以下、本発明の一実施の形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム装置10−n(nは正の整数。10−1、10−2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム装置10−nおよびサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して接続されている。ここで、複数のゲーム装置10−nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム装置10」と記載して説明する。
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム装置10−nおよびサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
ユーザが操作するゲーム装置10は、業務用(商業用)ゲーム機、家庭用のゲーム専用機(据置型または携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等により構成することができる。
サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと対応付けて、ユーザのゲームに関する情報を、データベースに記憶して管理する。また、サーバ30は、通信対戦を行う場合の対戦相手決定処理(いわゆるマッチング処理)等を実行する。通信対戦では、例えば、ゲーム装置10−1を操作するユーザAと、ゲーム装置10−2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。通信対戦の場合、サーバ30によってマッチングされたゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦を行ってもよい。
ゲーム装置10−nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
一方、P2P等で接続されるゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム装置10−1とゲーム装置10−2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム装置10−nでは、サーバ30を介さずに、複数台のゲーム装置10−n間で、直接通信を行って対戦ゲームを実行することもできる。
本実施の形態のゲームシステム1において実行されるゲームとしては、野球、サッカー、テニス、バレーボール等のスポーツゲーム、戦闘を題材とした戦闘ゲーム、虫等を捕獲するゲーム等、様々なゲームを挙げることができる。その一例として、ここでは、主に、投手キャラクタが投球したボールオブジェクト(作用対象の一例)を打者キャラクタが打撃する野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。ゲームの一例の概要を以下に説明する。
例えば、打者側のユーザAが投手側のユーザBと対戦する場合、ユーザAは、所定の制限時間内で、投球コースおよび球種を予想し、予想した内容を入力する。例えば、図8に例示する接触操作可能な画面G10において、ユーザAは、ボールがストライクゾーンSZのどの位置に投球されるかを予想し、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで接触する。また、画面G10内には、例えば投手キャラクタが投球可能な複数の球種が対応付けられた球種ボタンP1〜P6が表示されている。ユーザAは、投手キャラクタが投球すると予想する球種を予想し、前記球種ボタンP1〜P6の何れかを選択する操作(例えば、球種ボタンP1〜P6の何れかに指Fを接触させる操作)を行う。なお、ユーザAは、投球コースおよび球種の何れの予想入力を先に行ってもよい。制限時間内であれば、ユーザAは、何度でも投球コースおよび球種の予想入力を変更することができる。また、ユーザAは、制限時間内に所定の決定操作(例えば、決定ボタンP7を選択する操作)を行うことにより、制限時間の経過を待たずに投球コースおよび球種の予想入力を確定することができる。ユーザAが投球コースおよび球種を予想して入力する操作の詳細は後述する。また、ユーザBも、投手キャラクタが投げる投球コースおよび球種を指定する入力操作を行なう。例えば、図10に例示する接触操作可能な画面G20において、ユーザBは、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで接触する。また、ユーザBは、投手キャラクタが投球可能な複数の球種が対応付けられた球種ボタンP1〜P6の何れかを選択する操作を行う。なお、ユーザBは、投球コースおよび球種の何れの入力を先に行ってもよい。制限時間内であれば、ユーザBは、何度でも投球コースおよび球種を変更することができる。また、ユーザAは、制限時間内に所定の決定操作(例えば、決定ボタンP7を選択する操作)を行うことにより、制限時間の経過を待たずに投球コースおよび球種の入力を確定することができる。ユーザBが投球コースおよび球種を指定する操作の詳細は後述する。この場合、もちろん、ユーザAおよびユーザBは、互いに相手がどのような入力を行ったかは知らない状況で入力操作を行う。その後、図16に例示するように、ユーザAのゲーム装置10−1の画面には、ユーザBが指定した投球コースに対応する位置に投手側カーソルPC(被作用部の一例)が、ユーザAの予想した投球コースに対応する位置に打者側カーソルBC(作用付与部の一例)が、それぞれ表示される。また、同様に、ユーザBのゲーム装置10−2の画面にも、投手側カーソルPCおよび打者側カーソルBCが表示される。そして、画面上の投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの位置関係によって、打撃結果が決定される。例えば、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの中心部同士の距離が小さいほど、強打になり、ヒットの確率が高まる。ここで、投手側カーソルPCに対する打者側カーソルBCの位置は固定ではなく、ユーザAが予想した球種の予想結果に基づいて変動する。例えば、ユーザAの球種の予想が当たっていた場合、図16に例示する画面が表示された後、図17および図18に例示するように、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCの方へと近づくので、作用対象の一例であるボールオブジェクトに対する作用が大きくなる。
なお、ユーザAがコンピュータ(CPU)を相手とする1人プレイの対戦(いわゆるCPU対戦)を遊技することも可能である。このCPU対戦の場合、前記ユーザBに代わってCPUが投球コースおよび球種を自動的に決定する以外は、上記と同様である。
このように、作用対象に対して作用を与えるゲームにおいて、ユーザの予想を受け付け、その予想結果に基づいて、被作用部に対する作用付与部の位置を変動させるようにする。これを実現するゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10の構成等を、以下に説明する。
(ゲーム装置のハード構成)
図2は、ゲーム装置10のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。ゲーム装置10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信制御部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン19を介して相互に接続されている。なお、バスライン19と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム装置10は、表示部20および音声出力部21を備えている。
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム装置10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。
また、ゲーム装置10を業務用ゲーム機(いわゆるアーケードゲーム機)等とした場合、ゲーム終了後にキャラクタカード(物理的なカード)を排出するカード排出部、キャラクタカードを読み取ってキャラクタの情報を入力するカード読取部などを具備する構成としてもよい。この場合のカード読取部は、前記操作部16に含まれる。
(サーバのハード構成)
図3は、サーバ30のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。サーバ30は、主に、CPU31と、ROM32と、RAM33と、補助記憶装置34と、通信制御部35とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン36を介して相互に接続されている。なお、バスライン36と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。
通信制御部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム装置10−nとの間の通信を制御する。また、通信制御部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信制御部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。
本実施の形態では、サーバ30が、ログイン認証機能、各ユーザのゲームに関する情報(ゲーム履歴、ランキング等)を管理する機能、通信対戦の際のマッチング処理機能等を有すものとし、主要なゲームプログラムについては、ゲーム装置10において実行される構成例について説明する。そこで、以下には、ゲーム装置10の機能的構成について説明する。
(ゲーム装置の機能的構成)
図4は、ゲーム装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。ゲーム装置10は、基本的に、入力管理手段110、実行手段120、出力管理手段130、キャラクタ管理手段140、ユーザ情報管理手段150、通信管理手段160等を備えている。これらの各手段は、基本的に、ゲーム装置10のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段110は、操作部16を介した操作に関する情報を、実行手段120に出力する。実行手段120は、前記操作に関する情報や、サーバ30または他のゲーム装置10から受信した情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。この実行手段120の有する機能の詳細については後述する。実行手段120によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段130は、画像処理部17およびサウンド処理部18を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段130は、画像処理部17を制御して、表示部20にゲーム画面を表示させたり、サウンド処理部18を制御して、音声出力部21からゲームプレイ中の効果音を出力させたりする。
キャラクタ管理手段140は、キャラクタデータベース(以下、キャラクタDBと称する)に基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。キャラクタDBは、RAM13または補助記憶装置14に記憶されている。あるいは、キャラクタDBはサーバ30に存在し、ゲーム装置10がサーバ30にアクセスして必要な選手キャラクタの情報を、サーバ30を介してダウンロードするようにしてもよい。
野球ゲームおけるキャラクタDBには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、能力パラメータ等の情報が記憶される。図5に、キャラクタDBに登録されている野手キャラクタ(選手ID=001)1人分の情報を例示している。野手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、能力パラメータ(巧打力、長打力、走力、守備力等)、投球コースに対する得意/不得意の情報、投手との相性の情報、特殊能力、キャラクタの画像等が記憶される。これらの各種パラメータは、各野手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。投球コースに対する得意/不得意の情報、投手との相性の情報、特殊能力については後述する。
能力パラメータ(巧打力、長打力、走力、守備力等)のパラメータ値は、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のうちの何れかの値に設定される。「5」が最も能力が高く、「1」が最も能力が低い。
また、図6に、キャラクタDBに登録されている投手キャラクタ(選手ID=501)1人分の情報を例示している。投手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、球速、制球力、投球可能な球種、キャラクタの画像等の情報が記憶される。これらの各種パラメータは、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。
球速は、投手キャラクタがストレートを投げた場合の最高球速である。制球力は、投手キャラクタのコントロールの良さの指標となるパラメータである。投球可能な球種は、いわゆる投手キャラクタの持ち球である。図6の例では、選手ID=501の投手キャラクタは、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、「シンカー」、「シュート」の6種類の球種を持ち球としている。各投手キャラクタに応じて持ち球の球種は異なっている。投手キャラクタによっては、5種類以下または7種類以上の球種を持ち球とする場合があってもよい。なお、持ち球の球種の数に上限を設けてもよい(例えば、6種類を上限とする)。
また、キャラクタDBには、投手キャラクタの持ち球の各球種と対応付けて、球種のパラメータ値が記憶されている。「ストレート」のパラメータ値は、ボールの伸びを示すものであり、「ストレート」以外の変化球のパラメータ値は、変化量を示すものである。各球種のパラメータ値も、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のうちの何れかの値に設定される。「5」が最もボールの伸びまたは変化量が大きく、「1」が最もボールの伸びまたは変化量が小さい。なお、前記球種のパラメータ値も、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。これは投手毎に得意、不得意な球種が異なるためである。
ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)に記憶して管理する。例えば、ユーザ情報管理手段150は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。ユーザ情報管理手段150が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。また、ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。また、ユーザ情報管理手段150は、サーバ30に記憶されているユーザのゲームに関する情報があれば、サーバ30からダウンロードする。
通信管理手段160は、通信制御部15を介して、サーバ30や他のゲーム装置10等との間の情報通信を管理する機能を有する。
次に、ゲーム装置10の実行手段120が有する主な機能について、詳細に説明する。
本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、作用対象に対して作用を与えるゲームを制御する。ここで、「作用対象」とは、例えば、作用が与えられる対象であるオブジェクト、キャラクタ、アイテムである。例えば、スポーツゲームにおけるボールオブジェクト、目的物を攻撃するゲームにおけるモンスター、ロボット、戦闘機、ミサイル等のキャラクタまたはアイテム、目的物を捕獲するゲームにおける昆虫、鳥、魚、動物、架空の生き物等のキャラクタが作用対象の一例に相当する。
また、「作用」とは、例えば、作用対象に力を及ぼす、または作用対象と関係をもつことにより当該作用対象に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、打撃する、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。あるいは、作用対象のパラメータや属性を変えるものであってもよい。例えば、作用対象の色や大きさ、能力を変えることも作用の一例に相当する。本実施の形態で主に説明する野球ゲームにおいては、「作用対象」の一例としてのボールオブジェクトを打撃することが「作用」に相当する。
図4に例示するように、ゲーム装置10の実行手段120は、主に、受付手段121、パラメータ決定手段122、判定手段123、表示制御手段124、作用内容決定手段125等を備えている。
受付手段121は、前記作用対象に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける機能を有する。ここで、「作用対象に関するパラメータ」とは、例えば、作用対象の位置、状態、性質、特徴、能力、動作等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトが投球される位置(投球コース)、球種、球速等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。
また、前記「ユーザの予想」とは、例えば、ユーザが予想対象のパラメータを知らない状況において、ユーザが予想した前記パラメータの内容である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトが投球される前にユーザが予想した、カーブ、スライダー等の球種が、ユーザの予想の一例に相当する。また、ボールオブジェクトが投球される前にユーザが予想した、外角低め、内角高め等の投球コース(ストライクゾーン上の位置座標等)が、ユーザの予想の一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの各種パラメータをユーザが知らない状況において、ユーザが予想した当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が、ユーザの予想の一例に相当する。
ユーザは、作用対象に関するパラメータを予想して、当該予想に関する情報を、タッチパネル、物理的なボタン、コントローラ、方向キー、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等の操作部16を介して入力する。また、ユーザは、音声入力により、前記予想に関する情報を入力してもよい。野球ゲームにおいて、受付手段121が、打者側のユーザAの予想を受け付ける一例を、図7を参照して説明する。図7は、打者側のユーザが投球コースおよび球種を予想して入力するための画面G10の一例である。ここで、表示部20は、タッチパネルとして構成されており、ユーザAが指やペン等の指示体で画面G10に対して接触操作が可能であるものとする。
画面G10には、ストライクゾーンSZが表示される。また、ストライクゾーンSZの左右の何れが内角になるのかを明確化するために、ストライクゾーンSZの右側または左側付近には、打者キャラクタのシルエットBTが表示される。また、ストライクゾーンSZ内には、ユーザAが予想した投球コースを入力するための打者側カーソルBC(作用付与部の一例)が表示される。打者側カーソルBCは、ユーザAによる投球コースの予想位置を示すものでもあり、スイング位置(打撃位置)を示すものでもある。打者側カーソルBCは、ミートカーソル等の他の表現を使用してもよい。例えば、打者側カーソルBCは、初期位置(デフォルトの位置)としてストライクゾーンSZの中心に表示されている。ユーザAは、ボールがストライクゾーンSZのどの位置に投球されるかを予想し、図8に例示するように、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで接触(指示)すると、ゲーム装置10は、接触位置に打者側カーソルBCの中心を移動させる。受付手段121は、ユーザAの指Fが接触したストライクゾーンSZ内の位置座標を取得し、当該位置座標を、ユーザAが予想した投球コースの情報として受け付ける。そして、受付手段121は、ユーザAが予想した投球コースの情報を記憶装置(RAM13等)に記憶する。
なお、打者側カーソルBCの移動操作は、打者側カーソルBCに指Fを接触させたたままでドラッグする方法によっても可能である。ユーザAは、打者側カーソルBCの中心部がストライクゾーンSZから外れない範囲で、打者側カーソルBCを移動させることができる。このドラッグ操作により打者側カーソルBCが移動された場合、受付手段121は、移動後の打者側カーソルBCの中心部の位置座標を取得し、当該位置座標を、ユーザAが予想した投球コースの情報として受け付ける。
図7の例では、打者側カーソルBCの形状は円形としているが、これに限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。また、打者側カーソルBCは一重円であってもよいが、本実施の形態では二重円としている。すなわち、打者側カーソルBCは、内側の中心円部BC1と外側の環部BC2とからなる。内側の中心円部BC1と外側の環部BC2とは、ユーザの識別を容易にするために、互いに異なる表示形態(例えば異なる色、異なる濃度等)で表示される。
