JP5423306B2 - 電力制御器 - Google Patents

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本発明は、電力の供給量を制御する電力制御器に関するものである。
人工衛星では、50Vもしくは100Vの安定化された電圧をバス電源として供給するために電力制御器が利用されている。
従来の人工衛星用の電力制御器として、日照時に複数の太陽電池アレイから発生する電力を負荷への供給電力として利用し、発生電力余剰分は特定の太陽電池アレイ出力を短絡(シャント)することでバス電圧の上昇を抑える(バス電圧制御を行う)ものが知られている。この電力制御器は、技術試験衛星(ETSシリーズ)、通信放送技術衛星(COMETS等)、地球観測衛星(JERS−1等)、気象衛星(MTSAT−2)等、様々な用途をもった衛星に採用されている。
この電力制御器では、個々の太陽電池アレイの出力をシャント又は開放することで、複数の太陽電池アレイから発生する電力又は電流の合計値を調節してバス電圧制御を行っており、バス電圧の変動に応じて各太陽電池アレイをシーケンシャルにシャント又は開放するように、個々の太陽電池アレイ毎に、予め許容されるバス電圧変動幅に対応したシャント又は開放の動作領域が割振られている。このシャント又は開放動作とバス電圧を平滑化するために設けられたキャパシタバンクからなる負帰還発振制御(通称バンバン制御という)の動作によって、バス電圧が規定の変動幅の範囲で安定化されている(例えば、非特許文献1参照)。
S. Kuwajima, et al., "Digital sequential shunt regulator for solar power conditioning of engineering test satellite (ETS−V)," Power Electronics Specialists Conference 1988 (PESC '88), IEEE, April 1988.
このような電力制御器においては、要求される発生電力の大きさに応じて太陽電池アレイの構成段数が決定される。従来、太陽電池アレイの構成段数は10段から40段程度で構成されており、予め許容されるバス電圧変動幅の範囲内で個々の太陽電池アレイのシャント又は開放の動作領域が、この構成段数で分割して割振られる。このため、バス電圧変動幅を出来るだけ狭くする要求(電力制御器の性能向上要求より通常1Vから2V以内)と、電力需要の増大傾向に伴う構成段数の増加とによって、この割振りの間隔が非常に狭くなる。
従来のバンバン制御動作においては、当該装置の応答特性限界による動作遅れに起因して、この割振りの間隔が狭いために当該割振りの間隔の範囲内で制御動作が応答できず、複数の太陽電池アレイの出力が同時にシャント又は開放してバス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じ、制御系の挙動が不安定になる。このため、制御系の応答を速くするか、バス電圧の許容変動範囲を拡大し、このような現象を回避する必要が有るが、制御系の設計においては応答性向上に限界がある事及び許容変動範囲の拡大は装置の主要性能(バス電圧変動幅を小さくする要求)の低下を招くことに繋がる。また、キャパシタバンク容量を大きくすることでバンバン制御における当該装置の動作遅れによる影響を緩和できるが、この場合は装置の小型軽量化を阻害することとなる。
上述したように、従来の電力制御器は、太陽電池アレイの構成段数が大きい場合、バス電圧の変動に応じて各太陽電池アレイをシーケンシャルにシャント又は開放するように、個々の太陽電池アレイのシャント又は開放の動作領域を決定するための割振りの間隔が非常に狭くなる。この場合、バンバン制御動作においては当該装置の応答特性限界による動作遅れに起因して、複数の太陽電池アレイの出力が同時にシャント又は開放してバス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じる。この許容変動範囲の逸脱を防止するため、バス電圧の許容変動範囲を拡大する、又はキャパシタバンク容量を大きくする必要があり、装置の制御性能の低下を招く、または小型軽量化を阻害する要因ともなっている。
