JP6678390B2 - 医療用コネクタとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、輸液ルート等の医療分野における流体流路に用いられて、流体流路に対してシリンジ等の医療用接続具(雄コネクタ)を接続可能とする医療用コネクタとその製造方法に関するものである。
医療分野において輸液や採血等を行なう輸液ルート等の流体流路では、必要に応じてシリンジ等の雄コネクタを接続可能とするために医療用コネクタが利用される。例えば、三方活栓やY形コネクタでは、一対の流路開口部間で流体流路が形成されると共に、残りの一つの流路開口部に医療用コネクタが装着されている。そして、この医療用コネクタを介して、シリンジ等の雄コネクタを流体流路に接続可能とすることにより、薬液の混注等を行うことができるようになっている。
ところで、かかる医療用コネクタの一種として、特表平2−502976号公報(特許文献1)等に記載されているスプリットセプタムタイプの医療用コネクタが知られている。この医療用コネクタは、中央部分にスリットが形成されたディスク状の弾性弁体を、流体流路の開口部分を構成する筒状のハウジングに装着した構造とされている。そして、雄コネクタの先端部を弾性弁体のスリットに直接挿入することにより、雄コネクタを流体流路に対して連通状態で接続することができるようになっている。また、このようにして接続したシリンジ等の雄コネクタの先端部を弾性弁体から抜き取ることにより、抜き取りと同時に、弾性弁体の復元作用で流体流路を遮断状態に保持するようになっている。
また、弾性弁体に形成されるスリットは、形成のし易さ等から径方向で直線的に延びる一文字形状とされており、かかるスリットを幅方向に押し広げながら雄コネクタをスリットに挿入することで、雄コネクタが流体流路に連通状態で接続されるようになっている。
ところが、このような一文字形状のスリットでは、雄コネクタの着脱に際して作用する摩擦抵抗が大きくなって、弾性弁体に流体流路側への大きな外力が及ぼされることにより、弾性弁体がハウジングから外れるおそれがあった。特に弾性弁体の表面に血液が付着する等して弾性弁体の表面の摩擦係数が大きくなると、雄コネクタの着脱時に弾性弁体に対してより大きな力が作用して、弾性弁体の脱落が問題になり易かった。
特表平2−502976号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、弾性弁体のハウジングからの脱落を防止することができる、新規な構造の医療用弁と、その製造方法とを、提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、筒状のハウジング内にスリットが形成されたディスク状の弾性弁体を配置して、該弾性弁体の外周部分を該ハウジングに支持させて装着した医療用コネクタであって、前記弾性弁体の前記スリットが該弾性弁体の中央部分から外周側に向かって放射状に延びる3本以上の切込みで構成されており、該スリットに対して先細形状の雄ルアーが貫通して挿し入れられるようになっていると共に、該弾性弁体の外面において、該スリットを構成する該切込みの全体が、該スリットに挿入される雄ルアーの先端部内に収まる範囲に設けられている一方、該弾性弁体の外周部分の内外両面においてそれぞれ周方向に延びる環状溝が形成されることにより環状の括れ状部が設けられて、該弾性弁体における該括れ状部よりも外周側が環状固定部とされていると共に、前記ハウジングに設けられた係止突部が該弾性弁体の内外両面に形成された該環状溝に係止されており、更に、該弾性弁体の内面において、該環状溝の内側には該弾性弁体の内面側の内部流路に開口する凹溝部が形成されていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた医療用コネクタによれば、雄コネクタをスリットに挿入する際に、スリットが放射状に延びる3本以上の切込みで構成されていることによって開き易くされており、雄コネクタとスリット内面との間で作用する摩擦抵抗力が低減される。これにより、雄コネクタの接続時に、弾性弁体がハウジングから脱落して流体流路に入り込むのを、防ぐことができる。
さらに、本態様によれば、スリットを構成する切込みの全体を雄ルアーの先端部内に収まる範囲で構成することにより、雄ルアーの挿入時において、弾性弁体を雄ルアーに密着させることができて、一層安定して液密性を確保することができる。
さらにまた、本態様によれば、弾性弁体の内外両面に形成された環状溝に対して、ハウジングに設けられた係止突部がそれぞれ挿入係止されることにより、弾性弁体の外周部分に形成された環状固定部が内周側への変位を係止突部によって制限されている。これにより、雄コネクタの接続時に弾性弁体の弾性変形によるハウジングからの脱落が防止されて、弾性弁体がハウジングに対する所定の装着状態に安定して保持される。このように、スリットが3本以上の切込みで構成されて、雄コネクタの接続によって弾性弁体に作用する力が低減されることに加えて、本態様に示された弾性弁体の支持構造を採用することにより、弾性弁体のハウジングからの抜けをより効果的に防ぐことが可能となる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された医療用コネクタにおいて、前記弾性弁体の内面における前記切込みの長さが、該弾性弁体の外面における該切込みの長さよりも大きくなっているものである。
第2の態様によれば、より高い圧力が弾性弁体の内面に及ぼされるまで、スリットの連通状態への切替え(開口)が防止されることから、流体流路内の薬液等がスリットを通じて外部に漏れるのを防ぐことができる。
