存した制御遅れが生じ、場合によってはバス電圧を維持できず、機器の破壊に至るおそれがあった。
この制御遅れによるバス電圧の変動を許容範囲内に収めるためには、電力バスに並列に接続されるキャパシタ(バスキャパシタ)の大容量化等の対策が必要となるので、電力制御器の小型化を妨げてしまうという問題があった。
また、制御周期を短くすることによって制御遅れを短縮して、応答性を改善することも可能であるが、スイッチング回数が増加するので、個々のスイッチ素子の発熱量もスイッチング回数に比例して増加する。その結果、発熱の均一化による最大発熱量の抑制効果が相殺され、小型軽量化を阻害するという問題があった。
本発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、個々のスイッチ素子において発生する最大発熱量を抑制し、シャント段数に依存した制御遅れを解消し、かつ小型軽量化が可能な電力制御器を提供することを目的とする。
本発明は、複数の電源および負荷に接続される電力制御器であって、複数の電源に対応して設けられ、オンまたはオフに切り替えることにより、対応する電源からの電力を負荷に供給させるか、供給を停止させるかを切り替える複数のスイッチ素子と、負荷に供給する電力を調整するための操作量を演算する演算処理部と、操作量に基づいて、複数のスイッチ素子のうちオンとするスイッチ素子数、および、オンとするスイッチ素子数に設定する時比率を演算し、決定したスイッチ素子数および時比率に基づいて、複数のスイッチ素子のうちの少なくとも1つを駆動させる信号を生成する信号生成部とを備える。信号生成部は、スイッチ素子を流れるシャント電流とスイッチ素子を駆動するシャント駆動信号のオンパルス幅の差に基づいて、補正値を求める補正値演算部と、補正値に基づいて、演算処理部の出力する操作量を補正する補正部とを含む。
本発明によれば、個々のスイッチ素子において発生する最大発熱量を抑制し、シャント段数に依存した制御遅れを解消し、かつ小型軽量化を実現することができる。
実施の形態1に係る電力制御器の回路図である。 実施の形態1に係る電力制御器の信号生成部4の内部構成のブロック図である。 実施の形態1に変調部10の内部構成の一例を示す図である。 シャント量NDUTY_C、スイッチオン数MLPWM、およびスイッチ素子S1〜S4の状態の時間変化を表わすタイミングチャートである。 シャント量NDUTY_C、整数部Int、搬送波cw1、小数部PWM信号FPWM、およびスイッチオン数MLPWMの時間変化を表わすタイミングチャートである。 オフセット値OFFSET、およびスイッチ素子S1〜S4の状態の時間変化を表わすタイミングチャートである。 シャント駆動信号とシャント電流の波形を表わす図である。 補正値演算部13および補正部9の構成の一例を示すブロック図である。 補正値演算部13および補正部9の内部で伝送される信号のタイミングチャートである。 補正値演算部13および補正部9の内部で伝送される信号のタイミングチャートである。 パルス幅補正制御が無い場合のバス電圧Vbusの波形のシミュレーション結果を表わす図である。 パルス幅補正制御がある場合のバス電圧Vbusの波形のシミュレーション結果を表わす図である。 実施の形態1の変形例の変調部10および駆動判定部410の例を示す図である。 図13の変調部10および駆動判定部410で伝送される信号波形を表わすタイミングチャートである。 図13の変調部10および駆動判定部410で伝送される信号波形を表わすタイミングチャートである。 実施の形態2の電力制御器1の信号生成部4の内部構成を示すブロック図である。 シャント指令値SPと、JK型フリップフロップFFd1〜FFdnの出力x1〜xn、スイッチオン数MLPWMの時間変化を示すタイミングチャートである。 実施の形態2の変形例の電力制御器1の信号生成部4の内部構成の一部を示すブロック図である。 変形例の電力制御器を表わす図である。 演算処理部3Aおよび信号生成部4の機能をソフトウェアを用いて実現する場合の電力制御器の構成を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電力制御器の回路図である。
電力制御器1は、電力を供給する複数の直流電源I1〜In(nは3以上の整数)と、負荷5とに接続されている。電力制御器1は、複数の直流電源I1〜Inから負荷5に供給する電力量を制御する。
直流電源I1〜Inは、電力制御器1に対して電力を供給する。直流電源I〜Inは、たとえば、太陽電池アレイによって構成されるが、電力を供給する他の電源であってもよい。本実施の形態では、直流電源I1〜Inは人工衛星に搭載されているものとするが、これに限定されるものではなく、人工惑星、宇宙ステーションなどのような他の宇宙機、地上の装置、海上の装置、または空中の装置に設置されていてもよい。
電力制御器1は、例えば電界効果型トランジスタ(FET)により構成される複数のスイッチ素子S1〜Snと、ダイオードにより構成される逆流防止素子D1〜Dnと、電力バス2と、演算処理部3Aと、信号生成部4と、バスキャパシタCbusとを備える。
複数のスイッチ素子S1〜Snは、それぞれ直流電源I1〜Inに対応して設けられる。複数のスイッチ素子Si(i=1〜n)のオンまたはオフが切り替わることにより、対応する複数の直流電源Ii(i=1〜n)からの電力を負荷5に供給するか、または負荷5への供給を停止するかが切り替えられる。スイッチ素子S1〜Snは、直流電源I1〜Inにそれぞれ並列に接続される。これにより、スイッチ素子Si(i=1〜n)をオンすることにより、対応する直流電源Ii(i=1〜n)をシャントすることができるので、負荷5への電力の供給を停止することができる。スイッチ素子Si(i=1〜n)をオフすることにより、対応する直流電源Ii(i=1〜n)からの電力を負荷5に供給することができる。
スイッチ素子S1〜Snは、たとえば、電界効果型トランジスタ(FET)を用いたスイッチ素子で構成されるが、これに限定されるものではなく、他の種類のスイッチ素子で構成されるものとしてもよい。複数のスイッチ素子S1〜Snは、直流電源I1〜Inに並列に接続する構成としているが、この構成に限定されるものではない。スイッチ素子Si(i=1〜n)をオンまたはオフとすることにより、対応する直流電源Ii(i=1〜n)からの電力を負荷5に供給または供給停止できる構成であればよい。
逆流防止素子D1〜Dnは、直流電源I1〜Inに対応してそれぞれ設けられ、直流電源I1〜Inにそれぞれ直列に接続される。逆流防止素子D1〜Dnは、ダイオードを用いて構成される。逆流防止素子D1〜Dnは、直流電源I1〜Inに電流が逆流することを防止する。逆流防止素子D1〜Dnは、直流電源I1〜Inに電流が逆流することを防ぐ素子の一例であり、同様の機能を持つ他の素子に置き換えてもよい。
直流電源Ii(i=1〜n)は、対応するスイッチ素子Si(i=1〜n)のドレイン端子とソース端子との間に並列に接続される。直流電源Ii(i=1〜n)は、対応する逆流防止素子Di(i=1〜n)を介して電力バス2に接続される。直流電源Ii(i=1〜n)の正極とスイッチ素子Si(i=1〜n)のドレイン端子との接続ノードNDi(i=1〜n)は、逆流防止素子Di(i=1〜n)のアノード端子に接続される。逆流防止素子D1〜Dnのカソード端子は電力バス2に接続される。電力バス2には、バスキャパシタCbusと負荷5とが並列に接続される。
演算処理部3Aは、電力バス2の電圧に応じて、シャント指令値SPを生成する。シャント指令値SPは、電力制御器1全体でシャントを行なう操作量の指令値、すなわち、負荷5に供給する電力を調整するための操作量の指令値である。
