JP6675859B2 - 血管網被包細胞包埋ビーズ及びその製造方法、並びに前記血管網被包細胞包埋ビーズを用いた集積体及びその製造方法 - Google Patents

血管網被包細胞包埋ビーズ及びその製造方法、並びに前記血管網被包細胞包埋ビーズを用いた集積体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管網被包細胞包埋ビーズ及びその製造方法、並びに前記血管網被包細胞包埋ビーズを用いた集積体及びその製造方法に関する。
近年、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位を治療するために、再生医療を適用する取り組みが行われている。再生医療における骨の治療においては、自家骨を用いた移植が主な治療法となっていたが、骨の損傷部位が大きいと自家骨を用いることが困難であり、最近では、人工の骨代替材料を用いる治療法の開発が進んでいる。
例えば、人工の骨代替材料として、リン酸カルシウム複合体(例えば、特許文献1参照)やハイドロキシアパタイト(例えば、特許文献2参照)等が挙げられ、これらの骨代替材料に生体親和性、生体吸着性に優れる基材を組み合わせて移植する治療法が行われている。
特開2005−152503号公報 特表2005−521440号公報
特許文献1では、骨代替材料としてリン酸カルシウム複合体又はハイドロキシアパタイト等のセラミックスを用いており、自家骨を用いた移植と比較すると、骨の再生の効率が圧倒的に低く、比較的小さな骨欠損部位しか修復できないことが問題であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、組成が自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する血管網被包細胞包埋ビーズを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞及び生体適合性ハイドロゲルを含有する細胞包埋ビーズと、前記細胞包埋ビーズを被覆する血管を構築し得る細胞と、を含むことを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズ。
[2]さらに、前記骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含有する、[1]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[3]前記骨芽細胞に分化し得る細胞が間葉系幹細胞である、[1]又は[2]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[4]前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[5]前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[6]前記細胞外マトリックス成分がI型コラーゲンである、[5]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[7]前記骨芽細胞又は前記骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が1×10cells/cm以上である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
[8][1]〜[7]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの集積体であって、前記血管網被包細胞包埋ビーズ間に管腔状の血管様構造を有することを特徴とする集積体。
[9]骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させ、細胞包埋ビーズを作製する工程と、前記細胞包埋ビーズと、血管を構築し得る細胞とを共培養し、前記細胞包埋ビーズの表面に前記血管を構築し得る細胞を被包させる工程と、を備えることを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
[10]前記細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程において、撥水性表面を有する支持体に滴下し、前記液滴を作製する、[9]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
[11]前記凝集工程において、細胞分化誘導剤を添加する、[9]又は[10]に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
[12][9]〜[11]に記載の製造方法を用いて、血管網被包細胞包埋ビーズを製造した後、血管を構築し得る細胞を用いて、電線の表面を被覆する工程と、前記血管を構築し得る細胞で被覆された電線を容器に固定する工程と、前記電線が固定化された容器に、前記血管網被包細胞包埋ビーズ及び生体適合性ハイドロゲルを注いで、ゲル化させる工程と、電位を印加した後に前記容器から前記電線を引き抜くことで、血管様構造を形成させる工程と、を備えることを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法。
本発明によれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、骨組織を再生することが可能となる。
本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法の一例を示す概略図である。 本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法の一例を示す概略図である。 実施例1における細胞包埋ビーズを、タイムラプス顕微鏡を用いて観察した結果を示す画像である。 実施例1における血管網被包細胞包埋ビーズを示す模式図(左)と、血管網被包細胞包埋ビーズを、位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)を用いて観察した結果を示す画像(右)である。 実施例1における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体を、位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)を用いて観察した結果を示す画像である。 (A)実施例2における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体を、共焦点レーザー顕微鏡(Carl Zeiss社製、LSM−700)を用いて観察した結果を示す画像である。(B)実施例2における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の切片をHE染色したものを、位相差蛍光顕微鏡を用いて観察した結果を示す画像である。 参考例1における血管内皮細胞被包コラーゲンビーズ集積体を、位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)を用いて観察した結果を示す画像である。 試験例1におけるマウス頭蓋骨の透過像及びCT像を、三次元計測X線CT装置を用いて撮影した画像である。 試験例1におけるマウス頭蓋骨の切片をHE染色したものを、位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)を用いて撮影した結果を示す画像である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<血管網被包細胞包埋ビーズ>
一実施形態において、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞及び生体適合性ハイドロゲルを含有する細胞包埋ビーズと、前記細胞包埋ビーズを被覆する血管を構築し得る細胞と、を含む、血管網被包細胞包埋ビーズを提供する。
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズによれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズは欠損部位を容易に埋め尽くすことができ、骨組織を再生することが可能となる。
本明細書において、「骨芽細胞」とは、骨基質上に存在し、骨基質の産生およびその石灰化を行う細胞を意味する。骨芽細胞の大きさは、20〜30μmで、立方体または円柱状の形状である。また、骨芽細胞は、骨芽細胞の前駆体細胞である「前骨芽細胞」を含んでいてもよい。この骨芽細胞が増殖、分化し、骨基質の産生およびその石灰化を行うことで、骨折部又は骨欠損部を治癒することができる。
