JP6676442B2 - 上げ下げ窓 - Google Patents

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Description

本発明は、上げ下げ窓に関する。
下障子が縦枠の上部に設けられたバランサーのワイヤに吊られている上げ下げ窓では、火災時にバランサーが溶解することで下障子が下側に下がり、上障子の下部と下障子の上部との間に隙間ができたり、下障子が倒れたりして防火性能が低下する虞がある。
このため、上障子の煙返しが下障子の煙返しを係止して、下障子の下がりや倒れを防止する上げ下げ窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、下枠における下障子と上下方向に重なる位置に、上側に突出する突起部を設け、下障子の下框に形成された凹部に突起部が嵌合することで下障子の下がりを防止する上げ下げ窓も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2015−59320号公報 特開2014−118697号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたような下障子の上框が上障子の下框の室内側に配置される構造の上げ下げ窓では、下障子の煙返しを上障子の煙返しに係止させることが可能であるが、下障子の上框が上障子の下框の下側に配置され上障子と下障子とが面一となる構造の上げ下げ窓では、下障子の煙返しを上障子の煙返しに係止させることが困難である。
また、特許文献2に開示されたような上げ下げ窓では、火災時に下障子の下がりを防止できても、下障子が倒れる虞がある。下障子は上框の室外側に上障子の下框などが配置されているため、火災時にバランサーが溶解しても下障子の上框が上障子の下框などに引っ掛かり室外側に倒れにくいが、上框の室内側には何もないため、火災時にバランサーが溶解すると室内側に倒れやすいことになる。
そこで、本発明は、火災時に下障子が下がることや下障子が室内側へ倒れることを防止できる上げ下げ窓を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る上げ下げ窓は、躯体に固定された枠と、該枠に支持された上障子および下障子と、を有する上げ下げ窓において、前記枠の下枠に、不燃材料で形成され上面が前記下枠の下面よりも上側に配置される台座が固定され、該台座は、室内側の端部が前記下障子の見込み方向の重心よりも室内側に配置され、前記下障子と上下方向に重なる位置に配置されていることを特徴とする。
本発明では、下障子の下側に不燃材料で形成された台座が設けられていることにより、火災時にバランサーが溶解しても下障子が台座の上に載った状態となるため、下障子が下がることを防止することができる。
また、台座は、室内側の端部が下障子の見込み方向の重心よりも室内側に配置され、下障子と上下方向に重なる位置に配置されていることにより、下障子が室内側に倒れることを防止できる。
そして、火災時に下障子が下がることを防止できるとともに、下障子が室内側に倒れることを防止できることにより、上げ下げ窓の防火性能を向上させることができる。
また、本発明に係る上げ下げ窓では、前記台座は、前記上面が室外側から室内側に向かって漸次上側に向かうように傾斜していることが好ましい。
このような構成とすることにより、下障子が台座の上に載った状態となると、台座の上面に沿って上側が下側よりも室外側となるように傾斜するため、下障子が室内側に倒れることを防止できる。
また、本発明に係る上げ下げ窓では、前記下枠には、前記下障子の下框の下側において前記下框と上下方向に対向する位置まで水平方向に突出する突出部が不燃材料で形成されているとともに、前記下框の下側には前記突出部に対向して係合突片が形成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、火災時にバランサーが溶解しても下障子が突出部の上に載った状態となるとともに下框の係合突片が突出部に係合するため、下障子が下がることを防止することができる。
