JP6676243B1 - フラックス及びはんだペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】増粘抑制効果に優れたはんだペーストの提供。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤とを含有するフラックスと、As:25〜300質量ppmと、Pb:0〜5100質量ppmと、Sb:0〜3000質量ppm及びBi:0質量〜超え10000質量ppmの少なくとも1種と、残部:Snと、からなる合金組成を有し、下記(1)式及び(2)式:275≦2As+Sb+Bi+Pb(1)、0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00(2)[上記(1)式及び(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す]を満たすはんだ合金と、を含む、はんだペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ付けに用いられるフラックス及びこのフラックスを用いたはんだペーストに関する。
はんだ組成物(はんだペースト)は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である。このはんだ組成物においては、はんだ溶融性やはんだが塗れ広がりやすいという性質(はんだ塗れ広がり)とともに、リフロー後にパッド(ランド)間に発生するはんだボールの抑制や印刷性が要求されている。これらの要求特性の中でも、実装基板などの生産性の観点から、特に高度の印刷性(連続印刷時の粘度安定性およびその他の諸特性)が要求される場合がある。また、実装基板の小型化の観点から、はんだボールのより確実な抑制も併せて要求される場合がある。これらの問題を解決するために、フラックス組成物中の活性剤などの検討がされている(例えば、特許文献1)。
特開2006−110580号公報
しかしながら、特許文献1に記載のはんだペーストは、増粘抑制の観点からは未だ十分であるとはいえない。
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、増粘抑制効果に優れたはんだペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1)で表される特定活性剤を含むフラックスと、特定の組成を有するはんだ合金を組み合わせたはんだペーストにより、増粘抑制効果を向上させることができることを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤とを含有するフラックスと、
As:25〜300質量ppmと、Pb:0質量ppm超え5100質量ppm以下と、Sb:0質量ppm超え3000質量ppm以下及びBi:0質量ppm超え10000質量ppm以下の少なくとも1種と、残部:Snと、からなる合金組成を有し、下記(1)式及び(2)式:
275≦2As+Sb+Bi+Pb (1)
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2)
[上記(1)式及び(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す]
を満たすはんだ合金と、
を含む、はんだペースト。
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
[2]
前記一般式(1)で表される化合物が、ピコリン酸であることを特徴とする、上記[1]に記載のはんだペースト。
[3]
前記フラックスはチキソ剤をさらに含む、上記[1]又は[2]に記載のはんだペースト。
[4]
前記フラックスは前記一般式(1)で表される化合物を0.5wt%以上7.0wt%以下含むことを特徴とする、上記[1]から[3]の何れかに記載のはんだペースト。
[5]
前記フラックスは前記ロジンを30wt%以上60wt%以下含むことを特徴とする、上記[1]から[4]の何れかに記載のはんだペースト。
[6]
前記フラックスは前記チキソ剤を合計量として0wt%以上15wt%以下含むことを特徴とする、上記[3]から[5]の何れかに記載のはんだペースト。
[7]
前記フラックスは、さらに、
アミンを0wt%以上20wt%以下、
有機ハロゲン化合物を0wt%以上5wt%以下、
アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2wt%以下、又は
酸化防止剤を0wt%以上5wt%以下
含む、上記[1]から[6]の何れかに記載のはんだペースト。
[8]
前記フラックスは有機酸をさらに含み、
前記一般式(1)で表される化合物と前記有機酸の合計量が3wt%以上である、上記[1]から[7]の何れかに記載のはんだペースト。
[9]
As:25〜300質量ppmと、Pb:0質量ppm超え5100質量ppm以下と、Sb:0質量ppm超え3000質量ppm以下及びBi:0質量ppm超え10000質量ppm以下の少なくとも1種と、残部:Snと、からなる合金組成を有し、下記(1)式及び(2)式:
275≦2As+Sb+Bi+Pb (1)
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2)
[上記(1)式及び(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す]
を満たすはんだ合金をはんだ付けするためのフラックスであって、
下記一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤とを含有するフラックス。
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
本発明のはんだペーストでは、特定活性剤として上記一般式(1)で表される化合物を含有するフラックスと、特定の組成を有するはんだ合金を組み合わせることで、増粘抑制効果を高めることができる。
<本実施の形態のフラックスの一例>
