JP6678260B1 - 切断工具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れると共に良好な切れ味を持続できるニッパー等の切断工具及びその製造方法を提供する。【解決手段】それぞれ枢結部(2a)(2b)において枢結した第一刃体と第二刃体のハンドル部を開閉することにより刃部を開閉する切断工具に関して、挟持空間(10)を介して軸支孔を貫設した一対の表側平板部(11)と裏側平板部(12)により構成された第一刃体の枢結部(2a)に対して、表裏両側に凹陥部を有すると共に軸支孔を貫設した中間平板部(14)により構成された第二刃体の枢結部(2b)を挿入し、前記軸支孔に挿通された軸部材(9)により枢結部(2a)(2b)を枢結して成る構成において、前記第一刃体は、ハンドル部(4a)を長手方向に沿って表側ハンドル片(22)と裏側ハンドル片(23)に分割して形成され、それぞれ表側ハンドル片と裏側ハンドル片を前記表側平板部(11)と裏側平板部(12)から一体に延設している。【選択図】図11

Description

本発明は、ニッパーやペンチ等の切断工具及びその製造方法に関し、特に、耐久性に優れ良好な切れ味を持続できる切断工具を提供するものである。
従来、ニッパー等の切断工具は、それぞれ枢結部から刃部とハンドル部を延設した第一刃体と第二刃体を前記枢結部において枢結し、ハンドル部を開閉することにより刃部を開閉するように構成されている。
特開昭62−79971号公報 特開昭63−109981号公報
切断工具の1例としてのニッパーに関して、本発明と対比すべき従来例ないし比較例を図1ないし図9に示している。ニッパーは、第一刃体1Aと第二刃体1Bにより構成されている。第一刃体1Aは、枢結部2aから刃部3aとハンドル部4aを延設し、第二刃体1Bは、枢結部2bから刃部3bとハンドル部4bを延設している。そこで、第一刃体1Aと第二刃体1Bは、それぞれの枢結部2a、2bを枢結され、ハンドル部4a、4bを開閉することにより刃部3a、3bを開閉するように構成されている。
(第1比較例)
図1及び図2に示すニッパーの第1比較例の場合、第一刃体1Aと第二刃体1Bの枢結部2a、2bは、それぞれ平板部5、6により形成され、軸支孔7、8が貫設されている。そこで、枢結部2a、2bは、平板部5、6を重ね合わせた状態で、軸支孔7、8に軸部材9を挿入し軸着することにより、枢結されている。軸部材9は、ピン等から成り、挿入後に軸端部をカシメ圧潰される。
第1比較例において、第一刃体1Aと第二刃体1Bの枢結部2a、2bは、それぞれ平板部5、6の片面を相互に対面状態で重合させ、両刃体1A、1Bの開閉に際して、対面する片面を摺擦させながら回動するように構成している(片面重合形式)。しかしながら、このような「片面重合形式」は、使用を繰り返すうちに、微小なガタツキが生じやすく、刃部3a、3bの刃縁を正確に衝合させることが困難となり、被切断物の切れ味が悪くなる。
また、軸部材9は、カシメにより軸支孔7、8に密着させられているが、枢結部2a、2bの平板部5、6にガタツキが生じると、摩耗等が促進され、弛んでしまう問題がある。
そこで、安定した枢結構造を提供するためには、「片面重合形式」ではなく、図3ないし図6に示すニッパーの第2比較例や、図7ないし図9に示すニッパーの第3比較例のような「両面重合形式」を採用することが好ましい。
(両面重合形式)
後述する第2比較例や第3比較例のような「両面重合形式」の場合、第一刃体1Aは、枢結部2aが挟持空間10を介して平行配置される表側平板部11と裏側平板部12により構成され、第二刃体1Bは、枢結部2bが表裏両面に凹陥部13を有する中間平板部14により構成されており、中間平板部14を挟持空間10に挿入し、中間平板部14の表裏両面に表側平板部11と裏側平板部12を挟持状態で重合させるように構成されている。
従って、「両面重合形式」によれば、前述の「片面重合形式」に比して、枢結部における微小なガタツキが生じ難く、刃部3a、3bの刃縁を正確に衝合させることができ、切れ味を良好な状態に維持できる。
しかしながら、「両面重合形式」の場合、図4に示すように、第一刃体1Aにおける挟持空間10の幅寸法W1に対して、第二刃体1Bにおける刃部3bの基部の幅寸法W2や、ハンドル部4bの基部の幅寸法W3は、W1<W2、W1<W3となるように形成されている。このため、第一刃体1Aと第二刃体1Bを熱間鍛造する製造工程において、熱間加工により、表側平板部11と裏側平板部12を変形させ、これにより挟持空間10を拡げた状態で中間平板部14を挿入し、その後に、表側平板部11と裏側平板部12を復元変形させることにより、中間平板部14の表裏両面を表側平板部11と裏側平板部12で挟持させることが必要であり、本出願人が実際に提供しているニッパーの製造に際しても、このような熱間工程が実行されている。ところが、変形状態から復元させられた一対の平板部11、12は、完全な平板形状に戻り難いので、現実としては、「両面重合形式」に期待されている高精度の面接触状態を形成することは、極めて困難である。
(第2比較例)