打者側カーソルBCの中心円部BC1は、ボールを真芯でとらえることができる強打領域であり、環部BC2は真芯から外れているがボールをとらえることができる通常領域である。打者側カーソルBCの大きさは、打者キャラクタの能力パラメータによって設定される。例えば、ゲーム装置10は、打者側カーソルBCの中心円部BC1の大きさ(面積、二重円の内側の半径等)を、打者キャラクタの長打力のパラメータ値が大きいほど、大きく設定する。また、ゲーム装置10は、打者側カーソルBCの環部BC2の大きさ(面積、二重円の外側の円の半径等)を、打者キャラクタの巧打力のパラメータ値が大きいほど、大きく設定する。
また、打者側カーソルBCの大きさは、打者キャラクタの投球コースに対する得意/不得意に応じて変動する。例えば、図5に示すように、選手ID=001の打者キャラクタの場合、得意コースが「外角低め」であり、不得意コースが「内角高め」である。この場合、図7または図8に例示するように、ストライクゾーンSZ内には、打者キャラクタの得意コースであることを示す得意コース領域C1が「外角低め」の隅に表示され、打者キャラクタの不得意コースであることを示す不得意コース領域C2が「内角高め」の隅に表示される。この場合、ゲーム装置10は、ユーザAが予想して指定した投球コースの座標位置(すなわち、打者側カーソルBCの中心部)が、ストライクゾーンSZの「外角低め」の隅部OL(得意コースの隅部)に近づくほど、打者側カーソルBCを大きく設定する。ここで、打者側カーソルBCを大きくする場合、打者側カーソルBCの全体を大きくしてもよいし、打者側カーソルBCの一部(すなわち、中心円部BC1と環部BC2との何れか一方)を大きく設定してもよい。これにより、ユーザAが予想した投球コースが、打者キャラクタの得意コースに近いほど打者側カーソルBCが大きくなって打撃し易くなる、あるいは強打になり易くなる。
また、ゲーム装置10は、ユーザAが予想して指定した投球コースの座標位置(すなわち、打者側カーソルBCの中心部)が、ストライクゾーンSZの「内角高め」の隅部IH(不得意コースの隅部)に近づくほど、打者側カーソルBCを小さく設定する。ここで、打者側カーソルBCを小さくする場合、打者側カーソルBCの全体を小さくしてもよいし、打者側カーソルBCの一部(すなわち、中心円部BC1と環部BC2との何れか一方)を小さく設定してもよい。これにより、ユーザAが予想した投球コースが、打者キャラクタの不得意コースに近いほど打者側カーソルBCが小さくなって打撃し難くなる、あるいは強打になり難くなる。
このように、打者キャラクタの投球コースに対する得意/不得意に応じて、打者側カーソルBCの大きさを変動させることにより、ユーザAは、前記得意/不得意をも考慮して、打撃位置(投球コースの予想位置)を決定することが必要となり、ゲーム性が高まる。すなわち、打者側カーソルBCの大きさだけを考えれば、打者キャラクタの得意コースを打撃位置とするように投球コースの予想を行う方が有利ではあるが、逆に対戦相手(ユーザBまたはCPU)は、打者キャラクタの不得意コースを狙ってくることも十分に考えられる。そこで、ユーザAは、敢えて、打者キャラクタの不得意コースを打撃位置とするように投球コースの予想を行うということも戦略の一つとなる。
また、ゲーム装置10は、打者キャラクタと投手キャラクタとの相性に関する情報に基づき、打者側カーソルBCの大きさを変動させるようにしてもよい。ここで、相性に関する情報とは、例えば、右打者は左投手に対して相性がよく、右投手に対しては相性が悪いというような情報であってもよいし、個々の投手キャラクタと打者キャラクタとの相性であってもよい。例えば、投手Aは、打者Bを得意にしているが、打者Cを苦手にしているという情報であってもよい。図5に例示するように、前記相性に関する情報は、RAM13等に記憶されている。
例えば、図5に示すように、打者キャラクタの選手IDと対応付けて、投手キャラクタとの相性の情報が記憶されている。図5の例では、選手ID=001の打者キャラクタにとって得意な投手の情報として、投手キャラクタの選手ID=515、568、…が記憶されている。また、苦手な投手の情報として、投手キャラクタの選手ID=527、542、…が記憶されている。なお、投手キャラクタの選手IDと対応付けて、打者キャラクタとの相性の情報を記憶するようにしてもよい。
ゲーム装置10は、打者キャラクタにとって得意でも苦手でもない投手キャラクタとの対戦時には、打者側カーソルBCの大きさをデフォルトに設定する(あるいは、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて決定された打者側カーソルBCの大きさをそのまま適用する)。また、ゲーム装置10は、打者キャラクタにとって相性の良い得意投手との対戦時には、打者側カーソルBCを前記デフォルトの場合よりも大きくする(あるいは、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて決定された打者側カーソルBCのサイズよりも大きくする)。例えば、打者側カーソルBCの大きさを前記デフォルトの場合の1.2倍とする。これは、投打の相性に関して打者キャラクタ有利の状況を、打者側カーソルBCのサイズを大きくすることでゲームに反映させたものである。また、ゲーム装置10は、打者キャラクタにとって相性の悪い苦手投手との対戦時には、打者側カーソルBCの大きさを前記デフォルトよりも小さくする(あるいは、打者キャラクタのパラメータ等に基づいて決定された打者側カーソルBCのサイズよりも小さくする)。例えば、打者側カーソルBCの大きさを前記デフォルトの場合の0.8倍に縮小する。これは、投打の相性に関して打者キャラクタ不利の状況を、打者側カーソルBCの大きさを小さくすることでゲームに反映させたものである。
また、ゲーム装置10は、打者キャラクタが有する特殊能力に基づいて、打者側カーソルBCの大きさを変動させてもよい。例えば、図5の例では、選手ID=001の打者キャラクタは、「チャンスに強い」という特殊能力を有している。この場合、ゲーム装置10は、特殊能力の発動条件(例えば満塁)を満たしたゲーム状況になった場合に、特殊能力が発動されない場合よりも打者側カーソルBCのサイズを大きくする。なお、特殊能力には、例えば「チャンスに弱い」等の発動によりデメリットが生じるようなものもある。このようなデメリット発生の特殊能力において、その発動条件(例えば満塁)を満たしたゲーム状況になった場合には、ゲーム装置10は、特殊能力が発動されない場合よりも打者側カーソルBCのサイズを小さくする。なお、特殊能力には、「チャンスに強い」、「チャンスに弱い」以外にも、様々なものがあり、その発動条件も特殊能力によって異なっている。例えば、「サヨナラ男」という特殊能力は、一打サヨナラの場面で発動するメリット発生の特殊能力である。
また、図7および図8に示すように、ユーザAが球種を予想するための球種ボタンP1〜P6が表示される。球種ボタンP1〜P6には、投手キャラクタの持ち球の球種が対応付けられる。図6に例示する選手ID=501の投手キャラクタの場合、球種ボタンP1は「ストレート」、球種ボタンP2は「スライダー」、球種ボタンP3は「カーブ」、球種ボタンP4は「フォーク」、球種ボタンP5は「シンカー」、球種ボタンP6は「シュート」である。ユーザAは、球種ボタンP1〜P6の何れかを選択する操作(例えば、球種ボタンP1〜P6の何れかに指を接触させる操作)を行う。受付手段121は、ユーザAが選択した球種ボタンP1〜P6に対応する球種を、ユーザAが予想した球種の情報として受け付ける。そして、受付手段121は、ユーザAが予想した球種の情報を記憶装置(RAM13等)に記憶する。
なお、図7に例示するように、画面G10が表示された直後には、デフォルトとして「ストレート」の球種ボタンP1が選択された状態になっており、ユーザAが「ストレート」以外の球種を予想する場合のみ、他の球種ボタンP2〜P6を選択するようにしてもよい。
また、各球種ボタンP1〜P6には、各球種のパラメータ値も併せて表示される。例えば、球種ボタンP1の「ストレート 5」とは、ストレートのパラメータ値(伸び)が「5」であることを示している。また、球種ボタンP2の「スライダー 2」とは、スライダーのパラメータ値(変化量)が「2」であることを示している。このように、球種を選択するための球種ボタンP1〜P6に、球種のパラメータ値を視認可能に表示することにより、ユーザAが球種を予想する場合の参考にすることができる。ユーザAにとっては、各球種のパラメータ値を考慮して球種を予想することが要求されるので、ゲーム性の向上が図られる。
なお、ゲーム進行の遅延を防止する等のために、受付手段121は、ユーザAの予想を受け付ける予想受付期間を限定する、すなわち所定の制限時間を設けるようにしてもよい。この制限時間内であれば、ユーザAは、何度でも、投球コースおよび球種の両方または何れか一方の予想入力を変更することができる。投球コースの予想を変更する場合、ユーザAは、再度、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指F等で接触すればよい。また、球種の予想を変更する場合、ユーザAは、再度、球種ボタンP1〜P6を選択し直せばよい。また、図7および図8に例示する画面G10には、投球コースおよび球種の予想を確定するための決定ボタンP7が設けられている。ユーザAは、制限時間内に投球コースおよび球種の予想入力を行って決定ボタンP7を押せば、制限時間の経過を待たずに投球コースおよび球種の予想を確定することができる。制限時間内に決定ボタンP7が押されなかった場合、制限時間が経過したときに入力されている投球コースおよび球種によりユーザAの予想が確定する。また、制限時間内にユーザAが予想の入力操作をしなかった場合には、予め定められたデフォルトの情報を、ユーザAの予想とみなして受け付ける処理をしてもよい。例えば、図7の画面G10が表示されてから20秒以内に、ユーザAが予想の入力操作をしなければ、投球コースとしてストライクゾーンSZの真ん中、球種としてストレートがデフォルトとして入力されたものとみなす。
なお、予想受付期間内にユーザAが予想の入力操作をしなかった場合、ユーザが予想しなかったものとしてゲームを進行させる(ユーザの予想がなくてもゲームを進行できる場合)、またはゲームを終了する(ユーザの予想がなければゲームを進行できない場合)ようにしてもよい。
次に、図4のパラメータ決定手段122について説明する。パラメータ決定手段122は、前記ユーザAの対戦相手(例えばユーザB)による操作に基づいて、又は自動的に、前記作用対象に関するパラメータを決定する機能を有する。すなわち、パラメータ決定手段122は、ユーザAが対戦相手の他のユーザBと対戦する場合には、ユーザBによる操作に基づいて、作用対象に関するパラメータを決定する。例えば、野球ゲームにおいて、対戦相手の他のユーザBが投手側である場合、ボールオブジェクトに関するパラメータとして、投球コースおよび球種を指定する操作を行うことにより、パラメータ決定手段122は、前記操作により指定された投球コースおよび球種を、投手キャラクタが投球する投球コースおよび球種に決定する。なお、当然ながら、対戦相手の他のユーザBは、ユーザAが何を予想したかについては知らない状況で前記操作を行う。この操作は、例えば、タッチパネル、物理的なボタン、コントローラ、方向キー、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等の操作部16を介して行うことができる。あるいは、音声入力による操作であってもよい。ここでは、タッチパネルによる操作として以下に説明する。
図9は、投手側のユーザBが投球コースおよび球種を指定するための画面G20の一例である。この画面G20には、図7の画面G10と同様に、ストライクゾーンSZ、打者キャラクタのシルエットBT、球種ボタンP1〜P6が表示される。図9の画面G20は、投手キャラクタの視点でストライクゾーンSZを見た画像が表示されるので、打者キャラクタの視点の画像が表示される図7の画面G10とは、打者キャラクタのシルエットBTの立ち位置が左右逆になっている。
図9の画面G20のストライクゾーンSZ内には、ユーザBが投球コースを指定するための投手側カーソルPC(被作用部の一例)が表示される。この投手側カーソルPCは、投手キャラクタが投げるボールオブジェクトのストライクゾーンSZ上の投球位置を示すものでもある。例えば、投手側カーソルPCは、初期位置(デフォルトの位置)としてストライクゾーンSZの中心に表示されている。図10に例示するように、ユーザBは、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで接触(指示)すると、ゲーム装置10は、接触位置に投手側カーソルPCの中心を移動させる。これにより、パラメータ決定手段122は、ユーザBの指Fが接触したストライクゾーンSZ内の位置座標を取得し、当該位置座標を投手キャラクタが投球する投球コースの情報として決定する。そして、パラメータ決定手段122は、決定した投球コースの情報を記憶装置(RAM13等)に記憶する。
なお、打者側カーソルBCの移動操作と同様に、投手側カーソルPCの移動操作は、投手側カーソルPCに指Fを接触させたたままでドラッグする方法によっても可能である。このドラッグ操作により投手側カーソルPCが移動された場合、パラメータ決定手段122は、移動後の投手側カーソルPCの中心部の位置座標を取得し、当該位置座標を、投手キャラクタが投球する投球コースの情報として決定する。
図9の例では、投手側カーソルPCの形状は円形としているが、これに限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。また、投手側カーソルPCは一重円であってもよいが、本実施の形態では二重円としている。すなわち、投手側カーソルPCは、内側の中心円部PC1と外側の環部PC2とからなる。内側の中心円部PC1と外側の環部PC2とは、ユーザの識別を容易にするために、互いに異なる表示形態(例えば異なる色、異なる濃度等)で表示される。
投手側カーソルPCの中心円部PC1は、打者キャラクタにボールを真芯でとらえられる領域であり、環部PC2は真芯から外れているが打者キャラクタにボールをとらえられる領域である。投手側カーソルPCの大きさは、投手キャラクタの能力パラメータによって設定される。例えば、ゲーム装置10は、投手側カーソルPCの中心円部PC1の大きさ(面積、二重円の内側の半径等)を、投手キャラクタの投げる球種のパラメータ値が大きいほど、小さく設定する。例えば、ユーザBがストレートを選択した場合、そのパラメータ値(伸び)は「5」であり、シュートを選択した場合、そのパラメータ値(変化量)は「1」である。この場合、ユーザBがストレートを選択した方が、シュートを選択するよりも投手側カーソルPCの中心円部PC1は小さくなり、打者キャラクタにボールを真芯でとらえられ難くすることができる。また、ゲーム装置10は、投手側カーソルPCの環部PC2の大きさ(面積、二重円の外側の円の半径等)を、例えば、投手キャラクタの制球力のパラメータ値が大きいほど、小さく設定する。なお、投手キャラクタの制球力のパラメータ値が大きいほど、投手側カーソルPCの中心円部PC1の大きさを小さくし、投手キャラクタの投げる球種のパラメータ値が大きいほど、環部PC2の大きさを小さくしてもよい。
なお、図9の画面G20には、図7に示した打者キャラクタの得意コース領域C1および不得意コース領域C2は表示していないが、これらを画面G20にも表示して、投手側のユーザBにも、打者キャラクタの投球コースに対する得意/不得意を視認可能としてもよい。これにより、投手側のユーザBも、打者キャラクタの投球コースに対する得意/不得意を考慮して投球コースを決定することが要求され、ゲーム性が高まる。
また、ユーザBは、画面G20に表示されている球種ボタンP1〜P6の何れかを選択する操作(例えば、球種ボタンP1〜P6の何れかに指を接触させる操作)を行うことにより、投手キャラクタが投げる球種を指定する。パラメータ決定手段122は、ユーザBが選択した球種ボタンP1〜P6に対応する球種を、投手キャラクタが投げる球種として決定し、記憶装置(RAM13等)に記憶する。
なお、図9に例示するように、画面G20が表示された直後には、デフォルトとして「ストレート」の球種ボタンP1が選択された状態になっており、ユーザBが「ストレート」以外の球種を指定する場合のみ、他の球種ボタンP2〜P6を選択するようにしてもよい。
また、図7の画面G10と同様に、図9の画面G20においても、各球種ボタンP1〜P6には、各球種のパラメータ値も併せて表示される。これにより、どの球種のパラメータ値が大きいのかが明確になり、ユーザBが球種を選択する場合の参考にすることができる。ユーザBにとっては、各球種のパラメータ値を考慮して球種を選択することが要求されるので、ゲーム性の向上が図られる。
なお、ゲーム進行の遅延を防止する等のために、パラメータ決定手段122は、ユーザBの入力操作を受け付ける入力受付期間を限定する、すなわち所定の制限時間を設けるようにしてもよい。基本的に、前述のユーザAが投球コースおよび球種を予想する場合の制限時間(予想受付期間)と、ユーザBが投球コースおよび球種を入力する場合の制限時間(入力受付期間)とは同じ時間帯である。制限時間内であれば、ユーザBは、何度でも、投球コースおよび球種の両方または何れか一方の入力を変更することができる。投球コースの入力を変更する場合、ユーザBは、再度、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指F等で接触すればよい。また、球種の予想を変更する場合、ユーザBは、再度、球種ボタンP1〜P6を選択し直せばよい。また、図9および図10に例示する画面G20には、投球コースおよび球種の入力を確定するための決定ボタンP7が設けられている。ユーザBは、制限時間内に投球コースおよび球種の入力を行って決定ボタンP7を押せば、制限時間の経過を待たずに投球コースおよび球種の入力を確定することができる。制限時間内に決定ボタンP7が押されなかった場合、制限時間が経過したときに入力されている投球コースおよび球種によりユーザBの入力が確定する。また、制限時間内にユーザBが入力操作をしなかった場合には、予め定められたデフォルトの情報を、ユーザBが入力したとみなして投球コース、球種のパラメータを決定する処理をしてもよい。例えば、図9の画面G20が表示されてから20秒以内に、ユーザBが入力操作をしなければ、投球コースとしてストライクゾーンSZの真ん中、球種としてストレートがデフォルトとして入力されたものとみなす。
また、ゲーム装置10は、投手キャラクタが有する特殊能力に基づいて、投手側カーソルPCの大きさを変動させてもよい。投手キャラクタの特殊能力の一例としては、メリット発生の特殊能力である「ピンチに強い」、デメリット発生の特殊能力である「ピンチに弱い」等がある。投手キャラクタが有するメリット発生の特殊能力において、その発動条件(例えば満塁)を満たしたゲーム状況になった場合には、ゲーム装置10は、特殊能力が発動されない場合よりも投手側カーソルPCのサイズを小さくする。一方、投手キャラクタが有するデメリット発生の特殊能力において、その発動条件(例えば満塁)を満たしたゲーム状況になった場合には、ゲーム装置10は、特殊能力が発動されない場合よりも打者側カーソルBCのサイズを大きくする。
また、ゲーム装置10は、打者側カーソルBCの大きさを変動させた場合と同様に、投手キャラクタの能力パラメータだけではなく、投球コースに対する得意/不得意(作用対象の位置に関する得意/不得意)の情報、打者キャラクタ(予想を行うユーザの自己キャラタ)との相性等の、投手キャラクタの様々なパラメータに基づいて、投手側カーソルPC(被作用部の一例)の大きさを変動させてもよい。
あるいは、パラメータ決定手段122は、ユーザが1人で遊戯する場合(対戦相手の他のユーザがいない場合)、自動的に、作用対象に関するパラメータを決定する。ここで、前記「自動的」とは、例えば、人の操作を伴うことなく処理が実行されるさまをいう。「自動的にパラメータを決定する」とは、人の操作を伴うことなく、パラメータを決定することをいう。例えば、ユーザがコンピュータ(CPU)を相手とする1人プレイの対戦(いわゆるCPU対戦)を遊技する場合において、CPUが作用対象に関するパラメータ(対戦相手側のキャラクタ等)のパラメータを決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。例えば、野球ゲームのCPU対戦でユーザが攻撃側、CPUが守備側の状況において、CPUが、投手キャラクタが投球する投球コース、球種、球速等のパラメータを決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームのCPU対戦では、ユーザが攻撃しようとするキャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等のパラメータを、CPUが決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。
次に、図4に示す判定手段123について説明する。この判定手段123は、前記作用対象に関するパラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段122によって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する。ここで、「予想結果」とは、例えば、ユーザの予想が的中したか否かを示す予想の当否、または予想が一致した程度を示す予想の一致度をいう。