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズにおいて、細胞包埋ビーズは、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞及び生体適合性ハイドロゲルを含有する。さらに、細胞包埋ビーズは、上記の骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含んでいてもよい。
本明細書において、「骨基質」とは、骨を形成する成分のうちタンパク質の成分を意味し、コラーゲン(骨基質全体の約90%)と、オステオカルシン、オステオネクチン、オステオポンチンなどの非コラーゲン性タンパク質(骨基質全体の約10%)からなる。骨基質を形成するコラーゲンは、高純度のI型コラーゲンである。
本明細書において、「骨塩」とは、骨を形成する成分のうち塩の成分を意味し、主にリン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトからなる。
骨芽細胞により産生された、上記の骨基質に、上記の骨塩が沈着することにより、骨が形成される。また、本実施形態の細胞包埋ビーズは、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞、生体適合性ハイドロゲル以外に、骨基質及び骨塩を含有することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。
本実施形態において、「骨芽細胞に分化し得る細胞」とは、上記の骨芽細胞に分化することができる未分化細胞を意味する。例えば、胚性幹(ES)細胞、胚性生殖(EG)細胞、人工多能性(iPS)幹細胞等の万能細胞;間葉系幹細胞(MSC)(例えば、骨髄由来間葉系幹細胞等)、造血幹細胞、血管幹細胞、羊膜細胞、臍帯血細胞、骨髄由来細胞、心筋幹細胞、脂肪由来幹細胞、肝幹細胞、膵幹細胞、神経幹細胞等の体性幹細胞等が挙げられる。中でも、間葉系幹細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
本明細書において、「間葉系幹細胞」とは、間葉系の組織に存在する幹細胞を意味する。間葉系の組織としては、例えば、骨髄、脂肪、血管内皮、平滑筋、心筋、骨格筋、軟骨、骨、じん帯等が挙げられるが、これらに限定されない。間葉系幹細胞としては、例えば、骨髄、脂肪組織、滑膜組織、筋組織、末梢血、胎盤組織、月経血、臍帯血等に由来する幹細胞が挙げられる。
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズは、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞のいずれか、又は、その両方を含有していてもよい。
本実施形態において、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が密であることが必要であり、1×10cells/cm以上であり、1×10〜4×10cells/cmであることが好ましく、1.5×10〜3×10cells/cmであることがより好ましく、2×10〜2.5×10cells/cmであることがさらに好ましい。細胞密度が上記範囲内にあることにより、自家骨に近しい細胞密度となり、高い骨再生効率を実現できる。
本明細書において、「生体適合性ハイドロゲル」とは、生体への適合性を有するゲルであって、高分子が化学結合によって網目構造をとり、その網目に多量の水を保有した物質を意味する。より具体的には、天然物由来の高分子や合成高分子の人工素材に架橋を導入してゲル化させたものをいう。
天然物由来の高分子としては、ゲル化する細胞外マトリックス成分等が挙げられる。ゲル化する細胞外マトリックス成分としては、例えば、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型など)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンなどを含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、フィブリン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどを例示することができる。その他天然物由来の高分子として、ゼラチン、寒天、アガロースなどを使用することもできる。それぞれのゲル化に至適な塩等の成分、その濃度、pHなどを選択しハイドロゲルを作製することが可能である。また、これらの原料を組み合わせてもよい。
また、合成高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、poly(II−hydroxyethylmethacrylate)/polycaprolactoneなどが挙げられる。また、これらの高分子を2種以上用いてハイドロゲルを作製することも可能である。
中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、I型コラーゲンであることがさらに好ましい。I型コラーゲンを含有することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズは、上述の細胞包埋ビーズを、血管を構築し得る細胞が被覆しており、血管網を形成している。
本明細書において、「血管を構築し得る細胞」とは、血管を構築することができる細胞を意味する。例えば、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞等が挙げられ、これらの細胞のいずれか、又は、その両方を含有していてもよい。また、中でも、血管内皮細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
<血管網被包細胞包埋ビーズの集積体>
一実施形態において、本発明は、上述の血管網被包細胞包埋ビーズの集積体であって、前記血管網被包細胞包埋ビーズ間に管腔状の血管様構造を有する、集積体を提供する。
本実施形態の集積体によれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。また、上述の血管網被包細胞包埋ビーズを直接骨欠損部へ移植しても十分な骨再生効率を得られるが、本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズの集積体を移植することで、より生体内の骨及び骨周辺組織に近い組成とすることでき、より高い骨再生効率を実現することができる。
本実施形態の集積体において、血管網被包細胞包埋ビーズ表面の血管を構築し得る細胞同士が接着し、管腔状の血管様構造を形成している。この管腔状の血管様構造を有することにより、移植後、被験動物の血管から移植部へ栄養分等を迅速に補給することができるため、より高い骨再生効率を実現することができる。
<血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法>
一実施形態において、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させ、細胞包埋ビーズを作製する工程と、前記細胞包埋ビーズと、血管を構築し得る細胞とを共培養し、前記細胞包埋ビーズの表面に前記血管を構築し得る細胞を被包させる工程と、を備える、血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する血管網被包細胞包埋ビーズを得ることができる。また、本実施形態の製造方法によれば、骨の欠損部位の大きさに合わせて、ビーズのサイズを調整することができる。
図1は、本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法の一例を示す概略図である。図1を参照しながら、本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法について、以下に詳細を説明する。
[細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程]
まず、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞1を、生体適合性ハイドロゲル2を含む溶液に懸濁し、目的に合わせた大きさの液滴を作製する。
本実施形態の製造方法において、骨芽細胞は上述のとおりである。また、骨芽細胞に分化し得る細胞は、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、間葉系幹細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