本発明の第の態様は、第1又は第2の態様に記載された医療用コネクタにおいて、前記弾性弁体における前記スリットの形成部分が平板形状とされているものである。
の態様によれば、弾性弁体の変形態様が安定すると共にスリットの貫通長さが全体に亘って略一定とされることから、各切込みの連通と遮断の切替え条件が略一様とされる。それ故、不規則な変形によるスリットの部分的な連通等が防止されて、流体流路側からの液圧の作用によるスリットを通じた液漏れが、より安定して防止される。
本発明の第の態様は、第1〜第の何れか1つの態様に記載された医療用弁において、前記スリットが周方向で等角をなすように設けられた3本の前記切込みによって構成されていると共に、該各切込みの径方向寸法が略等しくされているものである。
の態様によれば、各切込みが弾性弁体の中央部分から外周側に向かって等角に、且つ径方向寸法を略等しくして形成されていることから、雄コネクタの接続時にスリット内面が相互に引っ掛かる等して開き難くなったり、雄コネクタの抜き取り時にスリットの開口縁部が相互に引っ掛かる等して初期の遮断状態に復帰しなくなる等の不具合が回避される。
また、本発明の第5の態様は、筒状のハウジング内にスリットが形成されたディスク状の弾性弁体を配置して、該弾性弁体の外周部分を該ハウジングに支持させて装着した医療用コネクタの製造方法であって、成形された前記弾性弁体の外周部分を挟持すると共に該弾性弁体の外面中央部分から離隔したジグを用いて、該弾性弁体の中央部分の外面側への弾性変形が許容される状態にして、該弾性弁体に対して内面側からカッターの切刃を押し当てて該弾性弁体の中央部分を外面側へ湾曲して膨らむように弾性変形させつつ該切刃を刺し入れて貫通させることにより、放射状に延びる3本以上の切込みで構成された前記スリットを該弾性弁体に後形成する工程を、有することを、特徴とする。
このような第の態様に従う医療用コネクタの製造方法によれば、カッターの押し当てによる弾性弁体の弾性変形を利用したり、先端側に向かって収縮する断面形状を備えたカッターを用いる等して、外周端が軸方向に対して傾斜して内面側に行くに従ってより外周側まで延びた切込みを、容易に形成することができる。
本発明によれば、弾性弁体に形成されたスリットが中央部分から外周側に向かって放射状に延びる3本以上の切込みで構成されており、雄コネクタの接続時にスリットの開口縁部が弾性変形し易くされて、雄コネクタの外周面とスリットの内面との間に作用する摩擦抵抗力が低減されている。それ故、雄コネクタの接続時に、弾性弁体に作用する力が低減されて、弾性弁体がハウジングから脱落することなく所定の装着状態に安定して保持される。
本発明の一実施形態としての医療用コネクタ(混注ポート)を備えた三方活栓の斜視図。 図1に示された三方活栓の正面図。 図1に示された三方活栓に設けられる混注ポートの斜視図。 図3に示された混注ポートの断面図であって、図6のIV−IV断面に相当する図。 図3に示された混注ポートの分解斜視図。 図3に示された混注ポートを構成する弾性弁体の平面図。 図6のVII−VII断面図。 図6に示された弾性弁体にスリットを形成する工程を説明するモデル図であって、(a)がカッターを弾性弁体に切り込ませる前の状態を、(b)がカッターを弾性弁体に切り込ませた状態を、(c)がカッターを弾性弁体から抜き取ったスリット形成後の状態を、それぞれ示す。 図8に示された弾性弁体にスリットを形成する工程を説明する断面モデル図であって、(a)がカッターを弾性弁体に切り込ませる前のジグへのセット状態を、(b)がカッターを弾性弁体に切り込ませた状態を、(c)がカッターを弾性弁体から抜き取ったスリット形成後の状態を、それぞれ示す。 図6に示された弾性弁体に形成された切込みの径方向寸法の実測値を示す表。 図3に示された混注ポートに対するルアーロックコネクタの接続方法を説明するための断面モデル図。 図6に示された弾性弁体において、スリットを通じた液漏れが生じない最大圧力の実測結果を示す表。 本発明の別の実施形態としての医療用コネクタを構成する弾性弁体の平面図。 本発明に係る医療用コネクタの別の使用例を示す斜視図であって、(a)が混注プラグを、(b)がT字混注管を、それぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1および図2に、本発明の1実施形態としての医療用コネクタを備えた三方活栓10を示す。三方活栓10は、ホルダ12にコック14が取り付けられた構造とされている。なお、以下の説明において上下方向とは、特に断りのない限り、図2中の上下方向を言うものとする。
ホルダ12は、略円筒形状を有する本体部16と、本体部16の外周から突出する第1〜第3の3本の分岐管18,20,22を備えた中空構造の一体成形品とされている。これら第1〜第3の分岐管18,20,22は何れも軸方向両端部が開口した筒形状とされており、軸方向一方の端部が本体部16と接続されて本体部16の内部空間に連通されていると共に、他方の端部が、図2に点線でモデル的に示す、外部空間に連通する第1〜第3の分岐開口部24,26,28とされている。これにより、第1〜第3の分岐管18,20,22の各内部空間によって、第1〜第3の分岐開口部24,26,28と本体部16とを接続する内部流路がそれぞれ形成されている。また、第1の分岐管18と第2の分岐管20は、本体部16の外周上の対向する位置に形成されて、略同一軸上に配置されている。一方、第3の分岐管22は、本体部16の外周上で、第1の分岐管18および第2の分岐管20に対して略90度の角度をなす位置に形成されている。