例えば、前記の野球ゲームでは、判定手段123は、受付手段121が受け付けたユーザAの球種に対する予想と、パラメータ決定手段122によって決定された球種(すなわち、対戦相手の他のユーザBの操作に基づいて、またはCPU11が自動で決定した球種)とを比較して、予想結果を判定する。例えば、ユーザAの球種に対する予想が「フォーク」で、パラメータ決定手段122によって決定された球種も「フォーク」であれば、両者が一致するので、判定手段123は予想的中と判定する。一方、例えば、ユーザAの球種に対する予想が「ストレート」で、パラメータ決定手段122によって決定された球種が「フォーク」であれば、両者は一致しないので、判定手段123は予想外れと判定する。なお、予想の一致度の判定については後述する。この判定手段123の判定結果により、後述するように、投手側カーソルPC(被作用部の一例)に対する打者側カーソルBC(作用付与部の一例)の位置が変動する。
次に、図4に示す表示制御手段124について説明する。表示制御手段124は、前記作用対象に対応する被作用部および前記作用対象に作用を及ぼすための作用付与部を画面に表示させる機能を有する。ここで、「作用対象に対応する被作用部」とは、例えば、画面に表示される画像であって、作用対象そのもの(例えばボールオブジェクトやモンスター等)の画像であってもよいし、作用対象そのものではなく作用対象に関係するオブジェクト(例えばボールオブジェクトの着弾点やモンスターが出現する位置を示すカーソル等)の画像であってもよい。
本実施の形態の野球ゲームの場合、ストライクゾーンSZにおける投手側の投球位置を示す前記投手側カーソルPCが、作用対象(ボールオブジェクト)に対応する被作用部に相当する。また、ストライクゾーンSZにおける打者側のスイング位置(打撃位置)を示す前記打者側カーソルBCが、作用対象(ボールオブジェクト)に作用を及ぼすための作用付与部に相当する。
図7および図8に例示した画面G10では、ユーザAが予想入力をする段階において、作用付与部の一例の打者側カーソルBCを表示する好ましい構成例を示している。なお、ユーザAが予想入力をする段階では打者側カーソルBCを表示させることなく、その後のゲームプレイの結果(予想の結果)を確認するための画面(打者側カーソルBCと投手側カーソルPCとが併せて表示される画面)において、打者側カーソルBCが初めて表示されるようにしてもよい。例えば、図11の画面G10に示すように、ユーザAが予想入力をする段階では、ストライクゾーンSZ内には打者側カーソルBCが表示されずに、ユーザAが指Fで指定した投球コースの予想位置を示す小さなマークBPのみが表示されるようにしてもよい。
また、図9および図10に例示した画面G20では、ユーザBが投球に関するパラメータ(投球コース、球種等)を入力する段階において、被作用部の一例の投手側カーソルPCを表示する好ましい構成例を示している。なお、打者側カーソルBCの場合と同様に、ユーザBが入力をする段階では投手側カーソルPCを表示させることなく、その後のゲームプレイの結果を確認するための画面において、投手側カーソルPCが初めて表示されるようにしてもよい。
表示制御手段124は、ユーザAおよびユーザBのそれぞれの入力終了後に、ゲームプレイの結果を確認する一つの画面に、被作用部および作用付与部を併せて表示させる。なお、野球ゲームの場合、前記の打者側カーソルBCおよび投手側カーソルPCに代えて、例えば、投球されたボールオブジェクトの画像を被作用部として画面に表示させると共に、バットキャラクタの画像を作用付与部として画面に表示させてもよい。また、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームの場合、作用対象であるモンスターBの画像を被作用部として画面に表示させると共に、前記モンスターBに攻撃を仕掛けるユーザのモンスターAを作用付与部として画面に表示させることができる。また、表示制御手段124は、前記判定手段123の判定結果に基づいて、被作用部に対する作用付与部の位置を変動させるが、その詳細については後述する。
次に、図4に示す作用内容決定手段125について説明する。作用内容決定手段125は、前記画面内の前記被作用部と前記作用付与部との位置関係に基づいて、前記作用対象に対する作用の内容を決定する機能を有する。ここで、「作用の内容」とは、例えば、作用対象に対して与えられる作用の種類(打撃、回転、捕捉、破壊、変形、パラメータや属性の変更等)、その大きさや方向等をいう。例えば、作用がボールに対する打撃の場合、ボールに付与される打撃力の大きさや方向が作用の内容の一例に相当する。また、作用が与えられた後の作用対象の状態や動作等も、作用の内容に含まれる。例えば、作用がボールに対する打撃の場合、打撃された後のボール(打球)が移動する方向、速度、飛距離等も作用の内容の一例に相当する。また、作用対象に対して作用を与えない(作用対象に何ら影響を及ぼさない)ということも、作用の内容に含まれる。例えば、野球ゲームにおいて、バットにボールが当たらずにボールに作用が付与されない「空振り」も、作用の内容の一例に相当する。
例えば、作用内容決定手段125は、画面内に表示された前記被作用部と前記作用付与部との少なくとも一部が重なっている場合、作用対象に対して作用が与えられるものとする。この場合、前記被作用部と前記作用付与部との重なりの程度に応じて、作用対象に対する作用の内容を変化させることができる。例えば、野球ゲームの場合、前記被作用部の中心部と前記作用付与部の中心部との距離が小さいほど(すなわち、両者が重なる面積が大きくなるほど)、打球の速度や飛距離が大きくなるように、打撃の内容を決定する。また、モンスターを攻撃するゲームの場合、前記被作用部の中心部と前記作用付与部の中心部との距離が小さいほどモンスターに強い攻撃ができるものとする。また、作用内容決定手段125は、前記被作用部と前記作用付与部とが重なっていない(離間している)場合に作用対象に対して作用が与えられないものとする(例えば、野球ゲームの場合は空振りとし、モンスターゲームの場合は攻撃失敗とする)ことができる。あるいは、作用内容決定手段125は、画面内に表示された前記被作用部と前記作用付与部とが接触した場合に、作用対象に対して作用が与えられるものとすることができる。ここで、前記被作用部と前記作用付与部とが「接触する」とは、両者が「衝突する」、「当接する」という状態を含む。作用付与部と移動体との接触(衝突)判定は、既知の接触判定(衝突判定)アルゴリズムを適用することができる。この場合、前記被作用部と前記作用付与部とが接触(当接)しなかった場合、作用対象に対して作用が与えられないものとすることができる。
本実施の形態の野球ゲームにおける打撃内容の決定処理の具体例を、図12ないし図15を参照しながら説明する。図12ないし図15は、同一の画面に表示された投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの位置関係を説明するための説明図である。
図12に例示するように、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが重なることなく離間している場合、作用内容決定手段125は、打撃レベルを「0」とし、打撃結果を空振りとする。あるいは、例えば、1打席1球勝負の対戦の場合、打撃結果を三振、またはヒットにならない凡打としてもよい。なお、図12の状態でも、例えば乱数を発生させて抽選に当たれば、僅かな確率で(例えば1%)ヒットになる可能性を残すようにしてもよい。
また、図13に例示するように、投手側カーソルPCの環部PC2と打者側カーソルBCの環部BC2とが重なっているが、投手側カーソルPCの中心円部PC1は打者側カーソルBCから離間し、且つ、打者側カーソルBCの中心円部BC1も投手側カーソルPCから離間している場合、作用内容決定手段125は、打撃レベルを「1」とする。
また、図14に例示するように、投手側カーソルPCの中心円部PC1が打者側カーソルBCに重なっている、または打者側カーソルBCの中心円部BC1が投手側カーソルPCに重なっているが、両者の中心円部PC1・BC1同士は離間している場合、作用内容決定手段125は、打撃レベルを「2」とする。
また、図15に例示するように、投手側カーソルPCの中心円部PC1と打者側カーソルBCの中心円部BC1とが重なっている場合、作用内容決定手段125は、打撃レベルを「3」とする。
前記の打撃レベルが大きいほど、より強い打球になり、ヒットになる確率は高くなる。例えば、打撃レベルが「2」以上になれば、打撃結果は略ヒットになり、打撃レベルが「3」になれば、略長打になるようにしてもよい。また、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの中心部同士が重なっている場合、ホームランになるようにしてもよい。なお、予め凡打、ヒット、長打(2塁打以上)、ホームランの結果を決めておき、その結果をゲーム画面に表示するようにしてもよいし、打球の速度、角度、方向等を決めて打球を移動させ、その打球がヒット等になるか否かについては、AIプログラムによって自動制御される守備キャラクタの動き次第としてもよい。
また、同じ打撃レベルであっても、投手側カーソルPCの中心部と打者側カーソルBCの中心部との距離が小さいほど、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃結果を決定してもよい。
なお、上記の説明では、画面内に表示された被作用部と作用付与部とが重なるまたは接触する場合に、作用対象に作用が付与される例を示したが、これに限定されない。例えば、画面内に表示された被作用部と作用付与部とが離間している場合であっても、両者の距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、より大きな作用が作用対象に付与されるようにしてもよい。その一例を挙げると、ユーザのモンスターキャラクタA(作用付与部の一例)が、対戦相手のモンスターキャラクタB(被作用部の一例)を攻撃するゲームにおいて、モンスターキャラクタAはモンスターキャラクタBから離れていても、火炎攻撃等でモンスターキャラクタBを攻撃できるが、モンスターキャラクタAは接近戦に強く、モンスターキャラクタBとの距離が近いほどその攻撃力が増す。
あるいは、画面内に表示された被作用部と作用付与部とが離間している場合であっても、両者の距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が大きいほど、より大きな作用が作用対象に付与されるようにしてもよい。その一例を挙げると、ユーザのモンスターキャラクタA(作用付与部の一例)が、対戦相手のモンスターキャラクタB(被作用部の一例)を攻撃するゲームにおいて、モンスターキャラクタAは接近戦に弱く、モンスターキャラクタBから離れて戦う方が得意である。例えば、モンスターキャラクタAは、モンスターキャラクタBとの距離が大きいほどキャラクタBに対する破壊力が増す魔力を使うことができる。
次に、前記表示制御手段124が、前記判定手段123の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる構成について説明する。
例えば、前記被作用部と前記作用付与部とが重なっている場合に作用対象に作用を付与できる構成や、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成では、判定結果がユーザの予想的中の場合、作用付与部を被作用部に近づける。また、ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部により近づけてもよい。また、例えば、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部に近づけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部から遠ざけてもよい。なお、作用付与部を被作用部に近づける(または遠ざける)とは両者の相対的な位置を近づける(または遠ざける)ことであり、作用付与部と被作用部の少なくとも一方の位置を変更すればよい。
本実施の形態の野球ゲームにおいて、前記表示制御手段124が、前記判定手段123の判定結果に基づいて、投手側カーソルPCに対する打者側カーソルBCの位置を変動させる例を、図16ないし図18を参照しながら以下に説明する。図16ないし図18は、ユーザの投球コースの予想は外れているが、球種の予想が当たっている場合の画面の遷移例を示すものである。図16は、結果表示画面が表示された直後の表示例を示す説明図である。図17は、図16からの画面の遷移例を示す説明図である。図18は、図17からの画面の遷移例を示す説明図である。なお、図16ないし図18は、ユーザAのゲーム装置10−1に表示される結果表示画面であるが、ユーザBのゲーム装置10−2においても、同様の結果表示画面が表示される。
図16に示すように、表示制御手段124は、結果表示画面に、ユーザBが指定した投球コース(パラメータ決定手段122が決定した投球コース)に基づいて設定した位置に、投手側カーソルPCを初期表示させる。例えば、図10に示すように、ユーザBが外角低めを指定した場合、図16の結果表示画面では、投手側カーソルPCがストライクゾーンSZの外角低めに表示される。なお、後述するように、球種が変化球の場合、軌道変化前の投手側カーソルPCの位置が初期表示されるようにしてもよい。
また、表示制御手段124は、同じ結果表示画面に、ユーザAが予想した投球コースに基づいて設定した位置に、打者側カーソルBCを初期表示させる。例えば、図8に示すように、ユーザAが内角高めを指定した場合、図16の結果表示画面では、打者側カーソルBCがストライクゾーンSZの内角高めに表示される。
図16の結果表示画面は、図19に例示するように、3次元空間内で、ユーザAの自己キャラクタである打者キャラクタC10と、対戦相手の投手キャラクタC20とが対戦するゲーム画面内に組み込まれて表示されるようにしてもよい。表示制御手段124は、ユーザAの球種の予想が的中している場合、図16の結果表示画面を表示した後、図17および図18に例示するように、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCの方へ近づける表示制御を行う。例えば、表示制御手段124は、投手キャラクタが投球を開始するまでは、図16の表示を継続し、投球開始と同時に、図16から、図17、図18へと遷移する画面を動画で表示させる。あるいは、表示制御手段124は、図16の静止画から図17の静止画へ遷移し、その後さらに図18の静止画へ遷移するように表示制御してもよい。図16の初期表示の画面では、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとは離間しており、ユーザAの投球コースの予想は外れているが、球種の予想は当たっているので、図18の最終表示の画面では、結果的に投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが重なるように制御し、打撃に成功するよう演出する。
図16ないし図18の画面例は、判定手段123の判定結果を反映させる前の被作用部(投手側カーソルPC)と作用付与部(打者側カーソルBC)とを画面に、一旦、初期表示した後、予想的中の場合には、作用付与部を被作用部に近づける演出表示を行う構成である。バリエーションとしては、作用付与部が被作用部に対して、時系列的に近づくのではなく、予想的中の場合には、いきなり作用付与部が被作用部に近接した状態を画面に表示してもよい。すなわち、判定手段123の判定結果を反映させた、結果画面が、いきなり表示されるようにしてもよい。前記の野球ゲームの例では、図16および図17の画面を表示させることなく、表示制御手段124が、いきなり図18の最終結果表示画面を表示させるようにしてもよい。但し、このバリエーションの場合、作用付与部が被作用部に近づいていくという動きがないため、ユーザの期待感や緊張感を煽ることができないことから、好ましくは、上記の通り、図16ないし図18に示した演出を行うのが望ましい。
また、バリエーションとしては、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が大きいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成では、判定手段123の判定結果がユーザの予想的中の場合、表示制御手段124は、作用付与部を被作用部から遠ざけるようにしてもよい。例えば、前述したように、ユーザのモンスターキャラクタA(作用付与部の一例)が、対戦相手のモンスターキャラクタB(被作用部の一例)との距離が大きいほどキャラクタBに対する破壊力が増す魔力を使うことができるゲームにおいて、判定手段123の判定結果がユーザの予想的中の場合、表示制御手段124は、モンスターキャラクタAをモンスターキャラクタBから遠ざける表示制御を行う。また、ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部からより遠ざけてもよい。また、例えば、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部から遠ざけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部に近づけてもよい。
なお、上記の野球ゲームの例では、投球コースおよび球種の2つのパラメータをユーザAが予想するようにしているが、1つのパラメータのみを予想するものであってもよい。例えば、ユーザAは球種のみを予想し、投球コースの予想は行わないものとしてもよい。この場合、打者側カーソルBCの位置はユーザAが指定しないので、例えば、ストライクゾーンSZの真ん中等の所定位置にデフォルトで打者側カーソルBCを配置する。そして、ユーザAによる球種の予想が的中すれば、表示制御手段124が、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づけるように表示制御する。
以上のように、本実施の形態のゲーム装置10は、作用対象に対して作用を与えるゲームを制御するものであって、前記作用対象に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける受付手段121と、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記パラメータを決定するパラメータ決定手段122と、前記パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段によって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する判定手段123と、前記作用対象に対応する被作用部および前記作用対象に作用を及ぼすための作用付与部を画面に表示させる表示制御手段124と、前記画面内の前記被作用部と前記作用付与部との位置関係に基づいて、前記作用対象に対する作用の内容を決定する作用内容決定手段125と、を備えている。そして、前記表示制御手段124は、前記判定手段123の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる構成である。これにより、ユーザの予想の結果を、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで、ゲームの画面に反映させることができる。本構成のゲームは、被作用部と作用付与部との位置関係に基づいて、作用対象に対する作用の内容が決定されるゲームであり、両者の位置関係が最も重要なゲーム要素である。このようなゲームにおいて、被作用部と作用付与部との位置関係を従来のように固定化されたものではなく、ユーザの予想結果に基づいて被作用部に対する作用付与部の位置を変動させることにより、ある程度ゲームが進行しない限り、あるいは所定のゲーム場面の結末にならない限り、被作用部と作用付与部との最終的な位置関係が判明しない構成とすることができる。これにより、ユーザは、自分の予想が当たったのか否かを直ちには判断できず、予想が当たることへの期待感と、外れるかもしれないという緊張感を持って、ゲーム進行を見守ることとなるため、従来ゲームの単調さを解消できる。本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感や緊張感を高めることができる興趣性の高いゲームを実現することができる。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、打者側カーソルBCをユーザが直接操作しない自動進行の野球ゲームにおいて、ユーザによる球種の予想を可能とし、従来よりも現実の野球に近い野球ゲームを実現することを可能とする。
また、本実施の形態の好ましい構成では、作用対象に関するパラメータとして、少なくとも、前記作用対象の位置に関する第1パラメータと、前記位置以外に関する第2パラメータと、を含む。ここで、「位置に関する第1パラメータ」とは、例えば、作用対象の位置等を示す情報であり、2次元平面上あるいは3次元空間内の座標を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置座標だけでなく、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標(例えば、1フレーム(1/60秒)毎に変化する各位置座標)も、位置に関する第1パラメータに相当する。さらにまた、軌道上の各位置座標をストライクゾーン上の平面に投影した場合の位置座標(例えばボールオブジェクトの着弾点)、即ち、3次元空間上の位置を2次元平面上に変換した位置に関する情報等も、位置に関する第1パラメータに相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの2次元平面上の位置座標、または3次元空間内の位置座標、あるいは3次元空間内の位置を2次元平面上に変換した位置に関する情報が、位置に関する第1パラメータに相当する。さらにまた、上記位置座標以外に、例えば、2次元平面上で予めマトリクス状に仕切られた各ブロックのどこに含まれるかを示す情報であってもよい。また、例えば、3次元空間内を予めx、y、zの各方向に仕切った各ブロックのどこに含まれるかを示す情報であってもよい。例えば、2次元平面上または3次元空間内のストライクゾーンを前記のように複数のブロックに分割し、複数のブロックの中の特定のブロックを示す情報をストライクゾーン内の位置情報とすることもできる。