本実施の形態のフラックスは、一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤とを含有する。
本実施の形態のフラックスは、チキソ剤を含んでいてもよい。
チキソ剤としては、ワックス系チキソ剤、アマイド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。ワックス系チキソ剤としては例えばヒマシ硬化油等が挙げられる。アマイド系チキソ剤としては、モノアマイド系チキソ剤、ビスアマイド系チキソ剤、ポリアマイド系チキソ剤が挙げられ、具体的には、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、不飽和脂肪酸アマイド、p−トルエンメタンアマイド、芳香族アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、飽和脂肪酸ビスアマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、不飽和脂肪酸ビスアマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、芳香族ビスアマイド、飽和脂肪酸ポリアマイド、不飽和脂肪酸ポリアマイド、芳香族ポリアマイド、置換アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールアマイド、脂肪酸エステルアマイド等が挙げられる。ソルビトール系チキソ剤としては、ジベンジリデン−D−ソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール等が挙げられる。
また、本実施の形態のフラックスは、チキソ剤としてエステル化合物を含んでいてもよい。エステル化合物としては、例えば、ヒマシ硬化油等が挙げられる。
フラックスに含まれるチキソ剤の合計量は、0wt%以上15wt%以下であることが好ましく、0wt%以上10wt%以下であることがより好ましい。また、アマイド系チキソ剤の含有量は好ましくは0wt%以上12wt%以下であり、エステル化合物の含有量は好ましくは0wt%以上8.0wt%以下、より好ましくは0wt%以上4.0wt%以下である。
<特定活性剤>
本実施の形態のフラックスは、特定活性剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
前記一般式(1)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、シクロブチル基が挙げられる。中でも、R1、R2、R3およびR4は、水素原子、メチル基、エチル基、シクロプロピル基であることが好ましく、水素原子、メチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。R1、R2、R3およびR4は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
前記一般式(1)で表される化合物としては、ピコリン酸、6−メチルピコリン酸、6−エチルピコリン酸、3−シクロプロピルピコリン酸、4−シクロプロピルピコリン酸、6−シクロプロピルピコリン酸、5−ブチルピコリン酸、6−シクロブチルピコリン酸などが挙げられる。これらの中でも、ピコリン酸が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施の形態のフラックスは、一般式(1)で表される化合物を0.5wt%以上7wt%以下含むことが好ましく、より好ましくは、一般式(1)で表される化合物を1.0wt%以上5.0wt%以下含む。
ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン等の原料ロジン、並びに該原料ロジンから得られる誘導体が挙げられる。該誘導体としては、例えば、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本実施の形態のフラックスは、ロジンを30wt%以上60wt%以下含むことが好ましく、より好ましくは、ロジンを35wt%以上60wt%以下含む。
溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。アルコール系溶剤としてはイソプロピルアルコール、1,2−ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチル−1,3−プロパンジオール)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、ヘキシルジグリコール、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
本実施の形態のフラックスは、さらに、有機酸(一般式(1)で表される化合物を除く)、アミン、ハロゲン(有機ハロゲン化合物、アミンハロゲン化水素酸塩)を含んでもよい。本実施の形態のフラックスは、有機酸を0wt%以上10wt%以下含むことが好ましい。本実施の形態のフラックスは、アミンを0wt%以上20wt%以下含むことが好ましく、より好ましくは、アミンを0wt%以上5wt%以下含む。本実施の形態のフラックスは、ハロゲンとして有機ハロゲン化合物を0wt%以上5wt%以下含むことが好ましく、アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2wt%以下含むことが好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物と有機酸の合計量は、3wt%以上であることが好ましく、より好ましくは6.5wt%以上である。