演算処理部3Aは、電力バス2のバス電圧Vbusと、予め定められた制御目標値Vrefとの差分値に基づいて、シャント指令値SPを生成する。生成されたシャント指令値SPは、信号生成部4に送られる。
信号生成部4は、複数のスイッチ素子S1〜Snと演算処理部3Aとに接続される。信号生成部4は、演算処理部3Aから入力されるシャント指令値SPに基づいて、複数のスイッチ素子S1〜Snのうちオンとするスイッチ素子の数、および、オンとするスイッチ素子数に設定する時比率を制御周期ごとに決定する。時比率とは、オンにするスイッチ素子の制御周期に対するオンとなる時間の比率である。
信号生成部4の出力端子は、複数のスイッチ素子S1〜Snのゲート端子に接続される。信号生成部4から出力される駆動信号によってスイッチ素子S1〜Snがオンまたはオフに駆動される。
負荷5は、たとえば、人工衛星の搭載機器であり、電力制御器1に接続される。負荷5は、バッテリ等の蓄電装置であってもよく、充放電制御器を介して接続されていてもよい。
実施の形態1に示す電力制御器1は、複数の直流電源I1〜Inからの電力を、電力バス2を介して負荷5に供給する。負荷5への供給電圧はバスキャパシタCbusによって保持される。電力制御器1は、日照時に直流電源I1〜Inから発生する電力を負荷5へ供給しつつ、発生電力の余剰分を任意の時間間隔および比率で短絡(シャント)することによって、バス電圧Vbusの上昇を抑えるようにバス電圧Vbusを制御する。
次に、本実施の形態に示す電力制御器1の動作について説明する。実施の形態1では、演算処理部3Aは、バス電圧Vbusと予め定められた制御目標値Vrefとの差を減少させるために、シャント指令値SPを出力することによって、バス電圧Vbusが一定電圧となるように制御する。シャント指令値SPは、負荷5に供給する電力量を調整するための操作量でもある。
以下では、演算処理部3Aの動作として、バス電圧Vbusと制御目標値Vrefとの差を偏差Errorとし、PID(比例、積分、微分)制御を行う方式を例にして説明するが、この方式に限定されるものではない。制御目標値Vrefはバス電圧Vbusの定格値であり、50Vないし100Vが一般的に用いられるが、この値に限定されるものではない。
演算処理部3Aは、減算器31と、PID制御器32とを備える。
減算器31は、図示しない電圧検出器により検出された電力バス2のバス電圧Vbusと、予め定められた制御目標値Vrefとの差分を表わす偏差Errorを算出する。偏差Errorは式(1)で表される。
Error=Vbus−Vref・・・(1)
PID制御器32は、偏差Errorに対して比例、積分、および微分の演算を行い、それらを加算した信号をシャント指令値SPとして出力する。すなわち、シャント指令値SPは、定数KP、KI、およびKDを用いて、式(2)で表される。
式(2)における定数KP、KI、KDは、回路定数に応じて目標とするバス電圧一定制御が行えるよう、0以上の任意の数値が選定される。シャント指令値SPは、シャントを行うスイッチ素子の数の各制御周期における平均値を指示する数値である。シャント指令値SPは、実施の形態1に示す電力制御器では0〜nの任意の値である。シャント指令値SPが0のとき全発生電力を負荷5に供給し、シャント指令値SPがnのとき全発生電力をシャントし、負荷5への電力供給を停止することを意味する。
演算処理部3Aによって演算されたシャント指令値SPは、信号生成部4に伝達される。信号生成部4は、入力されたシャント指令値SPによって指定されたシャントを実現するために、オンにするスイッチ素子の数(以下、スイッチオン数と称する)と、オンにするスイッチ素子の制御周期に対するオンとなる時間の比率(以下、時比率と称する)を決定する。
信号生成部4は、スイッチオン数に基づいて、スイッチ素子S1〜Snの中の少なくとも1つを駆動する。信号生成部4は、スイッチオン数が減少する際には、駆動するスイッチ素子を入れ替える。すなわち、前回に駆動させたスイッチ素子と異なるスイッチ素子が駆動される。
図2は、実施の形態1に係る電力制御器の信号生成部4の内部構成のブロック図である。
信号生成部4は、タイミング信号発生部8と、サンプリング部7と、補正部9と、変調部10と、オフセット生成部11と、過電圧検出部12と、補正値演算部13と、駆動判定部410とを備える。
タイミング信号発生部8は、タイミング信号Tsmplを出力する。
サンプリング部7は、タイミング信号Tsmplの周期で図1のシャント指令値SPをサンプリングして、負荷5に供給する電力を調整するための操作量であるシャント量NDUTYを生成する。
補正部9は、シャント量NDUTYを補正して、補正されたシャント量NDUTY_Cを出力する。
変調部10は、補正されたシャント量NDUTY_Cに基づいて、スイッチオン数MLPWMを出力する。変調部10は、補正されたシャント量NDUTY_Cが整数値の場合には、整数値をスイッチオン数MLPWMとして出力する。変調部10は、補正されたシャント量NDUTY_Cが整数値でない場合には、整数部Intと、後述するFPWMとの和をスイッチオン数MLPWMとして出力する。
図3は、実施の形態1に変調部10の内部構成の一例を示す図である。
変調部10は、搬送波生成部401と、分割部406と、比較器403と、加算器405とを備える。
搬送波生成部401は、搬送波cw1を生成する。
分割部406は、補正部9から出力された補正後のシャント量NDUTY_Cを整数部Intと小数部Fracとに分割する。シャント量NDUTY_Cの有効範囲が0〜nであるので、整数部Intは0〜nの整数値、小数部Fracは0以上1未満の小数値となる。
比較器403は、小数部Fracと、搬送波cw1とを比較することによって、小数部PWM(Pulse Width Modulation)信号FPWMを生成する。小数部PWM信号FPWMは、任意の時比率で0または1の値をとる。小数部PWM信号FPWMの平均値は、小数部Fracとなる。
加算器405は、整数部Intと、小数部PWM信号FPWM(0または1)とを加算することによって、スイッチオン数MLPWMを算出する。算出されたスイッチオン数MLPWMは、図2の駆動判定部410に送られるとともに、オフセット生成部11に送られる。
再び、図2を参照して、オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMをオフセット値OFFSETに変換する。オフセット値OFFSETは、駆動判定部410に送られる。
オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMの減少を検出したときに、その減少分とオフセット値OFFSETとをnを法としたモジュロ加算することによって、オフセット値OFFSETを更新する。このオフセット値OFFSETは、駆動するスイッチ素子の起点を示す値であり、0〜(n−1)の整数値をとる。オフセット値OFFSETが0のときはスイッチ素子S1を起点とし、オフセット値OFFSETが1のときにはスイッチ素子S2を起点とする。
決定されたスイッチオン数MLPWMとオフセット値OFFSETとによって、スイッチ素子S1〜Snのうちのオンにするスイッチ素子の数と、オンするスイッチ素子の起点が確定するので、スイッチ素子S1〜Snの駆動状態(オン/オフ)を一意に決定することができる。
駆動判定部410は、判定器411−1〜411−nを備える。
判定器411−i(i=1〜n)は、スイッチ素子Si(i=1〜n)がオンにすべき範囲に属しているか否かを判定し、スイッチ素子Siを駆動させるかどうかを決定する。その判定方法の一例として、シャント番号i、シャント段数n、スイッチオン数MLPWM、およびオフセット値OFFSETから成る不等式(3)、(4)のいずれかを満足する時に、シャント番号iのスイッチ素子Siを駆動することができる。