また、前記「位置以外に関する第2パラメータ」とは、例えば、作用対象の状態、性質、特徴、能力、動作等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトの球種、球速等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が相当する。
ユーザは、作用対象の位置に関する第1パラメータと、位置以外に関する第2パラメータを予想することができる。例えば、野球ゲームでは、前記ユーザAが、第1パラメータとして投球コース(例えば、ボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置)を、第2パラメータとして球種(球速等でもよい)を、それぞれ予想する。なお、第2パラメータとして、球種および球速の2つのパラメータをユーザが予想する等、複数の第2パラメータを予想してもよい。第1パラメータおよび第2パラメータに対するユーザの予想は、前記受付手段によって受け付けられる。
そして、前記判定手段123は、前記第2パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段122によって決定された前記第2パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する。例えば、判定手段123は、打者側のユーザAが第2パラメータとして球種「フォーク」を予想した場合、前述のとおり、パラメータ決定手段122によって決定された、投手側が投球する球種が「フォーク」であれば予想的中、「フォーク」以外の球種であれば予想外れの判定を行う。
そして、前記表示制御手段124は、前記パラメータ決定手段122が決定した前記第1パラメータに基づいて設定した位置に前記被作用部(例えば前記投手側カーソルPC)を、前記第1パラメータに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記作用付与部(例えば前記打者側カーソルBC)を、それぞれ表示する。例えば、前述した図16または図19の画面のように、ユーザBが指定した投球コースに投手側カーソルPCを、ユーザAが予想した投球コースに打者側カーソルBCをそれぞれ表示する。これにより、ユーザによる位置に関する予想の結果が、画面に反映される(例えば、ユーザの投球コースの予想が的中すれば投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが重なり、予想が外れれば両者が離間する)。
その後、前記表示制御手段124は、前記判定手段123の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる。例えば、判定結果がユーザの予想的中の場合、作用付与部を被作用部に近づける。具体例としては、前述した図17および図18のように、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づける。ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部により近づけてもよい。また、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部に近づけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部から遠ざけてもよい。これにより、ユーザによる位置以外に関する予想の結果を、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで、画面に反映させることができる。
この構成は、最初、判定手段123の判定結果に基づく作用付与部の位置変動を、画面に反映させない状態で表示し、その後に、投手からリリースされたボールがストライクゾーンに近づく際に、判定手段123の判定結果に基づく作用付与部の位置変動を画面に表示する構成である。これにより、例えば、野球ゲームの場合、最初から投球コースおよび球種予想の両方の結果を反映させた画面を表示するのではなく、先ず、投球コースの予想の結果に関する画面を初期表示し、その後、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで球種予想等の結果を画面に反映させるので、ユーザの予想の当否にかかわらず、ユーザに期待感および緊張感を持たせることができる。
すなわち、ユーザが予想入力を行った後、初期表示される画面には、位置以外に関する第2パラメータの予想結果が反映されておらず(図16参照)、ユーザの予想結果が全て分かるのは、その後に表示される、作用付与部の位置変動の画面をユーザが見た後である(図17、図18参照)。これにより、例えば、図16に示すように、初期表示される画面では投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが離れて表示されており、一見すれば位置に関する第1パラメータの予想(投球コースの予想)が外れているようであっても、例えば球種の予想が当たっていた結果として、その後に表示される打者側カーソルBCの位置変動の画面(図17、図18)により、打者側カーソルBCが作用付与部G11に近づいて、思いのほか良いゲームプレイの結果が得られることもある。
また、球種予想が外れた場合に打者側カーソルBCを投手側カーソルPCから遠ざける構成を採用した場合や、後述するように、投手側カーソルPCの位置が変化球の軌道変化により変動する場合などでは、例えば、初期表示される画面では投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが重なっており、一見すれば投球コースの予想が的中したようであっても、その後に表示される打者側カーソルBCの位置変動の画面により、打者側カーソルBCと投手側カーソルPCとが離れてしまい、ユーザにとって期待外れのゲームプレイの結果となってしまうこともあり得る。
何れにしても、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかが判断し難くなるので、ユーザは最後まで期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。このように、本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感および緊張感を高めて興趣性の高いゲームを実現することができる。
また、本実施の形態のゲーム装置10は、移動体を作用対象としたゲームに好適である。ここで、「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。例えば、スポーツゲームにおけるボールオブジェクト、目的物を攻撃または捕獲するゲームにおける、空中、地上、地中、または海中を移動するモンスター、戦闘機、ミサイル、昆虫、鳥、魚、動物、仮想の生物等のキャラクタまたはアイテムを移動体として挙げることができる。本実施の形態の野球ゲームでは、図26に例示するように、投手キャラクタC20が投げるボールオブジェクトBLが移動体に相当する。
そして、作用対象の位置に関する第1パラメータは、前記移動体の移動コースのパラメータとすることができる。ここで、「移動コース」とは、例えば、移動体が移動する(進んで行く)進路、経路または場所である。「移動コース」の一例とは、野球ゲームの場合は投手が投げるボールの投球コース、サッカーゲームの場合はキッカーのシュートコース、テニスゲームではサーバのサーブコース等を挙げることができる。また、戦闘機やミサイルの飛行ルート、昆虫や鳥の進行経路等も移動コースに含めることができる。また、「移動コースのパラメータ」とは、例えば、移動体が到達または通過する位置を示すパラメータである。例えば、「移動コースのパラメータ」は、移動体が到達または通過する位置を、2次元平面上あるいは3次元空間内の座標によって示すことができる。例えば、野球ゲームでは、移動体の一例としてのボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置座標を、ボールオブジェクトの移動コース(すなわち投球コース)のパラメータとすることができる。あるいは、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標(例えば、1フレーム(1/60秒)毎に変化する各位置座標)を前記投球コースのパラメータとすることができる。さらにまた、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標をストライクゾーン上の平面に投影した場合の位置座標(例えばボールキャラクタのストライクゾーン上の着弾点)、即ち、3次元空間上の位置を、ストライクゾーンを含む2次元平面上に変換した位置に関する情報も、前記投球コースのパラメータとすることができる。さらにまた、「移動コースのパラメータ」は、上記位置座標以外に、例えば、2次元平面上で予めマトリクス状に仕切られた各ブロックのどのブロックに移動体が到達(または通過)するかを示す情報とすることができる。また、「移動コースのパラメータ」は、例えば、3次元空間内を予めx、y、zの各方向に仕切った各ブロックのどのブロックに移動体が到達(または通過)するかを示す情報とすることができる。なお、例えば、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標を投球コースのパラメータとする場合において、ユーザが投球コースを予想する場合、前記軌道上の各位置座標を全て予想する必要はなく、その中の少なくとも1つの位置座標(例えば、ストライクゾーン上の位置座標)を予想すればよい。
また、位置以外に関する第2パラメータは、前記移動体の軌道変化のパラメータとすることができる。ここで、「軌道変化のパラメータ」とは、例えば、移動体の軌道がどのように変化するのかを示すパラメータである。例えば、野球ゲームでは、ストレート、カーブ、フォークボール等の球種が、軌道変化のパラメータの一例に相当する。あるいは、移動体の軌道が変化する方向を示す情報、例えば、上、下、左、右、左斜め下(上)、右斜め下(上)等の情報も、軌道変化のパラメータの一例に相当する。前記方向を示す情報は、各方向に対応付けられた数値、記号、テキスト情報とすることができる。あるいは、前記方向を示す情報は、各方向を矢印等で示す画像情報であってもよい。
この構成によれば、本実施の形態のゲーム装置10を、野球ゲームをはじめとして、移動体を作用対象とした様々なゲームに適用することができる。
次に、本実施の形態のゲーム装置10を、移動体を作用対象としたゲームに適用する場合の好ましい構成例を説明する。すなわち、前記表示制御手段124は、前記画面に表示する前記被作用部の位置を、前記パラメータ決定手段122が決定した軌道変化のパラメータに応じて変動させる。
この構成では、パラメータ決定手段122が決定した移動体の軌道変化のパラメータ(例えば、野球ゲームでは、対戦相手の他のユーザが指定した球種)に応じて、画面に表示される被作用部の位置が変動する。例えば、野球ゲームで球種がフォークボール等の変化球であった場合、その変化球の軌道変化に応じて、被作用部の一例としての投手側カーソルPCの位置が画面上で変化する。これにより、画面上で対戦相手の他のユーザBが指定した、またはCPU11が自動的に設定した球種(軌道変化のパラメータの一例)が、投手側カーソルPCの位置の変化として画面上で確認できる。その一例を図20ないし図22を参照しながら以下に説明する。図20ないし図22は、ユーザの投球コースの予想は外れているが、球種の予想が的中している場合の画面の遷移例を示すものである。
また、図20ないし図22は、図16ないし図18の変形例である。16Aないし図18では、最初から投手側カーソルPCは、投球されたボールオブジェクトがストライクゾーンSZに最終的に到達する位置に表示されており、ボールオブジェクトの軌道変化による投手側カーソルPCの変動はない。これに対して、図20ないし図22は、ボールオブジェクトの軌道変化に応じて投手側カーソルPCの位置が変動する。図20は、結果表示画面が表示された直後の表示例を示す説明図である。図21は、図20からの画面の遷移例を示す説明図である。図22は、図21からの画面の遷移例を示す説明図である。
ここでは、図10に示すように、投手側のユーザBが投球コースとして外角低めを指定すると共に、球種としてフォークボール(単にフォークと記載する)を指定した場合について説明する。
図23に示すように、ストライクゾーンSZのある平面をxy平面、投手キャラクタの位置(投球マウンド)とストライクゾーンSZとを結ぶ方向をz軸方向とする三次元空間において、投手キャラクタC20がフォークを投げた場合、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達するまでの間に、ボールオブジェクトBLの軌道が垂直方向(y軸方向)に変化する。従って、図24に例示するように、z軸方向に移動するボールオブジェクトBLの位置を、ストライクゾーンSZのあるxy平面に投影してなる着弾点BL2は、ボールオブジェクトBLの軌道変化に伴って、下方に移動する。このように、フォークの場合、ボールオブジェクトBLのストライクゾーンSZ上の着弾点BL2は、下方に移動するので、図20ないし図22の画面では、この着弾点BL2の位置変化を投手側カーソルPCの位置変化として反映させる。
すなわち、図20に示すように、表示制御手段124は、結果表示画面に、ボールオブジェクトBLの軌道変化が生じる前の(たとえば投球直後の)位置を初期表示する。ユーザBが指定した投球コース(パラメータ決定手段122が決定した投球コース)が外角低めであり、球種がフォークなので、外角のやや高めの位置に投手側カーソルPCが表示される。
また、表示制御手段124は、同じ結果表示画面に、ユーザAが予想した投球コースに基づいて設定した位置に、打者側カーソルBCを初期表示させる。例えば、図8に示すように、ユーザAが内角高めを指定した場合、図20の結果表示画面では、打者側カーソルBCがストライクゾーンSZの内角高めに表示される。
図20ないし図22の結果表示画面は、図25ないし図27に例示するように、3次元空間内で、ユーザAの自己キャラクタである打者キャラクタC10と、対戦相手の投手キャラクタC20とが対戦するゲーム画面内に組み込まれて表示されるようにしてもよい。結果表示画面の遷移例を示す他の図も同様である。この場合、投手キャラクタC20が投球を開始するまで、図25(図20)の初期表示状態が続き、投手キャラクタC20が投球を開始した後は、図26(図21)および図27(図22)に例示するように、投手側カーソルPCは下方へ移動する。また、ユーザAの球種の予想が的中している場合、表示制御手段124は、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCの方へ近づける表示制御を行う。従って、この場合、図25(図20)で初期表示された投手側カーソルPCおよび打者側カーソルBCの両方が、移動することになる。すなわち、図26(図21)および図27(図22)に例示するように、投手側カーソルPCは下方に移動し、それを追って、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づく。そして、図27(図22)に示すように、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達した時点で、最終の表示状態になる。
このように、ユーザAの球種の予想が的中している場合、表示制御手段124が、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCの方へ近づける表示制御を行うのは、次の理由による。すなわち、ユーザAが予想した球種が的中した場合、打者の目がボールオブジェクトBLの動きを的確に捉えることができるものとし、これをゲーム上で疑似的に表現するために、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCの方へ近づけている。従って、例え投球コースの予想が外れた場合であっても、球種の予想が合っていれば、ボールオブジェクトBLを打撃できる可能性が高くなる。
上記のように、画面に表示する被作用部(投手側カーソルPC等)の位置を、パラメータ決定手段122が決定した軌道変化のパラメータに応じて変動させる構成の場合、先ず、第1パラメータ(投球コース等)の予想の結果が画面に初期表示されるが、ここで表示される被作用部の位置は最終的な位置ではなく、軌道変化により変動し得る位置である。従って、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが離間して表示されており、一見すれば位置に関する第1パラメータのユーザの予想が外れているようであっても、その後、軌道変化に応じて被作用部の位置が変動して(例えば、フォークの場合には被作用部の位置が下方向に移動して)、実は第1パラメータのユーザの予想が当たっていたということもある。その反対に、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが重なっており、一見すれば位置に関する第1パラメータのユーザの予想が的中したようであっても、その後、軌道変化に応じて被作用部の位置が変動して、実は第1パラメータのユーザの予想が外れていたということもある。
このように、画面に表示する被作用部の位置を、パラメータ決定手段122が決定した軌道変化のパラメータに応じて変動させる構成を採用することにより、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの第1パラメータの予想が当たっているのか、外れているのかの判断がより難くなるので、ユーザは最後まで期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。
そして、前述のように、第2パラメータ(球種等)に対するユーザの予想結果を判定する判定手段123の判定結果に基づいて作用付与部の位置が変動するというゲーム要素に、本構成の軌道変化に応じて被作用部の位置が変動するというゲーム要素が加わるので、当該両ゲーム要素の複合により、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかの判断がよりし難くなる。よって、ユーザは最後までより大きな期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感および緊張感がより一層高まり、ゲーム性のさらなる向上が図られる。
なお、球種がフォークの場合は、前述のように投手側カーソルPCが下方に移動するが、その他の変化球の場合は、その軌道変化に応じた方向に投手側カーソルPCが移動する。例えば、カーブの場合、ストライクゾーンSZ上の着弾点は右斜め下方向に移動するので、投手側カーソルPCもその方向に移動する。この点で、投手側カーソルPCは着弾点であると言える。なお、投球される球種がストレートの場合、変化球のようなストライクゾーンSZ上の着弾点の変化はない(あっても僅かである)ので、投手側カーソルPCは移動しないようにすることができる。
そして、本実施の形態の表示制御手段124は、前記判定手段123の前記判定結果が予想的中の場合に、前記被作用部および前記作用付与部を前記画面に表示させた後に、前記作用付与部を前記被作用部に近づけるという好ましい構成を採用している。ここで、「予想的中」には、例えば、ユーザの予想が完全に一致した場合の他、予想の一致度が所定の値またはレベル以上の場合を含む。
この構成は、被作用部と作用付与部とが重なっている場合に作用対象に作用を付与できる構成や、被作用部と作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成に好適である。この構成では、判定手段123の前記判定結果が予想的中の場合に、被作用部および作用付与部が画面に表示された後、作用付与部が被作用部に近づいていくので、例えば、初期表示の状態では被作用部と作用付与部とが離間していても、最終的に両者が重なって作用対象に作用が付与されるような演出表示が可能となる。あるいは、初期表示の状態において、被作用部と作用付与部との一部が重なっている状態において、最終的に両者の中心部同士が重なって作用対象に付与される作用が最大となるような演出表示も可能である。
ここで、作用付与部を被作用部に近づける最大の距離L1は、予め定められているものとすることができる。例えば、野球ゲームでは、ストライクゾーンSZの水平方向または垂直方向の幅の1/3(1/2や1/4等であってもよい)を、前記距離L1とする。そして、例えば、被作用部と作用付与部との中心部同士の距離L2が、L1<L2の場合、作用付与部を距離L1だけ被作用部に近づけるものとする。また、L1≧L2の場合、作用付与部を距離L2だけ被作用部に近づける(これにより、両者の中心部同士が重なる)。あるいは、予想の一致度が大きいほど、作用付与部を被作用部に近づける距離を連続的または段階的に大きくしてもよい。
本構成により、ユーザの予想が的中した場合のメリットを、画面上で明確化することができる。
ここで、予想の一致度について補足する。ユーザAが球速を予想した場合の一致度を例示する。例えば、ユーザAが予想した球速と投手キャラクタが投球する球速との差D(Km/h)が、D≧12の場合の一致度を「1」、9≦D>12の場合の一致度を「2」、6≦D>9の場合の一致度を「3」、3≦D>6の場合の一致度を「4」、D>3の場合の一致度を「5」とする。この場合、例えば、一致度が5の場合に(または4以上の場合等であってもよい)、予想的中とすることができる。これは一例であり、他の基準により一致度を判定してもよい。