また、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞のいずれか、又は、その両方を組み合わせて使用していてもよい。
本実施形態の製造方法において、生体適合性ハイドロゲルとは、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、I型コラーゲンであることがさらに好ましい。I型コラーゲンを使用することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。
生体適合性ハイドロゲルを含む溶液は、Ham’s Nutrient Mixtures F−10又はHam’s Nutrient Mixtures F−12等の無血清培地や、生体適合性ハイドロゲル再構成用の緩衝液(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水水素ナトリウム、HEPES−Bufferからなる緩衝液等)等を含んでいてもよい。
液滴の作製方法は、特別な限定はなく、公知の方法に従って当業者が決定できる。例えば、油性成分からなる溶液中に、上記の骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する懸濁液を滴下し、液滴を作製する方法や、図1及び後述の実施例1のように、撥水性表面を有する支持体3に上記の懸濁液を滴下し、液滴を作製する方法などが挙げられる。
本明細書において、「撥水性」とは、水をはじく性質を意味し、水接触角が典型的には90°以上、好ましくは100°以上、より好ましくは105°以上である。また、水接触角が150°を超える超撥水状態も含む。
支持体の表面に、撥水処理又は撥水性を有する材質を重ね合せることにより、撥水性表面を有する支持体を得ることができる。
撥水処理としては、特別な限定はなく、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基等の低極性の官能基や、一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基又はアルコキシ基等の疎水性の官能基を基板表面に導入する方法が挙げられる。また、撥水性を有する材質としては、特別な限定はなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルフォン等の疎水性高分子;ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素化カーボン、ポリテトラフルオロエチレン等の塩素又はフッ素含有高分子等が挙げられる。
支持体の材質としては、特別な限定はなく、例えば、樹脂(例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ピーク樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂等)、金属(例えば金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、白金、チタン、ニッケル等)、合金(例えばステンレス、ハステロイ、インコネル、モネル、ジュラルミン等)、ガラス(例えばガラス、石英ガラス、溶融石英、合成石英、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト及び感光性ガラス等)、半導体材料、シリコン、ゴム(例えば天然及び合成ゴム)等が挙げられる。また、これらの材質のうち、複数の材質を組み合わせてもよい。
続いて、作製した液滴を20分以上60分未満(好ましくは、30分)、25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)で静置し、生体適合性ゲルを硬化させる。ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:DMEM)等の基本培地により、表面を洗浄し、細胞包埋硬化ゲル形成体を回収する。
[凝集工程]
続いて、回収した細胞包埋硬化ゲル形成体を7日以上20日以下、好ましくは14日以上18日以下、25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)で浮遊培養する。
使用する培地は、特別な限定はなく、細胞の生存増殖に必要な成分(無機塩、炭水化物、ホルモン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン)等を含む基本培地であればよい。例えば、DMEM、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI−1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:Nutrient Mixture F−12(DMEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)等が挙げられる。
使用する細胞が骨芽細胞に分化し得る細胞である場合、培地中に細胞分化誘導剤を添加することが好ましい。
細胞分化誘導剤としては、骨芽細胞への分化を誘導できるものであれば特別な限定はない。例えば、グルココルチコイド、β−グリセロホスフェート、アスコルビン酸等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
本明細書において「グルココルチコイド」とは、副腎皮質ホルモンであり、糖質代謝に関係するステロイドホルモンの総称を意味する。グルココルチコイドは、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分として知られている(例えば、参考文献1:「Maniatopoulos,C et al:Bone formation in vitro by stromal cells obtained from bone marrow of young adult rats.Cell Tissue Res,254:317−330,1988.」参照)。グルココルチコイドは、糖質コルチコイドとも称される。より具体的な物質としては、デキサメサゾン、ベタメタゾン、プレドニソロン、プレドニソン、コルチゾン、コルチゾル、コルチコステロン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、デキサメサゾンが使用される。天然のグルココルチコイドと同様な作用を有する化学合成物質も含むことができる。これらの代表的なグルココルチコイドは、β−グリセロホスフェートおよびアスコルビン酸とともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性が有する因子を産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。グルココルチコイドは、培地中、0.1nM〜10mMの濃度で含ませることができ、好ましくは、10〜100nMの濃度である。
本明細書において「β−グリセロホスフェート」とは、グリセロリン酸(C(OH)OPO)のうちリン酸基がβ位に結合したものの塩の総称を意味する。塩としては、例えばカルシウム塩、ナトリウム塩等を挙げることができる。β−グリセロホスフェートは、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分としても知られている(例えば、参考文献1参照)。β−グリセロホスフェートは、グルココルチコイドおよびアスコルビン酸とともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性を有する因子が産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。β−グリセロホスフェートは、培地中に、0.1mM〜1Mの濃度で含ませることができ、好ましくは、10mMの濃度である。
本明細書において「アスコルビン酸」とは、白色、結晶性の水溶性ビタミンを意味し、多くの植物体とくに柑橘類に含まれる物質である。ビタミンCとも称される。アスコルビン酸は、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分としても知られている(例えば、参考文献1参照)。アスコルビン酸は、アスコルビン酸およびその誘導体を含むことができる。アスコルビン酸としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド等が挙げられるが、これらに限定されない。天然のアスコルビン酸と同様な作用を有する化学合成物質も含むことができる。これらの代表的なアスコルビン酸は、グルココルチコイド、β−グリセロホスフェートとともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性を有する因子が産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。アスコルビン酸は、培地中に、0.1μg/ml〜5mg/mlの濃度で含ませることができ、好ましくは、10〜50μg/mlの濃度である。