OFFSET≦i<(OFFSET+MLPWM)・・・(3)
OFFSET≦(n+i)<(OFFSET+MLPWM)・・・(4)
図4は、シャント量NDUTY_C、スイッチオン数MLPWM、およびスイッチ素子S1〜S4の状態の時間変化を表わすタイミングチャートである。図5は、シャント量NDUTY_C、整数部Int、搬送波cw1、小数部PWM信号FPWM、およびスイッチオン数MLPWMの時間変化を表わすタイミングチャートである。図6は、オフセット値OFFSET、およびスイッチ素子S1〜S4の状態の時間変化を表わすタイミングチャートである。
図4〜図6において、横軸は時間の経過を示し、縦軸は各信号の状態を示す。ここでは説明を簡単にするため、シャント段数nが4の場合を例示するが、この値に限定されるものではない。
補正後のシャント量NDUTY_Cとして2.4と1.6を与えた場合の動作例が示されている。
第1および第2の制御周期では、補正後のシャント量NDUTY_Cとして2.4が入力される。
分割部406は、補正部9から出力された補正後のシャント量NDUTY_C(=2.4)を整数部Int(=2)と小数部Frac(=0.4)とに分割する。比較器403は、小数部Frac(=0.4)と、搬送波生成部401において生成された搬送波cw1とを比較することによって、小数部PWM信号FPWMを生成する。加算器405は、整数部Int(=2)と小数部PWM信号FPWM(0または1、平均値=0.4)とを加算することによって、スイッチオン数MLPWM(2または3)を算出する。
これによって、制御周期Tの40%において、スイッチオン数MLPWM=3となり、制御周期Tの60%においてスイッチオン数MLPWM=2となり、第1および第2の制御周期におけるスイッチオン数MLPWMの平均値は2.4となる。
第1制御周期の先頭のタイミングにおいて、スイッチオン数MLPWMは3となる。これによって、スイッチ素子S1を起点に3個のスイッチ素子S1、S2、S3がオンとなる。
第1制御周期内の次のタイミングで、スイッチオン数MLPWMが2に減少する。オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMの減少分(=1)とオフセット値OFFSET(0)とを4を法としたモジュロ加算することによって、オフセット値OFFSETを「1」に更新する。よって、駆動するスイッチ素子をローテーションしつつ、スイッチ素子S2を起点に2個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S2およびS3をオンにする。
2回目の制御周期の初期のタイミングにおいて、スイッチオン数MLPWMが3に増加するので、ローテーションは行わず、起点をスイッチ素子S2としたまま3個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S2、S3、S4をオンにする。
次に、2回目の制御周期の次のタイミングにおいて、スイッチオン数MLPWMが2に減少する。オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMの減少分(=1)とオフセット値OFFSET(1)とを4を法としたモジュロ加算することによって、オフセット値OFFSETを「2」に更新する。よって、スイッチ素子S3を起点として2個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S3およびS4をオンにする。
また、3回目と4回目の制御周期では、シャント指令値として1.6が入力されている。分割部406は、補正部9から出力された補正後のシャント量NDUTY_C(=1.6)を整数部Int(=1)と小数部Frac(=0.6)とに分割する。比較器403は、小数部Frac(=0.6)と、搬送波生成部401において生成された搬送波cw1とを比較することによって、小数部PWM信号FPWMを生成する。加算器405は、整数部Int(=1)と小数部PWM信号FPWM(0または1、平均値=0.6)とを加算することによって、スイッチオン数MLPWM(1または2)を算出する。
これによって、制御周期Tの60%において、スイッチオン数MLPWM=2となり、制御周期Tの40%においてスイッチオン数MLPWM=1となり、第3および第4の制御周期におけるスイッチオン数MLPWMの平均値は1.4となる。
第3制御周期の先頭のタイミングにおいて、スイッチオン数MLPWMが2の状態が続く。これによって、スイッチ素子S3とS4がオンで、スイッチ素子S1とS2の状態が続く。
第3制御周期内の次のタイミングで、スイッチオン数MLPWMが1に減少する。オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMの減少分(=1)とオフセット値OFFSET(2)とを4を法としたモジュロ加算することによって、オフセット値OFFSETを「3」に更新する。よって、駆動するスイッチ素子をローテーションしつつ、スイッチ素子S4を起点に1個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S4をオンにする。
第4制御周期の先頭のタイミングにおいて、スイッチオン数MLPWMが2に増加するので、ローテーションは行わず、起点をスイッチ素子S4としたまま2個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S4、S1をオンにする。
第4制御周期内の次のタイミングで、スイッチオン数MLPWMが1に減少する。オフセット生成部11は、スイッチオン数MLPWMの減少分(=1)とオフセット値OFFSET(3)とを4を法としたモジュロ加算することによって、オフセット値OFFSETを「0」に更新する。よって、駆動するスイッチ素子をローテーションしつつ、スイッチ素子S0を起点に1個のスイッチ素子をオンにする。すなわち、スイッチ素子S1をオンにする。
以上のように、制御周期ごとにオンにする起点のスイッチ素子が変化することで、スイッチング動作を全てのスイッチ素子S1〜S4に分散させることができ、1つのスイッチ素子のスイッチングの切替のタイミングは、4回の制御周期4T中で1回まで低減される。
この結果、シャント段数がn段の電力制御器1を全体でみると制御周期と同じ周期でスイッチングを行いつつ、個々のスイッチ素子S1〜Snは制御周期のn回ごとにスイッチング動作が行われることとなる。個々のスイッチ素子S1〜Snのスイッチング回数が電力制御器1の全体のスイッチング回数の1/nに低減されるので、スイッチ素子S1〜Snに要求される発熱条件が抑制される。制御周期ごとに全てのスイッチ素子の状態を決定して駆動するため、シャント段数nに依存した制御遅れが発生しない。
実施の形態1に示す電力制御器では、上述のようにスイッチオン数が減少する際に、起点となるスイッチ素子をローテーションさせているので、オンとなっている複数のスイッチ素子のうち最もオン時間が長くなっているスイッチ素子をオフにする。また、同様に、スイッチオン数が増加する際に、起点となるスイッチ素子からスイッチオン数分のスイッチ素子をオンとさせるため、オフとなっている複数のスイッチ素子のうち最もオフ時間が長くなっているスイッチ素子をオンに駆動する。なお、ここではスイッチオン数が1つ減少する場合について示したため、起点となるスイッチ素子が1つローテーションするような構成となっているが、スイッチオン数が2つ以上減少する場合には、その数に応じてローテーションするようにすることもできる。