なお、図1および図2に示す三方活栓10には、第1の分岐開口部24に対して、内周面に雌ねじが形成された雌ルアーキャップ30が外挿状態で着脱可能にねじ固定されている。また、第2の分岐管20には、内周面に雌ねじが形成されたロックアダプター32が、第2の分岐管20に形成された図示しないフランジ状部で抜け出し不能に係止されて外挿状態で装着されている。更に、第2の分岐開口部26には、雄ルアーキャップ34が外挿状態で着脱可能に取り付けられている。
かかる本体部16にコック14が挿し入れられて、回動可能で液密に組み付けられている。このコック14を回動操作することにより、第1〜第3の分岐管18,20,22の内部空間によって形成されて第1〜第3の分岐開口部24,26,28において開口する各内部流路を、選択的に連通させることが可能となっている。
また、第3の分岐開口部28には、医療用コネクタとしての混注ポート36が設けられている。図3および図4に、混注ポート36の詳細構造を示す。混注ポート36は、図5に示されているように、筒形状を有するハウジングとしての筒状口体38の中心孔にディスク形状を有する弾性弁体40が装着された構造とされている。
筒状口体38は、大径筒部46と小径筒部48が一体形成された段付円筒形状を有している。小径筒部48の内径寸法は少なくとも開口部50側(図4中、上側)において弾性弁体40を収容し得る大きさとされ、雄コネクタ抜去後のスリット92(後述)の再封止状態が安定して発現されるように、好適には、弾性弁体40の外径寸法と略等しくされる。
かかる筒状口体38は、弾性弁体40を確実に保持し得る強度を有する材料から形成されることが好ましく、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂が例示される。そして、筒状口体38は、これらの材料から射出成形等によって成形される。
また、小径筒部48には、径方向内方に突出する弁受座としての環状突座54が一体形成されており、環状突座54の内周縁部には、小径筒部48の開口方向外方(図4中、上方)に向けて突出する係止突部56が一体形成されている。係止突部56は、一定の突出高さ寸法をもって全周に亘って連続する周壁形状とされており、環状突座54と係止突部56によって環状の嵌合凹溝58が形成されて、筒状口体38の小径筒部48側の開口部に向かって開口している。更に、係止突部56の内周面から環状突座54の内周面に至る部分は、湾曲凸形の一定断面形状で周方向の全周に亘って延びる当接内周面60とされている。なお、小径筒部48において、係止突部56の突設部位よりも軸方向内方に位置する周壁内面は、略一定の内径寸法をもって直線的に軸方向内方に延びる円筒状面62とされている。
また、小径筒部48の外周面には、後述する雄ルアーの一種であるルアーロックコネクタ110の雌ねじ部114が螺合する雄ねじ部64が形成されている。雄ねじ部64は、好適にはISO594で規定された、ねじの山頂径が7.0±0.2mm、ねじの谷底径が8.0±0.1mmに設定されたルアーロックコネクタ110の雌ねじ部114との接続が可能な二条ねじとされる。
なお、筒状口体38の外径寸法は、ISO594で規定された標準的なルアーチップ112の接続を可能とするために、本実施形態のような雄ねじ部64を形成しない場合には、小径筒部48の外径が6.0〜7.0mmの範囲内で設定されることが好ましく、本実施形態のように雄ねじ部64を形成する場合には、ねじ山を含んだ小径筒部48の外径が7.0〜8.0mmの範囲内で設定されることが好ましい。
また、筒状口体38の小径筒部48側の開口縁部には、内周側に突出する開口係止片65が全周に亘って連続的に形成されている。開口係止片65は、中央に貫通孔66が形成された略円環形状とされており、その内径寸法が、弾性弁体40における中央部76(後述)の径寸法と略等しくされている。更に、開口係止片65は、上端面68と下端面70がそれぞれ軸直角方向に広がる平面とされており、下端面70の内周端部には、下方に突出する係止突部74が形成されている。
この開口係止片65が環状突座54および係止突部56に対して上方に対向して配置されており、それら環状突座54および係止突部56と開口係止片65との対向間に弾性弁体40が挟持されている。
弾性弁体40は、図6,図7に示されているように、略一定の厚さ寸法を有する円板形状の中央部76と、中央部76の外周を全周に亘って囲む略円環形状を有する環状固定部78とが一体形成された、全体として略ディスク形状を有している。弾性弁体40は、弾性を有する材料から形成されており、気密性や再封止性を考慮して、イソプレンゴムやシリコーンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー等から選択される材料を用いて、プレス成形やモールド成形等することによって形成されている。
環状固定部78は、一定の略矩形断面形状をもって周方向に連続して延びている。この矩形断面は、径方向寸法(図4中、左右方向寸法)に比して、軸方向寸法(図4中、上下方向寸法)の方が大きくされている。なお、環状固定部78の軸方向寸法は、中央部76の軸方向寸法よりも小さくされており、環状固定部78の軸方向上端面が中央部76の軸方向上端面よりも内方(図4中の下方)に低くされている。これにより、開口係止片65が環状固定部78の軸方向上方に重ね合わされる際、中央部76の軸方向上端面からの開口係止片65の外方への突出が避けられている。
