JP6678522B2 - ウエーハ生成方法及び剥離装置 - Google Patents

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本発明は、単結晶SiCインゴットからウエーハを生成するウエーハ生成方法、及び単結晶SiCインゴットからウエーハを剥離するための剥離装置に関する。
ICやLSI、LED等のデバイスは、Si(シリコン)やAl(サファイア)等を素材としたウエーハの表面に機能層が積層され分割予定ラインによって区画されて形成される。また、パワーデバイスやLED等は単結晶SiC(炭化ケイ素)を素材としたウエーハの表面に機能層が積層され分割予定ラインによって区画されて形成される。デバイスが形成されたウエーハは、切削装置やレーザー加工装置によって分割予定ラインに加工が施されて個々のデバイスに分割される。分割された各デバイスは携帯電話やパソコン等の電気機器に利用されている。
デバイスが形成されるウエーハは、一般的に円柱形状のインゴットをワイヤーソーで薄く切断することにより生成される。切断されたウエーハの表面及び裏面は、研磨することにより鏡面に仕上げられる(特許文献1参照。)。しかし、インゴットをワイヤーソーで切断し、切断したウエーハの表面及び裏面を研磨すると、インゴットの大部分(70〜80%)が捨てられることになり不経済であるという問題がある。特に単結晶SiCインゴットにおいては、硬度が高くワイヤーソーでの切断が困難であり相当の時間を要するため生産性が悪いと共に、インゴットの単価が高く効率よくウエーハを生成することに課題を有している。
そこで、SiCインゴットの内部に集光点を位置付け、SiCに対して透過性を有する波長のレーザー光線をSiCインゴットに照射することによって切断予定面に改質層を形成し、改質層が形成された切断予定面を切断してSiCインゴットからウエーハを生成する技術が提案されている(特許文献2参照。)。ところが、SiCインゴットからウエーハを生成するには改質層を10μm程度の間隔をおいて密に形成しなければならず生産性が悪いという問題がある。
特開2000−94221号公報 特開2013−49161号公報
上記事実に鑑みてなされた本発明の第1の課題は、単結晶SiCインゴットから容易にウエーハを剥離することができると共に生産性の向上が図られるウエーハ生成方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、剥離面が形成された単結晶SiCインゴットから容易にウエーハを剥離することができる剥離装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の第1の局面が提供するのは、以下のウエーハ生成方法である。すなわち、第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るC軸と、該C軸に直交するC面とを有し、該第1の面の垂線に対して該C軸が傾き該C面と該第1の面とにオフ角が形成されている単結晶SiCインゴットからウエーハを生成するウエーハ生成方法であって、該第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さにおいて、該オフ角が形成される方向に直交する方向に直線状に延びる複数の改質層と、該複数の改質層のそれぞれから該C面に沿って両側に延びるクラックとから構成される剥離面を形成する剥離面形成工程と、該剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離してウエーハを生成するウエーハ剥離工程とを含み、該剥離面形成工程では、該第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さの位置に集光点を位置付け、隣接する該集光点が相互に重複するように、該オフ角が形成される方向に直交する方向に該単結晶SiCインゴットと該集光点とを相対的に移動させながら、SiCに対して透過性を有する波長のレーザー光線を該単結晶SiCインゴットに照射する改質層形成加工と、該オフ角が形成される方向に該単結晶SiCインゴットと該集光点とを相対的にインデックス送りするインデックス送りとを交互に行うことにより、該複数の改質層及び該クラックを形成し、該ウエーハ剥離工程は、該第1の面又は該第2の面の一方をテーブルに固定するテーブル固定ステップと、該第1の面又は該第2の面の他方にパッドを固定するパッド固定ステップと、該オフ角が形成される方向の該パッドの一端部を作用点とし該パッドの他端部を支点とするモーメントを作用させることによって該剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離する剥離ステップとを含むウエーハ生成方法である。