なお、図2において、タイミング信号Tsmplの周期は、定常動作においてはスイッチ素子S1〜Snのスイッチングによる発熱を抑制するように設定されている。
バス電圧制御動作は、タイミング信号Tsmplの周期でPID制御を伴って行われるので、一定のスイッチング周期毎に負帰還電圧制御動作が更新される。したがって、スイッチング周期よりも速い負荷変動に対してはバス電圧Vbusを制御することができないため、大きなバス電圧変動が過渡的に生じる問題がある。負荷5の急激な変動によってバス電圧Vbusが大きく変動するときの対策として、過電圧検出部12が設けられる。
過電圧検出部12は、負荷5の変動によって負荷5に供給する電圧であるバス電圧Vbusの変動幅が予め設定された変動幅を超えたときに、過電圧検出信号Trnをタイミング信号発生部8に出力する。タイミング信号発生部8は、過電圧検出信号Trnを受けると、過渡応答状態となり、タイミング信号Tsmplの周期を短くする。これによって、バス電圧制御応答が速くなるので、大きなバス電圧変動が過渡的に生じることを防止する。
タイミング信号発生部8は、バス電圧Vbusの変動が収束した後、スイッチ素子S1〜Snの発熱に影響が少なくなるまでの時間が経過するのを待つ。その後、タイミング信号発生部8は、タイミング信号Tsmplの周期を元の定常動作における周期に戻す。これによって、過渡応答状態の間だけタイミング信号Tsmplの周期を短くし、スイッチ素子S1〜Snの発熱に影響が及ばないようにすることができる。
しかしながら、上述の動作において、周期が短くなったタイミング信号Tsmplが、バス電圧Vbusの変動が収束した後に元の周期に戻るタイミングにおいて、バス電圧Vbusの変動が再び発生することがある。
図7は、シャント駆動信号とシャント電流の波形を表わす図である。
図7に示すように、スイッチ素子S1〜Snのシャント駆動信号の立ち上がりおよび立ち下がりに対して、スイッチ素子S1〜Snに実際に流れるシャント電流の変化が遅れることがある。つまり、オン時の遅れ時間ON_Delayとオフ時の遅れ時間OFF_Delayとが相違する場合がある。この場合、スイッチング周期に対するオン時間の割合であるON_Dutyと、実効的なシャント電流のスイッチング周期に対するオン時間の割合である実効ON_Dutyとがタイミング信号Tsmplの周期に依存して相違する。タイミング信号Tsmplの周期が切替ったタイミングで実効ON_Dutyが変化するため、バス電圧Vbusの変動が発生する。この変動は、バス電圧Vbusのフィードバック制御動作によって、制御系の応答時間を経過した後に復帰する。この現象に対する解決策として、補正値演算部13が設けられる。
補正値演算部13は、バス電圧制御応答動作に依らずに予め補正値ΔNDUTYとして把握しておいた値を用いて、タイミング信号Tsmplの周期に依存して変化する実効ON_Dutyとシャント駆動信号のON_Dutyとの差に対する補正動作を行なう。これによって、バス電圧Vbusの変動が収束した後にタイミング信号Tsmplが元の周期に戻るタイミングで、バス電圧Vbusの変動が再び発生する現象を防止することができる。
シャント駆動信号に対して、シャント電流のオン時の遅れ時間がON_Delayであり、オフ時の遅れ時間がOFF_Delayのときに、シャント電流とシャント駆動信号のオンパルス幅の差ΔPwは、式(5)で表される。
ΔPw=ON_Delay−OFF_Delay・・・(5)
オンパルス幅の差ΔPwによるシャント量NDUTYの変位量である補正値ΔNDUTYは、タイミング信号Tsmplの周期をTとしたときに、式(6)で表される。
ΔNDUTY=n×ΔPw/T・・・(6)
補正値演算部13は、式(5)および(6)に従って、補正値ΔNDUTYを算出する。
式(5)に示すオンパルス幅の差ΔPwは、スイッチ素子S1〜Snの特性とシャント駆動部の設計条件に依存する値である。したがって、オンパルス幅の差ΔPwの値は、装置の設計時に定めた数値または出荷試験の際に測定された数値を用いることができる。オンパルス幅の差ΔPwは、わずかであるが変動することが考えられるが、その変動要因は温度変動または経年変化などであるため、変動は、緩やかである。変動が緩やかな場合には、補正値演算部13は、定期的にオンパルス幅の差ΔPwを計測し、式(6)にしたがって、タイミング信号Tsmplの周期T毎の補正値ΔNDUTYを計算する。
補正部9は、式(7)に従って、シャント量NDUTYをNDUTY_Cに補正する。
NDUTY_C=NDUTY−ΔNDUTY・・・(7)
これによって、バス電圧制御応答動作に依らずに、周期Tの切替りに同期してシャント量NDUTYに対する補正動作を行うこともできる。
オンパルス幅の差ΔPwの大きな変動に対応する場合、たとえば、代表的なシャント駆動信号Gnとシャント電流Ishnの微分検出信号Diffに基づいて、式(5)(6)の演算が行われて、補正値ΔNDUTYが算出されるものとしてもよい。シャント駆動信号Gnは、スイッチ素子Snを駆動する信号である。シャント電流Ishnは、スイッチ素子Snを流れる電流である。微分検出信号Diffは、たとえばカレントトランス等を利用した簡易な電流検出器14から得られる。
次に、図2における補正部9及び補正値演算部13の具体的な構成について説明する。
図8は、補正値演算部13および補正部9の構成の一例を示すブロック図である。
図9および図10は、補正値演算部13および補正部9の内部で伝送される信号のタイミングチャートである。
図8〜図10を参照して、オンパルス幅の差ΔPw及び補正されたシャント量NDUTY_Cを求める動作の要旨となる部分について説明する。
比較器CmpHは、シャント電流Ishnから検出した微分波形である微分検出信号Diffと、基準値Ref_Hとを比較して、比較結果をシャント電流Ishnのオンタイミング信号Comp_Hとして出力する。
比較器CmpLは、シャント電流Ishnから検出した微分波形である微分検出信号Diffと、基準値Ref_Lとを比較して、比較結果をシャント電流Ishnのオフタイミング信号Comp_Lとして出力する。
JK型フリップフロップJKは、シャント電流Ishnのオンタイミング信号Comp_Hを受けるJ入力端子と、シャント電流Ishnのオフタイミング信号Comp_Lを受けるK入力端子とを備え、シャント電流同期信号Ishuntを生成する。
以降で説明する動作は、クロック信号Sysclockに同期して動作するものとする。
カウンタCT1は、シャント電流Ishnに対応するシャント駆動信号Gnを受けて、シャント駆動信号Gnのオン期間中におけるクロック信号Sysclockのパルス数をカウントする。
フリップフロップFF1は、シャント駆動信号Gnによって、カウンタCT1の出力をホールドすることによって、シャント駆動信号Gnのオン期間中におけるカウント値aを出力する。
カウンタCT2は、シャント電流Ishnに対応するシャント電流同期信号Ishuntを受けて、シャント電流同期信号Ishuntのオン期間中におけるクロック信号Sysclockのパルス数をカウントする。
フリップフロップFF2は、シャント電流同期信号Ishuntによって、カウンタCT2の出力をホールドすることによって、シャント電流同期信号Ishuntのオン期間中におけるカウント値bを出力する。
減算器Sub1は、シャント駆動信号Gnのオン期間中のカウント値aと、シャント電流同期信号Ishuntのオン期間中のカウント値bとを減算して、差dを出力する。