有機酸(一般式(1)で表される化合物を除く)としては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、エイコサン二酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、チオグリコール酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、フェニルコハク酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、ラウリン酸、安息香酸、酒石酸、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、グリシン、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2−キノリンカルボン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、p−アニス酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸の反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
アミンとしては、モノエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン、エチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、エポキシ−イミダゾールアダクト、2−メチルベンゾイミダゾール、2−オクチルベンゾイミダゾール、2−ペンチルベンゾイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2−ノニルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−オクチル−6’−tert−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1−(1’,2’−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−[(2−エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6−ビス[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]−4−メチルフェノール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、イソシアヌル酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)、無水クロレンド酸等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩は、アミンとハロゲン化水素を反応させた化合物である。
アミンハロゲン化水素酸塩のアミンとしては、上述したアミンを用いることができ、エチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。ハロゲン化水素としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の水素化物(塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素)が挙げられる。また、アミンハロゲン化水素酸塩に代えて、あるいはアミンハロゲン化水素酸塩と合わせてホウフッ化物を含んでもよく、ホウフッ化物としてホウフッ化水素酸等が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩としては、アニリン塩化水素、シクロヘキシルアミン塩化水素、アニリン臭化水素、ジフェニルグアニジン臭化水素、ジトリルグアニジン臭化水素、エチルアミン臭化水素等が挙げられる。
本実施の形態のフラックスは、更に、酸化防止剤を含んでもよく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、酸化防止剤を0wt%以上5wt%以下含むことが好ましい。本実施の形態のフラックスは、残部が溶剤である。
<はんだ合金>
本実施形態のはんだ合金は、
As:25〜300質量ppmと、Pb:0質量ppm超え5100質量ppm以下と、Sb:0質量ppm超え3000質量ppm以下及びBi:0質量ppm超え10000質量ppm以下の少なくとも1種と、残部:Snと、からなる合金組成を有し、下記(1)式及び(2)式:
275≦2As+Sb+Bi+Pb (1)
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2)
[上記(1)式及び(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す]
を満たす。
<はんだ合金>
Asは、はんだペーストの粘度の経時変化を抑制することができる元素である。Asは、フラックスとの反応性が低く、またSnに対して貴な元素であるために増粘抑制効果を発揮することができると推察される。Asが25質量ppm未満であると、増粘抑制効果を十分に発揮することができない。As含有量の下限は25質量ppm以上であり、好ましくは50質量ppm以上であり、より好ましくは100質量ppm以上である。一方、Asが多すぎるとはんだ合金の濡れ性が劣化する。As含有量の上限は300質量ppm以下であり、このましくは250質量ppm以下であり、より好ましくは200質量ppm以下である。
Sbは、フラックスとの反応性が低く増粘抑制効果を示す元素である。本実施形態に係るはんだ合金がSbを含有する場合、Sb含有量の下限は0質量ppm超えであり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは100質量ppm以上であり、特に好ましくは300質量ppm以上である。一方、Sb含有量が多すぎると、濡れ性が劣化するため、適度な含有量にする必要がある。Sb含有量の上限は3000質量ppm以下であり、好ましくは1150質量ppm以下であり、より好ましくは500質量ppm以下である。
Bi及びPbは、Sbと同様に、フラックスとの反応性が低く増粘抑制効果を示す元素である。また、Bi及びPbは、はんだ合金の液相線温度を下げるとともに溶融はんだの粘性を低減させるため、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる元素である。