上記第2の課題を解決するために本発明の第2の局面が提供するのは、以下の剥離装置である。すなわち、単結晶SiCインゴットから剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離する剥離装置であって、該単結晶SiCインゴットの一方の面を吸引して固定するテーブルと、該単結晶SiCインゴットの他方の面を吸引して固定するパッドと、該テーブルに対して該パッドを接近又は離隔させる離接手段とを備え、該離接手段は、該パッドの一端部を支持する第1の支持部と、該パッドの他端部を支持する第2の支持部と、該第1の支持部及び該第2の支持部を支持する支持プレートと、該支持プレートの中央に固定され、該支持プレートを昇降させる昇降手段とを含み、該第1の支持部は屈曲可能に構成され、該第2の支持部はバネから構成されており、該離接手段は、該パッドの一端部を作用点とし該パッドの他端部を支点とするモーメントを生成する剥離装置である。
本発明の第1の局面が提供するウエーハ生成方法では、第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さにおいて、オフ角が形成される方向に直交する方向に直線状に延びる複数の改質層と、複数の改質層のそれぞれからC面に沿って両側に延びるクラックとから構成される剥離面を形成するので、剥離面を界面として単結晶SiCインゴットの一部を容易に剥離することができ、所望の厚みのウエーハを生成することができる。また、本発明の第1の局面に係るウエーハ生成方法では、オフ角が形成される方向のパッドの一端部を作用点としパッドの他端部を支点とするモーメントを作用させるので、剥離面を界面として単結晶SiCインゴットの一部を比較的小さい力で剥離することができる。したがって、本発明のウエーハ生成方法では、単結晶SiCインゴットからウエーハを効率よく生成できると共に、捨てられる素材量を軽減でき、生産性の向上が図られる。
本発明の第2の局面が提供する剥離装置では、離接手段は、パッドの一端部を作用点としパッドの他端部を支点とするモーメントを生成するので、剥離面が形成された単結晶SiCインゴットから剥離面を界面として単結晶SiCインゴットの一部を比較的小さい力で剥離することができる。
レーザー加工装置の斜視図。 本発明に従って構成された剥離装置の正面図。 単結晶SiCインゴットの平面図(a)及び正面図(b)。 剥離面形成工程が実施されている状態を示す正面図(a)及び斜視図(b)。 剥離面が形成された単結晶SiCインゴットの平面図(a)、B−B線断面図(b)及びC−C線断面図(c)。 レーザー光線を示す模式図(a)及びD−D線断面図(b)。 ウエーハ剥離工程が実施されている状態を示す正面図。
以下、本発明のウエーハ生成方法及び剥離装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すレーザー加工装置2は、基台4と、保持手段6と、保持手段6を移動させる移動手段8と、レーザー光線照射手段10と、撮像手段12と、表示手段14と、制御手段(図示していない。)とを備える。
保持手段6は、X方向において移動自在に基台4に搭載された矩形状のX方向可動板16と、Y方向において移動自在にX方向可動板16に搭載された矩形状のY方向可動板18と、Y方向可動板18の上面に回転自在に搭載された円筒形状のチャックテーブル20とを含む。なお、X方向は図1に矢印Xで示す方向であり、Y方向は図1に矢印Yで示す方向であってX方向に直交する方向である。X方向及びY方向が規定するXY平面は実質上水平である。
移動手段8は、X方向移動手段22と、Y方向移動手段24と、回転手段(図示していない。)とを含む。X方向移動手段22は、基台4上においてX方向に延びるボールねじ26と、ボールねじ26の片端部に連結されたモータ28とを有する。ボールねじ26のナット部(図示していない。)は、X方向可動板16の下面に固定されている。そしてX方向移動手段22は、ボールねじ26によりモータ28の回転運動を直線運動に変換してX方向可動板16に伝達し、基台4上の案内レール4aに沿ってX方向可動板16をX方向に進退させる。Y方向移動手段24は、X方向可動板16上においてY方向に延びるボールねじ30と、ボールねじ30の片端部に連結されたモータ32とを有する。ボールねじ30のナット部(図示していない。)は、Y方向可動板18の下面に固定されている。そしてY方向移動手段24は、ボールねじ30によりモータ32の回転運動を直線運動に変換してY方向可動板18に伝達し、X方向可動板16上の案内レール16aに沿ってY方向可動板18をY方向に進退させる。回転手段は、チャックテーブル20に内蔵されたモータ(図示していない。)を有し、Y方向可動板18に対してチャックテーブル20を回転させる。
レーザー光線照射手段10は、基台4の上面から上方に延び次いで実質上水平に延びる枠体34と、枠体34に内蔵された発振手段(図示していない。)と、枠体34の先端下面に配置された集光器36と、集光点位置調整手段(図示していない。)とを含む。発振手段は、パルスレーザー光線LBを発振する発振器と、発振器が発振するパルスレーザー光線LBの繰り返し周波数Fを設定する設定器と、発振器が発振したパルスレーザー光線LBの出力を調整する調整器とを有する(いずれも図示していない。)。集光器36は、発振器が発振したパルスレーザー光線LBを集光する集光レンズ(図示していない。)を有する。