また、本発明に係る上げ下げ窓では、不燃材料で形成され、前記下障子の上框の見付け方向の両端部にそれぞれ見付け方向外側に突出可能に支持された軸部と、不燃材料で形成され、前記枠の一対の縦枠にそれぞれ固定されて前記上框から突出した前記軸部が挿抜可能な孔部が形成された軸部係止部材と、を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、軸部が軸部係止部材の孔部に挿入され軸部が軸部係止部材に係止されることで、下障子の上框が一対の縦枠に係止されるため、火災時に下障子が下がることを防止できるとともに、下障子が室内側に倒れることを防止できる。また、下障子の上下方向の移動が拘束されるため、火災時の熱によって下障子が上側に延びることを防止できる。
また、本発明に係る上げ下げ窓では、前記枠の一対の縦枠間に設けられ該一対の縦枠に固定された無目を有し、該無目と前記下障子の上框との間に加熱発泡材が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、火災時に下障子が傾いて無目と下障子の上框との間に隙間が生じても、加熱発泡材が発泡して無目と下障子の上框との隙間を塞ぐことができる。
本発明によれば、火災時に下障子が下がることや下障子が室内側へ倒れることを防止できて、上げ下げ窓の防火性能を向上させることができる。
本発明の実施形態による上げ下げ窓の一例を示す正面図である。 下枠および下障子の下框を説明する図である。 (a)は台座を見付け方向から見た図、(b)は台座を上側から見た図である。 下枠および台座を上側から見た図である。 下障子の上框、軸部および軸部係止部材を説明する図である。 図5のA−A線断面に対応する図で軸部および軸部係止部材を説明する図であるある。 (a)は軸部係止部材を見付け方向から見た図、(b)は(a)のB方向矢視図、(c)は(b)のC方向矢視図である。
以下、本発明の実施形態による上げ下げ窓について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による上げ下げ窓1は、建物11の室外側と室内側とを仕切る壁部(躯体)12の開口部に固定された枠2と、枠2の内側に配置された上障子3および下障子4と、を有している。また、上げ下げ窓1は、枠2の下枠5に取り付けられて下障子4の下側に配置された台座6と、下障子4から見付け方向外側に突出可能な軸部7,7と、枠2の一対の縦枠8,8にそれぞれ取り付けられて軸部7,7を係止可能な軸部係止部材9,9と、を有している。
本実施形態では、上げ下げ窓1は、アルミニウムと樹脂の複合サッシで構成されている。
枠2は、見付け方向に延在する上枠21および下枠5と、上下方向に延在し上枠21および下枠5それぞれの見付け方向の両端部に連結された一対の縦枠8,8と、見付け方向に延在し見付け方向の両端部がそれぞれ一対の縦枠8,8の上下方向の中間部に固定された無目22と、を有している。
本実施形態では、上障子3は、一対の縦枠8,8の間で上枠21と無目22との間に配置され、無目22に固定されている。下障子4は、一対の縦枠8,8の間に配置されて、上下方向に移動して一対の縦枠8,8の間で無目22と下枠5との間の開口を開閉可能に構成されている。下障子4は、一対の縦枠8,8に設けられたバランサーのワイヤ(不図示)に支持されている。
図2に示すように、下枠5は、アルミニウムを材料に形成されて壁部12に固定されたアルミ下枠51と、樹脂を材料に形成されてアルミ下枠51に係止された樹脂カバー52と、を有している。アルミ下枠51は、室外側に設けられる室外側部材511と、室内側に設けられる室内側部材512と、室外側部材511と室内側部材512とを連結するブリッジ材513と、を有している。
室外側部材511は、壁部12の開口部の縁部の下側の部分に沿って配置される第1下枠下板部514と、第1下枠下板部514の室外側の端部から上側に延びる下枠外板部515と、を有している。
室内側部材512は、第1下枠下板部514の室内側において壁部12の開口部の縁部の下側の部分に沿って配置される第2下枠下板部516と、第2下枠下板部516の室内側の端部から上側に延びる下枠内板部517と、を有している。
アルミ下枠51は、室外側部材511の第1下枠下板部514と、室内側部材512の第2下枠下板部516とがブリッジ材513で連結され、室外側部材511の下枠外板部515と、室内側部材512の下枠内板部517とが見込み方向に間隔をあけて対向配置している。
また、アルミ下枠51には、第1下枠下板部514、下枠外板部515、第2下枠下板部516、および下枠内板部517に囲まれた凹部518が形成され、この凹部518の内部における第1下枠下板部514の見付け方向の両端部近傍それぞれに台座6,6が固定されている。