Sb、Bi及びPbの少なくとも1元素が存在すれば、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる。本実施形態に係るはんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の下限は0質量ppm超えであり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250ppm以上である。本実施形態に係るはんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の下限は0質量ppm超えであり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250質量ppm以上である。
一方、これらの元素の含有量が多すぎると、固相線温度が著しく低下するため、液相線温度と固相線温度との温度差であるΔTが広くなりすぎる。ΔTが広すぎると、溶融はんだの凝固過程において、BiやPbの含有量が少ない高融点の結晶相が析出するために液相のBiやPbが濃縮される。その後、さらに溶融はんだの温度が低下すると、BiやPbの濃度が高い低融点の結晶相が偏析してしまう。このため、はんだ合金の機械的強度等が劣化し、信頼性が劣ることになる。特に、Bi濃度が高い結晶相は硬くて脆いため、はんだ合金中で偏析すると信頼性が著しく低下する。
このような観点から、本実施形態に係るはんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の上限は10000質量ppm以下であり、好ましくは1000質量ppm以下であり、より好ましくは600質量ppm以下であり、さらに好ましくは500質量ppm以下である。本実施形態に係るはんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の上限は5100質量ppm以下であり、好ましくは5000質量ppm以下であり、より好ましくは1000質量ppm以下であり、さらに好ましくは850質量ppm以下であり、特に好ましくは500質量ppm以下である。
本実施形態に係るはんだ合金は、下記(1)式を満たす必要がある。
275≦2As+Sb+Bi+Pb (1)
上記(1)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As、Sb、Bi及びPbは、いずれも増粘抑制効果を示す元素である。これらの合計が275質量ppm以上である必要がある。(1)式中、As含有量を2倍にしたのは、AsがSbやBiやPbと比較して増粘抑制効果が高いためである。
(1)式が275未満であると、増粘抑制効果が十分に発揮されない。(1)式の下限は275以上であり、好ましくは350以上であり、より好ましくは1200以上である。一方、(1)の上限は、増粘抑制効果の観点では特に限定されることはないが、ΔTを適した範囲にする観点から、好ましくは25200以下であり、より好ましくは10200以下であり、さらに好ましくは5300以下であり、特に好ましくは3800以下である。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記(1a)式及び(1b)式である。
275≦2As+Sb+Bi+Pb≦25200 (1a)
275≦2As+Sb+Bi+Pb≦5300 (1b)
上記(1a)及び(1b)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
本実施形態に係るはんだ合金は、下記(2)式を満たす必要がある。
0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2)
上記(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As及びSbは含有量が多いとはんだ合金の濡れ性が劣化する。一方、Bi及びPbは、Asを含有することによる濡れ性の劣化を抑制するが、含有量が多すぎるとΔTが上昇してしまうため、厳密な管理が必要である。特に、Bi及びPbを同時に含有する合金組成では、ΔTが上昇しやすい。これらを鑑みると、Bi及びPbの含有量を増加させて過度に濡れ性を向上させようとするとΔTが広がってしまう。一方、AsやSbの含有量を増加させて増粘抑制効果を向上させようとすると濡れ性が劣化してしまう。そこで、本実施形態では、As及びSbのグループ、Bi及びPbのグループに分け、両グループの合計量が適正な所定の範囲内である場合に、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び濡れ性のすべてが同時に満たされるのである。
(2)式が0.01未満であると、Bi及びPbの含有量の合計がAs及びPbの含有量の合計と比較して相対的に多くなるため、ΔTが広がってしまう。(2)式の下限は0.01以上であり、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.41以上であり、さらに好ましくは0.90以上であり、特に好ましくは1.00以上であり、最も好ましくは1.40以上である。一方、(2)式が10.00を超えると、As及びSbの含有量の合計がBi及びPbの含有量の合計より相対的に多くなるため、濡れ性が劣化してしまう。(2)の上限は10.00以下であり、好ましくは5.33以下であり、より好ましくは4.50以下であり、さらに好ましくは2.67以下であり、さらにより好ましくは4.18以下であり、特に好ましくは2.30以下である。
なお、(2)式の分母は「Bi+Pb」であり、これらを含有しないと(2)式が成立しない。すなわち、本実施形態に係るはんだ合金は、Bi及びPbの少なくとも1種を必ず含有することになる。Bi及びPbを含有しない合金組成は、前述のように、濡れ性が劣る。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記(2a)式である。
0.31≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2a)