細胞包埋硬化ゲル形成体4を上記条件において浮遊培養することにより、細胞の牽引力により凝集させ、上記の細胞密度の細胞包埋ビーズ6を得ることができる。また、上記条件において浮遊培養により、骨芽細胞が骨基質及び骨塩を産生することができ、より自家骨に近しい組成となる。
[被包工程]
続いて、細胞包埋ビーズ6及び血管を構築し得る細胞7を、細胞非接着性又は細胞難接着性である表面を有する細胞培養容器中において、共培養する。培養時間は、1日以上3日以下(好ましくは、2日)であってよく、培養温度は25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)であってよい。播種する培養数は、細胞包埋ビーズの大きさによって、適宜調整することができる。
本明細書において、「細胞非接着性又は細胞難接着性を有する細胞培養容器」とは、細胞が接着しない、又は接着しにくい細胞培養容器を意味する。細胞非接着性又は細胞難接着性である表面としては、親水性の表面、具体的には20℃の静的水接触角が45°以下である表面等が挙げられる。このような表面は、炭素酸素結合を有する有機化合物の皮膜を基材の表面上に形成する方法、又は、基材自体を、親水性を有する材料で作製する方法等により得ることができる。
親水性被膜を表面上に形成するための基材の材料は、特別な限定はなく、例えば、金属、ガラス、セラミック、シリコン等の無機材料、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)等で代表される有機材料を挙げることができる。
細胞非接着性表面は、炭素酸素結合を有する有機化合物により形成される、静的水接触
角が45°以下である親水性膜により形成することができる。
炭素酸素結合とは、炭素と酸素との間に形成される結合を意味し、単結合に限らず二重結合であってもよい。炭素酸素結合としては、例えば、C−O結合、C(=O)−O結合、C=O結合等が挙げられる。
親水性膜の主原料としては、例えば、水溶性高分子、水溶性オリゴマー、水溶性有機化合物、界面活性物質、両親媒性物質等の親水性有機化合物等が挙げられる。これらが相互に物理的または化学的に架橋し、基材と物理的または化学的に結合することにより親水性膜となる。
具体的な水溶性高分子材料としては、例えば、ポリアルキレングリコールおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその誘導体、ポリメタクリル酸およびその誘導体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、双性イオン型高分子、多糖類等を挙げることができる。分子形状は、例えば、直鎖状、分岐を有するもの、デンドリマー等を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、例えば、Pluronic F108、Pluronic F127、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリン)、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンとアクリルモノマーの共重合体、デキストラン、ヘパリン等が挙げられるが、これらには限定されない。
さらに、具体的な水溶性オリゴマー材料や水溶性低分子化合物としては、例えば、アルキレングリコールオリゴマーおよびその誘導体、アクリル酸オリゴマーおよびその誘導体、メタクリル酸オリゴマーおよびその誘導体、アクリルアミドオリゴマーおよびその誘導体、酢酸ビニルオリゴマーの鹸化物およびその誘導体、双性イオンモノマーからなるオリゴマーおよびその誘導体、アクリル酸およびその誘導体、メタクリル酸およびその誘導体、アクリルアミドおよびその誘導体、双性イオン化合物、水溶性シランカップリング剤、水溶性チオール化合物等を挙げることができる。より具体的には、エチレングリコールオリゴマー、(N−イソプロピルアクリルアミド)オリゴマー、メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルコリンオリゴマー、低分子量デキストラン、低分子量ヘパリン、オリゴエチレングリコールチオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、2−〔メトキシ(ポリエチレンオキシ)−プロピル〕トリメトキシシラン、およびトリエチレングリコール−ターミネーティッド−チオール等が挙げられるが、これらには限定されない。
親水性膜の平均厚さは、0.8nm〜500μmであってよく、0.8nm〜100μmであってよく、1nm〜10μmであってよく、1.5nm〜1μmであってよい。平均厚さは、基板表面の親水性膜で覆われていない領域の影響を受けにくい厚さであればよく、例えば、0.8nm以上であればよく、平均厚さが500μm以下であればコーティングが比較的容易である。
基材表面への親水性膜の形成方法としては、例えば、基材へ親水性有機化合物を直接吸着させる方法、基材へ親水性有機化合物を直接コーティングする方法、基材へ親水性有機化合物をコーティングした後に架橋処理を施す方法、基材への密着性を高めるために多段階式に親水性膜を形成させる方法、基材との密着性を高めるために基材上に下地層を形成し、次いで親水性有機化合物をコーティングする方法、基板表面に重合開始点を形成し、次いで親水性ポリマーブラシを重合する方法等を挙げることができる。
本実施形態の製造方法において、血管を構築し得る細胞とは、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、血管内皮細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
細胞非接着性又は細胞難接着性である表面を有する細胞培養容器を用いて、細胞包埋ビーズ6及び血管を構築し得る細胞7を共培養することにより、血管を構築し得る細胞7が細胞包埋ビーズ6をまんべんなく被包した血管網被包細胞包埋ビーズを得ることができる。
<血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法>
一実施形態において、本発明は、上述の血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法を用いて、血管網被包細胞包埋ビーズを製造した後、血管を構築し得る細胞を用いて、電線の表面を被覆する工程と、前記血管を構築し得る細胞で被覆された電線を容器に固定する工程と、前記電線が固定化された容器に、前記血管網被包細胞包埋ビーズ及び生体適合性ハイドロゲルを注いで、ゲル化させる工程と、電位を印加した後に前記容器から前記電線を引き抜くことで、血管様構造を形成させる工程と、を備える、血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、血管網被包細胞包埋ビーズ間に管腔状の血管様構造を有する血管網被包細胞包埋ビーズ集積体を簡便に得ることができる。
図2は、本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法の一例を示す概略図である。図2を参照しながら、本実施形態における血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法について、以下に詳細を説明する。
[電線被覆工程]
まず電線9に血管を構築し得る細胞7を播種し、細胞が電線を覆うまで培養する。培養時間は、1日以上3日以下(好ましくは、2日)であってよく、培養温度は25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)であってよい。播種する細胞数は、電線の太さ及び長さによって、適宜調整することができる。
本実施形態の製造方法において、血管を構築し得る細胞とは、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、血管内皮細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。
本明細書において、「電線」とは電気を通すことができる線状の形態のものを意味し、特別な限定はない。また、電線の断面形状について、特別な限定はないが、血管に近しい形状であることから、円形であることが好ましい。電線の素材としては、導電性材料でもよいし、絶縁性材料の表面に導電性材料を成膜したものであってもよい。絶縁性材料として、具体的には、ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、感光性ガラス、セラミック、シリコン、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)等で代表される有機材料が挙げられる。電線の長さは、移植部の大きさに合わせて適宜調整することができる。また、電線の断面直径は、血管の直径から著しく逸脱しない範囲であれば、特別な限定はなく、具体的には、5μm〜1cmであってよい。