図3ないし図6に示す第2比較例の場合、図5に鎖線で示すように、熱間加工により、第一刃体1Aの枢結部2aを構成する表側平板部11と裏側平板部12を治具により離反方向に湾曲変形させ、これにより拡大させられた挟持空間10に対して、第二刃体1Bの刃部3bを挿通させ、枢結部2bを構成する中間平板部14が内装される。因みに、図示のように表側平板部11と裏側平板部12を円弧状に湾曲させるためには、熟練した技術が必要であり、しかも、高熱雰囲気中での過酷な労働が強いられる。
図6に組立工程の順序を示している。図6(A)に示すように、熱間鍛造された第一刃体1Aにおいて平行配置された表側平板部11と裏側平板部12は、熱間加工により、図6(B)に示すように、治具で離反方向に湾曲変形させられ、これにより拡大させられた挟持空間10に第二刃体1Bの中間平板部14が挿入される。引き続き、図6(C)に示すように、熱間加工ないし熱間鍛造により、中間平板部14を挟んで表側平板部11と裏側平板部12が湾曲形状から平板形状に復元変形させられ、その後、図6(D)に示すように、各平板部を通じて連通させられた軸支孔15、16、17に軸部材9を挿通し、軸端部をカシメ圧潰することにより軸着する。
表側平板部11と裏側平板部12は、湾曲変形させることが困難なばかりでなく、大きく変形された状態から熱間加工により完全な平板形状に復元することが困難であり、このため、中間平板部14の表面に対して良好な面接触状態が形成されず、微小な隙間を生じるおそれがある。このような微小な隙間は、繰り返し使用によるガタツキの原因となり、刃部3a、3bの刃縁による切れ味を悪くする。
更に、中間平板部14の軸支孔17と、表側平板部11及び裏側平板部12の軸支孔15、16も、相互に、内周面を高精度の面一状態で連ね難く、軸線が偏心するおそれがある。このような軸心の偏心は、繰り返し使用による軸部材9と軸支孔15、16、17の間の摩耗を促進し、ガタツキの原因となる。
そして、軸部材9は、製品の完成時には、カシメにより軸支孔15、16、17に密着させられているが、枢結部2a、2bにガタツキが生じると、摩耗が促進され、弛んでしまう問題がある。
(第3比較例)
図7ないし図9に示す第3比較例は、第2比較例を改良したものである。この場合、第一刃体1Aの枢結部2aを構成する表側平板部11と裏側平板部12を熱間加工により離反方向に変形させやすくするため、第一刃体1Aの熱間鍛造に際して、挟持空間10からハンドル部4aの長手方向に延びるスロット18が形成される。従って、これにより、ハンドル部4aは、スロット18の両側に位置する表側骨部19と裏側骨部20を形成し、スロット18の端部において両骨部19、20が連結部21により連結されている。
従って、第3比較例によれば、第一刃体1Aの枢結部2aと第二刃体1Bの枢結部2bを組立てるため、熱間加工により、表側平板部11と裏側平板部12を治具により離反方向に変形させて挟持空間10を拡大させる際、表側平板部11及び裏側平板部12をハンドル部4aの表側骨部19及び裏側骨部20と共に離反方向に向けて拡開状に変形させることができ、これにより挟持空間10をスロット18と共に大きく拡大させることができるので、熱間加工作業が容易となる。
図8及び図9に組立工程の順序を示している。図8(A)に示すように、熱間鍛造された第一刃体1Aにおいて平行配置された表側平板部11と裏側平板部12は、熱間加工により、図8(B)に示すように、治具で離反方向に拡開変形させられ、これにより拡大させられた挟持空間10に第二刃体1Bの中間平板部14が挿入される。図示のように、表側平板部11と裏側平板部12は、ハンドル部4aの表側骨部19及び裏側骨部20と共に離反方向に拡開変形させられるので、容易に変形させることができる。そして、挟持空間10は、スロット18と共に拡大させられるので、容易に大きく開口するように拡大させることができる。つまり、幅寸法W2で示すような第二刃体1Bにおける刃部3bの基部により形成される幅広部を通過させるために十分な大きさとなるように、スロット18と共に挟持空間10を拡大させる作業を容易に行うことができる。
引き続き、図9(A)に示すように、熱間加工ないし熱間鍛造により、中間平板部14を挟んで表側平板部11と裏側平板部12が拡開させられた形状から元の平板形状に復元変形され、その後、図9(B)に示すように、各平板部を通じて連通させられた軸支孔15、16、17に軸部材9を挿通し、軸端部をカシメ圧潰することにより、軸着される。
第3比較例は、第2比較例の場合よりも、表側平板部11と裏側平板部12を拡開変形させることが容易となるが、図8(B)に示すように、表側平板部11と裏側平板部12が刃部3aの基部に臨む個所において湾曲変形される。つまり、平板形状から円弧形状に向けて湾曲するように変形させられる。このように湾曲変形させられた表側平板部11と裏側平板部12は、その後の熱間加工により、図9(A)に示すように平板形状に復元することは困難であり、部分的に中間平板部14と表側平板部11及び裏側平板部12との間に微小な隙間を生じるおそれがある。
このため、第2比較例の場合と同様に、繰り返し使用によるガタツキや、軸部材の摩耗等により、刃部3a、3bの刃縁による切れ味が悪くなるという問題がある。
更に、第3比較例の場合、製品として提供されるニッパーのハンドル部4aには、スロット18が顕著に開口しているので、ハンドル部の握り心地が良好でなく、使い勝手が悪いという問題を提起する。
上記の他、従来技術の場合、軸部材9をカシメにより固着する単純な枢結構造のため、改善すべき課題がある。