第1下枠下板部514には、見込み方向の中間部に、樹脂カバー52の室外側の端部を係止する第1樹脂カバー係止部514aが見付け方向の略全体にわたって形成され、第1樹脂カバー係止部514aよりも室外側に、台座6を固定するネジなどの固定具64が挿通される第1孔部514bが形成されている。また、第1下枠下板部514には、第1孔部514b,514b…よりも室外側に上側に突出し見付け方向の略全体にわたって延びる凸条514cが形成されている。
下枠外板部515には、高さ方向の中間部に室内側に突出する突出板部(突出部)515aが形成されている。突出板部515aの室内側の先端部515bは、上側に屈曲している。
また、下枠外板部515には、上端部近傍に下障子4の下框42と当接するパッキン53を係止するパッキン係止部515cが形成されている。
下枠内板部517には、上端部近傍に、室外側に突出し、樹脂カバー52を係止する第2樹脂カバー係止部517aが形成されている。
樹脂カバー52は、第1樹脂カバー係止部514aおよび第2樹脂カバー係止部517aに係止されると、第1下枠下板部514の上面の第1樹脂カバー係止部514aよりも室内側の部分、第2下枠下板部516の上面および下枠内板部517の室外側の面を覆っている。
図2乃至図4に示すように、台座6は、第1下枠下板部514の上面に固定される固定板部61と、固定板部61の室内側の縁部から上側に突出する鉛直板部62と、鉛直板部62の上端部から室内側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に延びる上板部63と、を有している。
固定板部61は、板面が水平面となるように配置されるとともに見付け方向に長い長方形状に形成されている。固定板部61には、縦枠8に近接する側に固定具64が挿通される2つの孔部611,611が見付け方向に間隔をあけて形成されている。
固定板部61は、室外側の端部が第1下枠下板部514の凸条514cの室内側となるように配置され、孔部611,611に挿通された固定具64,64によって第1下枠下板部514に固定されている。
鉛直板部62は、固定板部61の室内側の縁部のうちの縦枠8と離間する側から上側に延びている。
上板部63は、鉛直板部62の上縁部全体から室内側に向かって漸次上側に向かう斜め方向に延びている。上板部63は、下枠外板部515から室内側に突出する突出板部515aの先端部よりも室内側で、突出板部515aよりも下側に配置されている。
上板部63は、室内側の端部が下障子4の見込み方向の重心よりも室内側に配置され、少なくとも下障子4のうちの見込み方向の重心よりも室外側と対向するように配置されている。
図1に戻り、下障子4は、見付け方向に延在する上框41および下框42と、上下方向に延在する一対の縦框48,48と、これらの框の内側に組み込まれた複層ガラス43と、を有している。本実施形態では、複層ガラス43のガラスのうち、室外側に配置されるガラスは網入りガラスとなっている。
図2に示すように、下框42は、室内側に配置されアルミニウムを材料に形成されたアルミ下框44と、室外側に配置され樹脂を材料に形成されてアルミ下框44と連結された樹脂カバー45と、を有している。
アルミ下框44は、複層ガラス43の下側に配置される第1下框下板部441と、第1下框下板部441の室外側の縁部から上側に突出し複層ガラス43の室外側に間隔をあけて配置される下框外板部442と、下框外板部442の上端部から室内側に複層ガラス43の側面まで延びる第1下框上板部443と、を有している。
第1下框下板部441には、見込み方向の中間部に、それぞれ見付け方向に延在し下側に突出する第1突出板部441aおよび第2突出板部441bが見込み方向に間隔をあけて形成されている。第1突出板部441aは、第2突出板部441bの室外側に配置されている。第1突出板部441aには、下端部に室内側に延びる第1水平板部441cが形成され、第2突出板部441bには、下端部に室外側に延びる第2水平板部441dが形成されている。第1水平板部441cと第2水平板部441dとは略同じ高さに配置され、それぞれの台座6の上板部63の上側に配置されている。
また、第1下框下板部441には、室内側の端部近傍に樹脂カバー45を係止する樹脂カバー係止部441eが形成され、室外側の端部に下側に突出する第3突出板部(係合突片)441fが形成されている。第3突出板部441fは、下框外板部442の下端部と連続していて、下框外板部442と室外側の面が面一に配置されている。