カウンタCT1およびカウンタCTは、ゼロロード入力Lを備え、NAND回路ND1、およびND2を伴ってシャント駆動信号Gnとシャント電流同期信号Ishuntのオン期間中にカウント動作を行っている。
否定論理和回路NORは、過電圧検出信号Trnが出力されていない状態、すなわち定常動作時に、シャント駆動信号Gnとシャント電流同期信号Ishuntとがともにオフになる期間を表わすタイミング信号cを出力する。
フリップフロップFF3は、タイミング信号cにしたがって、カウント値の差dをホールドすることによって、オンパルス幅の差ΔPwを生成する。すなわち、過電圧検出信号Trnが出力されていない状態、すなわち定常動作時に、シャント駆動信号Gnとシャント電流同期信号Ishuntとがともにオフになる期間において、カウント値の差dによるオンパルス幅の差ΔPwが生成される。
セレクタSLは、過電圧検出信号Trnが出力されている時か否かに応じて、係数C_trnまたはC_Normを選択する。係数C_trnは、過電圧検出信号Trnが出力されている時に対応する係数である。係数C_Normは、過電圧検出信号Trnが出力されていない時に対応する係数である。係数C_trnおよび係数C_Normは、スイッチ素子S1〜Snの総数nを用いて、式(6)よりそれぞれ式(8)、(9)で表される。
C_trn=n/Ttrn・・・(8)
C_Norm=n/Tnrm・・・(9)
式(8)におけるTtrnは、過電圧検出信号Trnが出力されている時、すなわち過渡応答状態におけるタイミング信号Tsmplの周期を表わす。式(9)におけるTnrmは、過電圧検出信号Trnが出力されていない時、すなわち、定常動作時のタイミング信号Tsmplの周期を表わす。以下が成り立つ。つまり、過渡応答状態における制御周期の長さは、定常動作時における制御周期の長さよりも短くなる。
Ttrn<Tnrm・・・(10)
乗算器Mullは、オンパルス幅の差ΔPwと、セレクタSLの出力とを乗算することによって、補正値ΔNDUTYを生成する。
減算器Sub2は、シャント量NDUTYから補正値ΔNDUTYを減算して補正されたシャント量NDUTY_Cを生成する。
上述したように、オンパルス幅の差ΔPwの変動は小さいため、無視出来る場合は固定値を使用することもできる。その場合には、C_trnとΔPwとの積、C_NormとΔPwとの積を予め計算して与えることによって、回路規模を削減することができる。
また、係数C_trn、C_Normを式(11)、(12)で表される数値を使用することによって、保持する係数を1個に減らすことができるので、回路規模を削減しつつ同様の効果が得られる。
C_trn=(n/Ttrn)―(n/Tnrm)・・・(11)
C_Norm=0・・・(12)
図11は、パルス幅補正制御が無い場合のバス電圧Vbusの波形のシミュレーション結果を表わす図である。図12は、パルス幅補正制御がある場合のバス電圧Vbusの波形のシミュレーション結果を表わす図である。
このシミュレーション結果は、過渡応答状態でタイミング信号Tsmplの周期が短くなっている状態から、通常のタイミング信号Tsmplの周期に戻った際のバス電圧Vbusの変動を模擬したものである。タイミング信号Tsmplの周期は横軸の15%付近で切り替わっている。パルス幅補正制御が無い場合には、実効ON_Dutyが変動したために、バス電圧Vbusが低下することが確認できる。実施の形態1で示したパルス幅補正制御を行った場合、実効ON_Dutyが一定に維持されるため、バス電圧Vbusの変動を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に示す電力制御器では、バス電圧一定制御を行う電力制御器において、バス電圧と目標値との偏差からシャントを行う数の平均値であるシャント指令値を求め、複数のスイッチ素子のスイッチオン数と時比率を制御しつつ、スイッチオン数が増減するタイミングにおいて、駆動するスイッチ素子をローテーションさせる。これによって、個々のスイッチ素子のスイッチング周波数を装置全体の1/nにまで低減しつつ、シャント段数nに依存した遅延を生じないので、高い応答性を得ることができる。さらに、負荷変動の大小に応じてスイッチング周期を可変することで、定常時の発熱を抑えつつ、負荷変動時の応答を改善することができる。また、スイッチング周期を切り替える際に発生する実効ON_Dutyを補正することによって、バス電圧の変動を抑制することができる。
したがって、本実施の形態によれば、バス電圧の安定性を維持しながらスイッチングに伴う発熱を削減することが可能となる。よって、本実施の形態によれば、部品の選定条件及び放熱設計を緩和することができる。これによって、高応答、小型軽量かつ電力品質の良い電力制御器を提供することができる。
実施の形態1の変形例.
実施の形態1の変形例の電力制御器1は、実施の形態1の電力制御器1において、変調部10および駆動判定部410の内部構成を変更したものである。実施の形態1の変形例の電力制御器のそれ以外の構成は図1と同様であるため、説明を繰り返さない。
図13は、実施の形態1の変形例の変調部10および駆動判定部410の例を示す図である。ここでは説明を簡単にするため、シャント段数nが4の場合を例示する。
変調部10は、搬送波生成部401と、オフセット重畳器402−1〜402−3と、比較器403−1〜403−4と、加算器405とを備える。
駆動判定部410は、オフセット生成部11と、駆動信号割当て部409とを備える。
図14および図15は、図13の変調部10および駆動判定部410で伝送される信号波形を表わすタイミングチャートである。
搬送波生成部401は、振幅1の搬送波cw1を生成して、比較器403−1およびオフセット重畳器402−1に送る。
オフセット重畳器402−1は、搬送波cw1に搬送波cw1の振幅と同じオフセットを加ええることによって得られた信号cw2を、オフセット重畳器402−2および比較器403−2に送る。
オフセット重畳器402−2は、信号cw2に搬送波cw1の振幅と同じオフセットを加ええることによって得られた信号cw3を、オフセット重畳器402−3および比較器403−3に送る。
オフセット重畳器402−3は、信号cw3に搬送波cw1の振幅と同じオフセットを加ええることによって得られた信号cw4を、比較器403−4に送る。
比較器403−i(i=1〜4)は、補正後のシャント量NDUTY_Cと、搬送波cwiとを比較して、PWM信号Piを出力する。シャント量NDUTY_Cが搬送波cwiよりも大きいときに、PWM信号Piは「1」となる。シャント量NDUTY_Cが搬送波cwi以下のときに、PWM信号Piは「0」となる。スイッチオン数MLPWMに当たる数の比較器403からの出力が「1」となる。
この操作により、信号の定義域をシャント段数で分割したPWM信号が得られる。
加算器405は、比較器403−1〜403−4の出力であるPWM信号P1〜P4を加算することによって、スイッチオン数MLPWMを出力する。
オフセット生成部11は、実施の形態1と同様に、スイッチオン数MLPWMに基づいて、オフセット値OFFSETを割り当てる。
ここまでで決定されたPWM信号とオフセット値OFFSETによって、スイッチ素子の駆動パターンとその起点が確定するので、各スイッチ素子の駆動状態(オン/オフ)を一意に決定することができる。
駆動信号割当て部409は、比較器403−iから出力されたPWM信号Piをオフセット値OFFSETだけ巡回シフト演算し、各スイッチ素子をオンまたはオフに駆動させる。図13では、2入力1出力のマルチプレクサを組み合わせて巡回シフトする例について示したが、多入力のマルチプレクサを使用して巡回シフトを行ってもよい。
実施の形態2.