本発明は、上記課題を解決した切断工具及びその製造方法を提供することを目的としている。
そこで、本発明の切断工具が手段として構成したところは、それぞれ枢結部から刃部とハンドル部を延設した第一刃体と第二刃体を前記枢結部において枢結し、ハンドル部を開閉することにより刃部を開閉するように構成した切断工具に関して、第一刃体の枢結部は、刃部とハンドル部の間に位置して挟持空間を介してほぼ平行配置されると共に軸支孔を貫設した一対の所定平板形状とされた表側平板部と裏側平板部により構成され、第二刃体の枢結部は、刃部とハンドル部の間に位置して表裏両側に凹陥部を有すると共に軸支孔を貫設した中間平板部により構成され、前記中間平板部を前記挟持空間に挿入すると共に前記表裏側平板部により挟持させた状態で、前記軸支孔に挿通された軸部材により両刃体の枢結部を枢結して成る構成において、前記第一刃体は、ハンドル部を長手方向に沿って表側ハンドル片と裏側ハンドル片に分割して形成され、それぞれ表側ハンドル片と裏側ハンドル片を前記表側平板部と裏側平板部から一体に延設すると共に、両ハンドル片の分割面を重合しており、
熱間加工により前記第一刃体の刃部に対して表側平板部及び裏側平板部を表側ハンドル片及び裏側ハンドル片と共に相互に離反させたときと、当該離反状態から熱間加工により前記第一刃体の表側平板部及び裏側平板部を表側ハンドル片及び裏側ハンドル片と共に相互に近接方向に復元させて中間平板部を挟持したとき、刃部と表側平板部及び裏側平板部の連設部を変形させることにより、表側平板部及び裏側平板部が湾曲変形せずに所定平板形状を維持するように構成して成る点にある。
前記第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部は、刃部との連設部に位置して挟持空間に臨むヒンジ溝を形成していることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、前記第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部に形成された軸支孔のうち、一方の軸支孔は、枢結部の表面に臨む大径部と、軸支孔から大径部に向かうテーパ面を備え、前記軸部材は、ピンとボルトにより構成され、前記ピンは、ピン頭部とピン軸部を一体に備え、ピン頭部からピン軸部に向けてテーパ部を形成しており、ピン頭部とテーパ部を前記軸支孔の大径部とテーパ面に嵌着した状態で、ピン軸部を前記軸支孔に挿入すると共に、該ピン軸部の軸端面を他方の軸支孔の開口縁よりも内方に位置させることにより該開口縁に開口凹部を形成し、更に前記ピンは、軸方向に圧縮された状態でピン軸部の外周面を第二刃体における枢結部の軸支孔の内周面に圧着すると共に、軸端面から軸方向に雌ネジ孔を形成しており、前記ボルトは、工具により回転されるボルト頭部とボルト軸部を一体に備え、ボルト軸部を前記ピンの雌ネジ孔に螺挿すると共に、ボルト頭部を前記枢結部の裏面に圧接している。
この際、前記ピンのピン頭部と軸支孔の大径部の相互嵌着面と、前記テーパ部と軸支孔のテーパ面の相互嵌着面のうち、少なくとも一方の嵌着面は、相互に凹凸を介して嵌着され、前記ボルトによりピンを軸方向に圧縮されることにより、凹凸を圧潰状態で結合する構成とすることが好ましい。
更に、本発明の切断工具の製造方法が手段として構成したところは、熱間鍛造により、刃部と、ハンドル部と、前記刃部とハンドル部の間に位置して挟持空間を介してほぼ平行配置されると共に軸支孔を貫設した一対の所定平板形状とされた表側平板部と裏側平板部により構成される枢結部と、長手方向に沿って分割されると共に前記表側平板部と裏側平板部から一体に延設された表側ハンドル片と裏側ハンドル片により構成されたハンドル部を備える第一刃体を形成する第一刃体形成工程と;熱間鍛造により、刃部と、ハンドル部と、前記刃部とハンドル部の間に位置して表裏両側に凹陥部を有すると共に軸支孔を貫設した中間平板部により構成された枢結部を備える第二刃体を形成する第二刃体形成工程と;熱間加工により、前記第一刃体の刃部との連設部を変形させることにより、表側平板部及び裏側平板部を表側ハンドル片及び裏側ハンドル片と共に相互に離反変形させ、表側平板部及び裏側平板部を所定平板形状が維持された状態で、前記挟持空間を拡開させる拡開工程と;前記挟持空間に第二刃体の中間平板部を挿入した後、熱間加工により、前記連設部の変形を介して、前記第一刃体の表側平板部及び裏側平板部を表側ハンドル片及び裏側ハンドル片と共に相互に近接方向に復元させ、所定平板形状が維持された状態で表側平板部及び裏側平板部を中間平板部の表裏両面に重合させると共に、両ハンドル片(22)(23)の分割面を重合させる組立工程と;前記第一刃体と第二刃体の枢結部を相互に軸支孔を介して軸部材により枢結する枢結工程により構成された点にある。