上記(2a)式中、As、Sb、Bi及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
Agは、結晶界面にAg3Snを形成してはんだ合金の信頼性を向上させることができる任意元素である。また、Agはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Ag含有量は好ましくは0〜4%であり、より好ましくは0.5〜3.5%であり、さらに好ましくは1.0〜3.0%である。
Cuは、はんだ継手の接合強度を向上させることができる任意元素である。また、Cuはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Cu含有量は好ましくは0〜0.9%であり、より好ましくは0.1〜0.8%%であり、さらに好ましくは0.2〜0.7%である。
本実施形態に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。また、後述するように、本実施形態では含有しない元素が不可避的不純物として含有されても前述の効果に影響することはない。Inは、含有量が多すぎるとΔTが広がるため、1000質量ppm以下であれば前述の効果に影響することはない。
<はんだペースト>
はんだペースト中のはんだ合金及びフラックスの含有量に限定はなく、例えば、はんだ合金を5〜95質量%、フラックスを5〜95質量%とすることができる。
本実施形態に係るはんだペーストは、酸化ジルコニウム粉末を含有することが好ましい。酸化ジルコニウムは、経時変化に伴うペーストの粘度上昇を抑制することができる。これは、酸化ジルコニウムを含有することにより、はんだ粉末表面の酸化膜厚がフラックス中に投入する前の状態を維持するためと推測される。詳細は不明であるが、以下のように推察される。通常、フラックスの活性成分は常温でもわずかに活性を持っているため、はんだ粉末の表面酸化膜が還元により薄くなり、粉末同士が凝集する原因になっている。そこで、はんだペーストに酸化ジルコニウム粉末を添加することで、フラックスの活性成分が酸化ジルコニウム粉末と優先的に反応し、はんだ粉末表面の酸化膜が凝集しない程度に維持されると推察される。
このような作用効果を十分に発揮するためには、はんだペースト中の酸化ジルコニウム粉末の含有量ははんだペーストの全質量に対して0.05〜20.0%であることが好ましい。0.05%以上であると上記作用効果を発揮することができ、20.0%以下であると金属粉末の含有量を確保することができ、増粘防止効果を発揮することができる。酸化ジルコニウムの含有量は好ましくは0.05〜10.0%であり、より好ましい含有量は0.1〜3%である。
はんだペースト中の酸化ジルコニウム粉末の粒径は5μm以下であることが好ましい。粒径が5μm以下であるとペーストの印刷性を維持することができる。下限は特に限定されることはないが0.5μm以上であればよい。上記粒径は、酸化ジルコニウム粉末のSEM写真を撮影し、0.1μm以上の各粉末について画像解析により投影円相当径を求め、その平均値とした。
酸化ジルコニウムの形状は特に限定されないが、異形状であればフラックスとの接触面積が大きく増粘抑制効果がある。球形であると良好な流動性が得られるためにペーストとしての優れた印刷性が得られる。所望の特性に応じて適宜形状を選択すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下の表1〜表5に示す組成で実施例と比較例のフラックスを調合し、フラックスの濡れ速度について検証した。
なお、表1〜表5における組成率は、フラックスの全量を100とした場合のwt(質量)%である。
はんだペーストは、フラックスが11wt%、金属粉が89wt%である。また、はんだペースト中の金属粉は、Agが3.0wt%、Cuが0.5wt%、残部がSnであるSn−Ag−Cu系のはんだ合金であり、金属粉の粒径の平均はφ20μmである。
<はんだ濡れ性(濡れ速度)の評価>
(1)検証方法
フラックスの濡れ速度は、メニスコグラフ試験の方法に準拠し、幅5mm×長さ25mm×厚さ0.5mmの銅板を150℃で1時間酸化処理し、試験板である酸化銅板を得て、試験装置としてSolder Checker SAT−5200(RHESCA社製)を用い、はんだとしてSn−3Ag−0.5Cu(各数値は質量%)を用いて、次のように評価した。
まず、ビーカーに測り取った実施例及び比較例それぞれのフラックスに対して、試験板を5mm浸漬させ、試験板にフラックスを塗布した。続いて、フラックスを塗布後、速やかにフラックスが塗布された試験板をはんだ槽に浸漬させ、ゼロクロスタイム(sec)を得た。続いて、実施例及び比較例それぞれのフラックスにつき5回の測定を行い、得られた5個のゼロクロスタイム(sec)の平均値を算出した。試験条件を以下のように設定した。
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198−4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198−4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198−4:2003)
はんだ槽温度:245℃(JIS C 60068−2−69:2019)
ゼロクロスタイム(sec)の平均値が短いほど、濡れ速度は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
(2)判定基準
〇:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒以下である。
×:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒を超える。
本発明では、特定活性剤としてピコリン酸を採用したことで、濡れ速度が高くなり、はんだ濡れ性を高めることができた。
<はんだ合金の検討>
