JP6676964B2 - 光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路、特に屈曲部を有する光導波路に関する。
光導波路技術、特に光集積回路に用いる光導波路技術においては、光遅延部の構成等さまざまな理由から、光導波路に曲げ部(屈曲部)を設けることが必要になる場合がある。
一般に、光集積回路は極力小型にすることが求められ、小型化の帰結として、光導波路の屈曲部の曲率半径Rを小さく抑える必要が生ずる。しかしながら、光導波路の曲率半径Rを小さくする(1/Rで定義される「曲率」を大きくする)と、光が伝播する際の光導波路の損失が大きくなる。これは、曲率半径Rが小さいと、反射や散乱が発生し易くなるためである。光集積回路では、小型化と共に、この光損失も極力抑える必要がある。従って、光損失が抑制された屈曲部を含む光導波路の検討も活発に行われてきている。なお、以下では、屈曲部を構成する光導波路を「屈曲導波路」といい、屈曲導波路を含む光導波路を「曲げ導波路」という。
曲げ導波路の損失低減について検討した従来技術として、非特許文献1に開示されたものが知られている。非特許文献1に開示された曲げ導波路は、2つの直線導波路の間に屈曲導波路が配置された構成となっており、屈曲導波路における光の伝播方向の中心線が、直線導波路における光の伝播方向の中心線に対して、曲げ方向の内側にずらされている(オフセットされている)。これは、屈曲導波路では、伝播する光の電磁界分布のピークが曲げ方向の外側に寄るので、直線導波路と屈曲導波路とで電磁界分布のピークの位置が光導波路の幅方向で変わらないようにするためである。非特許文献1に開示された曲げ導波路では、このような構成を用いることにより、光損失の低減を図っている。
一方、屈曲部における曲率の変化に着目して曲げ導波路の低損失化を図った従来技術として、非特許文献2に開示されたものが知られている。非特許文献2に開示された曲げ導波路では、屈曲部の形状としてクロソイド曲線を採用している。つまり、屈曲部における曲率を一定の曲率とするのではなく、0から始まり、線路長(光導波路上のある始点から、光導波路に沿って進む場合の道のり)と共に線形に増加し、屈曲部の頂点において最大となり、以後線形に減少し、終点で0となるようにしている。すなわち、直線導波路を伝播していた光は有限の曲率で突然曲げられると、反射や散乱によって光損失が発生するので、非特許文献2では、クロソイド曲線を用いて光導波路を伝播する光を徐々に曲げることによって、光損失の低減を図っている。
さらに、非特許文献3には、光照射部のチャンネル間の位相を制御するために、曲げ導波路上に位相制御用の電極を配置した光アンテナアレイが開示されている。非特許文献3に開示された光アレイアンテナの位相制御部では、曲げ方向を互いに逆にした屈曲導波路が、メアンダ状に連続的に接続されて曲げ導波路を構成している。
Pennings, E.C.M. "Bends in optical ridge waveguides: modeling and experiments", 1990 Cherchi,Matteo, et al., "Dramatic size reduction of waveguide bends on a micron-scale silicon photonic platform", Optics express 21.15, 2013, 17814-17823 Ami Yaacobi, et al., "Integrated phased array for wide-angle beam steering", Optics Letters 39.15, 2014, 4575-4578
上述したように、光集積回路のような光導波路を用いたデバイスでは、光損失に配慮しつつも、集積度を高くするために、必要最低限の面積で光導波路を設計したいという要求がある。従って、例えば、2本の直線導波路とこれらの直線導波路の間に配置された屈曲部を有する曲げ導波路(以下、この構成の光導波路を「基本曲げ導波路」という)では、2本の直線導波路の間隔を可能な限り狭くしたい。しかしながら、2本の直線導波路の間隔を狭くすると、必然的に、曲げ導波路の屈曲部の曲率を大きくする(曲げを強くする)必要がある。