前記第一刃体形成工程は、第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部の刃部に対する連設部に位置して挟持空間に臨むヒンジ溝を形成する工程を含むことが好ましく、前記拡開工程は、前記ヒンジ溝を介して連設部を変形させることにより、表側平板部及び裏側平板部を離反させ、表側平板部及び裏側平板部の所定平板形状を維持した状態で挟持空間を拡開させる工程を含むことが好ましく、前記組立工程は、前記ヒンジ溝を介して連設部を変形させることにより、表側平板部及び裏側平板部を近接方向に復元させ、所定平板形状を維持した状態で表側平板部及び裏側平板部を中間平板部の表裏両面に重合させる工程を含むことが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1刃体形成工程は、一方の軸支孔に、枢結部の表面に臨む大径部と、軸支孔から大径部に向かうテーパ面を形成する工程を含み、前記枢結工程で使用する軸部材は、ピンとボルトにより構成され、前記ピンは、ピン頭部とピン軸部を一体に備え、ピン頭部からピン軸部に向けてテーパ部を形成しており、前記枢結工程は、テーパ部を前記テーパ面に嵌合することによりピン頭部を大径部に嵌入し、ピン軸部を軸支孔に挿通すると共に、該ピン軸部の軸端部を他方の軸支孔から挿出させるピン挿入工程と、ピンを両端から軸方向に圧縮し、他方の軸支孔から挿出された軸端部をカシメ圧潰することにより、ピンのテーパ部を軸支孔のテーパ面に嵌着させると共に、ピン軸部の外周面を軸支孔の内周面に圧着させる圧着工程と、他方の軸支孔から挿出された軸端部を切削し、ピン軸部の切削された切削端面を当該軸支孔の開口縁よりも内方に位置させることにより該開口縁に開口凹部を形成する切削工程と、ピンの切削端面から軸方向に雌ネジ孔を形成するネジ立て穿孔工程と、ボルト軸部を前記ピンの雌ネジ孔に螺挿すると共に、ボルト頭部を前記枢結部の裏面に圧接するボルト螺着工程により構成されている。
この際、軸支孔のテーパ面と、ピン頭部のテーパ部は、相互に凹凸を介して嵌着され、前記圧着工程において、ピンを軸方向に圧縮することにより、凹凸を圧潰状態で結合させる工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、第一刃体1Aの拡開工程において、表側平板部11及び裏側平板部12を表側ハンドル片22及び裏側ハンドル片23と共にハ字形に拡開させることができるので、表側平板部11及び裏側平板部12を所定平板形状のままで容易に拡開させることが可能となり、挟持空間10を大きく拡大することができる。そして、挟持空間10に中間平板部14を挿入した後、表側平板部11及び裏側平板部12を元の状態に復元するに際しても、所定平板形状のままで容易に復元させることができ、中間平板部14の両面を好適に面接触状態で挟持することができる。その結果、熱間工程を伴う切削工具の製造が容易となり、しかも、ガタツキによる切れ味の劣化はなく、長期間にわたり良好な切れ味を保持した切削工具を提供することができるという効果がある。
更に、本発明によれば、軸部材9による軸着構成は、軸支孔に対してカシメを伴う圧着工程により強固に固着されたピン28に基づいているので、密着性による耐摩耗性に優れており、更に、ピン28に対してボルト33を螺着しているので、長期使用により弛みを生じたときでも、ユーザの締め直しにより、常に良好な切れ味を保持できるという効果がある。
第1比較例を示しており、ニッパーを示す斜視図である。 第1比較例に関して、ニッパーを分解状態で示す斜視図である。 第2比較例を示しており、ニッパーを示す斜視図である。 第2比較例に関して、ニッパーを分解状態で示す斜視図である。 第2比較例に関して、第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部を熱間加工により湾曲変形させ、第二刃体の枢結部を構成する中間平板部を挟持空間に挿入する工程を示す斜視図である。 第2比較例に関して、第一刃体の枢結部と第二刃体の枢結部を枢結するための工程を示しており、(A)は熱間鍛造された第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部を示す断面図、(B)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部を湾曲変形させることにより第二刃体の中間平板部を挿入する工程を示す断面図、(C)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部を湾曲変形状態から平板形状に復元変形させた状態を示す断面図、(D)は中間平板部を表側平板部と裏側平板部により挟持した状態で軸部材を軸着した状態を示す断面図である。 第3比較例を示しており、ニッパーを示す斜視図である。 第3比較例に関して、第一刃体の枢結部と第二刃体の枢結部を枢結するための工程を示しており、(A)は熱間鍛造された第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部を示す断面図、(B)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部を拡開変形させることにより第二刃体の中間平板部を挿入する工程を示す斜視図である。 図9に示す工程に引き続いて行われる工程を示しており、(A)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部を拡開変形状態から平板形状に復元変形させた状態を示す断面図、(B)は中間平板部を表側平板部と裏側平板部により挟持した状態で軸部材を軸着した状態を示す断面図である。 本発明の1実施形態に係る切断工具を示しており、ニッパーを示す斜視図である。 