また、弾性弁体40の内面80および外面82における外周部分には、凹状断面をもって全周に亘って連続して延びる環状溝84,86がそれぞれ形成されている。環状溝84,86は、弾性弁体40の径方向で互いに略同じ位置に形成されており、弾性弁体40には、これら環状溝84,86によって、厚さ寸法が小さくされた環状の括れ状部88が形成されている。従って、本実施形態における弾性弁体40は、内周部分を構成する中央部76と、外周部分を構成する環状固定部78とを、括れ状部88で接続した一体成形品とされている。また、括れ状部88は、弾性弁体40の厚さ方向でやや内面80寄りの位置に形成されており、弾性弁体40の中央部76は、括れ状部88よりも外面82側が内面80側よりも厚肉とされている。
さらに、内面80において環状溝84の内側には、全周に亘って連続して延びる凹溝部90が形成されている。要するに、環状溝84の内周側の壁面が、凹溝部90で構成されている。また、この凹溝部90は、湾曲凹形の一定断面形状をもって周方向の全周に亘って延びており、弾性弁体40の軸方向内方(図4中の下方)に向かって開口している。
なお、弾性弁体40の中央部76の直径は、好適には、5.0〜6.5mmの範囲内で設定される。弾性弁体40の中央部76の直径が5.0mmよりも小さいと、外径が略4.0mmに統一された標準的なルアーロックコネクタ110の先端であるルアーチップ112の挿入が困難になる一方、直径が6.5mmよりも大きいと、第3の分岐開口部28の外径が大きくなって、標準的なルアーロックコネクタ110の雌ねじ部114との接続が困難となるからである。
また、弾性弁体40の中央部76の厚さ寸法は、好適には、1.0〜3.0mmの範囲内で設定される。中央部76の厚さ寸法が1.0mmよりも小さいと、シリンジ先端部等の雄コネクタの挿入時におけるシール性が不十分となるおそれがある一方、厚さ寸法が3.0mmよりも大きいと、雄コネクタの挿入抵抗が大きくなって、挿入操作が難しくなるおそれがあるからである。
ここにおいて、弾性弁体40の中央部76には、スリット92が形成されている。スリット92は、中央部76を軸方向上下に貫通しており、径方向で略直線的に延びる複数の切込み94によって構成されている。この切込み94a〜94cは、中央部76の径方向中心から外周側に向かって放射状に延びており、本実施形態では3本の切込み94a,94b,94cが周方向に等角をなすように均等に設けられている。更に、スリット92を構成する各切込み94a〜94cは、中央部76の外周端までは至らない長さで形成されており、略一定の厚さ寸法とされた中央部76を貫通することで、軸方向寸法:Lが全体に亘って略一定とされている。また、各切込み94a〜94cは、後述する弾性弁体40の筒状口体38への装着状態において、弾性弁体40の弾性に基づいて幅方向内面が相互に密着した遮断状態とされて、気密性が確保されている。更に、各切込み94a〜94cの周方向間には、内面80側において、凹溝部90が形成されていることから、後述するルアーロックコネクタ110の接続時におけるルアーチップ112の挿入抵抗を軽減することができる。
さらに、スリット92を構成する各切込み94a〜94cは、それぞれ内面80側に行くに従って、より外周側まで延びて、径方向の長さが大きくなっている。要するに、図7に示されているように、切込み94の内面80開口の径方向寸法:L1 が、同切込み94の外面82開口の径方向寸法:L2 よりも大きくされている(L1 >L2 )。このことからも明らかなように、各切込み94a〜94cの外周端部は、軸方向に対して傾斜しており、内面80側に行くに従って切込み94の内周端部からより大きく離隔している。
特に、本実施形態では、各切込み94a〜94cの外面82側の径方向寸法L2 は、ルアーロックコネクタ110のルアーチップ112に収まる範囲に設けられている。
このような3本の切込み94a〜94cで構成されたスリット92を有する弾性弁体40は、例えば以下のようにして形成される。即ち、先ず、図8(a)および図9(a)に示されているように、スリット92がない弾性弁体40をゴム弾性体の加硫成形等によって形成して、ジグ96,98に内面80が上方に開放された状態でセットし、弾性弁体40の上方にスリット形成用のカッター100を位置決めする。弾性弁体40は、かかるジグ96,98へのセット状態において、外周部分がジグ96,98によって挟持されていると共に、中央部分が下側のジグ98から上方に離隔して配置されている。
次に、カッター100を弾性弁体40に対して内面80側から接近変位させて、図8(b)に示されているように、弾性弁体40の中央部76に貫通させる。この際、図9(b)に示されているように、中央部76にカッター100の切刃が押し当てられることによる押圧力や、中央部76にカッター100が刺し入れられることによる摩擦力等に基づいて、中央部76を外面82側に凸となるように湾曲変形させながら、カッター100が中央部76の外面82側に進行して貫通する。その際、弾性弁体40の外面82における切込みは、弾性変形による外面82の屈曲部にカッター100が当たることにより、広がる。その結果、図9(c)に示されているように、切込み94a〜94cの大きさが外面82開口において内面80開口よりも小さくなる。なお、本実施形態では、中央部76の湾曲変形による外面82側への突出量が、外面82のジグ98への当接によって制限されるようになっている。
最後に、図8(c)に示されているように、カッター100を弾性弁体40の中央部76から内面80側に抜き取ることにより、所定のスリット92が中央部76に対して貫通形成される。このように、カッター100を弾性弁体40の中央部76に対して内面80から刺し入れることにより、弾性弁体40の弾性を利用して、内面80に向かって次第に径方向寸法が大きくなる切込み94a〜94cを形成することができる。このため、特殊なカッター形状を採用せずとも容易に上記のような切込みを弁に設けることができる。本実施形態では、中央部76の湾曲変形量を外面82のジグ98への当接により制限することで、切込み94a〜94cの軸方向に対する傾斜角度が調節されている。