この点、非特許文献1に開示された曲げ導波路では、曲率を大きくすると直線導波路と屈曲導波路とのオフセット量を大きくする必要がある。ところが、非特許文献1に開示された曲げ導波路では、直線導波路と屈曲導波路とのオフセットに伴い、直線導波路と屈曲導波路との境界において、直線導波路の端面と屈曲導波路の端面とが対向していない部分、すなわちギャップが存在している。このギャップ部分では、光の反射や散乱が生じやすく、光損失増加の要因となる。そのため、非特許文献1に開示された曲げ導波路で、曲率を大きくするためにオフセット量を大きくするとこのギャップが大きくなり、例えば基本曲げ導波路を構成した場合、光損失の増加を招くという問題がある。
一方、非特許文献2に開示された曲げ導波路では、屈曲部の折り返し角度が180度に固定されている。従って、基本曲げ導波路を構成する場合において、2本の直線導波路の間隔を狭くすると、クロソイド曲線の最大曲率が大きくなり、光損失の増加を招くという問題がある。
非特許文献3に開示された曲げ導波路では、メアンダ状の曲げ導波路を採用することにより光アンテナアレイの小型化を図っているが、曲げ導波路の光損失については議論されていない。従って、非特許文献3に開示された曲げ導波路を採用して基本曲げ導波路を構成しても、光損失の低減には限界がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、光の入力部、出力部、及び屈曲部を含む光導波路において、小型化しつつ光損失を低減させることを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の光導波路は、光を入力する入力導波路と、光を出力する出力導波路と、各々180度より大きい折り曲げ角を有する複数の屈曲部を備えると共に隣接する屈曲部の屈曲方向が互いに反対になるように接続され、かつ一端が前記入力導波路の一端に接続されかつ他端が前記出力導波路の一端に接続された曲げ導波路と、を含み、前記複数の屈曲部の各々の曲率が、屈曲部の始点から屈曲部の中央部まで漸増し、屈曲部の前記中央部から屈曲部の終点まで漸減するように構成され、前記複数の屈曲部の各々の前記始点から前記中央部までの形状と前記終点から前記中央部までの形状とが線対称であり、前記始点から前記中央部までの幅が以下に示すWによって表されることにより、前記複数の屈曲部の各々の曲げ方向内側の幅が、前記始点から前記中央部まで漸増し、前記中央部から前記終点まで漸減するように構成されているものである



ここで、f(Φ)は、次の(1)〜(3)を満たす関数である。
(1)Φ<0で、1回微分の値が単調増加する。
(2)Φ>0で、1回微分の値が単調減少する。
(3)前記始点から前記中央部までの1回微分の値が常に正である。
ただし、
W1を前記始点における幅とし、
ΔWmを前記中央部における幅とし、
Φを前記始点からの移動距離とし、
hを前記始点から前記中央部までの移動距離の1/2とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の屈曲部の各々の形状がクロソイド曲線となっているものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または請求項に記載の発明において、前記入力導波路及び前記出力導波路の各々が直線形状の導波路であるものである。
本発明によれば、光の入力部、出力部、及び屈曲部を含む光導波路において、小型化しつつ光損失を低減させることができるという効果を奏する。