絶縁性材料の表面に導電性材料の成膜を形成する場合、公知の成膜技術を利用できる。具体的には、絶縁性材料、例えばガラスに、導電性材料、例えば金属膜または金属酸化物膜を成膜することにより、本実施形態で使用可能な電線を製造することができる。
絶縁性材料の表面への導電性材料の成膜は、公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposition)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposition)法、ICP(Inductively coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザー蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法等が挙げられる。成膜は、上記の真空成膜法に限らず、塗布により実施してもよい。スピンコートや各種の印刷方式も使用できる。
導電性材料としては、金属または金属酸化物、金属微粒子や導電性ナノファイバーが絶縁体に分散された膜、導電性の有機材料等が挙げられる。金属としては、銀、金、銅、白金等が挙げられ、金属酸化物としては、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、SnO(酸化スズ)等が挙げられ、金属微粒子としては、銀、金、銅、白金等の微粒子、導電性ナノファイバーとしてはカーボンナノチューブ、導電性の有機材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等が挙げられる。
導電性材料の膜の厚さは、例えば、単分子膜〜100μm程度であってよく、2nm〜1μmであってよく、5nm〜500nmであってよい。
また、本実施形態の製造方法において、電線の表面に細胞接着分子により修飾されていてもよい。表面が細胞接着分子により修飾されていることにより、血管を構築し得る細胞がより電線表面上に接着しやすくなる。細胞接着分子としては、血管を構築し得る細胞への接着性を有するものであれば、特別な限定はなく、例えば、血管を構築し得る細胞表面に存在するタンパク質(例えば、カドヘリン、ICAM(intercellular adhesion molecule)、ネクチン、PECAM−1(platelet endothelial cell adhesion molecule 1)、VCAM−1(vascular cell adhesion protein 1)等)、又はそのタンパク質に対する抗体、抗体断片、アプタマー(例えば、後述の実施例2において使用した配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるオリゴペプチド等)、受容体等が挙げられる。
抗体は、例えば、マウス等のげっ歯類の動物に目的のタンパク質を抗原として免疫することによって作製することができる。また、例えば、ファージライブラリーのスクリーニングにより作製することができる。抗体断片としては、Fv、Fab、scFv等が挙げられる。
アプタマーとは、目的のタンパク質に対する特異的結合能を有する物質である。アプタマーとしては、核酸アプタマー、ペプチドアプタマー等が挙げられる。目的のタンパク質に特異的結合能を有する核酸アプタマーは、例えば、systematic evolution of ligand by exponential enrichment(SELEX)法等により選別することができる。また、目的のタンパク質に特異的結合能を有するペプチドアプタマーは、例えば酵母を用いたTwo−hybrid法等により選別することができる。
[電線固定工程]
続いて、血管を構築し得る細胞7が被覆した電線9を容器10に固定する。このとき、細胞を乾燥させないように素早く固定を行うことが必要である。また、容器10に電線9を通す際に、細胞を傷つけないように行う必要がある。
電線を固定化する容器10としては、底面に多数の微細孔を有する膜11を備えた可搬の培養容器12と、可搬の培養容器よりも大きな別の容器13の二層構造からなる容器を用いることが好ましい。可搬の培養容器12は、内部に細胞を保持するための空間を有する筒状の枠体を備える。枠体の材料は、細胞培養に適した材料を適宜選択することができる。また、枠体の形状も特に限定されず、例えば、円筒状や角筒状を例示することができる。具体的には、枠体は、アクリル製やポリスチレン製の円筒チューブ等が挙げられる。
そして、この枠体の一方の開放端面に接着剤で多数の微細孔を有する膜11が接着固定されている。開放端面の形状は特に限定されず、例えば、平面状や段差状、テーパー状、溝状などが例示することができるが、平面状が好ましい。さらに、多数の微細孔を有する膜11が被覆固定されている枠体の端面と対向する開放端面の外周縁部に、担体の外側へ突出する係止部が配設されていることが好ましく、可搬の培養容器よりも大きな別の容器13内にかけることで、容器13内に可搬の培養容器12を保持することができる。係止部の形態は、特別な限定はなく、例えば、プラスチック材料等によって棒状、フランジ状などの形態等が挙げられる。
多数の微細孔を有する膜11を担体に接着固定するための接着剤としては、接着性、細胞毒性を考慮して適宜選択することができ、具体的には、ウレタン系接着剤を好ましく例示することができる。例えば、ゴム系、シアンアクリレート系、アクリル系は、細胞毒性を示す場合があるため好ましくない。また、多数の微細孔を有する膜11と枠体とを接着固定する方法としては、多数の微細孔を有する膜11と枠体との間に両面テープを介在させて接着固定する方法や、ヒートシーラーや熱板、超音波、レーザーなどを用いて多数の微細孔を有する膜と枠体とを熱溶着する方法等を例示することができる。
可搬の培養容器12において、多数の微細孔を有する膜11は、液又は液性因子を透過させる一方、細胞の通過を阻止する膜材からなるものであれば、特別な限定はなく、膜材としては、例えば、ポリカーボネートメンブレン、生体適合性ハイドロゲルからなる膜等が挙げられる。ポリカーボネートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、生体適合性ハイドロゲルとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。微細孔の孔径は、例えば0.1〜12μmであればよい。
可搬の培養容器よりも大きな別の容器13は、上述の可搬の培養容器12よりも口径が大きく、上述の可搬の培養容器12をかけることができる程度の深さを要するものであれば、特別な限定はなく、例えば、一般的に細胞培養に用いられるシャーレ等であってよい。
[ゲル化工程]
続いて、電線が固定化された容器10に、上述の血管網被包細胞包埋ビーズ8及び生体適合性ハイドロゲル2を注ぎ、生体適合性ハイドロゲル2をゲル化させる。培養時間は、使用する生体適合性ハイドロゲル2の量により適宜調整してよく、培養温度は25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)であってよい。使用する血管網被包細胞包埋ビーズの数は、移植する部位の大きさによって、適宜調整することができる。
電線が固定化された容器10において、可搬の培養容器12及び可搬の培養容器よりも大きな別の容器13内には、血管網被包細胞包埋ビーズ8の乾燥を防ぐために、培地5を注ぐことが好ましい。このとき、可搬の培養容器12に注ぐ培地5の高さが、可搬の培養容器よりも大きな別の容器13に注ぐ培地5の高さよりも高くなるようにすることが好ましく、容器同士の培地の高低差により静水圧が生じることで、血管網被包細胞包埋ビーズ8同士の間において、血管網の形成が促進され、効率的に管腔状の血管様構造を形成することができる。
使用する培地5は、特別な限定はなく、上述したものと同様のものが挙げられる。
[血管様構造形成工程]
続いて、電線を第1の電極15として、対向する第2の電極16をゲル化した血管網被包細胞包埋ビーズ8及び生体適合性ハイドロゲル2の混合物に差し込み、−0.5〜−1.5V(好ましくは、−1.0V)の定電位を3〜10分間(好ましくは、5分間)印加する。