なお、本実施形態におけるスリット形成用のカッター100は、3枚の板状刃をスリット形状に対応する3方放射状に配して一体的に組み合わせたものとされている。尤も、1枚の板状刃を弾性弁体40の中央部76に対して異なる周方向角度で3回貫通させることで、3方放射状のスリット92を形成することも可能である。
また、上記のような弾性弁体40の形成方法では、切込み94a〜94cの外周端部の傾斜角度を、カッター100の押込みによる弾性弁体40の弾性変形量を調節することで、適当に設定することができる。即ち、弾性弁体40を中央部76の外面82側への弾性変形が自由に許容されるように支持して、傾斜角度を大きく設定したり、図9に示されているように、中央部76の外面82側への弾性変形量が制限されるように支持して、傾斜角度を適当に設定すること等ができる。
さらに、上記のような弾性弁体40の形成方法において、カッター100の刃の弾性弁体40に対する摩擦抵抗を調節することによっても、切込み94a〜94cの外周端部の傾斜角度を調節することができる。具体的には、例えば、カッター100の刃の表面に潤滑剤を塗布したり、弾性弁体40を自己潤滑性のゴム弾性体で形成する等して、摩擦抵抗を小さくすることで、カッター100の切込みに際して中央部76の湾曲変形量を低減して、傾斜角度を小さく設定することができる。一方、カッター100の刃の表面に粗面加工を施したり、弾性弁体40を潤滑性の小さいゴム材料で形成する等して、摩擦抵抗を大きくすることで、傾斜角度を大きく設定することができる。
尤も、弾性弁体40の中央部76を湾曲変形させながらカッター100を内面80側から切り込ませる、このようなスリット92の形成方法は、あくまでも一例であって、限定的に解釈されるべきものではない。即ち、カッターにおいて、先端エッジ(図8中に示されたカッター100の下端に相当する部分)だけでなく側端エッジ(3方放射外端)にも切刃を設けると共に、側端エッジを軸方向に対して傾斜させて先端に向かって収縮する断面形状とする。そして、かかるカッターを弾性弁体40の中央部76に対して内面80から切り込ませれば、中央部76の変形を要することなく、内面80に向かって拡大するスリット92を精度良く形成することができる。加えて、カッターを予め加熱して用いれば、中央部76の変形をより抑えることも可能となる。
さらに、例えばレーザーカッターを用いれば、弾性弁体40の中央部76をほとんど変形させることなく、スリット92の外周端部をレーザーの照射方向に対応した角度で傾斜させることができる。
なお、図10には、本実施形態の如き製造方法によってスリット92を形成した20個の弾性弁体40において、切込み94a〜94cの内面80開口と外面82開口の各径方向寸法とを、それぞれ実測した結果が示されている。結果のとおり、本実施例においては、外面82の切込み94a〜94cの各径方向寸法は、0.51〜0.77mmの範囲で設定され、内面80の切込み94a〜94cの各径方向寸法は1.31〜1.57mmの範囲で設定されている。即ち、ISOに規定されている雄ルアー先端の外径寸法は2.925〜3.15mmであるため、形成したスリット92は雄ルアーの先端部内に収まる大きさとされている。これにより、弾性弁体40に対して雄ルアーを挿入した際に、弾性弁体40が雄ルアー先端の外周面の全体に有利に密着されて、高度な液密性を一層安定して得ることができる。
かくの如きスリット92を備えた弾性弁体40は、筒状口体38によって外周部分を支持されて、筒状口体38に取り付けられている。即ち、弾性弁体40が筒状口体38の小径筒部48の開口部50に挿入されて、弾性弁体40の環状固定部78の下部が筒状口体38の環状突座54に上方から重ね合わされていると共に、環状固定部78の下部の内周面が係止突部56の外周面に重ね合わされている。また、弾性弁体40の上方から開口係止片65が重ね合わされて、環状固定部78の上部が開口係止片65の下端面70および係止突部74の外周面に重ね合わされている。換言すれば、筒状口体38の環状突座54に設けられた係止突部56が弾性弁体40の環状溝84に挿入されていると共に、開口係止片65に設けられた係止突部74が弾性弁体40の環状溝86に挿入されて、それら係止突部56,74が環状溝84,86に係止されている。これにより、弾性弁体40は、括れ状部88が筒状口体38の係止突部56と係止突部74との間で軸方向に挟持されて、筒状口体38に装着されている。
また、係止突部56の突出高さ寸法は、弾性弁体40の内面80に形成された環状溝84の、環状固定部78における内面80からの溝深さ寸法と等しいか、僅かに大きくされていることが好ましい。これにより、係止突部56の突出先端部と、弾性弁体40の環状溝84の溝底部との間における隙間の発生が防止されている。
さらに、嵌合凹溝58の深さ寸法は係止突部56の突出高さ寸法であり、弾性弁体40の環状溝84の深さ寸法と等しいか僅かに大きくされている。また、嵌合凹溝58の径方向の溝幅寸法は、弾性弁体40の環状固定部78における括れ状部88よりも軸方向内方(内面80側)に突出する部分の幅寸法と同じか僅かに小さくされている。これにより、嵌合凹溝58の内面の全体に、弾性弁体40の環状固定部78が密着状態で当接されて、嵌合凹溝58内の隙間が防止されている。
また、係止突部74の突出高さ寸法は、弾性弁体40における環状固定部78の、括れ状部88からの突出高さ寸法と同じか僅かに大きくされている。これにより、係止突部74の先端部分が、弾性弁体40の環状溝86の底部内面に対して、隙間なく密着状態で当接されるようになっている。