第1の実施の形態に係る光導波路の構成の一例を示す平面図及び断面図である。 実施の形態に係る光導波路の屈曲部における線路長と曲率との関係を示すグラフである。 実施の形態に係る光導波路の折り曲げ角と透過損失との関係を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る光導波路の構成の一例を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る光導波路の透過損失特性と、従来技術に係る光導波路の透過損失特性との違いを説明するための図である。 第3の実施の形態に係る光導波路の構成の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係る光導波路10について説明する。本実施の形態では、本発明に係る光導波路を、光の伝播路であるコアと、コアの周囲を覆うクラッドを含んで構成される光導波路(矩形光導波路)で構成した形態を例示して説明する。しかしながら、本実施の形態に係る光導波路は、矩形光導波路に限られず、他の形態の光導波路、例えばリブ型の光導波路で構成した形態としてもよい。
図1(a)に示すように、光導波路10は、点線D1ないしD3で区切られた、直線導波路S1、屈曲導波路C1、C2、及び直線導波路S2を備えている。光導波路10は、例えば、複数の光照射部を有する光フェーズドアレイアンテナにおいて、アンテナのチャンネル間の位相を制御する位相制御部に用いられる。このような用途の位相制御部は、例えば連続する屈曲導波路の所定の位置に、伝播光の位相を変化させる熱を付与するためのヒーターを配置して構成される。例えば、光導波路10を複数接続して、所定の位置に熱付与用のヒーターを配置することにより、光フェーズドアレイアンテナの位相制御部が構成される。しかしながら、光導波路10は、このような位相制御部に限られず、例えば、様々な光デバイスで用いられる光遅延部等にも用いることもできる。
図1(a)におけるA−A断面図である、図1(b)に示すように、本実施の形態に係る光導波路10は、基板12、クラッド14、及びコア16を含んで構成される矩形光導波路を用いて構成されている。基板12には、一例としてSi(シリコン)が用いられ、コア16は、一例として比較的屈折率の高い材料であるSiで形成され、クラッド14は、一例としてSiよりも屈折率の低い材料であるSiO2(二酸化ケイ素)で形成されている。コア16はクラッド14で覆われており、屈折率の違いに起因して、光は主としてコア16の内部を伝播する。コア16の寸法は、コア16及びクラッド14の各々の屈折率、及び伝播させる光の波長に基づいて設定される。なお、コア16と、クラッド14とを含んで光導波路と呼称される場合もあるが、本実施の形態では、図1(a)に示すように、コア16の部分を光導波路と称することにする。
再び図1(a)を参照して、直線導波路S1は、入力光Pinを入力する光導波路(入力導波路)であり、屈曲導波路C1、C2を透過した伝播光は、出力導波路である直線導波路S2から出力光Poutとして出力される。なお、本実施の形態では、入力導波路及び出力導波路を直線導波路で構成する形態を例示して説明するが、入力導波路、出力導波路は必ずしも直線導波路で構成する必要はなく、他の様々な形状の光導波路を用いてよい。
屈曲導波路C1、C2は、上記のような用途のために線路長が長くされた部分であり、光導波路が曲げられて構成されている。図1(a)において、点線D1が直線導波路S1と屈曲導波路C1との境界を、点線D2が屈曲導波路C1と屈曲導波路C2との境界を、点線D3が屈曲導波路C2と直線導波路S2との境界を、各々示している。また、図1(a)において、点線D1の位置を「始点」と称し、符号「P1」で表記し、屈曲導波路C1の曲率が最大となる位置を「頂点」と称し、符号「P2」で表記し、屈曲導波路C1とC2との境界を「接続点」と称し、符号「P3」で表記し、屈曲導波路C2の曲率が最大となる位置を「頂点」と称し、符号「P4」で表記し、点線D3の位置を「終点」と称し、符号「P5」で表記する。