第1電極15に対向して配置される第2電極16は、ゲル化した血管網被包細胞包埋ビーズ8及び生体適合性ハイドロゲル2の混合物を覆うことができる面電極であることが好ましい。面電極とすることにより、ゲル化した血管網被包細胞包埋ビーズ8及び生体適合性ハイドロゲル2の混合物全体に電圧を印加することができる。第2電極16は、特に制限されないが、白金や金で構成されることが好ましい。これらの金属は化学的に安定であるため電極表面や周辺で起こる化学変化に侵されにくいからである。また、電圧の印加においては、第1電極15を負極とし第2電極16を正極とすることが好ましい。
電源14としては、一定の電圧を供給できる直流電源であれば特別な限定はなく、例えば、電池、ポテンショスタット等の装置等が挙げられる。
電圧を印加後、容器10から電線9を引き抜く。電圧を印加することで、電線の表面に付着した血管を構築し得る細胞が引き剥がされて、電線の断面口径及び長さに依存した管腔状の血管様構造が形成された血管網被包細胞包埋ビーズ集積体を得ることができる。得られた血管網被包細胞包埋ビーズ集積体は、2日以上5日以下(好ましくは、3日)、25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)で培地を送液培養することにより、集積体内に張り巡らされた血管網を定着させることができる。
<血管網被包細胞包埋ビーズ又は血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の移植量>
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズの移植量は、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢、性別、症状、治療方法、処理時間等を勘案して適宜調節される。
移植形態としては、例えば、皮下注射、鼻腔内的、または外科的に移植する当業者に公知の方法が挙げられ、外科的方法が好ましい。
注射剤は、非水性の希釈剤(例えば、ポレングリコール、オリーブ油等の植物油、エタノール等のアルコール類など)、懸濁剤、又は乳濁剤として調製することもできる。このような注射剤の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌、殺菌剤等の配合により行うことができる。注射剤は、用事調製の形態として製造することができる。即ち、使用前に注射用蒸留水又は他の溶媒に懸濁して使用することができる。
本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の移植量は、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の骨欠損部に依存して、適宜調整することができる。
移植形態としては、例えば、外科的に移植する当業者に公知の方法が挙げられる。
また、上述の血管網被包細胞包埋ビーズを投与しても十分な骨再生効率を得られるが、本実施形態の血管網被包細胞包埋ビーズの集積体を移植することで、より生体内の骨及び骨周辺組織に近い組成とすることでき、より高い骨再生効率を実現することができる。
<医薬組成物>
本発明の医薬組成物は、治療的に有効量の血管網被包細胞包埋ビーズ、及び薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む。薬学的に許容されうる担体又は希釈剤は、賦形剤、稀釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、着色剤、粘稠剤、溶解補助剤、添加剤等が挙げられる。これら担体の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、懸濁剤又は乳剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
また、担体としてコロイド分散系を用いることもできる。コロイド分散系は、細胞包埋ビーズの生体内安定性を高める効果や、特定の骨組織、又は細胞へ、細胞包埋ビーズの移行性を高める効果が期待される。コロイド分散系としては、ポリエチレングリコール、高分子複合体、高分子凝集体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、水中油系の乳化剤、ミセル、混合ミセル、リポソームを包含する脂質を挙げることができ、特定の骨組織、又は細胞へ、細胞包埋ビーズを効率的に輸送する効果のある、リポソームや人工膜の小胞が好ましい。
本発明の医薬組成物における製剤化の例としては、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用されるものが挙げられる。更には、薬理学上許容される担体又は希釈剤、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化されたものが挙げられる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
<骨再生方法>
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための血管網被包細胞包埋ビーズを提供する。
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための血管網被包細胞包埋ビーズ集積体を提供する。
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法を提供する。
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の血管網被包細胞包埋ビーズを含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、骨再生治療剤を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、骨再生治療剤を製造するための上記細胞包埋ビーズの使用を提供する。
また、本発明の一側面は、上記血管網被包細胞包埋ビーズの有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療方法を提供する。
また、本発明の一側面は、上記血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療方法を提供する。
本明細書において、再生可能な骨組織としては、特別な限定はなく、例えば、頭頂骨、歯槽骨、側頭骨、蝶形骨、上顎骨、下顎骨、上腕骨、りょう骨、尺骨、手骨、鎖骨、胸骨、肋骨、寛骨、仙骨、尾骨、髄、大腿骨、膝蓋骨、腓骨、脛骨、足骨等が挙げられる。
また、適用可能な骨組織の疾患としては、骨の変性、壊死、損傷などを伴う任意の疾患であって、例えば変形性関節症、骨軟骨損傷、難治性骨折、骨壊死、軟骨損傷、半月損傷、靭帯損傷、腱損傷、軟骨変性、半月変性、椎間板変性、靭帯変性、腱変性、骨腫瘍、先天性骨系統疾患等が挙げられ、これらに限定されない。
治療対象としては、特別な限定はなく、ヒト又は非ヒト動物を含む哺乳動物が挙げられ、ヒトが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]血管網被包細胞包埋ビーズの作製
(1)細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程
培養ディッシュ上のヒト骨髄由来間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells:MSC)(LONZA製)をトリプシン処理して剥がし、15mLチューブに移した後、1,000rpm、180秒間遠心分離した。上澄みを吸い上げ、新たに培地を10mL加えてペレットを懸濁し、細胞数カウントを行ったところ、2×10cells/10mLであった。続いて、間葉系幹細胞を含む懸濁液10mLにVybrant(登録商標) Cell−labelling Solutions(Molecular probes社製)を50μL加え、20分間培養して、細胞を染色した。
再度、1,000rpm、180秒間遠心分離をした。上澄みを吸い上げ、残ったペレットに、コラーゲン溶液(コラーゲンType1−A(新田ゼラチン社製):ハム培地:コラーゲン再構成緩衝液=8:1:1)を200μL加え、懸濁した。
培養ディッシュの蓋の裏面に、懸濁液を2μLずつ滴下した。37℃で30分間インキュベートし、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製した。
(2)凝集工程
骨芽細胞分化誘導培地(Low−glucose DMEM(Sigma社製)、10%ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、10nM デキサメタゾン(Sigma社製)、10mM β−グリセロホスフェート(Sigma社製)、0.05mM アスコルビン酸(WAKO社製)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)含有)を2mL加え、細胞包埋硬化ゲル形成体を培養ディッシュの蓋の裏面から剥がした。培地ごと細胞包埋硬化ゲル形成体を培養ディッシュに入れ、骨芽細胞分化誘導培地を添加し、14日間浮遊培養した。なお、2日おきに培地を交換した。