本発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、個々の太陽電池アレイのシャント又は開放の動作領域を決定する割振りの間隔が狭い場合でも、複数の太陽電池アレイの出力が同時にシャント又は開放してバス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じないようにするとともに、より小型化が可能な電力制御器を提供することを目的とする。
この発明による電力制御器は、電源と並列に接続されるとともに負荷に接続され、上記電源との接続を短絡もしくは開放に切換えるスイッチ素子と、上記電源による電力の供給状態の過不足分を示す誤差信号と基準信号との比較に基いて、上記電源から電力を供給するか否かをそれぞれ命令する制御信号を出力する命令部と、上記命令部から出力された制御信号に基いて、上記スイッチ素子を切換動作させる駆動部と、上記命令部から出力される制御信号に同期して、上記基準信号に微分波形を重畳する微分回路部とを備えたものである。
本発明によれば、電力制御器において、命令部が生成する電力を供給するか否かを命令する信号に同期して、微分回路部により基準電圧設定部の基準信号に微分波形信号を重畳することで、電力の供給状態の過不足分を示す誤差信号に対する応答を早めているため、当該装置の応答特性限界による動作遅れに起因して複数の太陽電池アレイの出力が同時にシャント又は開放してバス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じることを防止でき、また小型の電力制御器を提供することが可能となる。
実施の形態1に係る電力制御器の構成を示す回路図である。 実施の形態1に係る電力制御器の動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る電力制御器5の構成を示す回路図である。
図1において、複数の太陽電池アレイSA1〜SAn(nは2以上の整数)は、電力バス4を介してそれぞれ負荷3に並列に接続されており、負荷3に電力を供給する。電力制御器5は、この太陽電池アレイSA1〜SAnの余剰電力を短絡(シャント)するものである。電力制御器5は、日照時に複数の太陽電池アレイSA1〜SAnから発生する電力を、負荷3(LOAD)への供給電力(バッテリ充電電力等を含む)として与える。また、電力制御器5は、太陽電池アレイSA1〜SAnの発生電力の余剰分について、特定の太陽電池アレイSA1〜SAnの出力をシャントすることで、電力バス4のバス電圧Vbusの上昇を抑えるようなバス電圧制御を行う。
電力制御器5は、電界効果トランジスタから構成されるスイッチ素子SW1〜SWnと、ダイオードから構成される逆流防止素子D1〜Dnと、駆動部G1〜Gnと、命令部であるシャントドライブ回路部A1〜Anとを備える。各太陽電池アレイSA1〜SAnは各スイッチ素子SW1〜SWnのドレイン端子とソース端子の間にそれぞれ並列に接続され、各太陽電池アレイSA1〜SAnと各スイッチ素子SW1〜SWnのそれぞれの接続回路が電力バス4に接続されている。また、各太陽電池アレイSA1〜SAnの正端子と各スイッチ素子SW1〜SWnのドレイン端子側の接続点は、各逆流防止素子D1〜Dnのアノード端子側にそれぞれ直列に接続され、逆流防止素子D1〜Dnのカソード端子側が電力バス4に接続される。各駆動部G1〜Gnの後段は、各スイッチ素子SW1〜SWnのゲート端子にそれぞれ接続されている。個々のスイッチ素子SW1〜SWnに対応する駆動部G1〜Gnの前段は、シャントドライブ回路部A1〜Anの出力端子(OUT)に接続される。各シャントドライブ回路部A1〜Anのそれぞれの上限電圧リファレンス端子Hiと下限電圧リファレンス端子Loは、各基準電圧設定部Ref1〜nのそれぞれの動作領域上限H1〜Hnの電圧を設定する端子および動作領域下限L1〜Lnの電圧を設定する端子に、それぞれ接続されている。また、シャントドライブ回路部A1〜AnのError端子は、増幅器2(AMP)の後段に接続されている。増幅器2は、電力バス4のバス電圧Vbusの変動分に比例した信号を生成する。各シャントドライブ回路部A1〜Anと各基準電圧設定部Ref1〜nの間には、それぞれ微分回路部Dif1〜nの一端が接続されている。微分回路部Dif1〜nの他端は、シャントドライブ回路部A1〜Anの出力端子OUTに接続される。