本実施の形態に係る屈曲導波路C1、C2の形状は、クロソイド曲線を用いて設計されている。図2を参照して、クロソイド曲線について説明する。図2では、横軸を線路長L(光導波路上のある始点から、光導波路に沿って進む場合の道のり)とし、縦軸を曲率1/Rとして、線路長Lに伴う曲率1/Rの変化を表している。また、屈曲導波路の全長を全線路長Lt(Lt1、Lt2)で、クロソイド曲線の頂点における曲率を最大曲率R’(R’1、R’2)で表記している。
図2には、始点及び終点を固定した場合の、全線路長がLt1のクロソイド曲線CSと、全線路長がLt2のクロソイド曲線CLの曲率変化を示している。クロソイド曲線CSとCLとの関係を例示すれば、例えば、後述の図3(a)に示す光導波路がクロソイド曲線CSに相当し、図3(b)に示す光導波路がクロソイド曲線CLに相当する。図2に示すように、クロソイド曲線は、始点における曲率が0であり、線路長Lの増大に伴って曲率1/Rが徐々に増え(漸増し)、頂点で曲率1/Rが最大曲率R’となり、その後曲率1/Rは徐々に減少し(漸減し)、終点における曲率が0となるような曲線である。クロソイド曲線では、全線路長Ltが短いと最大曲率R’は大きくなり、全線路長Ltが長いと最大曲率R’は小さくなる。
つまり、図2においては、全線路長Lt1<全線路長Lt2なので、最大曲率R’1>最大曲率R’2となっている。なお、本実施の形態では、図2に示すように、線路長Lに対して曲率1/Rが線形に変化する(比例関係にある)クロソイド曲線を例示して説明するが、必ずしも比例関係で変化する必要はなく、線路長Lに対して曲率1/Rが単調増加するような屈曲導波路であれば、クロソイド曲線でなくとも本発明の効果を発揮することができる。なお、本実施の形態に係る「単調増加」とは広義の単調増加を意味し、増加量が0の場合を含む。すなわち、本実施の形態に係る屈曲導波路は、例えば、曲線の開始近傍と終了近傍とがクロソイド曲線であり、その間が円弧であるような形態を含む。
光導波路10における屈曲導波路について、屈曲導波路C1を例にとって説明すると、図1(a)に示すように、始点P1における曲率が0であり、線路長Lの増大に伴って曲率1/Rが徐々に増え(漸増し)、頂点P2で最大曲率となり、接続点P3で曲率が0となる。屈曲導波路C2は、屈曲導波路C1に対して曲げ方向(屈曲部を円弧とした場合に、光導波路から該円弧の中心を見る方向と定義する)を逆にした屈曲導波路であり、形状は屈曲導波路C1と同一のものである。
すなわち、本実施の形態では、屈曲導波路C1と屈曲導波路C2とで構成される曲げ導波路CGは、接続点P3に対して点対称となっており、接続点P3の前後においては、所定の長さの直線導波路が存在する。なお、本実施の形態では、屈曲導波路C1とC2とが同一形状である形態を例示して説明するが、これに限られず、屈曲導波路C1とC2とを別の形状(すなわち、全線路長Lt及び最大曲率R’が異なる屈曲導波路)としてもよい。
さらに、本実施の形態に係る曲げ導波路CGを構成する屈曲導波路C1及びC2の各々の折り曲げ角θは、180度を越える角度とされている。本実施の形態における「折り曲げ角θ」は、光導波路に沿って進む伝播光の進行方向を移動ベクトルで表した場合に、図1(a)に示す始点P1における移動ベクトルV1と、接続点P3における移動ベクトルV2とのなす角度で定義される。図1(a)は、この折り曲げ角θが、θ=220度の場合を例示している。
本実施の形態のように、折り曲げ角θを180度を越える角度とすることにより、図1(a)に示すように、屈曲導波路C1とC2とが、Y軸方向ではなく、Z軸方向に配列されるため、折り曲げ角θが180度以下の屈曲導波路を配列する場合と比較して、直線導波路S1と直線導波路S2との間隔を狭くすることができる。このことにより、光導波路10を用いることにより、光集積回路をより小型化することが可能となる。また、本実施の形態に係る光導波路10の曲げ導波路CGでは、曲率の向きが変わる境界である接続点P3において必ず曲率が0になるため、曲げ導波路が連続的でスムースに構成されており、より低損失化に寄与している。