撮像手段12は、集光器36とX方向に間隔をおいて枠体34の先端下面に付設されている。撮像手段12は、可視光線により撮像する通常の撮像素子(CCD)と、被加工物に赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段により照射された赤外線を捕らえる光学系と、光学系が捕らえた赤外線に対応する電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)とを含む(いずれも図示していない。)。撮像手段12によって撮像された画像を表示する表示手段14は、枠体34の先端上面に搭載されている。
コンピュータから構成される制御手段は、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)とを含む(いずれも図示していない。)。そして制御手段は、移動手段8、レーザー光線照射手段10、撮像手段12及び表示手段14に電気的に接続され、移動手段8、レーザー光線照射手段10、撮像手段12及び表示手段14の作動を制御する。
図2に示す剥離装置38は、基台40と、基台40の上面に固定されたテーブル42と、テーブル42の上方に配置され、かつテーブル42に対して接近自在かつ離隔自在に構成されたパッド44と、テーブル42に対してパッド44を接近又は離隔させる離接手段46とを備える。上面に複数の吸引孔(図示していない。)が形成されているテーブル42は、流路によって吸引手段(図示していない。)に接続されている。下面に複数の吸引孔(図示していない。)が形成されているパッド44は、流路によって吸引手段(図示していない。)に接続されている。
離接手段46は、パッド44の一端部(図2においてパッド44の左側部分)を支持する第1の支持部48と、パッド44の他端部(図2においてパッド44の右側部分)を支持する第2の支持部50と、第1の支持部48及び第2の支持部50を支持する支持プレート52と、支持プレート52の中央に固定され、支持プレート52を昇降させる昇降手段54とを含む。第1の支持部48は、パッド44の一端部の上面に固定された下端部から上方に延びる下部片56と、下部片56の上端部に旋回自在に連結された上部片58とを有し、下部片56と上部片58との連結部において屈曲可能に構成されている。上部片58の上端部は、支持プレート52の下面の一端部(図2において支持プレート52の下面の左側部分)に旋回自在に連結されている。バネから構成されている第2の支持部50は、下端部がパッド44の他端部の上面に固定されると共に、上端部が支持プレート52の下面の他端部(図2において支持プレート52の下面の右側部分)に固定されている。
昇降手段54は、基台40の上面に固定された枠部材60と、枠部材60の上端部から上方に延びるブラケット62とを含む。ブラケット62の上端部には、手動レバー64の中間部が旋回自在に連結されている。手動レバー64の一端部(図2において手動レバー64の左側部分)には、手動レバー64の一端部から下方に延びるリンク66が旋回自在に連結されている。リンク66の下端は、支持プレート52の上面中央に固定されている。そして、昇降手段54の手動レバー64の他端部(図2において手動レバー64の右側部分)が上方に揺動されると支持プレート52が下降され、手動レバー64の他端部が下方に揺動されると支持プレート52が上昇される。
図3に示す全体として円柱形状の六方晶単結晶SiCインゴット68(以下「インゴット68」という。)は、円形状の第1の面70と、第1の面70の反対側に位置する円形状の第2の面72と、第1の面70及び第2の面72の間に位置する円筒形状の周面74と、第1の面70から第2の面72に至るC軸(<0001>方向)と、C軸に直交するC面({0001}面)とを有する。インゴット68においては、第1の面70の垂線76に対してC軸が傾いており、C面と第1の面70とにオフ角α(たとえばα=4度)が形成されている(オフ角αが形成される方向を図3に矢印Aで示す。)。またインゴット68の周面74には、結晶方位を示す矩形状の第1のオリエンテーションフラット78及び第2のオリエンテーションフラット80が形成されている。第1のオリエンテーションフラット78は、オフ角αが形成される方向Aに平行であり、第2のオリエンテーションフラット80は、オフ角αが形成される方向Aに直交している。図3(a)に示すとおり、垂線76の方向にみて、第2のオリエンテーションフラット80の長さL2は、第1のオリエンテーションフラット78の長さL1よりも短い(L2<L1)。
レーザー加工装置2及び剥離装置38を用いたウエーハ生成方法を説明する。まず、インゴット68の第2の面72とレーザー加工装置2のチャックテーブル20の上面との間に接着剤(たとえばエポキシ樹脂系接着剤)を介在させ、図1に示すとおり、インゴット68をチャックテーブル20に固定する。または、チャックテーブル20の上面(保持面)に複数の吸引孔が形成され、チャックテーブル20の上面に吸引力を生成してインゴット68を保持してもよい。次いで、移動手段8によってチャックテーブル20を撮像手段12の下方に移動させ、撮像手段12によってインゴット68を撮像する。