さらに、開口係止片65は、弾性弁体40の中央部76を外れた外周部分に配置されることから、雄コネクタの接続操作を阻害しないように、貫通孔66の内径寸法が4.4mm以上に設定されることが好ましい。貫通孔66の内径寸法が4.4mmよりも小さいと、ISO594で規定される標準的なルアーロックコネクタ110を挿入した場合、ルアーチップ112と開口係止片65が接触してルアーチップ112を損傷し、接続時の気密性を損なうおそれがあるからである。
そして、弾性弁体40を筒状口体38に組み付けた混注ポート36が、第3の分岐管22の第3の分岐開口部28に取り付けられることで、第3の分岐開口部28が弾性弁体40によって気密に閉鎖されている。
かかる組み付け状態において、弾性弁体40における環状固定部78が嵌合凹溝58に嵌め入れられると共に、筒状口体38に形成された係止突部56が、弾性弁体40の内面80に形成された環状溝84に嵌め入れられている。そして、筒状口体38において、相互に対向方向に突設された係止突部56と係止突部74により、弾性弁体40の括れ状部88が軸方向で挟まれて支持されている。
なお、筒状口体38に対する開口係止片65の形成は、例えばスウェージング加工によって有利に実現される。具体的に例示すると、図5に示すように、弾性弁体40を筒状口体38に嵌め入れた後、筒状口体38の上端部に対して、超音波振動や高周波誘導加熱を利用したスウェージング加工を行なうことで、筒状口体38の上端部が溶融しながら径方向内側へと変形して、開口係止片65が形成される。
そして、混注ポート36は、筒状口体38の大径筒部46が、ホルダ12における第3の分岐管22の開口部に接続されて、大径筒部46が第3の分岐管22に螺着される連結部材108で覆われることにより固定される。このような構造とされた三方活栓10は、一般に、第1の分岐開口部24が輸液ルートの上流側のチューブと接続され、第2の分岐開口部26が下流側のチューブと接続されることによって、第1の分岐管18と第2の分岐管20によって輸液ルートの一部を構成して輸液ルート上に配設される。
そして、図11に示すように、第3の分岐開口部28に設けられた混注ポート36に対して、例えば雄コネクタとしてのルアーロックコネクタ110が接続される。なお、図11(a)はルアーロックコネクタ110の接続前の状態、図11(b)はルアーロックコネクタ110の接続状態を示す。ルアーロックコネクタ110は例えばISO594に規定された標準的なサイズを有する従来公知のものであり、先細の円筒テーパ形状を有し外部流路を形成するルアーチップ112と、ルアーチップ112の外周部分を囲む雌ねじ部114を備えている。
かかるルアーチップ112を、雌ねじ部114と混注ポート36の雄ねじ部64とを螺合させつつ弾性弁体40に押し込む。そこにおいて、弾性弁体40は、環状固定部78が係止突部56および係止突部74で係止される。これにより、弾性弁体40の中央部76が筒状口体38の内方に押し込まれて、スリット92が押し広げられる。
その結果、図11(b)に示すように、ルアーチップ112が弾性弁体40を貫通し、先端開口部116が筒状口体38の内部空間に開口されて、ルアーチップ112に接続されている例えばシリンジ等の内部空間が、ルアーチップ112内の外部流路を通じて第3の分岐管22の内部流路と連通状態とされる。それと共に、ルアーロックコネクタ110の雌ねじ部114が混注ポート36の雄ねじ部64と螺合することによって、ルアーチップ112の挿通状態が確実に維持される。
かかるルアーチップ112の挿通状態で、コック14を操作して第3の分岐管22と第2の分岐管20を連通状態とすることによって、シリンジ内に充填された薬液を輸液ルート上に混注することが可能となる。そして、混注が完了してルアーチップ112を抜去した後は、弾性弁体40の弾性復元力によって、中央部76が円板形状に復帰して、スリット92が略気密に閉塞されることとなる。
そこにおいて、上述の如き構造とされた混注ポート36においては、弾性弁体40の中央部76に形成されたスリット92が、径方向3方に延びる切込み94a〜94cで構成された放射状とされている。これにより、ルアーチップ112のスリット92への挿入時に、弾性弁体40におけるスリット92の形成部分が変形し易くなって、ルアーチップ112の外周面と弾性弁体40との間で作用する摩擦力が低減される。その結果、ルアーチップ112をスリット92に対して容易に挿入できると共に、弾性弁体40が流体流路側に押し込まれて筒状口体38から脱落するのを防ぐことができる。
また、スリット92が3本の切込み94a〜94cで形成されていることによって、スリット92が必要以上に開き易くなるのを防いで、遮断時にはスリット92の気密性が確保されることから、スリット92を通じた液漏れ等が防止される。しかも、3本の切込み94a〜94cが周上で均等に配置されていることから、ルアーチップ112のスリット92への挿入時に作用する応力が分散化して、弾性弁体40の耐久性の向上が図られる。
さらに、3本の切込み94a〜94cが、何れも径方向で直線的に延びている。それ故、ルアーチップ112のスリット92への抜挿時に、切込み94a〜94c内面の引っ掛かりによって弾性弁体40の変形が制限される等といった不具合が回避されて、スリット92の安定した開閉作動が実現される。
更にまた、スリット92が形成された中央部76は、略一定の厚さ寸法で形成された平板形状とされており、スリット92の軸方向寸法:Lが略一定とされている。これにより、ルアーチップ112の抜き挿しに対して、スリット92を構成する3本の切込み94a〜94cが略一様に開閉して、応力の分散化や摩擦抵抗の低減が実現される。