本発明の実施形態に関して、ニッパーを分解状態で示す斜視図である。 本発明の実施形態に関して、第一刃体の枢結部と第二刃体の枢結部を枢結するための工程を示しており、(A)は熱間鍛造された第一刃体の枢結部を構成する表側平板部と裏側平板部を示す断面図、(B)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部をハ字状に拡開変形させることにより第二刃体の中間平板部を挿入する工程を示す斜視図である。 図12に対応する拡大図を示しており、(A)は第一刃体の枢結部を示す斜視図、(B)は図12(A)の拡大図、(C)は図12(B)の拡大図である。 図12及び図13に示す工程に引き続いて行われる工程を示しており、(A)は熱間加工により表側平板部と裏側平板部を拡開変形状態から平板形状に復元変形させた状態を示す断面図、(B)は軸部材を構成するピンを示す斜視図、(C)はピンを軸支孔に挿入した状態を示す断面図、(D)はピンの軸端をカシメ圧潰した状態を示す断面図である。 図14に示す工程に引き続いて行われる工程を示しており、(A)はピンのカシメ圧潰部を切削した状態を示す断面図、(B)はピンの軸方向に貫通して雌ネジ孔を形成した状態を示す断面図、(C)は雌ネジ孔にボルトを螺着した状態を示す断面図である。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
図10及び図11に示すように、切削工具の1例としてのニッパーは、第一刃体1Aと第二刃体1Bにより構成されている。第一刃体1Aは、枢結部2aから刃部3aとハンドル部4aを延設し、第二刃体1Bは、枢結部2bから刃部3bとハンドル部4bを延設している。そこで、第一刃体1Aと第二刃体1Bは、それぞれの枢結部2a、2bを枢結され、ハンドル部4a、4bを開閉することにより刃部3a、3bを開閉するように構成されている。
(第一刃体形成工程)第一刃体1Aは、第一刃体形成工程において熱間鍛造により、刃部3aと、ハンドル部4aと、枢結部2aが形成されている。枢結部2aは、前記刃部とハンドル部の間に位置して挟持空間10を介してほぼ平行配置されると共に軸支孔15、16を貫設した一対の表側平板部11と裏側平板部12を形成している。更に、ハンドル部4aは、長手方向に沿って分割され、表側平板部11と裏側平板部12から一体に延設された表側ハンドル片22と裏側ハンドル片23により形成されている。尚、表側ハンドル片22と裏側ハンドル片23は、挟持空間10から自由端部22a、23aに至る全長にわたり分割されており、相互に分割面を重合させた状態で、切断工具を提供する(図10及び図15(C)参照)。
この際、表側平板部11と裏側平板部12は、図示のような平坦な板状(以下、「所定平板形状」という。)に形成され、刃部3aとの連設部に位置して挟持空間10に臨むヒンジ溝24、25を形成している(図13参照)。
また、表側平板部11の軸支孔15は、該表側平板部11の表面に臨んで開口する大径部26aと、軸支孔15から大径部26aに向けて次第に大径とされるテーパ面26bを形成している。これに対して、裏側平板部12の軸支孔16は、前記軸支孔15と同一の内径を有して裏側平板部12を貫通し、該裏側平板部12の裏面に開口させられている(図12及び図13参照)
(第二刃体形成工程)
第二刃体1Bは、第二刃体形成工程において熱間鍛造により、刃部3bと、ハンドル部4bと、枢結部2bが形成されている。枢結部2bは、前記刃部とハンドル部の間に位置して表裏両側に凹陥部13を有すると共に軸支孔17を貫設した中間平板部14により形成されている。尚、軸支孔17は、第一刃体1Aの軸支孔15、16と同一の内径を有して中間平板部14を貫通している。
(拡開工程)図12及び図13に示すように、第一刃体1Aの表側平板部11と裏側平板部12は、熱間加工により、刃部3aとの連設部(図示のヒンジ溝24、25が形成した部分)を屈折変形させることにより、相互に離反させられる。この際、両平板部11、12から一体に延設された表側ハンドル片22と裏側ハンドル片23ハ字形に拡開されるので、拡開の作業が容易であり、挟持空間10を容易に拡大することができる。
従って、表側平板部11及び裏側平板部12は、第3比較例に関する図8(B)に示されるような部分的な湾曲変形を伴うことなく、全体が所定平板形状とされたままの状態で拡開させられる利点がある。
しかも、図示実施形態の場合、ヒンジ溝24、25を介して連設部を屈折変形させながら表側平板部11及び裏側平板部12を拡開することができるので、所定平板形状を維持させることが容易である。
(組立工程)上記のように表側平板部11及び裏側平板部12の拡開により挟持空間10を拡大させた状態で、図12(B)に示すように、該挟持空間10に第二刃体1Bの中間平板部14を挿入する。この際、ハ字形に拡開された表裏側ハンドル片22、23は、自由端部22a、23aを相互に離間させることにより開口部27を形成するので、第二刃体1Bの中間平板部14は、前記開口部27から挟持空間10に向けて進入させれば良い。従って、図12(B)に示すように、厚さtBを有する中間平板部14を挟持空間10に進入させるためには、表裏側ハンドル片22、23の基部の間に形成される挟持空間10の進入路を幅tA(tA≧tB)とするように拡開すれば足り、それ以上に拡開することは必要でない。