また、前記表示制御手段124は、前記作用付与部を前記被作用部に近づける距離が大きいほど、前記作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小するようにしてもよい。
例えば、作用付与部を前記被作用部に近づける距離と縮小率との関係を数式(関数)で表した関係情報が予め記憶装置(RAM13等)に記憶されており、表示制御手段124は、前記関係情報に基づいて、前記近づける距離に応じた縮小率で作用付与部の大きさ(例えば、打者側カーソルBCの中心円部BC1の大きさ)を設定することができる。
あるいは、作用付与部を前記被作用部に近づける距離と縮小率との関係をテーブル化した関係情報が予め記憶装置(RAM13等)に記憶されており、表示制御手段124は、前記関係情報に基づいて、前記近づける距離に応じた縮小率で作用付与部の大きさを設定することができる。
表示制御手段124が、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する一例を図28ないし図30に示す。この図28ないし図30は、ユーザの投球コースの予想は外れているが、球種の予想が的中している場合の画面の遷移例を示すものである。
また、図28ないし図30は、図20ないし図22の変形例である。図20ないし図22では、ユーザの球種の予想が的中していることにより、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づいても、打者側カーソルBCのサイズに変化はない(どの部分も縮小しない)。これに対して、図28ないし図30では、図28→図29→図30と、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づくにつれて、中心円部BC1のサイズが小さくなる。球種の予想が当たっている場合、投球コースの予想が外れていても、図29および図30に示すように、打者側カーソルBCは投手側カーソルPCに近づいていく。その代わり、打者側カーソルBCの中心円部BC1を縮小し、長打になり難くしている。このように、打者側カーソルBCの中心円部BC1を縮小するのは、打者側カーソルBCが、ユーザの予想した投球コースからずれて、投手側カーソルPCに近づいて行くことになるので、球種予想が当たった時にメリットが大きくなり過ぎないように、バランスをとるためである。
なお、図28ないし図30では、打者側カーソルBCの中心円部BC1を縮小する例を示しているが、打者側カーソルBC全体を縮小したり、打者側カーソルBCの環部BC2を縮小したりしてもよい。
次に、ユーザの投球コースの予想が略当たり、球種の予想も的中している場合の結果表示画面の遷移例を、図31ないし図33に示す。ここで、投手キャラクタが投げる球種をフォークとする。図31の初期表示の画面では、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが離間しており、この時点では打撃に失敗しているように見える。その後、図32および図33に示すように、フォークの軌道変化に応じて投手側カーソルPCが下方に移動する。球種の予想が当たっているので、打者側カーソルBCも移動するが、投球コースの予想も略当たっているので、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づく距離(打者側カーソルBCの移動距離)は僅かである。従って、打者側カーソルBCの中心円部BC1が縮小する量も僅かで済む。そして、最終的に、図33に示すように、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの中心部同士が重なり、長打が期待できる。
上記のように、ユーザの投球コースの予想が略当たっている場合には、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づける距離が小さいため、打者側カーソルBCの中心円部BC1が縮小する影響はごく僅かである。なお、打者側カーソルBCの移動距離が所定値よりも小さい場合(位置に関する予想が略当たっている場合)、図20ないし図22の場合と同様に、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づいても打者側カーソルBCが縮小しないようにしてもよい。
以上のように、ユーザの予想(例えば、球種の予想)が的中して作用付与部を被作用部に近づける場合、近づける距離が大きいほど、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小することにより、特に、前記近づける距離が大きい場合に、球種予想等が当たった場合のメリットが大きくなり過ぎないように、バランスをとることができる。
また、前記表示制御手段124は、前記判定手段123の前記判定結果が予想外れの場合に、前記判定結果が予想的中の場合よりも前記作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小するようにしてもよい。ここで、「予想外れ」には、例えば、ユーザの予想が完全に外れた場合の他、予想の一致度が所定の値またはレベルよりも低い場合を含む。この構成で、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する場合、任意の縮小率または縮小率量を適用することができる。あるいは、表示制御手段124は、常に同じ大きさになるまで作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小するようにしてもよい。この縮小に関する情報は記憶装置(RAM13等)に予め記憶されており、表示制御手段124は、当該縮小に関する情報に基づいて、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する処理を実行する。
ユーザの投球コースの予想および球種の予想が両方とも外れている場合の結果表示画面の遷移例を、図34ないし図36に示す。ここで、投手キャラクタが投げる球種をフォークとする。図34ないし図36は、図20ないし図22の変形例である。図20ないし図22では、ユーザの球種の予想が的中していることにより、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づく。これに対し、図34ないし図36では、ユーザの球種の予想が外れているので、打者側カーソルBCは移動しない。また、図20ないし図22では、ユーザの球種の予想が的中しているので打者側カーソルBCのサイズに変化はない(どの部分も縮小しない)。これに対して、図34ないし図36では、ユーザの球種の予想が外れているので、打者側カーソルBCの中心円部BC1のサイズが小さくなっていく。
図34で初期表示された投手側カーソルPCおよび打者側カーソルBCは一部が重なっており、この時点では打撃できそうに見える。その後、図35および図36に例示するように、表示制御手段124は、フォークの軌道変化に応じて投手側カーソルPCを下方に移動させる。一方、ユーザの球種の予想が外れているため、表示制御手段124は、打者側カーソルBCを移動させることはない。これにより、投手側カーソルPCが打者側カーソルBCから逃げていくようになる。さらに、表示制御手段124は、打者側カーソルBCの中心円部BC1のサイズを徐々に小さくする。従って、図36の最終の表示状態の例では、打者側カーソルBCの中心円部BC1が殆どなくなってしまい、また、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが離間しているので、打撃の結果は三振等になる。
次に、ユーザの投球コースの予想が略当たっているが、球種の予想が外れている場合の結果表示画面の遷移例を、図37ないし図39に示す。ここで、投手キャラクタが投げる球種をフォークとする。図37ないし図39は、図31ないし図33の変形例である。図31ないし図33では、ユーザの球種の予想が的中していることにより、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCに近づく。これに対し、図37ないし図39では、ユーザの球種の予想が外れているので、打者側カーソルBCは移動しない。また、図31ないし図33では、打者側カーソルBCのサイズは殆ど変化しない(または全く変化しない)。これに対して、図34ないし図36では、ユーザの球種の予想が外れているので、打者側カーソルBCの中心円部BC1のサイズが小さくなっていく。
図37の初期表示の画面では、打者側カーソルBCが投手側カーソルPCの下方に位置し、両者が離間しており、この時点では打撃に失敗しているように見える。その後、図38および図39に例示するように、表示制御手段124は、フォークの軌道変化に応じて投手側カーソルPCを下方に移動させる。一方、ユーザの球種の予想が外れているため、表示制御手段124は、打者側カーソルBCを移動させることはない。これにより、投手側カーソルPCが打者側カーソルBCに近づいていくようになる。さらに、表示制御手段124は、打者側カーソルBCの中心円部BC1のサイズを徐々に小さくする。その結果、図39の最終の表示状態の例では、打者側カーソルBCと投手側カーソルPCとの重なる範囲は比較的大きいが、打者側カーソルBCの中心円部BC1が小さくなってしまったために、両者の中心円部BC1・PC1同士が重ならない状態(打撃レベル「3」)にとどまっている。
なお、図34ないし図36、および図37ないし図39では、打者側カーソルBCの中心円部BC1を縮小する例を示しているが、打者側カーソルBC全体を縮小したり、打者側カーソルBCの環部BC2を縮小したりしてもよい。
以上のように、表示制御手段124が、判定手段123の判定結果が予想外れの場合に、判定結果が予想的中の場合よりも作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する構成を採用することにより、予想外れの場合のデメリットを明確化することができる。これにより、遊戯に一層の緊張感が生まれ、ゲーム性の向上が図られる。
また、作用付与部は、第1領域と、前記第1領域よりも前記作用対象に及ぼす作用が小さい第2領域と、を含む構成とすることができる。すなわち、打者側カーソルBC等の作用付与部は、少なくとも第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成されるようにすることができる。
例えば、作用付与部は、その中心部を含む第1領域と、前記第1領域の外側に設けられ、前記第1領域よりも前記作用対象に及ぼす作用が小さい第2領域と、を含む構成とする。その一例を挙げると、作用付与部を内側の円と外側の円とを有する二重円の構造とした場合、内側の円の内部が第1領域、外側の円の内部であって第1領域の外側のリング状の領域(内側の円と外側の円とに挟まれたリング状の領域)を第2領域とすることができる。図12等に例示する打者側カーソルBC(作用付与部の一例)の中心円部BC1が第1領域の一例に相当し、環部BC2が第2領域の一例に相当する。
また、第1領域は、第2領域よりも作用対象に及ぼす作用が大きい領域である。例えば、野球ゲームの場合、打者側カーソルBCの中心円部BC1は真芯でボールキャラクタをとらえることができる強打領域であり、環部BC2は真芯から外れているがボールキャラクタをとらえることができる通常領域できる。また、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、第1領域は破壊力(攻撃力)の強い領域であり、第2領域は第1領域よりも破壊力の弱い領域とすることができる。
例えば、打者側カーソルBCのような二重円の構造の作用付与部において、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する場合、外側の円の大きさは変化しないが、内側の円の大きさが変化するようにする(すなわち、第1領域の大きさが縮小するようにする)ことができる。これにより、例えば、前記野球ゲームの場合、二重円の内側の中心円部BC1が縮小されたことにより、投手側カーソルPCが打者側カーソルBCの中心円部BC1に重なり難くなるので、バットには当たるが、ヒットになり難くなる(真芯でとらえ難くなる)といった細かい演出が可能となる。また、例えば、前記モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームの場合、攻撃はできるが、破壊力の大きい攻撃がし難くなるといった細かい演出が可能となる。
なお、作用付与部を例えば、3重円の構造とし、最も内側の円の内部が第1領域、その外側の円の内部であって第1領域の外側のリング状の領域を第2領域、最も外側の円の内部であって第1領域および第2領域の外側のリング状の領域を第3領域とし、作用付与部が第1領域、第2領域以外の領域を含む構成としてもよい。この場合、例えば、第3領域は、第2領域よりも作用対象に及ぼす作用が小さい領域とすることができる。あるいは、第3領域は、第1領域よりも作用対象に及ぼす作用が小さく、第2領域よりも前記作用が大きい領域としてもよい。あるいは、作用付与部を4重以上の多重構造とすることも可能である。
なお、作用付与部は円形状には限定されるものではなく、円以外の形状において、少なくとも第1領域と第2領域とを含むような構成(例えば、n角形の多重構造、バットキャラクタやモンスターの形状で多重構造等)にすることもできる。
なお、作用付与部は、第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成されていればよおく、例えば、上下(左右等でもよい)に分割し、その一方を第1領域、他方を第2領域とする等でもよい。
以上のように、作用付与部を、少なくとも第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成されようにしたことで、作用対象に付与する作用に変化を持たせることができ、細かい演出が可能となるという効果を奏する。
また、作用付与部と同様に、被作用部についても、少なくとも第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成されるようにすることができる。図12等に例示する投手側カーソルPC(被作用部の一例)の中心円部PC1が第1領域の一例に相当し、環部PC2が第2領域の一例に相当する。これにより、図12ないし図15に例示するように、被作用部の第1領域と作用付与部の第1領域とが重なった場合、被作用部の第1領域と作用付与部の第2領域とが重なった場合、被作用部の第2領域と作用付与部の第1領域とが重なった場合、被作用部の第2領域と作用付与部の第2領域とが重なった場合などによって、作用対象に付与する作用にさらなる変化を持たせることができ、より細かい演出が可能となる。
また、作用対象に対してキャラクタが作用を与えるゲームの場合、前記表示制御手段124は、前記キャラクタのパラメータに基づいて、前記作用付与部の大きさを変動させる構成を採用することができる。前述したように、野球ゲームでは、打者キャラクタの各種パラメータ(能力、投球コースに対する得意/不得意、相手投手キャラクタとの相性、等)に基づいて、打者側カーソルBCの大きさを設定する構成がこれに相当する。この構成によれば、作用付与部の大きさは固定的ではなく、キャラクタ(予想を行うユーザの自己キャラクタ)のパラメータ(能力、作用対象の位置に関する得意/不得意、相手キャラクタとの相性、等)に応じて変化するので、ゲームに変化が生まれ、より興趣性を高めることができる。
また、前記表示制御手段124は、作用対象のパラメータまたは作用対象を使用する第2のキャラクタ(相手キャラクタ)のパラメータに基づいて、被作用部の大きさを変動させる構成を採用することができる。例えば、モンスターキャラクタを攻撃するゲームでは、モンスターキャラクタ自体が作用対象であるが、野球ゲームの場合、投手キャラクタは作用対象であるボールキャラクタを投球するキャラクタ(作用対象を使用する第2のキャラクタ)である。前述したように、野球ゲームでは、打者キャラクタの対戦相手の投手キャラクタの各種パラメータ(能力、投球コースに対する得意/不得意、打者キャラクタとの相性、等)に基づいて、投手側カーソルPCの大きさを設定する構成がこれに相当する。また、モンスターキャラクタ自体が作用対象の場合、当該作用対象であるモンスターキャラクタのパラメータ(能力等)に基づいて、被作用部の大きさを変動させてもよい。この構成によれば、被作用部の大きさは固定的ではなく、作用対象または作用対象を使用する第2のキャラクタのパラメータ(能力、位置に関する得意/不得意、予想を行うユーザの自己キャラクタとの相性、等)に応じて変化するので、ゲームに変化が生まれ、より興趣性を高めることができる。
(ゲーム装置の動作例)
次に、本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を、図40および図41のフローチャートを参照しながら以下に説明する。ここでは、ゲーム装置10を業務用ゲーム機として説明する。また、ゲーム装置10−1を操作するユーザAが、ゲーム装置10−2を操作するユーザBと通信対戦により野球ゲームを行うものとする。
本実施形態の野球ゲームでは、ユーザAは、監督の立場で、複数の(例えば9人の)選手キャラクタからなる自分のチームのオーダーを組むことができる。ユーザAがキャラクタカード(ゲームプレイ後に排出される物理的なカード)を持っている場合、当該キャラクタカードをゲーム装置10−1に読み取らせることにより、当該キャラクタカードに対応付けられた選手キャラクタを自分のチームのオーダーに登録することができる。なお、ユーザAがキャラクタカードを持っていない場合であっても、予めゲーム内に登録されている選手キャラクタの中から選択した選手キャラクタを自分のチームのオーダーに含めることができる。また、同様に、ユーザAの対戦相手である他のユーザB(CPU対戦の場合はCPU11)も、複数の選手キャラクタからなるチームを結成する。
そして、試合が開始されると、打者1人に対して1 球の対決でゲームが自動的に進行するものとする。例えば、ゲーム装置10のCPU11は、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づき、打者キャラクタ、投手キャラクタおよび守備を行うキャラクタの動作を自動制御する。この場合、各キャラクタの能力パラメータに基づいて、キャラクタの動作が制御される。この自動進行中の試合の状況は、表示部20に表示される。そして、試合中に所定の状況(例えば、得点圏にランナーが出る等)になった場合、ユーザA(または対戦相手のユーザB)は、自らが投球コースおよび球種を予想して、打撃の結果に関わることができる。ここでは、投球コースおよび球種を予想できる状況において、ユーザAが打者側、ユーザBが投手側の対戦を行う場合の動作例を、以下に示す。図40および図41のフローチャートは、ゲーム装置10−1の動作例を示している。
図40に示すように、ゲーム装置10−1は、表示部20に予想入力画面を表示する(S100)。これにより、例えば、図7の画面G10が表示される。図8に例示するように、ユーザAは、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fでタッチして、自分が予想する投球コースを入力することができる。また、ユーザAは、例えば、球種ボタンP1〜P6の何れかを選択する操作をすることにより、自分が予想した球種を入力することができる。受付手段121は、このようなユーザAの入力操作が行われた場合、投球コースおよび球種に対するユーザの予想を受け付ける(S102)。例えば、受付手段121は、ユーザAの指Fが接触したストライクゾーンSZ内の位置座標を取得し、当該位置座標を、ユーザAが予想した投球コースの情報として受け付ける。また、受付手段121は、ユーザAが選択した球種ボタンP1〜P6に対応する球種を、ユーザAが予想した球種の情報として受け付ける。そして、受付手段121は、ユーザAが予想した投球コースおよび球種の情報を記憶装置(RAM13等)に記憶する。
通信対戦の場合、ゲーム装置10−2の表示部20には、図9に例示するように、投手側のユーザBが投球コースおよび球種を指定するための画面G20が表示され、ユーザBにより、投手キャラクタが投球する投球コースおよび球種を指定(設定)する操作が行われる。ゲーム装置10−1は、ゲーム装置10−2から送信される対戦相手の操作情報を取得する(S104)。そして、パラメータ決定手段122は、取得した対戦相手の操作情報に基づいて、投手キャラクタが投球する投球コースおよび球種を決定する(S106)。なお、CPU対戦の場合、パラメータ決定手段122は、ユーザBの操作に基づく情報によらず、自動的に、投手キャラクタが投球する投球コースおよび球種を決定する。そして、パラメータ決定手段122は、決定した投球コースおよび球種の情報を記憶装置(RAM13等)に記憶する。
その後、表示制御手段124は、ステップS106で決定された投球コースに基づいて、投手側カーソルPCを、図25に例示する結果確認画面に初期表示させる(S108)。例えば、ステップS106で決定された球種が変化球の場合、ボールオブジェクトBLの軌道変化が生じる前の、ストライクゾーンSZ上の着弾点の位置に、投手側カーソルPCを初期表示する。例えば、球種がフォークの場合、投球されたボールオブジェクトBLはその軌道が垂直方向に落下するので、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達したときの位置よりも上方の位置に、投手側カーソルPCが初期表示される。球種がストレートの場合は、変化球のような軌道変化が生じないので、例えば、ユーザBが指定したストライクゾーンSZ上の位置に、投手側カーソルPCが表示される。
また、表示制御手段124は、ステップS102で受け付けられた投球コースに対するユーザの予想に基づいて、打者側カーソルBCを、同じ結果確認画面(図25の画面)に初期表示させる(S110)。例えば、図25の初期表示の画面は、投手キャラクタC20がボールオブジェクトBLを投球するまで継続される。