(3)観察結果
タイムラプス顕微鏡(BZ−X700 KEYENCE社製)を用いて、培養開始から18時間の細胞包埋ビーズの観察した結果を図3に示す。細胞包埋ビーズは、細胞の牽引力により、平均直径2mmから0.5mmまで凝集することが確かめられた。
(4)血管内皮細胞による被包
作製した細胞包埋ビーズ100個を非接着コートデッシュ(住友ベークライト社製)に移し、GFP遺伝子が導入されたヒト臍帯血管内皮細胞(GFP−HUVEC)5×10cells/mLを含む血管内皮細胞培養培地(EGM−2)(LONZA社製)を2mL加え、2日間静置培養を行い、血管網被包細胞包埋ビーズを作製した。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図4に示す。
図4から、GFP−HUVECが細胞包埋ビーズの表面を被包していることが確かめられた。
(5)血管網被包細胞包埋ビーズの集積化
血管網被包細胞包埋ビーズ100個を約100μLのコラーゲンType1−A(新田ゼラチン社製)に懸濁し、セルカルチャーインサート(Falcon社製)を埋めるように流し込んだ。続いて、30分インキュベートすることでゲル化させ、これを24ウェルプレートにはめ込んだ。続いて、EGM−2培地をインサート内に2mL、ウェル内に1mLを加え、2日間培養を行った。共焦点レーザー顕微鏡(Carl Zeiss社製、LSM−700)で観察した結果を図5に示す。図5において、白い星印は、細胞包埋ビーズを示す。
(6)結果と考察
図5から、細胞包埋ビーズの周囲に管腔構造を有する血管網が形成されていることが確かめられた。
[実施例2]血管網被包細胞包埋ビーズの作製
送液可能な血管構造を付与するために、電気化学細胞脱離を用いた血管構造構築技術及び血管網被包細胞包埋ビーズを用いることにより、より厚みのある血管導入骨組織の構築を目指した。
(1)細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程
実施例1の(1)と同様の方法により、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製した。
(2)凝集工程
実施例1の(2)と同様の方法により、14日間浮遊培養した。
(3)血管内皮細胞による被包
実施例1の(4)と同様の方法により、血管網被包細胞包埋ビーズを作製した。
(4)培養チャンバーの作製
アクリル板をレーザー加工機で指定の形状に切断し、接着剤(アクリサンデー)を用いて、培養チャンバーを作製した。続いて、細胞に害を与えないように、80℃オーブンに数時間入れて、接着剤を完全に乾燥させた。さらに、純水に一晩漬けた後、70%エタノールで滅菌して使用した。
(5)金線表面へのペプチド修飾
表面に金スパッタリングを施したガラスキャピラリー(金線)を50μM オリゴペプチド(配列番号1)(株式会社スクラム製)を含む溶液1mLに浸すことで、金線表面をオリゴペプチドの自己組織化単分子膜で覆わせた。使用したオリゴペプチドのアミノ酸配列を配列番号1に示す。
(6)金線表面への血管内皮細胞の播種
オリゴペプチドを修飾した金線を細胞非接着性4cmディッシュに入れ、GFP−HUVECを5×10cells/mLを播種し、2日間細胞が表面を覆うまで培養した。
(7)金線の固定
(6)で作製したGFP−HUVECが表面を覆った金線をPBS溶液に一度漬けてから、表面の細胞を乾燥させないように、(4)で作製した培養チャンバーに固定した。このとき、細胞を傷つけないように注意しながら差し込んだ。
(8)コラーゲンのゲル化
(3)で作製した血管網被包細胞包埋ビーズ100個を100μLのコラーゲンType1−A(新田ゼラチン社製)に懸濁し、チャンバーに注いだ。30分間インキュベートすることで、ゲル化させた。
(9)電位の印加
金線を作用極、銀/塩化銀線を参照極、白金板を対極として、ゲル内に差し込むことで三電極系を形成し、ポテンショスタットに接続した。続いて、定電位−1.0 Vを5分間印加した。
(10)血管様構造の形成
電位を印加して金線と細胞の結合を切断した後に、チャンバーから金線を丁寧に真っ直ぐ引き抜くことで、ゲル内に微小間隔で並列に配置した血管様構造を形成した。その後、3日間送液培養を行った。
(11)共焦点顕微鏡観察及び解析
培養開始から3日後、共焦点レーザー顕微鏡(Carl Zeiss社製、LSM−700)で観察した結果を図6(A)に示す。図6(A)において、白い星印は、血管構造を示している。
(12)切片の作製
血管様構造を有する血管網被包細胞包埋ビーズの集合体をリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)で洗浄し、パラホルムアルデヒドで固定した。続いて、固定液を回収し、10%、20%、30%スクロース溶液にそれぞれ2時間ずつ浸し、液を置換した。続いて、細胞包埋ビーズを30%スクロース溶液ごと切片作製用容器に流し込み、スクロース溶液のみ回収した。続いて、凍結組織切片作製用包埋剤(Optimal Cutting Temperature Compound:O.C.T Compound)を静かに流し込み、細胞包埋ビーズを封入した。続いて、液体窒素の中に、切片作製用容器を入れ、細胞包埋ビーズを凍結させた。予め−22℃に冷却したミクロトームを用いて、細胞包埋ビーズを微小の厚さにカットした。カットされた切片をスライドガラスに垂直に押し当て、転写した。
(13)ヘマトキシリン・エオジン(Hematoxylin−Eosin:HE)染色
得られたスライドガラスにキシレンを1mL滴下し60分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、70%エタノール溶液を1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、マイヤー・ヘマトキシリン染色液を1mL滴下し3分間静置した後、溶液を除去した。続いて、流水に13分間浸し、洗い流した。続いて、エマシンYを1mL滴下し4分間静置した後、溶液を除去した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し30秒間静置した後、溶液を除去した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し1分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し1分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。続いて、キシレンを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。最後に、キシレンを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。スライドガラスが乾いたら、マウントクイック(封入剤)を少量垂らし、気泡が入らないようにマイクロカバーガラスをゆっくりかぶせ、封入した。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図6(B)に示す。図6(B)のHE染色の画像において、黒い星印は血管構造を示している。を示している。
(14)結果と考察
図6(A)及び(B)から、3日間の送液培養により、ビーズ周囲の血管内皮細胞が血管網を形成し、組織全体に血管ネットワークが張り巡らされた組織体を構築することができることが明らかになった。
[参考例1]血管網が覆ったコラーゲンビーズ集積体の作製
(1)コラーゲンビーズの作製
コラーゲン溶液(コラーゲンType1−A(新田ゼラチン社製):ハム培地:コラーゲン再構成緩衝液=8:1:1)を200μL準備した。続いて、培養ディッシュの蓋の裏面に、コラーゲン溶液を2μLずつ、滴下し、コラーゲンビーズを作製した。
(2)血管内皮細胞による被包
(1)で作製したコラーゲンビーズ100個を非接着コートデッシュ(住友ベークライト社製)に移し、GFP−HUVECを5×10cells/mL含むEGM−2培地を2mL加え、2日間静置培養を行い、血管内皮細胞被包コラーゲンビーズを作製した。
(3)血管内皮細胞被包コラーゲンビーズの集積化
(2)で作製した血管内皮細胞被包コラーゲンビーズ100個を約100μLのコラーゲンType1−A(新田ゼラチン社製)に懸濁し、セルカルチャーインサート(Falcon社製)を埋めるように流し込んだ。続いて、30分インキュベートすることでゲル化させ、これを24ウェルプレートにはめ込んだ。続いて、EGM−2培地をインサート内に2mL、ウェル内に1mLを加え、3日間培養を行った。共焦点レーザー顕微鏡(Carl Zeiss社製、LSM−700)で観察した結果を図7に示す。図7において、白い星印は、血管内皮細胞被包コラーゲンビーズを示す。