シャントドライブ回路部A1〜Anは、基準電圧設定部Ref1〜nによる設定電圧(H1〜Hn、L1〜Ln)と、増幅器2から出力されるバス電圧Vbusの変動分に比例した信号(Error)に基づき、対応する太陽電池アレイSA1〜SAnの出力を負荷3へ供給するかもしくはシャントするかの何れかを決定し、この決定に従い供給するかもしくはシャントするかの何れかの命令信号を与える駆動信号(シャントドライブ信号OUT1〜n)を生成する。シャントドライブ回路部A1〜Anは、生成したシャントドライブ信号OUT1〜nを対応する駆動部G1〜Gnに入力し、駆動部G1〜Gnは入力されたシャントドライブ信号OUT1〜nに基いて対応するスイッチ素子SW1〜SWnに制御用ゲート電圧を与える。スイッチ素子SW1〜SWnは制御用ゲート電圧を与えられると、制御用ゲート電圧に基いて、太陽電池アレイSA1〜SAnの出力をシャントするかもしくは負荷に出力する。かくして、シャントドライブ回路部A1〜Anおよびスイッチ素子SW1〜SWnにより、対応する太陽電池アレイSA1〜SAnから負荷への電力の供給が制御される。
また、電力制御器5は、電力バス4に接続されたバス電圧を平滑化するために設けられたキャパシタバンク1(CAP)を備えており、太陽電池アレイSA1〜SAnの出力を負荷3へ供給又はシャントする動作と、それに伴うキャパシタバンク1の充放電によるバス電圧Vbusの増減からなるバンバン制御動作とによって、バス電圧Vbusが規定の変動幅の範囲内に収まるようにバス電圧制御が行われる。
本実施の形態で示す太陽電池アレイSA1〜SAnは、電力を供給する電源の一例であり、同様の機能をもつ他の電源に置き換えてもよい。本実施の形態では、太陽電池アレイSA1〜SAnは人工衛星に搭載されているものとするが、地上等に設置されていてもよい。逆流防止素子D1〜Dnは、それぞれ対応する太陽電池アレイSA1〜SAnへの電流の逆流を防止する逆流防止素子の一例であり、同様の機能をもつ他の逆流防止素子に置き換えてもよい。本実施の形態では、スイッチ素子SW1〜SWnとして電界効果トランジスタ(FET)を用いるが、他のスイッチ素子を用いてもよい。
また、本実施の形態では、基準電圧設定部Ref1〜nとして、バス電圧Vbusの抵抗分割により基準電圧を生成する例を示しているが、同様の目的において他の具体的手段に置き換えてもよい。
次に、図1を用いて本実施の形態の電力制御器5の動作について説明する。
人工衛星の日照モードにおける電力制御動作において、n段からなる(太陽電池アレイ構成段数がnである)太陽電池アレイSA1〜SAnの発生電力がそれぞれに対応する逆流防止素子D1〜Dnを経由して、電力バス4に接続された負荷3に供給される。増幅器2は、バス電圧Vbus(電力バス4の電圧)の一定の変動範囲における変動分を、電力の供給状態の過不足分として検出して、当該変動分を誤差信号であるエラー信号Errorに変換する。このエラー信号Errorは、増幅器2からシャントドライブ回路部A1〜Anに伝達される。シャントドライブ回路部A1〜Anは、エラー信号Errorと基準電圧設定部Ref1〜nで設定された信号レベルとの対比に基づき、制御信号であるシャントドライブ信号OUT1〜nを生成する。シャントドライブ信号OUT1〜nは、駆動部G1〜Gnに伝達されて、駆動部G1〜Gnはシャントドライブ信号OUT1〜nに基いてスイッチ素子SW1〜SWnを開閉駆動するための命令信号である。このシャントドライブ信号OUT1〜nによって閉駆動されたスイッチ素子SW1〜SWnに対応する太陽電池アレイSA1〜SAnの発生電力は、スイッチ素子SW1〜SWnによって短絡(シャント)されるため、その発生電力は電力バス4に供給されない。