樹脂カバー45は、複層ガラス43の下側に配置される第2下框下板部451と、第2下框下板部451の室内側の端部から上側に延び複層ガラス43の室内側に配置される下框内板部452と、下框内板部452の上端部から室外側に複層ガラス43の側面まで延びる第2下框上板部453と、下框内板部452の上端部から室内側に延びる下框上板部454と、を有している、
第2下框下板部451には、室外側の端部近傍にアルミ下框44の第1下框下板部441に係止される被係止部451aが形成されている、被係止部451aが樹脂カバー係止部441eに係止されることで、第1下框下板部441と第2下框下板部451とが連結されている。
このような下障子4は、無目22と下枠5との間の開口を閉鎖すると、第1下框下板部441および第2下框下板部451とが、第1下枠下板部514および第2下枠下板部516と上下方向に間隔をあけて対向し、下框外板部442が下枠外板部515と見込み方向に間隔をあけて対向する。
なお、下框内板部452は、下枠内板部517よりも上側に配置され、下枠内板部517と見付け方向に対向していない。
このとき、第1下框下板部441の室外側の端部近傍は、下枠外板部515から室内側に突出する突出部板515aの上側に配置され、上下方向に対向している。また、下枠外板部515は、下枠外板部515に係止されたパッキン53と当接している。
図5に示すように、下障子4の上框41は、室内側に配置されアルミニウムを材料に形成されたアルミ上框46と、室外側に配置され樹脂を材料に形成されてアルミ上框46と連結された樹脂カバー47と、を有している。
アルミ上框46は、複層ガラス43の上側に配置される第1上框上板部461と、第1上框上板部461の室外側の縁部から下側に突出し複層ガラス43の室外側に間隔をあけて配置される上框外板部462と、上框外板部462の下端部から複層ガラス43の側面まで延びる第1上框下板部463と、第1上框上板部461の室内側の端部近傍から上側に延びる突出板部464と、を有している。
第1上框上板部461には、室内側の端部近傍に樹脂カバー47を係止する第1樹脂カバー係止部461aが形成されている。突出板部464には、上端部に樹脂カバー47を係止する第2樹脂カバー係止部464aが形成されている。樹脂カバー47は、第1樹脂カバー係止部461aおよび第2樹脂カバー係止部464aに係止されると、アルミ上框46の室外側および上側を覆い、室内側からアルミ上框46が見えないように構成されている。
また、突出板部464には、室内側の面に軸部7を支持可能な軸支持部464bが形成されている。軸支持部464bは、軸部7を見付け方向に移動可能に支持している。
図5および図6に示すように、軸部7は、見付け方向に延在する棒状に形成され、見付け方向に直交する鉛直面による断面形状が下側に開口する略C字形状となるように形成されている。軸部7は、室内側に配置されて軸支持部464bに支持される第1板部71と、第1板部71の上端部から室外側に延びる第2板部72と、第2板部72の室外側の縁部から下側に延びる第3板部73と、を有している。
軸部7は、見付け方向外側の端部近傍の上側が縦枠8に近づく側に向かって漸次下側に向かう斜め形状に切断されている。このため、軸部の見付け方向外側の端部近傍では、上側に配置される第2板部72が切断されている。
軸部7は、見付け方向に進退可能で、上框41の見付け方向の両端部から縦枠8に近づく側に突出可能に構成されている。軸部7は、縦枠8に近づく側に突出すると縦枠8に取り付けられた軸部係止部材9の孔部91aに挿抜可能に構成されている。軸部7の軸部係止部材9の孔部91aに挿抜は、使用者の操作によって行われる。
なお、軸部7は、上げ下げ窓1の鍵として設けられていてもよいし、上げ下げ窓1の鍵とは別に設けられていてもよい。
図5乃至図7に示すように、一対の軸部係止部材9,9は、それぞれ不燃材料で形成され、下障子4が無目22と下枠5との間に配置された際に下障子4の上框41に支持された軸部7と見付け方向に重なる位置に配置されるように一対の縦枠8,8に固定されている。なお、図6では、上框41を省略している。