実施の形態3の電力制御器1は、実施の形態1の電力制御器1において、信号生成部4の内部構成を変更したものである。実施の形態2に係る電力制御器のそれ以外の構成は図1と同様であるため、説明を繰り返さない。
図16は、実施の形態2の電力制御器1の信号生成部4の内部構成を示すブロック図である。
信号生成部4は、比較部17と、計数部16と、オフセット生成部11と、駆動判定部410とを備える。オフセット生成部11と、駆動判定部410とは、実施の形態1と同様なので、説明を繰り返さない。
比較部17は、シャント指令値SPの可変範囲内に割り振られた複数の第1番目〜第n番目のオンレベル閾値、および第1番目〜第n番目のオンレベル閾値にそれぞれ対応して、ヒステリシスを有するように割り振られた第1番目〜第n番目のオフレベル閾値と、シャント指令値SPとを比較する。
計数部16は、比較部17の比較結果に基づいて、スイッチオン数MLPWMを決定する。
比較部17は、n個のオン比較器Hii(i=1〜n)と、n個のオフ比較器Loi(i=1〜n)とを備える。
計数部16は、n個のJK型フリップフロップFFdi(i=1〜n)と、加算器15とを備える。JK型フリップフロップに代えて、RS型フリップフロップを用いてもよい。
第i番目のオン比較器Hiiは、シャント指令値SPと第i番目のオンレベル閾値ONiとを比較する。第i番目のオン比較器Hiiは、シャント指令値SPが第i番目のオンレベル閾値ONiよりも大きいときに「1」を出力し、シャント指令値SPが第i番目のオンレベル閾値ONiよりも小さいときに「0」を出力する。第i番目のオン比較器Hiiは、比較結果を計数部16のJK型フリップフロップFFdiのJ入力端子に送る。
第i番目のオフ比較器Loiは、シャント指令値SPと第i番目のオフレベル閾値OFFiとを比較する。第i番目のオフ比較器Loiは、第i番目のオフレベル閾値OFFiがシャント指令値SPよりも大きいときに「1」を出力し、第i番目のオフレベル閾値OFFiがシャント指令値SPよりも小さいときに「0」を出力する。第i番目のオフ比較器Loiは、比較結果を計数部16のJK型フリップフロップFFdiのK入力端子に送る。
第i番目のJK型フリップフロップFFdiは、第i番目のオン比較器Hiiの出力を受けるJ入力端子と、第i番目のオフ比較器Loiの出力を受けるK入力端子とを含む。
第i番目のJK型フリップフロップFFdiの出力xiは、加算器15に送られる。
加算器15は、JK型フリップフロップFFd1〜FFdnの出力x1〜xnを加算しして、加算値をスイッチオン数MLPWMとして駆動判定部410およびオフセット生成部11に送る。
図17は、シャント指令値SPと、JK型フリップフロップFFd1〜FFdnの出力x1〜xn、スイッチオン数MLPWMの時間変化を示すタイミングチャートである。図17には、オンレベル閾値ON1〜ONn、オフレベル閾値OFF1〜OFFnも示されている。直流電源I1〜Inの構成段数nを簡易的に5段としている。
ここで、シャント指令値SPは、バス電圧Vbusとの関連において、制御目標値Vrefに対する誤差を表す信号として式(13)で表される。
SP=(Vbus−Vref)×A・・・(13)
式(12)において、Aは、演算処理部3Aの増幅度を示す値であり、任意の周波数特性を有する増幅度として設定されるが、説明の簡略化のため、Aを1としている。オンレベル閾値ON1〜ON5およびオフレベル閾値OFF1〜OFF5と、シャント指令値SPとの関係を正規化して示すためである。
オンレベル閾値ON1〜ON5及びオフレベル閾値OFF1〜OFF5とシャント指令値SPの関係において、例えばシャント指令値SPが、オフレベル閾値OFF1、OFF2を下回ったとき、スイッチ素子S1,S2は開放状態(オフ状態)になる。また、シャント指令値SPがオンレベル閾値ON2〜ON5を超えたとき、スイッチ素子S2〜S5はシャント状態(オン状態)になる。
すなわち、オンレベル閾値ON1〜ONnおよびオフレベル閾値OFF1〜OFFnは、シャント指令値SPに対して、スイッチ素子S1〜Snのオンとオフを決定するヒステリシスを有する閾値として設定されている。
この動作において、オンレベル閾値ON1〜ONnの設定幅、またはオフレベル閾値OFF1〜OFFnの設定幅がバス電圧Vbusの制御電圧変動幅ΔVbusになる。また、オンレベル閾値ONi(i=1〜n)とオフレベル閾値OFFi(i=1〜n)との差がバス電圧Vbusのリップル電圧Vrippleになる。
この動作において、1段あたりの太陽電池発生電流Istrと、バスキャパシタCbus、および負荷電流Iloadに依存して、バス電圧Vbusは変動する。これによって、シャント指令値SPは、オンレベル閾値ON1〜ONnとオフレベル閾値OFF1〜OFFnの間を上昇および下降する。バス電圧Vbusの時間変化率dv/dtは、式(14)で表される。
dV/dt={Istr×(n−MLPWM)−Iload}/Cbus・・・(14)
シャント指令値SPがオンレベル閾値ON1〜ONn及びオフレベル閾値OFF1〜OFFnを交差する毎に、スイッチオン数MLPWMの値が変化する。
すなわち、xiがオン(=1)のときに、シャント指令値SPがオフレベル閾値OFFiよりも小さくなると、xiがオフ(=0)となる。xiがオフ(=0)のときに、シャント指令値SPがオンレベル閾値ONiよりも大きくなると、xiがオン(=1)となる。これによって、スイッチオン数MLPWMが変化する。その結果、スイッチ素子S1〜Snのオン/オフが順番に切換えられながらバス電圧制御が行われる。
電力制御器1は、スイッチ素子S1〜Snのスイッチングによる発熱を分散しながら、バス電圧Vbusがリップル電圧Vrippleを伴って規定の制御電圧変動幅ΔVbusの範囲内に収まるようにバス電圧を制御する。
なお、本実施の形態では、以上の様に動作するのでスイッチ素子S1〜Snのスイッチング周期は、負荷5の状態によって変化する。そのスイッチング周期が定常的に継続する状態における最短周期Tminは、式(15)で表される。
Tmin=4×Cbus×Vripple/Istr・・・(15)
従って式(15)より、関連する定数を選択して電力制御器1を設計することによって、定常的に継続し得る最短周期Tminをスイッチ素子S1〜Snの発熱の許容できる範囲内に設定できる。
また、過渡的に負荷電流Iloadの変化が大きいときは、式(14)よりdv/dtが正または負の方向に大きくなる。その結果、スイッチ素子S1〜Snのスイッチング切替間隔が短くなるので、急峻な負荷変動に対してバス電圧制御応答が速くなる。これによって、大きなバス電圧変動が過渡的に生じることを防止できる。
このような原理によって、定常時の各スイッチ素子のスイッチングによる発熱を増加することなく速い負荷の変動に対してバス電圧の安定化を実現する。
以上のように、本実施の形態の電力制御器は、比較部は、バス電圧の変動範囲に対してシャント段数と同数のヒステリシスを有するオンレベル閾値およびオフレベル閾値と、バス電圧とを比較し、フリップフロップが比較結果をラッチし、計数部が、比較結果を合計することによってスイッチオン数MLPWMを算出することができる。
これにより、定常負荷時にはスイッチング周期は、適切な範囲に制限されてスイッチ素子のスイッチングによる発熱が増加しない。過渡的な負荷変動時にはスイッチング間隔が短くなって、負荷の速い変動に対しても制御応答が可能になるので、大きなバス電圧変動が過渡的に生じることを防止できる。その結果、電力制御器の小型軽量化を阻害することなく、電力品質の良い電力制御器を提供することが可能となる。
実施の形態2の変形例.