また、3本の切込み94a〜94cは、外周端部が軸方向に対して傾斜しており、内面80側の開口が外面82側の開口よりも径方向寸法が大きくされている。これによれば、スリット92の遮断状態において、内面80側に流体流路内の液圧が及ぼされても、3本の切込み94a〜94cが開くことなく遮断状態に安定して保持される。従って、弾性弁体40の中央部76の内面80に対する液圧の作用時に、液漏れが防止される。更に、ルアーロックコネクタ112の接続時において、弾性弁体40の内面80がより一層めくれやすく、弾性変形しやすいことから、ルアーチップ112の挿入抵抗を一層軽減することができる。
なお、このような外周端部が傾斜した切込み94a〜94cを採用することによって、スリット92が安定して遮断状態に保持されるのは、例えば以下の如き理由によるものと推測される。即ち、スリット92を構成する3本の切込み94a〜94cの径方向寸法が内面80において外面82よりも大きくされていることによって、切込み94a〜94cの外周端を含んで内面80側に向かって拡開する仮想的な円錐台面が、中央部76における切込み94a〜94cの周方向間に位置する部分を実質的に支持する面となる。これにより、内面80に液圧が作用すると、切込み94a〜94cの周方向間に位置する部分が仮想的な円錐台面側に圧縮されて締め込まれることから、スリット92が開放され難くなるものと考えられる。
また、切込み94a〜94c外周端の傾斜方向を特定することによる耐圧性の向上は、図12に示されているように、実験によっても確認されている。即ち、図12では、内面80開口が外面82開口よりも大きい切込み94a〜94cを有する弾性弁体40(実施例)と、外面82開口が内面80開口よりも大きい切込みで構成されたスリットを有する弾性弁体(比較例)との各5つにおいて、スリットを通じた液漏れを生じる内面80への最大液圧が示されている。これによれば、実施例では、比較例に比して、スリットを通じた液の漏れが中央部76の内面80に対してより高い圧力が作用するまで生じないことが、実測結果からも明らかである。
なお、図12に示された結果を得るための実験で用いた弾性弁体において、実施例の切込み94では、内面80開口の径方向寸法から外面82開口の径方向寸法を引いた差が0.5mmとされている。一方、比較例の切込みでは、内面80開口の径方向寸法から外面82開口の径方向寸法を引いた差が−0.5mmとされている。また、弾性弁体40はイソプレンで形成されており、中央部76の厚さ寸法が1.8mmとされている。
また、混注ポート36においては、弾性弁体40の凹溝部90と、それが当接される係止突部56および環状突座54の当接内周面60とが、互いに対応する湾曲凹形断面と湾曲凸形断面をもって形成されている。それ故、ルアーチップ112をスリット92に挿入した状態において、凹溝部90と当接内周面60が密着状態で安定して当接されることとなり、当接面間における隙間の発生が防止される。その結果、隙間が発生することに起因する薬液の入り込みと滞留が効果的に回避され得る。
しかも、ルアーチップ112を抜き取った後、弾性弁体40が弾性で復元してスリット92が閉鎖された状態では、弾性弁体40に形成された凹溝部90により、係止突部56および環状突座54の当接内周面60の表面には、充分に大きな開口幅をもった凹所が形成される。それ故、たとえこの凹溝部90に薬液が入り込んでいたとしても、表面張力の作用で凹溝部90に止まる力に比して充分に大きな重力が作用することとなり、凹溝部90への薬液の滞留が効果的に回避され得るのである。
また、ルアーチップ112の挿し入れ時の屈曲変形に伴って弾性弁体40に生ずる応力が、凹溝部90に設定された湾曲凹形断面によって分散される。加えて、弾性弁体40と、それが当接される係止突部56および環状突座54とが、互いに対応する湾曲凹形断面と湾曲凸形断面をもって形成されていることから、弾性弁体40における応力や変形の更なる分散効果が発揮される。これにより、弾性弁体40における応力や変形の局部的作用に起因する耐久性の低下が軽減され得る。
なお、弾性弁体40は、ルアーチップ112の挿し入れに際して摩擦力で筒状口体38の内方に引っ張られて延び変形することから、図4に示されているように、かかる延び分を考慮して、ルアーチップ112の挿し入れ前の自由状態における凹溝部90の表面長さが、係止突部56および環状突座54の当接内周面60の表面長さよりも小さくされている。
また、本実施形態の混注ポート36では、ルアーチップ112を挿し入れた際、弾性弁体40の中央部76の内面80が、小径筒部48の円筒状面62に対して当接することで、ルアーチップ112の挿入端位置が規定されるようになっている。それ故、ルアーチップ112の挿入端位置を、筒状口体38への直接の当接で規定する場合に比して、ルアーチップ112の挿入端位置において弾性弁体40に対して充分な圧縮力を安定して及ぼすことが出来る。その結果、弾性弁体40によるシール効果を安定して得ることが可能となり、流体流路のシール性の信頼性の向上も達成され得る。
また、ルアーロックコネクタ110の接続状態において、ルアーチップ112は弾性弁体40のみで保持されて、筒状口体38に対して非接触とされる。これにより、ルアーチップ112が筒状口体38等に擦れることに起因して削れた樹脂が流体流路に混入するような不具合も、完全に回避されるのであり、衛生面の更なる向上も達成される。