次いで、剥離面形成工程を実施する。剥離面形成工程では、まず、撮像手段12によって撮像されたインゴット68の画像に基づいて、移動手段8によってチャックテーブル20を移動及び回転させることによって、インゴット68の向きを所定の向きに調整すると共に、インゴット68と集光器36とのXY平面における位置を調整する。インゴット68の向きを所定の向きに調整する際は、図4(b)に示すとおり、第1のオリエンテーションフラット78をY方向に整合させると共に、第2のオリエンテーションフラット80をX方向に整合させることによって、オフ角αが形成される方向AをY方向に整合させると共に、オフ角αが形成される方向Aに直交する方向をX方向に整合させる。次いで、集光点位置調整手段によって集光器36を昇降させ、第1の面70から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さの位置に集光点FPを位置付ける。次いで、隣接する集光点FPが相互に重複するように、図4に示すとおり、集光点FPに対してチャックテーブル20を所定の加工送り速度VでX方向移動手段22によってX方向(すなわち、オフ角αが形成される方向Aに直交する方向)に移動させながら、SiCに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線LBを集光器36からインゴット68に照射する改質層形成加工を行う。これによって、図5(b)に示すとおり、オフ角αが形成される方向Aに直交する方向に直線状に延びる改質層82が形成される。図5(c)に示すとおり、改質層82は、実質上同一C面上に位置しC面に沿って偏平に形成され、かつ空隙を有する。また、改質層82が形成される際は、C面に沿って改質層82の両側にクラック84が伝播する。C面に沿って改質層82の片側に延びるクラック84の長さLcは250μm程度である。
改質層82の形成過程について詳述すると、まず、最初のパルスレーザー光線LBの照射により、集光点FP及び集光点FPの周囲において、SiCがSi(シリコン)とC(炭素)とに分離した最初の改質層82が形成される。改質層形成加工では、隣接する集光点FPが相互に重複するように、集光点FPに対してチャックテーブル20をX方向に移動させながらパルスレーザー光線LBをインゴット68に照射するので、Si(シリコン)とC(炭素)とに分離した改質層82に再度パルスレーザー光線LBが照射される。そうすると、パルスレーザー光線LBがC(炭素)に吸収されるので、集光点FPよりも若干浅い位置において次の改質層82が形成される。このようにして改質層82は、最初に形成された部分から、オフ角αが形成される方向Aに直交する方向に向かって入射面側に若干傾斜して延びていく。すなわち改質層82は、インゴット68の内部において、パルスレーザー光線LBのパワー密度Wが高い集光点FPが最初に位置付けられた部分から、オフ角αが形成される方向Aに直交する方向に向かってパルスレーザー光線LBのパワー密度Wが低い側へと若干傾斜して延びていく。そして改質層82は、インゴット68の内部においてパルスレーザー光線LBのパワー密度Wが所定値WsとなるスポットSの深さZs(図6参照。)に達すると、入射面側へは延びずにオフ角αが形成される方向Aに直交する方向にのみ延びることとなる。改質層形成加工では、隣接する集光点FPが相互に重複するように集光点FPに対してチャックテーブル20をX方向に移動させるので、集光点FPよりも浅い位置のスポットSにおいても、隣接するスポットSが相互に重複する。そして、スポットSの深さZsにおいて改質層82が連続的に形成されていく。なお、第1の面70を基準として集光点FPの深さZとスポットSの深さZsとの差は10μm程度であり、傾斜が生じる領域は20μm程度である。
剥離面形成工程では、改質層形成加工とインデックス送りとを交互に行う。インデックス送りでは、集光点FPに対してチャックテーブル20をY方向移動手段24によってY方向(すなわち、オフ角αが形成される方向A)に所定インデックス量Liだけインデックス送りする。そして、改質層形成加工とインデックス送りとを交互に行うことにより、図5に示すとおり、第1の面70から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さにおいて、複数の改質層82及びクラック84から構成される剥離面86が形成される。このような剥離面形成工程は、たとえば以下の加工条件で実施することができる。なお、下記のスポットSにおけるパワー密度Ws(J/mm)は、平均出力P(W)と、スポットSの面積π(Ds)/4(μm)と、繰り返し周波数F(kHz)とで規定される(Ws=4P/π(Ds)F)。
パルスレーザー光線LBの波長 :1064nm