その後、ゲーム装置10−1は、図41に例示するステップS112以降の処理を行う。ここで、便宜上、ステップS112またはS114の後で、ステップS116以降が実行されるように記載しているが、ステップS112、S114の処理と、ステップS116〜S122の処理は、同時並行の処理とすることができる。
表示制御手段124は、投手キャラクタC20が投げる球種(ステップS106で決定された球種)が変化球であれば(S112でYES)、投手側カーソルPCの位置を、その変化球の軌道変化に応じて変動させる(S114)。例えば、表示制御手段124は、投手キャラクタC20からボールオブジェクトBLがリリースされた後に、投手側カーソルPCを移動させる。これにより、例えば、球種がフォークであれば、投手側カーソルPCは下方に移動する。例えば、投手側カーソルPCの移動は、投球されたボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達するまで継続される。そして、図27に例示するように、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達したタイミングで、ボールオブジェクトBLと投手側カーソルPCの中心部とが重なり、この位置で投手側カーソルPCは停止することになる。
一方、表示制御手段124は、投手キャラクタC20が投げる球種(ステップS106で決定された球種)がストレートであれば(S112でNO)、前記変化球のような投手側カーソルPCの移動は行わず、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達するまで、投手側カーソルPCの位置を現状維持させる。
また、判定手段123は、ステップS102で受け付けられた、ユーザAの球種に対する予想が的中しているか否かを判定する(S116)。ここで、球種に対する予想が的中している場合(S116でYES)、表示制御手段124は、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づける表示制御を行う(S118)。これにより、図25ないし図27に例示するように、打者側カーソルBCは、投手側カーソルPCに近づくように移動する。打者側カーソルBCが移動できる最大距離は、例えばストライクゾーンSZの水平方向の幅の1/3である。前記最大距離だけ移動しても打者側カーソルBCと投手側カーソルPCとの中心部同士が重ならない場合は、最大距離だけ移動した位置で打者側カーソルBCが停止する。また、前記最大距離以内の移動で、打者側カーソルBCと投手側カーソルPCとの中心部同士が重なる場合、当該中心部同士が重なる位置で打者側カーソルBCが停止する。
また、表示制御手段124は、図28ないし図30に例示するように、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づける距離が大きいほど、打者側カーソルBCの中心円部BC1の大きさを縮小する(S120)。なお、このステップS120を省略し、図20ないし図22に例示するように、打者側カーソルBCを投手側カーソルPCに近づけても、打者側カーソルBCの中心円部BC1の大きさが変化しないようにしてもよい。
一方、球種に対する予想が外れている場合(S116でNO)、表示制御手段124は、図34ないし図36に例示するように、打者側カーソルBCを移動させることなく、球種に対する予想が的中した場合よりも、打者側カーソルBCの中心円部BC1の大きさを縮小する(S122)。
例えば、図27に例示するように、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達したタイミングで、ユーザAが予想した結果の最終表示状態となる。この最終表示状態の画面において、作用内容決定手段125は、画面内の投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの位置関係(例えば、重なりの状態)に基づいて、打撃内容を決定する(S124)。例えば、図12に例示するように、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとが離間している場合、打撃レベルを「0」として空振りに決定する。また、図13ないし図15に例示するように、投手側カーソルPCと打者側カーソルBCとの少なくとも一部が重なっている場合、前述のとおり、その重なりの状態に応じて打撃レベルを「1」〜「3」に決定する。そして、作用内容決定手段125は、例えば、打撃レベルが大きいほど、より強い打球、飛距離の大きい打球等になるように、打球の速度、角度、方向等を決める。
その後、ゲーム装置10−1のCPU11は、ステップS124で決定された打撃内容に基づいて、打撃の結果を表示し、ゲームを進行させる(S126)。
なお、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2は、サーバ30を介して、または直接、相互に情報の送受を行っている。よって、ユーザAの対戦相手のユーザBのゲーム装置10−2の画面にも、ゲーム装置10−1と同様の結果表示画面(例えば図25ないし図27に相当する画面)および打撃の結果を表示する画面が表示される。なお、投手側のユーザBのゲーム装置10−2において表示される画像は、投手目線の画像とするため、ゲーム装置10−1において表示される打者目線の画像とは180度視点を変更した画像となる。例えば、基本的に、ゲーム装置10−1においてゲームの実行処理を行い、その処理結果の情報をゲーム装置10−2に送信し、ゲーム装置10−2にはゲーム装置10−1と同様のゲーム結果が表示されるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態のゲーム装置10は、投球されたボールオブジェクトを打撃するゲームを制御するものであって、投球コースおよび球種に対する、ユーザの予想を受け付ける受付手段121と、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記投球コースおよび前記球種を決定するパラメータ決定手段122と、前記球種に対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段122によって決定された前記球種とに基づいて、ユーザの予想結果を判定する判定手段123と、前記ボールオブジェクトがストライクゾーンへ到達する領域を示す投手側カーソルPC(被作用部の一例)および前記ボールオブジェクトを打撃するための打者側カーソルBC(作用付与部の一例)を画面に表示させる表示制御手段124と、前記画面内の前記投手側カーソルPCと前記打者側カーソルBCとの重なりの状態に基づいて、前記ボールオブジェクトに対する打撃の内容を決定する作用内容決定手段125と、を備える構成とすることができる。そして、前記表示制御手段124は、前記パラメータ決定手段122が決定した前記投球コースに基づいて設定した位置に前記投手側カーソルPCを、前記投球コースに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記打者側カーソルBCを、それぞれ表示した後、前記判定手段123の判定結果に基づいて、前記投手側カーソルPCに対する前記打者側カーソルBCの位置を変動させる機能を有する。
この構成では、最初から投球コースおよび球種予想の両方の結果を反映させた画面を表示するのではなく、先ず、投球コースの予想の結果に関する画面に表示し、その後、投手側カーソルPCに対する打者側カーソルBCの位置の変動というかたちで球種予想の結果を画面に反映させるので、投球コースおよび球種に対するユーザの予想の当否にかかわらず、ユーザに期待感および緊張感を持たせることができる。これにより、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかが判断し難くなるので、ユーザは最後まで期待感および緊張感をもって画面を注視し、野球ゲームを楽しむことができる。
ところで、従来の野球ゲームには、投球されたボールオブジェクトに、バットが当たる領域を示すミートカーソルが重ねて打撃を行うアクションゲームがある。このアクションゲームの場合、ユーザ自身がミートカーソルの位置をアナログスティク等により調整して打撃の操作を行う。このようなアクションゲームの場合、ユーザは投球コースを予想して、投球前に予めミートカーソルを投球されると予想した位置に待機させたり、球種を予想して、ボールの変化に応じてミートカーソルの位置をリアルタイムで調整したりすればよいので、投球コースおよび球種を予想するという遊戯性がすでにゲームに反映されていると言える。
一方、本実施の形態のゲームは、前記のようなアクションゲームとは異なり、作用対象(ボールオブジェクト)に作用を及ぼすための作用付与部をユーザが直接的に操作しないゲームであり、予めユーザが予想の入力をしておけば、自動進行で打撃が行われるゲームとなっている。このような、基本的に自動進行のゲームでは、従来、ユーザが投球コースを予想して入力した打撃位置のみによって打撃の結果が決まるので、球種を予想するゲーム要素は存在しなかった。これに対して、本実施の形態のゲーム装置10では、基本的に自動進行のゲームであっても、前述のとおり、従来の投球コースの予想に加え、球種の予想も可能である。現実の野球では、打者は投手の配球を読み、投球コースと球種を予想しながら打撃を行うが、本構成により、基本的に自動進行のゲームであっても投球コースおよび球種の両方の予想が可能となっており、従来よりも現実の野球に近い野球ゲームを実現することができる。
すなわち、本実施の形態の構成は、作用対象(ボールオブジェクト等)に作用を及ぼすための作用付与部をユーザが操作しないゲームであっても、作用対象の位置に関するユーザの予想(投球コースの予想等)に加え、位置以外に関するユーザの予想(球種の予想等)も可能とし、興趣性の高いゲームを実現できる。
なお、表示制御手段124による作用付与部(打者側カーソルBC等)の位置の制御に影響を与えない範囲で、ユーザによるアクション操作を可能としてもよい。例えば、図25ないし図27の画面において、ユーザAは、打者キャラクタC10がバットを振るタイミングを入力するようにし、当該タイミングの適否に応じて、打撃力が向上または低下するようなアクション要素を取り入れることは可能である。一例を挙げると、ユーザAは、ボールオブジェクトBLがストライクゾーンSZに到達するタイミングに合わせて、例えば所定のボタンを押す。このタイミングのずれ量によって、打撃力の向上または低下を決定するのである。このようなバットを振るタイミングを指定する操作は、表示制御手段124による打者側カーソルBCの位置の制御に影響を与えることはない。
〔第2の実施の形態〕
前述の第1の実施の形態のゲームシステム1では、サーバ30の側ではなく、ゲーム装置10の側に、ゲーム制御の主体がある構成を説明した。すなわち、第1の実施の形態では、本発明の一態様によるゲーム制御装置を、ゲーム装置10によって実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム制御装置を各ユーザが操作する端末装置(ゲーム装置)と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本発明の一態様によるゲーム制御装置をサーバによって構成する例について説明する。ゲーム制御装置としてのサーバ30Aが組み込まれたゲームシステム1Aの構成例を、図42に示している。このゲームシステム1Aは、インターネットなどのネットワークN上に設置されたサーバ30Aと、ネットワークNを介してサーバ30Aと通信可能に接続できる複数のゲーム装置10A−n(nは正の整数。10A−1、10A−2、・・・)と、を含む。ここで、複数のゲーム装置10A−nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム装置10A」と記載して説明する。
なお、サーバ30Aのハード構成は、基本的に、図3に例示するサーバ30と同様であり、また、ゲーム装置10Aのハード構成は、基本的に、図2に例示するゲーム装置10と同様であるので、その説明を省略する。
このゲームシステム1Aの例において、サーバ30Aは、ゲームサービスを受ける各ユーザのゲーム装置10AからのネットワークNを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNを介したゲームサービスを提供する。
サーバ30Aによるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がサーバ30Aに実装されており、ゲーム装置10Aでゲームを実行するのではなく、ゲーム装置10Aでのゲーム操作入力に応じてサーバ30Aでゲームを実行し、その実行結果を各ユーザのゲーム装置10Aに送信する形態がある。例えば、各ユーザのゲーム装置10Aに搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ30Aが提供する。あるいは、例えば、サーバ30Aでゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式でゲーム装置10Aに送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをサーバ30Aが提供する。
前記のクラウドゲーミング等では、ユーザのゲーム装置10Aは、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はサーバ30A側にある。なお、ゲーム装置10Aにゲームプログラムの一部をインストールし、ゲーム装置10Aにおいても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
ゲーム装置10A(端末装置の一例)としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、業務用ゲーム機など、ネットワークN経由でサーバ30Aに接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
図43は、サーバ30Aの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。サーバ30Aは、基本的に、通信管理手段310A、実行手段320A、キャラクタ管理手段340A、ユーザ情報管理手段350A等を備えている。これらの各手段は、基本的に、サーバ30AのCPUが本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
通信管理手段310Aは、ゲーム装置10A等との情報通信を管理する機能を有する。キャラクタ管理手段340Aおよびユーザ情報管理手段350Aは、第1の実施の形態のゲーム装置10のキャラクタ管理手段140およびユーザ情報管理手段150と同様の機能を有するものであり、その説明を省略する。
実行手段320Aは、ゲーム装置10Aから受信した情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。この実行手段320Aは、主に、受付手段321A、パラメータ決定手段322A、判定手段323A、表示制御手段324A、作用内容決定手段325A等を備えている。なお、受付手段321A、パラメータ決定手段322A、判定手段323A、表示制御手段324A、作用内容決定手段325Aは、それぞれ、第1の実施の形態のゲーム装置10の受付手段121、パラメータ決定手段122、判定手段123、表示制御手段124、作用内容決定手段125と同様の機能を有するものであり、その説明を省略する。このように、前記第1の実施の形態のゲーム装置10の有する機能を、本実施の形態のサーバ30Aに持たせた場合も、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、サーバ30Aとゲーム装置10Aとは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、サーバ30Aとゲーム装置10Aとを含むゲームシステム1Aにおいて、受付手段321A、パラメータ決定手段322A、判定手段323A、表示制御手段324A、作用内容決定手段325A等の全部または一部は、サーバ30Aまたはゲーム装置10A(端末装置の一例)の何れか一方が備えていればよい。このようなシステム構成でも、前述の第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、本実施の形態のゲームシステム1Aは、例えば、以下に示す構成とすることができる。
すなわち、ゲームシステム1Aは、サーバ30Aと、当該サーバ30Aとの間で通信を行うゲーム装置10A(端末装置の一例)と、を含み、作用対象に対して作用を与えるゲームを制御するものであって、前記作用対象に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける受付手段321Aと、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記パラメータを決定するパラメータ決定手段322Aと、
前記パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段322Aによって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する判定手段323Aと、前記作用対象に対応する被作用部および前記作用対象に作用を及ぼすための作用付与部を画面に表示させる表示制御手段324Aと、前記画面内の前記被作用部と前記作用付与部との位置関係に基づいて、前記作用対象に対する作用の内容を決定する作用内容決定手段325Aと、の各手段を前記サーバ30A又は前記ゲーム装置10Aのいずれか一方が備え、前記表示制御手段324Aは、前記判定手段323Aの判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる。
このゲームシステム1Aの構成により、前述の第1の実施の形態のゲーム装置10と同様の作用効果を奏する。すなわち、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感や緊張感を高めることができる興趣性の高いゲームを実現することができる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1・1Aの内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10・10A、サーバ30・30AのRAMや補助記憶装置、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した様々な構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム制御装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
すなわち、本実施の形態のプログラムは、コンピュータを前述のゲーム制御装置(またはゲームシステム)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(またはゲームシステム)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。
本実施の形態のプログラムをコンピュータが実行することにより、前述のとおり、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感や緊張感を高めることができる興趣性の高いゲームを実現することができる。また、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
〔第3の実施の形態〕
上述の各実施の形態では、本発明の一態様のゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムについて、野球ゲームへの適用例を中心に、その他、目的物を攻撃するゲーム等に適用可能な例について説明した。このように、本発明の一態様のゲーム制御装置等は、作用対象に対して作用を与える様々なゲームに適用できる。その一例を以下に説明する。
ユーザAのモンスターAは、対戦相手であるユーザB(対戦相手はCPUであってもよい)のモンスターB(作用対象の一例)に対して攻撃を仕掛けることができる。ここで、隠れているまたは逃げるモンスターBに対して、モンスターAが一方的に攻撃をしかけてもよいし、攻撃を仕掛けてくるモンスターBに対して、モンスターAも攻撃を仕掛けるようにしてもよい。
モンスターBには複数の属性(例えば、火、水、風、…)の何れかの属性が予め設定されている、またはユーザBが前記複数の属性の中から選択した属性が設定される。なお、ユーザAはモンスターBの属性は知らない。また、ユーザAは、モンスターBがどこに隠れていて、どこに出現し、どの方向に逃走するかも知らない。そこで、ユーザAは、攻撃を仕掛ける前に、モンスターBの出現位置(逃走経路上の位置でもよい)、モンスターBの属性(攻撃や防御のタイプ、攻撃力、防御力等のパラメータであってもよい)を予想して入力する。一方、対戦相手のユーザB(またはCPU)も、モンスターAからの攻撃を避けるために逃げる位置を入力する。
その後、結果確認画面には、ユーザAが予想した位置にモンスターAが表示されると共に、ユーザBが指定した位置にモンスターBが表示される。ここで、モンスターAとモンスターBが接触しているまたは重なっている場合、強力な攻撃ができる。また、モンスターAとモンスターBとが離間していても、両者の距離が近いほど、強力な攻撃ができる。また、ユーザAが予想した属性が的中している場合、モンスターAがモンスターBの方向へ近づく。これにより、モンスターAがモンスターBに体当たりして強い攻撃ができたり、両者の距離が縮まることにより強い攻撃ができるようになったりする。