実施例A1で調製したフラックスと、表6〜表11に示す合金組成からなりJIS Z 3284−1:2014における粉末サイズの分類(表2)において記号4を満たすサイズ(粒度分布)のはんだ合金とを混合してはんだペーストを作製した。フラックスとはんだ合金との質量比は、フラックス:はんだ粉末=11:89である。各はんだペーストについて、粘度の経時変化を測定した。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定した。さらに、作製直後のはんだペーストを用いて濡れ性の評価を行った。詳細は以下のとおりである。
(3)経時変化
作製直後の各はんだペーストについて、株式会社マルコム社製:PCU−205を用い、回転数:10rpm、25℃、大気中で12時間粘度を測定した。12時間後の粘度がはんだペーストを作製後30分経過した時の粘度と比較して1.2倍以下であれば、十分な増粘抑制効果が得られたものとして「○」と評価し、1.2倍を超える場合には「×」と評価した。
(4)ΔT
フラックスと混合する前のはんだ合金について、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:EXSTAR DSC7020を用い、サンプル量:約30mg、昇温速度:15℃/minにてDSC測定を行い、固相線温度及び液相線温度を得た。得られた液相線温度から固相線温度を引いてΔTを求めた。ΔTが10℃以下の場合に「○」と評価し、10℃を超える場合に「×」と評価した。
(5)濡れ性
作製直後の各はんだペーストをCu板上に印刷し、リフロー炉でN2雰囲気中、1℃/sの昇温速度で25℃から260℃まで加熱した後、室温まで冷却した。冷却後のはんだバンプの外観を光学顕微鏡で観察することで濡れ性を評価した。溶融しきれていないはんだ粉末が観察されない場合に「○」と評価し、溶融しきれていないはんだ粉末が観察された場合に「×」と評価した。
(6)総合評価
〇:上記の各評価が全て〇
×:上記の各評価において×あり
表6〜11に示すように、全ての実施例Bでは、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことがわかった。
これに対して、比較例B1、B14、B27、B40、B53、及びB66は、Asを含有しないため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
比較例B2、B15、B28、B41、B54、及びB67は、(1)式が下限未満であるため、増粘抑制効果が発揮されなかった。
比較例B3、B16、B29、B42、B55、及びB68は、(2)式が上限を超えるため、濡れ性が劣った。
比較例B4、B5、B17、B18、B30、B31、B43、B44、B56、B57、B69、及びB70は、As含有量および(2)式が上限を超えているため、濡れ性が劣る結果を示した。
比較例B6〜B8、B19〜B21、B32〜B34、B45〜B47、B58〜B60、及びB71〜B73は、Sb含有量が上限を超えているため、濡れ性が劣った。
比較例B9、B10、B22、B23、B35、B36、B48、B49、B61、B62、B74、及びB75は、Bi含有量が上限を超えているため、ΔTが10℃を超える結果を示した。
比較例B11、B13、B24、B26、B37、B39、B50、B52、B63、B65、B76、及びB78は、Pb含有量が上限を超えているため、ΔTが10℃を超える結果を示した。
比較例B12、B25、B38、B51、B64、及びB77は、Bi及びPbを含有せず(2)式が成立しなかったため、濡れ性が劣った。
<フラックスとはんだ合金の組み合わせ>
実施例A1のフラックスに代えて、実施例A2〜A58の各種フラックスをそれぞれ使用し、実施例Bの各種はんだ合金とそれぞれ組み合わせた場合も、増粘抑制効果、ΔT、及び濡れ性において良好な結果が得られた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤とを含有するフラックス;
    及び、
    As:25〜300質量ppmと、Pb:0質量ppm超え5100質量ppm以下と、Sb:0質量ppm超え3000質量ppm以下と、Bi:0質量ppm以上10000質量ppm以下と、残部:Snと、からなる合金組成を有し、下記(1)式及び(2)式:
    275≦2As+Sb+Bi+Pb (1)
    0.01≦(2As+Sb)/(Bi+Pb)≦10.00 (2)
    [上記(1)式及び(2)式中、As、Sb、Bi、及びPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す]
    を満たすはんだ合金;
    からなり、
    前記フラックスは前記一般式(1)で表される化合物を0.5wt%以上7.0wt%以下含む、
    はんだペースト。
    [式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、ピコリン酸であることを特徴とする、請求項1に記載のはんだペースト。
  3. 前記フラックスはチキソ剤をさらに含む、請求項1又は2に記載のはんだペースト。
  4. 前記フラックスは前記チキソ剤を合計量として0wt%以上15wt%以下含むことを特徴とする、請求項3に記載のはんだペースト。
  5. 前記フラックスは前記ロジンを30wt%以上60wt%以下含むことを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載のはんだペースト。
  6. 前記フラックスは、さらに、
    アミンを0wt%以上20wt%以下、
    有機ハロゲン化合物を0wt%以上5wt%以下、
    アミンハロゲン化水素酸塩を0wt%以上2wt%以下、又は
    酸化防止剤を0wt%以上5wt%以下
    含む、請求項1から5の何れか1項に記載のはんだペースト。
  7. 前記フラックスは有機酸をさらに含み、
    前記一般式(1)で表される化合物と前記有機酸の合計量が3wt%以上である、請求項1から6の何れか1項に記載のはんだペースト。
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