繰り返し周波数F :60kHz
平均出力P :1.5W
集光点FPの直径D :φ3μm
集光点FPの深さZ :第1の面から80μm
スポットSの直径Ds :φ5.3μm
スポットSの深さZs :第1の面から70μm
スポットSにおけるパワー密度Ws:1.13J/mm
インデックス量Li :250μm
加工送り速度V :60mm/s
隣接する集光点FPの重複率 :67%
隣接するスポットSの重複率 :81%
改質層形成ステップにおいて、隣接する集光点FPが相互に重複するには、繰り返し周波数F(kHz)と、加工送り速度V(mm/s)と、集光点FPの直径D(μm)とで規定されるG=(V/F)−DがG<0であることを要するところ、上記加工条件では
G={60(mm/s)/60(kHz)}−3(μm)
={60×10(μm/s)/60×10(Hz)}−3(μm)
=−2<0
であり、隣接する集光点FPは相互に重複する。G<0の場合、隣接する集光点FPの重複率は|G|/Dで規定される。また、隣接するスポットSが相互に重複するには、繰り返し周波数F(kHz)と、加工送り速度V(mm/s)と、スポットSの直径Ds(μm)とで規定されるGs=(V/F)−DsがGs<0であることを要するところ、上記加工条件では
Gs={60(mm/s)/60(kHz)}−5.3(μm)
={60×10(μm/s)/60×10(Hz)}−5.3(μm)
=−4.3<0
であり、隣接するスポットSが相互に重複する。Gs<0の場合、隣接するスポットSの重複率は|Gs|/Dsで規定される。図6(b)に、隣接するスポットSが相互に重複している部分をハッチングで示す。
剥離面形成工程を実施した後、ウエーハ剥離工程を実施する。ウエーハ剥離工程では、まずテーブル固定ステップを実施する。テーブル固定ステップでは、まず、剥離装置38のテーブル42の上面に第1の面70を上側としてインゴット68を載せる。インゴット68をテーブル42に載せる際には、第1の支持部48と第2の支持部50とを結ぶ実質上水平に延びる線分にオフ角αが形成される方向Aを整合させる。次いで、吸引手段を作動させることによりテーブル42の上面に負圧を発生させ、インゴット68の第2の面72をテーブル42の上面に吸着させて固定する。
テーブル固定ステップを実施した後、パッド固定ステップを実施する。パッド固定ステップでは、手動レバー64の他端部を上方に揺動させることにより、支持プレート52と共にパッド44を下降させ、図7(a)に示すとおり、パッド44の下面をインゴット68の第1の面70に密着させる。次いで、吸引手段を作動させ、インゴット68の第1の面70にパッド44の下面を吸着させて固定する。
図2と共に説明を続けると、パッド固定ステップを実施した後、剥離ステップを実施する。剥離ステップでは、昇降手段54の手動レバー64の他端部を下方に揺動させることにより、リンク66を介して離接手段46の支持プレート52の中央に上向きの力を作用させる。そうすると、バネから構成されている第2の支持部50が伸び、第1の支持部48の下端(すなわち、パッド44の一端部)を作用点とし、第2の支持部50の下端(すなわち、パッド44の他端部)を支点とするモーメントがインゴット68に作用する。これによって、図7(b)に示すとおり、剥離面86を界面としてインゴット68の一部を剥離することができ、所望の厚みのウエーハ88を効率よく生成することができる。
本発明のウエーハ生成方法では、オフ角αが形成される方向Aのパッド44の一端部を作用点としパッド44の他端部を支点とするモーメントを作用させるので、剥離面86を界面としてインゴット68の一部を比較的小さい力で剥離することができる。また、ウエーハ88を生成した後、研磨手段(図示していない。)によりインゴット68の剥離面86を研磨し、剥離面形成工程及びウエーハ剥離工程を順次実施することで、インゴット68から複数のウエーハを生成することができ、したがって捨てられる素材量を軽減でき、生産性の向上が図られる。
本発明の剥離装置38では、離接手段46は、パッド44の一端部を作用点としパッド44の他端部を支点とするモーメントを生成するので、剥離面86が形成されたインゴット68から剥離面86を界面としてインゴット68の一部を比較的小さい力で剥離することができる。
以下、本発明者等が行った比較実験について説明する。本発明者等は、本発明のウエーハ生成方法の剥離面形成工程を実施し、第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さにおいて、オフ角が形成される方向に直交する方向に直線状に延びる複数の改質層と、複数の改質層のそれぞれからC面に沿って両側に延びるクラックとから構成される剥離面を単結晶SiCインゴットに形成し、剥離面を界面として単結晶SiCインゴットの一部を剥離する際に必要な応力を測定する下記実験1から3までの比較実験を行った。
実験1