基準電圧設定部Ref1〜nで設定する各々の信号レベルは、エラー信号Errorの電圧範囲内で相互に異なる値で割振られており、一連の大小関係を持たせることにより、負荷3の要求電力に応じて太陽電池アレイSA1〜SAnの発生電力の供給及びシャントがシーケンシャルに行われる。これらの動作によって、太陽電池アレイSA1〜SAnから電力バス4に供給される電力量が加減され、バス電圧Vbusが一定の変動範囲内に制御される。
シャントドライブ回路部A1〜Anは、エラー信号Errorと基準電圧設定部Ref1〜nが規定する信号レベルとを比較するヒステリシス特性を有した電圧比較器(コンパレータ)となっている。ここで、基準電圧設定部Ref1〜nは、エラー信号Errorに対するシャントドライブ信号OUT1〜nを、LレベルからHiレベルに反転するための境界値として、動作領域上限H1〜nとなる各基準電圧を規定する。この動作領域上限H1〜nは、負荷への供給電力が供給過剰である場合に、スイッチ素子SW1〜SWnを開放状態からシャント状態に切り換えるための境界値に相当する。基準電圧設定部Ref1〜nは、エラー信号Errorに対するシャントドライブ信号OUT1〜nを、HiからLレベルに反転するための境界値として、動作領域下限L1〜nとなる各基準電圧を規定する。この動作領域下限L1〜nは、負荷への供給電力が供給不足である場合に、スイッチ素子SW1〜SWnをシャント状態から開放状態に切り換えるための境界値に相当する。シャントドライブ回路部A1〜Anは、動作領域上限H1〜nおよび動作領域下限L1〜nの基準電圧に従いシャントドライブ信号OUT1〜nを駆動部G1〜Gnに出力することで、ヒステリシス特性を有してスイッチ素子SW1〜SWnの切換え動作を行う。
電力バス4にはキャパシタバンク1が接続されており、太陽電池アレイSA1〜SAnの出力を負荷3へ供給又はシャントする動作と、それに伴うキャパシタバンク1の充放電によるバス電圧Vbusの増減からなるバンバン制御動作とによって、バス電圧Vbusが規定の変動幅の範囲で収まるようにバス電圧制御が行われる。
次に、実施の形態1によるバンバン制御の動作について図を用いて説明する。バンバン制御では、前述のとおりバス電圧Vbusが規定の変動幅の範囲となるように、バス電圧の制御が行われる。図2はスイッチ素子SW2が開閉動作する時のタイムチャート例を示す図である。図2において、エラー信号Errorが動作領域上限H2と動作領域下限L2の間を行き来することで、シャントドライブ信号OUT2がL(開放に対応)及びHi(シャントに対応)に変化して、その結果太陽電池アレイSA2が出力及びシャントを繰返す、バンバン制御の動作を示している。
動作領域上限H1、2、3及び動作領域下限L1、2、3の点線で示すレベルは、基準電圧設定部Ref1、2、3の設定値を示す。また、動作領域上限H2及び動作領域下限L2の実線で示すレベルは、シャントドライブ信号OUT2が微分回路部Dif2によって微分された波形が、動作領域上限H2及び動作領域下限L2の設定値に重畳した波形を示している。
増幅器2から出力されるエラー信号Errorは、バス電圧Vbusの許容下限値Vmin、任意のオフセット電圧Vo、増幅器2の増幅率Aにおいて、式(1)で表される。
Error=A×(Vbus−Vmin)+Vo (1)
式(1)より、エラー信号Errorの変動幅(ダイナミックレンジ)ΔErrorは、バス電圧Vbusの許容変動範囲ΔVbusにおいて、式(2)で表される。ΔErrorは、例えば図2の動作領域上限(H1)と動作領域下限(L3)との間の最大振れ幅となる。
ΔError=A×ΔVbus (2)
基準電圧設定部Ref1〜nの配分値相互の間隔即ち、図2において動作領域上限H1、2又は動作領域下限L1、2の点線で示すレベルの間隔Vaは、太陽電池アレイSA1〜SAnの構成段数n、任意の制約条件による定数Vbにおいて、式(3)で表される。定数Vbとして、例えば図2における動作領域上限(H3)と動作領域下限(L1)との間で、スイッチ素子SW1〜SWnの制御動作を行わない余裕領域(スイッチ素子SW1〜SWnの切換え動作におけるヒステリシスの幅)を選択する。