このゲームはほんの一例であり、本発明の一態様のゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムは、作用対象に対して作用を与えるゲームであり、ユーザが作用対象に関するパラメータを予想することができるゲームであれば、その他の様々なゲームにも適用できる。
〔付記〕
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様によるゲーム制御装置(10、10A、30A)は、作用対象(例えばボールオブジェクトBL)に対して作用を与えるゲームを制御するゲーム制御装置(10、10A、30A)であって、前記作用対象(BL)に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける(例えばS102の処理)受付手段(121、321A)と、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記パラメータを決定(例えばS106の処理)するパラメータ決定手段(122、322A)と、前記パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段(122、322A)によって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定(例えばS116の処理)する判定手段(123、323A)と、前記作用対象(BL)に対応する被作用部(PC)および前記作用対象(BL)に作用を及ぼすための作用付与部(BC)を画面に表示(例えばS108、S110の処理)させる表示制御手段(124、324A)と、前記画面内の前記被作用部(PC)と前記作用付与部(BC)との位置関係に基づいて、前記作用対象(BL)に対する作用の内容を決定(例えばS124の処理)する作用内容決定手段(125、325A)と、を備え、前記表示制御手段(124、324A)は、前記判定手段(123、323A)の判定結果に基づいて、前記被作用部(PC)に対する前記作用付与部(BC)の位置を変動(例えばS118の処理)させる。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、業務用ゲーム機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成のゲーム制御装置は、作用対象に対して作用を与えるゲームを制御する。ここで、「作用対象」とは、例えば、作用が与えられる対象であるオブジェクト、キャラクタ、アイテムである。例えば、スポーツゲームにおけるボールオブジェクト、目的物を攻撃するゲームにおけるモンスター、ロボット、戦闘機、ミサイル等のキャラクタまたはアイテム、目的物を捕獲するゲームにおける昆虫、鳥、魚、動物、架空の生き物等のキャラクタが作用対象の一例に相当する。また、「作用」とは、例えば、作用対象に力を及ぼす、または作用対象と関係をもつことにより当該作用対象に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、打撃する、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。あるいは、作用対象のパラメータや属性を変えるものであってもよい。例えば、作用対象の色や大きさ、能力を変えることも作用の一例に相当する。
本構成の受付手段は、前記作用対象に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける。ここで、「作用対象に関するパラメータ」とは、例えば、作用対象の位置、状態、性質、特徴、能力、動作等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトが投球される位置(投球コース)、球種、球速等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。
また、前記「ユーザの予想」とは、例えば、ユーザが予想対象のパラメータを知らない状況において、ユーザが予想した前記パラメータの内容である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトが投球される前に、ユーザが予想したカーブ、スライダー等の球種が、ユーザの予想の一例に相当する。また、ボールオブジェクトが投球される前に、ユーザが予想した外角低め、内角高め等の投球コース(ストライクゾーン上の位置座標等)が、ユーザの予想の一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの各種パラメータをユーザが知らない状況において、ユーザが予想した当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が、ユーザの予想の一例に相当する。
ユーザは、作用対象に関するパラメータを予想して、当該予想に関する情報を、タッチパネル、物理的なボタン、コントローラ、方向キー、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等の操作部を介して入力する。また、ユーザは、音声入力により、前記予想に関する情報を入力してもよい。あるいは、ゲーム進行の遅延を防止する等のために、ユーザの予想を受け付ける予想受付期間を限定し、当該予想受付期間内にユーザが予想の入力操作をしなかった場合には、受付手段が、予め定められたデフォルトの情報を、ユーザの予想とみなして受け付ける処理をしてもよい。
また、パラメータ決定手段は、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記パラメータを決定する。すなわち、パラメータ決定手段は、ユーザが対戦相手の他のユーザと対戦する場合には、対戦相手による操作に基づいて、作用対象に関するパラメータを決定する。例えば、野球ゲームにおいて、対戦相手の他のユーザが投手側である場合、ボールオブジェクトに関するパラメータとして、投球コースおよび球種を指定する操作を行うことにより、パラメータ決定手段は、前記操作により指定された投球コースおよび球種に決定する。なお、当然ながら、対戦相手の他のユーザは、ユーザが何を予想したかについては知らない状況で前記操作を行う。あるいは、パラメータ決定手段は、ユーザが1人で遊戯するCPU対戦の場合(対戦相手の他のユーザがいない場合)、自動的に、作用対象に関するパラメータを決定する。
ここで、前記「自動的」とは、例えば、人の操作を伴うことなく処理が実行されるさまをいう。「自動的にパラメータを決定する」とは、人の操作を伴うことなく、パラメータを決定することをいう。例えば、ユーザがコンピュータ(CPU)を相手とする1人プレイの対戦(いわゆるCPU対戦)を遊技する場合において、CPUが作用対象に関するパラメータ(対戦相手側のキャラクタ等)のパラメータを決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。例えば、野球ゲームのCPU対戦でユーザが攻撃側、CPU守備側の状況において、CPUが、投手キャラクタが投球する投球コース、球種、球速等のパラメータを決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームのCPU対戦では、ユーザが攻撃しようとするキャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等のパラメータを、CPUが決定することが、自動的にパラメータを決定する一例に相当する。
また、判定手段は、前記パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段によって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する。ここで、「予想結果」とは、例えば、ユーザの予想が的中したか否かを示す予想の当否、または予想が一致した程度を示す予想の一致度をいう。この判定手段の判定結果により、後述するように、被作用部に対する作用付与部の位置が変動する。
また、表示制御手段は、前記作用対象に対応する被作用部および前記作用対象に作用を及ぼすための作用付与部を画面に表示させる。ここで、「作用対象に対応する被作用部」とは、例えば、画面に表示される画像であって、作用対象そのもの(例えばボールオブジェクトやモンスター等)の画像であってもよいし、作用対象そのものではなく作用対象に関係するオブジェクト(例えばボールオブジェクトの着弾点やモンスターが出現する位置を示すカーソル等)の画像であってもよい。
例えば、野球ゲームの場合、ホームベース上における投手側の投球位置を示す投手側カーソルを被作用部として画面に表示させると共に、打者側のスイング位置(打撃位置)を示す打者側カーソルを作用付与部として画面に表示させることができる。あるいは、例えば、投球されたボールキャラクタの画像を被作用部として画面に表示させると共に、バットキャラクタの画像を作用付与部として画面に表示させてもよい。
また、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームの場合、作用対象であるモンスターBの画像を被作用部として画面に表示させると共に、前記モンスターBに攻撃を仕掛けるユーザのモンスターAを作用付与部として画面に表示させることができる。
画面上の被作用部および作用付与部のそれぞれの位置(判定手段の判定結果を反映させる前の初期位置)は、例えば、ランダムに決定してもよいし、何れか一方または両方の位置を予め定められた所定の位置(デフォルトの位置)としてもよい。
あるいは、後述する2)の構成のように、パラメータ決定手段によって決定された位置(例えば、ボールオブジェクトが投球される位置)を被作用部の位置(初期位置)とすると共に、ユーザの予想した位置(例えば、投球コースを予想した位置)を作用付与部の位置(初期位置)としてもよい。但し、被作用部および作用付与部の位置関係は前記初期位置において固定ではなく、後述するように、前記判定手段の判定結果、すなわち、ユーザの予想の結果によって、前記初期位置から変動する可能性がある。
また、作用内容決定手段は、前記画面内の前記被作用部と前記作用付与部との位置関係に基づいて、前記作用対象に対する作用の内容を決定する。ここで、「作用の内容」とは、例えば、作用対象に対して与えられる作用の種類(打撃、回転、捕捉、破壊、変形、パラメータや属性の変更等)、その大きさや方向等をいう。例えば、作用がボールに対する打撃の場合、ボールに付与される打撃力の大きさや方向が作用の内容の一例に相当する。また、作用が与えられた後の作用対象の状態や動作等も、作用の内容に含まれる。例えば、作用がボールに対する打撃の場合、打撃された後のボール(打球)が移動する方向、速度、飛距離等も作用の内容の一例に相当する。また、作用対象に対して作用を与えない(作用対象に何ら影響を及ぼさない)ということも、作用の内容に含まれる。例えば、野球ゲームにおいて、バットにボールが当たらずにボールに作用が付与されない「空振り」も、作用の内容の一例に相当する。
例えば、作用内容決定手段は、画面内に表示された前記被作用部と前記作用付与部との少なくとも一部が重なっている場合、作用対象に対して作用が与えられるものとする。この場合、前記被作用部と前記作用付与部との重なりの程度に応じて、作用対象に対する作用の内容を変化させることができる。例えば、野球ゲームの場合、前記被作用部の中心部と前記作用付与部の中心部との距離が小さいほど(すなわち、両者が重なる面積が大きくなるほど)、打球の速度や飛距離が大きくなるように、打撃の内容を決定する。また、モンスターを攻撃するゲームの場合、前記被作用部の中心部と前記作用付与部の中心部との距離が小さいほどモンスターに強い攻撃ができるものとする。また、作用内容決定手段は、前記被作用部と前記作用付与部とが重なっていない(離間している)場合に作用対象に対して作用が与えられないものとする(例えば、野球ゲームの場合は空振りとし、モンスターゲームの場合は攻撃失敗とする)ことができる。あるいは、作用内容決定手段は、画面内に表示された前記被作用部と前記作用付与部とが接触した場合に、作用対象に対して作用が与えられるものとすることができる。ここで、前記被作用部と前記作用付与部とが接触「接触する」とは、両者が「衝突する」、「当接する」という状態を含む。作用付与部と移動体との接触(衝突)判定は、既知の接触判定(衝突判定)アルゴリズムを適用することができる。この場合、前記被作用部と前記作用付与部とが接触(当接)しなかった場合、作用対象に対して作用が与えられないものとすることができる。
あるいは、画面内に表示された前記被作用部と前記作用付与部とが離間していても、両者の距離に応じて、作用対象に作用が付与されるようにしてもよい。例えば、キャラクタを攻撃するゲーム等の場合、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、より大きな作用が前記キャラクタに付与される(例えば、破壊力が大きくなる)ようにすることができる。そして、前記被作用部と前記作用付与部との少なくとも一部が重なった場合には、重なっていない場合よりも、より大きな作用が付与されるようにする。逆に、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が大きいほど、より大きな作用が作用対象に付与されるようにしてもよい。
そして、前記表示制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる。例えば、前記被作用部と前記作用付与部とが重なっている場合に作用対象に作用を付与できる構成や、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成では、判定結果がユーザの予想的中の場合、作用付与部を被作用部に近づける。また、ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部により近づけてもよい。また、例えば、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部に近づけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部から遠ざけてもよい。なお、作用付与部を被作用部に近づける(または遠ざける)とは両者の相対的な位置を近づける(または遠ざける)ことであり、作用付与部と被作用部の少なくとも一方の位置を変更すればよい。
例えば、表示制御手段は、判定手段の判定結果を反映させる前の被作用部と作用付与部とを画面に一旦表示した後に、判定手段の判定結果に基づいて、被作用部に対する作用付与部の位置を変動させる表示制御を行う(例えば、動画により前記位置の変動を表示させる)ようにすることができる。例えば、判定手段の判定結果を反映させる前の被作用部と作用付与部とを画面に、一旦、初期表示した後、予想的中の場合には、作用付与部を被作用部に近づける演出表示を行う。
なお、バリエーションとしては、作用付与部が被作用部に対して、時系列的あるいは経時的に徐々に近づくのではなく、予想的中の場合には、いきなり作用付与部が被作用部に近接した状態を画面に表示してもよい。すなわち、判定手段の判定結果を反映させた、結果画面が、いきなり表示されるようにしてもよい。
また、前記被作用部と前記作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が大きいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成では、判定結果がユーザの予想的中の場合、作用付与部を被作用部から遠ざけるようにしてもよい。また、ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部からより遠ざけてもよい。また、例えば、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部から遠ざけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部に近づけてもよい。
これにより、ユーザの予想の結果を、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで、ゲームの画面に反映させることができる。本構成のゲームは、被作用部と作用付与部との位置関係に基づいて、作用対象に対する作用の内容が決定されるゲームであり、両者の位置関係が最も重要なゲーム要素である。このようなゲームにおいて、被作用部と作用付与部との位置関係を従来のように固定化されたものではなく、ユーザの予想結果に基づいて被作用部に対する作用付与部の位置を変動させることにより、ある程度ゲームが進行しない限り、あるいは所定のゲーム場面の結末にならない限り、被作用部と作用付与部との最終的な位置関係が判明しない構成とすることができる。これにより、ユーザは、自分の予想が当たったのか否かを直ちには判断できず、予想が当たることへの期待感と、外れるかもしれないという緊張感を持って、ゲーム進行を見守ることとなるため、従来ゲームの単調さを解消できる。すなわち、本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感や緊張感を高めることができる興趣性の高いゲームを実現することができる。
2)上記の1)の構成において、前記パラメータは、少なくとも、前記作用対象(BL)の位置に関する第1パラメータ(例えば投球コース)と、前記位置以外に関する第2パラメータ(例えば球種)と、を含み、前記判定手段(123、323A)は、前記第2パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段(122、322A)によって決定された前記第2パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定(例えばS116の処理)し、前記表示制御手段(124、324A)は、前記パラメータ決定手段(122、322A)が決定した前記第1パラメータに基づいて設定した位置に前記被作用部(PC)を、前記第1パラメータに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記作用付与部(BC)を、それぞれ表示(例えばS108、S110の処理)した後、前記判定手段(123、323A)の判定結果に基づいて、前記被作用部(PC)に対する前記作用付与部(BC)の位置を変動(例えばS118の処理)させることが好ましい。
この構成では、作用対象に関するパラメータには、作用対象の位置に関する第1パラメータと、前記位置以外に関する第2パラメータが含まれる。ここで、「位置に関する第1パラメータ」とは、例えば、作用対象の位置等を示す情報であり、2次元平面上あるいは3次元空間内の座標を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置座標だけでなく、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標(例えば、1フレーム(1/60秒)毎に変化する各位置座標)も、位置に関する第1パラメータに相当する。さらにまた、軌道上の各位置座標をストライクゾーン上の平面に投影した場合の位置座標(例えばボールキャラクタの着弾点)、即ち、3次元空間上の位置を2次元平面上に変換した位置に関する情報等も、位置に関する第1パラメータに相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの2次元平面上の位置座標、または3次元空間内の位置座標、あるいは3次元空間内の位置を2次元平面上に変換した位置に関する情報が、位置に関する第1パラメータに相当する。さらにまた、上記位置座標以外に、例えば、2次元平面上で予めマトリクス状に仕切られた各ブロックのどこに含まれるかを示す情報であってもよい。また、例えば、3次元空間内を予めx、y、zの各方向に仕切った各ブロックのどこに含まれるかを示す情報であってもよい。
また、前記「位置以外に関する第2パラメータ」とは、例えば、作用対象の状態、性質、特徴、能力、動作等を示す情報である。例えば、野球ゲームでは、ボールオブジェクトの球種、球速等が作用対象に関するパラメータの一例に相当する。また、例えば、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、当該キャラクタの属性、タイプ、攻撃力、防御力等が相当する。
この構成では、ユーザは、作用対象の位置に関する第1パラメータと、位置以外に関する第2パラメータを予想することができる。例えば、野球ゲームでは、ユーザが、第1パラメータとして投球コース(例えば、ボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置)を、第2パラメータとして球種を、それぞれ予想する。なお、第2パラメータとして、球種および球速の2つのパラメータをユーザが予想する等、複数の第2パラメータを予想してもよい。第1パラメータおよび第2パラメータに対するユーザの予想は、前記受付手段によって受け付けられる。
前記判定手段は、前記第2パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段によって決定された前記第2パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定する。例えば、判定手段は、打者側のユーザが第2パラメータとして球種「フォーク」を予想した場合、パラメータ決定手段によって決定された、投手側が投球する球種が「フォーク」であれば予想的中、「フォーク」以外の球種であれば予想外れの判定を行う。