本変形例は、信号生成部4を集積回路またはソフトウェアで構成する場合に関する。
図18は、実施の形態2の変形例の電力制御器1の信号生成部4の内部構成の一部を示すブロック図である。
信号生成部4は、加算器551と、減算器552と、乗算器553と、乗算器555と、整数化部554と、整数化部556と、比較器557と、比較器558と、カウンタ559とを備える。
加算器551は、シャント指令値SPと、Vrippe/2とを加算する。
減算器552は、シャント指令値SPから、Vrippe/2を減算する。
乗算器553は、加算器551の出力と、n/ΔVbusとを乗算する。
乗算器555は、減算器552の出力と、n/ΔVbusとを乗算する。
整数化部554は、乗算器553の出力の整数部を出力する。
整数化部556は、乗算器555の出力の整数部を出力する。
比較器557は、整数化部554の出力と、スイッチオン数MLPWMとを比較する。比較器557は、整数化部554の出力がスイッチオン数MLPWMよりも大きいときには、「1」を出力する。比較器557は、整数化部554の出力がスイッチオン数MLPWMよりも小さいときには、「0」を出力する。
比較器558は、整数化部556の出力と、スイッチオン数MLPWMとを比較する。比較器558は、整数化部556の出力がスイッチオン数MLPWMよりも大きいときには、「0」を出力する。比較器558は、整数化部554の出力がスイッチオン数MLPWMよりも小さいときには、「1」を出力する。
カウンタ559は、比較器557の出力によって、カウント値をインクリメントし、比較器558の出力によって、カウント値をデクリメントする。カウンタ559は、カウント値としてスイッチオン数MLPWMを出力する。
本変形例によれば、シャント段数n個分必要な閾値と比較器を段数に依存しない演算に置き換えることができ、演算を簡略化することができる。
変形例.
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような変形例も含む。
(1)実施の形態1および2では、バス電圧Vbusを一定の目標値に制御する方法について説明したが、他の形態の電力制御器にも適用することが出来る。
図19は、変形例の電力制御器を表わす図である。
この電力制御器では、電力バス2にバッテリBATが直結されている。実施の形態1および2に係る電力制御器1は、バス電圧Vbusを一定電圧に制御するが、図19に示す電力制御器1は、バッテリBATの充電電流Ichgを一定電流に制御する。
図19の電力制御器の演算処理部3B内の減算器131は、電流検出器14により検出された充電電流Ichgと電流指令値Irefとの差分を算出し、偏差Errorを算出する。偏差Errorは式(16)で表される。
Error=Ichg−Iref・・・(16)
図19に示す電力制御器の演算処理部3Bの減算器131以外の構成要素は、実施の形態1または2と同じ構成要素とすることができる。図19の電力制御器によれば、上記の実施形態で説明した方式によってバッテリの充電電流を一定に制御することができる。これによって、例えばバッテリ直結バスを採用する人工衛星に搭載して、太陽電池から供給される電力の量を制御する電力制御器として使用することができる。
(2)実施の形態1および2において説明した演算処理部3Aおよび信号生成部4は、相当する動作をデジタル回路のハードウェアまたはソフトウェアで構成してもよい。演算処理部3Aおよび信号生成部4の機能をソフトウェアを用いて実現する場合には、電力制御器は、例えば、図20に示すようにプロセッサ1000とメモリ2000とを備え、メモリ2000に記憶されたプログラムをプロセッサ1000が実行するようにすることができる。
(3)実施の形態1の説明で用いた偏差の式(1)は、Vbusの項を正とし、目標値を負としたが、目標値を正とし、Vbusの項を負として、以降の式の符号を反転してもよい。
(4)操作量であるシャント量の式(2)は、バス電圧の目標値との差に対して、比例、積分、微分の演算を行って求めた値を使用するPID制御の例を示したが、バス電圧が増加した際にシャントする電流が増加するような動作を行う限りは他の操作量および計算式に置き換えてもよい。
(5)図8では、オンパルス幅の差ΔPw及び補正されたシャント量NDUTY_Cを求める具体的な実施手段として論理回路を用いた一例が示されているが、アナログ時定数を用いた回路、またはソフトウェアによる演算等の他の方法によって目的とする結果を得ることもできる。
(6)図8の係数C_trnとC_Normの値について式(8)〜(12)で示しているが、実際の装置の特性に合わせて更に補正値を加えても良い。
(7)図5に示すタイミングチャートでは、説明を簡単にするために、搬送波生成部401で生成される搬送波cw1が、ノコギリ波としたが、逆ノコギリ波または任意のデューティ比の三角波を用いてもよい。
(8)信号生成部4は、搬送波生成部401とオフセット重畳器402によって共通の搬送波cw1にオフセットを重畳する例を示したが、オフセットが異なる搬送波を個別に生成してもよいし、操作量からオフセットを減じる構成としてもよい。本実施の形態における信号生成部4は、スイッチオン数が減少する際に、起点とするスイッチ素子の番号を増加させる例にとり説明したが、スイッチオン数が増加する際に起点とするスイッチ素子の番号を減少させる方式としても同様の効果が得られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力制御器、2 電力バス、3A,3B 演算処理部、4 信号生成部、5 負荷、7 サンプリング部、8 タイミング信号発生部、9 補正部、10 変調部、11 オフセット生成部、12 過電圧検出部、13 補正値演算部、14 電流検出器、15,405,551 加算器、16 計数部、17 比較部、31,131,552,Sub1,Sub2 減算器、32 PID制御器、401 搬送波生成部、402 オフセット重畳器、403,557,558,CmpH,CmpL,Hi1〜Hin,Lo1〜Lon 比較器、406 分割部、409 駆動信号割当て部、410 駆動判定部、411−1〜411−n 判定器、553,555,Mul1 乗算器、554,556 整数化部、1000 プロセッサ、2000 メモリ、BAT バッテリ、D1〜Dn ダイオード(逆流防止素子)、I1〜In 直流電源、S1〜Sn スイッチ素子、SL セレクタ、CT1,CT2,559 カウンタ、FF1,FF2,FF3 フリップフロップ、JK,FFd1〜FFdn JK型フリップフロップ、NOR 否定論理和回路、ND1,ND2 NAND回路。

Claims (14)

  1. 複数の電源および負荷に接続される電力制御器であって、
    前記複数の電源に対応して設けられ、オンまたはオフに切り替えることにより、対応する前記電源からの電力を負荷に供給させるか、供給を停止させるかを切り替える複数のスイッチ素子と、
    前記負荷に供給する電力を調整するための操作量を演算する演算処理部と、
    信号生成部とを備え、
    前記信号生成部は、
    前記スイッチ素子を流れるシャント電流と前記スイッチ素子を駆動するシャント駆動信号のオンパルス幅の差に基づいて、補正値を求める補正値演算部と、