単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の一方をテーブルに固定し、単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の他方にパッドを固定して、垂直方向に引っ張り荷重を加えて単結晶SiCインゴットから単結晶SiCウエーハを剥離すると11.79N/cmの応力が必要であった。
実験2
単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の一方をテーブルに固定し、単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の他方にパッドを固定して、オフ角が形成される方向のパッドの一端部を作用点としパッドの他端部を支点としたモーメントの作用によって単結晶SiCインゴットから単結晶SiCウエーハを剥離すると1.28N/cmの応力が必要であった。
実験3
単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の一方をテーブルに固定し、単結晶SiCインゴットの第1の面又は第2の面の他方にパッドを固定して、オフ角が形成される方向と直交する方向にパッドの一端部を作用点としパッドの他端部を支点としたモーメントの作用によって単結晶SiCインゴットから単結晶SiCウエーハを剥離すると7.81N/cmの応力が必要であった。
実験1は剥離に必要な応力が11.79N/cmであり、実験2は剥離に必要な応力が1.28N/cmであり、実験3は剥離に必要な応力が7.81N/cmであることから、応力が最も小さい実験2に基づく剥離方法を本件発明において採用しウエーハ剥離工程とした。
38:剥離装置
42:テーブル
44:パッド
46:離接手段
48:第1の支持部
50:第2の支持部
52:支持プレート
54:昇降手段
68:単結晶SiCインゴット
70:第1の面
72:第2の面
76:垂線
82:改質層
84:クラック
86:剥離面
88:ウエーハ
α:オフ角
A:オフ角が形成される方向
FP:集光点
LB:パルスレーザー光線

Claims (2)

  1. 第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面と、該第1の面から該第2の面に至るC軸と、該C軸に直交するC面とを有し、該第1の面の垂線に対して該C軸が傾き該C面と該第1の面とにオフ角が形成されている単結晶SiCインゴットからウエーハを生成するウエーハ生成方法であって、
    該第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さにおいて、該オフ角が形成される方向に直交する方向に直線状に延びる複数の改質層と、該複数の改質層のそれぞれから該C面に沿って両側に延びるクラックとから構成される剥離面を形成する剥離面形成工程と、
    該剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離してウエーハを生成するウエーハ剥離工程とを含み、
    該剥離面形成工程では、該第1の面から生成すべきウエーハの厚みに相当する深さの位置に集光点を位置付け、隣接する該集光点が相互に重複するように、該オフ角が形成される方向に直交する方向に該単結晶SiCインゴットと該集光点とを相対的に移動させながら、SiCに対して透過性を有する波長のレーザー光線を該単結晶SiCインゴットに照射する改質層形成加工と、該オフ角が形成される方向に該単結晶SiCインゴットと該集光点とを相対的にインデックス送りするインデックス送りとを交互に行うことにより、該複数の改質層及び該クラックを形成し、
    該ウエーハ剥離工程は、該第1の面又は該第2の面の一方をテーブルに固定するテーブル固定ステップと、該第1の面又は該第2の面の他方にパッドを固定するパッド固定ステップと、該オフ角が形成される方向の該パッドの一端部を作用点とし該パッドの他端部を支点とするモーメントを作用させることによって該剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離する剥離ステップとを含むウエーハ生成方法。
  2. 単結晶SiCインゴットから剥離面を界面として該単結晶SiCインゴットの一部を剥離する剥離装置であって、
    該単結晶SiCインゴットの一方の面を吸引して固定するテーブルと、該単結晶SiCインゴットの他方の面を吸引して固定するパッドと、該テーブルに対して該パッドを接近又は離隔させる離接手段とを備え、
    該離接手段は、該パッドの一端部を支持する第1の支持部と、該パッドの他端部を支持する第2の支持部と、該第1の支持部及び該第2の支持部を支持する支持プレートと、該支持プレートの中央に固定され、該支持プレートを昇降させる昇降手段とを含み、
    該第1の支持部は屈曲可能に構成され、該第2の支持部はバネから構成されており、
    該離接手段は、該パッドの一端部を作用点とし該パッドの他端部を支点とするモーメントを生成する剥離装置。
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