そして、前記表示制御手段は、前記パラメータ決定手段が決定した前記第1パラメータに基づいて設定した位置に前記被作用部を、前記第1パラメータに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記作用付与部を、それぞれ表示する。これにより、ユーザによる位置に関する予想の結果が、画面に反映される(例えば、ユーザの投球コースの予想が的中すれば被作用部と作用付与部とが重なり、予想が外れれば両者が離間する)。その後、前記表示制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる。例えば、判定結果がユーザの予想的中の場合、作用付与部を被作用部に近づける。ユーザの予想の一致度が高いほど、作用付与部を被作用部により近づけてもよい。また、判定結果がユーザの予想外れの場合、作用付与部を被作用部に近づけない(現状維持)または、作用付与部を被作用部から遠ざけてもよい。これにより、ユーザによる位置以外に関する予想の結果を、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで、画面に反映させることができる。
この構成は、最初、判定手段の判定結果に基づく作用付与部の位置変動を、画面に反映させない状態で表示し、その後に、判定手段の判定結果に基づく作用付与部の位置変動を画面に表示する構成である。これにより、例えば、野球ゲームの場合、最初から投球コースおよび球種予想の両方の結果を反映させた画面を表示するのではなく、先ず、投球コースの予想の結果に関する画面を初期表示し、その後、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで球種予想等の結果を画面に反映させるので、ユーザの予想の当否にかかわらず、ユーザに期待感を持たせることができる。
すなわち、ユーザが予想入力を行った後、初期表示される画面には、位置以外に関する第2パラメータの予想結果が反映されておらず、ユーザの予想結果が全て分かるのは、その後に表示される、作用付与部の位置変動の画面をユーザが見た後である。これにより、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが離れて表示されており、一見すれば位置に関する第1パラメータの予想が外れているようであっても、その後に表示される作用付与部の位置変動の画面により、作用付与部が被作用部に近づいて、思いのほか良いゲームプレイの結果が得られることもある。その反対に、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが重なっており、一見すれば位置に関する第1パラメータの予想が的中したようであっても、その後に表示される作用付与部の位置変動の画面により、作用付与部と被作用部とが離れてしまい、ユーザにとって期待外れのゲームプレイの結果となってしまうこともあり得る。何れにしても、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかが判断し難くなるので、ユーザは最後まで期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。このように、本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感を高めて興趣性の高いゲームを実現することができる。
3)上記の2)の構成において、前記作用対象(BL)は移動体であり、前記第1パラメータは前記移動体の移動コースのパラメータ(例えば投球コース)であり、前記第2パラメータは前記移動体の軌道変化のパラメータ(例えば球種)であることが好ましい。
この構成のゲーム制御装置は、移動体を作用対象としたゲームに適用される。ここで、「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。例えば、スポーツゲームにおけるボールオブジェクト、目的物を攻撃または捕獲するゲームにおける、空中、地上、地中、または海中を移動するモンスター、戦闘機、ミサイル、昆虫、鳥、魚、動物、仮想の生物等のキャラクタまたはアイテムを移動体として挙げることができる。
そして、作用対象の位置に関する第1パラメータは、前記移動体の移動コースのパラメータとすることができる。ここで、「移動コースのパラメータ」とは、例えば、移動体が到達または通過する位置を示すパラメータである。例えば、「移動コースのパラメータ」は、移動体が到達または通過する位置を、2次元平面上あるいは3次元空間内の座標によって示すことができる。例えば、野球ゲームでは、移動体の一例としてのボールオブジェクトがストライクゾーン上を通過する際の位置座標を、ボールオブジェクトの移動コース(すなわち投球コース)のパラメータとすることができる。あるいは、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標(例えば、1フレーム(1/60秒)毎に変化する各位置座標)を前記投球コースのパラメータとすることができる。さらにまた、ボールオブジェクトがストライクゾーンに至るまでの軌道上の各位置座標をストライクゾーン上の平面に投影した場合の位置座標(例えばボールキャラクタのストライクゾーン上の着弾点)、即ち、3次元空間上の位置を、ストライクゾーンを含む2次元平面上に変換した位置に関する情報も、前記投球コースのパラメータとすることができる。さらにまた、「移動コースのパラメータ」は、上記位置座標以外に、例えば、2次元平面上で予めマトリクス状に仕切られた各ブロックのどのブロックに移動体が到達(または通過)するかを示す情報とすることができる。また、「移動コースのパラメータ」は、例えば、3次元空間内を予めx、y、zの各方向に仕切った各ブロックのどのブロックに移動体が到達(または通過)するかを示す情報とすることができる。
また、位置以外に関する第2パラメータは、前記移動体の軌道変化のパラメータとすることができる。ここで、「軌道変化のパラメータ」とは、例えば、移動体の軌道がどのように変化するのかを示すパラメータである。例えば、野球ゲームでは、ストレート、カーブ、フォークボール等の球種が、軌道変化のパラメータの一例に相当する。あるいは、移動体の軌道が変化する方向を示す情報、例えば、上、下、左、右、左斜め下(上)、右斜め下(上)等の情報も、軌道変化のパラメータの一例に相当する。前記方向を示す情報は、各方向に対応付けられた数値、記号、テキスト情報とすることができる。あるいは、前記方向を示す情報は、各方向を矢印等で示す画像情報であってもよい。
この構成によれば、野球ゲームをはじめとして、移動体を作用対象とした様々なゲームに本ゲーム制御装置を適用することができる。
4)上記の3)の構成において、前記表示制御手段(124、324A)は、前記画面に表示する前記被作用部(PC)の位置を、前記パラメータ決定手段(122、322A)が決定した軌道変化のパラメータに応じて変動(例えばS118の処理)させることが好ましい。
この構成では、パラメータ決定手段が決定した移動体の軌道変化のパラメータ(例えば、野球ゲームでは、対戦相手の他のユーザが指定した球種)に応じて、画面に表示される被作用部の位置が変動する。例えば、野球ゲームで球種がフォークボール等の変化球であった場合、その変化球の軌道変化に応じて、被作用部(例えば着弾点)の位置が画面上で変化する。これにより、画面上で対戦相手の他のユーザが指定した、またはCPU等が自動的に設定した球種(軌道変化のパラメータの一例)が、被作用部の位置の変化として画面上で確認できる。
また、この構成の場合、先ず、第1パラメータ(投球コース等)の予想の結果が画面に初期表示されるが、ここで表示される被作用部の位置は最終的な位置ではなく、軌道変化により変動し得る位置である。従って、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが離間して表示されており、一見すれば位置に関する第1パラメータのユーザの予想が外れているようであっても、その後、軌道変化に応じて被作用部の位置が変動して(例えば、フォークボールの場合には被作用部の位置が下方向に移動して)、実は第1パラメータのユーザの予想が当たっていたということもある。その反対に、例えば、初期表示される画面では被作用部と作用付与部とが重なっており、一見すれば位置に関する第1パラメータのユーザの予想が的中したようであっても、その後、軌道変化に応じて被作用部の位置が変動して、実は第1パラメータのユーザの予想が外れていたということもある。
このように、画面に表示する被作用部の位置を、パラメータ決定手段が決定した軌道変化のパラメータに応じて変動させる構成を採用することにより、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの第1パラメータの予想が当たっているのか、外れているのかの判断がより難くなるので、ユーザは最後まで期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。
そして、前述のように、第2パラメータに対するユーザの予想結果を判定する判定手段の判定結果に基づいて作用付与部の位置が変動するというゲーム要素に、本構成の軌道変化に応じて被作用部の位置が変動するというゲーム要素が加わるので、当該両ゲーム要素の複合により、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかの判断がよりし難くなる。よって、ユーザは最後までより大きな期待感と緊張感をもって画面を注視し、ゲームを楽しむことができる。本構成により、ゲームプレイの結果に対するユーザの期待感と緊張感がより一層高まり、ゲーム性のさらなる向上が図られる。
5)上記の1)ないし4)の何れかの構成において、前記表示制御手段(124、324A)は、前記判定手段(123、323A)の前記判定結果が予想的中(例えばS116のYESの処理)の場合に、前記被作用部(PC)および前記作用付与部(BC)を前記画面に表示(例えばS108、S110の処理)させた後に、前記作用付与部(BC)を前記被作用部(PC)に近づけることが好ましい。
ここで、「予想的中」には、例えば、ユーザの予想が完全に一致した場合の他、予想の一致度が所定の値またはレベル以上の場合を含む。
この構成は、被作用部と作用付与部とが重なっている場合に作用対象に作用を付与できる構成や、被作用部と作用付与部との距離(例えば、両者の中心部同士の距離)が小さいほど、作用対象により大きい作用が付与される構成に好適である。この構成では、判定手段の前記判定結果が予想的中の場合に、被作用部および作用付与部が画面に表示された後、作用付与部が被作用部に近づいていくので、例えば、初期表示の状態では被作用部と作用付与部とが離間していても、最終的に両者が重なって作用対象に作用が付与されるような演出表示が可能となる。あるいは、初期表示の状態において、被作用部と作用付与部との一部が重なっている状態において、最終的に両者の中心部同士が重なって作用対象に付与される作用が最大となるような演出表示も可能である。本構成により、ユーザの予想が的中した場合のメリットを、画面上で明確化することができる。
6)上記の1)ないし5)の何れかの構成において、前記表示制御手段(124、324A)は、前記作用付与部(BC)を前記被作用部(PC)に近づける距離が大きいほど、前記作用付与部(BC)の少なくとも一部の大きさを縮小(例えばS120の処理)することが好ましい。
この構成では、ユーザの予想(例えば、球種の予想)が的中して作用付与部を被作用部に近づける場合、近づける距離が大きいほど、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小することにより、球種予想等が当たった場合のメリットが大きくなり過ぎないように、バランスをとることができる。
作用付与部を縮小する場合、作用付与部全体を縮小してもよいのはもちろんのこと、例えば、後述する8)の構成のように、作用付与部を第1領域と第2領域とを含む構成とした場合、第1領域と第2領域との何れか一方を縮小するようにしてもよい。
7)上記の1)ないし6)の何れかの構成において、前記表示制御手段(124、324A)は、前記判定手段(123、323A)の前記判定結果が予想外れ(例えばS116のNOの処理)の場合に、前記判定結果が予想的中の場合よりも前記作用付与部(BC)の少なくとも一部の大きさを縮小(例えばS122の処理)することが好ましい。
ここで、「予想外れ」には、例えば、ユーザの予想が完全に外れた場合の他、予想の一致度が所定の値またはレベルよりも低い場合を含む。この構成では、判定手段の判定結果が予想外れの場合、例えば、ユーザの球種の予想が外れた場合、予想的中の場合よりも、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小することにより、予想外れの場合のデメリットを明確化することができる。これにより、遊戯に一層の緊張感が生まれ、ゲーム性の向上が図られる。
8)上記の6)または8)の構成において、前記作用付与部(BC)は、その中心部を含む第1領域(BC1)と、前記第1領域(BC1)の外側に設けられ、前記第1領域(BC1)よりも前記作用対象(BL)に及ぼす前記作用が小さい第2領域(BC2)と、を含むことが好ましい。
この構成では、作用付与部は、少なくとも第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成される。第1領域は作用付与部の中心部を含む領域であり、第2領域は、第1領域の外側に設けられる領域である。例えば、作用付与部を内側の円と外側の円とを有する二重円の構造とした場合、内側の円の内部が第1領域、外側の円の内部であって第1領域の外側のリング状の領域(内側の円と外側の円とに挟まれたリング状の領域)を第2領域とすることができる。また、第1領域は、第2領域よりも作用対象に及ぼす作用が大きい領域である。例えば、野球ゲームの場合、第1領域は真芯でボールキャラクタをとらえることができる強打領域であり、第2領域は真芯から外れているがボールキャラクタをとらえることができる通常領域とすることができる。また、モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームでは、第1領域は破壊力(攻撃力)の強い領域であり、第2領域は第1領域よりも破壊力の弱い領域とすることができる。
例えば、上記のような二重円の構造の作用付与部において、作用付与部の少なくとも一部の大きさを縮小する場合、外側の円の大きさは変化しないが、内側の円の大きさが変化するようにする(すなわち、第1領域の大きさが縮小するようにする)ことができる。これにより、例えば、前記野球ゲームの場合、二重円の内側の第1領域が縮小されたことにより、被作用部が作用付与部の第1領域に重なり難くなるので、バットには当たるが、ヒットになり難くなる(真芯でとらえ難くなる)といった細かい演出が可能となる。また、例えば、前記モンスター等のキャラクタを攻撃するゲームの場合、攻撃はできるが、破壊力の大きい攻撃がし難くなるといった細かい演出が可能となる。
なお、作用付与部は円形状には限定されるものではなく、円以外の形状において、少なくとも第1領域と第2領域とを含むような構成(例えば、n角形の多重構造、バットキャラクタやモンスターの形状で多重構造等)にすることができる。
以上のように、作用付与部を、少なくとも第1領域と第2領域とを含む複数の領域から構成されようにしたことで、作用対象に付与する作用に変化を持たせることができ、細かい演出が可能となるという効果を奏する。
8)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、10A、30A)は、投球されたボールオブジェクト(BL)をキャラクタ(C10)が打撃するゲームを制御するゲーム制御装置(10、10A、30A)であって、投球コースおよび球種に対する、ユーザの予想を受け付ける(例えばS102の処理)受付手段(121、321A)と、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記投球コースおよび前記球種を決定(例えばS106の処理)するパラメータ決定手段(122、322A)と、前記球種に対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段(122、322A)によって決定された前記球種とに基づいて、ユーザの予想結果を判定(例えばS116の処理)する判定手段(123、323A)と、前記ボールオブジェクト(BL)がストライクゾーン(SZ)へ到達する領域を示す被作用部(PC)および前記ボールオブジェクト(BL)を打撃するための作用付与部(BC)を画面に表示(例えばS108、S110の処理)させる表示制御手段(124、324A)と、前記画面内の前記被作用部(PC)と前記作用付与部(BC)との重なりの状態に基づいて、前記ボールオブジェクト(BL)に対する打撃の内容を決定(例えばS124の処理)する作用内容決定手段(125、325A)と、を備え、前記表示制御手段(124、324A)は、前記パラメータ決定手段(122、322A)が決定した前記投球コースに基づいて設定した位置に前記被作用部(PC)を、前記投球コースに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記作用付与部(BC)を、それぞれ表示(例えばS108、S110の処理)した後、前記判定手段(123、323A)の判定結果に基づいて、前記被作用部(PC)に対する前記作用付与部(BC)の位置を変動(例えばS124の処理)させる。
この構成のゲーム制御装置は、投球されたボールオブジェクトを打撃する野球ゲームまたはソフトボールゲームを制御する。打者側のユーザは、投球コースおよび球種を予想可能であり、受付手段は、投球コースおよび球種に対するユーザの予想を受け付ける。パラメータ決定手段は、ユーザの対戦相手の他のユーザによる操作に基づいて、投手が投げる投球コースおよび球種を決定する。あるいは、パラメータ決定手段は、例えばCPU対戦の場合、自動的に、投手が投げる投球コースおよび球種を決定する。
判定手段は、前記球種に対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段によって決定された前記球種とに基づいて、すなわち、ユーザの予想した球種と、実際に投手が投げる球種とを比較して、ユーザの予想結果を判定する。この判定結果は、被作用部に対する作用付与部の位置を変動させるために用いられる。
表示制御手段は、前記ボールオブジェクトがストライクゾーンへ到達する領域を示す被作用部および前記ボールオブジェクトを打撃するための作用付与部を画面に表示させる。また、作用内容決定手は、前記画面内の前記被作用部と前記作用付与部との重なりの状態に基づいて、前記ボールオブジェクトに対する打撃の内容を決定する。よって、このゲームでは、画面内の被作用部と作用付与部との位置関係が重要である。
ここで、前記表示制御手段は、先ず、前記パラメータ決定手段が決定した前記投球コースに基づいて設定した位置に前記被作用部を、前記投球コースに対する前記ユーザの予想に基づいて設定した位置に前記作用付与部を、それぞれ初期表示する。その後、表示制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記被作用部に対する前記作用付与部の位置を変動させる。すなわち、最初から投球コースおよび球種予想の両方の結果を反映させた画面を表示するのではなく、先ず、投球コースの予想の結果に関する画面に表示し、その後、被作用部に対する作用付与部の位置の変動というかたちで球種予想の結果を画面に反映させるので、投球コースおよび球種に対するユーザの予想の当否にかかわらず、ユーザに期待感と緊張感を持たせることができる。これにより、ゲームプレイの結果が出る直前まで、事前に行ったユーザの予想が当たっているのか、外れているのかが判断し難くなるので、ユーザは最後まで期待感と緊張感をもって画面を注視し、野球ゲームを楽しむことができる。
10)本発明の他の一態様によるゲームシステム(1、1A)は、サーバ(30、30A)と、当該サーバ(30、30A)と通信可能な端末装置(10、10A)とを含み、作用対象(BL)に対して作用を与えるゲームを制御するゲームシステム(1、1A)であって、前記作用対象(BL)に関するパラメータに対する、ユーザの予想を受け付ける(例えばS102の処理)受付手段(121、321A)と、前記ユーザの対戦相手による操作に基づいて、又は自動的に、前記パラメータを決定(例えばS106の処理)するパラメータ決定手段(122、322A)と、前記パラメータに対する前記ユーザの予想と前記パラメータ決定手段(122、322A)によって決定された前記パラメータとに基づいて、ユーザの予想結果を判定(例えばS116の処理)する判定手段(123、323A)と、前記作用対象(BL)に対応する被作用部(PC)および前記作用対象(BL)に作用を及ぼすための作用付与部(BC)を画面に表示(例えばS108、S110の処理)させる表示制御手段(124、324A)と、前記画面内の前記被作用部(PC)と前記作用付与部(BC)との位置関係に基づいて、前記作用対象(BL)に対する作用の内容を決定(例えばS124の処理)する作用内容決定手段(125、325A)と、の各手段を前記サーバ(30、30A)又は前記端末装置(10、10A)のいずれか一方が備え、前記表示制御手段(124、324A)は、前記判定手段(123、323A)の判定結果に基づいて、前記被作用部(PC)に対する前記作用付与部(BC)の位置を変動(例えばS118の処理)させる。
11)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを前記1)ないし9)の何れかに記載のゲーム制御装置(10、10A、30A)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(10、10A、30A)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。