このようにして、第二刃体1Bの中間平板部14を挟持空間10に進入させた後、図14(A)に示すように、熱間加工により、前記連設部の変形を介して、表側平板部11及び裏側平板部12を表側ハンドル片22及び裏側ハンドル片23と共に相互に近接方向に復元させる。これにより、表側平板部11及び裏側平板部12が中間平板部14の表裏両面に重合されると共に、両ハンドル片22、23の分割面が相互に重合され、第一刃体1Aの枢結部2aと第二刃体1Bの枢結部2bが組立てられる。
表側平板部11及び裏側平板部12は、拡開工程において部分的湾曲変形を伴わずに所定平板形状を維持した状態で拡開され、引き続き、組立工程においても、ヒンジ溝24、25を介して前記連設部を変形させることにより、所定平板形状を維持したままの状態で復元させられるので、中間平板部14と表側平板部11及び裏側平板部12の間において、第2比較例や第3比較例に関して指摘したような隙間を生じることはない。
従って、表側平板部11及び裏側平板部12は、中間平板部14の両面を好適に面接触状態で挟持する。そして、軸支孔15、16、17は、同心上で同軸上に正確に整列させられる。
(枢結工程)
その後、軸支孔15、16、17に軸部材9を挿入し軸着することにより、第一刃体1Aと第二刃体1Bの枢結部2a、2bが枢結され、図10に示すようなニッパーの製品が完成する。
製品としてのニッパーは、刃部3a、3bの焼入れや、刃縁の研磨等、通常の工程を経て出荷されることは言うまでもないが、この際、復元変形された表側ハンドル片22と裏側ハンドル片23は、衝合させた状態で、ロウ付けや溶接等により、相互に固着することが好ましい。
本発明において、枢結工程は、図14及び図15に示すように、軸部材9をピン28とボルト33により構成し、これにより特徴的に構成されている。
ピン28は、図14(B)に示すように、ピン頭部29とピン軸部30を一体に備え、ピン頭部29からピン軸部于30に向けて次第に小径とされるテーパ部31を形成しており、ピン頭部30の外周に軸方向の多数のリブ等により構成された凹凸32aを設けると共に、前記テーパ部31に放射方向の多数のリブ等により構成された凹凸32bを設けている。
ボルト33は、図10及び図15(C)に示すように、ドライバーやレンチ等の工具により回転されるボルト頭部34とボルト軸部35を一体に備えている。
(ピン挿入工程)
上述の組立工程により、表側平板部11及び裏側平板部12を中間平板部14の表裏両面に重合し、軸支孔15、16、17を整列した状態で、図14(C)に示すように、表側の軸支孔15からピン28が挿入される。
ピン28は、ハンマー等で強く挿入することにより、ピン頭部29の凹凸32aを圧潰させながら大径部26aに圧入され、テーパ部31をテーパ面26bに圧接させた状態で、軸支孔15、17、16を挿通したピン軸部30の軸端部30aを裏側の軸支孔16から挿出させられる。
(圧着工程)
この状態から、図14(D)に示すように、図示省略した治具を使用し、ピン28を両端から軸方向に圧縮することにより、裏側平板部12の軸支孔16から挿出された軸端部30aをカシメ圧潰する。
これにより、ピン28のテーパ部31と軸支孔15のテーパ面26bは、相互に、凹凸32bの圧潰を介して圧着係合状態で強固に結合される。また、カシメ圧潰された軸端部30aが裏側平板部12の裏面に強く結合される。
この際、軸方向の圧縮により、ピン軸部30が膨径され、外周面を軸支孔15、17、16の内周面に圧着する。
(切削工程)
その後、図15(A)に鎖線で示すように、裏側平板部12の軸支孔16から挿出されてカシメ圧潰された軸端部30aを切削する。
切削は、軸端部30aから軸支孔16の内側に向けて、切削後のピン軸部30の切削端面30bが軸支孔16の開口縁よりも内方に位置するように行われ、これにより、該開口縁には、開口凹部36が形成される。
(ネジ立て穿孔工程)
引き続き、図15(B)に示すように、図示省略した穿孔工具ないしネジ立て工具を使用し、ピン28の切削された軸端の端面30bから軸方向に貫通する雌ネジ孔37が形成される。
(ボルト螺着工程)
この状態で、図15(C)に示すように、裏側平板部12の側からボルト33のボルト軸部35を雌ネジ孔37に螺挿して締結し、ボルト頭部34を裏側平板部12の裏面に圧接する。
ボルト33は、強く締結すると、ボルト頭部34を裏側平板部12の裏面に圧接した状態で、ボルト軸部35によりピン28を開口凹部36に引き寄せるように締着するので、長期使用により弛みを生じたときでも、ユーザが締め直すことにより、常に良好なガタツキのない枢結構造が提供される。
(枢結構造の利点)本発明によれば、第一刃体1Aの拡開工程において、表側平板部11及び裏側平板部12を表側ハンドル片22及び裏側ハンドル片23と共にハ字形に拡開させることができるので、表側平板部11及び裏側平板部12を所定平板形状のままで容易に拡開させることが可能となり、挟持空間10を必要十分な大きさに簡単容易に拡大することができる利点があり、しかも、挟持空間10に中間平板部14を挿入した後、表側平板部11及び裏側平板部12を元の状態に復元するに際しても、所定平板形状のままで容易に復元させることができ、中間平板部14の両面を好適に面接触状態で挟持することができる利点がある。