Va=(ΔError−Vb)/(2×(n−1)) (3)
エラー信号Errorの変化率dV/dtは、シャントまたは開放動作により急変化している太陽電池アレイの電流と、負荷電流と、キャパシタバンク1に蓄電または放電される電荷の変化との関係によって規定される。例えば、太陽電池アレイSA1〜SAnの1段あたりの電流Isa、負荷3の電流Iz、キャパシタバンク1の容量C、非シャント状態にある段数をnsとして、エラー信号Errorの変化率dV/dtは式(4)で表される。
dV/dt=(ns×Isa−Iz)/C (4)
式(4)に示すエラー信号Errorの変化率dV/dtは、負荷3の電流Izに依存して変動し、最も急峻な変化dV/dt(max)は式(5)で表される。
dV/dt(max)=±Isa/C (5)
エラー信号Errorの変化率dV/dtが緩やかな場合は、エラー信号Errorが動作領域上限H2又は動作領域下限L2に達するとほぼ同時に、スイッチ素子SW2の開閉状態が反転してバス電圧Vbusの上昇又は下降が反転すると共に、エラー信号Errorの上昇又は下降も反転して、太陽電池アレイSA2によるバンバン制御が正常に行われる。
ところが、エラー信号Errorの変化率dV/dtが急峻な場合は、エラー信号Errorが動作領域上限H2又は動作領域下限L2に達しても、一時上昇又は下降を継続するオーバーシュート(Vov)が生じる。これは駆動部G2、スイッチ素子SW2、増幅器2が急峻なエラー信号Errorの変化率dV/dtに対する応答動作遅れによるものであり、このオーバーシュート(Vov)が式(3)に示す間隔Vaを超える値になった場合は複数のスイッチ素子SW1〜SWnが同時にシャント又は開放駆動されて、バンバン制御動作が乱れ、バス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じてしまう。
この現象を防止するためには、オーバーシュート(Vov)に対して式(3)に示す間隔(Va)を大きくする必要が有る。しかし、太陽電池アレイSA1〜SAnの構成段数が大きく、規定の変動幅の範囲でバス電圧制御を行う条件下においては、式(1)、(2)の制約により実現的にはVaの大きさには限界がある。また、式(5)に基づく条件より、キャパシタバンク1の容量Cを大きくすることでdV/dt(max)を下げ、オーバーシュート(Vov)を下げる方法が有効であるが、この場合は電力制御器5の小型軽量化を阻害することとなる。
そこで、本実施の形態では、シャントドライブ回路部A2と基準電圧設定部Ref2の間に微分回路部Dif2を接続することによって割振り間隔(Va)を過渡的に大きくして、この現象を防止している。すなわち、当該微分回路部Dif2を接続することにより、シャントドライブ回路部A2から発せられるシャントドライブ信号OUT2に同期して、シャントドライブ信号OUT2を微分した波形(微分波形信号)を、基準電圧設定部Ref2の規定する動作領域上限H2及び動作領域下限L2の設定値を示す基準信号に重畳するようになしている。かくして、急峻なエラー信号Errorに応答すべき動作領域上限H2又は動作領域下限L2をエラー信号Error側に過渡的に近づけることで、オーバーシュート(Vov)に対して式(3)に示す間隔(Va)が過渡的に大きくなる条件を作り出して、複数のスイッチ素子SW1〜SWnが同時にシャント又は開放駆動される現象を防止する。図2を用いて説明すると、例えば動作領域上限(H2)と動作領域下限(L2)に対して同時に微分波形を重畳することで、動作遅れによるオーバーシュートが動作領域下限(L2)に接触する時間T2よりも、動作遅れによるオーバーシュートが当該動作領域下限(L2)の微分波形に接触する時間T1を早めることができるので、シャントドライブ信号OUT2の立上がりから立下りまでの時間が短くなり、シャント状態から開放状態に遷移する時間をより早くすることが可能となる。また、動作遅れによるオーバーシュートが動作領域上限(H2)に接触する時間T4よりも、動作遅れによるオーバーシュートが当該動作領域上限(H2)の微分波形に接触する時間T3を早めることができるので、シャントドライブ信号OUT2の立下がりから立上りまでの時間が短くなり、シャント状態から開放状態に遷移する時間をより早くすることが可能となる。これによって、オーバーシュートによるエラー信号Errorの許容変動範囲からの逸脱を抑圧することができる。