すなわち、例えば、180度を越える折り曲げ角θを有する屈曲導波路を、クロソイド曲線ではなく、曲率が一定である円弧を用いて構成する場合、2つの屈曲導波路を直接接続する方法と、間に直線導波路を介して接続する方法とが考えれるが、いずれの方法によっても、2つの屈曲導波路の接続点において曲率が不連続となり、反射や散乱が生じて光損失が増加し易くなる。
さらに、折り曲げ角θを大きくすると、線路長Lに対する曲率1/Rの変化する割合が小さくなるため、伝播光が少しずつ曲げられ、コア16内での反射や散乱が抑制されて、より光損失を小さくすることができる。ただし、折り曲げ角θを大きくしすぎると、屈曲導波路Cと直線導波路Sとの距離が短くなって相互の干渉が発生するので、折り曲げ角θは該干渉が発生しない領域で設定する必要がある。
図3に、光導波路の折り曲げ角θと透過損失(光損失)との関係についてシミュレーションした結果を示す。図3(a)及び(b)は、本シミュレーションで用いた光導波路の構成の一例を示し、図3(c)は、折り曲げ角θをθ1からθ2(θ1<180度、θ2>180度)まで変渇させた場合の、透過損失の変化を表したグラフである。
図3(a)は、折り曲げ角θが、θ=180度の場合の従来技術に係る光導波路100を示し、図3(b)は、θ=220度の場合の本実施の形態に係る光導波路10を示している。図3(a)に示すように、光導波路100は、直線導波路S3及びS4、屈曲導波路C3及びC4を備えて構成されている。図3(c)に示すグラフでは、2つの直線導波路Sの間隔(すなわち、光の入力点及び出力点)を固定して、折り曲げ角θに対する光の透過損失を算出している。
図3(c)に示すように、折り曲げ角θが角度θ1から角度θ2の間では、折り曲げ角θの増大に伴って透過損失は小さくなる。しかしながら、角度θ2において、透過損失が急激に増大している。これは、上述したように、折り曲げ角θが過大になり、直線導波路と屈曲導波路とが干渉したためである。
以上詳述したように、本実施の形態に係る光導波路によれば、光の入力部、出力部、及び屈曲部を含む光導波路において、小型化しつつ光損失を低減させることができるという効果を奏する。
[第2の実施の形態]
図4及び図5を参照して、本実施の形態に係る光導波路10aについて説明する。光導波路10aは、光導波路10における屈曲導波路C1及びC2を、各々屈曲導波路C1a及びC2aに置き換えた形態である。本実施の形態においても、屈曲導波路C1aと屈曲導波路C2aは同一の形状なので、以下、本実施の形態に係る屈曲導波路を、屈曲導波路C1aを例にとって説明する。
図1(a)に示すように、光導波路10においては、光導波路16の幅Wは、直線導波路S1から直線導波路S2にかけて一定の幅W1であった。これに対し、光導波路10aの屈曲導波路C1aでは、図4に示すように、幅Wが線路長Lに応じて変化している。すなわち、屈曲導波路C1aの幅は、始点P1から頂点P2に向けて、光導波路16の曲げ方向内側の幅が徐々に広くなっている。なお、屈曲導波路C1a及びC2aもクロソイド曲線を用いている点は、屈曲導波路C1及びC2と同じである。
本実施の形態では、一例として、線路長Lの変化に伴う幅Wの増分ΔW(以下、「増分幅ΔW」という)を、以下に示す(式1)で算出している。

この場合、屈曲導波路C1aの幅Wは、W=W1+ΔW(Φ)となるので、(式1)を用いて(式2)のように表される。

ここで、W1を直線導波路S1、S2の幅とし、ΔWmを頂点P2における増分幅(以下、この「ΔWm」を「最大増分幅」という)とし、Φを始点からの線路長(始点からの移動距離)とし、Ltを屈曲導波路C1a及びC2aの始点から頂点までの長さとし、h=Lt/2とする。(式1)における原点Oは、図4に示すように、始点P1と頂点P2の中央である。すなわち、本実施の形態では、増分幅ΔWを高次の多項式で表している。