そして、軸部材9による軸着構成は、軸支孔15、17、16に対して圧着工程により強固に固着されたピン28に基づいているので、密着性による耐摩耗性に優れており、更に、ピン28に対してボルト33を螺着しているので、長期使用により弛みを生じたときでも、ユーザの締め直しにより、常に良好な切れ味を保持できる利点がある。
1A 第一刃体
2a 枢結部
3a 刃部
4a ハンドル部
1B 第二刃体
2b 枢結部
3b 刃部
4b ハンドル部
5、6 平板部
7、8 軸支孔
9 軸部材
10 挟持空間
11 表側平板部
12 裏側平板部
13 凹陥部
14 中間平板部
15、16、17 軸支孔
18 スロット
19 表側骨部
20 裏側骨部
21 連結部
22 表側ハンドル片
23 裏側ハンドル片
22a、23a 自由端部
24、25 ヒンジ溝
26a 大径部
26b テーパ面
27 開口部
28 ピン
29 ピン頭部
30 ピン軸部
30a 軸端部
30b 切削端面
31 テーパ部
32a、32b 凹凸
33 ボルト
34 ボルト頭部
35 ボルト軸部
36 開口凹部
37 雌ネジ孔

Claims (8)

  1. それぞれ枢結部(2a)(2b)から刃部(3a,3b)とハンドル部(4a)(4b)を延設した第一刃体(1A)と第二刃体(1B)を前記枢結部において枢結し、ハンドル部を開閉することにより刃部を開閉するように構成した切断工具に関して、
    第一刃体(1A)の枢結部(2a)は、刃部とハンドル部の間に位置して挟持空間(10)を介してほぼ平行配置されると共に軸支孔(15)(16)を貫設した一対の所定平板形状とされた表側平板部(11)と裏側平板部(12)により構成され、第二刃体(1B)の枢結部(2b)は、刃部とハンドル部の間に位置して表裏両側に凹陥部を有すると共に軸支孔(17)を貫設した中間平板部(14)により構成され、
    前記中間平板部(14)を前記挟持空間(10)に挿入すると共に前記表裏側平板部(11)(12)により挟持させた状態で、前記軸支孔に挿通された軸部材(9)により両刃体の枢結部(2a)(2b)を枢結して成る構成において、
    前記第一刃体(1A)は、ハンドル部(4a)を長手方向に沿って表側ハンドル片(22)と裏側ハンドル片(23)に分割して形成され、それぞれ表側ハンドル片と裏側ハンドル片を前記表側平板部(11)と裏側平板部(12)から一体に延設すると共に、両ハンドル片(22)(23)の分割面を重合しており、
    熱間加工により前記第一刃体(1A)の刃部に対して表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を表側ハンドル片(22)及び裏側ハンドル片(23)と共に相互に離反させたとき、並びに、当該離反状態から熱間加工により表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を表側ハンドル片(22)及び裏側ハンドル片(23)と共に相互に近接方向に復元させて中間平板部(14)を挟持したとき、刃部(3a)と表側平板部(11)及び裏側平板部(12)の連設部を変形させることにより、表側平板部(11)及び裏側平板部(12)が湾曲変形せずに所定平板形状を維持するように構成して成ることを特徴とする切断工具。
  2. 前記第一刃体(1A)の枢結部(2a)を構成する表側平板部(11)と裏側平板部(12)は、刃部(3a)との連設部に位置して挟持空間(10)に臨むヒンジ溝(24)(25)を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の切断工具。
  3. 前記第一刃体(1A)の枢結部(2a)を構成する表側平板部(11)と裏側平板部(12)に形成された軸支孔(15)(16)のうち、一方の軸支孔(15)は、枢結部の表面に臨む大径部(26a)と、軸支孔(15)から大径部(26a)に向かうテーパ面(26b)を備え、
    前記軸部材(9)は、ピン(28)とボルト(33)により構成され、
    前記ピン(28)は、ピン頭部(29)とピン軸部(30)を一体に備え、ピン頭部(29)からピン軸部(30)に向けてテーパ部(31)を形成しており、ピン頭部(29)とテーパ部(31)を前記軸支孔(15)の大径部(26a)とテーパ面(26b)に嵌着した状態で、ピン軸部(30)を前記軸支孔に挿入すると共に、該ピン軸部の軸端面(30b)を他方の軸支孔(16)の開口縁よりも内方に位置させることにより該開口縁に開口凹部(36)を形成し、
    更に前記ピン(28)は、軸方向に圧縮された状態でピン軸部(30)の外周面を第二刃体(1B)における枢結部(2b)の軸支孔(17)の内周面に圧着すると共に、軸端面(30b)から軸方向に雌ネジ孔(37)を形成しており、
    前記ボルト(33)は、工具により回転されるボルト頭部(34)とボルト軸部(35)を一体に備え、ボルト軸部(35)を前記ピンの雌ネジ孔(37)に螺挿すると共に、ボルト頭部(34)を前記枢結部の裏面に圧接して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の切断工具。