なお、本実施の形態の説明で用いたエラー信号Errorを示す式(1)は、バス電圧Vbusの変化に対して正比例する例を示したが、同様な動作において反比例する例に適用することができる。反比例する例の場合は、駆動部G2の出力を反転してバス電圧Vbusの許容上限値をVmaxとして、エラー信号Errorを、式(1)の代わりに式(6)で表せば良い。
Error=A×(Vmax−Vbus)+Vo (6)
かくして、本実施の形態では、太陽電池アレイの構成段数が大きく、各段における動作領域上限及び動作領域下限の割振り間隔が大きくとれない条件において、シャントドライブ信号を微分した波形を動作領域上限及び動作領域下限に重畳するようにすることにより、この割振り間隔を過渡的に大きくして、急峻なエラー信号の変化率に対する応答遅れによる複数のスイッチ素子が同時にシャント又は開放駆動されバンバン制御動作が乱れてバス電圧が許容変動範囲を逸脱する現象が生じることを防止するようにしている。
したがって、エラー信号の変化率を緩和するためにキャパシタバンクの容量を大きくする等の対応を必要とせず、装置の小型軽量化を実現することができる。
以上説明した通り、本実施の形態1による電力制御器5は、電力を供給する複数の電源である太陽電池アレイSA1〜SAnとそれぞれ直列に接続され、上記それぞれの太陽電池アレイSA1〜SAnへの電流の逆流を防止する複数の逆流防止素子D1〜Dnと、上記それぞれの電源と並列に接続されるとともに上記それぞれの逆流防止素子と直列に接続され、上記それぞれの電源との接続を短絡もしくは開放に切換える複数のスイッチ素子SW1〜SWnと、上記複数の電源による電力の供給状態の過不足分に応じて誤差信号を出力する増幅器2と、上記それぞれのスイッチ素子に対応して基準信号を出力する基準電圧設定部Ref1〜nと、上記増幅器から出力されるエラー信号(Error)と上記基準電圧設定部から出力されるそれぞれのスイッチ素子に対応した基準信号との比較に基いて、上記それぞれの電源から電力を供給するか否かを命令する制御信号であるシャントドライブ信号OUT2をそれぞれ生成し、出力する命令部であるシャントドライブ回路部A1〜Anと、上記命令部から出力されたそれぞれのシャントドライブ信号OUT2を入力し、入力したシャントドライブ信号OUT2が電力を供給することを命令する信号の場合、上記それぞれの電源に対応したスイッチ素子を開放させ、入力した制御信号が電力を供給しないことを命令する信号の場合、上記それぞれの電源に対応したスイッチ素子を短絡させる駆動部G1〜Gnと、上記命令部から出力されるそれぞれのシャントドライブ信号OUT2に同期して、上記基準電圧設定部から出力されるそれぞれの基準信号に微分波形信号をそれぞれ重畳する微分回路部Dif1〜nと、を備えることで、シャントドライブ回路部においてエラー信号に対する応答を早めることを特徴とする。
また、上記基準電圧設定部Ref1〜nにより生成される基準信号は、上限電圧である動作領域上限と、下限電圧である動作領域下限が規定され、上記微分回路部Dif1〜nは、上記基準信号の動作領域上限および動作領域下限にそれぞれ微分波形信号を重畳し、上記シャントドライブ回路部A1〜Anは、上記エラー信号が、上記微分波形信号の重畳された上記基準信号の動作領域上限に達した場合に上記スイッチ素子SW1〜SWnを短絡させ、上記誤差信号が、上記微分波形信号の重畳された上記基準信号の動作領域下限に達した場合に上記スイッチ素子SW1〜SWnを開放させるものである。