(式1)は、(式1)で表される曲線を始点P1で接続した場合に、始点P1と頂点P2での微分値が0になるように選択されている。すなわち、(式1)によって屈曲導波路C1aを設計することにより、始点P1と頂点P2で曲線の微分係数が不連続となる(極値が存在する)ことが極力ないように選択されている。(式1)を用いることにより、屈曲導波路C1aの幅WがW1から急激に変化することがないので、コア16内の反射や散乱が抑制され、光損失がより低減される。また、屈曲導波路では、一般に、伝播する光が曲げ方向内側に染み出すが、屈曲導波路C1aのように、光導波路の幅を曲げ方向内側に拡張することにより、その染み出した光も含めて伝播させることができるので、光損失がより低減される。なお、本実施の形態では、始点P1と頂点P2での微分値が0になる曲線を、より好ましい例として説明したが、始点P1及び頂点P2における微分値は、必ずしも0である必要はない。
なお、(式2)に示す屈曲導波路を表す式は一例であり、増分幅ΔWを算出する式を規定することにより一般化することができる。すなわち、増分幅ΔWを算出する式をf(Φ)とすれば、(式2)は、以下に示す(式3)のように一般化することができる。



ここで、ここで、f(Φ)は、次の(1)〜(3)を満たす関数である。
(1)Φ<0で、1回微分の値が単調増加する。
(2)Φ>0で、1回微分の値が単調減少する。
(3)始点から頂点までの1回微分の値が常に正である。
図5は、増分幅ΔWを採用した屈曲導波路の透過損失特性を、他の形態の屈曲導波路の透過損失特性と比較して検討した結果を示している。図5(a)は、比較対象としての屈曲導波路であり、図5(b)は、増分幅ΔWを採用した屈曲導波路である。いずれも幅W1の2本の直線導波路の間に当該屈曲導波路を接続した基本曲げ導波路の形態としており、折り曲げ角θはいずれも180度とされ、2本の直線導波路の間隔はいずれも等しくされている。
図5(a)は、曲率が一定である円弧状の屈曲導波路C5を直線導波路S5、S6に接続した光導波路WG1であり、光導波路WG1の幅WはW1で一定である。図5(b)は、クロソイド曲線に増分幅ΔWを採用した屈曲導波路C7を直線導波路S9、S10に接続した光導波路WG3であり、頂点における増分幅の最大値、つまり最大増分幅がΔWmとなっている。なお、点線D4、D5、D8、D9は、該当する光導波路同士の接続境界を示している。
図5(c)に、光導波路WG1、WG3の透過損失特性の相対値を示す。光導波路WG3については、最大増分幅ΔWmに対する透過損失の変化を示している。
光導波路WG1の透過損失は一定であり、図5(c)では、透過損失LS1dBを基点とする直線で表している。また、光導波路WG3は、透過損失LS1より小さい透過損失LS2dBから始まっている。
光導波路WG1に対し、光導波路WG3の透過損失は、最大増分幅ΔWmが大きくなるにつれて小さくなり、透過損失の値も光導波路WG1より小さい。これは、上述したように、屈曲導波路C7の幅Wが、直線導波路S9の幅W1から急激に変化することがないので、コア16内の反射や散乱が抑制され、光損失がより低減されることによる。また、屈曲導波路C7ように、光導波路の幅を曲げ方向内側に拡張することにより、染み出した光も含めて伝播させることができるので、光損失がより低減されることによる。
以上詳述したように、本実施の形態に係る光導波路によれば、光の入力部、出力部、及び屈曲部を含む光導波路において、小型化しつつ光損失をより低減させることができるという効果を奏する。
[第3の実施の形態]
図6を参照して、本実施の形態に係る光導波路10bについて説明する。本実施の形態は、光導波路10で2つであった屈曲導波路の数を3つに増やした形態である。なお、本実施の形態では、屈曲導波路の数を3つとした形態を例示して説明するが、これに限られず、4つ以上の任意の数とした形態とすることができる。