    前記補正値に基づいて、前記演算処理部の出力する操作量を補正し、補正された操作量を出力する補正部とを含み、
    前記信号生成部は、
    前記補正された操作量に基づいて、前記複数のスイッチ素子のうちオンとするスイッチ素子数、および、前記オンとするスイッチ素子数に設定する時比率を演算し、決定した前記スイッチ素子数および前記時比率に基づいて、前記複数のスイッチ素子のうちの少なくとも1つを駆動させる信号を生成し、
    前記複数のスイッチ素子にはそれぞれ異なる番号が割り当てられており、
    前記信号生成部は、前記複数のスイッチ素子のうち起点となるスイッチ素子を選択し、
    前記オンとするスイッチ素子数に基づいて、前記起点となるスイッチ素子から前記スイッチ素子に割り当てられた番号の順でオンとする前記スイッチ素子を決定するとともに、前記スイッチ素子数が減少する場合に、前記起点となるスイッチ素子を変更し、
    前記信号生成部は、前記負荷に供給する電圧の変動幅が、予め定められた変動幅を超えたときに、過電圧検出信号を出力する過電圧検出部を含む電力制御器を含む、電力制御器。
  2. 前記信号生成部は、前記補正された操作量を整数部と小数部とに分割し、前記小数部と、搬送波とを比較することによって、小数部PWM信号を生成し、前記整数部と前記小数部PWM信号とを加算することによって、前記オンとするスイッチ素子数、および、前記オンとするスイッチ素子数に設定する時比率を求める、請求項1記載の電力制御器。
  3. 前記信号生成部は、
    前記補正された操作量を生成する周期である制御周期を設定するタイミング信号を発生するタイミング信号発生部を含み、
    前記タイミング信号発生部は、定常状態において、前記制御周期を第1の長さに設定し、
    前記負荷の変動を検出したときに、過渡応答状態となり、前記制御周期を前記第1の長さよりも短い第2の長さに設定する、請求項2記載の電力制御器。
  4. 前記補正値演算部は、前記オンパルス幅の差として、予め定められた値を用いる、請求項3に記載の電力制御器。
  5. 前記補正値演算部は、前記スイッチ素子に流れるシャント電流に基づいて、前記オンパルス幅の差を算出する、請求項3記載の電力制御器。
  6. 前記補正値演算部は、前記定常状態時には、前記オンパルス幅の差と、第1の係数とを乗算することによって、前記補正値を算出し、前記過渡応答時には、前記オンパルス幅の差と、第2の係数とを乗算することによって、前記補正値を算出する乗算器を含み、
    前記第1の係数は、前記複数のスイッチ素子の総数を前記第1の長さで除算した値であり、前記第2の係数は、前記複数のスイッチ素子の総数を前記第2の長さで除算した値である、請求項5記載の電力制御器。
  7. 前記補正値演算部は、前記定常状態時には、前記オンパルス幅の差と、第1の係数とを乗算することによって、前記補正値を算出し、前記過渡応答時には、前記オンパルス幅の差と、第2の係数とを乗算することによって、前記補正値を算出する乗算器を含み、
    前記第1の係数は、0であり、前記第2の係数は、前記複数のスイッチ素子の総数を前記第2の長さで除算した値から、前記複数のスイッチ素子の総数を前記第1の長さで除算した値を減算した値である、請求項5記載の電力制御器。
  8. 前記補正部は、前記演算処理部の出力する操作量から前記補正値を減算することによって、前記操作量を補正して、前記補正された操作量を出力する、請求項6または7記載の電力制御器。
  9. 前記シャント電流の微分波形である微分検出信号と、第1の基準値とを比較して、比較結果をシャント電流のオンタイミング信号として出力する第1の比較器と、
    前記微分検出信号と、第2の基準値とを比較して、比較結果をシャント電流のオフタイミング信号として出力する第2の比較器と、
    前記シャント電流のオンタイミング信号を受けるJ入力端子と、前記シャント電流のオフタイミング信号とを受けるK入力端子とを含み、シャント電流同期信号を生成するJ−Kフリップフロップとを含む、請求項5記載の電力制御器。
  10. 前記シャント駆動信号のオン期間中におけるクロック信号のパルス数をカウントする第1のカウンタと、
    前記第1のカウンタの出力をホールドすることによって、前記シャント駆動信号のオン期間中におけるカウント値を出力する第1のフリップフロップと、
    前記シャント電流同期信号のオン期間中における前記クロック信号のパルス数をカウントする第2のカウンタと、
    前記第2のカウンタの出力をホールドすることによって、前記シャント電流同期信号のオン期間中におけるカウント値を出力する第2のフリップフロップと、
    前記シャント駆動信号のオン期間中のカウント値と、前記シャント電流同期信号のオン期間中のカウント値とを減算して、減算結果を出力する減算器とを含む、請求項9記載の電力制御器。
  11. 前記過電圧検出信号が出力されていない状態において、前記シャント駆動信号と前記シャント電流同期信号とがともにオフになる期間を表わすタイミング信号を出力する論理回路と、
    前記タイミング信号にしたがって、前記減算器から出力されるカウント値の差をホールドすることによって、前記オンパルス幅の差を生成する第3のフリップフロップとを含む、請求項10記載の電力制御器。
  12. 複数の電源および負荷に接続される電力制御器であって、
    前記複数の電源に対応して設けられ、オンまたはオフに切り替えることにより、対応する前記電源からの電力を負荷に供給させるか、供給を停止させるかを切り替える複数のスイッチ素子と、
    前記負荷に供給する電力を調整するための操作量を演算する演算処理部と、
    信号生成部とを備え、
    前記信号生成部は、
    前記操作量の可変範囲内に割り振られた複数の第1番目〜第n番目のオンレベル閾値、および前記第1番目〜第n番目のオンレベル閾値にそれぞれ対応して、ヒステリシスを有するように割り振られた第1番目〜第n番目のオフレベル閾値と、前記操作量とを比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づいて、オンとするスイッチ素子数を決定する計数部とを含む電力制御器。
  13. 前記比較部は、n個の第1番目〜第n番目のオン比較器と、n個の第1番目〜第n番目のオフ比較器とを含み、
    第i番目のオン比較器は、前記操作量が前記第i番目のオンレベル閾値よりも大きいときに「1」を出力し、前記操作量が前記第i番目のオンレベル閾値よりも小さいときに「0」を出力し、
    第i番目のオフ比較器は、前記第i番目のオフレベル閾値が前記操作量よりも大きいときに「1」を出力し、前記第i番目のオフレベル閾値が前記操作量よりも小さいときに「0」を出力する、請求項12記載の電力制御器。
  14. 前記計数部は、n個の第1番目〜第n番目のJK型フリップフロップと、
    第1番目〜第n番目のJK型フリップフロップの出力を加算する加算器とを含み、
    第i番目のJK型フリップフロップは、前記第i番目のオン比較器の出力を受けるJ入力端子と、前記第i番目のオフ比較器の出力を受けるK入力端子とを含む、請求項13記載の電力制御器。
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