図7から、コラーゲンビーズ周囲を覆っていた血管構造は3日間の培養により、ビーズ同士の間で血管ネットワーク構造を形成することが確かめられた。形成した血管は管腔構造を有しており、その直径は50−100μm程度であった。ビーズの集積培養を行う際、インサート内(2mLのEGM−2培地を添加)とインサート外(24ウェルプレートに1mLのEGM−2培地を添加)で培地の高さを変えることで静水圧を付与することにより、血管網の形成が促進されたと推察される。
[試験例1]移植により再生した骨の欠損部の評価試験
(1)頭蓋骨欠損モデルマウスの作製
8週齢のヌードマウス(ICRnu/nuマウス)にイソフルランを用いて、吸引麻酔(3.5%、 air−350 ml/min)を行った。続いて、マウスの頭部皮膚をイソジンで拭き、さらに、70%エタノールで拭くことで滅菌した。続いて、マウス頭部の皮膚をメスで切開し、頭蓋骨を露出させた。続いて、Vmax Standard Micromotor Systemを用いて15,000rpmでドリリングを行った。続いて、ピンセットを用いて頭蓋骨を剥離して、頭蓋骨欠損モデルマウスを作製した。
(2)頭蓋骨欠損モデルマウスへの移植
作製した頭蓋骨欠損モデルマウスに、欠損部を覆い隠すように実施例1で作製した血管網被包細胞包埋ビーズの集積体を移植し、皮膚を生体非吸収性縫合糸で縫合した。コントロールとして、何も移植しないマウスを用意した。また、参考例1として、細胞包埋ビーズを移植したマウス、比較例2として、コラーゲンのみからなるビーズを移植したマウスを用意した。移植から5週間後に、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学株式会社製、TDM1000H−II(2K))での観察及びHE染色による組織学的評価を行った。
(3)三次元計測X線CT装置での撮影
イソフルランを用いて、移植から5週間後のマウスに吸引麻酔を行った。マウス固定具を用いて、マウスの頭蓋骨の固定を行った。三次元計測X線CT装置(ヤマト科学株式会社製、TDM1000H−II(2K))を用いて、透過像及びCT像を撮影した。ImageJにより解析し、三次元画像を作製した。透過像及びCT像を図8に示す。図8において、白い矢印は、血管を示している。
(4)切片の作製
移植から5週間後のマウスの頭蓋骨を切り出した。続いて、20%ホルマリンに1日間浸漬し、組織を固定した。続いて、20%EDTA溶液に5日間浸漬し、脱灰(骨の石灰化部を溶かす処理)した。70%エタノール溶液で一晩浸漬し、90%エタノール溶液で30分間浸漬し、100%エタノールで1時間の浸漬を2回行い、エタノールへの置換を行った。続いて、エタノール:2−ブタノールの体積比が1:1の溶液に30分間浸漬し、100%2−ブタノールに1時間の浸漬を2回行い、ブタノールへの置換を行った。続いて、2−ブタノール:パラフィンの体積比が1:1の溶液に30分間浸漬し、100%パラフィンに1時間の浸漬を2回行い、さらに、一晩浸漬しパラフィンに置換した。ミクロトームを用いて、切片を作製した。乾燥機を用いて、乾燥した。
(5)HE染色
得られたスライドガラスを用いて、実施例2(13)と同様の方法により、HE染色を行った。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図9に示す。図9のHE染色の画像において、黒い星印は血管を示している。
図8から、コントロール及び比較例2では骨欠損が埋まっておらず、新生骨の形成が見られなかった。一方、比較例1及び実施例1では、骨欠損に新生骨が形成しており、さらに、実施例1では移植部への血流が確認された。
また、図9から、実施例1で作製した血管網被包細胞包埋ビーズを移植したマウスでは、移植部に血管が存在し、その内部に血球の存在も確認できた。この血管の直径は約200μm程あり、生体外で作製した血管構造に血流が流れた可能性が示唆された。
以上のことから、本発明の血管網被包細胞包埋ビーズは、組織学的な観点から骨再生に有用であることが示唆された。
本発明によれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、骨組織を再生することが可能となる。
1…骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞、2…生体適合性ハイドロゲル、3…撥水性表面を有する支持体、4…細胞包埋硬化ゲル形成体、5…培地、6…細胞包埋ビーズ、7…血管を構築し得る細胞、8…血管網被包細胞包埋ビーズ、9…電線、10…容器、11…多数の微細孔を有する膜、12…可搬の培養容器、13…可搬の培養容器よりも大きな別の容器、14…電源、15…第1の電極、16…第2の電極、17…血管網被包細胞包埋ビーズ集積体、18…血管様構造。

Claims (12)

  1. 骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞及び生体適合性ハイドロゲルを含有する細胞包埋ビーズと、
    前記細胞包埋ビーズを被覆する血管を構築し得る細胞と、
    を含むことを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズ。
  2. さらに、前記骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含有する、請求項1に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  3. 前記骨芽細胞に分化し得る細胞が間葉系幹細胞である、請求項1又は2に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  4. 前記血管を構築し得る細胞が血管内皮細胞である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  5. 前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  6. 前記細胞外マトリックス成分がI型コラーゲンである、請求項5に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  7. 前記骨芽細胞又は前記骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が1×10cells/cm以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の血管網被包細胞包埋ビーズ。
  8. 請求項1〜7に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの集積体であって、前記血管網被包細胞包埋ビーズ間に管腔状の血管様構造を有することを特徴とする集積体。
  9. 骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、
    前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させ、細胞包埋ビーズを作製する工程と、
    前記細胞包埋ビーズと、血管を構築し得る細胞とを共培養し、前記細胞包埋ビーズの表面に前記血管を構築し得る細胞を被包させる工程と、
    を備えることを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
  10. 前記細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程において、撥水性表面を有する支持体に滴下し、前記液滴を作製する、請求項9に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
  11. 前記凝集工程において、細胞分化誘導剤を添加する、請求項9又は10に記載の血管網被包細胞包埋ビーズの製造方法。
  12. 請求項9〜11に記載の製造方法を用いて、血管網被包細胞包埋ビーズを製造した後、
    血管を構築し得る細胞を用いて、電線の表面を被覆する工程と、
    前記血管を構築し得る細胞で被覆された電線を容器に固定する工程と、
    前記電線が固定化された容器に、前記血管網被包細胞包埋ビーズ及び生体適合性ハイドロゲルを注いで、ゲル化させる工程と、
    電位を印加した後に前記容器から前記電線を引き抜くことで、血管様構造を形成させる工程と、
    を備えることを特徴とする血管網被包細胞包埋ビーズ集積体の製造方法。

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