一対の縦枠8,8は、それぞれアルミニウムを材料に形成されて壁部12に固定されたアルミ縦枠81と、樹脂を材料に形成されてアルミ縦枠81の見付け方向内側に係止された樹脂カバー82と、を有している。一対の軸部係止部材9,9は、それぞれ樹脂カバー82の見付け方向内側に配置され、樹脂カバー82を介した状態でアルミ縦枠81に固定されている。
軸部係止部材9は、軸部7が挿入される孔部91aが形成された孔部形成板部91と、縦枠8に固定される固定板部92と、孔部形成板部91と固定板部92とを連結する連結板部93と、を有している。
固定板部92は、板面が見付け方向を向き高さ方向に長い略長方形状に形成されている。固定板部92は、ネジなどの固定具によって縦枠8のアルミ縦枠81に固定されている。
本実施形態では、固定板部92の上端部および下端部には、それぞれ縦枠8側に突出する突出板部94,94が形成されている。これらの突出板部94,94は、樹脂カバー82を貫通し、先端部がアルミ縦枠81と当接するように構成されている。このため、火災時に樹脂カバー82が溶融しても突出板部94,94がアルミ縦枠81と当接しているため、軸部係止部材9の位置が安定した状態に維持される。
なお、樹脂カバー82に切り込みが形成されていて、固定板部92がアルミ縦枠81と当接するように構成されている場合は、軸部係止部材9に突出板部94,94が設けられていなくてもよい。
孔部形成板部91は、板面が見付け方向を向き高さ方向に長い略長方形状に形成され、固定板部92と見付け方向に重なる位置に見付け方向に間隔をあけて配置されている。 孔部形成板部91に形成された孔部91aは、高さ方向に長い略長方形状に形成されている。軸部7の先端部分が孔部91aに挿通されると、軸部7の先端部分が固定板部92と孔部形成板部91との間に配置され、孔部91aの高さ範囲以上の上下方向の移動が拘束されるように構成されている。
また、図5に示すように、本実施形態では、下障子4の上框41における上框外板部462の室外側の面に無目22の室内側の面と対向するように見付け方向全体にわたって加熱発泡材49が設けられている。加熱発泡材49は、例えばシート状に形成され、火災時に所定以上の温度となると発泡し、上框41の室外側の面と無目22の室内側の面との隙間を塞ぐように構成されている。
次に、上述した上げ下げ窓の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による上げ下げ窓1では、下障子4の下側に不燃材料で形成された台座6が設けられていることにより、火災時にバランサーが溶解しても下障子4が台座6の上に載った状態となるため、下障子4が下がることを防止することができる。
また、台座6は、室内側の端部が下障子4の見込み方向の重心よりも室内側に配置され、下障子4と上下方向に重なる位置に配置されていることにより、下障子4が室内側に倒れることを防止できる。
そして、火災時に下障子4が下がることを防止できるとともに、下障子4が室内側に倒れることを防止できることにより、上げ下げ窓1の防火性能を向上させることができる。
また、台座6の上板部63は、上面が室外側から室内側に向かって漸次上側に向かうように傾斜していることにより、下障子4が台座6の上板部63の上面に載った状態となると、上板部63の上面に沿って上側が下側よりも室外側となるように傾斜するため、下障子4が室内側に倒れることを防止できる。
また、下枠5の下枠外板部515には、高さ方向の中間部に室内側に突出する突出板部515aが形成されている。そして、下障子4の第1下框下板部441の室外側の端部近傍は、下枠外板部515から室内側に突出する突出部板515aの上側に配置され、上下方向に対向している。これにより、火災時にバランサーが溶解しても下障子4が突出板部515aの上に載った状態となるため、下障子4が下がることを防止することができる。
また、下枠5の突出板部515aの室内側の先端部515bが上側に屈曲しているとともに、下障子4の第1下框下板部441の室外側の端部に下側に突出する第3突出板部441fが形成されている。これにより、突出板部515の上に載った下障子4が突出板部515aからすべり落ちようとしても、下障子4の第3突出板部441fが突出板部515aの室内側の先端部515bと係合された状態となり、下障子4から突出板部515aから滑り落ちて下がることを防止することができる。