  4. 前記ピン(28)のピン頭部(29)と軸支孔(15)の大径部(26a)の相互嵌着面と、前記テーパ部(31)と軸支孔(15)のテーパ面(26b)の相互嵌着面のうち、少なくとも一方の嵌着面は、相互に凹凸(32a)(32b)を介して嵌着され、前記ボルト(33)によりピン(28)を軸方向に圧縮されることにより、凹凸(32a)(32b)を圧潰状態で結合して成ることを特徴とする請求項3に記載の切断工具。
  5. 熱間鍛造により、刃部(3a)と、ハンドル部(4a)と、前記刃部とハンドル部の間に位置して挟持空間(10)を介してほぼ平行配置されると共に軸支孔(15)(16)を貫設した一対の所定平板形状とされた表側平板部(11)と裏側平板部(12)により構成される枢結部(2a)と、長手方向に沿って分割されると共に前記表側平板部と裏側平板部から一体に延設された表側ハンドル片(22)と裏側ハンドル片(23)により構成されたハンドル部(4a)を備える第一刃体(1A)を形成する第一刃体形成工程と、
    熱間鍛造により、刃部(3b)と、ハンドル部(4b)と、前記刃部とハンドル部の間に位置して表裏両側に凹陥部を有すると共に軸支孔(17)を貫設した中間平板部(14)により構成された枢結部(2b)を備える第二刃体(1B)を形成する第二刃体形成工程と、
    熱間加工により、前記第一刃体(1A)の刃部との連設部を変形させることにより、表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を表側ハンドル片(22)及び裏側ハンドル片(23)と共に相互に離反させ、表側平板部及び裏側平板部を所定平板形状が維持された状態で、前記挟持空間(10)を拡開させる拡開工程と、
    前記挟持空間(10)に第二刃体(1B)の中間平板部(14)を挿入した後、熱間加工により、前記連設部の変形を介して、前記第一刃体の表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を表側ハンドル片(22)及び裏側ハンドル片(23)と共に相互に近接方向に復元させ、所定平板形状が維持された状態で表側平板部及び裏側平板部を中間平板部(14)の表裏両面に重合させると共に、両ハンドル片(22)(23)の分割面を重合させる組立工程と、
    前記第一刃体(1A)と第二刃体(1B)の枢結部(2a)(2b)を相互に軸支孔を介して軸部材(9)により枢結する枢結工程により構成されて成ることを特徴とする切断工具の製造方法。
  6. 前記第一刃体形成工程は、第一刃体の枢結部を構成する表側平板部(11)と裏側平板部(12)の刃部(3a)に対する連設部に位置して挟持空間(10)に臨むヒンジ溝(24)(25)を形成する工程を含み、
    前記拡開工程は、前記ヒンジ溝(24)(25)を介して連設部を変形させることにより、表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を離反させ、表側平板部及び裏側平板部の所定平板形状を維持した状態で挟持空間(10)を拡開させる工程を含み、
    前記組立工程は、前記ヒンジ溝(24)(25)を介して連設部を変形させることにより、表側平板部(11)及び裏側平板部(12)を近接方向に復元させ、所定平板形状を維持した状態で表側平板部及び裏側平板部を中間平板部(14)の表裏両面に重合させる工程を含んで成ることを特徴とする請求項5に記載の切断工具の製造方法。
  7. 前記第1刃体形成工程は、一方の軸支孔(15)に、枢結部の表面に臨む大径部(26a)と、軸支孔(15)から大径部(26a)に向かうテーパ面(26b)を形成する工程を含み、
    前記枢結工程で使用する軸部材(9)は、ピン(28)とボルト(33)により構成され、前記ピン(28)は、ピン頭部(29)とピン軸部(30)を一体に備え、ピン頭部(29)からピン軸部(30)に向けてテーパ部(31)を形成しており、
    前記枢結工程は、テーパ部(31)を前記テーパ面(26b)に嵌合すると共にピン頭部(29)を大径部(26a)に嵌入し、ピン軸部(30)を軸支孔に挿通し、該ピン軸部の軸端部(30a)を他方の軸支孔(16)から挿出させるピン挿入工程と、
    ピン(28)を両端から軸方向に圧縮し、他方の軸支孔(16)から挿出された軸端部(30a)をカシメ圧潰することにより、ピンのテーパ部(31)を軸支孔のテーパ面(26b)に嵌着させると共に、ピン軸部(30)の外周面を軸支孔の内周面に圧着させる圧着工程と、
    他方の軸支孔(16)から挿出された軸端部を切削し、ピン軸部(30)の切削された切削端面(30b)を当該軸支孔(16)の開口縁よりも内方に位置させることにより該開口縁に開口凹部(36)を形成する切削工程と、
    ピンの切削端面(30b)から軸方向に雌ネジ孔(37)を形成するネジ立て穿孔工程と、
    ボルト軸部(35)を前記ピンの雌ネジ孔(37)に螺挿すると共に、ボルト頭部(34)を前記枢結部の裏面に圧接するボルト螺着工程により構成されて成ることを特徴とする請求項5又は6に記載の切断工具の製造方法。
  8. 軸支孔(15)のテーパ面(26b)と、ピン頭部(29)のテーパ部(31)は、相互に凹凸(32a)を介して嵌着され、前記圧着工程において、ピンを軸方向に圧縮することにより、凹凸(32a)を圧潰状態で結合させる工程を含んで成ることを特徴とする請求項7に記載の切断工具の製造方法。
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