図6に示すように、光導波路10bは、直線導波路S11に屈曲導波路C9、C10、C11、及び直線導波路S12がこの順に接続されて構成されている。直線導波路S11、屈曲導波路C9、C10で構成される部分は、光導波路10の直線導波路S1、屈曲導波路C1、C2で構成される部分と同じである。本実施の形態に係る光導波路10bでは、屈曲導波路C9、C10、及びC11によって曲げ導波路CGbが構成されている。
図6においては、点線D10が直線導波路S11と屈曲導波路C9との境界を、点線D11が屈曲導波路C9と屈曲導波路C10との境界を、点線D12が屈曲導波路C10と屈曲導波路C11との境界を、点線D13が、屈曲導波路C11と直線導波路S12との境界を、各々表している。そして、直線導波路S11が入力導波路であり、直線導波路S11に入力された入力光Pinは、屈曲導波路C9、C10、C11を伝播して、出力導波路である直線導波路S12から出力光Poutとして出力される。
屈曲導波路C9、C10、C11の形状もクロソイド曲線を用いて設計されており、本実施の形態に係る光導波路10bも、光導波路10と同様、光の入力部、出力部、及び屈曲部を含む光導波路において、小型化しつつ光損失を低減させることができる、という効果を奏する。また、光導波路10では、入力光Pinの進行方向と出力光Poutの進行方向が同じであったが、光導波路10bは、入力光Pinの進行方向と出力光Poutの進行方向が逆になり、入力光Pinの入力部と出力光Poutの出力部との面位置を略同じ位置とすることができるので、光導波路のレイアウト上の自由度が増すという効果もある。
なお、本実施の形態では、屈曲導波路C9、C10、C11として導波路幅Wが一定の屈曲導波路を用いた形態を例示して説明したが、これに限られず、例えば上記の増分幅ΔWを採用した屈曲導波路を用いた形態としてもよい。
10、10a、10b 光導波路
12 基板
14 クラッド
16 コア
100 光導波路
C、C1〜C9、C1a、C2a 屈曲導波路
CG、CGb 曲げ導波路
D1〜D13 点線
Lt、Lt1、Lt2 全線路長
Pin 入力光
Pout 出力光
R、R’1、R’2 最大曲率
S、S1〜S12 直線導波路
W、W1 幅
ΔW 増分幅
WG1〜WG3 光導波路

Claims (3)

  1. 光を入力する入力導波路と、
    光を出力する出力導波路と、
    各々180度より大きい折り曲げ角を有する複数の屈曲部を備えると共に隣接する屈曲部の屈曲方向が互いに反対になるように接続され、かつ一端が前記入力導波路の一端に接続されかつ他端が前記出力導波路の一端に接続された曲げ導波路と、を含み、
    前記複数の屈曲部の各々の曲率が、屈曲部の始点から屈曲部の中央部まで漸増し、屈曲部の前記中央部から屈曲部の終点まで漸減するように構成され
    前記複数の屈曲部の各々の前記始点から前記中央部までの形状と前記終点から前記中央部までの形状とが線対称であり、前記始点から前記中央部までの幅が以下に示すWによって表されることにより、前記複数の屈曲部の各々の曲げ方向内側の幅が、前記始点から前記中央部まで漸増し、前記中央部から前記終点まで漸減するように構成されている
    光導波路。



    ここで、f(Φ)は、次の(1)〜(3)を満たす関数である。
    (1)Φ<0で、1回微分の値が単調増加する。
    (2)Φ>0で、1回微分の値が単調減少する。
    (3)前記始点から前記中央部までの1回微分の値が常に正である。
    ただし、
    W1を前記始点における幅とし、
    ΔWmを前記中央部における幅とし、
    Φを前記始点からの移動距離とし、
    hを前記始点から前記中央部までの移動距離の1/2とする。
  2. 前記複数の屈曲部の各々の形状がクロソイド曲線となっている
    請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記入力導波路及び前記出力導波路の各々が直線形状の導波路である
    請求項1または請求項に記載の光導波路。
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