また、下障子4の上框の見付け方向の両端部にはそれぞれ見付け方向外側に突出可能に支持された軸部7,7設けられ、一対の縦枠8,8には軸部7,7の先端部分が挿抜可能な孔部91aが形成された軸部係止部材9が設けられている。軸部7,7がそれぞれ軸部係止部材9の孔部91aに挿入されて軸部係止部材9に係止されることで、下障子4の上框41が一対の縦枠8,8に係止されるため、火災時に下障子4が下がることを防止できるとともに、下障子4が室内側に倒れることを防止できる。また、下障子4の上下方向の移動が拘束されるため、火災時の熱によって下障子4が上側に延びることを防止できる。
さらに、下障子4が室内側に倒れることも防止できるため、下枠5と下障子4の下框42との間および無目22と下障子4の上框41との間に隙間が生じることを防止できる。
また、無目22と下障子4の上框41との間に加熱発泡材49が設けられていることにより、火災時に仮に下障子4が傾いて無目22と下障子4の上框41との間に隙間が生じても、加熱発泡材49が発泡して無目22と下障子4の上框41との隙間を塞ぐことができる。
以上、本発明による上げ下げ窓の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、台座6の上板部63の上面は、室外側から室内側に向かって漸次上側に向かうように傾斜しているが、このように傾斜していなくてもよい。
また、上記の実施形態では、下枠5の下枠外板部515には、高さ方向の中間部に室内側に突出する突出板部515aが設けられている。そして、下障子4の第1下框下板部441の室外側の端部近傍は、下枠外板部515から室内側に突出する突出部板515aの上側に配置され、上下方向に対向しているが、突出板部515aが設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、下障子4の上框の見付け方向の両端部にはそれぞれ見付け方向外側に突出可能に支持された軸部7,7設けられ、一対の縦枠8,8には軸部7,7の先端部分が挿抜可能な孔部91aが形成された軸部係止部材9が設けられているが、軸部7,7や軸部係止部材9が設けられていなくてもよい。また、軸部7,7や軸部係止部材9の形状は上記以外でもよい。
また、上記の実施形態では、台座6は、下枠5の見付け方向の両端部近傍にそれぞれ設けられているが、下枠5に対して台座6が設けられる位置や数は適宜設定されてよい。なお、台座6は、下枠5に対してバランスよく配置されることが好ましい。
また、上記の実施形態では、無目22と下障子4の上框41との間に加熱発泡材49が設けられているが、設けられていなくてもよい。また、加熱発泡材は、適宜設置されていてもよい。
1 上げ下げ窓
2 枠
3 上障子
4 下障子
5 下枠
6 台座
7 軸部
8 縦枠
9 軸部係止部材
12 壁部(躯体)
49 加熱発泡材
441f 第3突出板部(係合突片)

Claims (5)

  1. 躯体に固定された枠と、該枠に支持された上障子および下障子と、を有する上げ下げ窓において、
    前記枠の下枠に、不燃材料で形成され上面が前記下枠の下面よりも上側に配置される台座が固定され、
    該台座は、室内側の端部が前記下障子の見込み方向の重心よりも室内側に配置され、前記下障子と上下方向に重なる位置に配置されていることを特徴とする上げ下げ窓。
  2. 前記台座は、前記上面が室外側から室内側に向かって漸次上側に向かうように傾斜している請求項1に記載の上げ下げ窓。
  3. 前記下枠には、前記下障子の下框の下側において前記下框と上下方向に対向する位置まで水平方向に突出する突出部が不燃材料で形成されているとともに、前記下框の下側には前記突出部に対向して係合突片が形成されている請求項1又は2に記載の上げ下げ窓。
  4. 不燃材料で形成され、前記下障子の上框の見付け方向の両端部にそれぞれ見付け方向外側に突出可能に支持された軸部と、
    不燃材料で形成され、前記枠の一対の縦枠にそれぞれ固定されて前記上框から突出した前記軸部が挿抜可能な孔部が形成された軸部係止部材と、を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の上げ下げ窓。
  5. 前記枠の一対の縦枠間に設けられ該一対の縦枠に固定された無目を有し、
    該無目と前記下障子の上框との間に加熱発泡材が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の上げ下げ窓。
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