なお、図11においては、雄コネクタとして雌ねじ部114を有するルアーロックタイプのコネクタを例示しているが、雌ねじ部114を有さず、ルアーチップ112のみを備える所謂ルアースリップタイプのコネクタも、勿論接続可能である。特にルアースリップタイプのコネクタの場合、ルアーチップ112は、弾性弁体40の弾性復元力のみによって接続状態が維持されることとなる。また、雄コネクタとしてルアースリップタイプのみが対象とされるような場合には、筒状口体38の段付形状や雄ねじ部64は必ずしも必要ではない。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態においては、3本の切込み94a〜94cが3方放射状に配されたスリット92が例示されているが、スリットは、3本以上の切込みで構成されていれば良い。具体的には、図13に示された弾性弁体120のように、スリット122が十文字に配された4本の切込み94a〜94dで構成されていても良いし、5本以上の切込み94で構成されていても良い。このように切込み94の数を増やすことにより、ルアーチップ112を抜挿する際の抵抗をより小さくすることができて、弾性弁体120の筒状口体38からの脱落を防ぐことができる。
また、スリットを構成する切込みは、周方向に等しい角度をなすように均等配置されることが望ましいが、周上で偏って配置されていても良い。また、スリットを構成する切込みは、均等の径方向寸法により形成されることが望ましいが、互いに異なる径方向寸法で形成されてもよい。更に、切込みは、必ずしも軸方向視で外周側に向かって直線的に延びていなくても良く、湾曲乃至は屈折して延びていても良い。
また、切込みの外周端の傾斜角度は特に限定されるものではなく、要求される耐圧性や耐久性等に応じて任意に設定され得る。更に、切込みの外周端は、軸方向に対して必ずしも一定の角度で傾斜していなくても良い。なお、切込みの外周端が軸方向に対して傾斜していることは、必須ではなく、軸方向に対して非傾斜で延びていても良い。加えて、切込みの外周端の傾斜方向は、前記実施形態のように内面80側に向かって次第に外周側に傾斜することが望ましいが、逆向きであっても良い。
また、凹溝部90の大きさは、使用される液体の粘度や比重等を考慮して、かかる液体が表面張力の作用で凹溝部90内に滞留することがない程度に設定されるものであり、本発明では、かかる凹溝部90の径方向幅寸法や深さ寸法が限定的に解釈されるものでない。
また、前記実施形態においては、筒状口体38に環状突座54が形成されて、ホルダ12と別体形成された筒状口体38によって弾性弁体40が支持されていたが、例えば前記実施形態において、ホルダ12における第3の分岐管22の開口部分に弁受座を直接に形成する等しても良い。
また、前記実施形態においては、本発明に従う医療用コネクタの三方活栓への適用例を示したが、本発明は、従来公知の各種の医療用流体流路に採用される医療用コネクタに対して適用可能である。例えば、図14(a)および(b)に示されるように、プラグ130およびT字混注管140にも、本発明を適用することが可能である。
10:三方活栓、36:混注ポート(医療用コネクタ)、38:筒状口体(ハウジング)、40,120:弾性弁体、54:環状突座(弁受座)、56:係止突部、65:開口係止片、74:係止突部、78:環状固定部、84:環状溝、86:環状溝、88:括れ状部、92:スリット、94:切込み、100:カッター、130:プラグ、140:T字混注管

Claims (5)

  1. 筒状のハウジング内にスリットが形成されたディスク状の弾性弁体を配置して、該弾性弁体の外周部分を該ハウジングに支持させて装着した医療用コネクタであって、
    前記弾性弁体の前記スリットが該弾性弁体の中央部分から外周側に向かって放射状に延びる3本以上の切込みで構成されており、該スリットに対して先細形状の雄ルアーが貫通して挿し入れられるようになっていると共に、
    該弾性弁体の外面において、該スリットを構成する該切込みの全体が、該スリットに挿入される雄ルアーの先端部内に収まる範囲に設けられている一方、
    該弾性弁体の外周部分の内外両面においてそれぞれ周方向に延びる環状溝が形成されることにより環状の括れ状部が設けられて、該弾性弁体における該括れ状部よりも外周側が環状固定部とされていると共に、前記ハウジングに設けられた係止突部が該弾性弁体の内外両面に形成された該環状溝に係止されており、更に、
    該弾性弁体の内面において、該環状溝の内側には該弾性弁体の内面側の内部流路に開口する凹溝部が形成されていることを特徴とする医療用コネクタ。
  2. 前記弾性弁体の内面における前記切込みの長さが、該弾性弁体の外面における該切込みの長さよりも大きくなっている請求項1に記載の医療用コネクタ。
  3. 前記弾性弁体における前記スリットの形成部分が平板形状とされている請求項1又は2に記載の医療用コネクタ。
  4. 前記スリットが周方向で等角をなすように設けられた3本の前記切込みによって構成されていると共に、
    該各切込みの径方向寸法が略等しくされている請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用コネクタ。
  5. 筒状のハウジング内にスリットが形成されたディスク状の弾性弁体を配置して、該弾性弁体の外周部分を該ハウジングに支持させて装着した医療用コネクタの製造方法であって、
    成形された前記弾性弁体の外周部分を挟持すると共に該弾性弁体の外面側の中央部分から離隔したジグを用いて、該弾性弁体の中央部分の外面側への弾性変形が許容される状態にして、該弾性弁体に対して内面側からカッターの切刃を押し当てて該弾性弁体の中央部分を外面側へ湾曲して膨らむように弾性変形させつつ該切刃を刺し入れて貫通させることにより、放射状に延びる3本以上の切込みで構成された前記スリットを該弾性弁体に後形成する工程を、有することを特徴とする医療用コネクタの製造方法。
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