このように、微分回路部Dif1〜nは、上記基準信号に微分波形信号を重畳することで、上記シャントドライブ信号OUT2の立上がりから立下りまでの時間を短くすることができる。すなわち、エラー信号が動作領域上限もしくは動作領域下限に到達するか、もしくは当該到達時間よりも手前で、スイッチ素子SW1〜SWnを切換えることとなる。
本実施の形態に係る発明は、例えば人工衛星に搭載して使用される太陽電池の電源安定化及び非安定化バスを介して、供給される電力の供給量を制御する電力制御器に適用することができる。
1 キャパシタバンク、2 増幅器、3 負荷、4 電力バス、5 電力制御器、A1〜n シャントドライブ回路部、D1〜n 逆流防止素子、Dif1〜n 微分回路部、G1〜n駆動部、OUT1〜n シャントドライブ信号、P1〜n 電力供給回路、Ref1〜n 基準電圧設定部、SA1〜n 太陽電池アレイ、SW1〜n スイッチ素子。

Claims (5)

  1. 電源と並列に接続されるとともに負荷に接続され、上記電源との接続を短絡もしくは開放に切換えるスイッチ素子と、
    上記電源による電力の供給状態の過不足分を示す誤差信号と基準信号との比較に基いて、上記電源から電力を供給するか否かをそれぞれ命令する制御信号を出力する命令部と、
    上記命令部から出力された制御信号に基いて、上記スイッチ素子を切換動作させる駆動部と、
    上記命令部から出力される制御信号に同期して、上記基準信号に微分波形を重畳する微分回路部と、
    を備えたことを特徴とする電力制御器。
  2. 電力を供給する複数の電源とそれぞれ直列に接続され、上記それぞれの電源への電流の逆流を防止する複数の逆流防止素子と、
    上記それぞれの電源と並列に接続されるとともに上記それぞれの逆流防止素子と直列に接続され、上記それぞれの電源との接続を短絡もしくは開放に切換える複数のスイッチ素子と、
    上記複数の電源による電力の供給状態の過不足分に応じて誤差信号を出力する増幅器と、
    上記それぞれのスイッチ素子に対応して基準信号を出力する基準電圧設定部と、
    上記増幅器から出力される誤差信号と上記基準電圧設定部から出力されるそれぞれのスイッチ素子に対応した基準信号との比較に基いて、上記それぞれの電源から電力を供給するか否かを命令する制御信号をそれぞれ生成し、出力する命令部と、
    上記命令部から出力されたそれぞれの制御信号を入力し、入力した制御信号が電力を供給することを命令する信号の場合、上記それぞれの電源に対応したスイッチ素子を開放させ、入力した制御信号が電力を供給しないことを命令する信号の場合、上記それぞれの電源に対応したスイッチ素子を短絡させる駆動部と、
    上記命令部から出力されるそれぞれの制御信号に同期して、上記基準電圧設定部から出力されるそれぞれの基準信号に微分波形信号をそれぞれ重畳する微分回路部と、
    を備えたことを特徴とする電力制御器。
  3. 上記基準信号は上限電圧と下限電圧が規定され、
    上記微分回路部は、上記基準信号の上限電圧および下限電圧にそれぞれ微分波形信号を重畳し、
    上記命令部は、上記誤差信号が、上記微分波形信号の重畳された上記基準信号の上限電圧に達した場合に上記スイッチ素子を短絡させ、上記誤差信号が、上記微分波形信号の重畳された上記基準信号の下限電圧に達した場合に上記スイッチ素子を開放させる
    ことを特徴とした請求項1または請求項2に記載の電力制御器。
  4. 上記微分回路部は、上記基準信号に微分波形信号を重畳することで、上記制御信号の立上がりから立下りまでの時間を短くすることを特徴とした請求項1または請求項2に記載の電力制御器。
  5. 上記基準信号は上限電圧と下限電圧が規定され、
    上記誤差信号が上記上限電圧もしくは下限電圧に到達するか、もしくは当該到達時間よりも手前で、上記スイッチ素子が切換わることを特徴とした請求項1または請求項2に記載の電力制御器。
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